JPH10216920A - 非晶質合金の成形装置及び成形方法 - Google Patents

非晶質合金の成形装置及び成形方法

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JPH10216920A
JPH10216920A JP2569197A JP2569197A JPH10216920A JP H10216920 A JPH10216920 A JP H10216920A JP 2569197 A JP2569197 A JP 2569197A JP 2569197 A JP2569197 A JP 2569197A JP H10216920 A JPH10216920 A JP H10216920A
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amorphous alloy
mold
cooling
vacuum chamber
temperature
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JP2569197A
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Koki Iwazawa
広喜 岩沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブロック状等の肉厚の非晶質合金を、内部が
結晶化することなく、成形する。 【解決手段】 上型49、下型52及びスリーブ51に
よって非晶質合金を保持し、ヒータ44内で過冷却液体
域の温度に加熱し、ヒータ44内で加圧し、成形する。
成形後、上下型49,52、スリーブ51をヒータ44
から下降させ、冷却アーム46a,46bでチャック
し、冷却アーム46a,46bに供給される冷却媒体に
より急速に冷却する。熱伝導で急冷でき、非晶質合金5
0aの内部の結晶化を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非晶質合金、特に
バルク材となっている非晶質合金を成形する成形装置及
び成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】非晶質合金の成形は、そのガラス遷移温
度Tgと結晶化温度Txとの間の過冷却液体域で行われ
る。過冷却液体域では、非晶質合金が良好な粘性流動を
示すためである。この過冷却液体域での従来の成形とし
ては、特開平5−309427号公報に記載された方法
が知られている。
【0003】図10は、この従来の成形方法を示し、成
形を行う成形金型100及び一対のクランプ金型110
が成形室120内に配置されている。成形は、一対のク
ランプ金型110によって板状バルク材130となって
いる非晶質合金を成形金型100上で保持し、板状バル
ク材130の上方に配置された加熱流体供給管140か
ら、高温加圧ガスを供給することによって行われる。こ
のガスの供給によって、バルク材130がガラス遷移温
度Tgと結晶化温度Txとの間の温度に加熱される。そ
して、この温度を保持した状態で、バルク材130の両
面に圧力差を生じさせることにより、バルク材130を
成形金型100にガス圧で押し付け、この押し付けによ
って成形するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】肉厚が薄い板状の非晶
質合金材の成形加工では、強制空冷による冷却が可能で
あるが、板状以外の肉厚形状のバルク材、例えば円柱状
のバルク材等は均一な冷却は困難である。冷却では、表
面から徐々に冷却されるため、冷却能力が小さいと、肉
厚のバルク材では、内部の冷却が遅くなるため、内部は
冷却される前に結晶化するためである。従って、上述し
た従来の成形では、薄肉板状の非晶質合金材の成形加工
は可能であるが、肉厚形状の非晶質合金のバルク材の成
形加工ができないという問題点がある。
【0005】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みなされたもので、内部が結晶化する前に過冷却液体
域よりも低い温度に冷却することにより、肉厚の非晶質
合金の成形を可能とした成形装置および成形方法を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明の成形装置は、 密閉可能な真空チ
ャンバーと、この真空チャンバー内に配置され、非晶質
合金を押圧して成形する一対の金型と、この金型による
成形を行うため、少なくとも一方の金型を他方の金型に
押圧するプレス軸と、前記非晶質合金を前記金型と共に
非晶質合金の過冷却液体域の温度まで加熱する加熱装置
と、前記金型が加熱装置の内部及び外部に位置するよう
に金型と加熱装置とを相対的に移動させる移動手段と、
前記加熱装置の外部に位置した金型に対し冷却を行っ
て、前記非晶質合金の内部が結晶化する前に前記過冷却
液体域よりも低い温度に冷却する冷却装置と、を備えて
いることを特徴とする。
【0007】この構造において、加熱装置によって過冷
却液体域の温度に加熱された非晶質合金は、プレス軸の
作動によって金型内で押圧されて成形される。冷却装置
は、成形後の非晶質合金を金型と共に、加熱装置の外部
で冷却する。この冷却は、非晶質合金の内部が結晶化す
る前の過冷却液体域よりも低い温度となるように行うた
め、非晶質合金の内部が結晶化することなく、成形する
ことができる。従って、肉薄の場合はもちろん、肉厚の
バルク材であっても、良好に成形することができる。
【0008】請求項2の発明は、請求項1の発明であっ
て、前記冷却装置は、前記プレス軸の押圧方向と交差す
る方向から前記金型を包囲する少なくとも一対の冷却部
材と、この冷却部材の冷却媒体を供給する供給管と、冷
却部材を前記金型に対して進退させる進退部材と、を備
えていることを特徴とする。
【0009】冷却部材が金型を包囲して冷却するため、
金型との接触面積が大きく、効率の良い冷却が可能とな
る。進退部材は、この冷却部材を金型に対して進退させ
るため、冷却部材が金型の駆動の邪魔となることがな
い。
【0010】請求項3の発明の成形方法は、一対の金型
間に非晶質合金を配置した状態で真空チャンバー内を減
圧し、前記非晶質合金を金型と共に非晶質合金の過冷却
液体域の温度まで加熱する加熱工程と、加熱された非晶
質合金を金型で押圧して成形する成形工程と、非晶質合
金の内部が結晶化する前に、前記過冷却液体域よりも低
い温度となるように非晶質合金を金型と共に冷却する冷
却工程と、を備えていることを特徴とする。
【0011】加熱工程では非晶質合金を成形容易な温度
とし、成形工程では非晶質合金を成形する。その後の冷
却工程では、結晶化以前に非晶質合金の内部を過冷却液
体域より低い温度に冷却するため、肉厚肉薄に限らず、
非晶質合金の成形が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)図1において、ロア架台2に上に真空
チャンバー1が載置されている。真空チャンバー1は直
方体形状となっており、その正面には、ヒンジ6によっ
てワーク取り出し用の扉35が開閉自在に取り付けられ
ており、扉35を閉じることにより、内部が密閉状態と
なる。この真空チャンバー1は右側面に排気管5が接続
されており、この排気管5がロータリーポンプ4とディ
フュージョンポンプ3と接続されている。これにより真
空チャンバー1の内部は、10-3Paの圧力まで減圧す
ることができる。なお、真空チャンバー1の開閉は取手
25によって可能となっており、又、真空チャンバー1
は扉35に取り付けられた窓部32を介して内部を見る
ことができる。また、真空チャンバー1内の10-1Pa
未満の低真空を測定するため、ブルドン管真空計8がフ
ランジ24を介してチャンバー1の上面に取り付けら
れ、10-3Pa程度の高真空を測定するための電離真空
計38が図示せぬフランジを介して後述の如く真空チャ
ンバー1の右側面(図2参照)に取り付けられている。
【0013】ロア架台2上には、真空チャンバー1の周
囲に立設した4本の支柱9a及び支柱9a上端に掛け渡
された上板材9bからなるアッパー架台9が取り付けら
れており、このアッパー架台9上にアッパーベース22
が設けられている。アッパーベース22は後述するプレ
ス軸10を上下動させるプレス軸駆動手段を取り付ける
ためのものである。又、アッパーベース22には、2本
で一対となったスライドシャフト30及びこのスライド
シャフト30の前後両側に配置された4本の支柱31が
取り付けられている(なお、図1においては、支柱31
は後側の2本のみを示している)。これらのスライドシ
ャフト30及び支柱31の上端には、ボールネジベース
20が取り付けられ、このボールネジベース20上に4
本の支柱58が立設され、支柱58上にモータベース1
9が取り付けられている。
【0014】このモータベース19には、サーボモータ
18が取り付けられている。サーボモータ18はプレス
加工のためのモータであり、その出力軸にジョイント1
7、サポートユニット16を介してボールネジ15が取
り付けられている。このボールネジ15には、スライド
ユニット13が連結されている。スライドユニット13
はスライドブシュ14を介して上述したスライドシャフ
ト30に摺動可能となっている。これにより、スライド
ユニット13は、サーボモータ18が駆動し、ボールネ
ジ15が回転することにより、上下方向に移動する。
【0015】スライドユニット13の下部には、プレス
荷重測定を行うロードセル12と、プレス軸ベース11
とがショルダボルト21によって取り付けられている。
プレス軸ベース11はプレス軸10に取り付けられ、プ
レス軸10は後述するように、上型49(図3参照)を
押圧するようになっている。26はロア架台2に取り付
けられた電源パネルである。又、以上の構造からなる装
置は、制御状況をモニタする制御パネル29及び信号処
理を行うコントロールボックス28を介してパソコン等
の制御装置27に接続されている。
【0016】真空チャンバー1の右側面には、図2
(a)で示すように、メインバルブ7を有した排気管5
が右側に、真空チャンバー1内の圧力を測定するための
電離真空計38が専用フランジ(図示省略)を介して中
央上部に、電流導入用フランジ36が左上部に、冷却媒
体導入用フランジ37が左中央部に、ガス導入用フラン
ジ39が中央部に、荒引き排気管34が左下部にそれぞ
れ配置されている。電流導入用フランジ36は、真空チ
ャンバー1内部の中央部分に配置された加熱手段として
のヒータ43(図3参照)に通電するためのものであ
り、そのためのヒータ用コード(図示省略)が内部に挿
通されている。冷却媒体導入用のフランジ37は、温度
調整された冷却媒体を真空チャンバー1に供給するもの
であり、このため図3に示すように、冷却媒体を導入す
るための供給管54が挿通する。この供給管54は、フ
ランジ37を介して真空チャンバー1の外側に設けられ
た冷却媒体循環装置(図示省略)に接続されている。
又、供給管54は図3に示すように、真空チャンバー1
内に設けられた冷却部材としての冷却アーム46a,4
6bに冷却媒体を供給するものである。なお、冷却媒体
としては、エチレングリコールなどの熱容量の大きなク
ーラントが使用される。ガス導入用フランジ39は、不
活性ガスを真空チャンバー1内に導入するためのもので
ある。荒引き排気管34はロータリーポンプ4に接続さ
れる。
【0017】真空チャンバー1の左側面には、図2
(b)で示すように、熱電対導入用フランジ40が中央
部分に取り付けられている。熱電対導入用フランジ40
は、図3に示すように、熱電対45を真空チャンバー1
に導入するためのものである。この熱電対45は、図3
に示すように、下型52及び上型49をガイドする円筒
状のスリーブ51に接続されている。なお、円筒状のス
リーブ51はこれらの型52,49のそれぞれの成形面
外周部分を、その内周面でガイドするものであり、金型
のいずれか一方をプレス軸10の押圧方向に案内するス
リーブ部として機能する。
【0018】図3は真空チャンバー1の内部構造を示
し、下部には上述した冷却アーム46a,46bが配置
されている。これらの冷却アーム46a,46bは真空
チャンバー1の左右側壁の外面に取り付けられた水平直
動機33a,33bの出力軸に装着されている。水平直
動機33a,33bは、その駆動によって冷却アーム4
6a,46bを水平方向に進退させる進退部材として機
能する。冷却アーム46a,46bの先端面は、円筒状
スリーブ51の全周に密着状に囲む半円形となってお
り、冷却アーム46a,46bがスリーブ51に当接す
ることにより、スリーブ51の全周を包むことができ
る。
【0019】真空チャンバー1の下部中央には、下型5
2及び上型49が対向状態で配置されると共に、これら
が挿入される円筒状のスリーブ51が配置されている。
この場合、下型52及びスリーブ51は台座53上に載
置されている。台座53は、下型52及び上型49をプ
レス軸10と平行に位置出しするものであり、真空チャ
ンバー1の底壁の外面に取り付けられた上下直動機33
cの出力軸に取り付けられている。上下直動機33c
は、その駆動によって、下型52、上型49及びスリー
ブ51を上下動させ、その上動によって、これらを円筒
状のヒータ43内に挿入し、下動によってヒータ43の
外部に取り出す移動手段として機能する。
【0020】ヒータ43は、真空チャンバー1の内部を
上下に分割するように水平状に掛け渡されたヒータベー
ス44に取り付けている。このヒータ43は、台座53
が下方から進入可能となっていると共に、プレス軸10
が上方から進入可能となっている。
【0021】プレス軸10は、真空チャンバー1の上面
に立設したプレス軸受23に上下動可能に挿入されてい
る。このプレス軸受23の内面及び底面には、内部のグ
リースの流出を防止するOリング42が取り付けられて
いると共に、プレス軸10挿通部分には、ボールブシュ
41が取り付けられている。なお、Oリング42はOリ
ング用溝48に嵌め込まれている。47はプレス軸受2
3の内部にグリースを注入するためのグリス注入口であ
る。
【0022】下型52及び上型49との間には、非晶質
合金50がセットされる。非晶質合金としては、Zr系
であるZr55Cu30Al10Ni5 (数字は原子%)が使
用され、この合金はガラス遷移温度(Tg)が420
℃、結晶化温度(Tx)が500℃である。
【0023】次に、この実施の形態の作動を、図3〜図
5によって説明する。まず、図3に示すように円筒状ス
リーブ51の内部に下型52、成形前の非晶質合金5
0、上型49を挿入して組み合わせ、この組み合わせ状
態で扉35を開き、真空チャンバー1内の台座53に設
置する。この状態で真空チャンバー1の扉35を閉じ、
ロータリーポンプ4を作動させると共に、ディフュージ
ョンポンプ3を作動して真空チャンバー1内を排気す
る。真空チャンバー1内の圧力が10-2Pa程度に達し
た時点で、図4に示すように、上下直動機33cを駆動
し、台座53を上昇させる。ここでヒータ43のスイッ
チが入り、円筒状スリーブ51、下型52、非晶質合金
50、および上型49が非晶質合金50の過冷却液体域
であるTg点(420℃)とTx(500℃)の間の設
定温度である450℃になるまで急速に加熱する。
【0024】設定温度に達した時点で、その温度を保持
し、サーボモータ18を駆動させ、プレス軸10を下降
させる。そして、上型49、下型52に圧力を加え、上
型49と下型52により非結晶合金50を加圧して成形
する。加圧時の圧力は60MPaに設定し、加圧時間は
200秒とする。
【0025】この場合、プレス軸10の制御はサーボモ
ータ18のトルク制御で行う。又、スライドユニット1
3の変位をフィードバックする位置制御、ロードセル1
0の荷重をフィードバックする位置制御を併用する。こ
れらのトルク制御や位置制御はパソコン27の設定値に
対し、サーボモータ18やロードセル10からの信号を
コントロールボックス28で処理し、その結果をサーボ
モータ18にフィードバックすることにより行うもので
あり、制御データは制御パネル29に表示される。
【0026】成形終了後、図5に示すように、上下直動
機33cを駆動させ、台座53を下降させる。この下降
により、台座53は円筒状スリーブ51と共に、ヒータ
43内から引き出される。この引き出しの後、水平直動
機33a、33bを駆動させることにより、冷却アーム
46a、46bで円筒状スリーブ51をチャックする。
冷却アーム46a,46bは熱容量の大きな冷却媒体が
供給管54から供給されることにより、予め、冷却され
ており、チャックを行うと、冷却アーム46a、46b
により、円筒状スリーブ51を介し、熱伝導により、上
型49、成形された非晶質合金50aおよび下型52が
急速に冷却される。また、チャック状態では冷却媒体を
供給管54から連続的に供給して冷却を行う。この冷却
は好ましくは、50℃/min以上の冷却速度で行い、
このため熱電対45で円筒状スリーブ51の温度を検出
しつつ、冷却媒体の供給を調整する。
【0027】円筒状スリーブ51、下型52、成形され
た非晶質合金材料50a、上型49が十分冷却され、非
晶質合金50aの内部を含む全体が過冷却液体域よりも
低い温度に達した後、水平直動機33a、33bを駆動
させ、冷却アーム46a、46bを円筒状スリーブ51
から離し、成形を終了する。
【0028】なお、本実施の形態では非晶質合金の加
熱、成形及び制御を真空雰囲気中で行ったが、成形後に
おいては、真空雰囲気の真空チャンバー1の内部に対し
て、ガス導入用フランジ39よりアルゴンガス等の不活
性ガスを導入して成形された非晶質合金の冷却速度を速
くしても良い。
【0029】また、非晶質合金が小さい場合は、内部を
含めた全体の冷却を速やかに行うことができるため、上
述した不活性ガスだけでの冷却でも良い。従って、不活
性ガスと冷却媒体との併用は非晶質合金が大きい場合
に、冷却速度を大きくする点で、特に有効なものであ
る。
【0030】このような実施の形態では、非晶質合金5
0をヒータ43内で加熱し、押圧成形した後、ヒータ4
3の外部に取り出し、冷却アーム46a,46bを当接
させて冷却するため、非晶質合金の内部をも含めた全体
を過冷却液体域よりも低い温度に急速に冷却することが
できる。このため、内部が結晶化していない非結晶合金
の成形体を得ることができる。
【0031】(実施の形態2)図6〜図8は、実施の形
態2を示し、実施の形態1と同一の部材は同一の符号を
付して対応させてある。この実施の形態では、ヒータ5
9を上下に移動可能としたものである。すなわち、図6
に示すように、プレス軸10が挿通可能な挿通孔が形成
された円盤状の係合板56がヒータ59の上端に取り付
けられると共に、プレス軸10の下側には、係合板56
に係合するフランジ板55が取り付けられている。よっ
て係合板56およびヒータ59はプレス軸10の軸方向
に移動自在であり、プレス軸10の下側に取り付けられ
たフランジ板55により係止された状態となる。また、
ヒータ59はスリーブ51よりも長尺な円筒状となって
いる。
【0032】また、円筒状スリーブ51の下端面が嵌合
して、スリーブ51を着脱自在に位置決めする台座57
がプレス軸10直下の真空チャンバー1の底面上に固定
されている。また、内面が円筒状スリーブ51の外径に
嵌合する形状に加工され、円筒状スリーブ51を囲むよ
うにチャックした状態で冷却を行う冷却アーム46a、
46bが、真空チャンバー1の中心方向に水平に駆動可
能な水平直動機33a、33bに取り付けられている。
冷却アーム46a,46bは円筒状スリーブ51、上下
型49,52を介して非晶質合金50を冷却するもので
あり、供給管54から冷却媒体が供給される。真空チヤ
ンバー1の底部に固定した台座57は上型49、下型5
2、円筒状スリーブ51をプレス軸1と同軸に位置出し
するものである。この実施の形態では、ヒータ43が上
下動するものであり、従って、ヒータ43を固定するた
めのヒータベース44は取り付けられていない。又、こ
の実施の形態によって成形される非晶質合金50の組成
は、実施の形態1と同様のZr55Cu30Al10Ni
5 (数字は原子%)である。
【0033】次に、本実施の形態における動作及び成形
方法を説明する。まず、図6に示すように、円筒状スリ
ーブ51に下型52、非晶質合金50、上型49を挿入
して組み立て、この組み立て状態で扉35から真空チャ
ンバー1内に導入し、台座57に設置する。真空チャン
バー1の扉35を閉じ、真空チャンバー1内を排気す
る。真空チャンバー1内の圧力が10-2Pa程度に達し
た時点でプレス軸10の下面が台座57上面に当接する
までヒータ59を下降させる。このときプレス軸10の
下端は上型49と接触することがない。
【0034】ここでヒータ59のスイッチが入り、円筒
状スリーブ51、下型52、非晶質合金50、および上
型49を非晶質合金50の過冷却液体域であるTgとT
xの間の設定温度である450℃になるまで加熱する。
設定温度に達した時点で、図7に示すように、ヒータ5
9が台座57に当接した状態で温度制御を行うことによ
り、その温度を保持する。そして、サーボモータ18を
駆動させ、プレス軸10をさらに下降させて、その下面
から上型49、下型52に圧力を加え、上型49と下型
52により非結晶合金50を加圧して成形する。加圧の
圧力は実施の形態1と同じく60MPaであり、加圧時
間も同じく200秒である。このプレス軸10の制御は
サーボモータ18のトルク制御で行うと共に、スライド
ユニット13の変位をフィードバックする位置制御、ロ
ードセル12の荷重をフィードバックする位置制御で行
う。
【0035】成形終了後、プレス軸10を上昇させる。
この上昇によってヒータ59上部に取り付けた係合板5
6にプレス軸10の下部のフランジ板55が引っ掛かる
ため、ヒータ59がプレス軸10とともに上昇する。こ
れにより、円筒状スリーブ51,上下型49,52及び
非晶質合金50aがヒータ59の外部に位置する。
【0036】次に水平直動機33a、33bを駆動させ
て図8に示すように冷却アーム46a、46bにより円
筒状スリーブ51の外周面全体をチャックする。
【0037】このチャックによって、円筒状スリーブ5
1、上下型49,51及び成形された非晶質合金50a
を急冷する。この冷却においては、非晶質合金50aの
内部を含む全体が過冷却液体域よりも低い温度に達した
時点で、水平直動機33a,33bを駆動し、冷却アー
ム46a、46bを円筒状スリーブ51から離し、成形
が完了する。なお、冷却速度は実施の形態1と同じく5
0℃/min以上である。
【0038】このように、非晶質合金を加熱した後、ヒ
ータ59を上昇させて、ヒータ59の外部に位置させ、
その後、アーム46a,46bを当接して過冷却液体域
よりも低い温度まで急速冷却するため、内部が結晶化し
てない非晶質合金の成形品を得ることができる。なお、
この実施の形態では、ヒータ59の上下動をプレス軸の
上下動によって行うため、直動機が1台少なくなり、安
価に装置が製作できる利点がある。
【0039】以上の各実施の形態では、Zr系非晶質合
金を用いたが、これ以外の非晶質合金、例えば、Pd40
Ni10Cu3020等も同様の成形装置により同様の方法
により成形することができる。
【0040】図9は金型の別の構造を示す。この金型7
0は上型71及び下型72とを有している。下型72は
筒状に立ち上がるスリーブ筒73が一体的に形成されて
おり、このスリーブ筒73により上型71の上下動が案
内される。非晶質合金50はこの下型72と上型71と
の間に充填されて、押圧、成形される。この金型70で
は、円筒状スリーブ51が不要となるため、部品点数が
少なくなる。
【0041】又、以上の実施の形態では、円筒状スリー
ブ51を載置する台座53,57の載置面を、円筒状ス
リーブ51の下端側と嵌合して位置決め可能な円形の凹
部とし、さらに、これらの台座の凹部の中心すなわち凹
部に載置される円筒状スリーブの中心軸線と、円筒状ス
リーブ内の上型を押圧するプレス軸の軸線とを同軸上に
配置したが、これに限らず、円筒状スリーブ51内に、
下型52、非晶質合金50および上型49を挿入した組
立体の多数個を真空チャンバー1内に並列に並べた状態
で、同時に加熱し、同時に1つのプレス軸10のプレス
面で押圧成形し、所定の冷却速度で冷却して、非晶質合
金の合体を非晶質化することもできる。
【0042】この場合には、プレス軸と円筒状スリーブ
等の組立体との各軸線は同軸ではなくて平行な状態であ
り、従って、組立体は、組立体の位置出し部としての台
座上において、プレス軸に対して平行な状態で少なくと
も位置出しする機能を有するものであればよい。
【0043】また、各実施の形態では、円筒状スリーブ
51を用いたが、円筒状に限らず、4角筒状等の多角形
など、成形される非晶質合金材料の形状や台座の形状に
適宜に合わせて変更できるものである。
【0044】さらに、上下の型をガイドするスリーブ部
としてのスリーブ内に、上型49、下型52、非晶質合
金を配置したが、これに限らず、例えば下型52に非晶
質合金50を載せ、この上に上型49を載せて、下型、
非晶質合金および上型を重ねた状態が維持されるようで
あれば、スリーブを用いることなく、上下の型間で非晶
質合金を押圧成形することができる。
【0045】以上の説明から、本発明は以下の発明を包
含している。 (1) 密閉可能な真空チャンバーとこの真空チャンバ
ー内に配置され、非晶質合金を押圧して成形する一対の
金型と、この金型による成形を行うため、少なくとも一
方の金型を他方の金型に押圧するプレス軸と、金型と一
体又は別体となっており、金型の少なくとも一方を前記
押圧方向に案内するスリーブ部と、前記金型を前記プレ
ス軸と平行に位置出しする台座と、前記非晶質合金を前
記金型と共に非晶質合金の過冷却液体域の温度まで加熱
する加熱装置と、前記非晶質合金の内部が結晶化する前
に、前記過冷却液体域よりも低い温度に前記非晶質合金
を金型と共に冷却する冷却装置と、を備えていることを
特徴とする非晶質合金の成形装置。
【0046】(2) 前記冷却装置は、冷却媒体が供給
される供給管と、前記スリーブ部をチャックし、前記供
給管から供給される冷却媒体により、前記非晶質合金を
金型と共に、非晶質合金が結晶化する前に、過冷却液体
域よりも低い温度の冷却する冷却部材と、この冷却部材
を前記スリーブ部と交差する方向に進退させる進退部材
と、を備えていることを特徴とする上記(1)項記載の
非晶質合金の形成装置。
【0047】(3) 密閉可能な真空チャンバーと、こ
の真空チャンバー内に配置され、非晶質合金を押圧して
成形する一対の金型と、前記非晶質合金を金型と共に非
晶質合金の過冷却液体域の温度まで加熱する加熱装置
と、前記金型が加熱装置の内部に挿入されると共に、外
部に引き出されるように移動させる移動手段と、前記加
熱装置の外部に位置した金型に対し冷却を行って、前記
非晶質合金の内部が結晶化する前に前記過冷却液体域よ
りも低い温度に冷却する冷却装置と、を備えていること
を特徴とする非晶質合金の成形装置。
【0048】(4) 密閉可能な真空チャンバーと、こ
の真空チャンバー内に配置され、非晶質合金を押圧して
成形する一対の金型と、前記非晶質合金を金型と共に非
晶質合金の過冷却液体域の温度まで加熱する加熱装置
と、前記金型が加熱装置の内部及び外部に位置するよう
に加熱装置を移動させる移動手段と、前記加熱装置の外
部に位置した金型に対し冷却を行って、前記非晶質合金
の内部が結晶化する前に前記過冷却液体域よりも低い温
度に冷却する冷却装置と、を備えていることを特徴とす
る非晶質合金の成形装置。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、加熱、成形された非晶質合金を冷却装置によっ
て、金型と共に、過冷却液体域の温度よりも低い温度に
急冷するため、非晶質合金の内部が結晶化することがな
くなる。このため、肉厚の非晶質合金であっても、良好
に成形することができる。
【0050】請求項2の発明によれば、冷却部材が金型
を包囲して冷却するため、金型との接触面積が大きく、
効率の良い冷却ができ、進退部材が冷却部材を金型に対
して進退させるため、金型の駆動の邪魔となることがな
い。
【0051】請求項3の発明によれば、加熱工程で非晶
質合金を成形容易な温度とし、成形工程で非晶質合金を
成形し、その後の冷却工程で、結晶化以前に非晶質合金
の内部を過冷却液体域の温度に冷却するため、肉厚肉薄
に限らず、非晶質合金の成形が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1を示す成形装置の全体の
正面図である。
【図2】(a)は真空チャンバーの右側面図、(b)は
左側面図である。
【図3】実施の形態1の真空チャンバーの断面図であ
る。
【図4】実施の形態1の成形時の断面図である。
【図5】実施の形態1の冷却時の断面図である。
【図6】実施の形態2の真空チャンバーの断面図であ
る。
【図7】実施の形態2の成形時の断面図である。
【図8】実施の形態2の冷却時の断面図である。
【図9】金型の別の形態の断面図である。
【図10】従来の成形方法の断面図である。
【符号の説明】
1 真空チャンバー 10 プレス軸 18 サーボモータ 33a,33b 水平直動機 33 上下直動機 43 ヒータ 46a,46b 冷却アーム 49 上型 50 非晶質合金 50a 成形後の非晶質合金 51 円筒状スリーブ 52 下型 53 台座 54 供給管 59 ヒータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉可能な真空チャンバーと、 この真空チャンバー内に配置され、非晶質合金を押圧し
    て成形する一対の金型と、 この金型による成形を行うため、少なくとも一方の金型
    を他方の金型に押圧するプレス軸と、 前記非晶質合金を前記金型と共に非晶質合金の過冷却液
    体域の温度まで加熱する加熱装置と、 前記金型が加熱装置の内部及び外部に位置するように金
    型と加熱装置とを相対的に移動させる移動手段と、 前記加熱装置の外部に位置した金型に対し冷却を行っ
    て、前記非晶質合金の内部が結晶化する前に前記過冷却
    液体域よりも低い温度に冷却する冷却装置と、を備えて
    いることを特徴とする非晶質合金の成形装置。
  2. 【請求項2】 前記冷却装置は、前記プレス軸の押圧方
    向と交差する方向から前記金型を包囲する少なくとも一
    対の冷却部材と、 この冷却部材の冷却媒体を供給する供給管と、 冷却部材を前記金型に対して進退させる進退部材と、を
    備えていることを特徴とする請求項1記載の非晶質合金
    の成形装置。
  3. 【請求項3】 一対の金型間に非晶質合金を配置した状
    態で真空チャンバー内を減圧し、前記非晶質合金を金型
    と共に非晶質合金の過冷却液体域の温度まで加熱する加
    熱工程と、 加熱された非晶質合金を金型で押圧して成形する成形工
    程と、 非晶質合金の内部が結晶化する前に、前記過冷却液体域
    よりも低い温度となるように非晶質合金を金型と共に冷
    却する冷却工程と、を備えていることを特徴とする非晶
    質合金の成形方法。
JP2569197A 1997-02-07 1997-02-07 非晶質合金の成形装置及び成形方法 Withdrawn JPH10216920A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008238214A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Bmg:Kk 金属ガラスの成形方法および金属ガラスの成形装置
US7708844B2 (en) 2004-05-28 2010-05-04 Ngk Insulators, Ltd. Method of forming metallic glass
JP2014076461A (ja) * 2012-10-10 2014-05-01 Kimura Kogyo:Kk 成型装置
CN110142321A (zh) * 2019-05-21 2019-08-20 东北大学 一种非晶薄壁结构件的连续冲压成型的装置和方法

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