JPH10213133A - 動圧流体軸受装置およびそれを備えたモータ - Google Patents

動圧流体軸受装置およびそれを備えたモータ

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JPH10213133A
JPH10213133A JP1890497A JP1890497A JPH10213133A JP H10213133 A JPH10213133 A JP H10213133A JP 1890497 A JP1890497 A JP 1890497A JP 1890497 A JP1890497 A JP 1890497A JP H10213133 A JPH10213133 A JP H10213133A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸部材の長さが短くても充分な回転剛性を確
保することができる動圧流体軸受装置を提供すること。
また充分な回転剛性を確保しながら薄型化を図ることが
できるモータを提供すること。 【解決手段】 スリーブ部材12と、スリーブ部材12
に対して回転自在にである軸部材14と、軸部材14と
スリーブ部材12との間の間隙に充填された潤滑流体2
7とを備えた動圧流体軸受装置。軸部材14は、半径方
向外方に突出するスラストプレート部26を備え、スラ
ストプレート部26の周面と対向するスリーブ部材12
の内周面には、ラジアル動圧発生手段が設けられ、スラ
ストプレート部26の両端面には、スラスト動圧発生手
段54,56が設けられている。また、このような動圧
流体軸受装置10を備えたモータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑油からなる流
体(「潤滑流体」という)を利用し、軸部材とスリーブ
部材の相対的回転時にその間に充填された潤滑流体に圧
力を発生させ、その流体圧力によって軸部材を支持する
動圧流体軸受装置およびこれを備えたモータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、動圧流体軸受装置として、軸
部およびこの軸部から半径方向外方に突出する短円筒状
のスラストプレート部を有する軸部材と、この軸部材に
対して相対的に回転自在であるスリーブ部材と、軸部材
とスリーブ部材との間に存在する間隙に充填された潤滑
流体とを備えたものが知られている。この種の動圧流体
軸受装置においては、軸部材の軸部の外周面およびこれ
に対向するスリーブ部材の内周面のいずれか一方または
双方に、ラジアル方向の荷重を支持するためのラジアル
動圧発生手段が設けられ、軸部の外周面とスリーブ部材
の内周面との間の間隙に潤滑流体が充填される。また、
軸部材のスラストプレート部の両端面およびこれら両端
面に対向するスリーブ部材の内面のいずれか一方または
双方に、スラスト方向の荷重を支持するためのスラスト
動圧発生手段が設けられ、スラストプレート部の両端面
とスリーブ部材の内面の間の間隙に潤滑流体が充填され
る。
【0003】このような動圧流体軸受装置は、たとえ
ば、マイクロコンピュータのハードディスク駆動用のD
Cブラシレスモータや、CD−ROM駆動用モータなど
種々のモータに使用されることが多いが、モータに使用
する場合、前記軸部材およびスリーブ部材の一方がロー
タに連結され、それらの他方が固定部に結合される。軸
部材がロータに連結されるときには、軸回転型のモータ
となり、スリーブ部材に対して軸部材がロータと一体的
に所定方向に回転駆動される。一方、軸部材が固定部に
結合されるときには、軸固定型のモータとなり、軸部材
に対してスリーブ部材がロータと一体的に所定方向に回
転駆動される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような動圧流体軸
受装置(またはこれを備えたモータ)においては、上述
したように、軸部材の軸部に関連してラジアル動圧発生
手段が設けられ、また軸部材のスラストプレート部に関
連してスラスト動圧発生手段が設けられるので、軸受装
置(またはこれを備えたモータ)が薄型化すると、次の
とおりの問題が生じる。すなわち、軸受装置が小型化す
る(またはこれを備えたモータが薄型化する)と、軸部
材の長さが短くなってラジアル動圧発生手段のために充
分な長さを確保することができず、このことに起因して
軸受装置の回転剛性が弱くなる。回転剛性が弱くなる
と、いわゆる軸部材の軸倒れが発生し易くなって軸部材
およびスリーブ部材の一部に偏摩耗が生じ、この偏摩耗
が大きくなると軸受装置(またはこれを用いたモータ)
の寿命となる。
【0005】本発明の目的は、軸部材の長さが短くても
充分な回転剛性を確保することができる動圧流体軸受装
置を提供することである。
【0006】本発明の他の目的は、充分な回転剛性を確
保しながら薄型化を図ることができる、動圧流体軸受装
置を備えたモータを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、スリーブ部材
と、該スリーブ部材に対して相対的に回転自在である軸
部材と、該軸部材とスリーブ部材との間の間隙に充填さ
れた潤滑流体とを備えた動圧流体軸受装置において、前
記軸部材は、軸部と、該軸部から半径方向外方に突出す
るスラストプレート部とを備えており、前記スラストプ
レート部の周面およびこの周面と対向するスリーブ部材
の内周面のいずれか一方または双方には、ラジアル荷重
を支持するためのラジアル動圧発生手段が設けられてお
り、前記スラストプレート部の少なくとも一方の端面お
よびこの端面と対向するスリーブ部材の内面のいずれか
一方または双方には、スラスト荷重を支持するためのス
ラスト動圧発生手段が設けられていることを特徴とする
動圧流体軸受装置である。本発明に従えば、軸部材のス
ラストプレート部の周面およびこの周面に対向するスリ
ーブ部材の内周面の一方または双方にラジアル動圧発生
手段が設けられ、このスラストプレート部の少なくとも
一方の端面およびこの端面と対向するスリーブ部材の内
面の一方または双方にスラスト動圧発生手段が設けら
れ、スラストプレート部に関連してラジアルおよびスラ
スト動圧発生手段が配設されるので、軸部材の軸線方向
の長さを短くすることができ、これによって軸受装置の
軸線方向の大きさを小さくすることができる。また、ス
ラストプレート部の外径を比較的大きく設定するととも
に、このスラストプレートの端面とスリーブ部材の内面
との間隔を非常に小さく設定することによって、スラス
ト動圧発生手段によって発生される潤滑流体の動圧でも
って軸受装置の回転剛性得ることができ、軸部材の長さ
が短くても充分な回転剛性を確保することができる。
【0008】また、本発明は、スリーブ部材と、該スリ
ーブ部材に対して相対的に回転自在である軸部材と、該
軸部材とスリーブ部材との間の間隙に充填された潤滑流
体と、前記軸部材とスリーブ部材のいずれか一方に装着
されたロータと、該ロータに装着されたマグネットと、
該マグネットに対向して配設されたステータとを備えた
モータにおいて、前記軸部材は、その中心軸線が前記ロ
ータの回転軸線となる軸部と、該軸部から半径方向外方
に突出するスラストプレート部とを備えており、前記ス
ラストプレート部の周面およびこの周面と対向するスリ
ーブ部材の内周面のいずれか一方または双方には、ラジ
アル荷重を支持するためのラジアル動圧発生手段が設け
られており、前記スラストプレート部の少なくとも一方
の端面およびこの端面と対向するスリーブ部材の内面の
いずれか一方または双方には、スラスト荷重を支持する
ためのスラスト動圧発生手段が設けられていることを特
徴とするモータである。本発明に従えば、モータは、請
求項1の動圧流体軸受装置を備えているので、上述した
と同様の作用が達成され、モータ全体の薄型化が達成さ
れる。また、スラストプレート部の外径を比較的大きく
設定するとともに、このスラストプレートの端面とスリ
ーブ部材の内面との間隔を非常に小さく設定することに
よって、スラスト動圧発生手段によって発生される潤滑
流体の動圧でもってモータの回転剛性得ることができ、
軸部材の長さが短くても充分な回転剛性を確保すること
ができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、さら
に詳細に説明する。図1は、本発明に従う動圧流体軸受
装置を備えたモータの一実施形態の要部を示す断面図で
ある。図1において、図示のモータは、ベースプレート
2と、このベースプレート2に対して所定方向に回転駆
動されるロータ4を備えている。ベースプレート2はベ
ースプレート本体6を備え、このベースプレート本体6
が、ハードディスク駆動装置のベース部材(図示せず)
に取付けられる。ベースプレート本体6の中央部には円
形状の開口が形成され、この開口周縁部には上方に突出
する環状支持部8が一体的に設けられている。
【0010】動圧流体軸受装置10は、ベースプレート
2とロータ4との間に介在され、ベースプレート2に対
してロータ4を回転自在に支持する。図示の動圧流体軸
受装置10は、スリーブ部材12とスリーブ部材12内
に回転自在に配設された軸部材14とを備え、スリーブ
部材12がベースプレート2に固定され、軸部材14が
ロータ4に連結されている。
【0011】図示のスリーブ部材12は、中空円筒状の
スリーブ本体16を備え、スリーブ本体16の一端部
(下端部)がベースプレート2の環状支持部8の内周面
に固定されている。図2にも示すように、スリーブ本体
16の一端部の内周面には、幾分内径が大きくなった拡
大内径部18が形成され、この拡大内径部18にスラス
トカバー20が固定されている。スリーブ本体16の他
端部には、半径方向内方に突出する環状プレート部22
が一体的に設けられている。スリーブ部材12は、上述
したように構成されているので、スリーブ本体16、ス
ラストカバー20および環状プレート部22によって、
上方が開放された軸受空間を規定する。
【0012】図示の軸部材14は軸部24を有し、この
軸部24の一端部(先端部)にはスラストプレート部2
6が一体的に設けられている。スラストプレート部26
は、軸部24から半径方向外方に突出した短円筒形状に
形成され、スリーブ部材12に規定された軸受空間に収
容されている。スラストプレート部26の周面はスリー
ブ本体16の内周面に対向して配置され、スラストプレ
ート部26の一方の端面(図1において下側の端面)は
スラストカバー20の内面に対向して配置され、またス
ラストプレート部26の他方の端面(図1において上側
の端面)は環状プレート部22の内面に対向して配置さ
れている。潤滑流体27は、上記軸受空間に充填され、
スラストプレート部26の一方の端面とスラストカバー
20の内面との間の間隙、スラストプレート部26の周
面とスリーブ本体16の内周面との間の間隙、およびス
ラストプレート部26の他方の端面と環状プレート部2
2の内面との間の間隙に実質上連続して充填される。
【0013】軸部材14の軸部24は、環状プレート部
22に形成された開口を通して上方に突出しており、こ
の突出する他端部には取付フランジ部28が一体的に設
けられている。取付フランジ部28は半径方向外方に突
出しており、この取付フランジ部28に、ロータ4を構
成するハブ30が固定されている。ハブ30は、円筒状
の側壁部32と、側壁部32の一端部(開放端部)の外
周面に設けられたディスク載置部34と、側壁部32の
他端部に設けられた端壁部36とを有し、端壁部36が
軸部材14の取付フランジ部28に取付けられている。
記録媒体としての磁気ディスク(図示せず)は、ハブ3
0のディスク載置部34に載置され、その側壁32の外
周面に装着され、ハブ30と一体的に回転駆動される。
【0014】ハブ30の側壁部32の内周面にはリング
状のマグネット38が装着されている。また、マグネッ
ト38に対向してその半径方向内側にはステータ40が
配設されている。ステータ40は、複数枚のコアプレー
トを積層することによって構成されるステータコア42
と、ステータコア42に所要のとおりに巻かれたコイル
44から構成され、ステータコア42がベースプレート
2の環状支持部8の外周面に装着されている。かく構成
されているので、コイル44に電流が所要のとおり送給
されると、ステータ40とマグネット38との磁気的作
用によってハブ30およびこれに装着された磁気ディス
ク(図示せず)が所定方向(図3に矢印46で示す方
向)に回転駆動される。
【0015】次に、図1とともに図2〜図4を参照し
て、動圧流体軸受装置10について説明する。図示の実
施形態では、図2に示すように、スリーブ部材12のス
リーブ本体16の内周面には、ラジアル方向の荷重を支
持するためのラジアル動圧発生手段50が設けられてい
る。ラジアル動圧発生手段50は、スラストプレート部
26の周面と協働してラジアル動圧軸受手段を構成し、
周方向に間隔を置いて複数形成されたへリングボーン形
状の動圧発生溝52から形成されている。このラジアル
動圧発生手段50は、スリーブ本体16に設けることに
代えて、またはスリーブ本体16に設けるとともに、軸
部材14のスラストプレート部26の外周面に設けるよ
うにしてもよい。また、図3および図4に示すとおり
に、スラストプレート部26の両端面には、スラスト方
向の荷重を支持するためのスラスト動圧発生手段54,
56が配設されている。片方のスラスト動圧発生手段5
4は、スラストプレート部26の一端面に設けられ、ス
ラストカバー20の内面と協働して片方のスラスト動圧
流体軸受手段を構成する。また、他方のスラスト動圧発
生手段56は、スラストプレート部26の他端面に設け
られ、スリーブ部材12の環状プレート部22の内面と
協働して他方のスラスト動圧流体軸受手段を構成する。
【0016】スラストプレート部26の他端面には、周
方向に実質上等間隔(30度の間隔)を置いて6個のリ
セス部58と6個のスライダ部60とが交互に配設され
ている。リセス部58およびスライダ部60は、扇状に
拡がっており、各リセス部58はスラストプレート部2
6の上記他端面を構成するスライダ部60から凹状に窪
んで設けられている。したがって、リセス部58の表面
とこれと対向する環状プレート部22の内面との間隔は
大きく、たとえば50μm程度に設定され、またスライ
ダ部60の表面とこれと対向する環状プレート部22の
内面との間隔は小さく、たとえば数μm程度に設定され
る。そして、スライダ部60は、破線矢印62(図3)
で示す潤滑流体27の流動方向(矢印46で示す方向と
反対方向)に見て上流側に配設されるステップ部64と
ステップ部64の下流側に配設されるパッド部66を有
している。ステップ部64の一側面(半径方向に延びる
側面)は、リセス部58に開口し、このリセス部58か
ら周方向に実質上同一の幅(半径方向の長さ)でもって
延びている。ステップ部64の半径方向内周部および外
周部には、周方向にパッド部66に向けて弧状に延びる
案内突部68,70が設けられている。案内突部68,
70は、リセス部58からステップ部64に流入した潤
滑流体27をパッド66に向けて案内し、この潤滑流体
27が半径方向内方および外方に流動するのを防止す
る。したがって、スラストプレート部26が矢印46で
示す方向に回動されると、リセス部58の潤滑流体27
がステップ部64に流入し、ステップ部64にてその圧
力が高められ、圧力が高められた潤滑流体27が主とし
てパッド部66に向けて流動し、かくしてスラストプレ
ート部26の主としてパッド部66とスリーブ部材12
の環状プレート部22の内面との間に存在する潤滑流体
27によって、スラストプレート部26に上方に作用す
るスラスト荷重が支持される。かくのとおりであるの
で、リセス部58およびスライダ部60(この実施形態
ではステップ部64、パッド部66および案内突部6
8,70がスライダ部60を構成する)が他方のスラス
ト動圧発生手段56を構成する。なお、この実施形態で
は、ステップ部64の深さは、その全域において実質上
同一深さに形成されているが、潤滑流体27のパッド部
66に向けての流動をスムースにするために、その深
さ、換言すると環状スリーブ部22の内面との間隔が破
線矢印62で示す潤滑流体27の流動方向にパッド部6
6に向けて漸減するテーパ状に形成するようにしてもよ
い。
【0017】スラストプレート部26の一端面にも、そ
の他端面と同様に、周方向に実質上等間隔(30度の間
隔)を置いて6個のリセス部72と6個のスライダ部7
4とが交互に配設され、リセス部72およびスライダ部
74の構成は、スラストプレート部26の他端面に設け
られたリセス部58およびスライダ部60と実施上同一
の構成であり、それらの詳細な説明については省略す
る。したがって、スラストプレート部26が矢印46で
示す方向に回動されると、リセス部72内の潤滑流体2
7がスライダ部74のステップ部76に流入し、ステッ
プ部76にて潤滑流体27の圧力が高められ、圧力が高
められた潤滑流体27がスライダ部74のパッド部78
に向けて流動され、かくしてスラストプレート部26の
主としてパッド部78とスラストカバー20の内面との
間に存在する潤滑流体27によって、スラストプレート
部26に下方に作用するスラスト荷重が支持される。か
くのとおりであるので、リセス部72およびスライダ部
74(この実施形態ではステップ部76、パッド部7
8、および潤滑流体をパッド部78に導く案内突部がス
ライダ部74を構成する)が一方のスラスト動圧発生手
段54を構成する。
【0018】スラストプレート部26の一端面のスラス
ト動圧発生手段54とその他端面のスラスト動圧発生手
段56とは、次のとおりの関係に配設されている。すな
わち、図4に示すとおり、一方のスラスト動圧発生手段
54のリセス部72に対応してスラストプレート部26
の他端面には、他方のスラスト動圧発生手段56のスラ
イダ部60が配設され、また一方のスラスト動圧発生手
段54のスライダ部74に対応して、他方のスラスト動
圧発生手段56のリセス部58が配設されている。この
ようにスラスト動圧発生手段54,56のリセス部7
2,58およびスライダ部74,60を配設することに
よって、スラストプレート部26の軸線方向の厚さが局
部的に小さくなることが回避され、スラストプレート部
26の剛性低下が防止される。なお、スラストプレート
部26の厚さが特に問題とならない場合には、一方のス
ラスト動圧発生手段54のリセス部72およびスライダ
部74の各々に対応して、他方のスラスト動圧発生手段
56のリセス部58およびスライダ部60をそれぞれ配
設することもできる。
【0019】この実施形態では、軸部材14のスラスト
プレート部26における両端面の内周部には、それぞ
れ、環状凹部80,82(図1、図3および図4参照)
が設けられている。環状凹部80,82の深さは、リセ
ス部58,72の深さと実質上同一であり、スラストプ
レート部26の一端面においては、環状凹部82(図
1)を介してリセス部72が相互に連通され、スラスト
プレート部26の他端面においては環状凹部80(図
3、図4)を介してリセス部58が相互に連通されてい
る。そして、両環状凹部80,82がスラストプレート
部26を貫通して形成された一対の貫通孔84を介して
連通されている。一対の貫通孔84は、空気を抜くため
の呼吸孔として作用し、スラストプレート部26の一端
面側に存在する潤滑流体27に混入した空気は、一対の
貫通孔84を通してスラストプレート部26の他端面側
に導かれ、スリーブ部材12の環状プレート部22と軸
部材14の軸部24との間の間隙を通して動圧流体軸受
装置10の外部に排出される。
【0020】このような動圧流体軸受装置10の各種構
成要素は、一例として、たとえば次のとおりの寸法に設
定され、このように設定することによってモータの薄型
化を図ることができ、たとえば2.5インチの磁気ディ
スクを回転駆動するハードディスク駆動用のスピンドル
モータに好都合に適用することができる。たとえば、ス
リーブ部材12に関して、スリーブ部材12全体の軸線
方向の長さを3.2mmに、スラストカバー20の厚さ
(軸線方向の長さ)を0.8mmに、環状プレート部2
2の厚さを0.5mmに設定する。また軸部材14に関
して、軸部材14全体の軸線方向の長さを3.6mm
に、スラストプレート部26の厚さ(軸線方向の長さ)
を1.8mmに、フランジ部28の厚さを1.0mm
に、軸部24の外径を3.0mmに、スラストプレート
部26の外径を6.0mmに設定する。さらに、スラス
ト動圧発生手段54,56に関して、リセス部56,7
2の深さを50μmに、スライダ部60,74の内径を
3.6mmに、ステップ部64,76の周方向の角度を
35度に、パッド部66,78の周方向の角度を5度
に、ステップ部64,76の内径を3.9mmに、ステ
ップ部64,66の外径を5.6mmに、またステップ
部の深さを10μmに設定する。さらにまた、スリーブ
部材12のラジアル動圧発生手段50をへリングボーン
形状の動圧発生溝から形成し、動圧発生溝の本数を等間
隔に12本に、その角度を60度に、その幅および間隔
(ピッチ)をそれぞれ0.5mmに、その深さを8μm
に設定する。
【0021】図1および図4を参照して、このような動
圧流体軸受装置10を備えたモータにおいて、ベースプ
レート2、すなわちスリーブ部材12に対してロータ
4、すなわち軸部材14が矢印46(図2)で示す方向
に回転駆動されると、ラジアル動圧発生手段50の作用
によって、軸部材14のスラストプレート部26の周面
とスリーブ本体16の内周面との間の間隙に存在する潤
滑流体27の圧力が高められ、これによって潤滑流体2
7はラジアル方向の荷重を支持する。また、スラスト動
圧発生手段54,56、特にスライダ部60,74の作
用によって、スラストプレート部26の両端面とスラス
トカバー20および環状プレート部22の内面との間の
間隙に存在する潤滑流体27の圧力が高められ、これに
よって潤滑流体27はスラスト方向の荷重を支持する。
かくして、ロータ4は、軸部材14の中心軸線90(図
1)を回転中心として矢印46(図3)で示す方向に回
転駆動される。本実施形態では、各スラスト動圧発生手
段54,56において、隣接するスライダ部74,60
の間にリセス部58,72が設けられているので、軸部
材14の回転時に生じる軸損を小さくすることができ、
これによって所望のトルクを得る際のモータのコイルに
送給する電流の値を小さくすることができる。なお、容
易に理解される如く、スラストプレート部26の外径を
大きくすると、軸部材14の回転時の軸損が大きくなる
が、リセス部58,72の大きさ(スラストプレート部
26の両端面におけるリセス部58,72の占める面積
の割合)を大きくすることによってこの軸損を小さくす
ることができる。また、図示の実施形態では、スラスト
プレート部26の一方の端面とスラストプレート20の
内面との間隔、およびスラストプレート部26の他方の
端面とスリーブ部材12の環状プレート部22の内面と
の間隔は、スラストプレート部26の周面とスリーブ本
体16の内周面との間隔はより小さく設定されている。
このように設定することによって、軸部材14が回転し
た時の回転剛性(軸部材14の中心軸線90が回転中心
に対して傾斜する傾向に対する剛性)は、主としてスラ
スト動圧発生手段54,56にて発生される潤滑流体2
7のスラスト方向の動圧によって得られ、動圧流体軸受
装置10の軸線方向の長さが小さくなっても充分な回転
剛性を得ることができる。このことに関連して、図2に
示すとおり、ラジアル動圧発生手段50(へリングボー
ン形状の動圧発生溝52)を軸線方向に1組設けるのみ
でよく、これによっても動圧流体軸受装置10の長さを
小さく、換言するとこれを用いたモータの高さを小さく
することができる。
【0022】図5は、軸部材14の変形形態を示してい
る。この変形形態では、ステップ部の形状に修正が施さ
れている。なお、図5において、図1〜図4の実施形態
と実質上同一の部材は、同一の参照番号を付してその説
明を省略する。
【0023】図5において、図示の軸部材14’のスラ
ストプレート部26のスライダ部60,76のステップ
部96,98は、破線矢印62で示す潤滑流体27の流
動方向に見てパッド部100,102の上流側に配設さ
れ、リセス部58,72に開口する一端から潤滑流体2
7の流動方向にパッド部100,102に向けて延びて
おり、各ステップ部96,98はスラストプレート部2
6の周方向に三角状に延び、その半径方向の幅は、パッ
ド部100,102に向けて漸減されている。かく構成
されているので、ステップ部96,98の内周部および
外周部に位置す突部104,106(スラストプレート
部26の他端面に設けられた突部104,106のみ明
確に示す)が案内突部として作用し、リセス部58,7
8からステップ部96,98に流入した潤滑流体27が
突部104,106に案内されてステップ部96,98
の先端部に向けて流動され、主としてその先端部および
その近傍からパッド部100,102に流れる。この変
形形態におけるその他の構成は、図1〜図4に示すもの
と実質上同一である。
【0024】この変形形態においては、その基本的構成
が図1〜図4に示す実施形態と実質上同一であるので、
この軸部材14’を用いても上述したと同様の作用効果
が達成される。さらに、ステップ部96,98が三角状
に延びているので、パッド部100,102に送給され
る潤滑流体27はその先端部に向けて集められ、これに
よって潤滑流体27の圧力は、図1〜図4の実施形態の
ものに比してさらに高められる。
【0025】以上、本発明に従う動圧流体軸受装置およ
びこれを用いたモータの実施形態について説明したが、
本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、本
発明の範囲を逸脱することなく、種々の変形、修正が可
能である。
【0026】たとえば、図示の実施形態では、スラスト
動圧発生手段54,56が軸部材14のスラストプレー
ト部26の両端面に設けられているが、これに代えて、
これらスラスト動圧発生手段54,56を、スラストプ
レート部26の両端面と対向するスリーブ部材12の内
面、実施形態ではスラストカバー20および環状プレー
ト部22の内面に設けることもできる。
【0027】また、この実施形態では、スラスト動圧発
生手段54,56がリセス部72,58およびスライダ
部74,60から構成され、これら動圧発生手段54,
56に対向するスラストプレート20および環状プレー
ト部22の内面が平坦状になっているが、スラストプレ
ート20および環状プレート部22の内面にも、スラス
ト動圧発生手段54,56の一部を構成する動圧発生
溝、たとえばへリングボーン形状の動圧発生溝を設け、
上記リセス部72,58およびスライダ部74,60と
上記動圧発生溝との組合せによってスラスト方向の動圧
を発生させるようにすることもできる。
【0028】また、図示の実施形態では、スラスト動圧
発生手段54,56が、リセス部72,58と、ステッ
プ部96,98およびパッド部100,102を有する
スライダ部60,76とから構成されているが、これに
代えて、スライダ部60,76を次のように構成するこ
ともできる。すなわち、スライダ部60,76にたとえ
ばヘリングボーン形状の動圧発生溝を形成し、この動圧
発生溝の作用によって潤滑流体27の圧力を高めてスラ
スト荷重を支持するようにすることもできる。
【0029】また、図示の実施形態では、軸部材14の
スラストプレート部26の両端面に関連してそれぞれス
ラスト動圧発生手段54,56が設けられているが、そ
れらのスラスト動圧発生手段54,56の一方によって
スラストプレート部26に作用するスラスト方向の負荷
を支持することができる場合には、それらの他方を省略
することができる。
【0030】また、図示の実施形態では、ラジアル動圧
発生手段50がへリングボーン形状の動圧発生溝から構
成されているが、これに代えて、たとえば、スラスト動
圧発生手段と同様に、リセス部とスライダ部(潤滑流体
をパッド部に導くステップ部と、圧力が高められた潤滑
流体を介して軸部材のスラストプレート部26の周面を
支持するパッド部を有する)とが周方向に交互に配設さ
れた形態のものから構成することもでき、この形態のも
のと、たとえばへリングボーン形状の動圧発生溝とを組
合わせるようにすることもできる。
【0031】また、図示の実施形態では、動圧流体軸受
装置10を軸回転型のモータに適用し、スリーブ部材1
2をベースプレート2に固定し、軸部材14をロータ4
に固定しているが、軸固定型のモータにも同様に適用す
ることができる。この場合には、スリーブ部材12がロ
ータ4に固定され、軸部材14がベースプレート2に固
定される。
【0032】さらに、図示の実施形態では、動圧流体軸
受装置10をハードディスク駆動用のスピンドルモータ
に適用して説明したが、このような動圧流体軸受装置
は、CD−ROM駆動用モータ、スキャナ駆動用モータ
等の種々のモータにも好都合に適用することができる。
【0033】
【発明の効果】本発明の請求項1の動圧流体軸受装置に
よれば、軸部材のスラストプレート部の周面およびこの
周面に対向するスリーブ部材の内周面の一方または双方
にラジアル動圧発生手段が設けられ、このスラストプレ
ート部の少なくとも一方の端面およびこの端面と対向す
るスリーブ部材の内面の一方または双方にスラスト動圧
発生手段が設けられ、スラストプレート部に関連してラ
ジアルおよびスラスト動圧発生手段が配設されるので、
軸部材の軸線方向の長さを短くすることができ、これに
よって軸受装置の軸線方向の大きさを小さくすることが
できる。また、スラストプレート部の外径を比較的大き
く設定するとともに、このスラストプレートの端面とス
リーブ部材の内面との間隔を非常に小さく設定すること
によって、スラスト動圧発生手段によって発生される潤
滑流体の動圧でもって軸受装置の回転剛性得ることがで
き、軸部材の長さが短くても充分な回転剛性を確保する
ことができる。
【0034】また、本発明の請求項2の動圧流体軸受装
置によれば、軸部材のスラストプレート部の両端面側に
スラスト動圧発生手段が設けられるので、これら一対の
スラスト動圧発生手段によってスラストプレート部に作
用するスラスト方向の負荷を確実に支持することができ
る。
【0035】また、本発明の請求項3の動圧流体軸受装
置によれば、軸部材のスラストプレート部の両端面に設
けられたスラスト動圧発生手段は、スリーブ部材の内面
との間隔が大きいリセス部とその間隔が小さいスライダ
部を含んでいるので、リセス部においては潤滑流体によ
る抵抗がスライダ部に比して小さくなり、したがって軸
部材の回転時の軸損を小さくすることができる。また、
スライダ部は、パッド部とステップ部とを有し、ステッ
プ部は潤滑流体をパッド部に向けて導くので、パッド部
における潤滑流体の圧力を高めることができる。
【0036】また、本発明の請求項4の動圧流体軸受装
置によれば、スライダ部のステップ部は、潤滑流体の流
動方向に見てパッド部の上流側に配設されているので、
リセス部内の潤滑流体はステップ部を通してパッド部に
導かれ、パッド部にてスラスト方向の負荷を潤滑流体を
介して支持することができる。また、ステップ部とスリ
ーブ部材の内面との間隔は、パッド部とスリーブ部材の
内面との間隔よりも大きいので、リセス部内の潤滑流体
はステップ部を通して所要のとおりにパッド部に導かれ
る。
【0037】また、本発明の請求項5の動圧流体軸受装
置によれば、スラスト動圧発生手段のステップ部とスリ
ーブ部材の内面との間隔は、潤滑流体の流動方向にパッ
ド部に向けてテーパ状に漸減されているので、潤滑流体
がステップ部を通して流動する間のその流体圧力が充分
に高められる。
【0038】また、本発明の請求項6の動圧流体軸受装
置によれば、ステップ部の内周部および外周部には案内
突部が設けられているので、リセス部からの潤滑流体
は、案内突部に案内されてステップ部からパッド部に確
実に流動される。
【0039】また、本発明の請求項7の動圧流体軸受装
置によれば、片方のスラスト動圧発生手段のリセス部お
よびスライダ部の各々に対応して他方のスラスト動圧発
生手段のスライダ部およびリセス部がそれぞれ設けられ
ているので、スラストプレート部の厚さが比較的薄くな
っても充分な剛性を確保することができる。
【0040】また、本発明の請求項8の動圧流体軸受装
置によれば、スラストプレート部を貫通して貫通孔が設
けられているので、潤滑流体に混入した空気をこの貫通
孔を通して外部に排出することができる。
【0041】また、本発明の請求項9の動圧流体軸受装
置によれば、軸部材のスラストプレート部の両端面側に
スラスト動圧発生手段が設けられ、これらスラスト動圧
発生手段は、スラストプレート部のスライダ部に設けら
れた動圧発生溝を有しているので、一対のスラスト動圧
発生手段によってスラストプレート部に作用するスラス
ト方向の負荷を確実に支持することができる。
【0042】また、本発明の請求項10のモータによれ
ば、請求項1の動圧流体軸受装置を備えているので、請
求項1の動圧流体軸受装置の効果と同様の効果が達成さ
れ、モータ全体の薄型化を図ることができる。また、ス
ラストプレート部の外径を比較的大きく設定するととも
に、このスラストプレートの端面とスリーブ部材の内面
との間隔を非常に小さく設定することによって、スラス
ト動圧発生手段によって発生される潤滑流体の動圧でも
ってモータの回転剛性得ることができ、軸部材の長さが
短くても充分な回転剛性を確保することができる。
【0043】さらに、本発明の請求項11のモータによ
れば、軸部材のスラストプレート部の両端面に設けられ
たスラスト動圧発生手段は、スリーブ部材の内面との間
隔が大きいリセス部とその間隔が小さいスライダ部を含
んでいるので、リセス部においては潤滑流体による抵抗
がスライダ部に比して小さくなり、したがってモータの
回転時の軸損を小さくすることができる。また、スライ
ダ部のステップ部は、潤滑流体の流動方向に見てパッド
部の上流側に配設されているので、リセス部内の潤滑流
体はステップ部を通してパッド部に導かれ、パッド部に
てスラスト方向の負荷を潤滑流体を介して支持すること
ができる。また、ステップ部とスリーブ部材の内面との
間隔は、パッド部とスリーブ部材の内面との間隔よりも
大きいので、リセス部内の潤滑流体はステップ部を通し
て所要のとおりにパッド部に導かれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された動圧流体軸受装置の
一実施形態を備えたモータの一形態の要部を示す部分断
面図である。
【図2】図1のモータの動圧流体軸受装置のスリーブ本
体を示す断面図である。
【図3】図1のモータの動圧流体軸受装置の軸部材を上
方から見た断面図である。
【図4】動圧流体軸受装置の軸部材の要部を一部断面で
示す斜視図である。
【図5】軸部材の変形形態の要部を一部断面で示す斜視
図である。
【符号の説明】
2 ベースプレート 4 ロータ 10 動圧流体軸受装置 12 スリーブ部材 14,14’ 軸部材 16 スリーブ本体 20 スラストプレート 22 環状プレート部 24 軸部 26 スラストプレート部 27 潤滑流体 30 ハブ 38 マグネット 40 ステータ 50 ラジアル動圧発生手段 54,56 スラスト動圧発生手段 58,72 リセス部 60,74 スライダ部 64,76,96,98 ステップ部 66,78,100,102 パッド部 68,70 案内突部 82 貫通孔

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スリーブ部材と、該スリーブ部材に対し
    て相対的に回転自在である軸部材と、該軸部材とスリー
    ブ部材との間の間隙に充填された潤滑流体とを備えた動
    圧流体軸受装置において、 前記軸部材は、軸部と、該軸部から半径方向外方に突出
    するスラストプレート部とを備えており、 前記スラストプレート部の周面およびこの周面と対向す
    るスリーブ部材の内周面のいずれか一方または双方に
    は、ラジアル荷重を支持するためのラジアル動圧発生手
    段が設けられており、 前記スラストプレート部の少なくとも一方の端面および
    この端面と対向するスリーブ部材の内面のいずれか一方
    または双方には、スラスト荷重を支持するためのスラス
    ト動圧発生手段が設けられていることを特徴とする動圧
    流体軸受装置。
  2. 【請求項2】 前記スラスト動圧発生手段は、前記軸部
    材のスラストプレート部の両端面およびこれら両端面と
    対向するスリーブ部材の内面のいずれか一方または双方
    に設けられていることを特徴とする請求項1記載の動圧
    流体軸受装置。
  3. 【請求項3】 前記スラスト動圧発生手段は、前記軸部
    材のスラストプレート部の両端面に設けられ、前記スリ
    ーブ部材の内面との間隔が大きいリセス部と、前記スリ
    ーブ部材の内面との間隔が小さいスライダ部とを有し、
    前記スライダ部は、潤滑流体を介してスラスト荷重を支
    持するためのパッド部と、リセス部の潤滑流体を前記パ
    ッド部に導くためのステップ部を含み、前記リセス部と
    前記スライダ部が、前記スラストプレート部の周方向に
    交互に配設されていることを特徴とする請求項2記載の
    動圧流体軸受装置。
  4. 【請求項4】 前記スラスト動圧発生手段のスライダ部
    のステップ部は、潤滑流体の流動方向にて前記パッド部
    の上流側に配設され、前記ステップ部と前記スリーブ部
    材の内面との間隔は、前記パッド部と前記スリーブ部材
    の内面との間隔よりも大きく設定され、前記スリーブ部
    材に対して前記軸部材が相対的に回転されると、潤滑流
    体は前記リセス部からステップ部を通ってパッド部に向
    けて流動されることを特徴とする請求項3記載の動圧流
    体軸受装置。
  5. 【請求項5】 前記スラスト動圧発生手段のステップ部
    と前記スリーブ部材の内面との間隔は、潤滑流体の流動
    方向に前記パッド部に向けてテーパ状に漸減されている
    ことを特徴とする請求項3または4記載の動圧流体軸受
    装置。
  6. 【請求項6】 前記スライダ部のステップ部における内
    周部および外周部には、それぞれ、潤滑流体を前記パッ
    ド部に導くための案内突部が設けられていることを特徴
    とする請求項3〜5のいずれかに記載の動圧流体軸受装
    置。
  7. 【請求項7】 前記スラスト動圧発生手段のリセス部お
    よびスライダ部は、前記スラストプレート部の周方向に
    実質上等間隔に設けられ、片方のスラスト動圧発生手段
    のリセス部およびスライダ部の各々に対応して他方のス
    ラスト動圧発生手段のスライダ部およびリセス部がそれ
    ぞれ配設されていることを特徴とする請求項3〜6のい
    ずれかに記載の動圧流体軸受装置。
  8. 【請求項8】 前記軸部材のスラストプレート部におけ
    る両端面の内周部には、それぞれ、前記リセス部の各々
    に連通する環状凹部が設けられ、前記スラストプレート
    部を貫通して設けられた貫通孔によってこれら環状凹部
    が連通されていることを特徴とする請求項3〜7のいず
    れかに記載の動圧流体軸受装置。
  9. 【請求項9】 前記スラスト動圧発生手段は、前記軸部
    材のスラストプレート部の両端面に設けられ、前記スリ
    ーブ部材の内面との間隔が大きいリセス部と、前記スリ
    ーブ部材の内面との間隔が小さいスライダ部とを有し、
    前記スライダ部には、潤滑流体の圧力を高めてスラスト
    荷重を支持するための動圧発生溝が形成されており、前
    記リセス部と前記スライダ部が、前記スラストプレート
    部の周方向に交互に配設されていることを特徴とする請
    求項1記載の動圧流体軸受装置。
  10. 【請求項10】 スリーブ部材と、該スリーブ部材に対
    して相対的に回転自在にである軸部材と、該軸部材とス
    リーブ部材との間の間隙に充填された潤滑流体と、前記
    軸部材とスリーブ部材のいずれか一方に装着されたロー
    タと、該ロータに装着されたマグネットと、該マグネッ
    トに対向して配設されたステータとを備えたモータにお
    いて、 前記軸部材は、その中心軸線が前記ロータの回転軸線と
    なる軸部と、該軸部から半径方向外方に突出するスラス
    トプレート部とを備えており、 前記スラストプレート部の周面およびこの周面と対向す
    るスリーブ部材の内周面のいずれか一方または双方に
    は、ラジアル荷重を支持するためのラジアル動圧発生手
    段が設けられており、 前記スラストプレート部の少なくとも一方の端面および
    この端面と対向するスリーブ部材の内面のいずれか一方
    または双方には、スラスト荷重を支持するためのスラス
    ト動圧発生手段が設けられていることを特徴とするモー
    タ。
  11. 【請求項11】 前記スラスト動圧発生手段は、前記軸
    部材のスラストプレート部の両端面に設けられ、前記ス
    リーブ部材の内面との間隔が大きいリセス部と、前記ス
    リーブ部材の内面との間隔が小さいスライダ部とを有
    し、前記スライダ部は、潤滑流体を介してスラスト荷重
    を支持するためのパッド部と、リセス部の潤滑流体を前
    記パッド部に導くためのステップ部を含み、前記ステッ
    プ部は、潤滑流体の流動方向にて前記パッド部の上流側
    に配設され、前記ステップ部と前記スリーブ部材の内面
    との間隔は、前記パッド部と前記スリーブ部材の内面と
    の間隔よりも大きく設定され、前記マグネットと前記ス
    テータの作用によって前記ロータが所定方向に回転され
    ると、潤滑部材は前記リセス部からステップ部を通って
    パッド部に向けて流動されることを特徴とする請求項1
    0記載のモータ。
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WO2005078295A1 (ja) * 2004-02-18 2005-08-25 Seiko Instruments Inc. 流体動圧軸受、モータおよび記録媒体駆動装置
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