JPH10205474A - 回転式圧縮機 - Google Patents

回転式圧縮機

Info

Publication number
JPH10205474A
JPH10205474A JP940997A JP940997A JPH10205474A JP H10205474 A JPH10205474 A JP H10205474A JP 940997 A JP940997 A JP 940997A JP 940997 A JP940997 A JP 940997A JP H10205474 A JPH10205474 A JP H10205474A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blade
bearing plate
rotary compressor
cylinder
oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP940997A
Other languages
English (en)
Inventor
Takekazu Obitani
武和 帯谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP940997A priority Critical patent/JPH10205474A/ja
Publication of JPH10205474A publication Critical patent/JPH10205474A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレード背後空間から上方への油上がりを防
止する。 【解決手段】 上部軸受板8の外周のブレード背後空間
12近傍に、高圧側に開放されたブレード背後空間12
の上部を覆うように、上部軸受板8の外周の一部に、該
上部軸受板8と一体的に形成された鍔状部8aを有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、冷暖房用空調機
や冷凍機などに使用される回転式圧縮機に関し、特に、
シリンダ室を高圧側と低圧側とに区画するブレードが、
シリンダ室の内周に沿って公転しながら揺動する円柱状
の揺動ピストンの外周において径方向に延びるように設
けらた方式の回転式圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本願発明が適用される回転式圧縮機とし
て、シリンダ室内をその内周面に沿って公転しながら揺
動する揺動ピストンと、シリンダ室を高圧側と低圧側と
に区画するブレードとが一体的に揺動する方式のもの
と、ブレードが揺動ピストンとは分離された別部材から
なり、ブレードの端部が揺動ピストンの外周面に摺接し
ながら、揺動ピストンの揺動に応じてブレードがブレー
ド背後空間内を往復運動する方式のものが存在する。前
者の方式の従来の回転式圧縮機の一例(以下「第1の従
来例」と記す)を図7および図8に示す。
【0003】図7および図8に示された従来の回転式圧
縮機においては、密閉されかつ内部が高圧に保持された
ケーシング1内に、電動要素となるモータ2と、このモ
ータ2によって回転駆動される圧縮要素とが配置されて
いる。モータ2は、固定子3と回転子4とを有する。固
定子3は、ケーシング1の内壁に取付けられかつ磁束線
を通しやすい材料よりなる筒状のステータコア3aと、
このステータコア3aの上下両端の各々に配設されたコ
イル3bとを有する。回転子4は、固定子3の中央空間
部にエアギャップ5を介在して設けられている。回転子
4にはクランク軸6が圧入されており、このクランク軸
6を介してモータ2と圧縮要素とが連結される。
【0004】圧縮要素は、上下に開口する円柱状空間か
らなるシリンダ室7aを含むシリンダ7と、このシリン
ダ7を上下から挟んで、シリンダ室7aを閉塞する上部
軸受板8(通称「フロントヘッド」)および下部軸受板
9(通称「リアヘッド」)と、シリンダ室7aの内周に
沿って公転しながら揺動する円柱状の揺動ピストン10
とを含む。揺動ピストン10は、偏心部10aを介して
クランク軸6の外周に取付けられ、揺動ピストン10の
外周には、シリンダ室7aを高圧側と低圧側とに区画す
るブレード11が、径方向に延びるように、揺動ピスト
ン10と一体的に設けられている。
【0005】シリンダ7には、揺動ピシトン10から離
れた側のブレード11の端部近傍が収納されて、揺動ピ
ストン10の揺動とともにブレード11が揺動しながら
往復運動するための、ブレード背後空間12が形成され
ている。ブレード背後空間12においてブレード11
は、ブレード背後空間12とシリンダ室7aとの間に配
置される1対の揺動ブッシュ13a,13bによって、
進退自在に挟持される。また揺動ブッシュ13a,13
bは、ブレード11を挟持した状態で揺動可能に、シリ
ンダ7に嵌合して取付けられている。
【0006】ブレード背後空間12は、閉じ切った空間
とすると、揺動ピストン10の揺動に伴うブレード11
の往復運動のために、圧縮と膨張を繰り返すことにな
り、その圧縮に要する仕事のために負荷動力が高くなっ
て、圧縮機としての性能が大きく低下する。そのため、
ブレード背後空間11において圧縮と膨張が生じないよ
うに、このブレード背後空間11の上部が、上部軸受板
8に覆われることなく高圧側に開放されている。
【0007】またシリンダ7には、ガス冷媒をシリンダ
室7a内に送り込むための吸入管14が接続されてい
る。上部軸受板8の上端面には、圧縮後のガス冷媒をケ
ーシング1内に吐出する際の騒音を抑制するための吐出
マフラー15が取付けられている。なお、ケーシング1
上部には、高圧に圧縮されたガス冷媒を外部に吐出する
ための吐出管16が取付けられている。また、ケーシン
グ1の底部には、下部軸受板9等が浸される油溜17が
ある。
【0008】この発明は、上記第1の従来例の方式の回
転式圧縮機のみでなく、たとえば特公平7−26633
号公報に開示されているような、ブレードが揺動ピスト
ンとは分離された別部材からなり、ブレードの端部が揺
動ピストンの外周面に摺接しながら、揺動ピストンの揺
動に応じてブレードがブレード背後空間内を往復運動す
る方式の回転式圧縮機(以下「第2の従来例」と記す)
も適用対象となる。この第2の従来例の回転圧縮機(図
示省略)においては、特にブレードがシリンダ室の差圧
によって上方に押し付けられるために、ブレードと上側
のブッシュ(上記第1の従来例のブッシュ13aに相
当)との間への給油が困難になることから、この部分へ
の給油を可能にする目的で、やはりブレード背後空間の
上方が、上部軸受板に覆われることなく高圧側に開放さ
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記第1
および第2の従来例のいずれの回転式圧縮機において
も、ブレード背後空間の上方が、上部軸受板に覆われる
ことなく高圧側に開放されているため、揺動ピストンの
揺動に伴うブレードの往復運動により、油溜まりの油面
付近で油を拡販することになる。その結果、たとえば圧
縮機を冷凍サイクルに使用した場合、高圧側に開放され
たブレード背後空間の上部から油がミスト状になって上
昇し、これが吐出管を通って圧縮機外の冷凍サイクルに
冷媒とともに流入する油上がりを増加させ、冷凍特性を
劣化させるという問題があった。
【0010】この発明は、上記従来の問題点を解消する
ため、ブレード背後空間からの油の上昇による油上がり
の増加を防止することにより、圧縮機を適用した冷凍サ
イクル等の特性の向上を図ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
の回転式圧縮機は、密閉ケーシング内に回転駆動軸を有
する電動要素と、密閉ケーシング内に配され、回転駆動
軸によって駆動される回転圧縮要素とを備え、回転圧縮
要素は、上下に開口する円柱状空間からなるシリンダ室
を含むシリンダと、シリンダを上下から挟んで、シリン
ダ室を閉塞する上部軸受板および下部軸受板と、シリン
ダ室を高圧側と低圧側とに区画するブレードが、外周に
径方向に延びるように設けられ、シリンダ室の内周に沿
って公転しながら揺動する、円柱状の揺動ピストンとを
含み、密閉ケーシングの底部から所定の高さにかけて、
少なくとも下部軸受板を浸す油溜まりを有し、シリンダ
には、ブレードの端部近傍が収納されて、揺動ピストン
の揺動とともにブレードが揺動しながら往復運動するた
めのブレード背後空間が形成され、該背後空間の上部が
高圧側に開放された回転式圧縮機に関している。
【0012】この回転式圧縮機の特徴は、上部軸受板の
外周のブレード背後空間近傍に、ブレード背後空間の高
圧に開放された上部を覆うように設けられた油上がり防
止手段を有する点にある。
【0013】この構成によれば、油上がり防止手段によ
ってブレード背後空間の上部を覆うことにより、ブレー
ド背後空間内でのブレードの往復摺動運動による油の攪
拌に起因して油がミスト状になって上昇することが遮ら
れるため、油上がりが低減され、圧縮機を適用した冷凍
サイクル等の特性の向上を図ることができる。
【0014】請求項2に記載の本発明の回転式圧縮機で
は、油上がり防止手段が、上部軸受板の外周の一部に、
該上部軸受板と一体的に形成された鍔状部を含む。
【0015】このように、油上がり防止手段を、一体形
成された上部軸受部の一部分によって構成することによ
り、部品点数を増加することなく、また、部品の製造コ
ストを上昇させることなく、油上がりの低減を実現する
ことができる。
【0016】また、請求項3に記載の回転式圧縮機で
は、油上がり防止手段が、シリンダの上側端面と所定の
隙間を介して設けられている。このような隙間を設ける
ことにより、ブレード背後空間の高圧側への開放の効果
を損なうことなく、しかもミスト状の油の上昇を遮る効
果が維持されて、油上がりの防止を図ることができる。
【0017】上記請求項1ないし3に記載の本発明の回
転式圧縮機の構造は、請求項4に記載の本発明のよう
に、ブレードが揺動ピストンの外周に固定され、該揺動
ピストンと一体的に揺動する方式、および、請求項5に
記載のように、ブレードが揺動ピストンとは分離された
別部材からなり、ブレードの揺動ピストン側の端部が、
揺動ピストンの外周面に摺接することにより、揺動ピス
トンのシリンダ内での公転に追従して、ブレードがブレ
ード背後空間内を往復運動する方式の、両方の回転式圧
縮機に適用可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図6を用いて、この
発明の実施の形態について説明する。
【0019】(実施の形態1)図1および図2に、本発
明の実施の形態1における回転式圧縮機を示す。これら
の図においては、図7および図8に示した第1の従来例
の構造と同一または相当の要素には、同一の参照番号を
付して、詳細な説明を省略する。
【0020】本実施の形態の回転式圧縮機は、図1およ
び図2を参照して、密閉されたケーシング1内に、電動
要素となるモータ2と、このモータ2によって回転駆動
される圧縮要素とが配置されている。モータ2は、固定
子3と回転子4とを有する。固定子3は、ケーシング1
の内壁に取付けられた筒状のステータコア3aと、この
ステータコア3aの上下両端の各々に配設されたコイル
3bとを有する。回転子4は、固定子3の中央空間部に
エアギャップ5を介在して設けられている。回転子4に
はクランク軸6が圧入されており、このクランク軸6を
介してモータ2と圧縮要素とが連結される。
【0021】圧縮要素は、上下に開口する円柱状空間か
らなるシリンダ室7aを含むシリンダ7と、このシリン
ダ7を上下から挟んで、シリンダ室7aを閉塞する上部
軸受板8および下部軸受板9と、シリンダ室7aの内周
に沿って公転しながら揺動する円柱状の揺動ピストン1
0とを含む。揺動ピストン10は、偏心部10aを介し
てクランク軸6の外周に取付けられ、揺動ピストン10
の外周には、シリンダ室7aを高圧側と低圧側とに区画
するブレード11が、径方向に延びるように、揺動ピス
トン10と一体的に設けられている。
【0022】シリンダ7にはブレード背後空間12が形
成されており、このブレード背後空間12においてブレ
ード11は、ブレード背後空間12とシリンダ室7aと
の間に配置される1対の揺動ブッシュ13a,13bに
よって、進退自在に挟持される。また揺動ブッシュ13
a,13bは、ブレード11を挟持した状態で揺動可能
に、シリンダ7に嵌合して取付けられている。
【0023】シリンダ7には吸入管14が接続され、上
部軸受板8の上端面には吐出マフラー15が取付けら
れ、ケーシング1上部には、吐出管16が取付けられて
いる。また、ケーシング1の底部には、下部軸受板9等
が浸される油溜17がある。
【0024】以上の構成は、上記第1の従来例として図
7および図8に示した回転式圧縮機と特に変わるところ
はない。本実施の形態の回転式圧縮機の構造が、上記第
1の従来例と異なるのは、第1の従来例においてはブレ
ード背後空間12の上部が高圧側に開放されているのに
対して、本実施の形態においては、ブレード背後空間1
2の上部が上部軸受板8の一部によって遮蔽されている
ことである。このブレード背後空間12の上部を遮蔽す
る上部軸受板8の部分は、上部軸受板8の外周のブレー
ド背後空間12に対応する位置に、一体的に設けられた
鍔状部8aからなっている。
【0025】このように、ブレード背後空間12の上部
を上部軸受板8の一部により遮蔽することにより、ブレ
ード背後空間12内のブレード11の往復摺動運動に伴
う油の攪拌に起因する、油がミスト状になって上昇する
現象が防止され、その結果、油が吐出管16を通って圧
縮機外へ出ていく油上がりを低減することができる。そ
の結果、油上がりによる圧縮機としての特性劣化が防止
されるとともに、油溜17における油の減少が抑制され
て、油面の高さを維持することができる。
【0026】このような鍔状部8aを有する上部軸受板
8は、上記第1の従来例における上部軸受板8とほぼ同
様の工程で、鋳造等により容易に形成することができ、
特に部品点数を増加させることがないだけでなく、製造
コストも大きく上昇させることはない。
【0027】なお、本実施の形態の構造では、ブレード
背後空間12の上部が上部軸受部8によって覆われる
が、ブレード背後空間12の下部が油溜17側に開放さ
れているため、ブレード背後空間12の高圧側への開放
の効果は大きく損なわれることがない。仮に、ブレード
背後空間12の下部が油溜17側に開放されずに下部軸
受板9によって閉塞されている場合には、シリンダ7
に、ブレード背後空間12と油溜17との間を連通する
貫通孔が設けられることにより、ブレード背後空間12
の高圧側への開放の効果が確保される。
【0028】図3に、本発明の実施の形態1の回転圧縮
機と、上記第1の従来例の回転圧縮機との油上がり防止
効果を対比した実験データをグラフにしたものを示す。
この図からわかるように、上部軸受部8に鍔状部8aを
有する実施の形態1の方が、上部軸受部8に鍔状部8a
を有しない第1の従来例にくらべて、圧縮機の回転数が
30Hz(1800rpm)から50Hz(3000r
pm)にかけて、油上がり率が0.01wt.%以上低
下していることがわかる。 (実施の形態2)図4に、本発明の実施の形態2におけ
る回転式圧縮機を示す。図4においては、第1の従来例
あるいは上記実施の形態1の回転圧縮機の構造と同一ま
たは相当の要素には、同一の参照番号を付して、詳細な
説明を省略する。
【0029】本実施の形態の回転式圧縮機が上記実施の
形態1と異なるのは、実施の形態1においては上部軸受
板8に一体的に設けられた鍔状部8aの下端面がシリン
ダ7の上面に接してブレード背後空間12の上部を遮蔽
しているのに対して、本実施の形態においては、上部軸
受板8に一体的に設けられた鍔状部8bの下端面が、シ
リンダ7の上面との間に隙間18を介してブレード背後
空間12の上部を覆っている点のみであり、その他は実
施の形態1の構造と同様である。
【0030】本実施の形態の回転式圧縮機の構造によれ
ば、上部軸受板8の鍔状部8bの下端面とシリンダ7の
上面との間に、隙間18を介在させていることにより、
ブレード背後空間12の下部が油溜17側に開放されず
に下部軸受板9によって閉塞され、かつ、シリンダ7に
はブレード背後空間12と油溜17との間を連通する貫
通孔も設けられていない場合においても、ブレード背後
空間12の上部が高圧側に開放されることになり、その
結果ブレード11の圧縮による負荷動力の発生が防止さ
れる。しかも、上部軸受板8の鍔状部8bの下端面がブ
レード背後空間12の上面を覆うため、ブレード背後空
間12内でのブレード11の往復摺動運動による攪拌に
よって油面が振動し、油がミスト状になって上昇しよう
としても、上部軸受板8の鍔状部8bの下端面に当たっ
て結露し、隙間18を通って油溜17に戻ることにな
る。その結果、油上がり現象が防止されるとともに、油
溜17における油の減少が抑制されて、油面の高さを維
持することができる。
【0031】(実施の形態3)図5および図6に、本発
明の実施の形態3における回転式圧縮機を示す。これら
の図においても、第1の従来例あるいは上記実施の形態
1の回転圧縮機の構造と同一または相当の要素には、同
一の参照番号を付して、詳細な説明を省略する。
【0032】本実施の形態は、上記第2の従来例の回転
圧縮機に本願発明を適用した構造の一例である。すなわ
ち、本実施の形態の回転式圧縮機においては、図5およ
び図6に示すように、ブレード11が揺動ピストン10
とは分離された別部材からなり、ブレード11の端部が
揺動ピストン10の外周面に摺接しながら、揺動ピスト
ン10の揺動に応じてブレード11がブレード背後空間
12内を往復運動する。ブレード背後空間12には、ブ
レード11が常に揺動ピストン10の外周面と接触する
ように、ブレード11を揺動ピストン10側へ付勢する
ためのばね19が取付けられている。
【0033】ブレード背後空間12の上面は、その全面
が、上部軸受板8に一体的に設けられた鍔状部8cの下
端面によって覆われており、ブレード背後空間12の下
面は、油溜17側に開放されている。また、シリンダ7
の上端面は、ブレード背後空間12の領域を含む外周近
傍において段差を有しており、ブレード背後空間12の
上端面がやや低くなっているため、上部軸受板8の鍔状
部8cの下端面とブレード背後空間12の上端面との間
には、隙間が介在し、をの結果、ブレード背後空間12
の高圧側に対する開放とブレード背後空間12の上面の
遮蔽との関係は、図1に示した実施の形態2の構造とほ
ぼ共通であると言える。したがって、本実施の形態の構
造によっても、上記実施の形態1と同様に、ブレード背
後空間12の高圧側に対する開放の効果を維持した上
で、油上がり現象を抑制し、油上がりに起因する圧縮機
の特性の劣化が防止される。
【0034】なお、本実施の形態は、ブレード背後空間
12の下面が油溜17に開放され、かつ、上部軸受板8
の鍔状部8cの下端面とブレード背後空間12の上端面
との間に隙間が介在する、上記実施の形態2と共通の構
造の例を示したが、上記第2の従来例の回転圧縮機に本
発明を適用する場合においても、上記実施の形態1と同
様に、上部軸受板8の鍔状部8cの下端面とブレード背
後空間12の上端面とが接触して、ブレード背後空間1
2の上端側開口が閉塞され、ブレード背後空間12の下
面が油溜17に開放される構造、あるいは、ブレード背
後空間12の上下開口が上部軸受部8および下部軸受板
9によって閉塞され、かつ、シリンダ7に、ブレード背
後空間12と油溜17との間を連通する貫通孔が設けら
れた構造にも適用され、同様の作用効果を得ることがで
きることは言うまでもない。
【0035】また、上記各実施の形態の開示は例示に過
ぎないものであって、本発明の範囲を制限するものでは
なく、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、
特許請求の範囲に均等の意味および範囲内でのすべての
変更が含まれることが意図される。
【0036】
【発明の効果】請求項1に記載の本発明の回転式圧縮機
によれば、上部軸受板の外周のブレード背後空間近傍
に、ブレード背後空間の高圧に開放された上部を覆うよ
うに設けられた油上がり防止手段を有することにより、
油上がり防止手段によってブレード背後空間の上部を覆
うことにより、ブレード背後空間内でのブレードの往復
摺動運動による油の攪拌に起因して油がミスト状になっ
て上昇することが遮られるため、油上がりが低減され、
圧縮機を適用した冷凍サイクル等の特性の向上を図るこ
とができる。
【0037】請求項2に記載の本発明の回転式圧縮機に
よれば、油上がり防止手段を、一体形成された上部軸受
部の一部分によって構成することにより、部品点数を増
加することなく、また、部品の製造コストを上昇させる
ことなく、油上がりの低減を実現することができる。
【0038】また、請求項3に記載の回転式圧縮機によ
れば、油上がり防止手段が、シリンダの上側端面と所定
の隙間を介して設けられていることにより、ブレード背
後空間の高圧側への開放の効果を損なうことなく、しか
もミスト状の油の上昇を遮る効果が維持されて、油上が
りの防止を図ることができる。
【0039】上記請求項1ないし3に記載の本発明の回
転式圧縮機の構造は、請求項4に記載の本発明のよう
に、ブレードが揺動ピストンの外周に固定され、該揺動
ピストンと一体的に揺動する方式、および、請求項5に
記載のように、ブレードが揺動ピストンとは分離された
別部材からなり、ブレードの揺動ピストン側の端部が、
揺動ピストンの外周面に摺接することにより、揺動ピス
トンのシリンダ内での公転に追従して、ブレードがブレ
ード背後空間内を往復運動する方式の、いずれの回転式
圧縮機に適用した場合にも同様に、油上がりに起因する
特性劣化を防止する効果を、他の特性を維持し、かつ製
造コストを増加させることなく実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1における回転式圧縮機
を示す縦断面図である。
【図2】図1のA−A線断面矢視図である。
【図3】本発明の実施の形態1の回転圧縮機と第1の従
来例の回転圧縮機との油上がり防止の効果を対比する実
験データを示す図である。
【図4】この発明の実施の形態2における回転式圧縮機
を示す縦断面図である。
【図5】この発明の実施の形態3における回転式圧縮機
を示す縦断面図(図6のC−C断面矢視図)である。
【図6】図5のB−B線断面矢視図である。
【図7】本発明が適用される従来の回転式圧縮機の一例
を示す縦断面図である。
【図8】図7のD−D線断面矢視図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 モータ(電動要素) 6 クランク軸(回転駆動軸) 7 シリンダ 7a シリンダ室 8 上部軸受板 9 下部軸受板 10 揺動ピストン 11 ブレード 12 ブレード背後空間 17 油溜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉ケーシング(1)内に回転駆動軸
    (6)を有する電動要素(2)と、前記密閉ケーシング
    (1)内に配され、前記回転駆動軸(6)によって駆動
    される回転圧縮要素とを備え、 前記回転圧縮要素は、 上下に開口する円柱状空間からなるシリンダ室(7a)
    を含むシリンダ(7)と、 前記シリンダ(7)を上下から挟んで、前記シリンダ室
    (7a)を閉塞する上部軸受板(8)および下部軸受板
    (9)と、 前記シリンダ室(7a)を高圧側と低圧側とに区画する
    ブレード(11)が、外周に径方向に延びるように設け
    られ、前記シリンダ室(7)の内周に沿って公転しなが
    ら揺動する、円柱状の揺動ピストン(10)とを含み、 前記密閉ケーシング(1)の底部から所定の高さにかけ
    て、少なくとも前記下部軸受板(9)を浸す油溜(1
    7)を有し、 前記シリンダ(7)には、前記ブレード(11)の端部
    近傍が収納されて、前記揺動ピストン(10)の揺動と
    ともに前記ブレード(11)が揺動しながら往復運動す
    るためのブレード背後空間(12)が形成され、該ブレ
    ード背後空間(12)の上部が高圧側に開放された回転
    式圧縮機であって、 前記上部軸受板(8)の外周の前記ブレード背後空間
    (12)近傍に、前記ブレード背後空間(12)の高圧
    に開放された上部を覆うように設けられた油上がり防止
    手段(8a,8b,8c)を有する、回転式圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記油上がり防止手段(8a,8b,8
    c)が、前記上部軸受板(8)の外周の一部に、該上部
    軸受板(8)と一体的に形成された鍔状部(8a,8
    b,8c)を含む、請求項1記載の回転式圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記油上がり防止手段(8b)が、前記
    シリンダ(7)の上側端面との間に所定の隙間(18)
    を介して設けられている、請求項1または2記載の回転
    式圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記ブレード(11)が、前記揺動ピス
    トン(10)の外周に固定され、該揺動ピストン(1
    0)と一体的に揺動する、請求項1ないし3のいずれか
    に記載の回転式圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記ブレード(11)は、前記揺動ピス
    トン(10)とは分離された別部材からなり、前記ブレ
    ードの前記揺動ピストン側の端部が、前記揺動ピストン
    (10)の外周面に摺接することにより、前記揺動ピス
    トン(10)の前記シリンダ(7)内での公転に追従し
    て、前記ブレード(11)が前記ブレード背後空間(1
    2)内を往復運動する、請求項1ないし4のいずれかに
    記載の回転式圧縮機。
JP940997A 1997-01-22 1997-01-22 回転式圧縮機 Withdrawn JPH10205474A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP940997A JPH10205474A (ja) 1997-01-22 1997-01-22 回転式圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP940997A JPH10205474A (ja) 1997-01-22 1997-01-22 回転式圧縮機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10205474A true JPH10205474A (ja) 1998-08-04

Family

ID=11719614

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP940997A Withdrawn JPH10205474A (ja) 1997-01-22 1997-01-22 回転式圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10205474A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100398836C (zh) * 2003-12-23 2008-07-02 乐金电子(天津)电器有限公司 旋转式压缩机底盖结构

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100398836C (zh) * 2003-12-23 2008-07-02 乐金电子(天津)电器有限公司 旋转式压缩机底盖结构

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101001840B1 (ko) 로터리 압축기
KR100822577B1 (ko) 밀폐형 압축기
CN106979138B (zh) 密闭型制冷剂压缩机和制冷装置
JPH10205474A (ja) 回転式圧縮機
JPH1162859A (ja) 横置き型スクロールコンプレッサ
JP3301837B2 (ja) 内部高圧式圧縮機
KR100228859B1 (ko) 밀폐형 압축기의 밸브 시스템
JP3226380B2 (ja) 密閉型圧縮機
KR100217056B1 (ko) 압축기
JP2003262193A (ja) 密閉型圧縮機
JP2005220781A (ja) 横型多段回転圧縮機
JPH09126133A (ja) 冷媒圧縮機
WO2019244684A1 (ja) 密閉型圧縮機
JPS6244138Y2 (ja)
KR100216191B1 (ko) 압축기의 일체형 토출머플러
JPH11303751A (ja) 密閉型圧縮機
JP2834299B2 (ja) ロータリー圧縮機
KR100202932B1 (ko) 압축기의 플랩퍼형 밸브시스템
JP2003106277A (ja) 回転式圧縮機
JPH0686875B2 (ja) 回転型圧縮機
KR19980076768A (ko) 압축기의 플랩퍼형 토출밸브 조립체
JPH06307362A (ja) ロータリ圧縮機
JPH10103275A (ja) 回転式圧縮機
JPH06346853A (ja) 密閉型圧縮機
JPS5990785A (ja) 冷媒圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040406