JPH10204898A - 免震構造 - Google Patents
免震構造Info
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- JPH10204898A JPH10204898A JP1498797A JP1498797A JPH10204898A JP H10204898 A JPH10204898 A JP H10204898A JP 1498797 A JP1498797 A JP 1498797A JP 1498797 A JP1498797 A JP 1498797A JP H10204898 A JPH10204898 A JP H10204898A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 小規模で荷重分散形の構造物であっても、構
造物を特に補強することなく適用可能で、かつ所要の変
形性能を得ることができ、さらに構造物の初期位置から
の変位を低減することができる免震構造を提供するこ
と。 【解決手段】 上面が平滑かつ水平に形成された第一の
スラブ版１１と、第一のスラブ版上に敷き並べられた複
数の摩擦部材１７と、複数の摩擦部材のうえに載置され
た底面が平滑な第二のスラブ版１２とを備え、複数の摩
擦部材はそれぞれ円柱状に形成され、摩擦部材の周面が
第一のスラブ版の上面と第二のスラブ版の底面とに当接
するように敷き並べられた。
造物を特に補強することなく適用可能で、かつ所要の変
形性能を得ることができ、さらに構造物の初期位置から
の変位を低減することができる免震構造を提供するこ
と。 【解決手段】 上面が平滑かつ水平に形成された第一の
スラブ版１１と、第一のスラブ版上に敷き並べられた複
数の摩擦部材１７と、複数の摩擦部材のうえに載置され
た底面が平滑な第二のスラブ版１２とを備え、複数の摩
擦部材はそれぞれ円柱状に形成され、摩擦部材の周面が
第一のスラブ版の上面と第二のスラブ版の底面とに当接
するように敷き並べられた。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、土木構造物や建築
構造物における免震構造に関する。
構造物における免震構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来の免震装置としては、鋼板と板状ゴ
ムとの複数を積層し、テフロンを介してステンレス板上
に載置される、いわゆる積層ゴム式のものがあり、この
積層ゴム式免震装置は、ＲＣ造の集合住宅等のように比
較的規模の大きな建物に適用される。したがって、積層
ゴム式免震装置を一般の戸建て住宅のような小規模な構
造物に適用しようとすると、建物の固有周期を長くし、
且つ必要な変形性能を得るために積層ゴムが細長くなっ
てしまい、座屈して所期の性能を発揮できないという問
題があった。また、ベアリングを備えた免震装置もある
ものの、これは装置自体が高価であり、小規模な構造物
にはコストバランス上あまり馴染まないという欠点があ
る。さらに別の免震手段としては、自己潤滑性を有する
摩擦係数の小さな板又はシート状の熱可塑性樹脂を滑り
材として、戸建て住宅のような小規模の構造物の下に一
面に敷いて用いることも考えられるが、小規模の構造物
では接触面圧が小さくすぎて、摩擦係数が大きくなり免
震性能を発揮できず、さらに、シート状の熱可塑性樹脂
を一面に敷くためコストが上昇するという問題点を生じ
る。
ムとの複数を積層し、テフロンを介してステンレス板上
に載置される、いわゆる積層ゴム式のものがあり、この
積層ゴム式免震装置は、ＲＣ造の集合住宅等のように比
較的規模の大きな建物に適用される。したがって、積層
ゴム式免震装置を一般の戸建て住宅のような小規模な構
造物に適用しようとすると、建物の固有周期を長くし、
且つ必要な変形性能を得るために積層ゴムが細長くなっ
てしまい、座屈して所期の性能を発揮できないという問
題があった。また、ベアリングを備えた免震装置もある
ものの、これは装置自体が高価であり、小規模な構造物
にはコストバランス上あまり馴染まないという欠点があ
る。さらに別の免震手段としては、自己潤滑性を有する
摩擦係数の小さな板又はシート状の熱可塑性樹脂を滑り
材として、戸建て住宅のような小規模の構造物の下に一
面に敷いて用いることも考えられるが、小規模の構造物
では接触面圧が小さくすぎて、摩擦係数が大きくなり免
震性能を発揮できず、さらに、シート状の熱可塑性樹脂
を一面に敷くためコストが上昇するという問題点を生じ
る。
【０００３】更にまた、上記いずれの免震装置において
も、建物の自重を免震装置に集中させて処理する必要が
あり、戸建て住宅のように小規模で荷重分散形の構造
物、例えば、荷重のスパンが短い木造構造物や壁式構造
物等に適用しようとすると、免震装置を取り付ける部位
廻りの補強が大掛かりになるという欠点がある。
も、建物の自重を免震装置に集中させて処理する必要が
あり、戸建て住宅のように小規模で荷重分散形の構造
物、例えば、荷重のスパンが短い木造構造物や壁式構造
物等に適用しようとすると、免震装置を取り付ける部位
廻りの補強が大掛かりになるという欠点がある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の欠点に着目し、これを解決せんとしたものであり、そ
の課題は、小規模で荷重分散形の構造物であっても、構
造物を特に補強することなく適用可能で、かつ所要の変
形性能を得ることができる免震構造を提供することにあ
る。
の欠点に着目し、これを解決せんとしたものであり、そ
の課題は、小規模で荷重分散形の構造物であっても、構
造物を特に補強することなく適用可能で、かつ所要の変
形性能を得ることができる免震構造を提供することにあ
る。
【０００５】また別の課題は、小規模で荷重分散形の構
造物であっても、所要の変形性能を得ることができると
共に、構造物の初期位置からの変位を低減することがで
きる免震構造を提供することにある。
造物であっても、所要の変形性能を得ることができると
共に、構造物の初期位置からの変位を低減することがで
きる免震構造を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記本発明の課題を解決
するために、本発明は、上面が平滑かつ水平に形成され
た第一のスラブ版と、該第一のスラブ版上に敷き並べら
れた複数の摩擦部材と、該複数の摩擦部材のうえに載置
された底面が平滑な第二のスラブ版とを備え、前記複数
の摩擦部材はそれぞれ円柱状に形成され、該摩擦部材の
周面が前記第一のスラブ版の上面と前記第二のスラブ版
の底面とに当接するように敷き並べられたことを特徴と
する免震構造を提供する。
するために、本発明は、上面が平滑かつ水平に形成され
た第一のスラブ版と、該第一のスラブ版上に敷き並べら
れた複数の摩擦部材と、該複数の摩擦部材のうえに載置
された底面が平滑な第二のスラブ版とを備え、前記複数
の摩擦部材はそれぞれ円柱状に形成され、該摩擦部材の
周面が前記第一のスラブ版の上面と前記第二のスラブ版
の底面とに当接するように敷き並べられたことを特徴と
する免震構造を提供する。
【０００７】本発明の免震構造では、第一のスラブ版と
第二のスラブ版との間に敷き並べられた複数の摩擦部材
が、これらスラブ版の間から転がり出ないように摩擦部
材停止手段を設けることが好ましい。かような摩擦部材
停止手段としては、第一のスラブ版の上面外周または第
二のスラブ版の底面外周のいずれかに凸部を形成すれば
良い。
第二のスラブ版との間に敷き並べられた複数の摩擦部材
が、これらスラブ版の間から転がり出ないように摩擦部
材停止手段を設けることが好ましい。かような摩擦部材
停止手段としては、第一のスラブ版の上面外周または第
二のスラブ版の底面外周のいずれかに凸部を形成すれば
良い。
【０００８】また本発明の免震構造では、第二のスラブ
版の振動を低減するためにダンパーを設けることが好ま
しく、このダンパーは、第一のスラブ版を含む躯体と、
第二のスラブ版との間に介在する配置で設ければ良い。
かようなダンパーを設ければ、地震等の外力が作用した
場合でも、構造物が位置ずれを生じるのを防止できる。
版の振動を低減するためにダンパーを設けることが好ま
しく、このダンパーは、第一のスラブ版を含む躯体と、
第二のスラブ版との間に介在する配置で設ければ良い。
かようなダンパーを設ければ、地震等の外力が作用した
場合でも、構造物が位置ずれを生じるのを防止できる。
【０００９】さらに本発明の免震構造では、第一のスラ
ブ版と第二のスラブ版とを連結固定する着脱自在の連結
部材を設けることが好ましく、かような連結部材で第一
のスラブ版と第二のスラブ版とを連結すれば、構造物の
建設や改装の作業時に水平方向の荷重が作用しても、構
造物の位置ずれや変位が生じるのを防止できる。
ブ版と第二のスラブ版とを連結固定する着脱自在の連結
部材を設けることが好ましく、かような連結部材で第一
のスラブ版と第二のスラブ版とを連結すれば、構造物の
建設や改装の作業時に水平方向の荷重が作用しても、構
造物の位置ずれや変位が生じるのを防止できる。
【００１０】更にまた本発明の免震構造では、摩擦部材
が、テフロン、ポリアセタール、超高分子量ポリエチレ
ン、ナイロンまたはこれらの混合物からなる群より選択
される熱可塑性樹脂材料を主成分として形成されること
が好ましい。すなわち、かような熱可塑性樹脂材料は、
摩擦係数が小さいため、これらの熱可塑性樹脂材料を主
成分として摩擦部材を形成した場合、摩擦係数に応じた
小さな加速度から免震効果を発揮するという利点があ
る。なお、前記超高分子量ポリエチレンとは、その平均
分子量が粘度法で１００万〜５００万程度のものを意味
する。
が、テフロン、ポリアセタール、超高分子量ポリエチレ
ン、ナイロンまたはこれらの混合物からなる群より選択
される熱可塑性樹脂材料を主成分として形成されること
が好ましい。すなわち、かような熱可塑性樹脂材料は、
摩擦係数が小さいため、これらの熱可塑性樹脂材料を主
成分として摩擦部材を形成した場合、摩擦係数に応じた
小さな加速度から免震効果を発揮するという利点があ
る。なお、前記超高分子量ポリエチレンとは、その平均
分子量が粘度法で１００万〜５００万程度のものを意味
する。
【００１１】また本発明では、上記熱可塑性樹脂材料に
よって形成したペレットを、摩擦部材として用いること
が好ましい。ここで、ペレットとは、樹脂材料を主成分
としてペレタイザで直径１mm〜１０mm程度の円柱形に造
粒したものであって、樹脂成形製品を製造する際に用い
る成形材料であり、かようなペレットは、原材料として
樹脂成形工場等において大量に生産されているものであ
り、低コストで入手することができる。
よって形成したペレットを、摩擦部材として用いること
が好ましい。ここで、ペレットとは、樹脂材料を主成分
としてペレタイザで直径１mm〜１０mm程度の円柱形に造
粒したものであって、樹脂成形製品を製造する際に用い
る成形材料であり、かようなペレットは、原材料として
樹脂成形工場等において大量に生産されているものであ
り、低コストで入手することができる。
【００１２】
【実施例】以下、添付図面に基づいて実施例を説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。図１は本
発明の免震構造を適用した基礎スラブを示すための簡略
断面図であり、図２は本発明の免震構造を免震床に適用
した例を示すための簡略断面図であり、図３は摩擦部材
を説明するための一部拡大断面図であり、図４は摩擦部
材の斜視図であり、図５は本発明の免震構造において第
一及び第二のスラブ版相互を連結固定する連結部材を示
すための断面図である。
が、本発明はこれに限定されるものではない。図１は本
発明の免震構造を適用した基礎スラブを示すための簡略
断面図であり、図２は本発明の免震構造を免震床に適用
した例を示すための簡略断面図であり、図３は摩擦部材
を説明するための一部拡大断面図であり、図４は摩擦部
材の斜視図であり、図５は本発明の免震構造において第
一及び第二のスラブ版相互を連結固定する連結部材を示
すための断面図である。
【００１３】図１では、免震構造１０が、第一のスラブ
版としての下部べた基礎１１と、摩擦部材としての複数
のペレット１７からなるペレット層１７Ａと、第二のス
ラブ版としての上部べた基礎１２とを備えている。
版としての下部べた基礎１１と、摩擦部材としての複数
のペレット１７からなるペレット層１７Ａと、第二のス
ラブ版としての上部べた基礎１２とを備えている。
【００１４】ここで、前記下部べた基礎１１の上面に
は、表面が平滑で且つ水平なセルフレベリング層１６を
形成する。このセルフレベリング層１６は、下部べた基
礎１１を構築した後に、このうえにセルフレベリング材
としてのセメント系材料や石膏系材料等を注ぎ、そのま
ま放置することにより、これが下部べた基礎１１上を自
然に流がれて広がり、平滑かつ水平な平面として形成さ
れるものである。そして、かように形成されたセルフレ
ベリング層１６のうえに、ペレット停止枠１５を取り付
ける。このペレット停止枠１５は、セルフレベリング層
１６において上部べた基礎１２の周縁部に対向する位置
に、閉合するような平面配置で設けることが好ましく、
例えば図３に示したように、アングル材を下部べた基礎
１１のうえに固定すれば形成することができる。またペ
レット停止枠１５の高さは、ペレット１７の直径よりも
小さく形成する。つまり、ペレット停止枠１５は、ペレ
ット停止枠１５で囲まれた領域からペレット１７が転が
り出ないように停止可能で、且つ、上部べた基礎１２に
接触しない高さに形成する。さらに凸部１１ａを下部べ
た基礎１１の上面の所定位置、すなわち、上部べた基礎
１２の外周を囲み、上部べた基礎１２の外周面１２ａか
ら所定長離隔する配置で形成する。
は、表面が平滑で且つ水平なセルフレベリング層１６を
形成する。このセルフレベリング層１６は、下部べた基
礎１１を構築した後に、このうえにセルフレベリング材
としてのセメント系材料や石膏系材料等を注ぎ、そのま
ま放置することにより、これが下部べた基礎１１上を自
然に流がれて広がり、平滑かつ水平な平面として形成さ
れるものである。そして、かように形成されたセルフレ
ベリング層１６のうえに、ペレット停止枠１５を取り付
ける。このペレット停止枠１５は、セルフレベリング層
１６において上部べた基礎１２の周縁部に対向する位置
に、閉合するような平面配置で設けることが好ましく、
例えば図３に示したように、アングル材を下部べた基礎
１１のうえに固定すれば形成することができる。またペ
レット停止枠１５の高さは、ペレット１７の直径よりも
小さく形成する。つまり、ペレット停止枠１５は、ペレ
ット停止枠１５で囲まれた領域からペレット１７が転が
り出ないように停止可能で、且つ、上部べた基礎１２に
接触しない高さに形成する。さらに凸部１１ａを下部べ
た基礎１１の上面の所定位置、すなわち、上部べた基礎
１２の外周を囲み、上部べた基礎１２の外周面１２ａか
ら所定長離隔する配置で形成する。
【００１５】また前記ペレット層１７Ａは、セルフレベ
リング層１６のうえに配置されたペレット停止枠１５内
に、複数のペレット１７を敷き並べて形成する。ここ
で、ペレット１７は、図４に示したように円柱状に形成
され、ポリアセタール等の熱可塑性樹脂材料を主成分と
して、直径が１mm〜１０mm程度、軸方向の長さが３mm〜
５０mm程度に形成されたものを使用する。そして、図３
に示したように全てのペレット１７の周面１７ｂが、セ
ルフレベリング層１６の表面に当接するように敷き並べ
る。なお、図３においては図示の便宜上、複数のペレッ
ト１７の軸が一定の方向を指向するように図示されてい
るが、実際は、各ペレット１７の軸方向がランダムに指
向するように配置する。
リング層１６のうえに配置されたペレット停止枠１５内
に、複数のペレット１７を敷き並べて形成する。ここ
で、ペレット１７は、図４に示したように円柱状に形成
され、ポリアセタール等の熱可塑性樹脂材料を主成分と
して、直径が１mm〜１０mm程度、軸方向の長さが３mm〜
５０mm程度に形成されたものを使用する。そして、図３
に示したように全てのペレット１７の周面１７ｂが、セ
ルフレベリング層１６の表面に当接するように敷き並べ
る。なお、図３においては図示の便宜上、複数のペレッ
ト１７の軸が一定の方向を指向するように図示されてい
るが、実際は、各ペレット１７の軸方向がランダムに指
向するように配置する。
【００１６】かように形成されたペレット層１７Ａのう
えには、ステンレス板１３が載置され、このステンレス
板１３が埋設型の底型枠として用いられてコンクリート
が打設され、上部べた基礎１２が形成される。この上部
べた基礎１２は、その外周面１２ａが、前述した下部べ
た基礎１１の凸部１１ａから所定長離隔する配置で形成
され、この外周面１２ａと凸部１１ａとの間に所定数の
ダンパー１４が所定間隔で設けられる。なお、上部べた
基礎１２には布基礎等を適宜形成して、この上に構造物
を構築する。
えには、ステンレス板１３が載置され、このステンレス
板１３が埋設型の底型枠として用いられてコンクリート
が打設され、上部べた基礎１２が形成される。この上部
べた基礎１２は、その外周面１２ａが、前述した下部べ
た基礎１１の凸部１１ａから所定長離隔する配置で形成
され、この外周面１２ａと凸部１１ａとの間に所定数の
ダンパー１４が所定間隔で設けられる。なお、上部べた
基礎１２には布基礎等を適宜形成して、この上に構造物
を構築する。
【００１７】なお、図１の免震構造１０には、図５に示
したような仮固定のためのスリーブ３０を設けても良
い。すなわち、下部べた基礎１１の所定位置にアンカー
３２を設け、上部べた基礎１２におけるアンカー３２の
対向位置にはスリーブ３０を構成するスリーブパイプ３
０ｂを埋設し、スリーブパイプ３０ｂの上端には脱着自
在の蓋３０ａを設け、スリーブ３０内において仮締ボル
ト３１をアンカー３２に螺合して、上部べた基礎１２と
下部べた基礎１１とを仮固定する。また、図１における
ペレット停止枠１５に替えて、セルフレベリング層１６
ｂのうえにはプラスチック板１６ａを設けても良く、こ
のプラスチック板１６ａの上面には、複数のペレット１
７を敷き並べることができて、これを囲い込むことがで
きる凹部１６ａ’を所定範囲にわたって形成し、このプ
ラスチック板１６ａとステンレス板１３との間隙は適宜
弾性シール材３３によって封止する。さらに、前記ステ
ンレス板１３と上部べた基礎１２の下面との間には、プ
ラスチック板１３ａを介在させても良く、かようにプラ
スチック板１３ａを介在させれば、ステンレス板１３の
厚さを薄くできるという利点がある。
したような仮固定のためのスリーブ３０を設けても良
い。すなわち、下部べた基礎１１の所定位置にアンカー
３２を設け、上部べた基礎１２におけるアンカー３２の
対向位置にはスリーブ３０を構成するスリーブパイプ３
０ｂを埋設し、スリーブパイプ３０ｂの上端には脱着自
在の蓋３０ａを設け、スリーブ３０内において仮締ボル
ト３１をアンカー３２に螺合して、上部べた基礎１２と
下部べた基礎１１とを仮固定する。また、図１における
ペレット停止枠１５に替えて、セルフレベリング層１６
ｂのうえにはプラスチック板１６ａを設けても良く、こ
のプラスチック板１６ａの上面には、複数のペレット１
７を敷き並べることができて、これを囲い込むことがで
きる凹部１６ａ’を所定範囲にわたって形成し、このプ
ラスチック板１６ａとステンレス板１３との間隙は適宜
弾性シール材３３によって封止する。さらに、前記ステ
ンレス板１３と上部べた基礎１２の下面との間には、プ
ラスチック板１３ａを介在させても良く、かようにプラ
スチック板１３ａを介在させれば、ステンレス板１３の
厚さを薄くできるという利点がある。
【００１８】本発明の免震構造は、基礎スラブに限らず
に適用可能であり、例えば、図２には他の実施態様とし
て鉄筋コンクリート構造物における免震床に適用したも
のが例示されている。図２の実施態様においては上記実
施態様とは適用部位が異なる構成になっているため、異
なる適用部位について説明すると共に、上記した実施態
様と同じ構成については簡略に説明する。すなわち、図
２の実施態様では、鉄筋コンクリート造の構造物の所定
階において、下面に梁２３が設けられた下床スラブ２１
上にセルフレベリング層１６が形成され、このセルフレ
ベリング層１６上にペレット停止枠１５が設けられ、ペ
レット停止枠１５内には複数のペレット１７が敷き並べ
られてペレット層１７Ａが形成される。そして、下床ス
ラブ２１上におけるペレット層１７Ａの外周には凸部２
１ａが突設されて、さらにペレット層１７Ａのうえには
ステンレス板１３が配置されて、このステンレス板１３
上に上床スラブ２２が形成される。この上床スラブ２２
は、その外周面２２ａが、下床スラブの凸部２１ａから
所定長離隔する配置で形成され、この外周面２２ａと凸
部２１ａとの間にダンパー１４が設けられる。
に適用可能であり、例えば、図２には他の実施態様とし
て鉄筋コンクリート構造物における免震床に適用したも
のが例示されている。図２の実施態様においては上記実
施態様とは適用部位が異なる構成になっているため、異
なる適用部位について説明すると共に、上記した実施態
様と同じ構成については簡略に説明する。すなわち、図
２の実施態様では、鉄筋コンクリート造の構造物の所定
階において、下面に梁２３が設けられた下床スラブ２１
上にセルフレベリング層１６が形成され、このセルフレ
ベリング層１６上にペレット停止枠１５が設けられ、ペ
レット停止枠１５内には複数のペレット１７が敷き並べ
られてペレット層１７Ａが形成される。そして、下床ス
ラブ２１上におけるペレット層１７Ａの外周には凸部２
１ａが突設されて、さらにペレット層１７Ａのうえには
ステンレス板１３が配置されて、このステンレス板１３
上に上床スラブ２２が形成される。この上床スラブ２２
は、その外周面２２ａが、下床スラブの凸部２１ａから
所定長離隔する配置で形成され、この外周面２２ａと凸
部２１ａとの間にダンパー１４が設けられる。
【００１９】次に、本発明の免震構造の作用を、図１、
図３及び図４を参照して説明する。地震等の外力が免震
構造１０に作用していない時には、上部べた基礎１２か
らの垂直荷重は複数のペレット１７を介して下部べた基
礎１１に伝達され、下部べた基礎１１は地盤によってそ
の垂直荷重が支持されている。そして、地震等によって
地盤が水平方向に揺れると、下部べた基礎１１は水平方
向に振動し、この時、複数のペレット１７は、上部べた
基礎１２からの垂直荷重を下部べた基礎１１に伝達して
いる状態で、下部べた基礎１１のセルフレベリング層１
６のうえを転がるか、あるいはセルフレベリング層１６
上を滑るため、下部べた基礎１１の水平方向の振動は、
この滑動又は転がりによって或る程度まで吸収されて、
上部べた基礎１２へはほとんど伝達しない。また、ダン
パー１４は、この時、上部べた基礎１２と下部べた基礎
１１との間の振動を減衰させるように作用し、これによ
って、地震後に上部べた基礎１２の相対位置が元の位置
に復元するという効果を得ることができる。
図３及び図４を参照して説明する。地震等の外力が免震
構造１０に作用していない時には、上部べた基礎１２か
らの垂直荷重は複数のペレット１７を介して下部べた基
礎１１に伝達され、下部べた基礎１１は地盤によってそ
の垂直荷重が支持されている。そして、地震等によって
地盤が水平方向に揺れると、下部べた基礎１１は水平方
向に振動し、この時、複数のペレット１７は、上部べた
基礎１２からの垂直荷重を下部べた基礎１１に伝達して
いる状態で、下部べた基礎１１のセルフレベリング層１
６のうえを転がるか、あるいはセルフレベリング層１６
上を滑るため、下部べた基礎１１の水平方向の振動は、
この滑動又は転がりによって或る程度まで吸収されて、
上部べた基礎１２へはほとんど伝達しない。また、ダン
パー１４は、この時、上部べた基礎１２と下部べた基礎
１１との間の振動を減衰させるように作用し、これによ
って、地震後に上部べた基礎１２の相対位置が元の位置
に復元するという効果を得ることができる。
【００２０】なお、図２の免震構造においても、上記と
同様に、下床スラブ２１の水平振動がペレット層１７Ａ
によって、或る程度まで絶縁されるため、免震効果を奏
することができる。
同様に、下床スラブ２１の水平振動がペレット層１７Ａ
によって、或る程度まで絶縁されるため、免震効果を奏
することができる。
【００２１】
【発明の効果】本発明の免震構造は、円柱状に形成され
た複数の摩擦部材を、その周面が第一のスラブ版の上面
と第二のスラブ版の底面とに当接するように敷き並べて
形成したので、各摩擦部材における第一及び第二のスラ
ブ版との当接部分の面圧が大きくなり、摩擦係数が板状
の摩擦材を一面に敷設した場合の2/3程度になると共
に、外力が作用して摩擦部材が転動した場合には、さら
に摩擦係数が転動しない場合の1/2程度になる。したが
って、小規模で比較的自重が軽い構造物であっても、地
震等の外力作用時には摩擦部材が容易に転動して減衰効
果を得やすく、しかも、免震装置の取付け部位廻りに過
剰な応力が作用するのを防止できるので、この部位を簡
略な構造で構築できるという利点がある。
た複数の摩擦部材を、その周面が第一のスラブ版の上面
と第二のスラブ版の底面とに当接するように敷き並べて
形成したので、各摩擦部材における第一及び第二のスラ
ブ版との当接部分の面圧が大きくなり、摩擦係数が板状
の摩擦材を一面に敷設した場合の2/3程度になると共
に、外力が作用して摩擦部材が転動した場合には、さら
に摩擦係数が転動しない場合の1/2程度になる。したが
って、小規模で比較的自重が軽い構造物であっても、地
震等の外力作用時には摩擦部材が容易に転動して減衰効
果を得やすく、しかも、免震装置の取付け部位廻りに過
剰な応力が作用するのを防止できるので、この部位を簡
略な構造で構築できるという利点がある。
【００２２】また本発明では、第二のスラブ版の振動を
低減するためのダンパーが設けられているので、地震等
の外力が作用した際の構造物の振動減衰性能を向上させ
ることができると共に、免震構造部分が変形してもダン
パーによって構造物は初期位置を維持することができ
て、構造物の位置ずれを防止できる。
低減するためのダンパーが設けられているので、地震等
の外力が作用した際の構造物の振動減衰性能を向上させ
ることができると共に、免震構造部分が変形してもダン
パーによって構造物は初期位置を維持することができ
て、構造物の位置ずれを防止できる。
【００２３】さらに本発明では、摩擦部材を、テフロ
ン、ポリアセタール、高分子量ポリエチレン、ナイロン
またはこれらの混合物からなる群より選択される熱可塑
性樹脂材料から形成したので、摩擦部材は、鉄筋の錆び
等のような化学変化による劣化が生じにくいという利点
があり、さらに、たとえ摩擦部材が転がり摩擦を生じな
い場合であっても、上記熱可塑性樹脂材料自体の摩擦係
数が、概ね０.１５程度以下であるので、第一及び第二
のスラブ版相互が摩擦移動しやすくて、免震効果を長期
にわたって維持することができる。
ン、ポリアセタール、高分子量ポリエチレン、ナイロン
またはこれらの混合物からなる群より選択される熱可塑
性樹脂材料から形成したので、摩擦部材は、鉄筋の錆び
等のような化学変化による劣化が生じにくいという利点
があり、さらに、たとえ摩擦部材が転がり摩擦を生じな
い場合であっても、上記熱可塑性樹脂材料自体の摩擦係
数が、概ね０.１５程度以下であるので、第一及び第二
のスラブ版相互が摩擦移動しやすくて、免震効果を長期
にわたって維持することができる。
【図１】本発明の免震構造を適用した基礎スラブを示す
ための簡略断面図である。
ための簡略断面図である。
【図２】本発明の免震構造を適用した床スラブを示すた
めの簡略断面図である。
めの簡略断面図である。
【図３】本発明における摩擦部材を説明するための一部
拡大断面図である。
拡大断面図である。
【図４】本発明の摩擦部材の斜視図である。
【図５】本発明の免震構造において第一及び第二のスラ
ブ版相互を連結固定する連結部材を示すための断面図で
ある。
ブ版相互を連結固定する連結部材を示すための断面図で
ある。
１１ 下部べた基礎（第一のスラブ版） １２ 上部べた基礎（第二のスラブ版） １４ ダンパー １７ ペレット（摩擦部材） ２１ 下床スラブ（第一のスラブ版） ２２ 上床スラブ（第二のスラブ版）
Claims (3)
- 【請求項１】 上面が平滑かつ水平に形成された第一の
スラブ版と、該第一のスラブ版上に敷き並べられた複数
の摩擦部材と、該複数の摩擦部材のうえに載置された底
面が平滑な第二のスラブ版とを備え、 前記複数の摩擦部材はそれぞれ円柱状に形成され、該摩
擦部材の周面が前記第一のスラブ版の上面と前記第二の
スラブ版の底面とに当接するように敷き並べられたこと
を特徴とする免震構造。 - 【請求項２】 前記第二のスラブ版の振動を低減するた
めのダンパーが設けられたことを特徴とする請求項１記
載の免震構造。 - 【請求項３】 前記摩擦部材が、テフロン、ポリアセタ
ール、超高分子量ポリエチレン、ナイロンまたはこれら
の混合物からなる群より選択される熱可塑性樹脂材料か
ら形成されたことを特徴とする請求項１又は請求項２に
記載の免震構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1498797A JPH10204898A (ja) | 1997-01-29 | 1997-01-29 | 免震構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1498797A JPH10204898A (ja) | 1997-01-29 | 1997-01-29 | 免震構造 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10204898A true JPH10204898A (ja) | 1998-08-04 |
Family
ID=11876309
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1498797A Pending JPH10204898A (ja) | 1997-01-29 | 1997-01-29 | 免震構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10204898A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006307589A (ja) * | 2005-05-02 | 2006-11-09 | Taisei Corp | 免震建物の基礎構造 |
| JP2008291859A (ja) * | 2007-05-22 | 2008-12-04 | Ps Mitsubishi Construction Co Ltd | 免震構造物用外部仮設構造物 |
| WO2014092663A1 (en) * | 2012-12-11 | 2014-06-19 | Kaya Cemalettin | Earthquake proof building system |
| JP2015222084A (ja) * | 2014-05-22 | 2015-12-10 | ヘルツ株式会社 | 免震装置 |
-
1997
- 1997-01-29 JP JP1498797A patent/JPH10204898A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006307589A (ja) * | 2005-05-02 | 2006-11-09 | Taisei Corp | 免震建物の基礎構造 |
| JP2008291859A (ja) * | 2007-05-22 | 2008-12-04 | Ps Mitsubishi Construction Co Ltd | 免震構造物用外部仮設構造物 |
| WO2014092663A1 (en) * | 2012-12-11 | 2014-06-19 | Kaya Cemalettin | Earthquake proof building system |
| CN104769187A (zh) * | 2012-12-11 | 2015-07-08 | 凯姆莱婷·卡娅 | 抗地震的建筑物系统 |
| JP2016505733A (ja) * | 2012-12-11 | 2016-02-25 | カヤ、セマレティンKAYA, Cemalettin | 耐震建物システム |
| EA029449B1 (ru) * | 2012-12-11 | 2018-03-30 | Кемалеттин Кайа | Сейсмоустойчивая строительная система |
| JP2015222084A (ja) * | 2014-05-22 | 2015-12-10 | ヘルツ株式会社 | 免震装置 |
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