JPH10216984A - 容器内部構造物の水中切断方法及びその装置 - Google Patents

容器内部構造物の水中切断方法及びその装置

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JPH10216984A
JPH10216984A JP9021863A JP2186397A JPH10216984A JP H10216984 A JPH10216984 A JP H10216984A JP 9021863 A JP9021863 A JP 9021863A JP 2186397 A JP2186397 A JP 2186397A JP H10216984 A JPH10216984 A JP H10216984A
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JP
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cutting
internal structure
container
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underwater
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JP9021863A
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Toru Ozaki
徹 小崎
Toshio Kojima
敏雄 小嶋
Yuji Nagasawa
裕二 長澤
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IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 狭隘部における切断作業の効率化を図り、工
事期間を短縮し、切断作業のための設備や機器の簡素化
を図るとともに、水中雰囲気での作業を可能として、原
子炉圧力容器の内部構造物への適用時の被曝量を抑制す
る。 【解決手段】 容器、特に原子炉圧力容器の内部構造物
を、水中雰囲気において、レーザ光の照射により切断す
る技術であり、光ファイバ及びガス供給チューブを接続
した切断手段を容器の貯留水の内部に吊り降ろし、切断
手段を被切断物に近接させて、切断手段に対して光ファ
イバ経由のレーザ光とガス供給チューブ経由のアシスト
ガスとを伝送し、切断手段と被切断物との間にアシスト
ガス雰囲気を形成するとともに、レーザ光を被切断物に
照射して加熱溶解させることにより被切断物を切断す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器内部構造物の
水中切断方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】原子力発電プラント関連の設備、その他
の実験的設備等における耐用年数経過後の解体技術に関
連して、技術例1:特開平4−197580号公報「鋼
材の水中アーク切断方法」が提案されている。この技術
例1では、ドロスの性質を改善して、強磁性体への磁着
を妨げながら、アーク切断時の作業効率を向上させるよ
うにしている。
【0003】他の技術例として、 技術例2:原子炉圧力容器の内部水を排出して気中状態
とするか、あるいは遮水箱を用いて切断対象物の一部分
を気中状態として切断を行なう方法。 技術例3:超高圧水を用いる切断工法。 技術例4:水中プラズマによる切断工法。 等が考えられている。
【0004】一方、技術例5:特開平5−293642
号公報「狭隘部における溶接方法及びその装置」では、
図11に示すように、沸騰水型原子炉において、原子炉
圧力容器1の内部に水を貯留したままの状態で、狭隘部
Aに溶接装置Xを搬入して溶接作業を実施する技術が提
案されている。図11において、符号1は原子炉圧力容
器、2は炉心、3はシュラウド、4はジェットポンプ、
5はバッフルプレート、6はマンホール(作業穴・アク
セスホール)、7は閉塞蓋、8は溶接部を示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、技術例1にあ
っては、例えば20000〜40000アンペアの直流
電流を流す技術であるために、小型化に限度があり、図
11例の狭隘部Aに溶接機器を搬入することが不可能で
ある。
【0006】技術例2〜技術例4にあっては、いずれも
小型化の点で難があり、図11例の狭隘部Aにおいて、
切断作業を行なうことが実質的に困難なものとなる。
【0007】一方、技術例5にあっては、図11に示さ
れているように、狭隘部Aであっても、上方が開放され
ている箇所について適用し得るものの、狭隘部Aに位置
している内部構造物、例えばジェットポンプ・ディフュ
ーザDを切断するような場合には、適用することができ
ない。該ジェットポンプ・ディフューザDは、図12に
示すように、下部径が広げられたテーパを有しているた
め、ジェットポンプ4を外して、切断用機器を上方開口
から内部に持込んだとしても、その切断位置の設定や固
定が困難になる。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、以下の目的を達成しようとするものである。 狭隘部への適用性を高めること。 切断作業のための設備や機器の簡素化を図ること。 切断作業の効率化を図り、工事期間を短縮すること。 水中雰囲気において切断することにより、原子炉圧力
容器の内部構造物への適用を容易にし、作業従事者の被
曝量を抑制すること。
【0009】
【課題を解決するための手段】容器(特に原子炉圧力容
器)の内部構造物であるジェットポンプ・ディフューザ
等の被切断物を、水中雰囲気において、レーザ光の照射
により切断する技術であり、光ファイバ及びガス供給チ
ューブを接続した切断手段を容器の貯留水の内部に吊り
降ろし、切断手段を被切断物に近接させて、切断手段に
対して光ファイバ経由のレーザ光と、ガス供給チューブ
経由のアシストガスとを伝送し、切断手段と被切断物と
の間にアシストガス雰囲気を形成するとともに、レーザ
光を被切断物に照射して加熱溶解させることにより被切
断物を切断する。レーザ光としては、熱出力の大きなも
の、例えばYAGレーザ、ヨウ素レーザ及び半導体レー
ザが採用される。アシストガスとして、ヘリウムガス,
2 ガス等の不活性ガスの他、H2 ガス,酸素ガスまた
は空気が採用され、酸素の介在状態で加熱溶解すること
により、金属酸化反応を生じさせ、高温雰囲気での切断
を行なう。容器の上方位置に、水平作業位置設定手段が
配され、水平方向の位置調整により、切断手段による切
断作業位置が設定されるとともに、切断手段等は、クレ
ーンにより吊り降ろされる。容器の上方位置には、レー
ザビーム発生手段(レーザ発振機)や、アシストガス供
給手段が配され、光ファイバ及びガス供給チューブに接
続される。切断手段は、ハウジングの側部に外側方に突
出状態に取り付けられ、光ファイバに接続されてレーザ
光を照射するための切断トーチと、ガス供給チューブに
接続されて切断トーチの先端近傍にアシストガスを噴出
するためのガス噴出口とが配される。切断手段には、内
部構造物に上方から係合して水平位置及び上下を設定す
る位置合せブラケットが配される。該位置合せブラケッ
トには、旋回手段を介してハウジングが取り付けられ、
ハウジングに、水平スライダを介して切断トーチが水平
方向に直線移動可能に支持されるとともに、切断トーチ
は、水平駆動手段の作動により水平方向に突出させられ
て、内部構造物の切断表面に近接させられる。ハウジン
グの下部には、旋回部を介してガイド部が水平旋回可能
に取り付けられ、ガイド部は、内部構造物や穴縁部等と
の接触時に、所望位置に誘導する先細り状の案内面を有
している。ガイド部の側部には、内部構造物の基準面に
接触させて、水平位置を設定するための位置決め機構が
配される。該位置決め機構は、アクチュエータと、該ア
クチュエータにより駆動されるとともに、自身が揺動可
能な揺動レバーと、該揺動レバーの先端に配され側方に
突出させることにより内部構造物の基準面に接触させら
れる位置決めローラとを有している。被切断物は、例え
ばジェットポンプ・ディフューザとされ、その上部開口
に位置合せブラケットの一部を挿入することにより、着
脱可能な状態で上下左右方向の位置決めがなされる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1ないし図7は、本発明に係る
容器内部構造物の水中切断方法及びその装置の第1実施
形態を示している。各図において、10はレーザビーム
発生手段、20はアシストガス供給手段、30は水平作
業位置設定手段、40は切断手段である。
【0011】先ず、被切断物Dが、原子炉圧力容器(容
器)1における内部構造物のジェットポンプ4のジェッ
トポンプ・ディフューザである場合について、水中切断
技術の概略を図2ないし図4を参照して説明する。
【0012】図2に示すように、クレーンC及びワイヤ
ロープRにより切断手段40を吊持し、レーザビーム発
生手段10と切断手段40とを光ファイバ11で接続し
た状態のまま、切断手段40を原子炉圧力容器1の貯留
水Wの内部に吊り降ろして、図3に示すように、ジェッ
トポンプ・ディフューザ(被切断物)Dの内部に挿入
し、光ファイバ11を経由したレーザ光を被切断物Dに
照射して加熱溶解を生じさせることにより、被切断物D
を例えば図4の切断線Lから胴切り状態に切断する技術
である。
【0013】以下、図5ないし図7を参照して、切断技
術の第1実施形態について詳細に説明する。
【0014】前記レーザビーム発生手段10は、YAG
レーザ,ヨウ素レーザ及び半導体レーザ等で、熱出力の
大きなレーザ光を出力し得るものが採用されるととも
に、途中が水平作業位置設定手段30で支持された状態
の光ファイバ11により切断手段40に接続される。
【0015】前記アシストガス供給手段20は、通常の
場合に、ヘリウムガス等の不活性ガスを供給する機能を
有するものが採用されるとともに、光ファイバ11と同
様に、途中が水平作業位置設定手段30で支持された状
態のガス供給チューブ21により切断手段40に接続さ
れる。
【0016】そして、アシストガス供給手段20には、
制御手段22が併設され、該制御手段22から、例えば
ガス供給チューブ21の中に収納した電気ケーブルを経
由して、電力及び制御信号等を切断手段40に伝送する
ことにより、切断手段40の作動及び制御を行なうよう
にしている。
【0017】前記水平作業位置設定手段30は、図1に
示すように、原子炉圧力容器1の上方位置の作業フロア
Fに配されている軌道31と、該軌道31に案内されて
走行する走行架台32と、該走行架台32に横行可能に
搭載されクレーンCからのワイヤロープRの水平位置を
設定するトロリ33と、該トロリ33に一体的に移動可
能に連結され光ファイバ11及びガス供給チューブ21
を中継する中継台34とを有している。なお、光ファイ
バ11及びガス供給チューブ21は、トロリ33により
吊持されてワイヤロープRとともに水平移動させられ
る。
【0018】前記切断手段40は、図5等に示すよう
に、全体が被切断物Dの上部開口(ディフューザ上部開
口)hを通過し得る外径寸法に組み付けられており、上
部開口hに係合させられる位置合せブラケット41と、
該位置合せブラケット41に吊持状態の吊り下げ管42
と、該吊り下げ管42の下部に配される旋回手段43
と、該旋回手段43に吊持状態のハウジング44と、該
ハウジング44に取り付けられている水平スライダ45
と、該水平スライダ45を水平駆動するための水平駆動
手段46Aと、水平スライダ45及び水平駆動手段46
Aにより外側方に突出させられる切断トーチ47と、ハ
ウジング44の下部に配される旋回部48と、該旋回部
48の下部外側方に突出可能に取り付けられている位置
合せ機構49と、旋回部48から下方に突出状態に取り
付けられているガイド部50とを具備している。
【0019】切断手段40の詳細構造について、図5な
いし図7を参照して、以下説明する。
【0020】前記位置合せブラケット41の部分は、図
5に示すように、上部開口hの部分が、上広がり状態の
テーパ状であることを利用して上方からはめ込むことに
より上下方向及び水平方向の位置合わせを行なうもので
あり、ワイヤロープRにより吊持される吊り具41a
と、上部開口hのテーパ部に係合して案内される係合部
41bと、吊り下げ管42を揺動可能な状態に支持する
ためのジョイント部41cとを有している。
【0021】前記吊り下げ管42の部分は、図5に示す
ように、位置合せブラケット41に吊持状態に支持され
るとともに、その下部に、旋回手段43を介在させた状
態で、ハウジング44,切断トーチ47,位置合せ機構
49,ガイド部50等を吊持状態に支持するものであ
る。
【0022】前記旋回手段43の部分は、図5に示すよ
うに、吊り下げ管42に対してハウジング44を水平旋
回可能に支持するための軸受け43aと、ハウジング4
4に搭載され回転力を発生させるための電動モータ等の
液密構造の回転駆動源43bと、該回転駆動源43bに
よって回転させられるピニオン43cと、該ピニオン4
3cに噛み合わされ吊り下げ管42の下部に一体に取り
付けられているラックギヤ43dとを有している。
【0023】前記ハウジング44の部分は、旋回手段4
3に水平旋回状態に吊持されるとともに、水平スライダ
45,切断トーチ47及び旋回部48等の支持または収
納を行なうものである。
【0024】前記水平スライダ45の部分は、図6等に
示すように、ハウジング44の内部に配されるととも
に、切断トーチ47を水平移動可能に支持するものであ
り、ハウジング44の内部に水平方向に架設されている
複数本のガイドロッド45aと、該ガイドロッド45a
を支持している支持ブラケット45bと、ガイドロッド
45aに移動可能に支持されかつ切断トーチ47を外方
に向けて支持する移動ブラケット45cと、移動ブラケ
ット45cに取り付けられ切断トーチ47の突出位置を
設定するための突出量設定具45dとを有している。
【0025】前記水平駆動手段46Aは、図6例ではハ
ウジング44に揺動可能に概略上下方向に沿って取り付
けられたアクチュエータが適用され、該水平駆動手段4
6Aの先端にリンク受け部材46aが配されるととも
に、該リンク受け部材46aと支持ブラケット45bと
の間、リンク受け部材46aと移動ブラケット45cと
の間に、対をなすリンク46b,46cがピン結合によ
り取り付けられて、切断トーチ47を水平方向に駆動す
るようにしている。
【0026】前記切断トーチ47は、水平スライダ45
の移動ブラケット45cに支持されて被切断物Dの内面
に近接するように突出させられるとともに、前述の光フ
ァイバ11に接続されて伝送されるレーザ光を被切断物
Dの内面に対して照射する照射部47aと、前述のガス
供給チューブ21に接続されて供給されるアシストガス
を照射部47aの近傍に噴出させてレーザ光の照射範囲
をガス雰囲気とするためのガスガス噴出口47bとを有
している。
【0027】前記旋回部48は、ハウジング44の下部
とガイド部50との間に介在状態に配されて、これらを
相対旋回可能とするもので、前述の軸受け43aと類似
する機能を有している。
【0028】前記位置合せ機構49は、図5ないし図7
に示すように、ハウジング44の中心部に下向きに配さ
れるアクチュエータ49aと、該アクチュエータ49a
の先端(下端)に水平回転可能に取り付けられている支
持板49bと、該支持板49bに対して上下揺動可能に
取り付けられガイド部50の隙間等を介して外側方に突
出されてハウジング44の中心位置を設定するための複
数の揺動アーム49cと、該揺動アーム49cの先端に
取り付けられ被切断物Dの内面への接触時に上下方向に
転動させられる位置決めローラ49dと、旋回部48の
下部またはガイド部50と揺動アーム49cの中間部と
の間にピン結合されて揺動アーム49cの突出及び折り
畳み操作を補助する中間リンク49eとを有している。
【0029】前記ガイド部50は、隙間から揺動アーム
49cを突出させるために、複数に縦割り状に分割され
た構造またはスリットを有する構造等とされるととも
に、その下部に先細り状の案内面50aを有しており、
切断手段40の吊り降ろし時に、原子炉圧力容器1の内
部構造物や被切断物Dに対して接触した際に、ずれを生
じさせて、所望位置に誘導するようにしている。
【0030】以下、被切断物Dを、レーザ光の照射によ
り図4の切断線Lで切断する場合について説明する。
【0031】原子炉圧力容器1に水を張った状態で、光
ファイバ11及びガス供給チューブ21を接続した切断
手段40を、クレーンC及びワイヤロープRにより吊り
具41aを吊持して、貯留水Wの中に吊り降ろす。
【0032】図1に示すように、水平作業位置設定手段
30を作動させることにより、走行架台32及びトロリ
33を移動させて、ワイヤロープRに吊持された切断手
段40,光ファイバ11及びガス供給チューブ21の水
平方向の位置(水平座標)を調整しながら、切断手段4
0を被切断物Dの上部開口hの位置まで吊り降ろす。
【0033】なお、ジェットポンプ4にあっては、被切
断物Dよりも上方の部分を予め撤去しておくものとす
る。
【0034】ガイド部50を上部開口hに挿入すると、
案内面50aが上部開口hの内面に接触することによ
り、中心位置への誘導が行なわれ、切断手段40が被切
断物Dの内部に導かれる。
【0035】切断手段40の下降時にあっては、被切断
物Dの内径が下方位置で大きくなっていることにより、
上部開口hとの位置合わせにより、ほぼ中心位置を円滑
に降下するものとなる。
【0036】切断手段40における位置合せブラケット
41の係合部41bが、上部開口hに接触して、テーパ
形状に基づいて中心位置で係合状態(はめ込まれた状
態)となることにより、切断手段40の上下位置と上部
の水平方向の位置とが設定される。
【0037】位置合せ機構49を作動させ、アクチュエ
ータ49aにより支持板49bを下降させるとともに、
揺動アーム49cを開くように揺動させて、位置決めロ
ーラ49dを、図5に示すように被切断物Dの内面(基
準面)Sに接触させることにより、切断手段40におけ
る下部の水平方向の位置設定が行なわれる。
【0038】水平駆動手段46Aを作動させて、リンク
受け部材46aの上昇により、対をなすリンク46b,
46cを開くと、水平スライダ45に支持されている切
断トーチ47が外側方に移動し、照射部47aを被切断
物Dの内面に近接させるとともに、突出量設定具45d
を被切断物Dの内面に接触させることにより、照射部4
7aの突出位置を正確に設定することができる。
【0039】照射部47a及びガス噴出口47bを、被
切断物Dの内面に近接させた状態で、図1に示すレーザ
ビーム発生手段10及びアシストガス供給手段20を作
動させる。アシストガスをガス供給チューブ21を経由
して供給することにより、ガス噴出口47bから噴出さ
せて、照射部47aの周囲にアシストガス雰囲気を形成
しておいて、レーザ光を光ファイバ11を経由して伝送
することにより、レーザ光を被切断物Dに照射して加熱
溶解させる。
【0040】切断トーチ47による加熱溶解は、旋回手
段43の作動により被切断物Dの全周にわたって行なわ
れる。つまり、図5に示すように、切断手段40は、上
部が、位置合せブラケット41及び上部開口hの係合に
より、芯出しと水平旋回抑制とが行なわれ、下部が、位
置合せ機構49と基準面Sとの緊密な接触により、芯出
しと水平旋回抑制とが行なわれているが、ハウジング4
4,水平スライダ45,水平駆動手段46A及び切断ト
ーチ47等は、軸受け43aや旋回部48により水平旋
回可能な状態である。したがって、回転駆動源43bの
作動により、ピニオン43cを回転させると、旋回抑制
状態のラックギヤ43dをピニオン43cが転動する状
態となり、ハウジング44の水平旋回とともに、切断ト
ーチ47が周方向に移動させられて、加熱溶解箇所が全
周に及ぶようになり、被切断物Dが胴切り状態に切断さ
れるものとなる。
【0041】被切断物Dの切断後、水平駆動手段46A
を逆方向に作動させて、切断トーチ47を退避させた状
態とするとともに、位置合せ機構49における揺動アー
ム49cを畳んだ状態に戻して、切断手段40を引き上
げ撤去する。
【0042】なお、切断された被切断物Dにあっても、
適宜撤去される。
【0043】次いで、図8ないし図10に基づいて、本
発明に係る容器内部構造物の水中切断装置の第2実施形
態について説明する。
【0044】該第2実施形態にあっては、第1実施形態
で説明した水平駆動手段46Aに代えて、アクチュエー
タを使用した水平駆動手段46Bが採用されている。つ
まり、水平駆動手段46Bは、ハウジング44の内部
と、水平スライダ45の移動ブラケット45cとの間
に、これらに介在するようにアクチュエータを配して、
水平駆動手段46Bの伸張作動により、直接移動ブラケ
ット45cを、図8の実線で示す位置から鎖線で示す位
置まで、外側方向に押し出すことにより、切断トーチ4
7を水平駆動するものである。切断トーチ47を退避さ
せる場合は、水平駆動手段(水平駆動用アクチュエー
タ)46Bを収縮させてることにより行なわれる。
【0045】〔他の実施の形態〕本発明にあっては、前
述した実施形態の技術に加えて、以下の技術を包含して
いる。 a)アシストガスとして、ヘリウムガス,N2 ガス等の
不活性ガスの他、H2 ガスを使用すること。 b)アシストガスとして、酸素ガスまたは酸素を含む空
気の気体を採用し、酸素の介在状態で加熱溶解すること
により、金属酸化反応を積極的に生じさせ、溶解作用を
補助すること。 c)上記の金属酸化反応を、高温雰囲気で行なうこと。 d)溶解切断対象物が、被切断物以外の内部構造物であ
ること。 e)上記において、内部構造物の表面の一部を利用して
基準面Sを設定すること。
【0046】
【発明の効果】本発明に係る容器内部構造物の水中切断
方法及びその装置によれば、以下の効果を奏する。 (1) 容器の内部構造物に対して光ファイバによりレ
ーザ光を伝送して、レーザ光を被切断物に照射して溶解
させて切断することにより、狭隘部への適用性を高める
ことができる。 (2) 光ファイバ及びレーザ光を利用することによ
り、切断作業のための設備や機器の簡素化を図ることが
できる。 (3) レーザ光の照射箇所に、ガス供給チューブを経
由してアシストガスを噴出させて、アシストガス雰囲気
を形成することにより、切断作業の効率化を図り、工事
期間を短縮することができる。 (4) 光ファイバ及びガス供給チューブを利用して、
レーザ光及びアシストガスを伝送及び供給することによ
り、容器内部の水中の内部構造物に対する切断作業の適
用性を高めることができる。 (5) 水中雰囲気において切断することにより、原子
炉圧力容器の内部構造物への適用を容易にし、かつ作業
従事者の被曝量を抑制することができる。 (6) 酸素をアシストガスとして使用することによ
り、金属酸化反応により溶解切断作業効率を向上させる
ことができる。 (7) 切断手段を上下で位置合わせすることにより、
切断作業の精度を向上させることができる。 (8) 位置合せ機構により、切断手段の中心位置を設
定することにより、切断位置の周方向の変更を効率よく
かつ速やかに確実に行なうことができる。 (9) 水平スライダ及び水平駆動手段を配することに
より、切断トーチの繰り出し及び退避範囲を大きくし、
下方が広がったジェットポンプ・ディフューザ等への適
用性を高め、かつパイプ等を内側から切断することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る容器内部構造物の水中切断方法
及びその装置の第1実施形態を示す一部を破断した状態
の斜視図である。
【図2】 図1の切断手段を原子炉圧力容器の貯留水中
に吊り降ろす状況を示す一部の記載を省略した正面図で
ある。
【図3】 図1の切断手段をジェットポンプ・ディフュ
ーザの内部に設置した状況を示す一部の記載を省略した
正面図である。
【図4】 図3に示すジェットポンプ・ディフューザの
切断位置を示す一部の記載を省略した正断面図である。
【図5】 図4に示すジェットポンプ・ディフューザに
切断手段を組み込んだ状態の一部の記載を省略した正断
面図である。
【図6】 図5の水平スライダ及び水平駆動手段の作動
状況を示す一部の記載を省略した正断面図である。
【図7】 図6に示す部分の平面図である。
【図8】 本発明に係る容器内部構造物の水中切断装置
の第2実施形態を示す正断面図である。
【図9】 図8に示す部分の平面図である。
【図10】 本発明に係る容器内部構造物の水中切断装
置の第2実施形態を示す側断面図である。
【図11】 技術例5に記載されている溶接装置の搬入
状況における一部の記載を省略した斜視図である。
【図12】 ジェットポンプ・ディフューザの構造例を
示す一部を破断した斜視図である。
【符号の説明】
1 容器(原子炉圧力容器) 4 ジェットポンプ F 作業フロア W 貯留水 A 狭隘部 D 被切断物(内部構造物:ジェットポンプ・ディフュ
ーザ) h 上部開口 L 切断線 S 基準面 C クレーン R ワイヤロープ 10 レーザビーム発生手段(レーザ発振機) 11 光ファイバ 20 アシストガス供給手段 21 ガス供給チューブ 22 制御手段 30 水平作業位置設定手段 31 軌道 32 走行架台 33 トロリ 34 中継台 40 切断手段 41 位置合せブラケット 42 吊り下げ管 43 旋回手段 43a 軸受け 43b 回転駆動源 44 ハウジング 45 水平スライダ 45d 突出量設定具 46A,46B 水平駆動手段 47 切断トーチ 47a 照射部 47b ガス噴出口 48 旋回部 49 位置合せ機構 49a アクチュエータ 49c 揺動アーム 49d 位置決めローラ 50 ガイド部
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G21F 9/30 ZAB G21F 9/30 ZAB 531 531E (72)発明者 長澤 裕二 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社横浜エンジニアリ ングセンター内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ(11)を接続した切断手段
    (40)を容器の貯留水(W)の内部に吊り降ろす工程
    と、切断手段を被切断物(D)に近接させる工程と、光
    ファイバ経由のレーザ光を被切断物に照射して加熱溶解
    させることにより被切断物を切断する工程とを有するこ
    とを特徴とする容器内部構造物の水中切断方法。
  2. 【請求項2】 容器(1)の内部に貯留水(W)を介在
    させるとともに、ガス供給チューブ(21)を切断手段
    (40)に接続して、アシストガスを被切断物(D)の
    表面に向けて噴出させ、レーザ光の照射箇所にアシスト
    ガス雰囲気を形成することを特徴とする請求項1記載の
    容器内部構造物の水中切断方法。
  3. 【請求項3】 アシストガスとして、酸素含有ガスを使
    用し、酸素の介在雰囲気で加熱溶解させることにより、
    金属酸化反応を生じさせることを特徴とする請求項2記
    載の容器内部構造物の水中切断方法。
  4. 【請求項4】 切断手段(40)が、容器(1)の上方
    位置の水平作業位置設定手段(30)により吊持される
    とともに、水平方向の位置調整により切断手段の切断作
    業位置が設定されることを特徴とする請求項1、2また
    は3記載の容器内部構造物の水中切断方法。
  5. 【請求項5】 位置合せブラケット(41)を被切断物
    (D)の上部に上方から係合することにより、位置合せ
    ブラケットに吊持状態の切断手段(40)の位置合わせ
    行なうことを特徴とする請求項1、2、3または4記載
    の容器内部構造物の水中切断方法。
  6. 【請求項6】 切断手段(40)を、水平旋回させるこ
    とにより被切断物(D)の内周面にレーザ光を照射する
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の
    容器内部構造物の水中切断方法。
  7. 【請求項7】 位置合わせ状態の切断手段(40)を、
    水平方向に直線移動させて被切断物(D)の内周面に近
    接させることを特徴とする請求項6記載の容器内部構造
    物の水中切断方法。
  8. 【請求項8】 容器(1)の被切断物(D)をレーザ光
    の照射により切断する装置であって、レーザビーム発生
    手段(10)と、該レーザビーム発生手段に光ファイバ
    (11)を介して接続され容器の内部に吊り降ろされる
    とともに被切断物(D)の表面にレーザ光を照射して被
    切断物を加熱溶解させる切断手段(40)と、該切断手
    段を吊持するとともに水平方向の位置調整により切断作
    業位置を設定する水平作業位置設定手段(30)とを具
    備することを特徴とする容器内部構造物の水中切断装
    置。
  9. 【請求項9】 被切断物(D)が容器(1)の貯留水
    (W)中に配され、切断手段(40)に、ガス供給チュ
    ーブ(21)を介してアシストガス供給手段(20)が
    配されることを特徴とする請求項8記載の容器内部構造
    物の水中切断装置。
  10. 【請求項10】 切断手段(40)に、光ファイバ(1
    1)に接続状態の切断トーチ(47)と、ガス供給チュ
    ーブ(21)に接続されアシストガスを噴出するガス噴
    出口(47b)とが配されることを特徴とする請求項8
    または9記載の容器内部構造物の水中切断装置。
  11. 【請求項11】 切断手段(40)を吊持するととも
    に、被切断物(D)に上方から係合して位置決めを行な
    う位置合せブラケット(41)が配されることを特徴と
    する請求項8、9または10記載の容器内部構造物の水
    中切断装置。
  12. 【請求項12】 位置合せブラケット(41)に、旋回
    手段(43)と、該旋回手段に支持され切断手段(4
    0)を水平方向に直線移動可能に搭載している水平スラ
    イダ(45)と、切断手段を水平方向に駆動する水平駆
    動手段(46A,46B)とが配されることを特徴とす
    る請求項11記載の容器内部構造物の水中切断装置。
  13. 【請求項13】 位置合せブラケット(41)と旋回手
    段(43)とに、ハウジング(44)が吊持状態に取り
    付けられるとともに、該ハウジングに切断手段(40)
    が水平スライダ(45)を介して外側方に突出状態に取
    り付けられることを特徴とする請求項12記載の容器内
    部構造物の水中切断装置。
  14. 【請求項14】 ハウジング(44)の下部に、旋回部
    (48)を介してガイド部(50)が水平旋回可能に取
    り付けられ、ガイド部が先細り状の案内面(50a)を
    有していることを特徴とする請求項13記載の容器内部
    構造物の水中切断装置。
  15. 【請求項15】 ガイド部(50)の側部に、被切断物
    (D)の基準面(S)に接触させて、水平位置を設定す
    るための位置合せ機構(49)が配されることを特徴と
    する請求項14記載の容器内部構造物の水中切断装置。
  16. 【請求項16】 被切断物Dが、原子炉圧力容器1にお
    けるジェットポンプ・ディフューザとされるとともに、
    該ジェットポンプ・ディフューザの中に、切断手段(4
    0)が挿入されることを特徴とする請求項8、9、1
    0、11、12、13、14または15記載の容器内部
    構造物の水中切断装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105057820A (zh) * 2015-08-28 2015-11-18 上海核工程研究设计院 一种辐照监督样品盒切割与转运装置
CN105081483A (zh) * 2015-08-28 2015-11-25 上海核工程研究设计院 一种辐照监督样品定位夹持与切割装置及其方法
CN117900650A (zh) * 2024-03-19 2024-04-19 天津雨滨科技有限公司 一种半封闭金属桶激光切割装置

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