JPH1020226A - 光スキャナ - Google Patents

光スキャナ

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JPH1020226A
JPH1020226A JP8169832A JP16983296A JPH1020226A JP H1020226 A JPH1020226 A JP H1020226A JP 8169832 A JP8169832 A JP 8169832A JP 16983296 A JP16983296 A JP 16983296A JP H1020226 A JPH1020226 A JP H1020226A
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optical scanner
movable plate
coil
leaf spring
polyimide layer
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Kenji Murakami
賢治 村上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】走査光ビームの偏向角が大きく、平面コイルや
配線などの電気要素の耐久性に優れ、安価に大量に生産
できる小型の光スキャナを提供する。 【解決手段】光スキャナは、自由端が振動される構造体
100と、その自由端の近くに配置される永久磁石10
8を有している。構造体100は、固定端となる支持体
104と、弾性変形可能なフレキシブル基板101と、
反射面を有する可動板105を有し、支持板104と可
動板105はフレキシブル基板101の端部に接着され
ている。フレキシブル基板101は、その周縁の内側を
周回する平面コイル102を内蔵し、その端部は外部と
の接続用の露出した電極パッド103に接続されてい
る。フレキシブル基板101の支持体104と可動板1
05の間に位置する部分は、支持体104に対して可動
板105を変位可能に支持する板バネ部106として働
き、その中央には貫通穴107を形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光源からの光を反
射し、その反射光を一次元的に走査する小型の光スキャ
ナに関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭63−82165号は、図22に
示される構成の光スキャナすなわち偏向器300を開示
している。この偏向器300は、図22(b)に示され
るように、大きなヨーク328と、ヨーク328に巻か
れたコイル329と、ヨーク328の内側の空間に配置
された光偏向子310とを有している。光偏向子310
は、図22(a)に示されるように、ミラー312と駆
動用コイル311とリガメント313と314を有し、
これらは互いに一体的に形成され、支持枠315に支持
されている。
【0003】この偏向器では、駆動用コイル311に流
れる電流と、ヨーク328とコイル329によって作り
出される磁場との相互作用により、駆動用コイル311
が受ける力によりリガメント313と314が捻れ、ミ
ラー312が所定の周波数で振られる。光はミラー31
2に照射され、その反射光が一次元的に走査される。
【0004】特開平6−46207号は、圧電振動子を
用いて反射面を振動させる光スキャナを開示している。
この光スキャナでは、図23に示されるように、担体材
料2と電極3からなる片持ち梁がシリコン基板1に支持
されている。この片持ち梁はユニモルフ型圧電アクチュ
エータ6を構成しており、これはシリコン基板1の上面
に担体材料2と電極3を順に形成し、エッチングにより
空間7を形成することで作製される。片持ち梁の上には
歪みゲージ9が設けられており、またその固定端には別
の歪みゲージ10が設けられている。歪みゲージ9はユ
ニモルフ型圧電アクチュエータ6の変形量の計測に用い
られ、歪みゲージ10はその計測時の参照信号に用いら
れる。
【0005】この光スキャナでは、片持ち梁の変形しな
い先端部が反射面として機能し、この反射面に光が照射
される。片持ち梁はユニモルフ型圧電アクチュエータ6
によって振動され、これにより片持ち梁の先端部で反射
された光が一次元的に走査される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開昭63−8216
5号の光スキャナは、十分な駆動力を得るため、大型の
ヨーク328とコイル329を必要としている。このた
め、装置全体の構成が大型になっている。近年、小型の
光スキャナが要望されており、これに応えるために装置
全体の小型化を図ると、駆動力が弱くなり、走査ビーム
の十分な偏向角が得られない。さらに、機械的な組立工
程を要するため、組立が煩雑である。
【0007】特開平6−46207号の光スキャナは、
前述の光スキャナに比べて小型であるが、走査ビームの
偏向角は今後の要求に応えられるほど大きなものとは言
えない。また、電気要素、例えば電極3や歪みゲージ9
や10の電極等が露出しているため、経年変化に対する
対策が施されておらず、電気要素の耐久性の面、別の言
い方をすれば安定した性能の維持という面で疑問が残
る。
【0008】本発明の目的は、走査ビームの大きな偏向
角が得られる光スキャナを提供することである。本発明
の目的は、前述の利点を備えた光スキャナであり、さら
に電気要素の耐久性の優れている光スキャナを提供する
ことである。
【0009】本発明の目的は、前述の利点を備えた光ス
キャナであり、さらに安価に大量に生産できる光スキャ
ナを提供することである。本発明の目的は、前述の利点
を備えた光スキャナであり、さらに歪ゲージを備えた光
スキャナを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、光を一次元的に走査する光スキャナであ
り、固定の支持部と、支持部に片持ちに支持された弾性
部と、弾性部の自由端部に設けられたミラーと、弾性部
の内部に設けられたコイルと、弾性部の自由端の近くに
間隔を置いて配置される永久磁石とを有しており、コイ
ルには交流電流が供給され、コイルを流れる電流と永久
磁石が作る磁場との相互作用により支持部に対してミラ
ーが振動され、これによりミラーで反射された光が一次
元的に走査される光スキャナである。
【0011】上記構成において好ましくは弾性部は有機
絶縁材料で作られている。上記構成において好ましくは
支持部と弾性部とミラーとコイルとを備えた構造体が半
導体製造技術により作られている。尚、ここでいう半導
体製造技術とは、Si等の半導体基板に各種工程により
半導体素子を作製する技術のことであり、各種材料のス
パッタリング、CVD及びフォトリソグラフィとエッチ
ングによるパターニング等が含まれる。特にエッチング
にはアルカリ溶液を用いたSi基板の異方性エッチング
も含まれる。
【0012】
【発明の実施の形態】
<第一の実施の形態>本発明の光スキャナの第一の実施
の形態について図1〜図4を参照して説明する。
【0013】図1と図3に示されるように、光スキャナ
は、その自由端が振動される構造体100と、この構造
体100の自由端の近くに配置される永久磁石108と
を有している。構造体100は、図1〜図3に示される
ように、固定端となる支持部である支持体104と、弾
性部である弾性変形可能なフレキシブル基板101と、
ミラーとなる反射面を有する可動板105とを有し、支
持体104と可動板105はフレキシブル基板101の
両端部に接着により固定されている。尚ここでいうフレ
キシブル基板とは有機絶縁材料で構成されている薄板状
のものである。
【0014】支持体104と可動板105のフレキシブ
ル基板101への接着は、光の走査方向の高い直線性を
得るため(即ち、走査光ビームの軌跡がぶれることなく
同一の直線上を往復するようにするため)、可動板10
5と支持体104の幅方向に直交する中心軸線を一致さ
せて行なわれる。ここで構造体100の支持体104か
ら可動板105へ延びる方向を長さ方向とし、それに直
交する方向を幅方向としている。以下の実施形態でも同
様に長さ方向と幅方向を定義する。フレキシブル基板1
01と支持体104と可動板105は共に同じ幅を有し
ており、このような接着は、可動板105と支持体10
4の幅方向の両端をフレキシブル基板101の幅方向の
両端に揃えて接着することで簡単に実現される。
【0015】フレキシブル基板101は、その周縁の内
側を周回する平面コイル102を内蔵しており、平面コ
イル102の両端部はそれぞれ電極パッド103に接続
され、電極パッド103はフレキシブル基板101の表
面に露出しており、平面コイル102の外部との電気的
接続を可能にしている。
【0016】可動板105は、フレキシブル基板101
との接着面の反対側の面に反射面を有している。可動板
105の材質は光スキャナの性能によって決定される。
例えば、低い周波数での走査に対しては、可動板105
の質量は大きいことが望ましく、金属等の密度の高い材
質の使用が適している。高い周波数での走査に対して
は、可動板105の質量は小さいことが望ましく、プラ
スチック等の密度の低い材質の使用が適している。可動
板105の反射面は、可動板105がプラスチック製の
場合には、例えば、無電解メッキを用いて、金属等の反
射率の高い材料を成膜して作られる。
【0017】支持体104は、構造体100をダイキャ
スト等に固定するために用いるため、強度の高い金属等
の厚板、例えばステンレス鋼の厚板で作られることが好
ましい。また、支持体104とダイキャストとの固定が
弱いと、光スキャナの動作に悪影響が生じるため、支持
板104はダイキャストに強固に接着される。
【0018】フレキシブル基板101の支持体104と
可動板105の間に位置する部分は、支持体104に対
して可動板105を変位可能に支持する弾性部すなわち
板バネ部106として機能する。フレキシブル基板10
1は板バネ部106の中央つまり平面コイル102の内
側に貫通穴107を有している。貫通穴107は可動板
105の変位を助長する。直線性の高い一次元的な走査
を実現するため、貫通穴107は、その中心が板バネ部
106の幅方向の中心に位置し、幅方向に対して直交す
る中心軸線に関して軸対称な形状であることが望まし
い。これに加えて、貫通穴107は変位時に特定の箇所
に応力が集中しない形状が望ましい。このため貫通穴1
07の形状は円や楕円あるいは角が丸まった多角形が適
している。
【0019】永久磁石108は、その着磁方向は可動板
105の振動方向に略平行で、可動板105の先端部に
位置する平面コイル102に対して上方あるいは下方約
45度の方向の任意の位置に永久磁石上部先端が合う位
置に配置される。
【0020】続いて、上述した構成の光スキャナの動作
について説明する。平面コイル102には電極パッド1
03を介して電源(図示せず)より交流電流が供給され
る。平面コイル102に電流が流れると、おもに構造体
100の自由端の近くに位置する平面コイル102の一
部すなわち構造体100の自由端の辺に平行に延びる部
分の平面コイル102が、その近くに配置された永久磁
石108が作る磁場との相互作用によって力を受ける。
平面コイル102を流れる電流が交流であるため、平面
コイル102の前述の部分が受ける力の向きは周期的に
変化する。このため可動板105はその厚み方向に振動
する。構造体100の振動の共振周波数は可動板105
と板バネ部106の形状や材質によって一意的に決ま
り、平面コイル102に供給される交流電流の周波数が
この共振周波数に等しいとき、可動板105の振動の振
幅は最大となる。
【0021】この共振周波数と共振時のゲインと可動板
105の偏向角は近似的に以下に示す(式1)(式2)
(式3)によって表わされ、設計する際の指標となる。
光源からの光を可動板105で反射させて光を走査する
場合、光の偏向角は可動板105の偏向角の二倍にな
る。
【0022】
【数1】 ここに、fr は共振周波数、Ep は板バネ部106のヤ
ング率、Ip は板バネ部106の断面二次モーメント、
massは可動板105の質量、mcpは板バネ部10
6のの質量、gainは共振時のゲイン、fは任意の周
波数、dp はダンピング係数、imax は共振時の偏向
角、wは平面コイル102に発生する力量、Es は可動
板105のヤング率、Is は可動板105の断面二次モ
ーメント、lb は板バネ部106の長さ、la は可動板
105の長さである。
【0023】本発明の光スキャナを用いたバーコードリ
ーダシステムが図4に概略的に示される。図4に示され
るように、レーザ光源109はコリメートされたレーザ
光を振動している可動板105の反射面に照射し、可動
板105の反射面で反射されたレーザ光108は一次元
的に走査される。つまり、レーザ光108はある平面内
において所定の角度範囲で振れ、その軌道上にあるバー
コード110の上を直線的に往復移動する。レーザー光
108はバーコード110で散乱され、その散乱光は、
バーコード110に記録されている情報を反映してお
り、受光素子111で検出される。受光素子111から
の出力は信号処理回路112によって処理され、バーコ
ード110に記録されている情報が読み取られる。
【0024】本実施形態では、平面コイル102はフレ
キシブル基板101の周縁に沿って可動板105から支
持体104に至る範囲を周回している。従って、永久磁
石108の磁束の影響を受ける部分は実質的に可動板1
05の端部に平行に形成されたコイル102の一部だけ
であるので、振動が安定し、縦振動以外のモードが発生
し難い。また、平面コイル102以外の配線が不要なた
め、作製が簡便で生産性に優れている。
【0025】また、この光スキャナは、配線等の電気要
素がフレキシブル基板101に一体に形成されているた
め、コイル102等を単品でハンドリングする必要がな
い。特にここで用いられている平面コイル102は光ス
キャナを小型化するために薄膜で形成されているためハ
ンドリングが難しく、平面コイル102をフレキシブル
基板101内に形成し、フレキシブル基板101と一体
でハンドリングすることによって生産性が大きく向上す
る。この光スキャナは組立工程が少なく、フレキシブル
基板101に支持体104と可動板105を接着するだ
けで完成する。また、組立工程が少ないことから組立上
の問題で光スキャナの振動が不安定になるようなことが
殆どない。
【0026】板バネ部106に設けられた貫通穴107
は板バネ部106の強度特性を改善している。例えばハ
ンディ型のバーコードリーダに本実施形態の光スキャナ
が用いられた場合、使用時の光スキャナの向きは一定で
なく、どの様な向きでも使用できるように設計しなけれ
ばならない。このとき、問題となるのは光スキャナの振
動部に光スキャナの向きによりねじれが生じることであ
る。そこで解析を行い、ねじれに強く偏向角を大きくと
る構成として板バネ部106の中心に貫通穴107を設
けることを求めた。尚、貫通穴107を設ける際にその
四隅に応力集中が起こるため、四隅に曲率を持たせその
集中した応力を周辺に分散させている。
【0027】板バネ部106に主に有機材料からなるフ
レキシブル基板101を用いることによって脆性破壊が
起き難く、必要最小限の強度を保ちながら、大きな偏向
角を得ることができる。また、平面コイル102がフレ
キシブル基板101内部に作製されているため、平面コ
イル102の湿気による劣化が殆どない。その他にもフ
レキシブル基板101は平面コイル102の配線間の絶
縁にも貢献している。
【0028】この実施の形態の各構成は、当然、各種の
変形、変更が可能である。その変形例のひとつが図5に
示される。図5に示されるように、平面コイル102は
可動板105が接着される領域を周回しており、平面コ
イル102の端部は配線113によって、支持体104
が接着される部分に設けられた電極パッド103に電気
的に接続されている。平面コイル102の内側の端部に
接続された配線113は平面コイル102を跨ぐが、そ
の部分はフレキシブル基板101の有機膜によって良好
に絶縁されている。従って、このフレキシブル基板10
1は平面コイル102と絶縁用の有機膜と配線113、
電極パッド103とこれらを挟み込む有機膜との多層構
造によって形成される。
【0029】板バネ部106内に配線を通すことによ
り、平面コイルを通していた場合よりも、板バネ部10
6の強度を制御し易くできる利点と平面コイル102全
体の抵抗が小さくなるため光スキャナの消費電力が小さ
くなる利点を有している。
【0030】別の変形例が図6に示される。図6に示さ
れるように、支持体104は可動板105を周回する形
状をしており、この支持体104に永久磁石108が固
定されている。支持体104は、永久磁石108の取付
部分がエッチング等によって20μm程度削られ、永久
磁石108の接着面には接着剤等が塗布され、エッチン
グによって掘り下げられた部分に接着される。
【0031】この構成は、エッチングによって永久磁石
108の取付位置が明確にされているため、永久磁石1
08が常に同じ位置に取り付けられるという利点と、永
久磁石108の取り付けが簡易化され取付時間が短縮さ
れるという利点を有している。
【0032】<第二の実施の形態>本発明の光スキャナ
の第二の実施の形態が図7と図8に示される。図7に示
される本実施形態の構造体200の外観的な形状は図1
〜図3に示される第一実施形態の構造体100と同じで
あるが、本実施形態の構造体200は半導体製造技術を
用いて一体で作製されている点で構造体100とは異な
っている。
【0033】図7において、支持体201と可動板20
2は同一の基板を用いて作製されたものである。ここで
基板には面方位が(100)面のシリコン単結晶基板が
用いられた。シリコン基板にはシリコン窒化膜203が
形成されている。シリコン窒化膜203上に第1ポリイ
ミド層204が形成されている。第1ポリイミド層20
4上に平面コイル205が形成されている。平面コイル
205は、アルミスパッタで成膜し、エッチングによっ
てコイルパターンに加工されている。平面コイル205
は構造体200の周縁の近くを周回しており、その両端
は外部との電気的接続のための電極パッド206に接続
されている。電極パッド206は、その下地は平面コイ
ル205と一緒に形成され、その後に膜厚を更に増すた
めに再度スパッタによりアルミを堆積して形成される。
【0034】平面コイル205上には第2ポリイミド層
207が形成されている。第2ポリイミド層207は、
板バネ部208の一部を構成するほか、平面コイル20
5のコイル配線間の絶縁膜として働くと共に、平面コイ
ル205によって生ずる段差を低減する働きをしてい
る。第2ポリイミド層207上には第3ポリイミド層2
09が形成されてる。第1ポリイミド層204と第2ポ
リイミド層207と第3ポリイミド層209は、支持体
201に対して可動板202を変位可能に支持する板バ
ネ部208を構成している。特に第3ポリイミド層20
9は板バネ部208のバネ特性を設計値に合わせるため
に形成される。電極パッド206は、その上に第2ポリ
イミド層207と第3のポリイミド層209は設けられ
ておらず露出しており、外部との電気的な接続が可能と
なっている。尚、第1及び第2ポリイミド層によって板
バネ部208の所望のバネ特性が得られる場合は第3ポ
リイミド層は設けなくともよい。
【0035】板バネ部208には貫通穴210が形成さ
れている。貫通穴210は、直線性の高い一次元的な走
査を実現するため、その中心が板バネ部208の幅方向
の中心に位置し、幅方向に対して直交する中心軸線に関
して軸対称な形状であることが望ましい。これに加え
て、貫通穴210は変位時に特定の箇所に応力が集中し
ない形状が望ましい。このため貫通穴210の形状は円
や楕円あるいは角が丸まった多角形が適している。
【0036】永久磁石211は、その着磁方向は可動板
202の振動方向に略平行で、可動板202の先端部に
位置する平面コイル205に対して上方あるいは下方約
45度の方向の任意の位置に永久磁石上部先端が合う位
置に配置される。
【0037】次に、本実施形態の光スキャナの構造体2
00の作製方法について図8を参照して説明する。図8
(A)に示されるように、シリコン基板212は洗浄さ
れ、低圧CVD装置を用いてその表面にシリコン窒化膜
203が成膜される。上面のシリコン窒化膜203はそ
の上に形成される平面コイル205とシリコン基板21
2の間の絶縁層として働き、裏面のシリコン窒化膜20
3は可動板202と支持体201を分離する際のマスク
材料として使用される。
【0038】図8(B)に示されるように、このような
理由から、裏面のシリコン窒化膜203は、ドライエッ
チングによって除去すべき部分のシリコンが露出するよ
うにパターニングされる。一方、上面のシリコン窒化膜
203の上には、板バネ部208に貫通穴210を形成
する際のマスク213が、スパッタで成膜されたアルミ
を用いて形成される。
【0039】図8(C)に示されるように、上面のシリ
コン窒化膜203の上に第1ポリイミド層204が形成
される。第1ポリイミド層は、液状のポリイミド溶液を
シリコン窒化膜203の上に塗布し、印刷法あるいはス
ピンコーティング法によって均一に成膜し、これを焼結
して形成される。
【0040】図8(D)に示されるように、第1ポリイ
ミド層204の上に平面コイル205が形成される。平
面コイル205は、スパッタされたアルミの膜をコイル
パターンにエッチングすることによって形成される。そ
の後、電極パッド206に相当する部分にのみ再度スパ
ッタによりアルミが成膜され、十分に厚い膜厚を持つ電
極パッド206が形成される。
【0041】図8(E)に示されるように、第1ポリイ
ミド層204の上に第2ポリイミド層207が形成され
る。第2ポリイミド層207は、第1ポリイミド層20
4の形成と同様に、液状のポリイミド溶液を第1ポリイ
ミド層204の上に塗布し、印刷法あるいはスピンコー
ティング法によって均一に成膜し、これを焼結して形成
される。
【0042】図8(F)に示されるように、第2ポリイ
ミド層207の上に第3ポリイミド層209が形成され
る。第3ポリイミド層209は、後に形成される板バネ
部208の剛性を上げるため、第1ポリイミド層204
と第2ポリイミド層207よりも厚く形成される。第3
ポリイミド層209は、第1ポリイミド層204の形成
と同様に、液状のポリイミド溶液を第2ポリイミド層2
07の上に塗布し、印刷法あるいはスピンコーティング
法によって均一に成膜し、これを焼結して形成される。
【0043】図8(G)に示されるように、第2ポリイ
ミド層207と第3ポリイミド層209の貫通穴210
と電極パッド206の上に位置する部分がドライエッチ
ングにより選択的に除去される。
【0044】図8(H)に示されるように、前述のパタ
ーニングされた下面のシリコン窒化膜203をマスクに
してシリコン基板212が下面からアルカリ性溶液を用
いて異方性エッチングされ、可動板202と支持体20
1が作製される。その際、第1ポリイミド層204の下
に位置するシリコン窒化膜203は、この異方性エッチ
ングから第1ポリイミド層204を保護するマスク層と
して働く。
【0045】図8(I)に示されるように、第1ポリイ
ミド層204のマスク層となったシリコン窒化膜203
はシリコンのエッチング後ドライエッチングによって除
去される。シリコン窒化膜203が除去されると、板バ
ネ部208の下に第1ポリイミド層204をエッチング
するためのマスク層213が現れる。このマスク層21
3を用いて裏面から第1ポリイミド層204が加工さ
れ、貫通穴210が形成される。最後に、マスク層21
3がエッチングにより除去され、上述した本実施形態の
光スキャナの構造体200が得られる。
【0046】続いて、本実施形態の光スキャナの動作に
ついて説明する。平面コイル205には電極パッド20
6を介して電源(図示せず)より交流電流が供給され
る。平面コイル205に電流が流れると、おもに構造体
200の自由端の近くに位置する平面コイル205の一
部すなわち構造体200の自由端の辺に平行に延びる部
分の平面コイル205が、その近くに配置された永久磁
石211が作る磁場との相互作用によって力をうける。
平面コイル205を流れる電流が交流であるため、平面
コイル205の前述の部分が受ける力の向きは周期的に
変化する。このため可動板202はその厚み方向に振動
する。構造体200の振動の共振周波数は可動板202
と板バネ部208の形状や材質によって一意的に決ま
り、平面コイル205に供給される交流電流の周波数が
この共振周波数に等しいとき、可動板202の振動の振
幅は最大となる。
【0047】この共振周波数と共振時のゲインと可動板
202の偏向角は前出の(式1)(式2)(式3)によ
って表わされ、設計する際の指標となる。光源からの光
を可動板202で反射させて光を走査する場合、光の偏
向角は可動板202の偏向角の二倍になる。
【0048】本実施形態の光スキャナは、第一実施形態
の光スキャナと同様に、図4のバーコードリーダシステ
ムに適用できる。本実施形態では、構造体200は一体
的に形成されているため、その後に組立作業が不要であ
り、超小型の光スキャナを大量に安価に生産することが
できる。また、構造体200は半導体製造技術を応用し
て形成されるため、加工精度が非常に高く、このため組
立誤差に起因して生じる光スキャナの特性の劣化はな
い。
【0049】板バネ部208に設けられた貫通穴210
は板バネ部208の強度特性を改善している。例えばハ
ンディ型のバーコードリーダに本実施形態の光スキャナ
が用いられた場合、使用時の光スキャナの向きは一定で
なく、どの様な向きでも使用できるように設計しなけれ
ばならない。このとき、問題となるのは光スキャナの振
動部に光スキャナの向きによりねじれが生じることであ
る。そこで解析を行い、ねじれに強く偏向角を大きくと
る構成として板バネ部208の中心に貫通穴210を設
けることを求めた。尚、貫通穴210を設ける際にその
四隅に応力集中が起こるため、四隅に曲率を持たせその
集中した応力を周辺に分散させている。
【0050】板バネ部208に有機絶縁材料であるポリ
イミドを用いることによって脆性破壊が起き難く、必要
最小限の強度を保ちながら、大きな偏向角を得ることが
できる。また、配線がポリイミド内部に作製されている
ため、配線の湿気による劣化が殆どない。その他にもポ
リイミド層は平面コイル205の配線間の絶縁にも貢献
している。
【0051】この実施の形態の各構成は、当然、各種の
変形、変更が可能である。その変形例のひとつが図9に
示される。図9に示されるように、可動板202はポリ
イミド層等の有機膜によって形成されている。ポリイミ
ドで作製された可動板202はシリコンで作製されたも
のに比べて質量が小さいため、これを用いた光スキャナ
は大きな偏向角を実現できる。以下に可動板202の質
量と偏向角の関係について示す。
【0052】可動板202の質量は前出の(式1)から
明らかなように共振周波数に影響を与える。光スキャナ
によって反射される光の走査速度を最大偏向角を変更せ
ずに大きくするには、可動板202の質量を小さくし
て、光スキャナの共振周波数を上げればよい。可動板2
02をシリコンからポリイミドに変更すれば可動板20
2の質量が低減し共振周波数が大きくなる。しかし、可
動板202をシリコンからポリイミドに変更した場合、
可動板202と板バネ部208の強度差が、可動板20
2にシリコンを用いた場合に比べて小さくなる。これ
は、可動板202を支える板バネ部208の強度が相対
的に大きくなるためである。
【0053】また、一体形成による製造工程を考えた場
合、ポリイミドの厚膜形成では通常のシリコン基板の厚
み(300〜500μm)を達成することは困難であ
り、可動板202と板バネ部208の強度差がなくな
り、可動板202が振動中に変形するおそれがある。こ
のような不都合は、板バネ部208の剛性を小さくし、
可動板202との強度差を大きくすることで解決され
る。可動板202、板バネ部208の強度は剛性で表わ
され、直方体の形状に対しては、
【0054】
【数2】 で表わされる。ここに、Gは剛性、Eはヤング率、bは
幅、hは厚みである。(式4)から、可動板202と板
バネ部208の厚みの差を大きくすれば、強度差が増加
することが分かる。ポリイミドの厚膜形成に限界がある
ことを考慮すれば、板バネ部208の厚みを小さくする
ことが望ましい。
【0055】一方、共振周波数において可動板202の
質量を小さくすると共に板バネ部208の剛性を小さく
することは前出の(式1)から明らかなように、互いの
影響を相殺し合う結果となり、共振周波数には大きな影
響を及ぼさない。板バネ部208の剛性が小さくなった
ことによる影響は前出の(式3)から明らかなように偏
向角の変化に顕著に現れる。板バネ部208の剛性が小
さくなったことにより偏向角を大きくすることができる
のである。
【0056】別の変形例として、第2ポリイミド層20
7と第3ポリイミド層209は形成されなくてもよい。
ただし、この構造体では、平面コイル205が大気に直
接さらされるため、コイル間の異常放電等が起きないよ
うに、真空中で使用されることが望ましい。
【0057】更に別の変形例として、平面コイル205
はメッキ加工によって作製されてもよい。平面コイル2
05は、構造体が大きな力を受けるように巻数を増や
し、微細に加工することが望ましい。しかし、平面コイ
ル205のサイズを変更せずに巻数を増やせば、コイル
の配線幅が狭まり配線抵抗が大きくなり、光スキャナの
温度を増加させてしまう。この温度の増加によって、板
バネ部208の強度特性が変化してしまい、共振周波数
が不安定になることもある。これを解決するためにはコ
イルの厚みを増すのがよい。従って、電解メッキ法を用
いてスパッタとエッチングによって形成されたアルミの
コイルパターンをシード層としてメッキ金属を成膜、形
成する。
【0058】また更に別の変形例として、図6に示され
る構成と同様に、支持体201が可動板202を周回す
る形状に変更され、支持体201に永久磁石211が固
定されてもよい。永久磁石の取付部分はドライエッチン
グによって20μm程度削られ、永久磁石の接着面には
接着剤等が塗布され、エッチングによって掘り下げられ
た部分に接着される。
【0059】この構成は、エッチングによって永久磁石
211の取付位置が明確にされているため、永久磁石2
11が常に同じ位置に取り付けられるという利点と、永
久磁石211の取り付けが簡易化され取付時間が短縮さ
れるという利点を有している。
【0060】<第三の実施の形態>本発明の光スキャナ
の第三の実施の形態について図10〜図12を参照して
説明する。
【0061】図10と図11に示されるように、光スキ
ャナは構造体300と永久磁石313を有している。構
造体300は半導体製造技術を用いて一体で作製され、
支持体301と可動板302は同一の基板から作製され
る。ここで基板には面方位が(100)面のシリコン単
結晶基板が用いられている。シリコン基板の上にはシリ
コン窒化膜303が形成されている。可動板302の上
のシリコン窒化膜303の上には平面コイル304が形
成されている。平面コイル304はアルミをスパッタで
成膜し、エッチングによって加工して作られる。平面コ
イル304の両端部には配線308とのコンタクト用の
コンタクトパッド305が設けられている。シリコン窒
化膜303の上には第1ポリイミド層306が設けられ
ており、これは支持体301と可動板302とを連結し
ている。第1ポリイミド層306の上には配線308が
設けられ、配線308は一端がコンタクトパッド305
に接続され、他端は支持体301の上に位置し、これに
はアルミ製の電極パッド309が設けられている。
【0062】第1ポリイミド層306の上には第2ポリ
イミド層310が設けられている。第2ポリイミド層3
10は、電極パッド309を除いて配線308を覆って
おり絶縁膜として機能すると共に、第一ポリイミド層3
06と配線308の段差を低減する働きをしている。第
2ポリイミド層310の上には第3ポリイミド層311
が設けられている。支持体301と可動板302の間に
位置する第一ポリイミド層306と第2ポリイミド層3
10と第3ポリイミド層311は、支持体301に対し
て可動板302を振動可能に支持する板バネ部307を
構成している。第3ポリイミド層311は板バネ部30
7の剛性を調整するために設けられ、その層厚を調整す
ることで所望の剛性の板バネ部307が得られる。第3
ポリイミド層311は電極パッド309の上には設けら
れておらず、電極パッド309は露出しており、外部と
の電気的な接続が可能となっている。尚、第1及び第2
ポリイミド層によって所望の剛性の板バネ部307が得
られる場合は、第3ポリイミド層は設けなくてもよい。
【0063】板バネ部307には貫通穴312が形成さ
れている。貫通穴312は、直線性の高い一次元的な走
査を実現するため、その中心が板バネ部307の幅方向
の中心に位置し、幅方向に対して直交する中心軸線に関
して軸対称な形状であることが望ましい。これに加え
て、貫通穴312は変位時に特定の箇所に応力が集中し
ない形状が望ましい。このため貫通穴312の形状は円
や楕円あるいは角が丸まった多角形が適している。
【0064】永久磁石313は、その着磁方向は可動板
302の振動方向に略平行で、可動板302の先端部に
位置する平面コイル304に対して上方あるいは下方約
45度の方向の任意の位置に永久磁石上部先端が合う位
置に配置される。
【0065】次に、本実施形態の光スキャナの構造体3
00の作製方法について図12を参照して説明する。図
12(A)に示されるように、面方位が(100)面の
シリコン基板320は、洗浄後、その表面に低圧CVD
装置を用いてシリコン窒化膜303が成膜される。上面
のシリコン窒化膜303はその上に形成される平面コイ
ル304とシリコン基板320の間の絶縁膜として働
く。下面のシリコン窒化膜303はドライエッチングに
よって部分的に除去されてパターニングされ、パターニ
ングされたシリコン窒化膜303はシリコン基板320
から支持体301と可動板302を作製する際のマスク
として働く。
【0066】図12(B)に示されるように、上面のシ
リコン窒化膜304の上に平面コイル304が形成され
る。平面コイル304は、スパッタリングによってアル
ミを成膜し、これをエッチングによってパターニングし
て作製される。平面コイル304の両端部には、のちに
形成される配線308とのコンタクト用のコンタクトパ
ッド305が形成される。
【0067】図12(C)に示されるように、のちに板
バネ部307に貫通穴312を形成するためのマスク3
14が形成される。マスク314は、スパッタされたア
ルミをリフトオフ等の方法によってパターニングして作
製される。
【0068】図12(D)に示されるように、上面のシ
リコン窒化膜303の上に、平面コイル304とマスク
314を覆う第1ポリイミド層306が作製される。第
1ポリイミド層306は、液状のポリイミド溶液をシリ
コン基板に塗布し、印刷法あるいはスピンコーティング
法によって均一に成膜し、焼結して作製される。その
後、第一ポリイミド層306は、コンタクトパッド30
5の上の部分がエッチングによって除去される。
【0069】図12(E)に示されるように、第1ポリ
イミド層306の上に配線308が形成される。配線3
08は、スパッタされたアルミをエッチングによりパタ
ーニングして作製される。その後必要に応じて、支持体
301上に設けられる電極パッド309のアルミの厚み
を増すため、アルミのスパッタとパターニングを再度行
なってもよい。
【0070】図12(F)に示されるように、第1ポリ
イミド層306の上に第2ポリイミド層310が設けら
れる。第2ポリイミド層310は、第1ポリイミド層と
同様に、液状のポリイミド溶液を第1ポリイミド層30
6上に塗布し、印刷法あるいはスピンコーティング法に
よって均一に成膜し、焼結して作製される。
【0071】図12(G)に示されるように、第2ポリ
イミド層310の上に第3ポリイミド層311が設けら
れる。第3ポリイミド層311は、第1ポリイミド層と
同様に、液状のポリイミド溶液を第2ポリイミド層31
0上に塗布し、印刷法あるいはスピンコーティング法に
よって均一に成膜し、焼結して作製される。第3ポリイ
ミド層311は、板バネ部307の剛性を高めるため、
第1ポリイミド層306や第2ポリイミド層310より
も厚く形成される。
【0072】図12(H)に示されるように、第2ポリ
イミド層310と第3ポリイミド層311は、電極パッ
ド309の上に位置する部分と、形成すべき貫通穴31
2に相当する部分とが、ドライエッチングにより除去さ
れる。
【0073】図12(I)に示されるように、シリコン
基板320から支持体301と可動板302が作製され
る。支持体301と可動板302は、シリコン基板32
0の下面のパターニングされたシリコン窒化膜303を
マスクにして、アルカリ性溶液を用いてシリコン基板3
20を下面から異方性エッチングして作製される。この
とき、第1ポリイミド層306の下にあるシリコン窒化
膜303は、シリコン基板320がエッチングされ貫通
された際に第1ポリイミド層306を保護するマスク層
として働く。
【0074】図12(J)に示されるように、第1ポリ
イミド層306のマスク層となったシリコン窒化膜30
3は、シリコン基板320のエッチング後、ドライエッ
チングによって除去される。シリコン窒化膜303が除
去されると、アルミのマスク314が現れる。マスク3
14を用いて第1ポリイミド層306が除去され、貫通
穴312が形成される。その後、マスク314がエッチ
ングにより除去され、上述した本実施形態の光スキャナ
の構造体300が得られる。
【0075】続いて、本実施形態の光スキャナの動作に
ついて説明する。平面コイル304には電極パッド30
9を介して電源(図示せず)より交流電流が印加され
る。平面コイル304を流れる電流は構造体300の自
由端の近くに配置された永久磁石313が作る磁場と相
互作用し、平面コイル304は特に構造体300の自由
端近くの部分が力を受ける。平面コイル304を流れる
電流が交流であるため、平面コイル304が受ける力の
方向は周期的に変化し、可動板302は厚み方向に振動
する。構造体300の振動の共振周波数は可動板302
と板バネ部307の形状や材質によって一意的に決ま
り、この共振周波数に等しい周波数の交流電流の平面コ
イル304への供給は可動板302をその電流値で最大
の振幅で振動させる。
【0076】この共振周波数と共振時のゲインと可動板
302の偏向角は前出の(式1)(式2)(式3)によ
って表わされ、設計する際の指標となる。可動板302
で反射される光は、可動板302の偏向角の二倍の偏向
角で往復走査される。
【0077】本実施形態の光スキャナは、図4に示され
るバーコードリーダシステムの第一実施形態の光スキャ
ナに代えて適用可能である。本実施形態の光スキャナで
は、構造体300は一体に形成されるため、その後の組
立作業は不要であり、超小型の光スキャナを大量に安価
に生産することができる。また、構造体300は半導体
製造技術を応用して作製されるので寸法精度が非常に高
く、このため設計値との誤差に起因する光スキャナの性
能の劣化が非常に少ない。
【0078】板バネ部307に設けた貫通穴312は板
バネ部307の強度特性を改善している。例えばハンデ
ィ型のバーコードリーダに本実施形態の光スキャナが用
いられた場合、使用時の光スキャナの向きは一定でな
く、どの様な向きでも使用できるように設計しなければ
ならない。このとき、問題となるのは光スキャナの振動
部に光スキャナの向きによりねじれが生じることであ
る。そこで解析を行い、ねじれに強く大きな偏向角を得
られる構成として板バネ部307の中心に貫通穴312
を設けることを求めた。貫通穴312を設ける際にその
四隅に応力集中が起こるため、四隅に曲率を持たせその
集中した応力を周辺に分散させている。
【0079】板バネ部307に有機絶縁材料であるポリ
イミドを用いることによって脆性破壊が起き難く、必要
最小限の強度を保ちながら、大きな偏向角を得ることが
できる。また、平面コイル304と配線308がポリイ
ミド内部に作製されているため、平面コイル304と配
線308の湿気による劣化がほとんどない。さらに、ポ
リイミド膜は平面コイル304の線材の間および平面コ
イル304と平面コイルの上を横断する配線308の間
を良好に絶縁し、光スキャナの性能の向上に貢献してい
る。
【0080】なお、この実施の形態の各構成は、当然、
各種の変形、変更が可能である。その変形例のひとつが
図13に示される。図13に示されるように、可動板3
02はポリイミド等の有機膜で形成されている。ポリイ
ミド製の可動板302はシリコン製のものに比べて質量
が小さく、これを用いた光スキャナは大きな偏向角を実
現できる。以下に可動板302の質量と偏向角の関係に
ついて示す。
【0081】可動板302の質量は前出の(式1)から
明らかなように共振周波数に影響を与える。光スキャナ
によって反射された光の走査速度を最大偏向角を変更せ
ずに大きくするには、可動板302の質量を小さくし
て、光スキャナの共振周波数を上げればよい。可動板3
02をシリコンからポリイミドに変更すれば可動板30
2の質量が低減し共振周波数が大きくなる。しかし、可
動板302をシリコンからポリイミドに変更した場合、
可動板302と板バネ部307との強度差が可動板30
2にシリコンを用いた場合に比べて小さくなる。これ
は、可動板302を支える板バネ部307の強度が相対
的に大きくなるためである。
【0082】また、一体形成による製造工程を考えた場
合、ポリイミドの厚膜形成では通常のシリコン基板の厚
み(300〜500μm)を達成することは困難であ
り、可動板302と板バネ部307の強度差がなくな
り、可動板302が振動中に変形するおそれがある。こ
のような不都合は、板バネ部307の剛性を小さくし、
可動板302との強度差を大きくすることで解消され
る。可動板302と板バネ部307の強度は剛性で表わ
され、長方体の形状に対しては、前出の(式4)で表わ
される。(式4)から分かるように、強度差を大きくす
るには、可動板302と板バネ部307の厚みに差を持
たせることが有効である。ポリイミドの厚膜形成に限界
があることを考慮すれば板バネ部307の厚みを小さく
することが望ましい。
【0083】一方、共振周波数において可動板302の
質量を小さくすると共に板バネ部307の剛性を小さく
することは、前出の(式1)から明らかなように、互い
の影響を相殺し合う結果となり、共振周波数には大きな
影響を及ぼさない。板バネ部307の剛性が小さくなっ
たことによる影響は、前出の(式3)から明らかなよう
に、偏向角の変化に顕著に現れる。板バネ部307の剛
性が小さくなったことにより偏向角を大きくすることが
できるのである。
【0084】別の変形例としては、平面コイル304は
メッキ加工によって作製されてもよい。平面コイル30
4は、構造体が大きな力を受けるように、巻数が多く、
線幅は細いことが望ましい。しかし、平面コイル304
のサイズを変更せずに巻数を増やすと必然的にコイルの
線幅は細くなり、このため電気抵抗が大きくなり光スキ
ャナの温度を増加させてしまう。この温度の増加によっ
て、板バネ部307の強度特性が変化してしまい、共振
周波数が不安定になることもある。これを解決するため
には平面コイル304の厚みを増すのがよい。したがっ
て、電解メッキ法を用いてスパッタとエッチングによっ
て形成されたアルミのコイルパターンをシード層として
メッキ金属を成膜、形成する。
【0085】更に別の変形例が図14に示される。図1
4に示されるように、支持体301は可動板302を周
回する形状をしており、永久磁石313は支持体301
に取り付けられている。支持体301は永久磁石313
の取付位置に当たる部分がドライエッチングによって2
0μm程度エッチングによって掘り下げられており、こ
の部分に永久磁石313が接着によって固定される。
【0086】この構成では、エッチングによって永久磁
石313の取付位置が示されているため、永久磁石31
3が常に正確な位置に取り付けられると共に、永久磁石
313の取り付けが簡易化され取付時間が短縮される。
【0087】次に、本実施形態の光スキャナを使用した
実験について説明する。実験に使用した光スキャナの構
造体の寸法の一例が図15と図16に示されている。ま
た、パルスジェネレータで生成された共振周波数に等し
い周波数の矩形波を平面コイルに供給したときの電流と
光スキャナの偏向角の関係が図17に、光スキャナを振
動させない状態における電流と平面コイルの電気抵抗の
関係が図18に示されている。
【0088】図17に示されるように、この光スキャナ
では電流値10mAで偏向角が約40度に達することが
分かった。この結果、光を走査する角度は約80度に達
し、この光スキャナはハンディタイプのバーコードリー
ダ(電池駆動)に十分用いることができることが確認さ
れた。
【0089】また、実験全体を通して以下の知見を得
た。図17から消費電力を上げることによって偏向角の
増加率が次第に低下し、平面コイルの抵抗が次第に大き
くなることが分かった。また、別の実験で消費電力が上
がることによって平面コイルに熱が発生していることも
確認された。従って、図18に示されるように消費電力
の上昇に伴って平面コイルの抵抗が大きくなったのは、
平面コイルで発生する熱量が消費電力の上昇に伴って大
きくなったためと考えられる。図17に示されるように
電流量の増加に伴う偏向角の増加率の低下は、平面コイ
ルで発生した熱が板バネ部にまで影響を及ぼし板バネ部
の共振周波数を変えてしまったためと考えられる。今回
の実験では電源としてパルスジェネレータを用いている
ため、共振周波数の変化に対応することができなった。
【0090】この結果より、実験に用いた光スキャナで
は最大電流値を10mA以下に設定すると、本結果以上
の偏向角が必要な場合には板バネ部の強度を小さくして
偏向角を大きくすることが望ましいことがわかった。
【0091】<第四の実施の形態>本発明の光スキャナ
の第四の実施の形態について図19〜図21を参照して
説明する。本実施形態では、第三実施形態の光スキャナ
にさらにひずみゲージを内蔵し、ひずみ量を検出するこ
とにより振動のモニタリングを行い、反射面を有する可
動板が常に共振周波数で振動するように自励発振回路を
構成した光スキャナを示す。
【0092】まず本実施形態の概要を説明する。上述の
ように本発明の光スキャナでは永久磁石414が作る磁
場と平面コイル405を流れる交流電流の相互作用によ
って可動板402が振動される。可動板402の振動の
振幅は、可動板402と板バネ部403の形状や材質に
よって一意的に決まる構造体400の振動の共振周波数
と平面コイル405を流れる交流電流の周波数の関係に
依存し、交流電流の周波数が共振周波数に等しいとき最
大となる。このような光スキャナは偏向角を最大限大き
くするために共振周波数で振動させている。しかしなが
ら、長時間使用した場合や使用環境の変化等によって光
スキャナの共振周波数は微妙に変化する。これを補正す
るため、光スキャナの板バネ部403内にひずみゲージ
401を一体に形成し、ひずみ量を検出し、さらに、自
励発振回路を構成する。これにより、光スキャナは常に
共振周波数で駆動することができるようになる。
【0093】図19と図20に示されるように、構造体
400の板バネ部403は第1ポリイミド層404と配
線407と第2ポリイミド層408と第3ポリイミド層
409によって構成されている。ひずみゲージ401は
板バネ部403の第2ポリイミド層408と第3ポリイ
ミド層409の間に形成されている。ひずみゲージ40
1は、スパッタされたアルミをエッチングによって配線
407と平行な方向に数回折返した形状に加工して作製
される。信号出力用パッド410は支持体411上の第
2ポリイミド層408の上に形成され、ひずみゲージ4
01から信号出力用パッド410までの配線412も第
2ポリイミド層408の上に形成されている。
【0094】ひずみゲージ401は、計測に必要な抵抗
値を解析的に導き出し、板バネ部403の強度の影響を
考慮に入れて寸法を決定しなければならない。一方、信
号出力用パッド410と配線412はひずみゲージ40
1の計測値のノイズにならないように抵抗を小さく形成
した方がよい。従って、ひずみゲージ401、配線41
2、信号出力用パッド410の厚みは個別に設定され
る。ひずみゲージ401は貫通穴413の両側に設けら
れ、一次元振動が不安定にならないように板バネ部40
3の幅方向に垂直な中心軸線から同じ距離だけ離れた位
置に形成される。実際に使用するひずみゲージ401は
一つでよいため、一方のひずみゲージ401は予備とし
て残しておく。また、この二つのひずみゲージから検出
された信号を比較することにより、ねじれ(モード)の
モニタに利用してもよい。
【0095】次に、本実施形態の動作について説明す
る。ひずみゲージ401によって板バネ部403のひず
み量が計測される。図21に示されるように、歪ゲージ
401から得られた信号はひずみ量検出回路421で増
幅される。ひずみ量検出回路421から出力される信号
は交流信号であり、例えば入力波形がsin波の場合、
ひずみ量検出回路421から出力される信号もsin波
である。ひずみ量検出回路421からの出力信号はBP
F(Band Pass Filter) 422に入り、共振周波数近傍
以外のノイズ信号が除去される。BPF422を通過し
た信号は位相器423によって位相が調整される。位相
器423は、光スキャナが共振周波数で振動していると
きの入力波形に対する出力波形の位相ずれを補正し、補
正後の信号をアンプ424に出力する。アンプ424は
電源を兼ねており、最大電圧値を規定し、これにより共
振時の可動板402の偏向角が一定に保たれる。ひずみ
量検出回路421とBPF422と位相器423とアン
プ424は自励発振回路を構成しており、これにより可
動板402は常に共振周波数で振動される。
【0096】本実施形態の光スキャナでは、共振周波数
を検知するひずみゲージ401を内蔵した構造体400
が一体に形成されるため、その後の組立作業は不要であ
り、超小型の光スキャナを大量に安価に生産することが
できる。また、構造体400は半導体製造技術を応用し
て作製されるので寸法精度が非常に高く、このため設計
値との誤差に起因する光スキャナの性能の劣化が非常に
少ない。
【0097】なお、この実施の形態の各構成は、当然、
各種の変形、変更が可能である。本実施形態は上述した
他の実施形態のいずれにも適用してもよい。つまり、上
述の他の実施形態の光スキャナの構造体の板バネ部にひ
ずみゲージ401を設け、これを用いて自励発振回路を
構成してもよい。また、ひずみ量が最も高いのは板バネ
部403の表面であるため、ひずみゲージ401は板バ
ネ部403の表面に形成してもよい。この場合、信号出
力用パッド410と配線412も板バネ部403上に形
成してもよい。
【0098】本発明は上述の実施の形態に何等限定され
るものではない。その要旨を逸脱しない範囲で行なわれ
る実施はもちろん本発明に含まれる。本発明は以下の各
項に記した技術思想を含んでいる。
【0099】1.(構成) 任意の部材に固定するため
の支持体と、少なくとも一方の面が光を反射する反射面
である可動板と、該可動板に一自由度以上の自由度を持
たせながら該支持体と該可動板を接続した弾性部材と、
少なくとも一辺が該可動板上に形成されたコイルと、該
可動板近傍に配置され、該可動板から該支持体に向かう
方向に平行な磁界成分を有する永久磁石からなり、該コ
イルに交流電流を印加することで該可動板が該弾性部材
と該支持体との接続部を固定端とした振動を行う光スキ
ャナにおいて、該弾性部材は内部に電気要素を有し、該
可動板上と該支持体上に達する絶縁性の弾性膜であるこ
とを特徴とした光スキャナ。 (対応する発明の実施の形態) 第一、第二、第三の実
施の形態が対応する。コイルは、実施の形態の平面コイ
ルが該当する。電気要素は、平面コイル、電気配線、電
極、ひずみゲージ等を総称している。 (作用) 交流電流を平面コイルに印加することによ
り、可動板先端に形成された平面コイルは近傍に配置さ
れた磁石によって生じた磁場との相互作用によって力を
発生し、これにより可動板は弾性部材と支持体の接続部
を固定端として振動する。光スキャナの共振周波数と同
様の周波数で交流電流を印加することによりこの1次元
振動はその電流値における最大の振幅で振動する。 (効果) 平面コイルなどの電気要素が絶縁性の弾性膜
内部に作製されているため、電気要素の湿気による劣化
がほとんどなく、また電気要素間及び平面コイル配線間
の絶縁などにも効果がある。さらに振動による剥離や断
線等も防げる。
【0100】2.(構成) 第1項において、電気要素
はコイルとコイルに電気的に接続された電極であり、該
コイルは該可動板から支持体にいたる領域を周回するよ
うに形成されてあり、かつ電極は支持体の上に形成され
ていることを特徴とした光スキャナ。 (対応する発明の実施の形態) 第一、第二の実施の形
態が対応する。 (作用効果) 本実施の形態におけるコイルは弾性部材
内部を可動板から板バネ部(弾性部材の支持体と可動板
の間に位置する部分)および支持体に至るまで周回して
いる平面コイルである。従って、永久磁石から生ずる磁
束の影響は可動板の端部に平行に形成されたコイルの部
分のみとなり(支持体上に形成されたコイルの部分に作
用する力は、支持体が固定されているので振動に影響し
ない)、振動が安定し、縦振動以外のモードが発生しに
くいという効果がある。また、コイル以外の配線を必要
としないため、作製工程が簡便で生産性が高い。
【0101】3.(構成) 第1項において、電気要素
はコイルと電極とコイルから電極に電気的に接続するた
めの配線であり、該コイルは可動板の上を周回し、該電
極は支持体の上に形成され、該配線は弾性部材の支持体
と可動板の間に位置する板バネ部内部を延在し該コイル
と該電極を電気的に接続するように形成されていること
を特徴とした光スキャナ。 (対応する発明の実施の形態) 第一の実施の形態の変
形例、第三の実施の形態が対応する。 (作用効果) 板バネ部内にコイルではなく配線を通す
ことにより、電気要素の板バネ部の強度におよぼす影響
を制御しやすくなる。また、コイル配線が短くなりコイ
ル全体の電気抵抗が小さくなることから、光スキャナの
消費電力を小さくすることができる。
【0102】4.(構成) 第2項または第3項におい
て、該絶縁性の弾性体膜内にひずみゲージと信号取出し
用電極とひずみゲージから信号取出し用電極に接続する
ための配線を有することを特徴とした光スキャナ。 (対応する発明の実施の形態) 第四の実施の形態が対
応する。 (作用効果) 共振周波数を検知するひずみゲージを内
蔵した光スキャナを一体に形成することができ、組立作
業がなく、超小型の光スキャナを大量に安価に生産する
ことができる。また、半導体製造技術を応用すれば、超
小型化された光スキャナとしては寸法精度が高く、製作
上の問題で光スキャナの振動が不安定になりにくい。
【0103】5.(構成) 第2項、第3項、第4項の
いずれかにおいて、絶縁性の弾性膜は有機材料からなる
ことを特徴とした光スキャナ。 (対応する発明の実施の形態) 第一、第二、第三の実
施の形態が対応する。 (作用効果) 板バネ部に絶縁性の弾性膜として有機材
料を用いることによってシリコン等の無機弾性材料を板
バネ部に用いた場合と比較して脆性な破壊が起きにく
く、必要最小限の強度を保ちながら、大きな偏向角が得
られる。
【0104】6.(構成) 第5項において、半導体製
造技術によって、該板バネ部を構成する有機膜は該可動
部上と該支持体上にわたって一体に形成され、該コイル
は該可動部上の該弾性膜内と該板バネ部内と該支持体上
の該弾性膜内を周回するように半導体製造技術によって
形成された平面コイルであり、該電極は該支持体上に形
成された該有機膜内に半導体製造技術によって形成さ
れ、該平面コイルに電気的に直接接続され、該電極上か
ら外部に配線を取出すための電極であることを特徴とし
た光スキャナ。 (対応する発明の実施の形態) 第二の実施の形態が対
応する。 (作用効果) この構成では光スキャナは一体に形成す
ることができ、組立作業がなく、超小型の光スキャナを
大量に安価に生産することができる。また、半導体製造
技術を応用しているため、超小型化された光スキャナと
しては寸法精度が高く、製作上の問題で光スキャナの振
動が不安定になりにくい。
【0105】7.(構成) 第5項において、半導体製
造技術によって、該板バネ部を構成する有機膜は該可動
部と該支持体上にわたって一体に形成され、該コイルは
該可動部上に形成された絶縁性の該弾性膜内に一体に半
導体製造技術によって形成された平面コイルであり、該
電極は該支持体上に形成された該有機膜内に半導体製造
技術によって形成され、該電極上から外部に配線を取出
すための電極であることを特徴とした光スキャナ。 (対応する発明の実施の形態) 第三の実施の形態が対
応する。 (作用効果) この構成では光スキャナは一体に形成す
ることができ、組立作業がなく、超小型の光スキャナを
大量に安価に生産することができる。また、半導体製造
技術を応用しているため、超小型化された光スキャナと
しては寸法精度が高く、製作上の問題で光スキャナの振
動が不安定になりにくい。
【0106】8.(構成) 第6項または第7項におい
て、該可動板と該支持体は半導体作製技術により同一の
基板から一体的に形成されたことを特徴とした光スキャ
ナ。 (対応する発明の実施の形態) 第二および第三の実施
の形態が対応する。 (作用効果) この構成では光スキャナの主たる部分
(支持体、可動板、板バネ部、電気要素)は半導体作製
技術により同一基板を用いて一体に形成することがで
き、組立作業がなく、超小型の光スキャナを大量に安価
に生産することができる。また、半導体製造技術を応用
しているため、超小型化された光スキャナとしては寸法
精度が高く、製作上の問題で光スキャナの振動が不安定
になりにくい。
【0107】
【発明の効果】本発明によれば、走査光ビームの大きな
偏向角を得ることができ、平面コイルや配線などの電気
要素の耐久性が優れており、安価に大量に生産できる小
型の光スキャナが得られる。また、必要に応じて、歪ゲ
ージを備えて安定な偏向角で走査できる光スキャナが得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施の形態の光スキャナの構成を示す斜
視図である。
【図2】図1の光スキャナの一部の構造体の分解斜視図
である。
【図3】図1の光スキャナの部分断面斜視図である。
【図4】図1の光スキャナを用いたバーコードリーダシ
ステムの構成を示している。
【図5】第一の実施の形態の光スキャナの変形例の構造
体の分解斜視図である。
【図6】第一の実施の形態の光スキャナの別の変形例の
構成を示す斜視図である。
【図7】第二の実施の形態の光スキャナの構成を示す断
面図である。
【図8】図7の光スキャナの構造体の製造工程を説明す
るための図である。
【図9】第二の実施の形態の光スキャナの変形例の構造
体の斜視図である。
【図10】第三の実施の形態の光スキャナの構成を示す
斜視図である。
【図11】図10の光スキャナのXI−XI線における
断面図である。
【図12】図10と図11の光スキャナの構造体の製造
工程を説明するための図である。
【図13】第三の実施の形態の光スキャナの変形例の構
造体の斜視図である。
【図14】第三の実施の形態の光スキャナの別の変形例
の構成を示す斜視図である。
【図15】実験に用いた構造体の寸法を示す上面図であ
る。
【図16】図15の構造体のXVI−XVI線における
断面図である。
【図17】平面コイルを流れる電流と光スキャナの偏向
角の関係を示すグラフである。
【図18】可動板を振動させない状態において平面コイ
ルを流れる電流と平面コイルの電気抵抗の関係を示すグ
ラフである。
【図19】第四の実施の形態の光スキャナの構造体の上
面図である。
【図20】図19の光スキャナの構造体のXX−XX線
による断面図である。
【図21】図19の構造体を用いた光スキャナの駆動回
路のブロック図である。
【図22】従来の光スキャナを示す図である。
【図23】従来の別の光スキャナを示す図である。
【符号の説明】 101 フレキシブル基板 102 平面コイル 104 支持体 105 可動板 106 板バネ部 108 永久磁石

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光を一次元的に走査する光スキャナであ
    り、 固定の支持部と、 支持部に片持ちに支持された弾性部と、 弾性部の自由端部に設けられたミラーと、 弾性部の内部に設けられたコイルと、 弾性部の自由端の近くに間隔を置いて配置される永久磁
    石とを有しており、コイルには交流電流が供給され、コ
    イルを流れる電流と永久磁石が作る磁場との相互作用に
    より支持部に対してミラーが振動され、これによりミラ
    ーで反射された光が一次元的に走査される光スキャナ。
  2. 【請求項2】請求項1において、弾性部が有機絶縁材料
    で作られている光スキャナ。
  3. 【請求項3】請求項1において、支持部と弾性部とミラ
    ーとコイルとを備えた構造体が半導体製造技術により作
    られている光スキャナ。
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