JPH10212229A - 抗原物質誘導剤、及びワクチン前駆体、ワクチン、抗体 、中和抗体、抗毒素、イデイオ抗体並びにこのイデイオ 抗体によって誘導される抗イデイオ抗体 - Google Patents

抗原物質誘導剤、及びワクチン前駆体、ワクチン、抗体 、中和抗体、抗毒素、イデイオ抗体並びにこのイデイオ 抗体によって誘導される抗イデイオ抗体

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JPH10212229A JP9028295A JP2829597A JPH10212229A JP H10212229 A JPH10212229 A JP H10212229A JP 9028295 A JP9028295 A JP 9028295A JP 2829597 A JP2829597 A JP 2829597A JP H10212229 A JPH10212229 A JP H10212229A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 選択性や特異性の高いワクチン前駆体、ワク
チン、抗体(イデイオ抗体を含む)、中和抗体、抗毒素
を製造する抗原物質誘導剤を提供する。 【解決手段】 代表的には一般式3のaで示される基本
分子構造をもち、分子の量子熱力学的、化学結合論的に
発現する機能と形態形成を制御することにより、生命体
や非生命体を形成する複合高分子物質の非機能性を誘導
しながら、限りなく機能発現に近い基本構造物質にする
ことにより、選択性や特異性の高いワクチン前駆体、ワ
クチン、抗体(イデイオ抗体を含む)、中和抗体、抗毒
素を製造する。さらにこれらによって抗菌剤、抗ウイル
ス剤、中和抗体、抗毒素、抗癌剤、抗原虫(マラリヤ、
スピロヘータ等)剤、分子識別剤、標識試薬である抗体
や組織、器官の組織適合促進剤または免疫応答促進剤ま
たは免疫応答制御剤、補体連鎖反応促進剤を製造する。 【化15】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生物体の構造と機
能を基本的に構成する分子量10,000以下の基質
(脂質、炭水化物、アミノ酸など)や、その基質をもと
にして生物体の種特異的な形態や機能を多様に醸し出し
ている複合した高分子、又その複合した高分子物質を識
別し、1つ以上を含む高分子物質から構成されるワクチ
ン前駆体およびワクチン、抗体、中和抗体、抗毒素、イ
デイオ抗体、そのイデイオ抗体によって誘導されるワク
チン前駆体およびワクチン、抗体、中和抗体、抗毒素に
関する。またはそれにより製造された抗菌剤、抗ウイル
ス剤、抗癌剤、抗原虫(マラリヤ、スピロヘータ等)
剤、抗毒素、非生命体である高分子物質の抗体、分子識
別剤、作用部位を示す標識となる物質を含む置換基また
は標識物をもった標識試薬、異種または同種組織、器官
の組織適合促進剤または免疫応答促進剤または免疫応答
制御剤、補体連鎖反応促進剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、免疫系の生体における役割分担
は、その生体にとって不都合である異質なものを認識す
ることによって、生体外に排除して生体の正常な営みを
常に防御している。たとえばこの免疫現象は、微生物の
感染防御、他の個体由来の細胞の拒絶、変異細胞・老廃
組織の除去などに関係している。この抗原−抗体反応の
存在は感染症における予防手段としてのワクチンや抗毒
素等によって、多くの人命を救助していることは自明の
ことである。この免疫機能を利用して、微生物、微生物
に感染した細胞や癌細胞から弱毒化ワクチンや不活化ワ
クチンに用いる第一段階の抗原物質を抽出する従来から
の細胞破壊の方法としては、超音波処理や凍結処理、更
に熱処理等を組み合わす方法が行われてきている。ま
た、遠心分離等で回収した抗原含有液を、熱処理やホル
ムアルデヒド、パラホルムアルデヒド或いは紫外線を用
いて不活化した後、A1(OH)3 等のアジュバントを
追加して抗体価を高めること等も行われてきている。し
かしながら、抗原物質の精製等に熱処理、酸やアルカリ
処理さらにアルコール、エーテル、アセトン、クロロフ
ォルム等の有機溶媒の使用は、本来目的とする抗原とし
ての分子構造(立体構造を含む)を化学的修飾させ、抗
原性を減少させるのみでなく、本来生体内で起るべき複
雑かつ合目的な免疫機能の発現を十分に誘発させ得ない
こと等から、目的とする生体内高分子物質を特異的に認
識できる抗体やワクチン等の開発が待ち望まれている。
【0003】一般的に、抗原レセプター(抗原受容体)
がリンパ球の表面に存在し,”非自己”である抗原に遭
遇するとそのレセプターと結合し(抗原認識)、一連の
排除機構が働き、この結合は非常に特異的であることも
良く知られている。また、この抗原レセプターは遺伝子
によって作られる一つの蛋白分子(ポリペプチド)であ
り、このポリペプチドの構造の多様性によって、免疫学
的特異性や免疫学的記憶がもたらされていることも良く
知られている。すなわち、抗原認識を円滑且つ効率的に
押し進めるために、リンパ球は抗原レセプターを大量に
作り、それを遊離して相手(非自己)に結合させる。こ
の細胞から遊離した形の抗原レセプターが抗体と呼ばれ
るものである。これらの抗体を人工的に利用する試みは
今世紀の生物医学研究の中心課題であり、多くの成果が
もたらされてきている。しかしながら、その抗体の多様
性は天文学的な数であり、目的とする抗体の人工的操作
には今だ多くの問題が残されており、新たな概念とその
例示が待ち望まれているところである。
【0004】一般的に、B細胞はその表面に免疫グロブ
リンを持つという特徴があることも良く知られている。
また、B細胞表面の免疫グロブリンは血中の抗体(分泌
型免疫グロブリン)が吸着したものではなく、膜貫通部
位を持つ膜型免疫グロブリンであり、外来異物(抗原)
を認識するB細胞レセプターとして機能する。抗原がB
細胞レセプターに結合することにより活性化されたB細
胞は抗体分泌細胞(形質細胞)へと分化するが、この場
合、産生される抗体はB細胞の表面にあった膜型免疫グ
ロブリンと同一の抗原特異性を保持していることが特徴
である。免疫系におけるB細胞の最も重要な役割は、抗
原特異的な抗体を産生することにある。無数ともいえる
抗原のひとつひとつに対応することができる抗体の多様
性が遺伝子レベルで醸し出されることが判明したのは最
近である。この最近の生物学的知識と技術をもとにして
さまざまな開発がなされてきているが、遺伝子から新た
にできたアミノ酸の配列を決定する方法に依存しない抗
体の作成方法等の提案も求められている。すなわち、遺
伝子工学的に抗体を作成する方法では、抗原の特定や生
産行程の確立に時間がかかる上に、生産コストが高くな
り、本来目的とするワクチン等広く公衆衛生学的な目的
で使用する際等にはその迅速性や経済性が大きな問題と
して論議される由縁である。
【0005】免疫グロブリンは二本の重鎖(H鎖)と軽
鎖(L鎖)から構成されており、いずれの場合もカルボ
キシ末端側のアミノ酸配列は各免疫グロブリンに共通し
ている(定常領域、Fc)が、アミノ末端側のアミノ酸
配列は各免疫グロブリンに依って異なってくる。免疫グ
ロブリンの抗原結合部位はこのH鎖とL鎖の可変領域か
ら構成され、そのアミノ酸配列の相違が抗原特異性の違
いや多様性を生み出している。すなわち、H鎖もL鎖も
その定常領域をコードする遺伝子部分は一つに固定して
いるが、可変領域をコードしている遺伝子部分はいくつ
かの部品(セグメント)に分かれていて,その部品の組
合せ具合によって多様性を醸し出すことになる。言い替
えれば、抗体分子でH鎖1本とL鎖1本とが対になって
いる部分がFabと言われるセグメントであり、結果的
にFabは2つ存在することになる。H鎖だけ2本でで
きている部分がFcと言われるセグメントである。すな
わち、抗体分子を平面的にみると、Fab2つとFc1
つとでY字型になっている。抗原特異性の違いやその多
様性を醸し出す構造特異性に応じたワクチンや抗体の開
発は究めて精力的に行われている。
【0006】細胞膜の破壊には細胞に結合した抗体のF
c部によって引き金が引かれる。そのためにFc部は大
切なセグメントでもある。Fab部の端から半分までの
アミノ酸の種類や配列は相手の抗原ごとに異なっている
が、Fc部のアミノ酸はそれに対応する抗原の種類が異
なってもほとんど同じである。抗体が抗原と結合する部
分(可変領域)は、対応する抗原ごとに異なった構造を
持っているので、その抗体を動物に注射するとそれぞれ
に対応して異なった抗体が作られる。その抗体によって
区別される可変領域の抗原のことをイデイオタイプの抗
体といわれ、抗体の特異性を醸し出す上で高度な抗体で
あると考えられており、さまざまな研究開発が行われて
いる。抗体の多様性は、100種以上のV(Varia
ble=可変)遺伝子、12個のD(diversit
y=多様性)遺伝子、および4個のJ(Joining
=結合性)遺伝子からなるミニ遺伝子系(ファミリー)
を基にできている。また,C(constant=不変
部)遺伝子はその抗体が示す機能によって異なり、抗原
との結合には関与しない。抗体産生細胞へと分化する間
に各々のミニ遺伝子群から1個ずつの遺伝子が選り出さ
れ、お互いが結合して完璧なV−D−J−C遺伝子とな
る。H鎖に4、800個、L鎖の場合はV,J,Cのミ
ニ遺伝子がかかわっており、約400個の組合せができ
る。H鎖−L鎖対を形成する抗原結合部位は、4,80
0×400つまり192万通りの多様性を持つことが可
能となる。さらに、遺伝子再構成の際、特別な酵素によ
って、VとDあるいはDとJ分画の結合部位に数個のD
NAが挿入されるので、抗体分子の多様性はさらに天文
学的に増大する。種の多様性に対応した抗原−抗体反応
を誘発することは、合目的なことである一方、その簡単
な誘導または製造法、さらにその具体的例示が待望され
ている。
【0007】一般に抗原として働くものには、他の動物
や他の個体の蛋白・細菌毒素・ウイルスの蛋白・他の動
物や他の個体の細胞膜のリポ蛋白や糖蛋白などの蛋白
や、細菌膜・血液型物質などの多糖類・リポ多糖類、細
菌細胞壁などの脂質がある。人工的に合成した化学物質
でもキャリアに結合させればそれに対する抗体を作らせ
ることができるし抗原決定基となることも知られてい
る。ジアゾ化した芳香族アミノ基(ジニトロフェニルD
NP,トリニトロンフェニルTNP、ジニトロクロルベ
ンゼンDNCBなど)は人工抗原として研究によく用い
られている。すなわち、化学物質や薬物などは低分子で
あるために、蛋白(キャリア)などに結合させておく
と、その化学物質をエピトープとする抗体が作られてく
る。このようにそれ自身では、抗体産生能力がないが、
抗体が作られればそれと結合することができる化学物質
のような低分子物質をハプテンと言われているが、新た
なハプテンになる物質の提案も期待されている。
【0008】感染症を防ぐまたは予防するために、従来
からさまざまな方法が考案され実施され、その恩恵を多
大に受けているが今だ対処改善しなければならない問題
が多い。例えば、ウイルス感染症の1つであるインフル
エンザは最初の感染部である気道での一次増殖そのもの
が発病に関係している。また、気道感染の後ウイルスが
血中に入り全身に広がって増殖する時点で発症する麻疹
・ムンプス・水痘などとがある。さらに、血中に入り、
標的臓器に到着してそこで増殖し、病気を起こす肝炎や
日本脳炎のようなものもあり、これらは血中に中和抗体
が存在すれば感染を受けても発症を阻止することができ
る。最近ではHIVや肝炎ウイルス、エボラウイルス等
さまざまな微生物感染での脅威が存在している。このよ
うな、ウイルス感染を防ぐ手段として、病原性をもたな
いかまたは弱毒化したウイルス抗原を接種してそのウイ
ルスに対する免疫を持たせ、感染を予防することがなさ
れてきている。その方法として、ウイルスを殺して作っ
た不活化ワクチンと、弱毒化したウイルスを用いる生ワ
クチンとが使用されており、有効なことは周知のことで
ある。また日本脳炎・肝炎・ポリオについては不活化ワ
クチンでも有効であるとされており、一般にウイルスに
ついては生ワクチンの効果が優れていることも知られて
いる。麻疹・風疹・ムンプス・水痘・ポリオについては
生ワクチンが用いられている現状である。B型肝炎のよ
うに抗原の入手が難しいもの、扱いが危険なものも、そ
の抗原遺伝子を菌のDNAに組み込み、菌に抗原を作ら
せるという組み換えDNA型ワクチンにより安全に量産
されており、HIVウイルスに対する抗体も精力的に検
討されている。また、安全なウイルスに他のウイルスの
抗原の遺伝子を組み入れ、同時に免疫をもたせようとい
うベクターワクチンや、抗イデイオタイプ抗体が抗原と
同じ構造を有することを利用し抗イデイオタイプ抗体を
ワクチンとして用いるイデイオタイプワクチン等の新し
い型のワクチンも期待されている。
【0009】化膿菌(ブドウ球菌・肺炎球菌・緑膿菌・
大腸菌等)は、好中球による貪食・殺菌作用ないし活性
化補体による免疫溶菌現象によって処理されるとされて
いる。細菌には肺炎球菌の莱膜・連鎖球菌のM蛋白・ブ
ドウ球菌のムコペプチドのような貪食作用に抵抗する物
質が存在しており、中には大腸菌O−157、赤痢菌、
コレラ菌等のように外毒素を伴う危険な細菌も存在して
いる。これらの細菌の産生する毒素(破傷風・ジフテリ
アの外毒素等)は,それに対する抗体を結合させること
によって中和することが可能であり、この抗体はIgG
に属する抗体が主な免疫グロブリンでもある。また、結
核・癩・サルモネラ・リステリアなどの細菌は殺菌作用
に抵抗性で、寿命の短い好中球では処理しきれないの
で、マクロファージの貪食・殺菌作用の活性化が必要条
件となり、抗原と反応したT細胞が産生するリンホカイ
ンのひとつマクロファージ活性化因子が重要であるとさ
れている。また、免疫溶菌現象はグラム陰性菌に対して
有効に働くものであり、特にナイセリア(髄膜炎菌・淋
菌)の防御には重要な機序とされている。この機序には
補体が細菌の表面物質によって二次経路による活性化も
おきるが、細菌に結合した抗体(特にIgM.IgG)
による古典経路の活性化が有効であるとされている。こ
のような細菌の種類に対応した新しいワクチンや抗体が
待ち望まれている。さらに、例えば、B型肝炎ワクチン
にはB型肝炎ウイルスS抗原が用いられるが、その原料
としてS抗原陽性者(HBウイルスのキャリア)の血清
が使われる。しかし、この方法では原料が限られてお
り、またそのような血清は感染源となる可能性もあり、
とり扱いに危険を伴うものである。この問題を解決する
手段として、遺伝子組み換え技法によってS抗原の遺伝
子を大腸菌やイースト菌などの菌のDNAの中に組み入
込むことによって、導入されたこれらの菌はS抗原を産
性するようになる。この導入菌を大量に培養すれば、大
量のS抗原を手に入れることができ、有用な方法として
現在広く開発が進められている。すなわち、DNA組み
換え型ワクチンの開発応用の1例である。また、抗原の
遺伝子DNAの塩基配列が明らかにされれば、その塩基
配列をもとに抗原ペプチドを化学合成することも技術的
に可能であり、この方法によって合成ペプチドワクチン
も生産されている。しかしながら、上記のような合成ペ
プチドを抗原とすると、それ単独では免疫原性が弱いの
で何らかのアジュバントを加える必要があるとされてい
る。このような蛋白構造や糖鎖構造等が、容易に本来の
目的とする抗体により近似させることのできる方法等の
提案とその具体的可能性が期待されている。
【0010】すでに安全性の確認されているウイルス
に、目的としている他のウイルスのイデイオ抗原の遺伝
子を組み入れることにより、前者のウイルスに後者のウ
イルスの抗原を発現させることができる。前者の安全性
の確認されているウイルスをワクチンとして使うと、後
者のウイルスに対する免疫も同時に誘導することが可能
である。このようなワクチンはベクターワクチンの一種
であるが、イデイオ抗原を使わずに他のウイルスの抗原
遺伝子を組み入れたものとして、ワクシニアウイルスに
インフルエンザのHA抗原を作らせたワクチンが既に実
用化されている。しかしながら、安全なウイルス株とい
えども全てのウイルスに使用できる方法ではなく、それ
ぞれの目的とするウイルスに対する適切に安全性が確保
されたベクターウイルスを探し出すことは至難のことで
あり、緊急性を要する際には時間的経済的さらに技術的
にワクチンの供給が困難であり、これらの問題点を解決
することが期待されている。
【0011】補体は、直接あるいは間接的に病原体に取
りつき、死滅させたり、マクロファージに貪食させるよ
うに働く。補体は細菌に直接働くことが出来し、マンノ
ース結合タンパク質によっても活性化される。さらに感
染の結果、産生された抗体は、補体を活性化することも
できる。このようにして活性化された補体は、細菌を死
滅させるか、マクロファージや好中球その他の免疫系の
貪食細胞を誘導する。肺炎や咽頭炎を起こす細菌は、長
い糖鎖(多糖類)でできた膜である莢膜は補体が細菌に
直接作用するのを防いでいる。このマンノース結合タン
パク質は、細菌に結合するとその形が変わり、補体を活
性化し、さらに貪食細胞の活性化を促すことになる。し
かしながら、同じタンパク構造であっても糖鎖の結合に
よってその機能発現は異なってくることが知られている
にもかかわらず、特異的作用を持ったそれぞれの糖タン
パクを遺伝子工学的に作成、製造することは従来の技術
では究めて繁雑であり、生物の多様性からしても究めて
困難である。このような種特異的な糖タンパクを簡単に
取り出し、それらによって特異的なワクチンや抗体更に
は抗毒素や中和抗体等の製造法やその具体的例示による
有効性の例示等が待ち望まれている。
【0012】また、腫瘍化した細胞では代謝系の異常が
存在し、細胞膜物質の特に糖鎖の合成異常がおこりやす
い可能性が指摘されている。この異常には糖鎖を全長に
わたって合成できず途中までしか作られない場合と、全
く違った糖鎖が作られてしまう場合とが考えられる。こ
のような糖鎖が腫瘍関連抗原となり、前者では分子が短
いので細胞表面を覆う物質で被覆されてしまい易く、効
果的でない。さらに、腫瘍細胞の表面にはそれを覆うよ
うなシアロムチン・ヒアルロン酸・コンドロイチン硫酸
などの物質が存在しており、腫瘍関連抗原を包み隠して
免疫が働かないようにしている可能性が指摘されてい
る。このような糖鎖の異常による免疫機能不全を改善
し、腫瘍化した細胞の生体内処理を円滑に行い、悪性腫
瘍の予防や治療に対処することが試みられてきていると
ともに、より効果的な腫瘍関連抗原の発現効率を高める
方法の提案が期待されている。
【0013】最近世界的な問題になっている感染症の一
つとして、HIVがある。最近では、1つの段階だけに
働きかけるような治療法では、HIVを抑えることは難
しいと考えられている。一般的にHIVのビリオン(V
irion,ウイルスの粒子そのもののこと)は大まか
にいうと球形で、直径は100nmである。2重層の脂
質分子でできている外側の膜(外被とかエンベロープと
いう)は、ヒトの細胞のまわりの膜に似たもので、進化
的な由来も同じである。スパイクは外被の外では4つの
gp120という糖タンパク質からできている(gpは
糖タンパク質(glycoprotein)の意味)。
これらの外被のタンパク質はHIVが標的細胞と結合し
て侵入する際に重要な役割を果たしている。外被のすぐ
下にはp17と呼ばれるトリックスタンパク質層が存在
している。カプシドはもう1種類のp24と呼ばれるタ
ンパク質からできている。この二本鎖RNAは約920
0個の塩基対から成り立っており、完全にウイルスのコ
アに収まった状態になっている。外被の糖タンパク質g
p120はCD4と強く結合する。そのために、HIV
の外被にあるgp120とgp41を認識する抗体が、
これらに結合すると同時に健康な細胞の表面にあるMH
C分子にも結合することによって免疫機能を障害する。
gp120とgp41はMHC分子とよく似たアミノ酸
配列をもっている。このような生物学的な特徴からさま
ざまな薬剤が開発され検討されてきているが、今だ十分
とは言える段階ではない。特に多くの保菌者の存在が推
計されているが、予防医学的にも有効なワクチン、例え
ばHIVの持っている特殊な糖タンパク質の抗体等、の
開発が求められている。
【0014】また人類と病気との歴史をひもとくまでも
なく、細菌やウイルスなどの病原性微生物との戦いは、
現在においても精力的になされているにもかかわらず、
今もって医学的に解決なされるべき重大な問題である。
黄色ブドウ球菌、連鎖球菌、大腸菌、抗酸菌、真菌など
の病原性微生物やウイルスなどは常に人間の生活空間に
生存しており、種々の感染症の原因菌として広く知られ
ている。この病原性微生物やウイルス感染症の予防や感
染症の治療に多くの薬剤が開発応用され多くの成果が上
げられてきた。しかしながら、近年のめざましい抗菌性
物質の開発の一方で、大規模に起る集団感染や伝染病等
の対処には、衛生予防的にも効果的なワクチンの開発が
求められている。
【0015】一方、前述の生物学における物質の多次元
構造によって発現する生物のさまざまな機能の発現に大
切であるという科学的知識や物質の多次元構造によって
発現する機能多様性を細胞の種の特異性にもとずいた構
造多様を利用したイデイオタイプのワクチンや抗体等の
論理的妥当性が提案されているにもかかわらず、満足す
る状態ではない。その簡単かつ具体的製造法やその実施
例での有効な効果が例示されることが待望されてきてい
る。生物学、化学、医学などの学際的面のみならず人命
をあずかる実践医療においても、先端技術として待望さ
れていることの重要課題の1つでもある。
【0016】一方、生物構成要素たとえば生物体の構造
と機能を基本的に構成する基質(脂質、炭水化物、アミ
ノ酸など)や基質から生物学的に合成されるペプチドや
蛋白質、酵素、核酸 や遺伝子(DNA、tRNA,m
RNA,rRNA)などの高分子、さらに生体構成要素
の基本である細胞の細胞膜、細胞内小器官、細胞内外の
基質の多次元構造(コンフォメーション)によってそれ
ぞれの生物体が種特異的に備わっている生理学的機能の
発現や物質の認識さらに物質の認識や受容に、多次元構
造が大切なこともよく知られている(Albert,B
ray,Lewis, Raff, Roberts
and Watson著、The Moleculla
r Biology of the Cell, Ga
rland Publishing Inc, 3版<
文献2>)。これらの多次元構造によって機能発現する
物質も、生物種差、正常状態のみならず病的状態でも分
子の荷電分布ならびに分子荷電密度の状態は異なってい
ることが知られている<文献2>。さらに細胞膜を持た
ない生物体であるウイルスも無生物体であるアミノ酸が
多数結合してできたペプチド鎖や蛋白質等で構成されて
おり、2次元、3次元、4次元構造(ヘリックス構造;
ヘリックス(らせん)にはヘリックス1回転当り3.6
個のアミノ酸残基があり、3.6−ヘリックスで側鎖が
占めうる空間ができ、かつ可能な水素結合はすべて形成
しうる)。またαドメイン、βドメイン、α/βドメイ
ン、エキソン、イントロンの概念も多次元構造によって
その機能が発現することも大切な既知の事実である。相
同タンパク質では構造中のコア部分は保存されている
が、ヘリックスループ領域は変化している。またどのよ
うなコンフォメーションをとるかは、アミノ酸配列に依
存するよりも、ヘリックスループ中に含まれるアミノ酸
の数とループが結んでいる二次構造の種類、つまりα−
α、β−β、α−β、β−αのどれをとるかによって決
まることが多いことも知られている。これらの多次元構
造は、最近の分子生物学的な知識からも各種遺伝子や抗
体にもあてはまるそれぞれの物質の2次元、3次元構造
の認識に基ずく生理機能の発現機序に大切な点である<
文献2>ことも既知の科学的事実である。このような詳
細な生命体の物質レベルでの機能の解明とともに、それ
ぞれの各物質に特異的に応答する物質を人工的に作成す
ることがますます盛んになる一方、それぞれの物質が数
多く組み合わされ、そして統合された結果として多様性
を持った種特異的な生命体の機能の解明やそれにもとず
いた治療法の開発も待ち望まれている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】前述の生物学的事実に
基ずき、生命体や非生命体を形成する複合高分子物質の
多次元構造によって発現する機能を抑制または阻止し、
それぞれの特徴をもった高分子物質の非機能性を誘導し
ながら、限りなく機能発現に近い基本構造物質にするこ
とにより、選択性や特異性の高いワクチン前駆体、ワク
チン、抗体(イデイオ抗体を含む)、中和抗体、抗毒
素、またはそのイデイオ抗体によって製造された抗菌
剤、抗ウイルス剤、中和抗体、抗毒素、及びこれらを利
用した抗癌剤、抗原虫(マラリヤ、スピロヘータ等)
剤、分子識別剤、標識試薬である抗体、抗イデイオ抗体
や組織、器官の組織適合促進剤または免疫応答促進剤ま
たは免疫応答制御剤、補体連鎖反応促進剤等の開発が望
まれていた。
【0018】本発明の目的は、上記課題を解決し、簡単
な方法で製造でき更に選択性や特異性を限りなく種の多
様性を醸し出している原点に近く、または目的とする被
認識物質を識別しやすい性質を持っているワクチン前駆
体、ワクチン、抗体(イデイオ抗体を含む)、中和抗
体、抗毒素、またはそのイデイオ抗体によって製造され
た抗菌剤、抗ウイルス剤、中和抗体、抗毒素、抗癌剤、
抗原虫(マラリヤ、スピロヘータ等)剤、分子識別剤、
標識試薬である抗体、抗イデイオ抗体や組織、器官の組
織適合促進剤または免疫応答促進剤または免疫応答制御
剤、補体連鎖反応促進剤を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために、鋭意研究を重ねた結果、後述する抗原
物質誘導剤のもっている抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス
剤、殺菌消毒剤、抗癌剤としての細胞を細顆粒化かつ分
散させる作用を利用し、又は非生物の高分子に対する抗
原物質誘導剤のもっている抗原抗体反応抑制作用、還元
作用、遊離ラヂカル捕捉作用、脱スルフィド作用、脱重
合作用、共重合作用、界面活性改良作用、ミクロ相転移
作用、相転移作用等を利用して、上記で示されるワクチ
ン前駆体、ワクチン、抗体(イデイオ抗体を含む)、中
和抗体、抗毒素の製造が可能であり、また作用部位を示
す標識となる物質を含む置換基または標識物をもった標
識試薬も製造可能であり、非生命体である高分子物質の
抗体を作成することも可能であり、抗菌剤、抗ウイルス
剤、抗癌剤、抗原虫(マラリヤ、スピロヘータ等)剤、
分子識別剤、標識試薬、組織適合促進剤または免疫応答
促進剤または免疫応答制御剤、補体連鎖反応促進剤であ
る抗体等が、それぞれの目的に応じた有効な効果を持つ
ことを見出して本発明を完成するに至った。
【0020】上記目的を達成するために請求項1から請
求項11に記載の発明は、ワクチン前駆体、ワクチン、
抗体、中和抗体、抗毒素、イデイオ抗体を製造すること
のできる抗原物質誘導剤である。請求項12から15に
記載の発明は、これらの抗原物質誘導剤を使用して製造
されるワクチン前駆体、ワクチン、抗体、中和抗体、抗
毒素、イデイオ抗体である。請求項16、17に記載の
発明は、このイデイオ抗体を使用して製造するワクチン
前駆体、ワクチン、抗体、中和抗体、抗毒素である。請
求項18から22に記載の発明は、非生命体である高分
子物質等(ペプチド、蛋白質、脂質、糖蛋白、糖脂質、
多糖類等)の人工的な抗体、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗
癌剤、抗原虫剤である請求項12から17のいずれかに
記載のワクチン前駆体、ワクチン、抗体、中和抗体、抗
毒素、イデイオ抗体及びこのイデイオ抗体によって誘導
される抗イデイオ抗体である。請求項23から28に記
載の発明は、分子識別剤または作用部位を示す標識とな
る物質を含む置換基または標識物をもった標識試薬、同
種もしくは異種の組織、器官等の組織適合促進剤、免疫
応答促進剤または免疫応答制御剤、または補体連鎖反応
促進剤である請求項13または15に記載の抗体または
イデイオ抗体である。
【0021】本発明の基本的原理としては、抗原物質誘
導剤の量子熱力学的な分解細分化作用を利用して、細
菌、ウイルス、癌細胞や原虫(マラリヤ、スピロヘー
タ)等を死滅させ、その細分化された構造物質を利用す
ることで、生体に抗体認識能を獲得させることを目的と
する。また、抗原物質誘導剤の作用の量子、分子論的機
序を利用した抗体を作成し、例えば弱毒化ワクチン、不
活化ワクチン、中和抗体、抗毒素や人工抗体等を製造
し、有効な効果を発現させようとすることである。この
抗原物質誘導剤に関しては、その分子発現機能抑制剤と
しての側面につき、製造方法等をも含め既に国際公開番
号W O96/07403で国際公開されているところで
ある。
【0022】本発明に係る抗原物質誘導剤は、以下の各
一般式で示される化合物を有効成分とする。
【0023】請求項1に記載の一般式1のaは
【化8】 (ただし、式中(i)R1、R2、R3、R4、R5及
びR6はそれぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;C1
〜C6アルキル基;アミジノ基;C3〜C8シクロアル
キル基;C1〜C6アルコキシC1〜C6アルキル基;
アリール基;アリル基;ベンゼン、ナフタレン及びアン
トラセン環から成る群より選ばれる芳香族環に1若しく
は2以上のC1〜C6アルキル基が結合したアラルキル
基;C1〜C6アルキレン基;ベンゾイル基;シンナミ
ル基;シンナモイル基;又はフロイル基であり、(i
i)Aは水素原子又は
【化9】 であり、(ただし、R7はC1〜C6アルキル基;スル
フィド基;又はフォスフェイト基であり、R8及びR9
はそれぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;直鎖状若し
くは分岐状C1〜C6アルキル基;アリール基;アリル
基;ベンゼン、ナフタレン及びアントラセン環から成る
群より選ばれる芳香族環に1若しくは2以上のC1〜C
6アルキル基が結合したアラルキル基;C1〜C6アル
キレン基;ベンゾイル基;シンナミル基;シンナモイル
基;又はフロイル基である)(iii)R1、R2、R
3及びR4のいずれか並びに/又はR5及びR6のいず
れかは置換若しくは非置換シクロペンチル基;置換若し
くは非置換シクロヘキシル基;又は置換若しくは非置換
ナフチル基であってもよく、(iv)R5及びR6は他
の縮合多環式炭化水素化合物又はヘテロ環系化合物と結
合して環を形成していてもよく、(v)R3、R4、R
5及びR6は、ハロゲン原子、シアノ基、保護されてい
てもよいカルボキシル基、保護されていてもよいヒドロ
キシル基、保護されていてもよいアミノ基、C1〜C6
アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C7アル
コキシカルボニル基、アリール基、C3〜C6シクロア
ルキル基、C1〜C6アシルアミノ基、C1〜C6アシ
ルオキシ基、C2〜C6アルケニル基、C1〜C6トリ
ハロゲノアルキル基、C1〜C6アルキルアミノ基及び
ジC1〜C6アルキルアミノ基から成る群より選ばれる
1つ以上の置換基により置換されていてもよく、(v
i)R2及びR5は、ハロゲン原子、C1〜C6アルキ
ル基、保護されていてもよいカルボキシル基、保護され
ていてもよいヒドロキシル基、保護されていてもよいア
ミノ基、保護されていてもよいC1〜C6アルキルアミ
ノ基、保護されていてもよいC1〜C6アミノアルキル
基、保護されていてもよいC1〜C6アルキルアミノC
1〜C6アルキル基、保護されていてもよいC1〜C6
ヒドロキシアルキル基及びC3〜C6シクロアルキルア
ミノ基から成る群より選ばれる1つ以上の置換基で置換
されていてもよく、(vii)R3、R4、R5及びR
6がアルキル基の場合には、該アルキル基の末端がC3
〜C8シクロアルキル基によって置換されていてもよ
い)で示される。
【0024】一般式1のaにおいて、前記(i)(i
i)及び(v)におけるアリール基は、フェニル、トリ
ル、キシリル又はナフチル基であり、前記(iii)に
おける前記置換シクロペンチル基はシクロペンチルアミ
ノ基又はシクロペンチルカルビノール基であり、前記置
換シクロヘキシル基はシクロヘキシルアミノ基、シクロ
ヘキシルアルデヒド基又はシクロヘキシル酢酸基であ
り、前記置換ナフチル基はナフチルアミノ基又はナフチ
ルアミノスルフォン酸基であり、前記(iv)における
縮合多環式炭化水素化合物はペンタレン、インデン、ナ
フタレン、アズレン、ヘプタレン、ビフェニレン、イン
ダセン、アセナフチレン、フルオレン、フェナレン、フ
ェナントエン、アントラセン、ペンタセン、ヘキサセ
ン、ジベンゾフェナントレン、1H−シクロペンタシク
ロオクテン又はベンゾシクロオクテンであり、前記ヘテ
ロ環系化合物はフラン、チオフェン、ピロール、γ−ピ
ラン、γ−チオピラン、ピリジン、チアゾール、イミダ
ゾールピリミジン、インドール又はキノリンであっても
よい。
【0025】請求項3に記載の一般式1のbは
【化10】 (ただし、式中(i)R1、R2、R3、R4、R5、
R6、R10及びR11はそれぞれ独立ノ 水素原子;ハ
ロゲン原子;C1〜C6アルキル基;アミジノ基;C3
〜C8シクロアルキル基;C1〜C6アルコキシC1〜
C6アルキル基;アリール基;アリル基;ベンゼン、ナ
フタレン及びアントラセン環から成る群より選ばれる芳
香族環に1若しくは2以上のC1〜C6アルキル基が結
合したアラルキル基;C1〜C6アルキレン基;ベンゾ
イル基;シンナミル基;シンナモイル基;又はフロイル
基であり、(ii)Aは水素原子又は
【化11】 であり、(ただし、R7はC1〜C6アルキル基;スル
フィド基;又はフォスフェイト基であり、R8及びR9
はそれぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;直鎖状若し
くは分岐状C1〜C6アルキル基;アリール基;アリル
基;ベンゼン、ナフタレン及びアントラセン環から成る
群より選ばれる芳香族環に1若しくは2以上のC1〜C
6アルキル基が結合したアラルキル基;C1〜C6アル
キレン基;ベンゾイル基;シンナミル基;シンナモイル
基;又はフロイル基である)(iii)R1、R2、R
3及びR4のいずれか並びに/又はR5、R6、R10
及びR11のいずれかは置換若しくは非置換シクロペン
チル基;置換若しくは非置換シクロヘキシル基;又は置
換若しくは非置換ナフチル基であってもよく、(iv)
R5、R6、R10及びR11は他の縮合多環式炭化水
素化合物又はヘテロ環系化合物と結合して環を形成して
いてもよく、(v)R3、R4、R5、R6、R10及
びR11は、ハロゲン原子、シアノ基、保護されていて
もよいカルボキシル基、保護されていてもよいヒドロキ
シル基、保護されていてもよいアミノ基、C1〜C6ア
ルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C7アルコ
キシカルボニル基、アリール基、C3〜C6シクロアル
キル基、C1〜C6アシルアミノ基、C1〜C6アシル
オキシ基、C2〜C6アルケニル基、C1〜C6トリハ
ロゲノアルキル基、C1〜C6アルキルアミノ基及びジ
C1〜C6アルキルアミノ基から成る群より選ばれる1
つ以上の置換基により置換されていてもよく、(vi)
R2及びR5は、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル
基、保護されていてもよいカルボキシル基、保護されて
いてもよいヒドロキシル基、保護されていてもよいアミ
ノ基、保護されていてもよいC1〜C6アルキルアミノ
基、保護されていてもよいC1〜C6アミノアルキル
基、保護されていてもよいC1〜C6アルキルアミノC
1〜C6アルキル基、保護されていてもよいC1〜C6
ヒドロキシアルキル基及びC3〜C6シクロアルキルア
ミノ基から成る群より選ばれる1つ以上の置換基で置換
されていてもよく、(vii)R3、R4、R5、R
6、R10及びR11がアルキル基の場合には、該アル
キル基の末端がC3〜C8シクロアルキル基によって置
換されていてもよい)で示される。
【0026】一般式1のbにおいて、前記(i)(i
i)及び(v)におけるアリール基は、フェニル、トリ
ル、キシリル又はナフチル基であり、前記(iii)に
おける前記置換シクロペンチル基はシクロペンチルアミ
ノ基又はシクロペンチルカルビノール基であり、前記置
換シクロヘキシル基はシクロヘキシルアミノ基、シクロ
ヘキシルアルデヒド基又はシクロヘキシル酢酸基であ
り、前記置換ナフチル基はナフチルアミノ基又はナフチ
ルアミノスルフォン酸基であり、前記(iv)における
縮合多環式炭化水素化合物はペンタレン、インデン、ナ
フタレン、アズレン、ヘプタレン、ビフェニレン、イン
ダセン、アセナフチレン、フルオレン、フェナレン、フ
ェナントエン、アントラセン、ペンタセン、ヘキサセ
ン、ジベンゾフェナントレン、1H−シクロペンタシク
ロオクテン又はベンゾシクロオクテンであり、前記ヘテ
ロ環系化合物はフラン、チオフェン、ピロール、γ−ピ
ラン、γ−チオピラン、ピリジン、チアゾール、イミダ
ゾールピリミジン、インドール又はキノリンであっても
よい。
【0027】請求項5に記載の一般式2は
【化12】 (ただし、式中(i)R1、R2、R3、R4、R5及
びR6はそれぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;C1
〜C6アルキル基;アミジノ基;C3〜C8シクロアル
キル基;C1〜C6アルコキシC1〜C6アルキル基;
アリール基;アリル基;ベンゼン、ナフタレン及びアン
トラセン環から成る群より選ばれる芳香族環に1若しく
は2以上のC1〜C6アルキル基が結合したアラルキル
基;C1〜C6アルキレン基;ベンゾイル基;シンナミ
ル基;シンナモイル基;又はフロイル基であり、(i
i)R1、R2、R3及びR4のいずれか並びに/又は
R5及びR6のいずれかは置換若しくは非置換シクロペ
ンチル基;置換若しくは非置換シクロヘキシル基;又は
置換若しくは非置換ナフチル基であってもよく、(ii
i)R5及びR6は他の縮合多環式炭化水素化合物又は
ヘテロ環系化合物と結合して環を形成していてもよく、
(iv)R3、R4、R5及びR6は、ハロゲン原子、
シアノ基、保護されていてもよいカルボキシル基、保護
されていてもよいヒドロキシル基、保護されていてもよ
いアミノ基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコ
キシ基、C1〜C7アルコキシカルボニル基、アリール
基、C3〜C6シクロアルキル基、C1〜C6アシルア
ミノ基、C1〜C6アシルオキシ基、C2〜C6アルケ
ニル基、C1〜C6トリハロゲノアルキル基、C1〜C
6アルキルアミノ基及びジC1〜C6アルキルアミノ基
から成る群より選ばれる1つ以上の置換基により置換さ
れていてもよく、(v)R2及びR5は、ハロゲン原
子、C1〜C6アルキル基、保護されていてもよいカル
ボキシル基、保護されていてもよいヒドロキシル基、保
護されていてもよいアミノ基、保護されていてもよいC
1〜C6アルキルアミノ基、保護されていてもよいC1
〜C6アミノアルキル基、保護されていてもよいC1〜
C6アルキルアミノC1〜C6アルキル基、保護されて
いてもよいC1〜C6ヒドロキシアルキル基及びC3〜
C6シクロアルキルアミノ基から成る群より選ばれる1
つ以上の置換基で置換されていてもよく、(vi)R
3、R4、R5及びR6がアルキル基の場合には、該ア
ルキル基の末端がC3〜C8シクロアルキル基によって
置換されていてもよい)で示される。
【0028】一般式2において、前記(i)及び(i
v)におけるアリール基は、フェニル、トリル、キシリ
ル又はナフチル基であり、前記(ii)における前記置
換シクロペンチル基はシクロペンチルアミノ基又はシク
ロペンチルカルビノール基であり、前記置換シクロヘキ
シル基はシクロヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアル
デヒド基又はシクロヘキシル酢酸基であり、前記置換ナ
フチル基はナフチルアミノ基又はナフチルアミノスルフ
ォン酸基であり、前記(iii)における縮合多環式炭
化水素化合物はペンタレン、インデン、ナフタレン、ア
ズレン、ヘプタレン、ビフェニレン、インダセン、アセ
ナフチレン、フルオレン、フェナレン、フェナントエ
ン、アントラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ジベンゾ
フェナントレン、1H−シクロペンタシクロオクテン又
はベンゾシクロオクテンであり、前記ヘテロ環系化合物
はフラン、チオフェン、ピロール、γ−ピラン、γ−チ
オピラン、ピリジン、チアゾール、イミダゾールピリミ
ジン、インドール又はキノリンであってもよい。
【0029】請求項7に記載の一般式3のaは
【化13】 (ただし、式中(i)R3、R4、R5及びR6はそれ
ぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;C1〜C6アルキ
ル基;アミジノ基;C3〜C8シクロアルキル基;C1
〜C6アルコキシC1〜C6アルキル基;アリール基;
アリル基;ベンゼン、ナフタレン及びアントラセン環か
ら成る群より選ばれる芳香族環に1若しくは2以上のC
1〜C6アルキル基が結合したアラルキル基;C1〜C
6アルキレン基;ベンゾイル基;シンナミル基;シンナ
モイル基;又はフロイル基であり、(ii)R3及びR
4のいずれか並びに/又はR5及びR6のいずれかは置
換若しくは非置換シクロペンチル基;置換若しくは非置
換シクロヘキシル基;又は置換若しくは非置換ナフチル
基であってもよく、(iii)R5及びR6は他の縮合
多環式炭化水素化合物又はヘテロ環系化合物と結合して
環を形成していてもよく、(iv)R3、R4、R5及
びR6は、ハロゲン原子、シアノ基、保護されていても
よいカルボキシル基、保護されていてもよいヒドロキシ
ル基、保護されていてもよいアミノ基、C1〜C6アル
キル基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C7アルコキ
シカルボニル基、アリール基、C3〜C6シクロアルキ
ル基、C1〜C6アシルアミノ基、C1〜C6アシルオ
キシ基、C2〜C6アルケニル基、C1〜C6トリハロ
ゲノアルキル基、C1〜C6アルキルアミノ基及びジC
1〜C6アルキルアミノ基から成る群より選ばれる1つ
以上の置換基により置換されていてもよく、(v)R5
は、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、保護されて
いてもよいカルボキシル基、保護されていてもよいヒド
ロキシル基、保護されていてもよいアミノ基、保護され
ていてもよいC1〜C6アルキルアミノ基、保護されて
いてもよいC1〜C6アミノアルキル基、保護されてい
てもよいC1〜C6アルキルアミノC1〜C6アルキル
基、保護されていてもよいC1〜C6ヒドロキシアルキ
ル基及びC3〜C6シクロアルキルアミノ基から成る群
より選ばれる1つ以上の置換基で置換されていてもよ
く、(vi)R3、R4、R5及びR6がアルキル基の
場合には、該アルキル基の末端がC3〜C8シクロアル
キル基によって置換されていてもよい)で示される。
【0030】一般式3のaにおいて、前記(i)及び
(iv)におけるアリール基は、フェニル、トリル、キ
シリル又はナフチル基であり、前記(ii)における前
記置換シクロペンチル基はシクロペンチルアミノ基又は
シクロペンチルカルビノール基であり、前記置換シクロ
ヘキシル基はシクロヘキシルアミノ基、シクロヘキシル
アルデヒド基又はシクロヘキシル酢酸基であり、前記置
換ナフチル基はナフチルアミノ基又はナフチルアミノス
ルフォン酸基であり、前記(iii)における縮合多環
式炭化水素化合物はペンタレン、インデン、ナフタレ
ン、アズレン、ヘプタレン、ビフェニレン、インダセ
ン、アセナフチレン、フルオレン、フェナレン、フェナ
ントエン、アントラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ジ
ベンゾフェナントレン、1H−シクロペンタシクロオク
テン又はベンゾシクロオクテンであり、前記ヘテロ環系
化合物はフラン、チオフェン、ピロール、γ−ピラン、
γ−チオピラン、ピリジン、チアゾール、イミダゾール
ピリミジン、インドール又はキノリンであってもよい。
【0031】請求項10に記載の一般式3のbは
【化14】 (ただし、式中(i)R3、R4、R5及びR6はそれ
ぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;C1〜C6アルキ
ル基;アミジノ基;C3〜C8シクロアルキル基;C1
〜C6アルコキシC1〜C6アルキル基;アリール基;
アリル基;ベンゼン、ナフタレンy びアントラセン環か
ら成る群より選ばれる芳香族環に1若しくは2以上のC
1〜C6アルキル基が結合したアラルキル基;C1〜C
6アルキレン基;ベンゾイル基;シンナミル基;シンナ
モイル基;又はフロイル基であり、(ii)R3及びR
4のいずれか並びに/又はR5及びR6のいずれかは置
換若しくは非置換シクロペンチル基;置換若しくは非置
換シクロヘキシル基;又は置換若しくは非置換ナフチル
基であってもよく、(iii)R5及びR6は他の縮合
多環式炭化水素化合物又はヘテロ環系化合物と結合して
環を形成していてもよく、(iv)R3、R4、R5及
びR6は、ハロゲン原子、シアノ基、保護されていても
よいカルボキシル基、保護されていてもよいヒドロキシ
ル基、保護されていてもよいアミノ基、C1〜C6アル
キル基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C7アルコキ
シカルボニル基、アリール基、C3〜C6シクロアルキ
ル基、C1〜C6アシルアミノ基、C1〜C6アシルオ
キシ基、C2〜C6アルケニル基、C1〜C6トリハロ
ゲノアルキル基、C1〜C6アルキルアミノ基及びジC
1〜C6アルキルアミノ基から成る群より選ばれる1つ
以上の置換基により置換されていてもよく、(v)R5
は、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、保護されて
いてもよいカルボキシル基、保護されていてもよいヒド
ロキシル基、保護されていてもよいアミノ基、保護され
ていてもよいC1〜C6アルキルアミノ基、保護されて
いてもよいC1〜C6アミノアルキル基、保護されてい
てもよいC1〜C6アルキルアミノC1〜C6アルキル
基、保護されていてもよいC1〜C6ヒドロキシアルキ
ル基及びC3〜C6シクロアルキルアミノ基から成る群
より選ばれる1つ以上の置換基で置換されていてもよ
く、(vi)R3、R4、R5及びR6がアルキル基の
場合には、該アルキル基の末端がC3〜C8シクロアル
キル基によって置換されていてもよい)で示される。
【0032】一般式3のbにおいて、前記(i)及び
(iv)におけるアリール基は、フェニル、トリル、キ
シリル又はナフチル基であり、前記(ii)における前
記置換シクロペンチル基はシクロペンチルアミノ基又は
シクロペンチルカルビノール基であり、前記置換シクロ
ヘキシル基はシクロヘキシルアミノ基、シクロヘキシル
アルデヒド基又はシクロヘキシル酢酸基であり、前記置
換ナフチル基はナフチルアミノ基又はナフチルアミノス
ルフォン酸基であり、前記(iii)における縮合多環
式炭化水素化合物はペンタレン、インデン、ナフタレ
ン、アズレン、ヘプタレン、ビフェニレン、インダセ
ン、アセナフチレン、フルオレン、フェナレン、フェナ
ントエン、アントラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ジ
ベンゾフェナントレン、1H−シクロペンタシクロオク
テン又はベンゾシクロオクテンであり、前記ヘテロ環系
化合物はフラン、チオフェン、ピロール、γ−ピラン、
γ−チオピラン、ピリジン、チアゾール、イミダゾール
ピリミジン、インドール又はキノリンであってもよい。
【0033】上記の各抗原物質誘導剤の分子発現機能抑
制剤としての側面についての作用機序や論理開示は、既
に国際公開番号W O96/07403で公開されている
ところである。各抗原物質誘導剤に依る処理は以下に説
明するような超選択的認識作用を作り出すことができる
ことを本発明で示すものである。また、本発明は、生物
等が作る毒素などを試験管等の生体外で処理し、その処
理液を生物体内で認識させ、毒素に特異的な中和抗体を
作成できる可能性を示したものである。これらのワクチ
ン前駆体、ワクチン、抗体、中和抗体および抗毒素、イ
デイオ抗体は、本発明の抗原物質誘導剤の持っている量
子熱力学的性質を利用して、ウイルスや細菌、細胞の表
面に存在する所謂接着物質や信号伝達等にかかわる物質
の機能停止作用、ウイルス等のエンベロープや細菌、原
虫、細胞の膜の破壊作用、不活化作用を利用したもので
ある。よって本発明の抗原物質誘導剤を、従来のワクチ
ン等の製造過程において不活化や弱毒化等のために使用
していたホルマリンやパラホルムアルデヒドのような有
機溶剤等と同様の方法で使ってウイルス、原虫、細菌、
癌細胞等の接着物質、信号伝達物質、毒素等の基本構造
に近い形で不活化や弱毒化することが可能である。ま
た、弱毒化、不活化や破壊、死滅の程度は量または濃度
によって調節できる。
【0034】さらに、本発明を基本にしながら、血液に
存在する液性抗体かまたは特定の細胞膜に固定された膜
性抗体であるか等詳細な学術的検討が開始されることは
自明のことである。言い替えれば、本発明の製造法等に
よって作られる抗体は、生物の自己認識を元にして選択
性を醸し出すものであり、将来の研究開発を推進する基
本的、基幹的事実を包括しているものである。例えば、
複合高分子物質のうち、特定の分子が単離されれば、m
RNAからcDNAを利用した遺伝子工学、細胞融合等
の技術を利用して、精製濃縮することも可能であり、実
施例で例示したことに限らず、多くの可能性と有用性を
類推することは究めて容易なことである。また、生物等
が作る毒素等を試験管等の生体外で処理し、その処理液
を生物体内で認識させ、毒素に特異的な中和抗体を作成
できることは、2次感染等の危険性を少なくすることも
できる。
【0035】プリオン、ウイルス、リケッチャー、細
菌、細菌毒素、癌細胞、各種疾患や未知の原因による病
的組織臓器(特に難病)等のそれぞれの病変組織亜等か
ら単独ワクチン、複合ワクチン(複数細胞から成り立
つ)、交差ワクチン等を目的に応じて作成することがで
きることも容易に類推できることである。すなわち、生
物種の基本構築特性をこわさないので、発生学的に近似
する種の生化学組成に対応して、複数の抗体の生産をす
ることができ、または複数の抗原を認識できる多機能性
の抗体(抗体認識の多様性)を作成することもできる。
【0036】また、自己免疫系の賦活化(予防的ならび
に少ない(致死的でない)量)病原菌、癌などの生体内
において発生した時点で投与されると、この死滅細胞な
どの構築要素(顆粒)が宿主の免疫系を刺激し、生体内
で新たな抗体をつくり、以後の増殖、浸潤、などの生体
内での悪循環系を、ポジチブフィードバック的に遮断す
ることも容易に考えられることである。すなわち、生体
内での不活化ワクチンの増幅であり、この方法は疾病の
予防的処置としても応用が可能である。非生命体の物質
においては、一種の抗体触媒としての応用が可能なこと
は自明なことである。
【0037】また、本発明で抽出したそれぞれの抽出物
を、必要とする目的に応じて、従来から利用されている
熱、アルデヒド等の有機溶媒、紫外線等でさらに無毒化
することもできる。
【0038】上記請求項1から11に記載した抗原物質
誘導剤を使用して製造するワクチン前駆体、ワクチン、
抗体、中和抗体および抗毒素、イデイオ抗体、このイデ
イオ抗体を使用して製造するワクチン、抗体、中和抗体
および抗毒素、さらに標識試薬及び組織適合促進剤等の
それぞれの構造末端(主にアミノ基及びカルボキシル
基)の何れかもしくは両端に、ハロゲン原子、シアノ
基、保護されていてもよいカルボキシル基、保護されて
いてもよいヒドロキシル基、保護されていてもよいアミ
ノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニ
ル基、アリール基、シクロアルキル基、アシルアミノ
基、アシルオキシ基、低級アルケニル基、トリハロゲノ
−低級アルキル基、低級アルキルアミノ基またはジ−低
級アルキルアミノ基、ジ−低級アルキルアミノ低級アル
キル基または環状アミノ低級アルキル基などから選ばれ
る一つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0039】なお、本明細書において特にことわらない
限り、ハロゲン原子とは、たとえば、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子またはヨウ素原子を;アルキル基とは、
たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tor
t−ブチル、ベンチル、ヘキシル、またはオクチルなど
のようなC1−10アルキル基を;低級アルキル基と
は、たとえば、上記したアルキル基のうち、C1−5ア
ルキル基を;アルコキシ基とは、たとえば、−O−アル
キル基(アルキル基は、上記したC1−10アルキル基
を示す。)を;低級アルキルアミノ基とは、たとえば、
メチルアミノ、エチルアミノまたはプロピルアミノなど
のようなC1−5、アルキルアミノ基を;ジ低級アルキ
ルアミノ基とは、たとえば、ジメチルアミノのようなジ
C1−5アルキルアミノ基を;低級アルケニル基とは、
たとえば、ビニル、アリル、1−プロペニルまたは1−
プテニルなどのようなC2−5アルケニル基を;シクロ
アルキル基とは、シクロプロピル、シクロブチル、シク
ロペンチルまたはシクロヘキシルなどのようなC2−6
シクロアルキル基を;アリール基とは、たとえば、フェ
ニルまたはナフチルなどを;アルコキシカルボニル基と
は、たとえば、−COO−アルキル基(アルキル基は、
上記したC1−10アルキル基を示す。)を;ヒドロキ
シ低級アルキル基とは、たとえば、ヒドロキシメチル、
ヒドロキシエチルまたはヒドロキシプロピルなどのよう
なヒドロキシ−C1−5アルキル基を;アミノ低級アル
キル基とは、たとえば、アミノメチル、アミノエチルま
たはアミノプロピルなどのようなアミノ−C1−5アル
キル基を;低級アルキルアミノ低級アルキル基とは、た
とえば、メチルアミノメチル、エチルアミノメチルまた
はエチルアミノエチルなどのようなC1−5アルキルア
ミノ−C1−5アルキル基を;ジ−低級アルキルアミノ
低級アルキル基とは、たとえば、ジメチルアミノメチル
またはジエチルアミノメチルなどのジ−C1−5アルキ
ルアミノ−C1−5アルキル基を;環状アミノ基とは、
たとえば、ピペラジニル、モルホリニルまたは1,4−
ジアザビシクロ(3,2,1)オクチルなどのような4
−10員環状アミノ基を;環状アミノ低級アルキル基と
は、たとえば、1−ピペラジニルメチル、1−ピロジニ
ルメチル、1−アゼチジニルメチルまたは1−モルホリ
ニルメチルなどのような4−6員環状アミノ−C1−5
アルキル基を;アシルアミノ基とは、たとえば、ホルミ
ルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノまたは
ブチリルアミノなどのようなC1−4アシルアミノ基
を;アシルオキシ基とは、たとえば、ホルミルオキシ、
アセチルオキシ、プロピオニルオキシまたはブチリルオ
キシなどのようなC1−4アシルオキシ基を;トリハロ
ゲノ−低級アルキル基とは、たとえば、トリクロロメチ
ルまたはトリフルオロメチルなどのようなトリハロゲノ
−C 1−5アルキル基を;複素環式基とは、酸素原子、
窒素原子および硫黄原子から選ばれる1 つ以上の原子を
含む5員環もしくは6員環またはそれらの縮合環、たと
えば、フリル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、イ
ミダゾリル、チアゾリル、1−ピロリジニル、ベンゾフ
リル、ベンゾチアゾリル、ピリジル、キノリル、ピリミ
ジニルまたはモルホリニルなどのような基を、それぞれ
意味する。
【0040】カルボキシル基の保護基としては、たとえ
ば、生体内において容易に脱離するエステル形成基のよ
うな薬学的に許容されるカルボキシル保護基が挙げられ
る。
【0041】また、アミノ基、アミノ低級アルキル基、
低級アルキルアミノ基および低級アルキルアミノ低級ア
ルキル基の保護基としては、たとえば、生体内において
容易に脱離する薬学的に許容されるアミノ保護基が挙げ
られる。
【0042】さらに、ヒドロキシル基およびヒドロキシ
低級アルキル基の保護基としては、たとえば、生体内に
おいて容易に脱離する薬学的に許容されるヒドロキシル
保護基などが挙げられる。
【0043】それぞれの目的とする臓器や組織に誘導す
ることや、それぞれの目的とする効果を効率的に誘発す
るためには、例えば薬学的に許容される担体等を併用す
ること等が挙げられる。
【0044】薬学的に許容される担体としては、たとえ
ば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリビニルピロ
リドン、炭化水素、パラフィン、アルコール、多価アル
コール、アルコールエステル、多価アルコールエステ
ル、脂肪酸または脂肪酸の金属塩、人工的に作成された
リイポゾーム等に混和、均等拡散や分散させることなど
の生物学的に許容される担体が挙げられる。
【0045】さらに、本発明でのワクチン前駆体および
ワクチン、抗体(イデイオ抗体を含む)、中和抗体、抗
毒素や製造されたイデイオ抗体を使用して製造したワク
チン、抗体、中和抗体および抗毒素等を薬学的に許容さ
れる担体と組み合わせて使用する場合、通常知られた剤
形、たとえば、懸濁剤及び液剤等治療形態に応じて種々
の形で用いることが出来る。さらに、溶解補助剤、等張
化剤、pH調整剤、消臭剤、防腐剤または着香剤などを
加えてもよい。
【0046】微生物に感染した細胞や癌細胞から抗原物
質を抽出させる方法として、例えば生理食塩水での洗浄
やトリトン洗剤での溶解洗浄によって取り出すことも可
能である。従来から用いられている細胞破壊の方法とし
て、超音波処理や凍結処理を組み合わすことも可能であ
る。遠心分離等で回収した抗原含有液を、熱処理やホル
ムアルデヒド、或いは紫外線を用いて不活化した後、A
1(OH)3 等のアジュバントを追加して抗体価を高め
ることもできる。
【0047】ワクチンの失活には、既に使用されている
典型的な基本工程(文献[Provost,P.J.
等,Proc.Soc.Exp.Biol.Med.1
60,213(1979);Provost,P.J.
等,J.Med.Virol.19、23(198
6)] )を利用しながら、それぞれの目的とする抽出物
は熱、pH変化、照射、たとえばホルマリンもしくはパ
ラホルムアルデヒドのような有機溶剤での処理によって
さらに失活させることができる上に、無処置の状態でも
使用することが可能である。
【0048】本発明にもとずいて作られた抗体に、化学
的に構造が判明している小顆粒物質を埋め込んでICO
M(immunostimulating compl
ex)にして、免疫原性を高めることも可能である。
【0049】微生物に感染した細胞や癌細胞から抗原物
質を抽出させる方法として、例えば生理食塩水での洗浄
やトリトン洗剤での溶解洗浄によって取り出すことも可
能である。従来から用いられている細胞破壊の方法とし
て、超音波処理や凍結処理を組み合わすことも可能であ
る。
【0050】遠心分離等で回収した抗原含有液を、単独
もしくは熱処理やホルムアルデヒド、或いは紫外線を用
いて不活化した後、次の表1のような組成の安定剤を添
加してワクチンを製造することも可能である。
【表1】
【0051】また、上記のそれぞれの細胞や細菌を死滅
した培養液の沈殿物の洗浄後、それぞれの目的とする抽
出物を熱、pH変化、照射、たとえばホルマリンもしく
はパラホルムアルデヒドのような有機溶剤での処理によ
って補足または追加的に失活させることができる。ホル
ムアルデヒドで処理する場合、0.001−0.05
(v/v)%の懸濁液濃度が望ましく、また紫外線を用
いて不活化する場合には356nmの紫外線を5.0×
101 J/m2−5.4×104 J/m2の範囲が望まし
い。しかし、必要としない限り使用しないことが望まし
い。ホルムアルデヒド或いは紫外線を用いる際の温度
は、4℃以下に保つのが望ましい。何れにしても、熱、
ホルムアルデヒド或いは紫外線照射量を多くすると、そ
の抗体価や特異性は著しく変化した。例えば、寒天ゲル
で求めた免疫グロブリンは100分の1以上に低下して
いた。本発明においては単独においても既に抗原粒子の
吸着、クラスター化が発現しており、より有用性が既に
提供されているが、更に界面活性剤(トゥイン80)を
添加しても抗体価を高めることができる。
【0052】また、失活化した抽出物質を水酸化アルミ
ニウムに吸着させ、または水酸化アルミニウムとともに
沈降させてアジュバントおよびキャリヤとしての効果を
上げることができる。例えば、水酸化アルミニウムへの
失活した抽出物の直接的沈殿を、先ず最初にヨシキソー
ル処理またはホルマリン失活したバルク溶液へ硫酸カリ
ウムアルミニウムを添加して行ない、最後に沈殿物を水
酸化ナトリウムの添加によって生成させる。懸濁物から
上澄液を除去してホルムアルデヒドと残留塩とを除去
し、これを生理食塩水で置換することもできる。
【0053】さらに、従来のワクチンや抗原の収穫溶液
と同様にに上記のそれぞれの細胞や細菌を死滅した培養
液の沈殿物の洗浄後、それぞれの目的とする抽出物を有
機抽出した。例えば、クロロホルムとイソアミルアルコ
ールのような消泡剤との混合物を添加して抽出し、DE
AEスフェロデックスゲルを0.1規定の塩酸を用いて
カラムに入れ、pH7.5の20ミリモルのリン酸緩衝
液、2%のホルマリンを含む2g/リットルの塩化ナト
リウム溶液、さらに1Mの塩化ナトリウム溶液を通過さ
せてカラムを準備した。カラムの平衡化とクロマトグラ
フィーとを行うために、pH7.5のリン酸緩衝液(2
0ミリモルのリン酸、0.1%トゥイン80)とを流し
てpHおよび浸透圧濃度を完全に平衡させ、浸透圧濃度
が280ミリオスモルを越えないように試料を通し、p
H7.5のリン酸緩衝液(20ミリモルのリン酸、0.
5モルの塩化ナトリウム、0.1%トゥイン80)を流
速45cm/時程度で流した。この操作で抗原物質が溶
出精製した。上記濃縮操作に類似の条件で、ゲル濾過カ
ラムから得られた抗体画分を濃縮する。リンス後の最終
液量を2.5リットルに調節する。濃縮された抗体分画
をデュラポア(Durapore)0.2ミクロンの膜
を通して濾過することで、精製回収物を得ることができ
る。
【0054】また別途のゲル濾過法としては、ゲル濾過
クロマトグラフィーの最終工程を陰イオン交換クロマト
グラフィーに続いて行なうことができる。例えば、ファ
ルマシア(Pharmacia)社製のカラムK215
/100に26.5リットルのセファロース(Seph
arose)6BCLを充填したものを使用する。カラ
ム装置、配管、検出器等をホルマリン2%と塩化ナトリ
ウム2%とを含む溶液を1.7リットル/時の流速で流
してシステム全体を殺菌しておき、pH7.5のリン酸
緩衝液( 20ミリモルのリン酸、0.1%トゥイン8
0)を流速2.7リットル/時で48時間流し、カラム
をリンスし、平衡化する。濃縮した抗原物質を重力でカ
ラムに添加し、pH7.5のリン酸緩衝液(20ミリモ
ルのリン酸、0.1%のトゥイン80)を流速2.7リ
ットル/時で流して濾過することで、精製回収物を得る
ことができる。
【0055】クロロホルムの他に、溶媒として塩化メチ
レン、テトラクロルエタンなどのハロゲン化低級アルカ
ンを用いて抽出することもできる。またイオン交換クロ
マトグラフィーによる抽出操作で使用する陰イオン交換
マトリックスは限定しないが次のものがある。すなわ
ち、DEAEセルロース、DEAEアガロース、DEA
Eバイオゲル、DEAEデキストラン、DEAEセファ
デックス、DEAEセファロース、アミノヘキシルセフ
ァロース、エクテオラセルロース、TEAEセルロー
ス、QAEセルロース、モノーQ、またはベンゾイル化
ジエチルアミノエチルセルロース等である。
【0056】本発明で使用されるワクチン前駆体および
ワクチン、抗体、中和抗体および抗毒素、イデイオ抗
体、そのイデイオ抗体を使用して製造されたワクチン、
抗体、中和抗体および抗毒素は、単独投与でも上記目的
を達成することができる上に、効力や選択性または特異
性が大幅に変化されない限り、酸付加塩、乳化剤、エス
テル剤、重合剤の形態で使用することもできる。例えば
酸付加塩としては、薬学上許容される非毒性の塩であっ
て、例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸等の無機
酸、および酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、
フマル酸、マレイン酸、メタスルホン酸等の有機酸を挙
げることができる。
【0057】本発明において、抗原物質誘導剤を使用し
て製造するワクチン前駆体、ワクチン、抗体、中和抗
体、抗毒素、イデイオ抗体、そのイデイオ抗体を使用し
て製造するワクチン、抗体、中和抗体および抗毒素を抗
菌抗体、抗ウイルス抗体、抗癌抗体、抗原虫(マラリ
ヤ、スピロヘータ等)抗体を抗菌剤、抗ウイルス剤、抗
癌剤、抗原虫(マラリヤ、スピロヘータ等)剤、免疫応
答促進剤または免疫応答制御剤として用いる場合、単独
または薬剤として許容されうる担体と複合して投与する
こともできる。また、投与形態、例えば皮下注射の様に
痛みを誘発するような場合には、キシロカインなどの局
所麻酔薬を添加すること等も可能である。しかしなが
ら、本発明で示した方法に限定する必要はない。その組
成は、投与経路や投与計画等によって決定される。
【0058】本発明の抗原物質誘導剤を使用して製造す
るワクチン前駆体、ワクチン、抗体、中和抗体、抗毒
素、イデイオ抗体、そのイデイオ抗体を使用して製造す
るワクチン、抗体、中和抗体および抗毒素、抗細菌抗
体、抗ウイルス抗体、抗癌抗体、抗原虫(マラリヤ、ス
ピロヘータ等)抗体を抗菌剤、抗ウイルス剤、抗癌剤、
抗原虫(マラリヤ、スピロヘータ等)剤、免疫応答促進
剤または免疫応答制御剤を上記の医薬品として用いる場
合、薬理的に許容される添加剤(例えば、担体、賦形
剤、希釈剤等)等製薬上必要な成分と適宜混合し、粉
末、顆粒、錠剤、カプセル剤、注射剤等の剤形で医薬組
成物とし、経口的または非経口的に投与することができ
る。
【0059】本発明の抗原物質誘導剤を使用して製造す
るワクチン前駆体、ワクチン、抗体、中和抗体、抗毒
素、イデイオ抗体、そのイデイオ抗体を使用して製造す
るワクチン、抗体、中和抗体および抗毒素、抗細菌抗
体、抗ウイルス抗体、抗癌抗体、抗原虫(マラリヤ、ス
ピロヘータ等)抗体を抗菌剤、抗ウイルス剤、抗癌剤、
抗原虫(マラリヤ、スピロヘータ等)剤、免疫応答促進
剤または免疫応答制御剤を経口投与する場合は、錠剤、
カプセル剤、粉剤、顆粒剤、液剤等の形態で、また非経
口投与の場合、液体の殺菌した状態の形態で、用いられ
る。上述の様な形態で用いられる場合、固体または液体
の毒性のない担体が組成物に含まれてもよい。
【0060】固体担体の例としては、通常ゼラチンタイ
プのカプセルが用いられる。また、有効成分を補助薬と
ともに、あるいは補助薬なしに錠剤化、顆粒剤、粉末包
装される。これらの際に併用される賦形剤としては、
水:ゼラチン:乳糖、グルコース等の糖類:コーン、小
麦、米、とうもろこし澱粉等の澱粉類:ステアリン酸等
の脂肪酸:ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグ
ネシウム等の脂肪塩基:タルク:植物油:ステアリルア
ルコール、ベンジルアルコール等のアルコール:ガム:
ポリアルキレングリコール等が挙げられる。
【0061】これらのカプセル、錠剤、顆粒、粉末は一
般的に0.1−80重量%、好ましくは0.1−60重
量%の有効成分を含む、液状担体としては、一般に、
水、生理食塩水、デキストロースまたは類似の糖類溶
液、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリ
エチレングリコール等のグリコール類が液状担体として
好ましい。
【0062】非経口的に筋肉内注射、静脈内注射、皮下
注射で投与する場合には溶液を等張にするために、食塩
またはグルコース等の他の溶質を添加した無菌溶液とし
て使用される。注射用の適当な溶剤としては、滅菌水、
塩酸リドカイン溶液(筋肉内注射)、生理食塩水、ブド
ウ糖、静脈内注射用液体、電解質溶液(静脈注射用)等
が挙げられる。これらの注射液の場合には、通常0.0
1−20重量%、好ましくは0.05−5重量%の有効
成分を含むようにすることがよい。
【0063】経口投与の液剤の場合0.01−20重量
%の有効成分を含む懸濁液またはシロップがよい。この
場合の担体としては香料、シロップ、製剤学的ミセル体
等の水様賦形剤を用いる。
【0064】本発明で実施使用される化学物質は、特に
限定されないが、有機化学的に最も単純故に合成が容易
で、また生物学的に妥当性のあると思われる物質とし
て、具体的には、断わらない限り、抗原物質誘導剤の具
体例の1つとして、そして限りなく簡単かつ低分子物質
であるところの、4、4−ジメチル−6−メチレン−2
−シクロヘキセン−1−オン(一般式3のaのR3、R
4、R5、R6を水素原子とした化合物。以下、Yos
hixol、ヨシキソールと呼ぶ)を合成してその有効
性が示される。
【発明の実施の態様】
【0065】マウス白血病細胞L−1210(癌研より
入手)を牛胎児血清(大日本製薬社製)を含んだ2ミリ
リッターの培養液(Minimum Essentia
lMedium,Gibco社製;グルタミン、大日本
製薬社製)で30時間、摂氏37度で5%CO2 インキ
ュベーター内で培養し1×106個の細胞になったとこ
ろで、エタノールに溶解した2モルのヨシキソール4マ
イクロリッターを添加し、細胞死を誘発した。その結
果、メチレンブルーの取り込み状態によって細胞の生死
を判定したところ、ヨシキソールの添加後2時間での生
細胞の数は5×104 であり、20時間後にはほとんど
の細胞が死亡し、30時間後には生細胞はゼロであっ
た。培養液内の細胞が死滅したのを再度確認し、次いで
この死滅細胞を含んだ培養液を1分間1000回転で5
分間遠心分離し、その上清を吸引除去した。そして、そ
の沈殿した成分に生理食塩水0.9ccを加え撹拌した
後に1分間1000回転で5分間遠心分離し、この操作
を2回繰り返した。そして、洗浄した残りの沈殿物に生
理食塩水0.9ccを加え撹拌した後に、0.45マイ
クロメーター径であるセルロースアセテートのミリポア
フィルターでロ過した。このロ液をCDF1雄マウス
(チャールズリバー社)1匹当たり0.2ccを腹腔内
に接種した。ロ液の接種後31日に既に培養していたマ
ウス白血病細胞L−1210(1×106 /ml)の
0.3ccを対照群である上述のロ液をあらかじめ接種
されていないマウスと既にロ液処理をされた免疫マウス
の腹腔内にそれぞれ投与し、白血病による死亡日時の差
異を観察した。その結果、図1で示す如きに、対照群の
マウスは細胞移植後8日で全例死亡した。一方、ロ液を
処理されたマウスでは細胞移植後12日から死亡例が出
現し、最長生存例は14日まで延長した。この成績は、
あらかじめヨシキソールで細胞が破壊された後に残る物
質を抗原としてマウスの抗体新生を促すことで、白血病
でのマウスの生存期間の延長を誘発することができるこ
とを示したものである。
【0066】マウス白血病細胞のヨシキソールの処理後
に起る形態学的変化について走査型(日本電子社製、J
SM−6000F)電子顕微鏡で検討した。無処理群で
は、培養細胞は表面に豚の鼻先のような中心に孔のあい
た円形ドーナツ形態や海綿状構造や突起構造等の不規則
な構造をしめし、一見“不気味”な様相を呈していた
(図2a)。これに対して、ヨシキソール10マイクロ
リッターを培養液に添加した処置群では、培養細胞はさ
まざまな程度に破壊された細胞が多数あり、細胞間の接
着や凝集も認められず、自然死またはアポトーシスとい
われている形態像に限りなく近いものであった(図2
b)。この細片化された細胞組成物(10−100ナノ
メーター)の粒子状物質、主にプロテオグリカン、が抗
原として作用し、マクロファージやリンパ球等のファゴ
サイトーシス作用を容易に受け、生体での生理的な免疫
監視機構にこれらの粒子状物質が組み込まれることを示
している。
【0067】上記のマウスの生存期間の評価において、
それぞれのマウスが死亡した時点での光学顕微鏡レベル
での病理学的検討を行った。マウスの心臓、肝臓、腎
臓、肺、ヒ臓、そして小腸の小片を緩衝10%フォルム
アルデヒド溶液で固定し、パラフィン包埋ののち、切片
を作成しHE染色を施し、観察した。無処置群では、各
臓器に白血病細胞の浸潤が著しく、肝臓では門脈系の拡
張欝血、血管壁の破壊等の組織像が認められ、肺では肺
胞の破壊、さらに血管からの新生結節が顕著であった。
また、解剖時には腹水は血性で有るのも特徴的であっ
た。一方、感作をした処置群では、概ねの組織像は無処
置群と似たものであるが、それぞれの特徴的所見の程度
は軽度であった。何れにしても死亡した時点での所見と
言えども、その質的な差は腹水が血性でないことを除い
て、概ね類似したものであった。この成績は、移植した
白血病細胞によって起る血性腹水の発現を阻止する生物
学的機序(血管壁破壊等)に対して、本発明のワクチン
処理が少なくても関係していることを推察させるもので
ある。
【0068】マウス白血病細胞L−1210(癌研より
入手)を牛胎児血清(大日本製薬社製)を含んだ2ミリ
リッターの培養液(Minimum Essentia
lMedium,Gibco社製;グルタミン、大日本
製薬社製)で30時間、摂氏37度で5%CO2 インキ
ュベーター内で培養し1×106 個の細胞になったとこ
ろで、エタノールに溶解した2モルのヨシキソール4マ
イクロリッターを添加し、細胞死を誘発した。培養液内
の細胞が死滅したのを再度確認し、次いでこの死滅細胞
を含んだ培養液を1分間1000回転で5分間遠心分離
し、その上清を吸引除去した。そして、その沈殿した成
分に生理食塩水0.9ccを加え撹拌した後に1分間1
000回転で5分間遠心分離し、この操作を2回繰り返
した。そして、洗浄した残りの沈殿物に生理食塩水0.
9ccを加え撹拌した後に、0.45マイクロメーター
径であるセルロースアセテートのミリポアフィルターで
ロ過した。このロ液を兎1羽当たり1ccを静脈内に投
与した。投与後1ヵ月で兎をネンブタール麻酔したの
ち、脱血屠殺した。この血液を直ちに遠心分離し、血球
成分を除去して、血清を確保した。この兎血清にマウス
白血病細胞に対する抗体(免疫グロブリン)が作られて
いるか否かを寒天ゲル拡散法で羊血清に対する兎の血清
抗体(Jackson ImmunoResearch
Lab,PA,USA)で検討した。その結果、図3
で示す如きに新たな免疫グロブリンのバンドが形成され
ていることが確認された。
【0069】尚、本実施例で示した対照としての兎血清
は、次の様にして作成された。本実施例で使用した同系
同種で同じ親から産まれた日本白色兎に、エタノールに
溶解した2モルのヨシキソールを体重当たり10マイク
ロリッターの割合で5ミリリッターのそれぞれの培養液
や液体培地に混和し、0.45マイクロメーター径であ
るセルロースアセテートのミリポアフィルターでロ過し
たのち、兎の耳静脈から約3分間をかけてゆっくりと投
与した。投与直後から1ヵ月に渡って何らの異常が認め
られなかった。投与後1ヵ月で兎をネンブタール麻酔し
たのち、脱血屠殺した。この血液を直ちに遠心分離し、
血球成分を除去して、血清を確保し、対照(コントロー
ル)の兎血清とした。
【0070】また、本実施例で用いた免疫電気泳動法
は、次の手順で実施した。しかし、この検討方法によっ
て、本発明が何ら制約されるものでない。まず寒天 ア
ガー(和光純薬)1gを0.03M ベロナール緩衝液
100mlで加温溶解して1%寒天ゾルを作成した。ベ
ロナール緩衝液(pH8.6)は5,5−ジエチルバル
ビツール酸(和光純薬)、5,5−ジエチルバルビツー
ル酸ナトリウム(和光純薬)、窒化ナトリウム(和光純
薬)から作成した。操作手順としては、まずエタノール
で脱脂したガラス板(10×10cm)に寒天ゾルを流
して固めたのち、グラフ用紙に、血清を添加する原点の
位置および溝の配置図を書き、寒天平板をのせて、サン
プル用の穴をあけ、抗体用の溝を切って寒天プレートを
作成した。次いで、ブロムフェノールブルー(和光純
薬)を加えた試験用の兎血清サンプルを4ulをサンプ
ル孔にセットした。そして、寒天平板を泳動槽にセット
し、電気泳動装置(電源ATT0−Power Sta
tion 1000VC)を用いて定電流2−3mA/
cmで約18時間時間Ouchterlony法に準じ
て免疫電気泳動した後、寒天平板を取りだし、抗体用の
先にマークしておいた溝部分の寒天を取り除く。この溝
に58mg/ml濃度の羊抗ウサギ血清(Jackso
n ImmunoResearch Lab,PA,U
SA)を添加し、湿潤箱の中で乾燥を防ぎながら、室温
で一晩反応させた。その後、生理食塩水に一日浸し、さ
らに不純物の付着を除去するために蒸留水に一日浸す。
そして、観察評価を明確にするために、CBB染色液
(和光純薬)で40分染色したのち蒸留水で脱色洗浄を
して、ビデオ収録の後にデジタル信号処理して、画像解
析ならびに描出した。判定には、沈降線の位置、鮮明
度、曲率半径や対称性を指標にして判定した。一般的に
新たに作られた抗体(サンプル血清)が多い場合には、
沈降線の位置は溝に入れた抗体側に傾き鮮明度がぼけ
る。新たに作られた抗体の量が少ない場合には、位置は
サンプルを入れた孔の軸に近く、サンプル側の鮮明度が
悪くなる。さらに低分子の場合は、溝に入れた抗体側に
傾き、曲率半径は大きくなる。反対に、高分子の場合に
は、サンプル側に近く曲率半径は小さくなる。均一性の
場合には、沈降線が対称になり、不均一の場合には非対
称性になることが知られている。
【0071】マウスメラノーマ細胞(B16株、理化学
研究所細胞バンクより購入)を牛胎児血清(大日本製薬
社製)を含んだ2ミリリッターの培養液(Minimu
mEssential Medium,Gibco社
製;グルタミン、大日本製薬社製)で30時間、摂氏3
7度で5%CO2 インキュベーター内で培養し2×10
5 個の細胞になったところで、エタノールに溶解した2
モルのヨシキソール4マイクロリッターを添加し、細胞
死を誘発した。次いでこの死滅細胞を含んだ培養液を1
分間1000回転で5分間遠心分離し、その上清を吸引
除去した。そして、その沈殿した成分に生理食塩水0.
9ccを加え撹拌した後に1分間1000回転で5分間
遠心分離し、この操作を2回繰り返した。そして、洗浄
した残りの沈殿物に生理食塩水0.9ccを加え撹拌し
た後に、0.45マイクロメーター径であるセルロース
アセテートのミリポアフィルターでロ過した。このロ液
をC57BL6週齢雌マウス(日本SCL)1匹当たり
0.2ccを腹腔内に接種した。ロ液の接種後30日目
に、既に培養していたマウスメラノーマ細胞(2×10
5 )の0.3ccを対照群である上述のロ液をあらかじ
め接種されていないマウスと既にロ液処理をされた免疫
マウスのフットパットに接種し、メラノーマ細胞B16
の局所での増殖程度と肺への転移程度を観察した。その
結果、図4で示す如きに、対照群のマウスは細胞移植後
45日で膝関節から遠位側四肢の重量増加は平均120
ミリグラムであり、一方、ロ液を処理されたマウスでは
細胞移植後45日で平均11ミリグラムであった。さら
に、病理解剖的に肺への転移状態を計測すると、対照群
では平均122個以上である一方、処理群では平均10
個以下と少なかった。この成績は、あらかじめヨシキソ
ールで細胞が破壊された後に残る物質を抗原としてマウ
スの抗体新生を促すことで、マウスでのメラノーマの増
殖や転移を阻止することができることを示したものであ
る。
【0072】マウスメラノーマ細胞B16のヨシキソー
ルの処理後に起る形態学的変化について走査型(日本電
子社製、JSM−6000F)電子顕微鏡で白血病細胞
の場合と同様に検討した。無処理群では、培養細胞は整
然と石垣様に一面に増殖しており、2核分裂像を示す細
胞もあり、細胞内小器官も正常に認められた。細胞間連
結も空白の部分もなく細胞外基質で充満していた(図5
a参照)。これに対して、ヨシキソール4マイクロリッ
ターを培養液に添加した処置群では、培養細胞はさまざ
まな不規則な形態を示し、細胞膜や細胞内小器官がさま
ざまな程度に破壊された細胞が多数あり、細胞間連結も
不規則に離反しており、細胞外基質もさまざまな大きさ
の点状物として細胞から不規則に離散していた(図5b
参照)。そして、処理群の培養細胞はさまざまな程度に
破壊された細胞が多数あり、細胞間の接着や凝集も認め
られず、自然死またはアポトーシスといわれている形態
像に限りなく近いものである(図5c参照)。この細片
化された細胞組成物(10−100ナノメーター)の粒
子状物質、主にプロテオグリカン、が抗原として作用
し、マクロファージやリンパ球等のファゴサイトーシス
作用を容易に受け、生体での生理的な免疫監視機構にこ
れらの粒子状物質が組み込まれ、分子認識された結果、
生体内でメラノーマ細胞B16を認識できる抗体が産生
されることを形態学的に示しているものである。
【0073】マウスメラノーマ細胞B16(理研細胞バ
ンクより購入)を牛胎児血清(大日本製薬社製)を含ん
だ2ミリリッターの培養液(Minimum Esse
ntial Medium,Gibco社製;グルタミ
ン、大日本製薬社製)で30時間、摂氏37度で5%C
2 インキュベーター内で培養し2×105 個の細胞に
なったところで、エタノールに溶解した2モルのヨシキ
ソール4マイクロリッターを添加し、細胞死を誘発し
た。培養液内の細胞が死滅したのを再度確認し、次いで
この死滅細胞を含んだ培養液を1分間1000回転で5
分間遠心分離し、その上清を吸引除去した。そして、そ
の沈殿した成分に生理食塩水0.9ccを加え撹拌した
後に1分間1000回転で5分間遠心分離し、この操作
を2回繰り返した。そして、洗浄した残りの沈殿物に生
理食塩水0.9ccを加え撹拌した後に、0.45マイ
クロメーター径であるセルロースアセテートのミリポア
フィルターでロ過した。このロ液を兎1羽当たり1cc
を静脈内に投与した。投与後1ヵ月で兎をネンブタール
麻酔したのち、脱血屠殺した。この血液を直ちに遠心分
離し、血球成分を除去して、血清を確保した。この兎血
清にマウスメラノーマ細胞に対する抗体(免疫グロブリ
ン)が作られているか否かを寒天ゲル拡散法で羊血清に
対する兎の血清抗体(Jackson ImmunoR
esearchLab,PA,USA)で検討した。そ
の結果、図6で示す如きに新たな免疫グロブリンのバン
ドが形成されていることが確認された。
【0074】メチシリン耐性性黄色ブドウ球菌(MRS
A)としては、ヒトの敗血症患者から採取培養され、哺
乳動物(マウス、ラット、ラビット、イヌ)で強い循環
ショックを引き起こす菌株(独自株SCK84)を用い
て検討した。培地はブレインハートインヒィジョン寒天
培地(日水製薬社製)を用いた。エタノールで溶解した
2モルのヨシキソール(培養液1ミリリッター当り10
マイクロリッター)の濃度を用いて、菌数7.6×10
8 で37℃の条件で24時間培養後、菌数はゼロであっ
た。この菌数ゼロになった液体培地の0.1ミリリッタ
ーをシャーレ状のハートインヒィジョン寒天培地(栄研
化学社製)に均一に散布して、37℃の条件で48時間
培養したが、1つのコロニーも発育しなかった。上述の
この死菌成分を含んだ培養液5ccを1分間1000回
転で5分間遠心分離し、その上清成分の2.5ccを吸
引除去した。そして、その残った2.5ccに生理食塩
水2.5ccを加え撹拌した後に1分間1000回転で
5分間遠心分離した。この操作を2回繰り返し、そして
洗浄した最終溶液を0.45マイクロメーター径である
セルロースアセテートのミリポアフィルターでロ過し
た。この結果、約3ccの試験液を得た。この試験ロ液
を兎1羽当たり1.5ccを静脈内に投与した。投与後
1ヵ月で兎をネンブタール麻酔したのち、脱血屠殺し
た。この血液を直ちに遠心分離し、血球成分を除去し
て、血清を確保した。この兎血清にMRSAに対する抗
体(免疫グロブリン)が作られているか否かを寒天ゲル
拡散法で羊血清に対する兎の血清抗体(Jackson
ImmunoResearch Lab,PA,US
A)で検討した。その結果、図7で示す如きに新たな免
疫グロブリンのバンドが形成されていることが確認され
た。この成績は、ヨシキソールがグラム陽性菌で他の抗
生物質に耐性を獲得した菌であるMRSAに対しても、
有効な抗体を作成できることを示している。
【0075】真菌に対する効果を検討するために、白癬
菌(Candida Albicans)を用いて検討
した。使用した培地はサブロー培地5ミリリッターであ
り、白癬菌数は(5.2×106 CFU/ミリリッタ
ー)である。エタノールで溶解した2モルのヨシキソー
ル(培養液1ミリリッター当り10マイクロリッター)
の濃度を用いて、菌数108 で37℃の条件でヨシキソ
ール処置群では、1時間後にCFUはゼロになり、3時
間後にもゼロであった。この菌数ゼロになった液体培地
の0.1ミリリッターをシャーレ状のハートインヒィジ
ョン寒天培地(栄研化学社製)に均一に散布して、37
℃の条件で48時間培養したが、1つのコロニーも発育
しなかった。上述のこの死菌成分を含んだ培養液5cc
を1分間1000回転で5分間遠心分離し、その上清成
分の2.5ccを吸引除去した。そして、その残った
2.5ccに生理食塩水2.5ccを加え撹拌した後に
1分間1000回転で5分間遠心分離した。この操作を
2回繰り返し、そして洗浄した最終溶液を0.45マイ
クロメーター径であるセルロースアセテートのミリポア
フィルターでロ過した。この結果、約3ccの試験液を
得た。この試験ロ液を兎1羽当たり1.5ccを静脈内
に投与した。投与後1ヵ月で兎をネンブタール麻酔した
のち、脱血屠殺した。この血液を直ちに遠心分離し、血
球成分を除去して、血清を確保した。この兎血清に白鮮
菌に対する抗体(免疫グロブリン)が作られているか否
かを寒天ゲル拡散法で羊血清に対する兎の血清抗体(J
ackson ImmunoResearch La
b,PA,USA)で検討した。その結果、図8で示す
如きに新たな免疫グロブリンのバンドが形成されている
ことが確認された。この成績は、ヨシキソールによって
白鮮菌を死滅させた後の複合物質によっても、白鮮菌に
対して有効な抗体を作成できることを示している。
【0076】緑膿菌を用いて検討した。培地はハートイ
ンヒィジョン寒天培地(日水製薬社製)を用いた。エタ
ノールで溶解した2モルのヨシキソール(培養液1ミリ
リッター当り10マイクロリッター)の濃度を用いて、
菌数1×108 で37℃の条件でヨシキソール処置群で
は、1時間後にCFUはゼロになり、3時間後にもゼロ
であった。この菌数ゼロになった液体培地の0.1ミリ
リッターをシャーレ状のハートインヒィジョン寒天培地
(栄研化学社製)に均一に散布して、37℃の条件で4
8時間培養したが、1つのコロニーも発育しなかった。
上述のこの死菌成分を含んだ培養液5ccを1分間10
00回転で5分間遠心分離し、その上清成分の2.5c
cを吸引除去した。そして、その残った2.5ccに生
理食塩水2.5ccを加え撹拌した後に1分間1000
回転で5分間遠心分離した。この操作を2回繰り返し、
そして洗浄した最終溶液を0.45マイクロメーター径
であるセルロースアセテートのミリポアフィルターでロ
過した。この結果、約3ccの試験液を得た。この試験
ロ液を兎1羽当たり1.5ccを静脈内に投与した。投
与後1ヵ月で兎をネンブタール麻酔したのち、脱血屠殺
した。この血液を直ちに遠心分離し、血球成分を除去し
て、血清を確保した。この兎血清に緑膿菌に対する抗体
(免疫グロブリン)が作られているか否かを寒天ゲル拡
散法で羊血清に対する兎の血清抗体(Jackson
ImmunoResearch Lab,PA,US
A)で検討した。その結果、図9で示す如きに新たな免
疫グロブリンのバンドが形成されていることが確認され
た。この成績は、ヨシキソールによって緑膿菌を死滅さ
せた後の複合物質によっても、緑膿菌に対して有効な抗
体を作成できることを示している。
【0077】抗酸菌である非定型抗酸菌(Mycoba
cterium Rapid Grower)を用いて
検討した。培地はハートインヒィジョン寒天培地(日水
製薬社製)を用いた。エタノールで溶解した2モルのヨ
シキソール(培養液1ミリリッター当り10マイクロリ
ッター)の濃度を用いて、菌数3.3×105 で37℃
の条件でヨシキソール処置群では、1時間後にCFUは
ゼロになり、3時間後にもゼロであった。この菌数ゼロ
になった液体培地の0.1ミリリッターをシャーレ状の
ハートインヒィジョン寒天培地(栄研化学社製)に均一
に散布して、37℃の条件で72時間培養したが、1つ
のコロニーも発育しなかった。上述のこの死菌成分を含
んだ培養液5ccを1分間1000回転で5分間遠心分
離し、その上清成分の2.5ccを吸引除去した。そし
て、その残った2.5ccに生理食塩水2.5ccを加
え撹拌した後に1分間1000回転で5分間遠心分離し
た。この操作を2回繰り返し、そして洗浄した最終溶液
を0.45マイクロメーター径であるセルロースアセテ
ートのミリポアフィルターでロ過した。この結果、約3
ccの試験液を得た。この試験ロ液を兎1羽当たり1.
5ccを静脈内に投与した。投与後1ヵ月で兎をネンブ
タール麻酔したのち、脱血屠殺した。この血液を直ちに
遠心分離し、血球成分を除去して、血清を確保した。こ
の兎血清に非定型抗酸菌に対する抗体(免疫グロブリ
ン)が作られているか否かを寒天ゲル拡散法で羊血清に
対する兎の血清抗体(Jackson ImmunoR
esearch Lab,PA,USA)で検討した。
その結果、図10で示す如きに新たな免疫グロブリンの
バンドが形成されていることが確認された。この成績
は、ヨシキソールによって非定型抗酸菌を死滅させた後
の複合物質によっても、非定型抗酸菌に対して有効な抗
体を作成できることを示している。
【0078】このような細菌に対するヨシキソールの効
果はその死滅形態にも究めて興味ある所見を示した。M
RSAではそれぞれの菌集落が個々に離反し、個々の細
菌の表面構造は10−50ナノメーター程度の小顆粒が
細胞内から恰も爆発するが如きの様相を示す走査型電子
顕微鏡像(図11a)を示すものから、最終的に花火の
ように小粒子が同心円的に離散した状態を示すものまで
多様性に富んでいた。このような所見は透過型電子顕微
鏡像でも認められた。大腸菌の走査型電子顕微鏡での観
察では、表面が10−50ナノメーター程度の多数の粒
子から構成され、表面の円滑さは認められず、膨張隆起
が出現していた(図11b)。勿論この場合にも菌体の
接着集合は消失しており、最終構造物は細粒子化してい
た。抗酸菌(図11c)や白鮮菌(図11d)でも同じ
変化を認めた。また緑膿菌でも菌体が風船の様に膨らん
だものや、最終的に破裂し細菌構造が細粒子化するのが
観察された(図11e)。この成績はヨシキソールが抗
菌性や殺菌性効果を持っているが、その死滅機序には従
来からの抗菌殺菌剤での変性、壊死、凝固等の作用機序
とは異なり、細菌の接合を阻止し、それぞれの菌種の形
態形成に関わる分子組成に応じて、噴火構造状、爆発構
造状、風船化構造状の形態を示しながら、菌体構成成分
の細粒子化を起こすことが特徴である。このような形態
学的所見は、細胞の種特異的な高分子物質に変換され、
それぞれが種特異的な抗原となることを示すものであ
る。
【0079】また、それぞれの菌の破壊最終構造を電子
顕微鏡で観察すると、あたかもペプチドグリカンの電子
顕微鏡所見に類似した形態変化を示していた。黄色ブド
ウ球菌(図12a)の場合と緑膿菌(図12b)には、
ヨシキソールの処理によって起るそれぞれの最終形態に
近いものと思われる透過型電子顕微鏡写真を示してい
る。この所見は、それぞれの細菌膜を構成しているペプ
チドグルカンがヨシキソールの処理で分離されることに
よって、これらのペプチドグルカンが有効な種特異的な
抗原として作用していることを示している。
【0080】コンドロイチン硫酸(太洋水産社製)5ミ
リグラム、アクチン(Sigma社製)1ミリグラム、
人フィブリノーゲン(Diagnostica Sta
go社製、フランス)0.5ミリグラム、インシュリン
(Novo社製、コペンハーゲン)1.6ミリグラムを
生理食塩水1ミリリッターで混和した混濁液にヨシキソ
ール10マイクロリッターを添加し、0.45マイクロ
メーター径であるセルロースアセテートのミリポアフィ
ルターを通したロ液を兎の静脈内に投与した。投与後1
ヵ月で兎をネンブタール麻酔したのち、脱血屠殺した。
この血液を直ちに遠心分離し、血球成分を除去して、血
清を確保した。この兎血清にコンドロイチン硫酸、アク
チン、人フィブリノーゲン、インシュリンの複合成分に
対する抗体(免疫グロブリン)が作られているか否かを
寒天ゲル拡散法で羊血清に対する兎の血清抗体(Jac
kson ImmunoResearch Lab,P
A,USA)で検討した。その結果、図13で示す如き
に新たな免疫グロブリンのバンドが形成されていること
が確認された。この成績は、ヨシキソールによってあら
かじめコンドロイチンや蛋白質複合体に対して処理して
おくと、抗原とならないコンドロイチンや蛋白質に対し
ても、有効な抗体を作成できることを示している。ま
た、この成績は、ヨシキソール等の抗原物質誘導剤はハ
プテンとしての作用を持っていることを示しているもの
でもある。
【0081】以上本発明の実施の態様について説明した
が、本発明は上記実施の態様に限定されるものではな
く、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能で
あることは言うまでもない。
【0082】本発明の効果や作用について、具体的な例
である国際公開番号W O96/07403で国際公開さ
れた分子発現機能抑制剤の1つであるヨシキソールを用
いて説明したが、前述したように、ここで示した実施の
態様によって、本発明が制約を受けるものではない。
【0083】<作用の要約と一義的作用機序ならびにそ
の意義について>本発明では分子レベルでの認識、機能
発現、情報伝達等の広範囲の具体的な作用効果と抗原、
抗体反応について概略を説明するが、しかし、その科学
的正確性や根拠について、それぞれの文献を例示するこ
とは、本出願の記載範囲を遥かに逸脱しているので、次
の2つを科学的に既知事項の参考として示しておく。<
文献1>Bern and Levy著、Physio
logy, Sanders Publishing
Inc.:<文献2> Roy, Raff, Rob
erts and Watoson, The Mol
ecular Biology of the Cel
l, Gramarland Publishing
Inc.:
【0084】免疫系には、次の2つに大きく分けられて
いる。第1番目の体液性抗体応答(humoral a
ntibody response)では、産生される
抗体が血液に入って循環し、誘導の原因となった異物抗
原と特異的に結合する。抗体が抗原と結合すると食細胞
が抗原を捕食するのが容易になり、また血液中の補体と
よばれるタンパク系がそれによって活性化されて抗原の
破壊を助ける。第2番目の細胞性免疫応答(Cell−
mediated immune response)
は、宿主細胞の表面についている異物抗原と反応する特
殊な細胞を産生する反応である。この細胞は、抗原が感
染性のウイルス等の場合その宿主細胞を殺したり、抗原
を破壊する食細胞など別の細胞産生を誘導したりして抗
原に対処する。また、T細胞(T cell)は細胞性
免疫に関係し、B細胞(B cell)は抗体を産生す
ることも基本的なことである。 B細胞は,クローンご
とに異なった抗原結合部位をもった抗体分子をつくり、
まず最初に細胞は抗体分子を細胞膜に結合し、抗原に対
する細胞表面受容体として働く。ここに抗原が結合する
とそのB細胞は活性化されて増殖し、同じ抗原結合部位
をもつ可溶性の抗体を大量に合成して血中に放出するよ
うになるとされている。
【0085】抗体などのタンパク分子の三次元構造はア
ミノ酸配列のみによって決定されるという事実から、変
性(折りたたみをほどいた)抗体分子は抗原がなくて
も、抗原と結合できる形に再生する。抗原がこの細胞表
面受容体に結合すると、細胞は活性化され、増殖し成熟
する。このように異物抗原は、それと相補的な抗原特異
性をもつ受容体をあらかじめ備えており、応答可能な体
勢にある細胞を選択的に刺激することができる。これが
免疫応答に抗原特異性が出現する理由であり、免疫監視
システムの根源である。また、すべてのタンパク質と、
多糖類を含むほとんどの高分子は抗原になりことができ
ると考えられている。
【0086】抗原の表面にあって、抗体分子またはリン
パ球の受容体のもつ抗原結合部位と結合する部分を、抗
原決定基(antigen determinant)
とよぶ。抗体やリンパ球の受容体と特異的に結合するけ
れども免疫応答を誘起できない分子は、ハプテン(ha
pten)と呼ばれている。ハプテンは、適当な高分子
の担体と結合させると抗原となるものであり、免疫の実
験でよく用いられるハプテンはジニトロフェノール(D
NP)で、通常、タンパク質に結合させて抗原としてい
る。本発明の実施例で示したヨシキソールもハプテンに
なる物質で有ることを本発明で示した。
【0087】どのクラスの抗体にも、膜結合型つまり抗
原に特異的な細胞表面受容体として働くものと、水溶性
の分泌型として存在するものがあるが、IgMとIgD
は休止状態のB細胞表面の抗体の主要な部分を占めてい
るとされている。
【0088】抗原と抗体の結合は、基質と酵素の結合の
ように可逆的である。この結合は、疎水性結合、水素結
合、ファン・デル・ワールス力、イオン相互作用を含む
多くの比較的弱い非共有結合の総合である。これらの弱
い力は、抗原分子が抗体に十分に近づいて、その原子の
配置が抗体表面上の相補的なくぼみにはまりこめるよう
になると有効に働くとされている(鍵と鍵穴の関係とし
て理解されてきている)が、本発明ではさらに分子の量
子熱力学的論理からも妥当であることを示した。また、
ある抗原に対してつくった抗血清は抗原の中のいろいろ
な抗原決定基と反応する多様な抗体の混合物なので、協
力して抗原とクロスリンクをつくるのが普通である。結
合価が適当で大きな凝集の形成のできる組み合わせな
ら、抗原−抗体複合体の大きさは抗原と抗体の相対的モ
ル濃度で決定される。本発明の実施例で用いたヨシキソ
ールの化学特性からしても、本発明のワクチンや抗体の
製造法が妥当なことである。
【0089】抗体分子のイデイオタイプは免疫ネットワ
ークの基礎をなしていることは、現在までの免疫化学の
成果である。抗体は生体を感染から防御するほかに、そ
れ自身が免疫応答の調節に重要な役割を果たしている。
すなわち、ある抗原に対して抗体が分泌され抗原と結合
を起こすと、B細胞上の受容体が抗原と結合できなくな
るので刺激を受けなくなり、その結果として免疫応答は
終結する。これは単純なフィードバック抑制である。さ
らに、抗体は免疫ネットワーク(immunologi
cal network)の一部を構成しており,免疫
調節において、より一層の複雑な役割も果たしている。
生物が生存するために必要とする獲得防御機構でもあ
り、このネットワークシステムにもとづいて種の特異性
や多様性が温存されるものでもある。この進化上の多様
性を利用したのも本発明の意義である。
【0090】また、抗体はそれ自身抗原性をもつ。その
ため、免疫グロブリン鎖のC.V両領域の一部を抗原決
定基として認識した抗体の産生が起こり得るのである。
L.H鎖のV領域の中でも特に抗原結合部位がそのよう
な抗原決定基となる場合に、これをイデイオタイプ(i
diotype)と呼ばれている。異なる抗原結合部位
は、それぞれいくつかのイデイオタイプとなることがで
きるので、動物がもっている何百万という抗原結合部位
は、何百万ものイデイオタイプとなることができる。個
々のイデイオタイプは体内にごく微量しか存在しないの
で、動物は自身の抗体のイデイオタイプに対して免疫寛
容となっておらず、これに対してT・B両細胞の応答を
容易に起こすことができる。
【0091】例えば、抗原Aで免役された動物は、まず
大量の抗A抗体をつくり、次に抗A抗体のイデイオタイ
プに対する抗体を産生すると考えられる。その次には抗
イデイオタイプ抗体に対する抗体をと、この反応は順次
連鎖反応的に続く。この形式の免疫ネットワーク反応が
存在することは、抗原を与えたときに最初の応答で産生
される抗体の大部分が同一のイデイオタイプを示すよう
な場合について証明されている。このような単純な免疫
応答では、イデイオタイプを特異的に認識する抗体の産
生とT細胞の活性化が起こり、その結果として、そのイ
デイオタイプを受容体として持っているリンパ球の活性
化が阻害されたり促進されたりするのである。
【0092】ある個体が自分自身の任意のイデイオタイ
プに対して抗体を作るということの意味は大きい。多
分、抗原結合部位の種類と少なくとも同数のイデイオタ
イプが存在するはずだから、逆に考えると、標準的な抗
原結合部位はそれ自身の免疫系の中で少なくとも一つの
イデイオタイプを認識しなければならないことになる。
このように免疫系の抗原結合部位は、すべてのイデイオ
タイプ−抗イデイオタイプ相互作用の複雑なネットワー
クを潜在的に形成しているのである。また、T・B細胞
は少なくとも若干のイデイオタイプを共有していると思
われるので、どちらのリンパ球もおそらくこの種のネッ
トワークに関与している可能性がある。したがって免疫
応答は、抗原に反応するリンパ球の個々の応答というよ
りも,むしろ免疫系ネットワークの反響的摂動(減衰す
る振動様のもの)として考えることが妥当であるとの考
えも最近提唱されてきている。本発明の基本的考えに一
致するものである。
【0093】このような免疫応答におけるタンパク分解
連鎖反応の中枢成分は補体成分のC3であり,その分解
による活性化が補体活性化反応系列の中心となる反応で
ある。しかしある種の微生物の細胞表層にある多糖類
は、これら膜結合状態になったC3b様分子を保護し、
変性・破壊から守る。補体系の連鎖反応では、種々のタ
ンパク成分の分解によって生物活性をもつ小さなタンパ
クの断片が作られることも知られている。この補体の連
鎖反応は、ごく近傍の膜だけを攻撃するよう厳密に設計
・調節されていると考えられている。このような活性化
成分の失活は,少なくとも二つの方法で起こる。第一
に、血中に特別の阻害タンパクがあってタンパク分解を
受け活性化されると、特定の成分に結合したり切断した
りして連鎖反応の終結に働く場合である。例えば,阻害
タンパクがC1複合体の活性化成分と結合してそれ以上
の作用促進を妨げる。また血中には,別の阻害タンパク
があって、C3bを切断し失活させるのである。これら
の阻害因子がなければ、血清中のC3は第二経路のつく
りだす正のフィードバックの作動によって完全に使い果
たされてしまうはずであることからも十分に考えられる
ことである。第二に、連鎖反応中の活性型成分には不安
定な成分があって、それが調節に重要な役割を果たして
いるということである。このような不安定な成分は、連
鎖反応での適切な成分、あるいはすぐそばの膜に結合し
ない限りすぐに失活してしまい、特にC4とC3bにお
いて顕著である。どちらの成分も、切断を受けて生成す
ると一連の急速なコンフォーメーションの変化を起こし
て、短命な活性型となる。この活性型には疎水性の領域
と、反応性のきわめて高いグルタミン酸側鎖があり、タ
ンパク質にある特殊なチオエステル結合が機械的に切断
されることによって作られる。その結果、このグルタミ
ン酸はすぐ近くの膜のタンパク質か多糖類と共有結合を
形成する。この活性型の半減期はきわめて短いので
(0.1ミリ秒以下),C4やC3bは活性化に必要な
補体成分の結合しているすぐ近傍の膜にしか結合するこ
とができない。したがって、補体の攻撃は微生物の表面
の膜に限られ、近くにある正常な宿主細胞にまでは及ば
ないようになっていると考えられている。またタンパク
側鎖の間のチオエステル結合の切断によって、非常に反
応性の高いカルボニル基が生じそれが別の高分子との共
有結合を起こし、エステル結合かアミド結合が形成され
る。しかしながら、タンパク質のこのような反応能力は
半減期約60マイクロ秒で消失してしまうので、反応を
起こす相手はペプチド結合の切断・活性化の起こったす
ぐ近くの膜に限定されている。このような生物化学的知
識は、本発明の実施例で用いたヨシキソールの化学特性
からしても、本発明の実施例で示した効果を矛盾なく理
解できるものである。
【0094】補体のタンパク分解の連鎖反応を起こす抗
原イデイオタイプ抗体は、溶液中の抗X抗体と結合する
だけでなく、抗原Xに対する受容体として表面に同じ抗
体をもつB細胞とも結合する。B細胞表面の受容体に抗
イデイオタイプ抗体が結合すれば、B細胞の抗原Xに対
する認識・応答能力は阻害される。B細胞とT細胞の受
容体に共通なイデイオタイプは、免疫グロブリンH鎖の
V領域を規定する遺伝子断片でコードされている可能性
も指摘されている。しかし、T細胞受容体はまったく新
しいクラスの免疫グロブリンで、多分抗体分子とは異な
った定常領域をコードする遺伝子群と、普通の抗体のV
H領域をコードする遺伝子断片によって産生されるする
考えもある。同じ抗原と反応するB細胞とT細胞は、細
胞表面の受容体に類似したイデイオタイプ(抗体の抗原
結合部位にある抗原決定基)を発現することも指摘され
ている。本発明の実施例で用いたヨシキソール等でのイ
デイオタイプ抗体の作成は、遺伝子工学的に操作しなく
ても、進化上の多様性を基にしながら、必要とする抗体
を容易に作り出すことができる可能性を示した意義は大
きい。
【0095】細胞障害性T細胞(cytotoxic
T cell)が異種細胞やウイルスに感染した脊椎動
物細胞に出会うと、数日間に渡り活性化してエフェクタ
ー細胞となり、その活性化の引き金となった細胞と特異
的に結合し、これを殺す。抗原に応答して抗体の産生が
起こるためには、ヘルパーT細胞が不可欠だが、T細胞
の助けなしにB細胞を活性化できる抗原もいくつかあ
る。そのようなT細胞非依存性抗原は、通常同一の抗原
決定基がくりかえし構造をとっている大きなポリマーで
ある。調節Tリンパ球が標的細胞を認識する際には、イ
デイオタイプ−抗イデイオタイプ相互作用による方法も
ある。産生抗体のほとんどが同一イデイオタイプである
ような抗体応答では、2通りのヘルパーT細胞が見いだ
される。第一は、B細胞表面の異物抗原を認識するもの
であり、第二はB細胞表面で受容体として働く膜結合型
抗体分子のイデイオタイプであるとされている。いずれ
にしても本発明の実施例で用いたヨシキソール等でのイ
デイオタイプ抗体の作成は、さらなる免疫ネットワーク
の詳細を科学的に究明する一助として貢献できる新たな
可能性を示した意義は大きい。
【0096】再三重複する点もあるが、次のことを記載
しておく。すなわち、イデイオタイプワクチンも注目す
べき型のワクチンとしてその開発が進められているもの
である。この考え方は、抗体分子には抗原決定基と噛み
合うその抗体に固有の他の抗体にはない分子構造があ
り、それを動物に免疫すれば、その部分に対する抗体を
作らせることができるということである。この抗体を抗
イデイオタイプ抗体という。すなわち抗イデイオタイプ
抗体と本来の抗体の抗原結合部(イデイオタイプ)とは
うまく噛み合うはずである。このことは抗原決定基と抗
イデイオタイプ抗体とが共通した構造をしていることを
示している。即ち、抗イデイオタイプ抗体を抗原のかわ
りに使うことができるということになる。本記載はそれ
ぞれの従来から使用されている不活化や弱毒化等の方法
を適宜併用することを排除するものではない。この抗イ
デイオタイプ抗体は抗体分子であるから取扱いが安全で
あり、またそれぞれの生命体の種特異性を究めて特異的
に複合的に誘発することができる。すなわち、DNA組
み換え法ではペプチドの部分は同じでも糖鎖の部分が違
ってしまう可能性があるが、このイデイオタイプ抗体型
のワクチンや抗イデイオタイプ抗体型のワクチンでは究
めて本来的な抗体に近似させることができる等の特徴が
ある。
【0097】免疫学的監視機構の1つとして、腫瘍細胞
に対する免疫応答が生じるような抗原があり、これを腫
瘍関連抗原という。この腫瘍関連抗原には、個体発生の
一時期に存在し、その後消失したものが腫瘍化により再
び出現した抗原(α−fetoprotein等)、腫
瘍の発生した組織とは別の組織の抗原が腫瘍化によって
出現したもの,自分にはもともと存在しない同種抗原が
腫瘍化により発現したもの、腫瘍ウイルス由来の抗原、
癌遺伝子の活性化に伴いそれによって発現した抗原、腫
瘍化に伴う代謝異常により細胞膜物質の糖鎖に変化を生
じ新しい抗原となったもの、B細胞系の腫瘍では表面免
疫グロブリンのイデイオタイプ等がある。これらの中
で、いかなる正常細胞にもなく、腫瘍細胞にしか発現さ
れていないものを腫瘍特異抗原というが,その実在が確
認されたものは今のところ少なく、遺伝子レベルで精力
的な検討がなされている。本発明は腫瘍細胞の特異性を
国際公開番号W O96/07403で国際公開された分
子発現機能抑制剤で開示されている抗癌作用を利用し、
その作用によって腫瘍細胞がそれぞれの細胞の機能や形
態によって、限りなく微細構造に破壊されることやアポ
トーシスに類似した細胞死を発現することを利用したも
のである。この限りなく特異的に細粒子化された複合物
質を抗原として利用することは、限りなく元の腫瘍細胞
に特異的な抗体を複合的に誘発することが可能である。
また、このイデイオ抗体を抗原として、さらなる精度の
高い特異的抗体を作成することができる。
【0098】また、抗腫瘍免疫を利用して腫瘍を治療し
ようという試みがなされている。腫瘍に対する生体反応
を増強すると考えられるような物質をBRM(biol
ogical response modifier)
という。これらには細菌由来物質・担子菌由来物質・抗
生物質・サイトカイン(インターロイキン2・インター
フェロン・TNFなど)などが用いられており、さまざ
まな検討がなされている。また、観血的手術や内視鏡等
による摘除、摘出、切除、バイオプシ等の方法で得た生
体組織を、組織培養法などを利用して、本発明で記載し
た抗原物質誘導剤を使用して製造するイデイオ抗体やこ
のイデイオ抗体を抗原として作成した抗体にも利用でき
る。すなわち、患者自身の組織特異性と癌特異性等の諸
課題を、究めて個人個々や発生病変の多様的変異に対処
した抗腫瘍効果を醸し出すことが可能である。この可能
性については、実験動物で同系動物を使い、ある動物に
発生した腫瘍細胞を適当な方法で殺しておいて、他の健
康な動物に注射しておく。何の処置もしていない動物に
生きた腫瘍を植えるとその腫瘍は生着し、増殖してその
動物を腫瘍死させてしまう。ところが,予め処置をして
おいた動物では、腫瘍が生着せず、拒絶されてしまうと
いうことが観察される。このことは、予防接種をしたこ
とにより感染症が発症しないですむことにきわめて類似
していることであるが、その細胞を適切に殺すことの具
体的且つ再現性のある方法が提案されていない。本発明
での基本論理は、分子生物学的に妥当な機能の停止や阻
止することが示された国際公開番号W O96/0740
3で国際公開された分子発現機能抑制剤と表裏一体をな
すものであり、具体的な例示(抗癌、制癌作用等)とと
もにその生物医学的論理を開示したものである。本発明
は,高度な選択性、特異性をもったワクチン、イデイオ
抗体、イデイオ抗体を抗原とした抗体を提供でき、特異
的に活性化される免疫応答を計画的に操作することによ
って、感染予防ならびに治療することは従来から期待さ
れていることが可能である。本発明の抗原物質誘導剤を
使用して製造するワクチン前駆体およびワクチン、抗
体、中和抗体または抗毒素、さらに抗原物質誘導剤を使
用して製造するイデイオ抗体、イデイオ抗体を使用して
製造するワクチン、抗体、中和抗体または抗毒素等は究
めて有用且つ待望されるものである。
【0099】また本発明の抗原物質誘導剤を使用して製
造するワクチン前駆体およびワクチン、抗体、中和抗体
および抗毒素、イデイオ抗体、それによって製造された
イデイオ抗体を使用して製造するワクチン、抗体、中和
抗体および抗毒素などは、それぞれのレセプターの分子
認識を選択的、または特異的に制御できるものである。
【0100】本発明の基本的な意義としては、生命体ま
たは非生命体を構成している高分子物質が作り出す多次
元構造によって発現する多様な形態から、従来の有機溶
媒や熱、紫外線や超音波等で破壊抽出して抗原物質を得
るのではなく、高分子物質の持っている多次元構造によ
って発現する生物学的機能の阻害ならびに機能変化を量
子熱力学的に起こし、かつ限りなく種の基本形態構造に
近い状態での抗原物質を得ることとそれによって多様性
に富む物質に対する物質認識を保持した抗体の産生が生
体内でもできることを、具体例を持って初めて示した点
である。また、今だ複雑多岐に及ぶ生体免疫監視信号発
信、受信やその解読等の生体信号伝達系や情報処理系の
不明な点を解決する1手段としての具体的方法を示した
意義は医療上は勿論のこと、産業上の意義も大きいもの
といえる。
【0101】また生物体に対しては、それぞれの種によ
っつて進化論的に決定されて外界との共存生存のために
構築された、細胞膜の種特異性をもった多次元構造によ
って発現する機能の抑制ならびに阻止作用ができること
を本発明で示した意義は大きく、またその機序を分子軌
道論で理解できることを示した科学史的意義は大きい。
加えて、その実用的意義は、本明細書で示した如くであ
る。更に本発明の社会的意義は、その効果は勿論のこ
と、原因不明な疾患の治療や予防にも対処することがで
きる上に、複雑多岐な構造をもった物質の有効利用を効
率的に推進すること等ができることである。例えば、高
分子構造物から成り立っているロ過性病原性微生物であ
るウイルス、なかんずく現在世界的な問題であるHIV
感染症などに対する有効性については、分子生物学的な
既知の科学的事実や本発明の実施例から十分予測出来る
ことである。また医薬品の相互作用、併用薬剤との副作
用発生の予測、生態系を考慮した耐性菌の出現の早期予
測とその予防措置を事前に予測することが可能であるの
みならず、科学史上の原点思索への回帰論理の基礎を本
発明が内包しているので、敢えて本発明の意義を記載し
た。
【0102】本発明の基本的原理について要約する。し
かし、この記載要約によって本発明が何ら制約を受ける
ものでないことは、言うまでもないことである。すなわ
ち、本発明の実施例で示したヨシキソールの生物の破壊
死滅作用や細胞構造の構成要素を非機能的な高分子にま
で分解、細分化する作用を利用して、上記のウイルス、
リケッチャー、原虫、細菌、癌細胞等を死滅させ、その
細分化構造物質を抗原として利用することで、生体に抗
体認識能を獲得させること、さらに抗毒素やワクチンの
製造利用を目的とするものである。また、分子発現機能
抑制剤の分子の立体特異性を熱力学的に変化させること
のできる作用や量子、分子論的機序を利用して中和抗体
や抗体を作成することを目的としたものである。このこ
とは次の分子発現機能抑制剤の1つであるヨシキソール
の効果等からも類推されることである。その効果とは
1)細胞(原核、真核にかかわらず)を10−400ナ
ノメーターの細かな顆粒に破壊することができ、2)細
かな破壊された顆粒の形態像は細胞種に依って異なり、
3)電子線の熱によって変形、溶解しやすいことや、形
態像からペプチドグリカン、プロテオグリカンの構造と
類似しており、4)ペプチドグリカン、プロテオグリカ
ンは細胞の膜構造の形態維持に大切であり、種に依って
異なり、種特異性を醸し出している上に、5) ペプチ
ドグリカン、プロテオグリカンはサイトカインや表面抗
体、さらにレセプターの機能発現、構造形成さらにシグ
ナル伝達(高親和性受容体等)に重要な役割を果たしお
り、さらに6) ペプチドグリカン、プロテオグリカン
はコンドロイチン、フィブリン、コラーゲンなどの細胞
外基質の主要な構成物であり、7)ヨシキソールでアポ
プトーシスを誘導することができ、また8)ヨシキソー
ルの処置後にフローサイトメーターで細胞周期に及ぼす
作用時期を検討すると、細胞周期のG0/G1−ear
ly S stageに影響があることから、RNA−
Proteinの合成期、ならびにG−protein
の燐酸化、メチル化の盛んな時期に影響しており、9)
ヨシキソールの作用として、電子密度や電子軌道(量子
論)に応た作用機序を持ちながら、酵素(例えば、リパ
ーゼ、HIVプロテアーゼやファネシールトランスフェ
ラゼ等)や信号介在物質として知られているG−蛋白質
等々の複合蛋白の多次元構造を変化させ、機能発現を抑
制調節すること等である。
【0103】以上から、ヨシキソールはDNAに依存し
たそれぞれの細胞の多様性を醸し出す形態構成要素や多
様性を醸し出す機能を、限りなく温存した形で、構造の
微細化と機能停止をする。そのために、細胞のそれぞれ
の特異性に依存した(熱、化学処理)物質構造物を得る
ことができる。このような細粒子化された複合高分子物
質を抗原として投与を受けた動物は、投与された複合高
分子物質に対する抗体を自己形成し、産生された抗体は
複合高分子物質のもとの細胞を適切且つ正確に認識し、
侵入した自己と異なる細胞を異物として処理をする。す
なわち、抗原−抗体反応による自己防衛の選択的発動で
あり、新たな免疫監視システムの構築である。細胞等の
増殖、分裂、物質輸送や細胞相互のシグナル伝達を理解
し、利用するためには、現状において今だ十分な科学的
蓄積を積み上げねばならないにしても、細胞の動的活動
状態(化学的反応、物理的反応、その相互作用等)、す
なわち機能発現時の状態における複合物質を抗原とした
本発明で開示したワクチン前駆体、ワクチン、抗体、中
和抗体および抗毒素またはイデイオ抗体及びその抗イデ
イオ抗体によって誘導されるワクチン、抗体、中和抗体
および抗毒素等を提供できることを示している。
【0104】すなわち、ヨシキソールでの処理は、この
超選択的もしくは特異性を醸し出す分子認識作用を獲得
できるものである。これらの本発明にもとづいて作成さ
れた抗体は、生物の自己認識性を元にして多様性の中に
選択性を醸し出すものである。また、複合高分子物質の
うち、特定の分子が単離し、適切なベクターを利用する
ことによって、mRNAからcDNAを利用した遺伝子
工学、細胞融合等の技術を利用して、精製濃縮すること
も容易に可能であることを示している。また、本発明で
使用したヨシキソールは分子量が究めて小さく、ハプテ
ンとしての機能を保持するとともに、プリオン、ウイル
ス、リケッチャー、細菌、細菌毒素、癌細胞、各種疾患
の病的組織臓器(特に難病)等の疾患の直接効果のみな
らず、直接効果を求めた際に付随して発現する生体内で
の免疫監視システムを賦活し、相乗的治療効果を上げる
可能性も必然的に考えられることである。すなわち、自
己免疫系の賦活化(予防的ならびに少ない(致死的でな
い量)病原菌、癌などの生体内発生時点で投与される
と、この死滅細胞などの構築要素(顆粒)が宿主の免疫
系を刺激し、抗体をつくり、以後の増殖、浸潤、などの
生体内での悪循環系を、ポジチブフィードバック的に遮
断する可能性も当然考えられることである。
【0105】さらに、生物等が作る毒素などを試験管内
で処理し、その処理液を生物体内で認識させ、毒素に特
異的な中和抗体を作成できる可能性や試験検査用抗体を
計画的に設計、製造することは言うまでもないことであ
る。そして人口的複合高分子物質などの抗体作成を生体
内でおこなわせ、生成された抗体を分離単離し、そして
人口的複合高分子物質の選択的認識が可能であり、生体
への利用のみならず工業的に必要とされる抗体または分
子認識剤(例えば、抗体触媒)の製造等の応用にも可能
であることは自明のことである。また、コロイド状態
(1種類の物質がもう1つの物質の中に懸濁して沈殿し
ない状態)での物質に対する抗体分子の作成を制御する
ことも可能である。
【0106】また、本発明の実施の態様でも示したよう
な免疫電気泳動法による沈降線から、既存のウエスタン
ブロッティング法やプロテインシーケンサー等で蛋白配
列解析法やさらに液体クロマトグラムや質量分析計等の
計測機器を利用することによって、より目的とする抗体
物質の組成特定や構造解析をすることが出来ることは言
うまでもないことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る抗原物質誘導剤を用いて
製造するワクチン前駆体、ワクチン、抗体、中和抗体お
よび抗毒素、イデイオ抗体及びこのイデイオ抗体によっ
て誘導される抗イデイオ抗体の一実施例のマウス白血病
L1210の生存率を評価したグラフである。
【図2】図2aは、本発明に係る抗原物質誘導剤を用い
る前のマウス白血病L1210の電子顕微鏡写真であ
り、図2bは抗原物質誘導剤を用いた後のマウス白血病
L1210の死滅形態を示した電子顕微鏡写真である。
プロテオグリカン等の膜成分を含んだ細かい粒状構造が
出現しているのがわかる。
【図3】図3は、本発明に係る抗原物質誘導剤を用いて
製造するワクチン前駆体、ワクチン、抗体、中和抗体お
よび抗毒素、イデイオ抗体及びこのイデイオ抗体によっ
て誘導される抗イデイオ抗体の一実施例のマウス白血病
L1210に対する新規な抗体産生が兎の血清に起って
いることを示す免疫電気泳動の図である。
【図4】図4は、本発明に係る抗原物質誘導剤を用いて
製造するワクチン前駆体、ワクチン、抗体、中和抗体お
よび抗毒素、イデイオ抗体及びこのイデイオ抗体によっ
て誘導される抗イデイオ抗体の一実施例のマウス メラ
ノーマB16の移植四肢重量変化と肺転移数を評価した
グラフである。
【図5】図5は、本発明に係る抗原物質誘導剤を用いて
マウスメラノーマB16細胞の形態変化を観察したもの
であり、図5aは無処置時の位相差顕微鏡像、図5bは
処置後の位相差顕微鏡像、図5cは走査型電子顕微鏡像
を示している。
【図6】図6は、本発明に係る抗原物質誘導剤を用いて
製造するワクチン前駆体、ワクチン、抗体、中和抗体お
よび抗毒素、イデイオ抗体及びこのイデイオ抗体によっ
て誘導される抗イデイオ抗体の一実施例のマウスメラノ
ーマB16に対する新規な抗体産生が兎の血清に起って
いることを示す免疫電気泳動の図である。
【図7】図7は、本発明に係る抗原物質誘導剤を用いて
製造するワクチン前駆体、ワクチン、抗体、中和抗体お
よび抗毒素、イデイオ抗体及びこのイデイオ抗体によっ
て誘導される抗イデイオ抗体の一実施例のメシチリン耐
性黄色ブドウ球菌に対する新規な抗体産生が兎の血清に
起っていることを示す免疫電気泳動の図である。
【図8】図8は、本発明に係る抗原物質誘導剤を用いて
製造するワクチン前駆体、ワクチン、抗体、中和抗体お
よび抗毒素、イデイオ抗体及びこのイデイオ抗体によっ
て誘導される抗イデイオ抗体の一実施例の白鮮菌に対す
る新規な抗体産生が兎の血清に起っていることを示す免
疫電気泳動の図である。
【図9】図9は、本発明に係る抗原物質誘導剤を用いて
製造するワクチン前駆体、ワクチン、抗体、中和抗体お
よび抗毒素、イデイオ抗体及びこのイデイオ抗体によっ
て誘導される抗イデイオ抗体の一実施例の緑膿菌に対す
る新規な抗体産生が兎の血清に起っていることを示す免
疫電気泳動の図である。
【図10】図10は、本発明に係る抗原物質誘導剤を用
いて製造するワクチン前駆体、ワクチン、抗体、中和抗
体および抗毒素、イデイオ抗体及びこのイデイオ抗体に
よって誘導される抗イデイオ抗体の一実施例の抗酸菌に
対する新規な抗体産生が兎の血清に起っていることを示
す免疫電気泳動の図である。
【図11】図11aは、本発明に係る抗原物質誘導剤を
用いた後のメシチリン耐性黄色ブドウ球菌の死滅形態を
示した電子顕微鏡写真である。図11b、図11c、図
11d、図11eのそれぞれは、大腸菌、白鮮菌、緑膿
菌、そして抗酸菌の死滅形態を示した電子顕微鏡写真で
ある。それぞれの細菌の膜成分を含んだ細かい粒状構造
が出現しているのがわかる。
【図12】図12aは、本発明に係る抗原物質誘導剤を
用いた後のメシチリン耐性黄色ブドウ球菌の死滅形態を
示した透過型電子顕微鏡写真である。図12bは大腸菌
の死滅形態を示した透過型電子顕微鏡写真である。プロ
テオグリカン等の膜成分を含んだ構造形態になっている
のがわかる。
【図13】図13は、本発明に係る抗原物質誘導剤を用
いて製造するワクチン前駆体、ワクチン、抗体、中和抗
体および抗毒素、イデイオ抗体及びこのイデイオ抗体に
よって誘導される抗イデイオ抗体の一実施例のコンドロ
イチン硫酸、フィブリノーゲン、アクチン、インシュリ
ンの複合溶液に対する新規な抗体産生が兎の血清に起っ
ていることを示す免疫電気泳動の図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (54)【発明の名称】 抗原物質誘導剤、及びワクチン前駆体、ワクチン、抗体 、中和抗体、抗 毒素、イデイオ抗体並びにこのイデイオ 抗体によって誘導される抗イデ イオ抗体

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式1のa 【化1】 (ただし、式中(i)R1、R2、R3、R4、R5及
    びR6はそれぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;C1
    〜C6アルキル基;アミジノ基;C3〜C8シクロアル
    キル基;C1〜C6アルコキシC1〜C6アルキル基;
    アリール基;アリル基;ベンゼン、ナフタレン及びアン
    トラセン環から成る群より選ばれる芳香族環に1若しく
    は2以上のC1〜C6アルキル基が結合したアラルキル
    基;C1〜C6アルキレン基;ベンゾイル基;シンナミ
    ル基;シンナモイル基;又はフロイル基であり、(i
    i)Aは水素原子又は 【化2】 であり、(ただし、 R7はC1〜C6アルキル基;スルフィド基;又はフォ
    スフェイト基であり、R8及びR9はそれぞれ独立に水
    素原子;ハロゲン原子;直鎖状若しくは分岐状C1〜C
    6アルキル基;アリール基;アリル基;ベンゼン、ナフ
    タレン及びアントラセン環から成る群より選ばれる芳香
    族環に1若しくは2以上のC1〜C6アルキル基が結合
    したアラルキル基;C1〜C6アルキレン基;ベンゾイ
    ル基;シンナミル基;シンナモイル基;又はフロイル基
    である)(iii)R1、R2、R3及びR4のいずれ
    か並びに/又はR5及びR6のいずれかは置換若しくは
    非置換シクロペンチル基;置換若しくは非置換シクロヘ
    キシル基;又は置換若しくは非置換ナフチル基であって
    もよく、(iv)R5及びR6は他の縮合多環式炭化水
    素化合物又はヘテロ環系化合物と結合して環を形成して
    いてもよく、(v)R3、R4、R5及びR6は、ハロ
    ゲン原子、シアノ基、保護されていてもよいカルボキシ
    ル基、保護されていてもよいヒドロキシル基、保護され
    ていてもよいアミノ基、C1〜C6アルキル基、C1〜
    C6アルコキシ基、C1〜C7アルコキシカルボニル
    基、アリール基、C3〜C6シクロアルキル基、C1〜
    C6アシルアミノ基、C1〜C6アシルオキシ基、C2
    〜C6アルケニル基、C1〜C6トリハロゲノアルキル
    基、C1〜C6アルキルアミノ基及びジC1〜C6アル
    キルアミノ基から成る群より選ばれる1つ以上の置換基
    により置換されていてもよく、(vi)R2及びR5
    は、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、保護されて
    いてもよいカルボキシル基、保護されていてもよいヒド
    ロキシル基、保護されていてもよいアミノ基、保護され
    ていてもよいC1〜C6アルキルアミノ基、保護されて
    いてもよいC1〜C6アミノアルキル基、保護されてい
    てもよいC1〜C6アルキルアミノC1〜C6アルキル
    基、保護されていてもよいC1〜C6ヒドロキシアルキ
    ル基及びC3〜C6シクロアルキルアミノ基から成る群
    より選ばれる1つ以上の置換基で置換されていてもよ
    く、(vii)R3、R4、R5及びR6がアルキル基
    の場合には、該アルキル基の末端がC3〜C8シクロア
    ルキル基によって置換されていてもよい)で示される化
    合物を有効成分とする抗原物質誘導剤。
  2. 【請求項2】 前記(i)(ii)及び(v)における
    アリール基は、フェニル、トリル、キシリル又はナフチ
    ル基であり、前記(iii)における前記置換シクロペ
    ンチル基はシクロペンチルアミノ基又はシクロペンチル
    カルビノール基であり、前記置換シクロヘキシル基はシ
    クロヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアルデヒド基又
    はシクロヘキシル酢酸基であり、前記置換ナフチル基は
    ナフチルアミノ基又はナフチルアミノスルフォン酸基で
    あり、前記(iv)における縮合多環式炭化水素化合物
    はペンタレン、インデン、ナフタレン、アズレン、ヘプ
    タレン、ビフェニレン、インダセン、アセナフチレン、
    フルオレン、フェナレン、フェナントエン、アントラセ
    ン、ペンタセン、ヘキサセン、ジベンゾフェナントレ
    ン、1H−シクロペンタシクロオクテン又はベンゾシク
    ロオクテンであり、前記ヘテロ環系化合物はフラン、チ
    オフェン、ピロール、γ−ピラン、γ−チオピラン、ピ
    リジン、チアゾール、イミダゾールピリミジン、インド
    ール又はキノリンである請求項1に記載の抗原物質誘導
    剤。
  3. 【請求項3】 一般式1のb 【化3】 (ただし、式中(i)R1、R2、R3、R4、R5、
    R6、R10及びR11はそれぞれ独立ノ 水素原子;ハ
    ロゲン原子;C1〜C6アルキル基;アミジノ基;C3
    〜C8シクロアルキル基;C1〜C6アルコキシC1〜
    C6アルキル基;アリール基;アリル基;ベンゼン、ナ
    フタレン及びアントラセン環から成る群より選ばれる芳
    香族環に1若しくは2以上のC1〜C6アルキル基が結
    合したアラルキル基;C1〜C6アルキレン基;ベンゾ
    イル基;シンナミル基;シンナモイル基;又はフロイル
    基であり、(ii)Aは水素原子又は 【化4】 であり、(ただし、 R7はC1〜C6アルキル基;スルフィド基;又はフォ
    スフェイト基であり、R8及びR9はそれぞれ独立に水
    素原子;ハロゲン原子;直鎖状若しくは分岐状C1〜C
    6アルキル基;アリール基;アリル基;ベンゼン、ナフ
    タレン及びアントラセン環から成る群より選ばれる芳香
    族環に1若しくは2以上のC1〜C6アルキル基が結合
    したアラルキル基;C1〜C6アルキレン基;ベンゾイ
    ル基;シンナミル基;シンナモイル基;又はフロイル基
    である)(iii)R1、R2、R3及びR4のいずれ
    か並びに/又はR5、R6、R10及びR11のいずれ
    かは置換若しくは非置換シクロペンチル基;置換若しく
    は非置換シクロヘキシル基;又は置換若しくは非置換ナ
    フチル基であってもよく、(iv)R5、R6、R10
    及びR11は他の縮合多環式炭化水素化合物又はヘテロ
    環系化合物と結合して環を形成していてもよく、(v)
    R3、R4、R5、R6、R10及びR11は、ハロゲ
    ン原子、シアノ基、保護されていてもよいカルボキシル
    基、保護されていてもよいヒドロキシル基、保護されて
    いてもよいアミノ基、C1〜C6アルキル基、C1〜C
    6アルコキシ基、C1〜C7アルコキシカルボニル基、
    アリール基、C3〜C6シクロアルキル基、C1〜C6
    アシルアミノ基、C1〜C6アシルオキシ基、C2〜C
    6アルケニル基、C1〜C6トリハロゲノアルキル基、
    C1〜C6アルキルアミノ基及びジC1〜C6アルキル
    アミノ基から成る群より選ばれる1つ以上の置換基によ
    り置換されていてもよく、(vi)R2及びR5は、ハ
    ロゲン原子、C1〜C6アルキル基、保護されていても
    よいカルボキシル基、保護されていてもよいヒドロキシ
    ル基、保護されていてもよいアミノ基、保護されていて
    もよいC1〜C6アルキルアミノ基、保護されていても
    よいC1〜C6アミノアルキル基、保護されていてもよ
    いC1〜C6アルキルアミノC1〜C6アルキル基、保
    護されていてもよいC1〜C6ヒドロキシアルキル基及
    びC3〜C6シクロアルキルアミノ基から成る群より選
    ばれる1つ以上の置換基で置換されていてもよく、(v
    ii)R3、R4、R5、R6、R10及びR11がア
    ルキル基の場合には、該アルキル基の末端がC3〜C8
    シクロアルキル基によって置換されていてもよい)で示
    される化合物を有効成分とする抗原物質誘導剤。
  4. 【請求項4】 前記(i)(ii)及び(v)における
    アリール基は、フェニル、トリル、キシリル又はナフチ
    ル基であり、前記(iii)における前記置換シクロペ
    ンチル基はシクロペンチルアミノ基又はシクロペンチル
    カルビノール基であり、前記置換シクロヘキシル基はシ
    クロヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアルデヒド基又
    はシクロヘキシル酢酸基であり、前記置換ナフチル基は
    ナフチルアミノ基又はナフチルアミノスルフォン酸基で
    あり、前記(iv)における縮合多環式炭化水素化合物
    はペンタレン、インデン、ナフタレン、アズレン、ヘプ
    タレン、ビフェニレン、インダセン、アセナフチレン、
    フルオレン、フェナレン、フェナントエン、アントラセ
    ン、ペンタセン、ヘキサセン、ジベンゾフェナントレ
    ン、1H−シクロペンタシクロオクテン又はベンゾシク
    ロオクテンであり、前記ヘテロ環系化合物はフラン、チ
    オフェン、ピロール、γ−ピラン、γ−チオピラン、ピ
    リジン、チアゾール、イミダゾールピリミジン、インド
    ール又はキノリンである請求項3に記載の抗原物質誘導
    剤。
  5. 【請求項5】 一般式2 【化5】 (ただし、式中(i)R1、R2、R3、R4、R5及
    びR6はそれぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;C1
    〜C6アルキル基;アミジノ基;C3〜C8シクロアル
    キル基;C1〜C6アルコキシC1〜C6アルキル基;
    アリール基;アリル基;ベンゼン、ナフタレン及びアン
    トラセン環から成る群より選ばれる芳香族環に1若しく
    は2以上のC1〜C6アルキル基が結合したアラルキル
    基;C1〜C6アルキレン基;ベンゾイル基;シンナミ
    ル基;シンナモイル基;又はフロイル基であり、(i
    i)R1、R2、R3及びR4のいずれか並びに/又は
    R5及びR6のいずれかは置換若しくは非置換シクロペ
    ンチル基;置換若しくは非置換シクロヘキシル基;又は
    置換若しくは非置換ナフチル基であってもよく、(ii
    i)R5及びR6は他の縮合多環式炭化水素化合物又は
    ヘテロ環系化合物と結合して環を形成していてもよく、
    (iv)R3、R4、R5及びR6は、ハロゲン原子、
    シアノ基、保護されていてもよいカルボキシル基、保護
    されていてもよいヒドロキシル基、保護されていてもよ
    いアミノ基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコ
    キシ基、C1〜C7アルコキシカルボニル基、アリール
    基、C3〜C6シクロアルキル基、C1〜C6アシルア
    ミノ基、C1〜C6アシルオキシ基、C2〜C6アルケ
    ニル基、C1〜C6トリハロゲノアルキル基、C1〜C
    6アルキルアミノ基及びジC1〜C6アルキルアミノ基
    から成る群より選ばれる1つ以上の置換基により置換さ
    れていてもよく、(v)R2及びR5は、ハロゲン原
    子、C1〜C6アルキル基、保護されていてもよいカル
    ボキシル基、保護されていてもよいヒドロキシル基、保
    護されていてもよいアミノ基、保護されていてもよいC
    1〜C6アルキルアミノ基、保護されていてもよいC1
    〜C6アミノアルキル基、保護されていてもよいC1〜
    C6アルキルアミノC1〜C6アルキル基、保護されて
    いてもよいC1〜C6ヒドロキシアルキル基及びC3〜
    C6シクロアルキルアミノ基から成る群より選ばれる1
    つ以上の置換基で置換されていてもよく、(vi)R
    3、R4、R5及びR6がアルキル基の場合には、該ア
    ルキル基の末端がC3〜C8シクロアルキル基によって
    置換されていてもよい)で示される化合物を有効成分と
    する抗原物質誘導剤。
  6. 【請求項6】 前記(i)及び(iv)におけるアリー
    ル基は、フェニル、トリル、キシリル又はナフチル基で
    あり、前記(ii)における前記置換シクロペンチル基
    はシクロペンチルアミノ基又はシクロペンチルカルビノ
    ール基であり、前記置換シクロヘキシル基はシクロヘキ
    シルアミノ基、シクロヘキシルアルデヒド基又はシクロ
    ヘキシル酢酸基であり、前記置換ナフチル基はナフチル
    アミノ基又はナフチルアミノスルフォン酸基であり、前
    記(iii)における縮合多環式炭化水素化合物はペン
    タレン、インデン、ナフタレン、アズレン、ヘプタレ
    ン、ビフェニレン、インダセン、アセナフチレン、フル
    オレン、フェナレン、フェナントエン、アントラセン、
    ペンタセン、ヘキサセン、ジベンゾフェナントレン、1
    H−シクロペンタシクロオクテン又はベンゾシクロオク
    テンであり、前記ヘテロ環系化合物はフラン、チオフェ
    ン、ピロール、γ−ピラン、γ−チオピラン、ピリジ
    ン、チアゾール、イミダゾールピリミジン、インドール
    又はキノリンである請求項5に記載の抗原物質誘導剤。
  7. 【請求項7】 一般式3のa 【化6】 (ただし、式中(i)R3、R4、R5及びR6はそれ
    ぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;C1〜C6アルキ
    ル基;アミジノ基;C3〜C8シクロアルキル基;C1
    〜C6アルコキシC1〜C6アルキル基;アリール基;
    アリル基;ベンゼン、ナフタレン及びアントラセン環か
    ら成る群より選ばれる芳香族環に1若しくは2以上のC
    1〜C6アルキル基が結合したアラルキル基;C1〜C
    6アルキレン基;ベンゾイル基;シンナミル基;シンナ
    モイル基;又はフロイル基であり、(ii)R3及びR
    4のいずれか並びに/又はR5及びR6のいずれかは置
    換若しくは非置換シクロペンチル基;置換若しくは非置
    換シクロヘキシル基;又は置換若しくは非置換ナフチル
    基であってもよく、(iii)R5及びR6は他の縮合
    多環式炭化水素化合物又はヘテロ環系化合物と結合して
    環を形成していてもよく、(iv)R3、R4、R5及
    びR6は、ハロゲン原子、シアノ基、保護されていても
    よいカルボキシル基、保護されていてもよいヒドロキシ
    ル基、保護されていてもよいアミノ基、C1〜C6アル
    キル基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C7アルコキ
    シカルボニル基、アリール基、C3〜C6シクロアルキ
    ル基、C1〜C6アシルアミノ基、C1〜C6アシルオ
    キシ基、C2〜C6アルケニル基、C1〜C6トリハロ
    ゲノアルキル基、C1〜C6アルキルアミノ基及びジC
    1〜C6アルキルアミノ基から成る群より選ばれる1つ
    以上の置換基により置換されていてもよく、(v)R5
    は、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、保護されて
    いてもよいカルボキシル基、保護されていてもよいヒド
    ロキシル基、保護されていてもよいアミノ基、保護され
    ていてもよいC1〜C6アルキルアミノ基、保護されて
    いてもよいC1〜C6アミノアルキル基、保護されてい
    てもよいC1〜C6アルキルアミノC1〜C6アルキル
    基、保護されていてもよいC1〜C6ヒドロキシアルキ
    ル基及びC3〜C6シクロアルキルアミノ基から成る群
    より選ばれる1つ以上の置換基で置換されていてもよ
    く、(vi)R3、R4、R5及びR6がアルキル基の
    場合には、該アルキル基の末端がC3〜C8シクロアル
    キル基によって置換されていてもよい)で示される化合
    物を有効成分とする抗原物質誘導剤。
  8. 【請求項8】 前記(i)及び(iv)におけるアリー
    ル基は、フェニル、トリル、キシリル又はナフチル基で
    あり、前記(ii)における前記置換シクロペンチル基
    はシクロペンチルアミノ基又はシクロペンチルカルビノ
    ール基であり、前記置換シクロヘキシル基はシクロヘキ
    シルアミノ基、シクロヘキシルアルデヒド基又はシクロ
    ヘキシル酢酸基であり、前記置換ナフチル基はナフチル
    アミノ基又はナフチルアミノスルフォン酸基であり、前
    記(iii)における縮合多環式炭化水素化合物はペン
    タレン、インデン、ナフタレン、アズレン、ヘプタレ
    ン、ビフェニレン、インダセン、アセナフチレン、フル
    オレン、フェナレン、フェナントエン、アントラセン、
    ペンタセン、ヘキサセン、ジベンゾフェナントレン、1
    H−シクロペンタシクロオクテン又はベンゾシクロオク
    テンであり、前記ヘテロ環系化合物はフラン、チオフェ
    ン、ピロール、γ−ピラン、γ−チオピラン、ピリジ
    ン、チアゾール、イミダゾールピリミジン、インドール
    又はキノリンである請求項7に記載の抗原物質誘導剤。
  9. 【請求項9】 R3、R4、R5、R6は水素原子であ
    る請求項7に記載の分子発現機能抑制剤。
  10. 【請求項10】 一般式3のb 【化7】 (ただし、式中(i)R3、R4、R5及びR6はそれ
    ぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;C1〜C6アルキ
    ル基;アミジノ基;C3〜C8シクロアルキル基;C1
    〜C6アルコキシC1〜C6アルキル基;アリール基;
    アリル基;ベンゼン、ナフタレンy びアントラセン環か
    ら成る群より選ばれる芳香族環に1若しくは2以上のC
    1〜C6アルキル基が結合したアラルキル基;C1〜C
    6アルキレン基;ベンゾイル基;シンナミル基;シンナ
    モイル基;又はフロイル基であり、(ii)R3及びR
    4のいずれか並びに/又はR5及びR6のいずれかは置
    換若しくは非置換シクロペンチル基;置換若しくは非置
    換シクロヘキシル基;又は置換若しくは非置換ナフチル
    基であってもよく、(iii)R5及びR6は他の縮合
    多環式炭化水素化合物又はヘテロ環系化合物と結合して
    環を形成していてもよく、(iv)R3、R4、R5及
    びR6は、ハロゲン原子、シアノ基、保護されていても
    よいカルボキシル基、保護されていてもよいヒドロキシ
    ル基、保護されていてもよいアミノ基、C1〜C6アル
    キル基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C7アルコキ
    シカルボニル基、アリール基、C3〜C6シクロアルキ
    ル基、C1〜C6アシルアミノ基、C1〜C6アシルオ
    キシ基、C2〜C6アルケニル基、C1〜C6トリハロ
    ゲノアルキル基、C1〜C6アルキルアミノ基及びジC
    1〜C6アルキルアミノ基から成る群より選ばれる1つ
    以上の置換基により置換されていてもよく、(v)R5
    は、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、保護されて
    いてもよいカルボキシル基、保護されていてもよいヒド
    ロキシル基、保護されていてもよいアミノ基、保護され
    ていてもよいC1〜C6アルキルアミノ基、保護されて
    いてもよいC1〜C6アミノアルキル基、保護されてい
    てもよいC1〜C6アルキルアミノC1〜C6アルキル
    基、保護されていてもよいC1〜C6ヒドロキシアルキ
    ル基及びC3〜C6シクロアルキルアミノ基から成る群
    より選ばれる1つ以上の置換基で置換されていてもよ
    く、(vi)R3、R4、R5及びR6がアルキル基の
    場合には、該アルキル基の末端がC3〜C8シクロアル
    キル基によって置換されていてもよい)で示される化合
    物を有効成分とする抗原物質誘導剤。
  11. 【請求項11】 前記(i)及び(iv)におけるアリ
    ール基は、フェニル、トリル、キシリル又はナフチル基
    であり、前記(ii)における前記置換シクロペンチル
    基はシクロペンチルアミノ基又はシクロペンチルカルビ
    ノール基であり、前記置換シクロヘキシル基はシクロヘ
    キシルアミノ基、シクロヘキシルアルデヒド基又はシク
    ロヘキシル酢酸基であり、前記置換ナフチル基はナフチ
    ルアミノ基又はナフチルアミノスルフォン酸基であり、
    前記(iii)における縮合多環式炭化水素化合物はペ
    ンタレン、インデン、ナフタレン、アズレン、ヘプタレ
    ン、ビフェニレン、インダセン、アセナフチレン、フル
    オレン、フェナレン、フェナントエン、アントラセン、
    ペンタセン、ヘキサセン、ジベンゾフェナントレン、1
    H−シクロペンタシクロオクテン又はベンゾシクロオク
    テンであり、前記ヘテロ環系化合物はフラン、チオフェ
    ン、ピロール、γ−ピラン、γ−チオピラン、ピリジ
    ン、チアゾール、イミダゾールピリミジン、インドール
    又はキノリンである請求項10に記載の抗原物質誘導
    剤。
  12. 【請求項12】 請求項1から11のいずれかに記載の
    抗原物質誘導剤を使用して製造するワクチン前駆体およ
    びワクチン。
  13. 【請求項13】 請求項1から11のいずれかに記載の
    抗原物質誘導剤を使用して製造する抗体ならびに中和抗
    体。
  14. 【請求項14】 請求項1から11のいずれかに記載の
    抗原物質誘導剤を使用して製造する抗毒素。
  15. 【請求項15】 請求項1から11のいずれかに記載の
    抗原物質誘導剤を使用して製造するイデイオ抗体。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載のイデイオ抗体を使
    用して製造するワクチン前駆体またはワクチン。
  17. 【請求項17】 請求項15に記載のイデイオ抗体によ
    って製造される抗体、中和抗体および抗毒素。
  18. 【請求項18】 非生命体である高分子物質等(ペプチ
    ド、蛋白質、脂質、糖蛋白、糖脂質、多糖類等)の人工
    的な抗体である請求項12から17のいずれかに記載の
    ワクチン前駆体、ワクチン、抗体、中和抗体、抗毒素、
    イデイオ抗体及びこのイデイオ抗体によって誘導される
    抗イデイオ抗体。
  19. 【請求項19】 抗菌剤である請求項12から17のい
    ずれかに記載のワクチン前駆体、ワクチン、抗体、中和
    抗体、抗毒素またはイデイオ抗体。
  20. 【請求項20】 抗ウイルス剤である請求項12から1
    7のいずれかに記載のワクチン前駆体、ワクチン、抗
    体、中和抗体、抗毒素またはイデイオ抗体。
  21. 【請求項21】 抗癌剤である請求項12から17のい
    ずれかに記載のワクチン前駆体、ワクチン、抗体、中和
    抗体、抗毒素またはイデイオ抗体。
  22. 【請求項22】 抗原虫(マラリヤ、スピロヘータ等)
    剤である請求項12から17のいずれかに記載のワクチ
    ン前駆体、ワクチン、抗体、中和抗体、抗毒素またはイ
    デイオ抗体。
  23. 【請求項23】 分子識別剤である請求項13または1
    5に記載の抗体またはイデイオ抗体。
  24. 【請求項24】 作用部位を示す標識となる物質を含む
    置換基または標識物をもった標識試薬である請求項13
    または15に記載の抗体またはイデイオ抗体。
  25. 【請求項25】 同種の組織、器官等の組織適合促進剤
    である請求項13または15に記載の抗体またはイデイ
    オ抗体。
  26. 【請求項26】 異種の組織、器官等の組織適合促進剤
    である請求項13または15に記載の抗体またはイデイ
    オ抗体。
  27. 【請求項27】 免疫応答促進剤又は免疫応答制御剤で
    ある請求項13または15に記載の抗体またはイデイオ
    抗体。
  28. 【請求項28】 補体連鎖反応促進剤である請求項13
    または15に記載の抗体またはイデイオ抗体。
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