JPH10206170A - 静電容量型外力検出装置 - Google Patents

静電容量型外力検出装置

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JPH10206170A
JPH10206170A JP9024314A JP2431497A JPH10206170A JP H10206170 A JPH10206170 A JP H10206170A JP 9024314 A JP9024314 A JP 9024314A JP 2431497 A JP2431497 A JP 2431497A JP H10206170 A JPH10206170 A JP H10206170A
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JP
Japan
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capacitance
silicon layer
silicon substrate
conversion circuit
voltage conversion
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Application number
JP9024314A
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English (en)
Inventor
Nobuo Takei
伸夫 武井
Katsushi Tamura
勝志 田村
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外来ノイズの減少、シリコン基板から発生す
る寄生容量の減少等を図り、角速度の検出感度、検出精
度を向上させる。 【解決手段】 シリコン基板22に、検出部23と、絶
縁ゲート形電界効果トランジスタを用いたソース接地増
幅回路からなる容量電圧変換回路32を一体的に設け
る。そして、分離溝39によって、検出部23の電極支
持体27が設けられた表面側シリコン層と容量電圧変換
回路32が設けられた表面側シリコン層とを電気的に分
離する。これにより、外来ノイズの減少、シリコン基板
から発生する寄生容量の減少等を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば加速度、角
速度等の外力を静電容量の変化として検出する静電容量
型外力検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両等に作用する加速度、角速
度の検出や、カメラの手ぶれ検出等を行う静電容量型外
力検出装置は、例えば特開平4−242114号公報等
により知られている。このような静電容量型外力検出装
置は、外力を静電容量の変化として検出する検出部と、
該検出部によって検出された静電容量の変化を電圧信号
に変換する容量電圧変換回路とから構成されている。
【0003】ここで、従来技術による静電容量型外力検
出装置として角速度検出装置を例に挙げて図16、図1
7を参照しつつ説明する。
【0004】1は従来技術による静電容量型外力検出装
置としての角速度検出装置であり、該角速度検出装置1
は、後述するように、検出部4が設けられたセンサチッ
プ2と容量電圧変換回路14が設けられた変換回路チッ
プ12とから構成されている。
【0005】2はセンサチップであり、該センサチップ
2は、図16に示すように、変換回路チップ12とは別
個のチップとして形成されている。
【0006】3はセンサチップ2を構成するシリコン基
板であり、該シリコン基板3は、シリコン材料からなる
表面側シリコン層3Aと、シリコン材料からなる裏面側
シリコン層3Bと、表面側シリコン層3Aと裏面側シリ
コン層3Bとの間に設けられ、酸化シリコン等からなる
絶縁層3Cとから構成されたSOI(Silicono
n Insulator)基板である。そして、シリコ
ン基板3の表面側シリコン層3Aは、リン,ボロン等の
不純物をドーピングすることにより低抵抗化されてい
る。
【0007】4はシリコン基板3の表面側シリコン層3
Aにエッチングを施すことにより設けられた検出部であ
り、該検出部4は、シリコン基板3の中央に位置し、シ
リコン基板3に対して平行方向に振動可能に設けられた
振動子5と、該振動子5の周囲4箇所に配置され、シリ
コン基板3に固定して設けられた電極支持体6,6,…
とから大略構成されている。
【0008】ここで、振動子5は、4本の支持梁7,
7,…によってシリコン基板3上に支持されている。そ
して、振動子5は、図17に示すように、シリコン基板
3の絶縁層3Cの一部をエッチングによって除去するこ
とにより、シリコン基板3上で浮上した状態となってい
る。これにより、振動子5は、図16中の矢示X,Y方
向に振動可能となっている。また、振動子5の各辺には
くし状電極5A,5A,…が設けられている。
【0009】一方、各電極支持体6にもくし状電極6
A,6A,…が設けられ、これらくし状電極6Aは、振
動子5の各くし状電極5Aと離間した状態で噛合してい
る。
【0010】ここで、図16において上側に位置するく
し状電極5A,6Aと、下側に位置するくし状電極5
A,6Aは、それぞれ駆動電極8を構成している。これ
ら駆動電極8は、各くし状電極5A,6A間に静電力を
発生させることにより、振動子5を図16中の矢示Y方
向に振動させるものである。
【0011】また、図16において、左側に位置するく
し状電極5A,6Aと、右側に位置するくし状電極5
A,6Aは、それぞれ検出電極9を構成している。これ
ら検出電極9は、振動子5がコリオリ力により図16中
の矢示X方向に振動したときに、各くし状電極5A,6
A間に生じる静電容量の変化を検出するものである。
【0012】10,10は図16において上側、下側に
位置する各電極支持体6の表面に設けられた入力電極パ
ッドを示し、該各入力電極パッド10には、振動子5を
振動させるための駆動信号を出力する発振回路がワイヤ
(いずれも図示せず)を介して接続されている。
【0013】11,11は図16において左側、右側に
位置する各電極支持体6の表面に設けられた出力電極パ
ッドを示し、該各出力電極パッド11は、各検出電極9
によって検出される静電容量の変化を、静電容量検出信
号(静電容量の変化に対応して生じる電流信号)として
出力するものである。
【0014】12は変換回路チップであり、該変換回路
チップ12は、センサチップ2とは別個のチップとして
形成されている。
【0015】13は変換回路チップ12を構成する回路
基板、14は該回路基板13に設けられた容量電圧変換
回路を示す。該容量電圧変換回路14は、検出部4の各
検出電極9によって検出された静電容量の変化を電圧に
変換する回路であり、コンデンサブリッジ回路またはス
イッチドキャパシタ回路により構成されている。
【0016】15,15,…は回路基板13上に設けら
れた入力電極パッドを示し、該各入力電極パッド15
は、各検出電極9によって検出され、センサチップ2の
出力電極パッド11から出力される静電容量検出信号を
受け取り、この静電容量検出信号を容量電圧変換回路1
4に入力するためのものである。
【0017】16,16は容量電圧変換回路14から出
力される電圧信号を外部に設けられた信号処理回路(図
示せず)に向けて出力するための出力電極パッドであ
る。
【0018】17はセンサチップ2の一方の出力電極パ
ッド11と変換回路チップ12の入力電極パッド15と
を電気的に接続するワイヤであり、該ワイヤ17の端部
はセンサチップ2の出力電極パッド11、変換回路チッ
プ12の入力電極パッド15に半田18,18によって
それぞれ接続されている。
【0019】なお、センサチップ2の他方の出力電極パ
ッド11には、変換回路チップ12の他の入力電極パッ
ド15と接続するためのワイヤが設けられ、センサチッ
プ2の各入力電極パッド10には、発振回路と接続する
ためのワイヤが設けられ、さらに変換回路チップ12の
各出力電極パッド16には外部の信号処理回路に接続す
るためのワイヤがそれぞれ設けられているが、図16,
図17ではこれら各ワイヤの記載を省略する。
【0020】従来技術による角速度検出装置1は上述し
たような構成を有するもので、次にその動作について説
明する。
【0021】即ち、発振回路(図示せず)からセンサチ
ップ2の入力電極パッド10に駆動信号が供給される
と、各駆動電極8を構成するくし状電極5A,6A間に
静電力が発生し、振動子5が図16中の矢示Y方向に振
動する。このように振動子5が振動している状態で、図
17中のZ−Z軸周りの角速度Ωが作用すると、振動子
5がコリオリ力により矢示X方向に変位する。これによ
り、各検出電極9を構成するくし状電極5A,6A間の
離間距離が変化するため、このくし状電極5A,6A間
の静電容量が変化する。この結果、センサチップ2の出
力電極パッド11からは各検出電極9によって検出され
た静電容量の変化が、静電容量検出信号として出力され
る。
【0022】そして、センサチップ2の出力電極パッド
11から出力された静電容量検出信号は、ワイヤ17を
介して変換回路チップ12の入力電極パッド15に入力
され、この入力電極パッド15から容量電圧変換回路1
4に入力される。そして、この静電容量検出信号は、容
量電圧変換回路14によって電圧信号に変換され、各出
力電極パッド16から外部の信号処理回路に出力され
る。そして、外部の信号処理回路により角速度が求めら
れる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による角速度検出装置1は、センサチップ2と変
換回路チップ12とをワイヤ17等で接続し、センサチ
ップ2に設けられた検出部4の各検出電極9により検出
された静電容量の変化を、静電容量検出信号としてワイ
ヤ17等を介して変換回路チップ12に設けられた容量
電圧変換回路14に出力する構成である。
【0024】しかし、センサチップ2と変換回路チップ
12とを別々のチップによって構成すると、検出部4と
容量電圧変換回路14との離間距離が大きくなり、検出
部4の各検出電極9と容量電圧変換回路14の入力側と
の間を接続する信号経路が長くなる。このため、検出部
4の各検出電極9から出力された静電容量検出信号に外
来ノイズが混在し易くなり、外来ノイズの増加によって
角速度の検出感度が低下するという問題がある。
【0025】また、上述した角速度検出装置1は、セン
サチップ2と変換回路チップ12とをワイヤ17等で接
続する構成であるため、センサチップ2に設けられた各
電極支持体6に、ワイヤ17等を接続するための出力電
極パッド11を設けている。この出力電極パッド11
は、ワイヤ17等を半田18によって接着するための接
着面積を確保しなければならないため、比較的大きい面
積を必要とする。このため、各電極支持体6の面積が大
幅に増加し、シリコン基板3の表面側シリコン層3Aと
裏面側シリコン層3Bとの間に生じる寄生容量が増加す
るという問題がある。
【0026】即ち、図17に示すように、シリコン基板
3は、表面側シリコン層3Aと裏面側シリコン層3Bと
の間に絶縁層3Cが設けられた構成となっているため、
表面側シリコン層3Aと裏面側シリコン層3Bとの間に
は、寄生容量が生じる。この寄生容量は、表面側シリコ
ン層3A、裏面側シリコン層3Bの面積が大きくなれば
なるほど増加する。
【0027】従って、各電極支持体6の面積が増加する
と、各電極支持体6を構成する表面側シリコン層3Aと
裏面側シリコン層3Bとの間に生じる寄生容量が増加
し、この寄生容量の増加が角速度の検出感度を低下させ
るという問題がある。
【0028】さらに、上述した従来技術による角速度検
出装置1の容量電圧変換回路14は、コンデンサブリッ
ジ回路またはスイッチドキャパシタ回路により構成され
ている。コンデンサブリッジ回路、スイッチドキャパシ
タ回路は、回路を構成する素子数が多いため、個々の素
子から発生するノイズの総和が大きくなる。この結果、
容量電圧変換回路14をコンデンサブリッジ回路または
スイッチドキャパシタ回路により構成すると、検出部4
の各検出電極9から検出された静電容量の変化(静電容
量検出信号)を電圧信号に変換する際に、多量のノイズ
が電圧信号に混在し、角速度を検出精度が低下するとい
う問題がある。
【0029】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、外来ノイズの減少、シリコン基板から発
生する寄生容量の減少、容量電圧変換回路の内部から発
生するノイズの減少を図り、角速度の検出感度、検出精
度を向上させることができる静電容量型外力検出装置を
提供することを目的としている。
【0030】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために請求項1に係る発明は、表面側シリコン層と裏面
側シリコン層との間に絶縁層を介在させたシリコン基板
と、該シリコン基板の表面側シリコン層に設けられ、外
力を静電容量の変化により検出する検出部と、該検出部
の近傍に位置して前記シリコン基板の表面側シリコン層
に設けられ、絶縁ゲート形電界効果トランジスタを用い
たソース接地増幅回路からなり、該検出部から検出され
る静電容量の変化を電圧信号に変換する容量電圧変換回
路と、前記検出部が設けられた表面側シリコン層と前記
容量電圧変換回路が設けられた表面側シリコン層とを電
気的に分離する絶縁部とから構成したことにある。
【0031】このように構成したことにより、検出部と
容量電圧変換回路を単一のシリコン基板上に一体的に設
けることができる。これにより、検出部と容量電圧変換
回路とを接続する信号経路を縮小することができ、検出
部から容量電圧変換回路に出力される静電容量の変化に
対応した信号(静電容量検出信号)に、外来ノイズが混
在するのを抑制することができる。
【0032】また、検出部が設けられた表面側シリコン
層とソース接地増幅回路が設けられた表面側シリコン層
とを電気的に分離する絶縁部を設けることによって、検
出部が設けられた表面側シリコン層の面積を縮小させる
ことができ、検出部が設けられた表面側シリコン層と裏
面側シリコン層との間に生じる寄生容量を減少させるこ
とができる。
【0033】さらに、容量電圧変換回路を、絶縁ゲート
形電界効果トランジスタ(以下、「絶縁ゲート形FE
T」という)を用いたソース接地増幅回路によって構成
することにより、容量電圧変換回路を構成する素子数を
減少させ、個々の素子から発生するノイズの総和を減少
させることができる。
【0034】ここで、絶縁ゲート形FETを用いたソー
ス接地増幅回路を表面側シリコン層に積層形成すると、
ソース接地増幅回路が形成された表面側シリコン層全体
が、当該ソース接地増幅回路を駆動するための電源電位
と同電位になってしまう。即ち、絶縁ゲート形FETを
表面側シリコン層に形成した場合、絶縁ゲート形FET
の構造上、表面側シリコン層全体が、絶縁ゲート形FE
Tの第2ゲートに相当する。そして、絶縁ゲート形FE
Tを用いたソース接地増幅回路では、絶縁ゲート形FE
Tの第2のゲートを電源電位に設定するため、ソース接
地増幅回路を駆動するとき、ソース接地増幅回路が形成
された表面側シリコン層全体が電源電位となる。
【0035】一方、ソース接地増幅回路の入力側、即
ち、絶縁ゲート形FETのゲート端子には検出部の出力
側が接続され、検出部により検出される静電容量の変化
に対応した信号が絶縁ゲート形FETのゲート端子に入
力される構成となっている。
【0036】以上のように、ソース接地増幅回路が形成
された表面側シリコン層全体が電源電位となる点と、検
出部の出力側が絶縁ゲート形FETのゲート端子に接続
されている点を勘案すると、検出部とソース接地増幅回
路(容量電圧変換回路)を電気的に連続した表面側シリ
コン層に一体的に設ける構成とした場合には、検出部と
絶縁ゲート形FETの第2ゲートが同電位となるため、
絶縁ゲート形FETのゲート端子が電源電位となる。こ
の結果、ソース接地増幅回路が動作しなくなってしま
う。
【0037】そこで、シリコン基板に、検出部が設けら
れた表面側シリコン層とソース接地増幅回路が設けられ
た表面側シリコン層とを電気的に分離する絶縁部を設け
ることにより、絶縁ゲート形FETのゲート端子が電源
電位となるのを防止し、ソース接地増幅回路を正常に動
作させるようにした。
【0038】請求項2に係る発明は、絶縁部を、シリコ
ン基板の表面側シリコン層にシリコン基板の絶縁層まで
延びる縦溝により構成したことにある。
【0039】これにより、検出部が設けられた表面側シ
リコン層と、容量電圧変換回路が設けられた表面側シリ
コン層とを容易に分離することができる。
【0040】ここで、請求項3に係る発明のように、縦
溝は、シリコン基板の表面側シリコン層の一部を異方性
エッチングによって除去することにより設けることがで
きる。
【0041】これにより、縦溝を例えばV字状に形成で
き、縦溝の溝面(側面)を傾斜させることができる。従
って、縦溝を境にして一側に設けられた検出部と他側に
設けられた容量電圧変換回路とを電気的に接続する配線
を、縦溝の傾斜した溝面に沿うようにして形成すること
ができる。
【0042】また、請求項4に係る発明のように、絶縁
部を、シリコン基板の表面側シリコン層にシリコン基板
の絶縁層に到達する縦溝により構成し、該縦溝の溝面に
絶縁膜を設け、該絶縁膜が設けられた縦溝内に埋込部材
を埋設する構成としてもよい。
【0043】これにより、縦溝によって分離された検出
部側の表面側シリコン層と容量電圧変換回路側の表面側
シリコン層との各上面を、段差のない連続した平面とな
るようにつなげることができる。従って、検出部と容量
電圧変換回路とを電気的に接続する配線を平面上に形成
することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って詳述する。
【0045】ここで、図1ないし図13は本発明の第1
の実施例による静電容量型外力検出装置として角速度検
出装置を例に挙げて示している。
【0046】21は本実施例による静電容量型外力検出
装置としての角速度検出装置である。22は該角速度検
出装置21を構成するシリコン基板であり、該シリコン
基板22は、従来技術による角速度検出装置1のシリコ
ン基板3と同様に、SOI基板により構成されている。
即ち、シリコン基板22は、シリコン材料からなる表面
側シリコン層22Aと、シリコン材料からなる裏面側シ
リコン層22Bと、表面側シリコン層22Aと裏面側シ
リコン層22Bとの間に設けられ、酸化シリコン等から
なる絶縁層22Cとから構成されている。そして、シリ
コン基板22の表面側シリコン層22Aのうち、後述す
る検出部23を設ける部分は、リン、ボロン等の不純物
をドーピングすることにより低抵抗化されている。
【0047】23はシリコン基板22の表面側シリコン
層22Aに設けられ、角速度を静電容量の変化によって
検出する検出部を示し、該検出部23は、従来技術によ
る検出部4とほぼ同様に、シリコン基板22に対して平
行方向に振動可能な振動子24と、該振動子24をシリ
コン基板22に支持する4本の支持梁25,25,…
と、図1において振動子24の上側、下側に配設された
駆動用の電極支持体26,26とを備えている。また、
従来技術と同様に、振動子24にはくし状電極24A,
24A,…が設けられ、各電極支持体26にはくし状電
極26A,26Aが設けられている。そして、各くし状
電極24A,26Aは互いに離間した状態で噛合してい
る。
【0048】27,27は図1において振動子24の左
側、右側に配設された検出用の電極支持体を示し、該各
電極支持体27には、駆動用の電極支持体26と同様
に、くし状電極27A,27Aが設けられ、該各くし状
電極27Aは、振動子24Aの各くし状電極24Aと互
いに離間した状態で噛合している。
【0049】ここで、各電極支持体27は、シリコン基
板22の表面側シリコン層22Aにエッチングを施すこ
とにより、図1に示すように、例えば細長い方形状に形
成されている。即ち、各電極支持体27は、各くし状電
極27Aを支持するのに十分な最小限の面積となるよう
に形成されており、従来技術による各電極支持体6と比
較して、その面積が大幅に縮小されている。
【0050】28,28は振動子24を静電力により図
1中の矢示Y方向に振動させる駆動電極であり、該各駆
動電極28は、前記振動子24に設けられた各くし状電
極24Aと各電極支持体26に設けられた各くし状電極
26Aにより構成されている。
【0051】29,29は角速度を静電容量の変化とし
て検出する検出電極であり、該各検出電極29は、振動
子24に設けられた各くし状電極24Aと各電極支持体
27に設けられた各くし状電極27Aにより構成されて
いる。そして、該各検出電極29は、振動子24がコリ
オリ力により図1中の矢示X方向に変位したときに、各
くし状電極24A,27A間の静電容量の変化を検出す
るものである。
【0052】30,30は駆動用の各電極支持体26の
表面に設けられた入力電極パッドを示し、該各入力電極
パッド30には、振動子24を振動させるための駆動信
号を出力する発振回路がワイヤ(いずれも図示せず)を
介して接続されている。
【0053】31,31は各電極支持体27の外側に設
けられた回路形成部であり、該各回路形成部31は、シ
リコン基板22の表面側シリコン層22Aに形成されて
いる。そして、該各回路形成部31には、後述する各容
量電圧変換回路32が形成されている。ここで、各回路
形成部31は容量電圧変換回路32を形成するのに十分
な最小限の面積をもって形成されている。
【0054】32,32は各回路形成部31に積層して
設けられた容量電圧変換回路であり、該各容量電圧変換
回路32は、検出部23の検出電極29によって検出さ
れる静電容量の変化を増幅し、電圧信号に変換するもの
である。
【0055】そして、各容量電圧変換回路32は、図6
に示すように、pチャネル絶縁ゲート形電界効果トラン
ジスタ33(以下、「絶縁ゲート形FET33」とい
う)を用いたソース接地増幅回路によって構成されてい
る。
【0056】即ち、各容量電圧変換回路32は、第1ゲ
ートG1が検出部23の検出電極29に接続され、ソー
スSが電源電極パッド42Aを介して電源(+5V)に
接続された絶縁ゲート形FET33と、一側が絶縁ゲー
ト形FET33のドレインDに接続され、他側がアース
電極パッド42Cを介してアースに接続された抵抗素子
34と、一側が絶縁ゲート形FET33の第1ゲートG
1に接続され、他側が絶縁ゲート形FET33のドレイ
ンDに接続された抵抗素子35とから構成されている。
また、絶縁ゲート形FET33のドレインDは、信号出
力電極パッド42Bに接続されている。さらに、絶縁ゲ
ート形FET33の第2ゲートG2は、ソースSに接続
され、ソースSと共に電源電極パッド42Aを介して電
源に接続されている。
【0057】36A,36B,36C,36Dは回路形
成部31上に後述する絶縁膜40を介して設けられた配
線であり、該配線36A〜36Dは、例えばアルミニウ
ム、ポリシリコン等の導電性材料により形成されてい
る。また、該各配線36Aは、図3に示すように、後述
する分離溝39の各溝面(分離溝39内の側面)に沿っ
てV字状に屈曲している。
【0058】ここで、各容量電圧変換回路32の絶縁ゲ
ート形FET33の積層構造について説明する。絶縁ゲ
ート形FET33は、図4,図5に示すように、回路形
成部31に積層形成されている。即ち、本実施例による
絶縁ゲート形FET33はpチャネルであるため、回路
形成部31を構成する表面側シリコン層22Aは、n形
不純物を拡散することによりn形となっている。そし
て、回路形成部31を構成する表面側シリコン層22A
の上面には、後述する絶縁膜40が設けられている。ま
た、回路形成部31を構成する表面側シリコン層22A
の上部には、p形不純物を拡散することによりp形部3
7A,37Bが形成されている。なお、表面側シリコン
層22Aにp形不純物を拡散するときに、p形部37
A,37Bの上側の絶縁膜40は部分的に除去される。
【0059】そして、図5に示すように、p形部37A
はソースSとなり、このソースSには配線36Bが接続
されている。また、p形部37BはドレインDとなり、
このドレインDには配線36Cが接続されている。さら
に、ソースSとドレインDとの間に位置し、絶縁膜40
の上面は第1ゲートG1となり、この第1ゲートG1に
は配線36Aが接続されている。
【0060】また、回路形成部31を構成する表面側シ
リコン層22A全体(p形部37A,37Bが形成され
た部分を除く)は、第2ゲートG2に相当し、この第2
ゲートG2は接続部38で配線36Bに接続されてい
る。そして、第2ゲートG2は、図6に示すように、配
線36B、電源電極パッド42Aを介して電源に接続さ
れている。このため、容量電圧変換回路32の駆動時
に、回路形成部31を構成する表面側シリコン層22A
は全体的に電源電位となる。
【0061】39,39は各電極支持体27と各回路形
成部31との間に設けられた絶縁部としての分離溝を示
し、該各分離溝39は、各電極支持体27と各回路形成
部31との間に位置する表面側シリコン層22Aを異方
性エッチングにより除去することによって断面V字状の
縦溝として形成されている。そして、各分離溝39の底
部はシリコン基板22の絶縁層22Cまで達しており、
表面側シリコン層22Aを、各電極支持体27と各回路
形成部31との間で電気的に分離(絶縁)させている。
【0062】このように、各分離溝39によって、表面
側シリコン層22Aを、各電極支持体27と各回路形成
部31との間で電気的に分離(絶縁)させることによ
り、下記するように、容量電圧変換回路32を正常に動
作させることができる。
【0063】即ち、容量電圧変換回路32は、上述した
ように、絶縁ゲート形FET33の第2ゲートG2を電
源に接続する構成であるため、回路形成部31を構成す
る表面側シリコン層22Aは全体的に電源電位となる。
一方、検出部23の検出電極29(くし状電極27A)
は、配線36Aを介して絶縁ゲート形FET33の第1
ゲートG1に接続されている。
【0064】検出電極29と容量電圧変換回路32がこ
のような構成である場合、検出電極29のくし状電極2
7Aが設けられた電極支持体27と回路形成部31を一
塊の表面側シリコン層22Aに一体形成すると、くし状
電極27Aと回路形成部31に設けられた絶縁ゲート形
FET33の第2ゲートG2が電気的に接続され、くし
状電極27Aが電源電位になる。この結果、絶縁ゲート
形FET33の第1ゲートG1が電源電位となるため、
容量電圧変換回路32が正常に動作しなくなってしま
う。
【0065】そこで、各分離溝39によって、表面側シ
リコン層22Aを、各電極支持体27と各回路形成部3
1との間で電気的に分離(絶縁)させることとした。こ
れにより、各検出電極29(くし状電極27A)と絶縁
ゲート形FET33の第2ゲートG2とを電気的に遮断
することができ、容量電圧変換回路32を正常に動作さ
せることが可能となる。
【0066】40,40は各分離溝39の各溝面(分離
溝39内の側面)に沿うように設けられた絶縁膜であ
り、該各絶縁膜40は酸化シリコン等により形成されい
る。さらに、各絶縁膜40は、図3に示すように、各電
極支持体27、各回路形成部31、各パッド形成部41
の表面をも覆っている。
【0067】41,41は各回路形成部31の外側に設
けられたパッド形成部であり、該各パッド形成部41
は、シリコン基板22の表面側シリコン層22Aに形成
されている。
【0068】42,42は各回路形成部31の表面に設
けられた出力電極パッドを示し、該各出力電極パッド4
2は、電源電極パッド42A、信号出力電極パッド42
B、アース電極パッド42Cからなり、電源電極パッド
42Aは、ワイヤ等(図示せず)が接続され、外部に設
けられた電源に接続される。また、信号出力電極パッド
42Bは、ワイヤ等を介して外部の信号処理回路等に接
続され、アース電極パッド42Cは、ワイヤ等を介して
外部のアース端子に接続される(いずれも図示せず)。
【0069】本実施例による角速度検出装置21は上述
したような構成を有するもので、次にその製造方法につ
いて説明する。
【0070】まず、図7に示すように、表面側シリコン
層22Aと裏面側シリコン層22Bとの間に絶縁層22
Cが設けられたシリコン基板22を準備する。そして、
表面側シリコン層22Aのうち、検出部23を形成する
部分に、リン、ボロン等の不純物をドーピングし、検出
部23を形成する部分の表面側シリコン層22Aを低抵
抗化する。
【0071】分離溝形成工程では、図8に示すように、
シリコン基板22の表面側シリコン層22Aに分離溝3
9,39を形成する。即ち、表面側シリコン層22A上
に酸化シリコン膜51を形成した後、各分離溝39を形
成する部分の酸化シリコン膜51をBHF(バッファフ
ッ酸)液等を用いて除去する。そして、酸化シリコン膜
51をマスクにして表面側シリコン層22Aに対して異
方性エッチングを行い、分離溝39を形成する部分の表
面側シリコン層22Aを絶縁層22Cに達するまで完全
に除去する。なお、この異方性エッチングには、TMA
H等のシリコン用エッチャントを用いる。これにより、
シリコン基板22には、各溝面が傾斜したV字状の分離
溝39,39が形成される。
【0072】回路形成工程では、図9に示すように、表
面側シリコン層22Aの所定の位置に、絶縁ゲート形F
ET33等からなる容量電圧変換回路32,32を積層
形成する。
【0073】電極形成工程では、図10に示すように、
シリコン基板22に形成された各分離溝39上等に、絶
縁膜40,40を成膜し、これら絶縁膜40上に各出力
電極パッド42と配線36A〜36Dを形成する(図4
参照)。このとき、配線36Aは、各分離溝39の各溝
面に沿ってV字状に形成される。
【0074】検出部形成工程では、図11に示すよう
に、レジストをマスクにしてシリコン基板22の表面側
シリコン層22Aに対し、エッチング(RIE等)を行
い、検出部23の振動子24、各電極支持体27、くし
状電極24A,27A、各回路形成部31、各パッド形
成部41等を形成する。その後、図12に示すように、
振動子24の下側に位置する絶縁層22Cを、BHF液
等を用いたエッチングによって除去する。
【0075】このようにして、角速度検出装置21は製
造される。なお、分離溝形成工程、回路形成工程、検出
部形成工程の順番はこれに限るものでなく、例えば、最
初に検出部形成工程によって検出部23を形成した後、
分離溝形成工程によって各分離溝39を形成し、その
後、回路形成工程によって容量電圧変換回路32を形成
してもよい。
【0076】次に、本実施例による角速度検出装置21
の動作について説明する。即ち、従来技術と同様に、振
動子24を図1中の矢示Y方向に振動させる。この状態
で、図2中のZ−Z軸周りの角速度Ωが作用すると、振
動子24は、コリオリ力により図1中の矢示X方向に変
位する。これにより、各検出電極29を構成するくし状
電極24A,27A間の静電容量が変化し、この静電容
量の変化が、配線36Aを介して容量電圧変換回路32
の絶縁ゲート型FET33の第1ゲートG1に入力され
る。
【0077】これにより、絶縁ゲート形FET33の第
1ゲートG1の電圧が変化するため、絶縁ゲート形FE
T33のソースSとドレインDの間に電流が流れる。こ
の結果、絶縁ゲート形FET33のドレインDには、検
出電極29により検出された静電容量の変化を増幅した
電圧信号が出力される。
【0078】そして、絶縁ゲート形FET33のドレイ
ンDから出力された電圧信号は、配線36Cを介して信
号出力電極パッド42Bに出力され、信号出力電極パッ
ド42Bから外部に設けられた信号処理回路等に出力さ
れる。そして、信号処理回路等により角速度が求められ
る。
【0079】かくして、本実施例によれば、単一のシリ
コン基板22に、検出部23と、絶縁ゲート形FET3
3を用いたソース接地増幅回路からなる容量電圧変換回
路32を一体的に設けると共に、各分離溝39によっ
て、検出部23の各電極支持体27を構成する表面側シ
リコン層22Aと容量電圧変換回路32が設けられた表
面側シリコン層22Aとを電気的に分離する構成とした
から、以下に詳説するように、外来ノイズ、寄生容量の
大きさ、容量電圧変換回路32の内部ノイズを効果的に
抑制することができ、角速度の検出感度、検出精度を向
上させることができる。
【0080】即ち、本実施例による角速度検出装置21
は、単一のシリコン基板22に検出部23と容量電圧変
換回路32とが一体形成され、検出部23の各検出電極
29と容量電圧変換回路32の入力側(絶縁ゲート型F
ET33の第1ゲートG1)との間の信号経路が非常に
短い。これにより、静電容量検出信号に混在する外来ノ
イズを減少させることができる。
【0081】また、本実施例による角速度検出装置21
は、比較的大きな面積を必要とする各出力電極パッド4
2を各パッド形成部41上に設けると共に、該各パッド
形成部41を、各分離溝39により各電極支持体27か
ら分離させる構成である。これにより、各電極支持体2
7の面積を縮小させることができ、各電極支持体27を
構成する表面側シリコン層22Aと裏面側シリコン層2
2Bとの間に生じる寄生容量を減少させることができ
る。
【0082】さらに、本実施例による角速度検出装置2
1に設けられた容量電圧変換回路32は絶縁ゲート型F
ET33を用いたソース接地増幅回路により構成され、
回路を構成する素子数が少ない。従って、本実施例によ
る角速度検出装置21は、容量電圧変換回路としてコン
デンサブリッジ回路やスイッチドキャパシタ回路を採用
している従来技術の角速度検出装置と比較して、内部ノ
イズを大幅に減少させることができる。これにより、容
量電圧変換回路32から出力される電圧信号に混在する
ノイズを減少させることができる。
【0083】また、本実施例による容量電圧変換回路3
2を構成するソース接地増幅回路の能動素子として絶縁
ゲート形FET33を用いる構成としたことにより、下
記の効果を得ることができる。
【0084】即ち、ソース接地増幅回路の能動素子とし
て採用した絶縁ゲート形FET33は、第1ゲートG1
が、絶縁膜40によって、ソースS、ドレインDと電気
的に遮断されている。このため、第1ゲートG1にゲー
トバイアス電流が入力されても、このゲートバイアス電
流が、ソースS、ドレインD側に漏洩することはない。
従って、ソース接地増幅回路から出力される電圧信号が
温度変化に対して非線形的に変動するのを防止すること
ができる。
【0085】ここで、図13中の特性線αは、絶縁ゲー
ト形FET33を用いたソース接地増幅回路によって構
成した本実施例の容量電圧変換回路32から出力される
電圧信号の温度特性を示している。この図から明らかな
とおり、電圧信号は温度変化に対して線形的に変化して
いる。これにより、線形的な温度特性を補正するための
簡単な温度補正を施すだけで、角速度の検出精度を向上
させることができる。
【0086】一方、本実施例によれば、シリコン基板2
2の表面側シリコン層22Aに、異方性エッチングを施
すことによって、容易に各分離溝39を形成することが
でき、製造作業の複雑化、製造コストの上昇を防止する
ことができる。
【0087】また、各分離溝39を異方性エッチングに
よって形成することにより、各分離溝39の各溝面を、
図3に示すようにV字状に傾斜させることができる。こ
れにより、各分離溝39の各溝面に、配線36Aを容易
に形成することができる。
【0088】次に、本発明の第2の実施例による外力検
出装置として角速度検出装置を例に挙げ、図14,図1
5に基づいて説明する。本実施例の特徴は、絶縁部を、
シリコン基板の表面側シリコン層にシリコン基板の絶縁
層に到達する縦溝により構成し、該縦溝の溝面に絶縁膜
を設け、該絶縁膜が設けられた縦溝内に埋込部材として
シリコンを埋設する構成としたことにある。なお、本実
施例では、前述した第1の実施例と同一の構成要素に同
一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0089】即ち、61は本実施例による静電容量型外
力検出装置としての角速度検出装置である。62,62
は各電極支持体27と各回路形成部31との間に設けら
れた絶縁部としての分離溝を示し、該各分離溝62は、
角速度検出装置61のシリコン基板22の表面側シリコ
ン層22Aの一部をドライエッチング等の手段を用いて
除去することにより形成されている。また、各分離溝6
2は、シリコン基板22に対して直交方向に延びる縦溝
であり、その底部はシリコン基板22の絶縁層22Cに
達している。
【0090】63,63,…は各分離溝62の各溝面に
沿うように設けられた絶縁膜であり、該各絶縁膜63
は、酸化シリコン等により形成されている。さらに、各
絶縁膜63は、各電極支持体27、各回路形成部31、
各パッド形成部41の表面をも覆っている。
【0091】また、各分離溝62内には、ポリシリコン
等からなる埋込部材64が埋め込まれている。これによ
り、各電極支持体27と各回路形成部31は電気的には
絶縁されているものの、各電極支持体27の表面と各回
路形成部31の表面は、段差のない平らな状態で連続的
につながっている。
【0092】65,65,…は検出部23の検出電極2
9、各容量電圧変換回路32、各出力電極パッド42を
それぞれ電気的に接続する配線である。
【0093】このように構成される本実施例によって
も、各電極支持体27を構成する表面側シリコン層22
Aと、回路形成部31を構成する表面側シリコン層22
Aとを電気的に分離することができ、第1の実施例と同
様の作用効果を得ることができる。
【0094】また、本実施例によれば、各分離溝62内
に埋込部材64を埋め込む構成としたから、電極支持体
27を構成する表面側シリコン層22Aと回路形成部3
1を構成する表面側シリコン層22Aとの各上面を、段
差のない連続した平面となるようにつなげることができ
る。これにより、各検出電極29(くし状電極27A)
と容量電圧変換回路32とを電気的に接続する配線65
を平面上に形成することができ、配線の容易化を図るこ
とができる。
【0095】なお、前記各実施例では、絶縁部として分
離溝39(62)を設けるものとして述べたが、本発明
はこれに限らず、絶縁部を他のトレンチ技術によって形
成してもよい。また、埋込部材64はポリシリコンに限
るものではなく、他の導電性材料や絶縁性材料を用いる
こともできる。
【0096】また、前記各実施例では、図1に示すよう
な検出部23を有する角速度検出装置21(61)を例
に挙げて説明したが、検出部23の振動子24の形状、
各電極支持体26,27の形状や配置、電極24A,2
6A,27Aの形状等をこれに限定するものではない。
【0097】また、前記各実施例では、容量電圧変換回
路32にpチャネルの絶縁ゲート形FET33を設ける
ものとして述べたが、本発明はこれに限らず、nチャネ
ルの絶縁ゲート形FETを設ける構成としてもよい。
【0098】さらに、前記各実施例では、静電容量型外
力検出装置として角速度検出装置21(61)を例に挙
げて述べたが、本発明はこれに限らず、加速度を検出す
る加速度検出装置等にも適用することができる。
【0099】
【発明の効果】以上詳述したとおり、請求項1に係る発
明によれば、表面側シリコン層と裏面側シリコン層との
間に絶縁層を介在させたシリコン基板と、該シリコン基
板の表面側シリコン層に設けられ、外力を静電容量の変
化により検出する検出部と、該検出部の近傍に位置して
前記シリコン基板の表面側シリコン層に設けられ、絶縁
ゲート形FETを用いたソース接地増幅回路からなり、
該検出部から検出される静電容量の変化を電圧信号に変
換する容量電圧変換回路と、前記検出部が設けられた表
面側シリコン層と前記容量電圧変換回路が設けられた表
面側シリコン層とを電気的に分離する絶縁部とから構成
したから、検出部と容量電圧変換回路を単一のシリコン
基板上に近接させて設けることができ、検出部から容量
電圧変換回路に向けて出力される信号に外来ノイズが混
在するのを抑制できる。
【0100】また、検出部が設けられた表面側シリコン
層と容量電圧変換回路が設けられた表面側シリコン層と
を電気的に分離する絶縁部を設けることによって、検出
部が設けられた表面側シリコン層の面積を縮小させるこ
とができ、検出部が設けられた表面側シリコン層と裏面
側シリコン層との間に生じる寄生容量を減少させること
ができる。
【0101】さらに、容量電圧変換回路を、絶縁ゲート
形電界効果トランジスタを用いたソース接地増幅回路に
よって構成することにより、容量電圧変換回路を構成す
る素子数を減少させ、個々の素子から発生するノイズの
総和を減少させることができる共に、容量電圧変換回路
の温度特性を向上させることができる。
【0102】以上のように、外来ノイズの減少、寄生容
量の減少、容量電圧変換回路から発生する内部ノイズの
減少および容量電圧変換回路の温度特性の向上を図るこ
とができ、角速度の検出感度を大幅に向上させることが
できる。
【0103】また、検出部が設けられた表面側シリコン
層とソース接地増幅回路(容量電圧変換回路)が設けら
れた表面側シリコン層とを、絶縁部によって電気的に分
離する構成としたから、ソース接地増幅回路を構成する
絶縁ゲート形電界効果トランジスタのゲート端子が電源
電位になるのを防止でき、ソース接地増幅回路を正常に
動作させることができる。
【0104】請求項2に係る発明によれば、絶縁部を、
シリコン基板の表面側シリコン層にシリコン基板の絶縁
層まで延びる縦溝により構成したから、検出部が設けら
れた表面側シリコン層と容量電圧変換回路が設けられた
表面側シリコン層とを容易に分離することができる。
【0105】請求項3に係る発明によれば、縦溝を、シ
リコン基板の表面側シリコン層の一部を異方性エッチン
グによって除去することにより設ける構成としたから、
絶縁部を容易に形成することができ、静電容量型外力検
出装置の製造が複雑化するのを防止できる。
【0106】また、縦溝を異方性エッチングにより形成
したから、縦溝の溝面を容易に傾斜させることができ
る。これにより、検出部と容量電圧変換回路とを電気的
に接続する配線を、縦溝の傾斜した溝面に沿うようにし
て形成することができ、配線の容易化を図ることができ
る。
【0107】請求項4に係る発明によれば、絶縁部を、
シリコン基板の表面側シリコン層にシリコン基板の絶縁
層に到達する縦溝により構成し、該縦溝の溝面に絶縁膜
を設け、該絶縁膜が設けられた縦溝内に埋込部材を埋設
する構成としたから、検出部が設けられた表面側シリコ
ン層と容量電圧変換回路が設けられた表面側シリコン層
を確実に分離することができる。
【0108】また、縦溝によって分離された検出部側の
表面側シリコン層と容量電圧変換回路側の表面側シリコ
ン層との各上面を、段差のない連続した平面となるよう
につなげることができる。これにより、検出部と容量電
圧変換回路とを電気的に接続する配線を平面上に形成す
ることができ、配線の容易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による角速度検出装置を
示す平面図である。
【図2】図1中の角速度検出装置を矢示II−II方向から
みた断面図である。
【図3】図2中の要部を拡大して示す断面図である。
【図4】第1の実施例による角速度検出装置の検出電
極、回路形成部、パッド形成部、分離溝等を拡大して示
す平面図である。
【図5】図4中の要部を矢示V−V方向からみた拡大断
面図である。
【図6】第1の実施例による容量電圧変換回路を示す回
路図である。
【図7】第1の実施例による角速度検出装置の製造に用
いるシリコン基板を示す断面図である。
【図8】分離溝形成工程を示す断面図である。
【図9】回路形成工程を示す断面図である。
【図10】電極形成工程を示す断面図である。
【図11】検出部形成工程を示す断面図である。
【図12】検出部形成工程において振動子の下側に位置
する絶縁層を除去した状態を示す断面図である。
【図13】第1の実施例による容量電圧変換回路から出
力される電圧信号の温度特性を示す特性線図である。
【図14】本発明の第2の実施例による角速度検出装置
を示す断面図である。
【図15】図14中の角速度検出装置の要部を拡大して
示す断面図である。
【図16】従来技術による角速度検出装置を示す平面図
である。
【図17】図16中の角速度検出装置を矢示XVII−XVII
方向からみた断面図である。
【符号の説明】
21,61 角速度検出装置(静電容量型外力検出装
置) 22 シリコン基板 22A 表面側シリコン層 22B 裏面側シリコン層 22C 絶縁層 23 検出部 27 電極支持体 29 検出電極 32 容量電圧変換回路 33 絶縁ゲート形電界効果トランジスタ 39,62 分離溝(絶縁部) 64 埋込部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面側シリコン層と裏面側シリコン層と
    の間に絶縁層を介在させたシリコン基板と、 該シリコン基板の表面側シリコン層に設けられ、外力を
    静電容量の変化により検出する検出部と、 該検出部の近傍に位置して前記シリコン基板の表面側シ
    リコン層に設けられ、絶縁ゲート形電界効果トランジス
    タを用いたソース接地増幅回路からなり、該検出部から
    検出される静電容量の変化を電圧信号に変換する容量電
    圧変換回路と、 前記検出部が設けられた表面側シリコン層と前記容量電
    圧変換回路が設けられた表面側シリコン層とを電気的に
    分離する絶縁部とから構成してなる静電容量型外力検出
    装置。
  2. 【請求項2】 前記絶縁部を、前記シリコン基板の表面
    側シリコン層に前記シリコン基板の絶縁層まで延びる縦
    溝により構成してなる請求項1に記載の静電容量型外力
    検出装置。
  3. 【請求項3】 前記縦溝は前記シリコン基板の表面側シ
    リコン層の一部を異方性エッチングによって除去するこ
    とにより設けるものである請求項2に記載の静電容量型
    外力検出装置。
  4. 【請求項4】 前記絶縁部を、前記シリコン基板の表面
    側シリコン層に前記シリコン基板の絶縁層に到達する縦
    溝により構成し、該縦溝の溝面に絶縁膜を設け、該絶縁
    膜が設けられた縦溝内に埋込部材を埋設する構成として
    なる請求項1に記載の静電容量型外力検出装置。
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