JPH1020753A - 多重露光ホログラム記録方法及び多重露光ホログラム - Google Patents

多重露光ホログラム記録方法及び多重露光ホログラム

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JPH1020753A
JPH1020753A JP16921196A JP16921196A JPH1020753A JP H1020753 A JPH1020753 A JP H1020753A JP 16921196 A JP16921196 A JP 16921196A JP 16921196 A JP16921196 A JP 16921196A JP H1020753 A JPH1020753 A JP H1020753A
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Takeshi Hotta
豪 堀田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録波長の限定を受けず、かつ不要な干渉縞
を記録することなくホログラムの同時多重記録を可能に
する。 【解決手段】 偏光方向が直交する2種類の光を同時露
光して各偏光方向の2光束同士を干渉させ、あるいは右
旋光と左旋光の2種類の光を同時露光して各旋光の2光
束同士を干渉させて同時記録する、或いはP偏光用の回
折格子及びS偏光用の回折格子が形成されたホログラム
原版をP偏光、S偏光を再生光として照明し、ホログラ
ム原版の各回折格子像を感材に同時記録することを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカラー液晶表示装置
用のホログラムカラーフィルタ、2種類以上の波長の光
を選択的に回折する必要のある多色表示に好適な多色表
示ヘッドアップディスプレイのコイバイナー等の各種ホ
ログラム光学素子、又は装飾用、偽造防止用のグラフィ
ック多色ホログラム等に適用可能なホログラム及びその
記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、異なる波長光または単一波長光を
用いて同時露光し、ホログラムを多重記録することが知
られている。又、2重又はそれ以上多重記録したホログ
ラムカラーフィルタとして、本出願人はすでに特願平7
ー290819号、特願平7ー290820号等で出願
している。図4はレーザの波長を変えて同時露光する例
を示す図であり、基板1上に感光層2を形成した感材に
対して、波長λ1の2光束(λ1(a)、λ1
(b))、波長λ2の2光束(λ2(a)、λ2
(b))を同時露光し、λ1(a)とλ1(b)、λ2
(a)とλ2(b)をそれぞれ感光層中で干渉させ、そ
の干渉縞を2重記録する。
【0003】図5は同一波長で互いの角度が異なる3光
束を同時露光する例を示す図であり、θ1の角度を有す
る波長λ(a)の2光束、θ2の角度を有する波長λ
(b)の2光束、θ3の角度を有する波長λ(c)の2
光束を、基板1上に感光層2を形成した感材に対して同
時露光して干渉させることにより、それぞれの干渉縞を
3重記録する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図4に示した方法で
は、記録できる波長は、感材が吸収特性を有する波長で
なければならない。この限られた吸収波長の中で2波長
を選択する必要があるため、この中でレーザ出力が大き
い波長は限られてしまうという問題がある。また、図5
に示した方法では、角度θ1をなす2光束、角度θ2を
なす2光束、角度θ3をなす2光束同士の干渉の他、λ
(a)とλ(b)或いはλ(c)、λ(b)とλ(c)
の光束同士も干渉し、その干渉縞も同時に記録されてし
まうという問題がある。
【0005】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、記録波長の限定を受けず、かつ不要な干渉縞を記録
することなくホログラムを同時多重記録できるようにす
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、P偏光、S偏
光のように光の偏光方向が直交する2種類の直線偏光を
用いて感材を同時露光し、偏光方向が同じ2光束同士を
干渉させてホログラム記録することを特徴とする。ま
た、本発明は、偏光面が右回転する右旋光、偏光面が左
回転する左旋光の2種類の光を用いて感材を同時露光
し、偏光面の回転方向が同じ光束同士を干渉させてホロ
グラム記録することを特徴とする。また、本発明は、P
偏光用の回折格子及びS偏光用の回折格子が形成された
ホログラム原版をP偏光、S偏光を再生光として照明
し、各回折格子で回折された各回折光と各再生光とをそ
れぞれ干渉させて同時記録することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1はP偏光同士、S偏光同士を同時露光
する例を示す図である。P偏光は、試料面へ入射する光
の電気ベクトルの振動方向が入射面(試料面の法線と光
の進行方向を含む面)内に含まれる直線偏光であり、S
偏光は、試料面へ入射する光の電気ベクトルの振動方向
が入射面に垂直な直線偏光である。P偏光とS偏光とは
振動方向が直交しているため、互いに干渉しない。した
がって、図1(a)に示すように、P偏光の2光束、S
偏光の2光束を同時露光して感光層2内で干渉させるこ
とにより、図1(b)に示すようにP偏光(実線)、S
偏光(破線)の干渉縞を記録することができる。
【0008】図1(b)に示すホログラムは、P偏光と
S偏光の干渉縞が共存しており、外光、蛍光灯のような
ランダムな偏光成分を有する自然光に対して両干渉縞の
回折効率はほぼ同じである。したがって、自然光を再生
光として照明すると、両干渉縞の回折像が観察される。
【0009】なお、P偏光、S偏光に限らず、光の電気
ベクトルの振動方向が一方向で、互いにその振動方向が
直交している直線偏光は干渉しないため、偏光方向が直
交する2つの直線偏光を用い、同じ偏光方向の2光束同
士を同時露光して干渉させることにより、それぞれの干
渉縞を記録することができる。また、偏光面が右回転す
る右旋光と、偏光面が左回転する左旋光とは干渉しない
性質があるので、回転方向の異なる円偏光、楕円偏光を
用い、右旋光の2光束同士、左旋光の2光束同士を同時
露光して干渉させることによっても多重記録することが
可能である。
【0010】図2はコンピュータ・グラフィックス・ホ
ログラム(CGH)を用いて同時多重記録する例を示す
図である。図2(a)に示すCGH3は、P偏光用の回
折格子(実線)とS偏光用の回折格子(破線)とが形成
された透過型のレリーフホログラムからなる原版であ
る。なお、P偏光、S偏光の回折格子を形成すること自
体は知られている(OPTICA ACTA,198
2.vol.29,No.10,1371〜138
1)。この原版に対して基板1上に感光層2を形成した
感材を対向させ、背面よりP偏光の再生波で照明する
と、P偏光用の回折格子で回折され、この回折光と再生
波の0次光とが感光層2中で干渉して、P偏光の干渉縞
が記録される(図2(b)実線)。また、背面よりS偏
光の再生波で照明すると、S偏光用の回折格子で回折さ
れ、この回折光と再生波の0次光とが感光層2中で干渉
して、S偏光の干渉縞が記録される(図2(b)破
線)。
【0011】図2(b)に示すホログラムは、図1
(b)のホログラムと同様、外光、蛍光灯のようなラン
ダム偏光で照明すると、両干渉縞の回折像が観察され
る。
【0012】次に、図2(a)のCGHの作製方法を図
3により説明する。図3(a)は、P偏光用のCGH4
と、S偏光用のCGH5とをそれぞれ作製して貼り合わ
せたものであり、図3(b)は両面にP偏光用のCG
H、S偏光用のCGHを形成したものである。P偏光用
のCGH、S偏光用のCGHは、例えばリソグラフィ技
術を用いて溝を形成したものであり、P偏光用のCGH
4は、P偏光の光は回折するがS偏光の光に対しては透
明であり、S偏光用のCGH5は、S偏光の光は回折す
るがP偏光の光に対しては透明である。したがって、P
偏光の光、S偏光の光を再生光として照明すると、それ
ぞれ回折像が再生されることになる。
【0013】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、特に波長
を選択する必要がなく、かつ不要な干渉縞を発生するこ
となく同時多重記録できるので、回折効率の大きい複数
の干渉縞を同時記録することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のP偏光同士、S偏光同士を同時露光
する例を示す図である。
【図2】 CGHを用いて同時多重記録する例を示す図
である。
【図3】 P偏光、S偏光の回折格子を形成したCGH
の作製方法を説明する図である。
【図4】 異なる波長光によるホログラム2重記録を説
明する図である。
【図5】 同一波長によるホログラム3重記録を説明す
る図である。
【符号の説明】
1…基板、2…感光層、3…CGH、4…P偏光用CG
H、5…S偏光用CGH。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光の電気ベクトルの振動方向が一方向で
    あり、その振動方向が互いに直交する2種類の直線偏光
    を用いて感材を同時露光し、振動方向が一致する2光束
    同士を干渉させてホログラム記録することを特徴とする
    多重露光ホログラム記録方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法において、2種類の
    直線偏光は、感材面へ入射する光の電気ベクトルの振動
    方向が感材面と光の進行方向を含む入射面内にあるP偏
    光と、感材面へ入射する光の電気ベクトルの振動方向が
    感材面と光の進行方向を含む入射面に垂直なS偏光であ
    ることを特徴とする多重露光ホログラム記録方法。
  3. 【請求項3】 偏光面が右回転する右旋光と、偏光面が
    左回転する左旋光の2種類の光を用いて感材を同時露光
    し、偏光面の回転方向が同じ2光束同士を干渉させてホ
    ログラム記録することを特徴とする多重露光ホログラム
    記録方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の方法において、右旋光と
    左旋光の2種類の光は、回転方向の異なる円偏光あるい
    は楕円偏光であることを特徴とする多重露光ホログラム
    記録方法。
  5. 【請求項5】 感材面へ入射する光の電気ベクトルの振
    動方向が感材面と光の進行方向を含む入射面内にあるP
    偏光用の回折格子、及び感材面へ入射する光の電気ベク
    トルの振動方向が感材面と光の進行方向を含む入射面に
    垂直なS偏光用の回折格子が形成されたホログラム原版
    と感材を対向させ、P偏光、S偏光を再生光としてホロ
    グラム原版を照明し、前記各回折格子で回折された各回
    折光と各再生光とをそれぞれ干渉させて感材にホログラ
    ム原版の各回折格子像を同時記録することを特徴とする
    多重露光ホログラム記録方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のうち何れか1項記載の方
    法で記録された多重露光ホログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107918241A (zh) * 2014-03-12 2018-04-17 香港科技大学 偏振光栅的制造方法

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