JPH10199728A - 薄膜型コイル部品及びその製造方法 - Google Patents

薄膜型コイル部品及びその製造方法

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JPH10199728A
JPH10199728A JP1310897A JP1310897A JPH10199728A JP H10199728 A JPH10199728 A JP H10199728A JP 1310897 A JP1310897 A JP 1310897A JP 1310897 A JP1310897 A JP 1310897A JP H10199728 A JPH10199728 A JP H10199728A
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substrate
thin
film coil
coil component
manufacturing
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Application number
JP1310897A
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English (en)
Inventor
Shingo Okuyama
晋吾 奥山
Masatoshi Arishiro
政利 有城
Kenichi Aoki
健一 青木
Keishiro Amaya
圭司郎 天谷
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自己共振周波数が高く、高周波化への対応性
に優れ、かつ、画像認識装置によって捉えることが可能
で加工性や取扱い性の良好な薄膜型コイル部品及びその
製造方法を提供する。 【解決手段】 誘電率が6.0以下の材料からなり、少
なくとも一部が不透明である基板上に、導体薄膜からな
るコイルパターンを配設する。また、マザー基板をスク
ライブ/ブレーク工法により分割して個々の薄膜型コイ
ル部品を得る。また、マザー基板を一次ブレークするこ
とにより、そこから複数の薄膜型コイル部品が分割され
るユニット基板を形成し、これに個々の薄膜型コイル部
品の外部電極となる電極を形成した後、二次ブレークし
てユニット基板を個々の薄膜型コイル部品に分割する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明はコイル部品に関
し、詳しくは、基板上にコイルパターンを配設してなる
薄膜型コイル部品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】基板上
にコイルパターンを配設してなる薄膜型コイル部品にお
いては、従来、基板として、無アルカリガラス基板、ア
ルミナ基板、アルミナとガラスの混合物焼成基板などが
一般的に使用されている。
【0003】しかし、上記従来の基板は、それぞれ以下
に説明するような問題点を有している。 [無アルカリガラス基板] 誘電率εは5.8〜6.0付近、自己共振周波数は3
3nH品の実測値で約2.3GHz付近にあり、良好な
特性を有しているが、移動体通信機器の今後の高周波化
を考慮すると、自己共振周波数はさらに高いほうが望ま
しい。 機械的強度が小さく、特にエッジ部分において欠けや
クラックが発生しやすいため、取り扱いに注意が必要で
作業性が悪い。 透明であるため、部品の加工工程や実装工程で画像認
識装置を用いて位置決めなどを行なったりする場合の画
像認識が困難で加工性や取扱い性が悪い。 製造法上、基板の表面が鏡面になる場合が多く、基板
へのコイルパターンの密着、及び外部電極との密着には
アンカー効果が期待できず、電極密着強度が弱い。 材料がもろいため、ダイシング工法ではカットの速度
を上げることが困難で生産性が低い。
【0004】[アルミナ基板] 誘電率εは9.3〜10.6付近、自己共振周波数は
33nH品の計算値で約1.8GHz付近にあるが、上
記無アルカリガラス基板の場合と同様に、移動体通信機
器の今後の高周波化を考慮すると、自己共振周波数はさ
らに高いほうが望ましい。 表面粗さが粗いため細線化が困難であり、インダクタ
ンスを大きく設計するには不利であり、また狭偏差化に
も不利である。 機械的強度は強いが、基板が固すぎるため、マザー基
板から個々の部品への切り出し(ダイシング、スクライ
ブ/ブレークなど)が困難である。 生産性を向上させるため、あらかじめ焼成前に金型に
てスリットを入れた基板を用いることも行われている
が、焼成の際の基板収縮のばらつきを考慮すると、同一
チップサイズ内にてコイルパターンを描ける有効面積を
大きくとることが困難で、インダクタンスを大きく設計
するには不利である。
【0005】[ガラスセラミック基板]現状で市販され
ている基板の誘電率εは7.0付近で、無アルカリガラ
ス基板とアルミナ基板の中間にあり、自己共振周波数は
33nH品の計算値で約2.1GHz付近にあるが、移
動体通信機器の今後の高周波化を考慮するとさらなる高
周波化が望まれる。
【0006】また、従来は、上記のいずれの基板を用い
る場合にも、ダイシング加工によりマザー基板から個々
の部品への切り出しが行なわれることが多く、その際
に、チッピングや割れ、コイルパターンの剥離などが発
生する。特に小型化対応部品の場合には固い基板が用い
られることが多く、それだけ歩留りが悪いという問題点
がある。
【0007】本願発明は、上記問題点を解決するもので
あり、自己共振周波数が高く、高周波化への対応性に優
れ、かつ、画像認識装置によって捉えることが可能で加
工性や取扱い性の良好な薄膜型コイル部品及びその製造
方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願発明の薄膜型コイル部品は、誘電率が6.0以
下の材料からなり、少なくとも一部が不透明である基板
上に、導体薄膜からなるコイルパターンを配設してなる
ことを特徴としている。
【0009】本願発明の薄膜型コイル部品は、誘電率が
6.0以下で、少なくとも一部が不透明である基板を用
いているので、自己共振周波数の高い薄膜型コイル部品
を確実に得ることが可能になるとともに、基板の少なく
とも一部が不透明であるため、加工時の位置決めの際な
どに画像認識装置を用いて認識することが可能になり、
フォトリソグラフィー法などと組み合わせることによっ
て精密な加工を確実に行なうことが可能になる。したが
って、パターンの線幅や線間距離などを小さくして精密
なコイルパターンを形成することが可能になり、小型、
高性能の薄膜型コイル部品を得ることができるようにな
る。
【0010】なお、本願発明の薄膜型コイル部品におい
て、基板の一部が不透明であるとは、基板材料自体が不
透明であるような場合、基板の少なくとも一方の面がす
りガラス状になっている場合、気泡を含ませた場合、添
加成分を含有させた場合などを含む広い概念であり、画
像認識装置を用いて認識することが可能な程度の不透明
さを有していればよい。
【0011】また、本願発明(請求項2)の薄膜型コイ
ル部品は、前記基板が、 (a)アルミナ :12〜59.6重量% (b)ムライト、石英ガラス、α−石英、及びコーディエライトの少なくとも一 種 :10〜30重量% (c)ホウ珪酸ガラス :18〜69.3重量% (d)アノーサイト結晶からなる無機組成物:1〜40重量% を含んでなるガラスセラミック基板であることを特徴と
している。
【0012】上記のガラスセラミック基板を用いること
により、基板の誘電率を確実に6.0以下とすることが
可能になるとともに、機械的特性の向上を図ることが可
能になり、本願発明をより実効あらしめることができ
る。
【0013】また、本願発明の薄膜型コイル部品は、前
記基板が焼成工程を経て製造されるものであって、前記
焼成工程における最高焼成温度が880〜950℃であ
ることを特徴としている。例えば、請求項2に示すよう
な成分を含有する基板を用いる場合において、最高焼成
温度を880〜950℃とすることにより、基板表面や
分割面に1〜2μm程度の小さな孔が多数形成された基
板を得ることが可能になり、アンカー効果によって電極
固着強度を向上させることができる。
【0014】また、本願発明の薄膜型コイル部品の製造
方法は、上記本願発明の薄膜型コイル部品の製造方法で
あって、マザー基板上に所定の電極パターンを形成した
後、マザー基板をスクライブ/ブレーク工法により分割
して個々の薄膜型コイル部品を得ることを特徴としてい
る。
【0015】本願発明の薄膜型コイル部品の製造方法に
おいては、所定の電極パターンが形成されたマザー基板
をスクライブ/ブレーク工法により分割して個々の薄膜
型コイル部品を得るようにしているため、従来のダイシ
ングによってマザー基板を分割する場合に比べて、割れ
や欠けの発生を減らして歩留りを向上させることが可能
になる。なお、このスクライブ/ブレーク工法を用いる
ことにより、従来は固くてダイシングなどの方法では加
工が困難なため、これまでは基板としてあまり注目され
ていなかった石英ガラスなどを含むような材料も基板の
構成材料の一部に利用することが可能になり、材料選択
の幅が広がる。なお、スクライブ/ブレーク工法とは、
スクライバーのヘッドを基板に押し当てた状態で、所定
の軌道に沿って移動させた後、基板に応力を加えて上記
所定の軌道に沿って基板を分割する方法を意味する概念
であり、スクライバーの種類や構造、分割時の応力の加
え方などに関しては、特別の制約はない。
【0016】また、本願発明の薄膜型コイル部品の製造
方法は、上記本願発明の薄膜型コイル部品の製造方法で
あって、所定の電極パターンを形成したマザー基板上
に、スクライブ工法により、一次及び二次スクライブ溝
(垂直クラック)を形成した後、一次スクライブ溝に沿
って一次ブレークすることにより、マザー基板をそこか
ら複数の薄膜型コイル部品が分割されることになる複数
のユニット基板に分割し、このユニット基板に、個々の
薄膜型コイル部品の外部電極となる電極をあらかじめ形
成した後、二次スクライブ溝に沿って二次ブレークする
ことにより、ユニット基板を個々の薄膜型コイル部品に
分割することを特徴としている。
【0017】マザー基板を一次ブレークしたユニット基
板(そこからさらに複数の薄膜型コイル部品が分割され
ることになる基板)の段階で、個々の薄膜型コイル部品
の外部電極となる電極をあらかじめ配設しておき、この
ユニット基板を二次ブレークして個々の薄膜型コイル部
品に分割するようにした場合、分割後の個々の薄膜型コ
イル部品にそれぞれ外部電極を形成する場合に比べて製
造工程を大幅に簡略化して、生産効率を向上させること
が可能になる。
【0018】また、本願発明の薄膜型コイル部品の製造
方法は、前記マザー基板又はユニット基板のスクライブ
すべき領域の少なくとも主要部を基板表面が露出した状
態とし、スクライバーにより露出した基板表面を直接ス
クライブしてマザー基板又はユニット基板を分割するこ
とを特徴としている。
【0019】マザー基板若しくはユニット基板のスクラ
イブすべき領域の少なくとも主要部を基板表面が露出し
た状態とすることにより、露出した基板表面をスクライ
バーにより直接にスクライブすることが可能になるた
め、スクライブ/ブレーク工法によりマザー基板若しく
はユニット基板を精度よく分割することが可能になり、
本願発明をより実効あらしめることができる。なお、ス
クライブラインが走る部分の基板表面に電極や保護コー
トなどが形成されていると、電極や保護コートの上から
基板表面に当たる位置までスクライバーを入り込ませて
スクライブすることが必要になるため、大きな抵抗力が
発生してスクライブ溝の入り方が不安定になり、分割さ
れる各ユニット基板や各素子の寸法精度が低下するとい
う問題点がある。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を示
して、その特徴とするところをさらに詳しく説明する。
なお、図1〜図4は、本願発明の一実施形態にかかる薄
膜型コイル部品の製造方法により薄膜型コイル部品を製
造する工程を示す図、図5は本願発明の一実施形態にか
かる方法により製造された薄膜型コイル部品を示す平面
図及び正面図である。
【0021】なお、この実施形態では、以下に述べる方
法により薄膜型コイル部品を製造した。 まず、マザー基板として、 (a)アルミナ :12〜59.6重量% (b)ムライト、石英ガラス、α−石英、及びコーディエライトの少なくとも一 種 :10〜30重量% (c)ホウ珪酸ガラス :18〜69.3重量% (d)アノーサイト結晶からなる無機組成物:1〜40重量% を含んでなる不透明のガラスセラミック基板を1200
℃以下、好ましくは1000℃以下の温度で焼成して製
造した。なお、このガラスセラミック基板の誘電率εは
約5.8である。 そして、このマザー基板の表面に、スパッタリング法
により電極薄膜を形成した後、フォトリソグラフィーに
よりこの電極薄膜を加工して、図1に示すように、マザ
ー基板1の表面に複数のコイルパターン2を形成した。 それから、コイルパターン2を保護するとともに外部
から絶縁するため、マザー基板1の表面に絶縁膜(図示
せず)を形成した。なお、このとき、スクライブライン
(図1の線L1及びL2)が走る部分には絶縁膜を形成
しないようにした。なお、コイルパターンの形成と絶縁
膜の形成を複数回繰り返すとともに、各層のコイルパタ
ーンを所定の位置で互いに導通させることによりターン
数の多いコイルを形成することも可能である。 次に、図4(a),(b)に示すように、スクライバー1
1のスクライブチップ(例えばダイヤモンドからなる回
転可能な算盤玉状のチップ)11aをマザー基板1の表
面に押し当てながら、所定の軌道(図1のスクライブラ
インL1)に沿って移動させることによりスクライブ溝
(垂直クラック)を形成し、マザー基板1に応力を加え
て垂直クラックを進展させることにより一次ブレークを
行い、図2に示すように、複数の素子3を含む短冊状の
基板(ユニット基板)4を得た。なお、この実施形態で
用いたスクライブチップ11aの先端角度θ(図4
(b))は120〜130°である。 それから、図3に示すように、短冊状のユニット基板
4の長手方向の側面から上下両面にわずかに回り込むよ
うに外部電極5を形成した。なお、外部電極5を形成す
るにあたっては、まず、スパッタや蒸着により下地電極
(図示せず)を形成した後、この下地電極を陰極として
電気メッキを行い、下地電極上に、ニッケルとはんだ、
あるいはニッケルとスズ、あるいは銅とニッケルとスズ
あるいははんだなどからなる外部電極を形成した。 次いで、外部電極5が形成されたユニット基板4を、
図3に示すように、スクライブラインL2に沿って分割
して、図5(a),(b)に示すような薄膜型コイル部品6
を得た。
【0022】なお、この実施形態の薄膜型コイル部品6
は、図5(a),(b)に示すように、基板1aの表面にコ
イルパターン2が配設された構造を有しており、コイル
パターン2の一方の引出部2aとコイルパターン2との
間には引出部2aがコイルパターン2と短絡しないよう
に絶縁材料(図示せず)が配設されている。
【0023】上記の薄膜型コイル部品は、コイルパター
ンを形成する基板として、誘電率εが5.8のガラスセ
ラミック基板を用いているので、約2.3GHz程度か
らさらにそれ以上の自己共振周波数を実現することが可
能になる。
【0024】また、上記の薄膜型コイル部品において
は、基板が不透明であるため、加工時の位置決めの際な
どに画像認識装置を用いて認識することが可能になり、
フォトリソグラフィー法などと組み合わせることによっ
て精密な加工を確実に行なうことが可能になる。したが
って、パターンの線幅や線間距離などを小さくして精密
なコイルパターンを形成することが可能になり、小型、
高性能の薄膜型コイル部品を得ることができる。
【0025】また、上記実施形態で基板として用いたガ
ラスセラミック基板は、通常、基板として用いられる無
アルカリガラスやホウケイ酸ガラスなどと比べると強度
が大きく、割れ、欠け、チッピングなどの不具合が発生
しにくく、特に、無アルカリガラス基板を用いた場合に
頻発する欠けやクラックの発生をほぼ完全に防止するこ
とが可能で、信頼性を向上させることができる。
【0026】また、この実施形態において用いたガラス
セラミック基板は、アルミナ基板と比べると素体強度は
劣るが、生産性の高いスクライブ/ブレーク工法を採用
することが可能になり、生産効率を向上させることがで
きる。
【0027】さらに、コイルパターンを形成した後のマ
ザー基板の状態でスクライブすることが可能になるた
め、焼成の際の熱収縮を考慮することなく、同一チップ
サイズでコイルパターンを最大限大きく設計することが
可能になる。なお、アルミナ基板を用いる場合にもマザ
ー基板の状態でスクライブすることが不可能なわけでは
ないが、その場合には、アルミナ基板があまりにも固い
ため、スクライブチップの寿命が極端に短くなるという
問題点がある。
【0028】また、ガラスセラミック基板の特性から、
スクライブすることにより発生させた垂直クラックは、
ブレーク時に基板対向面に向かってまっすぐ伸展するた
め、分割される短冊状のユニット基板又は個々の素子の
分割面(切断面)は上下両面に対してほぼ直角となり、
良好な寸法精度を得ることができる。なお、この分割面
の直角度は、従来の無アルカリガラスをスクライブ/ブ
レーク工法によりブレークした場合よりも優れている。
【0029】さらに、分割面は、基板を構成する粒子が
ミクロ的に見て凸凹状になっているため、外部電極を形
成した場合に、アンカー効果により十分な電極固着強度
を得ることができる。特に、基板焼成温度が最高880
〜950℃のものについては、1〜2μm程度の小さな
孔が基板表面や分割面にも多数形成されるため、十分な
アンカー効果が得られることが確認されている。但し、
最高焼成温度が880℃以下では基板強度が極端に低下
して電子部品に用いるのには適さなくなり、また、95
0℃以上では基板表面の凹凸が小さくなりすぎて十分な
アンカー効果が得られなくなるため好ましくない。
【0030】また、上記実施形態においては、スクライ
ブラインが走る部分では、基板表面を露出させるように
しているので、特に大きな力を必要とすることなく、露
出した基板表面を容易かつ確実にスクライブすることが
可能になる。そのため、スクライブ/ブレーク工法によ
りマザー基板若しくはユニット基板を確実に分割するこ
とが可能になり、分割面の状態や直角度を向上させるこ
とができるとともに、寸法精度を向上させることができ
る。
【0031】なお、上記実施形態では、ユニット基板に
外部電極を形成する場合に、図3,図5(b)に示すよう
に、ユニット基板4の側面からわずかに上下両面にまで
回り込むように外部電極5を形成した場合について説明
したが、図6に示すように、ユニット基板4の側面にの
み外部電極5を設けたり、図7に示すように、スクライ
ブラインL2が走る位置を避けて外部電極5を設けたり
することにより、スクライブすべき領域全部において基
板表面を露出させることが可能である。
【0032】なお、本願発明は上記実施例に限定される
ものではなく、基板の形状や、コイルパターンの具体的
な構成、基板材料の種類やその誘電率、コイルパターン
を構成する導電材料の種類、マザー基板を分割するため
に用いられるスクライバーの種類などに関し、発明の要
旨の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが
可能である。
【0033】
【発明の効果】上述のように、本願発明の薄膜型コイル
部品は、誘電率が6.0以下で、少なくとも一部が不透
明である基板を用いているので、自己共振周波数の高い
薄膜型コイル部品を確実に得ることが可能になるととも
に、基板の少なくとも一部が不透明であるため、加工時
の位置決めの際などに画像認識装置を用いて認識するこ
とが可能になり、フォトリソグラフィー法などと組み合
わせることによって精密な加工を確実に行なうことが可
能になる。したがって、パターンの線幅や線間距離など
を小さくして精密なコイルパターンを形成することが可
能になり、小型、高性能の薄膜型コイル部品を得ること
ができる。
【0034】また、基板として、アルミナ12〜59.
6重量%と、ムライト、石英ガラス、α−石英、及びコ
ーディエライトの少なくとも一種10〜30重量%と、
ホウ珪酸ガラス18〜69.3重量%と、アノーサイト
結晶からなる無機組成物1〜40重量%を含んでなるガ
ラスセラミック基板を用いることにより、誘電率を確実
に6.0以下とすることが可能になるとともに、機械的
特性の向上を図ることが可能になり、本願発明をより実
効あらしめることができる。
【0035】また、上記のような成分を含有する基板を
用いる場合において、最高焼成温度を880〜950℃
とした場合、基板表面や分割面に1〜2μm程度の小さ
な孔が多数形成された基板を得ることが可能になり、ア
ンカー効果により十分な電極固着効果を得ることができ
る。
【0036】また、本願発明の薄膜型コイル部品の製造
方法は、マザー基板上に所定の電極パターンを形成した
後、マザー基板をスクライブ/ブレーク工法により分割
して個々の薄膜型コイル部品を得るようにしているの
で、従来のダイシングによってマザー基板を分割する場
合に比べて、割れや欠けの発生を減らして歩留りを向上
させることが可能になる。なお、このスクライブ/ブレ
ーク工法を用いることにより、従来は固くてダイシング
などの方法では加工が困難なため、これまでは基板とし
てあまり注目されていなかった石英ガラスなどを含むよ
うな材料も基板の構成材料の一部に利用することが可能
になり、材料選択の幅を広げることができる。
【0037】また、マザー基板を一次ブレークしたユニ
ット基板の段階で、個々の薄膜型コイル部品の外部電極
となる電極をあらかじめ配設しておき、このユニット基
板を二次ブレークして個々の薄膜型コイル部品に分割す
るようにした場合、分割後の個々の薄膜型コイル部品に
それぞれ外部電極を形成する場合に比べて製造工程を大
幅に簡略化して、生産効率を向上させることができる。
【0038】また、マザー基板若しくはユニット基板の
スクライブすべき領域の少なくとも主要部を基板表面が
露出した状態とすることにより、露出した基板表面をス
クライバーにより直接にスクライブすることが可能にな
るため、スクライブ/ブレーク工法によりマザー基板若
しくはユニット基板を精度よく分割することが可能にな
り、本願発明をより実効あらしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態にかかる薄膜型コイル部
品の製造方法の一工程において製造されたマザー基板を
示す図である。
【図2】本願発明の一実施形態にかかる薄膜型コイル部
品の製造方法の一工程においてマザー基板から分割され
たユニット基板を示す図である。
【図3】本願発明の一実施形態にかかる薄膜型コイル部
品の製造方法の一工程においてマザー基板から分割され
たユニット基板に外部電極を形成した状態を示す図であ
る。
【図4】本願発明の一実施形態にかかる薄膜型コイル部
品の製造方法の一工程においてスクライブ/ブレーク工
法によりマザー基板を分割する方法を示す図であり、
(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図5】本願発明の一実施形態にかかる薄膜型コイル部
品を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図であ
る。
【図6】本願発明の一実施形態にかかる製造方法により
薄膜型コイル部品を製造する場合における、ユニット基
板への外部電極の配設態様の変形例を示す図である。
【図7】本願発明の一実施形態にかかる製造方法により
薄膜型コイル部品を製造する場合における、ユニット基
板への外部電極の配設態様の他の変形例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 マザー基板 1a 基板 2 コイルパターン 2a 引出部 3 素子 4 ユニット基板 5 外部電極 6 薄膜型コイル部品 11 スクライバー 11a スクライブチップ L1,L2 スクライブライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天谷 圭司郎 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電率が6.0以下の材料からなり、少な
    くとも一部が不透明である基板上に、導体薄膜からなる
    コイルパターンを配設してなることを特徴とする薄膜型
    コイル部品。
  2. 【請求項2】前記基板が、 (a)アルミナ :12〜59.6重量% (b)ムライト、石英ガラス、α−石英、及びコーディエライトの少なくとも一 種 :10〜30重量% (c)ホウ珪酸ガラス :18〜69.3重量% (d)アノーサイト結晶からなる無機組成物:1〜40重量% を含んでなるガラスセラミック基板であることを特徴と
    する請求項1記載の薄膜型コイル部品。
  3. 【請求項3】前記基板が焼成工程を経て製造されるもの
    であって、前記焼成工程における最高焼成温度が880
    〜950℃であることを特徴とする請求項1又は2記載
    の薄膜型コイル部品。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の薄膜型コ
    イル部品の製造方法であって、 マザー基板上に所定の電極パターンを形成した後、マザ
    ー基板をスクライブ/ブレーク工法により分割して個々
    の薄膜型コイル部品を得ることを特徴とする薄膜型コイ
    ル部品の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれかに記載の薄膜型コ
    イル部品の製造方法であって、 所定の電極パターンを形成したマザー基板上に、スクラ
    イブ工法により、一次及び二次スクライブ溝(垂直クラ
    ック)を形成した後、一次スクライブ溝に沿って一次ブ
    レークすることにより、マザー基板をそこから複数の薄
    膜型コイル部品が分割されることになる複数のユニット
    基板に分割し、 このユニット基板に、個々の薄膜型コイル部品の外部電
    極となる電極をあらかじめ形成した後、二次スクライブ
    溝に沿って二次ブレークすることにより、ユニット基板
    を個々の薄膜型コイル部品に分割することを特徴とする
    薄膜型コイル部品の製造方法。
  6. 【請求項6】前記マザー基板又はユニット基板のスクラ
    イブすべき領域の少なくとも主要部を基板表面が露出し
    た状態とし、 スクライバーにより露出した基板表面を直接スクライブ
    してマザー基板又はユニット基板を分割することを特徴
    とする請求項4又は5記載の薄膜型コイル部品の製造方
    法。
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