JPH10203563A - 中容器付弁当用容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】合成樹脂製の弁当用容器の長所を十分生かすこ
とができ、容器本体に対する中容器の分離を容易に行う
ことのできる中容器付弁当用容器を、簡単な構成によっ
て提供すること。 【構成】主食等が詰められる容器本体１０と、この容器
本体１０内に収納されて副食等が詰められる中容器２０
と、この中容器２０の上方を覆い容器本体１０側に嵌合
される蓋体３０とからなる中容器付弁当用容器１００で
あって、容器本体１０と中容器２０との上縁フランジ１
１・２１間に挿入空間４０を形成すべく容器本体１０内
に中容器２０の底面を支承する段部１２を形成したここ
と。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、弁当用容器に関
し、特に主食等が詰められる容器本体と、この容器本体
内に収納されて副食等が詰められる中容器とを有した中
容器付弁当用容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、弁当専門店は勿論、スーパーやコ
ンビニエンスストアにおいても、所謂パック詰めされた
弁当が大量に販売されるようになってきており、この弁
当販売のための容器として、合成樹脂シートからなる容
器が、大量に使用され提案もされてきている。この種の
合成樹脂製の弁当用容器は、衛生的であること、安価で
あること、形状を自由に変更できること、等の種々なメ
リットがあって、所謂ワンウエイタイプのものとして重
宝されてきているものである。

【０００３】また、この種合成樹脂製の弁当用容器で
は、中に仕切りを一体成形することにより、収納物の仕
切りを行うこともなされてはいるが、副食の煮汁が主食
内に混入しないようにするために、主食等が詰められる
容器本体と、この容器本体内に収納されて副食等が詰め
られる中容器とを有した中容器付弁当用容器も提案され
てきている。そして、この従来の中容器付弁当用容器
は、その容器本体内に中容器を収納するようにして、言
わば２段の弁当用容器として、コンパクト化したものが
多く提案されてきてもいる。

【０００４】ところが、従来の中容器付弁当用容器で
は、その一層のコンパクト化を図るために、中容器が容
器本体上に完全に重なるように構成されているため、両
者の分離を行うことが非常に困難となっている。この分
離が困難な理由としては、容器本体と中容器との上縁フ
ランジが完全に重なっていて、これらの間に隙間が全く
ないこと、あるいは、例えば主食である「ごはん」から
出た蒸気が両上縁フランジ間にて結露して、両者を完全
に密着させてしまっていること等が考えられる。

【０００５】そこで、本発明者は、中容器を有する弁当
用容器について、中容器と容器本体との分離を簡単に行
えるようにするにはどうしたらよいか、について種々検
討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の経緯
に基づいてなされたもので、その解決しようとする課題
は、中容器の容器本体に対する分離の容易化である。

【０００７】すなわち、本発明の目的とするところは、
この種合成樹脂製の弁当用容器の長所を十分生かすこと
ができ、容器本体に対する中容器の分離を容易に行うこ
とのできる中容器付弁当用容器を、簡単な構成によって
提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、本発明の採った手段は、後述する実施の形態の説
明中で使用する符号を付して説明すると、「主食等が詰
められる容器本体１０と、この容器本体１０内に収納さ
れて副食等が詰められる中容器２０と、この中容器２０
の上方を覆い容器本体１０側に嵌合される蓋体３０とか
らなる中容器付弁当用容器１００であって、容器本体１
０と中容器２０との上縁フランジ１１・２１間に挿入空
間４０を形成すべく、容器本体１０内に中容器２０の底
面を支承する段部１２を形成したことを特徴とする中容
器付弁当用容器１００」である。

【０００９】すなわち、本発明に係る中容器付弁当用容
器１００は、容器本体１０と、この容器本体１０内に収
納される中容器２０と、この中容器２０の上方を覆い容
器本体１０側に嵌合される蓋体３０とからなるものであ
るが、容器本体１０内に中容器２０の底面を支承する段
部１２を形成したもので、これにより、特に図４に示す
ように、容器本体１０と中容器２０との上縁フランジ１
１・２１間に挿入空間４０を形成したものである。

【００１０】以上のように構成することによって、当該
中容器付弁当用容器１００（以下単に弁当用容器１００
という）においては、容器本体１０の上縁フランジ１１
と中容器２０の上縁フランジ２１との間に、蓋体３０を
容器本体１０から外したときに露出して、例えば指等を
挿入したり掛けたりすることのできる挿入空間４０が形
成されていることになる。従って、この挿入空間４０内
に指等を入れるか掛けるかして、容器本体１０に対する
中容器２０の分離を行えば、両者は簡単に分離すること
ができるのである。

【００１１】換言すれば、この挿入空間４０が存在しな
い従来の弁当用容器においては、「ごはん」からの蒸気
による密着を防止するために、中容器と容器本体間に密
着防止のための突起を形成する等の工夫を凝らさなけれ
ばならなかったのであるが、本発明に係る弁当用容器１
００では、そのようなことをする必要は全くないのであ
る。なお、この挿入空間４０は、例えば当該弁当を使う
ときに必要な、箸やナイフ・フォーク等の収納場所とす
ることもできる。

【００１２】なお、以下の実施形態に係る弁当用容器１
００においては、図４に示したように、その容器本体１
０の底面に嵌合突部１４が形成してあり、この嵌合突部
１４が嵌合されるべき嵌合凹部３３が蓋体３０側に形成
してあるから、中身を詰めた複数の弁当用容器１００
を、安定した状態で上下に積み上げることができるもの
である。

【００１３】

【発明の実施の形態】次に、以上のように構成した本発
明を、図面に示した実施の形態である弁当用容器１００
について説明すると、この弁当用容器１００は、図２に
示すように、容器本体１０と、この容器本体１０内に収
納される中容器２０と、この中容器２０の上方を覆い容
器本体１０側に嵌合される蓋体３０とからなるものであ
り、これらの容器本体１０、中容器２０、及び蓋体３０
は、図１に示したように、一体的に組み付けられるもの
である。また、これらの容器本体１０、中容器２０、及
び蓋体３０は合成樹脂シートを材料として、それぞれ一
体的に成形したものであり、特に蓋体３０については、
中容器２０内の内容物がよく見えるようにするために、
透明な合成樹脂シートを材料として形成してある。

【００１４】容器本体１０は、図２、図４及び図５に示
したように、ごはん等の主食と中容器２０との収納が行
える十分な容積を有したものとして形成したもので、本
実施形態では、その上端開口縁全周に上縁フランジ１１
が形成してある。そして、この容器本体１０において
は、図４及び図５に示したように、中容器２０の底面を
支承するための段部１２が形成してあり、本実施形態に
係る容器本体１０では、この段部１２は全周に形成して
ある。なお、この容器本体１０では、図４に示したよう
に、その底面に嵌合突部１４が膨出形成してある。

【００１５】また、この実施形態の容器本体１０は、図
３にも示したように、平面形状が四角なものとしてあっ
て、その各コーナー部に、例えば図１に示したように、
後述する蓋体３０側の係合部３２が係合されるべき係合
部１３が、それぞれ部分的に形成してある。この係合部
１３は、蓋体３０を上方から嵌合するための一般的なも
のであり、実施形態のものに限らず、さらに別の態様の
ものを適用することができることは言うまでもない。

【００１６】中容器２０は、容器本体１０内に上方から
収納されるものであり、その底面の周囲部分は、図４に
も示したように、容器本体１０側の上に載置される大き
さのものとしてある。そして、本実施形態の中容器２０
では、その上端開口縁全周に上縁フランジ２１が形成し
てあって、この中容器２０を容器本体１０内に収納した
とき、図４及び図５に示したように、その上縁フランジ
２１が容器本体１０側の上縁フランジ１１の上方に挿入
空間４０を形成して位置する大きさのものとしてある。

【００１７】さらに、本実施形態の上縁フランジ２１
は、容器本体１０側の上縁フランジ１１と同様に略水平
状のものとして形成してあり、かつ、この上縁フランジ
２１の幅を、容器本体１０側の上縁フランジ１１のそれ
よりも小さくなるようにしてある。このようにすること
によって、当該弁当用容器１００では、これを上方側か
ら見た場合、容器本体１０内に中容器２０が収納してあ
るものであり、かつその各上縁フランジ１１・２１間に
挿入空間４０を形成したものであることを明確に示すこ
とができるものである。

【００１８】本実施形態の中容器２０では、特に図５に
示したように、その上縁フランジ２１の外周に、これと
一体的で下方外側に広がるスカート部２２が一体的に形
成してあり、後述する蓋体３０側のスカート部３４の案
内を行えるようにしてある。また、この中容器２０のス
カート部２２は、図５中の仮想線にて示したように、蓋
体３０側のスカート部３４の内面に密着するように形成
して実施するとよい。何故なら、これらのスカート部２
２・３４の互いの接触によって、当該中容器２０と次に
述べる蓋体３０との位置決めを確実に行えるからであ
る。

【００１９】蓋体３０は、図４に示すように、その外周
フランジの中央部分に中容器フランジ押え３１を一体的
に形成したものであり、この中容器フランジ押え３１
は、上述した中容器２０側の上縁フランジ２１と略同じ
幅を有し、かつ上縁フランジ２１と同様に水平状に形成
したものである。この中容器フランジ押え３１は、図４
に示したように、当該蓋体３０によって中容器２０の上
方開口部を覆蓋したとき、中容器２０側の上縁フランジ
２１を押圧することになるもので、これにより、当該蓋
体３０の容器本体１０に対する嵌合時に、中容器２０を
容器本体１０内にしっかりと固定する作用を発揮するも
のである。

【００２０】勿論、この蓋体３０の外周フランジの下端
の一部には、図１にも示したように、容器本体１０側の
係合部１３に係合されるべき係合部３２を部分的に有し
ているものである。なお、この蓋体３０の上面には、図
４に示したように、嵌合凹部３３が形成してあり、この
嵌合凹部３３内には、当該弁当用容器１００とは別の弁
当用容器１００を上方に積み重ねたときに、この上方の
弁当用容器１００の嵌合突部１４が嵌合・挿入されるこ
とになるものである。すなわち、この嵌合凹部３３は、
他の弁当用容器１００の嵌合突部１４との協動によっ
て、積み重ねた各弁当用容器１００間のズレを防止する
ものである。

【００２１】なお、本実施形態の蓋体３０では、図５に
も示したように、中容器フランジ押え３１と係合部３２
との間にスカート部３４を形成したものであり、このス
カート部３４は、前述した中容器２０側のスカート部２
２と同様に、下方外側に広がるものとして形成してあ
る。これらのスカート部３４・２２を下方外側に広がる
ものとしたのは、この種の合成樹脂シートからなる容器
の型抜きを容易にするためであり、かつ、図４にも示し
たように、各弁当用容器１００間に、これを手に持つた
めに利用できる空間を積極的に形成するためでもある。
特に、本実施形態の弁当用容器１００では、図４に示し
たように、容器本体１０及び中容器２０の側壁部を上側
外方に拡開するものとして構成したことともあいまっ
て、手に持つための空間を十分なものとすることができ
るだけでなく、この種の合成樹脂シートからなる容器の
型抜きを容易にすることができる。

【００２２】

【発明の効果】以上詳述した通り、本発明に係る中容器
付弁当用容器１００においては、上記実施の形態中で例
示した如く、容器本体１０内に中容器２０の底面を支承
する段部１２を形成して、この上に中容器２０を収納・
載置したとき、容器本体１０と中容器２０との上縁フラ
ンジ１１・２１間に挿入空間４０を形成するようにした
ことにその構成上の特徴があり、これにより、合成樹脂
製の弁当用容器の長所を十分生かすことができ、容器本
体１０に対する中容器２０の分離を容易に行うことので
きる中容器付弁当用容器１００を、簡単な構成によって
提供することができるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る中容器付弁当用容器を示すもの
で、透明材によって形成した蓋体の外形のみを実線にて
示した正面図である。

【図２】同中容器付弁当用容器を構成する各部材の嵌合
前の状態を示す正面図である。

【図３】同中容器付弁当用容器の平面図である。

【図４】図３の１−１線に沿って見たもので、複数の弁
当用容器を積み上げた状態を示す拡大縦断面図である。

【図５】図４の２−２線部の部分拡大図である。

【符号の説明】

１００ 中容器付弁当用容器 １０ 容器本体 １１ 上縁フランジ １２ 段部 １３ 係合部 １４ 嵌合突部 ２０ 中容器 ２１ 上縁フランジ ２２ スカート部 ３０ 蓋体 ３１ 中容器フランジ押え ３２ 係合部 ３３ 嵌合凹部 ３４ スカート部 ４０ 挿入空間

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 主食等が詰められる容器本体と、この容
   器本体内に収納されて副食等が詰められる中容器と、こ
   の中容器の上方を覆い前記容器本体側に嵌合される蓋体
   とからなる中容器付弁当用容器であって、 前記容器本体と中容器との上縁フランジ間に挿入空間を
   形成すべく、前記容器本体内に前記中容器の底面を支承
   する段部を形成したことを特徴とする中容器付弁当用容
   器。