JPH10205569A - 二輪車の倒立型フロントフォーク - Google Patents

二輪車の倒立型フロントフォーク

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JPH10205569A
JPH10205569A JP2193497A JP2193497A JPH10205569A JP H10205569 A JPH10205569 A JP H10205569A JP 2193497 A JP2193497 A JP 2193497A JP 2193497 A JP2193497 A JP 2193497A JP H10205569 A JPH10205569 A JP H10205569A
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JP
Japan
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outer tube
inner tube
tube
front fork
bush
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JP2193497A
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Inventor
Shuichi Kawahara
修一 河原
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Showa Corp
Original Assignee
Showa Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アウタチューブとインナチューブとのがたつ
き現象を抑制できるとともに、減衰力を好適に調整する
ことができるようにすること。 【解決手段】 アンダブラケット28Bを介して車体側
に保持されるアウタチューブ21と、車軸を保持するイ
ンナチューブ22とが、アウタチューブの開口端部内周
に固定した第1ガイドブッシュ26、及びアウタチュー
ブの内周に固定した第2ガイドブッシュ27を介して収
容自在に嵌合された二輪車の倒立型フロントフォーク2
0において、インナチューブの外周には、このインナチ
ューブが第1ガイドブッシュ及び第2ガイドブッシュの
みにてアウタチューブに支持されるように、スライドブ
ッシュ54が両ブッシュ間に配設され、アウタチュー
ブ、インナチューブ及び両ガイドブッシュにて囲まれた
空間に第1可変容積室55A、第2可変容積室55Bが
形成され、インナチューブには、各可変容積室をインナ
チューブ内部と連通するオリフィス56、57が形成さ
れたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インナチューブと
アウタチューブとがテレスコピックに摺動自在に嵌合さ
れた二輪車の倒立型フロントフォークに関する。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車の倒立型フロントフォーク
は、アウタチューブ内にインナチューブが摺動自在に挿
通され、これらのアウタチューブ及びインナチューブ内
に、懸架スプリング及びダンパ装置が配設されて構成さ
れる。一対のフロントフォークのアウタチューブがアッ
パブラケット及びアンダブラケットを介して車体側に保
持される。また、一対のフロントフォークのインナチュ
ーブに、車軸ブラケットを介して前輪が軸支される。こ
のフロントフォークにより、路面からの衝撃が上記懸架
スプリングにて吸収され、フロントフォークの伸縮振動
が上記ダンパ装置にて抑制される。
【0003】上述のようなフロントフォークにあって
は、図5に示すように、アウタチューブ2の開口端部内
周に下部ガイドブッシュ4が配設され、更に、下部ガイ
ドブッシュ4と所定距離を隔てて上記アウタチューブ2
の内周に上部ガイドブッシュ5が配設されて、インナチ
ューブ3がアウタチューブ2に対し摺動自在に構成され
たものがある。このようなフロントフォーク1は、下部
ガイドブッシュ4と上部ガイドブッシュ5の位置関係が
固定であるため固定嵌合長式のフロントフォークと称さ
れている。
【0004】このフロントフォーク1では、アウタチュ
ーブ2がアンダブラケット6にクランプされて縮径状態
となっても、ガイドブッシュ5の位置をアンダブラケッ
ト8のクランプ位置から適宜離して設計することによ
り、インナチューブ3をアウタチューブ2に対し良好に
摺動させることができる。このため、下部ガイドブッシ
ュ4及び上部ガイドブッシュ5の内周面とインナチュー
ブ3の外周面とのブッシュクリアランスを最小に設定で
きるので、アウタチューブ2とインナチューブ3とのが
たつき現象を抑制することができる。
【0005】また、図6に示すように、従来の他のフロ
ントフォーク11には、アウタチューブ12の開口端部
内周に下部ガイドブッシュ14が配設され、インナチュ
ーブ13の先端部外周に上部ガイドブッシュ15が配設
されて、インナチューブ13がアウタチューブ12に対
し摺動自在に構成されたものもある。このようなフロン
トフォーク11は、下部ガイドブッシュ14と上部ガイ
ドブッシュ15との位置関係がフロントフォーク11の
伸縮によって変動するため、可変嵌合長式のフロントフ
ォークと称されている。
【0006】このフロントフォーク11では、アウタチ
ューブ12、インナチューブ13及び両ガイドブッシュ
14、15に囲まれた空間が可変容積室18となるた
め、特にフロントフォーク11の伸長工程で、可空容積
室18からインナチューブ13内部へ、オリフィス17
を経て作動油が強制的に流れ、このとき減衰力が発生す
る。従って、このフロントフォーク11では、ダンパ装
置により発生する減衰力の不足分を、上記オリフィス1
7にて発生する減衰力により補うことができる。尚、図
5及び図6において符号hは作動油の油面を示す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図5に示す
フロントフォーク1では、アウタチューブ2、インナチ
ューブ3及び両ガイドブッシュ4、5にて囲まれる空間
が可変容積室ではないため、インナチューブ3に形成さ
れた開口7を介して、上記空間とインナチューブ3内部
との間に作動油が強制的に流れることがない。このた
め、フロントフォーク1の減衰力は、ダンパ装置にて発
生した減衰力に限られる。
【0008】また、図6に示すフロントフォーク11で
は、上部ガイドブッシュ15がアウタチューブ12の内
周面に摺接するため、アウタチューブ12がアンダブラ
ケット16のクランプによって縮径すると、その影響を
受ける。このため、上部ガイドブッシュ15の外周面と
アウタチューブ12の内周面とのブッシュクリアランス
を大きく設定しなければならず、この結果、アウタチュ
ーブ12とインナチューブ13との摺動時にがたつき現
象が発生する。
【0009】本発明の課題は、上述の事情を考慮してな
されたものであり、アウタチューブとインナチューブと
のがたつき現象を抑制できる固定嵌合長式のフロントフ
ォークにおいて、減衰力を好適に調整することができる
二輪車の倒立型フロントフォークを提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、ブラケットを介して車体側に保持されるアウタチュ
ーブと、車軸を保持するインナチューブとが、上記アウ
タチューブの開口端部内周に固定した下部ブッシュ、及
び上記アウタチューブの内周に固定した上部ブッシュを
介して摺動自在に嵌合され、これらのアウタチューブ及
びインナチューブ内に懸架スプリング及びダンパ装置が
配設されるとともに、作動油が充填された二輪車の倒立
型フロントフォークにおいて、上記インナチューブの外
周には、このインナチューブが上記上部ブッシュ及び上
記下部ブッシュのみにて上記アウタチューブに支持され
るように、スライドピストンが上記両ブッシュ間に配設
されて、上記アウタチューブ、上記インナチューブ及び
上記両ブッシュにて囲まれた空間に2つの可変容積室が
形成され、上記インナチューブには、各可変容積室のそ
れぞれをインナチューブ内部と連通するオリフィスが形
成されたものである。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、上記スライドピストンは、アウタチュ
ーブの内周面に対しクリアランスを有して配設されたス
ライドブッシュであるようにしたものである。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、上記スライドピストンは、アウタチュ
ーブの内周面に摺接する変形可能な弾性体から構成され
たものである。
【0013】請求項1に記載の発明には、次の作用があ
る。インナチューブの外周に、このインナチューブが上
部ブッシュ及び下部ブッシュのみにてアウタチューブに
支持されるようにスライドピストンが配設されて、アウ
タチューブ、インナチューブ及び両ブッシュに囲まれた
空間に2つの可変容積室が形成され、各可変容積室のそ
れぞれがオリフィスを介してインナチューブ内部に連通
されたので、フロントフォークの伸縮時に可変容積室と
インナチューブ内部との間でオリフィスを経て作動油が
強制的に流れることにより、減衰力が発生する。従っ
て、このオリフィスにて発生する減衰力とダンパ装置に
て発生する減衰力とにより、フロントフォークの減衰力
を好適に調整することができる。
【0014】また、スライドピストンは、インナチュー
ブが上部ブッシュ及び下部ブッシュにてアウタチューブ
に支持されるようにインナチューブ外周に配設されてい
るので、インナチューブがアウタチューブに対し上部ブ
ッシュ、下部ブッシュ及びスライドピストンによる3点
支持とならず、このため、アウタチューブとインナチュ
ーブの摺動不良が発生することがない。
【0015】更に、上部ブッシュ及び下部ブッシュがア
ウタチューブの内周に配設されたので、上記両ブッシュ
を介してのインナチューブの摺動は、アンダブラケット
によるアウタチューブの縮径の影響を受けることがな
い。このため、両ブッシュの内周面とインナチューブの
外周面との隙間としてのブッシュクリアランスを最小に
設定できるので、インナチューブとアウタチューブとの
がたつき現象を抑制することができる。
【0016】請求項2に記載の発明には、次の作用があ
る。スライドピストンとしてのスライドブッシュがアウ
タチューブの内周面に対し積極的にクリアランスを有し
て配設されたので、アンダブラケットによるアウタチュ
ーブの縮径を上記クリアランスにて吸収できる。このた
め、アウタチューブとインナチューブとの摺動性を良好
にできる。特に、二輪車のコーナリング走行時にフロン
トフォークに曲げ荷重が作用したとき、インナチューブ
が上部ブッシュと下部ブッシュとによってアウタチュー
ブに対し確実に二点支持されるので、この場合にも、ア
ウタチューブとインナチューブとの摺動性を良好にでき
る。
【0017】請求項3に記載の発明には、次の作用があ
る。弾性体からなるスライドピストンがアウタチューブ
の内周面に摺接しても、この弾性体のスライドピストン
の変形により、インナチューブのアウタチューブに対す
る摺動性を良好に確保できる。
【0018】また、弾性体のスライドピストンがアウタ
チューブの内周面に摺接するので、可変容積室内の作動
油を相互に流出入させることなく、インナチューブのオ
リフィスを介してインナチューブ内部のみへ流出入させ
ることができる。この結果、上記オリフィスにより発生
する減衰力を大きく設定でき、フロントフォークの減衰
性能をより一層向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る二輪車の
倒立型フロントフォークの一つの実施の形態を示す縦断
面図である。図2は、図1の主要部の断面図である。図
3は、図2のIII 部拡大断面図である。図4は、スライ
ドピストンの変形例を示す断面図である。
【0020】図1に示すように、自動二輪車の倒立型の
フロントフォーク20は、アウタチューブ21内にイン
ナチューブ22が挿通され、両チューブ21及び22間
に懸架スプリング23及びダンパ装置24が内蔵して構
成されたものであり、アウタチューブ21がアッパブラ
ケット28A及びアンダブラケット28Bを介して車体
側に支持され、インナチューブ22の車軸ブラケット2
5に車軸が支持される。
【0021】アウタチューブ21の開口端部30内周に
下部ブッシュとしての第1ガイドブッシュ26が、更
に、この第1ガイドブッシュ26と離間したアウタチュ
ーブ21の内周に、上部ブッシュとしての第2ガイドブ
ッシュ27がそれぞれ固着される。第1ガイドブッシュ
26及び第2ガイドブッシュ27のそれぞれの内周面が
インナチューブ22の外周面に摺接することにより、ア
ウタチューブ21及びインナチューブ22が摺動自在に
構成される。
【0022】懸架スプリング23の下端部は、スプリン
グシート29及び車軸ブラケット25を介してインナチ
ューブ22に支持される。また、懸架スプリング23の
上端は、スプリングスライダ30、スプリングカラー3
1及びスプリングアジャスタ機構(図示せず)を介して
アウタチューブ21に支持される。この懸架スプリング
23により、路面からの衝撃力が吸収される。
【0023】上記スプリングアジャスタ機構は、スプリ
ングアジャスタ32を回転することにより、スプリング
カラー31を軸方向に移動させて、懸架スプリング23
の初期荷重を変更するものである。
【0024】上記ダンパ装置24は、インナチューブ2
2から立設されたダンパシリンダ33と、ピストン34
及びニードル弁(図示せず)を備えたピストンバルブ機
構35と、ベースピストン及びベースニードル8(共に
図示せず)を備えたベースバルブ機構36と、を有して
構成される。これらのピストンバルブ機構35及びベー
スバルブ機構36により発生する減衰力によって、懸架
スプリング23による衝撃力の吸収に伴い発生するアウ
タチューブ21及びインナチューブ22の伸縮摺動が抑
制される。
【0025】ダンパシリンダ33は、車軸ブラケット2
5にセンターボルト37を用いて固定されることにより
インナチューブ22内に配置されて、インナチューブ2
2との間にリザーバ室38を形成する。
【0026】ピストンバルブ機構35におけるピストン
34は、中空形状のピストンロッド39にピストンホル
ダ40を介して固着され、ピストンロッド39がロッド
ホルダ41を用いてアウタチューブ21に支持される。
上記ピストン34により、ダンパシリンダ33内が上室
42Aと下室42Bとに区画される。
【0027】このピストン34に、伸側流路43及び圧
側流路44が軸方向に貫通して形成され、又、軸方向両
端面に伸側バルブ45、圧側バルブ(チェックバルブ)
46が配設される。
【0028】ピストンバルブ機構35の伸側バルブ45
及び圧側バルブ46並びに図示しないニードル弁によっ
て、インナチューブ22がアウタチューブ21内へ侵入
するフロントフォーク20の圧縮時に、下室42Bから
の作動油(油面H)が、圧側流路44を通り圧側バルブ
46を開いて上室42Aへ導かれる。
【0029】インナチューブ22がアウタチューブ21
内から突出するフロントフォーク20の伸長時には、ダ
ンパシリンダ33とピストン34との相対速度が中高速
のとき、上室42Aからの作動油が伸側流路43を経
て、伸側バルブ45を撓み変形させて下室42B内へ流
れ、この間に伸側中高速時の減衰力が発生する。また、
フロントフォーク20の伸長時で、ダンパシリンダ33
に対するピストン34の相対速度が低速である場合に
は、上室42Aからの作動油が図示しないニードル弁を
経て下室42Bへ導かれ、この間に伸側低速時の減衰力
が発生する。
【0030】ベースバルブ機構36は車軸ブラケット2
5に設置され、連通路47を介してダンパシリンダ33
の下室42Bに連通され、連通路48を介してリザーバ
室38に連通される。このベースバルブ機構36のベー
スピストンに図示しない圧側バルブ及び伸側バルブ(チ
ェックバルブ)が装着される。
【0031】フロントフォーク20の圧縮時には、ダン
パシリンダ33内にピストンロッド39が侵入してダン
パシリンダ33の容積が減少するので、ピストンロッド
39の侵入体積相当分の作動油は、下室42Bから連通
路47を経てベースバルブ室36を通り、連通路48を
経てリザーバ室38へ導かれる。このとき、ダンパシリ
ンダ33とピストン34との相対速度が低速のときに
は、下室42Bからの作動油は、ベースバルブ機構36
のベースニードル弁を通り、このベースニードル弁にて
圧側低速時の減衰力を発生する。また、ダンパシリンダ
33とピストン34との相対速度が中高速のときには、
下室42B内の作動油がベースバルブ機構36の圧側バ
ルブを撓み変形させ、この間に圧側中高速時の減衰力が
発生する。
【0032】また、フロントフォーク20の伸長時に
は、ダンパシリンダ33からピストンロッド39が抜け
出て、その分ダンパシリンダ33内の容積が増大するの
で、リザーバ室38内の作動油が連通路48を経てベー
スバルブ機構36の伸側バルブを押し開き、連通路47
を経て下室42B内へ導かれる。
【0033】従って、上述のように構成されたダンパ装
置24では、フロントフォーク20の圧縮行程で、ベー
スバルブ機構36におけるベースニードル弁及び圧側バ
ルブを流れる作動油により、それぞれ圧側低速時、圧側
中高速時の減衰力が発生する。また、フロントフォーク
20の伸長行程では、ピストンバルブ機構35における
ニードル弁及び伸側バルブ45を流れる作動油により、
それぞれ伸側低速時、伸側中高速時の減衰力が発生す
る。これらの各減衰力により、フロントフォーク20の
伸縮運動が抑制される。
【0034】ここで、アウタチューブ21の開口端部3
0には、第1ガイドブッシュ26に対し軸方向に隣接し
てオイルシール50が装着される。このオイルシール5
0は、ワッシャ51及びストッパリング52によってア
ウタチューブ21に装着され、このオイルシール50に
隣接して更にダストシール53が装着されている。
【0035】さて、図1及び図2に示すように、インナ
チューブ22の外周には、第1ガイドブッシュ26と第
2ガイドブッシュ27との間にスライドピストンとして
の金属製のスライドブッシュ54が、アウタチューブ2
1の内周面に対しクリアランスT(図3)を有して固着
される。従って、インナチューブ22はアウタチューブ
21に、第2ガイドブッシュ27及び第1ガイドブッシ
ュ26のみにて2点支持される。また、上記スライドブ
ッシュ54により、アウタチューブ21、インナチュー
ブ22、第1ガイドブッシュ26及び第2ガイドブッシ
ュ27に囲まれた空間が 2つの可変容積室55A及び5
5Bに区画される。そして、インナチューブ22には、
可変容積室55A、55Bのそれぞれをインナチューブ
22の内部に連通するオリフィス56、57が開口され
ている。
【0036】フロントフォーク20の圧縮行程では、第
1可変容積室55Aの容積が減少し、第2可変容積室5
5Bの容積が増大するので、第1可変容積室55A内の
作動油がオリフィス56を経てインナチューブ22内部
へ流入し、この間に圧側減衰力が発生する。同時に、イ
ンナチューブ22内の作動油がオリフィス57を経て第
2可変容積室55B内へ流入して、第2可変容積室55
Bの負圧が解消される。
【0037】また、フロントフォーク20の伸長行程で
は、第2可変容積室55Bの容積が減少し、第1可変容
積室55Aの容積が増大するので、第2可変容積室55
B内の作動油がオリフィス57を経てインナチューブ2
2内部へ流入し、この間に伸側減衰力が発生する。同時
に、インナチューブ22内の作動油がオリフィス56を
経て第1可変容積室55A内へ流入して、第1可変容積
室55Aの負圧が解消される。
【0038】従って、上記実施の形態によれば、次の
〜の効果を奏する。 インナチューブ22の外周に、このインナチューブ2
2が第2ガイドブッシュ27及び第1ガイドブッシュ2
6のみにてアウタチューブ21に支持されるようにスラ
イドピストン54が配設されて、アウタチューブ21、
インナチューブ22、第1ガイドブッシュ26及び第2
ガイドブッシュ27に囲まれた空間に第1可変容積室5
5A、第2可変容積室55Bが形成され、各可変容積室
55A、55Bがオリフィス56、57を介してインナ
チューブ22内部に連通されたので、フロントフォーク
20の伸縮時に、第1可変容積室55A、第2可変容積
室55Bとインナチューブ22内部との間でオリフィス
56、57を経て作動油がそれぞれ強制的に流れること
により、減衰力が発生する。従って、このオリフィス5
6、57にて発生する減衰力とダンパ装置24にて発生
する減衰力とにより、フロントフォーク20の減衰力を
好適に調整することができる。
【0039】スライドブッシュ54は、インナチュー
ブ22が第1ガイドブッシュ26及び第2ガイドブッシ
ュ27にてアウタチューブ21に支持されるようにイン
ナチューブ22外周に配設されたので、インナチューブ
22がアウタチューブ21に対し、第1ガイドブッシュ
26、第2ガイドブッシュ27及びスライドブッシュ5
4による3点支持とならず、このため、アウタチューブ
21とインナチューブ22の摺動不良が発生することが
ない。
【0040】また、第1ガイドブッシュ26及び第2
ガイドブッシュ27がアウタチューブ21の内周に配設
されたので、アンダブラケット28Bによってアウタチ
ューブ21が縮径されても、その縮径代が第1ガイドブ
ッシュ26、第2ガイドブッシュ27の厚さ寸法にて吸
収されることから、上記両ガイドブッシュ26、27を
介してのインナチューブ22の摺動は、アンダブラケッ
ト28Bによるアウタチューブ21の縮径の影響を受け
ることがない。このため、上記第1ガイドブッシュ2
6、第2ガイドブッシュ27の内周面とインナチューブ
22の外周面との隙間としてのブッシュクリアランスを
最小に設定できるので、インナチューブ22とアウタチ
ューブ21とのがたつき現象を抑制することができる。
【0041】更に、スライドブッシュ54がアウタチ
ューブ21の内周面に対してクリアランスTを有して配
設されたので、アンダブラケット28Bによるアウタチ
ューブ21の縮径を上記クリアランスTにて吸収でき
る。このため、スライドブッシュ54の存在によって
も、アウタチューブ21とインナチューブ22との摺動
性を良好に維持できる。特に、自動二輪車のコーナリン
グ走行時にフロントフォーク20に曲げ荷重が作用した
とき、インナチューブ22が第1ガイドブッシュ26と
第2ガイドブッシュ27とによってアウタチューブ21
に対し確実に二点支持されるので、この場合にも、アウ
タチューブ21とインナチューブ22との摺動性を良好
にできる。
【0042】上記実施の形態では、スライドピストンが
スライドブッシュ54にて構成されたものを述べたが、
図4に示すように、スライドピストン60が変形可能な
弾性体にて構成され、このスライドピストン60が、ア
ウタチューブ21の内周面に摺接して配設されたもので
もよい。
【0043】このスライドピストン60でも、上記実施
の形態の、及びの効果を奏するとともに、次の
及びの効果を奏する。 弾性体からなるスライドピストン60がアウタチュー
ブ21の内周面に摺接しても、このスライドピストン6
0の変形により、アンダブラケット28Bによるアウタ
チューブ21の縮径を吸収できるので、インナチューブ
22のアウタチューブ21に対する摺動性を良好に確保
できる。
【0044】また、弾性体のスライドピストン60が
アウタチューブ21の内周面に摺接するので、第1可変
容積室55A、第2可変容積室55B内の作動油は、前
記実施の形態の如く、スライドブッシュ54のクリアラ
ンスTを経て相互に流出入することがなく、インナチュ
ーブ22のオリフィス56、57を経てインナチューブ
22内部のみへ流出入する。この結果、上記オリフィス
56、57により発生する減衰力を大きく設定できるの
で、フロントフォーク20の減衰性能をより一層向上さ
せることができる。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る二輪車の倒
立型フロントフォークによれば、アウタチューブとイン
ナチューブとのがたつき現象を抑制できるとともに、減
衰力を好適に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る二輪車の倒立型フロント
フォークの一つの実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】図2は、図1の主要部の断面図である。
【図3】図3は、図2のIII 部拡大断面図である。
【図4】図4は、スライドピストンの変形例を示す断面
図である。
【図5】図5は、従来の固定嵌合長式のフロントフォー
クの主要部を示す断面図である。
【図6】図6は、従来の可変嵌合長式のフロントフォー
クの主要部を示す断面図である。
【符号の説明】
20 フロントフォーク 21 アウタチューブ 22 インナチューブ 23 懸架スプリング 24 ダンパ装置 26 第1ガイドブッシュ(下部ブッシュ) 27 第2ガイドブッシュ(上部ブッシュ) 28B アンダブラケット 33 ダンパシリンダ 35 ピストンバルブ機構 36 ベースバルブ機構 54 スライドブッシュ(スライドピストン) 55A 第1可変容積室 55B 第2可変容積室 56、57 オリフィス 60 スライドピストン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラケットを介して車体側に保持される
    アウタチューブと、車軸を保持するインナチューブと
    が、上記アウタチューブの開口端部内周に固定した下部
    ブッシュ、及び上記アウタチューブの内周に固定した上
    部ブッシュを介して摺動自在に嵌合され、これらのアウ
    タチューブ及びインナチューブ内に懸架スプリング及び
    ダンパ装置が配設されるとともに、作動油が充填された
    二輪車の倒立型フロントフォークにおいて、 上記インナチューブの外周には、このインナチューブが
    上記上部ブッシュ及び上記下部ブッシュのみにて上記ア
    ウタチューブに支持されるように、スライドピストンが
    上記両ブッシュ間に配設されて、上記アウタチューブ、
    上記インナチューブ及び上記両ブッシュにて囲まれた空
    間に2つの可変容積室が形成され、 上記インナチューブには、各可変容積室のそれぞれをイ
    ンナチューブ内部と連通するオリフィスが形成されたこ
    とを特徴とする二輪車の倒立型フロントフォーク。
  2. 【請求項2】 上記スライドピストンは、アウタチュー
    ブの内周面に対しクリアランスを有して配設されたスラ
    イドブッシュである請求項1に記載の二輪車の倒立型フ
    ロントフォーク。
  3. 【請求項3】 上記スライドピストンは、アウタチュー
    ブの内周面に摺接する変形可能な弾性体から構成された
    ものである請求項1に記載の二輪車の倒立型フロントフ
    ォーク。
JP2193497A 1997-01-22 1997-01-22 二輪車の倒立型フロントフォーク Withdrawn JPH10205569A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004068839A (ja) * 2002-08-01 2004-03-04 Showa Corp 車両の油圧緩衝器
JP2004301160A (ja) * 2003-03-28 2004-10-28 Kayaba Ind Co Ltd ストラット型ショックアブソーバ

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