JPH10206310A - エアフィルタテスト方法及びそれに使用するテスト装置 - Google Patents

エアフィルタテスト方法及びそれに使用するテスト装置

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JPH10206310A
JPH10206310A JP2455697A JP2455697A JPH10206310A JP H10206310 A JPH10206310 A JP H10206310A JP 2455697 A JP2455697 A JP 2455697A JP 2455697 A JP2455697 A JP 2455697A JP H10206310 A JPH10206310 A JP H10206310A
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猛 山田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高性能エアフィルタのスキャンテスト時にテ
スト装置内を過度に汚染することなく、また試験用エア
フィルタヘの試験粒子の過負荷を防ぎ、且つ試験粒子の
消耗を最低限に抑えることができるエアフィルタテスト
方法及びそのテスト装置を提供すること。 【構成】 エアフィルタテスト方法としては、粒子供給
器から発生するテストエアロゾルをエアフィルタの上流
側から供給すると共に、粒子供給器からのテストエアロ
ゾルを粒子検出器の上下・左右の走査運動に同調させて
局所的にエアフィルタに供給する。テスト装置として
は、エアフィルタの上流側に設置され、テストエアロゾ
ルを局所的にエアフィルタに供給する粒子供給器を含
み、この粒子供給器は粒子検出器に対向したまま粒子検
出器と共にエアフィルタ面を上下・左右に走査可能であ
るように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エアフィルタ単体のス
キャンテストに関し、詳細には高性能エアフィルタをス
キャンテストするための方法及びそれに使用する装置に
関する。
【0002】
【従来技術】HEPAフィルタ、ULPAフィルタ等の
高性能フィルタは、製造後定格の捕集効率を満足するこ
と、またフィルタに漏洩の無いことを確認するためにス
キャンテストが行われる。そのスキャンテストの方法と
して、清浄空気が流れている試験エアフィルタの上流側
に試験粒子を導入し、清浄空気により希釈混合された試
験粒子を試験フィルタ全面に供給し、試験フィルタ下流
側で走査する粒子検出器により試験フィルタを透過する
粒子を検出する方法が一般的に行われている。
【0003】上記先行技術は、下流側の粒子検出器がエ
アフィルタ全面を走査し終わるまで試験フィルタの上流
側の表面全面に亘り試験粒子が同時に連続して供給され
るので、エアフィルタに過剰の試験粒子を負荷させるこ
とになる。近年、精密機械、医薬品製造のためのクリー
ンルームについては、より清浄な環境が求められてお
り、無塵環境を作る有効的な手段であるエアフィルタの
高捕集効率化が要望されている。特に超高性能エアフィ
ルタを全数検査してスキャンテストを行なう場合、上記
の先行技術によるようなスキャンテストをするとエアフ
ィルタ前後の圧力損失が上昇し、結果としてエアフィル
タの性能が低下することになる。
【0004】試験粒子を発生させるには、主として液中
に浸漬したノズルから圧縮空気を導入し、バブリングに
よりエアロゾル化された試験粒子を得るラスキンノズル
型粒子発生器が使われる。このラスキンノズル型粒子発
生器から発生した試験粒子は、試験用エアフィルタまで
流れる清浄空気の流路の途中で導入され装置内に懸濁す
るため、目的の粒子濃度を得るには粒子発生濃度を高く
する必要があり、粒子供給器の台数を増加する等の手段
がとられていた。したがって試験粒子の使用量が増加し
試験に要する費用も大きくなっている。
【0005】一方、特開平4−77646号は、粒子発
生器から導かれるノズルを試験フィルタの上流側に設置
し、試験フィルタの下流側において縦方向に複数のプロ
ーブを設置してこれらプローブを上下・左右に走査さ
せ、各プローブ毎に漏洩検出器を接続してテストエアロ
ゾルを検出する、試験フィルタ漏洩試験方法及びその装
置を開示している。
【0006】この先行技術による装置では、複数のプロ
ーブを走査させて、広い範囲に亘り検査を行なうことに
なるため、ノズルを試験フィルタの上流側の空気整流板
のさらに上流の離隔した位置に設け、発生した粒子を空
気中に均一に懸濁させ、試験フィルタ上流側の粒子濃度
を一定なものにする必要がある。したがってこの装置で
は試験フィルタに到達するまで粒子供給器から発生した
粒子濃度が多量の空気によって希釈される。したがっ
て、試験フィルタのサイズが変わりフィルタの面積が大
きくなると、空気の流量が増加するため希釈率が増加す
るので、粒子供給器から発生させる粒子の濃度を高くす
る必要がある。さらに試験粒子がエアフィルタ上流側装
置内全域に懸濁して堆積し装置内が汚染されることにな
る。
【0007】上記公報が開示する装置は複数のプローブ
によりテストエアロゾルを検出するので、同一面積のエ
アフィルタの試験では単一の粒子検出器を備えた試験装
置に比し試験時間が短縮する利点があるが、複数のプロ
ーブのそれぞれに対して漏洩検出器を接続する必要があ
り、試験装置の製造コストが高くなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高性能エア
フィルタのスキャンテスト時にテスト装置内を過度に汚
染することなく、また試験用エアフィルタヘの試験粒子
の過負荷を防ぎ、且つ試験粒子の消耗を最低限に抑える
ことができるエアフィルタテスト方法及びそのテスト装
置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、エアフ
ィルタの上流側において粒子供給器からテストエアロゾ
ルを供給し、前記エアフィルタの下流側において粒子検
出器を上下・左右に走査して漏洩したテストエアロゾル
を検出するエアフィルタテスト方法において、前記粒子
供給器から発生するテストエアロゾルを前記エアフィル
タの上流側から供給すると共に、前記粒子供給器からの
テストエアロゾルを前記粒子検出器の上下・左右の走査
運動に同調させて局所的に前記エアフィルタに供給し、
もって漏洩したテストエアロゾルを検出することを特徴
とするエアフィルタテスト方法、が提供される。
【0010】さらに本発明によれば、エアフィルタの上
流側に設置されテストエアロゾルを供給する粒子供給器
と、前記エアフィルタの下流側に設置されて漏洩したテ
ストエアロゾルを検出する上下・左右に移動可能な粒子
検出器と、を含むエアフィルタテスト装置において、前
記エアフィルタの上流側に設置されテストエアロゾルを
局所的に前記エアフィルタに供給する前記粒子供給器に
して、該粒子供給器は前記粒子検出器に対向したまま前
記粒子検出器と共に上下・左右に移動可能である前記粒
子供給器を特徴とするエアフィルタテスト装置、が提供
される。
【0011】
【作用】本発明によるエアフィルタテスト方法及びそれ
に使用するテスト装置によりエアフィルタのスキャンテ
ストを行なうと、試験粒子が装置のダクト全域に懸濁す
ることがなく、装置内が汚染されることがない。また、
粒子供給器が試験フィルタの近くに位置するため粒子濃
度が希釈されることが殆どないので、試験フィルタのサ
イズを変更して試験流量が増加しても発生させる粒子濃
度は常に一定としてよい。したがって必要最低限の試験
粒子の濃度でエアフィルタに供給することができ、試験
粒子の使用量を少なくすることができる。
【0012】
【実施例】以下本発明を実施するエアフィルタ試験装置
としてのスキャンテスト装置の説明と実施例の説明をす
る。
【0013】図1は本発明によるスキャンテスト装置の
概略図である。この図1において、ダクト6の下流側に
はスキャンテストの対象となる試験すべきエアフィルタ
として、高さ610mm、幅610mm、奥行65mm
の外形寸法のエアフィルタ1が設置され、ダクト6の上
流側には送風機7が配置され、さらにその上流側にはH
EPAフィルタ8が設置されている。送風機7により吸
引される空気はHEPAフィルタ8を透過して清浄空気
となり、ダクト6内に導入されるようになっている。
【0014】本発明によるテスト装置でピンホールの検
出が可能であるかどうかを調べるため、試験フィルタに
8立方米/分の流量の空気を通過させた際、フィルタ上
流側の塵埃を含む空気が0.0283乃至28.3cc
/分漏洩する程度に数個のピンホールをランダムに設け
た。
【0015】一方、コンプレサー(図示せず)からは2
kg/平方センチメートルの圧力の圧縮空気が弁14、
パージフィルタ15、導管12を経由してラスキンノズ
ル型発生器9中に設けたノズル11に導かれ、ノズル1
1から発生器9中のシリカ粒子分散液(図示せず)中に
清浄な圧縮空気が吹き込まれフィルタテスト用シリカエ
アロゾル(特願平7−171644号)が発生するよう
になっている。図1に示すようにラスキンノズル型発生
器9にはエアロゾル噴出口13が設けられ、ここから導
管19が、試験フィルタの上流面から50mm離隔した
上流位置に設けた粒子供給器2に延びている。又、導管
12の途中で導管16が分岐して延び、この導管16は
希釈調節バルブ17に接続され、希釈調節バルブ17か
ら導管18が延びて導管19の途中で導管19に接続さ
れている。したがってエアロゾル噴出口13から導管1
9を経て粒子供給器2に導かれるシリカエアロゾルは、
希釈調節バルブ17を調節することによりパージフィル
タ15からの清浄な圧縮空気により希釈され、所望の試
験粒子濃度のシリカエアロゾルが得られるようになって
いる。
【0016】ラスキンノズル型発生器9から発生した試
験粒子であるシリカエアロゾルは、上記のように希釈さ
れ、導管19を通って、粒子供給器2から試験フィルタ
1に局所的に供給される。この粒子供給器2の開口部
は、高さ75mm、幅31mmの寸法を有し、粒子供給
器走査装置3により図2に示す矢印のとおり上下・左右
に移動し、試験フィルタの上流面に局所的に試験粒子を
連続して供給する。試験フィルタの奥行き寸法が大きく
なると、粒子供給器と粒子検出器との距離が大きくな
り、粒子供給器から試験フィルタの上流側表面に局所的
に供給される試験粒子を供給した時点で、試験フィルタ
の下流側表面で同時に試験粒子を検出することができず
タイムラグを生じる。これによる検出の遅れを補正する
ためには、粒子供給器を任意の1点における粒子検出器
に対向する位置より若干先行する位置関係において走査
させてもよい。
【0017】試験フィルタ1の下流側には、試験フィル
タ下流面から25mm離隔した下流位置に粒子検出器4
が設置されている。この粒子検出器4の開口部は高さ5
5mm、幅20mmの寸法を有する。粒子検出器4は粒
子供給器2と常に相対向して位置し、粒子検出器走査装
置5により互いに同調して上下・左右に移動するように
なっており、粒子検出器4が試験フィルタ1を透過する
試験粒子を検出する。試験フィルタ下流面を走査して検
出した試験粒子は、ハイアックロイコ社製のパーティク
ルカウンタ Micro Air l00である粒子計
測器10により計測される。
【0018】上記のスキャンテスト装置を使用して、送
風機7を駆動してHEPAフィルタ8を透過した0.0
4リットル/平方センチメートル/秒の流速の清浄空気
を8立方米/分の流量でダクト6内に導入し、同時にラ
スキンノズル型発生器9を作動させ発生したテストエア
ロゾルをダクト6内の粒子供給器2から試験フィルタ1
に供給する。
【0019】まず、コンプレッサーを作動させ、弁14
を開け、希釈調節バルブ17を調整して、粒子供給器2
の開口部から0.04リットル/平方センチメートル/
秒の流速でテストエアロゾルを排出させる。粒子供給器
2の開口部は、高さ7.5センチメートル、幅3.1セ
ンチメートルであるから開口面積は23.25平方セン
チメートルであり、したがって粒子供給器2の開口部か
ら排出されるテストエアロゾルの流量は0.04リット
ル/秒×23.25=0.93リットル/秒である。粒
子供給器走査装置3及び粒子検出器走査装置5により、
粒子検出器4及び粒子供給器2を互いに対向させたまま
図2に示す矢印にしたがって移動させ、試験フィルタ1
の上流側と下流側を走査させた。それらの走査速度は5
センチメートル/秒とし、水平走査線と水平走査線間の
距離は5センチメートルとした。このようにして粒子供
給器2からテストエアロゾルを排出させながら、試験フ
ィルタ1の上流側で粒子供給器2を下流側で粒子検出器
4を155秒の間走査させた。
【0020】したがって、この155秒の時間で粒子供
給器2の開口部から排出されるテストエアロゾルの流量
は0.93リットル/秒×155秒=144.15リッ
トルとなり、144.15リットルのテストエアロゾル
が試験フィルタに供給されたことになる。一方、エアロ
ゾル中のシリカ粒子の濃度は8.48×109 個/立方
米、すなわち8.48×109 個/1000リットルと
なるように調整してあるので、試験フィルタに供給され
た試験粒子の総量は、8.48×109 個/1000リ
ットル×144.15リットル=1.22×109 個と
なる。以上の実施例では、シリカ粒子はダクト6内に殆
ど堆積せず、ダクト6を汚染しなかった。
【0021】次に粒子供給器2から試験フィルタ上流面
までの距離と、粒子供給器2から発生した試験粒子の試
験フィルタ上流面までの到達率との関係を調べた。
【0022】試験装置としては、実施例に使用したテス
ト装置の中、図1の粒子検出器4と粒子検出器走査装置
5を取り外し、粒子検出器4の代わりにφ3のチューブ
を取り付け、実施例と同様にシリカ粒子及びラスキンノ
ズル型発生器9を使用して、希釈調節バルブ17を調節
してテストエアロゾルを発生させた。試験フィルタは上
流側の粒子が下流側に50%以上、透過する程度のフィ
ルタを設置し、試験フィルタの上流面から30mm、5
0mm、80mm、それぞれ離隔した各上流位置に設置
した粒子供給器2からシリカ粒子を発生させた。
【0023】試験フィルタの下流側では、試験フィルタ
下流面から25mm離隔した位置で、実施例における粒
子検出器4の開口面積に相当する範囲内の複数の測定点
において、試験フィルタを透過したシリカ粒子をハイア
ックロイコ社製のパーティクルカウンタ ROYCO
226である粒子計測器10により計測した。その他の
試験条件は、実施例と同様に気流速度を0.4m/秒、
空気流量を8立方米/分、すなわち133.33リット
ル/秒として行なった。
【0024】表1に上記試験の結果、粒子供給器2から
発生した試験粒子の試験フィルタ上流面までの到達率を
表す値を複数の測定ポイント毎に示した。 表1.ラスキンノズル型発生器から発生した試験粒子の試験フィルタ上流面まで の到達率 粒子供給器の位置 30mm 50mm 80mm(試験フィルタ上流面からの距離) 粒子検出器開口部に相当 48.2 53.9 40.3 39.4 26.6 25.2 する範囲における試験粒 55.9 55.7 43.4 43.8 27.7 29.2 子の到達率 [%] 64.5 60.4 46.7 47.2 29.2 30.8 63.7 61.1 42.8 41.4 30.6 29.6 60.7 57.9 39.2 40.3 30.1 31.1 平均 58.2 42.5 29.0
【0025】表1から判るように、試験フィルタから粒
子供給器2までの距離を長くすると、当然のことながら
粒子供給器2から発生する試験粒子の拡散が大きくな
り、試験粒子の試験フィルタ上流面までの到達率が低下
する。しかし試験フィルタから粒子供給器2までの距離
が長くても、粒子供給器2の開口面積が粒子検出器の開
口面積の2倍程度とすることにより、粒子検出器の開口
面積に相当する面積の範囲内では試験粒子を概ね均一な
濃度分布となり、テスト装置内の過度の汚染及び試験用
エアフィルタの過負荷を防止しつつエアフィルタをテス
トすることができる。
【0026】本発明の目的である試験粒子発生量の抑
制、試験フィルタ汚染の防止等を達成するためには、試
験フィルタ上流面までの試験粒子の到達率は10%以上
であることが望ましい。すなわち、粒子検出器の開口面
積に相当する面積の範囲内での拡散率が1/10以内と
なることが好ましい。なお、試験粒子の拡散を可能な限
り制限するためには、粒子供給器の上流側に整流手段を
設けることも可能であり、それにより粒子供給器を試験
フィルタ面からさらに離隔させることもできる。
【0027】実際のフィルタの試験では、試験粒子の拡
散を考慮して試験時のテストエアロゾル濃度を設定する
必要がある。従って、前記実施例におけるテストエアロ
ゾルの発生濃度は、試験フィルタの上流面における粒子
濃度が従来濃度例と同程度の濃度となるように設定し
た。
【0028】次に従来行なわれてきた方法の例として、
概略図である図3のスキャンテスト装置を使用してスキ
ャンテストを行なった。図3において、ダクト20の下
流側にはエアフィルタとして、高さ610mm、幅61
0mm、奥行65mmの外形寸法の試験フィルタ28を
設置し、ダクト20の上流側には送風機24が配置さ
れ、さらにその上流側にはHEPAフィルタ21が設置
されている。送風機24により吸引される空気はHEP
Aフィルタ21を透過して清浄空気となり、ダクト20
内に導入される。送風機24を駆動してHEPAフィル
タ21を透過した0.04リットル/平方センチメート
ル/秒の流速の清浄空気を133.33リットル/秒の
流量でダクト20内に導入し、同時にラスキンノズル型
発生器23を作動させ発生したテストエアロゾルを送風
機24の前方に設けた、ラスキンノズル型発生器23か
ら導管22の末端に接続されたノズル25から排出させ
送風機24でダクト20内に導入した。ノズル25から
排出されたテストエアロゾルは、ダクト20内で希釈さ
れ拡散して試験フィルタ28の全面に供給される。
【0029】試験フィルタ28の下流側には、試験フィ
ルタ下流面から25mm離隔した下流位置に粒子検出器
26が設置されている。この粒子検出器26は実施例で
使用した粒子検出器2と同じ寸法の開口部を有し、粒子
検出器走査装置27により実施例と同じく図2に示す矢
印のとおり上下・左右に移動するようになっており、試
験フィルタ28を透過する試験粒子を検出する。検出さ
れた試験粒子は、粒子計測器29によりカウントされ
る。試験粒子は実施例と同様にテストエアロゾルを使用
し、ダクト20内におけるシリカ粒子の濃度が3.67
×109 個/立方米となるように調整し、155秒の
間、テストエアロゾルを試験フィルタ28の全面に供給
した。その他の試験条件についても実施例と同様であ
る。この従来例のスキャンテストの結果、ダクト20内
にシリカ粒子が堆積し、装置内が汚染されていることが
観察された。
【0030】ダクト20内に導入された清浄空気の流量
は133.33リットル/秒であるから、155秒で
は、133.33リットル/秒×155秒=2066
6.15リットルとなり、テストエアロゾルを含む20
666.15リットルの空気が試験フィルタに供給され
たことになる。この空気中のシリカ粒子の濃度は3.6
7×109 個/立方米、すなわち3.67×109 個/
1000リットルとなるように調整してあるので、試験
フィルタに供給された試験粒子の総量は、3.67×1
9 個/1000リットル×20666.15リットル
=3.67×109個×20,666、すなわち75.
8×109 個であった。
【0031】上記数値を本発明の実施例による数値であ
る1.22×109 個と比較すると、60倍以上も試験
粒子の供給量が多いことが判る。
【0032】
【発明の効果】本発明によるエアフィルタテスト装置で
スキャンテストを行なうと、粒子供給器から直接試験フ
ィルタ上流側の直前に試験粒子を供給することができる
ため、試験粒子をダクト内全域に懸濁させることがない
ので、ダクト内を過度に汚染することなく試験フィルタ
の汚染を防止することができる。また、試験粒子が清浄
空気により希釈されることがなく、試験粒子の使用量を
最低限に抑えられ経済的効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に使用したスキャンテスト装置の
概略図である。
【図2】図2は試験フィルタの下流側からみた粒子検出
器4又は粒子検出器19又は粒子供給器2の走査方向を
示す図である。
【図3】図3は従来例としての試験に使用したスキャン
テスト装置の概略図である。
【符号の説明】
1 試験フィルタ 2 粒子供給器 3 粒子供給器走査装置 4 粒子検出器 5 粒子検出器走査装置 6 ダクト 7 送風機 8 HEPAフィルタ 9 ラスキンノズル型発生器 10 粒子計測器 11 ラスキンノズル型発生器のノズル 12 導管 13 エアロゾル噴出口 14 弁 15 パージフィルタ 16 導管 17 調整弁 18 導管 19 導管 20 従来例の試験に使用する装置のダクト 21 従来例の試験に使用する装置のHEPAフィルタ 22 従来例の試験に使用する装置の導管 23 従来例の試験に使用する装置のラスキンノズル型発
生器 24 従来例の試験に使用する装置の送風機 25 従来例の試験に使用する装置のノズル 26 従来例の試験に使用する装置の粒子検出器 27 従来例の試験に使用する装置の粒子検出器走査装置 28 従来例の試験に使用する装置の試験フィルタ 29 従来例の試験に使用する装置の粒子計測器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアフィルタの上流側において粒子供給
    器からテストエアロゾルを供給し、前記エアフィルタの
    下流側において粒子検出器を上下・左右に走査して漏洩
    したテストエアロゾルを検出するエアフィルタテスト方
    法において、 前記粒子供給器から発生するテストエアロゾルを前記エ
    アフィルタの上流側から供給すると共に、前記粒子供給
    器からのテストエアロゾルを前記粒子検出器の上下・左
    右の走査運動に同調させて局所的に前記エアフィルタに
    供給し、もって漏洩したテストエアロゾルを検出するこ
    とを特徴とするエアフィルタテスト方法。
  2. 【請求項2】 エアフィルタの上流側に設置されテスト
    エアロゾルを供給する粒子供給器と、前記エアフィルタ
    の下流側に設置されて漏洩したテストエアロゾルを検出
    する上下・左右に移動可能な粒子検出器と、を含むエア
    フィルタテスト装置において、 前記エアフィルタの上流側に設置されテストエアロゾル
    を局所的に前記エアフィルタに供給する前記粒子供給器
    にして、該粒子供給器は前記粒子検出器に対向したまま
    前記粒子検出器と共に上下・左右に移動可能である前記
    粒子供給器を特徴とするエアフィルタテスト装置。
  3. 【請求項3】 前記粒子供給器を、前記粒子検出器に対
    向する位置より先行する位置関係において走査させるこ
    とを特徴とする請求項2に記載のエアフィルタテスト装
    置。
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