JPH10204546A - 金属ストリップの連続式熱処理炉における操炉方法 - Google Patents

金属ストリップの連続式熱処理炉における操炉方法

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JPH10204546A
JPH10204546A JP651797A JP651797A JPH10204546A JP H10204546 A JPH10204546 A JP H10204546A JP 651797 A JP651797 A JP 651797A JP 651797 A JP651797 A JP 651797A JP H10204546 A JPH10204546 A JP H10204546A
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furnace
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JP651797A
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Masao Tanabe
正雄 田辺
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Chugai Ro Co Ltd
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Chugai Ro Co Ltd
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  • Control Of Heat Treatment Processes (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 不確定な要素を考慮することなく、炉内温度
の適正な制御を可能とした金属ストリップの連続熱処理
炉における操炉方法を提供する。 【解決手段】 操炉のための制御信号を出力した結果、
炉から得られる実績データ、即ち炉からの出力値を基に
して、所望のストリップを得るための炉の状態に限りな
く近づけるための三次元曲面モデル演算を繰り返し行
い、従来の熱計算モデル式を用いることなく、操炉条件
を定めるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば金属ストリ
ップの連続式焼鈍炉のような金属ストリップの連続式熱
処理炉における操炉方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金属ストリップの連続熱処理炉に
おける操炉方法としては、特開平1-184235号公報に開示
された連続式加熱炉における操炉方法が公知である。こ
の連続式加熱炉の操炉方法は、製鉄プロセス設備などの
制御に用いるプリセット制御用の制御モデル式に含まれ
る複数のパラメータを1つの実績データによって修正す
るようにしたものである。そして、上記公報には、この
パラメータとして総括熱吸収率、熱伝達率、輻射熱源と
なるラジアントチューブバーナの熱容量、炉壁の熱容量
が挙げられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の操炉方法の
場合、パラメータとして挙げられているファクタの値
は、例えば炉壁、バーナの経時変化、燃料、カロリー変
化等の不確定な要素により変化するが、この変化の状態
を上記値に正確に反映させることは現実には不可能であ
る。このため、上記操炉方法では、加熱炉内の温度を適
正に制御することができないという問題がある。本発明
は、斯る従来の問題をなくすことを課題としてなされた
もので、不確定な要素を考慮することなく、炉内温度の
適正な制御を可能とした金属ストリップの連続熱処理炉
における操炉方法を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第1発明は、鋼種別特性値A1、条件値Bを設定す
るステップ1と、これらの値に基づきパラメータθa
値を読出すステップ2と、上記パラメータθaを係数と
し、かつ炉温TFを定める三次元曲面モデルを表す式に
基づき評価演算を行うステップ3と、この結果算出され
た炉帯別炉温TF、および上記特性値A1、条件値Bの
状態にするための制御信号を出力するステップ4と、こ
の出力の後の上記特性値A1、条件値Bおよび炉帯別炉
温TFの実績データを蓄積するステップ5と、この実績
データ蓄積数Lが予め定めた2以上の自然数Pの倍数か
否かを判断して、ノーの場合には、ステップ5に戻り、
イエスの場合には、次のステップに進むステップ6と、
パラメータθaを係数とする上記三次元曲面モデルを表
す式に基づきθaの評価演算を行うステップ7と、ステ
ップ7の評価演算に基づき、パラメータθaの値を新た
に求めた値に更新するステップ8と、上記実績データ蓄
積数Lが、上記自然数Pより大きい予め定めた自然数V
に等しいか否かを判断して、ノーの場合には、ステップ
5に戻り、イエスの場合には、次のステップに進むステ
ップ9と、上記蓄積データの内、最初に蓄積されたP個
のデータを消去し、残る(V−P)個のデータについて、
その蓄積順序を変えることなく、最初に蓄積された(V
−P)個のデータとなるようにデータエリア内でデータ
をシフトした後、ステップ2に戻るステップ10とから
構成した。
【0005】また、第2発明は、鋼種別特性値A2、条
件値Bを設定するステップ1と、これらの値に基づきパ
ラメータηbの値を読出すステップ2と、上記パラメー
タηを係数とし、かつ板温TMを定める三次元曲面モ
デルを表す式に基づき評価演算を行うステップ3と、こ
の結果算出された板温TMおよび条件値Bに基づきθ
の値を読出すステップ4と、上記パラメータθaを係数
とし、かつ炉温TFを定める三次元曲面モデルを表す式
に基づき評価演算を行うステップ5と、炉帯別炉温T
F、板温TMおよび上記特性値A2の状態にするための
制御信号を出力するステップ6と、この出力の後の上記
特性値A2、条件値Bおよび板温TMの実績データを蓄
積するステップ7と、この実績データ蓄積数Mが予め定
めた2以上の自然数Qの倍数か否かを判断して、ノーの
場合には、ステップ7に戻り、イエスの場合には、次の
ステップに進むステップ8と、パラメータηbを係数と
する上記三次元曲面モデルを表す式に基づきηbの評価
演算を行うステップ9と、ステップ9の評価演算に基づ
き、パラメータηbの値を新たに求めた値に更新するス
テップ10と、上記実績データ蓄積数Mが、上記自然数
Qより大きい予め定めた自然数Wに等しいか否かを判断
して、ノーの場合には、ステップ7に戻り、イエスの場
合には、次のステップに進むステップ11と、上記蓄積
データの内、最初に蓄積されたQ個のデータを消去し、
残る(W−Q)個のデータについて、その蓄積順序を変え
ることなく、最初に蓄積された(W−Q)個のデータとな
るようにデータエリア内でデータをシフトした後、ステ
ップ2に戻るステップ12と、上記制御信号の出力の後
の上記条件値B、炉帯別炉温TFおよび板温TMの実績
データを蓄積するステップ13と、この実績データ蓄積
数Lが予め定めた2以上の自然数Pの倍数か否かを判断
して、ノーの場合には、ステップ13に戻り、イエスの
場合には、次のステップに進むステップ14と、パラメ
ータθaを係数とする上記三次元曲面モデルを表す式に
基づきθaの評価演算を行うステップ15と、ステップ
15の評価演算に基づき、パラメータθaの値を新たに
求めた値に更新するステップ16と、上記実績データ蓄
積数Lが、上記自然数Pより大きい予め定めた自然数V
に等しいか否かを判断して、ノーの場合には、ステップ
13に戻り、イエスの場合には、次のステップに進むス
テップ17と、上記蓄積データの内、最初に蓄積された
P個のデータを消去し、残る(V−P)個のデータについ
て、その蓄積順序を変えることなく、最初に蓄積された
(V−P)個のデータとなるようにデータエリア内でデー
タをシフトした後、ステップ4に戻るステップ18とか
ら構成した。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の一形態を図
面にしたがって説明する。図1は、本発明に係る操炉方
法が適用される連続式焼鈍炉1およびその制御系を示
し、焼鈍炉1は、仕切り壁により仕切られた複数のゾー
ン(炉帯)、即ち予熱ゾーン11、加熱ゾーン12、均
熱ゾーン13、徐冷ゾーン14から構成されている。金
属ストリップSは、ロール16、ブライドルロール17
を経て、焼鈍炉1内に導かれ、順番に予熱ゾーン11、
加熱ゾーン12、均熱ゾーン13、徐冷ゾーン14を通
過し、焼鈍炉1から送り出される。なお、ブライドルロ
ール17はモータ18により駆動され、このモータ18
の回転数を制御することにより、金属ストリップSの搬
送速度を変化させ得るようになっている。予熱ゾーン1
1、加熱ゾーン12、均熱ゾーン13には加熱手段19
が設けられ、また徐冷ゾーン14には、冷却手段20が
設けられている。さらに、加熱手段19の発生熱量を増
減させるための熱量調節手段21、冷却手段20による
冷却速度を調節するための冷却速度調節手段22が設け
られている。
【0007】そして、検出器として、各ゾーンの温度T
Fを検出する温度検出器23、均熱ゾーン13における
金属ストリップSの表面温度TMを検出する板温検出器
24、モータ18の回転速度を検出する回転速度検出器
25、金属ストリップSの機械的特性、例えば硬度HV
を検出する機械的特性検出器26が設けられている。温
度検出器23による検出温度は温度調節計27に入力さ
れ、さらにこの温度調節計27を介して制御装置2に入
力される。回転速度検出器25による検出回転速度は回
転速度調節計28に入力され、さらにこの回転速度調節
計28を介して制御装置2に入力される。板温検出器2
4による検出温度TM、機械的特性検出器26により検
出された機械的特性(例:結晶粒度GS、硬度HV、伸
びEL、引張り強さTS、耐力YS)の各々は制御装置
2に入力される。
【0008】制御装置2では、入力された上記検出温度
等のデータに基づき、以下に詳述するように、演算等が
行われ、この制御装置2から温度調節計27、回転速度
調節計28の各々を介して熱量調節手段21、冷却速度
調節手段22およびモータ18に対して制御信号が出力
され、上記各ゾーンにおける炉温、金属ストリップSの
搬送速度が適正に調節され、所望の機械的特性を備えた
金属ストリップが得られるようになっている。
【0009】次に、上述した連続式焼鈍炉1に適用され
る第1発明に係る金属ストリップの連続熱処理炉におけ
る操炉方法について説明する。図2に示すように、ステ
ップ1(S1)で、鋼種別特性値A1、例えば板温TM、
条件値B、例えば生産量TVを設定する。即ち、これら
の値を制御装置2に入力する。以下、限定するものでは
ないが、鋼種別特性値A1を板温TMとし、条件値Bを
生産量TVとして説明する。ステップ2(S2)で、鋼種
別、炉帯別に、制御装置2に予め入力された各種のパラ
メータθaの組から、上記入力された値に対応する、あ
るパラメータの組θa(a=0,1…5)の値を読出す。
ステップ3(S3)で、以下に述べる三次元曲面モデルを
使った評価演算を行い、炉帯別に炉温TFを算出する。
ここで、目的変数として、炉帯別炉温TFをy(i)と表
す。
【0010】また、操炉状態を表す説明変数として、θ
aの数に合わせて一例として次の5個の変数を定義す
る。ただし、本発明は、この5個の変数に限定するもの
でなく、これとは別の変数を採用してもよい。
【数1】 さらに、得られる各x1,x2,x3,x4,x5の組の数
Nに合わせて、誤差としてN個の誤差e(j)(j=1,
2…N)を導入する。なお、このe(j)は、最初はあ
る値、例えば各e(j)の値を0に設定し、その後は計
算により求める。
【0011】以上の変数等を用いて、次の3次元曲面モ
デル式を定義する。
【数2】
【0012】この式は、上述した5個の変数の各々に対
して、重み係数を掛け、さらに誤差分を加えることによ
り目的変数y(i)が得られることを示している。この式
の左辺のN行1列の行列をY、右辺第1項のN行6列の
行列をZ、同じく6行1列の行列をθ、そして右辺第2
項のN行1列の行列をeで表すと、この式は以下のよう
に表すことができる。
【数3】 この(1)式により炉帯別炉温TFが求められる。ステッ
プ4(S4)で、以上のステップで得られた生産量TV、
板温TMおよび炉帯別炉温TFに基づき、制御装置2か
ら温度調節計27、回転速度調節計28に対して制御信
号を出力して、加熱手段19からの熱量、モータ18の
回転速度を調節する。
【0013】ステップ5(S5)で、現状の実績データ、
即ち炉温TF、生産量TVおよび板温TMを求めて、所
定のメモリー領域にこのデータを蓄積する。ステップ6
(S6)で、実績データ蓄積数Lが予め定めた2以上の自
然数P、例えば6の倍数か否か判断して、ノー(N)の場
合はS5に戻り、イエス(Y)の場合は次のステップに進
む。ステップ7で、パラメータθaを係数とする上記三
次元曲面モデルを表す式に基づきθaの評価演算を行
う。即ち、(1)式より、次式が得られる。
【数4】
【0014】この(2)式は、次のように表すことができ
る。
【数5】 これらの式は、推定値であるパラメータθaと目的変数
であるy(i)に対して、誤差e(i)が生じることを表し
ている。
【0015】ついで、誤差e(i)について、S3で得ら
れる三次元曲面と実績データから得られる三次元曲面と
の間の距離の和として次の評価関数Jを定義する。
【数6】
【0016】この(3)式と(2)式とから、次式が得られ
る。
【数7】 θの関数Jを最小(厳密には極小であるが狭い範囲内に
おいては最小となる)にする条件は次式で表される。
【数8】
【0017】(5)式の各行列を転置すると、即ち各行列
の行と列とを入れ替えて書き直すと、次のようになる。
【数9】 (6)式をθについて解くと、次式が得られる。
【数10】 この(7)式により算出される値が求めようとしているθ
の最適推定値である。以上のようにして、現状に比して
より一層操炉条件を適正化するθaの値が算出される。
【0018】図3は、以上の数式による解析を理解し易
くするために示したものである。図3において、直行す
る3軸の内の一つは炉温TFを表し、残りの一方が生産
量TV、他方が板温TMを表し、図中IがS3で定めら
れる3次元曲面を表している。また、図3中、の複数の
×印は蓄積された実績データを示している。即ち、S3
で求めた炉の状態に対して、実際の炉の状態は異なって
いることを示している。したがって、次にこの実績デー
タを包含する3次元曲面を求めるためにS6までの処理
が炉から得られる生のデータの蓄積がなされ、S7で最
もよく現実の炉の状態を反映した、即ち上記複数の点か
らのずれ、具体的にはこれらの複数の点からの距離の平
方の和を最も小さくする三次元曲面が求められている。
【0019】ステップ8(S8)で、パラメータθaの各
値を、現時点で最も適正なS7で求めた値に更新する。
ステップ9(S9)で、上記実績データ蓄積数Lが、上記
自然数Pより大きい予め定めた自然数V、例えば60に
等しいか否かを判断して、ノー(N)の場合には、S5に
戻り、イエス(Y)の場合には、次のステップに進む。ス
テップ10(S10)で、上記蓄積データの内、最初に蓄
積されたP個のデータを消去し、残る(V−P)個のデー
タについて、その蓄積順序を変えることなく、最初に蓄
積された(V−P)個のデータとなるようにデータエリア
内でデータをシフトした後、ステップ2に戻る。
【0020】ここで、例えばP=6、V=60として、
上記S6、S9、S10について、具体的に説明する。
蓄積データ数Lが、60に満たない場合は、実績データ
が次々と蓄積されて行くとともに(S9参照)、6の倍
数になった場合には、パラメータθaの更新のための処
理がなされる(S7、S8参照)。そして、蓄積データ
数Lが60に達した場合には、Lは6の倍数であるから
パラメータθaの更新のための処理がなされ、さらに、
データエリアの第1番目〜第55番目の実績データが第
6番目〜第60番目の実績データに書き替えられる(S
10参照)。即ち、蓄積データシフトが行われる。そし
て、その後得られた実績データはデータエリアの第56
番目から順番に蓄積されるようになっている(S5参
照)。したがって、蓄積データ数Lが60に達すると常
に蓄積データシフトが行われ、データエリア内に61以
上の実績データが蓄積されることはあり得ない。
【0021】続いて、上述した連続式焼鈍炉1に適用さ
れる第2発明に係る金属ストリップの連続熱処理炉にお
ける操炉方法について説明する。この第2発明は、第1
発明で予め設定した鋼種別特性値A2、例えば金属スト
リップの硬度HVと条件値B、例えば生産量TVに基づ
いて第1発明における数式による解析と同様な解析を繰
り返すことにより板温TMを求めて、その後、その更新
を繰り返し、最も新しく求められた板温TMに基づき上
記同様の処理を行うようにしたものである。その他の点
については、第1発明と同様なステップからなってい
る。
【0022】図4に示すように、ステップ1(S1)
で、鋼種別特性値A2、例えば硬度HV、条件値B、例
えば生産量TVを設定する。即ち、これらの値を制御装
置2に入力する。以下、限定するものではないが、鋼種
別特性値A2を硬度HVとし、同Bを生産量TVとして
説明する。ステップ2(S2)で、これらの値に基づき、
鋼種別に、制御装置2に予め入力された各種のパラメー
タηbの組から、上記入力された値に対応するあるパラ
メータの組ηb(b=0、1…5)の値を読出す。ステッ
プ3(S3)で、以下に述べる三次元曲面モデルを使った
評価演算を行い、炉帯別に板温TMを算出する。ここ
で、目的変数として、板温TMをy(n)と表す。
【0023】また、操炉状態を表す説明変数として、η
bの数に合わせて一例として次の5個の変数を定義す
る。ただし、本発明は、この5個の変数に限定するもの
でなく、これとは別の変数を採用してもよい。
【数11】 さらに、得られる各x1,x2,x3,x4,x5の組の数
Nに合わせて、誤差としてN個の誤差e(j)(j=1,
2…N)を導入する。なお、このe(j)は、最初はあ
る値、例えば各e(j)の値を0に設定し、その後は計
算により求める。
【0024】以上の変数等を用いて、次の3次元曲面モ
デル式を定義する。
【数12】
【0025】この式は、上述した5個の変数の各々に対
して、重み係数を掛け、さらに誤差分を加えることによ
り目的変数y(n)が得られることを示している。この式
の左辺のN行1列の行列をY、右辺第1項のN行6列の
行列をZ、同じく6行1列の行列をη、そして右辺第2
項のN行1列の行列をeで表すと、この式は以下のよう
に表すことができる。
【数13】 この(8)式により板温TMが求められる。
【0026】ステップ4(S4)で、生産量TV、板温T
Mに基づき、鋼種別に、制御装置2に予め入力された各
種のパラメータθaの組から、上記入力された値に対応
するあるパラメータの組θa(a=0、1…5)の値を読
出す。ステップ5(S5)で、第1発明におけるS3と同
様な演算を行うことにより、炉帯別に炉温TFを算出す
る。ステップ6(S6)で、以上のステップで得られた生
産量TV、板温TMおよび炉帯別炉温TFに基づき、制
御装置2から温度調節計27、回転速度調節計28に対
して制御信号を出力して、加熱手段19からの熱量、モ
ータ18の回転速度を調節する。ステップ7(S7)で、
現状の実績データ、即ち硬度HV、生産量TVおよび板
温TMを求めて、所定のメモリー領域にこのデータを蓄
積する。
【0027】ステップ8(S8)で、実績データ蓄積数M
が予め定めた2以上の自然数Q、例えば6の倍数か否か
判断して、ノー(N)の場合はS2に戻り、イエス(Y)の
場合は次のステップに進む。ステップ9(S9)で、第1
発明のS7におけるθaをηbに置き換えて、このS7と
同様の演算、即ちパラメータηbを係数とする上記三次
元曲面モデルを表す式に基づきηbの評価演算を行い、
新たに炉の現状を反映したηbを求める。ステップ10
(S10)で、パラメータηbの各値を、現時点で最も適
正なS9で求めた値に更新する。ステップ11(S11)
で、上記実績データ蓄積数Mが、上記自然数Qより大き
い予め定めた自然数W、例えば60に等しいか否かを判
断して、ノー(N)の場合には、S7に戻り、イエス(Y)
の場合には、次のステップに進む。
【0028】ステップ12(S12)で、上記蓄積データ
の内、最初に蓄積されたQ個のデータを消去し、残る
(W−Q)個のデータについて、その蓄積順序を変えるこ
となく、最初に蓄積された(W−Q)個のデータとなるよ
うにデータエリア内でデータをシフトした後、S2に戻
る。以下のステップの各々は、扱うデータを、硬度H
V、生産量TV、板温TMに代えて板温TM、生産量T
V、炉温TFとした点、パラメータをηbに代えてθa
した点を除き、基本的にはS7〜S12での処理と同様
である。S7と同様にS6に続くステップ13(S13)
で、現状の実績データ、即ち板温TM、生産量TVおよ
び炉温TFを求めて、所定のメモリー領域にこのデータ
を蓄積する。
【0029】ステップ14(S14)で、実績データ蓄積
数Lが予め定めた2以上の自然数P、例えば6の倍数か
否か判断して、ノー(N)の場合はS4に戻り、イエス
(Y)の場合は次のステップに進む。ステップ15(S1
5)で、第1発明のS7と同様の演算、即ちパラメータ
θaを係数とする上記三次元曲面モデルを表す式に基づ
きθaの評価演算を行い、新たに炉の現状を反映したθa
を求める。ステップ16(S16)で、パラメータθa
各値を、現時点で最も適正なS15で求めた値に更新す
る。ステップ17(S17)で、上記実績データ蓄積数L
が、上記自然数Pより大きい予め定めた自然数V、例え
ば60に等しいか否かを判断して、ノー(N)の場合に
は、S13に戻り、イエス(Y)の場合には、次のステッ
プに進む。
【0030】ステップ18(S18)で、上記蓄積データ
の内、最初に蓄積されたP個のデータを消去し、残る
(V−P)個のデータについて、その蓄積順序を変えるこ
となく、最初に蓄積された(V−P)個のデータとなるよ
うにデータエリア内でデータをシフトした後、S4に戻
る。以上のように、第1、第2発明では、操炉条件を、
不確定なバーナ、炉壁の劣化、燃料の変化等、設備側の
状態の変化そのものに基づいて定めるのではなく、これ
らの変化した状態によってもたらされる、或は出力され
るストリップ、炉の状態量を測定することにより定める
ようにしてある。また、上記状態量の測定を続け、実績
データの蓄積を行い、所望の状態量との差を最小にする
三次元曲面モデルの演算を行うことにより上記操炉条件
を更新するようになっている。したがって、不確定なフ
クターを含む従来の熱計算モデルを使うことなく、炉の
現状に最適な操炉のための制御が行うことができ、バー
ナ、炉壁の劣化の程度の調査、燃料により生じる熱量の
確認等、手間の掛かる作業も不要となる。
【0031】上記説明では、鋼種別特性値A1を板温T
M、A2を硬度HV、条件値Bを生産量TVとした例を
示したが、本発明は、これに限定するものでなく、A2
として結晶粒度GS、伸びEL、引張り強さTS、耐力
YS等のいずれかを、また条件値Bとして生産率PR、
板厚TH、速度LS等を採用してもよい。また、本発明
に係る方法が適用される炉は、連続焼鈍炉に限定される
ものでなく、連続式熱処理炉ならば、焼鈍炉以外のもの
にも適用される。なお、図2,4において、一点鎖線の
枠内は制御装置2にて行われる機能を表している。
【0032】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、第1、
第2発明によれば、一旦設定した操炉条件で炉の制御を
続けるのではなく、また、不確定な、かつ変動する要素
を常に伴うファクターを含む従来の熱計算モデル式を使
うことなく、炉から得られた現状を最もよく反映した実
績データを集め、これを基に、所望のストリップを作り
出す操炉条件との差を最小にする操炉条件を定めるため
の三次元曲面モデルの演算を繰り返すようにしてある。
このため、炉が如何なる状態であっても、その状態その
ものを調査して把握する手間を掛けることなく、最適な
操炉を行うことができ、かつ所望のストリップを容易に
得ることが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される連続焼鈍炉の全体構成を
示す図である。
【図2】 第1発明の各ステップを示すフローチャート
である。
【図3】 第1発明における三次元曲面モデル演算を説
明するための図である。
【図4】 第2発明の各ステップを示すフローチャート
である。
【符号の説明】
1 連続式焼鈍炉 2 制御装置 11 予熱ゾーン 12 加熱ゾーン 13 均熱ゾーン 14 徐冷ゾーン 16 ロール 17 ブライドルロ
ール 18 モータ 19 加熱手段 20 冷却手段 21 熱量調節手段 22 冷却速度調節手段 23 温度検出器 24 板温検出器 25 回転数検出器 26 機械的特性検出器 27 温度調節計 28 回転速度調節計 S 金属ストリップ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼種別特性値A1、条件値Bを設定する
    ステップ1と、 これらの値に基づきパラメータθaの値を読出すステッ
    プ2と、 上記パラメータθaを係数とし、かつ炉温TFを定める
    三次元曲面モデルを表す式に基づき評価演算を行うステ
    ップ3と、 この結果算出された炉帯別炉温TF、および上記特性値
    1、条件値Bの状態にするための制御信号を出力する
    ステップ4と、 この出力の後の上記特性値A1、条件値Bおよび炉帯別
    炉温TFの実績データを蓄積するステップ5と、 この実績データ蓄積数Lが予め定めた2以上の自然数P
    の倍数か否かを判断して、ノーの場合には、ステップ5
    に戻り、イエスの場合には、次のステップに進むステッ
    プ6と、 パラメータθaを係数とする上記三次元曲面モデルを表
    す式に基づきθaの評価演算を行うステップ7と、 ステップ7の評価演算に基づき、パラメータθaの値を
    新たに求めた値に更新するステップ8と、 上記実績データ蓄積数Lが、上記自然数Pより大きい予
    め定めた自然数Vに等しいか否かを判断して、ノーの場
    合には、ステップ5に戻り、イエスの場合には、次のス
    テップに進むステップ9と、 上記蓄積データの内、最初に蓄積されたP個のデータを
    消去し、残る(V−P)個のデータについて、その蓄積順
    序を変えることなく、最初に蓄積された(V−P)個のデ
    ータとなるようにデータエリア内でデータをシフトした
    後、ステップ2に戻るステップ10とからなる金属スト
    リップの連続式熱処理炉における操炉方法。
  2. 【請求項2】 鋼種別特性値A2、条件値Bを設定する
    ステップ1と、 これらの値に基づきパラメータηbの値を読出すステッ
    プ2と、 上記パラメータηbを係数とし、かつ板温TMを定める
    三次元曲面モデルを表す式に基づき評価演算を行うステ
    ップ3と、 この結果算出された板温TMおよび条件値Bに基づきθ
    aの値を読出すステップ4と、 上記パラメータθaを係数とし、かつ炉温TFを定める
    三次元曲面モデルを表す式に基づき評価演算を行うステ
    ップ5と、 炉帯別炉温TF、板温TMおよび上記特性値A2の状態
    にするための制御信号を出力するステップ6と、 この出力の後の上記特性値A2、条件値Bおよび板温T
    Mの実績データを蓄積するステップ7と、 この実績データ蓄積数Mが予め定めた2以上の自然数Q
    の倍数か否かを判断して、ノーの場合には、ステップ7
    に戻り、イエスの場合には、次のステップに進むステッ
    プ8と、 パラメータηbを係数とする上記三次元曲面モデルを表
    す式に基づきηbの評価演算を行うステップ9と、 ステップ9の評価演算に基づき、パラメータηbの値を
    新たに求めた値に更新するステップ10と、 上記実績データ蓄積数Mが、上記自然数Qより大きい予
    め定めた自然数Wに等しいか否かを判断して、ノーの場
    合には、ステップ7に戻り、イエスの場合には、次のス
    テップに進むステップ11と、 上記蓄積データの内、最初に蓄積されたQ個のデータを
    消去し、残る(W−Q)個のデータについて、その蓄積順
    序を変えることなく、最初に蓄積された(W−Q)個のデ
    ータとなるようにデータエリア内でデータをシフトした
    後、ステップ2に戻るステップ12と、 上記制御信号の出力の後の上記条件値B、炉帯別炉温T
    Fおよび板温TMの実績データを蓄積するステップ13
    と、 この実績データ蓄積数Lが予め定めた2以上の自然数P
    の倍数か否かを判断して、ノーの場合には、ステップ1
    3に戻り、イエスの場合には、次のステップに進むステ
    ップ14と、 パラメータθaを係数とする上記三次元曲面モデルを表
    す式に基づきθaの評価演算を行うステップ15と、 ステップ15の評価演算に基づき、パラメータθaの値
    を新たに求めた値に更新するステップ16と、 上記実績データ蓄積数Lが、上記自然数Pより大きい予
    め定めた自然数Vに等しいか否かを判断して、ノーの場
    合には、ステップ13に戻り、イエスの場合には、次の
    ステップに進むステップ17と、 上記蓄積データの内、最初に蓄積されたP個のデータを
    消去し、残る(V−P)個のデータについて、その蓄積順
    序を変えることなく、最初に蓄積された(V−P)個のデ
    ータとなるようにデータエリア内でデータをシフトした
    後、ステップ4に戻るステップ18とからなる金属スト
    リップの連続式熱処理炉における操炉方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE1023699B1 (fr) * 2016-05-02 2017-06-16 Cockerill Maintenance & Ingenierie S.A. Contrôle en temps réel du chauffage d'une pièce par un four siderurgique ou un four de traitement thermique
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