JPH10203054A - 記録用紙 - Google Patents

記録用紙

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JPH10203054A
JPH10203054A JP9008139A JP813997A JPH10203054A JP H10203054 A JPH10203054 A JP H10203054A JP 9008139 A JP9008139 A JP 9008139A JP 813997 A JP813997 A JP 813997A JP H10203054 A JPH10203054 A JP H10203054A
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JP
Japan
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heat
adhesive
layer
humectant
ink
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Pending
Application number
JP9008139A
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English (en)
Inventor
Yuji Iguchi
裕二 井口
Shinya Hioki
信也 火置
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加熱接着型記録用紙と葉書との貼合せにおい
て、電磁波加熱装置を用いて効率的な貼合せを行うこと
のできる加熱接着型記録用紙を提供することである。 【解決手段】水分を十分含んだ保湿剤が加熱接着層中、
支持体中、あるいは支持体とインク受理層または加熱接
着層との間にある層中に含まれている加熱接着型記録用
紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録可能な記録用紙と、他の上質紙、コート紙、不織布、
合成樹脂シート、ガラス、金属などを貼合せることが可
能な加熱接着型の記録用紙に関するものであり、特に電
子レンジを用いた加熱接着が容易な加熱接着型記録用紙
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々の作動
原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの記録
シートに付着させ、画像・文字などの記録を行なうもの
であるが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターン
の融通性が大きい、現像−定着が不要などの特徴があ
り、漢字を含め各種図形およびカラー画像などの記録装
置として種々の用途において急速に普及している。さら
に、多色インクジェット記録方式により形成される画像
は、製版方式による多色印刷に比較して遜色のない記録
を得ることが可能である。また、作成部数が少なくて済
む用途においては、安価であることからフルカラー画像
記録分野にまで広く応用されつつある。
【0003】このインクジェット記録方式で使用される
記録シートとしては、通常の印刷や筆記に使われる上質
紙やコーテッド紙を使うべく、装置やインク組成の面か
ら努力がなされてきた。しかし、装置の高速化・高精細
化あるいはフルカラー化などインクジェット記録装置の
性能の向上や用途の拡大に伴い、記録シートに対しても
より高度な特性が要求されるようになった。即ち、当該
記録シートとしては、印字ドットの濃度が高く色調が明
るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドット
が重なった場合においてもインクが流れ出したり滲んだ
りしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上
に大きくなく、且つ周辺が滑らかでぼやけないことなど
の高い画像再現性が要求される。すなわち良好な画像を
得るためには一般の上質紙や印刷用のコーテッド紙では
不十分でインクジェット記録方式の専用のインク受理層
を有する記録用紙が不可欠となる。
【0004】一方、作成部数が少ない個人などでの用途
としては、葉書などに使用し、宛先、通信文を両面にイ
ンクジェット記録することが挙げられる。さらに、最近
の環境対策の1つとして、使用枚数が少なくて済む表裏
に記録可能な記録シートの要求もでてきている。しか
し、一般的なノンコートタイプのインクジェット記録シ
ートに両面インクジェット記録した場合、片面への記録
の際のインクの滲み込みにより生じる反対面のうねり、
反対面へのインクの裏抜けによる記録の視認性低下の問
題、もっと根本的には、表裏共にインク受理層を有する
インクジェット記録シートを作製した場合、片面のみイ
ンク受理層を有するものより塗層中の溶媒の原紙への滲
み込みが大きくなり、各面のインクジェット記録性を低
下させたり、カール性が悪く、高度な特性への要求に答
えられないという問題が生じてきた。
【0005】また、はがき用にこのような両面がインク
ジェット記録可能な記録紙を用いた場合、通常の官製は
がき、抽選番号付き料金前納はがき(お年玉付郵便はが
き、籤付暑中見舞い用郵便はがき”かもめーる”)など
が使えず私製はがきとなり、抽選に関する機会を利用で
きずに利用価値が低い他、官製はがきなどと料金が同じ
とはいえ切手を貼り付ける手間が必要で、かつ郵便番号
枠、郵便はがきあるいはこれに類する記述などを表面に
施す必要がある。また、インクジェット記録用に表面処
理した記録紙は耐水性が不十分な場合があり、切手を貼
る場合の水分で印字部分(インクジェット記録した郵便
番号記入枠なども含む)がにじんだり、切手がインク受
理層とともに剥離、脱落したりするなどの問題があっ
た。
【0006】官製はがき表面はインクジェット記録用の
インク受理性をある程度有するため、インクジェット記
録した記録用紙と官製はがきとを糊、あるいは接着剤で
一体化することでインクジェット記録と官製はがきの利
用という問題は両立できるが、インクジェット記録した
後の記録紙の裏面に糊、あるいは接着剤を塗工して官製
はがきと貼合せると、糊、あるいは接着剤中に含まれる
水分、もしくは溶剤によりインクジェット記録部分がに
じんだり、貼合せ後にカールやうねりが生じるなどの問
題がある。また、インクジェット記録用紙とはがきを
糊、あるいは接着剤で貼合せた後でインクジェット記録
により印字を行うと、糊、あるいは接着剤中の水分や溶
剤により透気度が変わるためか、インクの溢れが生じた
り乾燥性が悪いという問題があった。
【0007】葉書と同大にプリントした写真を年賀葉書
に貼り付けるポストカードサービスもかなり一般家庭に
浸透してきた。しかし、写真を年賀葉書に貼り付けるの
を家庭ですることは、印画紙の貼合せ面がポリエチレン
樹脂であるため一般の糊剤との接着性が悪く接着強度が
低いので、通常、家庭で使用する接着剤では郵送途中で
剥がれてしまうというトラブルが発生することがある。
そのため、専門の業者に依頼することになり、ある程度
まとまった枚数でないとかなり割高なものとなってしま
う。
【0008】一方、近年のコンピューターの一般家庭へ
の急速な普及により、一般家庭で画像の印字を美麗にイ
ンクジェット記録方式で行うことができるようになって
きている。そのため、年賀状の裏面を自分でデザイン
し、自分で官製お年玉付き年賀葉書にインクジェット記
録方式のプリンターを用いて画像を印字する人が増えて
きている。しかし、官製お年玉付き年賀葉書は普通の上
質紙であり、インクジェット記録方式に対応した用紙と
なっていない。そのため、いくら美麗に画像データを作
製してもほどほどの見栄えのする画像でしか印字するこ
とができない。
【0009】そこで、本発明者らはインクジェット記録
専用紙の裏面に加熱接着層を設けた加熱接着型記録用紙
を発明し特許出願した。該加熱接着型記録用紙は加熱接
着層が常温でタックをもたないため、位置合わせがしや
すく、手軽に家庭にあるアイロンで加熱接着することが
可能であった。さらに本発明者らは、加熱接着方法を検
討し、家庭にある電磁波加熱装置(電子レンジ)を用い
て一度に複数枚を葉書と加熱接着させるはがき大貼り合
わせ記録用紙の製造方法も特許出願した。その原理は、
電磁波により加熱接着型記録用紙、葉書中に含まれる水
分が加熱され、その熱により加熱接着層が接着性を発現
させるというものであった。そのため、加熱接着型記録
用紙、葉書中に含まれる水分が多いほど加熱は容易にな
り、葉書との接着に有利に働く。しかし、加熱接着型記
録用紙中にあまりに多く水分を含ませると記録層と加熱
接着層との間でブロッキングが発生してしまったり、少
しの湿度変化で大きなカールが発生してしまったりする
ため、おのずと加熱接着型記録用紙中に含ませることの
できる水分量の上限値は決まってきてしまい、その程度
では加熱状態に大きな差をもたらすことができないとい
うジレンマがあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明が解決
しようとする課題は、加熱接着型記録用紙と葉書との貼
合せにおいて、電磁波加熱装置を用いて効率的な貼合せ
を行うにあたり、より短時間で、より均一に加熱接着す
ることのできる加熱接着型記録用紙を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上のよ
うな問題点を解決するために鋭意研究の結果、以下の発
明に至った。
【0012】本発明の加熱接着型記録用紙には、水分を
十分含んだ保湿剤が加熱接着層中、支持体中、あるいは
支持体とインク受理層または加熱接着層との間にある保
湿層中に含まれているため、加熱接着型記録紙を全体的
に見た場合の含有水分量は高いものの、その水分は局在
化し、インク受理層、あるいは加熱接着層に水分が多い
ために起こる塗層剥がれ等の問題が発生することがな
い。さらに、保湿剤が水分をしっかり保持し離しにく
く、また、保湿層が表面に露出していないため、重ねて
置かれたり巻き取り形態で置かれても該加熱接着型記録
用紙がブロッキングを起こしてしまうことはない。さら
に、含有水分率が高いため、電磁波加熱装置で加熱接着
する際の加熱時間を短くすることができる上、記録層に
熱が与えるダメージも低くできる。また、当初予想して
いなかったが、はがき大貼り合わせ記録用紙となった後
にインクジェット印字しても、保湿剤を使用していない
はがき大貼り合わせ用紙よりインクジェット印字のドッ
トが太らず、より良好な画像を印字できることが判明し
た。
【0013】具体的には、支持体の片面に少なくとも1
層以上のインク受理層を有し、他面に通常状態では粘着
性、接着性ともに示さず加熱時に接着性を示す加熱接着
層を設けた加熱接着型記録用紙において、該加熱接着層
中に保湿剤を含むことを特徴とする加熱接着型記録用紙
の発明である。
【0014】支持体の片面に少なくとも1層以上のイン
ク受理層を有し、他面に通常状態では粘着性、接着性と
もに示さず加熱時に接着性を示す加熱接着層を設けた加
熱接着型記録用紙において、該支持体中に保湿剤を内添
していることを特徴とする加熱接着型記録用紙の発明で
ある。
【0015】支持体の片面に保湿剤と結着剤とからなる
保湿層を設け、さらにその上に少なくとも1層以上のイ
ンク受理層を有し、他面に通常状態では粘着性、接着性
ともに示さず加熱時に接着性を示す加熱接着層を設けた
ことを特徴とする高保湿性加熱接着型記録用紙の発明で
ある。
【0016】支持体の片面に少なくとも1層以上のイン
ク受理層を設け、その反対面に保湿剤と結着剤とからな
る保湿層、および該保湿層上に通常状態では粘着性、接
着性ともに示さず加熱時に接着性を示す加熱接着層を設
けたことを特徴とするインク受理性の良好な加熱接着型
記録用紙の発明である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる保湿剤として
は、水分を吸収、吸着し、保持するものであれば、特に
制限するものではなく、構造中にカルボキシル基、水酸
基、スルホン基、アミノ基、イミノ基を少なくとも1つ
持つ塩、3級アンモニウム塩、4級アンモニウム塩であ
ればよい。具体的には、変性デンプン、アクリル酸誘導
体、ポリエチレングリコール化合物などである。さら
に、厳密な意味では保湿剤ではないが、広い意味で水を
内包したカプセルを保湿剤として用いても良い。
【0018】アクリル酸誘導体としては、アクリル酸に
共重合可能な単量体、具体的には、2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクロイルエタ
ンスルホン酸、2−アクロイルプロパンスルホン酸、メ
タクリル酸、又はそれらのアルカリ金属塩或はアンモニ
ウム塩、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル
(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、2−ビニルピリジン、4−ビニルピ
リジン又はそれらの塩、イタコン酸、マレイン酸、フマ
ール酸、ビニルスルホン酸、又はそれらのアルカリ金属
塩或はアンモニウム塩、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エス
テル等が挙げられる。
【0019】ポリエチレングリコール化合物とは、活性
水素基を2個有する有機化合物、例えば、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ビスフェノールA、ポリプロピレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコール、アニリン、ブチルアミ
ン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ヘキシルアミン
等を原料としてエチレンオキサイドを重合させるか、エ
チレンオキサイドを単独重合させて得られる化合物であ
る。
【0020】本発明で保湿剤として水を内包したカプセ
ルを用いる場合、該マイクロカプセルのマイクロカプセ
ル化の方法やマイクロカプセルの壁材については、特に
制限されることなく、従来から公知のものを使用でき
る。
【0021】マイクロカプセル化法としては、界面重合
法(特公昭47−1763号公報等)、インサイチュー
重合法(特開昭51−9079号公報等)、液中硬化
法、スプレードライ法等が使用できる。
【0022】マイクロカプセルの壁材としては、ポリウ
レタン、ポリ尿素、エポキシ樹脂、尿素/ホルマリン樹
脂、メラミン/ホルマリン樹脂等が使用できる。
【0023】本発明の保湿剤を支持体に内添するには、
従来公知の顔料やバインダーおよびサイズ剤や定着剤、
歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤などの各種
添加剤と共に保湿剤を内添させればよく、特にその手段
も限定するものではない。
【0024】本発明の支持体に用いられる原紙は、木材
パルプと顔料を主成分として構成される。木材パルプと
しては、LBKP、NBKPなどの化学パルプ、GP、
PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGPな
どの機械パルプ、DIPなどの古紙パルプなどのパルプ
を含み、必要に応じて従来公知の顔料やバインダーおよ
びサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、
紙力増強剤などの各種添加剤を1種以上用いて混合し、
長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機などの各
種装置で支持体の製造が可能であり、酸性、中性、アル
カリ性で抄造できる。また、インク受理層を設ける場
合、該原紙にそのままインク受理層を設けても良いし、
澱粉、ポリビニルアルコールなどでのサイズプレスやア
ンカーコート層を設けた後にインク受理層を設けた多層
構成のインク受理層としても良い。
【0025】また、該原紙は、金属ロールと合成樹脂ロ
ールからなるカレンダー装置を用いてオンマシン処理し
ても良い。その際、オフマシン処理しても良く、処理後
に、さらにマシンカレンダー、スーパーカレンダーなど
でカレンダー処理を施して平坦性をコントロールしても
良い。
【0026】本発明の保湿層を形成する結着剤も特に限
定するものではなく、具体的には、デンプン類、ヒドロ
キシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース
誘導体、カゼイン、ゼラチンなどのプロテイン、酸化デ
ンプン、エステル化合物デンプンなどのサッカロースの
如き水性天然高分子化合物、ポリビニルアルコール、変
性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ
アクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド
/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/ア
クリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレ
ン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ラテック
ス、ポリアクリルアミド、スチレン/無水マレイン酸共
重合体などの如き水溶性合成高分子化合物やラテックス
類、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等
の水溶性接着剤、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリ
アクリル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合体、
アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メ
チル/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジ
エン/アクリル酸共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重
合体等のラテックスなどが挙げられる。
【0027】本発明の保湿層を支持体の一方の面に塗布
する方法として、ブレード塗工法、グラビア塗工法、グ
ラビアオフセット塗工法、バー塗工法、ロール塗工法、
エアナイフ塗工法、Uコンマ塗工法、AKKU塗工法、
スムージング塗工法、マイクログラビア塗工法、リバー
スロール塗工法、4本あるいは5本ロール塗工法、ディ
ップ塗工法、落下カーテン塗工法、スライド塗工法、ダ
イ塗工法、等公知の塗工方法が利用可能である。
【0028】インク受理層を設ける場合、その塗工量は
特に限定されるものではないが、あまり少ないとノンコ
ートタイプインクジェット記録シートと同様にインクの
吸収性は良いものの、画像濃度・色彩性・鮮明性が低
く、インクが支持体の面方向に拡散して鳥の羽状にギザ
ギザしたフェザリングと呼ばれるドット形状の悪化が発
生する。また、あまり塗工量が多いと塗工または含浸後
の乾燥工程における乾燥負荷が高まり、塗工または含浸
速度の低下に伴う生産性の低下ばかりでなく、高負荷で
の乾燥では、インク受理層を構成する塗被組成物中のバ
インダーが、蒸発する溶媒と共にインク受理層表面に移
動して、その表面の空隙量を低下させるために、記録時
に地汚れなどの発生がある。塗工量の多いインク受理層
で生じる問題は、塗被組成物の濃度や乾燥工程の能力に
影響されるが、望ましくは、1〜10g/m2である。
【0029】本発明に用いられる原紙およびインク受理
層には、公知の白色顔料を1種以上用いることができ
る。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウ
ム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サ
チンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カ
ルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロ
イダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水
酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、
加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシ
ウムなどの白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグ
メント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチ
レン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂など
の有機顔料などが挙げられる。上記の中でも、インク受
理層中に主体成分として含有する白色顔料としては、多
孔性無機顔料が好ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多
孔性炭酸マグネシウム、多孔性アルミナなどが挙げら
れ、特に細孔容積の大きい多孔性合成非晶質シリカが好
ましい。
【0030】本発明の原紙に、インク受理層を塗工する
方法は、各種ブレードコーター、ロールコーター、エア
ーナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコー
ター、ショートドウェルコーター、サイズプレスなどの
各種装置をオンマシンあるいはオフマシンで用いること
ができる。また、塗工または含浸後には、マシンカレン
ダー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカ
レンダーなどのカレンダーを用いて仕上げても良い。
【0031】本発明でいうインクとは、下記の着色剤、
液媒体、その他の添加剤からなる記録液体である。
【0032】着色剤としては、直接染料、酸性染料、塩
基性染料、反応性染料あるいは食品用色素などの水溶性
染料が挙げられる。
【0033】インクの溶媒としては、水および水溶性の
各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルアル
コール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、n−ブチルアルコール、 sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコールな
どの炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ア
セトン、ジアセトンアルコールなどのケトンまたはケト
ンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなど
のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコールなどのポリアルキレングリコール類;エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリ
コール、トリエチレングリコール、1,2,6 −ヘキサント
リオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、
ジエチレングリコールなどのアルキレン基が2〜6個の
アルキレングリコール類;グリセリン、エチレングリコ
ールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(ま
たはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメ
チルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエー
テル類などが挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶
剤の中でも、ジエチレングリコールなどの多価アルコー
ル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリ
エチレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アル
コールの低級アルキルエーテルが好ましい。その他の添
加剤としては、例えば、pH調節剤、金属封鎖剤、防カ
ビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性
剤、および防錆剤などが挙げられる。
【0034】本発明における加熱接着層には、ヒートシ
ール層、ディレードタック層、ホットメルト層を用いる
ことができる。それぞれについて、以下に具体的に説明
する。
【0035】本発明で用いられるヒートシール層を構成
するヒートシールコーティング剤は、”コンバーティン
グのすべて”(加工技術研究会発行、1993年、P3
51〜)で述べられるようないわゆる狭義のヒートシー
ルコーティング剤であり、無溶剤のホットメルトコーテ
ィング樹脂とは別なものである。例えば、その構成樹脂
としては、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル、エチレ
ン/酢ビ共重合樹脂、ポリアクリレート、塩酢ビ、エチ
レン/アクリル酸共重合樹脂、などの有機溶剤溶液、あ
るいは水分散溶液などの形で用いられる。これの樹脂を
用いて塗液を調製して塗工、最低造膜温度より高い温度
で乾燥させることにより得られるヒートシール層は、通
常状態では指で触ってもベトツキのない状態に乾燥され
ており、一般のインクジェット記録プリンターに問題な
く通紙することが可能であるが、一旦融点以上に加熱す
るとヒートシール層が可塑化され粘着性を帯び、上質
紙、ガラス、金属、合成樹脂シート、木材などへ軽い圧
力により貼合すことが可能で、ここで生じた接着性は再
冷却しても残存する。
【0036】ヒートシール層の塗工は、溶剤溶液とし
て、あるいはエマルジョンとして塗工、乾燥して用いる
ことが可能である。
【0037】本発明で用いられるディレードタック層を
構成する樹脂としては、アクリル系樹脂、塩化ビニル系
樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン/アクリル共重合系
樹脂、スチレン/ブタジエン共重合樹脂、ポリスチレン
樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられる。該樹脂に、1
種あるいは数種の結晶性(固体)可塑剤、例えば、ジシ
クロヘキシルフタレート、ジフェニルフタレート、N−
シクロヘキシル−p−トルエンスルホンアミド、o/p
−トルエンスルホンアミドなどを含有させる。この樹脂
を用いて塗液を調製して塗工、可塑剤の融点以下で乾燥
させることにより得られるディレードタック層は、通常
状態では指で触ってもベトツキのない状態に乾燥されて
おり、一般のインクジェット記録プリンターに問題なく
通紙することが可能であるが、一旦可塑剤の融点以上に
加熱するとディレードタック層が可塑化され粘着性を帯
びる。このため、上質紙、ガラス、金属、合成樹脂シー
ト、木材などへ軽い圧力により貼合すことが可能で、こ
こで生じた接着性は可塑剤が再結晶化しても残存する。
【0038】本発明のディレードタック層には、固形分
の3〜50%に相当する顔料(有機または無機)を含有
することを特徴とするものである。顔料としては、シリ
カ、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミ
ニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、メラミン樹脂粒子、ベ
ンゾグアナミン樹脂粒子、澱粉粒子などを単独で、ある
いは併用して用いることができる。ディレードタック層
に一定の範囲で顔料を含有することにより、記録用紙を
重ね合わせた時に接着することなく、プリンター通紙性
が格段に向上し、かつインク受理層の画像性が良好にな
ることが判明した。これは潜在的とはいえ粘着性のある
ディレードタック層と直接インク受理層が接した場合
に、その成分の一部がインク受理層に移行してインク受
理能力を低下させるという現象がおこりにくくなるため
と考えられる。顔料の混合割合が上記の範囲より小さい
と、プリンター通紙性も画像性もさほどよくなく、ま
た、上記の範囲を超えて顔料が存在しても塗工しにくい
のみで、むしろ画像性を悪化させることが明らかとなっ
た。
【0039】本発明で用いられるホットメルト層を構成
する樹脂は、一般に60℃〜180℃の温度範囲で溶融
する熱可塑性材料(100%固体)であり、以下に示す
ようなポリマー、樹脂およびワックスが用いられる。即
ち、アルキッド(変性ポリエステル)、アスファルトお
よびコールタールれき青質、クマロン−インデン樹脂、
ロジンおよびその誘導体、テルペン樹脂、ワックス(鉱
物、植物、および石油)、エチレン/アクリル酸エチル
共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリエチレ
ン、ポリ酢酸ビニルおよびその共重合体、ポリカーボネ
ート、ポリスチレンおよびその共重合体、ポリスチレン
およびその共重合体、ポリプロピレン、ポリビニルエー
テル、ポリアミド、ポリエステル(熱可塑性)、フェノ
キシ樹脂(可塑化)、ポリイソプレン、ポリウレタン、
熱可塑性エラストマー(SBS、SIS、SEBSな
ど)などの樹脂が使用される。
【0040】ホットメルト接着剤は、以下の3つの機能
を有する樹脂を基本的に含む。即ち、溶融物に粘性を、
固体に凝集性を与える高分子量ポリマー、粘着性、弾
性、および強度を増加させる合成エラストマー、粘性と
流動性を与え、ぬれ性を促進する合成樹脂または天然樹
脂である。これにコストを低減させ、混合物の粘度を低
下させ、塗工しやすくするワックスを含有しても良い。
ホットメルト層の塗工は、溶剤溶液として、あるいはエ
マルジョンとして塗工、乾燥して用いるか、熱溶融押し
だしにより行うことが可能である。ホットメルト層に一
定の範囲で顔料を混合することにより、記録用紙を重ね
合わせた時に接着することなく、プリンター通紙性が格
段に向上し、かつインク受理層の画像性が良好になるこ
とが判明した。これは潜在的とはいえ粘着性のあるホッ
トメルト層と直接インク受理層が接した場合に、その成
分の一部がインク受理層に移行してインク受理能力を低
下させるという現象がおこりにくくなるためと考えられ
る。顔料の混合割合が上記の範囲より小さいと、プリン
ター通紙性も画像性もさほどよくなく、また上記の範囲
を超えて顔料が存在しても塗工しにくいのみで、むしろ
画像性を悪化させることが明らかとなった。
【0041】第1の本発明において、保湿剤を加熱接着
層中に含むことができる。電磁波により加熱されるのは
水分であることから、加熱接着層中の水分の大部分を占
める保湿剤に取り込まれている水分が加熱される。保湿
剤の近傍には加熱接着剤があることより加熱された水分
の熱は大きくロスされることなく、加熱接着剤に伝えら
れ、加熱接着層の効率的な加熱が行われる。しかし、極
端に多くの保湿剤、すなわち水分を加熱接着層中に含ま
せると、いくら水分は保湿剤に取り込まれているとはい
えブロッキングを起こしやすくなり、逆に極端に少なす
ぎると効果が薄くなる。
【0042】第2の発明において、保湿剤を支持体中に
内添することができる。保湿剤が加熱接着層、およびイ
ンク受理層に直接に接していないため、第1の本発明の
加熱接着層中に保湿剤を添加するより他層への影響が少
なく保湿剤を多く内添することができる。
【0043】第3の発明において、支持体のどちらかの
面に保湿剤と結着剤からなる保湿層を設け、その上に少
なくとも1層以上のインク受理層を設けることができ
る。保湿剤は支持体から独立した保湿層に局在している
ため、支持体に保湿剤が含まれているために紙質強度が
低下してしまうようなことがない。
【0044】第4の本発明において、支持体のどちらか
の面に保湿剤と結着剤からなる保湿層を設け、その上に
通常状態では粘着性、接着性ともに示さず加熱時に接着
性を示す加熱接着層を設けることができる。保湿層がイ
ンク受理層、支持体とも独立しているため、インク受理
層のインク受理性を低下させることもなく、紙質強度を
低下させてしまうこともない。
【0045】本発明の加熱接着型記録用紙は適当な道具
を用いて葉書と貼り合わせることができる。具体的に
は、本発明の加熱接着型記録用紙と葉書とを加熱接着面
と葉書裏面が向き合うように適当な枚数重ね合わせ、耐
熱性のあるプラスチック製の板で両側から挟んだ後、輪
ゴムで固定すればよい。
【0046】加熱接着型記録用紙は、印字前に葉書と貼
合せることも可能であるし、印字後に葉書と貼合せるこ
とも可能である。葉書貼合せ記録用紙では、葉書と加熱
接着型記録用紙とが等大であるばかりでなく、葉書のコ
バ面をきれいに揃える目的、および端部で葉書貼合せ記
録用紙同士が接着(ブロッキング)することを防ぐ目的
で、葉書貼合せ記録用紙の縦寸法が140mm以上で横
寸法が90mm以上の大きさに断裁されていても良い。
この大きさよりも小さいと葉書としての規格を満たさず
好ましくない。このような大きさを得る目的で、かつ葉
書貼合せ記録用紙の全部の辺(端部)で不要な接着をな
くす目的で、加熱接着型記録用紙と葉書が貼合せられた
後、葉書部分の全周を打ち抜いて所定の大きさに仕上
げ、打ち抜き葉書貼合せ記録用紙とすることができる。
【0047】以下、本発明について簡単に作用を説明す
る。本発明の加熱接着型記録用紙を用いると、該加熱接
着型記録用紙を葉書大に断裁後、官製年賀葉書と重ね合
わせ、電磁波加熱装置(電子レンジ)で貼合せることが
手軽に失敗せずにできる。該加熱接着型記録用紙には保
湿剤が含有させているため、電磁波で該加熱接着型記録
用紙を加熱した場合、塗層中に含まれる水分も加熱され
るが該保湿剤に取り込まれている水も加熱される。その
ため、保湿剤を含有していない加熱接着型記録用紙より
も電磁波による加熱が効率よく行われ短時間で接着が終
了する。さらに、水は保湿剤に取り込まれているため、
加熱接着型記録紙に含まれる水分量が保湿剤を含有して
いない加熱接着型記録用紙と同じであれば、接着の際の
加熱により発生する水蒸気量が保湿剤を含有しない加熱
接着型記録用紙より減り出来上がった葉書に付着する水
蒸気に起因するシミが減る。加熱接着面の単位面積当た
りの水分量をかなり増やすことができるため、加熱ムラ
がなくなり均一に該加熱接着型記録用紙と葉書を接着す
ることができる。
【0048】さらに、貼り合わせ後インク受理層にイン
クジェット印字した際に保湿剤が添加されていない加熱
接着型記録用紙よりも、本発明の加熱接着型記録用紙を
使用したはがき大貼り合わせ記録紙の方が印字の太りが
少なく、良好な画像印字が行える。
【0049】
【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げて説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。ま
た、実施例において示す「部」および「%」は、特に明
示しない限り重量部および重量%を示す。
【0050】〈支持体の抄造1〉支持体は、LBKP
(濾水度420mlcsf)72部とNBKP(濾水度
440mlcsf)28部からなる木材パルプ100部
に対して、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/
タルクの比率が32/33/35の顔料25部、市販ア
ルキルケテンダイマー0.12部、市販カチオン系アク
リルアミド0.03部、市販カチオン化澱粉1.2部、
硫酸バンド0.5部を調製後、長網抄紙機を用いて坪量
100g/m2で抄造した。この支持体を支持体Aとす
る。
【0051】〈支持体の抄造2〉支持体は、LBKP
(濾水度420mlcsf)72部とNBKP(濾水度
440mlcsf)28部からなる木材パルプ100部
に対して、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/
タルクの比率が32/33/35の顔料25部、保湿剤
(サンフレッシュ ST−100、三洋化成製)10
部、市販アルキルケテンダイマー0.12部、市販カチ
オン系アクリルアミド0.03部、市販カチオン化澱粉
1.2部、硫酸バンド0.5部を調製後、長網抄紙機を
用いて坪量100g/m2で抄造した。この保湿剤を内添
した支持体を支持体Bとする。
【0052】〈インク受理層組成物の作製〉インク受理
層組成物として、合成非晶質シリカ(ファンシールX3
7B、徳山曹達製)120部、ポリビニルアルコール
(PVA117、クラレ製)35部、カチオン性染料定
着剤(スミレーズレジン1001、住友化学工業製)2
0部を用い、これを調液し、固形分濃度15%とした。
これをインク受理層組成物とする。
【0053】〈支持体へ保湿層の塗設〉保湿層組成物と
して、保湿剤(サンフレッシュ ST−100、三洋化
成製)20部とポリビニルアルコール(PVA117、
クラレ製)100部を混合して作製し、エアナイフコー
ターにて上記の支持体Aに塗工量10g/m2となるように
塗工し、乾燥して、片面に保湿層が塗工された支持体を
作製した。これを支持体Cとする。
【0054】実施例1 予備操作で得られた支持体Aの片面にエアーナイフコー
ターにより乾燥塗工量5.5g/m2となるようにインク受
理層組成物を塗工し、乾燥してインク受理層を形成して
インクジェット記録紙を得た。このインクジェット記録
紙の非記録面に、加熱接着層としてヒートシール剤(ア
クアテックスEC1200、中央理化工業製、固形分5
1%)80部、保湿剤(スミカゲルS−50、住友化
学)20部からなるヒートシール塗液を固形分が15g/
m2となるように塗工して80℃の温風下で20秒間乾燥
し、加熱接着層を設け、加熱接着型記録用紙とした。出
来上がった加熱接着型記録用紙の含有水分率は10%で
あった。
【0055】実施例2 予備操作で得られた支持体Aの片面にエアーナイフコー
ターにより乾燥塗工量5.5g/m2となるようにインク受
理層組成物を塗工し、乾燥してインク受理層を形成して
インクジェット記録紙を得た。このインクジェット記録
紙の非記録面に、加熱接着層としてディレードタック型
粘着剤(ヒートマジックDW2000、東洋インキ製、
固形分52%)に保湿剤(スミカゲルS−50、住友化
学)を全固形分に対して15%となるように混合し、総
固形分が15g/m2となるようにエアーナイフコーターに
より塗工して45℃の温風下で20秒間乾燥し、ディレ
ードタック層を設け、加熱接着型記録用紙とした。出来
上がった加熱接着型記録用紙の含有水分率は11%であ
った。
【0056】実施例3 予備操作で得られた支持体Bの片面にエアーナイフコー
ターにより乾燥塗工量5.5g/m2となるようにインク受
理層組成物を塗工し、乾燥してインク受理層を形成して
インクジェット記録紙を得た。このインクジェット記録
紙の非記録面に、加熱接着層としてヒートシール剤(ア
クアテックスEC1200、中央理化工業製、固形分5
1%)を固形分が15g/m2となるように塗工して80℃
の温風下で20秒間乾燥し、加熱接着層を設け、加熱接
着型記録用紙とした。出来上がった加熱接着型記録用紙
の含有水分率は9%であった。
【0057】実施例4 予備操作で得られた支持体Bの片面にエアーナイフコー
ターにより乾燥塗工量5.5g/m2となるようにインク受
理層組成物を塗工し、乾燥してインク受理層を形成して
インクジェット記録紙を得た。このインクジェット記録
紙の非記録面に、加熱接着層としてディレードタック型
粘着剤(ヒートマジックDW2000、東洋インキ製、
固形分52%)を総固形分が15g/m2となるようにエア
ーナイフコーターにより塗工して45℃の温風下で20
秒間乾燥し、ディレードタック層を設け、加熱接着型記
録用紙とした。出来上がった加熱接着型記録用紙の含有
水分率は10%であった。
【0058】実施例5 予備操作で得られた支持体Bの片面にエアーナイフコー
ターにより乾燥塗工量5.5g/m2となるようにインク受
理層組成物を塗工し、乾燥してインク受理層を形成して
インクジェット記録紙を得た。このインクジェット記録
紙の非記録面に、加熱接着層として合成ゴムベースのホ
ットメルト型粘着剤(MU74、コニシ製)を塗工量が
50g/m2となるようにスプレー塗工して後冷却し、加熱
接着層を設け、加熱接着型記録用紙とした。出来上がっ
た加熱接着型記録用紙の含有水分率は13%であった。
【0059】実施例6 予備操作で得られた支持体Cの保湿層が塗布された面に
エアーナイフコーターにより乾燥塗工量5.5g/m2とな
るようにインク受理層組成物を塗工し、乾燥してインク
受理層を形成してインクジェット記録紙を得た。このイ
ンクジェット記録紙の非記録面に、加熱接着層としてヒ
ートシール剤(アクアテックスEC1200、中央理化
工業製、固形分51%)を固形分が15g/m2となるよう
に塗工して80℃の温風下で20秒間乾燥し、加熱接着
層を設け、加熱接着型記録用紙とした。出来上がった加
熱接着型記録用紙の含有水分率は10%であった。
【0060】実施例7 予備操作で得られた支持体Cの保湿層が塗布された面に
エアーナイフコーターにより乾燥塗工量5.5g/m2とな
るようにインク受理層組成物を塗工し、乾燥してインク
受理層を形成してインクジェット記録紙を得た。このイ
ンクジェット記録紙の非記録面に、加熱接着層としてデ
ィレードタック型粘着剤(ヒートマジックDW200
0、東洋インキ製、固形分52%)を総固形分が15g/
m2となるようにエアーナイフコーターにより塗工して4
5℃の温風下で20秒間乾燥し、ディレードタック層を
設け、加熱接着型記録用紙とした。出来上がった加熱接
着型記録用紙の含有水分率は11%であった。
【0061】実施例8 予備操作で得られた支持体Cの保湿層が塗布された面に
エアーナイフコーターにより乾燥塗工量5.5g/m2とな
るようにインク受理層組成物を塗工し、乾燥してインク
受理層を形成してインクジェット記録紙を得た。このイ
ンクジェット記録紙の非記録面に、加熱接着層として合
成ゴムベースのホットメルト型粘着剤(MU74、コニ
シ製)を塗工量が50g/m2となるようにスプレー塗工し
て後冷却し、加熱接着層を設け、加熱接着型記録用紙と
した。出来上がった加熱接着型記録用紙の含有水分率は
10%であった。
【0062】実施例9 予備操作で得られた支持体Cの保湿層が塗布されいない
面にエアーナイフコーターにより乾燥塗工量5.5g/m2
となるようにインク受理層組成物を塗工し、乾燥してイ
ンク受理層を形成してインクジェット記録紙を得た。こ
のインクジェット記録紙の非記録面に、加熱接着層とし
てヒートシール剤(アクアテックスEC1200、中央
理化工業製、固形分51%)を固形分が15g/m2となる
ように塗工して80℃の温風下で20秒間乾燥し、加熱
接着層を設け、加熱接着型記録用紙とした。出来上がっ
た加熱接着型記録用紙の含有水分率は11%であった。
【0063】実施例10 予備操作で得られた支持体Cの保湿層が塗布されていな
い面にエアーナイフコーターにより乾燥塗工量5.5g/
m2となるようにインク受理層組成物を塗工し、乾燥して
インク受理層を形成してインクジェット記録紙を得た。
このインクジェット記録紙の非記録面に、加熱接着層と
してディレードタック型粘着剤(ヒートマジックDW2
000、東洋インキ製、固形分52%)を総固形分が1
5g/m2となるようにエアーナイフコーターにより塗工し
て45℃の温風下で20秒間乾燥し、ディレードタック
層を設け、加熱接着型記録用紙とした。出来上がった加
熱接着型記録用紙の含有水分率は10%であった。
【0064】実施例11 予備操作で得られた支持体Cの保湿層が塗布されていな
い面にエアーナイフコーターにより乾燥塗工量5.5g/
m2となるようにインク受理層組成物を塗工し、乾燥して
インク受理層を形成してインクジェット記録紙を得た。
このインクジェット記録紙の非記録面に、加熱接着層と
して合成ゴムベースのホットメルト型粘着剤(MU7
4、コニシ製)を塗工量が50g/m2となるようにスプレ
ー塗工して後冷却し、加熱接着層を設け、加熱接着型記
録用紙とした。出来上がった加熱接着型記録用紙の含有
水分率は13%であった。
【0065】比較例1 予備操作で得られた支持体Aの片面にエアーナイフコー
ターにより乾燥塗工量5.5g/m2となるようにインク受
理層組成物を塗工し、乾燥してインク受理層を形成して
インクジェット記録紙を得た。このインクジェット記録
紙の非記録面に、加熱接着層としてヒートシール剤(ア
クアテックスEC1200、中央理化工業製、固形分5
1%)を固形分が15g/m2となるように塗工して80℃
の温風下で20秒間乾燥し、加熱接着層を設け、加熱接
着型記録用紙とした。出来上がった加熱接着型記録用紙
の含有水分率は4%であった。
【0066】比較例2 予備操作で得られた支持体Aの片面にエアーナイフコー
ターにより乾燥塗工量5.5g/m2となるようにインク受
理層組成物を塗工し、乾燥してインク受理層を形成して
インクジェット記録紙を得た。このインクジェット記録
紙の非記録面に、加熱接着層としてディレードタック型
粘着剤(ヒートマジックDW2000、東洋インキ製、
固形分52%)を総固形分が15g/m2となるようにエア
ーナイフコーターにより塗工して45℃の温風下で20
秒間乾燥し、ディレードタック層を設け、加熱接着型記
録用紙とした。出来上がった加熱接着型記録用紙の含有
水分率は5%であった。
【0067】比較例3 予備操作で得られた支持体Aの片面にエアーナイフコー
ターにより乾燥塗工量5.5g/m2となるようにインク受
理層組成物を塗工し、乾燥してインク受理層を形成して
インクジェット記録紙を得た。このインクジェット記録
紙の非記録面に、加熱接着層として合成ゴムベースのホ
ットメルト型粘着剤(MU74、コニシ製)を塗工量が
50g/m2となるようにスプレー塗工して後冷却し、加熱
接着層を設け、加熱接着型記録用紙とした。出来上がっ
た加熱接着型記録用紙の含有水分率は4.5%であっ
た。
【0068】比較例4 予備操作で得られた支持体Aの片面にエアーナイフコー
ターにより乾燥塗工量5.5g/m2となるようにインク受
理層組成物を塗工し、乾燥してインク受理層を形成して
インクジェット記録紙を得た。このインクジェット記録
紙の非記録面に、加熱接着層としてヒートシール剤(ア
クアテックスEC1200、中央理化工業製、固形分5
1%)を固形分が15g/m2となるように塗工して50℃
の温風下で10秒間乾燥し、加熱接着層を設け、加熱接
着型記録用紙とした。出来上がった加熱接着型記録用紙
の含有水分率は12%であった。
【0069】なお、含有水分率は、出来上がった直後の
加熱接着型記録用紙を用いて測定した。100cm×1
00cmの寸法の加熱接着型記録用紙を10枚用意し、
重量を測定した後、105℃に加熱した乾燥機で30分
乾燥し、さらに乾燥機から取り出し直後に重量を測定す
る。(乾燥後の重量)/(乾燥前の重量)×100の値
をもって含有水分率とした。
【0070】<試験方法> 1)貼り合わせ性 電子レンジを3種類(ナショナル製NEAB80,東芝
製ERV55、三菱電機製ROCS2)を用意し、ポリ
カーボネート製の板2枚で、加熱接着型記録用紙と被着
体を50組重ね合わせた積層物を挟み込み、輪ゴムを十
字に渡して固定する。被着体として官製葉書を使用し、
加熱時間を60秒とした。加熱終了後、加熱接着型記録
用紙と官製葉書とで貼り合わせが不完全なものの枚数を
確認する。未接着のものが全くないのが最も良い。未接
着のものが50枚中5枚までであれば、どうにか加熱時
間60秒で使えるレベルにあり、未接着のものが6枚を
越えてしまうと加熱時間が60秒よりも必要となり著し
く作業効率を低下させると考えることができる。
【0071】2)インクジェット印字性 インクジェット記録は、市販のカラーインクジェットプ
リンター(BJC−400J:キャノン製、MJ−80
0C:エプソン製)にて行い、インクジェット記録部分
を観察した。インクジェット記録部分にニジミがなく、
シャープさを有する記録用紙を印字性が優、ややシャー
プさに欠けるが十分に画像が鮮明である場合を印字性が
並、ニジミが発生し、インクジェット記録性に劣る場合
を印字性が劣で判定した。
【0072】3)インクジェット印字の太り 市販のカラーインクジェットプリンター(BJC−40
0J:キャノン製、MJ−800C:エプソン製)を用
いてディスプレイ上で太さを0.5mmに設定した直線
を長さ5cmで20本、色は黒で、インクジェット印字
した。測定位置を直線の引き始めと引き終わりに決め、
各直線とも1本当たり2カ所で直線の線幅を測定し、計
40カ所の平均値を印字の太さとする。印字の太さと
0.5mmとの差の絶対値が0.02mm以下程度であ
れば良好な画像印字が行われるはずであり、差の絶対値
が0.02mmより大きく0.6mm以下程度であれば
大きく問題のない程度の画像が得られ、差の絶対値が
0.6mmより大きいと画質的に劣った画像となる可能
性がある。
【0073】4)ブロッキング性 得られた加熱接着型記録用紙を10cm×5cmに断裁
後、加熱接着面とインク受理面が接するように10組重
ね、ガラス板に挟む。加重を100g/cm2掛け、室温4
0℃湿度90%環境下で24時間保持する。24時間経
過後、加重を取り外し重ねたまま室温20℃湿度65%
環境下で24時間保持する。その後、サンプルをほぐし
てみて加熱接着面とインク受理層がブロッキングを起こ
していないものを優、ブロッキングを起こしているもの
を劣と判定した。
【0074】
【表1】
【0075】評価:表から明らかなように、本発明の加
熱接着型記録用紙は用紙の含有水分量が比較例1〜3の
保湿剤を含まない加熱接着性記録用紙より多いため、同
じ時間でも電磁波加熱装置(電子レンジ)での貼り合わ
せの際、失敗する確率が劇的に減少していることがわか
る。また、単に用紙の含有水分量を乾燥条件を弱くする
ことにより増やした比較例4では、電磁波加熱装置によ
る貼り合わせは良好となるもののインクジェット印字、
ブロッキングが不良となり使用できるレベルにないこと
がわかる。さらに、実施例の中で、加熱接着層を保湿層
上に設けた実施例9〜11では、インクジェット印字が
他の実施例より良好となっていることがわかる。特に保
湿剤を添加せず単に乾燥条件だけを調節し、含有水分率
を高くした比較例4では、インクジェット印字の太りが
顕著で精細な画像を印字するには不向きであることがわ
かる。
【0076】
【発明の効果】本発明の加熱接着型記録用紙を用いれ
ば、葉書との貼り合わせを電磁波加熱装置(電子レン
ジ)を使用して一層効率的に行うことができ、貼合せ時
においてインクジェット記録を損なうことなく、その利
用価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の本発明の加熱接着型記録用紙の断面概略
図。
【図2】第2の本発明の加熱接着型記録用紙の断面概略
図。
【図3】第3の本発明の加熱接着型記録用紙の断面概略
図。
【図4】第4の本発明の加熱接着型記録用紙の断面概略
図。
【符号の説明】
1 1層以上のインク受理層 2 支持体 3 保湿剤を含んだ加熱接着層 4 保湿剤を内添した支持体 5 加熱接着層 6 保湿剤と結着剤からなる保湿層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片面に少なくとも1層以上のイ
    ンク受理層を有し、他面に通常状態では粘着性、接着性
    ともに示さず加熱時に接着性を示す加熱接着層を設けた
    加熱接着型記録用紙において、該加熱接着層中に保湿剤
    を含むことを特徴とする加熱接着型記録用紙。
  2. 【請求項2】 支持体の片面に少なくとも1層以上のイ
    ンク受理層を有し、他面に通常状態では粘着性、接着性
    ともに示さず加熱時に接着性を示す加熱接着層を設けた
    加熱接着型記録用紙において、該支持体中に保湿剤を内
    添していることを特徴とする加熱接着型記録用紙。
  3. 【請求項3】 支持体の片面に保湿剤と結着剤とからな
    る保湿層を設け、さらにその上に少なくとも1層以上の
    インク受理層を有し、他面に通常状態では粘着性、接着
    性ともに示さず加熱時に接着性を示す加熱接着層を設け
    たことを特徴とする高保湿性加熱接着型記録用紙。
  4. 【請求項4】 支持体の片面に少なくとも1層以上のイ
    ンク受理層を設け、その反対面に保湿剤と結着剤とから
    なる保湿層、および該保湿層上に通常状態では粘着性、
    接着性ともに示さず加熱時に接着性を示す加熱接着層を
    設けたことを特徴とするインク受理性の良好な加熱接着
    型記録用紙。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009046348A (ja) * 2007-08-20 2009-03-05 Nihon Yamamura Glass Co Ltd 感熱ラベル貼着ガラス製品
JP2012196972A (ja) * 2000-04-11 2012-10-18 Avery Dennison Corp 本質的にインク受容性のフィルム基材
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US11279135B2 (en) 2018-03-27 2022-03-22 Seiko Epson Corporation Ink absorption member

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