JPH10212450A - 熱硬化性被覆組成物 - Google Patents

熱硬化性被覆組成物

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JPH10212450A
JPH10212450A JP9015502A JP1550297A JPH10212450A JP H10212450 A JPH10212450 A JP H10212450A JP 9015502 A JP9015502 A JP 9015502A JP 1550297 A JP1550297 A JP 1550297A JP H10212450 A JPH10212450 A JP H10212450A
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敏直 原田
Kenichi Tomihara
健一 冨原
Teruno Shimazu
輝乃 島津
Kazuhiko Hotta
一彦 堀田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗膜性能や貯蔵安定性に優れた熱硬化性被覆
組成物の提供。 【解決手段】 α,βモノエチレン性不飽和カルボン酸
(a)2〜30重量%、特定の構造を有する水酸基含有
(メタ)アクリル酸エステル(b)3〜30重量%、
(a)および(b)成分と共重合可能なビニル単量体
(c)40〜95重量%からなり、酸価が15〜150
mgKOH/g、重量平均分子量が3000〜8000
0の範囲であるアクリル系共重合体(A)50〜95重
量部、分子内に2個以上のグリシジル基を有するエポキ
シ化合物(B)5〜50重量部、および(A)〜(B)
成分の合計100重量部に対し、有機酸金属塩及び/ま
たはアセチルアセトン金属塩(C)0.2〜4重量部を
含有することを特徴とする熱硬化性被覆組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高度な加工性を保
持し、塗膜硬度、耐レトルト性及び耐黄変性に優れた塗
膜を形成し、さらに塗料の貯蔵安定性や塗膜の光沢及び
透明性にも優れた熱硬化性被覆組成物に関するものであ
り、特に金属用塗料として好適に用いることのできるも
のである。
【0002】
【従来の技術】通常、化粧品や殺虫剤のスプレー缶等に
使用される金属缶には、外面に塗装が施されている。こ
のような金属缶に用いる塗料には、防錆性、意匠性が要
求され、缶製造工程、缶詰製造工程における加工性も要
求される。また、缶コーヒー、缶ジュース、缶ビール等
の飲料缶、魚肉加工品缶等の食品缶に使用する塗料は、
更に食品殺菌処理時のレトルト工程に耐える必要があ
る。このように缶外面に使用される金属用塗料には多く
の高い性能が求められ、このような厳しい要求性能を満
たすことを目的として、これまでに種々の金属用塗料が
提案されている。
【0003】例えば、アクリル樹脂/アミノ樹脂系塗料
は、塗膜の耐レトルト性が良好であるという特徴を有
し、ポリエステル樹脂/アミノ樹脂系塗料やエポキシ樹
脂/アミノ樹脂系塗料は、塗膜の加工性が良好であると
いう特徴を有する。
【0004】しかし、アクリル樹脂/アミノ樹脂系塗料
は、塗膜の硬度を高めようとすると加工性が低位になる
という欠点を有し、ポリエステル樹脂/アミノ樹脂系塗
料やエポキシ樹脂/アミノ樹脂系塗料は、塗膜の耐レト
ルト性が低位であるという欠点を有する。また、アミノ
樹脂を使用した塗料は、焼き付け時に揮発性低分子量物
(ヒューム)が生じ、これが焼付炉内に堆積後落下して
塗膜を汚染するといった問題点も有している。
【0005】塗膜硬度と加工性のバランス及び耐レトル
ト性が良好な金属用塗料としては、アクリル樹脂/エポ
キシ樹脂系塗料が知られている。このアクリル樹脂/エ
ポキシ樹脂系塗料はヒューミングの問題も少ないが、第
3級アミンや第4級アンモニウム化合物等の硬化促進剤
を使用する必要があり、このような硬化促進剤の使用に
より、塗料の貯蔵安定性が低下したり、硬化塗膜が黄変
するといった問題点を有している。
【0006】一方、塗料の貯蔵安定性を改善する手段と
して、金属キレートを硬化促進剤として使用することが
提案されている。特開昭52−115894号公報に
は、樹脂の硬化温度で金属を遊離するアセチルアセトン
遷移金属塩等の金属キレート化合物を含有するアクリル
/エポキシ熱硬化性樹脂組成物の使用が開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような金
属キレート化合物を硬化促進剤として使用したアクリル
/エポキシ熱硬化性樹脂組成物を金属に塗布する場合に
は、貯蔵安定性は良好であるが、塗膜硬度と加工性のバ
ランスが及び耐レトルト性が低位であるという問題点を
有し、このような樹脂組成物の金属用塗料への適用は困
難であった。
【0008】本発明の目的は、高度な加工性を保持し、
塗膜硬度、耐レトルト性及び耐黄変性に優れた塗膜を形
成し、さらに塗料の貯蔵安定性や塗膜の光沢及び透明性
にも優れた、特に金属用塗料として有用な熱硬化性被覆
組成物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、上
記課題を解決するために、鋭意検討した結果、特定の酸
価及び重量平均分子量を有し、特定の水酸基含有(メ
タ)アクリル酸エステルを構成成分とするアクリル系共
重合体を含有するアクリル/エポキシ熱硬化性樹脂組成
物が上記課題を解決し、金属用塗料として好適に使用す
ることができることを見いだし本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は、α,βモノエチレン
性不飽和カルボン酸(a)2〜30重量%、 下記一般
式(1)で表される水酸基含有(メタ)アクリル酸エス
テル(b)3〜30重量%、(a)および(b)成分と
共重合可能なビニル単量体(c)40〜95重量%から
なり、酸価が15〜150mgKOH/g、重量平均分
子量が3000〜80000の範囲であるアクリル系共
重合体(A)50〜95重量部、分子内に2個以上のグ
リシジル基を有するエポキシ化合物(B)5〜50重量
部、および(A)〜(B)成分の合計100重量部に対
し、有機酸金属塩及び/またはアセチルアセトン金属塩
(C)0.2〜4重量部を含有することを特徴とする熱
硬化性被覆組成物に関するものである。
【0011】
【化2】
【0012】(式中 R1は水素原子またはメチル基を
示し、pは2〜8の整数、qは2〜5の整数、mは1〜
10の整数を示す。)
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に使用されるアクリル系共
重合体(A)は、前記の特定構造の単量体(a)〜
(c)を特定の比率で共重合させて得られるものであ
る。
【0014】この(A)成分に使用されるα,βモノエ
チレン性不飽和カルボン酸(a)は、得られる塗膜に硬
度や耐レトルト性を付与するものである。
【0015】本発明で使用されるα,βモノエチレン性
不飽和カルボン酸(a)としては、例えば、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、フマ
ール酸、フマール酸モノメチルエステル、フマール酸モ
ノブチルエステル、マレイン酸、マレイン酸モノメチル
エステル、マレイン酸モノブチルエステル、イタコン
酸、イタコン酸モノメチルエステル、イタコン酸モノブ
チルエステル、無水イタコン酸、無水マレイン酸、無水
シトラコン酸等を挙げることができる。これらは、単独
もしくは2種類以上を併用して使用することができる
が、中でもアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸が特
に好ましい。
【0016】これら(a)成分は、本発明のアクリル系
共重合体(A)中において2〜30重量%の範囲で使用
される。これは、2重量%未満であると、得られる硬化
塗膜の架橋密度の低下により、塗膜の硬度、耐溶剤性、
耐レトルト性等が低下するためであり、30重量%を超
えると、得られる硬化塗膜が脆くなることによって加工
性が低下するとともに、塗料の貯蔵安定性が低下するた
めである。より好ましくは4〜25重量%、さらに好ま
しくは6〜20重量%のの範囲である。
【0017】本発明の(A)成分に使用される上記一般
式(1)で表される水酸基含有(メタ)アクリル酸エス
テル(b)は、塗膜の加工性を向上させるとともに、ア
クリル性共重合体とエポキシ樹脂の相溶性を向上させる
ことを目的として使用されるものである。アクリル性共
重合体とエポキシ樹脂の相溶性を向上させることによっ
て、着色顔料を使用する場合は得られる塗膜の光沢が向
上し、着色顔料を使用しない場合は得られる塗膜の透明
性が向上する。
【0018】本発明で使用される水酸基含有(メタ)ア
クリル酸エステル(b)としては、例えば、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレートのγ−ブチロラクトン
1モル付加物、2モル付加物、3モル付加物、4モル付
加物、5モル付加物や2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレートのε−カプロラクトン1モル付加物、2モル
付加物、3モル付加物、4モル付加物、5モル付加物等
の水酸基含有(メタ)アクリレートへの有機ラクトン類
の開環付加物等を挙げることができる。これらの化合物
は、公知の遷移金属を利用した付加反応により合成する
ことができる。これらは、単独もしくは2種類以上を併
用して使用することができるが、中でも2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン付加
物(商品名:プラクセルFM−1〜FM−5、FA−1
〜FA−5、ダイセル化学工業(株)製)が特に好まし
い。
【0019】これら(b)成分は、本発明のアクリル系
共重合体(A)中において3〜30重量%の範囲で使用
される。これは、3重量%未満であると、塗膜の加工性
や光沢及び透明性の向上効果が十分でなく、30重量%
を越えると塗膜の耐レトルト性が低下するためである。
より好ましくは5〜25重量%、さらに好ましくは5〜
20重量%の範囲である。
【0020】上記(a)および(b)成分と共に(A)
成分の構成成分として使用されるビニル単量体(c)
は、得られる硬化塗膜に優れた塗膜性能を付与するため
に適宜選択して使用される。
【0021】本発明で使用される(a)および(b)成
分と共重合可能なビニル単量体(c)としては、例え
ば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレー
ト、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニ
ル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト等の炭化水素置換基を有する(メタ)アクリル酸エス
テル単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン等のスチレン誘導体;アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等の重合性不飽和ニトリル類;N−メチロ
ール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アク
リルアミド等のアクリルアミド系単量体;2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレートまたは2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レートへのエチレンオキシドの開環付加物やプロピレン
オキシドの開環付加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレートまたは2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレートの二量体や三量体等の水酸基含有(メタ)ア
クリル酸エステル単量体;酢酸ビニル等のビニルエステ
ル類;グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アク
リルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有単量体;ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート等の塩基性単量体等が
挙げられる。これらは単独であるいは二種以上を併用し
て使用することができるが、中でも(メタ)アクリル酸
エステル単量体やスチレンが好ましい。
【0022】これら(c)成分は、本発明のアクリル系
共重合体(A)中において40〜95重量%の範囲で使
用される。これは、40重量%未満であると、得られる
硬化塗膜が脆くなることによって加工性が低下するとと
もに、塗料の貯蔵安定性が低下するためであり、95重
量%を超えると、得られる硬化塗膜の架橋密度の低下に
より、塗膜の硬度、耐溶剤性、耐レトルト性等が低下す
るためである。より好ましくは50〜91重量%、さら
に好ましくは60〜89重量%の範囲である。
【0023】本発明のアクリル系共重合体(A)の酸価
は、15〜150mgKOH/gの範囲である必要があ
る。これは、15mgKOH/g未満であると、得られ
る硬化塗膜の架橋密度の低下により、塗膜の硬度、耐溶
剤性、耐レトルト性等が低下し、150mgKOH/g
を超えると、得られる硬化塗膜が脆くなることによって
加工性が低下するとともに、塗料の貯蔵安定性が低下す
るためである。より好ましくは30〜120mgKOH
/g、さらに好ましくは40〜100重量%の範囲であ
る。
【0024】また、本発明の熱硬化性樹脂組成物を特に
金属用塗料として好適に使用するためには、アクリル系
共重合体(A)の重量平均分子量は、3000〜800
00の範囲である必要がある。これは、(A)成分の重
量平均分子量が3000未満では得られる塗膜の耐溶剤
性、耐レトルト性が低下し、80000を超えると本発
明の熱硬化性被覆組成物の粘度が著しく上昇し、塗料固
型分が低くなると共に塗膜の外観も低下するためであ
る。より好ましくは、5000〜50000の範囲であ
る。
【0025】本発明のアクリル系共重合体(A)は、本
発明の熱硬化性被覆組成物の(A)〜(B)成分の合計
100重量部中、50〜95重量部の範囲で用いられ
る。これは、50重量部未満であると得られる塗膜の硬
度と加工性のバランス、耐レトルト性等が低下し、95
重量部を超えると、得られる硬化塗膜の架橋密度が低く
なり、硬度、耐溶剤性、耐レトルト性等が低下するため
である。より好ましくは60〜90重量部の範囲であ
る。
【0026】本発明のアクリル系共重合体(A)の重合
方法としては、溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法等
の公知の重合法でもよいが、一般には、溶液重合法が好
ましい。
【0027】溶液重合法による場合、有機溶剤及び重合
開始剤の存在下に、前記モノマーの混合物を共重合させ
る。有機溶剤としては、イソプロピルアルコール、n−
ブタノール、ブチルセロソルブ、トルエン、キシレン、
エッソ社製ソルベッソ100、ソルベッソ150等の通
常用いられる有機溶剤が使用できる。また、重合開始剤
も、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキ
サイド、クメンヒドロパーオキサイド等の通常用いられ
る重合開始剤が使用できる。更に、必要に応じて、2−
メルカプトエタノール、n−オクチルメルカプタン、n
−ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマー
等の連鎖移動剤を使用することができる。
【0028】本発明に使用される、分子内に2個以上の
グリシジル基を有するエポキシ化合物(B)は、得られ
る塗膜に硬度、耐レトルト性、耐溶剤性等を付与するも
のである。
【0029】本発明の分子内に2個以上のグリシジル基
を有するエポキシ化合物(B)は、エポキシ当量が15
0〜3000の範囲であることが好ましい。これは、エ
ポキシ当量が150未満であると、得られる塗膜の耐溶
剤性、耐レトルト性が低下するとともに、塗料の貯蔵安
定性が低下する傾向にあり、3000を超えると本発明
の熱硬化性被覆組成物の粘度が著しく上昇し、塗料固型
分が低くなると共に塗膜の外観も低下する傾向にあるた
めである。より好ましくは150〜1500の範囲であ
る。
【0030】本発明の分子内に2個以上のグリシジル基
を有するエポキシ化合物(B)としては、ビスフェノー
ルA型またはビスフェノールF型のエポキシ樹脂である
ことが特に好ましい。例えば、油化シェルエポキシ
(株)のエピコート828、エピコート1001、エピ
コート1004、エピコート1007、東都化成(株)
のYD−011、YD−014、YDF−2001、Y
DF−2004、大日本インキ化学工業(株)のエピク
ロン1050、エピクロン4050等を挙げることがで
き、これらは単独であるいは二種以上を併用して使用す
ることができる。
【0031】本発明の分子内に2個以上のグリシジル基
を有するエポキシ化合物(B)は、本発明の熱硬化性被
覆組成物の(A)〜(B)成分の合計100重量部中5
〜50重量部の範囲で用いられる。これは、5重量部未
満であると、得られる硬化塗膜の架橋密度が低くなり、
硬度、耐溶剤性、耐レトルト性等が低下し、50重量部
を超えると、得られる塗膜の硬度と加工性のバランス、
耐レトルト性等が低下するためである。より好ましくは
10〜40重量部の範囲である。
【0032】本発明で使用される有機酸金属塩及び/ま
たはアセチルアセトン金属塩(C)は、本発明の(A)
成分と(B)成分の硬化促進剤として使用されるもので
ある。
【0033】本発明で使用される有機酸金属塩及び/ま
たはアセチルアセトン金属塩(C)としては、例えば、
2エチルヘキサン酸スズ、2エチルヘキサン酸亜鉛、2
エチルヘキサン酸コバルト、2エチルヘキサン酸鉛、2
エチルヘキサン酸マンガン、ナフテン酸スズ、ナフテン
酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉛、ナフテン
酸マンガン、アセチルアセトンスズ、アセチルアセトン
亜鉛、アセチルアセトンコバルト、アセチルアセトンマ
ンガン、ラウリン酸スズ、ラウリン酸亜鉛、パルミチン
酸スズ、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸スズ、ステア
リン酸亜鉛等を挙げることができる。これらは、単独も
しくは2種類以上を併用して使用することができるが、
得られる塗膜の耐レトルト性が優れる点で有機酸金属塩
が好ましい。さらに好ましくは、スズ、亜鉛及びコバル
トから選ばれる少なくとも一種を含有する有機酸金属塩
である。
【0034】本発明の有機酸金属塩及び/またはアセチ
ルアセトン金属塩(C)は、本発明の熱硬化性被覆組成
物の(A)〜(B)成分の合計100重量部に対して、
0.2〜4重量部の範囲で用いられる。
【0035】これは、(C)成分が0.2重量部未満で
あると、得られる硬化塗膜の架橋密度が低くなるため
に、硬度、耐溶剤性、耐レトルト性が低下し、4重量部
を超えると、得られる硬化塗膜が脆くなることによって
加工性が低下するとともに、塗料の貯蔵安定性が低下す
る塗料の貯蔵安定性が低下するためである。より好まし
くは0.4〜3重量部の範囲である。
【0036】本発明の熱硬化性被覆組成物の製造方法
は、特に限定されるものではないが、例えば、分子内に
2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物(B)
を有機溶剤に溶解し、その中にアクリル系共重合体
(A)の単量体成分(a)(b)及び(c)の混合物、
重合開始剤、連鎖移動剤等を滴下、重合し、重合終了時
に有機酸金属塩及び/またはアセチルアセトン金属塩
(C)を添加しても良いし、(A)成分の重合終了時に
(B)成分及び(C)成分を添加しても良い。また、塗
料配合時に(A)〜(C)成分を混合しても良い。
【0037】本発明の熱硬化性被覆剤組成物は、通常、
固形分40〜70重量%の範囲で使用される。
【0038】また、本発明の熱硬化性被覆組成物を塗料
化する際には、酸化チタン、カーボンブラック、アルミ
ニウムペースト、タルク、炭酸カルシウム等の顔料;ポ
リエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アミノ
樹脂、アルキッド樹脂、繊維素樹脂等の樹脂;表面調整
剤、消泡剤、潤滑剤、酸化防止剤、顔料沈降防止剤、揺
変性付与剤等の添加剤を必要に応じて使用することがで
きる。
【0039】本発明の熱硬化性被覆組成物を塗布する際
の塗布方法としては、噴霧コート法、ローラーコート
法、バーコート法、エアーナイフ法、流延法、刷毛塗り
法、ディッピング法等が挙げられるが、特に限定されな
い。
【0040】また、本発明の熱硬化性被覆組成物は塗布
後、通常160〜280℃の温度範囲で10秒〜10分
間加熱することによって、塗膜を形成させることができ
る。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されない。例中の
部及び%は、全て重量基準である。
【0042】<アクリル系重合体P−1〜P−6の合成
>攪拌機、温度制御装置、冷却管、窒素導入管を備えた
容器に、窒素をパージした後、表1に示した溶剤を加
え、攪拌しながら100℃に加熱した。その後、表1に
示した組成のモノマー及び重合開始剤の混合物を4時間
かけて滴下した。滴下終了1時間後にアゾビスイソブチ
ロニトリル0.2部を加え、更に2時間同温度を保持し
樹脂への転化率を高め、アクリル系重合体P−1〜P−
6を合成した。
【0043】
【表1】
【0044】*1)エッソ社製芳香族炭化水素 *2)ダイセル化学工業(株)製、ε−カプロラクトン
変性メタクリル酸2−ヒドロキシエチル *3)ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーによ
り測定し、ポリスチレンを基準とした値を示す。
【0045】<樹脂組成物A−1〜A−19の合成>表
2、表3記載の配合により樹脂組成物(A−1〜A−1
9)を得た。
【0046】
【表2】
【0047】*1)油化シェルエポキシ(株)製エポキ
シ樹脂 *2)三菱レイヨン(株)製アクリル樹脂、固形分50
% 酸価:8mgKOH/g、重量平均分子量:50000 *3)三井サイテック(株)製メチル化メラミン樹脂、
固形分100% *4)キングインダストリー(株)製酸触媒、有効成分
25%
【0048】
【表3】
【0049】*1)油化シェルエポキシ(株)製、エポ
キシ樹脂 *2)1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ
ン−7 <実施例1〜5、比較例1〜14>表2、表3記載の樹
脂組成物(A−1〜A−19)とタイペークCR−95
(石原産業(株)製の酸化チタン)を固形分重量比で1
/1となるように配合し、各々サンドミル等公知の分散
機により分散練肉した後、ブチルセロソルブ/ソルベッ
ソ#150(エッソ社製、芳香族炭化水素)=1/2
(重量%)からなる混合溶剤を加え、塗料の固形分が4
0%となるよう調製し塗料化した。
【0050】この塗料を厚さ0.3mmのブリキ板上に
乾燥膜厚10μmとなるように、バーコーターを用いて
塗装し、190℃で10分間焼き付けた。得られた塗膜
の評価結果を表4、表5に示した。
【0051】
【表4】
【0052】
【表5】
【0053】実施例および比較例における性能の評価は
以下に示す方法を用いて行った。
【0054】[評価判定の基準] 7:非常に良好 6:良好 5:やや良好 4:可(実用上の下限) 3:やや不良 2:不良 1:極めて不良 [評価方法] ・塗膜硬度:鉛筆引っかき試験(JIS K−540
0)に準じて行い評価した。
【0055】・密着性:カッターナイフで塗面上の1c
m角内に100個の碁盤目を作成し、セロハンテープを
貼付け、剥離後の塗板の状態を目視で評価した。
【0056】・耐衝撃性:デュポン衝撃試験器を用い、
1/2インチ径、1kg荷重、高さ40cmの条件で評
価し、評価後の塗板の状態を目視で評価した。
【0057】・加工性:エリクセン試験(JIS Z−
2247)に準じて行い評価した。
【0058】・耐溶剤性:キシレンラビング100回
後、塗板の状態を目視で評価した。
【0059】・耐レトルト性:プレッシャークッカー試
験器を用い、130℃の熱水中に塗板を30分間浸漬し
た後、密着性試験を行い目視評価した。
【0060】・耐黄変性:塗板を更に190℃で10分
間焼き付け、目視で評価した。
【0061】・光沢:60度鏡面反射率を測定した。
【0062】・塗料貯蔵安定性:塗料を50℃で1ヶ月
間放置した後、塗料の状態の変化と粘度の変化より評価
した。
【0063】表4および表5から明らかなように、本発
明の熱硬化性被覆組成物を含有する塗料は、加工性に優
れた塗膜が形成できるとともに、塗膜硬度、耐レトルト
性、耐黄変性、光沢等の塗膜性能も優れていた。また、
塗料の貯蔵安定性も優れていた。これに対して、本発明
が規定する条件を満たさない熱硬化性被覆組成物を含有
する塗料は、硬化塗膜の硬度と加工性のバランス、耐レ
トルト性、耐黄変性、光沢等が低位であり、塗料の貯蔵
安定性も低位であった。
【0064】
【発明の効果】本発明の熱硬化性被覆組成物は、高度な
加工性を保持しながら、塗膜硬度、耐レトルト性及び耐
黄変性に優れた塗膜を形成し、さらに塗料の貯蔵安定性
や塗膜の光沢及び透明性にも優れており、特に金属用塗
料として好適に用いることのできるものであり、工業上
非常に有益なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀田 一彦 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α,βモノエチレン性不飽和カルボン酸
    (a)2〜30重量%、 下記一般式(1)で表される
    水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル(b)3〜30
    重量%、(a)および(b)成分と共重合可能なビニル
    単量体(c)40〜95重量%からなり、酸価が15〜
    150mgKOH/g、重量平均分子量が3000〜8
    0000の範囲であるアクリル系共重合体(A)50〜
    95重量部、分子内に2個以上のグリシジル基を有する
    エポキシ化合物(B)5〜50重量部、および(A)〜
    (B)成分の合計100重量部に対し、有機酸金属塩及
    び/またはアセチルアセトン金属塩(C)0.2〜4重
    量部を含有することを特徴とする熱硬化性被覆組成物。 【化1】 (式中 R1は水素原子またはメチル基を示し、pは2
    〜8の整数、qは2〜5の整数、mは1〜10の整数を
    示す。)
  2. 【請求項2】 有機酸金属塩及び/またはアセチルアセ
    トン金属塩(C)がスズ、亜鉛及びコバルトから選ばれ
    る少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1
    記載の熱硬化性被覆組成物。
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