JPH10211581A - 金属ベローズ構造物,その製造装置およびその溶接方法,アキュムレータおよびその組立方法 - Google Patents

金属ベローズ構造物,その製造装置およびその溶接方法,アキュムレータおよびその組立方法

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JPH10211581A
JPH10211581A JP9027220A JP2722097A JPH10211581A JP H10211581 A JPH10211581 A JP H10211581A JP 9027220 A JP9027220 A JP 9027220A JP 2722097 A JP2722097 A JP 2722097A JP H10211581 A JPH10211581 A JP H10211581A
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welded
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接時の熱バランスを取る特殊な形状を相手
部品に要求せずに、金属ベローズと金属部品との接合を
簡単かつ確実に実施可能にする。 【解決手段】 筒状または円盤状の金属ベローズ1の少
なくとも一方端と金属部品3とを抵抗溶接した結合部
を、線状または帯状の溶接部とし、かつ溶接部をループ
状とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、金属ベローズお
よび金属部材からなる金属ベローズ構造物,その製造装
置およびその溶接方法,アキュムレータおよびその組立
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属接合はろう付けと溶接に分かれる。
ろう付けに関して見ると、銅製等のベローズに関しては
融点の低い軟ろうが用いられる。この軟ろうによる接合
方法では軟ろう付けに必要な処理時間が長く、また耐熱
性や耐酸性が不足する場合があり、接合強度という面で
難があった。接合強度を高めるためには銅ろう等が用い
られる。
【0003】一方、溶接に関しては、いずれも金属ベロ
ーズ最端部と別部品をアルゴンアーク溶接等の精密溶接
にて接合を行っている。このような溶接を行う場合、耐
熱性や耐久性等に関しては前述のろう付けよりも高い性
能が得られるが、金属ベローズが薄い板材で製作されて
いるため、溶接時の熱バランスを取るために接合する部
品の形状などに特殊な工夫が必要となる。
【0004】また、前記溶接方法と別な溶接方法とし
て、シーム溶接などに一般に実施されている抵抗溶接が
ある。
【0005】しかしながら、前記銅ろうによる接合方法
では、成形ベローズの場合には、成形時の残留応力が材
料に残っているため、銅ろう付けで必要とされる100
0℃前後の高温にさらされた場合に、金属ベローズ本体
に変形が生じ、またステンレスなどからなる金属ベロー
ズの耐久性を上げることに効果のある例えば表面硬化法
による加工硬化も緩和されてしまうため、結果的に金属
ベローズ本体の耐久性が大幅に低下することになる。こ
のため、接合強度が必要とされる場合には、実際上ろう
付けを使用できないという課題があった。
【0006】また、前記溶接では、熱バランスが悪い場
合に、溶け込み不良等の溶接欠陥、あるいは金属ベロー
ズが溶け落ちて孔があく等の問題が生ずる。また、この
ような特殊な溶接であるために、手動で溶接を行う場合
には特殊技能を持った熟練作業者が必要となり、自動溶
接を行う場合でも、溶接トーチの向きや相手部品からの
クリアランス、および電極の管理等に注意が必要とな
り、結果として溶接に関わる費用が増大し、コストダウ
ンを図れないという課題が発生してくる。
【0007】さらに、前記抵抗溶接を金属ベローズの溶
接に適用する場合に、金属ベローズの板厚が薄いため
に、図8,図9で示す様なローラー電極が1回転して溶
接する部分で、溶接歪みの累積によるしわが発生し、溶
接不良となって、溶接部の密封性が保てなくなるという
課題があった。
【0008】この発明は、このような課題を解決するも
のであり、溶接時の熱バランスを取る特殊な形状を相手
部品に要求せずに、部品加工費を低減でき、かつ溶接ト
ーチの向き等や電極の管理に格別の注意を払うことな
く、抵抗溶接の自動設備で接合を行うことにより、金属
ベローズと金属部品との接合を簡単かつ確実に行うこと
ができる金属ベローズ構造物,その製造装置および溶接
方法,アキュムレータおよびその組立方法を得ることを
目的とする。
【0009】前記目的達成のため、請求項1の発明にか
かる金属ベローズ構造物は、筒状または円盤状の金属ベ
ローズの少なくとも一方端と金属部品とを抵抗溶接した
結合部を、線状または帯状の溶接部とし、該溶接部をル
ープ状としたものである。
【0010】また、請求項2の発明にかかるアキュムレ
ータは、金属ベローズの一端に取り付けられてシール材
が設けられた弁体と、前記金属ベローズの他端に取り付
けられた金属部品と、前記弁体を持った金属ベローズが
収納されて、一端が前記金属部品によって塞れた筒体
と、該筒体の他端を塞ぐとともに前記弁体によって開閉
される通孔を持ったシェルキャップとを備え、前記金属
ベローズおよび金属部品を抵抗溶接によって線状または
帯状にループ溶接したものである。
【0011】また、請求項3の発明にかかる金属ベロー
ズ構造物の溶接方法は、金属ベローズの内径を、これに
接合する金属部品の外径よりも小さく形成して相互を圧
入し、これらの圧入部位を複数の電極を用い、1つの電
極で一部分を分担し、複数の電極で全周に亘って互いに
繋がるようにシーム溶接するようにしたものである。
【0012】また、請求項4の発明にかかる金属ベロー
ズ構造物の溶接方法は、前記複数の電極を前記圧入部位
に等間隔で圧接するようにしたものである。
【0013】また、請求項5の発明にかかる金属ベロー
ズ構造物の溶接方法は、前記複数の電極が、溶接部分の
外周上に配置され、隣に位置する電極は、前後方向に溶
接幅程度ずらして配設し、抵抗溶接によって線状または
帯状のループ状にシーム溶接するようにしたものであ
る。
【0014】また、請求項6の発明にかかるアキュムレ
ータの組立方法は、金属ベローズの一端にシール材を有
する弁体を溶接し、前記金属ベローズの他端に流体注入
孔を持った金属部材を抵抗溶接によって線状または帯状
にループ溶接し、前記弁体を持った金属ベローズを筒体
内に収納して、前記金属部材により前記筒体の一端を塞
ぎ、前記筒体の他端を通孔を有するシェルキャップによ
り塞ぎ、最終的に前記流体注入孔から前記筒体内に流体
の注入を行った後、その流体注入孔を閉塞するようにし
たものである。
【0015】また、請求項7の発明にかかる金属ベロー
ズ構造物の製造装置は、金属ベローズの内径に圧入した
金属部品を保持するチャックと、金属部品を圧入した部
位の金属ベローズ外周に圧接されて転動する複数のロー
ラー電極と、該ローラー電極および前記チャックに溶接
電力を供給する溶接電源とを備えたものである。
【0016】さらに、請求項8の発明にかかる金属ベロ
ーズ構造物の製造装置は、前記複数のローラ電極が、円
周上に配置され、隣に位置するローラー電極は、前後方
向に溶接幅程度ずれて配設されていることを特徴とす
る。
【0017】以下、この発明の実施の一形態を図につい
て説明する。図6はアキュムレータに使用される金属ベ
ローズ端部の端部形状と接合相手の金属部品との形状を
示し、図7は別の形態を示す。
【0018】まず、図6において、例えば直径が15mm
くらいのステンレス製の金属ベローズ1であって、その
直管部2の内径D1は金属部品3の外径D2よりも小さ
く、また金属部品の先端はテーパー部3aとなってお
り、その円錐状先端の外径d2は直管部2の内径D1
りも小さい。また、図7においては、金属ベローズ1の
直管部2の先端は所定の治具により外径側に僅かに開い
た形状に加工されており、その先端の内径d1は前記D
2よりも大きい。
【0019】これらはd1>D2>D1>d2の関係が
理想的であり、この関係を実現することにより金属ベロ
ーズ1の直管部2に金属部品3を容易に圧入することが
可能となる。ただし、テーパー部2aの角度が小さい場
合にはD2>d1>D1>d2の関係であっても不都合
を生ずることは実際上では発生しないが、その場合、金
属部品3のテーパー角度よりも金属ベローズ1端部のテ
ーパー角度の方が大きいことが望ましい。
【0020】また、金属ベローズ1の端部内径D1と金
属部品3の外径D2が全く同一の径であり、溶接前には
完全に隙間なく密着した状態となっていたとしても、図
8に示すように、シーム溶接を行う際に、金属ベローズ
1外周の1点より溶接を開始してその金属ベローズ1の
回転と連動して順次外周部を溶接していく際に、溶接熱
により金属が膨張した状態で溶接され、その膨張分が最
終溶接部に累積された状態となり、当該部(最終溶接
点)に図9に示すようなしわ9が発生してしまう。
【0021】図8は前記シーム溶接を行う溶接装置であ
り、6は金属ベローズ1の先端に圧入した金属部品3を
保持するチャック、7は圧入部の金属ベローズ1の外周
に圧接されるローラー電極、8はこのローラー電極7お
よびチャック6に直流電力を印加する溶接電源である。
【0022】前記熱膨張による周長の変化は溶接条件が
同一であれば単位周長当たりで等しく、また金属ベロー
ズ1と金属部品3の熱膨張による周長変化は、熱容量の
小さな金属ベローズでは大きくなる。従って、このしわ
の原因となる溶接時の周長変化は、径の大きな金属ベロ
ーズを溶接しようとする場合に大きくなり、発生するし
わも大きくなる。
【0023】この対策としては、例えば全周を一度に溶
接するリングプロジェクション溶接法により解決するこ
とができるが、その溶接法を行う際には、例えば図10
に示すように溶接を行う端部をフランジ部11に形成す
る必要があり、かつフランジ部11の外周D4は金属ベ
ローズ1の外周D3よりも大きなものとする必要があ
る。ここで、7Aは金属部品3Aを支持する電極7Bに
対向するもう一方の電極である。
【0024】その理由は、リングプロジェクション溶接
を行う際には、接合部に溶接に必要な所定の荷重を与え
る必要があり、ピッチの小さなベローズを溶接すると、
例えば図11のような電極7C,7Bを作る必要がある
が、このうち電極7Cが前述の所定荷重に対して耐久性
を確保することができず、量産等に使用することは実際
上不可能であるためである。
【0025】また、図10に示したフランジ形状で溶接
を行うことは可能であるが、実際上では図に示したとお
り、熱バランスを取るために、D4>D5>D3の関係
を持ったノッチ部12を金属部品3Aに形成する必要が
あり、金属部品3Aの加工コストの充分な低下効果は得
られない。
【0026】合せて、金属ベローズ1を加工する場合に
は耐久性を充分に取るためにパイプから成形する際に、
可能な限り外径を大きくすることが通常行われており、
最端部のみをさらに径を大きく成形することは実際上困
難である。また、端部形状の成形として、例えば、図1
0あるいは図12のような形成方法が考えられるが、図
10の場合には、2枚の薄板を同時に金属部品3Aに溶
接することとなり、溶接の難度が上がり、不良発生の原
因となる。
【0027】また、図12の場合には、金属ベローズ1
の外径の部分で切断して溶接平面を確保するためにフラ
ンジ状に加工する必要があり、このような加工方法も現
実的には困難が多い。仮に、これらの困難を克服して端
部をフランジ状にして溶接することが可能であったにし
ても、全体の設計の点では、フランジ状のリングプロジ
ェクション溶接を行う必要な空間を確保する必要があ
り、全体の形状が大型化するため有利な溶接手段とはな
らない場合が多い。
【0028】従って、抵抗溶接によるシーム溶接で図
6,図7のような溶接部形状を取る必要が生ずるが、そ
の際には前述のように、しわ9の発生を極力抑えて不良
の発生を防止する対策を行う必要がある。
【0029】また、熱膨張による周長の変化についてで
あるが、これはあらかじめ金属ベローズ1端部の内径
を、金属部品3の外径よりも大きく加工して、金属ベロ
ーズ1端部を、金属部品3に圧入する形に固定すること
で影響を少なくすることができる。
【0030】すなわち、金属ベローズ1端部の熱影響に
よる全体の伸びの量をdL1とすると、実際には、金属
ベローズ1材料の降伏強度と縦弾性係数で左右されるた
めに、固定が困難である場合が多いが、理想的には、d
L1だけで金属ベローズ1端部の周長が弾性変形で伸び
た状態で圧入することが可能であれば、最終溶接部では
熱影響による伸びと圧入による伸びが相殺された状態と
なり、溶接最終部で、しわ9の発生を抑えることができ
る。
【0031】また、最終溶接部に発生するしわ9は、周
長変化の累積によるが、この累積を小さくすることによ
り、多少の歪みは発生するが、しわ9の発生には至らな
い状態で溶接することが可能となる。前記の圧入による
金属ベローズ1端部の弾性伸びがdL2(一般的には、
dL1>dL2)であった場合にしわの発生原因となる
周長差はdL1−dL2となり、この値が小さいほどし
わ9は発生しにくい。
【0032】この値を小さくする為に、1個の電極を用
いるのではなく、図1および図2に示すように、複数個
の電極を用いる。この例の場合、4個の電極7A,7
B,7C,7Dを用いることにより、各々の溶接部に発
生する周長差は(dL1−dL2)/4となり、溶接終
了部に発生する周長差は1/4の値と小さな値となる。
一般に、抵抗溶接を行う際、4個の電極7A,7B,7
C,7Dへは、図3に示すようなパルス状の電流を流
し、全体として連続通電で所定の溶接を行うこととなる
(その際には、ワークとしての金属ベローズ1の回転速
度を溶接ラップ量に合わせて調整する必要がある)。
【0033】次に、金属ベローズ1の溶接手順について
説明する。図4は本溶接により金属ベローズ1を溶接
し、最終的に金属ベローズ1を用いたアキュムレータP
を組み立てる場合を示している。本溶接方法の適用は、
アキュムレータPに限定されるものではなく、金属部品
3に金属ベローズ1を溶接する場合全般について、適用
が可能である。
【0034】図4において、金属ベローズ1は、シーム
溶接を行うために、直管部2にわずかテーパーを付けた
形状となっており、他端は通常のプラズマ溶接を行うた
めの形状となっている。もちろん、両端ともにシーム溶
接を行うことは可能であるがここでは脈動吸収用アキュ
ムレータとしての適用であり、金属ベローズ1の高速追
従性が要求される。この追従性を上げるために、可動部
の軽量化を図る必要があり、この部分にはシーム溶接を
適用していない。但し、高い追従性が要求されない、例
えば蓄圧用アキュムレータに適用する場合には、この部
分にも、シーム溶接を適用することができる。
【0035】また、図4(a)に示す金属ベローズ1の
一端には、図4(b)に示すような弁体21が溶接され
る。この弁体21は、金属ベローズ1の一端に溶接され
るシール材としてのゴム22を接着した金属部品であ
る。この弁体21と金属ベローズ1は一例としてプラズ
マ溶接により気密に溶接される。3はシーム溶接により
金属ベローズ1を接合する金属部品であり、これにガス
などの流体注入孔23が設けられ、完成品では圧力容器
としての筒体24の鏡板となる部分である。図4(c)
に示すように、金属部品3の金属ベローズ1を圧入する
部分は、わずかに円錐状をなしており、圧入が容易な形
状に加工が施されている。金属ベローズ1の端部は圧入
可能であるように、わずかに広げた形状に加工してあ
る。
【0036】金属ベローズ1の内径と金属部品の外径と
の関係は、金属ベローズ1の内径がわずかに小さく設定
されており、圧入時に金属ベローズ1の内径が弾性伸び
を生じた状態で圧入される。金属ベローズ1と金属部品
3は溶接機に図1に示した場合と同様にして固定され
る。この固定用のチャック6として用いる電極は、例え
ばコニカルチャックのような形状を示しており、通電す
る際に支承のないように、銅系の合金で作られている。
また、このチャック6は自動で回転することにより、溶
接ポイントを移動させることができる。
【0037】こうして、ワークとしての金属部品3をチ
ャックした後に、周囲の4方向から円盤状の電極7A,
7B,7C,7Dが所定の加圧力で溶接部位に押し付け
られる。この4枚の電極7A,7B,7C,7Dは図1
および図2に示すようにお互いに90度の位置関係を維
持する。また、図には記載されていないが、それぞれの
電極7A,7B,7C,7Dには、接触部の変形により
通電状態の変化が発生することを防止するために、一定
の数の溶接を行った場合に、これらの先端の形状を切削
により整えるための工具(バイト)が準備されており、
常に先端形状は一定の形状に保たれる。なお、各電極は
前記の4個に限らず、2個、3個または5個以上を等間
隔に配置してもよい。
【0038】また、このように電極を複数設ける場合
に、同一円周上に全てが位置すると、溶接部分の外径が
小さい場合には、隣同士の電極が接触して設けることが
できないので、隣に位置する電極は、溶接幅程度ずらし
て設けるとよい。ここで、溶接幅としたのは、複数の電
極であっても線状または帯状の溶接部によって隣の電極
の溶接部とが互いに連接し、全体に亘って互いに繋るよ
うにするためである。図5は溶接部分がずれてループ状
に溶接された場合を示し、溶接部13と溶接部14の端
部13a,14aは、溶接幅があるために互いに連接し
た溶接状態となる。
【0039】通電は図1に示すように、電極7A,7
B,7C,7Dの順番で行われる。a点を溶接した後に
対角上にあるc点の溶接を行うことにより、a点の溶接
により発生した周長差は正確に2分割される。次に、a
c点間の中央にあるb点を溶接することにより、ac点
間の周長差は正確に2分割される。同じくd点の溶接に
より、ca点間の周長差も正確に2分割される。このよ
うな溶接を行うことにより、各点間の溶接における累積
周長差は、全周にわたり順次接した場合の1/4の値と
なり、前記のようなしわ9の発生も抑えられる。
【0040】つまり、a点から溶接を開始し、b点,c
点,d点と順次溶接した場合、最終的な溶接点aでの周
長差の累積に対して、本方式に従って、a点から溶接を
開始しb点で溶接を終了する場合には、b点での周長差
の累積は1/4になる。
【0041】以上の順番でワークを回転させながら、図
5に示すように、適切なナゲットのオーバーラップを保
ちながら、最終的には溶接開始点より数mm程度行き過
ぎた状態まで溶接を行うことにより、目的とした気密な
溶接を行うことが可能となる。このシーム溶接を行う
間、金属ベローズ1と金属部品3は適切な方法で保持さ
れる。このシーム溶接はループ状になされて、線状また
は帯状をなす。
【0042】このような溶接組立を行った後に、圧力容
器を形成する筒体24の接合を行う。25は通孔26を
持ったシェルキャップで、これが筒体24の鏡板となる
部分であり、その通孔26は油圧回路に接続するための
ポートとして利用される。なお、筒体24に対して、シ
ェルキャップ25は抵抗溶接により、図4(d),
(e)に示すように溶接されるが、この溶接は特に抵抗
溶接に限るものではなく、通常行われているTIG溶接
やCO2 溶接等により接合してもよい。
【0043】この溶接を行った後に、金属ベローズ1を
溶接した金属部品3との溶接を図4(f)に示すように
行い、圧力容器を形成する。ここでは、この溶接も抵抗
溶接で行っているが、抵抗溶接に限らない。圧力容器が
形成された後に金属ベローズ1の外側に所定の液体を封
じ込め、金属ベローズ内部に必要があれば金属部材3の
流体注入孔23を通じて封入ガス体積を調整するための
液体を注入した後に、高圧ガスを内部に封入する。その
後、封入したガスを密封するために、栓27をガス栓と
して、図4(g)に示すように抵抗溶接して気密を確保
し、アキュムレータを完成する。
【0044】このような工程において、金属ベローズ1
を金属部品3に圧入する工程があるが、金属ベローズ1
の耐久性を向上させることを目的としてセッチング工程
が行われる場合があり、このセッチング荷重が圧入荷重
よりも大きいか等しい場合には、前述の圧入工程とセッ
チング工程を同時に行うことも可能である。
【0045】これまでの金属ベローズ1の溶接方法にお
いては、溶接部位とトーチの位置関係等の調整は熟練作
業者等の特殊技能を持った作業者が行う必要があった
が、このようなシーム溶接による方法を取ることによ
り、電極の維持と溶接機の電流値や加圧力などの特殊技
能が必要ない部分での調整を行うだけとなり、品質面で
も安定し、かつ作業者を選ぶことがないため、労務費の
大幅な低減が可能となり、安価な溶接を得ることができ
る。
【0046】なお、前記実施例では、筒状の金属ベロー
ズ1について述べたが、円盤状の金属ベローズ1につい
ても本発明を適用できる。
【0047】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、溶接
時の熱バランスを取る特殊な形状を相手部品に要求せず
に、部品加工費を低減でき、かつ溶接トーチの向き等や
電極の管理について格別の注意を払うことなく、抵抗溶
接の自動設備で接合を行うことにより、金属ベローズと
金属部品との接合を簡単かつ確実に行うことができると
ともに、複数のローラー電極による抵抗溶接によって金
属ベローズの溶接部にしわが生じるのを抑えることがで
き、この金属ベローズと金属部品との密閉が確実とな
り、高圧の流体を封入するアキュムレータへの利用も可
能となる。
【0048】また、複数の電極のうち、隣に位置する電
極を溶接幅程度ずらして設けることにより、小径部分の
溶接も複数の電極で溶接することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態による溶接装置を示す
概念図である。
【図2】図1におけるローラー電極の配置を示す説明図
である。
【図3】図1における溶接電源の出力パルス波形を示す
タイムチャートである。
【図4】この発明の実施の一形態によるアキュムレータ
の組立方法を示す組立工程図である。
【図5】この発明のローラー電極による溶接ビードのパ
ターンを示す説明図である。
【図6】この発明の実施の一形態による金属ベローズ構
造物の分解正面図である。
【図7】この発明の実施の他の形態による金属ベローズ
構造物の分解正面図である。
【図8】従来から使用されている溶接装置の概念図であ
る。
【図9】図8の溶接装置により金属ベローズに生じるし
わを示す説明図である。
【図10】従来のリングプロジェクション溶接構造の一
部を示す断面図である。
【図11】従来の他のリングプロジェクション溶接構造
の一部を示す断面図である。
【図12】従来の他のリングプロジェクション溶接構造
の一部を示す断面図である。
【図13】円盤状の金属ベロ−ズの実施の形態を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 金属ベローズ 3 金属部品 6 チャック 7,7A,7B,7C,7D ローラー電極 8 溶接電源 21 弁体 22 ゴム(シール材) 23 流体注入孔 24 筒体 25 シェルキャップ 26 通孔
【手続補正書】
【提出日】平成9年3月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】すなわち、金属ベローズ1端部の熱影響に
よる全体の伸びの量をdL1とすると、実際には、金属
ベローズ1材料の降伏強度と縦弾性係数で左右されるた
めに、固定が困難である場合が多いが、理想的には、d
L1だけ金属ベローズ1端部の周長が弾性変形で伸びた
状態で圧入することが可能であれば、最終溶接部では熱
影響による伸びと圧入による伸びが相殺された状態とな
り、溶接最終部で、しわ9の発生を抑えることができ
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】通電は図3に示すように、電極7A,7
C,7B,7Dの順番で行なわれる。また、7A,7
C,7D,7Bの順番でも不都合はない。すなわち、図
2において、a点を溶接した後に対角上にあるc点の溶
接を行うことにより、a点の溶接により発生した周長差
は正確に2分割される。次に、ac点間の中央にあるb
点を溶接することにより、ac点間の周長差は正確に2
分割される。同じくd点の溶接により、ca点間の周長
差も正確に2分割される。このような溶接を行うことに
より、各点間の溶接における累積周長差は、全周にわた
り順次接した場合の1/4の値となり、前記のようなし
わ9の発生も抑えられる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状また円盤状の金属ベローズの少なく
    とも一方端と金属部品とを抵抗溶接した結合部が、線状
    または帯状の溶接部とされ、該溶接部がループ状とされ
    ていることを特徴とする金属ベローズ構造物。
  2. 【請求項2】 金属ベローズの一端に取り付けられてシ
    ール材が設けられた弁体と、前記金属ベローズの他端に
    取り付けられた金属部品と、前記弁体を持った金属ベロ
    ーズが収納されて、一端が前記金属部品によって塞れた
    筒体と、該筒体の他端を塞ぐとともに前記弁体によって
    開閉される通孔を持ったシェルキャップとを備え、前記
    金属ベローズおよび金属部品が抵抗溶接によって線状ま
    たは帯状にループ溶接されていることを特徴とするアキ
    ュムレータ。
  3. 【請求項3】 金属ベローズの内径を、これに接合する
    金属部品の外径よりも小さく形成して相互を圧入し、こ
    れらの圧入部位を複数の電極を用い、1つの電極で一部
    分を分担し、複数の電極で全周に亘って互いに繋るよう
    にシーム溶接することを特徴とする金属ベローズ構造物
    の溶接方法。
  4. 【請求項4】 前記複数の電極が前記圧入部位に等間隔
    で圧接されるようにしたことを特徴とする請求項3に記
    載の金属ベローズ構造物の溶接方法。
  5. 【請求項5】 前記複数の電極は、溶接部分の外周上に
    配置され、隣に位置する電極は、前後方向に溶接幅程度
    ずらして配設し、抵抗溶接によって線状または帯状のル
    ープ状にシーム溶接することを特徴とする請求項3また
    は4に記載の金属ベローズ構造物の溶接方法。
  6. 【請求項6】 金属ベローズの一端にシール材を有する
    弁体を溶接し、前記金属ベローズの他端に、流体注入孔
    を持った金属部材を、抵抗溶接によって線状または帯状
    にループ溶接し、前記弁体を持った金属ベローズを筒体
    内に収納して、前記金属部材により前記筒体の一端を塞
    ぎ、前記筒体の他端を通孔を有するシェルキャップによ
    り塞ぎ、最終的に前記流体注入孔から前記筒体内に流体
    の注入を行った後、その流体注入孔を閉塞することを特
    徴とするアキュムレータの組立方法。
  7. 【請求項7】 金属ベローズの内径に圧入した金属部品
    を保持するチャックと、金属部品を圧入した部位の金属
    ベローズ外周に圧接されて転勤する複数のローラー電極
    と、該ローラー電極および前記チャックに溶接電力を供
    給する溶接電源とを備えた金属ベローズ構造物の製造装
    置。
  8. 【請求項8】 前記複数のローラー電極は、円周上に配
    置され、隣に位置するローラー電極は、前後方向に溶接
    幅程度ずれて配設されていることを特徴とする請求項7
    に記載の金属ベローズ構造物の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019054693A (ja) * 2017-09-19 2019-04-04 日立オートモティブシステムズ株式会社 固定子の製造方法、回転電機の製造方法、固定子、回転電機
CN111913505A (zh) * 2019-05-08 2020-11-10 浙江三花制冷集团有限公司 压力驱动装置及其制作方法、使用该压力驱动装置的压力控制器

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