JPH10217108A - ウェーハ研磨装置 - Google Patents

ウェーハ研磨装置

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JPH10217108A
JPH10217108A JP1577597A JP1577597A JPH10217108A JP H10217108 A JPH10217108 A JP H10217108A JP 1577597 A JP1577597 A JP 1577597A JP 1577597 A JP1577597 A JP 1577597A JP H10217108 A JPH10217108 A JP H10217108A
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弘之 小林
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修 遠藤
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広雄 宮入
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウェーハ研磨装置において、ウェーハ外周部
における過研磨を防止し、研磨量均一性を高めること。 【解決手段】 研磨パッド24が貼付されたプラテン2
2と、ウェーハWの一面を保持して研磨パッドにウェー
ハの他面を当接させる1または2以上のウェーハ保持ヘ
ッド32と、ウェーハ保持ヘッドを駆動することにより
研磨パッドでウェーハの他面を研磨するヘッド駆動機構
30とを具備し、ウェーハ保持ヘッドは、ウェーハの一
面を保持するための円盤状のキャリア46と、キャリア
の外周に同心状に配置されたリテーナリング50とを有
し、リテーナリングは、ヘッド軸線方向に変位可能とさ
れ、その下面が研磨時には研磨パッドに当接するように
構成され、該下面には、リテーナリングの内側近傍に生
じる研磨パッドの盛り上がり部Tを逃がす逃げ部70が
全周に亙って形成されている技術が採用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はウェーハ研磨装置に
関し、特にウェーハ表面の研磨量均一性を向上するため
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】最近では、半導体素子の製造工程におい
て、ウェーハの鏡面にアルミニウム等を蒸着して回路パ
ターンを形成し、その上にSiO2等の絶縁膜を形成し
た後、この絶縁膜を研磨により平坦化して、さらにその
上に素子の内部構造を順次構築する技術が多用されてい
る。
【0003】積層された上記絶縁膜を研磨するウェーハ
研磨装置として、表面に研磨パッドが貼付された円盤状
のプラテンと、研磨すべきウェーハの一面を保持して研
磨パッドにウェーハの他面を当接させる複数のウェーハ
保持ヘッドと、これらウェーハ保持ヘッドをプラテンに
対し相対回転させるヘッド駆動機構とを具備し、研磨パ
ッドとウェーハの間に研磨砥粒を含むスラリーを供給す
ることにより研磨を行うものが広く知られている。
【0004】この種のウェーハ研磨装置としては、構成
が簡単なテンプレート型と称されるものが現在も広く使
用されている。この装置のウェーハ保持ヘッドは、ウェ
ーハよりも大きい外径を有する水平な円盤状のキャリア
を有し、このキャリアの下面にウェーハの外周を包囲す
る円環状かつ薄肉のテンプレートを固定し、このテンプ
レートでウェーハの外周を引っかけながら、ウェーハの
下面をプラテン上の研磨パッドに擦り付けて研磨を行
う。この場合、テンプレートの下面は一般に、研磨パッ
ドに当接しないように構成される。
【0005】前記テンプレート型のウェーハ研磨装置に
おいては、ウェーハを一定圧力で研磨パッドに押し付け
ながら研磨を行うため、ウェーハは研磨パッドに僅かに
沈み込むことになる。したがって、ウェーハの外周部で
はウェーハ中央部に比して研磨パッドとの当接圧力が大
きくならざるを得ず、ウェーハ外周部の研磨量が中央部
の研磨量に比して大きくなり、研磨量を均一化し難いと
いう問題があった。
【0006】一方、米国特許5,205,082号に
は、図11に示すようなウェーハ保持ヘッドが開示され
ている。このウェーハ保持ヘッドは、中空のヘッド本体
1と、ヘッド本体1内に水平に張られたダイヤフラム2
と、ダイヤフラム2の下面に固定されたキャリア4とを
有し、ダイヤフラム2によって画成された空気室6へ、
シャフト8を通じて加圧空気源10から加圧空気を供給
することにより、キャリア4を下方へ押圧できるフロー
ティングヘッド構造になっている。このようなフローテ
ィングヘッド構造は、研磨パッドに対するウェーハの当
接圧力が均一化できる利点を有する。
【0007】キャリア4の外周には同心状にリテーナリ
ング12が配置され、このリテーナリング12もダイヤ
フラム2に固定されている。リテーナリング12の下端
はキャリア4よりも下方に突出し、これにより、キャリ
ア4の下面に付着されたウェーハの外周を保持する。こ
のようにウェーハ外周を保持することにより、研磨中の
ウェーハがキャリア4から外れる不具合が防止できる。
さらに、ウェーハをリテーナリング12で囲み、このリ
テーナリング12の下端をウェーハ下面と同じ高さで研
磨することにより、ウェーハ外周部での過研磨が防止で
きるとされている。
【0008】ところで、研磨パッドには、ウェーハ表面
における研磨の均一性および平坦性の両特性が要求され
る。しかしながら、軟質性の研磨パッドの場合には、そ
の弾性によってウェーハ表面の全体に圧力が均一に加わ
り易いことから均一性に優れているが、ウェーハ表面の
凹部においても凸部に近い研磨量となるため平坦性に劣
る特性を有している。逆に、硬質性の研磨パッドの場合
には、ウェーハ表面の凹部に比べて凸部に強い圧力が加
わり易いことから研磨の平坦性に優れているが、ウェー
ハ表面全体に亙って均一な圧力が得難く、研磨の均一性
に劣るという特性を有している。
【0009】この対策として、軟質性研磨パッドである
弾性支持層上に表面硬質層を設けた2層型研磨パッドが
提案されている。すなわち、この研磨パッドは、弾性支
持層による均一性と表面硬質層による平坦性との両特性
を兼ね備え、ウェーハ研磨に要求される均一性と平坦性
とを両立させたものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ウェーハ研磨装置には、以下のような課題が残されてい
る。すなわち、本発明者らがこのウェーハ研磨装置につ
いて子細に検討した結果、研磨パッドの材質やリテーナ
リング12の当接圧力によっては、図12に示すよう
に、リテーナリング12に当接した箇所の内周縁に沿っ
て研磨パッドPが局部的に盛り上がり(以下、便宜のた
め「波打ち変形」と称する)、この盛り上がり部Tによ
ってウェーハWの外周部Gが過剰に研磨され、ウェーハ
Wの研磨均一性が阻害されるという新規な現象が発見さ
れた。すなわち、ウェーハ外周部の過研磨の問題は完全
には解決されていなかったのである。特に、上述した2
層型研磨パッドにおいては、下層に設けられた軟質性の
研磨パッドによる弾性効果のために、リテーナリングの
当接圧力に対する反動が大きく、前記波打ち変形の発生
が顕著となる傾向があった。
【0011】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、ウェーハ外周部における過研磨を防止し、研磨量均
一性が高められるウェーハ研磨装置を提供することを課
題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために以下の構成を採用した。すなわち、請求項
1記載のウェーハ研磨装置では、表面に研磨パッドが貼
付されたプラテンと、研磨すべきウェーハの一面を保持
して前記研磨パッドにウェーハの他面を当接させる1ま
たは2以上のウェーハ保持ヘッドと、これらウェーハ保
持ヘッドを駆動することにより前記研磨パッドでウェー
ハの前記他面を研磨するヘッド駆動機構とを具備し、前
記ウェーハ保持ヘッドは、研磨すべきウェーハの前記一
面を保持するための円盤状のキャリアと、該キャリアの
外周に同心状に配置されたリテーナリングとを有し、該
リテーナリングは、ヘッド軸線方向に変位可能とされ、
その下面が研磨時には前記研磨パッドに当接するように
構成され、前記リテーナリングの下面には、研磨時にリ
テーナリングの内側近傍に生じる研磨パッドの盛り上が
り部を逃がす逃げ部が全周に亙って形成されている技術
が採用される。
【0013】このウェーハ研磨装置では、リテーナリン
グの下面に全周に亙って逃げ部が形成されているので、
研磨時にリテーナリングの当接圧力によってその内側近
傍に生じる研磨パッドの盛り上がり部が部分的に逃げ部
に誘導されて半径方向外方に逃がされるとともに、リー
ナリング内側近傍の盛り上がり部が小さくなる。すなわ
ち、研磨パッドの波打ち変形が抑制されて、ウェーハ外
周部の過研磨が緩和される。
【0014】請求項2記載のウェーハ研磨装置では、請
求項1記載のウェーハ研磨装置において、前記逃げ部
は、内周寄りに配された溝部とされ、前記リテーナリン
グの下面は、前記溝部により外側押圧面と該外側押圧面
より少ない面積の内側押圧面とに分離されている技術が
採用される。
【0015】このウェーハ研磨装置では、逃げ部が溝部
であるので、リテーナリングの当接圧力により生じる盛
り上がり部が、その一部が前記溝部内に盛り上がること
により分散され、リテーナリング内側近傍に生じる盛り
上がり部が小さくなって波打ち変形が抑制される。さら
に、溝部が下面の内周寄りに配され、前記リテーナリン
グの下面が前記溝部により外側押圧面と内側押圧面とに
分割されているので、内側の波打ち変形に大きく作用す
る内側押圧面における面積が外側押圧面より少なくな
る。すなわち、リテーナリング内側近傍に加わる当接圧
力が小さくなるので、その反動で生じる盛り上がり部も
小さくなる。
【0016】請求項3記載のウェーハ研磨装置では、請
求項1記載のウェーハ研磨装置において、前記逃げ部
は、内周側に配され少なくとも前記ウェーハの厚さより
小さな段差に設定されている段部である技術が採用され
る。
【0017】このウェーハ研磨装置では、逃げ部が内周
側に配された段部であるので、リテーナリングの当接圧
力により盛り上がり部が段部内に生じる。すなわち、盛
り上がり部がウェーハ外周部より半径方向外方に逃げる
ため、その頂部がウェーハ外周部から離間して盛り上が
り部による研磨への影響が抑制される。さらに、段部が
ウェーハの厚さより小さな段差に設定されているので、
研磨時においてウェーハが水平方向にずれても、ウェー
ハ外周部の段部下への潜り込みが抑制される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るウェーハ研磨
装置の第1実施形態を図1から図7を参照しながら説明
する。
【0019】始めに図1を参照して全体の構成を簡単に
説明すると、図中符号21は基台であり、この基台21
の中央には円盤状のプラテン22が水平に設置されてい
る。このプラテン22は基台21内に設けられたプラテ
ン駆動機構により軸線回りに回転されるようになってお
り、その上面には全面に亙って研磨パッド24が貼付さ
れている。
【0020】プラテン22の上方には、複数の支柱26
を介して上側取付板28が水平に固定されている。この
上側取付板28の下面には円盤状のカルーセル(ヘッド
駆動機構)30が固定され、このカルーセル30にはプ
ラテン22と対向する計6基のウェーハ保持ヘッド32
が設けられている。これらウェーハ保持ヘッド32は、
図2に示すように、カルーセル30の中心から同一距離
において中心軸回りに60゜毎に配置され、カルーセル
30によりそれぞれ遊星回転される。ただし、ウェーハ
保持ヘッド32の個数は6基に限定されず、1〜5基ま
たは7基以上でもよい。
【0021】次に、図3を参照してウェーハ保持ヘッド
32を説明する。ウェーハ保持ヘッド32は、図3に示
すように、軸線垂直に配置され下端が開口する中空のヘ
ッド本体34と、このヘッド本体34の内部に張られた
ダイヤフラム44と、このダイヤフラム44の下面に固
定された円盤状のキャリア46と、このキャリア46の
外周に同心に配置された円環状のリテーナリング50と
を具備している。
【0022】ヘッド本体34は円板状の天板部36と、
この天板部36の外周に固定された円筒状の周壁部38
とから構成され、天板部36はカルーセル30のシャフ
ト42に同軸に固定されている。前記周壁部38の下端
部には、全周に亙って半径方向内方へ突出する円環状の
支持部40が形成されている。周壁部38の内周壁には
水平な段部38Aが形成され、ここに円板状のダイヤフ
ラム44の外周部が載置されて固定リング45で固定さ
れている。前記ダイヤフラム44は、各種ゴム等の弾性
材料で形成されたものである。
【0023】キャリア46は、セラミック等の高い剛性
を有する材料で成形された一定厚さのものであり、弾性
変形はしない。また、キャリア46は、ダイヤフラム4
4の上面に同軸に配置された固定リング48に対して複
数のボルトで固定されている。前記固定リング48の上
端には、全周に亙って外方に広がるフランジ部48Aが
形成され、ヘッド上昇時には、天板部36に設けられた
支持部材(図示せず)によりフランジ部48Aが支持さ
れて、キャリア46の重量が支えられるようになってい
る。
【0024】なお、研磨を行う場合には、真空ポンプ等
の吸引手段(図示せず)に接続されキャリア46の下面
に形成された吸着孔46aによりウェーハWを吸着固定
する。さらに、ウェーハWは、キャリア46の下面に円
形のウェーハ付着シートSを介して貼り付けられる。ウ
ェーハ付着シートSは、例えば吸水性を有する材質で形
成されたもので、水分を吸収すると表面張力でウェーハ
を吸着する。ウェーハ付着シートSの材質としては不織
布等が挙げられるが、それに限定されることはない。
【0025】また、ウェーハ付着シートSの厚さは限定
されないが、好ましくは0.4〜0.8mmである。た
だし、本発明は必ずしもウェーハ付着シートSを使用し
なくてもよく、例えばキャリア46のウェーハ貼付面に
ワックスを介してウェーハWを付着させる構成としても
よいし、他の付着手段を使用してもよい。
【0026】リテーナリング50は、上端面および下端
面が水平かつ平坦な円環状をなしている。また、リテー
ナリング50は、キャリア46の外周面との間に僅かな
透き間を空けて(本実施形態では、約1.0mmに設定
している)同心状に配置され、キャリア46とは独立し
て上下変位可能とされている。さらに、上部リテーナリ
ング50Aの外周面には半径方向外方に突出する支持部
50aが形成されており、ウェーハ保持ヘッド32を引
き上げた場合には、この支持部50aが周壁部38の下
端に形成された支持部40により支持される。
【0027】リテーナリング50の上端はダイヤフラム
44の下面に当接される一方、ダイヤフラム44上には
固定リング58がリテーナリング50と対向して同心に
配置され、リテーナリング50と固定リング58は複数
のネジで固定されている。
【0028】前記リテーナリング50の下面には、図4
および図5に示すように、研磨時にリテーナリング50
の内側近傍に生じる研磨パッド24の盛り上がり部Tを
逃がす溝部(逃げ部)70が全周に亙って、かつ内周寄
りに配されて形成されている。また、リテーナリング5
0の下面は、溝部70により外側押圧面71と該外側押
圧面71より少ない面積の内側押圧面72とに分割され
ている。前記溝部70の深さは、該溝部70に生じる盛
り上がり部Tの高さ以上であることが望ましく、例えば
1mm以上とされるがこの値に限定されることはない。
【0029】溝部70の幅は、好ましくはウェーハWの
直径に対して、0.5%〜1.0%となる範囲に設定さ
れる。すなわち、この数字が大きすぎるとリテーナリン
グとパッドとの接触面積が狭くなり実圧が増すため、パ
ッド変形量が大きくなる。また、小さすぎると効果はな
い。内側押圧面72の幅は、好ましくはウェーハWの直
径に対して、0%〜3%となる範囲に設定される。すな
わち、リテーナリング外周部では溝面積が広くなり、パ
ッド変形量が大きくなるからである。ただし、ウェーハ
材質や研磨条件によっては上記各範囲を外れてもよい。
【0030】シャフト42には流路54が形成されてお
り、ヘッド本体34とダイヤフラム44との間に画成さ
れた流体室52は、流路54を通じて圧力調整機構56
に接続されている。そして、圧力調整機構56で流体室
52内の流体圧力を調整することにより、ダイヤフラム
44が上下に変位して研磨パッド24へのキャリア46
およびリテーナリング50の押圧圧力が同時に変化す
る。なお、流体としては一般に空気を使用すれば十分で
あるが、必要に応じては他種のガスや液体を使用しても
よい。
【0031】上記ウェーハ研磨装置によりウェーハ研磨
を行うには、まず、研磨パッド24と各キャリア46と
の間にウェーハWを配置するとともに、リテーナリング
50を研磨パッド24に当接させ、ウェーハWの外周を
リテーナリング50で支持する。次に、研磨パッド24
に対するウェーハWの当接圧力(キャリアによる押圧圧
力)が所望値になるように圧力調整機構56による流体
圧を調整しつつ、プラテン22を回転させ、ウェーハ保
持ヘッド32をプラテン22に対し遊星回転させる。
【0032】上記のようなウェーハ研磨装置によれば、
リテーナリング50の下面に全周に亙って溝部70が形
成されているので、図6に示すような溝部70の無い従
来のリテーナリング12の場合に比べて、図7に示すよ
うに、リテーナリング50の当接圧力により生じる盛り
上がり部Tが、その一部T1が前記溝部70内に逃げて
盛り上がることにより分散され、リテーナリング内側近
傍に生じる盛り上がり部T2が小さくなって波打ち変形
が抑制される。
【0033】さらに、溝部70が下面の内周寄りに配さ
れ、リテーナリング50の下面が溝部70により外側押
圧面71と内側押圧面72とに分割されているので、内
側の波打ち変形に大きく作用する内側押圧面72におけ
る面積が外側押圧面71より少なくなる。すなわち、リ
テーナリング50内側近傍に加わる当接圧力が小さくな
るので、その反動で生じる盛り上がり部も小さくなる。
この結果、研磨パッド24の波打ち変形が抑制されて、
ウェーハW外周部の過研磨が緩和される。
【0034】なお、研磨パッド24として、従来一般に
使用されている1層型パッドの代わりに、図6および図
7に示すように、前述した2層型研磨パッド、すなわち
ウェーハWに当接する表面硬質層24A、および表面硬
質層24Aとプラテン22との間に位置する弾性支持層
24Bの少なくとも2層を有するものであってもよい。
このような積層研磨パッドは、後述するようにウェーハ
研磨精度を高める上で特別の効果を奏するものである
が、同時に、図12で説明した問題が、1層型研磨パッ
ドよりも顕著に現れる傾向を有する。
【0035】したがって、本発明と組み合わせた場合
に、両者の効果は相乗し合い、ウェーハの研磨精度を高
めるうえで特に良好な効果を奏する。ただし、本発明は
このような積層研磨パッドにのみ限定されるものではな
いことは勿論である。以下、積層研磨パッドについて具
体的に説明する。
【0036】硬質表面層のショア硬度は好ましくは80
〜100、より好ましくは90〜100、弾性支持層の
ショア硬度は好ましくは50〜80、より好ましくは6
0〜75とされる。また、硬質表面層の厚さは好ましく
は0.5〜1.5mm、より好ましくは0.8〜1.3
mm、弾性支持層の厚さは好ましくは0.5〜1.5m
m、より好ましくは0.8〜1.3mmとされる。
【0037】表面硬質層24Aおよび弾性支持層24B
としてはそれぞれ発泡ポリウレタンまたは不織布が好適
で、特に、表面硬質層24Aとしては発泡ポリウレタ
ン、弾性支持層24Bとしてはポリエステル等の不織布
が好ましい。表面硬質層24A,弾性支持層24Bを不
織布で形成する場合、ポリウレタン樹脂等の含浸剤を含
浸させてもよい。ただし、前記硬度範囲を満足すれば、
前記以外の材質で研磨パッド24を構成してもよい。
【0038】この種の2層型研磨パッドを使用した場
合、特に、絶縁膜分離技術におけるウェーハ研磨に優れ
た効果を発揮する。この種の絶縁膜分離技術は、例えば
ウェーハの鏡面に配線用のアルミニウム等を蒸着して回
路パターンを形成し、その上にBPSG,PTEOS、
またはCVD法等によるSiO2 等の絶縁膜を積層形成
した後、この絶縁膜を研磨により平坦化して、さらにそ
の上に素子の内部構造を形成するものである。
【0039】上記絶縁膜研磨の場合、ウェーハ表面に回
路パターンなどに起因する初期凹凸が存在する場合があ
るが、積層研磨パッドにおいては、パッド表面が相対的
に硬い表面硬質層24Aにより構成されているので、凹
凸に追従して研磨パッド24の表面が弾性変形すること
が少ない。したがって、初期凹凸に起因する研磨後の段
差発生が低減できる。
【0040】また、ウェーハWに直接当接する表面硬質
層24Aは、弾性支持層24Bにより裏側から弾性的に
支持されているので、フローティング型ヘッドであるウ
ェーハ保持ヘッド32によるウェーハ当接圧力の均一化
作用、および弾性支持層24Bによるクッション効果が
相乗しあい、研磨パッド24あるいはウェーハWにうね
りが生じている場合にも、表面硬質層24Aをうねりに
沿って変形させウェーハWの全面に亙って均一に当接さ
せる効果が得られる。これにより、研磨パッド24によ
るウェーハWの研磨速度がウェーハ全面に亙って均一化
されるから、研磨後のウェーハ厚さの不均一性が低減で
き、従来は両立しがたかった段差の低減(平坦性)およ
び厚さ均一性の向上が同時に達成できる。
【0041】さらに、上記積層研磨パッドでは、表面硬
質層24Aが柔らかい弾性支持層24Bで裏打ちされて
いるので、リテーナリング50で表面硬質層24Aを強
く抑えると、その押圧箇所の周囲が、図12に示すよう
に、波打って盛り上がる傾向が強い。しかし、この盛り
上がり部TをウェーハW外周部から半径方向外方へ逃れ
る方向に弾性変形させることにより、ウェーハW外周部
の過研磨を緩和し、積層研磨パッドの効果を十分に発揮
させることができるのである。これは以下の第2実施形
態にも共通する。
【0042】次に、本発明に係るウェーハ研磨装置の第
2実施形態を図8から図10を参照しながら説明する。
【0043】第2実施形態と第1実施形態との異なる点
は、第1実施形態におけるリテーナリング50の下面に
は、溝部70が形成されていたが、図9および図10に
示すように、第2実施形態におけるリテーナリング80
の下面には、内周側に配されウェーハWの厚さより小さ
な段差に設定されている段部(逃げ部)81が形成され
ている点である。
【0044】すなわち、第2実施形態におけるウェーハ
研磨装置では、リテーナリング80の下面に内周側に配
された段部81が形成されているので、図8に示すよう
に、リテーナリング80の当接圧力により盛り上がり部
Tが段部81内に生じる。すなわち、盛り上がり部Tが
ウェーハW外周部より半径方向外方に逃げるため、その
頂部がウェーハW外周部から離間して盛り上がり部Tに
よる研磨への影響が抑制される。
【0045】さらに、段部81がウェーハWの厚さより
小さな段差に設定されているので、研磨時においてウェ
ーハWが水平方向にずれても、ウェーハW外周部の段部
81下への潜り込みが抑制される。なお、本実施形態で
は、段部81の段差を、ウェーハWの厚さの約半分に設
定しているが、下部リテーナリング80による当接圧力
や研磨パッド24の弾性等の条件によって適宜、ウェー
ハWの厚さより小さな範囲で設定される。
【0046】また、段部81の幅は、好ましくはウェー
ハWの直径に対して、1.0%〜2.5%となる範囲に
設定される。すなわち、この数字が大きすぎると実圧の
増加によるパッド変形量の増加が発生する。また、8″
φの場合、T領域の幅が、2mm以上あることから1.
0%以上必要である。ただし、ウェーハ材質や研磨条件
によっては上記各範囲を外れてもよい。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果を奏する。 (1)請求項1記載のウェーハ研磨装置によれば、リテ
ーナリングの下面に逃げ部が形成されているので、リテ
ーナリングの内側近傍に生じる研磨パッドの盛り上がり
部を、部分的に逃げ部に誘導して半径方向外方に逃がす
ことによって、リテーナリング内側近傍の盛り上がり部
を小さくすることができる。したがって、研磨パッドの
波打ち変形を抑制し、ウェーハ外周部の過研磨を緩和さ
せることができ、研磨の均一性をさらに向上させること
ができる。
【0048】(2)請求項2記載のウェーハ研磨装置に
よれば、逃げ部が溝部であるので、盛り上がり部を、そ
の一部を溝部内に盛り上がらせて分散させ、リテーナリ
ング内側近傍に生じる盛り上がり部を小さくすることに
より、波打ち変形を抑制させることができる。さらに、
溝部が下面の内周寄りに配され、前記リテーナリングの
下面が前記溝部により外側押圧面と内側押圧面とに分割
されているので、リテーナリング内側近傍に加わる当接
圧力を小さくして、盛り上がり部をさらに小さくするこ
とができる。
【0049】(3)請求項3記載のウェーハ研磨装置に
よれば、逃げ部が内周側に配された段部であるので、盛
り上がり部が段部内に生じてウェーハ外周部より半径方
向外方に逃げるため、盛り上がり部による研磨への影響
を抑制させることができる。さらに、段部がウェーハの
厚さより小さな段差に設定されているので、ウェーハが
水平方向にずれても、ウェーハ外周部の段部下への潜り
込みを抑制することができ、ウェーハの支持機能も良好
に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るウェーハ研磨装置の第1実施形
態を示す正面図である。
【図2】 本発明に係るウェーハ研磨装置の第1実施形
態におけるウェーハ保持ヘッドとプラテンの配置状態を
示す平面図である。
【図3】 本発明に係るウェーハ研磨装置の第1実施形
態におけるウェーハ保持ヘッドを示す断面図である。
【図4】 本発明に係るウェーハ研磨装置の第1実施形
態におけるリテーナリングを示す断面図である。
【図5】 本発明に係るウェーハ研磨装置の第1実施形
態におけるリテーナリングを示す要部を拡大した断面図
である。
【図6】 本発明に係るウェーハ研磨装置の従来例にお
ける研磨時の盛り上がり部を説明するための要部を拡大
した概略断面図である。
【図7】 本発明に係るウェーハ研磨装置の第1実施形
態における研磨時の盛り上がり部を説明するための要部
を拡大した概略断面図である。
【図8】 本発明に係るウェーハ研磨装置の第2実施形
態における研磨時の盛り上がり部を説明するための要部
を拡大した概略断面図である。
【図9】 本発明に係るウェーハ研磨装置の第2実施形
態におけるリテーナリングを示す断面図である。
【図10】 本発明に係るウェーハ研磨装置の第2実施
形態におけるリテーナリングを示す要部を拡大した断面
図である。
【図11】 本発明に係るウェーハ研磨装置の従来例に
おけるウェーハ保持ヘッドを示す断面図である。
【図12】 従来の装置の問題点を示す概略図である。
【符号の説明】
22 プラテン 24 研磨パッド 24A 表面硬質層 24B 弾性支持層 30 カルーセル(ヘッド駆動機構) 32 ウェーハ保持ヘッド 34 ヘッド本体 44 ダイヤフラム 46 キャリア 50 リテーナリング 70 溝部(逃げ部) 71 外側押圧面 72 内側押圧面 80 リテーナリング 81 段部 T,T1,T2 盛り上がり部(波打ち変形) S ウェーハ付着シート W ウェーハ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に研磨パッドが貼付されたプラテン
    と、研磨すべきウェーハの一面を保持して前記研磨パッ
    ドにウェーハの他面を当接させる1または2以上のウェ
    ーハ保持ヘッドと、これらウェーハ保持ヘッドを駆動す
    ることにより前記研磨パッドでウェーハの前記他面を研
    磨するヘッド駆動機構とを具備し、 前記ウェーハ保持ヘッドは、研磨すべきウェーハの前記
    一面を保持するための円盤状のキャリアと、 該キャリアの外周に同心状に配置されたリテーナリング
    とを有し、 該リテーナリングは、ヘッド軸線方向に変位可能とさ
    れ、その下面が研磨時には前記研磨パッドに当接するよ
    うに構成され、 前記リテーナリングの下面には、研磨時にリテーナリン
    グの内側近傍に生じる研磨パッドの盛り上がり部を逃が
    す逃げ部が全周に亙って形成されていることを特徴とす
    るウェーハ研磨装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のウェーハ研磨装置におい
    て、 前記逃げ部は、内周寄りに配された溝部とされ、 前記リテーナリングの下面は、前記溝部により外側押圧
    面と該外側押圧面より少ない面積の内側押圧面とに分割
    されていることを特徴とするウェーハ研磨装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のウェーハ研磨装置におい
    て、 前記逃げ部は、内周側に配され少なくとも前記ウェーハ
    の厚さより小さな段差に設定されている段部であること
    を特徴とするウェーハ研磨装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010055213A (ko) * 1999-12-10 2001-07-04 윤종용 씨엠피 장비용 리테이너 링
US6893327B2 (en) 2001-06-04 2005-05-17 Multi Planar Technologies, Inc. Chemical mechanical polishing apparatus and method having a retaining ring with a contoured surface
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JP2017157710A (ja) * 2016-03-02 2017-09-07 信越化学工業株式会社 Soi複合基板の製造方法、及び該方法に用いる研磨装置
KR20180083678A (ko) * 2017-01-13 2018-07-23 주식회사 케이씨텍 기판 연마용 연마패드 및 이를 포함하는 cmp 장치
KR20210090912A (ko) * 2020-01-13 2021-07-21 (주)제이쓰리 반도체 웨이퍼 형상을 제어하는 웨이퍼 가공용 헤드 장치

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