JPH10206884A - 空間光変調素子の光書き込み方法と空間光変調素子の駆動方法 - Google Patents

空間光変調素子の光書き込み方法と空間光変調素子の駆動方法

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JPH10206884A
JPH10206884A JP991297A JP991297A JPH10206884A JP H10206884 A JPH10206884 A JP H10206884A JP 991297 A JP991297 A JP 991297A JP 991297 A JP991297 A JP 991297A JP H10206884 A JPH10206884 A JP H10206884A
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spatial light
image
light modulator
writing
intensity
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JP991297A
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English (en)
Inventor
Akifumi Ogiwara
昭文 荻原
Akio Takimoto
昭雄 滝本
Hiroshi Tsutsui
博司 筒井
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空間光変調素子を用いた投写型ディスプレイ
において、画像の輝度の分布を低く押さえ、残像のない
鮮明な高品質の画像を提供すること。 【解決手段】 本発明の空間光変調素子の光書き込み方
法は、CRTの残光特性が発光強度の最大値に対して1
0%に強度が減少するのに要する時間が概ね12msの
残光特性を有することを特徴とする。これ以上長い残光
特性では残像現象が生じてしまい、またこれ以下の残光
特性では残像現象は生じないものの書き込み時の発光強
度が減少するため、書き込み効率が悪くなり結果として
投写された画像の明るさを犠牲にすることになる。この
ようにCRTの表示特性を空間光変調素子に対し、最適
化することにより残像のない高輝度の投写画像を得るこ
とを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光演算装置、投写
型ディスプレイ等に用いられる空間光変調素子の光書き
込み方法と空間光変調素子の駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶層を用いた光アドレス型の空間光変
調素子(以下、空間光変調素子といえば、特に断らない
限りこの光アドレス型のものをさす)の基本的な構造
は、光導電層と電界の印加により光の透過率が変化する
液晶層を対向する2つの透明導電性電極で挟み込んだも
のである。この素子の駆動は、両透明導電性電極間に外
部から電圧を印加することによってなされる。そして、
この状態で光導電層に書き込み光を照射すると、光導電
層の電気抵抗が変化して液晶層に印加される電圧が変化
し、この電圧の大きさに応じて液晶層を通過する読みだ
し光が変調される。
【0003】この動作を使って、光のしきい値処理、波
長変換、インコヒーレント/コヒーレント変換、画像メ
モリ等の機能を実現することができる。このため、空間
光変調素子は光情報処理のキー・デバイスとして位置づ
けられている。また、光強度の大きい読み出し光を書き
込み光とは反対の方向から入射し、書き込んだ内容を反
射型で読み出せば、光増幅機能をも実現することができ
る。そのため、投写型ディスプレイとしても応用するこ
とができ、汎用性に優れた素子として期待されている。
【0004】現在、実用化されている投写型のディスプ
レイ方式としては、この光アドレス型空間光変調素子を
用いたものの他に、CRT3管による投写方式、及びア
クティブマトリックス液晶ライトバルブを高輝度光源で
投写するものがある。
【0005】CRTによる方式は対角5〜7インチの
R、G、B3本の高輝度CRTに画像を表示し、その画
像を3本の投写レンズでスクリーン上に投写して合成し
カラー画像を得る。このため、低消費電力化、軽量化が
困難といった問題がある。
【0006】また、CRT画面の発光強度を大きくする
と、各画素の発光強度プロファイルの幅が大きくなり、
隣合う画素どうしでクロストークが生じ解像度が劣化す
る。
【0007】また、アクティブマトリクス液晶ライトバ
ルブの方法は、R、G、B3枚の液晶パネルまたはR、
G、Bカラーフィルタを一体化した1枚の液晶パネルに
画像を表示し、メタルハライドランプやハロゲンランプ
等の高輝度のバックライト光源で読み出し、スクリーン
上に投影するものである。これはCRTによる方法に対
し、小型軽量にできる利点がある。しかし、画素サイズ
を小さくし高解像度化を図ると画素の大きさに対する遮
光領域(アクティブマトリクス駆動のためのトランジス
タ部分)の割合が大きくなり画素の開口率が低下して画
像が暗くなる。
【0008】更に遮光領域での光ー熱変換による発熱が
生じるため液晶のコントラストが低下し、この結果解像
度の劣化を来す。また、一般にこのタイプのパネルに使
用されているネマティック液晶の応答速度は、100m
s程度と遅いため速い動きの動画像に対して十分に追随
することができない。このため、1つ前のフレームの画
像と現在表示している画像とがだぶって見えてしまう残
像や被写体のエッジ部分が滲んで画像の鮮明さが低下
し、画質が劣化してしまうような現象が生じる。
【0009】一方、光アドレス型の空間光変調素子を用
いた場合は、光導電層にCRTの高解像度な画像を入力
しその画像を液晶層側から高輝度光源によって反射型で
読み出し、投写レンズによってスクリーン上に投影する
方式である。この方式は、小型軽量で且つ高解像度で明
るい画面を提供することが可能となる。
【0010】現在、空間光変調素子としては、光導電層
として水素化非晶質シリコン(以下a−Si:Hと略記
する)薄膜を用い、液晶層として強誘電性液晶(以下F
LCと略記する)を用いたものが提案されている。FL
Cは、1kHz程度の高速応答が可能であり、またメモ
リ特性、しきい値特性等を有しているといった従来から
使用されている液晶にない特長を有している。このた
め、投写型ディスプレイを始めとするディスプレイ分野
におけるキィーデバイスとして期待されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】空間光変調素子を用い
て投写型ディスプレイを構成し、CRTによる画像書き
込みを行うとする。空間光変調素子に用いられているF
LCは1kHz程度の高速応答が可能であるため、通
常、画像入力手段としてのCRTに対し十分に追随する
ことができる。
【0012】しかしながら、この時書き込まれた画像
は、空間光変調素子の入出力光強度特性に基づき変調さ
れて、スクリーン上に投写されることになる。一般に、
CRTの各画素の発光の減衰時間は指数関数的に変化す
るため、CRTの残光特性によって、1フレームの画像
の書き込み時間後に残存する発光強度が異なることにな
る。この残存する発光強度が、空間光変調素子の入出力
光強度特性の立ち上がりのしきい値以上である場合、投
写された画像は1フレーム以上の時間においても以前に
書き込まれた画像を出力することになり、これが観察者
には2つの画像がだぶった残像として認識されることに
なる。従って、空間光変調素子の応答は十分な速度を有
していても、入力手段として用いられるCRTによる光
書き込み方法との最適化が行われていない場合、上述し
たような残像を生じ投写された画像を劣化してしまう問
題が生じる。
【0013】また、空間光変調素子への画像の書き込み
は、空間光変調素子の光導電層を逆方向バイアス状態に
して画像の各画素の発光強度に応じた光電流を発生させ
る書き込み電圧期間と光導電層を順方向バイアス状態に
して電子の引き抜きを行う消去電圧期間によって行われ
る。この消去電圧期間に印加される電圧値及び印加時間
が十分でない場合、光電流により発生した電子の引き抜
きが不十分となり光導電層内に残存する電荷により、空
間光変調素子から光強度が出力されることになる。つま
り、消去電圧期間後に残存する電荷により光強度の書き
込みが行われていない場合においても空間光変調素子か
ら出力が得られることになる。これはバイアス光として
次のフレームに重畳されるため、本来表示される画像の
黒レベルが浮き上がりコントラスト特性を低下させる問
題が生ずる。
【0014】次に、書き込み手段としてのCRTは、各
画素の水平ライン毎の時系列な発光により画像の表示を
行っている。また、空間光変調素子は光書き込みが行わ
れる全領域に対し、上述したような書き込み電圧期間、
消去電圧期間からなる駆動波形を一括して印加して駆動
を行っている。従って、CRTと空間光変調素子とを組
み合わせた構成での光書き込みは、書き込み電圧期間内
のどの時間にCRTの各画素の画像書き込みのための発
光が始まるかの書き込みタイミングが空間光変調素子の
全領域で異なることになる。このため、CRTの書き込
みと空間光変調素子の駆動との同期を画像の上段に合わ
せてとった場合は、CRTによる空間光変調素子の書き
込み電圧期間内の書き込みタイミングの違いにより、投
写された画像はその画像の上段から下段にいくにつれ領
域内に輝度の分布を生じ、画像が不自然に認識される課
題が生じることになる。
【0015】本発明は前記従来技術の課題を解決するた
め、CRTの表示特性と空間光変調素子の入出力特性と
の関係を最適化し、残像の無い鮮明な高品質の画像を得
ることのできる光書き込み方法及び空間光変調素子の駆
動方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る空間光変調素子の光書き込み方法は、
対向する2枚の透明導電性電極を具備した透明絶縁性基
板で挟まれた領域に強誘電性液晶層と、整流性を有する
光導電体層とこれらの層の間に同一平面内に設けられた
複数個の島状反射鏡とを少なくとも備えた空間光変調素
子と、前記導電性電極に接続された前記空間光変調素子
を駆動するための交流電源と、画像入力手段と、前記画
像入力手段から出力された画像を前記光導電層に結像す
る画像結像手段と前記空間光変調素子が出力する画像を
読み出す光源及び投写レンズを少なくとも構成要素と
し、前記空間光変調素子は入力光強度の増加に対し、出
力光強度が概ね変化しないしきい値領域を有し、且つ前
記画像入力手段は、画像の書き込み周期以上の時間にお
いて、その発光強度が前記空間光変調素子のしきい値領
域内となる残光特性を有していることを特徴とする。
【0017】また上記構成において画像入力手段の各画
素の発光強度の最大値に対し、その発光強度が10%に
減少するのに要する時間が、前記画像入力手段の画像書
き込み周期時間に対し、短い時間を要することが望まし
い。
【0018】また上記構成において画像入力手段の各画
素の発光強度の最大値に対し、その発光強度が10%に
減少するのに要する時間が概ね12msであることが望
ましい。
【0019】本発明に係る空間光変調素子の駆動方法
は、対向する2枚の透明導電性電極を具備した透明絶縁
性基板で挟まれた領域に強誘電性液晶層と、整流性を有
する光導電層とこれらの層の間に同一平面内に設けられ
た複数個の島状反射鏡とを少なくとも備えた空間光変調
素子において、前記空間光変調素子に印加される駆動電
圧波形の1周期が、前記光導電層を順方向バイアス状態
にして前記強誘電性液晶層の配向方向を分極反転させる
消去電圧期間と、前記光導電層に空乏領域を形成し光電
流を発生させる書き込み電圧期間とからなる時、前記光
導電層は消去電圧期間後の空間光変調素子からの光強度
出力が、書き込み電圧期間に発生した光電流による光出
力の10%以下となる整流特性を有するように動作する
ことを特徴とする。
【0020】また上記構成において空間光変調素子に印
加される駆動電圧波形の消去期間の電圧値は、概ね10
V〜30Vの範囲であることが望ましい。
【0021】また上記構成において空間光変調素子に印
加される駆動電圧波形は、消去電圧期間の時間幅が書き
込み電圧期間の時間幅の概ね0.1%〜10%であるこ
とが望ましい。
【0022】本発明に係る空間光変調素子の駆動方法
は、対向する2枚の透明導電性電極を具備した透明絶縁
性基板で挟まれた領域に強誘電性液晶層と、整流性を有
する光導電層とこれらの層の間に同一平面内に設けられ
た複数個の島状反射鏡とを少なくとも備えた空間光変調
素子と、前記導電性電極に接続された前記空間光変調素
子を駆動するための交流電源と、画像入力手段と、前記
画像入力手段から出力された画像を前記光導電層に結像
する画像結像手段と前記空間光変調素子が出力する画像
を読み出す光源及び投写レンズを少なくとも構成要素と
し、前記空間光変調素子に印加される駆動電圧波形の1
周期が、前記光導電層を順方向バイアス状態にして前記
強誘電性液晶層の配向方向を分極反転させる消去電圧期
間と、前記光導電層に空乏領域を形成し、光電流を発生
させる書き込み電圧期間とからなる時、前記画像入力手
段による画像書き込みのための発光と前記空間光変調素
子の消去電圧の入力との位相差が画像入力手段の1画面
の書き込み周期の概ね1/4以下であることを特徴とす
る。
【0023】本発明の光特性検出方法は、空間光変調素
子の応答特性、残像特性、入出力特性のいずれかまたは
全てを検出する際、前記空間光変調素子にレーザ光を書
き込むレーザダイオードと、前記レーザ光を分離して一
の光パワーメータまたはフォトダイオードのいずれかま
たは両方に入力させる手段と、前記空間光変調素子の信
号読み出しに用いられるレーザ手段と、前記空間光変調
素子からの読みだし光を他の光パワーメータまたはフォ
トダイオードのいずれかまたは両方に入力させる手段を
用い、前記各光パワーメータにより前記空間光変調素子
の入出力特性を検出し、また前記各フォトダイオードに
より前記空間光変調素子の応答特性や残像特性を検出す
ることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0025】(実施の形態1)図1に、本発明の一実施
の形態で構成したレーザダイオード(以下LDと略記す
る)を用いた空間光変調素子の光書き込み系の評価シス
テムを示す。
【0026】LD113はレーザダイオードの駆動ドラ
イバ114からの変調信号により出力光強度を制御でき
る。また、LD113はペルチェ素子により温度が安定
に保たれLD113の動作の安定化が図られている。パ
ルスジェネレータ115からのアナログ信号を駆動ドラ
イバ114に印加することでLD113の発光プロファ
イルを所望の形状に設定することができる。
【0027】もう1つのパルスジェネレータ116から
の信号は空間光変調素子108の動作用に印加される。
また、パルスジェネレータ115はもう1つのパルスジ
ェネレータ116と互いに同期を取って接続されている
ためLD113から空間光変調素子108への光書き込
みのための発光と空間光変調素子108との動作とを時
系列的に制御することができる。LD113からの光出
力はビームスプリッタ109により分割され一方は空間
光変調素子108の光書き込みのための入力に用いられ
る。また、もう一方はモニター用に更にビームスプリッ
タ110により更に分割され、光パワーメータ111と
フォトダイオード112により検出される。
【0028】また、He−Neレーザ101は空間光変
調素子108の信号読み出しに用いられる。He−Ne
レーザ101からの出力光は偏光子102により直線偏
向光にされビームスプリッタ103を通過して空間光変
調素子108で反射される。そして再びビームスプリッ
タ103で反射されて検光子104により偏光状態が強
度に変換されてもう1つのビームスプリッタ105によ
り分割され光パワーメータ106とフォトダイオード1
07によって検出される。
【0029】このシステムを用いてLD113により発
光プロファイル形状、発光タイミング等を変化して空間
光変調素子108の応答特性や残像特性をフォトダイオ
ード107と112により評価可能である。また、光パ
ワーメータ106と111により空間光変調素子108
の入出力特性、つまりγカーブの評価も可能である。
【0030】尚、空間光変調素子108の応答特性や残
像特性のみを評価検出する場合は、フォトダイオード1
07と112のみに反射光を入力するような構成として
もよい。
【0031】空間光変調素子108を用いた大画面投写
型ディスプレイのシステム構成を図2に示す。CRT2
01による画像パターンを結像レンズ202を通して空
間光変調素子203の光導電層に結像する。すると、光
導電層内では、微弱な2次元書き込み光パターンに対応
した光キャリヤが発生し、これが読み出し光側の反射電
極に集められる。この作用によって入力画像パターンが
強誘電性液晶層へと転送されることになる。これを高輝
度の光源204を用いて偏向変調された画像パターンと
して読みとり、偏光ビームスプリッタ205を通して入
力画像に対応した2次元の画像強度パターンとする。こ
れを投写レンズ206によってスクリーン207上に大
画面の画像として投写を行う。
【0032】図2の投写型ディスプレイ中で用いられた
空間光変調素子の構成の一例を図3に示す。これは、透
明な基板301(例えばガラス)上に透明電極302
(例えばITO、ZnO、SnO2 など)を形成し、整
流性を持つ光導電層(または受光層)306を構成し、
その上に微小形状に分離された金属反射膜309〜31
0(例えばAl、Ti、Cr、Agなどの金属、あるい
は2種以上の金属を積層したもの)を形成し、液晶を配
向させるための配向膜311(例えばポリイミド等の高
分子薄膜)をその上から形成したものである。そして、
もう一方の基板315(例えばガラス)上にも透明電極
314(例えばITO、ZnO、SnO2など)を形成
し、その上から配向膜313(例えばポリイミド等の高
分子薄膜)を塗布し、最後にこれらをある間隙をもたせ
て張り合わせて、間隙部分に強誘電性液晶312を注入
したものである。
【0033】光導電層306に使用する材料は例えば、
CdS,CdTe,CdSe,ZnS,ZnSe,Ga
As,GaN,GaP,GaAlAs,InP等の化合
物半導体、Se,SeTe,AsSe等の非晶質半導
体、Si,Ge,Si1-xx,Si1-xGex,Ge1-x
x(0<x<1)の多結晶または非晶質半導体、ま
た、(1)フタロシアニン顔料(Pcと略す)例えば、
無金属Pc,XPc(X=Cu,Ni,Co,TiO,
Mg,Si(OH)2 など),AlClPcCl,Ti
OClPcCl,InClPcCl,InClPc,I
nBrPcBrなど、(2)モノアゾ色素,ジスアゾ色
素等のアゾ系色素、(3)ペニレン酸無水化物およびペ
ニレン酸イミド等のペニレン系顔料、(4)インジゴイ
ド染料、(5)キナクリドン顔料、(6)アントラキノ
ン類、ピレンキノン類などの多環キノン類、(7)シア
ニン色素、(8)キサンテン染料、(9)PVK/TN
Fなどの電荷移動錯体、(10)ビリリウム塩染料とポ
リカーボネイト樹脂から形成される共晶錯体、(11)
アズレニウム塩化合物など有機半導体がある。
【0034】また、非晶質のSi,Ge,Si1-xx
Si1-xGex,Ge1-xx(以下、a−Si,a−G
e,a−Si1-xx,a−Si1-xGex,a−Ge1-x
xのように略す)を光導電層306に使用する場合、
水素またはハロゲン元素を含めてもよく、誘電率を小さ
くするおよび抵抗率の増加のため酸素または窒素を含め
てもよい。抵抗率の制御にはp型不純物であるB,A
l,Gaなどの元素を、またはn型不純物であるP,A
s,Sbなどの元素を添加してもよい。このように不純
物を添加した非晶質材料を積層してp/n,p/i,i
/n、p/i/nなどの接合を形成し、光導電層306
内に空乏層を形成するようにして誘電率および暗抵抗あ
るいは動作電圧極性を制御してもよい。このような非晶
質材料だけでなく、上記の材料を2種類以上積層してヘ
テロ接合を形成して光導電層306内に空乏層を形成し
てもよい。また、光導電層306の膜厚は0.1〜10
μmが望ましい。
【0035】なお、光導電層306の受光感度を上げる
ために、例えばp/i/nのフォトダイオード構造にお
いて、i層を以上の各材料のうちの2つ以上を交互に積
層した超格子構造にして量子効率が1を越える光電流を
発生させるようにすることが望ましい。
【0036】この素子の具体的な作成方法の一例につい
て述べる。まず、ガラスの基板301(40mm×40
mm×0.3mm)上に蒸着法により透明電極302と
してのITO薄膜を堆積する。ITO膜の厚さは100
0Åとした。光導電層306は、プラズマCVD法によ
り形成されており、p層0.03μm、i層1.9μ
m、n層0.3μmである。p層303にはC22及び
B(ボロン)をドープすることにより、p型a−Si
1-xx:H層を形成した。n層305はP(リン)をド
ープすることによりn型のa−Si:H層を形成した。
i層304はアンドープである。次にこの膜上にCrの
反射電極309を0.5μmの厚さに形成する。電極パ
ターンは反射電極の1つの大きさが26μm、溝幅が2
μm、ピッチを28μmとした。尚、このパターンはフ
ォトリソグラフィにより形成した。
【0037】この後リアクティブイオンエッチングによ
り画素をエッチングマスクにして、画素間のa−Si:
Hのi層304の途中までの堀込みを行う。続いてAl
を全面に0.05μm蒸着することによって、Alの反
射電極310及び読み出し遮光膜307を同時に形成す
る。この後、溝の間隙部分にブラックマトリックス30
8を充填し、隣合う画素間の電気的クロストークを避け
る構造としている。
【0038】更にこの上からポリアミック酸を塗布し熱
処理することによりポリイミド配向膜311とした。配
向膜の厚さは0.02μmである。もう一方の読みだし
光側の基板も同様にITO314と配向膜313を形成
した。配向膜上に直径1μmのビーズ316を分散させ
て書き込み側のガラス基板315と張り合わせセルを形
成した。
【0039】その後、セル内に強誘電性液晶312(C
S−1029 チッソ社)を注入して空間光変調素子1
08が完成した。反射電極は2次元的に2048×20
48個配列している。このピッチは28μmで最大解像
度は18(lp/mm)であり、1000TV本以上の
高解像度の光書き込みが可能である。
【0040】次に図1のシステムを用いた具体的な光書
き込みの実施の形態について説明する。図2に示すよう
に空間光変調素子にはCRT201を用いて画像の書き
込みを行う。この時CRTの表示のための各画素の発光
の残光特性が空間光変調素子から読み出した画像の残像
特性や明るさ等の画質に影響する。CRTの残光特性を
空間光変調素子の駆動特性に対して最適化することが重
要である。
【0041】空間光変調素子108の光入出力特性は、
入力光強度の増加に対し出力光強度が概ね変化しないし
きい値領域が存在する。後でも示すように、これは空間
光変調素子108のγカーブの測定からこの書き込み強
度に対するしきい値は20lx程度である。通常CRT
の表示は1フレームが16.7msで行われるため、残
像の影響をなくすためには1フレームの時間以上ではC
RT201の残光特性による発光強度が空間光変調素子
108の書き込み強度に対するしきい値以下となればよ
い。
【0042】以下、この条件を満足する残光特性を求め
る過程を示す。まず、空間光変調素子108のγカーブ
がほぼ飽和するのに必要な書き込み光量は500lx程度
である。また、先の書き込みのしきい値に対応する光量
は20lx程度であるため、500lxの最大値に対して
4%となる。CRTの残光特性は一般に指数関数で以下
のように仮定できる。
【0043】y=exp(-at) いま、1フレームの時間は16.7msであるためt=
16.7とし、この時間以降は残光特性が20lx以下
となっている必要がある。つまりy=20/500=
0.04を上式に代入するとa=0.193となる。C
RTの残光特性は発光強度の最大値に対して10%まで
強度が減衰するのに要する時間で定義するためこの時間
を求めると、 0.1=exp(-0.193t) t=11.93 約12msとなる。よって空間光変調素子108から読
み出された画像に対して残像の影響をなくすためにはC
RTの残光特性としては12ms程度の蛍光体が望まし
いことがわかる。
【0044】図1のシステムにおいてLD113の駆動
のための信号入力を調節することで得られた12msの
残光特性を近似した発光強度プロファイルの一例を図4
に示す。これは図1のシステムのフォトダイオード11
2の出力をデジタルオシロ上でモニターした結果であ
る。図5は図1のシステムを用いて評価したいくつかの
残光特性に対する空間光変調素子108からの出力結果
を示したものである。aは空間光変調素子108への印
加パルスであり、消去パルスは15V、書き込み電圧は
−3.5V、デューティ比は59:1である。bは残光
特性20msを用いた場合、cは12ms、dは5ms
である。図1のシステムにおいて空間光変調素子108
への印加パルスと書き込み光の発光タイミングとを同期
させ、消去パルスが印加された直後に光書き込みを開始
させている。
【0045】この図からbの20msの残光特性を用い
た場合は1フレーム以上の次のフレームまで書き込み光
の光量が残り、2フレーム目でも光出力が生じているこ
とがわかる。このため出力画像には残像が生じることが
わかる。cは先に求めた最適化した残光特性を仮定した
場合である。2フレーム以上では書き込み光量による光
出力は生じず、空間光変調素子108から出力された画
像は残像の影響を受けないことがわかる。
【0046】また、dは5msの短い残光特性をもつ発
光強度プロファイルを仮定したものである。この場合も
2フレーム以上で光出力は生じておらず残像の影響を受
けないことがわかる。しかしながら1フレーム目での光
出力の立ち上がりはcに比べ遅くなっており、応答特性
が低下している。これは書き込み光が短残光であるため
空間光変調素子への平均的な書き込みエネルギーが減少
しているためである。
【0047】上記3つの残光特性を仮定した場合の書き
込み光を図1のシステムを用いてCRTと同じ60Hz
の周波数で駆動し、これを入力光として光パワーメータ
111(応答特性:200ms)で平均的に検出する。
また、空間光変調素子108からのHe−Neレーザ1
01の読み出し光を光パワーメータ106で同時に記録
し、光パワーメータ111の入力光強度の増加に対し
て、光パワーメータ106の読み出し光強度の増加をγ
カーブとして求めたものを図6に示す。
【0048】図6からわかるように書き込み強度の残光
特性が短くなるにつれてγカーブの読み出し光強度がほ
ぼ一定になる飽和値が低くなっている。また、立ち上が
りの傾きも減少し、立ち上がり特性が低下している。こ
れは図5の光出力の応答特性とも関係している。つま
り、書き込み光の発光のサイクルはCRTのそれに対応
させて60Hzであるため、残光特性が20msの場合
は1フレーム目で発光が開始し、次の2フレーム目にお
いても空間光変調素子からの出力が得られるだけの光強
度が残っている。この状態で2フレーム目でも更に発光
を開始するため、1フレーム目の発光による残光に2フ
レーム目の発光が重畳することになる。従って書き込み
強度の残光特性が長くなればなるほど定常光での書き込
み状態に近くなるため、空間光変調素子へ与える平均的
なエネルギーが増加する。
【0049】この結果、図5で示す光出力の飽和するま
での時間も急峻になり時間開口率が向上する。逆に残光
特性が短い場合は空間光変調素子に与える平均的なエネ
ルギーが低下し、これに対応して光出力の立ち上がりも
遅く時間開口率も低下すると考えられる。
【0050】以上のようなことにより、図6で示すよう
な残光特性の違いによるγカーブの形状の違いが生じる
と思われる。この結果より、5msの短残光の場合は読
み出し光の飽和強度値が25ms残光の場合のほぼ半分
程度に低下している。このため、5msの短残光を仮定
したCRTを用いて空間光変調素子により画像を投写し
た場は、投写画像の輝度が著しく低下することになる。
【0051】また、25msの残光特性をもつCRTを
用いた場合は、輝度は充分であるが図5に示す応答特性
における残像が問題になる。一方、12msの残光特性
ではγカーブの立ち上がりの傾きは多少低下するものの
入力光強度の500lxの値において25ms残光の場合
の7割程度の読み出し光強度を有しており輝度の低下は
著しい問題とはならない。また、図5における応答特性
においても残像の影響は受けないことが示されている。
このように、画像の輝度と残像特性を両立させるために
はここで求めた12ms程度の残光特性が適していること
が判明した。
【0052】(実施の形態2)図1のシステムを用いて
実施の形態1の時と同様にして、入力として幅が10m
sの矩形の入力光パターンを空間光変調素子108に書
き込んだ場合の応答特性の結果を図7に示す。書き込み
光量としては60Hzで書き込みを行った場合、γカー
ブが飽和値に対して概ね80%となる強度の光パルスを
用いた。書き込みタイミングとしては駆動信号の消去パ
ルスの開始時に書き込みが開始するものとした。図7に
駆動信号をいくつか変化した場合の光入力と光出力の関
係を示す。
【0053】aは駆動信号として消去パルスは8Vの電
圧値、幅は0.3ms、駆動周波数は60Hzとした。
光入力としては10ms以上では0となるため2フレー
ム目では光入力が印加されない。しかしながら、aでは
2フレーム目の消去パルスの印加直後において空間光変
調素子108からの出力が得られている。
【0054】空間光変調素子への光書き込みは、空間光
変調素子の光導電層を逆方向バイアス状態にして書き込
み光の発光強度に応じた光電流を発生させる書き込み電
圧期間と光導電層を順方向バイアス状態にして電子の引
き抜きを行う消去電圧期間によって行われる。このとき
光電流により発生した電子の引き抜きが不十分となり光
導電層内に残存する電荷量が大きい場合、空間光変調素
子から光強度が出力されることになる。実際に画像を投
写する場合、書き込み電圧期間の光出力に対し消去電圧
期間後の光出力が10%以上である場合は1フレーム目
の影響が2フレーム目にバイアス光として重畳し画像の
黒レベルの浮き上がりによるコントラストの低下といっ
た著しい画質の劣化を引き起こすことになる。
【0055】bは駆動信号の消去パルスは15Vであ
り、幅は0.08ms、周波数は60Hzである。この
場合も光入力が無い場合の2フレーム目で空間光変調素
子から出力が得られており、消去パルス印加後の電子の
引き抜きが不十分だと考えられる。
【0056】cは駆動信号の消去パルスの電圧値が15
V、幅が0.3ms、周波数が60Hzである。この場
合、1フレーム目では光入力に対する光出力の立ち上が
りが生じているが2フレーム目では光出力はほとんど生
じていないことがわかる。
【0057】1フレーム目での光入力に対する光導電層
での電荷の発生は2フレーム目の開始前の消去パルスに
より電子の引き抜きが適切に行わているため、2フレー
ム目では残存電荷の影響はなく光出力は得られていな
い。従って、このときの駆動信号においては1フレーム
目の影響が2フレーム目にバイアス光として重畳してコ
ントラストの低下を引き起こしたり、残像による画質の
劣化を引き起こしたりすることはない。
【0058】以上のように空間光変調素子に印加される
駆動信号の消去電圧期間に印加される電圧値及び印加時
間を適切に選ぶことが必要であることが判明した。
【0059】(実施の形態3)図8に図1のシステムを
用いて空間光変調素子のγカーブを60Hzの駆動周波
数で1フレームの時間(16.7ms)内に書き込みタ
イミングをいくつか変化した場合のγカーブを示す。a
は実施の形態1で示すように12msの残光特性を仮定
した場合、bは5msの残光特性を仮定した場合であ
る。パラメータは消去パルス印加後に書き込みのための
発光が開始するまでの遅延時間である。
【0060】a、bとも遅延時間が遅くなるにつれγカ
ーブの傾き及び飽和値が低下していく。そして、15m
sでは最初の0.28msとほぼ同じ形状となる。これ
はほぼ1フレームに相当する遅延時間であるため1フレ
ームだけずれて元と同じサイクルに戻ったものと考えら
れる。
【0061】1フレームの半分程度の時間においてγカ
ーブの傾き及び飽和値が低下しており、これは残光特性
が短い方がより顕著となる。1フレームの中程で光書き
込みのための発光が始ると、光出力が完全に飽和しきれ
ない内に次のフレームのための消去パルスが印加され
る。このため時間開口率のロスが大きくなる。さらに2
つのフレームに発光が分割されるため2つ目のフレーム
での光量が空間光変調素子のしきい値を越えるまで入力
光の増加に対して読み出し光の出力がほとんど変化しな
い領域が生じる。これがγカーブでの8msの遅延時間
におけるくびれの領域として生じている。そしてこの程
度は実施の形態1でも示したように残光特性が短くなる
ほど影響が大きくなる。
【0062】上記の現象は書き込み手段としてCRTを
用いた場合、画面内の輝度分布として生じることにな
る。つまり、CRTは各画素の水平ライン毎の時系列的
な発光により画像の表示を行っている。また、空間光変
調素子は光書き込みが行われる全領域に対し、上述した
ような書き込み電圧期間、消去電圧期間からなる駆動波
形を一括して印加して駆動を行っている。従って、CR
Tと空間光変調素子とを組み合わせた構成での光書き込
みは、書き込み電圧期間のどの時間にCRTの各画素の
画像書き込みのための発光が始まるかの書き込みタイミ
ングが空間光変調素子の全領域で異なることになる。こ
のため、CRTの書き込みと空間光変調素子の駆動との
同期を画像の上段に合わせて取った場合は、図8のγカ
ーブの傾きと飽和出力値とに対応して上段から中断に行
くにつれて輝度が低下し、中断から下段に行くにつれて
再び輝度が増加する領域内での輝度の分布を生じること
になる。
【0063】これは光書き込みタイプの空間光変調素子
に対しては特徴的な現象であり、駆動信号の周期が長い
ほど影響が大きくなる。この輝度分布の影響を除去する
には駆動信号の周波数を高くし、書き込み期間の周期を
短くすることが必要である。
【0064】図9は駆動信号の消去パルスの電圧値を1
5V、幅を6μsとし、駆動周波数を1KHz、512
Hz、256Hzと変化した場合のγカーブを示す。駆
動周波数が高くなるほど光書き込みにおける時間開口率
が低下するため、γカーブの傾き及び飽和出力値が低下
している。1KHzにおいては60Hzの駆動周波数の
飽和出力値に対して半分以下に、512Hzでは6割程
度に低下してしまい画像を投写した場合の輝度が著しく
低下してしまうことになる。256Hzでは60Hzに
対して8割程度の輝度を確保することができる。
【0065】図10(a),(b)は256Hzの駆動
周波数において、書き込み光の発光タイミングをずらし
て画像投写時の輝度分布の影響を調べたものである。各
遅延時間においてもγカーブはほとんど重なっており、
256Hzで駆動することで輝度の分布を低減できるこ
とがわかる。
【0066】以上のことから空間光変調素子を用いて画
像の投写を行う場合、輝度を確保して明るい画像を得る
ことと同時に投写された画像の全領域における輝度の分
布を低減するためには、書き込み手段としてのCRTの
書き込み周期の概ね1/4以下の256Hz程度での空
間光変調素子の駆動が適していることが判明した。
【0067】
【発明の効果】以上のように本発明の空間光変調素子の
光書き込み方法は、画像入力手段として用いるCRT等
が1フレームの時間以上において空間光変調素子が入力
する光強度の増加に対し、出力光強度が概ね変化しない
しきい値領域内にはいる残光特性を有している。従って
1フレーム以上の時間、つまり次の画面の書き込み時に
おいては空間光変調素子から前画面の情報が出力される
ことは無いため、以前の画像情報が現在表示している画
面に重畳される残像現象が生じない。
【0068】更に、CRTの残像特性としては、各画素
の発光強度の最大値に対し10%に強度が減少するのに
要する時間が概ね12msの残光特性を有している。こ
の残光特性は1フレームの画像書き込みに要する時間に
おいて、減衰した発光強度が空間光変調素子のしきい値
のほぼ上限に到達する。これ以上長い残光特性では残像
現象が生じてしまい、またこれ以下の残光特性では残像
現象は生じないものの書き込み時の発光強度が減少する
ため、書き込み効率が悪くなり結果として投写された画
像の明るさを犠牲にすることになる。このようにCRT
の表示特性を空間光変調素子に対し、最適化することに
より残像の無い高輝度の投写画像を得ることができる。
【0069】また、本発明の空間光変調素子の駆動方法
によれば、消去電圧期間の電圧値及び駆動波形のデュー
ティ比が最適化されているため、光導電層に書き込み電
圧期間に発生した光電流は消去電圧期間に効率良く電子
の引き抜きが行われ、消去電圧期間後には常に光書き込
みにより発生した光電流による光出力の10%以下とな
る。この光出力の10%以下では、光書き込みが行われ
ていない場合に空間光変調素子から光強度が出力される
ことは無く、表示されている画像への前フレームの影響
によるバイアス光の重畳等の問題は生じないためコント
ラストの高い高解像度な投写画像を得ることができる。
【0070】次に、本発明の空間光変調素子の駆動方法
は、画像入力手段としてのCRTによる画像書き込みの
ための発光と空間光変調素子に印加される消去電圧パル
スとの位相差がCRTの1フレームの書き込み周期に比
べ、1/4程度に小さくなるように設定される。従って
書き込み電圧期間内において、CRTによる空間光変調
素子への書き込みタイミングのズレが軽減されることに
なる。よって、従来CRTによる時系列な書き込みと空
間光変調素子の全表示領域を一括した駆動波形により同
時に駆動することから生じる画像の輝度の分布を低く抑
えることが可能となる。この結果、投写された画像は不
自然さを感じずに認識され高品質の画像を実現すること
ができる。
【0071】以上のように本発明におけるCRTの表示
特性と空間光変調素子の入出力特性との関係を最適化す
る光書き込み方法と空間光変調素子に書き込まれた画像
の消去を効率よく行うことができ、更に画像の輝度の分
布を低く抑えることができる駆動方法とを用いて投写型
ディスプレイを構成すれば、残像が無い鮮明な高品質の
画像を提供することができる。
【0072】また、本発明の光特性検出方法によれば、
空間光変調素子の応答特性、残像特性、入出力特性のい
ずれかまたは全てを検出する際、前記空間光変調素子に
レーザ光を書き込むレーザダイオードと、前記レーザ光
を分離して一の光パワーメータまたはフォトダイオード
のいずれかまたは両方に入力させる手段と、前記空間光
変調素子の信号読み出しに用いられるレーザ手段と、前
記空間光変調素子からの読みだし光を他の光パワーメー
タまたはフォトダイオードのいずれかまたは両方に入力
させる手段を用い、前記各光パワーメータにより前記空
間光変調素子の入出力特性を検出し、また前記各フォト
ダイオードにより前記空間光変調素子の応答特性や残像
特性を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体レーザによる空間光変調素子の光学評価
に使用したシステム図
【図2】本発明にかかる空間光変調素子を用いた大画面
投写型ディスプレイの構成図
【図3】微小形状に分割された金属反射膜を有する空間
光変調素子の一実施の形態を示す断面図
【図4】半導体レーザにより出力された発光プロファイ
ルの一例を示す図
【図5】(a)〜(d)空間光変調素子の応答特性の一
例を示す図
【図6】空間光変調素子の入出力光強度特性の一例を示
す図
【図7】(a)〜(c)空間光変調素子の応答特性の一
例を示す図
【図8】(a),(b)空間光変調素子の入出力光強度
特性の一例を示す図
【図9】空間光変調素子の入出力光強度特性の一例を示
す図
【図10】(a),(b)空間光変調素子の入出力光強
度特性の一例を示す図
【符号の説明】
101 He−Neレーザ 102 偏光子 103,105,109,110 ビームスプリッタ 104 検光子 106,111 光パワーメータ 107,112 フォトダイオード 108 空間光変調素子 113 レーザダイオード 114 レーザダイオード駆動ドライバ 115,116 パルスジェネレータ 201 CRT 202 結像レンズ 108 空間光変調素子 204 光源 205 偏光ビームスプリッタ 206 投写レンズ 207 スクリーン 301,315 ガラス基板 302,314 透明導電性電極 303 p層 304 i層 305 n層 306 光導電層 307 読み出し遮光膜 308 ブラックマトリックス 309,310 反射電極 311,313 配向膜 312 強誘電性液晶 316 ビーズ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向する2枚の透明導電性電極を具備した
    透明絶縁性基板で挟まれた領域に強誘電性液晶層と、整
    流性を有する光導電体層とこれらの層の間に同一平面内
    に設けられた複数個の島状反射鏡とを少なくとも備えた
    空間光変調素子と、前記導電性電極に接続された前記空
    間光変調素子を駆動するための交流電源と、画像入力手
    段と、前記画像入力手段から出力された画像を前記光導
    電層に結像する画像結像手段と前記空間光変調素子が出
    力する画像を読み出す光源及び投写レンズを少なくとも
    構成要素とし、前記空間光変調素子は入力光強度の増加
    に対し、出力光強度が概ね変化しないしきい値領域を有
    し、且つ前記画像入力手段は画像の書き込み周期以上の
    時間において、その発光強度が前記空間光変調素子のし
    きい値領域内となる残光特性を有していることを特徴と
    する空間光変調素子の光書き込み方法。
  2. 【請求項2】画像入力手段の各画素の発光強度の最大値
    に対し、その発光強度が10%に減少するのに要する時
    間が、前記画像入力手段の画像書き込み周期時間に対し
    短い時間を要することを特徴とする請求項1記載の空間
    光変調素子の光書き込み方法。
  3. 【請求項3】画像入力手段の各画素の発光強度の最大値
    に対し、その発光強度が10%に減少するのに要する時
    間が概ね12msであることを特徴とする請求項2記載の空
    間光変調素子の光書き込み方法。
  4. 【請求項4】対向する2枚の透明導電性電極を具備した
    透明絶縁性基板で挟まれた領域に強誘電性液晶層と、整
    流性を有する光導電層とこれらの層の間に同一平面内に
    設けられた複数個の島状反射鏡とを少なくとも備えた空
    間光変調素子において、前記空間光変調素子に印加され
    る駆動電圧波形の1周期が、前記光導電層を順方向バイ
    アス状態にして前記強誘電性液晶層の配向方向を分極反
    転させる消去電圧期間と、前記光導電層に空乏領域を形
    成し光電流を発生させる書き込み電圧期間とからなる
    時、前記光導電層は消去電圧期間後の空間光変調素子か
    らの光強度出力が、書き込み電圧期間に発生した光電流
    による光出力の10%以下となる整流特性を有するよう
    に動作することを特徴とする空間光変調素子の駆動方
    法。
  5. 【請求項5】空間光変調素子に印加される駆動電圧波形
    の消去期間の電圧値は、概ね10V〜30Vの範囲であ
    ることを特徴とする請求項4記載の空間光変調素子の駆
    動方法。
  6. 【請求項6】空間光変調素子に印加される駆動電圧波形
    は、消去電圧期間の時間幅が書き込み電圧期間の時間幅
    の概ね0.1%〜10%であることを特徴とする請求項
    4記載の空間光変調素子の駆動方法。
  7. 【請求項7】対向する2枚の透明導電性電極を具備した
    透明絶縁性基板で挟まれた領域に強誘電性液晶層と、整
    流性を有する光導電層と、これらの層の間に同一平面内
    に設けられた複数個の島状反射鏡とを少なくとも備えた
    空間光変調素子と、前記導電性電極に接続された前記空
    間光変調素子を駆動するための交流電源と、画像入力手
    段と、前記画像入力手段から出力された画像を前記光導
    電層に結像する画像結像手段と前記空間光変調素子が出
    力する画像を読み出す光源及び投写レンズを少なくとも
    構成要素とし、前記空間光変調素子に印加される駆動電
    圧波形の1周期が、前記光導電層を順方向バイアス状態
    にして前記強誘電性液晶層の配向方向を分極反転させる
    消去電圧期間と、前記光導電層に空乏領域を形成し光電
    流を発生させる書き込み電圧期間とからなる時、前記画
    像入力手段による画像書き込みのための発光と前記空間
    光変調素子の消去電圧の入力との位相差が画像入力手段
    の1画面の書き込み周期の概ね1/4以下であることを
    特徴とする空間光変調素子の駆動方法。
  8. 【請求項8】空間光変調素子の応答特性、残像特性、入
    出力特性のいずれかまたは全てを検出する光特性検出方
    法であって、前記空間光変調素子にレーザ光を書き込む
    レーザダイオードと、前記レーザ光を分離して一の光パ
    ワーメータまたはフォトダイオードのいずれかまたは両
    方に入力させる手段と、前記空間光変調素子の信号読み
    出しに用いられるレーザ手段と、前記空間光変調素子か
    らの読みだし光を他の光パワーメータまたはフォトダイ
    オードのいずれかまたは両方に入力させる手段を用い、
    前記各光パワーメータにより前記空間光変調素子の入出
    力特性を検出し、また前記各フォトダイオードにより前
    記空間光変調素子の応答特性や残像特性を検出する光特
    性検出方法。
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