JPH102169A - 気密部材、気密部材の製造方法及び気密部材を備えた開閉部材 - Google Patents

気密部材、気密部材の製造方法及び気密部材を備えた開閉部材

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JPH102169A
JPH102169A JP8155567A JP15556796A JPH102169A JP H102169 A JPH102169 A JP H102169A JP 8155567 A JP8155567 A JP 8155567A JP 15556796 A JP15556796 A JP 15556796A JP H102169 A JPH102169 A JP H102169A
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JP
Japan
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opening
closing
seal
seal portion
airtight
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Application number
JP8155567A
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English (en)
Inventor
Hidetaka Yamauchi
秀隆 山内
Nobuyuki Matsumoto
信行 松本
茂樹 ▲吉▼原
Shigeki Yoshihara
Shiyougo Andou
将吾 安藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TSUCHIYA TEISUKO KK
Original Assignee
TSUCHIYA TEISUKO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シール部が相手材に当接する際の接触圧力を低
下させることにより、シール部の変形抵抗を低減して良
好な摺動性を得ることのできる気密部材を提供する。 【解決手段】建築物、容器等の開閉部位と、この開閉部
位を摺動により開閉する開閉部材との間において、開閉
部位または開閉部材のいずれか一方に取り付けられて、
これらの間を密閉する気密部材であって、前記取り付け
側から、開閉部材側を指向して延出されて、その先端側
が開閉部位あるいは開閉部材に当接される弾性材料から
なるシール部6と、このシール部6の少なくとも一箇所
に形成した脆弱部10と、このシール部6の先端側であ
って、前記開閉部位あるいは前記開閉部材に当接される
部位に形成された滑面層8とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、住宅等の建築
物、あるいは容器等の開閉部位と開閉部材との間を密閉
する気密部材に関し、詳しくは、戸、扉、窓、サッシの
密閉性を確保するための気密部材、この気密部材の製造
方法及び開閉部材に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物等における開閉部位、すなわち、
出入口、窓等においては、戸、扉、窓、サッシ等の開閉
部材の摺動により開閉されるようになっている場合があ
る。開閉部位との間で、開閉部材が摺動移動できるよう
にするには、両者の間に一定の隙間(摺動空間)が必要
である。該空間は、通常、摺動可能にセットされる開閉
部材の摺動部位とこの摺動部位がはめ込まれる開閉部位
の枠とで形成される。ここに、この摺動空間では、開閉
部材が摺動可能であるとともに、開閉部材が閉じられた
際には、開閉部位を密閉できるように、摺動端部と開閉
部位の枠材との間の気密が保たれるように密閉される必
要がある。そこで、このような開閉部材の摺動部位に
は、開閉操作を容易にしつつ、しかも開閉部材と開閉部
位とが当たる部位の密閉を可能とする気密部材が設けら
れている。
【0003】図11及び図12には、引き違い窓の窓枠
200の窓材210に使われる気密部材220、240
が示されている。この窓枠200では、窓枠200に形
成されたレール部材260に沿って、窓材210がスラ
イド移動することにより、引き違いに窓枠200内を開
閉可能となっている。気密部材220、240は、窓枠
200のレール部材260を両側から挟むようにして形
成した窓材210の上框部210aの内側面に対向状に
取り付けられている。この気密部材220、240は、
取り付け基部220a、240aからレール部材260
の表面を指向し、その先端がレール部材260の表面に
当接されるようになったシール部220b、240bを
有している。このシール部220b、240bは、窓材
210の閉状態においては、かしめられてレール部材2
60と窓材210との間をやや圧縮状態で密閉するとと
もに、窓材210の摺動時には、レール材260表面を
滑るようになっている。このような気密部材220、2
40においては、良好な摺動性を確保することが重要で
ある。
【0004】そこで、このような気密部材の摺動性を良
好にするための技術として、特開平6−136349号
公報に開示されている技術がある。この技術は、シール
部を熱可塑性エラストマーで形成し、相手材と当接する
その先端側に、超高分子量ポリオレフィン層を形成する
ものである。このような構成によりこの技術では、閉状
態の密閉性を、シール部の熱可塑性エラストマーの弾性
変形で確保するとともに、開閉時の摺動性を、摩擦係数
の小さい超高分子ポリオレフィン層で確保しようとして
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この技
術によっても、良好な摺動性を得ることは困難であっ
た。本発明者らの検討によると、シール部先端側に形成
した超高分子量ポリオレフィン層の剛性が高いためにシ
ール部の柔軟性が低下し、シール部がその相手材に当接
する際の接触圧力が高くなってしまっていた。そして、
この結果、超高分子量ポリオレフィンの摩擦係数が小さ
くても摺動時のシール部の変形抵抗が大きくなってしま
い、良好な摺動性を得ることができなかったのである。
また、この変形抵抗が大きいと、摺動時にシール部先端
によじれ(蛇行)が生じ、より一層摺動性を低下させて
いた。本発明者らは、シール部の先端側を接触圧力が低
い状態で相手材に当接させる必要性を認識した。また、
併せて摺動時に発生するシール部先端のよじれを吸収す
る必要性も認識した。
【0006】そこで、本発明では、シール部が相手材に
当接する際の接触圧力を低下させることにより、シール
部の変形抵抗を低減して良好な摺動性を得ることのでき
る気密部材を提供することをその課題とする。また、本
発明では、容易に、このような気密部材を製造できる方
法を提供することを他の課題とする。また、本発明で
は、このような気密部材を備えた開閉部材を提供するこ
とを他の課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記した技術的課題を解決するために、気密部材におい
て、弾性材料からなるシール部の、少なくとも相手材に
当接するシール部先端に滑面層を備えるとともに、この
シール部の少なくとも一箇所に応力集中しやすい脆弱部
を設けることにより、この部分においてシール部材を撓
みやすくして、当接状態を確保しつつも摺動時の接触圧
力を低下させて、摺動時の変形抵抗を低減できることを
見い出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、第1の発明は、建築物、容器等
の開閉部位と、この開閉部位を摺動により開閉する開閉
部材との間において、開閉部位または開閉部材のいずれ
か一方に取り付けられて、これらの間を密閉する気密部
材であって、前記取り付け側から、開閉部位あるいは開
閉部材側を指向して延出されて、その先端側が開閉部位
あるいは開閉部材に当接されるシール部と、このシール
部の少なくとも一箇所に形成した脆弱部と、このシール
部の先端側であって、前記開閉部位あるいは前記開閉部
材に当接される部位に形成された滑面層、とを備えたこ
とを特徴とする気密部材である。
【0009】この発明によると、この気密部材において
は、開閉部位あるいは開閉部材のいずれか一方に取り付
けられ、取り付け側でない開閉部材あるいは開閉部位を
指向するシール部は、その先端側の滑面層が、この相手
材に当接されることにより、その少なくとも一箇所に形
成された脆弱部において撓み、シール部が撓んだ状態で
相手材に当接される。このため、開閉部位の閉状態にお
いては、開閉部位と開閉部材との間が確実に密閉され
る。一方、開閉部材を摺動させる場合には、脆弱部にお
いてシール部が撓むことにより、接触圧力が低減されて
いる。また、滑面層が形成されることにより、シール部
の当接部位での摩擦係数が小さくなっている。したがっ
て、接触圧力が低下されることと、摩擦係数が小さくな
っていることから、摺動時に発生する変形抵抗が低減さ
れる。また、変形抵抗によるシール部先端のよじれが、
脆弱部に応力が集中して撓むことにより吸収され、摺動
が良好になる。
【0010】なお、本明細書において、開閉部位とは、
建築物あるいは容器等において、開かれたり、閉じられ
たりする部位をいう。具体的には、建築物の出入口、
窓、容器等の出し入れ口等をいう。また、本明細書にお
いて、開閉部材とは、開閉部位に位置されて、開閉部位
を開いたり、閉じたりするために摺動される部材をい
う。具体的には、住宅等の出入口に設けられる戸、扉、
窓材、容器の蓋等を挙げることができる。
【0011】また、本明細書において、滑面層とは、シ
ール部に比較して、摩擦係数の小さい表面を有する層を
いう。
【0012】この発明において、前記脆弱部は、シール
部に形成した凹部であることが好ましい。シール部に凹
部を形成すると、この部分の断面積が小さくなり、この
部分に応力が集中し、この部分においてシール部が撓
む。凹部は、容易にシール部に形成される。
【0013】この発明において、前記シール部はスチレ
ン系あるいはオレフィン系熱可塑性エラストマーからな
ることが好ましい態様である。これらの熱可塑性エラス
トマーは、成形時の流動性、保形性に優れるとともに、
硬さの調整が容易であるので取り付け作業の操作性を得
るためのシール部の硬さの調整が容易である。さらに、
これらの熱可塑性エラストマーは、滑面層として好まし
いポリオレフィン樹脂との共押出しが可能であり、密着
性も十分である。
【0014】この発明においては、前記滑面層は、ポリ
オレフィン樹脂からなることが好ましい態様である。ポ
リオレフィン樹脂は、摩擦係数が小さく、耐磨耗性、耐
久性、耐薬品性を有しているので、良好な摺動特性が得
られ、また、材料コストも安価である。
【0015】また、第2の発明は、建築物、容器等の開
閉部位と、この開閉部位を摺動により開閉する開閉部材
との間において、開閉部位または開閉部材のいずれか一
方に取り付けられて、これらの間を密閉する気密部材で
あって、前記取り付け側から、開閉部位側あるいは開閉
部材側を指向して延出形成され、その先端側が開閉部位
あるいは開閉部材に当接される弾性材料からなるシール
部と、このシール部の少なくとも一箇所に形成した脆弱
部と、このシール部の先端側であって、前記開閉部位あ
るいは前記開閉部材に当接される部位に形成された滑面
層とを備えた気密部材を製造する方法であって、前記シ
ール部に前記脆弱部を凹部として押出し成形するととも
に、このシール部に前記滑面層を一体に押出し成形する
ことを特徴とする気密部材の製造方法である。この製造
方法によると、シール部と、そのシール部に設ける脆弱
部と、滑面層とが押し出し成形により、同時に成形され
るため、容易に摺動性の良好な気密部材を得ることがで
きる。また、滑面層がシール部と同時に一体に成形さ
れ、滑面層を別工程でシール部の表面に形成する必要が
なく、容易に良好な摺動性の気密部材が得られる。
【0016】また、第3の発明は、建築物、容器等の開
閉部位と、この開閉部位を摺動により開閉する開閉部材
であって、この開閉部材の摺動部位には、その先端側が
前記開閉部位に当接する弾性材料からなるシール部と、
このシール部の少なくとも一箇所に形成した脆弱部と、
このシール部の先端側であって、前記開閉部位あるいは
前記開閉部材に当接される部位に形成された滑面層とを
有する気密部材が装着されていることを特徴とする開閉
部材である。この発明によると、良好な摺動性が得られ
る開閉部材となっている。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、詳細に説明する。本発明の気密部材は、開閉部位あ
るいは開閉部材に取り付けするための取り付け基部と、
開閉部位と開閉部材との間を密閉するシール部と、この
シール部の少なくとも一箇所に形成した脆弱部と、滑面
層とを備えている。
【0018】(取り付け基部)気密部材は、可動体であ
る開閉部材と固定体である開閉部位との間に位置され
る。この際、気密部材は、開閉部材か、あるいは開閉部
位の摺動部位に取り付けられる。このため気密部材は、
取り付け基部を備えている。
【0019】取り付け基部は、可動体である開閉部材、
あるいは固定体である開閉部位のいずれかに取り付けら
れる。多くの場合、可動体である開閉部材側に取り付け
られる。したがって、取り付け基部は、開閉部材側に取
り付けられるように形成されていることが多い。ただ
し、気密状態を達成するとともに摺動可能にするには、
気密部材は、固定体である開閉部位側に取り付けられて
いてもよく、この場合、取り付け基部は、開閉部位側に
取り付けられるように形成される。気密部材の取り付け
基部における、開閉部材あるいは開閉部位への取り付け
手段は、接着、溶着、螺合、嵌合等、特に問わないで用
いることができる。取り付けを容易にするためには、開
閉部材側あるいは開閉部位側に設けた取り付け用の凹部
に、はめ込み可能な形状に取り付け基部を形成して、嵌
合により固定するのが好ましい。
【0020】(シール部)このように形成した取り付け
基部に連続してシール部が形成されている。シール部
は、取り付け基部から、シール部先端が当接される相手
材である開閉部位あるいは開閉部材を指向して突出形成
され、取り付け側と相手材との間を密閉するようになっ
ている。すなわち、シール部は、その先端が相手材(取
り付け側でない開閉部材あるいは開閉部位)に到達する
のに十分な長さを有している。そして、適度な接触圧で
その先端側が、相手材に接触している。シール部は、可
撓性のある素材で形成されることが好ましく、シール部
の先端側が、相手材に到達される長さを越えて形成する
ことにより、撓んだ状態で相手材に当接するようにする
のが好ましい。シール部が撓んだ状態で相手材に当接さ
れていると、開閉部位の密閉時において、良好な密閉性
が確保され、気密性、水密性、断熱性、防音性等が向上
されるからである。なお、シール部の長さが長いと、よ
り小さい外力によっても撓むため、接触圧力を効果的に
低減することができる。
【0021】シール部の形状は、摺動空間を密閉するも
のであればよく、単なる帯状でも、また、断面が略U字
状あるいは略3角状に形成された帯状でもよく、さらに
は、細長い筒状体でもよい。図9に例示するように、シ
ール部140、150は相手材を指向するように形成さ
れるが、シール部140、150の形成方向と相手材で
ある開閉部位あるいは開閉部材の内側(中央)よりの面
とがなす角度を当接角度θとした場合、この当接角度θ
の範囲は、特に限定しない。但し、当接角度θを直角と
するよりも、鋭角あるいは鈍角となるようにシール部を
形成した方が、相手材と当接する際により撓みやすい点
で好ましい。なお、この当接角度θは、実際に気密部材
を取り付けた際に、シール部と相手材とのなす角度でな
く、シール部の形成方向と相手材とのなす角度をあらわ
すものである。
【0022】特に、開閉部材160に気密部材162、
164、166、168を取り付けて、この開閉部材1
60を、図10に示すようにして、上框部160aを上
枠に下方から差し込んで嵌めた(図10矢印)後に、
下框部160bを下枠に納まるように引き下げる(図1
0矢印)ことによりセットする場合には、それぞれの
気密部材162〜166の当接角度θ1〜θ4を110
°以上150°以下とすると、上框部160aでも下框
部160bにおいても、シール部の向きが反転されるこ
とがないので、シール部の先端側が変形したりよじれた
りすることがない。したがって、シール部の先端側のよ
じれによる変形抵抗が発生せず、また、この角度範囲に
おいては、シール部の接触圧力が低くなっているので、
良好な摺動性が確保される。また、確実に、シール部先
端側が相手材に当接されて、良好な密着性も得られる。
当接角度θ1〜θ4が70°以上110°未満のとき
は、接触圧力が高めとなるので好ましくない。また、当
接角度θ1〜θ4が70°より小さいときは、開閉部位
への開閉部材の挿入時に、シール部の向きが反転してし
まうため、シール部の先端側が変形したりよれた状態で
開閉部位に当接されるために、摺動性が低下してしま
う。さらに、当接角度θ1〜θ4が150°を越える
と、シール部の長さが必要以上に長くなり、材料の使用
量が増大するために、望ましくない。
【0023】シール部は、取り付け基部に対して複数個
形成されていてもよい。すなわち、2段以上に形成され
て、2重以上に開閉部材と開閉部位との間を閉塞するよ
うにしてもよい。この結果、開閉部位の閉状態における
密閉性が向上され、気密性、水密性、断熱性、防音性等
がより一層向上される。
【0024】また、シール部の硬度を変化させることに
よって、摺動性を変化させることができる。すなわち、
シール部の硬度をJISA80°以下とすることによ
り、シール部の相手材への接触圧力が低下される。ま
た、この場合、取り付け基部の硬度をJISA80°以
上とすることが好ましい。このような硬度の相互調整を
すると、適度な接触圧力が得られるとともに、気密部材
を取り付けた開閉部材を開閉部位に装着する際の挿入性
が良好になるからである。なお、シール部は、取り付け
基部と同一材料で形成しても、また、異なる材料で形成
してもよい。但し、一体に成形できる材料で形成する必
要がある。すなわち、シール部の材料には、気密性を達
成するために、弾性、柔軟性、復元性が要求される一
方、取り付け基部には、開閉部材あるいは開閉部位に装
着されるための適度なコシ(硬さ)が要求される。した
がって、一つの気密部材において、これらの要求を満足
するためには、シール部と取り付け基部とをそれぞれ別
の材料で形成して一体に形成することが好ましい。さら
に、シール部と取り付け基部とを別の材料で形成して、
シール部と取り付け基部とに異なる硬さや弾性等を付与
することにより、気密部材を必要以上に大きくしたり、
形態的特徴を付与することなく、簡易に、各々の必要な
特性を得ることができる。例えば、柔軟性のある材料で
シール部を構成し、適度な硬さのある材料で取り付け基
部を構成すれば、開閉部材等への装着性に優れるととも
に、気密性の良好な気密部材がコンパクトでかつシンプ
ルな形態で得ることができる。
【0025】このようなシール部の材料としては、SE
BS又はSBS等のスチレン系熱可塑性エラストマー、
結晶性ポリプロピレンとエチレン・プロピレン共重合体
ゴム又はエチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムか
らなるオレフィン系の熱可塑性エラストマー、天然ゴ
ム、あるいはEPDM等の合成ゴム等の弾性材料を挙げ
ることができる。成形加工性及びシール部の耐熱性、ゴ
ム弾性や復元性、耐候性、耐水性や耐寒性の点からスチ
レン系熱可塑性エラストマーあるいはオレフィン系の熱
可塑性エラストマーが好ましい。本発明において、スチ
レン系熱可塑性エラストマーとオレフィン系熱可塑性エ
ラストマーは、ほぼ同等の性能を備えているが、オレフ
ィン系熱可塑性エラストマーが、スチレン系熱可塑性エ
ラストマーに比較して比重が軽い点と、オレフィン系熱
可塑性エラストマーについては、材料の予備乾燥が必要
なため、除湿乾燥機等の乾燥設備が必要となる点が、相
違している。
【0026】(滑面層)シール部の先端側は、相手材に
当接して摺動空間の密閉を図るとともに、摺動開閉時に
は、相手材表面を滑る。この相手材との滑面には、摺動
を良好に行うための滑面層を形成する。特に、シール部
の材料が、柔軟性が良好であるが、滑性や、磨耗性、耐
久性が良好でない場合には、好ましい。滑面層は、少な
くとも相手材との滑面に設ければ足りる。滑面層の材料
としては、摩擦特性、磨耗特性、耐熱性、柔軟性が良好
であるとともに、低コストであることが望ましい。この
ような滑面層の材料としては、例えば、ポリプロピレン
樹脂、ポリエチレン樹脂、あるいは超高分子量ポリオレ
フィン樹脂(例えば、製品名リュブマー、三井石油化学
工業製)等のポリオレフィン樹脂が好ましい。超高分子
量ポリオレフィン樹脂は、摩擦特性、磨耗特性が良好で
ある点、ポリエチレン樹脂は、摩擦特性、柔軟性が良好
で低コストである点で好ましく、ポリプロピレン樹脂
は、摩擦特性、磨耗特性、耐熱性が良好で低コストであ
るので、特に好ましい。これらの樹脂は、それぞれ単体
で、あるいは、混合物で用いられる。なお、滑面層をシ
ール部の一部分に薄膜の状態で共押出しして形成するに
は、シール部の材料の流動性より高流動性の材料を用い
るのが好ましい。この滑面層の層厚は、0.2mm以下
が好ましく、シール部の柔軟性の確保と摺動特性の確保
及び耐久性の観点から、0.02〜0.05mmがより
好ましい。
【0027】(脆弱部)本発明においては、このような
シール部に、脆弱部を備えていることが特徴である。こ
の脆弱部は、シール部に外力がかかった際に、内部応力
を集中させるための部位である。この結果、この部位に
おいて、シール部は撓みやすくなるようになっている。
このため、シール部先端側の当接部位での接触圧力を低
下させることができ、この結果、摺動時の変形抵抗を少
なくして摺動を円滑に行わせることができるようにな
る。また、変形抵抗によって、シール部によじれが生じ
た際にも脆弱部により吸収して、よじれによる摺動性の
低下を抑制できる。
【0028】このような脆弱部としては、具体的には、
断面積をシール部の他の部位よりも小さくするような、
凹部、切り込みのようなスリット、薄肉状部、あるい
は、発泡体部の他、他のシール部の材質よりも柔軟性の
ある材料、あるいはより弾性のある材料で形成した部位
等を挙げることができる。このうち、気密部材の製造
上、最も好ましいのは、脆弱部を凹部として形成する
か、あるいは薄肉状部として形成して、断面積を小さく
することである。このような脆弱部であると、押出し成
形で容易にシール部に形成できるからである。
【0029】脆弱部を発泡状に形成するには、共押出し
により、発泡状樹脂をシール部の脆弱部対応部位に一体
に押出し成形することにより形成される。また、材質を
変えることにより脆弱部を形成する場合にも、この脆弱
部を、共押出し成形によりシール部に一体に形成するこ
とにより形成される。そして、スリットを形成する場合
には、この部位を気密部材を成形した後に、後加工によ
り、スリットを付与するか、あるいは、押出し成形時に
スリットを形成することもできる。なお、スリット形成
による脆弱部の形成は、容易であり、後加工の手間の少
ないため、簡易なものとして好ましい。
【0030】脆弱部は、シール部の短手方向、すなわ
ち、取り付け基部側から相手材を指向する方向において
いずれか一箇所に設ければよい。ただし、複数箇所に設
けてもよい。この場合、シール部の短手方向の同じ側に
複数箇所設けることもできるし、また、シール部の上下
側に別個に設けることもできる。また、脆弱部は、でき
るだけシール部の基部側、すなわち、取り付け基部側に
設けるのが好ましい。脆弱部をシール部の基部側に設け
ると、脆弱部からシール部先端側までの距離が相対的に
長くなり、この結果、先端側での接触圧力を効果的に低
下させることができるからである。さらに、脆弱部が大
きければ、滑面層での接触力を効果的に低下させること
ができる。
【0031】また、このように脆弱部を設けることによ
り、滑面層を形成したことによりシール部の剛性が結果
的に高くなった場合においても、シール部の、可撓性を
調整して、摺動時における変形抵抗を低下させて、良好
な摺動が得られる。したがって、例えば、滑面層を、ポ
リオレフィン樹脂等の剛性が高いが耐磨耗性、耐久性、
滑性に優れた材料で形成する場合に、脆弱部を設けるこ
とが特に好ましい態様である。
【0032】このような気密部材を製造するには、押出
し成形が好ましい。気密部材は、細長く、同一断面形状
で形成されるからである。また、脆弱部を凹部、スリッ
トあるいは薄肉状部として形成する場合にも、容易に成
形される。また、滑面層を形成する場合には、共押出し
により、容易に同時に一体に形成できる。さらに、脆弱
部が、シール部の他の部位と異なる材質の材料で構成す
る場合に、共押出しにより脆弱部を容易に形成できる。
加えて、取り付け基部とシール部とを異なる素材、異な
る硬度で形成しようとする場合には、共押出しが好まし
い。
【0033】
【発明の効果】第1の発明によれば、シール部の少なく
とも一箇所に設けた脆弱部と、シール部の先端側に形成
した滑面層とによりシール部の先端側の相手材との当接
部位における接触圧力が低減され、良好な摺動性が得ら
れる気密部材が提供される。第2の発明によれば、良好
な摺動性を得ることができる気密部材を、容易に製造す
ることができる。第3の発明によれば、良好な摺動性が
得られる摺動開閉部材を提供することができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を具現化した実施例につき、具
体的に説明する。 (実施例1)図1には、本実施例の気密部材2が示され
ている。図2には、住宅の窓枠20と、その窓枠20に
取り付けられる窓材30が組み合わされた状態が示され
ている。この窓枠20は、横長の長方形状であり、上下
の枠部の内側には、窓材30の摺動移動を案内するレー
ル部材22、24が形成されている。本実施例の気密部
材2は、この窓枠20のレール部材22に取り付けられ
る窓材30の上框部32に取り付けられる。窓枠20と
窓材30とが組み合わされた状態における、上枠部と上
框部32との嵌め合い部のIII −III 線の断面図が図3
に示されている。
【0035】窓枠20のレール部材22は、下方を指向
して垂下されており、枠の方向に沿って2連形成されて
いる。図3において左方向が室外側であり、右方向が室
内方向である。窓材30の上框部32は、その断面が、
このレール部材22を、室外側と室内側とから一定の空
間Sをおいて囲むように形成されている。この空間S
が、レール部材22に対しての上框部32の摺動を可能
にするための摺動空間である。この上框部32の上端側
の内側面には、レール部材22を挟んで対向するように
気密部材2の取り付け用凹部34が形成されている。こ
の取り付け用凹部34には、それぞれレール部材22側
を指向して枠方向に沿って開口スリット36が形成され
ている。
【0036】取り付け用凹部34には、それぞれ図1に
示す気密部材2が取り付けられる。この気密部材2は、
窓材30の上框部32の取り付け用基部34に取り付け
される取り付け用基部4と、シール部6とが、硬度JI
SA80°、引張強度110kgf/cm2 、引張伸び
率750%のSEBSで一体に成形されている。
【0037】取り付け基部4は、取り付け用凹部34に
嵌め込み可能な板状部4aと、この板状部からのほぼ中
央から直角状に延出され、さらに上方を指向して屈曲し
た延出部4bとから形成されており、スリット36から
延出部4bが突出されるようになっている。
【0038】シール部6は、延出部4bの先から、ほぼ
直角状に所定の長さに形成され、相手材に対する当接角
度θは、ほぼ90°となるように形成されている。な
お、本実施例において、取り付け基部4とシール部6と
は、気密部材2のそれぞれ主要な部分を機能で表現する
ものであり、取り付け基部4とシール部6との境界部位
は明確ではない。そして、このシール部6の先端側であ
って、レール部材22に当接される部位を含めた部分に
は、引張強度170kgf/cm2 、引張伸び率100
%の高流動性ポリプロピレン樹脂の薄膜(膜厚0.03
mm)が、滑面層8として一体に形成されている。さら
に、シール部6の屈曲部の根元には、脆弱部として凹部
10が形成されている。この凹部10は、シール部6の
下側に断面でR0.3mmの略半円の凹部に形成されて
いる。
【0039】このような気密部材2は、これらの材料
を、2台の押出し機により共押出しして形成する。それ
ぞれの材料の溶融温度と、共押出しの速度は、それぞれ
適切に調整する。なお、本実施例の気密部材2の寸法
は、図1に示すように、全体の幅が6.5mm、板状部
4aの高さが5.5mm、シール部6の厚みが0.7m
mである。
【0040】このように形成された気密部材2は、図3
に示すように、窓材30の上框部32の取り付け用凹部
34に、取り付け基部4を介して取り付けられると、シ
ール部6は、凹部10にてやや撓んで、シール部の先端
側は、鈍角(α)でレール部材22の表面に当接され密
着される。この結果、図2に示すように、窓枠20が窓
部材30で閉じられた状態にあっては、摺動空間Sの上
部が、上框部32の内側に取り付けられた密着部材2の
シール部6で密閉され、窓枠20の上枠部と窓材30の
上框部32との間は密閉された状態となる。特に、シー
ル部6が撓んで、レール部材22に当接されているため
に、確実にシール部6の先端側がレール部材22に密着
されるため、良好な密閉性が得られている。
【0041】この状態で、図2の中央に示す方向に窓部
材30を摺動する場合、レール部材22の表面には、滑
面層8が当接されるため、摺動時の摩擦係数が小さくな
っているとともに、シール部6に設けた凹部10によ
り、レール部材22に対する接触圧力が低減されている
ため、摺動時におけるシール部6の変形抵抗が小さくな
っている。また、この凹部10に応力が集中して撓みや
すくなっているため、変形抵抗に伴うシール部先端側の
よじれを吸収して、この点においても良好な摺動が得ら
れるようになっている。
【0042】(実施例2)次に、実施例2として、実施
例1の変形例について説明する。この実施例では、図2
に示す窓枠20と窓材30の上框部32に適用される気
密部材42a、42bについて説明する。図4に、本実
施例の気密部材42a、42bが、上框部32の取り付
け用凹部34に取り付けられた状態において示されてい
る。この気密部材42aは、取り付け用凹部34に嵌め
込み可能な取り付け基部44aからシール部46aがや
や下方を指向して、当接角度θが鈍角となるように形成
されている。取り付け基部44aは、硬度JISA90
°引張強度150kgf/cm2 、引張伸び率750%
のSEBSにより形成されている。また、シール部46
aは、硬度JISA70°、引張強度95kgf/cm
2 、引張伸び率700%のSEBSにより形成されてい
る。さらに、その先端側の、レール部材22に当接され
る部位を含んだ部分が、引張強度400kgf/c
2 、引張伸び率10%の超高分子量ポリオレフィン樹
脂(リュブマー、三井石油化学工業製)で被覆(層厚
0.03mm)されて滑面層48aが形成されている。
さらに、シール部46aの基部付近の下面側には、凹部
50aが形成されている。
【0043】また、気密部材42bは、取り付け基部4
4bが、気密部材42aに用いたのと同様の硬度JIS
90°のスチレン系エラストマーで形成され、取り付け
凹部34にはめ込み可能な板状部から、一か所屈曲して
上方に突出されて形成されている。そして、この取り付
け基部44bの先端には、斜め下方を指向して当接角度
θ’が鈍角となるように形成されたシール部46bが形
成されている。シール部46bは、気密部材42aに用
いたのと同様のJIS硬度70°のスチレン系エラスト
マーで形成されている。そして、その先端側の、レール
部材22に当接する部位を含んだ部分が、前記した超高
分子量ポリオレフィン樹脂で被覆(層厚0.03mm)
されており、滑面層48bが形成されている。さらに、
シール部46bの基部付近の下面側には凹部50bが形
成されている。
【0044】このような気密部材42a、42bは、そ
れぞれが、共押し出し成形により、各部が一体に形成さ
れている。
【0045】このように形成した気密部材42a、42
bは、図4に仮想線で示す窓材30の上框部32の取り
付け凹部34に取り付けられる。シール部46aは、斜
め下方を指向して形成されていたが、取り付け状態で
は、シール部46aは凹部50aを基部として、さらに
下方に撓んで、その滑面層48aにおいて、レール部材
22表面に当接され、その角度は110°以上の鈍角と
なる。一方、気密部材42bのシール部46bは、凹部
50bを基部として下方に撓んで、その滑面層48bに
おいてレール部材22に当接され、その角度は110°
以上の鈍角となる。
【0046】このように、シール部46a、46bをレ
ール部材22に対して斜め下方を指向して形成する(当
接角度θ、θ’が鈍角とする)ことにより、接触圧力が
低下されているとともに、凹部50a、50bにおい
て、シール部46a、46bがより撓みやすくなってい
るので、摺動性が向上される。また、シール部46a、
46bが撓んで、レール部材22に接触することによ
り、シール部46a、46bの先端側がレール部材22
に確実に当接され、窓枠20の閉じ状態においては、密
閉性が向上される。
【0047】(実施例3)本実施例では、実施例2の気
密部材42aの変形例であり、窓材30の下框部33に
取り付けられる気密部材52について説明する。この気
密部材52は、図2のV−V線断面である図5に示され
ているように、この気密部材52は、窓材30の室外側
にのみ設けられている。気密部材52は、取り付け用凹
部35に嵌め込み可能な取り付け基部54と、その取り
付け基部54からやや上方を指向して、当接角度θが鈍
角となるように形成されたシール部56とから形成され
ている。取り付け基部54は、硬度JISA90°のス
チレン系エラストマーで形成され、シール部56は、実
施例2で用いたのと同様の硬度JISA70°のスチレ
ン系エラストマーで形成されている。そして、シール部
56の先端側の、レール部材24に当接される部位を含
んだ部分が、実施例1で用いたのと同様のポリプロピレ
ン樹脂で被覆されて滑面層58(膜厚0.05mm)が
形成されている。さらに、シール部56の基部付近の上
面側には、凹部60が形成されている。このような気密
部材52は、それぞれの材料を押し出す3台の押し出し
成形機により、共押し出しにより一体に形成されてい
る。
【0048】この気密部材52によれば、窓枠20の下
側のレール部材24に対して、シール部56が、鈍角で
当接されるため、有効に接触圧力が低下され、良好な摺
動性が得られる。
【0049】(実施例4)次に、実施例1の変形例とし
て、図6に基づいて説明する。この実施例の気密部材7
2は、窓材30の上框部32に取り付けられる気密部材
であり、取り付け凹部34に嵌め込み可能な取り付け基
部74と、その先端がレール部材22に到達される長さ
に形成されたシール部76とを備えている。この取り付
け基部74は、硬度JISA90°、引張強度210k
gf/cm2 、引張伸び率800%のオレフィン系エラ
ストマーで形成されており、取り付け凹部34にはめ込
み可能な板状部74aとそのほぼ中央からほぼ直角に突
出され、さらに、上方を指向して屈曲した延出部74b
とからなっている。そして、この延出部74bの上部に
は、取り付け時にレール部材22に当接するシール部7
6が斜め下方を指向して、当接角度θが鈍角となるよう
に形成されている、そして、このシール部76の先端側
には、実施例1で用いたのと同様のポリプロピレン樹脂
の薄膜が形成されて、滑面層78(膜厚0.02mm)
が形成されている。さらに、このシール部76の延出部
74b側に近接した部分には、上下に凹部80a、80
bが形成されている。このような気密部材72は、それ
ぞれの部材を形成する材料を用いて、3台の押出し成形
機を用いて、共押出しにより、同時に一体成形され、図
6に示す断面構造を有する、全体として細長い状態に形
成される。
【0050】この気密部材72によると、凹部80a、
80bがシール部76の上下に形成されているため、よ
り一層シール部76の根元部分において、応力集中され
やすくなっている。この結果、摺動時にこの部分におい
て撓むことにより、接触圧力が効果的に低下され、シー
ル部材76の先端側での変形やよじれも吸収されやすく
なっているので、良好な摺動が得られる。
【0051】(実施例5)この実施例は、実施例4の変
形例であり、図7に基づいて説明する。図7に示す気密
部材82は、窓材30の上框部32に取り付け可能な気
密部材であり、取り付け凹部34にはめ込み可能な取り
付け基部84とシール部86と備えている。取り付け基
部84は、硬度JISA95°、引張強度160kgf
/cm2 、引張伸び率800%のSEBSからなり、取
り付け凹部34に嵌め込みされる板状部84aと、この
板状部84aのほぼ中央から垂直に突出され、さらに上
方を指向して屈曲した延出部84bとから形成されてい
る。そして、この延出部84bの上下2か所から、シー
ル部86a、86bが、斜め下方を指向して形成されて
いる。上下2段に形成されたこのシール部86a、86
bは、いずれも、硬度JISA50°、引張強度50k
gf/cm2 、引張伸び率650%のSEBSからなっ
ている。そして、このシール部86a、86bの先端側
には、引張強度100kgf/cm2 、引張伸び率50
0%のポリエチレン樹脂の薄膜(膜厚0.05mm)
が、滑面層88a、88bとしてそれぞれ形成されてい
る。
【0052】そして、これらのシール部86a、86b
の延出部84bに近接した部分の下面側には、凹部90
a、90bがそれぞれ1個形成されている。これらの凹
部90a、90bは、やや幅広に形成されており、より
撓みやすくなっている。このような気密部材82は、そ
れぞれの部材の材料を溶融混練し押し出す3台の押出機
から、一つの押し出し型で一体に共押し出しされ、図7
に示す断面構造が得られるように全体として細長い帯状
体に成形される。
【0053】この気密部材82は、シール部86a、8
6bを2段構成して、レール部材22に当接される部分
を増大させることにより、摺動空間Sの密閉性が向上さ
れている。このため、開閉部位での、断熱性や防音性を
より向上させることができる。一方、当接部分の増大に
よる、摺動時の変形抵抗の増大を抑制するために、以下
の構成が採られている。すなわち、シール部86a、8
6bの硬度を低下させることにより(硬度JISA50
°)、シール部86a、86bの接触圧力を低下させて
いる。さらに、凹部90a、90bを大きく形成するこ
とにより、効果的に接触圧力を低下させることができる
ようになっているとともに、摺動時に発生する変形をこ
の凹部90a、90bで吸収しやすくしている。この結
果、この気密部材82においては、良好な摺動性が維持
されている。このように本実施例においては、密閉性の
向上による断熱性や防音性がより向上されるとともに、
良好な摺動特性が維持されている。
【0054】(実施例6)本実施例は、窓材の上框部に
取り付けられる気密部材92について説明する。図8に
は、本実施例の気密部材92が窓材100の上框部10
2の取り付け凹部104に取り付けられた状態が示され
ている。この取り付け凹部104は、窓材100の上框
部102の内側の上端に、上方に開口を有するようなポ
ケット状に形成されている。
【0055】気密部材92は、取り付け基部94とシー
ル部96とから形成されている。取り付け基部94は、
実施例2で用いたのと同様の硬度JISA90°のスチ
レン系エラストマーからなり、取り付け凹部104に嵌
め込み可能でしかも、取り付け凹部104から突出され
て、当接されるべきレール部材120側をに指向して屈
曲されて形成されている。そして、シール部96は、こ
の取り付け基部94に一体に、実施例2で用いたのと同
様の硬度JISA70°のスチレン系エラストマーか
ら、このレール部材120を指向して、そのほぼ中央部
分でやや屈曲されてレール部材120との当接角度θが
鈍角になるように形成されている。
【0056】そして、このシール部96の先端側であっ
て、レール部材120と当接される部位には、実施例1
で用いたのと同様のポリプロピレン樹脂の薄膜(膜厚
0.03mm)が滑面層98として形成されている。こ
のシール部96の屈曲部位の下側に、断面半円状の凹部
110が形成されている。この気密部材92も、それぞ
れの材料がそれぞれ異なる押し出し機から共押し出しさ
れて一体に成形されている。
【0057】この気密部材92の寸法は、図8に示すと
おり、シール部96の長さが約9mmであり、取り付け
基部94の長さは、約7.5mmとなっており、他の実
施例に比較してシール部96の長さが長くなっている。
【0058】このように形成した気密部材92による
と、シール部96が長いために、より小さい外力でシー
ル部96が撓みやすくなっており、シール部96のレー
ル部材120に対する接触圧力を低減しやすくなってい
る、このため、摺動性の良好な気密部材となっている。
さらに、シール部96の中程に凹部110が形成されて
いるとともに、この部分でシール部96が屈曲されてい
るので、シール部96が長くても、この凹部110でシ
ール部96が確実に撓むようになっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の気密部材の断面構造を示す図であ
る。
【図2】窓枠に窓材が取り付けられた状態を示す図であ
る。
【図3】窓材の上框部に取り付けた気密部材が窓枠のレ
ール部材に当接した状態を示す図である。
【図4】実施例2の気密部材の断面構造を示す図であ
る。
【図5】実施例3の気密部材の断面構造を示す図であ
る。
【図6】実施例4の気密部材の断面構造を示す図であ
る。
【図7】実施例5の気密部材の断面構造を示す図であ
る。
【図8】実施例6の気密部材の断面構造を示す図であ
る。
【図9】気密部材のシール部と、相手材との当接角度を
示す図である。
【図10】気密部材を取り付けた開閉部材を開閉部位に
セットする操作を示す図である。
【図11】従来の気密部材を示した図(a)、(b)で
ある。
【図12】従来の気密部材の取り付け例を示した図
(a)、(b)である。
【符号の説明】
2、42a、42b、52、72、82、92 気密部
材 6、46a、46b、56、76、86a、86b、9
6、シール部 8、48a、48b、58、78、88a、88b、9
8 滑面層 10、50a、50b、60、80a、80b、90
a、90b、110脆弱部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 将吾 愛知県知立市牛田町裏新切43番1号 槌屋 ティスコ株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建築物、容器等の開閉部位と、この開閉部
    位を摺動により開閉する開閉部材との間において、開閉
    部位または開閉部材のいずれか一方に取り付けられて、
    これらの間を密閉する気密部材であって、 前記取り付け側から、開閉部位あるいは開閉部材側を指
    向して延出されて、その先端側が開閉部位あるいは開閉
    部材に当接される弾性材料からなるシール部と、 このシール部の少なくとも一箇所に形成した脆弱部と、 このシール部の先端側であって、前記開閉部位あるいは
    前記開閉部材に当接される部位に形成された滑面層、と
    を備えたことを特徴とする気密部材。
  2. 【請求項2】前記脆弱部は、シール部に形成した凹部で
    あることを特徴とする請求項1に記載の気密部材。
  3. 【請求項3】前記シール部はスチレン系あるいはオレフ
    ィン系の熱可塑性エラストマーからなることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の気密部材。
  4. 【請求項4】前記滑面層は、ポリオレフィン樹脂からな
    ることを特徴とする請求項1、2又は3のいずれかに記
    載の気密部材。
  5. 【請求項5】建築物、容器等の開閉部位と、この開閉部
    位を摺動により開閉する開閉部材との間において、開閉
    部位または開閉部材のいずれか一方に取り付けられて、
    これらの間を密閉する気密部材であって、前記取り付け
    側から、開閉部位側あるいは開閉部材側を指向して延出
    形成され、その先端側が開閉部位あるいは開閉部材に当
    接される弾性材料からなるシール部と、このシール部の
    少なくとも一箇所に形成した脆弱部と、このシール部の
    先端側であって、前記開閉部位あるいは前記開閉部材に
    当接される部位に形成された滑面層とを備えた気密部材
    を製造する方法であって、 前記シール部に前記脆弱部を凹部として押出し成形する
    とともに、このシール部に前記滑面層を一体に押出し成
    形することを特徴とする気密部材の製造方法。
  6. 【請求項6】建築物、容器等の開閉部位と、この開閉部
    位を摺動により開閉する開閉部材であって、 この開閉部材の摺動部位には、その先端側が前記開閉部
    位に当接する弾性材料からなるシール部と、このシール
    部の少なくとも一箇所に形成した脆弱部と、このシール
    部の先端側であって、前記開閉部位あるいは前記開閉部
    材に当接される部位に形成された滑面層とを有する気密
    部材が装着されていることを特徴とする開閉部材。
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