JPH10203313A - ワイパ制御装置 - Google Patents

ワイパ制御装置

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Publication number
JPH10203313A
JPH10203313A JP9023250A JP2325097A JPH10203313A JP H10203313 A JPH10203313 A JP H10203313A JP 9023250 A JP9023250 A JP 9023250A JP 2325097 A JP2325097 A JP 2325097A JP H10203313 A JPH10203313 A JP H10203313A
Authority
JP
Japan
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wiper
precipitation
time
value
amount
Prior art date
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Application number
JP9023250A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Fukui
浩 福井
Junichi Takagi
潤一 高木
Shoji Mafune
庄司 真船
Takashi Matsuo
俊 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Publication date
Application filed by Omron Corp, Omron Tateisi Electronics Co filed Critical Omron Corp
Priority to JP9023250A priority Critical patent/JPH10203313A/ja
Publication of JPH10203313A publication Critical patent/JPH10203313A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 降水物の飛来状況に応じてワイパの動作を適
切に制御する。 【解決手段】 投光部4と受光部5とを備えて成る降水
物検知センサ3を車輌に取り付けて、その投光路に飛来
する降水物を検知する。制御装置8は、降水物検知セン
サ3から降水物の大きさを反映した検知信号を入力し
て、降水物の飛来数および降水量を計測するとともに、
各計測値をそれぞれ所定のしきい値と比較する。前回の
ワイパ動作から所定の設定時間が経過するまでの間に、
いずれかの計測値がしきい値を越えたとき、制御装置8
からワイパ駆動信号が出力され、ワイパ7による払拭作
業が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車などの車輌の
ワイパを駆動するためのワイパ制御装置に関連し、殊に
この発明は、車輌に飛来する降水物を検出してその飛来
状況に応じてワイパの動作を制御するための技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、車輌の適所に降水物検知センサを
取り付けて、車輌に向かって飛来する雨,雪などの降水
物を検知して、その検知信号に応じてワイパを自動的に
駆動する装置が開発されている。従来のこの種の装置に
用いられる降水物検知センサは、投受光部を有する透過
式のもので、受光部からは投光路を通過した降水物の大
きさに応じたレベルのパルス信号が出力される。後段の
制御回路は、この出力信号のパルス幅を、そのレベルに
応じて伸長しつつ積算処理して、車輌に対する降水量を
計測し、この計測値が所定値に達する毎にワイパを駆動
する(特開昭62−179637号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、地上付近で観
測される雨滴の大きさは、最小のもので直径0.2 mm程
度、最大のもので8〜10mm程度であり、この範囲より
小さな水滴は地上に到達するまでに蒸発し、この範囲よ
り大きな水滴は落下途中で分裂すると考えられている。
上記の降水量に基づくワイパ制御方法では、霧雨のよう
な小さな降水物が飛来する場合でも、大粒の雨滴が飛来
する場合でも、同様の基準に基づきワイパを駆動するこ
とになる。したがって、大粒の雨滴が飛来した場合に
は、比較的短い時間間隔でワイパが作動するが、小粒の
雨滴が飛来した場合には、たとえ多量の飛来であって
も、降水量が所定値に達するまでワイパは作動しないこ
とになる。
【0004】一般に、細かい雨が降っている場合には、
たとえ降水量は少なくとも多量の雨滴がウィンドシール
ドに付着すると、前方が見えにくくなるため、こまめに
ワイパを動作する必要がある。しかしながら上記の制御
では、多量の雨滴によりウィンドシールドの視認性が著
しく悪くなっても、降水量が所定値に達していなければ
ワイパは作動しないため、運転者に良好な視界を提供で
きなくなるという問題がある。
【0005】この発明は上記問題点に着目してなされた
もので、車輌に対する降水物の飛来数および降水量をそ
れぞれ所定の基準値と比較し、その比較結果に基づきワ
イパ動作を制御することにより、降水物の大小にかかわ
らず、その飛来状況に応じてワイパの動作を適切に制御
することを技術課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明では、車輌に向かって飛来する降水物を検
知してその大きさに対応した検知信号を出力する降水物
検知手段と、前記降水物検知手段からの検知信号の出力
に応じて車輌に対する降水物の飛来数を計測する第1の
計測手段と、前記降水物検知手段からの検知信号の大き
さを積算処理して車輌に対する降水量を計測する第2の
計測手段と、降水物の飛来数および降水量について、そ
れぞれ車輌のワイパを駆動するための所定の基準値を設
定して記憶する基準値設定手段と、前回のワイパ動作以
後に得られた降水物の飛来数および降水量の各計測値を
それぞれの基準値と比較し、その比較結果に基づき前記
ワイパの動作を制御する制御手段とにより、ワイパ制御
装置を構成している。
【0007】請求項2の発明では、前記制御手段は、前
記第1,第2の計測手段により前回のワイパ動作以後に
計測された降水物の飛来数および降水量のうち、いずれ
か一方の計測値がその基準値を越えたとき、前記ワイパ
を駆動するための制御信号を出力するように構成され
る。
【0008】請求項3の発明では、前記制御手段は、前
記第1,第2の計測手段により前回のワイパ動作以後に
計測された降水物の飛来数および降水量をそれぞれの基
準値と比較した結果に基づき、前記ワイパの駆動間隔を
示す時間を決定する駆動間隔決定手段を備えている。こ
の駆動間隔決定手段は、前回のワイパ動作から現在決定
されている時間が経過するまでの間に得られた各計測値
のうちいずれか一方がその基準値を越えたときは、駆動
間隔を前記決定されている時間よりも短い時間に変更
し、前回のワイパ動作から現在決定されている時間が経
過するまでの間に得られた各計測値がともにその基準値
を越えなかったときは、駆動間隔を前記決定されている
時間よりも長い時間に変更する。
【0009】請求項4の発明では、前記制御手段は、前
記第1の計測手段による降水物の飛来数の計測値がその
基準値よりも大きな所定のしきい値を越えたとき、前記
ワイパを駆動するための制御信号を出力する。
【0010】請求項5の発明では、前記制御手段は、前
回のワイパ動作から所定の時間が経過するまでの間に、
前記第1の計測手段により降水物の飛来数が計測され、
かつ前記第2の計測手段による降水量の計測値がその基
準値より小さな所定のしきい値を下回るとき、各計測値
をリセットする。
【0011】請求項6の発明では、前記基準値設定手段
は、前記各基準値を、装置外部からの入力信号に基づき
可変設定する。
【0012】
【作用】降水物検知手段からの検知信号により、車輌に
対する降水物の飛来数と降水量とを同時に計測し、これ
ら計測値をそれぞれ所定の基準値と比較した結果に基づ
きワイパの動作を制御するので、飛来する降水物の大小
にかかわらず、その飛来状況に応じて適切なワイパ制御
を実施できる。
【0013】請求項2の発明では、前回のワイパ動作以
後に計測された降水物の飛来数および降水量のうち、い
ずれか一方の計数値がその基準値を越えた段階でワイパ
を駆動することにより、小粒の降水物が多量に飛来した
場合にはその飛来数に基づくワイパ制御が、大粒の降水
物が飛来した場合にはその降水量に基づくワイパ制御
が、それぞれ実施される。
【0014】請求項3の発明では、降水物の飛来数およ
び降水量の計数値をそれぞれ所定の基準値と比較した結
果によりワイパの駆動間隔を決定する。この決定処理に
おいて、前回のワイパ動作から決められた時間が経過す
る前にいずれか一方の計数値が基準値に達したとき、す
なわち飛来数または降水量が前段階よりも増加したとき
は、ワイパ駆動間隔は、現在決められた時間よりも短い
時間に変更される。反対に決められた時間が経過した段
階でいずれの計数値も基準値に達していないとき、すな
わち降水物の飛来が減少した場合には、ワイパの駆動間
隔は決められている時間よりも長い時間に変更される。
【0015】請求項4の発明では、降水物の飛来数の計
測値が設定された基準値よりも大きな所定のしきい値を
越えたとき、即座にワイパを駆動するので、対向車から
の水しぶきなど、多量の水滴が飛来した場合にも適切に
対応できる。
【0016】請求項5の発明では、前回のワイパ動作か
ら所定の時間が経過するまでの間に、降水物の飛来が認
められるが、その降水量の計測値が所定のしきい値を下
回る場合、各計数値をリセットするので、ウィンドシー
ルドの視認性の悪化に関わらないようなきわめて小さな
飛来物に対しては、ワイパは動作しない。
【0017】請求項6の発明では、各計測値と比較する
ための基準値を、装置外部からの入力信号に基づき可変
設定するので、ワイパの駆動間隔を運転者が自由に変更
することができる。
【0018】
【実施例】図1は、この発明の一実施例にかかるワイパ
制御装置を自動車に取り付けた例を示す。このワイパ制
御装置は、雨滴などの飛来物の到来を判別して、ワイパ
7を自動的に作動させるためのもので、車輌のボンネッ
ト1とウィンドシールド2との境界部に降水物検知セン
サ3が取り付けられるとともに、車体内部には、この降
水物検知センサからの検知信号を処理してワイパ7の払
拭動作を制御するための制御装置8が配備されている。
【0019】前記降水物検知センサ3は、投光部4と受
光部5とを所定の間隔を隔てて対向配備して成るもの
で、投光部4から受光部5には帯状光6が投射される。
【0020】図2は、前記降水物検知センサ3の外観
を、また図3はこの降水物検知センサ3の光学系の構成
を、それぞれ示す。この降水物検知センサ3は、金属製
のベース9の両端位置に前記投光部4および受光部5を
設けた構成のものである。前記投光部4は、ケース10
の内部に発光ダイオードなどの発光素子12およびコリ
メートレンズ13を、また前記受光部5はケース11の
内部にフォトダイオードなどの受光素子14およびコン
デンサレンズ15を、それぞれ収納配備したもので、各
ケース10,11とベース9との間にはボンネット1の
端縁と係合するための取付溝16が設けられている。
【0021】各ケース10,11は、内側が開口してお
り、それぞれの開口面をスリット板17,18で塞いで
いる。投光部4側のスリット板17に形成されたスリッ
ト孔19は、前記発光素子12からの光を透過させてケ
ース10の外側へ投射する光投射部として機能し、また
受光部5側のスリット板18に形成されたスリット孔2
0は、前記光投射部19より投射された光を透過させて
ケース11の内部の受光素子14へ導く光透過部として
機能する。
【0022】なおベース9の内部には、投,受光部を駆
動させるための駆動回路,受光素子からの受光信号を増
幅処理するための増幅回路,この増幅処理された受光信
号から想定される降水物を反映する周波数成分を取り出
すためのバンドパスフィルタなどが配備された回路基板
が配備されている。
【0023】上記降水物検知センサ3をボンネット1に
取り付ける場合、前記取付溝16,16をボンネット1
のウインドシールド2側の端縁に係合することにより、
前記ベース9がボンネット1の内側に位置し、前記投光
部4および受光部5のみが外部に突出する。
【0024】前記投光部4と受光部5との間隔は、過去
に観測された気象状況などに基づき、雨滴などの降水物
が帯状光6内にほぼ一滴ずつ入るような距離に設定され
ている。また前記各スリット板17,18の光投射部1
9,光透過部20の形成位置は、取付け時における帯状
光6の角度が水平方向に対してウインドシールド2の傾
きにほぼ平行になるように設定されている。なお前記降
水物検知センサ3の取付位置は図1に示した位置に限ら
ず、例えばワイパ7上,バンパーの位置,ルーフ上な
ど、適所に取り付けることができる。
【0025】図4は、前記降水物検知センサ3による雨
滴検知の原理を示すもので、雨滴の到来がない状態での
受光量を1として受光率の時間的な変化を表してある。
【0026】いま時刻t1 に雨滴が帯状光に到達する
と、雨滴により帯状光の一部が遮光され受光率が減少す
る。雨滴はほぼ球形とみなせるので、雨滴の落下に伴
い、受光率は雨滴の形状を反映する放物線状のカーブを
描いて徐々に減少し、雨滴が帯状光全体を遮光した時刻
2 で最小値Emin をとる。その後、雨滴が帯状光を出
ていくのに伴って受光率は増大し、雨滴が帯状光から完
全に脱出した時刻t3 で1に回復する。
【0027】雨滴が検知エリアに対し垂直に落下してい
る場合、前記の受光率の最小値Emin および受光率が変
移する時間Tは(図4の時刻t1 からt3 までの時間)
は、ともに雨滴の直径に比例して増大する。
【0028】一般に、地表近くで認められる最小の雨滴
の直径は0.2mm程度であり、これより小さな水滴が検
出された場合は、その水滴は霧滴であると判別される。
図5は、前記の受光率の変化と雨滴の大きさとの関係を
示す。図中、曲線A,B,C,D,Eはそれぞれ直径1
mm,2mm,3mm,4mm,5mmの雨滴が帯状光を通過した
ときの受光率の変化を示すもので、それぞれの受光率の
最小値m1 ,m2 ,m3 ,m4 ,m5 および受光率の変
移時間T1 ,T2 ,T3 ,T4 ,T5 は直径が大きくな
るにつれて増大している。
【0029】上記の原理は雨滴以外の降水物についても
あてはまるもので、受光部5の出力電位は、帯状光6を
通過した降水物の形状や大きさを反映した変化パターン
をとりながら減少する。よって、受光部5からの出力電
位が立ち下がる毎に、その変移量もしくは変移時間を計
測すれば、帯状光6を通過した降水物の大きさを認識す
ることができる。
【0030】なお車輌に向かって、対向車からの水しぶ
きなど、通常の降水物以外の多量の水滴(以下これを
「スプラッシュ」という)が飛来したときは、各水滴に
より帯状光6が連続的に遮光されるため、降水物検知セ
ンサ3からは長期間にわたって小刻みに変動する信号が
出力される。
【0031】前記制御装置8は、上記原理に基づき、降
水物検知センサ3より車輌に向かって飛来する降水物の
大きさを反映した検知信号を入力して、前記帯状光6を
通過した降水物の数と降水量とを計測するとともに、こ
れら計測値に基づきワイパ7の動作を制御する。なお前
記したスプラッシュに対しては、制御装置8は即座にワ
イパ7を駆動し、ウィンドシールドの視認性を常に良好
に保つように設定されている。
【0032】図6は、上記のワイパ制御装置の電気的構
成を示す。前記降水物検知センサ3には、前記したよう
に、投光素子12,受光素子14を駆動するための駆動
回路21,22や受光素子14による受光量を増幅する
ための増幅回路23などが配備された制御基板24が組
み込まれている。これら各回路は車輌本体側の電源より
電流の供給を受けて動作する。
【0033】前記制御装置8は、計測処理部30,レベ
ル設定部31,ワイパ制御部32,しきい値可変設定部
33などを構成として含んでおり、その下段には、トラ
ンジスタ回路34,リレー回路35,モータ36などか
ら成るワイパ駆動装置37が配備される。
【0034】降水物検知センサ3の受光素子14からの
出力電位は、受光部5側の増幅回路23や図示しないバ
ンドパスフィルタなどを介して制御装置8の計測処理部
30に入力される(以下この入力信号を「受光量信号」
という)。前記レベル設定部31は、降水物の有無を検
知するための電圧レベルを設定するためのもので、ここ
では複数個の抵抗を直列に配した回路29に所定強さの
電流を供給することにより、降水物が飛来していない状
態下で得られる受光量信号のレベルに相当する値(以下
この値を「基準レベル」という)が保持される。
【0035】前記計測処理部30は、コンパレータ2
5,ピークホールド回路26,飛来数計測部27,降水
量計測部28などから構成される。前記コンパレータ2
5は、前記受光量信号のレベルと前記レベル設定部31
に設定された基準レベルとを入力して、受光量信号の立
ち下がりおよび通常レベルへの復帰を検出する。飛来数
計測部27は、このコンパレータ25からの検出信号に
応じて帯状光6を通過した降水物を順次計数し、その計
数値nをワイパ制御部32へと入力する。
【0036】ピークホールド回路26は、前記受光量信
号および前記コンパレータ25からの出力信号を入力す
ることにより、基準レベルから立ち下がってから極小値
に至るまでの受光量の変化量を検出し、降水量計測部2
8へと出力する。降水量計測部28は、受光量の変化量
を所定範囲毎に区切って、各範囲にそれぞれ所定の係数
値を対応づけたテーブルを記憶しており、入力された受
光量の変化量とその変化量に対応する計数値との積によ
り得られる降水物の大きさを、順次積算処理することに
より、降水量の近似値S(以下単に「降水量S」とい
う)を算出する。なお上記計数処理部30,レベル設定
部31と、ワイパ制御部32とを包括してマイコンによ
り構成するようにしてもよい。
【0037】このワイパ制御装置には、運転者が装置外
部に設けられた設定スイッチなどを操作することによ
り、ワイパ7を駆動する基準を複数段階設定できるよう
にしており、しきい値可変設定部33は、前記設定値に
基づき、降水物の飛来数および降水量について、それぞ
れワイパ7を駆動するための基準となるしきい値を設定
して記憶する。ワイパ制御部32は、前記飛来数計測部
27および降水量計測部28により所定の時間内に得ら
れた各計測値n,Sを、それぞれのしきい値と比較した
結果などに基づき、ワイパ駆動用の制御信号(以下「ワ
イパ駆動信号」という)を出力する。このワイパ駆動信
号によりワイパ駆動装置37のトランジスタ回路34が
導通してリレー回路35の接点が接続されると、モータ
36が回転し、ワイパ7の払拭動作が実現する。なお前
記飛来数計測部23,降水量計測部24の各計測値n,
Sは、ワイパ制御部32からのリセット信号Rにより適
宜リセットされる。
【0038】つぎに図7を用いて、前記ワイパ制御部3
2による一連の制御手順を説明する。なお同図におい
て、Tc は降水物の飛来数および降水量をそれぞれのし
きい値と比較する時間間隔であって、後記するように、
降水物の飛来状況に応じて可変設定される(以下これを
「設定時間Tc 」という)。またtは前回の処理からの
経過時間を示す。またN,Saは、それぞれ降水物の飛
来数,降水量についてワイパ7を駆動するための基準と
なるしきい値であって、前記しきい値可変設定部33に
より可変設定されている。さらにNmax は前記スプラッ
シュの飛来を認識するためのしきい値、Sbは降水量に
ついての第2のしきい値であって、Nmax にはNよりも
十分に大きい値が、Sbにはきわめて小さな値が、それ
ぞれ設定される。
【0039】まず自動車のスタート時などに装置に電流
が供給されると、ワイパ制御部32は、前記飛来数計測
部23や降水量計測部24にリセット信号Rを出力する
とともに、経過時間tとしてゼロを、設定時間Tc とし
て所定の時間間隔を設定する(ステップ1)。
【0040】つぎにステップ2で、ワイパ制御部32
は、経過時間tが設定時間Tc に到達したか否かをチェ
ックする。初期状態ではこの判定は「NO」となり、ス
テップ3以下の処理へと移行する。
【0041】このとき前記降水物検知センサ3からの受
光量信号が雨などの降水物の変化パターンをとっている
と、前記飛来数計測部27および降水量計測部28では
前記した計測動作が実施される。ワイパ制御部32は、
これら計測値n,Sを取り込んだ後、まずステップ3で
飛来数の計測値nをしきい値Nmax と比較してスプラッ
シュの有無をチェックする。さらにこの判定が「NO」
であれば、ワイパ制御部32は、各計測値n,Sを、そ
れぞれしきい値N,Saと比較する(ステップ4,
5)。
【0042】装置立ち上がり時もしくは前回のワイパ動
作時から設定時間Tc が経過するまでの間に、しきい値
Nを上回る数の降水物の飛来が検知されると、ステップ
4が「YES」となる。また飛来数は少ないが大粒の雨
が飛来したために、設定時間Tc が経過する前に降水量
の計測値Sがそのしきい値Saを越えた場合には、ステ
ップ5が「YES」となる。
【0043】このいずれかのステップが「YES」とな
ると、ワイパ制御部32は、ステップ6へと移行して、
設定時間Tc を所定の時間Δt(例えば数mmsec 単位の
時間間隔)だけ小さな値に変更した後、続くステップ7
で前記ワイパ駆動信号を出力する。この後、ワイパ制御
部32は、ステップ8で、前記飛来数計測部27および
降水量計測部28にリセット信号Rを出力して各計測値
n,Sをリセットした後、ステップ9で経過時間tもリ
セットし、ステップ2へと戻る。
【0044】なおスプラッシュの飛来が検知された場合
にはステップ3が「YES」となる。この場合、ワイパ
制御部32は、ステップ7へと移行して、現在の設定時
間Tc を維持したままワイパ駆動信号を出力した後、ス
テップ8,9のリセット処理を実行してステップ2へと
戻る。
【0045】上記ステップ2〜9のループが繰り返し実
行されることにより、設定時間Tc以内に降水量の飛来
数または降水量のいずれかの計数値がそのしきい値に到
達する都度、ワイパ7の駆動が行われるとともに、設定
時間Tc がΔtずつ小さな値に変更される。これにより
ワイパ7は、飛来する降水物の大きさにかかわらず、そ
の飛来状況に応じたタイミングで動作するように制御さ
れる。
【0046】こうしてある時点での設定時間Tc が経過
するまでの間に、飛来数、降水量のいずれもそのしきい
値に到達しない状態になったとき、ステップ2が「YE
S」となってステップ10以下の処理へと移行する。
【0047】ステップ10では、飛来数の計数値nがチ
ェックされ、この計数値nが0を上回れば、さらにつぎ
のステップ11で、降水量の計測値Sがしきい値Sbと
比較される。このしきい値Sbには、前記しきい値N,
Saと同様、外部からの入力データにより殆どワイパ7
を動かす必要のないと考えられる降水量が設定されてお
り、降水量の計測値Sがこのしきい値Sb以下のとき、
すなわち検知された飛来物による降水量がきわめて小さ
な値となる場合にはステップ11が「NO」となり、ワ
イパ制御部32は、降水が殆どなくなった状態または粉
塵のような降水物以外の物体が飛来しているものと認識
してステップ8へと移行する。これによりワイパ駆動信
号は出力されないまま各計測値n,Sおよび経過時間t
がリセットされ、ステップ2へと戻る。なお降水物の飛
来が全く検知されなかったときは、ステップ10が「N
O」となり、同様にステップ8へと移行する。
【0048】一方、降水量の計測値Sがしきい値Sbを
越える場合には、ステップ11の判定が「YES」とな
ってステップ12へと移行し、ワイパ制御部32は、前
記設定時間Tc をΔtだけ大きな値に変更してステップ
2へと戻る。これにより変更された設定時間Tc が経過
するまでステップ3〜5の比較処理が実行され、飛来数
または降水量のいずれかの計数値n,Sがそのしきい値
N,Saに到達していると、前記と同様、ステップ6〜
9の処理が実行されてワイパ7が動作する。しかしなが
ら変更された設定時間Tc が経過してもなお、いずれの
計数値n,Sもしきい値に到達しない場合には、再びス
テップ10〜12の処理が実行され、以下、いずれかの
計数値n,Sがそのしきい値N,Saを越えるまで、同
様の手順が繰り返し実行されて、ワイパ7の駆動タイミ
ングが延期される。
【0049】このように降水物の飛来数または降水量の
計測値をチェックするための時間間隔を、降水物の飛来
状況に応じて可変設定し、この時間内にいずれかの計測
値が定められたしきい値に達したときワイパ7を駆動す
るという制御を繰り返し実行することにより、ワイパ7
の駆動間隔はしだいに安定する。そして降水物の飛来状
況が大幅に変動しない限り、ワイパ7は設定時間Tc
近い時間間隔で動作するように、きめ細かく制御される
ようになる。
【0050】上記のように、降水物の飛来数または降水
量のいずれかが定められたしきい値に達したときにワイ
パ7を駆動することにより、霧雨のような細かい降水物
の飛来に対しても、大粒の降水物の飛来に対しても、そ
の飛来状況に応じてワイパ7を適切に動かすことが可能
となる。またスプラッシュに対しては、即座にワイパ7
を駆動するとともに、設定時間Tc を維持するようにし
ているので、突発的な事象への対応が終わった後に速や
かに通常の制御に復帰でき、常に適切なワイパ制御を実
行することができる。
【0051】さらに降水物の飛来が検知されてもその降
水量がわずかであれば、各計数値をリセットしてワイパ
7が動作しないようにしているので、不必要なワイパ動
作により運転者を煩わせることがない。また仮に、降水
物以外の物体により飛来数の計測値にノイズが入ったと
しても、ワイパ制御部32が誤動作する虞がないなど、
適切なワイパ制御が実施できる。
【0052】しかしながら上記の制御手順では、設定時
間Tc 以内にいずれかの計測値がしきい値を越えると、
即座にワイパ7が動作するため、特に初期段階や降水量
の飛来状況が変化したときなどに、ワイパ7の動作が不
自然となる虞がある。
【0053】図8は、この問題を解決するために、前記
設定時間Tc をワイパ7の駆動間隔とすることにより、
ワイパ7の動作を滑らかに変化させるようにした手順を
示す。この場合も、前記図7の手順と同様、設定時間T
c 内に飛来数または降雨量のいずれかの計数値n,Sが
そのしきい値N,Saを越えると、設定時間Tc が所定
の時間Δtだけ短い値に変更される(ステップ1〜
6)。
【0054】つぎのステップ7で、ワイパ制御部32
は、この変更された設定時間Tc が経過するまで待機し
た後、ステップ8でワイパ駆動信号を出力する。さらに
ワイパ制御部32は、ステップ9,10の処理を実施し
て前記計数値n,Sおよび経過時間tをリセットした
後、ステップ2へと戻る。
【0055】上記の処理を繰り返し実行することによ
り、次第にワイパ7の駆動間隔は短くなり、最終的に降
水物の飛来状況に応じた時間間隔付近に落ち着くように
なる。なお設定時間Tc を経過しても、いずれの計数値
もしきい値を越えない場合には、ステップ11へと移行
し、前記図7のステップ10〜12と同様の処理が実施
される。これにより降水物の飛来数や降水量が減少する
にともない、ワイパ7の駆動間隔は長くなる。
【0056】
【発明の効果】この発明は上記の如く、降水物検知手段
からの検知信号を用いて車輌に対する降水物の飛来数と
降水量とを同時に計測し、これら計測値をそれぞれ所定
の基準値と比較した結果に基づきワイパの動作を制御す
るので、飛来する降水物の大小にかかわらず、その飛来
状況に応じて適切なワイパ制御を実施し、運転者に常に
良好な視界を提供することができる。
【0057】請求項2の発明では、降水物の飛来数およ
び降水量のうち、いずれかの計測値がその基準値を越え
た段階でワイパを駆動するので、小粒の降水物が多量に
飛来した場合には飛来数の計測値により、大粒の降水物
が飛来した場合には降水量の計測値により、ワイパを適
切なタイミングで駆動することができる。
【0058】請求項3の発明では、ワイパ駆動間隔とし
て定められた時間内に、降水物の飛来数および降水量の
いずれかの計測値がその基準値を越えたときは、駆動間
隔をより短い時間に変更し、前記定められた時間内にい
ずれの計測値も基準値に達していないときは、駆動間隔
をより長い時間に変更するので、ワイパの駆動間隔を降
水物の飛来状況に応じて適切に設定することができる。
また変更する時間幅を調整することにより、ワイパを、
その動作に不自然な変化が生じることなく制御すること
ができる。
【0059】請求項4の発明では、降水物の飛来数の計
測値が設定された基準値よりも大きな所定のしきい値を
越えたとき、即座にワイパを駆動するので、対向車の水
しぶきなど、降水物以外の多量の水滴が飛来した場合に
も適切に対応できる。
【0060】請求項5の発明では、所定時間内に降水物
の飛来数は計測されるが、降水量の計測値は所定のしき
い値を下回る場合、ワイパへの駆動信号の出力をキャン
セルするので、ウィンドシールドの視認性の悪化に関わ
らないようなきわめて小さな飛来物に対しては、ワイパ
が動作しないように制御することができ、不必要なワイ
パ動作により運転者に不快感を与える虞がない。また降
水物検知手段の検知信号にノイズが生じた場合のワイパ
の誤動作を防止することができる。
【0061】請求項6の発明では、各計測値と比較する
ための基準値を、装置外部からの入力信号に基づき可変
設定するので、ワイパの駆動間隔を運転者が自由に変更
することができ、運転者の志向に応じたワイパ動作を実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のワイパ制御装置を自動車に取り付け
た例を示す説明図である。
【図2】降水物検知センサの外観を示す斜視図である。
【図3】図2の降水物検知センサの光学系の構成を示す
斜視図である。
【図4】雨滴検知の原理を示す説明図である。
【図5】検知信号と雨滴の大きさとの関係を示す説明図
である。
【図6】ワイパ制御装置の電気的構成を示すブロック図
である。
【図7】ワイパ制御部によるワイパ制御手順を示すフロ
ーチャートである。
【図8】ワイパ制御部によるワイパ制御の他の手順を示
すフローチャートである。
【符号の説明】
3 降水物検知センサ 7 ワイパ 8 制御装置 27 飛来数計測部 28 降水量計測部 32 ワイパ制御部 33 しきい値可変設定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 俊 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オ ムロン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輌に向かって飛来する降水物を検知し
    てその大きさに対応した検知信号を出力する降水物検知
    手段と、 前記降水物検知手段からの検知信号の出力に応じて車輌
    に対する降水物の飛来数を計測する第1の計測手段と、 前記降水物検知手段からの検知信号の大きさを積算処理
    して車輌に対する降水量を計測する第2の計測手段と、 降水物の飛来数および降水量について、それぞれ車輌の
    ワイパを駆動するための所定の基準値を設定して記憶す
    る基準値設定手段と、 前回のワイパ動作以後に得られた降水物の飛来数および
    降水量の各計測値をそれぞれの基準値と比較し、その比
    較結果に基づき前記ワイパの動作を制御する制御手段と
    を備えて成るワイパ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記第1,第2の計測
    手段により前回のワイパ動作以後に計測された降水物の
    飛来数および降水量のうち、いずれか一方の計測値がそ
    の基準値を越えたとき、前記ワイパを駆動するための制
    御信号を出力する請求項1に記載されたワイパ制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記第1,第2の計測
    手段により前回のワイパ動作以後に計測された降水物の
    飛来数および降水量をそれぞれの基準値と比較した結果
    に基づき、前記ワイパの駆動間隔を示す時間を決定する
    駆動間隔決定手段を備え、 前記駆動間隔決定手段は、 前回のワイパ動作から現在決定されている時間が経過す
    るまでの間に得られた各計測値のうちいずれか一方がそ
    の基準値を越えたときは、駆動間隔を前記決定されてい
    る時間よりも短い時間に変更し、前回のワイパ動作から
    現在決定されている時間が経過するまでの間に得られた
    各計測値がともにその基準値を越えなかったときは、駆
    動間隔を前記決定されている時間よりも長い時間に変更
    する請求項1に記載されたワイパ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記第1の計測手段に
    よる降水物の飛来数の計測値がその基準値よりも大きな
    所定のしきい値を越えたとき、前記ワイパを駆動するた
    めの制御信号を出力する請求項1に記載されたワイパ制
    御装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前回のワイパ動作から
    所定の時間が経過するまでの間に、前記第1の計測手段
    により降水物の飛来数が計測され、かつ前記第2の計測
    手段による降水量の計測値がその基準値より小さな所定
    のしきい値を下回るとき、各計測値をリセットする請求
    項1に記載されたワイパ制御装置。
  6. 【請求項6】 前記基準値設定手段は、前記各基準値
    を、装置外部からの入力信号に基づき可変設定する請求
    項1に記載されたワイパ駆動装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003076240A1 (fr) * 2002-03-13 2003-09-18 Nippon Sheet Glass Company, Limited Procede de regulation de nettoyeur et regulateur correspondant
JP2009092503A (ja) * 2007-10-09 2009-04-30 Niles Co Ltd 車両用ワイパー制御装置

Cited By (3)

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WO2003076240A1 (fr) * 2002-03-13 2003-09-18 Nippon Sheet Glass Company, Limited Procede de regulation de nettoyeur et regulateur correspondant
US7154241B2 (en) 2002-03-13 2006-12-26 Niles Co., Ltd. Wiper control method and wiper control device
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