JP2689898B2 - 空間光変調素子およびその駆動方法 - Google Patents

空間光変調素子およびその駆動方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、投写型ディスプレイ、
ホログラフィーテレビジョンまたは光演算装置に用いら
れる空間光変調素子およびその駆動方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】光書き込み型の空間光変調素子は、TF
T液晶パネルやCRTなどに代わる大画面投写型ディス
プレイ装置の中核として注目されている。空間光変調素
子は2次元的な画像パターンの光増幅を行う素子であ
り、光導電層と光変調層とを主な構成要素としている。
光導電層の側から低輝度な画像情報を入射させるとその
強度パターンに応じて光導電層の電気的特性が変調さ
れ、さらにこれによって光変調層の光学的特性が変調さ
れる。そして、光変調層の側から高輝度の読み出し光を
入射することにより増幅された画像情報を出力すること
ができる。
【0003】光導電層としては、CdS、結晶Si、ア
モルファスSi(a−Si:H)等が用いられるが、と
りわけa−Si:Hは書き込み光に対する感度の高さ、
暗伝導度の低さ、膜形成の自由度の大きさなどの点で優
れた特性を持っているため、広く用いられている。な
お、書き込まれた画像の消去を特別な消去用のパルス光
なしで行うため、光導電層には整流性をもたせることが
多い。
【0004】光変調層としては、電気光学結晶または液
晶などが用いられるが、中でも表面安定化強誘電性液晶
(SSFLC;以下、単に強誘電性液晶と呼ぶ)は従来
のツイステッド・ネマティック(TN)型の液晶に比べ
て高速応答が得られる(100μsec程度)という特
徴があり、非常に注目されている。
【0005】従来より強誘電性液晶は双安定性(2値特
性)を持つことが知られている。すなわち、印加電界の
極性に応じて強誘電性液晶分子の自発分極の向きが変わ
り、ON(またはUPとも呼ぶ)およびOFF(または
DOWN)の2つの異なる光学的状態をとる。このこと
は、例えば、文献「アプライド・フィジクス・レター
ズ」第36巻(1980年)第899頁から第901頁
(Appl.Phys.Lett.vol36(198
0)P.899−901)に詳しく述べられている。
【0006】さて、実際に強誘電性液晶をディスプレイ
などに用いるためにはONおよびOFFのみならず、こ
れらの間の中間状態が表示できなければならない。この
ような中間状態を得る方法としては、外部からの印加電
界ではなく、印加電荷量によって制御するという方法が
ある。強誘電性液晶はPsで表される自発分極を持ってい
るため、分極反転を起こすためには概ね2Psの電荷を外
部から注入してやる必要があるが、注入電荷の量を2Ps
以下の範囲で制御できればOFFからONへの完全な移
行が起こらず、中間の状態が実現される。この方法は、
例えば文献「フェロエレクトリックス」第122巻(1
991年)第89頁から第99頁(Ferroelec
trics,vol122(1991)P.89−9
9)や、文献「ジャーナル・オヴ・アプライド・フィズ
ィクス」第66巻(1989年)第1132頁から第1
136頁(J.Appl.Phys.66(1989)
P1132−1136)に記載されている。ただし、こ
れらの報告においては、ON状態のドメインとOFF状
態のドメインとが面積的に分布して巨視的に中間状態に
見えるだけであり、微視的に見れば強誘電性液晶は2値
特性を保っている(面積階調)。つまり、強誘電性液晶
が一様にONでもOFFでもない第3の状態になってい
るというわけではない。
【0007】さて、強誘電性液晶と整流性を有する光導
電層(pin構造のa−Siなど)によって構成される
空間光変調素子を駆動する場合、駆動電圧波形として
は、図2(a)に示すような矩形波状のもの(消去パル
ス201及び書き込み電圧期間202より成る)や、図
2(b)に示すようなもの(消去パルス203、第一の
低電圧期間204、書き込みパルス205、および第二
の低電圧期間より成る)が一般的である。図2(a)
は、例えば、文献「アイ・イー・イー・イー・トランザ
クションズ・オン・エレクトロン・デバイスィズ」第3
6巻(1989年)第2959頁から第2964頁(I
EEE Transactions onElectr
on Devices.vol36(1989)P.2
959−2964)に用いられている。
【0008】この駆動波形は、完全に正負が対称である
ため、強誘電性液晶の分解による経時変化が防げるとい
う利点がある反面、書き込み電圧期間202が負の非常
に大きな電圧となるため、書き込み光が無い状態でも強
誘電性液晶が分極反転をして(電界スイッチング)コン
トラストを低下させること、および出力光のデューティ
ー比が高々1/2しかないため明るさのロスになること
の問題点がある。図2(b)は我々が提唱した方法であ
り、デューティー比をほぼ1にすることができるが、書
き込みパルス205印加時の電界スイッチングによるコ
ントラストの低下は防ぐことができないという問題があ
る。
【0009】図3は以上の問題を解決するために用いら
れる駆動パルス波形である。これは例えば、文献「エス
・アイ・ディー・ダイジェスト」(1991年)第25
4頁から第256頁(SID Digest(199
1)P.254−256)や米国特許第5,178,4
45号明細書において用いられているもので、高電圧で
短い消去パルス301と低電圧で長い書き込み電圧期間
302からなっている。この駆動パルスにおいては書き
込み電圧期間302の電圧の絶対値を消去パルス301
の電圧の絶対値よりも小さくしているため電界によるス
イッチングを抑えることができ、また、書き込み電圧期
間302が長いため読み出し光のデューティー比もほぼ
1にできるので、投写型ディスプレイなどへの応用には
適した方式である。
【0010】後者の文献では特に、コントラストの大き
い駆動をするための駆動電圧の条件についても触れてい
る。ただし、いずれにしても強誘電性液晶としてはON
とOFFの2つの状態以外は安定にとることのできない
ものを用いており、前者においては上記の面積階調を用
いて中間調表示を実現している。また、後者では強誘電
性液晶の2値特性をそのまま用い、中間調表示は行って
いない。なお、上記文献では、書き込み光としてパルス
光(例えば、空間光変調素子駆動の一周期の長さに比べ
て発光時間の短い蛍光体をもつCRTの発光)を用いて
いる。
【0011】このような空間光変調素子を投写型ディス
プレイ、またはホログラフィーテレビジョンに用いる場
合、コントラストがよく、安定で制御性のよい中間調表
示ができることが必要とされる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の空
間光変調素子は、光変調層として2つの状態しか安定に
とることのできないものを用いていたため、中間調表示
としては面積階調を用いていたため、入力する画像が高
解像度になる(すなわち1画素の大きさが小さくなる)
に従って1画素あたりに含まれるドメインの数が少なく
なり、得られる階調の数が小さくなり中間調表示が困難
になるという問題があった。
【0013】また、実際に空間光変調素子を駆動すると
きに、強誘電性液晶が中間的な状態をとるような印加電
荷量の範囲内での電荷制御を行っていない(例えば上述
の米国特許第5,178,445号明細書など)ため
に、高コントラストの中間調表示をするのが困難であっ
た。
【0014】本発明は上記課題を解決するもので、投写
型ディスプレイなどに用いられる空間光変調素子におい
て、コントラスト比が高く、制御性のよい中間調表示を
得ることができる空間光変調素子およびその駆動方法を
提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の空間光変調素子は、対向する2枚の透明電
極間に光変調層及び光導電層を設け、前記光変調層は、
印加電荷量に応じて異なる光学的状態を示す光変調層で
あって、かつ、前記印加電荷量が第一の閾値電荷量以上
のときには第一の光学的状態を示し、前記印加電荷量が
第二の閾値電荷量以下のときには第二の光学的状態を示
し、前記印加電荷量が前記第一の閾値電荷量よりも小さ
く、かつ前記第二の閾値電荷量よりも大きいときには、
前記印加電荷量に対応して前記第一の光学的状態と前記
第二の光学的状態の間の光の波長のオーダーよりも巨視
的にみて一様な中間状態を示すものを用いる構成であ
る。
【0016】また、前記光導電層は整流性を有し、逆方
向バイアス状態のときには入射される書き込み光の強度
に応じた大きさをもつ光電流を発生させるものを用いる
のが望ましい。また、前記光変調層は、2つの配向膜に
よって挟まれた強誘電性液晶層を含んでいるものを用い
るのが望ましい。また、前記配向膜の比抵抗は108Ω
・cm〜1011Ω・cmの範囲にあることが望ましい。
【0017】さらに前記空間光変調素子の駆動方法は、
駆動電圧の波形の一周期が、光導電層を順方向バイアス
状態にして前記光変調層に第一の閾値電荷量より大きな
電荷量を印加する消去期間と、前記光導電層を逆方向バ
イアス状態にして書き込み光の強度に応じた大きさをも
つ光電流を発生させる書き込み期間からなり、前記書き
込み期間においては、前記書き込み光の強度が第一の閾
値光強度以下のときには前記光変調層に印加される電荷
量が前記第一の閾値電荷量以上の状態を保ち、前記書き
込み光の強度が第二の閾値光強度以上のときには前記光
変調層に印加される電荷量は前記第二の閾値電荷量以下
にまで減じられるように前記駆動電圧を前記2枚の透明
電極に印加する工程を含ませる。
【0018】また、前記光変調層は、2つの配向膜によ
って挟まれた強誘電性液晶層を備えており、前記消去期
間の駆動電圧の最大値をVe、前記書き込み期間の駆動電
圧の最小値をVw、強誘電性液晶層の分極反転を伴わない
場合の強誘電性液晶層の容量をCf、前記光導電層の容量
をCa、光導電層の拡散電位をVd、強誘電性液晶層の閾値
電圧を−Vth として、これらの値が−Vth≦(CfVe+CaV
w)/(Cf+Ca)−VdかつVw−Vd≦−Vthの関係を満たす
ようにすることが望ましい。
【0019】また、前記消去期間の駆動電圧Ve、および
前記書き込み期間の駆動電圧Vwが、1V≦Ve≦40V
および −20V≦Vw≦4Vの範囲にあることが望まし
い。
【0020】また、前記強誘電性液晶層と前記光導電層
とが微小形状に分離された金属反射膜を介して電気的に
接触していることが望ましい。
【0021】
【作用】中間調表示を得る原理について説明する。光変
調層として、一様で連続的な中間状態を示す媒体を用い
れば、入力する画像として高解像度のものを用いて1画
素あたりのドメインの数が少なくなっても(極端な場合
1つしかなくても)、ONとOFFの間の状態を連続的
に実現することができ、高解像度な中間調表示を行うこ
とができる。また、仮に印加電圧制御によってONとO
FFの2状態しか実現できない媒質であっても、電圧で
はなく外部から加える電荷量によってONとOFFの間
の一様な状態が安定に実現できる媒質であれば、電荷制
御型の外部回路構成にすることにより(例えば電圧源の
代わりに電流源を接続することにより)中間状態を実現
することは可能である。特に電流源として、書き込み光
の強度によって異なる電流を発生するもの(整流性を有
する光導電層がこれにあたる)を用いれば、書き込み光
の強度によってこの中間状態を制御することが可能とな
る。
【0022】これを実際に消去電圧期間と書き込み電圧
期間とからなる駆動電圧波形で動作させる場合を考え
る。いま、OFF状態から中間状態へ移行する時点、及
び中間状態からON状態へ移行する時点での電荷量をそ
れぞれQ1、Q2とする。即ち、印加電荷量Qが、Q≧Q1
あればOFF状態、Q1>Q>Q2であれば中間状態、Q2
QであればON状態であるとする。まず消去電圧が印加
されるときには光変調層への印加電荷量QはQ1以上にな
り強制的にOFF状態に戻される。次に書き込み電圧期
間においては光導電層が書き込み光強度に応じた光電流
を発生する。ここで、書き込み光が十分に小さければ書
き込み電圧期間内においてQ≧Q1の状態を保つように
し、書き込み光が十分に大きければ電荷量QをQ2以下に
まで変化させるのに十分な光電流を発生するようにすれ
ば、OFF状態からON状態の間の広いレンジで中間状
態が実現でき、結果としてコントラストの高い中間調表
示ができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。本発明にかかわる空間光変調素子の
一例を図6に示す。これは透明な基板601(例えばガ
ラス)上に透明導電性電極602(例えばITO、Zn
O、SnO2 など)を形成し、整流性を持つ光導電層
(または受光層)606を構成し、その上に微小形状に
分離された金属反射膜607(例えばAl、Ti、C
r、Agなどの金属、または2種以上の金属を積層した
もの)を形成し、液晶を配向させるための配向膜608
(例えばポリイミド等の高分子薄膜)をその上から形成
したものである。そして、もう一方の基板612(例え
ばガラス)上にも透明導電性電極611(例えばIT
O、ZnO、SnO2 など)を形成し、その上から配向
膜610(例えばポリイミド等の高分子薄膜)を塗布
し、最後にこれらをある間隙をもたせて張り合わせて、
間隙部分に強誘電性液晶609を注入したものである。
【0024】光導電層606に使用する材料は例えば、
CdS,CdTe,CdSe,ZnS,ZnSe,Ga
As,GaN,GaP,GaAlAs,InP等の化合
物半導体、Se,SeTe,AsSe等の非晶質半導
体、Si,Ge,Si1-xx,Si1-xGex,Ge1-x
x(0<x<1)の多結晶または非晶質半導体、また、(1)
フタロシアニン顔料(Pcと略す)例えば無金属Pc,
XPc(X=Cu,Ni,Co,TiO,Mg,Si
(OH)2 など),AlClPcCl,TiOClPc
Cl,InClPcCl,InClPc,InBrPc
Brなど、(2)モノアゾ色素,ジスアゾ色素などのア
ゾ系色素、(3)ペニレン酸無水化物およびペニレン酸
イミドなどのペニレン系顔料、(4)インジゴイド染
料、(5)キナクリドン顔料、(6)アントラキノン
類、ピレンキノン類などの多環キノン類、(7)シアニ
ン色素、(8)キサンテン染料、(9)PVK/TNF
などの電荷移動錯体、(10)ビリリウム塩染料とポリ
カーボネイト樹脂から形成される共晶錯体、(11)ア
ズレニウム塩化合物など有機半導体がある。
【0025】また、非晶質のSi,Ge,Si1-xx
Si1-xGex,Ge1-xx(以下、a−Si,a−G
e,a−Si1-xx,a−Si1-xGex,a−Ge1-x
xのように略す)を光導電層606に使用する場合、
水素またはハロゲン元素を含めてもよく、誘電率を小さ
くするおよび抵抗率の増加のため酸素または窒素を含め
てもよい。抵抗率の制御にはp型不純物であるB,A
l,Gaなどの元素を、またはn型不純物であるP,A
s,Sbなどの元素を添加してもよい。このように不純
物を添加した非晶質材料を積層してp/n,p/i,i
/n、p/i/nなどの接合を形成し、光導電層606
内に空乏層を形成するようにして誘電率および暗抵抗ま
たは動作電圧極性を制御してもよい。このような非晶質
材料だけでなく、上記の材料を2種類以上積層してヘテ
ロ接合を形成して光導電層606内に空乏層を形成して
もよい。また、光導電層606の膜厚は0.1〜10μ
mが望ましい。
【0026】この素子の具体的な作成方法の一例につい
て述べる。まず、ガラスの基板601(40mm×40
mm×0.3mm)上にスパッタ法により透明導電性電
極602としてのITO薄膜を堆積する。ITO膜の厚
さは1000Åとした。そして、光導電層606として
pin構造のアモルファスシリコン(a−Si:H)を
プラズマCVD法により堆積する。このときのp層60
3、i層604、n層605の厚みはそれぞれ1000
Å、17000Å、2000Åであり、合計で2μmに
なるようにした。p層603には不純物としてB(ホウ
素)を400ppm、n層605にはP(燐)を40p
pm添加した。i層604は無添加である。
【0027】次に金属反射膜607を作成するために真
空蒸着法により全面にCrを形成した。その後フォトリ
ソグラフィーを用いて微小形状に分割した。このときの
金属反射膜607の大きさは20μm□であり、画素間
の幅は5μmとした。また、画素数は106 (1000
×1000)とした。この上からスピンコート法によっ
てポリアミック酸を塗布し、熱硬化を行ってポリイミド
の配向膜608を形成した。この時のポリイミドの厚み
は100Åとした。配向処理はナイロン布で配向膜60
8上を一方向に擦ることにより行った。もう一方の基板
612(ガラス)上にも同様にしてITOの透明導電性
電極611を形成し、ポリイミドの配向膜610を形成
して配向処理を行った。
【0028】次にこの基板612上に直径1μmのビー
ズを分布させてもう一方の基板601を張り合わせるこ
とにより両基板間に1μmのギャップを形成した。最後
にこのギャップに強誘電性液晶609を注入して熱処理
を行うことにより空間光変調素子613が完成した。
【0029】空間光変調素子の別の構成例を図7に示
す。これは基本的な構造は図6の空間光変調素子613
と同じであるが、異なるところとしては以下の所があ
る。 (1)基板701と透明導電性電極703の間に例えば
Cr、Al、Ti、Agなどの金属からなる入力遮光膜
702を形成して、書き込み光により画素分離715部
分の抵抗が下がって画素716間のクロストークが生じ
ることによる解像度の低下を防ぐ。 (2)隣合う金属反射膜710の間の光導電層707の
n層706の全部及びi層705の一部をエッチングに
より除去し、溝を形成する。これにより隣合う金属反射
膜710間が低抵抗なn層によってつながることがな
く、電気的に分離され解像度が向上する。なお、溝の堀
込みは、p層704に達するまで行っても差し支えな
い。 (3)(2)で形成した溝の底に例えばAl、Cr、T
i、Agなどの金属からなる出力遮光膜708を形成す
る。これにより、読み出し出力光が光導電層707の側
へ回り込むことによるスイッチング誤動作がなくなり、
読み出し光強度を大きくできる。 (4)溝の部分に有機出力遮光膜709を入れてある。
これによりさらに読み出し光に対する遮光度が向上す
る。
【0030】なお、図7において、強誘電性液晶71
1、配向膜712、基板714は図6と同様の構成であ
る。
【0031】この他にも、例えば図6において金属反射
膜607のかわりに全面に誘電体の反射膜を形成した構
造の空間光変調素子もある。これを図8に示す。この空
間光変調素子808は、対向する2枚の基板801、8
07(それぞれ透明導電性電極802、806を有す
る)の間に光導電層803、誘電体反射膜804、強誘
電性液晶層805、配向膜(図示せず)を挿入したもの
である。
【0032】次に、図7の空間光変調素子717を例に
とり、駆動方法および動作原理について述べる。2枚の
透明導電性電極703,713間に印加する駆動電圧波
形の一例としては、図3に示すような消去パルス301
(電圧Ve、時間Te)および書き込み電圧期間302(電
圧Vw、時間Tw)の連続したものを用いる。
【0033】いま、図7の空間光変調素子717の一画
素部分を取り出すと、図9に示すように、強誘電性液晶
層903と光導電層902(書き込み光904によって
制御される)が駆動電圧源901に直列に接続されたも
のとみなすことができる。ここで、駆動電圧をVin 、強
誘電性液晶層903にかかる電圧をVf、光導電層902
にかかる電圧をVa(=Vin −Vf)とする。金属反射膜7
10の電位はVfとなる。
【0034】光導電層902はダイオード特性を有し、
順方向バイアス印加時には低抵抗状態となり、逆方向バ
イアス印加時には高抵抗状態となり光電流を発生する。
簡単のため、理想的ダイオード特性(順方向抵抗は0、
逆方向抵抗は無限大)を仮定し、また、逆方向バイアス
時の暗電流は光電流に比べて無視できるほど小さいと仮
定すると、光導電層の暗時電流電圧特性1001および
光照射時電流電圧特性1002は図10で表わされるよ
うなものになる。ここで、Vdはダイオードの拡散電位で
あり、光照射時電流電圧特性1002の曲線と横軸の交
点におけるVaの値と定義できる。Vdは通常0.1V〜5
V程度の値である。また、Iph は光電流であり、書き込
み光強度Lとの間には、(式1)の関係がある。 (式1) Iph=(ηe/hν)L この式において、eは電子の電荷、hνは光子のエネル
ギー、ηは光子によるキャリア発生の量子効率である。
なお、光導電層902が逆方向バイアス状態の場合で過
渡的な現象を扱うときには、図11に示すように光導電
層1102は電流源Iph と光導電層の容量Ca(=εaε0
/da;εa は光導電層の比誘電率、ε0は真空の誘電
率、daは光導電層の厚さ)の並列回路とみなして解析す
ればよい。なお、この図で、駆動電圧源1101、強誘
電性液晶層1103、書き込み光1104の構成は図9
と同じである。
【0035】強誘電性液晶層1103は抵抗は非常に大
きいため容量成分のみとみなせばよい。液晶の分極反転
が伴わない場合には強誘電性液晶層1103の幾何学的
形状によって決まる容量Cf(=εfε0/df;εf は分極
反転を伴なわない場合の液晶の誘電率、dfは液晶層の厚
み)とみなせる。しかし、分極反転が伴うときには、分
極の履歴特性を考慮せねばならない。強誘電性液晶は印
加電圧Vfと分極状態Pとの間に一般に図12(a)に示
すような履歴特性が存在する。これは、例えば印加電圧
が正から負へと移行するときにはA→G→B→C→Dの
経路をたどるが負から正へと移行するときにはD→C→
E→G→Aという経路をたどることを示す。ここで、Ps
は自発分極の大きさであり、Vth または−Vth はスイッ
チングの閾値電圧である。
【0036】いま、金属反射膜710に蓄積される電荷
Qは、分極反転を考慮に入れると(式2)のように表わ
され、液晶層の透過率Tは、分極状態Pによって(式
3)のように表せる。 (式2) Q=CfVf+P (式3) T=(1−P/Ps)/2 さて、A→B→C→Dの経路を考えた場合(式2)、
(式3)によると、まずA→Bにおいては、P=Ps、T
=0、そしてQ=CfVf+Ps(但し、Vf≧−Vth 、Q≧−
CfVth +Ps)である。そしてB→Cにおいては、P=Q
+CfVth 、T=[1−(Q+CfVth )/Ps]/2(ただ
し、Vf=−Vth 、−CfVth −Ps<Q<−CfVth +Ps)で
ある。そして、C→Dにおいては、P=−Ps、T=1、
そしてQ=CfVf−Ps(ただし、Vf≦−Vth 、Q≦−CfVt
h −Ps)である。これらのことを考慮して電荷量Qと透
過率Tの関係を図示すると、図21のようになる。ただ
しここでQ1、Q2は(式4)で定義される閾値電荷量であ
る。 (式4)Q1=−CfVth+Ps Q2=−CfVth−Ps また、この図でA〜Dの記号は図12(a)のそれと対
応する。これによると、確かにOFF状態(AB間;Q1
<Q)およびON状態(CD間;Q<Q2)以外の中間状
態(BC間;Q2<Q<Q1)が生じていることが分かる。
中間状態は、+Psの分極と−Psの分極状態が面積的に分
布している状態、もしくは強誘電性液晶の分子が一様に
分極反転の途中にある状態と考えられる。
【0037】なお、図12(a)の特性は非常に理想的
な場合であり、実際は図12(b)や図12(c)のよ
うに閾値電圧が明確な値をもたずに、スイッチングの中
間状態(BC間)での電圧値が幅をもつことがある。こ
の場合でも、中間状態において傾きdP/dVfがCfに比
べて十分大きければ以下の解析は近似的に当てはめられ
る。このときはA→G→B→C→Dの曲線において、分
極反転が10%進行したところ(T=0.1、すなわち
P=(4/5)Psとなるところ)のVfの値を−Vth (Vt
h <0となることも有り得る)とすればよい。なお、こ
の曲線自体が原点に関して点対称にならないことも有り
得るが、その場合はD→C→E→G→Aのほうは無視し
てA→G→B→C→Dのみを用いて−Vth を求めればよ
い。図12(b)、(c)の場合も図21と同様のQ−
T曲線を描くことができる。いずれもQ1およびQ2は、
(式5)に示すようになる。 (式5)Q1=CfVB+Ps≒−CfVth+Ps Q2=CfVC−Ps ただし、VBおよびVCは、B点およびC点における電圧値
である。
【0038】以上のことをふまえて図1の駆動パルス波
形図を用いて空間光変調素子の動作を説明する。図中1
01は消去パルス、102は書き込み電圧期間、103
は駆動電圧(Vin)、104は強誘電性液晶層への印加
電圧(Vf;消去パルス時)、105aは強誘電性液晶層
への印加電圧(Vf0>−Vth)、105bは強誘電性液晶
層への印加電圧(Vf0=−Vth)、105cは強誘電性液
晶層への印加電圧(Vf0<−Vth)、106は強誘電性液
晶層の閾値電圧、107aは読み出し光強度(Vf0>−V
th)、107bは読み出し光強度(Vf0=−Vth)、10
7cは読み出し光強度(Vf0<−Vth)である。
【0039】まず、消去パルス101が印加されたとき
(Vin =Ve)を考える。このパルスの長さTeと電圧値Ve
が十分であれば、光導電層902は順方向状態となり強
誘電性液晶層903はOFF状態(図12でAの点に対
応、P=Ps)になる。このとき、強誘電性液晶層903
への印加電圧は破線で表されるようにVf=Ve−Vdとな
る。また、印加電荷は、Q=Cf(Ve−Vd)+Ps(>Q1
となる。
【0040】次に、駆動電圧がVin=VeからVin=Vwへと
変化した瞬間(時刻t=0とする)を考える。この瞬間
に電流が流れ、容量としての強誘電性液晶層903及び
光導電層902への蓄積電荷が変化する。光導電層90
2の容量はCaであり、また、強誘電性液晶層903はこ
の瞬間には慣性により分極反転は追随しないので(式
5)でPの値は変化せず、P=Psのままである。いま、
この瞬間におけるVfの値をVf0 とすると、金属反射膜部
分における電荷の保存を考えて、(式6)が成り立つ。 (式6) (CfVf0+Ps)−{Cf(Ve−Vd)+Ps}=Ca{(Vw−Vf0)−Vd} ただし、強誘電性液晶層903での電荷は(式2)を用
い、この瞬間での光電流は無視した。(式6)より、Vf
0は、(式7)と表せる。 (式7) Vf0 =(CfVe+CaVw)/(Cf+Ca)−Vd また、このときの印加電荷量をQ0とすると、(式8)と
なる。 (式8) Q0=CfVf0+Ps=Q1+Cf(Vf0+Vth) 次に、書き込み電圧期間Twが無限に長いとした場合の電
位Vfの変化について考える。 (1)いま、Vf0≧−Vthの場合、すなわちQ0≧Q1の場
合、t=0での分極状態は図12のAB間にある(OF
F状態)。t>0においては、B点に達するまで光電流
Iph によってVfが変化する。この間の電位Vfの変化は、
図11の回路によって、(式9)さらには(式10)で
表される。 (式9) Ca(d/dt)(Vw−Vf)−Iph=dQ/dt=CfdVf/dt (式10) dVf/dt=−Iph/(Cf+Ca) これを、t=0でVf=Vf0 の初期条件で解いてVf、P、
Q、および透過率Tを求めると、(式11)となる。 (式11)Vf=Vf0 −Ipht/(Cf+Ca) P=Ps Q=Q0−{Cf/(Cf+Ca)}Ipht T=0 B点に達する時刻t=t1は、Vf=−Vth (すなわちQ=
Q1)となるとき、つまり、(式12)となる。 (式12) t1=(Cf+Ca)(Vf0+Vth)/Iph B点に達したあとはVf=−Vth のままで分極反転が行わ
れる(図12のBC間)。この時の分極状態Pの変化
は、(式2)を用いて、(式13)である。 (式13) −Iph=dQ/dt=dP/dt t=t1でP=Psなので、Vf、P、Qおよび透過率Tは、
(式14)となる。 (式14)Vf=−Vth P=Ps−Iph(t−t1) Q=Q1−Iph(t−t1) T=(Iph/2Ps)(t−t1) なお、この期間は、分極反転状態が光電流によって生じ
た電荷によって規定されていることを示している。分極
反転が完了する時刻、すなわち分極状態が図12のC点
に達する(Q=Q2)時刻t2は、(式14)でP=−Psと
なるとき、すなわち(式15)で示す時である。 (式15) t2=t1+2Ps/Iph t>t2においては、分極状態はP=−Ps(一定)なの
で、Vfの変化は(式9)または(式10)と同様に表さ
れる。t=t2でVf=−Vth の元で解くと、(式16)と
なる。 (式16)Vf=−Vth−Iph(t−t2)/(Cf+Ca) P=−Ps Q=Q2−{Cf/(Cf+Ca)}Iph(t−t2) T=1 以上まとめると、書き込み電圧期間302でのVf、Tお
よびQの変化は図13に示すようになる。
【0041】(2)次に、Vf0<−Vth、すなはちQ0<Q1
の場合を考える。t=0の瞬間においては液晶層のもつ
慣性のため分極反転は追随しないが、わずかの時間(数
十μ秒)のうちに分極反転が生じ、図12のBC間のあ
る分極状態に落ちつく。そして電位VfはVf0 へと落ちつ
く。この時の分極状態をP=P0とすると、電荷の保存に
より(式17)となる。 (式17) (−CfVth+P0)−(CfVf0+Ps)=Ca(Vw+Vth)−Ca(Vw−Vf0) すなわち、(式18)となる。 (式18) P0=Ps+(Ca+Cf)(Vth+Vf0) なお、この過渡的な現象は一瞬のうちに起こるので、t
=0において平行状態P=P0になっているとして解析す
る。t>0においての分極状態Pの変化は図12のBC
間の経路であり、(式13)に従って変化する。t=0
でP=P0とすると、Vf、P、QおよびTは(式19)で
表されることになる。 (式19)Vf=−Vth P=P0−Ipht Q=Q1+P0−Ps−Ipht T={1−(P0−Ipht)/Ps}/2 図12でC点に達するのはP=−Psのときであり、この
時の時刻t3は、(式20)となる。 (式20) t3=(P0+Ps)/Iph t>t3でのVfは、(式10)と同様に表されるので、
(式21)となる。 (式21)Vf=−Vth−Iph(t−t3)/(Cf+Ca) P=−Ps Q=Q2−{Cf/(Cf+Ca)}Iph(t−t3) T=1 以上まとめると、書き込み電圧期間302でのVf、およ
びTの変化は図14に示すようになる。
【0042】次に、以上の(1)、(2)の各場合に、
出力光強度Yが、入力光強度Lに対してどのように変化
するかについて解析する。以上ではTwは無限に大きいと
して消去パルス302の後の経過について解析したが、
実際の駆動パルス波形ではt=Twで再びリセットがかか
り、以降の各周期で同様の動作が繰り返される。従って
出力光強度として観測されるのは、(数1)に示すよう
に透過率T=T(t)の書き込み電圧期間302(0≦
t≦Tw)における時間平均値である。
【0043】
【数1】
【0044】さて、入力光強度Lが変化すると(式1)
に応じて光電流Iph が変化して、(式12)、(式1
5)、または(式20)の時刻t1、t2またはt3の値が変
わる。Twを固定した場合、Lに応じてt1、t2またはt3と
Twの大小関係が入れ替わり、(数1)の積分区間に入る
領域が異なって表式が異なってくる。このことを考えて
実際に(数1)のYを計算すると、 (1)Vf0≧−Vthのとき、(式22)となり、 (式22) Y=0 (L<L1) Y=(L/2Ls)(1−L1/L)2 (L1≦L≦L1+L
s) Y=1−(2L1+Ls)/2L (L1+Ls<L) (2)Vf0<−Vthのとき、(式23)となる。 (式23) Y=(L−2L1)/2Ls (L<L1+Ls) Y=1−(L1+Ls)2/2LsL (L1+Ls≦L) ここで、L1とLsは(式24)で示される。 (式24) L1=(hν/ηe)(Cf+Ca)(Vf0+Vth)/Tw Ls=(hν/ηe)(2Ps/Tw) これにより入力光強度Lと出力光強度Yの関係をグラフ
にすると図13のようになる。図15において、(a)
はVf0>−Vthの場合、(b)はVf0 =−Vth の場合、
(c)はVf0<−Vthの場合である。これからわかるよう
に、(a)の場合は、書き込み光強度がある値L1に達す
るまでは読みだし光強度が立ち上がらないが、L>L1に
おいては、書き込み光強度と共に読み出し光強度は増加
し、L>L1+Lsにおいて概ね書き込み光強度に依存しな
い光出力が得られる。
【0045】(b)の場合は、入力光強度が小さい領域
で出力光強度と読みだし光強度が概ね比例している。こ
の場合は、入力画像がそのままの階調で増幅されて出力
されることを示す。
【0046】(c)の場合は入力光強度が0のときでも
出力光強度が0でない有限の値となり、出力画像のコン
トラストが低下することになる。以上の結果により、
(1)の場合に、コントラストを悪化することなく階調
表示が可能となる。
【0047】さて以上の(1)、(2)の各場合におい
て、(式16)または(式21)によれば、Vfは無限に
小さくなることになるが、これは光導電層が光電流を発
生し得る状態、すなわち逆方向バイアス状態を保ってい
る範囲内での挙動である。実際、Vf=Vw−Vdに達すると
書き込み光強度をどんなに強くしても光導電層はもはや
光電流を発生しなくなり、VfはVw−Vdより小さくはなら
ない。すなわち、Qには下限があることになる。この下
限は、(式25)で表せる。 (式25) Qlo=Cf(Vw−Vd)+Ps (Vw−Vd>−Vthの場合) Qlo=Cf(Vw−Vd)−Ps (Vw−Vd≦−Vthの場合) ON状態に達するためには、Qlo≦Q2、すなわち(式2
6)を満たしていなければならない。 (式26) Vw−Vd≦−Vth 以上より、最適なコントラストを得るための条件として
は、(式27)であることが導かれる。 (式27) −Vth≦(CfVe+CaVw)/(Cf+Ca)−Vd かつ Vw−Vd≦−Vth なお、以上の動作原理は、図9の回路で表される空間光
変調素子、つまり図6や図7のように光導電層と強誘電
性液晶層の間が金属反射膜によって接しているもののみ
に適応される。しかし、図8のように、誘電体の反射膜
(または光吸収層、オーバーコート層なども含む)を有
するものでも、これらと液晶層とを合わせたものを一つ
の光変調層とみなして、印加電圧Vfと分極P(または透
過率T)の関係を測定して図12のような曲線を得るこ
とができれば、−Vth を知ることができる。
【0048】なお、以上では書き込み光は連続光として
いたが、例えばCRTの蛍光体の発光やパルス発振レー
ザーからの光、またはチョッパを通した光のように不連
続な光の場合、(式22)(式23)、及び(式24)
の式の形は変わってくるが、電荷Qに関する条件、また
は(式27)の条件はそのまま成り立つものである。
【0049】ここで、上記の議論は一様な状態であろう
と、面積階調の状態であろうと成立するものである。し
かし、十分な解像度と階調数を共に得るためには、前者
の状態であることが望ましい。ここでは、このような状
態を得るための条件について述べる。いま、強誘電性液
晶の1画素分の等価回路を、配向膜の厚さ方向の抵抗を
考慮して描くと図5(a)のようになる。これは、強誘
電性液晶1ドメイン分の容量CFと、それに接する部分の
配向膜の厚さ方向の抵抗RAの直列接続が、並列に複数配
列されたものである。
【0050】さて初期状態がOFF状態、即ち強誘電性
液晶の分極が一様に上方向(↑)を向いた状態であった
とする。そして、1ドメインを丁度分極反転させるだけ
の電荷が外部から注入されたとする。そのときの瞬間に
おける状態は、図5(b)に示すような面積階調状態で
あったり図5(c)に示すような一様状態であったりす
る。ところが、もし図5(b)の状態になったとする
と、隣合うドメイン間の配向状態が異なるのでこれらの
間に応力が作用し、より安定な図5(c)の一様な配向
状態へと遷移しようとする。しかし、この遷移は印加電
荷の移動(面内平均化)によって律速される。従って、
遷移が速やかに起こるためには電荷の移動が迅速に行わ
れる必要がある。そのためには配向膜の抵抗RA(または
抵抗率)を十分小さくすればよい。
【0051】(実施例1)まず、液晶の中間状態につい
ての検討を行った。配向膜を形成した透明電極/ガラス
基板を2枚張り合わせて1μmのギャップを形成し、こ
の中に強誘電性液晶を注入して液晶パネルを形成した。
これは図6の空間光変調素子から光導電層606、およ
び金属反射膜607を除去したものと同じ構成であり、
単純パネルと呼ぶ。いろいろな種類の配向膜を用いて単
純パネルを構成した。
【0052】いま、充電したコンデンサ(コンデンサの
容量は単純パネルのそれよりも十分小さくする)を単純
パネルに並列に接続し、単純パネルに電荷を注入して、
その時の強誘電性液晶の配向状態を偏光顕微鏡でクロス
ニコル状態の下で観察した。注入する電荷の量は、強誘
電性液晶を完全分極反転するのに必要な電荷量より小さ
い値にした。すると、いずれの場合も強誘電性液晶は中
間状態をとったが、これには2つの場合があった。第一
はON状態とOFF状態とがドメイン単位で面積的に分
布しているのが確認されるものであり、第二はこのよう
なドメイン構造が確認されないものであった。第二の場
合はパネルを偏光顕微鏡のステージ上で回転させたとき
に全面が一様に暗くなる位置があることが確認され、全
面が光学的に一様な状態であることがわかった。これは
各ドメインが全て同じ方向に配向していてその境界線が
見えなくなっているものと考えられる(ドメインの大き
さは光の波長、すなわち偏光顕微鏡の分解能よりは十分
に大きいと考えられる)
【0053】ここで、一様な状態をとったのは、配向膜
として例えば、文献「ジャーナル・オヴ・フォトポリマ
ー・サイエンス・アンド・テクノロジー」第3巻(19
90年)第73頁から第81頁(J.Photopol
ym.Sci.Technol.,Vol.3,No.
1(1990)P.73−81)に記載されている一連
の導電性ポリイミドのように抵抗率の小さい(1011Ω
・cm以下)ものであった。なお、この一様な状態は約
数秒間安定に実現された。この時間が有限なのは、印加
電荷が強誘電性液晶自体の漏れ抵抗によって減衰するこ
とに起因している。いずれにせよこれは強誘電性液晶の
スイッチング時間(約100μsec)に比べてはるか
に長い時間であり、安定状態とみなすことができる。ま
た、この中間状態での強誘電性液晶は、注入する電荷の
量により異なる配向方向を示した。これにより、注入電
荷量によって配向方向、すなわち光学的状態を制御する
ことが可能であることがわかった。
【0054】なお、配向膜としては、例えば上記のもの
の他にも、高抵抗の配向膜に導電性材料を混合したもの
や、適当な材料をドープして低抵抗化したもの等を用い
てもよい。また、配向膜を透明電極面に一面に塗らず
に、強誘電性液晶と透明電極とが直接接する部分をある
程度残しておいて等価的に配向膜の抵抗率を小さくし、
ドメイン間の電荷移動が速やかに起こるようにしてもよ
い。また、液晶パネルは通常読みだし光を照射して用い
るので、配向膜として光導電性を持つものを用いてもよ
い。
【0055】以下の各実施例では主として上記の導電性
ポリイミドを用いた空間光変調素子について述べる。
【0056】(実施例2)実際に図7の空間光変調素子
を用いて図3の駆動パルスにより駆動を行い、書き込み
光強度Lと読み出し光強度Yの関係を測定してみた。測
定に当たっては図16の光学系を用いた。空間光変調素
子1601の読みだし側は、光源1604からの読み出
し入力光1607が偏光子1605、ビームスプリッタ
1606を介して空間光変調素子1601に入射され、
その時の読み出し出力光1608が検光子1609を介
して光検出器1610で観測される。
【0057】また、空間光変調素子1601の書き込み
側は、光源1602からの書き込み光1603によって
照射する。また、偏光子1605と検光子1609が互
いに直交関係になっていて、空間光変調素子1601
は、OFF状態での液晶層の配向方向が偏光子1605
の偏光方向に平行にしてある。出力光強度は光検出器1
610で観測される光強度の時間平均値を用いた。
【0058】空間光変調素子1601の駆動には図3の
駆動パルスを用い、消去パルス301は電圧Ve=+15
V、時間Te=100μ秒、書き込み電圧期間302は時
間をTw=1100μ秒に固定して電圧値Vwを変化させて
みた。結果は図17の実測値のプロットに示すとおりで
ある。
【0059】この図では、書き込み電圧Vwが(イ)−
5.40V、(ロ)−4.05V、(ハ)−2.70
V、(ニ)−1.35V、(ホ)0V、(ヘ)1.35
Vの6つの場合が示してある。これによると、Vwが大き
くなるに従ってプロット全体がほぼ等間隔に右へシフト
するのがわかる。また、上の(イ)〜(ヘ)の範囲の任
意のVwの値についてそのときのY−Lの関係式は曲線の
補間により類推することが可能である。
【0060】さて、これらの各場合についてVf0 を測定
し、Vf0−(−Vth)を計算すると、以下のようになる。
【0061】
【表1】
【0062】ここで、Vf0 の測定について補足する。図
7の空間光変調素子の各画素部分は面積が非常に小さい
(400μm2 )ためにインピーダンスが大きく、直接
プローブを挿入して測定することは難しい。そこで、図
7の空間光変調素子の代わりに、全面(10cm2 )に
金属反射膜に対応する電極を形成した空間光変調素子
(空間光変調素子の全面が非常に大きな1つの画素であ
るとみなせる)を用いて測定を行った。電極にプローブ
を挿入して、オシロスコープで消去パルス301から書
き込み電圧期間302へ移行した瞬間の電位を測定し
た。
【0063】尚、Ca、Cf、及びVdをそれぞれ独立に測定
して求め、(式7)によってVf0 を計算してもほぼ(表
1)のVf0 の値と一致する。
【0064】また、Vth についてであるが、これは単純
パネル(透明導電性電極の形成された2枚の基板の間に
液晶を注入したもの)を作製し、印加電圧と透過率の関
係を測定することにより、ほぼ0Vであることが確かめ
られた。
【0065】さて、(表1)のVf0−(−Vth)の値と図
17の実測値のプロットとを比べてみると、Vf0−(−V
th)が負のとき((イ)、(ロ)の場合)には図15
(c)に対応し、正のとき((ハ)〜(ヘ)の場合)に
は図15(a)に対応する。これは先に述べてきた解析
によく一致する。
【0066】図17における1本の破線は、Vf0−(−V
th)=0に対応する特性を先のプロットから類推して示
したものである。この破線よりも下の領域内であればコ
ントラストのよい応答が得られるといえる。すなわち、
Vf0≧−Vthが適当な条件であると結論される。
【0067】なお、図17において、(ヘ)の場合は、
書き込み光強度が大きくなっても出力光強度のほうが大
きくならないが、これは(式26)の条件からはずれて
くるためである。実際、Vd=0.7V、Vth =0Vとす
ると、(式26)の条件はVw≦0.7Vとなり、(イ)
〜(ホ)はこれを満たしているが、(へ)は満たしてい
ないことがわかる。
【0068】なお、ここでは図7の空間光変調素子につ
いて述べたが、図6の空間光変調素子についてもほぼ同
様のことが確かめられた。
【0069】図8の空間光変調素子の場合は誘電体反射
膜804のためにスイッチング閾値電圧が不明瞭にな
る。実際に液晶層と誘電体反射膜を合わせたものを疑似
的な光変調層とみなし、これらで構成した単純パネルの
電圧透過率特性を測定すると図18のように閾値電圧が
幅を持つようになる。これは、図12(c)の分極反転
特性に対応する。しかし、図に示すように透過率が最大
値に対して10%立ち上がる位置での電圧を−Vth とす
るとやはり(式27)の範囲で良好な直線性とコントラ
スト比が得られた。
【0070】なお、図17の実験に関しては、消去電圧
の値はVe=15Vであったが、Veが40Vよりも大きく
なると強誘電性液晶が電界により分解して時間の経過と
共に劣化しやすくなり好ましくない。また、Veが1Vよ
り小さいと消去パルス印加期間内に十分なリセットをか
けることができなくなり好ましくない。
【0071】また、書き込み電圧Vwが−20Vよりも小
さくなると、Veが1V≦Ve≦40Vの範囲のどの値であ
ってもVf0≧−Vthという条件を満たすのは困難になる。
一方、Vwが4Vを越えると、どの様な強誘電性液晶を用
いても(式26)を満たすのは困難となる。
【0072】なお、例えば図4(a)、(b)に示すよ
うに、消去パルス期間401や、書き込み電圧期間40
2において電圧値が一定でないような駆動パルス波形を
用いても差し支えはないが、この場合、消去パルス期間
401における最大値をVe、書き込み電圧期間における
最小値をVwと考えれば、やはり(式27)が好ましい条
件となる。
【0073】(実施例3)図7の空間光変調素子を用い
て投写型ディスプレイ装置を構成してみた。このときの
系を図19に示す。これは、空間光変調素子1902へ
の書き込み光1907としてCRT1901に提示され
た画像を用い、読みだし側はメタルハライドランプから
の読み出し光1908を偏光子1905とビームスプリ
ッタ1904を介して空間光変調素子1902に照射
し、読みだし出力光1909を検光子1906、レンズ
1910を介して取り出してスクリーン1911上に写
し出したものである。空間光変調素子1902の画面は
2.5cm角であるが、これをスクリーン上で100c
m角に拡大した。駆動電圧源1903で発生される駆動
パルスとしては実施例2と同様、Ve=15V、Te=10
0μsec、書き込み電圧期間としてはTw=1100μ
secに固定し、Vwを(表1)の6種類の値に設定して
駆動してみた。
【0074】いずれの場合にもスクリーン上で画像が観
測されたが、入力するCRT1901の画像の中間調表
示を良好なコントラストで再現していたのは(ハ)、
(ニ)および(ホ)の条件の場合であった。これは実施
例2での結果と一致し、最も理想的な場合に対応する。
これらの場合、画像の中間調表示特性が書き込み光強度
に対して非線形であるが、書き込む画像のγ特性の調整
により忠実な中間調表示を行うことが可能であった。こ
のときのスクリーン上での明るさは1000lxであっ
た。また、スクリーン上でのコントラスト比は400:
1であった。スクリーン上では1画素が1mm角に拡大
されるが、このとき隣合う画素間のクロストークは観察
されず、きめの細かい画像が得られた。(イ)、(ロ)
の場合はコントラストが悪く全体に白に浮き上がった画
像となった。また、(ヘ)の場合は暗い画像しか得られ
ず、画面上での明るさは300lxであった。なお、C
RT1901の代わりにTFT液晶ディスプレイを用い
て書き込みを行った場合でも全く同様であった。
【0075】次に、RGB各々に対応したCRTと空間
光変調素子をセットにしたものを3組用意して組合せた
系を構成し、スクリーン上で画像を合成した。これによ
り鮮明なカラー画像が得られた。
【0076】(実施例4)次に、図7の空間光変調素子
を用いてホログラフィーテレビジョンを構成してみた。
空間光変調素子としては、画素数5000×5000、
画素ピッチ5μmのものを使用した。このときの系を図
20に示す。まず、空間光変調素子2012の書き込み
側2011においては、He−Neレーザ−2001か
らの光をビームエキスパンダ2002で拡大する。そし
て、ビームスプリッタ2003で2つに分け、一方の光
をミラー2004を介して参照光2009とし、もう一
方の光をミラー2005、2006を介して被写体20
07に照射し、その時の散乱光を物体光2010とす
る。ビームスプリッタ2008で再びこれらの光を合わ
せて、空間光変調素子2012の書き込み側に干渉縞を
形成する。
【0077】一方、空間光変調素子2012の読み出し
側2022は、同様にHe−Neレーザー2014から
の光をビームエキスパンダ2015で拡大して読み出し
入力光2020とし、空間光変調素子2012に入射す
る。そして干渉縞を読み出して読み出し出力光2021
とし、偏光ビームスプリッタ2017を介してスクリー
ン2018に結像する。観測者2019はこのスクリー
ン2018上の像を観測する。なお、フィルター201
6はスクリーン上の像の明るさを調整するためのもので
ある。
【0078】駆動電源2013で発生する駆動パルス
は、実施例2の5つの条件を用いた。これにより、スク
リーン2006上では鮮明な立体像が得られた。被写体
2008を動かすと、それに応じて出力像のほうもリア
ルタイムで動いた。実施例2の(ハ)、(ニ)、(ホ)
の条件の時に干渉縞の情報が最も高コントラストで出力
側に再現されるため、得られる立体像も最も鮮明で、ノ
イズの少ないものであった。
【0079】なお、干渉縞の情報をCCDカメラで撮影
し、この情報をCRTに映し出して空間光変調素子に書
き込みを行った場合でも同様の結果が得られた。
【0080】
【発明の効果】本発明は、高コントラスト、制御性がよ
く中間調表示ができる。また、本発明の駆動方法を用い
た投写型ディスプレイ装置は、コントラストがよく忠実
な中間調表示が得られる。また、本発明の駆動方法を用
いたホログラフィーテレビジョン装置はノイズの少ない
鮮明な立体像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における空間光変調素子の駆動
方法を示す波形図
【図2】(a)は従来の駆動パルス波形の一例の波形図 (b)は従来の駆動パルス波形の他の例の波形図
【図3】本発明の実施例における駆動パルスを示す波形
【図4】(a)は本発明の駆動パルス波形の実施例の特
殊な場合における一例の波形図 (b)は本発明の駆動パルス波形の実施例の特殊な場合
における他の例の波形図
【図5】(a)は配向膜を考慮したときの強誘電性液晶
の等価回路図 (b)は同面積階調状態を示す図 (c)は同一様状態を示す図
【図6】微小形状に分割された金属反射膜を有する空間
光変調素子の構造の一実施例を示す断面図
【図7】金属反射膜を有する空間光変調素子の構造の別
の実施例を示す断面図
【図8】誘電体反射膜を有する空間光変調素子の構造の
さらに他の実施例の断面図
【図9】空間光変調素子の動作を示す回路図
【図10】整流性を有する光導電層の電流電圧特性図
【図11】図9において光導電層を等価回路で置き換え
た回路図
【図12】(a)は強誘電性液晶層の分極反転特性を示
す図 (b)は強誘電性液晶層の分極反転特性の他の例を示す
図 (c)は強誘電性液晶層の分極反転特性のその他の例を
示す図
【図13】空間光変調素子の金属反射膜部分の電圧と透
過率と電荷の時間変化を示すタイミング図
【図14】空間光変調素子の金属反射膜部分の電圧と透
過率と電荷の時間変化を示す別のタイミング図
【図15】(a)は空間光変調素子の入出力光強度の関
係を示す理論曲線の図 (b)は同入出力光強度の関係の他の例を示す理論曲線
の図 (c)は同入出力光強度の関係のさらに他の例を示す理
論曲線の図
【図16】空間光変調素子の入出力光強度特性を測定す
るための系を示す図
【図17】測定によって得られた空間光変調素子の入出
力光強度特性図
【図18】スイッチング閾値電圧が不明瞭な場合の強誘
電性液晶層の透過率と電圧の関係を示す図
【図19】投写型ディスプレイの系を示す図
【図20】ホログラフィーテレビジョンの系を示す図
【図21】印加電荷量の制御による中間状態を示す特性
【符号の説明】
101 消去パルス 102 書き込み電圧期間 103 駆動電圧(Vin) 104 強誘電性液晶層への印加電圧(Vf;消去パルス
時) 105a 強誘電性液晶層への印加電圧(Vf0>−Vth) 105b 強誘電性液晶層への印加電圧(Vf0=−Vth) 105c 強誘電性液晶層への印加電圧(Vf0<−Vth) 106 強誘電性液晶層の閾値電圧 107a 読み出し光強度(Vf0>−Vth) 107b 読み出し光強度(Vf0=−Vth) 107c 読み出し光強度(Vf0<−Vth)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藏富 靖規 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 朝山 純子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 小川 久仁 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−109422(JP,A)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向する2枚の透明電極間に光変調層及び
    光導電層を設け、前記光変調層は、印加電荷量に応じて
    異なる光学的状態を示す光変調層であって、前記印加電
    荷量が第一の閾値電荷量以上のときには第一の光学的状
    態を示し、前記印加電荷量が第二の閾値電荷量以下のと
    きには第二の光学的状態を示し、前記印加電荷量が前記
    第一の閾値電荷量よりも小さく、かつ前記第二の閾値電
    荷量よりも大きいときには、前記印加電荷量に対応して
    前記第一の光学的状態と前記第二の光学的状態の間の
    の波長オーダーよりも巨視的にみて一様な中間状態を示
    す空間光変調素子。
  2. 【請求項2】光導電層は整流性を有し、かつ逆方向バイ
    アス状態のときには入射される書き込み光の強度に応じ
    た大きさをもつ光電流を発生させる請求項1記載の空間
    光変調素子。
  3. 【請求項3】光変調層は、2つの配向膜によって挟まれ
    た強誘電性液晶層を含んでいる請求項2記載の空間光変
    調素子。
  4. 【請求項4】配向膜の比抵抗は、108 Ω・cm〜10
    11Ω・cmの範囲にある請求項3記載の空間光変調素
    子。
  5. 【請求項5】強誘電性液晶層と光導電層とが微小形状に
    分離された金属反射膜を介して電気的に接触している請
    求項3記載の空間光変調素子。
  6. 【請求項6】対向する2枚の透明電極の間に光変調層と
    光導電層を有し、前記光変調層は印加電荷量に応じて異
    なる光学的状態を示し、前記印加電荷量が第一の閾値電
    荷量以上のときには第一の光学的状態を示し、前記印加
    電荷量が第二の閾値電荷量以下のときには第二の光学的
    状態を示し、前記印加電荷量が前記第一の閾値電荷量よ
    りも少なくかつ前記第二の閾値電荷量よりも多いときに
    は、前記印加電荷量に対応して前記第一の光学的状態と
    前記第二の光学的状態の間の光の波長のオーダーよりも
    巨視的にみて一様な中間状態を示し、前記光導電層は整
    流性を有し、前記光導電層が逆方向バイアス状態のとき
    には前記光導電層に入射される書き込み光の強度に応じ
    た大きさをもつ光電流を発生させる空間光変調素子を駆
    動する方法であって、 駆動電圧の波形の一周期が、前記光導電層を順方向バイ
    アス状態にして前記光変調層に前記第一の閾値電荷量よ
    り大きな電荷量を印加する消去期間と、前記光導電層を
    逆方向バイアス状態にして書き込み光の強度に応じた大
    きさをもつ光電流を発生させる書き込み期間からなり、
    前記書き込み期間においては、前記書き込み光の強度が
    第一の閾値光強度以下のときには前記光変調層に印加さ
    れる電荷量が前記第一の閾値電荷量以上の状態を保ち、
    前記書き込み光の強度が第二の閾値光強度以上のときに
    は前記光変調層に印加される電荷量は前記第二の閾値電
    荷量以下にまで減じられるように前記駆動電圧を前記2
    枚の透明電極に印加する工程を含む空間光変調素子の駆
    動方法。
  7. 【請求項7】光変調層は、2つの配向膜によって挟まれ
    た強誘電性液晶層を備えており、前記消去期間の駆動電
    圧の最大値をVe、前記書き込み期間の駆動電圧の最小値
    をVw、前記強誘電性液晶層の分極反転を伴わない場合の
    前記強誘電性液晶層の容量をCf、前記光導電層の容量を
    Ca、前記光導電層の拡散電位をVd、前記強誘電性液晶層
    の閾値電圧を−Vth として、これらの値が −Vth≦(CfVe+CaVw)/(Cf+Ca)−Vd かつ Vw−
    Vd≦−Vth の関係を満たす請求項6記載の空間光変調素子の駆動方
    法。
  8. 【請求項8】前記消去期間の駆動電圧Veおよび書き込み
    期間の駆動電圧Vwが、1V≦Ve≦40V 及び −20
    V≦Vw≦4V の範囲にある請求項7記載の空間光変調
    素子の駆動方法。
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