JP2013225071A - 配光制御用微小機械システム - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストに大量生産可能で、しかも、LED照明の配光調整機能を飛躍的に高めるための配光制御用微小機械システムを提供する。
【解決手段】略円形のミラー形成部2と、このミラー形成部2がLED素子の発光部に対向するよう配置するための取り付け部3と、両者を接続し、ミラー形成部が平面を維持しながら屈曲可能とするスプリング部分とが、射出成型により一体的に形成されている。ミラー形成部2には、鏡面形成用のインク塗布層が形成されるとともに、その端面に磁気機能層6が形成されており、この磁気機能層6に対向配置した磁気コイル9を励磁することにより、スプリング部分5を介して、ミラー形成部2を傾動させて、LED素子の発光部からの反射光の向きを変更する。
【選択図】図5

Description

本発明は、特に、LED照明の配光を制御するための微小電気機械システム(以下、「配光制御用MEMS」とも称する。)に関するものである。
従来、微小電気機械システムであるMEMSは、成膜装置・露光装置・エッチング装置などの半導体製造プロセスを用いて製造している。
一般的なMEMSの製造方法は、下記特許文献1、2にみられるように、半導体製造設備を使用して、シリコーンやシリカなどのウエハ表面や裏面にリソグラフィ工程で有機物または無機物のパターンを作成し、その表面や裏面に形成されたパターンを保護層としてエッチングすることにより構造体を形成している。これら一連の構造体の形成工程を複数回行った後に、電気的接点あるいは静電アクチュエータとして機能する電極層、圧電層、マイクロコイルなどを磁性層からなる高誘電体層、熱変形層、発光素子層などを形成し、こうしたMEMSを合成樹脂等のフィルム等の表面に組み合わせることにより、様々な機能を有するフレキシブルシートを実現することができる。
製造コストを低減するため、ウエハサイズを大口径化し、ウエハ当たりから製造できるMEMSデバイス数を可能な限り多くしているが、従来のMEMS製造工程は、上述のように、多くの製造工数と製造装置を必要とし、とくに成膜工程やエッチング工程は、真空雰囲気内で処理する必要があることから、プロセスコストが非常に高くなり、MEMSデバイスの製造コストの低減を阻む大きな要因になっている。
そこで、本発明らは、下記特許文献3に示されているように、真空プロセス工程やリソグラフィ工程を必要とせず、微細構造体が刻まれた金型を用いて、工数の少ない成形工程で、レンズ等が一体成形された光MEMSや、エネルギー発電用のMEMS、加速度センサー、インクジェットノズルなど使用される精度の高いMEMSを大量に製造可能とすることを目的として、微小電気機械システムの機能層を保持する機能層保持部分及びこれを支持するフレームからなる構造体を成形する金型に対し、機能層及び離型層を印刷形成したフィルムを位置決めして圧着する工程と、金型と前記フィルムの間に充填された樹脂を硬化させる工程と、フィルムを金型から剥離することにより、離型層により、機能層保持部分及びこれを支持するフレームからなる構造体を、金型内で硬化した樹脂の内部に転写させる工程とからなるMEMS製造方法を提案している。
提案した微小電気機械システム製造方法によれば、真空プロセスや多くの製造工程を省略することができるため、MEMS製造コストを大幅に減少させることができる。
また、以前までの半導体プロセスを用いたMEMS製造工程では、光学レンズとMEMSを融合したデバイスの作製は多くの工程を必要とし、半導体工程を採用したレンズの作製では、非球面レンズ等の作製が非常に困難になるという問題が発生していたが、先に提案した微小電気機械システム製造方法、及び金型、フィルムを使用すると、合成樹脂を利用した圧縮成形、射出成形、トランスファー成形などの一般的な樹脂成形により、例えば、光学平面とMEMSデバイスが一体化した光MEMS等多機能のMEMSを成形だけで一括形成することができる。
そのため、これまで製造コストなどで組み入れることができなかったLEDなどの照明の前方にMEMSデバイスを組み合わせることにより、点光源のLEDとMEMSミラーにより照明、自動車のヘッドライト等、さまざまな照明機器への適用が可能になる。
特開2006−332391号公報 特許第3588633号公報 国際公開WO 2012/002446号公報
ところで、近年省エネ効果の高いLED照明機器が広く普及しているが、LED発光素子は集光性が高く、こうしたLED照明の用途や機能を一層高めるため、高機能の配光調整を実現することが強く求められている。
そこで、本発明は、先に提案した微小電気機械システム製造方法を活用して、低コストで大量生産可能で、しかも、LED照明の配光調整機能を飛躍的に高めるための配光制御用微小機械システムを提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の配光制御用微小機械システムにおいては、次のような技術的手段を講じた。すなわち、
(1)略円形のミラー形成部と、このミラー形成部がLED素子の発光部に対向するよう配置するための取り付け部と、両者を接続し、ミラー形成部が平面を維持しながら屈曲可能とするスプリング部分とが、射出成型により一体的に形成されてなり、前記ミラー形成部には、鏡面形成用の機能層が形成されるとともに、その端面に磁気機能層が形成されており、この磁気機能層に対向配置した磁気コイルを励磁することにより、前記スプリング部分を介して、前記ミラー形成部を傾動させて、前記LED素子の発光部からの反射光の向きを変更できるようにした。
(2)上記の配光制御装置において、前記磁気機能層に対向するよう磁気コイルを配置し、該磁気コイルに交流電流を印加して、前記磁気機能層を吸着、反発することにより、前記ミラー形成部が平面を維持したまま、中立位置を中心に時計方向、反時計方向に傾動させ、前記LED素子の発光部からの反射光の向きを変更できるようにした。
(3)上記の配光制御装置において、前記取り付け部には、前記ミラー形成部とスプリング部分をまたがるように、ストレインゲージ形成用機能層が形成されており、前記磁気コイルに印加する交流電流の周波数を、前記ストレインゲージ形成用機能層の出力に基づいて、最大振れ幅が得られるようフィードバック制御するようにした。
(4)上記の配光制御装置において、前記磁気コイルに印加する交流電流の位相に同期して、前記LED素子の発光部からの発光頻度を調整するようにした。
また、本発明の別の形態の配光制御用微小機械システムにおいては、次のような技術的手段を講じた。すなわち、
(5)略円形のミラー形成部と、このミラー形成部がLED素子の発光部に対向するよう配置するための取り付け部と、両者を接続し、ミラー形成部が平面を維持しながら屈曲可能とするスプリング部分とが、射出成型により一体的に形成されてなり、対向配置したには、鏡面形成用の機能層が形成されるとともに、その端面に電極機能層が形成されており、この電磁コイル機能層に磁石を対向配置し、前記電磁コイル機能層に電流を印加することにより、スプリング部分を介して、ミラー形成部を傾動させて、前記LED素子の発光部からの反射光の向きを変更できるようにした。
(6)上記の配光制御装置において、前記電磁コイル機能層に交流電流を印加して、前記磁石による磁界と前記電磁コイル機能層の電力間に発生する力により吸着、反発することにより、前記ミラー形成部が平面を維持したまま、中立位置を中心に時計方向、反時計方向に傾動させ、前記LED素子の発光部からの反射光の向きを変更できるようにした。
(7)上記の配光制御装置において、前記取り付け部には、前記ミラー形成部とスプリング部分をまたがるように、ストレインゲージ形成用機能層が形成されており、前記電磁コイル機能層に印加する交流電流の周波数を、前記ストレインゲージ形成用機能層の出力に基づいて、最大振れ幅が得られるようフィードバック制御するようにした。
(8)上記の配光制御装置において、前記電磁コイル機能層に印加する交流電流の位相に同期して、前記LED素子の発光部からの発光頻度を調整するようにした。
本発明によれば、LED照明の配光調整機能を飛躍的に高めることが可能であり、しかも、広く採用されている射出成型機を使用することにより、低コストで、大量生産が可能な配光制御用微小機械システムを実現することができる。
実施例1に係る配光制御用微小機械システムの全体構造を示す図。 実施例1に係る配光制御用微小機械システムの取付構造を示す図。 実施例2に係る配光制御用微小機械システムの全体構造を示す図。 実施例2に係る配光制御用微小機械システムの配置関係を示す図。 配光制御用微小機械システムの作動の概念図。 LED発光素子7を4素子とした場合の全体構造を示す図。 磁気コイルに印加する交流電流の周波数(Hz)とストレインゲージ形成用機能層の出力(V)の計測例を示す図。 ミラー形成部を共振動作させてミラーを動作させたときのミラー形成部の傾動角度と、LED発光素子7の発光タイミングの関係を示す図。 ミラー形成部が最大回転角付近にあるときのみ、LED発光素子7を発光させるように同期させた例。 配光制御用MEMSの製造工程(a)を示す図。 配光制御用MEMSの製造工程(b)を示す図。 配光制御用MEMSの製造工程(c)を示す図。 配光制御用MEMSの製造工程(d)を示す図。 配光制御用MEMSの製造工程(e)を示す図。
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
まず、図1〜図4を用いて、本発明による配光制御用MEMSの全体構造を説明する。
[実施例1]
基材は、例えば、熱可塑性樹脂や紫外線硬化型樹脂からなり、熱可塑性樹脂であれば、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリリアセタール、シクロオレフィンポリマーなどが使用可能であり、図1に示されるように、後述する射出成型時に、塗布された鏡面形成用インク層によりミラー層1が一体的に形成され、LED素子からの発光を反射させる略円形で、表面がフラットなミラー形成部2と、LED素子の発光部に対向するよう配置するための取り付け部3と、両者を接続し、ミラー形成部2が平面を維持しながら屈曲可能とするスプリング部5とから構成されている。
なお、スプリング部5には、その屈曲度を制御するための歪みを計測するための圧電素子成分を含有するストレインゲージ形成用インク層によりストレインゲージ機能層4が、また、ミラー形成部2の外端には、後述する磁気コイルにより吸着される磁気インク層により、磁気機能層6が射出成型時に一体的に形成されている。
図2に取り付け構造の一例を示す。LED照明器具における各LED発光素子7は、LED照明器具の本体に固定される、樹脂製コの字状フレーム8の一方の脚部8aに取り付けられている。コの字状フレーム8の脚部8aと他方の脚部8bの間には、配光制御用MEMS取り付け用のロッド8cが設けられており、本実施例の配光制御用MEMSの取り付け部3がこのロッド8cに固定される。
一方、コの字状フレーム8の他の脚部8bには、配光制御用MEMSの磁気機能層6が、その長さ方向にわたって最も近接するよう、磁気コイル9が取り付けられている。
なお、コの字状フレーム8は、脚部8a、8b、ロッド8cとともに、樹脂により一体成型されたものである。
[実施例2]
実施例1では、ミラー形成部2の外端に磁気機能層6を形成したが、実施例2では、図3に示すように、磁気機能層6に代えて、ミラー形成部2の外周に、電極インク層により電磁コイル機能層6-1を形成し、ローレンツ力により、永久磁石から発生される磁力線により、ミラー形成部2を吸着・反発させるようにする。なお、その他の構造、形状、材質等は、実施例1と同様である。
実施例2の場合、図4に示すように、電磁コイル機能層6-1に対向するように、永久磁石9-1を対向配置するが、この配置関係は、磁力と電力によるローレンツ力や電磁力と磁力の吸着力・反発力が生じ、ミラーを動作させることができる配置であれば、特に限定させる必要はない。
なお、実施例1、2とも、ミラー形成部2、ストレインゲージ機能層4、磁気機能層6、電磁コイル機能層6-1を、各機能を奏する機能性インキ層により形成しているが、スパッタリングや真空蒸着などで成膜した薄膜や、予め形成した機能層部分を接着した機能層などを用いてもよい。
また、各実施例とも、射出成型後、基材となる紫外線硬化型樹脂層の厚みは、ミラー形成部1については、平面を維持して反射機能を奏させるため50〜500μmの範囲で、スプリング部分4については、ミラー形成部1部分を円滑に揺動させるため50μm程度、取り付け部2は、取り付け時の結合強度を高めるため1mm程度とする。この時、スプリングは、20μm〜200μmまで変化させ、使用する樹脂の特性に応じて、スプリング部5のばね定数を変化させることができ、共振周波数やミラーの振れ易さなどを所望の値に調整することができる。
実施例1、2の配光制御用MEMSの作動についてさらに詳細に説明する。
図2において、磁気コイル9が励磁されると、磁気機能層6が吸引あるいは反発されて、ミラー形成部2が屈曲するため、LED発光素子7からの発光は、反射方向が変化する。
本実施例の配光制御用MEMSの作動の概念図を図5に示す。
本実施例による配光制御用MEMSは、取り付け部3により、LED照明器具におけるLED発光素子7の光軸に対し、略45度傾斜して取り付けられている。
これにより、磁気コイル9が励磁されない時は、LED発光素子7からの発光は、ミラー形成部2に形成されたミラー層1により、ほぼ垂直に反射され、照射領域を10としたとき、実線の円10-aに示す領域に照射される。
一方、磁気コイル9に磁気機能層6を吸引する方向の電圧が印加されると、磁気機能層6により、ミラー形成部2が図において、時計方向に傾動し、破線の円10-bの領域に照射され、逆方向の電圧が印加されると、図において、反時計方向に傾動し、破線の円10-cの領域に照射されることになる。
一方、実施例2の場合は、電磁コイル機能層6-1に電流が注入されない時は、LED発光素子7からの発光は、ミラー形成部2に形成されたミラー層1により、ほぼ垂直に反射され、照射領域を10としたとき、実線の円10-aに示す領域に照射される。
また、電磁コイル機能層6-1に永久磁石9-1の磁力線に直交する方向に電流が電圧が印加されると、電磁コイル機能層6-1により、ミラー形成部2が図において、時計方向に傾動し破線の円10-bの領域に照射され、逆方向の電圧が印加されると、反時計方向に傾動し、破線の円10-cの領域に照射されることになる。
図6は、例として、LED発光素子7を4素子(7-1〜7-4)、それぞれに対応して、各配光制御用MEMSのミラー形成部(2-1〜2-4)を設置した際の、照明器具上方からみたものであり、複数個の照明装置を設置した場合には、発光領域の一部重複を行うよう、各発光素子とミラー形成部(2-1〜2-4)の駆動を制御することで、一部の照度を高めるなど、複雑な配光制御が可能になる。
次に、ミラー形成部2の傾動をどのように行うかについて説明する。
まず、磁気コイル9に一定周波数の交流電源を印加することにより、ミラー形成部2をこの周波数で、中立位置を中心に時計方向、反時計方向に揺動させて、照射領域を拡大する場合について説明する。
本実施例の配光制御用MEMSは、各パーツの材質、形状、大きさ、厚み、さらには塗布されたインク層の重量に応じて、最大振れ幅が得られる磁気コイル9に印加する交流電源の周波数が異なる。
そこで、磁気コイル9を駆動する駆動回路に、直流を含め周波数を変更できる交流電源を接続し、スプリング部分5に形成されたストレインゲージ機能層4により、ミラー形成部2の屈曲度を計測し、これを磁気コイル9を駆動する駆動回路にフィードバックすることにより自励発振を行い、最大の傾斜角度を得ることができる。この実施例では、図5に示すように65Hzの交流電源で最大の振れ幅を得ることができることが分かる。なお、図5において、横軸は、磁気コイル9駆動回路による交流電源の周波数(Hz)、縦軸は、ストレインゲージ機能層4の出力(V)である。
一方、実施例2の場合、磁気力と電流による吸着力・反発力の場合には、電磁コイル機能層6-1に一定周波数の交流電源を印加することにより、ミラー形成部2をこの周波数で、中立位置を中心に時計方向、反時計方向に揺動させて、照射領域を拡大させて制御をおこなうことができる。
本実施例の配光制御用MEMSについても、各パーツの材質、形状、大きさ、厚み、さらには塗布されたインク層の重量に応じて、最大振れ幅が得られる電磁コイル機能層6-1に印加する交流電源の周波数が異なる。
そこで、電磁コイル機能層6-1の駆動回路に、直流を含め周波数を変更できる交流電源を接続し、スプリング部分5に形成されたストレインゲージ機能層4により、ミラー形成部2の屈曲度を計測し、これを電磁コイル機能層6-1の駆動回路にフィードバックすることにより自励発振を行い、最大の傾斜角度を得ることができる。
また、図7は、このように共振動作させてミラーを動作させたときの配光制御用MEMSの動作と、ミラー形成部の傾動角度と、LED発光素子7の発光タイミングの関係を一例として示したものである。
図8(a)に示すように、最大回転角部分で一瞬ミラー動作が止まり、8図(b)に示すように、回転中心角の場合は、ミラー動作速度が最大値をとる。
照度は、単位時間あたりの発光エネルギーであるため、単位面積あたりの発光強度は、発光強度(I)と単位面積あたりの発光時間(t)で決定される。
この場合、上述のように、回転角中心部と最大回転角では、ミラー走査速度が変化するために、LED発光素子7の発光タイミングを連続波発振や単一パルス発振で行った場合には、回転角中心部と最大回転角では、回転角中心部付近では照度が低く、最大回転角付近では照度が高いといった変化が発生する。
そのため、照度を均一化する場合は、回転角中心から最大回転角に変化するにあたり、ミラー走査速度に応じて、発光の強度分布を変化させることによって、均一に発光できるように制御を行っている。
例えば、発光の強度分布は、パルス発振のデューティ比を回転角中心部から最大回転角に移動するにつれ、移動速度に応じて段階的に変化させることによって制御することが可能である。また、他の方法として、同様に発光素子への注入電流を変化させたりや、パルス発振の発生頻度を制御することによって、強度分布を変化させることができる。すなわち、磁気コイル9や電磁コイル機能層6-1への交流電流印加により、発生した共振動作に同期して、図8(c)に示すように、回転中心角付近では発光の強度を高め、最大回転角付近では発光の強度を低めることにより、照度を均一化することができる。
一方、図9に示すように、例えば、ミラー形成部2が最大回転角付近にあるときのみ、LED発光素子7を発光させるよう同期させると、左右両側にのみ照射領域を形成することができる。この場合、ミラー制御信号と、発光素子の発光制御を同期制御させることによって、さまざまな発光パターンの形成が可能であり、多方の発光制御が可能である。
さらに、磁気コイル9や電磁コイル機能層6-1に、直流電流を印加し、磁気機能層6や電磁コイル機能層6-1を継続的に吸引したり、反発するようにすれば、照射領域を左右に調整でき、しかも、照射領域調整ボタンを設け、これに連動して、ストレインゲージ機能層4の出力目標値を変更し、直流電流の電圧をフィードバックすれば、所望の位置に配光することができ、航空機や鉄道車両等の客席に配備されるスポットライト等に好適である。また、センサー信号などと組合せ、特定の場所のみ発光強度を高くし、周辺部の発光強度を下げることにより、照明の省エネルギー化や、人感センサーなどのセンサー信号により、時間的に変化させた配光強度制御により演出効果を得ることもできる。
なお、予め、配光制御用MEMSの各パーツの材質、重量、形状、大きさ、厚み、塗布されたインク層等の重量など、磁気コイル9を駆動する駆動回路に供給する電力に対し、振動特性、屈曲特性が既知のものであれば、ストレインゲージ機能層4を設けることなく、照射領域調整ボタンにより、磁気コイル9を駆動する駆動回路に供給する電力を特設調整するようにしてもよい。
また、永久磁石と電磁コイル機能層6-1を用いた実施例2の場合も同様に、配光制御用MEMSの各パーツの材質、重量、形状、大きさ、厚み、塗布されたインク層等の重量など、電磁コイル機能層6-1の駆動回路に供給する電力に対し、振動特性、屈曲特性が既知のものであれば、ストレインゲージ機能層4を設けることなく、照射領域調整ボタンにより、電磁コイル機能層6-1の駆動回路に供給する電力を特設調整するようにしてもよい。
次に図10〜図14を用いて、実施例1、2の配光制御用MEMSの製造工程の一例を(a)〜(e)により説明する。
(a)図10に示されるような金型を用意する。
本実施例では、金型の材質として、ステンレスを使用しているが、シリコン基板、シリコーンカーバイト、グラッシカーボン、ガラスあるいはニッケル、鉄、アルミ、窒化シリコンなどの誘電体などを用いることが可能であり、金型の加工方法として切削加工や半導体加工プロセスを用いて作製することが可能である。
この実施例では、一回の射出成型により、本発明の配光制御用MEMSを6個同時製造できるよう、静止側射出成形金型である金型11aには、ミラー形成部2に対応して50〜500μm、スプリング部分5に対応して50μm、取り付け部3に対応して1mm程度となるよう、配光制御用MEMSの形態に合わせた凹部が形成されている。なお、金型11bは、金型11aと組み合わされる平板の可動側金型である。
(b)図11に示されるように、PET、PEN、ポリカーボネイト、ポリイミド、アクリルなどの紫外線を透過する樹脂により形成されたフィルム12には、MEMSのミラー形成部2、取り付け部3、スプリング部分5に対応して、それぞれ、鏡面形成用インク層、磁気インク層(実施例1の場合)、電磁コイル形成用インク層(実施例2の場合)、機能層ストレインゲージ形成用インク層、導線形成用インク層が離型層を介して予め形成されている。なお、各インク層と対応する離型層は同一形状をしており、上下に整合して積層される。
(c)次に、図12に示されるように、両金型の間にこのフィルム12を挟み、各金型に形成された配光制御用MEMSの形状に対応する金型11aの凹部に、各インク層がMEMSのミラー形成部2、取り付け部3、スプリング部分5のそれぞれに厳密に一致するよう位置決めした上で、両金型を密着させる。なお、金型11aとフィルム12には、位置決め用のマーカを形成し、両マーカを合わせることにより、厳密な位置合わせが行えるようにするとよい。
(d)図13に示されるように、通常の射出成型等同様の処理により、例えば、溶融した熱可塑性樹脂等を、注入通路を介し、金型11aに形成された6個の凹部と、フィルム12の各印刷層側表面との間に圧力をかけて注入したのち、この樹脂を冷却固化させる。
(e)図14に示されるように、注入した樹脂が固化した後、型開きを行うと、離型層の作用により、フィルム12の表面に形成された各印刷層が、樹脂に一体となった状態で転写され、フィルム12を剥離することにより、6個の配光制御用MEMSが完成する。
なお、離型層、鏡面形成用インク層1、磁気機能層6(実施例1の場合)、電磁コイル機能層6-1(実施例2の場合)、ストレインゲージ機能層4を形成するインク層、さらには、ストレインゲージ機能層4からの出力を取り出すための導線、あるいは、電磁コイル機能層6-1に電流を供給するための導線を形成するための導電性インク等の各印刷層は、スクリーン印刷、凸版印刷、クラビア印刷などを用いて、図1あるいは図3の配置に合わせて、フィルム2にパターン塗布することにより形成されている。
また、必要に応じて、離型層と各印刷層との間に中間層を塗布し、結合を強化するようにしてよい。
離型層としては、例えばシリコーン樹脂などの撥水製の樹脂を使用し、圧着された溶融樹脂が硬化しても、スムースな剥離が行えるようにするものである。なお、離型層の材質として、純水を用いて接触角を測定した時に撥水の傾向を示す樹脂や無機物であれば特に限定されない。
また、上記の実施例では、基材としてポリブチレンテレフタレート樹脂を使用して射出成形により製造しているが、様々な樹脂を使用することが可能であり、成型方法についても、射出成形に加え、圧縮成形、トランスファー成形などの一般的な樹脂成形を採用することができる。
以上説明したように、本発明の配光制御装置によれば、圧縮成形、射出成形、トランスファー成形などの一般的な樹脂成形により、簡単な工程で、低コストで大量生産が可能であり、しかも、LED照明の配光調整機能を飛躍的に高めることが可能となるので、高機能LED照明装置を実現する機能素子として広く採用されることが期待できる。
1 ミラー層
2 ミラー形成部
3 取り付け部
4 ストレインゲージ機能層
5 スプリング部分
6 磁気機能層
6−1 電磁コイル機能層
7 LED発光素子
8 取り付け用コの字状フレーム樹脂
9 磁気コイル
9−1 永久磁石
10 照射領域
11a 金型
11b 金型11aと組み合わされる押圧板
12 フィルム

Claims (8)

  1. 略円形のミラー形成部と、このミラー形成部がLED素子の発光部に対向するよう配置するための取り付け部と、両者を接続し、ミラー形成部が平面を維持しながら屈曲可能とするスプリング部分とが、射出成型により一体的に形成されてなり、
    前記ミラー形成部には、鏡面形成用の機能層が形成されるとともに、その端面に磁気機能層が形成されており、この磁気機能層に対向配置した磁気コイルを励磁することにより、前記スプリング部分を介して、前記ミラー形成部を傾動させて、前記LED素子の発光部からの反射光の向きを変更できるようにしたことを特徴とする配光制御装置。
  2. 前記磁気機能層に対向するよう磁気コイルを配置し、該磁気コイルに交流電流を印加して、前記磁気機能層を吸着、反発することにより、前記ミラー形成部が平面を維持したまま、中立位置を中心に時計方向、反時計方向に傾動させ、前記LED素子の発光部からの反射光の向きを変更できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の配光制御装置。
  3. 前記取り付け部には、前記ミラー形成部とスプリング部分をまたがるように、ストレインゲージ形成用機能層が形成されており、前記磁気コイルに印加する交流電流の周波数を、前記ストレインゲージ形成用機能層の出力に基づいて、最大振れ幅が得られるようフィードバック制御するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の配光制御装置。
  4. 前記磁気コイルに印加する交流電流の位相に同期して、前記LED素子の発光部からの発光頻度を調整するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の配光制御装置。
  5. 略円形のミラー形成部と、このミラー形成部がLED素子の発光部に対向するよう配置するための取り付け部と、両者を接続し、ミラー形成部が平面を維持しながら屈曲可能とするスプリング部分とが、射出成型により一体的に形成されてなり、
    対向配置したには、鏡面形成用の機能層が形成されるとともに、その端面に電極機能層が形成されており、この電磁コイル機能層に磁石を対向配置し、前記電磁コイル機能層に電流を印加することにより、スプリング部分を介して、ミラー形成部を傾動させて、前記LED素子の発光部からの反射光の向きを変更できるようにしたことを特徴とする配光制御装置。
  6. 前記電磁コイル機能層に交流電流を印加して、前記磁石による磁界と前記電極コイル層の電力間に発生する力により吸着、反発することにより、前記ミラー形成部が平面を維持したまま、中立位置を中心に時計方向、反時計方向に傾動させ、前記LED素子の発光部からの反射光の向きを変更できるようにしたことを特徴とする請求項5に記載の配光制御装置。
  7. 前記取り付け部には、前記ミラー形成部とスプリング部分をまたがるように、ストレインゲージ形成用機能層が形成されており、前記電磁コイル機能層に印加する交流電流の周波数を、前記ストレインゲージ形成用機能層の出力に基づいて、最大振れ幅が得られるようフィードバック制御するようにしたことを特徴とする請求項6に記載の配光制御装置。
  8. 前記電磁コイル機能層に印加する交流電流の位相に同期して、前記LED素子の発光部からの発光頻度を調整するようにしたことを特徴とする請求項7に記載の配光制御装置。

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