JPH10206049A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JPH10206049A
JPH10206049A JP571097A JP571097A JPH10206049A JP H10206049 A JPH10206049 A JP H10206049A JP 571097 A JP571097 A JP 571097A JP 571097 A JP571097 A JP 571097A JP H10206049 A JPH10206049 A JP H10206049A
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JP
Japan
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refrigerant
air
heat
pipe
vehicle
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JP571097A
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English (en)
Inventor
Shin Nakano
伸 中野
Takamitsu Matsuno
孝充 松野
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車室内への冷媒漏れを防止する。 【解決手段】 空調装置10では、ダッシュパネル28
を挟んで冷媒熱交換部50と空気熱交換部52が設けら
れたエバポレータ12を備えている。冷媒熱交換部と空
気熱交換部は、ヒートパイプ62によって連結されてお
り、冷媒による冷却熱が冷媒熱交換部からヒートパイプ
を介して空気熱交換部へ伝達され、この空気熱交換部を
通過して車室内へ吹出す空気を冷却するようになってい
る。したがって、この空調装置では、冷媒熱交換部を含
む冷凍サイクルが車室外に設けられているため、車室内
への冷媒漏れが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍サイクルを循
環される冷媒を用いて車室内を空調する車両用空調装置
に関し、特に冷媒として所謂代替えフロンを用いる車両
用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両に用いられて車室内の空調を行う車
両用の空調装置においても冷凍サイクルが設けられてい
る。従来、冷凍サイクル中を循環される冷媒としては、
化学的にも安定した特性を持つ冷媒R−12や冷媒R−
134a等のフロン冷媒が用いられていた。
【0003】近年、地球環境の保護の面からフロン冷媒
の廃止が望まれており、このフロン冷媒に代る冷媒が種
々開発され、フロン冷媒に代って冷凍サイクルに用いら
れている。
【0004】ところで、車両前部と車室内とを区画する
ダッシュパネルを貫通して車室内へ引き入れられている
冷媒配管や、車室内に設けられているエバポレータに
は、結露によって水分が付着し易く、結露して付着した
水分によって冷媒配管やエバポレータに腐食が生じ、こ
の腐食によって車室内へ冷媒が漏れてしまうことがあ
る。このような冷媒漏れが生じると、冷房能力が低下し
てしまう。
【0005】一方、フロン冷媒に替えて用いられる冷媒
には、化学的に不安定なものもあり、車室内への冷媒漏
れを避けることが望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実に鑑
みてなされたものであり、冷媒配管やエバポレータの損
傷によって、車室内への冷媒漏れを確実に防止すること
ができる車両用空調装置を提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
冷凍サイクルによって循環される冷媒を用いて車室内を
空調する車両用空調装置において、前記車室内と車室外
を区画する区画壁の車室外側に設けられ、車室外側に形
成されている冷凍サイクルによって循環される冷媒が通
過することにより該冷媒と被受熱材との間で熱交換が行
われる第1の熱交換部と、前記区画壁の車室内側に設け
られ、車室内へ吹出す空気と前記被受熱材との間で熱交
換が行われる第2の熱交換部と、前記区画壁を挟んで設
けられた前記第1の熱交換部と前記第2の熱交換部とを
連結して第1の熱交換部と第2の熱交換部との間で前記
被受熱材を介して熱伝達を行う熱伝達手段と、を含むこ
とを特徴とする。
【0008】この発明よれば、区画壁を挟んで第1の熱
交換部と第2の熱交換部を配置し、第1の熱交換部と第
2の熱交換部との間を熱伝達手段によって連結してい
る。これによって、冷媒によって第1の熱交換部で冷却
された被受熱材を介して第2の熱交換部で車室内へ吹き
出される空気が冷却される。
【0009】ここで、冷媒が循環される冷凍サイクルを
区画壁の車室外側に設け、車室内には冷媒の循環路が設
けていないため、冷凍サイクル中からの冷媒漏れが生じ
ても、車室内への冷媒漏れが生じることがなく、車室内
への冷媒漏れを確実に防止することができる。
【0010】請求項2に係る発明は、前記熱伝達手段
が、前記被受熱材として作動液が内部に封入されたヒー
トパイプであることを特徴とする。
【0011】熱伝達手段としては、種々の適用が可能で
あるが、ヒートパイプを用いることが特に好ましい。ヒ
ートパイプは、内部の作動液の温度変化によって駆動力
を必要とせずに熱媒体の移動を生じさせるので、簡単な
構成で達成できると共に、熱交換効率が高いので、熱交
換効率が冷房能力に影響を及ぼすことがない。
【0012】請求項3に係る発明は、冷凍サイクルによ
って循環される冷媒を用いて車室内を空調する車両用空
調装置において、前記車室内と車室外を区画する区画壁
より車室内側に設けている冷媒管路及びエバポレータ
が、冷凍サイクルによって循環される冷媒が通過する管
路本体と、前記管路本体を覆って管路本体との間で密閉
した空間を形成する外層部と、によって形成されている
ことを特徴とする。
【0013】この発明によれば、区画壁より車室内側に
設けている冷媒の循環路を配管本体と、中空部によって
配管本体から分離されている外層部の二重構造としてい
る。
【0014】これにより、配管本体に亀裂等が生じて
も、この亀裂等が原因で外層部に亀裂を生じさせること
がないようにする。また、外層部と配管本体の何れか一
方に亀裂が生じても、車室内への冷媒漏れが生じること
がない。
【0015】請求項4に係る発明は、前記管路本体と前
記外層部との間に形成される中空部に所定の液体が封入
されていることを特徴とする。
【0016】流路本体と外層部との間の中空部には、不
凍液等の凝固点が低いか凝固点を低くした液体を熱媒体
として封入することがより好ましい。これによって、例
えば配管本体に亀裂等の損傷が生じると、中空部に冷媒
が入り込むと共に中空部に封入されている液体が冷凍サ
イクル中に混入することにより生じる冷房能力の低下か
ら、亀裂の発生を判断することができる。また、不凍液
等の着色された液体を用いることにより、外層部に亀裂
等の損傷が生じることによって不凍液が漏れたときに、
この漏れが容易に確認できる。
【0017】これによって、損傷を容易にかつ確実に察
知することができ、冷媒の漏れを未然に防止することが
できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施の形態〕図1及び図2には、本実施の形態
に適用した車両用空調装置(以下「空調装置10」と言
う)の概略構成が示されている。
【0019】この空調装置10には、エバポレータ1
2、コンプレッサ14、コンデンサ16及びレシーバ1
8等が冷媒配管20A、20B、20C等によって接続
され、冷媒が循環される冷凍サイクルが形成されてい
る。図1に示されるように、車両22の車室26は、区
画壁となるダッシュパネル28によってエンジンルーム
24が車室外となるように仕切られている。エバポレー
タ12は、ダッシュパネル28のエンジンルーム24側
に第1の熱交換部として設けられている冷媒熱交換部5
0と、ダッシュパネル28の車室26内側に第2の熱交
換部として設けられている空気熱交換部52とによって
構成されている。
【0020】空調装置10の冷凍サイクルを形成する密
閉された冷媒の循環路中には、常温常圧で気体となる冷
媒が圧縮されて封入されている。コンプレッサ14は、
冷媒配管20Cを介して圧縮されて高温高圧の過熱蒸気
となっている冷媒をコンデンサ16へ送り込む。コンデ
ンサ16へ送り込まれた冷媒は、冷却されて高圧液体と
してレシーバ18へ送り込まれることにより、気液分
離、水分等の不純物が除去された後に、高圧の液体冷媒
として冷媒配管20Bを介してエバポレータ12の冷媒
熱交換部50へ供給され、冷媒配管20Aを介してコン
プレッサ14へ戻される。すなわち、冷媒配管20A、
20B、20Cはそれぞれ、低圧ガス配管、高圧液配
管、高圧ガス配管となっている。
【0021】エバポレータ12の冷媒熱交換部50は、
圧縮されて液化している冷媒が気化することにより、冷
却される。なお、エバポレータ12の上流側(レシーバ
18側)には、エキスパンションバルブ42が設けられ
ており、圧縮されて液化している冷媒がエキスパンショ
ンバルブ42を通過することにより急激に減圧されて霧
状となってエバポレータ12の冷媒熱交換部50へ供給
されるようになっている。
【0022】一方、図2に示されるように、ダッシュパ
ネル28の車室26内側には、空調ダクト30が内部に
設けられている。この空調ダクト30は、両端が開口し
ており、一方の開口端には、空気取入口32、34が形
成されている。また他方の開口端には、車室内へ向けて
開口された複数の空気吹出し口36が形成されている。
空気吹出し口36としては、車両22の図示しないウイ
ンドシールドガラスへ向けて空気を吹出すデフロスタ吹
出し口、サイド及びセンタレジスタ吹出し口及び足元吹
出し口等がある。
【0023】空気取入口32は車両外部と連通し、空調
ダクト22内に外気を導入可能となっている。また、空
気取入口34は、 車室内と連通しており車室内の空気
(内気)を空調ダクト30内に導入可能となっている。
【0024】空調ダクト30内には、空気取入口32、
34の近傍にブロワファン38及び切替えダンパ40が
設けられている。 切替えダンパ40は、 サーボモータ等
の図示アクチュエータの作動によって、空気取入口32
又は空気取入口34の一方を開放できるようになってい
る。また、ブロワファン40は、ブロワモータ44の駆
動によって回転して、 車外の空気又は車室内の空気を空
調ダクト30内に吸引し、空調ダクト30内に設けられ
たエバポレータ12の空気熱交換部52へ送られる。
【0025】空調ダクト30内には、空気熱交換部52
の空気吹出し口36側にエアミックスダンパ46及びヒ
ータコア48が設けられており、空気熱交換部52を通
過した空気は、このエアミックスダンパ46によってヒ
ータコア48を通過する空気と、ヒータコア48を通過
しない空気とに分けられる。
【0026】ヒータコア48は、例えば図示しないエン
ジンの冷却水が供給されることにより、通過する空気を
加熱し、この後、エアミックスダンパ46によって分け
られたヒータコア48を通過していない空気と混合され
て、空気吹出し口36から車室26内へ吹き出される。
なお、空気吹出し口36の近傍には、モード切替えダン
パ50A、50Bが設けられており、このモード切替ダ
ンパ49によって温調した空気を吹出す空気吹出し口3
6の選択が可能となっている。
【0027】ところで、図3に示されるように、エバポ
レータ12の冷媒熱交換部50は、内部が中空となって
いるハウジング54を備えており、このハウジング54
がダッシュパネル28に隣接して配置されている。ハウ
ジング54には、冷媒配管20A、20Bが接続されて
おり、冷媒配管20Bからエキスパンションバルブ42
(図3では図示省略)を通過した冷媒が供給される。
【0028】エバポレータ12のハウジング54内に
は、多数のフィン56が設けられている。これらのフィ
ン56の間には、ハウジング54内に霧状となって供給
される冷媒が通過するようになっている。これによっ
て、ハウジング54内で気化する冷媒によってフィン5
6が冷却される。フィン52の間を通過した冷媒は、冷
媒配管20Aを介してコンプレッサ14へ戻されるよう
になっている。
【0029】また、図1乃至図3に示されるように、空
調ダクト30内に設けられている空気熱交換部52に
は、箱体形状のケーシング58を備えている。図3に示
されるように、このケーシング58は、互いに対向する
面の1組が開放されたダクト状となっており、開放され
た一方の面からブロワファン38によって送出された空
気が入り込み、開放された他方の面からヒータコア48
の近傍へ向けて抜け出るようになっている。なお、この
ケーシング58は、空調ダクト30内に配置されるもの
であっても良く、また、空調ダクト30の一部を構成す
るものであってもよい。
【0030】ケーシング58内には、多数のフィン60
が配置されており、ケーシング58内へ送り込まれる空
気は、互いに隣接するフィン60の間を通過するように
なっている。
【0031】一方、冷媒熱交換部50と空気熱交換部5
2の間には、熱伝達手段として複数本のヒートパイプ6
2が設けられている。それぞれのヒートパイプ62の一
端は、ダッシュパネル28側から空気熱交換部52のケ
ーシング58を貫通して、ケーシング58内に挿入され
るとと共に、ケーシング58内に設けられている多数の
フィン60のそれぞれを貫通するようにして、多数のフ
ィン60との間で熱が伝達可能に連結されている。
【0032】また、それぞれのヒートパイプ62の他端
は、エンジンルーム24と車室26とを仕切るダッシュ
パネル28を貫通して、冷媒熱交換部50のハウジング
54内へ挿入されている。ハウジング54内に挿入され
たヒートパイプ62のそれぞれは、ハウジング54内に
設けられている多数のフィン56のそれぞれを貫通する
ようにして、互いに熱が伝達可能となるように連結され
ている。なお、ヒートパイプ62とハウジング54の間
は、ハウジング54内の冷媒が漏れることがないように
シール又は接合されている。
【0033】このヒートパイプ62は、作動液として例
えばアルコール系の熱媒体が封入されており、軸線方向
に沿った一端側で熱を受ける(受熱部)ことにより作動
液が蒸気(気化)となって他端側へ移動して冷却される
ことにより液化し(凝縮部)、液化した熱媒体が再度受
熱部へ移動するようになっている。これによって、受熱
部と凝縮部との間で熱の伝達が行われる。なお、作動液
はアルコール系に限定することなく、従来公知の種々の
熱媒体を用いることができる。
【0034】ヒートパイプ62は、冷媒熱交換部50内
に挿入されている端部が、凝縮部となっており、ハウジ
ング54内に供給されてフィン56の間を通過する冷媒
及びこの冷媒によって冷却されたフィン56との間で熱
交換が行われることにより冷却される。冷媒熱交換部5
0内に挿入されたヒートパイプ62の端部で冷却された
作動液は、受熱部となっている空気熱交換部52側へ流
れ、ケーシング58内で熱交換を行う。
【0035】空気熱交換部52の各フィン60は、この
ヒートパイプ62との間で熱交換が行われることによっ
て冷却される。これによって、フィン60を通過する空
調ダクト30内の空気が冷却される。本実施の形態で
は、一例として5本のヒートパイプ62を空調ダクト3
0内の空気の流れの方向と直交する方向に沿って所定間
隔で1列に並べて配置している。これによって、空気熱
交換部52のケーシング58内を通過する空気が、ヒー
トパイプ62近傍又はヒートパイプ62の連結部分に接
近しているフィン60の近傍を通過するようにしてい
る。これによって、ケーシング58内を通過する空気を
むらなく冷却できるようにしている。なお、ヒートパイ
プ62の数及び配置は、ケーシング58内を通過する空
気をむらなく冷却できるものであれば、これに限定する
ものではない。
【0036】したがって、ブロワファン38によって空
調ダクト30内に吸引された空気は、エバポレータ12
を通過することによって冷却され、さらに、一部がヒー
タコア48によって加熱された後に、エアミックスダン
パ46の開度に応じてヒータコア48を通過していない
空気と混合され、所定の吹出し温度とされた後に、空気
吹出し口36から車室内へ吹き出される。これによって
車室内の温調が行われる。
【0037】なお、空調装置10は、マイクロコンピュ
ータを備えた図示しない空調コントローラ(ECU)を
備えており、このECUによって、車外及び車室内の環
境条件、設定温度等の運転条件に基づき、従来公知の方
法によってコンプレッサ14の能力等が制御されて車室
内の空調を図るようになっている。
【0038】次に本実施の形態の作用を説明する。空調
装置10では、コンプレッサ14が、車両22のエンジ
ン等の駆動力によって駆動されることにより、コンプレ
ッサ14によって圧縮された冷媒が、エバポレータ12
のエンジンルーム24側に設けている冷媒熱交換部50
へ供給される。
【0039】エバポレータ12では、冷媒熱交換部50
へ供給された冷媒によって複数のヒートパイプ62のそ
れぞれの端部を冷却する。これによって、それぞれのヒ
ートパイプ62の内部の作動液が冷却され、冷却された
作動液が、空気熱交換部52側の端部へ移動することに
より、空気熱交換部52内に設けられている多数のフィ
ン60が均一に冷却される。
【0040】一方、ブロワファン38が作動することに
より、空調ダクト30内に吸引された外気ないし内気
が、エバポレータ12の空気熱交換部52のケーシング
58に送り込まれる。このとき、ケーシング58内に送
り込まれた空気は、ヒートパイプ62によって冷却され
ているフィン60を通過することにより冷却される。こ
の後、この空気の一部は、ヒータコア48を通過すると
きに加熱され、ヒータコア48を通過していない空気と
混合されることにより、所定の空調風として空気吹出し
口36から車室26内へ吹き出される。これによって、
車室24内の空調が行われる。
【0041】ところで、腐食や車両22が外部から受け
る衝撃によって冷凍サイクルを構成する循環路が損傷す
ると、損傷した個所から冷媒が漏れてしまうことがあ
る。
【0042】これに対して、空調装置10では、エバポ
レータ12を冷媒熱交換部50と空気熱交換部52によ
って構成し、冷媒が供給されるれ媒熱交換部50を車室
26内に設けず、車室26とエンジンルーム24を区画
するダッシュパネル28のエンジンルーム24側に設け
ている。これによって、冷媒が循環される冷媒配管20
A、20Bや冷媒が供給されるエバポレータ12の冷媒
熱交換部50に腐食等によって冷媒漏れが生じても、漏
れた冷媒が車室26内に入り込むのを確実に防止するこ
とができる。
【0043】すなわち、空調装置10では、この冷凍サ
イクルをダッシュパネル28によって区画されたエンジ
ンルーム24側に設けることにより、冷凍サイクルから
の冷媒漏れが生じても、漏れた冷媒が車室26内に入り
込むことがない。これによって、車室26内への冷媒漏
れを防ぐことができる。
【0044】一方、熱伝達手段として、例えば冷却水等
を被受熱材として用い、エンジンルームに形成した冷凍
サイクルの冷却熱を、車室内へ伝達する構成も考えられ
る。すなわち、第1の熱交換部で冷凍サイクル中の冷媒
と冷却水との間で熱交換を行うと共に、この冷却水を第
2の熱交換部へ供給し、第2の熱交換部で冷却水と空気
との間で熱交換を行うように構成した所謂ブライン方式
であっても良い。
【0045】このようなブライン方式を用いることによ
り、冷凍サイクルを車室26内に設けることがないの
で、車室26内への冷媒漏れが生じることがない。
【0046】しかし、ブライン方式では、冷却水を循環
させるための循環ポンプ等の駆動手段が必要となると共
に、冷媒と冷却水の間の熱交換及び冷却水と空気との間
の熱交換を行う必要があり、熱交換効率が冷房能力に大
きく影響し、冷房効率の低下を招くことが多い。
【0047】これに対して、本実施の形態では、ヒート
パイプ62を用いることにより、冷媒から空気への熱交
換効率を高くすることができる。また、循環ポンプ等の
駆動手段を必要とせず、簡単に構成することができるた
め、低コストで車室26内への冷媒漏れを確実に防止す
ることができる。 〔第2の実施の形態〕次に本発明の第2の実施の形態を
説明する。なお、以下に説明する第2の実施の形態の基
本的構成は、前記した第1の実施の形態と同一であり、
第1の実施の形態と同一の部品には、同一の符号を付与
してその説明を省略する。
【0048】図4には、第2の実施の形態に適用した空
調装置70の概略構成を示している。この空調装置70
では、第1の実施の形態のエバポレータ12に換えてエ
バポレータ72が設けられており、このエバポレータ7
2が空気熱交換部52に換えて空調ダクト30内に配置
されている。
【0049】図6(B)に示されるように、冷媒配管2
0A、20Bのエバポレータ12側の端部は、配管本体
となる内管74と、外層部となる外管76の二重構造に
形成された連結管78となっている。この連結管78に
は、内管74の外周面と外管76の内周面との間が所定
の間隔に保たれて中空部80が形成されている。
【0050】図5に示されるように、この連結管78
は、エンジンルーム24と車室26とを仕切るダッシュ
パネル28を貫通してエバポレータ72の基部82、8
4に連結されている。基部82、84は、空調ダクト3
0内の空気の流れ方向に沿って延設されており、一端が
閉塞され、他端がそれぞれ連結管78を介して冷媒配管
20A、20Bに接続されている。
【0051】図7に示されるように、基部82、84
は、連結管78と同様に配管本体となる内管86と、外
層部となる外管88の二重構造となっており、基部8
2、84の内管86と連結管78の内管74が連結さ
れ、基部82、84の外管88と連結管78の外管76
がそれぞれ緊密に接合される。これによって、内管74
と内管86との間で冷媒の流路が形成され、また、所定
の間隔が保たれている内管86と外管88の間の空間で
ある中空部90が、連結管78の中空部80に連通され
ている。
【0052】図5に示されるように、基部82、84の
それぞれには、冷媒管帯92が連結されている。エバポ
レータ72は、長手方向の両端にそれぞれ基部82、8
4が連結されている帯状の冷媒管帯92を、折り返すよ
うにして所定個所で屈曲されるようにして形成されてい
る。
【0053】互いに対向する冷媒管帯92は、所定の間
隔が保持されており、対向する冷媒管帯92の間には、
波板状に屈曲されたフィン94が配置されている。ブロ
ワファン38によってエバポレータ72へ向けて送出さ
れる空気は、冷媒管帯92とフィン94との間の空間を
通過するようになっている。
【0054】図6(A)及び図7に示されるように、冷
媒管帯92は、外層部となる外層96と、外層96内に
配管本体として配置されている帯管98によって形成さ
れている。
【0055】図6(A)に示されるように、帯管98
は、断面形状が略矩形の冷媒流路100が空気の流路方
向に沿って連結された形状となっている。また、図7に
示されるように、それぞれの冷媒流路100は、基部8
2側から基部84側まで連続され、基部82、84の内
管86内に連通されている。これによって、基部82か
ら基部84への複数の冷媒の流路が形成されている。す
なわち、帯管98は、多数の冷媒通路100が一体とな
った形状となっている。
【0056】一方、帯管98と外層96とは、複数のリ
ブ102によって連結されており、帯管98の外周面と
外層96の内面との間に一定間隔の中空部104が形成
されている。なお、図6(A)に示されるように、本実
施の形態では、一例として帯管98の幅方向の両端部及
び中間部にリブ102を設けているが、このリブ102
は、外層94が所定の外形形状を保つことができれば、
少ないことが好ましい。
【0057】この中空部104は、冷媒管帯92の外層
96が基部82、84の外管88に連結されることによ
り、基部82、84の中空部90及び連結管78の中空
部80との間で密閉された空間を形成している。
【0058】図6(A)及び図7に示すように、本実施
の形態では、一例として、エバポレータ72の冷媒管帯
92の帯管98の肉厚t1 を0. 7〜0.8mm、中空部
104の厚み、すなわち帯管98の外周面と外層96の
内周面の間隔を約0.5mm、外層96の肉厚t2 を約
0.5mmとしている。また、中空部104(中空部9
0、80を含む)内には、空気を封入しておいても良い
が、凝固点が低くかつ着色された水の一例として不凍液
を封入している。なお、中空部104に封入する液体
は、これに限らず凝固点の低い液体であれば良く、ま
た、有色であることがより好ましい。
【0059】このように形成されたエバポレータ72を
備えた空調装置70では、冷凍サイクルによって循環さ
れる冷媒が、冷媒通路100に供給されることによっ
て、冷媒管帯92の外層96及び互いに対向する冷媒管
帯92の間に設けられているフィン94が冷却される。
【0060】一方、ブロワファン38によって空調ダク
ト30内に吸引された空気は、エバポレータ72のフィ
ン94の間を通過することにより冷却され、この冷却さ
れた空気によって車室26の内部の空調が行われる。
【0061】ところで、空調装置70では、ダッシュパ
ネル28の車室26内側に設けている冷媒の循環路を二
重構造としているために、車室26内への冷媒漏れを抑
えることができている。
【0062】すなわち、連結管78や基部82、84
は、外管76、88と内管74、86を分離した二重構
造としており、また、エバポレータ72は、冷媒管帯9
2を外層96と帯管98とに分離した二重構造としてい
る。
【0063】このため、外管76、88や外層96に亀
裂が生じても、内管74、86や帯管98に亀裂が生じ
ていなければ、車室26内への冷媒漏れが生じることは
ない。また、内管74、86や帯管98に亀裂等が生じ
ても外管76、88や外層96に亀裂が生じていなけれ
ば、車室26内に冷媒漏れが生じることはない。さら
に、内管74、86及び帯管98とそれぞれに対応する
外管76、88及び外層96は、中空部80、90、1
04を介して分離しているので、一方に生じた亀裂等が
他方に亀裂等を生じさせることがない、すなわち、同時
に亀裂等の損傷が生じるのを抑えられている。
【0064】なお、二重構造にする代わりに配管の肉厚
を厚くすることにより、亀裂等が生じ難くすることが考
えられる。しかし、肉厚を厚くすると、エバポレータの
重量の増加につながってしまう。また、肉厚を厚くして
も亀裂等が生じれば、車室26内への冷媒漏れが発生す
る。
【0065】これに対して、車室26内に設けている連
結管78及びエバポレータ72は、内管74、86及び
帯管98に対して外管76、88及び外層96を分離
し、一方の亀裂が他方の亀裂の原因となってしまうのを
防止するようにしている二重構造とすることにより、一
方に亀裂等の損傷が生じても他方に亀裂等が生じなけれ
ば、冷媒漏れも発生することがない。
【0066】一方、中空部80、90、104内には、
不凍液を充填しているので、例えば、内管74、86や
帯管98に亀裂等が生じると、冷凍サイクル中に不凍液
が入り込み、冷房能力の低下を引き起こす。この冷房能
力の低下から、冷凍サイクルを形成する冷媒循環路中に
亀裂等が生じていると判断することができる。
【0067】また、外管76、88や外層96に亀裂等
が生じると、車室26内への不凍液漏れが生じる。この
不凍液は着色されているので、ダッシュパネル28の車
室26内側に設けているエバポレータ72や連結管78
に亀裂等が生じて冷媒漏れが発生する恐れがあることを
的確に判断することができる。
【0068】これによって、車室26内への冷媒漏れを
未然に察知することができ、車室26内への冷媒漏れを
確実に防止することができる。
【0069】なお、第2の実施の形態では、多数の冷媒
通路100が一体に形成された帯管98によってエバポ
レータ72内の冷媒の循環路を形成したが、本発明の構
成はこれに限定するものではない。本発明は、車室26
内に設けられる冷媒の循環路を冷媒が通過する配管本体
と、この配管本体と分割されて設けられて配管本体を覆
う外層によって二重構造が形成されたものであれば良
い。
【0070】また、本実施の形態に適用した空調装置1
0、70は、本発明の適用例を示すものであり、空調装
置10、70の基本的構成は、本発明が適用される車両
用空調装置の構成を限定するものではない。
【0071】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明によれば、冷
媒の循環路を車室と区画壁によって区画された車室外に
設けているため、冷媒漏れが生じても、漏れた冷媒が車
室内へ入り込むことがなく、車室内への冷媒漏れを確実
に防止することができる。
【0072】また、本発明によれば、車室内に設けてい
る冷媒の循環路を二重構造としているため、車室内への
冷媒漏れを抑えることができ、二重構造によって形成し
ている中空部に所定の液体を充填しておくことにより、
冷媒漏れを未然に察知することができると言う優れた効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に適用した空調装置の冷凍サ
イクルを示す概略構成図である。
【図2】第1の実施の形態に適用した空調装置を示す概
略構成図である。
【図3】第1の実施の形態に適用したエバポレータを示
す概略斜視図である。
【図4】第2の実施の形態に適用した空調装置を示す概
略構成図である。
【図5】第2の実施の形態に適用したエバポレータを示
す概略斜視図である。
【図6】(A)は図5の6A−6A線に沿ったエバポレ
ータの要部断面図、(B)は図5の6B−6B線に沿っ
た冷媒配管の要部断面図である。
【図7】図5の7−7線に沿ったエバポレータの概略断
面図である。
【符号の説明】
10、70 空調装置 12 エバポレータ 20A、20B 冷媒配管 24 エンジンルーム 26 車室 28 ダッシュパネル(区画壁) 50 冷媒熱交換部(第1の熱交換部) 52 空気熱交換部(第2の熱交換部) 62 ヒートパイプ(熱伝達手段) 72 エバポレータ 74、86 内管(配管本体) 76、88 外管(外層部) 78 連結管 80、90、104 中空部 82、84 基部 92 冷媒管帯 96 外層(外層部) 98 帯管(配管本体)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷凍サイクルによって循環される冷媒を
    用いて車室内を空調する車両用空調装置において、前記
    車室内と車室外を区画する区画壁の車室外側に設けら
    れ、車室外側に形成されている冷凍サイクルによって循
    環される冷媒が通過することにより該冷媒と被受熱材と
    の間で熱交換が行われる第1の熱交換部と、前記区画壁
    の車室内側に設けられ、車室内へ吹出す空気と前記被受
    熱材との間で熱交換が行われる第2の熱交換部と、前記
    区画壁を挟んで設けられた前記第1の熱交換部と前記第
    2の熱交換部とを連結して第1の熱交換部と第2の熱交
    換部との間で前記被受熱材を介して熱伝達を行う熱伝達
    手段と、を含むことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記熱伝達手段が、前記被受熱材として
    作動液が内部に封入されたヒートパイプであることを特
    徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 冷凍サイクルによって循環される冷媒を
    用いて車室内を空調する車両用空調装置において、前記
    車室内と車室外を区画する区画壁より車室内側に設けて
    いる冷媒管路及びエバポレータが、冷凍サイクルによっ
    て循環される冷媒が通過する管路本体と、前記管路本体
    を覆って管路本体との間で密閉した空間を形成する外層
    部と、によって形成されていることを特徴とする車両用
    空調装置。
  4. 【請求項4】 前記管路本体と前記外層部との間に形成
    される中空部に所定の液体が封入されていることを特徴
    とする請求項3に記載の車両用空調装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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