JPH10216669A - 廃棄塗料粉体による焼却灰の固定化方法 - Google Patents

廃棄塗料粉体による焼却灰の固定化方法

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JPH10216669A
JPH10216669A JP9020310A JP2031097A JPH10216669A JP H10216669 A JPH10216669 A JP H10216669A JP 9020310 A JP9020310 A JP 9020310A JP 2031097 A JP2031097 A JP 2031097A JP H10216669 A JPH10216669 A JP H10216669A
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coating
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 灰の安定固化するための有機質素材として、
廃棄粉体塗料を採用し、これを利用することに思い至っ
た。一般焼却灰と廃棄粉体塗料粉末とから、高い機械的
強度をもつとともに、鉛の溶出しない硬化体を製造可能
にし、新らしい焼却灰の固定化方法を提供することを課
題とするものである。 【解決手段】 焼却灰に廃棄粉体塗料を混合したのち加
熱し、冷却圧縮したのち安定固化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は廃棄塗料粉体による
焼却灰の固定化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】人間生活の多様化にともなって大量のゴ
ミが発生する。発生したゴミは施設で焼却され灰となっ
て減容化される。一般焼却灰は、有害金属を含むことは
少ないと言われているが、鉛などの有害金属類を含む場
合もある。さらに、埋め立てたとしても風による飛散或
いは酸性雨等による溶出などの問題がある。このような
背景から、固化させることが必要である。焼却炉で生じ
た焼却灰のうち、電気集塵装置で集められるEP灰は、
有害重金属等が多く含まれるので、灰の中に含まれる重
金属の安定化が義務付けられている。
【0003】EP灰の安定化方法として、これまでに開
発あるいは実用化された方法としては、(1)プラズマ溶
融法、(2)コンクリ−ト固化法、(3)薬剤処理法などが
ある。すでに、これらの方法は一部の自治体で実施され
ている。しかし、(1)のプラズマ溶融法は、莫大な設備
費と運転経費を必要とする。また、(2)のコンクリ−ト
固化法では、安定化に不安がある。マトリックスがアル
カリ性であれば金属の溶け出しはないが、中性化が生じ
ると水に溶け出しやすくなり、長期間安定しているとは
かぎらない。(3)の薬剤処理法は、薬剤自体が有機化合
物であるから長期安定性にかけることや、耐熱性に問題
がある。また、安定化はできても固化はできない。
【0004】これらの問題に対し、本発明者は、EP灰
中の鉛を安定化し、固化させる薬剤として、リン酸アル
ミニウムを使用する方法を開発し、特許出願した(特願
平7−197507)。さらに、本発明者は一般焼却灰
に関してもこれを安定固化させることが21世紀のクリ
−ンな地球を保全することから必要であると考え、一般
焼却灰の安定固化技術を開発すべく鋭意検討した。そし
て一般焼却灰を安定固化させる無機質バインダ−として
リン酸アルミニウムセメントについて検討し、これが安
定固化剤として最適物質であることがわかり、これ又特
許出願した(特願平7−21847)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】焼却灰を固化するに
は、これまでは無機質のバインダ−あるいは薬剤が使用
されていた。しかしながら、有機質であっても同様の性
質を有するものであれば、バインダ−として使用可能で
ある。有機質のバインダ−には、プラスチックおよびゴ
ムなどがあるが、耐水性、耐薬品性、耐侯性、接着性、
機械的強度および経済性などを考慮すれば使用可能であ
る。事実、灰の埋め立て処分場には、金属類の溶け出し
を防止するためにゴムシ−トが使用されている。したが
って、有機質物質でも長期間安定した性能を維持できれ
ば可能となる筈である。
【0006】このような観点から、灰を安定固化するた
めの有機質素材として、廃棄粉体塗料を採用し、これを
利用することに思い到った。一般焼却灰と廃棄粉体塗料
粉末とから、高い機械的強度をもつとともに、鉛の溶出
しない硬化体を製造可能にし、新らしい焼却灰の固定化
方法を提供すると共に、廃棄粉体塗料のリサイクル化を
図ることを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】焼却灰に廃棄粉体塗料を
混合したのち加熱し、冷却圧縮したのち安定固化させ
る。砂等の補強材を混合する。安定固化時に成形型枠に
充填して板状に成型し、エクテリア用品、園芸用品、敷
石、インタ−ロッキングブロック又は壁材として利用可
能にした。又焼却灰を水洗浄し、乾燥後加熱したのち廃
棄粉体塗料を表面にまぶし、焼却灰を包み込んで安定固
化するようにした。
【0008】
【発明の実施の形態】
(粉体塗料の現状と問題点)本発明の実施に使用する粉
体塗料による粉体塗装は、(1)無溶剤系塗装であるこ
と、(2)大気汚染の心配がないこと、(3)塗料が粉末状
のため回収、再利用が可能であること、(4)高度な塗膜
性能をもつこと、等優れた特徴をもっている。このこと
から、無公害塗装法あるいは地球にやさしい塗装法など
と呼ばれ、地球の環境保全の点から期待されている塗装
法である。
【0009】この粉体塗料は、熱可塑性樹脂あるいは熱
硬化性樹脂に、顔料、充填剤、硬化剤および可塑材など
を加えて微粉末状にした合成樹脂組成物である。熱可塑
性粉体塗料用の樹脂としては、塩化ビニル、ポリアミ
ド、セルロ−スエステルおよびフッ素樹脂などが用いら
れている。また、熱硬化性粉体塗料用樹脂としては、主
としてエポキシ樹脂で、その他にアクリル樹脂およびポ
リエステル樹脂などが用いられている。これらから作ら
れた塗膜は、硬化剤によって3次元網目構造をつくり高
分子化する。橋かけ反応した塗膜は、硬さ、付着性、耐
薬品性などの性質が極めて優れ、被塗物の長寿命化によ
る省資源効果も期待できる。
【0010】このような粉体塗装用の塗料の生産量は、
1989年117,309トンで、塗料全体に占める割
合は5.52%であった(平成元年、化学工業統計年報、
P.157〜168、(財)通商産業調査会による)。環
境保全を重視するならば、この比率は今後ますます増え
ることは容易に予想できる。粉体塗装には、種々の方法
があるが、現在主に行われているものは、静電粉体吹付
法で、その生産量は、1989年15,535トン、1
993年19,071トンと年々増加している(ケミカ
ル ビジネス ガイド95’P.187〜191、化学
工業日報社による)。
【0011】しかし、静電粉体塗装の被塗物に対する塗
料の塗着効率は、被塗物の形状、大きさ、塗料の特性、
塗装機の機種などによって変化するが、35%〜70%
程度である。従って、吹付量の約30%〜65%の塗料
は、第一段階で塗膜となることはない。これらの粉体中
には、回収後再使用されるものもあるが、回収装置で補
集できなかったものや粗粉などは、産業廃棄物として廃
棄処分されているのが現状である。
【0012】廃棄された塗装粉体は、再利用というより
は、現状では焼却炉で燃焼処分する方向のようである。
しかし、塗装工業界からの排出量は、静電塗装だけので
も約1万トンにおよぶ膨大なものである。今後の需要動
向などを考慮すると、燃焼して処分するのではなく、積
極的にこれを再利用する方向を考えなければならないで
あろう。さらに、原料の塗料自体が高価な物であり、そ
のまま廃棄することは、経済性の点からも問題がある。
【0013】廃棄物処理業者に引き取られた粉体は、そ
のまま埋立て処分されていると思われる。しかし、粉体
であるので、風による飛散の問題があり、処分方法には
難渋しているのが実状である。資源の再利用は、日本の
全産業界が取り組まなければならない課題であるが、粉
体塗装工業界においても、廃棄塗料の有効な再利用方法
の開発が望まれている。
【0014】廃棄粉体塗料は、粒径が同じであり、樹脂
成分が多く、熱硬化前であるので、加熱によって任意の
形状に成形が可能である。したがって、多数のバリエ−
ションが考えられ、マテリアルリサイクルは、極めて容
易である。したがって、廃棄された塗装粉体は、プラス
チック素材、ポリマ−コンクリ−ト用素材或いはモルタ
ル用骨材として再利用が可能であると思われ、本発明者
等は新しい再資源化技術の開発に向け鋭意検討した結
果、廃棄された塗装粉体は極めて利用しやすく、再資源
化しやすい素材であることを発見し、以下に示すような
これを有用材料化する製造技術の開発に到った次第であ
る。
【0015】(廃棄塗装粉体の特性)さて、実験に使用
した粉体塗料は、塗装工場の塗装ラインから回収した。
使用塗料(パウダックスH100、Tクリ−ム、日本ペ
イント(株)製)の組成は、塗料(エポキシ樹脂30.0
%)、硬化剤(ポリエステル樹脂30.0%)、顔料(酸
化チタン21.0%、酸化鉄系黄色顔料0.5%、酸化鉄
系赤色顔料 微量、カ−ボンブラック17.0%、体質
顔料17.0%)、その他(添加剤1.5%)であった。
本研究では、未使用品と塗装ラインから回収したものの
2種類を用いて検討した。
【0016】塗装前後の粉体の粒度分布は、自動粒度分
布測定装置を用い、遠心沈降法で測定した。分散媒は、
グリセリン水溶液(60wt%」であった。塗装前後の粉
末の粒度分布を表1に示す。粉体塗装前の粉末の粒子径
は10〜35μmに多く分布し、平均粒子径は24.3μ
mであった。それに対し、回収した粉体の粒子径は10
〜50μmにわたって幅広く分布し平均粒子径は28.4
μmであった。両者の密度は、ともに1.6g/cm3であっ
た。
【0017】
【表1】
【0018】粉体形状は、走査電子顕微鏡で観察したが
不揃いで、偏平なものが多くあった。粒子径の大きいも
のは50μm、小さいものは10μm程度で、使用前後で
の顕著な違いはなかった。塗装前後の粉体の赤外線吸収
スペクトルから、この粉体はエポキシ樹脂を主成分と
し、一部にはポリエステル系の樹脂を含むことがわかっ
た。また、塗装後に回収した粉体の赤外線吸収スペクト
ルは、未使用品の場合とほぼ同じであった。
【0019】(焼却灰のバインダ−としてのマテリアル
リサイクル)塗装用粉体は、これを焼却灰のバインダ−
として利用すると、強度の高い成形板(アッシュポリマ
−、一種のレジンコンクリ−ト)ができないか検討し
た。灰はふるい分けしてから用いた。灰は、ふるい(3m
m以下)を通過したものを全て用いた。灰と回収粉体とを
所定割合(重量比8:2、6:4、5:5、4:6およ
び2:8)で混合した物を、剥離紙を敷いた金属パット
(12.8cm×9.9cm×2.5cm)中に充填し、乾燥器で
130℃に2時間加熱後、徐冷し灰/樹脂成形板(灰ポ
リマ−)を取り出した。いずれの場合も良好な平面状態
の灰/樹脂成形板ができた。
【0020】灰と回収粉体との混合比、成形板の嵩密度
および機械的強度を表2に示す。灰と回収粉体との混合
比率が8:2および6:4の場合には、嵩密度はそれぞ
れ1.22g/cm3および1.45g/cm3で、それらの曲
げ強度は25MPa程度であった。
【0021】
【表2】
【0022】灰と塗装粉体との混合比が、4:6の場合
の嵩密度は、1.78g/cm3で最も大であった。また、
曲げ強度、ヤング率および圧縮強度も高く、それぞれ4
9MPa、5.3GPa、74MPaであった。この成形板
は、極めて堅くダイヤモンドカッタ−で切断するのが困
難であった。また、表面硬度も高く、金属でこすって
も、深く傷がつくことはなかったので、耐摩耗性も高い
ものと思われる。従って、灰と回収粉体との成形板は、
賦形性、高強度、高硬度、高耐摩耗性、耐侯性、耐薬品
性、電気絶縁性を備えた材料となりうるものであった。
【0023】(アッシュポリマ−の製作)さて、焼却灰
の安定固化処理方法について検討した。アッシュポリマ
−の製作には、灰と廃棄塗料粉体とから製作したが、さ
らに硬さや耐摩耗性を付与させるために砂を添加した。
使用した灰、砂および廃棄塗料粉体の諸性質は、次のと
おりであった。
【0024】灰は、2種類を使用した。1つは人口30
万人の都市清掃工場の焼却炉から取り出した焼却灰(一
般灰)、残りの1つは焼却可能な産業廃棄物の焼却灰
(産廃灰)である。いずれも3mm以下の粒であった。
【0025】砂は、細砂(小粒)および川砂(大粒)の
2種類を用いた。粒の大きさは、前者では1mm以下、後
者では3mm以下であった。本発明に使用する砂は、これ
ら以外にも白土などであっても可能である。
【0026】粉体は、静電塗料の塗装工程から廃棄され
たもので、エポキシ樹脂を主体とした粉体塗料粉末であ
る。
【0027】固化物は、次の方法で製作した。灰:砂:
粉体を1:1:2(重量部)の比率で充分に混ぜあわせ
た。具体的な使用量は、灰500g、砂500g、粉体
1000gであった。これらの混合はハンドミキサ−で
おこなったが、大型かくはん機でも行えるもので、特殊
な混合機は必要ない。この配合よりも、灰量が増えると
機械的強度は低下する。また、砂量が増すと、強度は上
がる。粉体量は、50%までは強度は増加するが、それ
以上では低下する。
【0028】混合物は、型枠(金属製70*70*15m
m)の中に充填した。5ないし10分間、130〜140
℃に加熱した。加熱中止30秒後にゲ−ジ圧100kg/
cm2で3〜5分間加圧した。脱型後の成形物は、強制冷
却した。
【0029】作製した灰/砂/粉体固化物について、次
の測定および観察を行った。 (1)嵩密度は、化学天秤で求めた重量を、固化物の各
片の長さをノギスで測って求め体積で除することによっ
て算出した。 (2)曲げ強度は、万能試験機(オリエンテック製、U
TM−4L)を用い、三点曲げ試験法で行った。測定時
の支点間距離(S)は6cm、試料の厚み(d)は約6.5mm
であるから、s/dは約9であった。また、荷重速度は
1mm/分であった。 (3)ヤング率は、曲げ強度測定時の荷重−変位曲線の
初期直線部の傾きから求めた。 (4)圧縮強度は、万能試験機(森試験機(株)製)を使用
して求めた。荷重面は、試料の作製時の加圧面と同じで
あった。 (5)熱伝導率は、迅速熱伝導率計(京都電子工業(株)
製、Kemtherm QTM-D3)を用いて測定した。
【0030】2種類の砂を用いてそれぞれ各10個の固
化物を作製した。細砂を用いて作った固化物10個の平
均の重量は121.08g、体積は67.14cm3で、嵩
密度は1.80g/cm3であった。川砂を用いて作った固
化物10個の平均の重量は121.86g、体積は68.
94cm3で、嵩密度は1.77g/cm3であった。いずれの
場合も、灰量が増加したので嵩密度は、やや高くなっ
た。
【0031】固化物の曲げ強度、ヤング率および伸びを
表3に示す。固化物の曲げ強度は、灰の粒が大きいため
にアッシュポリマ−から比べれば低くなっていた。それ
でも高分子系のタイルよりは安心感もあり満足のいくも
のであった。さらに、灰の粒度を調節することによって
曲げ強度は向上することは明らかである。
【0032】
【表3】
【0033】本発明で砂を使わないで灰のみで固化物を
作製すると、品質が不安定で、強度が低下する。また、
固化物の圧縮強度を表4に示す。圧縮強度は砂の大きさ
によって影響はなく、ほぼ650kg/cm2程度であっ
た。この強度も配合や製作条件を検討することによって
向上することは明らかである。JAS7メンソ−レに決
められたインタ−ロッキングブロックの曲げ強度は50
kg/cm2以上、圧縮強度340kg/cm2である。したがっ
て、本発明で得られた固化物は、充分にこれらの機械的
強度を満足している。
【0034】
【表4】
【0035】固化物の熱伝導率は、細砂から作った場合
は0.7618W/mk(0.8065、0.7243、0.
7546)(0.655kcal/mh℃)、川砂の場合は0.9
805W/mk(0.9024、0.9769、0.983
7、1.059)(0.8432kcal/mh℃)であった。
【0036】2種類の砂を使用して作製した固化物から
の各種金属の溶出試験を行った。その結果を表5に示
す。固化物は破壊することなく、そのままの状態で分析
を行った。測定項目の下の括弧内数字は、環境基準であ
る。いずれの場合も、溶け出し量は少なく、環境基準以
下であった。
【0037】
【表5】
【0038】(粉体まぶし法による焼却灰の安定固化
法)これまでの方法は、単独式であり、連続的に固化物
が製作できる技術を検討し、可能とした。その方法の概
要を図1に示す。また、灰の処理方法の概要を表6に示
す。固化物は、ふるいにかけ粒度を3mm以下にした。こ
の固化物1部に対し、10部量の水を加え、環境庁告示
第13号の「産業廃棄物に含まれる金属などの検定法」
により、毎分200回、横振とう幅4cm以上5cm以下の
振とう条件で、6時間振とうした。上記の方法で溶出試
験を行った溶液はろ過し、ろ液中の鉛含量を、高周波誘
導結合プラズマ発光分析装置(ジャ−レルアッシュK.K
製、ICAP−575)で測定した。
【0039】
【表6】
【0040】灰を水で洗浄後、200〜250℃で乾燥
する。乾燥工程で加熱された灰は、130〜180℃に
温度を維持しておき、そこに灰と同量の粉体塗料を加
え、灰の表面をまぶすように包み込む。塗料粉体は熱硬
化し灰の表面を被覆する。灰の温度調節と、灰と粉体と
の混合方法も重要である。その際、途中段階での灰およ
び灰/塗料粉体との固化物からの溶け出し試験結果を表
7に示す。現灰中には8.05/mlもあった鉛は、水洗
浄後、加熱乾燥、そして粉体を加える方法では、0.0
3ppmであり、環境基準をクリア−していた。固化物
は、機械的強度も、耐薬品性も強固であった。これらの
ことから廃棄された塗料粉体で灰を包むことによって、
安定固化技術が開発された。
【0041】
【表7】
【0042】
【発明の効果】回収した塗料粉体は、熱硬化性樹脂が熱
処理を受けていない硬化前のものであった。従って、1
00℃から150℃程度に加熱することによって、粉体
のみで賦形可能であるし、各種成形体のバインダ−とし
ても利用可能であった。灰を充填材、塗装粉体をバイン
ダ−として作った灰/樹脂成形板(アッシュポリマ−)
でも、高い強度をもつ一種のレジンコンクリ−トが作ら
れた。この成形板の強度は、両者の配合割合によって著
しく影響を受けた。灰が多い場合には、130℃の成形
温度では溶融しないが、砂と塗装粉体との配合比が4:
6の場合には、曲げ強度49MPa、圧縮強度74MPa
と、いずれも高い値の成形体が得られた。製作した固化
物を水に対して溶出試験を行うと鉛は0.03ppm以下で
あり、環境基準をクリア−していた。また、その他の重
金属類の溶出量はわずかであった。望ましい配合は、
灰:粉体塗料粉末:砂=1:1:2であった。これから
造った固化物の曲げ強度および圧縮強度は、インタ−ロ
ッキングブロックの機械的強度を満足するものであっ
た。
【0043】作製した灰と廃棄粉体との成形板(アッシ
ュポリマ−)は、賦形性、高強度、高硬度、高耐摩耗
性、耐侯性、耐薬品性、電気絶縁性を備えた有用材料と
なりうるものであった。したがって、このアッシュポリ
マ−は、灰中の重金属類が安定化されるだけでなく、エ
クステリア用品、園芸用品、敷石、インタ−ロッキング
ブロック、壁材などへの展開が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】灰の洗浄方法及び塗料粉体による安定固化方法
の説明図。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却灰に廃棄粉体塗料を混合したのち加
    熱し、冷却圧縮したのち安定固化させることを特徴とす
    る廃棄塗料粉体による焼却灰の固定化方法。
  2. 【請求項2】 砂等の補強材を混合することを特徴とす
    る請求項1記載の廃棄塗料粉体による焼却灰の固定化方
    法。
  3. 【請求項3】 安定固化時に成形型枠に充填して板状に
    成型し、エクテリア用品、園芸用品、敷石、インタ−ロ
    ッキングブロック又は壁材として利用可能にした請求項
    2記載の廃棄塗料粉体による焼却灰の固定化方法。
  4. 【請求項4】 焼却灰を水洗浄し、乾燥後加熱したのち
    廃棄粉体塗料を表面にまぶし、焼却灰を包み込んで安定
    固化することを特徴とする廃棄塗料粉体による焼却灰の
    固定化方法。
JP9020310A 1997-02-03 1997-02-03 廃棄塗料粉体による焼却灰の固定化方法 Pending JPH10216669A (ja)

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