JPH1020562A - 電子写真用キャリア - Google Patents
電子写真用キャリアInfo
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- JPH1020562A JPH1020562A JP16904896A JP16904896A JPH1020562A JP H1020562 A JPH1020562 A JP H1020562A JP 16904896 A JP16904896 A JP 16904896A JP 16904896 A JP16904896 A JP 16904896A JP H1020562 A JPH1020562 A JP H1020562A
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Abstract
くし、高画質を安定的に得ることのできる電子写真用キ
ャリアを提供する。 【解決手段】 二成分現像剤としてトナーとともに用い
られるもので、Fe、カーボンを芯材としシリコーン樹
脂を被膜した磁性キャリアをもって構成される電子写真
用キャリアであって、磁性キャリアの電気抵抗を示す電
流値が、1.0μA≦電流値≦5.0μAの範囲を示す
ことを前提とし、かつ、磁性キャリアのSi/Fe比
が、1.10≦Si/Fe比≦1.35の範囲を示す
か、あるいは磁性キャリアのトータルカーボン量が、
0.205%≦トータルカーボン量≦0.235%の範
囲を示すか、あるいはシリコーン樹脂からなるキャリア
被膜材の未硬化分が、未硬化分≦4.3%の範囲を示し
ていることを特徴とする。
Description
ー等の電子写真式画像形成装置において利用される二成
分現像方式の乾式現像剤の構成要素である電子写真用キ
ャリア、詳しくは、二成分現像剤としてトナーとともに
用いられるもので、Fe、カーボンを芯材としシリコー
ン樹脂を被膜した磁性キャリアをもって構成される電子
写真用キャリアに関するものである。
とトナーからなる二成分現像剤が感光体表面の静電潜像
の可視化(現像)を行うための現像剤として多用されて
いる。二成分現像剤としては、例えば、シリコーン樹脂
を被膜した磁性キャリアと、結着樹脂、着色剤、電荷調
整剤を主成分にするトナーからなるものがあり、その磁
性キャリアは、Si、Fe、カーボンを含んでいる。
電子写真用キャリアにおいて、キャリアの電気抵抗を示
す電流値が高い場合、複写機特性として画像濃度が高
く、そのためトナー消費量が多く、画像濃度の高い部分
でクレスト(キャリアの抵抗が極端に低い、または帯電
量が低い場合に、画像濃度の高い後端エッジ部でトナー
が飛び散ったような画質がでる現象)が発生しやすくな
る。
低い場合、画像濃度が低く、トナー消費量が少なくなる
現象が発生する。
アの電気抵抗を示す電流値が0.3〜2.0μAの範囲
であることを特徴とした静電潜像現像方法が特開昭63
−83736号公報に開示されている。
面の静電潜像へのキャリアの付着防止を改良するもので
あり、キャリア電流が高い場合、磁性キャリアの粒径が
小さすぎる場合やトナー濃度が低下した際にキャリアが
付着しやすくなる。逆に、キャリア電流値が低い場合、
トナーのカウンターチャージがキャリアに留まり画像濃
度が低下する、と開示されている。カウンターチャージ
とは、通常、正帯電するトナーが負帯電する、つまり、
逆帯電することであり、これによって静電潜像が形成さ
れなくなる。
は、トナーとキャリアとの乾式現像剤において、未硬化
分が30重量%以下のシリコーン樹脂でキャリア表面を
被覆することによりコート膜の損傷や、トナーのスペン
ト化(粒子間の衝突等による発熱でキャリア表面にトナ
ーが融着する現象)を防ぐ技術が述べられている。
未硬化分が30重量%以下であっても、コート膜の損傷
や、トナーのスペントの防止は充分とはいえない。
現像剤の開発が望まれている。
現像剤のキャリアの電気抵抗を示す電流値は、主に静電
潜像担体表面の静電潜像へのキャリア付着を改良するも
のとして規定の電流範囲が提案されている。しかし、こ
のキャリアの電気抵抗を示す電流値だけでは、現像剤寿
命を通してキャリアの性状変化をなくし安定な画質を得
ることは難しい。つまり、キャリアの電気抵抗を示す電
流値が0.3〜2.0μAの範囲であっても問題があ
る。
変化する場合に画質劣化が生じる。すなわち、キャリア
製造工程でキャリア芯材に対してキャリア被膜材である
シリコーン樹脂を一定重量比率で撹拌混合、乾燥を行
う。しかし、芯材自体が、例えばマグネタイト鉱石を粉
砕し、熱により分解蒸発するような熱可塑樹脂を含んだ
粉砕物をスプレードライ方法により一定粒径まで造粒
し、その後、高温によりバインダーの樹脂を除去すると
いった造粒方法で製造されている。そのため、芯材表面
が微小な凹凸になっており、かつ、芯に向かって無数の
無規則な穴があいており、コート面が乾燥するまでに表
面にコートされたシリコーン樹脂が無数な穴に向かって
入り込んだりして、見かけのキャリアの電気抵抗を示す
電流値が同一でもキャリア被膜材表面に付いている膜厚
が違うことがある。
数の細かい穴があいているとキャリア被膜材となるシリ
コーン樹脂を一定重量比率で塗布、乾燥すれば、みかけ
上はキャリアの電気抵抗を示す電流値が規定範囲を示す
ものができる。しかし、複写機で確認するとコピー初期
画像は変わらないものの、複写枚数が増すにつれて、キ
ャリア被膜材の表面のシリコーン樹脂が薄いと、被膜材
の表面どうしの衝突と摩擦により個々のキャリア表面が
部分的に欠落するコート剥がれ現象が発生し、キャリア
芯材の特性である低抵抗を示し、キャリア電流が上昇す
る。その影響が出て画像濃度が上昇し、トナー消費量も
上昇し、帯電量も低下し、トナーが現像槽周りより飛散
する。こうなると、安定な画質を得ることは難しくなる
のである。すなわち、キャリア全体として単一な電流値
測定ではキャリア物性の振れが分からないのである。
画質劣化が生じる。すなわち、キャリア製造工程でキャ
リア芯材に対して、キャリア被膜材のシリコーン樹脂を
一定重量比率で撹拌混合、噴霧、乾燥、熱処理を行う
が、混合品はキャリア被膜材のシリコーン樹脂が一定粘
度をもつ液体である。シリコーン樹脂はキャリア芯材と
大部分混合され、被膜材として使用されるが、少量は容
器内壁に固まったり、容器中の残渣となったり、キャリ
ア芯材が容器中の残渣として発生することにより、一部
でシリコーン樹脂が被膜されていないキャリアができた
りする。この場合もやはりキャリア全体として単一な電
流値測定ではキャリア物性の振れが分からない。
場合に画質劣化が生じる。すなわち、上記Si/Fe比
の例と同様に、みかけはキャリアの電気抵抗を示す電流
値の規定範囲を示すものができるが、これを複写機の実
写で確認するとコピー初期は変わらないが、複写枚数を
増すにつれて、キャリア被膜材のシリコーン樹脂に含ま
れている未硬化分のモノマーが被膜外に露出し、これが
トナーを融着させるスペント現象となり、キャリア全体
として単一な電流値測定では材料の振れが分からないと
いう問題がある。
を示す電流値は、コピー初期と、複写枚数が進んだ時点
では、本来変化しないことが必要であるが、複写枚数の
増加に従い現像槽内のキャリアが現像動作により撹拌頻
度が多くになるにつれて、キャリア表面の被膜材の剥が
れにより、電流値の高いキャリア芯材が表面に露出する
現象が発生する。これをコート剥がれと呼びキャリア全
体の電流値が急激に上昇してしまう。このとき、画像濃
度が上昇し、トナー消費量も上昇し、トナーが現像槽周
辺より飛散し安定な画質を得ることは難しい。
り、トナーがキャリア被膜材に融着する現象が発生す
る。これをスペントと呼び、キャリアの帯電能力が低下
し、キャリア全体の電流値が急激に下降してしまう不具
合がある。このとき、画像濃度が低下し、トナー消費量
が少なくなり、安定な画質を得ることは難しい。
れたものであり、二成分現像剤としてトナーとともに用
いられるもので、Fe、カーボンを芯材としシリコーン
樹脂を被膜した磁性キャリアをもって構成される電子写
真用キャリアにおいて、ただ単に、磁性キャリアの電気
抵抗を示す電流値を特定化するだけでなく、この電流値
範囲とのかねあいで、Si/Fe比を特定化したり、ト
ータルカーボン量を特定化したり、コート材(シリコー
ン樹脂溶液)の未硬化分を特定化することを通じて、現
像剤寿命を通してキャリアの性状変化をなくし、高画質
を安定的に得ることのできる電子写真用キャリアを提供
することを目的としている。
電子写真用キャリアは、二成分現像剤としてトナーとと
もに用いられるもので、Fe、カーボンを芯材としシリ
コーン樹脂を被膜した磁性キャリアをもって構成される
電子写真用キャリアであって、前記磁性キャリアの電気
抵抗を示す電流値が 1.0μA≦電流値≦5.0μA の範囲を示し、かつ、前記磁性キャリアのSi/Fe比
が 1.10≦Si/Fe比≦1.35 の範囲を示していることを特徴としている。
ャリアの電気抵抗を示す電流値として同一の値を示して
も、芯材の表面凹凸や無数の穴の形状により表面被膜さ
れたシリコーン樹脂の被膜厚み量の差異が発生する。芯
材の無数の穴に入り込んだシリコーン樹脂は、シリコー
ン樹脂膜厚の測定から除外されるからである。したがっ
て、キャリアとして単一な電流値測定では材料の振れが
分からない。しかし、本請求項1においては、キャリア
の電気抵抗を示す電流値の範囲だけでなく、キャリアの
Si/Fe比の範囲をも定めているので、蛍光X線を用
いてシリコーン樹脂被膜されたキャリアを測定すると、
シリコーン樹脂被膜材表面より数μmまでの芯材のFe
成分と被膜材のSi成分が定量的に求められ、シリコー
ン樹脂の性能が発揮される平均膜厚が判明する。結果と
して、芯材の無数の穴に入り込んだシリコーン樹脂はシ
リコーン樹脂膜厚の測定から除去され、Si/Feの比
率で確実にシリコーン樹脂が被膜され、同一性能のもの
が確認できる。見かけ上のキャリアの電気抵抗を示す電
流値ではなく、キャリア芯材表面に被膜材が均一にコー
トされたことに相当する状態が判明し、正規のキャリア
の電気抵抗を示す電流値をもつ電子写真用キャリアを提
供することができる。この電子写真用キャリアを用いた
画像形成においては、画像濃度が適当で、カブリ、キャ
リア上がり、クレスト、スペント、コート剥がれ、後端
欠けなどの不都合を極力抑制し、長期間にわたり画質劣
化のない良好な画像形成を安定的に行うことができると
ともに、トナー消費量を抑えることが可能となる。
アは、二成分現像剤としてトナーとともに用いられるも
ので、Fe、カーボンを芯材としシリコーン樹脂を被膜
した磁性キャリアをもって構成される電子写真用キャリ
アであって、前記磁性キャリアの電気抵抗を示す電流値
が 1.0μA≦電流値≦5.0μA の範囲を示し、かつ、前記磁性キャリアのトータルカー
ボン量が 0.205%≦トータルカーボン量≦0.235% の範囲を示していることを特徴としている。
度をもつ液体であるため、一部でシリコーン樹脂が被膜
されないことがあり、また、複写枚数が増すにつれてキ
ャリアに疲労が重なり破砕する可能性がある。キャリア
全体として単一な電流値測定では材料の振れが分からな
いので、キャリアを炭素量測定機でメチル基等含まれる
シリコーン樹脂被膜材のトータルカーボン量を測定、計
算して正確な被膜材付着量を算出する。この結果とし
て、確実にシリコーン樹脂が被膜され、同一性能のもの
の大量生産が可能となる。
アは、二成分現像剤としてトナーとともに用いられるも
ので、Fe、カーボンを芯材としシリコーン樹脂を被膜
した磁性キャリアをもって構成される電子写真用キャリ
アであって、前記磁性キャリアの電気抵抗を示す電流値
が 1.0μA≦電流値≦5.0μA の範囲を示し、かつ、前記シリコーン樹脂からなるキャ
リア被膜材の未硬化分が 未硬化分≦4.3% の範囲を示していることを特徴としている。
囲および未硬化分の範囲を上記のように設定することに
より、画像濃度、カブリ、キャリア上がり、クレスト、
スペント、コート剥がれ、トナー消費量、後端欠け、階
調性の各項目に係る総合評価において、画質劣化をほと
んど招かないすぐれた電子写真用キャリアを提供するこ
とができる。
アは、請求項1と請求項2の条件を同時に満たすか、あ
るいは請求項1と請求項3の条件を同時に満たすか、あ
るいは請求項2と請求項3の条件を同時に満たすか、あ
るいは請求項1と請求項2と請求項3の条件を同時に満
たす状態に構成されていることを特徴としている。
リ、キャリア上がり、クレスト、スペント、コート剥が
れ、トナー消費量、後端欠け、階調性の各項目に係る総
合評価において、画質劣化を全く生じない、きわめてす
ぐれた電子写真用キャリアを提供することができる。
ャリアの実施の形態について説明するが、その前に、実
施される各種の測定方法、すなわち、キャリア電流測定
方法、Si/Fe比測定方法、トータルカーボン量測定
方法および未硬化分測定方法について、a〜d項で説明
しておく。
高さ(現像剤をマグネットロールで回転させたときに感
光体ドラムと接する面上に出す現像剤のマグネットロー
ル表面から現像剤頂点までの高さ)を制御させるドクタ
ーブレード(穂立ち高さ制御板)を設けた導電性のスリ
ーブと対向して0.5〜1.0mmの距離に対向電極を
設け、この間にキャリアを磁気吸引させ、スリーブ内の
マグネットロールを回転させて対向電極の間に100V
の直流電圧を付加し、10kΩの抵抗の両端における電
圧低下を測り、これより検出する。電流値の単位は、m
V/Ωである。
M)を用いて、試料となるキャリアを定量して分析にか
ける。このときの分析抽出データとしては、Fe成分と
Si成分で検出された数値より、比を求める。
式EMIA−1200)を用いる。キャリアにコートさ
れているシリコーン樹脂に含まれる成分としてメチル
基、メトキシ基等のカーボン成分が上記分析装置内の焼
成炉で焼成されたときのCO2 ガス量により検出され
る。コア単体と既知カーボン量のキャリアの検量線よ
り、測定試料の炭素量を検出する。測定単位は%で表示
される。
なるキャリアを重量測定し、これを、未硬化分を溶かす
溶剤であるTHF(テトラヒドロフラン)溶液中に浸漬
し、THF溶液で溶解されたキャリア減少重量が未硬化
分として算出される。
−溶解後のキャリア重量)/(溶解前のキャリア重量−
樹脂コート前のキャリアの重量) 例として、第二に残存官能基の差による方法として、熱
走査FTIR装置(フーリエ変換インフラットスペクト
ロメーター)を用いて、コート被膜中の残存官能基の定
量分析により未硬化分を測定する。試料となるキャリア
を熱走査FTIR装置の一例であるFTS−15E/D
装置の走査セルにセットし、シロキサン結合のピークと
メトキシ基のピークの高さの比による未硬化分の算出を
行う。
ロキサン結合は硬化とともに増加する。
キシ基のピークの高さ) b=(100%硬化キャリアのシロキサン結合のピーク
の高さ−100%硬化キャリアのメトキシ基のピークの
高さ) 以下、本発明に係る電子写真用キャリアの実施の形態に
ついて実施例の形で説明する。ただし、本発明は、以下
に述べる素材等によって限定されるものではない。実施
例としてふさわしいものを割り出すために、いくつかの
実験例を取り扱うこととする。その実験例として、〔実
験例1〜39〕を取り扱い、それぞれについて、変更す
る製造条件および評価を、表1〜表8に記載する。
する乾燥温度が270℃の場合が〔実験例1〕、265
℃の場合が〔実験例2〕、260℃の場合が〔実験例
3〕、250℃の場合が〔実験例4〕、240℃の場合
が〔実験例5〕、235℃の場合が〔実験例6〕、23
0℃の場合が〔実験例7〕である。
ン、メチルシリコンおよびメチルフェニルシリコンを
3:1:6の割合で混合した混合シリコーン樹脂を作っ
た。また、さらにトルエンとブタノールを2:3の割合
で混合した溶媒を作った。そして、前記の混合シリコー
ン樹脂を前記の溶媒中に混合して、濃度10%のシリコ
ーン樹脂溶液を調合した。このシリコーン樹脂溶液中に
は、メチル基、メトキシ基などのカーボン成分が含まれ
ている。一方、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化銅で形成された
平均粒径90μmのフェライトコア(キャリア芯材)を
用意した。
合したシリコーン樹脂溶液1.0kgを流動型コーティ
ング装置を用いて塗布し、それぞれ〔実験例1〜7〕用
に、270℃、265℃、260℃、250℃、240
℃、235℃、230℃に温度設定した乾燥炉で1時間
熱処理をし、溶剤を蒸発させるとともに被膜を硬化さ
せ、二成分現像剤用の電子写真用キャリアを得た。
用キャリアの物性値を測定したところ、表1の(a)に
示す結果を得た。
値については、乾燥温度が低いと電流値が高く、乾燥温
度が高いと電流値は低くなる傾向を示した。そのキャリ
アの電気抵抗を示す電流値は、270℃で乾燥した〔実
験例1〕の場合が0.9μA、265℃で乾燥した〔実
験例2〕の場合が1.0μA、260℃で乾燥した〔実
験例3〕の場合が1.2μA、250℃で乾燥した〔実
験例4〕の場合が3.0μA、240℃で乾燥した〔実
験例5〕の場合が4.9μA、235℃で乾燥した〔実
験例6〕の場合が5.0μA、230℃で乾燥した〔実
験例7〕の場合が5.1μAであった。
4重量部、電荷調整剤を5重量部、PEWAX(ポリエ
チレンワックス)を2.5重量部、PPWAX(ポリプ
ロピレンワックス)を2.5重量部、カーボンブラック
を6重量部を混合、混練、粗砕、分級し、その後、外添
として、シリカとマグネタイトとタルサイトを混合しふ
るいにかけて、平均粒径10.0μmのトナーを作っ
た。
の各電子写真用キャリアとを混合して7種類の二成分現
像剤を作り、これらをそれぞれ別個に複写機(シャープ
株式会社製:商品名SF2022)にセットし、5万枚
コピーを行った。その結果を表1の(b)にまとめてあ
る。
μAの〔実験例4〕のものは、画像濃度もカブリも満足
するもので、画質の劣化はほとんど見受けられなかっ
た。また、コピー初期のキャリアと5万枚コピー後のキ
ャリアの電気抵抗を示す電流値は、コピー初期では3.
0μAであり、5万枚コピー後では3.1μAであり、
両者の差が充分に小さかった。ここで、キャリアの電気
抵抗を示す電流値3.0μAを得た〔実験例4〕の乾燥
温度250℃を条件Aとする。
μAの〔実験例2〕のもの、1.2μAの〔実験例3〕
のもの、4.9μAの〔実験例5〕のもの、5.0μA
の〔実験例6〕のもののそれぞれについて、画像濃度、
カブリ、キャリア上がり、クレスト(画像濃度の高い後
端エッジ部でトナーが飛び散ったような画質がでる現
象)、スペント(粒子間の衝突等による発熱でキャリア
表面にトナーが融着する現象)、コート剥がれ(シリコ
ーン樹脂によるキャリア皮膜材の剥離現象)、後端欠け
および階調性を調べた結果、画質の劣化はあまり見受け
られなかった。
値が0.9μAの〔実験例1〕のものは、コピー初期画
質より画像濃度が低く、キャリア上がり、文字の後端が
欠ける後端欠けの不良現象を生じた。なお、キャリア上
がりについて説明すると、本来は感光体ドラム上の静電
潜像としてトナーのみが付着されるべきところ、キャリ
アも同時に感光体ドラム上に付着することがあり、これ
をキャリア上がりと称する。キャリア上がりが生じる
と、複写用紙にトナー像が転写されるときにキャリアも
転写されて画質がざらついたものになるという問題のほ
か、感光体ドラムがキャリアによって劣化するという問
題を生じる。
のものは、コピー初期画質よりカブリが高く、クレス
ト、スペント、コート剥がれが発生し、トナー消費量も
多く、階調性が悪いといった不良現象を生じた。
後列の総合判定の欄で○印で示すように、キャリアの電
気抵抗を示す電流値が、 1.0μA≦電流値≦5.0μA の範囲を示す〔実験例2〜6〕のものが一応の合格とな
った。しかし、個々の物性値の良否判定において、特に
良くもなければ特に悪くもない△印を付けたケースも含
まれており、キャリアの電気抵抗を示す電流値が、1.
0μA≦電流値≦5.0μAの範囲を示すだけでは、充
分に高い画質を期待できるわけでもないことも判明し
た。そこで、次の実験を行った。
示す電流値が3.0μA)にて7種類の電子写真用キャ
リアを製造した。この場合に、製造条件として、フェラ
イトコアに塗布する混合シリコーン樹脂溶液であるコー
ト溶液量を変更した。すなわち、表2の(a)に示すよ
うに、フェライトコア10kgに対して混合したシリコ
ーン樹脂溶液(コート溶液)を0.90kgとした場合
が〔実験例8〕、0.92kgとした場合が〔実験例
9〕、0.96kgとした場合が〔実験例10〕、1.
00kgとした場合が〔実験例11〕、1.04kgと
した場合が〔実験例12〕、1.08kgとした場合が
〔実験例13〕、1.10kgとした場合が〔実験例1
4〕である。その他の条件はの場合と同様である。
真用キャリアの物性値を測定したところ、表2の(a)
に示す結果を得た。
値については、3.0μAで一定であったが、Si/F
e比については、キャリア芯材であるフェライトコアに
塗布するシリコーン樹脂(コート溶液)の量が少ないと
Si/Fe比が小さく、多いとSi/Fe比が大きくな
る傾向を示した。そのSi/Fe比は、フェライトコア
に塗布するシリコーン樹脂(コート溶液)の量が0.9
0kgの〔実験例8〕の場合が1.05であり、コート
溶液0.92kgの〔実験例9〕の場合が1.10であ
り、コート溶液0.96kgの〔実験例10〕の場合が
1.20であり、コート溶液1.00kgの〔実験例1
1〕の場合が1.25であり、コート溶液1.04kg
の〔実験例12〕の場合が1.30であり、コート溶液
1.08kgの〔実験例13〕の場合が1.35であ
り、コート溶液1.10kgの〔実験例14〕の場合が
1.40であった。
の場合とまったく同様の条件で作った。このトナーと
の場合の〔実験例8〜14〕の各電子写真用キャリアと
を混合して7種類の二成分現像剤を作り、これらをそれ
ぞれ別個に複写機(シャープ株式会社製:商品名SF2
022)にセットし、5万枚コピーを行った。その結果
を表2の(b)にまとめてある。
のものは、画像濃度、カブリ、キャリア上がり、クレス
ト等の画質の変化はほとんどなく、画質の劣化はほとん
ど見受けられなかった。また、コピー初期のキャリアと
5万枚コピー後のキャリアのSi/Fe比は、コピー初
期では1.25であり、5万枚コピー後では1.24で
あり、両者の差は充分に小さかった。ここで、Si/F
e比が1.25を示す〔実験例11〕のコート溶液量
(シリコーン樹脂溶液量)1.00kgを条件Bとす
る。
もの、1.20の〔実験例10〕のもの、1.30の
〔実験例12〕のもの、1.35の〔実験例13〕のも
ののそれぞれについて、画像濃度、カブリ、キャリア上
がり、クレスト等の画質の変化を調べた結果、画質の劣
化はあまり見受けられなかった。
コーン樹脂(コート溶液)の溶液量が0.90kgで、
Si/Fe比が1.05の〔実験例8〕のものは、少し
カブリが高く、クレスト、コート剥がれを発生し、ま
た、トナー消費量が多く、階調性が悪いという不良現象
を生じた。
ン樹脂(コート溶液)の溶液量が1.10kgで、Si
/Fe比が1.40の〔実験例14〕のものは、画像濃
度が少し低く、キャリア上がり、スペント、後端欠けの
不良現象を生じた。
後列の総合判定の欄で○印で示すように、Si/Fe比
が、 1.10≦Si/Fe比≦1.35 の範囲を示す〔実験例9〜13〕のものが合格となっ
た。
表2の(a)の範囲として、キャリアの電気抵抗を示す
電流値を、 1.0μA≦電流値≦5.0μA の範囲で変化させて見たところ、ほぼ同様の結果が得ら
れた。
もに用いられるもので、Fe、カーボンを芯材としシリ
コーン樹脂を被膜した磁性キャリアをもって構成される
電子写真用キャリアであって、前記磁性キャリアの電気
抵抗を示す電流値が 1.0μA≦電流値≦5.0μA の範囲を示し、かつ、前記磁性キャリアのSi/Fe比
が、 1.10≦Si/Fe比≦1.35 の範囲を示している電子写真用キャリアは、画像濃度、
カブリ、キャリア上がり、クレスト、スペント、コート
剥がれ、後端欠け、階調性の各項目に係る総合評価にお
いて、画質劣化をほとんど招かないすぐれたキャリアで
あることが判った。また、トナー消費量を充分に少なく
抑えることができる。したがって、〔実験例9〜13〕
は本発明の実施例として有効である。
を示す電流値が3.0μA、Si/Fe比が1.25)
にて7種類の電子写真用キャリアを製造した。この場合
に、製造条件として、フェライトコアにシリコーン樹脂
溶液を塗布した後の乾燥時間を変化させた。すなわち、
表3の(a)に示すように、塗布したシリコーン樹脂溶
液の乾燥時間を80分とした場合が〔実験例15〕、7
5分とした場合が〔実験例16〕、70分とした場合が
〔実験例17〕、60分とした場合が〔実験例18〕、
50分とした場合が〔実験例19〕、45分とした場合
が〔実験例20〕、40分とした場合が〔実験例21〕
である。その他の条件は,の場合と同様である。
写真用キャリアの物性値を測定したところ、表3の
(a)に示す結果を得た。
値については、3.0μAで一定であったが、トータル
カーボン量(ここではカーボンブラックの量)について
は、シリコーン樹脂溶液の乾燥時間が長いとトータルカ
ーボン量は少なく、乾燥時間が短いとトータルカーボン
量は多くなる傾向を示した。そのトータルカーボン量
は、乾燥時間が80分の〔実験例15〕の場合が0.2
00%であり、乾燥時間が75分の〔実験例16〕の場
合が0.205%であり、乾燥時間が70分の〔実験例
17〕の場合が0.210%であり、乾燥時間が60分
の〔実験例18〕の場合が0.220%であり、乾燥時
間が50分の〔実験例19〕の場合が0.230%であ
り、乾燥時間が45分の〔実験例20〕の場合が0.2
35%であり、乾燥時間が40分の〔実験例21〕の場
合が0.240%であった。
の場合とまったく同様の条件で作った。このトナーと
の場合の〔実験例15〜21〕の各電子写真用キャリア
とを混合して7種類の二成分現像剤を作り、これらをそ
れぞれ別個に複写機(シャープ株式会社製:商品名SF
2022)にセットし、5万枚コピーを行った。その結
果を表3の(b)にまとめてある。
験例18〕のものは、画像濃度、カブリ、キャリア上が
り、コート剥がれ、後端欠け等の画質の変化はほとんど
見受けられなかった。また、コピー初期のキャリアと5
万枚コピー後のキャリアのトータルカーボン量は、コピ
ー初期では0.220%であり、5万枚コピー後では
0.215%であり、両者の差は充分に小さかった。こ
こで、トータルカーボン量が0.220%を示す〔実験
例18〕の乾燥時間60分を条件Cとする。
験例16〕のもの、0.210%の〔実験例17〕のも
の、0.230%の〔実験例19〕のもの、0.235
%の〔実験例20〕のもののそれぞれについて、画像濃
度、カブリ、キャリア上がり、コート剥がれ、後端欠け
等の画質の変化を調べた結果、画質の劣化はあまり見受
けられなかった。
乾燥時間が80分で、トータルカーボン量が0.200
%の〔実験例15〕のものは、若干画像濃度が低く、キ
ャリア上がり、コート剥がれ、後端欠けの不良現象を生
じた。
0分で、トータルカーボン量が0.240%の〔実験例
21〕のものは、若干カブリが高く、クレスト、スペン
トが発生し、階調性が悪く、トナー消費量も多いという
問題があった。特に、トナーがキャリア表面に融着する
スペントが目立った。
後列の総合判定の欄で○印で示すように、トータルカー
ボン量が、 0.205%≦トータルカーボン量≦0.235% の範囲を示す〔実験例16〜20〕のものが合格となっ
た。
(a)の範囲として、キャリアの電気抵抗を示す電流値
を、 1.0μA≦電流値≦5.0μA の範囲で変化させて見たところ、ほぼ同様の結果が得ら
れた。
もに用いられるもので、Fe、カーボンを芯材としシリ
コーン樹脂を被膜した磁性キャリアをもって構成される
電子写真用キャリアであって、前記磁性キャリアの電気
抵抗を示す電流値が 1.0μA≦電流値≦5.0μA の範囲を示し、かつ、前記磁性キャリアのトータルカー
ボン量が、 0.205%≦トータルカーボン量≦0.235% の範囲を示している電子写真用キャリアは、画像濃度、
カブリ、キャリア上がり、クレスト、スペント、コート
剥がれ、後端欠け、階調性の各項目に係る総合評価にお
いて、画質劣化をほとんど招かないすぐれたキャリアで
あることが判った。また、トナー消費量も充分に少なく
抑えることができる。したがって、〔実験例16〜2
0〕は本発明の実施例として有効である。
を示す電流値が3.0μA、トータルカーボン量が0.
220%)にて3種類の電子写真用キャリアを製造し
た。この場合に、製造条件として、シリコーン樹脂溶液
を塗布する前の芯材であるフェライトコアの比表面積を
変化させた。すなわち、表4の(a)に示すように、フ
ェライトコアの比表面積を130cm2/gとした場合
が〔実験例22〕、140cm2/gとした場合が〔実
験例23〕、120cm2/gとした場合が〔実験例2
4〕である。その他の条件は,の場合と同様であ
る。
写真用キャリアの物性値を測定したところ、表4の
(a)に示す結果を得た。
35、1.15と変化したが、キャリアの電気抵抗を示
す電流値CIbについては3.0μAで一定であり、ト
ータルカーボン量については0.220%で一定であっ
た。フェライトコアの比表面積が130cm2/gの場
合が〔実験例22〕であり、140cm2/gの場合が
〔実験例23〕であり、120cm2/gの場合が〔実
験例24〕である。
のように変えた電子写真用キャリアについて、Si/F
e比とキャリアの電気抵抗を示す電流値CIbとの関係
を検討したところ、図1に示すような特性を得た。ま
た、トータルカーボン量とキャリアの電気抵抗を示す電
流値CIbとの関係を検討したところ、図2に示すよう
な特性を得た。キャリアの電気抵抗を示す電流値CIb
をαで表し、Si/Fe比をX1 で表し、トータルカー
ボン量をX2 で表す。キャリアの電気抵抗を示す電流値
αを、 α1 =−11.5×X1 +16.4(図1の下側の直線
の関数) α2 =−11.5×X1 +18.4(図1の上側の直線
の関数) α3 =99.6×X2 −20.1 (図2の下側の直線
の関数) α4 =99.6×X2 −18.1 (図2の上側の直線
の関数) で表現すると、 α1 ≦α≦α2 かつ α3 ≦α≦α4 を満たすときを「数式内」とし、それぞれ上側の直線の
関数よりも上側にプロットされる状態を「数式外上」と
し、それぞれ下側の直線の関数よりも下側にプロットさ
れる状態を「数式外下」とする。〔実験例22〕は数式
内に該当し、〔実験例23〕は数式外上に該当し、〔実
験例24〕は数式外下に該当する。
の場合とまったく同様の条件で作った。このトナーと
の場合の〔実験例22〜24〕の各電子写真用キャリア
とを混合して3種類の二成分現像剤を作り、これらをそ
れぞれ別個に複写機(シャープ株式会社製:商品名SF
2022)にセットし、6万枚コピーを行った。その結
果を表4の(b)にまとめてある。
/gの〔実験例22〕のものは、画像濃度、カブリ、キ
ャリア上がり、クレスト、スペント、コート剥がれ、後
端欠け、階調性で全く問題がなく、画質の劣化はほとん
ど認められなかった。トナー消費量も比較的に少なかっ
た。そして、Si/Fe比およびトータルカーボン量は
コピー初期と6万枚コピー後とで変化が少ないものであ
った。結果として、の〔実験例9〜13〕、の〔実
験例16〜20〕に比べて、電流値設定と物性の振れが
少ない信頼性の高い電子写真用キャリアが製造され、は
るかに高画質な画像が長期間にわたって安定的に得られ
た。また、6万枚コピー後でもトナーの帯電量が急激に
下がることはなく、現像槽周りからの飛散もなかった。
ここで、フェライトコアの比表面積130cm2/gを
条件Dとする。
40cm2/gの数式外上の〔実験例23〕のもので
は、カブリが高く、クレスト、コート剥がれが発生し、
トナー消費量が多く、階調性が悪いという不良現象が発
生した。また、6万枚コピー後のトナー帯電量は急激に
下がり、画質劣化を生じるとともに、現像槽周りでもト
ナー飛散が目立った。
cm2/gの数式外下の〔実験例24〕のものでは、画
像濃度が低く、キャリア上がり、スペント、コート剥が
れ、後端欠けが発生した。また、6万枚コピー後のトナ
ーの帯電量は急激に上昇し画像濃度が低くなった。
を示す電流値が3.0μA、トータルカーボン量が0.
220%、数式内)にて3種類の電子写真用キャリアを
製造した。この場合に、製造条件として、フェライトコ
アにシリコーン樹脂溶液(コート材)を塗布した後、本
乾燥前に、本乾燥でコート材の硬化を促進させるために
事前乾燥(PreCure)を10分間行い、コート材
(シリコーン樹脂溶液)に含まれる溶剤の一部を除去す
るようにした。そして、PreCureの温度として、
表5の(a)に示すように、100℃に設定した場合が
〔実験例25〕であり、90℃に設定した場合が〔実験
例26〕であり、85℃に設定した場合が〔実験例2
7〕である。その他の条件は,と同様である。
写真用キャリアの物性値を測定したところ、表5の
(a)に示す結果を得た。
値については3.0μAで一定であったが、PreCu
re温度が低くなるにつれてコート材の未硬化分が増加
する傾向が見られた。その未硬化分の量は、PreCu
re温度が100℃の〔実験例25〕の場合が4.0%
であり、90℃の〔実験例26〕の場合が4.3%であ
り、85℃の〔実験例27〕の場合が4.4%であっ
た。
の場合とまったく同様の条件で作った。このトナーと
の場合の〔実験例25〜27〕の各電子写真用キャリア
とを混合して3種類の二成分現像剤を作り、これらをそ
れぞれ別個に複写機(シャープ株式会社製:商品名SF
2027)にセットし、6万枚コピーを行った。その結
果を表5の(b)にまとめてある。
分間の条件Eに基づいたキャリアコート材の未硬化分が
4.0%の〔実験例25〕のものは、画像濃度、カブ
リ、キャリア上がり、クレスト、スペント、コート剥が
れ、後端欠け、階調性、トナー消費量の各項目について
全く問題がなく、高画質が得られた。また、文字の太さ
の再現性についても調べたところ、コピー初期と6万枚
コピー後では変化が少なかった。
化分が4.3%の〔実験例26〕のものでは、若干スペ
ントとコート剥がれが発生するが一応満足できるレベル
にあった。
未硬化分が4.4%の〔実験例27〕のものでは、カブ
リが高く、クレスト、スペント、コート剥がれが発生
し、トナー消費量が多く、階調性が悪いという不良現象
を生じた。
後列の総合判定の欄で○印で示すように、キャリアコー
ト材の未硬化分の量が、 未硬化分≦4.3% の範囲を示す〔実験例25,26〕のものが合格となっ
た。
を表5の(a)の範囲として、キャリアの電気抵抗を示
す電流値を、 1.0μA≦電流値≦5.0μA の範囲で変化させて見たところ、ほぼ同様の結果が得ら
れた。
もに用いられるもので、Fe、カーボンを芯材としシリ
コーン樹脂を被膜した磁性キャリアをもって構成される
電子写真用キャリアであって、前記磁性キャリアの電気
抵抗を示す電流値が 1.0μA≦電流値≦5.0μA の範囲を示し、かつ、前記磁性キャリアに対するコート
材の未硬化分の量が、 未硬化分≦4.3% の範囲を示している電子写真用キャリアは、画像濃度、
カブリ、キャリア上がり、クレスト、スペント、コート
剥がれ、トナー消費量、後端欠け、階調性の各項目に係
る総合評価において、画質劣化をほとんど招かないすぐ
れたキャリアであることが判った。したがって、〔実験
例25,27〕は本発明の実施例として有効である。
を示す電流値が3.0μA、コート材の未硬化分≦4.
3%)にて4種類の電子写真用キャリアを製造した。こ
の場合に、製造条件として、シリコーン樹脂溶液のコー
ト前のフェライトコアの空隙率(%/V:一定体積測定
機にフェライトコアと水銀を入れ、加圧したときのコア
空隙への水銀注入度)を変化させた。すなわち、表6の
(a)に示すように、空隙率を2.5%/Vとした場合
が〔実験例28〕、2.3%/Vとした場合が〔実験例
29〕、1.7%/Vとした場合が〔実験例30〕、
1.5%/Vとした場合が〔実験例31〕である。
写真用キャリアの物性値を測定したところ、表6の
(a)に示す結果を得た。
値については3.0μAで一定であり、コート材の未硬
化分の量も4.0%と一定であったが、Si/Fe比に
ついては、フェライトコアの空隙率が高いとSi/Fe
比が小さく、空隙率が低いとSi/Fe比が大きくなる
傾向を示した。そのSi/Fe比は、フェライトコアの
空隙率が2.5%/Vの〔実験例28〕の場合が1.0
9、空隙率が2.3%/Vの〔実験例29〕の場合が
1.10、空隙率が1.7%/Vの〔実験例30〕の場
合が1.35、空隙率が1.5%/Vの〔実験例31〕
の場合が1.36であった。
の場合とまったく同様の条件で作った。このトナーと
の場合の〔実験例28〜31〕の各電子写真用キャリア
とを混合して4種類の二成分現像剤を作り、これらをそ
れぞれ別個に複写機(シャープ株式会社製:商品名SF
2027)にセットし、7万枚コピーを行った。その結
果を表6の(b)にまとめてある。
〔実験例29〕のものは、画像濃度、キャリア上がり、
コート剥がれ、後端欠け、階調性、トナー消費量等の物
性は満足するレベルにあった。
/Vの〔実験例30〕のものは、カブリ、キャリア上が
り、クレスト、スペント、後端欠け、階調性、トナー消
費量等の物性は満足するレベルにあった。
に、コート材がフェライトコアにくさびを打つように強
固に固着してフェライトコアがストレスで破砕されるこ
とは少なくなった。
5%/Vの〔実験例28〕のものでは、クレスト、スペ
ントが発生しやすく、カブリも生じ、トナー消費量が多
いという不良現象を生じた。
/Vの〔実験例31〕のものでは、コート剥がれが生じ
やすく、画像濃度の悪化、キャリア上がり、後端欠けに
よる文字細りが発生しやすくなった。
後列の総合判定の欄で○印で示すように、フェライトコ
アの空隙率が、 1.7%≦空隙率≦2.3% の範囲を示す〔実験例29,30〕のものが合格となっ
た。
を示す電流値が3.0μA、コート材の未硬化分≦4.
3%)にて5種類の電子写真用キャリアを製造した。こ
の場合に、製造条件として、フェライトコアにシリコー
ン樹脂溶液(コート材)を塗布した後、本乾燥前に、本
乾燥でコート材の硬化を促進させるために事前乾燥(P
reCure)を10分間行い、コート材(シリコーン
樹脂溶液)に含まれる溶剤の一部を除去するようにし
た。そして、PreCureの時間として、PreCu
re温度が100℃のもとで、表7の(a)に示すよう
に、13分に設定した場合が〔実験例32〕であり、1
2分に設定した場合が〔実験例33〕であり、10分に
設定した場合が〔実験例34〕であり、8分に設定した
場合が〔実験例35〕であり、7分に設定した場合が
〔実験例36〕である。その他の条件は,と同様で
ある。
写真用キャリアの物性値を測定したところ、表7の
(a)に示す結果を得た。
値は3.0μAで一定であり、コート材の未硬化分が
4.0%で一定であったが、トータルカーボン量につい
ては、PreCure時間が長いときにトータルカーボ
ン量が少なく、PreCure時間が短いときにトータ
ルカーボン量が多くなる傾向を示した。そのトータルカ
ーボン量は、PreCure時間が13分の〔実験例3
2〕の場合には0.200%であり、12分の〔実験例
33〕の場合には0.205%であり、10分の〔実験
例34〕の場合には0.220%であり、8分の〔実験
例35〕の場合には0.235%であり、7分の〔実験
例36〕の場合には0.240%であった。
の場合とまったく同様の条件で作った。このトナーと
の場合の〔実験例32〜36〕の各電子写真用キャリア
とを混合して5種類の二成分現像剤を作り、これらをそ
れぞれ別個に複写機(シャープ株式会社製:商品名SF
2027)にセットし、7万枚コピーを行った。その結
果を表7の(b)にまとめてある。
ーボン量が0.220%の〔実験例34〕の場合は、画
像濃度、カブリ、キャリア上がり、クレスト、スペン
ト、コート剥がれ、後端欠け、階調性の問題はなく、画
質の劣化は生じなかった。トナー消費量も少ない。ま
た、コピー初期と7万枚コピー後とでは細線再現性、次
世代コピー(コピーしたものを原稿として5回繰り返
す)で変化が少なく、ライフを7万枚まで延ばせること
ができる。
タルカーボン量が0.205%の〔実験例33〕のもの
も、PreCure時間が8分でトータルカーボン量が
0.235%の〔実験例35〕のものも一応満足できる
結果が得られた。
トータルカーボン量が0.200%の〔実験例32〕の
ものでは、キャリア上がりがあり、後端欠けが少し目立
った。
ルカーボン量が0.240%の〔実験例36〕のもので
は、クレスト、スペント、コート剥がれが生じ、階調性
も悪く、トナー消費量も多いという不良現象を生じた。
後列の総合判定の欄で○印で示すように、PreCur
e時間が、 8分≦PreCure時間≦12分 の範囲を示す〔実験例33〜35〕のものが合格となっ
た。
を示す電流値が3.0μA、トータルカーボン量が0.
220%)にて3種類の電子写真用キャリアを製造し
た。この場合に、製造条件として、フェライトコアにシ
リコーン樹脂溶液を塗布する前のフェライトコアの飽和
磁化値を表8の(a)のように変化させる。なお、飽和
磁化値の測定はつぎのように行う。電磁石の間に磁場測
定用コイルを入れる。測定フェライトコアをコイル内に
入れ、電磁石の電流を変化させて磁場を変化させ、磁場
およびコイルの出力を積分し、磁場出力をX軸にしコイ
ル出力をY軸にしてヒステリシスを描き、飽和磁化値
〔emu/g〕を求める。
〔実験例37〕であり、65emu/gとした場合が
〔実験例38〕であり、45emu/gとした場合が
〔実験例39〕である。
写真用キャリアの物性値を測定したところ、表8の
(a)に示す結果を得た。
%、3.7%、4.3%と変化したが、キャリアの電気
抵抗を示す電流値CIbは3.0μAで一定であり、S
i/Fe比は1.25で一定であり、トータルカーボン
量も0.220%で一定である。そして、フェライトコ
アの飽和磁化を55emu/g、65emu/g、45
emu/gと変化させた電子写真用キャリアについて、
未硬化分の量とキャリアの電気抵抗を示す電流値CIb
との関係を検討したところ、図3に示すような特性を得
た。また、Si/Fe比とキャリアの電気抵抗を示す電
流値CIbとの関係の特性は図1のように得られてお
り、トータルカーボン量とキャリアの電気抵抗を示す電
流値CIbとの関係の特性は図2のように得られてい
る。
す電流値CIbをαで表し、Si/Fe比をX1 で表
し、トータルカーボン量をX2 で表し、未硬化分をX3
で表す。キャリアの電気抵抗を示す電流値αを、 α1 =−11.5×X1 +16.4(図1の下側の直線
の関数) α2 =−11.5×X1 +18.4(図1の上側の直線
の関数) α3 =99.6×X2 −20.1 (図2の下側の直線
の関数) α4 =99.6×X2 −18.1 (図2の上側の直線
の関数) α5 =5.4×X3 −19.6 (図3の下側の直線
の関数) α6 =5.4×X3 −17.6 (図3の上側の直線
の関数) で表現すると、 α1 ≦α≦α2 かつ α3 ≦α≦α4 かつ α5 ≦
α≦α6 を満たすときを「数式内」とし、それぞれ上側の直線の
関数よりも上側にプロットされる状態を「数式外上」と
し、それぞれ下側の直線の関数よりも下側にプロットさ
れる状態を「数式外下」とする。〔実験例37〕は数式
内に該当し、〔実験例38〕は数式外上に該当し、〔実
験例39〕は数式外下に該当する。
の場合とまったく同様の条件で作った。このトナーと
の場合の〔実験例37〜39〕の各電子写真用キャリア
とを混合して3種類の二成分現像剤を作り、これらをそ
れぞれ別個に複写機(シャープ株式会社製:商品名SF
2027)にセットし、10万枚コピーを行った。その
結果を表8の(b)にまとめてある。
gの〔実験例37〕のものは、画像濃度、カブリ、キャ
リア上がり、クレスト、スペント、コート剥がれ、後端
欠け、階調性で全く問題がなく、画質の劣化はほとんど
認められなかった。トナー消費量も比較的に少なかっ
た。そして、Si/Fe比およびトータルカーボン量は
コピー初期と10万枚コピー後とで変化が少ないもので
あった。結果として、高画質のものが通常の1.5倍の
10万枚のロングライフまで保証される品質を得た。そ
して、の〔実験例9〜13〕、の〔実験例16〜2
0〕、の〔実験例22〕、の〔実験例25,2
6〕、の〔実験例29,30〕、の〔実験例33〜
35〕に比べて、電流値設定と物性の振れが少ない信頼
性の高い電子写真用キャリアが製造され、はるかに高画
質な画像が長期間にわたって安定的に得られた。
5emu/gの数式外上の〔実験例38〕のものは、特
に穂立ちが強く、また、カブリ、クレストの面で問題が
あり、現状の現像条件では階調性が悪い不良現象を生じ
た。
mu/gの数式外下の〔実験例39〕のものでは穂立ち
が弱く、現状の現像条件では階調性は良いが、ノーマル
モードでの画像濃度不足する不良現象を生じた。また、
コート剥がれや後端欠けの問題もある。
後列の総合判定の欄で○印で示すように、フェライトコ
アの飽和磁化が55emu/gの〔実験例37〕のもの
が合格となった。
コアのほか、鉄粉コアやマグネタイトコアを用いてもよ
い。
リアによれば、磁性キャリアの電気抵抗を示す電流値の
範囲を、1.0μA≦電流値≦5.0μAと設定し、か
つ、磁性キャリアのSi/Fe比の範囲を、1.10≦
Si/Fe比≦1.35と設定したので、キャリア皮膜
材としてのシリコーン樹脂がキャリア芯材の無数の穴に
入り込んだとしても、キャリア芯材表面に被膜材が均一
にコートされたことに相当する状態での正規のキャリア
の電気抵抗を示す電流値をもつ電子写真用キャリアを提
供することができ、この電子写真用キャリアを用いた画
像形成においては、画像濃度が適当で、カブリ、キャリ
ア上がり、クレスト、スペント、コート剥がれ、後端欠
けなどの不都合を極力抑制し、長期間にわたり画質劣化
のない良好な画像形成を安定的に行うことができるとと
もに、トナー消費量を抑えることができる。
アによれば、磁性キャリアの電気抵抗を示す電流値の範
囲を、1.0μA≦電流値≦5.0μAと設定し、か
つ、磁性キャリアのトータルカーボン量の範囲を、0.
205%≦トータルカーボン量≦0.235%と設定し
たので、シリコーン樹脂をその粘度にかかわらずキャリ
ア芯材にほぼ均一にコートすることができ、同一性能の
ものの大量生産を容易にすることができる。
アによれば、磁性キャリアの電気抵抗を示す電流値の範
囲を、1.0μA≦電流値≦5.0μAと設定し、か
つ、シリコーン樹脂からなるキャリア被膜材の未硬化分
の範囲を、未硬化分≦4.3%と設定したので、画像濃
度、カブリ、キャリア上がり、クレスト、スペント、コ
ート剥がれ、トナー消費量、後端欠け、階調性の各項目
に係る総合評価において、画質劣化をほとんど招かない
すぐれた電子写真用キャリアを提供することができる。
アによれば、請求項1,2の組み合わせ、あるいは請求
項1,3の組み合わせ、あるいは請求項2,3の組み合
わせ、あるいは請求項1〜3の組み合わせによるもので
あるので、各請求項の長所が相乗されることとなり、画
像濃度、カブリ、キャリア上がり、クレスト、スペン
ト、コート剥がれ、トナー消費量、後端欠け、階調性の
各項目に係る総合評価において、画質劣化を全く生じな
い、きわめてすぐれた電子写真用キャリアとすることが
できる。
についてSi/Fe比とキャリアの電気抵抗を示す電流
値との関係を示す特性図である。
についてトータルカーボン量とキャリアの電気抵抗を示
す電流値との関係を示す特性図である。
についてコート材(シリコーン樹脂溶液)の未硬化分の
量とキャリアの電気抵抗を示す電流値との関係を示す特
性図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 二成分現像剤としてトナーとともに用い
られるもので、Fe、カーボンを芯材としシリコーン樹
脂を被膜した磁性キャリアをもって構成される電子写真
用キャリアであって、前記磁性キャリアの電気抵抗を示
す電流値が 1.0μA≦電流値≦5.0μA の範囲を示し、かつ、前記磁性キャリアのSi/Fe比
が 1.10≦Si/Fe比≦1.35 の範囲を示していることを特徴とする電子写真用キャリ
ア。 - 【請求項2】 二成分現像剤としてトナーとともに用い
られるもので、Fe、カーボンを芯材としシリコーン樹
脂を被膜した磁性キャリアをもって構成される電子写真
用キャリアであって、前記磁性キャリアの電気抵抗を示
す電流値が 1.0μA≦電流値≦5.0μA の範囲を示し、かつ、前記磁性キャリアのトータルカー
ボン量が 0.205%≦トータルカーボン量≦0.235% の範囲を示していることを特徴とする電子写真用キャリ
ア。 - 【請求項3】 二成分現像剤としてトナーとともに用い
られるもので、Fe、カーボンを芯材としシリコーン樹
脂を被膜した磁性キャリアをもって構成される電子写真
用キャリアであって、前記磁性キャリアの電気抵抗を示
す電流値が 1.0μA≦電流値≦5.0μA の範囲を示し、かつ、前記シリコーン樹脂からなるキャ
リア被膜材の未硬化分が 未硬化分≦4.3% の範囲を示していることを特徴とする電子写真用キャリ
ア。 - 【請求項4】 請求項1と請求項2の条件を同時に満た
すか、あるいは請求項1と請求項3の条件を同時に満た
すか、あるいは請求項2と請求項3の条件を同時に満た
すか、あるいは請求項1と請求項2と請求項3の条件を
同時に満たす状態に構成されていることを特徴とする電
子写真用キャリア。
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JP16904896A JP3273162B2 (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | 電子写真用キャリア |
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JP16904896A JP3273162B2 (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | 電子写真用キャリア |
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Cited By (4)
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- 1996-06-28 JP JP16904896A patent/JP3273162B2/ja not_active Expired - Fee Related
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