JPH10215366A - 圧縮画像データの抽出方法およびその装置 - Google Patents

圧縮画像データの抽出方法およびその装置

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JPH10215366A
JPH10215366A JP1668197A JP1668197A JPH10215366A JP H10215366 A JPH10215366 A JP H10215366A JP 1668197 A JP1668197 A JP 1668197A JP 1668197 A JP1668197 A JP 1668197A JP H10215366 A JPH10215366 A JP H10215366A
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Application number
JP1668197A
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English (en)
Inventor
Takao Kanai
孝夫 金井
Hitoshi Atsuta
均 熱田
Hiromi Fujimoto
博己 藤本
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可変長符号化方式で圧縮された原画像の符号
化データの中から、所望の部分画像の符号化データを効
率良く抽出する。 【解決手段】 圧縮化過程で使った符号化テーブルを参
照することにより、原画像を構成する各ブロックの符号
化データの境目を検出する。境目検出された符号化デー
タを基に、各ブロックのDC係数値と、AC係数の開始
・終了アドレスを記憶する(S1)。表示器に原画像の
縮小画像を映し出し、その画像上で部分画像の領域が指
定されると、その領域を含むブロック単位の抽出領域を
特定する(S2〜S4)。そして、着目ブロックが抽出
領域内に入っているかを判定し、抽出領域内のブロック
であれば、ステップS1で記憶した位置情報を基に、原
画像の符号化データの中から該当ブロックのAC係数の
符号化データを抽出し、そのブロックのDC係数値とと
もに記憶する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可変長符号化方式
で圧縮された原画像の符号化データの中から、所望の部
分画像の符号化データを抽出する方法およびその装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、印刷製版工程などで扱う画像デ
ータは、そのデータ量が膨大であるので、一般に画像デ
ータは符号化されて圧縮されている。画像データの圧縮
方式としては、「カラー静止画像の国際標準符号化方式
(以下、「JPEGアルゴリズム」ともいう)」などが
用いられている。
【0003】ところで、商業印刷用の画像処理では、1
つの画像内の部分的な画像領域(以下、「部分画像」と
いう)のみを取り出して、他の画像と合成したい場合が
ある。しかし、上述したJPEGアルゴリズムは可変長
符号化方式の一つであり、圧縮された画像要素の符号化
データの境目を識別することが困難であるので、部分画
像を抽出するにあたって、一旦、全画像の符号化データ
を復号し、その復号された全画像の画像データの中から
部分画像を抽出している。しかし、このように全画像の
符号化データを復号する処理には長時間を要するので、
全画像の符号化データの中から、直接的に部分画像の符
号化データを抽出する手法が提案されている。
【0004】例えば、特開平4−191983号公報で
は、原画像をブロック単位で可変長符号化して圧縮する
過程で、各列のブロックラインの符号化データの先頭
に、各ブロックラインの符号化データのデータ量を示す
ラインデータを配置するというファイル構造を作成し、
部分画像の抽出処理の際には、前記ラインデータ中のデ
ータ量を参照して、部分画像に対応する符号化データの
位置を算出して、その符号化データを抽出するようにし
た画像処理方法が提案されている。
【0005】また、特開平5−219358号公報で
は、ブロック単位で可変長符号化された原画像の符号化
データについて、符号化テーブルを参照することによ
り、着目しているブロックの符号化データの境目を検出
するとともに、前記着目ブロックが、指定された部分画
像領域内のブロックであるか否かを判定し、部分画像領
域内のブロックであれば、前記境目検出により特定され
た符号化データを抽出して記憶するようにした装置が提
案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。すなわち、前者の従来例によれば、処理の対象と
なる画像は、符号化データの先頭にデータ量を付加した
特殊なファイル構造を備えている必要があるので、その
ような構造を備えていない、例えばJPEGアルゴリズ
ムによって得られた圧縮画像データに対しては適用する
ことができず、そのため汎用性に欠けるという問題点が
ある。
【0007】また、後者の従来例の場合、各ブロックの
符号化データの境目を検出しているので、JPEGアル
ゴリズムによって得られた圧縮画像データなどに対して
も適用可能であるが、抽出しようとする部分画像の領域
が変更されると、その都度、各ブロックの符号化データ
の境目を検出して符号化データを抽出するという処理を
繰り返し実行する必要があるので、処理効率が悪いとい
う難点がある。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、可変長符号化方式で圧縮された原画像
から、所望領域の部分画像を抽出するにあたり、処理対
象となる圧縮画像に特殊なファイル構造を必要とするこ
となく、また、抽出しようとする部分画像の領域が再指
定された場合には、再指定された部分画像の符号化デー
タを効率良く抽出することができる圧縮画像データの抽
出方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、請求項1に記載の発明は、可変長符号化方式で圧縮
して得られた原画像の符号化データの中から、所望の部
分画像の符号化データを抽出する方法であって、(a)
原画像の符号化データの先頭から最小符号長に相当する
ビット数の符号化データを取り出す過程と、(b)前記
取り出した符号化データを対象ビットとし、この対象ビ
ットに一致する符号語が、前記原画像を符号化するのに
使った符号化テーブル内に存在するか否かを判定する過
程と、(c)前記対象ビットに一致する符号語が前記符
号化テーブル内に存在しない場合は、前記(a)の過程
で取り出した符号化データに続く単位ビットを前記原画
像の符号化データの中から取り出し、前記過程(a)で
取り出した符号化データと今回取り出した単位ビットと
を合体させた符号化データを対象ビットとして、前記
(b)の過程を実行させる過程とを、前記一致する符号
語が見つかるまで対象ビットのビット数を順に増やして
前記(a)〜(c)の過程を実行することにより、原画
像の圧縮化過程で処理単位となった処理単位画像に対応
する符号化データの境目を検出する符号化データの境目
検出過程と、前記処理単位画像の符号化データの境目が
検出されるごとに、その処理単位画像の符号化データの
開始位置の位置情報と終了位置の位置情報とを記憶する
位置情報の記憶過程と、抽出すべき部分画像の領域を指
定する領域指定過程と、前記指定された部分画像の領域
を含み、複数個の処理単位画像で構成される抽出領域を
特定する抽出領域特定過程と、前記記憶過程で得られた
原画像の各処理単位画像の位置情報を参照することによ
り、前記抽出領域特定過程で特定された抽出領域を構成
する各処理単位画像について、各々の符号化データの開
始位置情報と終了位置情報とを求め、これらの位置情報
に基づいて、原画像の符号化データの中から、前記抽出
領域を構成する各処理単位画像の符号化データを抽出す
る符号化データの抽出過程と、を備えたことを特徴とす
る。
【0010】請求項2に記載の発明は、原画像を複数個
のブロックに等分割し、各ブロックごとに直交変換を行
ってブロック単位に1つのDC係数と複数個のAC係数
とを求め、前記各ブロックの係数群をブロック単位で量
子化し、前記量子化された各ブロックのDC係数につい
ては、現ブロックのDC係数と1つ前のブロックのDC
係数との差分値をエントロピー符号化し、前記量子化さ
れた各ブロックの複数個のAC係数については、AC係
数の要素単位ごとにエントロピー符号化し、前記DC係
数の差分値のエントロピー符号と前記複数個のAC係数
のエントロピー符号とを各ブロックごとに編集して前記
原画像の可変長符号化データを得るという圧縮化方式で
得られた原画像の符号化データの中から、所望の部分画
像の符号化データを抽出する方法であって、(a)前記
原画像の符号化データに付加されたヘッダ情報に基づ
き、前記DC係数をエントロピー符号化するのに使った
DC係数用符号化テーブルおよびDC係数用グループ化
テーブルと、前記AC係数をエントロピー符号化するの
に使ったAC係数用符号化テーブルおよびAC係数用グ
ループ化テーブルとをそれぞれ再現する過程と、(b)
前記原画像の符号化データの先頭からDC係数の最小符
号長に相当するビット数の符号化データを取り出す過程
と、(c)前記取り出した符号化データを対象ビットと
し、この対象ビットに一致する符号語が、前記DC係数
用符号化テーブル内に存在するか否かを判定する過程
と、(d)前記対象ビットに一致する符号語がDC係数
用符号化テーブル内に存在しない場合は、前記過程
(b)で取り出した符号化データに続く単位ビットを前
記原画像の符号化データの中から取り出し、前記過程
(b)で取り出した符号化データと今回取り出した単位
ビットとを合体させた符号化データを対象ビットとし
て、前記(c)の過程を実行させ、前記一致する符号語
が見つかるまで対象ビットを順に増やしてゆく過程と、
(e)(c)の過程で対象ビットに一致する符号語が見
つかった場合に、その符号語が属する、DC係数用符号
化テーブル内のグループに与えられた付加ビット長をD
C係数用グループ化テーブルから求める過程と、(f)
前記一致する符号語が見つかった対象ビットの後に続く
前記原画像の符号化データの先頭から順に、前記(e)
の過程で求めた付加ビット長に相当するビット数の符号
化データを取り出す過程と、(g)前記DC係数用符号
化テーブルを参照して、前記(f)の過程で取り出した
符号化データ(付加ビット)に基づいて、前記一致した
符号語が属するグループ内の数値(DC係数の差分値)
を求める過程と、(h)1つ前のブロックのDC係数値
と、前記(g)の過程で求めたDC係数の差分値とか
ら、現ブロックのDC係数値を求め、ブロックごとにD
C係数値を記憶する過程と、(i)前記一致した符号語
の符号長と、前記付加ビット長とを加算して、その値を
ポインターに記憶する過程と、(j)前記ポインターの
現在値から現ブロックのAC係数の開始位置を特定し
て、その位置情報を記憶する過程と、(k)前記ポイン
ターの現在値を参照して、現ブロックのDC係数の符号
化データと、それに続くAC係数の符号化データとの境
目を認識し、AC係数の符号化データの先頭から、要素
単位のAC係数の最小符号長に相当するビット数の符号
化データを取り出す過程と、(l)前記(k)の過程で
取り出した符号化データを対象ビットとして、前記
(c)〜(e)の過程と同様の過程を、前記(a)の過
程で再現したAC係数用符号化テーブルおよびAC係数
用グループ化テーブルを使って実行することにより、対
象ビットに一致する符号語をAC係数用符号化テーブル
内で見つけるとともに、一致した符号語に対応する付加
ビット長を求める過程と、(m)前記(l)の過程で見
つけた符号語の符号長と付加ビット長を、前記ポインタ
ーの現在値に加算して、ポインターの現在値を更新する
過程と、(n)前記(m)の過程で更新されたポインタ
ーの現在値を参照して、前記(l)の過程で見つかった
符号語(要素単位のAC係数の符号化データ)と、次の
要素単位のAC係数の符号化データとの境目を認識し、
前記次の要素単位のAC係数の符号化データの先頭か
ら、要素単位のAC係数の最小符号長に相当するビット
数の符号化データを取り出し、前記(l)〜(m)の過
程を繰り返し実行して、前記ポインターの現在値を更新
してゆく過程と、(o)現ブロック内の全ての要素単位
のAC係数について、前記(n)の過程を実行した後、
そのときの前記ポインターの現在値から現ブロックのA
C係数の終了位置を特定して、その位置情報を記憶する
過程と、(p)前記ポインターの現在値を参照しながら
各ブロックの境目を認識し、原画像の全てのブロックに
ついて、前記(b)〜(o)の過程を実行して、各ブロ
ックのDC係数値と、AC係数の開始位置情報および終
了位置情報とを求めて、それぞれを記憶する過程と、か
ら構成される符号化データの境目検出過程と、抽出すべ
き部分画像の領域を指定する領域指定過程と、前記指定
された部分画像の領域を含み、複数個のブロックで構成
される抽出領域を特定する抽出領域特定過程と、前記符
号化データの境目検出過程で得られた原画像の各ブロッ
クごとのDC係数値とAC係数の開始位置情報および終
了位置情報を参照することにより、前記抽出領域特定過
程で特定された抽出領域を構成する各ブロックについ
て、各々のDC係数値を抽出するとともに、各々のAC
係数の開始位置情報と終了位置情報とに基づいて、原画
像の符号化データの中から、前記抽出領域を構成する各
ブロックのAC係数の符号化データを抽出する符号化デ
ータの抽出過程と、を備えたことを特徴とする。
【0011】請求項3に記載の発明は、可変長符号化方
式で圧縮された原画像の符号化データの中から、所望の
部分画像の符号化データを抽出する装置であって、原画
像の符号化データを記憶する原画像記憶手段と、前記原
画像を符号化するのに使った符号化テーブルを記憶する
符号化テーブル記憶手段と、前記原画像記憶手段に記憶
された原画像の符号化データについて、原画像の圧縮化
過程で処理単位となった処理単位画像の符号化データの
境目を順に検出する、次の(a)〜(c)の機能を備え
た符号化データの境目検出手段と、(a)原画像の符号
化データの先頭から最小符号長に相当するビット数の符
号化データを取り出す機能、(b)前記取り出した符号
化データを対象ビットとし、この対象ビットに一致する
符号語が、前記符号化テーブル記憶手段に記憶された符
号化テーブル内に存在するか否かを判定する機能、
(c)前記対象ビットに一致する符号語が前記符号化テ
ーブル内に存在しない場合は、前記取り出した符号化デ
ータに続く単位ビットを前記原画像記憶手段から取り出
し、先に取り出した符号化データと今回取り出した単位
ビットを合体させた符号化データを対象ビットとして、
これに一致する符号語が前記符号化テーブル内に存在す
るかを判定し、一致する符号語が見つかるまで対象ビッ
トのビット数を順に増やすことにより、前記処理単位画
像に対応する符号化データの境目を検出する機能、前記
符号化データの境目検出手段によって処理単位画像の符
号化データの境目が検出されるごとに、その処理単位画
像の符号化データの開始位置の位置情報と終了位置の位
置情報とを記憶する位置情報記憶手段と、抽出すべき部
分画像の領域を指定する領域指定手段と、前記指定され
た部分画像の領域を含み、複数個の処理単位画像で構成
される抽出領域を特定する抽出領域特定手段と、前記位
置情報記憶手段に記憶された原画像の各処理単位画像の
位置情報を参照することにより、前記抽出領域特定手段
で特定された抽出領域を構成する各処理単位画像につい
て、各々の符号化データの開始位置情報と終了位置情報
とを求め、これらの位置情報に基づいて、前記原画像記
憶手段に記憶された原画像の符号化データの中から、前
記抽出領域を構成する各処理単位画像の符号化データを
抽出する符号化データの抽出手段と、を備えたことを特
徴とする。
【0012】
【作用】請求項1に記載の発明の作用は次のとおりであ
る。原画像の符号化データを復号化することなく、原画
像の符号化データの中から所望の部分画像の符号化デー
タを抽出しようとすると、原画像の圧縮化過程で処理単
位となった処理単位画像に対応する符号化データの境目
を認識する必要がある。そこで、(a)の過程で、原画
像の符号化データの先頭から最小符号長に相当するビッ
ト数の符号化データを取り出し、(b)の過程で、この
符号化データ(対象ビット)に一致する符号語が符号化
テーブル内に存在する否かを判定する。一致する符号語
があれば、この取り出した符号化データが処理単位画像
に対応する符号化データに相当する。すなわち、符号化
データの境目が認識できたことになる。一致する符号語
がなければ、先に取り出した符号化データに続く単位ビ
ットを順に取り出す。この単位ビットを先に取り出した
符号化データに合体させて、対象ビットを順に増やして
ゆき、この対象ビットに一致する符号語を見つけること
により、符号語の境目を認識する。原画像の処理単位画
像の符号化データの境目が検出されるごとに、その符号
化データの開始位置の位置情報と終了位置の位置情報と
を記憶しておく。
【0013】以上のようにして、原画像の各処理単位画
像の符号化データの境目を検出した後、抽出すべき部分
画像の領域が指定されると、その指定された部分画像の
領域を含む、複数個の処理単位画像で構成される抽出領
域を特定する。そして、先に記憶しておいた位置情報を
参照することにより、抽出領域を構成する各処理単位画
像の符号化データの開始位置と終了位置を知り、これら
の位置情報に基づいて、原画像の符号化データの中か
ら、抽出領域を構成する各処理単位画像の符号化データ
を抽出する。
【0014】ところで、符号化データの境目検出過程を
一度実施して原画像の各処理単位画像の符号化データの
位置情報を記憶しておけば、部分画像の領域が変更され
ても、その都度、符号化データの境目を検出する必要は
ない。この場合、抽出領域特定過程と、符号化データの
抽出過程を再実施するだけでよい。
【0015】請求項2に記載の発明は、例えばJPEG
アルゴリズムのベースラインプロセスで圧縮された原画
像から部分画像を抽出する場合に適用される。JPEG
アルゴリズムのベースラインプロセスでは、1つの画像
は、8×8画素のブロック単位に分割される。各ブロッ
クは1つのDC係数と、63個の要素単位からなるAC
係数に変換される。エントロピー符号化の過程で、AC
係数については、要素単位のAC係数そのものが符号化
されるが、DC係数については、現ブロックのDC係数
と、1つ前のブロックのDC係数の差分値が符号化され
る。したがって、請求項2の発明では、DC係数につい
ては、(b)〜(h)の過程で各ブロックのDC係数値
を求めている。(b)〜(i)の過程では、DC係数の
符号化データと、これに続くAC係数の符号化データの
境目を識別するので、(j)の過程で、各ブロックのA
C係数の開始位置情報を記憶している。一方、AC係数
については、(k)〜(o)の過程で各ブロックごと
に、要素単位のAC係数の境目を順に識別することによ
り、各ブロックのAC係数の終了位置情報を記憶してい
る。(p)の過程では、原画像の全てのブロックについ
て(b)〜(o)の過程を実行して、各ブロックのDC
係数値と、AC係数の開始位置情報および終了位置情報
とを求めて、それぞれを記憶している。以上の(a)〜
(p)の各過程からなる符号化データの境目検出過程
は、部分画像の領域指定の変更にかかわらず、処理対象
となる原画像について1回だけ実施すればよい。
【0016】以下、請求項1に記載の発明と同様にし
て、指定された部分画像の領域を含み、複数個のブロッ
クで構成される抽出領域を特定する。そして、抽出領域
を構成する各ブロックのDC係数値については、符号化
データの境目検出過程で記憶した該当ブロックのDC係
数値を抽出する。一方、抽出領域を構成する各ブロック
のAC係数の符号化データについては、符号化データの
境目検出過程で記憶した各ブロックのAC係数の位置情
報を参照することにより、原画像の符号化データの中か
ら抽出する。
【0017】請求項3に記載の発明に係る装置は、請求
項1に記載の発明方法を好適に実施する装置である。符
号化データの境目検出手段は、符号化テーブル記憶手段
に記憶した符号化テーブルを参照することによって、原
画像記憶手段に記憶した原画像の符号化データについ
て、処理単位画像の符号化データの境目を順に抽出す
る。処理単位画像の符号化データの境目が検出されるご
とに、位置情報記憶手段は、各処理単位画像の符号化デ
ータの開始位置情報と終了位置情報とを記憶する。そし
て、抽出すべき部分画像の領域が指定されると、抽出領
域特定手段は、指定された部分画像の領域を含み、複数
個の処理単位画像で構成される抽出領域を特定する。符
号化データの抽出手段は、位置情報記憶手段に記憶され
た各処理単位画像の位置情報を参照することにより、原
画像の符号化データの中から、抽出領域を構成する各処
理単位画像の符号化データを抽出する。
【0018】
【発明の実施の形態】
A.画像データの圧縮方法の概要 実施例の具体的構成を説明する前に、その前提となる画
像データの圧縮方法の概要を説明する。本実施例では、
カラー静止画符号化の国際標準方式(JPEGアルゴリ
ズム)の中のベースラインプロセスに従って圧縮された
画像を処理対象としている。ベースラインプロセスは、
高効率の圧縮が期待できる非可逆符号化方式(DCT方
式)の一つである。このJPEGアルゴリズムについて
は、JIS規格書(JIS X 4301-1995 )や、
特開平5−219358号公報などに詳細に説明されて
いるので、以下では、JPEGアルゴリズムのベースラ
インプロセスについて簡単に説明する。
【0019】図1はベースラインプロセスの符号化過程
の概略構成を示す。原画像データは8×8画素のブロッ
クに分割され、DCT変換部41で各ブロックごとに2
次元DCT(Discrete Cosine Tranform) 変換される。
変換の結果、各ブロックについて1つのDC係数と、6
3個のAC係数とが得られる。DCT変換部41で得ら
れた64個の係数は量子化部42で、量子化テーブルを
用いて係数ごとに異なるステップサイズで線形量子化さ
れる。なお、量子化テーブルには既定のものがないの
で、復号化の過程で同じ量子化テーブルを再現するため
の情報が符号化データに付加される。
【0020】量子化された係数は符号化部43でエント
ロピー符号化される。エントロピー符号化の方式として
ハフマン符号化方式が用いられる。DC係数とAC係数
とでは異なる方法で符号化される。具体的には、DC係
数はDC係数符号化部44に与えられ、1つ前に符号化
したブロックのDC係数との差分が符号化される。DC
係数の差分値は1次元のハフマン符号テーブルと、その
グループ化テーブル(図8参照)を用いて、グループ番
号(SSSS)と付加ビットで表現される。グループ番
号(SSSS)は、1次元のハフマン符号テーブル内
で、そのDC係数の差分値が属するグループの番号を示
す。付加ビットは、そのDC係数の差分値が、そのグル
ープ内で小さい方から何番目の値であるかを示す。
【0021】一方、AC係数はAC係数符号化部45に
与えられる。AC係数符号化部45で、AC係数は図1
9に示す順序のジグザグスキャンによって1次元に並び
変えられる。並べ変えられたAC係数は、連続する
「0」の係数(無効係数)の長さを示すラン長と、
「0」以外の係数(有効係数)の値とを用いて符号化さ
れる。この符号化には2次元のハフマン符号テーブル
と、そのグループ化テーブル(図9参照)が用いられ
る。2次元のハフマン符号テーブルは、無効係数のラン
長(NNNN)と有効係数のグループ番号(SSSS)
との組み合わせに対してハフマン符号を割当てる。AC
係数は、この二次元のハフマン符号テーブルを用いてハ
フマン符号と付加ビットで表現される。付加ビットは、
そのAC係数が属するグループ内で小さい方から何番目
の値であるかを示す。ブロック内の63番目のAC係数
が「0」のときには、最後の有効係数に対する符号の直
後にEOB(End of Block)マーカが付される。ただ
し、ブロック内の63番目のAC係数が「0」以外のと
きは、EOBマーカは付されない。
【0022】DC係数符号化部44で得られた各ブロッ
クのDC係数と、AC係数符号化部45で得られた各ブ
ロックのAC係数は、画像データ編集部46に与えられ
る。画像データ編集部46は、1つのDC係数の符号化
データと、63個のAC係数の符号化データとを連結し
た一群の符号化データをブロック順位で編集するととも
に、これらの符号化データの復号化に必要な情報をヘッ
ダ情報として付加して、一枚の画像の圧縮画像データを
作成する。
【0023】B.圧縮画像データの構成 次に、上述したJPEGアルゴリズムのベースラインプ
ロセスで得られた圧縮画像データ(可変長符号化デー
タ)の構成を説明する。図2を参照する。ベースライン
プロセスで得られた可変長符号化データは、画像/フレ
ーム/スキャンという3段階の構造から構成されてい
る。1枚の画像は、画像データの始まりを示すSOI
(Start of Image)マーカ、テーブル、1つのフレー
ム、画像データの終了を示すEOI(End of Image)マ
ーカが、その順に配置されて構成されている。テーブル
には、ハフマン符号テーブルを再現するのに必要な情報
を含むDHT(Define Huffman Table) マーカや、量子
化テーブルを再現するのに必要な情報を含むDQT(De
fine Quantization Table )マーカなどが必要に応じて
挿入されている。
【0024】フレームは、フレームの始まりを示すSO
F(Start of Frame)マーカと、それに続くフレームヘ
ッダと、1つ以上のスキャンとから構成されている。フ
レームヘッダには、フレーム情報に関連する種々のパラ
メータ(フレームヘッダ長、、ビット精度、ライン数、
1ラインの画素数、色成分仕様など)が含まれている。
例えば、原画像がYMCKの色成分をもつ場合、前記パ
ラメータ中の色成分仕様は「4」であり、1フレーム中
に色成分ごとの4つのスキャンが含まれる。
【0025】1つのスキャンは、スキャンの始まりを示
すSOS(Start of Scan)マーカと、スキャンヘッダ
と、これに続く圧縮された画像データとから構成されて
いる。スキャンヘッダは、スキャンデータに関連する種
々のパラメータを含む。
【0026】D.実施例装置の構成 次に、上述したJPEGアルゴリズムのベースラインプ
ロセスで得られた原画像の圧縮画像データ(可変長符号
化データ)の中から所望の部分画像の符号化データを抽
出するための装置の例を説明する。
【0027】図3は実施例装置の概略構成を示したブロ
ック図である。本実施例装置はコンピュータシステムで
構成されている。原画像の可変長符号化データ(以下、
単に「符号化データ」ともいう)の中から部分画像の符
号化データを抽出するための処理を実行するCPU10
が、バスラインBLを介して、RAMで構成された内部
メモリ20に接続されている。
【0028】この内部メモリ20内には、部分画像の符
号化データの抽出処理を実行する際にプログラムが移植
されるプログラムメモリ21、原画像の符号化データを
記憶する原画像メモリ22A、抽出された部分画像の符
号化データを記憶する部分画像メモリ22B、復元され
たDC係数用のハフマン符号テーブルを記憶するDC係
数用ハフマン符号テーブルメモリ23A、復元されたA
C係数用のハフマン符号テーブルを記憶するAC係数用
ハフマン符号テーブルメモリ23B、符号化データの境
目検出処理の過程で必要なビットデータを一時的に記憶
するワークメモリ24、符号化データ中のDC係数や要
素単位のAC係数の境目を検出する過程でデータの境目
の位置を記憶指示するポインター25、ブロック内のA
C係数の検出処理の終了を示すブロック終了フラグを記
憶するブロック終了フラグメモリ26、ポインター25
の更新回数(すなわち、境目検出を行った要素単位の係
数の数)を記憶するポインター更新回数メモリ27、原
画像の各ブロックごとにDC係数値およびAC係数の開
始・終了アドレスを記憶する位置情報メモリ28、部分
画像の領域指定のために原画像の縮小画像や間引き画像
などを表示するための表示用メモリ29などの各領域が
設定されている。
【0029】また、CPU10は入出力インターフェイ
ス30を介して、外部記憶装置用ドライバ31、キーボ
ード32、マウス33、表示器34に接続されている。
外部記憶装置用ドライバ31には、原画像の符号化デー
タの他、適宜に間引かれた原画像の画像データを記憶し
た外部記憶装置35や、部分画像の符号化データの抽出
処理のためのプログラムを記憶した外部記憶装置36が
装填される。外部記憶装置35,36は、光磁気ディス
ク、CD−ROM、フロッピーディスク、磁気テープな
どで構成される。さらに、CPU10は通信インターフ
ェイス37に接続され、必要に応じて外部装置から原画
像の符号化データなどを取り込むことができるようにな
っている。
【0030】後述する動作説明において明らかになる
が、本実施例における原画像メモリ22Aは本発明装置
における原画像記憶手段に、DC係数用ハフマン符号テ
ーブルメモリ23AおよびAC係数用ハフマン符号テー
ブルメモリ23Bは符号化テーブル記憶手段に、位置情
報メモリ28は位置情報記憶手段に、表示器34は表示
手段に、キーボード32およびマウス33は領域指定手
段に、CPU10は符号化データの境目検出手段、抽出
領域特定手段、および符号化データの抽出手段に、それ
ぞれ相当する。
【0031】D.原画像の符号化データ 実施例装置の動作説明をする前に、本実施例装置で処理
対象となる原画像の一例を示す。図10は、原画像のブ
ロック(8×8画素)内の画素データ(圧縮されていな
いデータ)の模式図であり、各画素データは8ビットで
構成されている。図11は、図10に示した原画像を、
図1のDCT変換部41で2次元DCT変換して得られ
たDCT係数である。図11において、左上の数値「−
1076」がDC係数であり、その他の各々63個の数
値が要素単位のAC係数である。図12は、図11の原
画像のDCT係数を、図1の量子化部42で量子化する
際に用いられる量子化テーブルの模式図である。また、
図13は量子化された原画像のDCT係数の模式図であ
る。図14は、図8に示したDC係数用のハフマン符号
テーブルと、図9に示したAC係数用のハフマン符号テ
ーブルとを用いて、図13に示した原画像の1ブロック
内の量子化DCT係数を符号化して得られた符号化デー
タである。この例では、最初の10ビットがDC係数の
符号化データ、それに続いてAC係数の符号化データ、
最後にEOBマーカ(「1010」)が付加されてい
る。なお、DC係数については、前ブロックのDC係数
と現ブロックのDC係数との差分値が符号化されるが、
前ブロックがない(すなわち、現ブロックが第1番目の
ブロックである)ので、前ブロックのDC係数が「0」
であるとして、現ブロックのDC係数(「−45」)を
符号化してある。
【0032】図14に示したブロック内の符号化データ
において、DC係数やAC係数の符号化データの境目に
マーカなどは介在していない。また、この例では、量子
化されたDCT係数の最後のAC係数(図13の右下の
符号)が「0」であるので、図14の符号化データの最
後にEOBマーカ(「1010」)が付加されている
が、前記最後の係数が「0」でない場合は、EOBマー
カは付加されないので、このEOBマーカによって連続
したブロックの境目を検出することはできない。本発明
では、後述する符号化データの境目検出処理の説明によ
って明らかになるように、各ブロック内のDC係数やA
C係数を順に識別してゆくことによって各ブロックの境
目のアドレス(位置)を検出して記憶し、このアドレス
を参照して部分画像の符号化データを抽出している。
【0033】E.実施例装置による部分画像の符号化デ
ータの抽出処理 以下、上述した構成を備えた実施例装置の動作を図4〜
図7に示したフローチャートを参照して説明する。図4
は部分画像の符号化データの抽出処理の全体の流れを示
したフローチャート、図5はDC係数値の検出処理およ
びAC係数の境目の検出処理を示したフローチャート、
図6はDC係数値の検出処理の詳細を示したフローチャ
ート、図7はAC係数の境目の検出処理の詳細を示した
フローチャートである。これらの図4〜図7に示した符
号化データの抽出処理は、外部記憶装置36からプログ
ラムメモリ21に移植されたプログラムに基づいて、C
PU10が実行する。
【0034】まず、図4のステップS1では、原画像の
各ブロックのDC係数を復号化して、その値(DC係数
値)を求めるとともに、各ブロックのAC係数の開始ア
ドレスおよび終了アドレスを検出する。このステップS
1の詳細を図5を参照して説明する。
【0035】図5のステップT1では、外部記憶装置3
5に格納された原画像のファイルを開き、原画像の符号
化データを原画像メモリ22Aに取り込む。ステップT
2では、原画像メモリ22Aに記憶された原画像の符号
化データから画像のヘッダ情報(図2に示した画像のテ
ーブル)を読み出す。このヘッダ情報中からDHTマー
カを検出して、このマーカに続く、ハフマン符号テーブ
ルの再現に必要な情報を取り出す。ステップT3で、こ
の情報に基づいて、DC係数用のハフマン符号テーブル
(1次元のハフマン符号テーブル)およびグループ化テ
ーブル(図8参照)と、AC係数のハフマン符号テーブ
ル(2次元のハフマン符号テーブル)およびグループ化
テーブル(図9参照)を作成する。
【0036】ハフマン符号テーブルなどを作成するとス
テップT4へ進み、まず、DC係数用のハフマン符号テ
ーブルを参照して、原画像の第1番目のブロックのDC
係数値を検出する。このステップT4の詳細を図6を参
照して説明する。
【0037】図6のステップU1では、原画像メモリ2
2Aの記憶された符号化データ中から、ハフマン符号語
と付加ビットを合わせたDC係数の最大符号長に相当す
るビットをブロックの境目を基準にして取り出し、これ
をワークメモリ24に記憶する。本実施例では、ハフマ
ン符号語の最大符号長が6ビット、付加ビットの最大ビ
ット長が8ビットであるので、DC係数の最大符号長は
14ビットになり、14ビット分の符号化データを取り
出す。なお、第1番目のブロックの開始端、すなわち、
スキャンのデータが始まる位置(図2参照)は、原画像
の符号化データの中からSOSマーカを検出し、それに
続くスキャンヘッダ内の情報からヘッダ長を認識するこ
とによって知ることができる。2番目以降のブロックの
境目(開始端)は、ポインター25に記憶された位置情
報から知ることができる。ポインター25に記憶される
位置情報については後に説明する。
【0038】図15の(a)は、図14に示した原画像
の符号化データについて、ステップU1で取り出された
ブロック内の先頭の14ビットを示している。続いて、
図6のステップU2では、ワークメモリ24に記憶した
14ビットの符号化データの先頭から順に、DC係数用
のハフマン符号語の最小符号長に相当するビットを取り
出して、ワークメモリ24の別の領域に記憶する。本実
施例では、DC係数用のハフマン符号語の最小符号長は
2ビットであるので、先頭から2ビットが取り出される
(図15の(b)参照)。
【0039】次のステップU3、U4では、この2ビッ
トを対象ビットとして、図5のステップT3で作成して
DC係数用ハフマン符号テーブルメモリ23Aに記憶し
ているDC係数のハフマン符号テーブル(図8の(a)
参照)の各符号語と比較し、同一の符号語があるかどう
かを順に探索する。ハフマン符号テーブル内には同じ符
号長であっても、異なる複数種類の符号語が存在するの
で、ステップU5では、対象ビットと同じ符号長をも
つ、ハフマン符号テーブル内の符号語を全て探索したか
を判別している。
【0040】対象ビットと同じ符号長をもつ符号語を全
て探索しても同一の符号語が発見されない場合は、ステ
ップU6に進む。このステップU6では、ステップU1
で取り出した6ビットの符号化データの中から更に次の
1ビット(ここで、3番目のビット)を取り出し、先の
2ビットと合わせて合成3ビットを対象ビットとする
(図15の(c)参照)。以下、この3ビットの対象ビ
ットについて、ステップU3〜U5の処理を繰り返し
て、DC係数用のハフマン符号テーブルの中で一致する
符号があるかを探索する。一致する符号がなければ、対
象ビットを更に1ビットと増やして、同様の処理を繰り
返す。
【0041】図15の例では、対象ビットが4ビット
(「1110」)になったときに、DC係数用のハフマ
ン符号テーブル内の符号語の一つ(図8の(a)に示し
たハフマン符号テーブル内のグループ番号「6」に対応
する符号語)と一致する。一致する符号語があればステ
ップU7に進む。ステップU7では、図8の(b)のグ
ループ化テーブルを参照して、一致した符号語のグルー
プ番号に対応する付加ビット長を読み取る。図15の例
では、グループ番号「6」に対応する付加ビット長は
「6」である。そして、ステップU1で取り出した16
ビットの符号化データの中から、前記4ビットの対象ビ
ットに続くビットを、前記付加ビット長に相当する個数
だけ読み出す。図15の例では、対象ビット「111
0」に続く、6ビット「010010」を読み出す(図
15の(e)参照)。
【0042】ステップU8では、DC係数のハフマン符
号テーブルを参照して、該当グループ内のDC係数の差
分値群の中から、ステップU7で読み出した付加ビット
に対応するDC係数差分値を特定する。図15の例で
は、付加ビットが「010010」(18)であるの
で、グループ番号「6」に属するDC係数差分値群の中
から、小さい方から19番目(付加ビット「00000
0」が第1番目である)のDC係数差分値、すなわち
「−45」をDC係数差分値として特定する。
【0043】ステップU9では、前ブロックのDC係数
にステップU8で特定したDC係数差分値を加算するこ
とにより、現ブロックのDC係数値を求める。原画像の
前ブロックのDC係数は、位置情報メモリ28から読み
出す。なお、図15の例では、現ブロックが第1番目の
ブロックである(前ブロックがない)ので、前ブロック
のDC係数を「0」として扱う。その結果、現ブロック
(ここでは、第1番目のブロック)のDC係数は「−4
5」となる。ステップU10では、該当ブロックのDC
係数を位置情報メモリ28に書き込む。位置情報メモリ
28の構成を図17に模式的に示す。
【0044】ステップU11では、ポインター25の現
在値に、該当グループ番号の符号語のビット数(符号
長)と、付加ビット長を加算して、ポインター25の値
を更新するとともに、ポインター更新回数メモリ27の
更新回数をカウントアップする。ポインター25の初期
値は「0」であるので、図15に示した例では、初期値
「0」に該当グループ番号の符号長「4」と、対応する
付加ビット長「6」とを加算することにより、ポインタ
ー25の値を「10」に更新する。また、ポインター2
5を初めて更新するので、ポインター更新回数メモリ2
7の値は「1」になる。後述する説明から明らかになる
ように、ポインター25の値は、次に境目検出処理を行
う要素単位のAC係数の符号化データにおける先頭ビッ
トの位置(アドレス)を示す。また、ポインター更新回
数メモリ27の計数値は、次に境目検出処理を行うAC
係数の要素単位が何番目の要素であるかを示す。
【0045】以上のステップU1〜U11により、図5
のステップT4が終了する。ステップT4が終了する
と、図5のステップT5に進む。このステップT5で
は、ポインター25の現在値を、位置情報メモリ28
に、現ブロックのAC係数の開始アドレスとして記憶す
る。図15に示した例では、現ブロックであるブロック
番号1のところに、AC係数の開始アドレスとして「1
0」を記憶する(図17参照)。
【0046】次のステップT6では、ステップT4で検
出されたDC係数の符号化データに続くAC係数群につ
いて、要素単位でAC係数の境目を検出する。このステ
ップT6の詳細を図7のステップV1〜V10に示す。
以下、これらの各ステップについて説明する。
【0047】ステップV1では、原画像メモリ22Aの
記憶された符号化データ中から、図17に示した位置情
報メモリ28内のブロック番号1のAC係数の開始アド
レスを参照し、その開始アドレスが示す位置から、AC
係数のハフマン符号語の最大符号長に相当するビットを
取り出し、これをワークメモリ24に記憶する。本実施
例ではAC係数のハフマン符号語の最大符号長は16ビ
ットであるので、16ビット分の符号化データを取り出
す。図16の(a)は、図14に示した原画像の符号化
データについて、ステップV1で取り出された16ビッ
トの符号化データを示している。
【0048】次のステップV2からV6までは、図6の
ステップU2からU6までと同様に進められる。すなわ
ち、ステップV1で取り出した16ビットの符号化デー
タの先頭から順に、AC係数のハフマン符号語の最小符
号長に相当するビット(ここでは、2ビット)を取り出
す(図16の(b)参照)。この2ビットを対象ビット
として、AC係数用ハフマン符号テーブルメモリ23B
に記憶しているAC係数のハフマン符号テーブル(図9
の(a)参照)の各符号語と比較し、同一の符号語があ
るかどうかを順に探索する。対象ビットと同じ符号長を
もつ符号語を全て探索しても同一の符号語が発見されな
い場合は、前記16ビットの符号化データ中から次の1
ビット(ここで、3番目のビット)を取り出し、合計3
ビットの対象ビット(図16の(c)参照)について、
一致する符号語があるかを探索する。一致する符号語が
なければ、対象ビットを更に1ビット増やして、同様の
処理を繰り返す。
【0049】図16の例では、対象ビットが3ビット
(「100」)になったときに、AC係数用のハフマン
符号テーブル内の符号語の一つ(図9の(a)に示した
ハフマン符号テーブル内のラン長/SSSSが「0/
3」に対応する符号語)と一致する。一致する符号語が
あればステップV7に進み、一致した符号語がEOBマ
ーカであるか否かを判別する。一致した符号語がEOB
マーカであれば、そのブロックの処理が終了したものと
判断して、ステップV8に進み、ブロック終了フラグメ
モリ26にブロック終了フラグを立てる。
【0050】一致した符号がEOBフラグでない場合は
ステップV9に進む。図16に示した例では、一致した
符号語「100」はEOBマーカではない(図9の
(a)に示すように、EOBマーカは「1010」であ
る)のでステップV9に進む。このステップV9では、
図9の(b)に示したAC係数用のグループ化テーブル
を参照して、一致した符号語のグループ番号(SSS
S)に対応する付加ビット長を読み取る。図16の例で
は、グループ番号「3」に対応する付加ビット長は
「3」である。
【0051】次のステップV10では、ポインター25
の現在値に、該当グループ番号に属する符号語の符号長
と、該当グループ番号の付加ビット長とを加算して、ポ
インター25の値を更新するとともに、ポインター更新
回数メモリ27の計数値をカウトアップする。図16の
例ではポインター25の現在値は「10」であるので、
この値に符号長「3」と、付加ビット長「3」とを加算
することにより、ポインター25の値を「16」に更新
する。また、ポインター更新回数メモリ27の計数値は
「2」になる。なお、ステップV7でEOBマーカが検
出された場合、ステップV10では、ポインター25の
現在値にEOBマーカの符号長(4ビット)を加算す
る。
【0052】以上のステップV1〜V10の処理によっ
て、1要素単位のAC係数の境目が検出されたことにな
る。これらのステップV1〜V10(すなわち図5のス
テップT6)が終了すると、図5のステップT7に進
む。このステップT7では現ブロック内のAC係数の全
ての要素について境目の検出が終了したかを確認する。
具体的には、ブロック終了フラグメモリ26を見ること
により、図7のステップV8においてブロック終了フラ
グが立てられたか否かを確認する。ブロック終了フラグ
が立てられていなければ、ポインター更新回数メモリ2
7の計数値が「63」を越えたか否かを確認する。1ブ
ロック内のAC係数の要素は全部で63個あるので、ポ
インター更新回数メモリ27の計数値が「63」を越え
た場合、該当ブロックのAC係数の全部の要素単位の境
目が検出されたことになる。
【0053】ブロック終了フラグが立てられておらず、
またポインター更新回数メモリ27の計数値が「63」
を越えていないときは、現ブロック内のAC係数の境目
の検出が終了していないものと判断して、ステップT6
に戻り、図7のステップV1〜V10を繰り返し実行し
て、次の要素単位(第2要素)のAC係数の境目を検出
する。具体的には、ポインター25の現在値(図16の
例では「16」)を参照し、その現在値が示すアドレス
を基準として更に16ビットの符号化データを取り出し
(図16の(d)参照)、これらの符号化データの先頭
から順に対象ビットを設定して、これに一致するハフマ
ン符号語を探索する(ステップV1〜V6)。図16の
(d)以降の例では、最初に取り出された2ビットの対
象ビット「01」がAC係数のハフマン符号テーブル内
の符号語と一致する(図16の(e)参照)。この符号
語が属するグループ番号「2」の付加ビット長は「2」
である。その結果、ポインター25の現在値「16」
に、一致した符号語の符号長「2」と、付加ビット長
「2」とを加算して、ポインター25の値を「20」に
更新する。これとともに、ポインター更新回数メモリ2
7の計数値は「3」になる。
【0054】以上のステップT6(ステップV1〜V1
0)およびステップT7を繰り返し実行して、要素単位
のAC係数の境目を検出する。そして、ステップT7に
おいて、ブロック終了フラグが立てられているか、ある
いはポインター更新回数メモリ27の計数値が「63」
を越えたことを確認すると、ステップT8へ進む。この
ステップT8では、全ての要素単位についてAC係数の
境目を検出した現ブロックについて、AC係数の終了ア
ドレスを位置情報メモリ28に記憶する。具体的には、
ポインター25の現在値から「1」を差し引いた値を、
AC係数の終了アドレスとして位置情報メモリ28に記
憶する。さらに、このステップT8では、次のブロック
の符号化データの境目検出の準備のために、ポインター
更新回数メモリ27の計数値をクリアして「0」に戻
す。
【0055】次のステップT9では、ポインター25の
現在値を参照して、その現在値が示すアドレスのビット
を先頭にして、画像終了(EOI)マーカと同一符号長
のビットを原画像メモリ22Aから取り出し、その符号
化データがEOIマーカであるかを確認する。EOIマ
ーカでなければ、原画像の未処理のブロックが残ってい
るものと判断してステップT4に戻り、原画像メモリ2
2Aから次のブロックの符号化データを取り出してステ
ップT4からT8の処理を実行する。次のブロックの符
号化データの先頭ビットのアドレスは、ポインター25
の現在値(あるいは、位置情報メモリ28に記憶された
前ブロックのAC係数の終了アドレス)を参照すること
により知ることができる。以下、前ブロックと同様に処
理を行うことにより、次ブロックのDC係数値と、AC
係数の開始アドレスと終了アドレスを検出して、位置情
報メモリ28に記憶する。
【0056】以上の処理を原画像の各ブロックについて
実行した後、図5のステップT9でEOIマーカを検出
すると、原画像のDC係数の復号化、およびAC係数の
開始・終了アドレスの検出処理(図4のステップS1)
が終了する。
【0057】次のステップS2では、外部記憶装置35
から適宜に間引かされた原画像の画像データを表示用メ
モリ29に取り込んで、原画像の縮小画像を表示器34
に表示する。ステップS3では、オペレータがキーボー
ド32やマウス33を操作することにより、表示器34
に表示された原画像上で、抽出しようとする部分画像の
領域を指定する。ステップS4では、ステップS3で指
定された部分画像の領域の座標をブロック単位の座標に
変換する。以下、このステップS4の詳細を図18を参
照して説明する。
【0058】図18はブロック単位に分割された原画像
の模式図である。図18において、水平方向が符号化デ
ータの抽出処理を実行する際の主走査方向に相当し、こ
の方向の画素単位の座標をx、ブロック単位の座標をm
で示す。また、垂直方向が副走査方向に相当し、この方
向の画素単位の座標をy、ブロックの単位の座標をnで
示す。ここでは、原画像IPの中から、鎖線で示した矩
形状の部分画像PIPを抜き出すために、ステップS3
において、オペレータが対角線上の2つの点P
1 (x1 ,y1 )、P2 (x2 ,y2 )を指定したとす
る。指定された2点P1、P2 の座標はCPU10に与
えられる。CPU10は、これらの座標(x1
1 )、(x2 ,y2 )に基づいて、点P1 、P2 を含
むブロックPB1 、PB 2 の座標(m1 ,n1 )、(m
2 ,n2 )を、以下の式に従って算出する。
【0059】m1 =INT(x1 /Px)+1 n1 =INT(y1 /Py)+1 m2 =INT(x2 /Px)+1 n2 =INT(y2 /Py)+1 ここで、関数「INT」は、括弧内の数値の小数点以下
を切り捨てる演算を示す。また、PxおよびPyは、ブ
ロックのx方向およびy方向の画素数をそれぞれ示す。
【0060】図18に示したように、オペレータが指定
した部分画像PIPの領域は、点P 1 、P2 を対角線上
の頂点とする矩形領域である。一方、抽出される符号化
データの領域(以下、この領域を「抽出領域」という)
は、部分画像PIPを含む複数個のブロックで構成され
る領域である。図18では、抽出領域EAを太い実線で
囲んである。
【0061】指定された部分画像の領域をブロック単位
の座標に変換すると、ステップS5に進む。このステッ
プS5では、原画像を構成している各ブロックが抽出領
域内のブロックであるかどうかを第1番目のブロックか
ら順に判定するために、これから判定しようとするブロ
ック(以下、「着目ブロック」という)の番号CTを
「1」にセットする。
【0062】次のステップS6では、着目ブロックが抽
出領域内のブロックであるか否かを判定する。具体的に
は、着目ブロックの番号CTの値が次の2つの式を満足
する場合は、その着目ブロックは抽出領域内のブロック
であると判定する。 m1 ≦MOD(CT,N)≦m21 ≦INT〔(CT−1)/N〕+1≦n2 ここで、関数「MOD」は、括弧内の第1の値を第2の
値で除算した余りをとる演算を示す。また、符号Nは、
原画像IPの主走査方向のブロックの個数であり、その
値は原画像のヘッダ情報(図2中のフレームヘッダ)か
ら得ることができる。
【0063】着目ブロックが抽出領域内のブロックであ
ると判定された場合はステップS7に進む。このステッ
プS7では、図17に示した位置情報メモリ28を参照
し、着目ブロック番号CTに対応する記憶領域から、そ
の着目ブロックのDC係数値と、AC係数の開始アドレ
スおよび終了アドレスを読み出す。
【0064】次のステップS8では、ステップS7で読
み出した着目ブロックのAC係数の開始アドレスと終了
アドレスに基づいて、原画像メモリ22Aに記憶された
原画像の符号化データの中から、着目ブロックのAC係
数の符号化データを抽出し、この符号化データと、ステ
ップS7で読み出したDC係数値とを、着目ブロックの
ブロック番号に対応付けて部分画像メモリ22Bに記憶
する。
【0065】ステップS8の処理を行った後、あるいは
ステップS6で着目ブロックが抽出領域内のブロックで
ないと判定された場合は、ステップS9に進む。このス
テップS9では、着目ブロックの番号CTを「1」だけ
カウントアップする。そして、次のステップS10で
は、更新された番号CTがブロック番号の最大値CTMA
X を越えているか否かを判定することにより、原画像の
全ブロックについて処理が終わったか否かを判断する。
ブロック番号の最大値CTMAX 、すなわち、原画像を構
成するブロックの個数は、原画像のヘッダ情報(図2中
のフレームヘッダ)から得ることができる。
【0066】原画像の全ブロックについて処理が終わっ
ていなければ、ステップS6に戻って、次の着目ブロッ
クについてステップS6〜S10の処理を同様に行う。
ステップS6〜S10の処理を原画像の全ブロックにつ
いて実行することにより、抽出領域内の各ブロックにつ
いて、各々のDC係数値と、AC係数の符号化データと
を部分画像メモリ22Bに記憶する。
【0067】以上のようにして、部分画像の符号化デー
タを抽出されると、必要に応じて、部分画像の符号化デ
ータが復号され、他の画像などと合成される。具体的に
は、まず、部分画像メモリ22Bに記憶された部分画像
の各ブロックのAC係数の符号化データを、図9に示し
たAC係数用ハフマン符号テーブルを利用して復号化
し、各ブロックごとにAC係数を得る。そして、部分画
像メモリ22Bに記憶された部分画像の各ブロックのD
C係数値と、前記復号化した各ブロックのAC係数とを
ブロックごとに纏め、ブロック単位で逆DCT変換を施
すことにより、部分画像のブロックごとに画素データを
得ることができる。
【0068】ところで、最初に指定した部分画像の領域
が適当でなかったり、あるいは原画像の別の領域の部分
画像も抽出したいような場合には、ステップS3以降の
符号化データの再抽出処理を実行することにより、その
部分画像の符号化データを抽出することができる。すな
わち、部分画像の符号化データの抽出処理ごとに、ステ
ップS1の処理を実行する必要がないので、次回からの
部分画像の符号化データの抽出処理を迅速に行うことが
できる。
【0069】なお、上述した実施例において、抽出領域
の各ブロックのDC係数の符号化データ自体を部分画像
メモリ22Bに記憶するのではなく、DC係数の符号化
データを復号化して得られたDC係数値を記憶するよう
にしたのは、次の理由による。上述したように、JPE
Gアルゴリズムのベースラインプロセスでは、各ブロッ
クのDC係数は直接に符号化されるのではなく、その前
のブロックのDC係数との差分値を符号化する方式を採
っている。そのため、部分画像の領域内の該当ブロック
のDC係数の符号化データ自体を記憶しても、該当ブロ
ックに隣接する抽出領域外のブロックのDC係数の符号
化データが抽出されていなければ、前記該当ブロックの
DC係数値を得ることができないからである。
【0070】本発明は上記の実施例に限らず、次のよう
に変形実施することができる。 (1)実施例では、JPEGアルゴリズムのベースライ
ンプロセスによって得られた圧縮画像を処理対象とした
が、本発明はこれに限定されず、種々の方式で得られる
可変長符号化データの画像に適用することができる。例
えば、本発明は一般に、系列変換とエントロピー符号化
によって圧縮された圧縮画像データに適用できる。系列
変換としては、例えば、フーリエ変換、アダマール変換
などの直交変換やベクトル量子化符号化などを利用でき
る。また、エントロピー符号化としては算術符号化など
を利用できる。
【0071】(2)実施例では、ブロック単位に圧縮さ
れた画像を処理対象としていたので、ブロック単位でD
C係数値と、AC係数の符号化データの抽出処理を行っ
た。しかし、本発明はこれに限定されず、処理対象とな
る画像が画素単位に圧縮されていた場合は、画素単位で
符号化データを抽出すればよい。
【0072】(3)また、本発明は、YMCKの画像成
分で構成される画像に限らず、RGB成分やCIE表色
系成分で構成された圧縮画像データの抽出処理にも適用
することができる。
【0073】(4)実施例では、画像の圧縮化過程でD
C係数の差分値を符号化していた関係で、符号化データ
の境目検出処理の際に各ブロックのDC係数値を求め
て、これを記憶するようにした。しかし、DC係数自体
を符号化した画像である場合には、DC係数の符号化デ
ータ自体を抽出して記憶するようにしてもよい。
【0074】(5)実施例では、AC係数の開始アドレ
スと終了アドレスによってAC係数の境目を表すように
したが、AC係数の終了アドレスに代えてAC係数の符
号長を記憶するようにしてもよい。AC係数の開始アド
レスと、AC係数の符号長が判れば、AC係数の終了ア
ドレスが特定されるからである。
【0075】(6)実施例では、図4に示すステップS
2において、予め作成された間引き画像を用いて、原画
像の縮小画像を表示器34に表示したが、ステップS1
で復号され位置情報メモリ28に格納されたDC係数値
を用いて、原画像の縮小画像を表示器34に表示しても
よい。この場合、原画像の1/8の大きさの縮小画像が
表示器34に表示される。
【0076】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば次の効果を奏する。請求項1に記載の発明方法
によれば、原画像を符号化するのに使った付加テーブル
を参照することにより、原画像を構成する全ての処理単
位画像の符号化データの境目を検出し、各処理単位画像
ごとに符号化データの位置情報を予め記憶している。そ
して、この位置情報を参照することによって、所望の部
分画像の符号化データを抽出している。したがって、請
求項1の発明によれば、各処理単位画像の符号化データ
を識別することを目的として、原画像の符号化データに
データ量などを挿入しておくような特殊なファイル構造
を必要としない。また、原画像を構成する各処理単位画
像の符号化データの位置情報を一度、検出しておけば、
それ以降は、部分画像の領域指定が変更されても、前記
位置情報を再び検出する必要がないので、部分画像の符
号化データの抽出処理を効率よく行うことができる。
【0077】請求項2に記載の発明方法によれば、例え
ばJPEGアルゴリズムのベースラインプロセスによっ
て圧縮化された原画像について、各ブロックのDC係数
値と、AC係数の符号化データの位置情報を検出して記
憶しているので、部分画像の領域として種々の領域が指
定されても、先に記憶した各ブロックのDC係数値と、
AC係数の符号化データの位置情報を参照することによ
り、指定された部分画像に対応する符号化データを効率
よく抽出することができる。
【0078】請求項3に記載の発明装置によれば、請求
項1に記載の発明方法を好適に実施することができると
ともに、原画像の符号化データの中から部分画像の符号
化データを直接に抽出できるので、原画像の符号化デー
タを復号して部分画像を抽出する場合と比較して、処理
に必要な画像記憶手段の容量を極力小さくすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】JPEGアルゴリズムのベースラインプロセス
の概略構成を示す図である。
【図2】ベースラインプロセスで得られた圧縮画像デー
タの構成を示す図である。
【図3】実施例装置の概略構成を示すブロック図であ
る。
【図4】符号化データの抽出処理の全体の流れを示した
フローチャートである。
【図5】DC係数値の検出処理およびAC係数の境目の
検出処理を示したフローチャートである。
【図6】DC係数値の検出処理の詳細を示したフローチ
ャートである。
【図7】AC係数の境目の検出処理の詳細を示したフロ
ーチャートである。
【図8】(a)はDC係数用ハフマン符号テーブル、
(b)はグループ化テーブルの模式図である。
【図9】(a)はAC係数用ハフマン符号テーブル、
(b)はグループ化テーブルの模式図である。
【図10】原画像のブロック内の画素データの模式図で
ある。
【図11】原画像のブロック内のDCT係数の模式図で
ある。
【図12】量子化テーブルの模式図である。
【図13】原画像の量子化されたDCT係数の模式図で
ある。
【図14】原画像のハフマン符号化データの模式図であ
る。
【図15】DC係数の符号化データの検出処理の説明に
供する図である。
【図16】要素単位のAC係数の符号化データの検出処
理の説明に供する図である。
【図17】位置情報メモリの模式図である。
【図18】部分画像の領域の座標をブロック単位の座標
に変換する処理の説明に供する図である。
【図19】ジグザグスキャンの順序の説明に供する図で
ある。
【符号の説明】
10…CPU 20…内部メモリ 21…プログラムメモリ 22A…原画像メモリ 22B…部分画像メモリ 23A…DC係数用ハフマン符号テーブルメモリ 23B…AC係数用ハフマン符号テーブルメモリ 24…ワークメモリ 25…ポインター 26…ブロック終了フラグメモリ 27…ポインター更新回数メモリ 28…位置情報メモリ 29…表示用メモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤本 博己 京都市上京区堀川通寺之内上る4丁目天神 北町1番地の1 大日本スクリーン製造株 式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変長符号化方式で圧縮して得られた原
    画像の符号化データの中から、所望の部分画像の符号化
    データを抽出する方法であって、 (a)原画像の符号化データの先頭から最小符号長に相
    当するビット数の符号化データを取り出す過程と、 (b)前記取り出した符号化データを対象ビットとし、
    この対象ビットに一致する符号語が、前記原画像を符号
    化するのに使った符号化テーブル内に存在するか否かを
    判定する過程と、 (c)前記対象ビットに一致する符号語が前記符号化テ
    ーブル内に存在しない場合は、前記(a)の過程で取り
    出した符号化データに続く単位ビットを前記原画像の符
    号化データの中から取り出し、前記過程(a)で取り出
    した符号化データと今回取り出した単位ビットとを合体
    させた符号化データを対象ビットとして、前記(b)の
    過程を実行させる過程とを、 前記一致する符号語が見つかるまで対象ビットのビット
    数を順に増やして前記(a)〜(c)の過程を実行する
    ことにより、原画像の圧縮化過程で処理単位となった処
    理単位画像に対応する符号化データの境目を検出する符
    号化データの境目検出過程と、 前記処理単位画像の符号化データの境目が検出されるご
    とに、その処理単位画像の符号化データの開始位置の位
    置情報と終了位置の位置情報とを記憶する位置情報の記
    憶過程と、 抽出すべき部分画像の領域を指定する領域指定過程と、 前記指定された部分画像の領域を含み、複数個の処理単
    位画像で構成される抽出領域を特定する抽出領域特定過
    程と、 前記記憶過程で得られた原画像の各処理単位画像の位置
    情報を参照することにより、前記抽出領域特定過程で特
    定された抽出領域を構成する各処理単位画像について、
    各々の符号化データの開始位置情報と終了位置情報とを
    求め、これらの位置情報に基づいて、原画像の符号化デ
    ータの中から、前記抽出領域を構成する各処理単位画像
    の符号化データを抽出する符号化データの抽出過程と、 を備えたことを特徴とする圧縮画像データの抽出方法。
  2. 【請求項2】 原画像を複数個のブロックに等分割し、
    各ブロックごとに直交変換を行ってブロック単位に1つ
    のDC係数と複数個のAC係数とを求め、前記各ブロッ
    クの係数群をブロック単位で量子化し、前記量子化され
    た各ブロックのDC係数については、現ブロックのDC
    係数と1つ前のブロックのDC係数との差分値をエント
    ロピー符号化し、前記量子化された各ブロックの複数個
    のAC係数については、AC係数の要素単位ごとにエン
    トロピー符号化し、前記DC係数の差分値のエントロピ
    ー符号と前記複数個のAC係数のエントロピー符号とを
    各ブロックごとに編集して前記原画像の可変長符号化デ
    ータを得るという圧縮化方式で得られた原画像の符号化
    データの中から、所望の部分画像の符号化データを抽出
    する方法であって、 (a)前記原画像の符号化データに付加されたヘッダ情
    報に基づき、前記DC係数をエントロピー符号化するの
    に使ったDC係数用符号化テーブルおよびDC係数用グ
    ループ化テーブルと、前記AC係数をエントロピー符号
    化するのに使ったAC係数用符号化テーブルおよびAC
    係数用グループ化テーブルとをそれぞれ再現する過程
    と、 (b)前記原画像の符号化データの先頭からDC係数の
    最小符号長に相当するビット数の符号化データを取り出
    す過程と、 (c)前記取り出した符号化データを対象ビットとし、
    この対象ビットに一致する符号語が、前記DC係数用符
    号化テーブル内に存在するか否かを判定する過程と、 (d)前記対象ビットに一致する符号語がDC係数用符
    号化テーブル内に存在しない場合は、前記過程(b)で
    取り出した符号化データに続く単位ビットを前記原画像
    の符号化データの中から取り出し、前記過程(b)で取
    り出した符号化データと今回取り出した単位ビットとを
    合体させた符号化データを対象ビットとして、前記
    (c)の過程を実行させ、前記一致する符号語が見つか
    るまで対象ビットを順に増やしてゆく過程と、 (e)(c)の過程で対象ビットに一致する符号語が見
    つかった場合に、その符号語が属する、DC係数用符号
    化テーブル内のグループに与えられた付加ビット長をD
    C係数用グループ化テーブルから求める過程と、 (f)前記一致する符号語が見つかった対象ビットの後
    に続く前記原画像の符号化データの先頭から順に、前記
    (e)の過程で求めた付加ビット長に相当するビット数
    の符号化データを取り出す過程と、 (g)前記DC係数用符号化テーブルを参照して、前記
    (f)の過程で取り出した符号化データ(付加ビット)
    に基づいて、前記一致した符号語が属するグループ内の
    数値(DC係数の差分値)を求める過程と、 (h)1つ前のブロックのDC係数値と、前記(g)の
    過程で求めたDC係数の差分値とから、現ブロックのD
    C係数値を求め、ブロックごとにDC係数値を記憶する
    過程と、 (i)前記一致した符号語の符号長と、前記付加ビット
    長とを加算して、その値をポインターに記憶する過程
    と、 (j)前記ポインターの現在値から現ブロックのAC係
    数の開始位置を特定して、その位置情報を記憶する過程
    と、 (k)前記ポインターの現在値を参照して、現ブロック
    のDC係数の符号化データと、それに続くAC係数の符
    号化データとの境目を認識し、AC係数の符号化データ
    の先頭から、要素単位のAC係数の最小符号長に相当す
    るビット数の符号化データを取り出す過程と、 (l)前記(k)の過程で取り出した符号化データを対
    象ビットとして、前記(c)〜(e)の過程と同様の過
    程を、前記(a)の過程で再現したAC係数用符号化テ
    ーブルおよびAC係数用グループ化テーブルを使って実
    行することにより、対象ビットに一致する符号語をAC
    係数用符号化テーブル内で見つけるとともに、一致した
    符号語に対応する付加ビット長を求める過程と、 (m)前記(l)の過程で見つけた符号語の符号長と付
    加ビット長を、前記ポインターの現在値に加算して、ポ
    インターの現在値を更新する過程と、 (n)前記(m)の過程で更新されたポインターの現在
    値を参照して、前記(l)の過程で見つかった符号語
    (要素単位のAC係数の符号化データ)と、次の要素単
    位のAC係数の符号化データとの境目を認識し、前記次
    の要素単位のAC係数の符号化データの先頭から、要素
    単位のAC係数の最小符号長に相当するビット数の符号
    化データを取り出し、前記(l)〜(m)の過程を繰り
    返し実行して、前記ポインターの現在値を更新してゆく
    過程と、 (o)現ブロック内の全ての要素単位のAC係数につい
    て、前記(n)の過程を実行した後、そのときの前記ポ
    インターの現在値から現ブロックのAC係数の終了位置
    を特定して、その位置情報を記憶する過程と、 (p)前記ポインターの現在値を参照しながら各ブロッ
    クの境目を認識し、原画像の全てのブロックについて、
    前記(b)〜(o)の過程を実行して、各ブロックのD
    C係数値と、AC係数の開始位置情報および終了位置情
    報とを求めて、それぞれを記憶する過程と、 から構成される符号化データの境目検出過程と、 抽出すべき部分画像の領域を指定する領域指定過程と、 前記指定された部分画像の領域を含み、複数個のブロッ
    クで構成される抽出領域を特定する抽出領域特定過程
    と、 前記符号化データの境目検出過程で得られた原画像の各
    ブロックごとのDC係数値とAC係数の開始位置情報お
    よび終了位置情報を参照することにより、前記抽出領域
    特定過程で特定された抽出領域を構成する各ブロックに
    ついて、各々のDC係数値を抽出するとともに、各々の
    AC係数の開始位置情報と終了位置情報とに基づいて、
    原画像の符号化データの中から、前記抽出領域を構成す
    る各ブロックのAC係数の符号化データを抽出する符号
    化データの抽出過程と、 を備えたことを特徴とする圧縮画像データの抽出方法。
  3. 【請求項3】 可変長符号化方式で圧縮された原画像の
    符号化データの中から、所望の部分画像の符号化データ
    を抽出する装置であって、 原画像の符号化データを記憶する原画像記憶手段と、 前記原画像を符号化するのに使った符号化テーブルを記
    憶する符号化テーブル記憶手段と、 前記原画像記憶手段に記憶された原画像の符号化データ
    について、原画像の圧縮化過程で処理単位となった処理
    単位画像の符号化データの境目を順に検出する、次の
    (a)〜(c)の機能を備えた符号化データの境目検出
    手段と、 (a)原画像の符号化データの先頭から最小符号長に相
    当するビット数の符号化データを取り出す機能、 (b)前記取り出した符号化データを対象ビットとし、
    この対象ビットに一致する符号語が、前記符号化テーブ
    ル記憶手段に記憶された符号化テーブル内に存在するか
    否かを判定する機能、 (c)前記対象ビットに一致する符号語が前記符号化テ
    ーブル内に存在しない場合は、前記取り出した符号化デ
    ータに続く単位ビットを前記原画像記憶手段から取り出
    し、先に取り出した符号化データと今回取り出した単位
    ビットを合体させた符号化データを対象ビットとして、
    これに一致する符号語が前記符号化テーブル内に存在す
    るかを判定し、一致する符号語が見つかるまで対象ビッ
    トのビット数を順に増やすことにより、前記処理単位画
    像に対応する符号化データの境目を検出する機能、 前記符号化データの境目検出手段によって処理単位画像
    の符号化データの境目が検出されるごとに、その処理単
    位画像の符号化データの開始位置の位置情報と終了位置
    の位置情報とを記憶する位置情報記憶手段と、 抽出すべき部分画像の領域を指定する領域指定手段と、 前記指定された部分画像の領域を含み、複数個の処理単
    位画像で構成される抽出領域を特定する抽出領域特定手
    段と、 前記位置情報記憶手段に記憶された原画像の各処理単位
    画像の位置情報を参照することにより、前記抽出領域特
    定手段で特定された抽出領域を構成する各処理単位画像
    について、各々の符号化データの開始位置情報と終了位
    置情報とを求め、これらの位置情報に基づいて、前記原
    画像記憶手段に記憶された原画像の符号化データの中か
    ら、前記抽出領域を構成する各処理単位画像の符号化デ
    ータを抽出する符号化データの抽出手段と、 を備えたことを特徴とする圧縮画像データの抽出装置。
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