JPH10199801A - 人工ダイヤモンド膜の残留応力が少ないx線リソグラフィー用マスク - Google Patents
人工ダイヤモンド膜の残留応力が少ないx線リソグラフィー用マスクInfo
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- JPH10199801A JPH10199801A JP1594997A JP1594997A JPH10199801A JP H10199801 A JPH10199801 A JP H10199801A JP 1594997 A JP1594997 A JP 1594997A JP 1594997 A JP1594997 A JP 1594997A JP H10199801 A JPH10199801 A JP H10199801A
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- diamond film
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 人工ダイヤモンド膜の残留応力が少ないX線
リソグラフィー用マスクを提供する。 【解決手段】 Si枠体の上面に蒸着されるメンブレン
膜として人工ダイヤモンド膜を用いるX線リソグラフィ
ー用マスクにおいて、前記Si枠体と人工ダイヤモンド
膜の間に、前記人工ダイヤモンド膜と全面積層した状態
で、補助メンブレン膜として10〜500nmの厚さの
炭化珪素薄膜を蒸着介在させる。
リソグラフィー用マスクを提供する。 【解決手段】 Si枠体の上面に蒸着されるメンブレン
膜として人工ダイヤモンド膜を用いるX線リソグラフィ
ー用マスクにおいて、前記Si枠体と人工ダイヤモンド
膜の間に、前記人工ダイヤモンド膜と全面積層した状態
で、補助メンブレン膜として10〜500nmの厚さの
炭化珪素薄膜を蒸着介在させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、メンブレン膜と
して残留応力の少ない人工ダイヤモンド膜を備えたX線
リソグラフィー用マスク(以下、X線マスクと云う)に
関するものである。
して残留応力の少ない人工ダイヤモンド膜を備えたX線
リソグラフィー用マスク(以下、X線マスクと云う)に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般にX線リソグラフィー技術に
よる半導体集積回路の形成にX線マスクが用いられるこ
とは良く知られるところである。また、上記X線マスク
が、例えば、(a)厚さ:380μm程度のSiウエハ
ー(基板)の上面に、周知の気相合成法によりX線透過
率の非常によい人工ダイヤモンド膜を1〜3μmの厚さ
に形成し、(b)ついで、上記Siウエハーの中央部を
弗硝酸などのエッチング溶液を用いて下方から溶解除去
してSi枠体とすることにより人工ダイヤモンド膜で構
成されたメンブレン膜を形成し、(c)上記メンブレン
膜の上に、可視光の透過率がよく、かつ荷電粒子による
帯電を防止できる、例えば酸化インジウムスズなどから
なる下地膜、W−Ti合金(Ti:1〜2%含有)のX
線吸収体、エッチングマスクとなる金属Cr膜、および
レジスト膜をスパッタリング法やスピンコート法を用い
て順次形成し、これらの工程でメンブレン膜としての人
工ダイヤモンド膜は約400℃に加熱され、(d)引き
続いて、上記レジスト膜に電子ビームを走査させて半導
体集積回路のパターンを形成し、(e)塩素と酸素の混
合ガスを用い、上記パターンをエッチングマスクとして
上記金属Cr膜をエッチングし、(f)つぎに、上記S
i枠体を約ー50℃の氷点下に冷却した状態で、これの
底部より上記X線吸収体に低温エッチングを施して、こ
れに半導体集積回路のパターンを形成し、(e)最終的
に上記レジスト膜を除去する、以上(a)〜(e)の工
程により製造されることも知られている。
よる半導体集積回路の形成にX線マスクが用いられるこ
とは良く知られるところである。また、上記X線マスク
が、例えば、(a)厚さ:380μm程度のSiウエハ
ー(基板)の上面に、周知の気相合成法によりX線透過
率の非常によい人工ダイヤモンド膜を1〜3μmの厚さ
に形成し、(b)ついで、上記Siウエハーの中央部を
弗硝酸などのエッチング溶液を用いて下方から溶解除去
してSi枠体とすることにより人工ダイヤモンド膜で構
成されたメンブレン膜を形成し、(c)上記メンブレン
膜の上に、可視光の透過率がよく、かつ荷電粒子による
帯電を防止できる、例えば酸化インジウムスズなどから
なる下地膜、W−Ti合金(Ti:1〜2%含有)のX
線吸収体、エッチングマスクとなる金属Cr膜、および
レジスト膜をスパッタリング法やスピンコート法を用い
て順次形成し、これらの工程でメンブレン膜としての人
工ダイヤモンド膜は約400℃に加熱され、(d)引き
続いて、上記レジスト膜に電子ビームを走査させて半導
体集積回路のパターンを形成し、(e)塩素と酸素の混
合ガスを用い、上記パターンをエッチングマスクとして
上記金属Cr膜をエッチングし、(f)つぎに、上記S
i枠体を約ー50℃の氷点下に冷却した状態で、これの
底部より上記X線吸収体に低温エッチングを施して、こ
れに半導体集積回路のパターンを形成し、(e)最終的
に上記レジスト膜を除去する、以上(a)〜(e)の工
程により製造されることも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年のコンピュ
ータの小型化および高性能化(高速化)に伴い、半導体
集積回路の形成に用いられるX線マスクも大型化するば
かりでなく、これを構成するパターンも一段と緻密細線
化および高精度化が要求される傾向にあるが、上記のメ
ンブレン膜として人工ダイヤモンド膜を用いた従来X線
マスクにおいては、上記の製造工程における繰り返しの
加熱・冷却にさらされると、発生する熱応力により大き
な偏位を生じ、高精度細線パターンの作製が困難にな
り、また大型化により、人工ダイヤモンド膜に残留する
応力は大きなものとなり、この結果熱膨脹係数の小さい
前記人工ダイヤモンド膜は残留応力が原因で、クラック
やひび割れが発生し易くなるのが避けられないのが現状
である。
ータの小型化および高性能化(高速化)に伴い、半導体
集積回路の形成に用いられるX線マスクも大型化するば
かりでなく、これを構成するパターンも一段と緻密細線
化および高精度化が要求される傾向にあるが、上記のメ
ンブレン膜として人工ダイヤモンド膜を用いた従来X線
マスクにおいては、上記の製造工程における繰り返しの
加熱・冷却にさらされると、発生する熱応力により大き
な偏位を生じ、高精度細線パターンの作製が困難にな
り、また大型化により、人工ダイヤモンド膜に残留する
応力は大きなものとなり、この結果熱膨脹係数の小さい
前記人工ダイヤモンド膜は残留応力が原因で、クラック
やひび割れが発生し易くなるのが避けられないのが現状
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、X線マスクの製造工程における
繰り返しの加熱・冷却により発生する応力の残留が少な
いメンブレン膜としての人工ダイヤモンド膜を備えたX
線マスクを開発すべく研究を行った結果、X線マスクを
構成するSi枠体と人工ダイヤモンド膜からなるメンブ
レン膜の間に、10〜500nmの厚さで炭化珪素(以
下、SiCで示す)薄膜を、前記人工ダイヤモンド膜と
全面積層した状態で蒸着介在させると、前記SiC薄膜
は、ダイヤモンドと同じく透明で、耐熱性を有し、かつ
光透過性もきわめて良く、したがって前記人工ダイヤモ
ンド膜と同等の作用を発揮し、さらに人工ダイヤモンド
膜における応力残留はSi枠体との間の熱膨脹差に主に
原因するが、前記SiC薄膜はダイヤモンドとSiの中
間の熱膨脹係数をもち、かつダイヤモンドに比して靱性
が高いことから、これが人工ダイヤモンド膜における残
留応力の低減に作用し、この結果残留応力が原因のクラ
ックやひび割れの発生を防止することができるようにな
るという研究結果をえたのである。
上述のような観点から、X線マスクの製造工程における
繰り返しの加熱・冷却により発生する応力の残留が少な
いメンブレン膜としての人工ダイヤモンド膜を備えたX
線マスクを開発すべく研究を行った結果、X線マスクを
構成するSi枠体と人工ダイヤモンド膜からなるメンブ
レン膜の間に、10〜500nmの厚さで炭化珪素(以
下、SiCで示す)薄膜を、前記人工ダイヤモンド膜と
全面積層した状態で蒸着介在させると、前記SiC薄膜
は、ダイヤモンドと同じく透明で、耐熱性を有し、かつ
光透過性もきわめて良く、したがって前記人工ダイヤモ
ンド膜と同等の作用を発揮し、さらに人工ダイヤモンド
膜における応力残留はSi枠体との間の熱膨脹差に主に
原因するが、前記SiC薄膜はダイヤモンドとSiの中
間の熱膨脹係数をもち、かつダイヤモンドに比して靱性
が高いことから、これが人工ダイヤモンド膜における残
留応力の低減に作用し、この結果残留応力が原因のクラ
ックやひび割れの発生を防止することができるようにな
るという研究結果をえたのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果に基づいてな
されたものであって、Si枠体の上面に蒸着されるメン
ブレン膜として人工ダイヤモンド膜を用いるX線リソグ
ラフィー用マスクにおいて、前記Si枠体と人工ダイヤ
モンド膜の間に、前記人工ダイヤモンド膜と全面積層し
た状態で、補助メンブレン膜として10〜500nm厚
さのSiC薄膜を蒸着介在させてなる、人工ダイヤモン
ド膜の残留応力が少ないX線マスクに特徴を有するもの
である。
されたものであって、Si枠体の上面に蒸着されるメン
ブレン膜として人工ダイヤモンド膜を用いるX線リソグ
ラフィー用マスクにおいて、前記Si枠体と人工ダイヤ
モンド膜の間に、前記人工ダイヤモンド膜と全面積層し
た状態で、補助メンブレン膜として10〜500nm厚
さのSiC薄膜を蒸着介在させてなる、人工ダイヤモン
ド膜の残留応力が少ないX線マスクに特徴を有するもの
である。
【0006】なお、この発明のX線マスクにおいては、
これを構成するSi枠体は、Si単結晶より人工ダイヤ
モンド膜をコーティングする面を(100)、(11
0)、および(111)のいずれかに配向させて切り出
したSiウエハーを用いるのがよく、また人工ダイヤモ
ンド膜は、特にマイクロ波プラズマ化学蒸着装置を用い
て形成するのがよく、この際反応ガスの構成成分の相互
流入割合や基板(Siウエハー)温度を調整すると共
に、その初期反応において基板にバイアス電圧を印加
し、この電圧を例えば−50〜−180vの範囲で調整
することにより、前記Si枠体上面に対して、(10
0)、(110)、および(111)のいずれかに配向
した人工ダイヤモンド膜を形成するのが望ましい。さら
にSiC薄膜も、同じくマイクロ波プラズマ化学蒸着装
置を用いて形成するのがよく、この際反応ガスの構成成
分の相互流入割合や基板(Siウエハー)温度を調整す
ることによって、結晶構造をβ型や非晶質(アモルファ
ス)とすることができるが、この場合も基板にバイアス
電圧を印加し、この電圧を例えば−50〜−180vの
範囲で調整することにより、前記Si枠体上面に対し
て、(100)、(110)、および(111)のいず
れかに配向するようにするのが望ましい。 また、この
発明のX線マスクにおける補助メンブレン膜としてのS
iC薄膜の厚さを10〜500nmとしたのは、その厚
さが10nm未満では人工ダイヤモンド膜に所望の残留
応力低減効果を確保することができず、一方その厚さが
500nmを越えると光透過性に低下傾向が現れるよう
になるばかりでなく、膜全体のヤング率が低下してメン
ブレン膜としての性能が低下するようになるという理由
によるものであり、望ましくは20〜100nmとする
のがよい。
これを構成するSi枠体は、Si単結晶より人工ダイヤ
モンド膜をコーティングする面を(100)、(11
0)、および(111)のいずれかに配向させて切り出
したSiウエハーを用いるのがよく、また人工ダイヤモ
ンド膜は、特にマイクロ波プラズマ化学蒸着装置を用い
て形成するのがよく、この際反応ガスの構成成分の相互
流入割合や基板(Siウエハー)温度を調整すると共
に、その初期反応において基板にバイアス電圧を印加
し、この電圧を例えば−50〜−180vの範囲で調整
することにより、前記Si枠体上面に対して、(10
0)、(110)、および(111)のいずれかに配向
した人工ダイヤモンド膜を形成するのが望ましい。さら
にSiC薄膜も、同じくマイクロ波プラズマ化学蒸着装
置を用いて形成するのがよく、この際反応ガスの構成成
分の相互流入割合や基板(Siウエハー)温度を調整す
ることによって、結晶構造をβ型や非晶質(アモルファ
ス)とすることができるが、この場合も基板にバイアス
電圧を印加し、この電圧を例えば−50〜−180vの
範囲で調整することにより、前記Si枠体上面に対し
て、(100)、(110)、および(111)のいず
れかに配向するようにするのが望ましい。 また、この
発明のX線マスクにおける補助メンブレン膜としてのS
iC薄膜の厚さを10〜500nmとしたのは、その厚
さが10nm未満では人工ダイヤモンド膜に所望の残留
応力低減効果を確保することができず、一方その厚さが
500nmを越えると光透過性に低下傾向が現れるよう
になるばかりでなく、膜全体のヤング率が低下してメン
ブレン膜としての性能が低下するようになるという理由
によるものであり、望ましくは20〜100nmとする
のがよい。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明のX線マスクを
実施例により具体的に説明する。Si単結晶から上面に
対してそれぞれ表1に示される結晶面が配向(この場合
配向率は単結晶のため100%となる)し、かつ直径:
100mm×厚さ:380μmの寸法をもったSiウエ
ハー(基体)を切り出し、これの上面を鏡面仕上げした
状態で、公知のマイクロ波プラズマ化学蒸着装置に装入
し、反応ガスとして高純度水素ガスとメタンガスを用
い、基板温度を500〜800℃とした条件で前記水素
ガスとメタンガスの相互流入割合を調整しながら、且
つ、前記基板に印加されるバイヤス電圧を−50〜−1
80vの範囲内の所定の電圧とし、これら反応ガスと前
記Siウエハー表面との反応を行うことにより表1に示
される結晶構造とすると共に、β型結晶形成に際して
は、配向率を高めて同じく表1に示される配向率の配向
結晶面としたSiC薄膜を同じく表1に示される厚さで
形成し、ついで同じマイクロ波プラズマ化学蒸着装置に
て、反応ガスとして高純度水素ガスとメタンガス割合を
適宜調節しながら、雰囲気圧力:20〜30torr、
基板温度:830〜950℃、その初期反応において基
板印加のバイアス電圧:−50〜−150vの条件で同
じく表1に示される厚さを有し、かつ表1に示される配
向率で配向した配向結晶面をもった人工ダイヤモンド膜
を形成し、引き続いてこのようにSiC薄膜および人工
ダイヤモンド膜を上面に積層蒸着形成した前記Siウエ
ハーの下面に、中央部に50mm×50mmの寸法の孔
を開けたシートを密着させ、この孔部分に露出したSi
ウエハーの中央部を弗硝酸を用いて完全に溶解除去して
中央部に窓のあるSi枠体とすることにより本発明X線
マスク素材1〜12をそれぞれ製造した。なお、上記S
iC薄膜および人工ダイヤモンド膜の配向結晶面の特定
および配向率の算定はラマン分光分析装置およびX線回
析装置を用いて行った。また、比較の目的で、表2に示
される通りSiC薄膜の形成を行わず、かつ人工ダイヤ
モンド膜の形成に際しては、Siウエハー(基体)への
バイアス電圧の印加を行わない以外は同一の条件で、S
i枠体上面に対する配向結晶面の中で最も高い配向率が
表2に示される配向結晶面の人工ダイヤモンド膜を形成
することにより従来X線マスク素材1〜9をそれぞれ製
造した。
実施例により具体的に説明する。Si単結晶から上面に
対してそれぞれ表1に示される結晶面が配向(この場合
配向率は単結晶のため100%となる)し、かつ直径:
100mm×厚さ:380μmの寸法をもったSiウエ
ハー(基体)を切り出し、これの上面を鏡面仕上げした
状態で、公知のマイクロ波プラズマ化学蒸着装置に装入
し、反応ガスとして高純度水素ガスとメタンガスを用
い、基板温度を500〜800℃とした条件で前記水素
ガスとメタンガスの相互流入割合を調整しながら、且
つ、前記基板に印加されるバイヤス電圧を−50〜−1
80vの範囲内の所定の電圧とし、これら反応ガスと前
記Siウエハー表面との反応を行うことにより表1に示
される結晶構造とすると共に、β型結晶形成に際して
は、配向率を高めて同じく表1に示される配向率の配向
結晶面としたSiC薄膜を同じく表1に示される厚さで
形成し、ついで同じマイクロ波プラズマ化学蒸着装置に
て、反応ガスとして高純度水素ガスとメタンガス割合を
適宜調節しながら、雰囲気圧力:20〜30torr、
基板温度:830〜950℃、その初期反応において基
板印加のバイアス電圧:−50〜−150vの条件で同
じく表1に示される厚さを有し、かつ表1に示される配
向率で配向した配向結晶面をもった人工ダイヤモンド膜
を形成し、引き続いてこのようにSiC薄膜および人工
ダイヤモンド膜を上面に積層蒸着形成した前記Siウエ
ハーの下面に、中央部に50mm×50mmの寸法の孔
を開けたシートを密着させ、この孔部分に露出したSi
ウエハーの中央部を弗硝酸を用いて完全に溶解除去して
中央部に窓のあるSi枠体とすることにより本発明X線
マスク素材1〜12をそれぞれ製造した。なお、上記S
iC薄膜および人工ダイヤモンド膜の配向結晶面の特定
および配向率の算定はラマン分光分析装置およびX線回
析装置を用いて行った。また、比較の目的で、表2に示
される通りSiC薄膜の形成を行わず、かつ人工ダイヤ
モンド膜の形成に際しては、Siウエハー(基体)への
バイアス電圧の印加を行わない以外は同一の条件で、S
i枠体上面に対する配向結晶面の中で最も高い配向率が
表2に示される配向結晶面の人工ダイヤモンド膜を形成
することにより従来X線マスク素材1〜9をそれぞれ製
造した。
【0008】つぎに、この結果得られた各種のX線マス
ク素材について、X線マスクの製造工程で付加される加
熱・冷却に対する加速条件で加熱・冷却試験を行った。
加熱・冷却試験は、400℃に加熱後、氷点下の−50
℃に冷却を1サイクルとし、これを10サイクル行い、
試験後人工ダイヤモンド膜の中央部(50mm×50m
m)における残留応力を静電容量型そり応力測定装置を
用いて測定することにより行った。これらの測定結果を
それぞれ表1、2に示した。
ク素材について、X線マスクの製造工程で付加される加
熱・冷却に対する加速条件で加熱・冷却試験を行った。
加熱・冷却試験は、400℃に加熱後、氷点下の−50
℃に冷却を1サイクルとし、これを10サイクル行い、
試験後人工ダイヤモンド膜の中央部(50mm×50m
m)における残留応力を静電容量型そり応力測定装置を
用いて測定することにより行った。これらの測定結果を
それぞれ表1、2に示した。
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】
【発明の効果】表1、2に示される結果から、本発明X
線マスク素材1〜12は、いずれもSiC薄膜の介在に
よって人工ダイヤモンド膜の残留応力が、前記SiC薄
膜の介在がない従来X線マスク素材1〜9の人工ダイヤ
モンド膜のそれに比して一段と減少していることが明ら
かである。なお、上記実施例ではSiC薄膜として、結
晶構造がβ型および非晶質(アモルファス)の場合につ
いて述べたが、α型でも同様な結果が得られることが確
認されている。上述のように、この発明のX線マスク
は、これを構成するメンブレン膜としての人工ダイヤモ
ンド膜に残留する応力を著しく低減することができるの
で、近年のコンピュータの小型化および高性能化(高速
化)に十分満足に対応することができるものである。
線マスク素材1〜12は、いずれもSiC薄膜の介在に
よって人工ダイヤモンド膜の残留応力が、前記SiC薄
膜の介在がない従来X線マスク素材1〜9の人工ダイヤ
モンド膜のそれに比して一段と減少していることが明ら
かである。なお、上記実施例ではSiC薄膜として、結
晶構造がβ型および非晶質(アモルファス)の場合につ
いて述べたが、α型でも同様な結果が得られることが確
認されている。上述のように、この発明のX線マスク
は、これを構成するメンブレン膜としての人工ダイヤモ
ンド膜に残留する応力を著しく低減することができるの
で、近年のコンピュータの小型化および高性能化(高速
化)に十分満足に対応することができるものである。
フロントページの続き (72)発明者 矢部 秀毅 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 Si枠体の上面に蒸着されるメンブレン
膜として人工ダイヤモンド膜を用いるX線リソグラフィ
ー用マスクにおいて、前記Si枠体と人工ダイヤモンド
膜の間に、前記人工ダイヤモンド膜と全面積層した状態
で、補助メンブレン膜として10〜500nmの厚さの
炭化珪素薄膜を蒸着介在させたことを特徴とする人工ダ
イヤモンド膜の残留応力が少ないX線リソグラフィー用
マスク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1594997A JPH10199801A (ja) | 1997-01-13 | 1997-01-13 | 人工ダイヤモンド膜の残留応力が少ないx線リソグラフィー用マスク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1594997A JPH10199801A (ja) | 1997-01-13 | 1997-01-13 | 人工ダイヤモンド膜の残留応力が少ないx線リソグラフィー用マスク |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10199801A true JPH10199801A (ja) | 1998-07-31 |
Family
ID=11903018
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1594997A Pending JPH10199801A (ja) | 1997-01-13 | 1997-01-13 | 人工ダイヤモンド膜の残留応力が少ないx線リソグラフィー用マスク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10199801A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004319909A (ja) * | 2003-04-18 | 2004-11-11 | Tadahiro Omi | 電子線露光用マスク及びその製造方法 |
EP1801658A2 (en) * | 1999-07-02 | 2007-06-27 | ASML Netherlands B.V. | EUV-lithographic projection apparatus comprising an optical element with a capping layer |
CN107546109A (zh) * | 2017-08-31 | 2018-01-05 | 武汉工程大学 | 一种利用氢等离子体去除在硅衬底上制备的金刚石窗口的表面碳化硅的方法 |
-
1997
- 1997-01-13 JP JP1594997A patent/JPH10199801A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1801658A2 (en) * | 1999-07-02 | 2007-06-27 | ASML Netherlands B.V. | EUV-lithographic projection apparatus comprising an optical element with a capping layer |
EP1801658A3 (en) * | 1999-07-02 | 2007-07-18 | ASML Netherlands B.V. | EUV-lithographic projection apparatus comprising an optical element with a capping layer |
USRE42338E1 (en) | 1999-07-02 | 2011-05-10 | Asml Netherlands B.V. | Capping layer for EUV optical elements |
JP2004319909A (ja) * | 2003-04-18 | 2004-11-11 | Tadahiro Omi | 電子線露光用マスク及びその製造方法 |
CN107546109A (zh) * | 2017-08-31 | 2018-01-05 | 武汉工程大学 | 一种利用氢等离子体去除在硅衬底上制备的金刚石窗口的表面碳化硅的方法 |
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Legal Events
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