JPH10198968A - 記録媒体,光ディスク,その識別方法,その識別装置,その再生装置 - Google Patents

記録媒体,光ディスク,その識別方法,その識別装置,その再生装置

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JPH10198968A
JPH10198968A JP8357523A JP35752396A JPH10198968A JP H10198968 A JPH10198968 A JP H10198968A JP 8357523 A JP8357523 A JP 8357523A JP 35752396 A JP35752396 A JP 35752396A JP H10198968 A JPH10198968 A JP H10198968A
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Japan
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data
leakage
recording medium
optical disk
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JP8357523A
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Kazuhisa Ozaki
和久 尾崎
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 物理的手法の利点を生かしつつ、不正コピー
を良好に識別してその防止を図る。 【解決手段】 主データSMは、外部I/F38を介し
ストリームデータとして後部処理系に出力される。サブ
コードデータSSBは、外部サブコードレジスタ40を介
して制御用のマイクロプロセッサなどに出力される。マ
ージン部30に記録された識別データSIVは、外部に出
力されることはないが、トラッキングエラー信号におけ
る一定の周波数成分として識別データSIVによる漏洩成
分が検出される。しかし、不正コピーディスクには識別
データSIVは存在しないため、かかる漏洩成分は検出さ
れない。従って、トラッキングエラー信号中の特定周波
数の漏洩成分の有無により、正規ディスクであるか不正
コピーディスクであるかが識別される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、記録媒体,光デ
ィスク,その識別方法,その識別装置,その再生装置に
かかり、特に、TVゲーム用のソフトウエアが格納され
たディスク媒体とその識別,及びその再生に好適な光デ
ィスクのコピーセキュリティに対する改良に関するもの
である。
【0002】
【背景技術】音声ソフトや映像ソフト,あるいはコンピ
ュータソフトなどのソフト製品は、各種の記録媒体例え
ばフレキシブルディスクに対するコピーやパーソナルコ
ンピュータのハードディスクに対するコピー,あるいは
改変を容易に行うことができ、著作権侵害が起きやすい
という特質がある。特にゲームなどのアプリケーション
ソフトを中心に、多数の不正コピー品が横行しているの
が現状である。
【0003】このため、従来からソフト製品の媒体には
不正コピーに対する防止措置が執られてきており、多数
の不正コピー防止技術が提案されている。これらの手法
を大別すると、信号的に不正コピーを識別する論理的手
法と、形状的に不正コピーを識別する物理的手法に大別
される。どちらも、基本的な発想としては、媒体自体も
しくは媒体外部に何らかの特異なコードを論理的もしく
は物理的に記録するようにし、これを読み取ることで不
正コピーが識別される。例えば、記録媒体にコピーでき
ない特異なコードを記録する。本来の情報である音声・
映像やプログラムなどの主情報をコピーできても、特異
コード部分はコピーされない。従って、再生時にその特
異コード部分を解読すれば、その解読の有無によって不
正コピー品と正規品を判別することができる。一般的に
は、相当の設備を必要とする物理的手法のほうが、簡単
な設備で対応できる論理的手法よりも有効である。
【0004】なお、物理的手法の具体例としては、例え
ばEP0545472A1やUSP5247507に開
示されているように、ディスク上のピット列を蛇行(ウ
ォブル)させ、これによるトラッキングエラーを主情報
(音声や映像などの本来のソフト情報)とは別の第2の
情報として使用するものがある。また、特開平7−27
2282は、このようなウォブルピット列による第2の
情報を固有のセキュリティ情報として利用している。こ
れによれば、通常のピットからRF信号処理系によって
得られる主情報からはセキュリティ情報が得られず、通
常の再生機では検出できないトラッキングエラー信号か
らセキュリティ情報が得られるようになっており、サー
ボ系からの情報を積極的に利用した例である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような背景技術には次のような不都合がある。 (1)上述したウォブルしたピット列を物理的に記録す
る手法は、簡単にコピーできない点で非常に優れている
が、ウォブルピット列を形成するために、カッティング
マシンによる微細な記録作業やアナログ的な技術を必要
とする。
【0006】(2)一方、論理的手法では、不正コピー
を行うドライブ(駆動装置)と正規のドライブの信号処
理回路がほぼ同一であるため、不正コピー識別用の特異
論理コードが不正コピー用のドライブで発見されやす
い。すなわち、正規のドライブで特異論理コードが読取
り可能(外部から可視なデータ)であれば、不正コピー
用のドライブでも読取り可能となる可能性が高く、発見
されやすい。また、その特異論理コードも含めて、ディ
スク全体が丸ごとコピーされてしまうといった危険性も
ある。
【0007】そこで、物理的手法のように、信号処理回
路の外部からは不可視な論理コードをセキュリティデー
タとしてディスクに記録し、不正コピー用のドライブか
らは再生できないようにすれば、不正コピー用ドライブ
からのデータをもとにディスクを不正にコピーしようと
しても論理コードが複製されないため、不正コピーディ
スクの製造を防ぐことができる。しかし、正規のドライ
ブでは、その論理コードを何らかの方法で読みとって正
常再生が行われるようにする必要がある。すなわち、物
理的手法におけるウォブルピット列に相当するような論
理コードがあれば、相当の設備を必要とする物理的手法
の欠点を改善して簡単な設備で対応でき、好都合であ
る。
【0008】本発明は、これらの論理コードの問題を考
慮して創案されたもので、物理的手法の利点を生かしつ
つ、不正コピーを良好に識別してその防止を図ることが
できる論理的手法に基づく記録媒体,光ディスク,その
識別方法,その識別装置,その再生装置を提供すること
を、その目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、この発明は、論理的手法で識別データを媒体に書き
込み、通常の再生手段では検出できない物理的手法で、
その検出が行われる。信号記録は、ピット列のウォブル
などの操作を行うことなく通常の物理的手法で行われ
る。具体的には、フォーマット上存在する領域であっ
て、再生時には主情報として外部に出力されないデータ
が記録可能な領域に、再生時のサーボ系信号に漏洩する
固有の識別データをセキュリティ情報として信号記録し
たことを特徴とする。そして、サーボ系信号の漏洩を検
出して記録媒体の識別,すなわちその記録媒体が正規の
ものか不正コピーかの識別が行われ、不正コピーは排除
される。
【0010】主要な形態によれば、光ディスクの場合
は、トラッキングエラー信号に特定の周波数成分として
漏洩する固有の識別データが、セキュリティ情報として
通常の信号処理手段では不可視のマージン部に信号記録
される。そして、トラッキングエラー信号の漏洩を検出
して光ディスクの識別が行われ、不正ディスクは排除さ
れる。
【0011】この発明の前記及び他の目的,特徴,利点
は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態につい
て、実施例を参照しながら詳細に説明する。
【0013】(1)ディスク 最初に、本実施例にかかるディスクから説明する。な
お、この例ではコンパクトディスクに本発明を適用した
場合を例として説明する。ディスク10には、図1
(A)に示すように、トラック……,Trn-1,Trn,
Trn+1,……(nは自然数)が螺旋状に形成されてい
る。これらトラック……,Trn-1,Trn,Trn+1,
……には、音声,映像,プログラムなどの記録データが
インターリーブされて変調(例えばEFM)された信号
に対応するピット例が形成されている。
【0014】図1(B)に示す例では、トラックTrn-1
とトラックTrnの間にマージン部分12があり、2s
(2秒)の間隔がとられている(IEC908,JIS
X6281参照)。そして、このマージン部12の後
のデータ部14に、主情報であるPCMオーディオデー
タやプログラムデータなどが含まれる。同図(C)に
は、「CD−DA」におけるデータ部14の一例が示さ
れており、左右の音声にかかるPCMオーディオデータ
L,Rが交互に配列されている。同図(D)には、「C
D−ROM」におけるデータ部14の一例が示されてお
り、同期データ,ヘッダデータ,ユーザデータ,EDC
又はECCの順で配列されている。
【0015】ところで、ディスク10からの信号読み取
り手法としては、例えば図2に示すような3ビーム法が
一般的である。ディスク10上に螺旋状に形成されたピ
ット列には、同図(A)に示すように、3ビーム法のピ
ックアップ(図示せず)からの再生ビームスポットP1
〜P3がそれぞれピット列上に形成されている。なお、
ディスク回転方向は図中に矢印で示す通りである。信号
再生のための主ビームスポットP1が正確にピット列P
をトレースするように、他のビームスポットP2,P3
が利用される。すなわち、ビームスポットP2,P3の
ディスク10による反射光は、同図(B)に示すよう
に、フォトセンサ20,22にそれぞれ供給されて光電
変換される。変換後の信号VP2,VP3は減算器24に供
給され、ここでトラッキングエラー信号VP2−VP3が生
成される。このトラッキングエラー信号から、主ビーム
スポットP1のピット列Pからの位置ずれが検出され
る。このエラー信号に基づいてピックアップのトラッキ
ングサーボ制御が行われている。
【0016】この場合において、トラッキングサーボが
正常にかかっており、ビームスポットP1が正確にピッ
ト列Pをトレースしているときは、図3(A)に示すよ
うに、トラッキングエラー信号の振幅は時間的に略一定
である。しかし、周波数領域上から見ると、同図(B)
に示すように、ピット列Pの高周波成分SRF(RF信号
成分)がこのトラッキングエラー信号STEに漏洩してい
る。すなわち、トラッキングエラー信号の周波数成分S
TEは通常30kHz程度までだが、RF信号の周波数成
分SRFは3MHzのオーダで存在する。このような高周
波のトラッキングエラー信号STEに対する漏洩信号は、
通常トラッキングサーボ系に対して特に問題を起こさな
いし、またトラッキングサーボ系として特にその漏洩信
号を利用しているわけでもない。
【0017】上述した特開平7−272282号の図3
の例では、ピット列にウォブリングが施されている。こ
れは、データ再生系では読み取ることはできないが、ト
ラッキングエラー信号に漏洩してくるウォブル周波数成
分から検出することができ、これをセキュリティ信号と
して利用している。しかし、ピット列にウォブルを施さ
なくても、ピット列の並び方(上位レベルの記録デー
タ)によっては漏洩してくるトラッキングエラー信号の
周波数成分を規定することができ、この漏洩周波数成分
を検出することでセキュリティ情報を得ることができ
る。本実施例は、このような性質を積極的に利用してい
る。
【0018】図4にはその一例が示されている。例え
ば、図1(C)のPCMオーディオデータを、図4(A)
に示すように、「0」がある程度連続する無音に相当す
るデータとすると、図4(B)に示すように、トラッキ
ングエラー信号の周波数成分は低域に偏るようになり、
またいくつかの定常的成分が現れるようになる。あるい
は、図4(C)に示すように、「0101……」のよう
に上位レベルの記録データの周波数成分を上げたデータ
とすると、同図(D)に示すように、トラッキングエラ
ー信号の周波数成分は高域にシフトし、ノイズレベルが
全体に上がるようになる。
【0019】一方、上述したトラックのマージン部12
(図1(B)参照)は、ディスクデータの管理上あるい
は再生の余裕上必要であるが、通常の信号処理回路で内
部処理され、外部からはアクセス不能である。すなわ
ち、外部からみたとき、マージン部12は不可視であ
る。そこで、本実施例では、このマージン部12に、図
4(A)や(C)に示したような一定時間の連続パターン
であって、図4(B)や(D)に示したようなトラッキン
グエラー信号に一定の固定的な周波数成分を漏洩させる
データパターン又は固有のデータ列(以下「識別デー
タ」という)SIVが図1に示すように記録される。例え
ば、ディスクデータエンコーダ(図示せず)にデータを
入力する際にマージン部12は自動的に生成されるが、
これに換えて、ある一定の識別データパターンを選択的
に記録する。そして、そのトラッキングエラー信号中の
漏洩成分がディスクのセキュリティ情報として利用され
る。
【0020】図5には、図1(D)に適用した場合の再
生の様子が示されている。トラックTRには、マージン
部30には識別データSIVが記録されており、データ部
32には同期,ヘッダ,データ,EDC,ECCの主デ
ータSMがそれぞれ記録されている。また、ディスクに
は、マージン部と曲部の判別,曲数や時刻管理のための
サブコードデータSSBが記録されている。
【0021】これら主データSM,サブコードデータSS
B,識別データSIVは、いずれも信号処理系34の内部
処理系36に入力される。主データSMは、内部処理系
36による処理の後、外部I/F38を介しストリーム
データとして後部処理系(図示せず)に出力される。サ
ブコードデータSSBは、内部処理系36による処理の
後、外部サブコードレジスタ40を介して制御用のマイ
クロプロセッサなどに出力される。これらのデータは、
外部からその内容を知ることができる可視データであ
る。他方、識別データSIVは、内部処理系36に供給さ
れるものの、ここで処理されず、従って外部に出力され
ることはない。このため、信号処理系34の出力に基づ
いて不正コピーしたディスクには、識別データSIVは記
録されない。なお、不正コピーディスクのマージン部分
には、コピー時に既定のデータが当てはめられる。
【0022】一方、正規のディスクでは、上述したよう
に、そのトラッキングエラー信号における一定の周波数
成分として識別データSIVによる漏洩成分が検出され
る。しかし、不正コピーディスクには識別データSIVは
存在しないため、かかる漏洩成分は検出されない。従っ
て、トラッキングエラー信号中の特定周波数の漏洩成分
の有無により、正規ディスクであるか不正コピーディス
クであるかを識別することができる。
【0023】(2)識別・再生装置 次に、本実施例にかかる識別・再生装置について説明す
る。上述したディスク識別用の識別データSIVは、原理
的にはトラックのマージン部分のいずれか一個所に記録
されていればよい。しかし、以下の説明では、ディスク
にセキュリティ情報が記録されているマージン部が2つ
有り、それらに、例えば図4(A),(C)に示した2種
類のデータパターンが記録されていることを前提にす
る。図6には、その様子が示されており、ディスク50
のマージン部52,54に、それぞれ図4(A),(C)
に示したデータパターンが記録されている。
【0024】図6の装置は、本実施例にかかる識別・再
生装置の概略であり、光ピックアップ56の出力再生系
は、データをデコードする信号処理系と、サーボ処理を
行うサーボ系に大きく分けられる。信号処理系には、加
算器58,RF信号処理系60が含まれており、サーボ
系には、減算器24,サーボ処理系64が含まれてい
る。これらRF信号処理系60及びサーボ処理系64の
出力側はマイクロプロセッサ66に接続されている。そ
して、マイクロプロセッサ66の主情報処理出力(ある
いはRF信号処理系60の出力)は後部処理系(図示せ
ず)に供給され、サーボ情報処理出力は、ドライバ68
を介してスピンドルモータ70や光ピックアップ56の
移動やレンズ駆動などのサーボ制御対象に供給される構
成となっている。上述したように、本実施例におけるデ
ィスクのセキュリティ情報である識別データSIVは、R
F信号処理系60からは不可視なので、サーボ処理系6
4の出力に基づいて検出され、マイクロプロセッサ66
によってディスクの識別が行われる。
【0025】図7には、サーボ処理系64に含まれるデ
ィスク識別回路80の一構成例が示されている。同図に
おいて、ディスク50からの反射光を検出する光ピック
アップ56には、2分割のフォトセンサ20,22(図
2(B)参照)が含まれており、これらの光電変換出力
側は減算器24の−,+入力側にそれぞれ接続されてい
る。減算器24のトラッキングエラー信号出力側は、一
方においてサーボ系74の一部を構成するトラッキング
サーボ系76に接続されており、他方においてスイッチ
82の入力側に接続されている。スイッチ82の一方の
選択出力側は、バンドパスフィルタ群84に含まれるフ
ィルタ84A,84Bにそれぞれ接続されており、他方
の選択出力側は、バンドパスフィルタ群84に含まれる
フィルタ84C,84Dにそれぞれ接続されている。
【0026】フィルタ84A,84Cの出力側は、スイ
ッチ86の切換入力側にそれぞれ接続されており、フィ
ルタ84B,84Dの出力側は、スイッチ88の切換入
力側にそれぞれ接続されている。これらスイッチ86,
88は連動して切り換えられるようになっており、出力
側は検波器90,92にそれぞれ接続されている。これ
ら検波器90,92の出力側は、コンパレータ94,9
6を介してANDゲート98の入力側に接続されてお
り、このANDゲート98の出力側がマイクロプロセッ
サ66に接続されている。前記スイッチ82,86,8
8の切り換え制御は、マイクロプロセッサ66から供給
されるスイッチコントロール信号によって行われるよう
になっている。なお、マイクロプロセッサ66から出力
されるf0設定信号については後述する。
【0027】次に、図8を参照しながら、ディスク50
のマージン部52,54に記録された識別データと、ト
ラッキングエラー信号中の周波数成分との関係について
説明する。図6に示したように、本実施例では、識別デ
ータSIVが記録された2つのエリアであるマージン部5
2,54における識別データのパターンが異なる。この
ため、トラッキングエラー信号に漏洩する周波数スペク
トラムも、それに対応して2種類ある。また、各記録パ
ターンにおける漏洩成分の検出周波数は、それぞれ2つ
あり、両者は同時に且つある一定時間定常的に得られる
ようになっている。
【0028】例えば、マージン部52を光ピックアップ
56でシークしたときに得られるトラッキングエラー信
号の周波数スペクトラムは、例えば図8(A)に示すよ
うになる。このうち、定常的に現われる周波数f1,f2
の部分が、マージン部52に記録された識別データSIV
による漏洩成分である。これら周波数f1,f2を中心と
する周波数帯域Δf1,Δf2が、バンドパスフィルタ群
84のフィルタ84A,84Bでそれぞれ検出されるよ
うになっている。
【0029】一方、マージン部54を光ピックアップ5
6でシークしたときに得られるトラッキングエラー信号
の周波数スペクトラムは、例えば図8(B)に示すよう
になる。このうち、定常的に現われる周波数f3,f4の
部分が、マージン部54に記録された識別データSIVに
よる漏洩成分である。これら周波数f3,f4を中心とす
る周波数帯域Δf3,Δf4が、バンドパスフィルタ群8
4のフィルタ84C,84Dでそれぞれ検出されるよう
になっている。なお、前記周波数f1〜f4が全て異なる
方が、セキュリティチェックの信頼性が向上して好都合
である。
【0030】次に、図9のフローチャートも参照しなが
ら、以上のように構成されたディスク識別回路80の動
作を説明する。最初に、ディスク50がセットされる
(図9,ステップS10)。そし、ディスク50の回転
後、光ピックアップ56のフォーカス及びトラッキング
の各サーボ制御が行われる(ステップS12,S1
4)。フォーカスサーボは、光ピックアップ56の出力
に基づいてサーボ系74により行われる。トラッキング
サーボは、次のようにして行われる。すなわち、光ピッ
クアップ56によってディスク50に形成されたビーム
スポットP1〜P3(図2(A)参照)のうち、ビーム
スポットP2,P3の反射光は、フォトセンサ20,2
2によってそれぞれ検出され、光電変換信号が減算器2
4に入力される。減算器24では、入力間の減算が行わ
れ、トラッキングエラー信号が生成される(図2(B)
参照)。このトラッキングエラー信号は、トラッキング
サーボ系76に供給され、ここでトラッキングサーボ制
御が行われる。
【0031】一方、本実施例では、トラッキングエラー
信号がディスク識別回路80のスイッチ82にも供給さ
れる。スイッチ82,86,88は、マイクロプロセッ
サ66によってまず「1」側にそれぞれ切り換えられる
(ステップS16)。そして、この状態でマイクロプロ
セッサ66では、アクチュエータ(図示せず)によりマ
ージン部52の位置に光ピックアップ56をシークし、
マージン部52を含めて再生が行われる(ステップS1
8)。
【0032】ここで、ディスク50が正規のものであれ
ば、マージン部52に識別用の識別データSIVが記録さ
れている。従って、この場合には、図8(A)に示した
ように、トラッキングエラー信号中に周波数f1,f2の
漏洩成分が存在する。これらの漏洩成分は、フィルタ8
4A,84Bによってそれぞれ検出される。そして、Δ
f1の成分はスイッチ86を介して検波器90に供給さ
れ、Δf2の成分はスイッチ88を介して検波器92に
供給される。検波器90,92では、入力された所定周
波数帯域の信号の検波が行なわれ、これによって検出さ
れたアナログ信号は、コンパレータ94,96にそれぞ
れ供給される。
【0033】コンパレータ94,96では、入力アナロ
グ信号が所定レベルの基準電圧と比較され、検出の有無
を表わす2値化信号として出力される。例えば、周波数
f1,f2の検波信号レベルが所定レベル以上であれば、
それらの周波数成分を検出したとして論理値の「H」の
信号が出力される。しかし、所定レベル以下のときは、
検出しないとして論理値の「L」が出力される。これら
コンパレータ94,96の2値化信号はANDゲート9
8に供給される。ANDゲート98では、両入力に対し
てANDの演算が行われ、いずれの漏洩成分も検出され
たときに一致信号がマイクロプロセッサ66に出力され
る(ステップS20のY)。なお、不正コピーディスク
の場合は、前記漏洩成分は得られないので、マイクロプ
ロセッサ66には一致信号も入力されない。このため、
マイクロプロセッサ66では不正コピーディスクである
と判断され、ディスクの再生停止や排出などが行われる
(ステップS20のN,S22)。
【0034】次に、マージン部52でトラッキングエラ
ー信号に所定の漏洩成分が存在して前記一致信号が得ら
れたときは、マイクロプロセッサ66によってスイッチ
82,86,88が「2」側にそれぞれ切り換えられる
(ステップS24)。そして、この状態でマイクロプロ
セッサ66では、マージン部54の位置に光ピックアッ
プ56を移動してそのシークが行われる(ステップS2
6)。
【0035】ここで、ディスク50が正規のものであれ
ば、マージン部54に識別用の識別データSIVが記録さ
れている。従って、この場合には、図8(B)に示した
ように、トラッキングエラー信号中に周波数f3,f4の
漏洩成分が存在する。これらの漏洩成分は、フィルタ8
4C,84Dによってそれぞれ検出される。そして、Δ
f3の成分はスイッチ86を介して検波器90に供給さ
れ、Δf4の成分はスイッチ88を介して検波器92に
供給される。検波器90,92では入力信号の検波が行
なわれ、検出されたアナログ信号がコンパレータ94,
96にそれぞれ供給される。
【0036】コンパレータ94,96では、上述した場
合と同様に、検出の有無を表わす2値化信号が出力さ
れ、これらの2値化信号はANDゲート98に供給され
る。ANDゲート98では、両入力に対してANDの演
算が行われ、いずれの漏洩成分も検出されたときに一致
信号がマイクロプロセッサ66に出力される。そして、
マイクロプロセッサ66によって通常の再生動作が実行
される(ステップS28のY,S30)。例えば、主情
報が音声の場合にはその再生が行われ、コンピュータプ
ログラムの場合はそれが実行される。しかし、不正コピ
ーディスクの場合は、前記漏洩成分は得られないので、
ディスクの排除,例えば再生停止や排出などが行われる
(ステップS28のN,S22)。
【0037】以上のように、本実施例によれば次のよう
な効果がある。 (1)一定の識別データを記録するという論理的手法で
ありながら、不可視データとして機能するという物理的
手法の性質を備えており、簡便な設備で良好なセキュリ
ティを得ることができる。また、ディスクの製造コスト
も安価である。
【0038】(2)ディスク製造装置においては、上述
したピット列のウォブルのような物理的な操作を行う必
要がなく、信号記録を行うデジタルエンコーダに識別デ
ータを付加する若干の改造を行うのみでよく、比較的簡
単な設備で対応できる。
【0039】(3)識別用の論理コードをディスクに書
き込む操作でありながら物理的な信号検出手法であるた
め、ディスク複製装置側の信号処理系からはセキュリテ
ィ情報を読み出すことができない。従って、セキュリテ
ィ情報が発見され難く、不正コピーがかなり困難であ
る。
【0040】(4)セキュリティ情報として書き込まれ
る識別用の論理データがデジタル情報なので、その変更
がきわめて容易であるとともに短時間で行うことがで
き、ディスクのロットによって識別データを変更するな
どの処理を製造ライン上で実時間で行うことができる。
【0041】(5)再生側のディスク識別回路は、フィ
ルタなどによる簡単な装置構成でよく、またトラッキン
グエラー回路などは本来再生回路の一部としてLSIに
内蔵されている。このため、識別回路を含めても全体を
安価に得ることができる。
【0042】(6)主情報と関係のないマージン部分に
対する操作であり、主情報に一切加工を施さないので、
主情報のデータに対する信頼性はそのまま確保できる。
また、同様の理由により、識別用の論理データの記録個
所がフォーマット上問題のない部分なので、主情報部分
については、他のセキュリティ情報のないディスクに対
して良好に互換性を保つことができる。
【0043】この発明には数多くの実施の形態があり、
以上の開示に基づいて多様に改変することが可能であ
る。例えば、次のようなものも含まれる。 (1)前記実施例では、トラッキングエラー信号におけ
る識別データの漏洩成分を検出するため、4つのフィル
タ回路を設けたが、例えばマイクロコンピュータ66に
よって中心周波数をプログラマブルに設定できるフィル
タIC(例えばマキシム社製の「MAX261」など)
を用いてもよい。図7中、f0設定信号は、このような
フィルタICの中心周波数f0の設定を行うためのもの
である。フィルタに対するf0設定の制御信号線が更に
必要となるものの、検出する漏洩成分の帯域に応じてフ
ィルタの中心周波数f0をソフトウエアで設定すればよ
く、フィルタ回路が削減されてコストや実装面積などの
点で有利となる。
【0044】(2)前記実施例では、コンパクトディス
クの場合を例としたが、これに限定されるものではな
い。フォーマット上必要だが、前記マージン部分に相当
するようなデータ内容にあまり意味がなく通常は再生さ
れない領域,別言すれば、信号処理回路における内部的
な処理には必要だが、再生時に外部に出力されず外部か
ら不可視な部分が存在するものであれば、ミニディス
ク,MOディスク,DVD−ROM,磁気テープ,磁気
ディスクなど各種の記録媒体に適用可能である。また、
前記実施例ではトラッキングエラー信号に対する漏洩成
分を検出したが、他の主情報以外の信号,特にサーボ系
信号に対する漏洩を検出するようにしてもよい。
【0045】(3)前記実施例では、セキュリティ情報
検出の論理パターンの記録位置を2個所としたが、勿論
もっと増やして発見が困難な強固なセキュリティを得る
ようにしてもよい。また、前記実施例では、セキュリテ
ィ情報の検出周波数成分を2つとしたが、3つ以上に増
やすようにすれば、不正コピー品の周波数スペクトラム
が偶然にその所定周波数の成分を持っていたために正規
品と誤認識してしまう確率が低くなり、識別の信頼性が
向上する。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば次
のような効果がある。 (1)一定の識別データを記録するという論理的手法で
ありながら、不可視データとして機能するという物理的
手法の性質を備えており、簡便な設備で良好なセキュリ
ティを得ることができる。例えば、ディスク製造時に
は、信号記録を行うデジタルエンコーダに識別データを
付加する若干の改造を行うのみでよく、比較的簡単な設
備で対応できる。
【0047】(2)主情報に一切加工を施さないので、
主情報のデータに対する信頼性はそのまま確保でき、他
のセキュリティ情報のないディスクに対して良好に互換
性を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例における識別用の論理データの記録の
様子を示す図である。
【図2】ピット列と再生用ビームスポットの関係と、ト
ラッキングエラー信号の生成回路を示す図である。
【図3】トラッキングエラー信号の周波数スペクトラム
を示すグラフである。
【図4】識別データの論理パターンと漏洩周波数スペク
トラムの関係を示す図である。
【図5】本実施例における情報の流れを示す図である。
【図6】ディスク再生装置の概略構成を示すブロック図
である。
【図7】本実施例のディスク識別装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図8】トラッキングエラー信号における識別データに
よる漏洩成分を示す周波数スペクトラムのグラフであ
る。
【図9】ディスク識別の手順を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
10,50…ディスク 12,30,52,54…マージン部 14,32…データ部 20,22…フォトセンサ 24…減算器 34…信号処理系 36…内部処理系 38…外部I/F 40…外部サブコードレジスタ 56…光ピックアップ 58…加算器 60…RF信号処理系 64…サーボ処理系 66…マイクロプロセッサ(排除手段) 68…ドライバ 70…スピンドルモータ 74…サーボ系 76…トラッキングサーボ系 82,86,88…スイッチ 84…バンドパスフィルタ群(漏洩検出手段) 84A,84B,84C,84D…フィルタ(漏洩検出
手段) 90,92…検波器 94,96…コンパレータ 98…ANDゲート(識別手段)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォーマット上存在する領域であって、
    再生時には主情報として外部に出力されないデータが記
    録可能な領域に、再生時のサーボ系信号に漏洩する固有
    の識別データをセキュリティ情報として信号記録したこ
    とを特徴とする記録媒体。
  2. 【請求項2】 トラッキングエラー信号に特定の周波数
    成分として漏洩する固有の識別データを、セキュリティ
    情報としてマージン部に信号記録したことを特徴とする
    光ディスク。
  3. 【請求項3】 フォーマット上存在する領域に識別デー
    タをセキュリティ情報として記録し、再生時に識別デー
    タによるサーボ系信号への漏洩を検出して記録媒体の識
    別を行うことを特徴とする記録媒体の識別方法。
  4. 【請求項4】 マージン部に識別データをセキュリティ
    情報として記録し、再生時に識別データによるトラッキ
    ングエラー信号への漏洩を検出して光ディスクの識別を
    行うことを特徴とする光ディスクの識別方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の記録媒体の識別装置であ
    って、前記サーボ系信号における識別データの漏洩を検
    出する漏洩検出手段,この漏洩検出手段による検出結果
    に基づいて記録媒体の識別を行う識別手段,を備えたこ
    とを特徴とする記録媒体の識別装置。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の光ディスクの識別装置で
    あって、前記トラッキングエラー信号における識別デー
    タの漏洩を検出する漏洩検出手段,この漏洩検出手段に
    よる検出結果に基づいて光ディスクの識別を行う識別手
    段,を備えたことを特徴とする光ディスクの識別装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の識別装置を含み、前記識
    別手段によって記録媒体が不正コピーであると識別され
    たときは、その記録媒体を排除する排除手段を備えたこ
    とを特徴とする記録媒体の再生装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の識別装置を含み、前記識
    別手段によって光ディスクが不正コピーであると識別さ
    れたときは、その光ディスクを排除する排除手段を備え
    たことを特徴とする光ディスクの再生装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100309694B1 (ko) * 1998-11-06 2001-12-28 구자홍 진본판별이가능한광디스크및이의판별방법
KR100643449B1 (ko) * 1999-12-09 2006-11-13 엘지전자 주식회사 광 디스크 및 복제방지 처리된 광디스크의 판단 방법

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