JPH10206044A - 熱交換器 - Google Patents

熱交換器

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JPH10206044A
JPH10206044A JP1296297A JP1296297A JPH10206044A JP H10206044 A JPH10206044 A JP H10206044A JP 1296297 A JP1296297 A JP 1296297A JP 1296297 A JP1296297 A JP 1296297A JP H10206044 A JPH10206044 A JP H10206044A
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JP
Japan
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heat transfer
transfer plate
fluid passage
temperature fluid
combustion gas
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JP1296297A
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English (en)
Inventor
Tadashi Tsunoda
正 角田
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Priority to CA002279862A priority patent/CA2279862C/en
Priority to EP98900999A priority patent/EP1022533B1/en
Priority to PCT/JP1998/000270 priority patent/WO1998033030A1/ja
Priority to CN98802082A priority patent/CN1111714C/zh
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱交換器の流体通路出入口近傍の方向変換部
に発生する流体の偏流を抑制して熱交換効率の低下を防
止する。 【解決手段】 伝熱板S1の軸方向一端部に形成した燃
焼ガス通路入口11から矢印a方向に斜めに流入した燃
焼ガスは、伝熱板S1の軸方向中間部を矢印b方向に流
れた後、伝熱板S1の軸方向他端部に形成した燃焼ガス
通路出口12から矢印c方向に斜めに流出する。燃焼ガ
ス通路出入口11,12近傍の領域R3 で、燃焼ガスが
流路抵抗の小さい旋回方向内側に向けて偏流するのを防
止すべく、旋回方向内側における突起22,23の配列
ピッチを密にして流路抵抗を増加させ、旋回方向外側に
おける突起22,23の配列ピッチを疎にして流路抵抗
を増加させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の第1伝熱板
及び複数の第2伝熱板を交互に配置することにより高温
流体通路及び低温流体通路を交互に画成してなる熱交換
器に関する。
【0002】
【従来の技術】かかる熱交換器は、本出願人の出願に係
る特願平8−275053号により既に提案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記従来の熱
交換器は、伝熱板の軸方向両端部を山形に切断して流体
通路出入口を形成しているので、流体通路入口の近傍に
おいて軸線に対して斜めに流入した流体が軸線に沿う方
向に旋回する領域や、軸線に沿う方向に流れる流体が流
体通路出口の近傍において軸線に対して傾斜する方向に
旋回する領域では、旋回方向内外の流路長の差によって
旋回方向外側から内側に向かう偏流が発生するため、旋
回方向外側における流量が減少して旋回方向内側におけ
る流量が増加してしまい、この流量の不均一によって熱
交換効率が低下する問題がある。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、熱交換器の流体通路出入口の近傍の方向変換部に発
生する流体の偏流を抑制して熱交換効率の低下を防止す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された発
明では、伝熱板の軸方向両端部を山形に切断して流体通
路出入口を形成した円環状の熱交換器において、伝熱板
に形成した突起の配列ピッチを伝熱板の軸方向両端部と
軸方向中間部とで異ならせたので、伝熱板の軸方向両端
部に設けられた流体通路出入口の近傍において流体が旋
回するとき、流体の流路抵抗を突起により制御して流体
に旋回方向内側を向く偏流が発生するのを防止し、熱交
換効率の向上及び圧損低減を図ることができる。
【0006】また請求項2に記載された発明では、流体
通路出入口に臨む部分で該出入口を通過する流体の流れ
方向に略直交する方向の突起の配列ピッチが、山形の基
部寄りの部分で密であり先端部寄りの部分で疎であるた
め、流路長が短いために流体が流れ易い方向変換部の半
径方向内側における流路抵抗が突起の密な配置により増
加し、且つ流路長が長いために流体が流れ難い方向変換
部の半径方向外側における流路抵抗が突起の疎な配置に
より減少する。これにより、流体の方向変換部に偏流が
発生するのを防止して熱交換効率の向上及び圧損低減を
図ることができる。
【0007】また請求項3に記載された発明では、第1
伝熱板及び第2伝熱板の軸方向中間部において、第1伝
熱板及び第2伝熱板の突起の配列ピッチを伝熱単位数が
半径方向に略一定になるように設定したので、伝熱板の
温度分布を半径方向に均一化して熱交換効率の低下及び
好ましくない熱応力の発生を回避することが可能とな
る。
【0008】尚、第1伝熱板及び第2伝熱板の熱通過率
をKとし、第1伝熱板及び第2伝熱板の面積をAとし、
流体の比熱をCとし、前記伝熱面積を流れる流体の質量
流量をdm/dtとしたとき、伝熱単位数Ntuは、 Ntu=(K×A)/[C×(dm/dt)] により定義される。
【0009】また請求項4に記載された発明では、第1
伝熱板及び第2伝熱板の軸方向中間部に沿って流体が流
れるとき、突起が該軸方向中間部を通過する流体の流れ
方向に整列しないように配置されているので、流体が突
起により充分に攪拌されて熱交換効率が向上する。
【0010】また請求項5に記載された発明では、矩形
状の伝熱板の長辺方向両端部に流体通路出入口を形成し
た直方体状の熱交換器において、伝熱板に形成した突起
の配列ピッチを伝熱板の長辺方向両端部と長辺方向中間
部とで異ならせたので、流体通路出入口の近傍において
流体が旋回するとき、流体の流路抵抗を突起により制御
して流体に旋回方向内側を向く偏流が発生するのを防止
し、熱交換効率の向上及び圧損低減を図ることができ
る。
【0011】また請求項6に記載された発明では、流体
通路出入口に臨む部分で該出入口を通過する流体の流れ
方向に略直交する方向の突起の配列ピッチが、第1端壁
及び第2端壁から遠い部分で密であり近い部分で疎であ
るため、流路長が短いために流体が流れ易い方向変換部
の半径方向内側における流路抵抗が突起の密な配置によ
り増加し、且つ流路長が長いために流体が流れ難い方向
変換部の半径方向外側における流路抵抗が突起の疎な配
置により減少する。これにより、流体の方向変換部に偏
流が発生するのを防止して熱交換効率の向上及び圧損低
減を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0013】図1〜図12は本発明の第1実施例を示す
もので、図1はガスタービンエンジンの全体側面図、図
2は図1の2−2線断面図、図3は図2の3−3線拡大
断面図(燃焼ガス通路の断面図)、図4は図2の4−4
線拡大断面図(エアー通路の断面図)、図5は図3の5
−5線拡大断面図、図6は図5の6部拡大図、図7は図
3の7−7線拡大断面図、図8は折り板素材の展開図、
図9は熱交換器の要部斜視図、図10は燃焼ガス及びエ
アーの流れを示す模式図、図11は突起のピッチを均一
にした場合の作用を説明するグラフ、図12は突起のピ
ッチを不均一にした場合の作用を説明するグラフであ
る。
【0014】図1及び図2に示すように、ガスタービン
エンジンEは、図示せぬ燃焼器、コンプレッサ、タービ
ン等を内部に収納したエンジン本体1を備えており、こ
のエンジン本体1の外周を囲繞するように円環状の熱交
換器2が配置される。熱交換器2には、タービンを通過
した比較的高温の燃焼ガスが通過する燃焼ガス通路4…
と、コンプレッサで圧縮された比較的低温のエアーが通
過するエアー通路5…とが、円周方向に交互に形成され
る(図5参照)。尚、図1における断面は燃焼ガス通路
4…に対応しており、その燃焼ガス通路4…の手前側と
向こう側に隣接してエアー通路5…が形成される。
【0015】熱交換器2の軸線に沿う断面形状は、軸方
向に長く半径方向に短い偏平な六角形であり、その半径
方向外周面が大径円筒状のアウターケーシング6により
閉塞されるとともに、その半径方向内周面が小径円筒状
のインナーケーシング7により閉塞される。熱交換器2
の縦断面における前端側(図1の左側)は不等長の山形
にカットされており、その山形の頂点に対応する部分に
エンジン本体1の外周に連なるエンドプレート8がろう
付けされる。また熱交換器2の断面における後端側(図
1の右側)は不等長の山形にカットされており、その山
形の頂点に対応する部分にアウターハウジング9に連な
るエンドプレート10がろう付けされる。
【0016】熱交換器2の各燃焼ガス通路4は、図1に
おける左上及び右下に燃焼ガス通路入口11及び燃焼ガ
ス通路出口12を備えており、燃焼ガス通路入口11に
はエンジン本体1の外周に沿って形成された燃焼ガスを
導入する空間(略して燃焼ガス導入ダクト)13の下流
端が接続されるとともに、燃焼ガス通路出口12にはエ
ンジン本体1の内部に延びる燃焼ガスを排出する空間
(略して燃焼ガス排出ダクト)14の上流端が接続され
る。
【0017】熱交換器2の各エアー通路5は、図1にお
ける右上及び左下にエアー通路入口15及びエアー通路
出口16を備えており、エアー通路入口15にはアウタ
ーハウジング9の内周に沿って形成されたエアーを導入
する空間(略してエアー導入ダクト)17の下流端が接
続されるとともに、エアー通路出口16にはエンジン本
体1の内部に延びるエアーを排出する空間(略してエア
ー排出ダクト)18の上流端が接続される。
【0018】このようにして、図3、図4及び図10に
示す如く、燃焼ガスとエアーとが相互に逆方向に流れて
且つ相互に交差することになり、熱交換効率の高い対向
流且つ所謂クロスフローが実現される。即ち、高温流体
と低温流体とを相互に逆方向に流すことにより、その流
路の全長に亘って高温流体及び低温流体間の温度差を大
きく保ち、熱交換効率を向上させることができる。
【0019】而して、タービンを駆動した燃焼ガスの温
度は燃焼ガス通路入口11…において約600〜700
℃であり、その燃焼ガスが燃焼ガス通路4…を通過する
際にエアーとの間で熱交換を行うことにより、燃焼ガス
通路出口12…において約300〜400℃まで冷却さ
れる。一方、コンプレッサにより圧縮されたエアーの温
度はエアー通路入口15…において約200〜300℃
であり、そのエアーがエアー通路5…を通過する際に燃
焼ガスとの間で熱交換を行うことにより、エアー通路出
口16…において約500〜600℃まで加熱される。
【0020】次に、熱交換器2の構造を図3〜図9を参
照しながら説明する。
【0021】図3、図4及び図8に示すように、熱交換
器2の本体部は、ステンレス等の金属薄板を所定の形状
に予めカットした後、その表面にプレス加工により凹凸
を施した折り板素材21から製造される。折り板素材2
1は、第1伝熱板S1…及び第2伝熱板S2…を交互に
配置したものであって、山折り線L1 及び谷折り線L 2
を介してつづら折り状に折り曲げられる。尚、山折りと
は紙面の手前側に向けて凸に折ることであり、谷折りと
は紙面の向こう側に向けて凸に折ることである。各山折
り線L1 及び谷折り線L2 はシャープな直線ではなく、
第1伝熱板S1…及び第2伝熱板S2…間に所定の空間
を形成するために実際には円弧状の折り線からなってい
る。
【0022】各第1、第2伝熱板S1,S2には、不等
間隔に配置された多数の第1突起22…と第2突起23
…とがプレス成形される。図8において×印で示される
第1突起22…は紙面の手前側に向けて突出し、○印で
示される第2突起23…は紙面の向こう側に向けて突出
する。
【0023】各第1、第2伝熱板S1,S2の山形にカ
ットされた前端部及び後端部には、図8において紙面の
手前側に向けて突出する第1凸条24F …,24R
と、紙面の向こう側に向けて突出する第2凸条25
F …,25R …とがプレス成形される。第1伝熱板S1
及び第2伝熱板S2の何れについても、前後一対の第1
凸条24F ,24R が対角位置に配置され、前後一対の
第2凸条25F ,25R が他の対角位置に配置される。
【0024】尚、図3に示す第1伝熱板S1の第1突起
22…、第2突起23…、第1凸条24F …,24R
及び第2凸条25F …,25R …は、図8に示す第1伝
熱板S1と凹凸関係が逆になっているが、これは図3が
第1伝熱板S1を裏面側から見た状態を示しているため
である。
【0025】図5及び図8を参照すると明らかなよう
に、折り板素材21の第1伝熱板S1…及び第2伝熱板
S2…を山折り線L1 で折り曲げて両伝熱板S1…,S
2…間に燃焼ガス通路4…を形成するとき、第1伝熱板
S1の第2突起23…の先端と第2伝熱板S2の第2突
起23…の先端とが相互に当接してろう付けされる。ま
た、第1伝熱板S1の第2凸条25F ,25R と第2伝
熱板S2の第2凸条25 F ,25R とが相互に当接して
ろう付けされ、図3に示した燃焼ガス通路4の左下部分
及び右上部分を閉塞するとともに、第1伝熱板S1の第
1凸条24F ,24R と第2伝熱板S2の第1凸条24
F ,24R とが隙間を存して相互に対向し、図3に示し
た燃焼ガス通路4の左上部分及び右下部分にそれぞれ燃
焼ガス通路入口11及び燃焼ガス通路出口12を形成す
る。
【0026】折り板素材21の第1伝熱板S1…及び第
2伝熱板S2…を谷折り線L2 で折り曲げて両伝熱板S
1…,S2…間にエアー通路5…を形成するとき、第1
伝熱板S1の第1突起22…の先端と第2伝熱板S2の
第1突起22…の先端とが相互に当接してろう付けされ
る。また、第1伝熱板S1の第1凸条24F ,24R
第2伝熱板S2の第1凸条24F ,24R とが相互に当
接してろう付けされ、図4に示したエアー通路5の左上
部分及び右下部分を閉塞するとともに、第1伝熱板S1
の第2凸条25F ,25R と第2伝熱板S2の第2凸条
25F ,25Rとが隙間を存して相互に対向し、図4に
示したエアー通路5の右上部分及び左下部分にそれぞれ
エアー通路入口15及びエアー通路出口16を形成す
る。
【0027】第1突起22…及び第2突起23…は概略
円錐台形状を有しており、それらの先端部はろう付け強
度を高めるべく相互に面接触する。また第1凸条24F
…,24R …及び第2凸条25F …,25R …も概略台
形状の断面を有しており、それらの先端部もろう付け強
度を高めるべく相互に面接触する。
【0028】図5から明らかなように、エアー通路5…
の半径方向内周部分は折り板素材21の折曲部(谷折り
線L2 )に相当するために自動的に閉塞されるが、エア
ー通路5…の半径方向外周部分は開放されており、その
開放部がアウターケーシング6にろう付けされて閉塞さ
れる。一方、燃焼ガス通路4…の半径方向外周部分は折
り板素材21の折曲部(山折り線L1 )に相当するため
に自動的に閉塞されるが、燃焼ガス通路4…の半径方向
内周部分は開放されており、その開放部がインナーケー
シング7にろう付けされて閉塞される。
【0029】折り板素材21をつづら折り状に折り曲げ
たときに隣接する山折り線L1 どうしが直接接触するこ
とはないが、第1突起22…が相互に接触することによ
り前記山折り線L1 相互の間隔が一定に保持される。ま
た隣接する谷折り線L2 どうしが直接接触することはな
いが、第2突起23…が相互に接触することにより前記
谷折り線L2 相互の間隔が一定に保持される。
【0030】前記折り板素材21をつづら折り状に折り
曲げて熱交換器2の本体部を製作するとき、第1伝熱板
S1…及び第2伝熱板S2…は熱交換器2の中心から放
射状に配置される。従って、隣接する第1伝熱板S1…
及び第2伝熱板S2…間の距離は、アウターケーシング
6に接する半径方向外周部において最大となり、且つイ
ンナーケーシング7に接する半径方向内周部において最
小となる。このために、前記第1突起22…,第2突起
23…、第1凸条24F ,24R 及び第2凸条25F
25R の高さは半径方向内側から外側に向けて漸増して
おり、これにより第1伝熱板S1…及び第2伝熱板S2
…を正確に放射状に配置することができる(図5参
照)。
【0031】上述した放射状の折り板構造を採用するこ
とにより、アウターケーシング6及びインナーケーシン
グ7を同心に位置決めし、熱交換器2の軸対称性を精密
に保持することができる。
【0032】図7及び図9から明らかなように、第1伝
熱板S1…及び第2伝熱板S2…の前端及び後端の山形
にカットされた頂点部分を熱交換器2の円周方向に向け
て90°よりも僅かに小さい角度だけ折り曲げることに
より、矩形をなす小片状のフランジ部26…が形成され
る。折り板素材21をつづら折り状の折り曲げたとき、
第1伝熱板S1…及び第2伝熱板S2…のフランジ26
…の一部は、それに隣接するフランジ部26…の一部に
重ね合わされて面接触状態でろう付けされ、全体として
環状を成す接合フランジ27を構成する。そしてこの接
合フランジ27は前後のエンドプレート8,10にろう
付けにより接合される。
【0033】このとき、接合フランジ27の前面は階段
状になってエンドプレート8,10との間に若干の隙間
が形成されるが、その隙間はろう材(図7参照)によっ
て塞がれる。またフランジ部26…は第1伝熱板S1…
及び第2伝熱板S2…に形成した第1凸条24F ,24
R 及び第2凸条25F ,25R の先端近傍から折り曲げ
られているが、折り板素材21を山折り線L1 及び谷折
り線L2 で折り曲げたときに第1凸条24F ,24R
び第2凸条25F ,25R の先端とフランジ部26…と
の間にも若干の隙間が形成されるが、その隙間はろう材
(図7参照)によって塞がれる。
【0034】ところで、第1伝熱板S1…及び第2伝熱
板S2…の山形の頂点部分を平坦に切断し、その切断し
た端面にエンドプレート8,10をろう付けしようとす
ると、先ず折り板素材21を折り曲げて第1伝熱板S1
…及び第2伝熱板S2…の第1突起22…及び第2突起
23…並びに第1凸条24F ,24R 及び第2凸条25
F ,25R を相互にろう付けした後、前記頂点部分に精
密な切断加工を施してエンドプレート8,10のろう付
けを行う必要があり、ろう付けが2工程になって工数が
増加するだけでなく、切断面に高い加工精度が要求され
るためにコストが増加し、しかも小面積の切断面におけ
るろう付けのために充分な強度を得ることが難しかっ
た。しかしながら折り曲げたフランジ部26…をろう付
けすることにより、前記第1突起22…及び第2突起2
3…並びに第1凸条24F ,24R及び第2凸条2
F ,25R のろう付けとフランジ部26…のろう付け
とを1工程で済ますことが可能となるだけでなく、山形
の頂点部分の精密な切断加工が不要になり、しかも面接
触するフランジ部26…どうしのろう付けであるために
ろう付け強度も大幅に増加する。更にフランジ部26…
自体が接合フランジ27を構成するので、部品点数の削
減に寄与することができる。
【0035】また、折り板素材21を放射状且つつづら
折り状に折り曲げて第1伝熱板S1…及び第2伝熱板S
2…を連続して形成することにより、1枚ずつ独立した
多数の第1伝熱板S1…と1枚ずつ独立した多数の第2
伝熱板S2…とを交互にろう付けする場合に比べて、部
品点数及びろう付け個所を大幅に削減することができる
ばかりか、完成した製品の寸法精度を高めることができ
る。
【0036】図5及び図6から明らかなように、帯状に
形成された1枚の折り板素材21をつづら折り状に折り
曲げて熱交換器2の本体部を構成するとき、その折り板
素材21の両端部が熱交換器2の半径方向外周部分にお
いて一体に接合される。そのために接合部を挟んで隣り
合う第1伝熱板S1及び第2伝熱板S2の端縁が山折り
線L1 の近傍でJ字状に切断され、例えば第1伝熱板S
1のJ字状切断部の内周に第2伝熱板S2のJ字状切断
部の外周が嵌合してろう付けされる。第1、第2伝熱板
S1,S2のJ字状切断部が相互に嵌合するため、外側
の第1伝熱板S1のJ字状切断部は押し広げられて内側
の第2伝熱板S2のJ字状切断部は押し縮められ、更に
内側の第2伝熱板S2は熱交換器2の半径方向内側に向
けて圧縮される。
【0037】上記構造を採用することにより、折り板素
材21の両端部を接合するために特別の接合部材が不要
であり、また折り板素材21の形状を変える等の特別の
加工が不要であるため、部品点数や加工コストが削減さ
れるとともに、接合部におけるヒートマスの増加が回避
される。また燃焼ガス通路4…でもなくエアー通路5…
でもないデッドスペースが発生しないので、流路抵抗の
増加が最小限に抑えられて熱交換効率の低下を来す虞も
ない。更に第1、第2伝熱板S1,S2のJ字状切断部
は接合部分が変形するために微小な隙間が発生し易い
が、熱交換器2の本体部を1枚の折り板素材21で構成
することにより前記接合部分を最小の1ヵ所とし、流体
のリークを最小限に抑えることができる。また1枚の折
り板素材21をつづら折り状に折り曲げて円環状の熱交
換器2の本体部を構成する際に、一体に連なる第1、第
2伝熱板S1…,S2…の枚数が適切でないと隣接する
第1、第2伝熱板S1…,S2…の円周方向のピッチが
不適切になり、しかも第1突起22…及び第2突起23
…の先端が離れたり潰れたりする可能性がある。しかし
ながら、折り板素材21の切断位置を変更して一体に連
なる第1、第2伝熱板S1…,S2…の枚数を適宜変更
するだけで、前記円周方向のピッチを容易に微調整する
ことができる。
【0038】ガスタービンエンジンEの運転中に、燃焼
ガス通路4…の圧力は比較的に低圧になり、エアー通路
5…の圧力は比較的に高圧になるため、その圧力差によ
って第1伝熱板S1…及び第2伝熱板S2…に曲げ荷重
が作用するが、相互に当接してろう付けされた第1突起
22…及び第2突起23…により、前記荷重に耐え得る
充分な剛性を得ることができる。
【0039】また、第1突起22…及び第2突起23…
によって第1伝熱板S1…及び第2伝熱板S2…の表面
積(即ち、燃焼ガス通路4…及びエアー通路5…の表面
積)が増加し、しかも燃焼ガス及びエアーの流れが攪拌
されるために熱交換効率の向上が可能となる。
【0040】ところで、燃焼ガス通路4…及びエアー通
路5…間の熱伝達量を表す伝熱単位数Ntuは、 Ntu=(K×A)/[C×(dm/dt)] …(1) により与えられる。
【0041】上記(1)式において、Kは第1伝熱板S
1…及び第2伝熱板S2…の熱通過率、Aは第1伝熱板
S1…及び第2伝熱板S2…の面積(伝熱面積)、Cは
流体の比熱、dm/dtは前記伝熱面積を流れる流体の
質量流量である。前記伝熱面積A及び比熱Cは定数であ
るが、前記熱通過率K及び質量流量dm/dtは隣接す
る第1突起22…間、或いは隣接する第2突起23…間
のピッチP(図5参照)の関数となる。
【0042】伝熱単位数Ntuが第1伝熱板S1…及び第
2伝熱板S2…の半径方向に変化すると、第1伝熱板S
1…及び第2伝熱板S2…の温度分布が半径方向に不均
一になって熱交換効率が低下するだけでなく、第1伝熱
板S1…及び第2伝熱板S2…が半径方向に不均一に熱
膨張して好ましくない熱応力が発生する。そこで、第1
突起22…及び第2突起23…の半径方向の配列ピッチ
Pを適切に設定し、伝熱単位数Ntuが第1伝熱板S1…
及び第2伝熱板S2…の半径方向各部位で一定になるよ
うにすれば、前記各問題を解消することができる。
【0043】図11(A)に示すように前記ピッチPを
熱交換器2の半径方向に一定にした場合、図11(B)
に示すように伝熱単位数Ntuは半径方向内側部分で大き
く、半径方向外側部分で小さくなるため、図11(C)
に示すように第1伝熱板S1…及び第2伝熱板S2…の
温度分布も半径方向内側部分で高く、半径方向外側部分
で低くなってしまう。一方、図12(A)に示すように
前記ピッチPを熱交換器2の半径方向内側部分で大き
く、半径方向外側部分で小さくなるように設定すれば、
図12(B),(C)に示すように伝熱単位数Ntu及び
温度分布を半径方向に略一定にすることができる。
【0044】図3〜図5から明らかなように、本実施例
の熱交換器2では、第1伝熱板S1…及び第2伝熱板S
2…の軸方向中間部(つまり軸方向両端の山形部を除い
た部分)の半径方向外側部分に第1突起22…及び第2
突起23…の半径方向の配列ピッチPが小さい領域R1
が設けられるとともに、その半径方向内側部分に第1突
起22…及び第2突起23…の半径方向の配列ピッチP
が大きい領域R2 が設けられる。これにより第1伝熱板
S1…及び第2伝熱板S2…の軸方向中間部の全域に亘
って伝熱単位数Ntuが略一定になり、熱交換効率の向上
と熱応力の軽減とが可能となる。
【0045】尚、熱交換器2の全体形状や第1突起22
…及び第2突起23…の形状が異なれば熱通過率K及び
質量流量dm/dtも変化するため、適切なピッチPの
配列も本実施例と異なってくる。従って、本実施例の如
くピッチPが半径方向外側に向かって漸減する場合以外
に、半径方向外側に向かって漸増する場合もある。しか
しながら、上記(1)式が成立するようなピッチPの配
列を設定すれば、熱交換器の全体形状や第1突起22…
及び第2突起23…の形状に関わらず、前記作用効果を
得ることができる。
【0046】図3及び図4から明らかなように、第1伝
熱板S1…及び第2伝熱板S2…の軸方向中間部におい
て、隣接する第1突起22…どうし或いは隣接する第2
突起23…どうしは熱交換器2の軸方向(燃焼ガス及び
エアーの流れ方向)に整列しておらず、軸方向に対して
所定角度傾斜して整列している。換言すると、熱交換器
2の軸線に平行な直線上に第1突起22…が連続して配
列されたり、第2突起23…が連続して配列されたりす
ることがないように考慮されている。これにより、第1
伝熱板S1…及び第2伝熱板S2…の軸方向中間部にお
いて、燃焼ガス通路4及びエアー通路5を第1突起22
…及び第2突起23により迷路状に形成して熱交換効率
を高めることができる。
【0047】更に第1伝熱板S1…及び第2伝熱板S2
…の軸方向両端の山形部には、前記軸方向中間部と異な
る配列ピッチで第1突起22…及び第2突起23…が配
列される。図3に示す燃焼ガス通路4において、燃焼ガ
ス通路入口11から矢印a方向に流入した燃焼ガスは軸
方向に旋回して矢印b方向に流れ、更に矢印c方向に旋
回して燃焼ガス通路出口12から流出する。燃焼ガスが
燃焼ガス通路入口11の近傍で方向変換するとき、旋回
方向内側(熱交換器2の半径方向外側)では燃焼ガスの
流路PS が短くなり、旋回方向外側(熱交換器2の半径
方向内側)では燃焼ガスの流路PL が長くなる。一方、
燃焼ガスが燃焼ガス通路出口12の近傍で方向変換する
とき、旋回方向内側(熱交換器2の半径方向内側)では
燃焼ガスの流路PS が短くなり、旋回方向外側(熱交換
器2の半径方向外側)では燃焼ガスの流路PL が長くな
る。このように燃焼ガスの旋回方向内側及び外側で燃焼
ガスの流路長に差が発生すると、流路長が短いために流
路抵抗が小さい旋回方向内側に向かって旋回方向外側か
ら燃焼ガスが偏流し、燃焼ガスの流れが不均一になって
熱交換効率が低下してしまう。
【0048】そこで燃焼ガス通路入口11及び燃焼ガス
通路出口12の近傍の領域R3 ,R 3 では、燃焼ガスの
流れ方向に直交する方向の第1突起22…及び第2突起
23…の配列ピッチを、旋回方向外側から内側に向かっ
て次第に密になるように変化させている。このように領
域R3 ,R3 において第1突起22…及び第2突起23
…の配列ピッチを不均一にすることにより、燃焼ガスの
流路長が短いために流路抵抗が小さい旋回方向内側に第
1突起22…及び第2突起23…密に配列して注路抵抗
を増加させ、前記領域R3 ,R3 の全体に亘って流路抵
抗を均一化することができる。これにより前記偏流の発
生を防止して熱交換効率の低下を回避することができ
る。特に、第1凸条24F ,24R の内側に隣接する1
列目の突起は全て燃焼ガス通路4内に突出する第2突起
23…(図3に×印で表示)で構成されているため、そ
の第2突起23…の配列ピッチを不均一にすることによ
り、偏流防止効果を有効に発揮させることができる。
【0049】同様にして、図4に示すエアー通路5にお
いて、エアー通路入口15から矢印d方向に流入したエ
アーは軸方に旋回して矢印e方向に流れ、更に矢印f方
向に旋回してエアー通路出口16から流出する。エアー
がエアー通路入口15の近傍で方向変換するとき、旋回
方向内側(熱交換器2の半径方向外側)ではエアーの流
路が短くなり、旋回方向外側(熱交換器2の半径方向内
側)ではエアーの流路が長くなる。一方、エアーがエア
ー通路出口16の近傍で方向変換するとき、旋回方向内
側(熱交換器2の半径方向内側)ではエアーの流路が短
くなり、旋回方向外側(熱交換器2の半径方向外側)で
はエアーの流路が長くなる。このようにエアーの旋回方
向内側及び外側でエアーの流路長に差が発生すると、流
路長が短いために流路抵抗が小さい旋回方向内側に向か
ってエアーが偏流して熱交換効率が低下してしまう。
【0050】そこでエアー通路入口15及びエアー通路
出口16の近傍の領域R4 ,R4 では、エアーの流れ方
向に直交する方向の第1突起22…及び第2突起23…
の配列ピッチを、旋回方向外側から内側に向かって次第
に密になるように変化させている。このように領域
4 ,R4 において第1突起22…及び第2突起23…
の配列ピッチを不均一にすることにより、エアーの流路
長が短いために流路抵抗が小さい旋回方向内側に第1突
起22…及び第2突起23…密に配列して流路抵抗を増
加させ、前記領域R4 ,R4 の全体に亘って流路抵抗を
均一化することができる。これにより前記偏流の発生を
防止して熱交換効率の低下を回避することができる。特
に、第2凸条25F ,25R の内側に隣接する1列目の
突起は全て燃焼ガス通路4内に突出する第1突起22…
(図4に×印で表示)で構成されているため、その第1
突起22…の配列ピッチを不均一にすることにより、偏
流防止効果を有効に発揮させることができる。
【0051】尚、図3において燃焼ガスが領域R3 ,R
3 に隣接する領域R4 ,R4 を流れるとき、その領域R
4 ,R4 における第1突起22…及び第2突起23…の
配列ピッチは燃焼ガスの流れの方向に不均一になってい
るため、該第1突起22…及び第2突起23…の配列ピ
ッチは燃焼ガスの流れに殆ど影響を及ぼさない。同様
に、図4においてエアーが領域R4 ,R4 に隣接する領
域R3 ,R3 を流れるとき、その領域R3 ,R3 におけ
る第1突起22…及び第2突起23…の配列ピッチはエ
アーの流れの方向に不均一になっているため、該第1突
起22…及び第2突起23…の配列ピッチはエアーの流
れに殆ど影響を及ぼさない。
【0052】図3及び図4から明らかなように、熱交換
器2の前端部及び後端部において、第1伝熱板S1…及
び第2伝熱板S2…がそれぞれ長辺及び短辺を有する不
等長の山形にカットされており、前端側及び後端側の長
辺に沿ってそれぞれ燃焼ガス通路入口11及び燃焼ガス
通路出口12が形成されるとともに、後端側及び前端側
の短辺に沿ってそれぞれエアー通路入口15及びエアー
通路出口16が形成される。
【0053】このように、熱交換器2の前端部において
山形の二辺に沿ってそれぞれ燃焼ガス通路入口11及び
エアー通路出口16を形成するとともに、熱交換器2の
後端部において山形の二辺に沿ってそれぞれ燃焼ガス通
路出口12及びエアー通路入口15を形成しているの
で、熱交換器2の前端部及び後端部を山形にカットせず
に前記入口11,15及び出口12,16を形成した場
合に比べて、それら入口11,15及び出口12,16
における流路断面積を大きく確保して圧損を最小限に抑
えることができる。しかも、前記山形の二辺に沿って入
口11,15及び出口12,16を形成したので、燃焼
ガス通路4…及びエアー通路5…に出入りする燃焼ガス
やエアーの流路を滑らかにして圧損を更に減少させるこ
とができるばかりか、入口11,15及び出口12,1
6に連なるダクトを流路を急激に屈曲させることなく軸
方向に沿って配置し、熱交換器2の半径方向寸法を小型
化することができる。
【0054】ところで、エアー通路入口15及びエアー
通路出口16を通過するエアーの体積流量に比べて、そ
のエアーに燃料を混合して燃焼させ、更にタービンで膨
張させて圧力の下がった燃焼ガスの体積流量は大きくな
る。本実施例では前記不等長の山形により、体積流量が
小さいエアーが通過するエアー通路入口15及びエアー
通路出口16の長さを短くし、体積流量が大きい燃焼ガ
スが通過する燃焼ガス通路入口11及び燃焼ガス通路出
口12の長さを長くし、これにより燃焼ガスの流速を相
対的に低下させて圧損の発生をより効果的に回避するこ
とができる。
【0055】図3及び図4から明らかなように、ステン
レス製のアウターハウジング9はエアー導入ダクト17
を画成すべく外壁部材28,29と内壁部材30,31
との2重構造になっており、前側の外壁部材28及び内
壁部材30の後端に接合された前部フランジ32が、後
側の外壁部材29及び内壁部材31の前端に接合された
後部フランジ33に複数本のボルト34…で結合され
る。このとき、前部フランジ32と後部フランジ33と
の間に断面がE形の環状のシール部材35が挟持されて
おり、このシール部材35は前部フランジ32及び後部
フランジ33の結合面をシールしてエアー導入ダクト1
7内のエアーと燃焼ガス導入ダクト13内の燃焼ガスと
が混合するのを防止する。
【0056】熱交換器2は該熱交換器2と同材質のイン
コネルの板材よりなる熱交換器支持リング36を介し
て、アウターハウジング9の後部フランジ33に連なる
内壁部材31に支持される。後部フランジ33に接合さ
れた内壁部材31の軸方向寸法は小さいため、その内壁
部材31は実質的に後部フランジ33の一部として見做
すことができる。従って熱交換器支持リング36を内壁
部材31に接合する代わりに、後部フランジ33に直接
接合することも可能である。熱交換器支持部リング36
は、熱交換器2の外周面に接合される第1リング部36
1 と、内壁部材31の内周面に結合される前記第1リン
グ部361 よりも大径の第2リング部36 2 と、第1、
第2リング部361 ,362 を斜め方向に接続する接続
部363 とを有して断面階段状に形成されており、この
熱交換器支持部リング36によって燃焼ガス通路入口1
1及びエアー通路入口15間がシールされる。
【0057】熱交換器2の外周面の温度分布はエアー通
路入口15側(軸方向後側)において低温であり、燃焼
ガス通路入口11側(軸方向前側)において高温であ
る。熱交換器支持リング36を燃焼ガス通路入口11よ
りもエアー通路入口15に近い位置に設けることによ
り、熱交換器2及びアウターハウジング9の熱膨張量の
差を最小限に抑えて熱応力を減少させることができる。
また熱膨張量の差によって熱交換器2と後部フランジ3
3とが相対的に変位したとき、その変位は板材よりなる
熱交換器支持リング36の弾性変形により吸収され、熱
交換器2やアウターハウジング9に作用する熱応力を軽
減することができる。特に、熱交換器支持リング36の
断面が階段状に形成されているため、その折曲部が容易
に変形して熱膨張量の差を効果的に吸収することができ
る。
【0058】図13〜図17は本発明の第2実施例を示
すもので、図13は熱交換器の斜視図、図14は図13
の14−14線拡大断面図(燃焼ガス通路の断面図)、
図15は図13の15−15線拡大断面図(エアー通路
の断面図)、図16は図14の16−16線断面図、図
17は図14の17−17線拡大断面図である。
【0059】熱交換器2は上部底壁41及び下部底壁4
2と、前部端壁43及び後部端壁44と、左側壁45及
び右側壁46とによって囲まれて全体として直方体状に
形成される。上部底壁41の前部及び後部には、左右方
向に延びる燃焼ガス通路入口11及び燃焼ガス通路出口
12が開口するとともに、下部底壁42の後部及び前部
には、左右方向に延びるエアー通路入口15及びエアー
通路出口16が開口する。熱交換器2の内部には、折り
板素材21を山折り線L1 …及び谷折り線L2…を介し
てつづら折り状に折り曲げた矩形状の第1伝熱板S1…
及び第2伝熱板S2…が交互に配置される。
【0060】第1伝熱板S1…及び第2伝熱板S2…間
に、前記燃焼ガス通路入口11及び燃焼ガス通路出口1
2に連なる燃焼ガス通路4…と、前記エアー通路入口1
5及びエアー通路出口16に連なるエアー通路5…とが
交互に形成される。このとき第1伝熱板S1…及び第2
伝熱板S2…に形成した複数の第1突起22…及び第2
突起23…の先端どうしをろう付けすることにより、第
1伝熱板S1…及び第2伝熱板S2…の間隔が一定に保
持される。
【0061】折り板素材21は、山折り線L1 …におい
て上部底壁41にろう付けされ、谷折り線L2 …におい
て下部底壁42にろう付けされる。また第1伝熱板S1
…及び第2伝熱板S2…の短辺部分(即ち前端及び後
端)が90°よりも僅かに小さい角度だけ折り曲げられ
て矩形状のフランジ部26…が形成される。フランジ部
26…は相互に重ね合わされて面接触状態でろう付けさ
れて全体として矩形状の接合フランジ27が形成され、
この接合フランジ27が前部端壁43及び後部端壁44
にろう付けにより接合される。接合フランジ27と前後
の端壁43,44との間の隙間はろう材によって塞がれ
る(図17参照)。このように第1伝熱板S1…及び第
2伝熱板S2…の端部を折り曲げたフランジ部26…を
ろう付けすることにより、第1伝熱板S1…及び第2伝
熱板S2…の端部の精密な切断加工が不要になるため、
前記第1突起22…及び第2突起23…のろう付けとフ
ランジ部26…のろう付けとを1工程で済ますことが可
能となり、しかも面接触するフランジ部26…どうしの
ろう付けであるためにろう付け強度も大幅に増加する。
【0062】図14及び図15に示すように、第1伝熱
板S1…及び第2伝熱板S2…に形成される第1突起2
2…及び第2突起23…の配列は、第1伝熱板S1…及
び第2伝熱板S2…の前後方向中間部と、前後方向両端
部(燃焼ガス通路入口11及びエアー通路出口16に臨
む部分、並びに燃焼ガス通路出口12及びエアー通路入
口15に臨む部分)とで異なっている。
【0063】即ち、第1伝熱板S1…及び第2伝熱板S
2…の前後方向中間部では第1突起22…及び第2突起
23…は上下方向に等ピッチ、且つ前後方向に等ピッチ
で配列されている。一方、前後方向両端部では第1突起
22…及び第2突起23…は上下方向に等ピッチに配列
されているが、前後方向には不等ピッチに配列されてい
る。具体的には、燃焼ガス通路入口11及びエアー通路
出口16に臨む部分において、その前端から離れるに伴
って前後方向の配列ピッチが密になっており、また燃焼
ガス通路出口12及びエアー通路入口15に臨む部分に
おいて、その後端から離れるに伴って前後方向の配列ピ
ッチが密になっている。
【0064】従って、図14において燃焼ガス通路入口
11から矢印g方向に流入した燃焼ガスが燃焼ガス通路
4に沿う方向に90°旋回するとき、流路長が短いため
に燃焼ガスが流れ易い旋回方向内側の通路の流路抵抗
を、密に配置された第1突起22…及び第2突起23…
により増加させ、旋回方向内外の燃焼ガスの流量を均一
化することができる。また燃焼ガス通路4に沿う方向に
流れる燃焼ガスが90°旋回して燃焼ガス通路出口12
から矢印h方向に流出するとき、流路長が短いために燃
焼ガスが流れ易い旋回方向内側の通路の流路抵抗を、密
に配置された第1突起22…及び第2突起23…により
増加させ、旋回方向内外の燃焼ガスの流量を均一化する
ことができる。
【0065】同様にして、図15においてエアー通路入
口15から矢印i方向に流入したエアーがエアー通路5
に沿う方向に90°旋回するとき、流路長が短いために
エアーが流れ易い旋回方向内側の通路の流路抵抗を、密
に配置された第1突起22…及び第2突起23…により
増加させ、旋回方向内外の燃焼ガスの流量を均一化する
ことができる。またエアー通路5に沿う方向に流れるエ
アーが90°旋回してエアー通路出口16から矢印j方
向に流出するとき、流路長が短いためにエアーが流れ易
い旋回方向内側の通路の流路抵抗を、密に配置された第
1突起22…及び第2突起23…により増加させ、旋回
方向内外のエアーの流量を均一化することができる。
【0066】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0067】例えば、折り板素材21を用いずに第1伝
熱板S1…及び第2伝熱板S2…をそれぞれ別部材で構
成して相互に接合しても良い。
【0068】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、伝熱板の軸方向両端部を山形に切断して流体
通路出入口を形成した円環状の熱交換器において、伝熱
板に形成した突起の配列ピッチを伝熱板の軸方向両端部
と軸方向中間部とで異ならせたので、流体通路出入口の
近傍における流体の流路抵抗を突起により変化させるこ
とにより、流体の方向変換部に偏流が発生するのを防止
して熱交換効率の向上及び圧損低減を図ることができ
る。
【0069】また請求項2に記載された発明によれば、
高温流体通路及び低温流体通路の出入口に臨む部分にお
いて、該出入口を通過する流体の流れ方向に略直交する
方向の突起の配列ピッチを、山形の基部寄りの部分で密
とし、先端部寄りの部分で疎としたので、流路長が短い
ために流体が流れ易い方向変換部の半径方向内側におけ
る流路抵抗を突起の密な配置により増加させ、流路長が
長いために流体が流れ難い方向変換部の半径方向外側に
おける流路抵抗を突起の疎な配置により減少させること
により、流体の前記方向変換部に偏流が発生するのを防
止して熱交換効率の向上及び圧損低減を図ることができ
る。
【0070】また請求項3に記載された発明によれば、
第1伝熱板及び第2伝熱板の軸方向中間部において、第
1伝熱板及び第2伝熱板の突起の配列ピッチを伝熱単位
数が半径方向に略一定になるように設定したので、伝熱
板の温度分布を半径方向に均一化して熱交換効率の低下
及び好ましくない熱応力の発生を回避することが可能と
なる。
【0071】また請求項4に記載された発明によれば、
第1伝熱板及び第2伝熱板の軸方向中間部において、突
起を該軸方向中間部を通過する流体の流れ方向に整列し
ないように配置したので、流体が突起により充分に攪拌
されて熱交換効率が向上する。
【0072】また請求項5に記載された発明によれば、
矩形状の伝熱板の長辺方向両端部に流体通路出入口を形
成した直方体状の熱交換器において、伝熱板に形成した
突起の配列ピッチを伝熱板の長辺方向両端部と長辺方向
中間部とで異ならせたので、流体通路出入口の近傍にお
ける流体の流路抵抗を突起により変化させることによ
り、流体の方向変換部に偏流が発生するのを防止して熱
交換効率の向上及び圧損低減を図ることができる。
【0073】また請求項6に記載された発明によれば、
高温流体通路及び低温流体通路の出入口に臨む部分にお
いて、該出入口を通過する流体の流れ方向に略直交する
方向の突起の配列ピッチを、第1端壁及び第2端壁から
遠い部分で密とし、近い部分で疎としたので、流路長が
短いために流体が流れ易い方向変換部の半径方向内側に
おける流路抵抗を突起の密な配置により増加させ、流路
長が長いために流体が流れ難い方向変換部の半径方向外
側における流路抵抗を突起の疎な配置により減少させる
ことにより、流体の前記方向変換部に偏流が発生するの
を防止して熱交換効率の向上及び圧損低減を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガスタービンエンジンの全体側面図
【図2】図1の2−2線断面図
【図3】図2の3−3線拡大断面図(燃焼ガス通路の断
面図)
【図4】図2の4−4線拡大断面図(エアー通路の断面
図)
【図5】図3の5−5線拡大断面図
【図6】図5の6部拡大図
【図7】図3の7−7線拡大断面図
【図8】折り板素材の展開図
【図9】熱交換器の要部斜視図
【図10】燃焼ガス及びエアーの流れを示す模式図
【図11】突起のピッチを均一にした場合の作用を説明
するグラフ
【図12】突起のピッチを不均一にした場合の作用を説
明するグラフ
【図13】第2実施例に係る熱交換器の斜視図
【図14】図13の14−14線拡大断面図(燃焼ガス
通路の断面図)
【図15】図13の15−15線拡大断面図(エアー通
路の断面図)
【図16】図14の16−16線断面図
【図17】図14の17−17線拡大断面図
【符号の説明】
4 燃焼ガス通路(高温流体通路) 5 エアー通路(低温流体通路) 6 アウターケーシング(半径方向外周壁) 7 インナーケーシング(半径方向内周壁) 11 燃焼ガス通路入口(高温流体通路入口) 12 燃焼ガス通路出口(高温流体通路出口) 15 エアー通路入口(低温流体通路入口) 16 エアー通路出口(低温流体通路出口) 22 第1突起(突起) 23 第2突起(突起) 41 上部底壁(第1底壁) 42 下部底壁(第2底壁) 43 前部端壁(第1端壁) 42 後部端壁(第2端壁) Ntu 伝熱単位数 S1 第1伝熱板(伝熱板) S2 第2伝熱板(伝熱板)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半径方向外周壁(6)及び半径方向内周
    壁(7)間に画成した円環状の空間に複数の第1伝熱板
    (S1)及び複数の第2伝熱板(S2)を放射状に配置
    することにより、隣接する第1伝熱板(S1)及び第2
    伝熱板(S2)間に高温流体通路(4)及び低温流体通
    路(5)を円周方向に交互に形成してなる熱交換器であ
    って、 第1伝熱板(S1)及び第2伝熱板(S2)の軸方向両
    端部をそれぞれ2つの端縁を有する山形に切断し、 高温流体通路(4)の軸方向一端部において前記2つの
    端縁の一方を閉塞して他方を開放することにより高温流
    体通路入口(11)を形成するとともに、高温流体通路
    (4)の軸方向他端部において前記2つの端縁の一方を
    閉塞して他方を開放することにより高温流体通路出口
    (12)を形成し、 低温流体通路(5)の軸方向一端部において前記2つの
    端縁の他方を閉塞して一方を開放することにより低温流
    体通路出口(16)を形成するとともに、低温流体通路
    (5)の軸方向他端部において前記2つの端縁の他方を
    閉塞して一方を開放することにより低温流体通路入口
    (15)を形成し、 更に第1伝熱板(S1)及び第2伝熱板(S2)の両面
    に形成した多数の突起(22,23)の先端どうしを相
    互に接合してなる熱交換器において、 前記突起(22,23)の配列ピッチを第1伝熱板(S
    1)及び第2伝熱板(S2)の軸方向両端部と軸方向中
    間部とで異ならせたことを特徴とする熱交換器。
  2. 【請求項2】 高温流体通路(4)及び低温流体通路
    (5)の出入口(11,12,15,16)に臨む部分
    において、該出入口(11,12,15,16)を通過
    する流体の流れ方向に略直交する方向の前記突起(2
    2,23)の配列ピッチを、前記山形の基部寄りの部分
    で密とし、先端部寄りの部分で疎としたことを特徴とす
    る、請求項1に記載の熱交換器。
  3. 【請求項3】 第1伝熱板(S1)及び第2伝熱板(S
    2)の軸方向中間部において、前記突起(22,23)
    の配列ピッチを伝熱単位数(Ntu)が半径方向に略一定
    になるように設定したことを特徴とする、請求項1に記
    載の熱交換器。
  4. 【請求項4】 第1伝熱板(S1)及び第2伝熱板(S
    2)の軸方向中間部において、前記突起(22,23)
    を該軸方向中間部を通過する流体の流れ方向に整列しな
    いように配置したことを特徴とする、請求項1に記載の
    熱交換器。
  5. 【請求項5】 矩形状に形成された複数の第1伝熱板
    (S1)及び複数の第2伝熱板(S2)を、それらの一
    対の長辺が第1底壁(41)及び第2底壁(42)に接
    合され、且つそれらの一対の短辺が第1端壁(43)及
    び第2端壁(44)に接合されるように平行に配置する
    ことにより、隣接する第1伝熱板(S1)及び第2伝熱
    板(S2)間に高温流体通路(4)及び低温流体通路
    (5)を交互に形成してなる熱交換器であって、 前記高温流体通路(4)に連なる高温流体通路入口(1
    1)及び高温流体通路出口(12)を、第1端壁(4
    3)及び第2端壁(44)にそれぞれ沿うように第1底
    壁(41)に形成し、 前記低温流体通路(5)に連なる低温流体通路入口(1
    5)及び低温流体通路出口(16)を、第2端壁(4
    4)及び第1端壁(43)にそれぞれ沿うように第2底
    壁(42)に形成し、 更に第1伝熱板(S1)及び第2伝熱板(S2)の両面
    に形成した多数の突起(22,23)の先端どうしを相
    互に接合してなる熱交換器において、 前記突起(22,23)の配列ピッチを第1伝熱板(S
    1)及び第2伝熱板(S2)の長辺方向両端部と長辺方
    向中間部とで異ならせたことを特徴とする熱交換器。
  6. 【請求項6】 高温流体通路(4)及び低温流体通路
    (5)の出入口(11,12,15,16)に臨む部分
    において、該出入口(11,12,15,16)を通過
    する流体の流れ方向に略直交する方向の前記突起(2
    2,23)の配列ピッチを、第1端壁(43)及び第2
    端壁(44)から遠い部分で密とし、近い部分で疎とし
    たことを特徴とする、請求項5に記載の熱交換器。
JP1296297A 1997-01-27 1997-01-27 熱交換器 Pending JPH10206044A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007163015A (ja) * 2005-12-13 2007-06-28 Tokyo Roki Co Ltd 熱交換器の取付構造
CN106802099A (zh) * 2015-11-25 2017-06-06 浙江三花汽车零部件有限公司 一种换热器

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