JPH10198967A - ディスク状記録媒体及びディスクドライブ装置 - Google Patents

ディスク状記録媒体及びディスクドライブ装置

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JPH10198967A
JPH10198967A JP8356777A JP35677796A JPH10198967A JP H10198967 A JPH10198967 A JP H10198967A JP 8356777 A JP8356777 A JP 8356777A JP 35677796 A JP35677796 A JP 35677796A JP H10198967 A JPH10198967 A JP H10198967A
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JP
Japan
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servo
pattern
area
track
disk
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JP8356777A
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English (en)
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Hideyoshi Horigome
秀嘉 堀米
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Moving Of The Head For Recording And Reproducing By Optical Means (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスク種別やエリアの判別に好適なフォー
マットを有するディスク状記録媒体及びそれに対応する
ディスクドライブ装置の提供。 【解決手段】 レーザスポットによるトラック走査位置
間隔でみたディスク半径方向での各サーボエリアに現れ
るサーボピットパターンの並び様式と、ディスク円周方
向に並ぶ各サーボエリアに現れるサーボピットパターン
の並び様式の一方もしくは両方が、ディスクの種別もし
くはディスク上でのエリア種別を表すようにする。即ち
トラッキングサーボピットの出現パターンの変化を観測
することでディスク種別やエリア種別を判別できるよう
にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばコンピュー
タ用途のデータ、音楽データ、映像データなど各種デー
タの記録再生に適した記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ機器に用いる各種のデータ
(アプリケーションプログラム、ファイルデータ、管理
データ等)を光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディス
ク、メモリカード、磁気テープなどの記録媒体が用いら
れて提供されたり、これらの記録媒体を用いてユーザー
が任意に各種データの保存を行なうことが一般化してい
る。
【0003】例えばこのような記録媒体の一種として、
近年、パーシャルROMディスクといわれるメディアが
開発されており、このパーシャルROMディスクは再生
専用のROM領域と、記録/再生可能なリライタブル領
域(RAM領域)を有するものとされている。記録再生
システムとしては、例えばこのパーシャルROMディス
クと、全てのユーザー領域がROM領域とされているR
OMディスクと、全てのユーザー領域がリライタブル領
域とされているRAMディスクとを、一つのディスクド
ライブ装置で互換利用できるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところでこのように複
数種類のディスクを互換利用できるディスクドライブ装
置では、ディスク装填時にディスクの種別を判別するこ
とが必要である。また、互換利用できるできないに関わ
らず、パーシャルROMディスクのように複数の異なる
エリアを有するディスクを使用するディスクドライブ装
置では、記録再生時に、現在の走査位置のエリア種別を
できるようにすることが必要である。特にアドレスなど
のデータによらずエリア種別を判別できるようにし、こ
れによってシーク中などでも容易にエリア判別可能とす
ることが求められている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような事情
に鑑みて、ディスク種別やエリアの判別に好適なフォー
マットを有するディスク状記録媒体及びそれに対応する
ディスクドライブ装置を提供することを目的とする。
【0006】このため、サーボ信号を得るためのピット
が形成されたサーボエリアと、データの記録又は再生が
可能とされるデータエリアとにより1つの単位領域が形
成されるとともに、この単位領域が複数連続して1周回
トラックが形成される記録媒体において、各サーボエリ
アには、レーザスポットのトラッキング制御を実行させ
る3相トラッキングサーボ信号を得るための、第1のパ
ターン、第2のパターン、第3のパターンのうちのいず
れかのサーボピットパターンが形成されているようにす
る。そしてレーザスポットによるトラック走査位置間隔
でみたディスク半径方向での各サーボエリアに現れるサ
ーボピットパターンの並び様式と、ディスク円周方向に
並ぶ各サーボエリアに現れるサーボピットパターンの並
び様式の一方か両方が、ディスクの種別もしくはディス
ク上でのエリア種別を表すようにする。即ちトラッキン
グサーボピットの出現パターンの変化を観測することで
ディスク種別やエリア種別を判別できるようにする。
【0007】特にディスク上のエリアとしてROM領域
とリライタブル領域が混在されているディスク状記録媒
体では、ROM領域とリライタブル領域で、レーザスポ
ットによるトラック走査位置間隔でみたディスク半径方
向での各サーボエリアに現れるサーボピットパターンの
並び様式と、ディスク円周方向に並ぶ各サーボエリアに
現れるサーボピットパターンの並び様式の一方又は両方
が、異なる並び様式とされることでエリア種別を表現す
るようにする。
【0008】また、ディスク円周方向に並ぶ各サーボエ
リアに現れるサーボピットパターンの並び様式として、
1周回トラック毎もしくは(1/N)周回トラック毎
(ただしNは1周回トラックでの単位領域の数以下の自
然数)にサーボピットパターンが変化していくように形
成されている領域を有するようにする。さらに、或るエ
リア内においては、レーザスポットによるトラック走査
位置間隔でみたディスク半径方向での各サーボエリアに
現れるサーボピットパターンの並び様式と、ディスク円
周方向に並ぶ各サーボエリアに現れるサーボピットパタ
ーンの並び様式を統一したい場合には、ディスク円周方
向に並ぶ各サーボエリアに現れるサーボピットパターン
の並び様式として、(1/M)周回トラック毎にサーボ
ピットパターンが変化していくように形成する。ただし
M=3x+1で、xは3x+1が1周回トラックでの単
位領域の数以下であることを満たす範囲の自然数または
0とする。
【0009】このようなディスク状記録媒体に対応して
記録又は再生動作を行うディスクドライブ装置として
は、各サーボエリアでのサーボピットパターンの検出信
号を用いてレーザスポットのトラッキング制御を行うト
ラッキング制御手段と、各サーボエリアにおいて第1の
パターン、第2のパターン、第3のパターンのうちのい
ずれのサーボピットパターンが形成されているかを検出
するパターン検出手段と、パターン検出手段で検出され
る、各サーボエリアでのサーボピットパターンの並び様
式から、ディスクの種別もしくはディスク上でのエリア
種別を判別する判別手段とを備えてるようにする。つま
り判別手段は、レーザスポットによるトラック走査位置
間隔でみたディスク半径方向での各サーボエリアに現れ
るサーボピットパターンの並び様式、もしくはディスク
円周方向に並ぶ各サーボエリアに現れるサーボピットパ
ターンの並び様式に基づいて、アドレスデータ抽出など
の動作によらずにディスクの種別もしくはディスク上で
のエリア種別を判別できるようにする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の記録媒体の実施の
形態を次の順序で説明していく。なお説明では記録媒体
の例としてROMディスク、RAMディスク、パーシャ
ルROMディスクをあげる。 [I ディスクフォーマット] <I−1.ディスクの構造及び種別> <I−2.トラック/フレーム/セグメントの構造> <I−3.セクター構造> <I−4.サーボエリア> <I−5.アドレスセグメント> [II 記録再生装置] <II−1.装置構成及び動作> <II−2.3相トラッキング動作例> [III ROMディスク] <III −1.ツインピット型ROMディスク> <III −2.2チャンネルツインピットとロジカルツイ
ンピット> <III −3.ツインピットデータの読出方式> <III −4.ウォブルピットを含めたツインピット方式
> [IV RAMディスク] <IV−1.L/G交互型RAMディスク> [V パーシャルROMディスク.タイプ1] <V−1.ディスクフォーマット> <V−2.エリア判別動作> <V−3.変速再生動作> [VI パーシャルROMディスク.タイプ2] <VI−1.ディスクフォーマット> <VI−2.エリア判別動作> <VI−3.変速再生動作> [VII パーシャルROMディスク.タイプ3] <VII −1.ディスクフォーマット> <VII −2.エリア判別動作> <VII −3.変速再生動作> [VIII パーシャルROMディスク.タイプ4] <VIII−1.ディスクフォーマット> <VIII−2.エリア判別動作> <VIII−3.変速再生動作> [IX パーシャルROMディスク.タイプ5] <IX−1.ディスクフォーマット> <IX−2.エリア判別動作> <IX−3.変速再生動作>
【0011】[I ディスクフォーマット] <I−1.ディスクの構造及び種別>まず、本発明を適
用した光ディスクの構造及び種別について説明する。こ
の光ディスクは、ゾーンCAV方式で、かつ、サンプル
サーボ方式の光ディスクとされる。
【0012】図1及び図2は、本例のディスクの外周側
から内周側までのゾーン構造を示したものである。図1
はディスクイメージでゾーン構造を示し、図2はディス
ク半径方向にみた場合のゾーン構造を模式的に示したも
のである。
【0013】図1、図2からわかるように、ディスク最
外周側には736トラック分のGCP(Gray Code Par
t)ゾーンが設けられ、内周側に向かって2トラック分
のバッファゾーン、5トラック分のアウターコントロー
ルSFPゾーン、2トラック分のバッファゾーン、5ト
ラック分のテストゾーンが設けられる。なお図1ではバ
ッファゾーンについては記載を省略している。
【0014】そしてテストゾーンに続いて、ユーザーが
所望のデータの記録を行なうことができるリライタブル
領域ARW及び再生専用のROM領域AEから成る主デ
ータ領域としてのユーザーエリアが形成される。ユーザ
ーエリアはバンド0〜バンド15の16バンド(16ゾ
ーン)に分割されている。各バンドのトラック数として
は、それぞれ所定のトラック数が規定されている。例え
ばバンド0は848トラック、バンド1は864トラッ
ク、バンド2は880トラック・・・・・ というように規定
されている
【0015】ユーザーエリアより内周側には5トラック
分のテストゾーン、2トラック分のバッファゾーン、5
トラック分のインナーコントロールSFPゾーン、2ト
ラック分のバッファゾーン、820トラック分のGCP
ゾーンが設けられる。GCPゾーン、アウターコントロ
ールSFPゾーン、インナーコントロールSFPゾーン
は、それぞれ所定のコントロール情報が記録されるエリ
アとされ、ユーザーデータは記録されない。
【0016】このディスクは、ゾーン単位で定速回転さ
れるいわゆるゾーンCAVディスクとされており、ユー
ザーエリアにおけるバンド0〜バンド15の16バンド
がそれぞれ定速回転ゾーンとされている。ゾーンCAV
方式は、光ディスクを一定速度で回転させ、各ゾーン
(バンド)に記録されるデータのクロック周波数を可変
することにより、各ゾーンの記録密度を略一定とし、そ
れによってディスクの回転制御を容易に実行できるよう
にすると共に、単なるCAV方式と比較してた記録容量
を増大させるものである。
【0017】このディスクについての線速度は外周側ほ
ど大きいので、データ読出に用いるデータクロックDC
Kの周波数は外周側ほど高いものとされる。一方後述す
るサーボ動作などに用いるサーボクロックSCKは、ゾ
ーンと無関係に一定の周波数である。そしてデータクロ
ックDCKは、サーボクロックSCKのM/N倍した周
波数のものとされる。
【0018】ユーザーエリアとしての16バンドのそれ
ぞれは、全てエンボスピットによりデータが記録された
再生専用領域(ROM領域)AEとすることもできる
し、またいわゆる光磁気領域としてランド/グルーブを
形成し、ユーザーが任意に記録/再生を行なうことので
きるリライタブル領域ARWとすることもできる。16
バンドのうち幾つをリライタブル領域ARWとし、幾つ
をROM領域AEとするかは製造者側で任意に設定でき
る。
【0019】これにより図3に示したように各種のディ
スクメディアが実現される。図3(a)はユーザーエリ
ア全体がエンボスピットなどによるROM領域AEとさ
れているROMディスクである。つまりバンド0〜バン
ド15の全てがROM領域AEとされたディスクであ
る。
【0020】また図3(b)はユーザーエリア全体が記
録/再生可能なリライタブル領域ARWとされているR
AMディスクである。つまりバンド0〜バンド15の全
てがリライタブル領域ARWとされたディスクである。
【0021】図3(c)(d)はパーシャルROMディ
スクの例である。即ち1枚のディスクのユーザーエリア
においてROM領域AEとリライタブル領域ARWが設
けられているものである。図3(c)はバンド0〜バン
ド15のうち外周側のいくつかのバンドがROM領域A
Eとされ、内周側のいくつかのバンドがリイライタブル
領域ARWとされたパーシャルROMディスクの例であ
る。また図3(d)はバンド0〜バンド15のうち外周
側のいくつかのバンドがリイライタブル領域ARWとさ
れ、内周側のいくつかのバンドがROM領域AE領域と
されたパーシャルROMディスクの例である。この2つ
のエリア設定例はパーシャルROMディスクとしてのあ
くまでも例にすぎない。これ以外に、例えばROM領域
AEとリライタブル領域ARWの一方又は両方が複数単
位あり、外周側から交互に設定されるものも考えられ
る。極端な例としては、バンド0、2、4、6・・・・
14がROM領域、バンド1、3、5、7・・・・15
がリライタブル領域ARWとされるようなことも考えら
れる。
【0022】どのような形態であれ、1枚のディスクの
ユーザーエリアにおいてROM領域AEとリライタブル
領域ARWが並存しているものをパーシャルROMディ
スクとしている。なお、後述する各種タイプのパーシャ
ルROMの例(タイプ1〜タイプ5)は、図3(d)の
ように外周側がリライタブル領域ARWとされているも
のとして説明を行うこととするが、それらの各例で説明
する技術思想は、図3(c)のタイプや、上記したより
多数の領域分割されたようなエリア設定のパーシャルR
OMディスクでも適用できるものである。
【0023】<I−2.トラック/フレーム/セグメン
トの構造>図4、図5でトラック、フレーム、セグメン
トの構造を説明する。図4はトラック、フレーム、セグ
メントの構造を円周方向に模式的に示したものであり、
また図5は1トラック(1周回トラック)分の構造を帯
状に示したものである。
【0024】まず図5(a)に示すように1トラック、
即ちディスクの一周分の領域は、フレーム0〜フレーム
99の100フレームによって構成されている。そして
図5(b)に示すように、1つのフレームには14個の
セグメントという単位領域が形成されている。従って1
トラックは1400セグメントで構成されることにな
る。
【0025】図4には、光ディスクのトラック1周が1
400個のセグメント(セグメントSEG0〜SEG1
399)に分割されていることが示されている。また1
4個のセグメント(例えばセグメントSEG0〜SEG
13)で1フレームが形成されることも表わされてい
る。
【0026】図4に示すセグメントSEG0〜SEG1
399は、その内容的な種別としてアドレスセグメント
ASEG0〜ASEG99とデータセグメントDSEG
0〜DSEG1299に分類される。なお以下、説明の
うえで或るセグメントを示す場合、セグメントSEG
(x)、アドレスセグメントASEG(x)、データセ
グメントDSEG(x)という表記を用いる。
【0027】アドレスセグメントASEG(x)にはデ
ィスク上のラジアル方向における位置情報(すなわちト
ラック番号)とタンジェンシャル方向における位置情報
(即ちセグメント番号)が予めエンボスピットにより記
録されている。
【0028】アドレスセグメントASEG(x)は14
セグメント毎に存在する。つまり1フレームに1つ存在
することになる。従って1トラックで100個のアドレ
スセグメントASEG0〜ASEG99が存在する。各
アドレスセグメントASEG0〜ASEG99は、それ
ぞれフレーム0〜フレーム99の先頭のセグメントとな
る。
【0029】或るアドレスセクメントASEG(x)か
ら次のアドレスセグメントASEG(x+1)までの間
には、13個のセグメントが存在するが、この13個の
セグメントはそれぞれデータセグメントDSEG(x)
となる。つまり1フレームにつき、例えばデータセグメ
ントDSEG0〜DSEG12のように13個のデータ
セグメントDSEG(x)が存在し、1トラックには1
300個のデータセグメント(DSEG0〜DSEG1
299)が存在することになる。
【0030】また、各セグメント(SEG0〜SEG1
399)はそれぞれ、サーボクロックSCKを基準とし
て216サーボクロック分の領域で形成される。そして
24サーボクロック分の領域がサーボエリアARsとさ
れ、また192サーボクロック分の領域がデータエリア
ARdとされる。アドレスセグメント(ASEG0〜A
SEG99)については、データエリアARdは、アド
レスエリアARdaとレーザ制御エリアARdbに分け
られる。
【0031】図5(c)にアドレスセグメントASEG
(x)を、また図5(d)にデータセグメントDSEG
(x)の構造を示す。図5(c)に示すようにアドレス
セグメントASEG(x)はサーボクロックSCKを基
準として、216サーボクロックの長さのものである
が、セグメントの先頭にエンボス加工等で後述するサー
ボピットが形成されたサーボエリア(24SCK)が位
置し、次の10サーボクロック分の領域がブランクとさ
れる。
【0032】そして、その次の84サーボクロック+2
4サーボクロック分の領域がアドレスおよび追加アドレ
スのエリアとされ、アドレスセグメントの最後に、AL
PC(Automatic Laser Power Control)エリアが74サ
ーボクロック分だけ設けられている。
【0033】アドレスセグメントASEG(x)におけ
るデータは、エンボス加工によるピット等により、予め
ディスク上に記録されている。ALPCエリアは、読み
取りレーザーパワーを所定のレベルに制御するために使
用される領域である。
【0034】データセグメントDSEG(x)も、アド
レスセグメントASEG(x)と同じ長さ(216SC
K)とされており、セグメントの先頭には同様に、エン
ボス加工等で後述するサーボピットが形成されたサーボ
エリア(24SCK)が配されている。
【0035】サーボエリアの後に、データクロックDC
Kを基準として表すと、12DCKの長さのブリライト
エリアPRと、データ記録エリアと、4DCKの長さの
ポストライトエリアPOとが配されている。上述したデ
ィスク上のゾーンによって、データクロックDCKの周
波数が異なるので、データ記録エリア中には、ゾーンに
応じて176DCK〜368DCKのデータが記録され
ることになる。
【0036】プリライトエリアPRは、ディスクがデー
タ記録に対して安定な温度となるように予熱するのに必
要な距離を確保すると共に、複屈折などによるDC変動
を抑えるクランプエリアとして機能する。ポストライト
エリアPOは、オーバーライト時において、記録されて
いたデータの消し残りを無くすための余裕領域として設
けられている。
【0037】<I−3.セクター構造>次にセクター構
造を説明する。上述してきたトラック/フレーム/セグ
メントは、ディスク上の物理的な単位となるが、セクタ
ーとは実データ量に応じた論理的な単位となる。そして
例えばアウターコントロールSFPゾーンは100セク
ター、外周側のテストゾーンは100セクター、バンド
0〜バンド15はそれぞれ20800セクター、内周側
のテストゾーンは50セクター、インナーコントロール
SFPゾーンは50セクターと設定される。
【0038】1セクターに含まれるユーザーデータは2
048バイトと規定され、このセクターとしてのデータ
量は一定であるが、上述したようにゾーンによって1セ
グメント当たりのバイト数(1データセグメントDSE
G(x)のデータ記録エリアに記録できるデータバイト
容量)が異なるため、1セクターを構成するセグメント
数はゾーンによって異なることになる。
【0039】例えばバンド0となるゾーンでは、1セグ
メント当りのデータバイト容量が48バイトとなり、1
セクター当たり53セグメントとなる。またバンド14
となるゾーンでは、1セグメント当たりのデータバイト
容量が22バイトとなり、1セクター当たり110セグ
メントとなる。
【0040】或るセグメントからセクターが開始され1
セクターを構成するセグメント数が終ると、そのセクタ
ーを終了し、最後のセグメント内に余ったバイトがあっ
ても、その余ったバイトを次のセクタとしては使用せ
ず、次のセグメントから次のセクターを開始する。従っ
て、セクターの開始位置は必ずセグメントの開始位置に
一致する。またゾーンの先頭では最初のフレーム(フレ
ーム0)の最初のセグメントからセクター0が開始され
る。従って、各ゾーンの先頭位置となるセクター0の開
始位置が半径方向で一致した位置となる。
【0041】図6にセクター構造を示す。各セクターの
データとしては、2048バイトのユーザデータと、エ
ラー訂正符号の冗長コード(256バイト)と、エラー
検出用のCRCコード(8バイト)と、ユーザデファイ
ンドデータ(40バイト)との合計2352バイトが含
まれる。そして、データの前に、66バイトのリファレ
ンスデータが付加され、1セクタが2418バイトのサ
イズとされている。
【0042】リファレンスデータは、その再生RF信号
の波形を示すように、4バイト分の8Tパターンと、1
2バイト分の2Tパターンを4回繰り返し、さらに検出
された情報を設定するための余裕分として2バイトのオ
ール『0』のパターンとからなる。このリファレンスデ
ータは、ユーザデータと同様に、ゾーンCAV方式で記
録される。そして2Tパターンは、記録パワー変動等に
よるDC的なピット位置のずれを再生時に補正するため
に用いられる。また8Tパターンは、パーシャル・レス
ポンスによる3値検出の時のスレッショルドを設定する
ために用いられる。
【0043】<I−4.サーボエリア>図4、図5で説
明したように全てのセグメント(SEG0〜SEG13
99)には先頭の24サーボクロック分の領域がサーボ
エリアARsとされている。このサーボエリアARsに
は、トラッキングサーボ情報やサーボクロック生成のた
めの情報及びセグメントの種別情報を表現するための所
定パターンのピット列が形成される(本明細書ではサー
ボエリアARs内に形成されているピットをサーボピッ
トと呼ぶこととする)。
【0044】詳しくは後述するが、本例ではトラッキン
グ制御方式として3相トラッキングと呼ばれる方式を採
用する。このために本例では、サーボピットのパターン
として図7(a)に示されるAパターン、Bパターン、
Cパターンを用意するものとしている。
【0045】図7(a)の各パターンにはそれぞれトラ
ッキングセンタ(即ちビームスポットによる通常の走査
位置)を実線で示しているが、全てのサーボピットはト
ラッキングセンタから約1/4トラックピッチ(もしく
は1/2トラックピッチ)だけ偏位した位置に形成され
る。そしてサーボエリアARs内における3つのポジシ
ョンPSA ,PSB ,PSC においてピットが形成され
るが、AパターンではポジションPSA においてトラッ
キングセンタの両側にピットが形成され、ポジションP
B においてトラッキングセンタより内周側のみにピッ
トが形成され、ポジションPSC においてトラッキング
センタより外周側のみにピットが形成される。
【0046】またBパターンでは、ポジションPSA
おいてトラッキングセンタより外周側のみにピットが形
成され、ポジションPSB においてトラッキングセンタ
の両側にピットが形成され、ポジションPSC において
トラッキングセンタより内周側のみにピットが形成され
る。
【0047】Cパターンでは、ポジションPSA におい
てトラッキングセンタより内周側のみにピットが形成さ
れ、ポジションPSB においてトラッキングセンタよる
外周側のみにピットが形成され、ポジションPSC にお
いてトラッキングセンタの両側にピットが形成される。
【0048】これら各パターンはディスク半径方向に隣
接するトラックのそれぞれに対して独立に設けられても
よいが、ディスクの高密度記録の要請からトラックピッ
チを狭くすることを考えると、ディスク半径方向に隣接
するトラックのそれぞれに対して独立に設けず、図7
(b)ようにポジションPSA ,PSC にピットが形成
される列と、ポジションPSA ,PSB にピットが形成
される列と、ポジションPSB ,PSC にピットが形成
される列とが順番に並ぶことによって、図中の実線矢印
で示すトラッキングセンタからみて、Aパターン〜Cパ
ターンがみられるものとなる。
【0049】ただし、後述するツイントラック型、ツイ
ンピット型の領域を有するディスクの場合は、その領域
では、ビームスポットの1度の走査により、その走査軌
跡の両側の2つのデータトラックが再生されるものとな
る。この場合データトラック自体のピッチの2倍が半径
方向でのビームスポットの走査間隔となる。図7(b)
の例は、実線がデータトラックの位置とは走査位置の両
方を示すことになるが、図7(c)の例は、ツイントラ
ック型、ツインピット型の例に対応するものであり、実
線は走査位置を示し、トラックピッチはその実線の間隔
の1/2となる。
【0050】サーボピット自体のピッチ、及びデータが
記録されるトラックのピッチは図7(b)と図7(c)
は同じである。図7(b)と図7(c)の走査は、それ
ぞれトラック(ピット列やランド/グルーブ)の螺旋構
造(一重螺旋、二重螺旋)に応じて行われることにな
る。換言すれば、図7(b)の走査が行われる領域で
は、走査が一重螺旋トラックに応じて進行していくとき
に、半径方向にみてA→B→C→A→B→C→・・・・とい
う各パターンに応じてトラッキング制御が行われてい
く。このとき結果的に図7(b)のようにトラック幅方
向にサーボピット列のピッチ単位での記録再生走査が行
なわれることになる。一方、図7(c)の走査が行われ
る領域では、走査が二重螺旋トラックに応じて進行して
いくときに、半径方向にみてC→B→A→C→B→A→
・・・・という各パターンに応じてトラッキング制御が行わ
れていき、結果的に図7(c)のようにトラック幅方向
にサーボピット列のピッチ単位の2倍のピッチでの記録
再生走査が行なわれることになる。
【0051】このような動作を実現する3相トラッキン
グ動作については後述し、まず図8でサーボエリアAR
sの構造を説明する。なお、図8(a)は、アドレスセ
グメントASEG(x)におけるサーボエリアARs
を、図8(b)〜(d)は、データセグメントDSEG
(x)におけるサーボエリアARsをそれぞれ示してい
る。また図8(a)〜(d)では、ぞれぞれサーボピッ
トのパターンが図7(a)におけるAパターンとなって
いるサーボエリアARsを例にあげて示している。
【0052】図8には24サーボクロック(SCK)の
タイミング位置を上段に示しているが、サーボピットは
それぞれ2SCK分の長さのピットとされる。サーボピ
ットは全てエンボスピットとして形成される。
【0053】説明上仮に、24サーボクロックの各タイ
ミングに相当するサーボエリアARs内のタイミング位
置を上段の数字にあわせて位置1〜位置24とすると、
ポジションPSA は位置3〜位置7の区間とされ、この
間に2SCK分の長さのピットが形成される。またポジ
ションPSB は位置11,位置12の区間、ポジション
PSC は位置16,位置17の区間とされる。
【0054】各ポジションPSA ,PSB ,PSC に形
成されるサーボピットの中心位置は、それぞれ互いに少
なくとも5SCK分以上離れている。また各サーボピッ
トは全てトラッキングセンタよりも±1/4トラックピ
ッチ(もしくは±1/2トラックピッチ)ずれた位置に
形成される。
【0055】サーボエリアARsのサーボピットはそれ
ぞれ2SCK分の長さとされていることによって、エン
ボスピットの形成されていない部分、すなわちミラー部
分が少なくなり、ディスク成形時のゴーストピット等の
発生を抑えることができる。さらにアクセス時に、サー
ボピットからRF信号が安定して再生されるため、サー
ボピットから再生したRF信号に基づいて、トラッキン
グサーボ信号などの各種サーボ信号を安定して生成する
ことが可能になる。
【0056】さらに、各サーボピットの中心の間隔を所
定間隔以上離すことによって、各サーボピットから再生
されるRF信号間のデータ干渉を極めて小きくすること
ができる。このデータ干渉を小さくするには、本例のよ
うに少なくとも各サーボピットが少なくとも5SCK以
上離すことが好適である。
【0057】このようなサーボピットによって得られる
RF信号によりいわゆる3相トラッキングとしての動作
が実現され、またサーボクロックSCK(及びサーボク
ロックSCKを分周して生成するデータクロックDC
K)が生成される。
【0058】位置18〜位置23の6SCK分の領域は
フォーカスサンプルエリアARfsとされる。フォーカ
スサンプルエリアARfsはミラー部とされており、こ
のフォーカスサンプルエリアARfsはディスク記録再
生装置においてフォーカスサーボ、リードパワーの自動
制御(APC:Automatic Power Control )、RF信号
のクランプ処理などを行なうために用いられるエリアと
される。これらの処理のために各種サンプルパルスの位
置を正確に特定することは難しく、±0.5 サーボクロッ
ク以下の変動が予想される。このため、このような変動
が加わった場合でもサーボピットによるRF信号のレベ
ルの変調の影響を受けることなく正確な値でサンプリン
グするために6SCK分の領域として設定されている。
【0059】またポジションPSA としては、サーボピ
ットの位置として図8(a)〜(d)に示す4種類があ
るが、このサーボピットの位置によりセグメントの種別
が表わされている。アドレスセグメントASEG(x)
の場合は、ポジションPSA において位置3,位置4に
サーボピットが形成される。つまりこのサーボピットが
アドレスマークADMとして機能する。
【0060】データセグメントDSEG(x)のうち、
セクターの先頭となるデータセグメントの場合は、ポジ
ションPSA において位置4,位置5にサーボピットが
形成される。つまりこのサーボピットが第1のセクター
マークSTM1として機能する。
【0061】データセグメントDSEG(x)のうち、
次のセグメントがセクターの先頭となるデータセグメン
トの場合は、ポジションPSA において位置5,位置6
にサーボピットが形成される。このサーボピットが第2
のセクターマークSTM2として機能する。
【0062】データセグメントDSEG(x)のうち、
図8(b)(c)に該当しないセグメントについては、
ポジションPSA において位置6,位置7にサーボピッ
トが形成され、このサーボピットがセグメントマークS
GMとして機能する。
【0063】このようにポジションPSA 内におけるサ
ーボピットの位置により示されるセグメントの種別情報
は、いわゆるディファレンシャルデジテクション法(差
分最大値検出)によって、再生したRF信号が最大振幅
値を取る位置を調べることによって検出できる。このポ
ジションPSA 内におけるサーボピットの位置により示
されるセグメントの種別情報により、セクター単位にセ
クタナンバやトラックアドレスを記録しなくてもよいこ
とになる。
【0064】<I−5.アドレスセグメント>図9、図
10によりアドレスセグメントASEG(x)について
説明する。図3(c)においてアドレスセグメントAS
EG(x)の構造を説明したが、図9(a)は図3
(c)と同内容であり、このうちで84SCKの領域に
記録されるアドレスコードと24SCKの領域に記録さ
れる追加アドレスの詳細な構成を図9(b)に示してい
る。
【0065】アドレスコードおよび追加アドレスは、エ
ンボス加工等により予め記録され、トラック方向の位置
情報を示すものである。アドレスコードおよび追加アド
レスとしては、図9(b)に示すコードを有する。即ち
アドレスコードとしてはアクセスコード(AM,A2,
A3,AL,パリティ)とフレームコード(FM,F
L)とが設けられ、また追加アドレスとしては追加アド
レスコード(SM1,SM2)が設けられる。各コード
はそれぞれサーボクロックSCKでみて12SCK分の
領域に記録される。
【0066】アクセスコード(AM,A2,A3,A
L)は、16ビットのトラックアドレスを4ヒットづつ
に区切つて、各4ビットをグレイコードとして符号化し
たものである。すなわち、16ビットのアドレスを上位
側から4ビットづつに区切り、各4ビットがグレイコ−
ドとして符号化され、それぞれサーボクロックSCKで
規定される12SCK分の領域における第1の位置〜第
12の位置にピットとして記録される。
【0067】またアクセスコード(AM,A2,A3,
AL)として表現されるトラックアドレスに対しては、
12SCKの長さのパリティが付加されることになる。
このパリティは、トラックアドレスとなるアクセスコー
ド(AM,A2,A3,AL)の向じ位置の4ビットに
対する偶数パリティとして形成される。トラックアドレ
スはディスク上のトラックの位置情報を示すアドレスで
ある。
【0068】フレームコードFM,FLは、8ビットの
フレームアドレスを4ビットづつ区切り、各4ビットを
グレイコードとして符号化し、それぞれサーボクロック
SCKで規定される第1の位置〜第12の位置にビット
として記録される。フレームアドレスは、トラック内の
フレーム(図5(a)に示したフレーム0〜フレーム9
9)を示す。
【0069】追加アドレスコードSM1,SM2は、そ
れそれ4ビットのコードとされる。追加アドレスは、該
当フレームにセクターマークの先頭(STM1)を含む
場合には、何番目のセグメントにセクター先頭のセグメ
ントが存在するかを示し、また、セクタマークの先頭を
含まない場合には、何フレーム目の何番目のセグメント
にセクターの先頭セグメントが存在するかを示すもので
ある。
【0070】具体的には、追加アドレスコードSM1が
セクター先頭までのフレーム単位の距離(この例では0
〜4)を示し、追加アドレスコードSM2がセクター先
頭までのセグメント単位の距離(この例では、1〜1
3)を示す。さらに、追加アドレスコードSM2の値が
『15』の場合は、セクターマークの先頭(STM1)
がないことを示す。このようにセクター位置情報をアク
セスコードに追加することによって、サーボエリアAR
s内のセグメント識別情報がセクターの位置情報を持た
ないことが許容される。
【0071】図10は、各コードにおいて4ビットのデ
ータをグレイコードに符号化し、12SCKの領域に記
録する方法の一例を示す。0〜Fは、4ビットのコード
の値であり、図示するように、この値に対応したビット
が12SCKの区間内に形成される。上述したアクセス
コード、フレームコード、追加アドレスコードは、図1
0に示すテーブルに従ってグレイコードに符号化され
る。
【0072】[II 記録再生装置] <II−1.装置構成及び動作>上述してきたフォーマッ
トを有するROMディスク、RAMディスク、パーシャ
ルROMディスクに対して記録/再生動作を行なう記録
再生装置について図11のブロック図を参照しながら説
明する。
【0073】光ディスク1は、上述してきた本例のRO
Mディスク、RAMディスク、もしくはパーシャルRO
Mディスクである。光ディスク1は、スピンドルモータ
2によってゾーン毎に所定の回転数で回転駆動される。
スピンドルモータ2の回転速度サーボ制御はスピンドル
制御部3によって行なわれる。例えばスピンドル制御部
3はスピンドルモータ2からのFGパルス(回転速度に
同期した周波数信号)などによりスピンドルモータ2の
回転速度を検出するとともに、コントローラ6から基準
速度情報SKが供給され、基準速度情報SKとスピンド
ルモータ2の回転速度を比較して、その誤差情報に基づ
いてスピンドルモータ2の加減速を行なうことで所要の
回転速度でのディスク回転動作を実現させる。
【0074】回転されている光ディスク1に対しては、
光学ピックアップ4からのレーザ光が照射される。光学
ピックアップ4には、例えばレーザダイオードやレーザ
カプラなどによるレーザ光源4c、各種レンズやビーム
スプリッタなどによる光学系4e、レーザ光の出力端と
なる対物レンズ4a、ディスクからの反射光を検出する
ディテクタ4d、対物レンズ4aをトラッキング方向及
びフォーカス方向に移動可能に保持する2軸機構4b等
が設けられる。光学ピックアップ4においてレーザ光源
4cからのレーザ出力のオン/オフ及び出力レベルはレ
ーザ制御部5によって制御される。
【0075】この記録再生装置は、そのインターフェー
ス部19によりホストコンピュータ90と接続される
が、データの記録/再生動作はコントローラ6がホスト
コンピュータ90からの記録要求、再生要求を受け取る
ことにより実行されることになる。
【0076】なお、この例ではディスク1に対してコン
ピュータ用途のデータの記録再生を行うものとしている
が、もちろん音声/音楽データや映像データの記録再生
のシステムとすることもできる。この場合音声や映像を
ホストコンピュータ90を中心とするコンピュータシス
テムにおいて記録・再生するようにしてもよいし、図1
1におけるホストコンピュータ90の代わりにオーディ
オ機器、ビデオ機器を接続して記録・再生を行うように
してもよい。本例のディスク1に対する再生動作例とし
て変速再生動作例を後に説明していくが、その変速再生
は特に音声データや映像データの再生方式として有用な
ものとなる。
【0077】記録時にはホストコンピュータ90から、
記録要求とともに記録すべきデータが供給される。記録
データDREC はインターフェース部19からエンコーダ
25に供給され、所要のエンコード処理が行なわれる。
【0078】ディスク1がRAMディスクもしくはパー
シャルROMディスクである場合は、そのリライタブル
領域に対してデータを光磁気記録することができるが、
記録方法としては大別して光変調方式と磁界変調方式と
がある。
【0079】光変調方式は、ディスク記録面に対して垂
直方向における一定方向に外部磁界を印加した状態で、
レーザ光を記録データで変調する方式である。即ちこの
方式が採用される場合は、記録時においてコントローラ
6は磁気ヘッドドライバ26に対して磁気ヘッド27か
らN又はSの外部磁界をディスク記録面に印加させる。
そしてエンコーダ25でエンコードされた記録データ
は、実線矢印で示すようにレーザ制御部5に供給され、
レーザ制御部5は、記録データに応じてレーザ光源4c
からのレーザ出力をオン/オフさせる。これによってレ
ーザが照射された部分が外部磁界の極性とされ、記録デ
ータが磁界情報としてディスク1に記録される。
【0080】一方磁界変調方式としては、ディスク記録
面に対して記録データに基づいて変調される磁界を印加
するとともに、レーザ光を一定の光量で継続照射する単
純磁界変調方式と、同じくディスク記録面に対して記録
データに基づいて変調される磁界を印加するとともに、
レーザ光をパルス発光させるレーザストローブ磁界変調
方式とがある。
【0081】これらの磁界変調方式が採用される場合
は、記録時においてコントローラ6はレーザ制御部5に
対してレーザ光源4cからのレーザ出力を継続発光もし
くはパルス発光させるように制御を行なう。そしてエン
コーダ25でエンコードされた記録データは、破線矢印
で示すように磁気ヘッドドライバ26に供給され、磁気
ヘッドドライバ26は、記録データに応じて磁気ヘッド
27からN又はSの磁界を印加する。これによって記録
データが磁界情報としてディスク1に記録される。
【0082】光学ピックアップ4によるデータ読取位置
は半径方向に移動可能とされている。具体的には図示し
ていないが、光学ピックアップ4の全体をディスク半径
方向に移動可能とするスレッド機構が設けられ、これに
よって読取位置の大きい移動が行なわれるとともに、対
物レンズ4aが2軸機構4bにディスク半径方向に移動
される、即ちトラッキングサーボ動作により読取位置の
小さい移動が行なわれる。
【0083】なお、光学ピックアップ4を移動させるス
レッド機構に代えて、スピンドルモータ2とともにディ
スク1をスライド移動させる機構を設けてもよい。ま
た、対物レンズ4aが2軸機構4bにディスク1に対し
て接離する方向に移動されることで、レーザスポットの
フォーカス制御が行なわれる。
【0084】ディスク1が図示しないローディング機構
によって装填されると、スピンドルモータ2による回転
駆動が開始される。そしてディスク1が所定の回転速度
に達すると、光学ピックアップ4がディスク1の内周側
あるいは外周側に形成されているGCPゾーンのデータ
を読み取るように、読取位置が制御される。このGCP
ゾーンにおいて、フォーカスの引込み等の必要な立ち上
げ処理が行なわれ、その後、ホストコンピュータ90か
らの要求に応じた記録あるいは再生動作が開始されるこ
とになる。
【0085】光学ピックアップ4のディテクタ4dとし
ては例えば図22を用いて後述する4分割の受光領域K
A〜KDを有する4分割ディテクタや、いわゆるリライ
タブル領域における磁界データ(MOデータ)を磁気カ
ー効果による偏光成分ごとの検出を行ない、MOデータ
としてのRF信号を得るディテクタ等が設けられる。
【0086】このディテクタ4dの各受光領域からは、
それぞれ受光光量に応じた電流信号S1が出力される
が、これらはI/V変換マトリクスアンプ7に供給され
る。I/V変換マトリクスアンプ7では、受光光量信号
S1について電流−電圧変換を行なうとともに、各受光
領域からの信号の演算処理でRF信号、プッシュプル信
号、フォーカスエラー信号FE等の必要な信号を生成す
る。
【0087】フォーカス状態の誤差情報となるフォーカ
スエラー信号FEはサーボコントローラ8に供給され
る。サーボコントローラ8にはフォーカス系の処理部と
してフォーカス位相補償回路やフォーカスドライバなど
が搭載されており、フォーカスエラー信号FEに基づい
たフォーカスドライブ信号を発生させて2軸機構4bの
フォーカスコイルに印加する。これによって対物レンズ
4aをジャストフォーカスポイントに収束させるフォー
カスサーボ系が構成される。
【0088】I/V変換マトリクスアンプ7からは、サ
ーボクロックSCKやデータクロックDCKの生成のた
めに用いるRF信号が信号S2として出力される。この
信号S2はクランプ回路9でRF信号の低周波数変動が
除去され、A/D変換器10でデジタル化された信号S
3となる。この信号S3はコントローラ6、PLL回路
11に供給される。また、I/V変換マトリクスアンプ
7の出力信号S2がサーボピットの再生信号としてトラ
ッキングエラー生成部16に供給されるようにしてい
る。ただしA/D変換器10の出力信号S3をサーボピ
ットの再生信号としてトラッキングエラー生成部16に
供給するようにしてもよい。これはトラッキングエラー
生成部16のサーボピット再生情報の取込回路形態によ
る。
【0089】PLL回路11では信号S3と発振出力の
位相誤差に基づいて内部発振器の発振周波数を制御する
こと、及び所定の分周処理を行なうことで、RF信号に
同期したサーボクロックSCKを発生させる。このサー
ボクロックSCKはA/D変換器10でのサンプリング
クロックとして用いられるとともに、タイミングコント
ローラ17に供給される。またPLL回路11ではサー
ボクロックSCKをゾーン(バンド0〜バンド15)に
応じてそれぞれ所定の分周比で分周してデータクロック
DCKを生成し、タイミングコントローラ17、A/D
変換器13、レーザ制御部5に供給する。
【0090】タイミングコントローラ17はサーボクロ
ックSCK、データクロックDCKに基づいて、各部に
対して必要なタイミング信号を発生させる。例えば3相
トラッキング動作のためのサーボピットを抽出するサン
プリングタイミングPs、データ検出部14でのデコー
ド動作のための同期タイミングDSY等を発生させる。
【0091】PLL回路11、タイミングコントローラ
17、トラッキングエラー生成部16により、いわゆる
3相トラッキング制御によるトラッキングエラー信号T
Eが生成され、サーボコントローラ8に供給する。また
コントローラ6はトラッキングエラー生成部16に対し
てロックモード信号LKを供給し、ロックモードでのト
ラッキング制御を実行させる。トラッキングエラー生成
部16はコントローラ6に対してパターンモニタ信号P
Mを出力する。このパターンモニタ信号PMとは、サー
ボピットパターンとして前述したAパターン、Bパター
ン、Cパターンの識別信号である。3相トラッキングサ
ーボ動作、ロックモードのトラッキングサーボ動作、パ
ターンモニタ信号などについては後述する。
【0092】コントローラ6はサーボコントローラ8に
対してトラッキングエラー信号TEやフォーカスエラー
信号FEに基づくサーボ動作、スライド移動動作などの
指示を行い、レーザスポットの記録・再生走査、アクセ
ス(シーク)動作などを実現させる。また、例えばトラ
ッキングエラー信号TEに対してオフセットを与えるな
どの方法で、デトラックトラッキングも実行させること
ができる。例えば一方のサーボピットの真上を通過する
ような走査を実行させることもできる。
【0093】I/V変換マトリクスアンプ7からは、デ
ータ抽出のために用いるRF信号やプッシュプル信号が
信号S4として出力される。この信号S4はクランプ回
路12でRF信号の低周波数変動が除去され、A/D変
換器13でデジタル化された信号S5となる。
【0094】この信号S5はデータ検出部(即ちデコー
ダ)14に供給される。データ検出部14ではタイミン
グコントローラ17がデータクロックDCKに基づいて
発生させる同期タイミングDSYに基づいてデータデコ
ード処理を行ない、再生データDPBを得る。例えば波形
等化処理、記録フォーマットとして採用されている変調
処理に対する復調処理、エラー訂正処理等が行なわれ再
生データDPBとしてエコードされる。この再生データD
PBはインターフェース部19を介してホストコンピュー
タ90に供給されることになる。
【0095】<II−2.3相トラッキング動作例>ディ
スク1におけるサーボピットの情報を用いてトラッキン
グエラー生成部16及びサーボコントローラ8によって
実行される3相トラッキング制御動作について、図12
〜図16を用いて説明する。図12はサーボエリアAR
sに形成されたサーボピット上でのレーザスポットLS
Pの走査イメージを示し、また図13は図11の記録再
生装置におけるトラッキング制御系の要部の構成を示し
ている。
【0096】図12に示すサーボピットは、図7で説明
したようにAパターンからCパターンまでを構成するも
のとされ、各トラック上での各サーボエリアARsにお
いて所要のパターンが形成される。
【0097】この図12の例ではサーボピットトラック
#Ai(i=1,2,3・・・・・ ) にはポジションPS
A ,PSC にサーボピットが形成され、サーボピットト
ラック#BiにはポジションPSA ,PSB にサーボピ
ットが形成され、サーボピットトラック#Ciにはポジ
ションPSB ,PSC にサーボピットが形成されてい
る。なお、ここでいうサーボピットトラック#Ai,#
Bi,#Ciとは、サーボピット列を説明の便宜上サー
ボピットトラックと称しているものであり、データエリ
アARdにおける実際のデータが記録されるトラック
(データピット列、グルーブ又はランド)を基準として
いない。
【0098】データが記録されるトラックと、サーボピ
ットトラックとは、後述する各種ディスク例において、
またディスク内の各領域において、走査線方向上に一致
したトラックとなる場合もあるし、走査線方向として一
致しない場合もある。一致しない場合とは、例えば2つ
のサーボピットトラックの中央が、データトラックのセ
ンターと一致するような場合のことである。サーボピッ
トトラック#Ai,#Bi,#Ciのトラックピッチ
は、記録面におけるレーザスポットLSPのサイズ
(径)の約1/2となっている。
【0099】このようなサーボピットを用いて、図13
のトラッキングサーボ系はいわゆる3相トラッキング動
作を行なう。図13におけるトラッキングサーボ系とし
ては、まず光ディスク1にレーザビームを照射し、記録
面で反射された反射光の光量を検出する光学ピックアッ
プ4と、光学ピックアップ4から得られる光量に応じた
信号について処理を行なうI/V変換マトリクスアンプ
7とによってトラッキングエラー信号の生成に用いるR
F信号を抽出する。
【0100】I/V変換マトリクスアンプ7から出力さ
れるRF信号S2は、図11で説明したようにクランプ
回路9及びA/D変換器10を介してPLL回路11に
供給され、いわゆるフェイズロックドループ動作によっ
てRF信号に同期したサーボクロックSCKが生成され
る。そして生成されたサーボクロックSCKはタイミン
グコントローラ17に供給され、タイミングコントロー
ラ17はサーボクロックSCKに基づいて3相トラッキ
ング動作のためのタイミング信号PS(サンプルタイミ
ング信号)を生成する。このタイミングコントローラ1
7からのサンプルタイミング信号はトラッキングエラー
生成部16内のサンプルホールド回路16aに供給され
る。
【0101】サンプルホールド回路16aには、I/V
変換マトリクスアンプ7から出力される信号S2が供給
されており、サンプルホールド回路16aはタイミング
信号PSに基づいて信号S2をサンプリングし、ホール
ド出力する。このホールド出力はエラー信号生成回路1
6bに供給される。
【0102】サンプルホールド回路16aからの出力は
いわゆる3相信号となるが、エラー信号生成回路16b
はサンプルホールド回路16aからの3相信号の互いの
差分を求め、これらの差分信号を周期的に切り換え選択
してトラッキングエラー信号を生成する。生成されたト
ラッキングエラー信号はサーボコントローラ8における
位相補償回路8aにおいて位相補償が施されてから2軸
ドライバ8bに供給されて、トラッキングドライブ信号
として出力される。トラッキングドライブ信号は光学ピ
ックアップ4内の2軸機構におけるトラッキングコイル
に印加され、これによって光学ピックアップ4の対物レ
ンズがトラッキング方向に移動されることで、トラッキ
ングサーボ動作が実行される。
【0103】そしてこのトラッキングサーボ系では、上
述の図12に示すように、隣接するトラック、例えばサ
ーボピットトラック#Aとサーボピットトラック#B、
サーボピットトラック#Bとサーボピットトラック#
C、あるいはサーボピットトラック#Cとサーボピット
トラック#Bに形成されたサーボピットを用いてトラッ
キングサーボを行い、光ディスク記録再生装置の動作と
してのデータの記録あるいは再生を行うようになってい
る。
【0104】上記したように光学ピックアップ4は、レ
ーザ光源4cと、このレーザ光源4cからの出射光を平
行光にするコリメータレンズや光ディスク1の記録面で
反射された反射光を分光するビームスプリッタなどによ
る光学系4e、コリメータレンズからの平行光を集光し
て光ディスク1の記録面に照射する対物レンズ4a、ビ
ームスプリッタで分光された反射光の光量を検出するデ
ィテクタ4d、対物レンズ4aをディスク1に接離する
フォーカス方向及びディスク1の半径方向であるトラッ
キング方向に移動させる2軸機構4b等から構成されて
いる。
【0105】ここで図12のように、光ディスク1にお
けるサーボピットのトラックビッチがレーザスポットL
SPのサイズの1/2となっているために、レーザスポ
ットLSPは2つのサーボピットトラックを同時に照射
し、この反射光の光量に基づいたRF信号がディテクタ
4dからI/V変換マトリクスアンプ7に出力すること
になる。I/V変換マトリクスアンプ7は、このRF信
号を増幅して、PLL回路11への系やトラッキングエ
ラー生成部16のサンプルホールド回路16aに供給す
る。
【0106】PLL回路11は、I/V変換マトリクス
アンプ7で増幅されたRF信号のうち、ポジションPS
A ,PSB ,PSC のうちのいずれかに形成されたサー
ボピットに相当する成分に基づいてサーボクロックSC
Kを生成し、生成したサーボクロックSCKをタイミン
グコントローラ17に供給する。なお、PLL回路11
でのクロック再生動作は、データが既に記録されている
ときは、サーボピットの代わりに、データピットに相当
するRF信号の成分に基づいて行うようにしてもよい。
【0107】タイミングコントローラ17は、サーボク
ロックSCKに基づいて、サーボエリアARsにおける
ポジションPSA ,PSB ,PSC に相当するタイミン
グのタイミング信号PS(サンプリングクロック)を生
成し、このタイミング信号PSをサンプルホールド回路
16aに供給する。
【0108】サンプルホールド回路16aは、タイミン
グコントローラ17からのタイミング信号PSを用いて
I/V変換マトリクスアンプ7からのRF信号をサンプ
ルホールドし、得られる互いに位相が異なる3相信号を
エラー信号生成回路16bに供給する。
【0109】即ち図16(a)に示すように、正弦波で
あって互いに位相が120度異なる3相信号として、ポ
ジションPSA に相当するタイミングでサンプルホール
ドして得られるRF信号RFAと、ポジションPSB
相当するタイミングでサンプルホールドして得られるR
F信号RFBと、ポジションPSC に相当するタイミン
グでサンプルホールドして得られるRF信号RFCを出
力する。
【0110】このようなRF信号RFA,RFB,RF
Cが供給されるエラー信号生成回路16bは例えば図1
5に示すように構成されている。エラー信号生成回路1
6bは、サンプルホールド回路16aからのRF信号R
FA,RFB,RFCの互いの差分をそれぞれ求める差
動増幅器21a,21b,21cと、上記サンプルホー
ルド回路16aからのRF信号RFA,RFB,RFC
を加算する加算器31と、サンプルホールド回路16a
からのRF信号RFA,RFB,RFCから加算器31
の出力をそれぞれ減算する差動増幅器32a,32b,
32cを有する。また、差動増幅器21a,21b,2
1cの各出力をそれぞれデジタル信号に変換するA/D
変換器33a,33b,33cと、差動増幅器32a,
32b,32cの各出力をそれぞれデジタル信号に変接
するA/D変換器34a,34b,34cが設けられ
る。
【0111】さらに、A/D変換器33a,33b,3
3c,34a,34b,34cの各出力をアドレスとし
て、トラッキングエラー信号を出力するROM35と、
このROM35からデジタル信号として供給されるトラ
ッキングエラー信号をアナログ信号に変換するD/A変
換器36を有する。さらに、差動増幅器21a,21
b,21cの各出力の極性をそれぞれ検出するコンパレ
ータ23a,23b,23cと、このコンパレータ23
a,23b,23cの各出力に対する所定の論理演算に
より、ROM35を制御する論理演算回路24が設けら
れる。
【0112】差動増幅器21a,21b,21cは、図
16(b)に示すように、正弦波であって互いに位相が
120度異なると共に、対応するRF信号RFA,RF
B,RFCに対して位相が90度進んだトラッキングエ
ラー信号TRA,TRB,TRCをそれぞれ生成し、こ
れらのトラッキングエラー信号TRA,TRB,TRC
をA/D変換器33a,33b,33c及びコンパレー
タ23a,23b,23cに供給する。
【0113】A/D変換器33a,33b,33cは、
トラッキングエラー信号TRA,TRB,TRCをそれ
ぞれデジタル信号に変換し、これらのデジタル信号に変
換されたトラッキングエラー信号TRA,TRB,TR
CをアドレスとしてROM35に供給する。
【0114】一方、加算器31は、サンプルホールド回
路16aからのRF信号RFA,RFB,RFCを加算
し、この加算結果、すなわち図16(a)に示す3相交
流信号であるRF信号RFA,RFB,RFCの平均値
C(中心値であって定数)を差動増幅器32a,32
b,32cに供給する。差動増幅器32a,32b,3
2cは、RF信号RFA,RFB,RFCからこの平均
値Cを減算する。すなわちRF信号RFA,RFB,R
FCを直流的に平均値C分シフトして、直流成分を除去
したRF信号RFA,RFB,RFCをA/D変換器3
4a,34b,34cに供給する。
【0115】A/D変換器34a,34b,34cは、
直流成分が除去されたRF信号RFA,RFB,RFC
をそれぞれデジタル信号に変換し、これらのデジタル信
号に変接されたRF信号RFA,RFB,RFCをアド
レスとしてROM35に供給する。
【0116】かくしてROM35には、デジタル信号に
変換されたトラッキングエラー信号TRA,TRB,T
RC及びRF信号RFA,RFB,RFCが供給され
る。このROM35には、トラッキングエラー信号TR
A,TRB,TRC及びRF信号RFA,RFB,RF
Cに対して所定の関係を満足するテーブルが予め記憶さ
れており、ROM35は、トラッキングエラー信号TR
A,TRB,TRC及びRF信号RFA,RFB,RF
Cをアドレスとし、例えば図16(e)に鋸歯状の実線
で示すトラッキングエラー信号を出力するようになって
いる。
【0117】このトラッキングエラー信号の出力動作は
具体的には次のようになる。例えばレーザスポットLS
Pのトラッキングセンタからの変位をx、トラックピッ
チをp、サンプルホールド回路16aからのRF信号R
FAをVQAとし、このVQAを下記(数1)で表すと、差
動増幅器32aの出力VQAC は下記(数2)により得ら
れる。
【0118】 VQA=K1 cos(2πx/p)+C・・・(数1)
【0119】
【0120】一方、差動増幅器21aからのトラッキン
グエラー信号TRAは、RF信号RFAと位相が90度
異なることから、トラッキングエラー信号TRAをVPA
とすると、このVPAは下記(数3)で表される。
【0121】 VPA=K2 sin(2πx/p)・・・(数3) なお、K2 /K1 =1とする。
【0122】これらの(数2)(数3)より、変位xを
示す信号VX は、次の(数4)により得られる。 VX =(p/2π)tan-1(VPA/VQAC )・・・(数4)
【0123】ところで、この信号VX は、|x|<(p
/4)において原理的に変位xに比例しているので、R
OM35に、|x|<(3p/2)の範囲において、|
x|<(p/4)の範囲の直線を延長した直線上の値
(データテーブル) を格納しておき、デジタル化された
トラッキングエラー信号TRA(VPA)及びRF信号R
FA(VQAC )を用いてこのデータテーブルをルックア
ップするとにより、図15(e)に破線で示すトラッキ
ングエラー信号TRA1を得るようにする。また、他の
トラッキングエラー信号TRB1、TRC1に対するデ
ータテーブルも同様に記憶しておき、デジタル化された
トラッキングエラー信号TRB及びRF信号RFB、あ
るいはトラッキングエラー信号TRC及びRF信号RF
Cを用いて、記憶されているトラッキングエラー信号T
RB1、TRC1を読み出すようにする。
【0124】ただし、図16の鋸歯状の実線で示すトラ
ッキングエラー信号を出力するには、トラッキングエラ
ー信号TRA1、TRB1、TRC1に対する各データ
テーブルから選択的にデータを読み出していかなくては
ならない。換言すれば、レーザスポットで走査したサー
ボピットのパターンがAパターンの場合はトラッキング
エラー信号TRA1を選択し、レーザスポットで走査し
たサーボピットのパターンがBパターンの場合はトラッ
キングエラー信号TRB1を選択し、レーザスポットで
走査したサーボピットのパターンがCパターンの場合は
トラッキングエラー信号TRC1を選択することで、図
16の鋸歯状実線で示すトラッキングエラー信号を出力
することができる。そしてこの選択により、走査される
サーボピットパターンが、Aパターン、Bパターン、C
パターンのいずれであっても、そのときのパターンに応
じて自動的に好適なトラッキングエラー信号が生成され
ることになる。
【0125】この選択のための信号として図16(d)
の読出制御信号CA、CB、CCが論理演算回路24に
よって生成される。まずコンパレータ23a,23b,
23cは、例えば図16(c)に示すように、トラッキ
ングエラー信号TRA,TRB,TRCの各極性をそれ
ぞれ検出し、例えばレベルが正のとき、論理『1』(以
下単に『1』という)となる極性信号PA,PB,PC
を形成する。そしてこれらの極性信号PA,PB,PC
を論理演算回路24に供給する。
【0126】論理演算回路24は、下記(数5)〜(数
7)に基づいて、例えば図16(d)に示すように、互
いに位相が120度異なる読出制御信号CA,CB,C
Cを算出する。ROM35は、読出制御信号CAが
『1』のとき、トラッキングエラー信号TRA1を選択
し、制御信号CBが『1』のとき、トラッキングエラー
信号TRB1を選択し、制御信号CCが『1』のとき、
トラッキングエラー信号TRC1を選択することにな
る。
【0127】 CA=PC∧INV(PB)・・・(数5) CB=PA∧INV(PC)・・・(数6) CC=PB∧INV(PA)・・・(数7) なお、これらの(数5)〜(数7)において、記号
『∧』、『INV』は、それぞれ論理積、負論理を意味
する。
【0128】このようにして生成される読出制御信号は
図16(d)のようになり、この読出制御信号CA、C
B、CCによりROM35において読み出すべきデータ
テーブルが選択される。
【0129】ところで、このROM35には、読出制御
信号CA,CB,CC以外に、コントローラ6から、端
子37を介して通常モードとロックモードを切り換える
ロックモード信号LKが供給されている。そしてロック
モード信号LKがオフ状態となっているときは通常モー
ドとされ、この通常モードの場合においてのみ、読出制
御信号CA=『1』のときトラッキングエラー信号TR
A1を選択し、読出制御信号CB=『1』のときトラッ
キングエラー信号TRB1を選択し、読出制御信号CC
=『1』のときトラッキングエラー信号TRC1を選択
するという動作を行う。従って通常モードの時のみ、図
16(e)に鋸歯状の実線で示すように、互いに位相が
異なる3相のトラッキングエラー信号TRA1,TRB
1,TRC1を周期的に切り換えたトラッキングエラー
信号が出力されることになる。
【0130】通常モード時にはこのようにトラッキング
エラー信号TRA1,TRB1,TRC1を周期的に切
り換えたトラッキングエラー信号が出力される。そして
このトラッキングエラー信号は、図13に示す位相補償
回路8aに供給される。位相補償回路8aは、サーボル
ープにおける位相補償を行うものであり、入力されたト
ラッキングエラー信号の位相補償を行う。そして位相補
償されたトラッキングエラー信号に基づいて2軸ドライ
バ8bから光学ピックアップ4内の2軸機構にトラッキ
ングドライブ信号が供給されることになる。これによっ
て対物レンズがディスク径方向に移動され、レーザスポ
ットLSPが適正なトラッキング状態で走査を行なうよ
うに、即ちトラッキングエラー信号が0となるように制
御される。
【0131】以上のようにして、トラッキングサーボ制
御ループが形成されトラッキングサーボが行われ、この
ようにしてトラッキングサーボがかけられた状態、すな
わち例えば図12に示すように、レーザスポットLSP
が、隣接するサーボピットトラックの中間を走査する状
態において、サーボエリアARsと次のサーボエリアA
Rsとの間のデータエリアARdのトラック(ピット列
またはランド又はグルーブ)の記録再生走査が行なわれ
る。そして上記した読出制御信号に基づくROM35で
の選択動作から理解されるように、この通常モードでの
トラッキング動作としては、各サーボエリアARsにお
けるサーボピットがAパターン、Bパターン、Cパター
ンのいづれであっても、各場合に応じてレーザスポット
LSPが、そのパターンを形成する2つのサーボピット
トラックの中間を走査するジャストトラッキング状態に
向かって制御されることになる。
【0132】ところで、エラー信号生成回路16bから
出力されるトラッキングエラー信号は図15(e)の鋸
歯状実線として示されるように、安定してトラッキング
サーボを行なえない範囲がない。つまりトラッキングエ
ラー信号が『0』となるトラッキングセンターに対し
て、トラッキングエラー信号から常にトラッキング制御
方向を一意的に定めることができ、従って常に安定した
トラッキングサーボをかけることができるものとなって
いる。
【0133】また、図16(e)に示すトラッキングエ
ラー信号を、例えばレーザビームを内周から外周へシー
クしたときに得られる信号と仮定すると、レーザビーム
を外周から内周へシークしたときは、時間軸を遡る波形
となり、すなわち内周から外周のシークでは、レベルが
連続して変化する範囲において、レベルが常に増加し、
反対に外周から内周へのシークでは、レベルが常に減少
する。したがって、このレべルが連続して変化する範囲
におけるレベルの変化方向によって、レーザビームのス
ポットの移動方向を検出することができる。換言する
と、シーク方向の情報を含んだトラッキングエラー信号
を得ることができる。
【0134】また、上記説明から理解されるように、論
理演算回路24で生成される読出制御信号CA、CB、
CCは、レーザスポットLSPが走査したサーボピット
のパターンに応じた信号となる。言い換えれば読出制御
信号CA、CB、CCは、各サーボエリアでのサーボピ
ットパターンの種別、即ちAパターン、Bパターン、C
パターンの判別信号となる。従って図15に示すよう
に、読出制御信号CA、CB、CCをパターンモニタ信
号PMとしてコントローラ6へ供給することで、コント
ローラ6は再生走査が行われた各サーボエリアARsで
のサーボピットパターンを検知していくことができる。
【0135】ところで、コントローラ6からのロックモ
ード信号LKがオンとなると、図15のエラー信号生成
回路16bは、ロックモードとしての動作を行う。ロッ
クモード信号LKは、例えば、ロックモードオフ(通常
モード)、Aロックモードオン、Bロックモードオン、
Cロックモードオンの4種のモード制御ができる信号と
される。
【0136】そして、ロックモードオンとされると、R
OM35は読出制御信号CA,CB,CCに関係なく、
トラッキングエラー信号TRA1,TRB1,TRC1
のうちのいずれか1つを選択して出力する。即ちAロッ
クモードがオンとされている期間は常にトラッキングエ
ラー信号TRA1を選択して出力し、Bロックモードが
オンとされている期間は常にトラッキングエラー信号T
RB1を選択して出力し、Cロックモードがオンとされ
ている期間は常にトラッキングエラー信号TRC1を選
択して出力する。
【0137】そしてこのようにしてROM35から読み
出されたロックモードでのトラッキングエラー信号は、
D/A変換器36においてアナログ信号に変換された
後、位相補償回路8a,2軸ドライバ8bを介してトラ
ッキングドライブ信号とされ、光学ピックアップ4内の
2軸機構に供給される。Aロックモードとされている場
合のトラッキングエラー信号の例を図16(e)に実線
で示している。つまり、トラッキングエラー信号TRA
1を形成するテーブルデータのみによるトラッキングエ
ラー信号となる。これは、Aパターンのサーボピットに
対して、ジャストトラッキング状態へのサーボ引込範囲
が通常モードの場合の3倍になっていることを意味す
る。
【0138】例えば図12のトラッキングセンタTC
a、TCb、TCcを例にして考える。トラッキングセ
ンタTCaはAパターンのサーボピットによるトラッキ
ングセンタであり、トラッキングセンタTCbはBパタ
ーンのサーボピットによるトラッキングセンタ、トラッ
キングセンタTCcはCパターンのサーボピットによる
トラッキングセンタである。上述した通常モードの場合
は、レーザスポットLSPの中心が、ディスク半径方向
に範囲hc内にあれば、トラッキングセンタTCcに対
してサーボ制御される。また、レーザスポットLSPの
中心が範囲ha内にあればトラッキングセンタTCaに
対してサーボ制御され、レーザスポットLSPの中心が
範囲hb内にあればトラッキングセンタTCbに対して
サーボ制御される。
【0139】ところがAロックモードの場合は、図16
(e)の直線の実線で示す範囲が引き込み範囲となり、
つまりレーザスポットLSPの中心が、ディスク半径方
向に図12に示す範囲haL内にあれば、トラッキング
センタTCaに対してサーボ制御されることになる。従
って、例えトラッキングセンタTCbもしくはTCcに
ジャストトラッキング状態であったとしても、トラッキ
ングセンタTCaに強制的に移動されることになる。そ
して通常モード時の引込範囲haとAロックモード時の
引込範囲haLを比較してわかるように、ロックモード
では3倍の引込範囲となる。Bロックモード、Cロック
モードの場合も、それぞれ同様にトラッキングセンタT
Cb、TCcに対して通常モード時の3倍の引込範囲が
形成される。
【0140】このような性質を持つロックモードの動作
は、トラックジャンプ動作に利用できることになる。例
えばサーボピットトラック#Ai+2、#Bi+2の中
間(トラッキングセンタTCaのデータトラック)にト
ラッキングがかかっている状態において、隣接するデー
タトラック、つまりサーボピットトラック#Bi+2、
#Ci+2の中間位置(トラッキングセンタTCb)に
トラックジャンプしたいときは、例えば記録再生装置の
コントローラが端子37を介して制御信号を供給し、B
ロックモードとする。即ち、ROM35からの読出を強
制的にトラッキングエラー信号TRA1からトラッキン
グエラー信号TRB1に切り換えると共に、制御信号C
A,CB,CCによるトラッキングエラー信号の切り換
えが行われないようにする。
【0141】具体的には、例えば図14に示すように、
トラッキングセンタTCaを目的とした通常モードのト
ラッキングが行われているとき、レーザスポットLSP
は、制御信号CAが論理『1』の範囲におけるトラッキ
ングエラー信号TRA1のゼロクロス点XA に相当する
地点、つまりトラッキングセンタTCaに位置される。
【0142】そして、この状態において、制御信号C
A,CB,CCに関係なく、ROM35からの読出をト
ラッキングエラー信号TRB1に切り換えると、ROM
35からはレベルLの信号が出力され、光学ピックアッ
プ4は、このレベルLが小さくなるように、レーザスポ
ットLSPを、トラッキングエラー信号TRB1のゼロ
クロス点XB に相当するトラック(トラッキングセンタ
TCb)へ移動し、トラックジャンプが完了する。
【0143】以上のようにロックモードの動作を行うこ
とでトラックジャンプが実行されるとともに、このトラ
ッキングサーボ系によれば、トラッキングサーボを閉ル
ープの状態にしたままトラックジャンプを行うことがで
きることになる。つまり、トラックジャンプの際にトラ
ッキングサーボループを一旦オフ(オープン)とする必
要はなく、これにより、トラッキングサーボループをオ
ープンにするための回路部品が必要なく構成の簡易化を
実現できるとともに、ループオフ時の非安定性をなくす
ことができる。
【0144】またロックモードを設けることにより、ト
ラッキングサーボにおける引込範囲を広くすることがで
き、例えばトラッキングエラー信号TRA1からトラッ
キングエラー信号TRB1に切り換え、ロックモードに
した後は、何らかの外乱が生じても、図14に示すよう
にマージンがあり、安定したトラックジャンプを行うこ
とができる。
【0145】[III ROMディスク] <III −1.ツインピット型ROMディスク>上述して
きたディスク構造、トラック/フレーム/セグメントフ
ォーマット、及びセクターフォーマットに基づいて形成
され、また上述した3相トラッキング動作が実行される
ようにサーボピットが形成される本例のディスクとして
は、ROMディスク、RAMディスク、パーシャルRO
Mディスクの3種類がある。まず、ここではROMディ
スクについて説明する。なお、このROMディスクを特
にツインピット型ROMディスクと呼ぶこととする。
【0146】図17はこのツインピット型ROMディス
クのトラックのイメージを示し、図18はこのツインピ
ット型ROMディスクにおけるサーボエリアARsとそ
の前後のデータエリアARdの一部を示している。
【0147】図17においてサーボエリアARsに相当
する箇所での黒部分は上述してきた3相トラッキングの
ためのサーボピットを表現している。また円周方向に2
つのサーボエリアARsの間となるデータエリアARd
において黒部分とした曲線はピットによるデータトラッ
クを表現している。さらに、レーザスポットLSPを起
点としてスパイラル状に進行する実線矢印SSPが示さ
れているが、これはこのツインピット型ROMディスク
に対するレーザスポットLSPの再生走査軌跡を示して
いる。
【0148】なお、図17では円周方向にサーボエリア
ARs、データエリアARdがそれぞれ8箇所しか示さ
れていないが、実際にはセグメント毎にサーボエリアA
RsとデータエリアARdが設けられることは図4で説
明したとおりである。またゾーンCAV方式であること
から必ずしも図17のようにサーボエリアARs、デー
タエリアARdが半径方向に並ぶものではない。
【0149】即ちこの図17はあくまでも説明のための
イメージ図であって実際のディスクのトラック構造をそ
のまま示しているものではない。このツインピット型R
OMディスクの説明以降も、各種ディスク例を説明して
いくことになるが、それらの説明に用いる図29、図3
2、図41、図50、図56もあくまでも理解のしやす
さを考慮して表記したイメージ図であって実際のディス
クのトラック構造をそのまま示しているものではない。
【0150】図18ではツインピット型ROMディスク
におけるサーボエリアARsとその前後のデータエリア
ARdを拡大して示しているが、サーボエリアARsは
サーボクロックSCKを基準として24サーボクロック
分の領域となり、サーボクロックSCKに基づいてサー
ボピット情報の抽出等が行なわれる。
【0151】データエリアARdはデータクロックDC
Kに基づいてデータの再生が行なわれる。データエリア
ARdの終端となるポストライトエリアPO、及びデー
タエリアARdの先頭となるプリライトエリアPRは、
図5において説明したように、主に記録動作の際のレー
ザの余熱や消し残りの防止を目的として設定されている
ものであるが、フォーマットの互換をとるために、この
ような再生専用のROMディスクの場合でも設けられて
いる。
【0152】また、このツインピット型ROMディスク
の場合は、プリライトエリアPRにおいて例えば3デー
タクロック分の長さとなるアンカーピットPanを形成
し、ミラー部分を減らすことで、ディスク成形時にサー
ボピットへ与える悪影響を軽減している。サーボエリア
ARsにおいては、図8で説明したようにサーボピット
が形成されており、またポジションPSA におけるサー
ボピットの位置により、セグメントの種別が表現されて
いる。
【0153】図17からわかるようにこのツインピット
型ROMディスクは、サーボピットトラック(サーボエ
リアARsにおけるピット列)とデータトラック(デー
タエリアARdにおけるピット列)は、円周方向に一致
した(同一円周ライン上に位置した)トラックとなって
いる。
【0154】従って、Aパターン/Bパターン/Cパタ
ーンのいづれかを形成する2つの隣接するサーボピット
トラックによってトラッキングサーボを行ない、図示す
るようにレーザスポットLSPの再生走査SSPが、そ
の2つの隣接するサーボピットトラックの中間位置をト
ラッキングセンタとして進行するとすると、データエリ
アARdにおいても、再生走査SSPは2つの隣接する
データトラックの中間位置を進行することになる。つま
り2つの隣接するデータトラックはレーザスポットLS
Pによって同時に走査される。この同時走査される2つ
の隣接するデータトラックのうち、レーザスポットLS
Pの進行方向から見て左側のデータトラックをレフトト
ラックLtk、右側のデータトラックをライトトラック
Rtkと呼ぶこととする。
【0155】そして、レフトトラックLtkとライトト
ラックRtkは、ペアのままの状態でらせん状(スパイ
ラル状)のトラックを形成している。図中TNCGとし
て示す円周位置がトラックアドレスの変更点、つまり周
回トラックの始点及び終点であるとしているが、この円
周位置TNCGに注目すると分かり易いように、レフト
トラックLtkとライトトラックRtkにより、いわゆ
る2重らせん状となるトラックが形成されていることに
なる。
【0156】サーボエリアARsにおけるサーボピット
のパターンとしては、円周方向には1周回トラック内で
は同一のパターンとされている。レフトトラックLtk
とライトトラックRtkの1組を1つの走査トラックと
すると、1周回走査トラック毎に、Aパターンの走査ト
ラック→Cパターンの走査トラック→Bパターンの走査
トラック→Aパターンの走査トラック→Cパターンの走
査トラック・・・・・・というように形成されている。
【0157】また半径方向にみると、図7(b)(c)
に示したようなパターン、つまり隣接する各サーボピッ
トトラックの中間を順次基準としてみた場合に、Aパタ
ーン→Bパターン→Cパターン→・・・・・・というようにパ
ターンが変化する。ただしこの場合において、再生走査
SSPにより2重らせん状となっているレフトトラック
LtkとライトトラックRtkが同時に再生され、つま
り再生走査SSPはその2重らせんの中央を進行してい
くため、半径方向にみれば再生走査SSPは2トラック
ピッチ分づつ進行していく。つまりサーボピットと走査
トラックの関係は図7(c)のタイプになる。
【0158】図18において各再生走査SSPの左側に
(A)(B)(C)と示しているが、これはその各再生
走査SSPに対応するサーボピットのパターンを示すも
のである。そしてディスク半径方向に各再生走査SSP
を順次みていくとわかるように、半径方向にはトラッキ
ングサーボ動作に関して、通常モードによりCパターン
→Bパターン→Aパターン→Cパターン→Bパターン→
Aパターン→・・・・・・のそれぞれに対応してトラッキング
エラー信号が生成されていきながら、本例の2重らせん
状のトラック(レフトトラックLtkとライトトラック
Rtkによるツインピットトラック)の同時走査が実行
されることになる。
【0159】サーボピットパターンの設定状態を図19
に模式的に示す。図19は走査トラックとなるツインピ
ットトラック単位で、白抜き、点描、斜線の別によりA
パターン、Bパターン、Cパターンを示している。再生
走査SSPはツインピットトラック単位で図示するよう
にスパイラル状に進行していくが、この走査進行方向に
1周回トラック毎にサーボピットパターンがAパターン
→Cパターン→Bパターン→Aパターン→Cパターン→
Bパターン→Aパターン・・・・・と変化していくこと
がわかる。また、この例では半径方向にみても、走査ト
ラック(ツインピットトラック)毎にCパターン→Bパ
ターン→Aパターンの順に変化していくことがわかる。
つまり本例のツインピット型ROMディスクでは、サー
ボピットパターンは、円周方向にみても、また半径方向
にみても、Cパターン→Bパターン→Aパターンの順に
変化していくようにサーボピットが形成されている。
【0160】このようなツインピット型ROMディスク
は次のような特徴を有するものとなる。まず、図11に
示した記録再生装置で記録再生されるディスクのうち
で、サーボピットパターンがCパターン→Bパターン→
Aパターンと変化していくことを、このようなツインピ
ット型ROMディスク(もしくはROM領域AE)に専
用化するとする。すると走査時において各サーボエリア
ARsでのパターンを判別していき、それがCパターン
→Bパターン→Aパターンと変化することが観測される
ことで、そのディスクはROMディスク(もしくは後述
するパーシャルROMディスクのROM領域AE)であ
るという判別が可能となる。サーボピットパターンの観
測は、図15の論理演算回路24から出力されるパター
ンモニタ信号PMを、コントローラ6が監視していれば
よい。
【0161】また、上述したように3相トラッキング動
作の特性の1つとしてロックモードの動作によりサーボ
ループを閉じたままでトラックジャンプを行うことがで
きる。このロックモードでの動作によりトラックジャン
プはもちろんであるが、さらに各種の変速再生動作も実
現できる。なお、トラックジャンプや変速再生動作は、
後述するパーシャルROMディスクでのROM領域AE
におけるそれと同様となるようにしているため、後にま
とめて説明する。
【0162】またツインピット型ROMディスクでは、
記録密度の高密度化や転送レートの高速化を実現でき
る。ここで、レーザビーム波長を従前のものと同様と
し、つまりレーザスポットLSPのサイズ(直径)が通
常の光記録再生装置とほぼ同様のサイズであり、良好な
記録再生動作のためにはトラックピッチが少なくとも
1.2μm程度必要であると仮定する。
【0163】ところが、このツインピット型ROMディ
スクでは、2トラック同時走査を行なうため、トラック
ピッチとしては 0.6μmというように半分としてよく、
これによって2倍以上の著しい高密度記録が実現でき
る。また、2トラック同時の再生方法については後述す
るが、2トラック同時の再生により再生データの転送レ
ートは2倍とすることができる。
【0164】また、サーボピットのAパターン、Bパタ
ーン、Cパターンはそれぞれ1.2μmの幅で形成され
ており、これによってトラッキング動作でみた場合に少
なくとも1.2μmのピッチが確保され、十分に正確な
トラッキングサーボを行なうことができる。そのうえサ
ーボピットは、各サーボピットトラックの中間位置単位
でみていけば図示するように半径方向にAパターン,B
パターン,Cパターンの順に並ぶことになり、3つのサ
ーボピットトラックピッチ分の範囲で、その時点のサー
ボパターンを形成しているサーボピット以外のサーボピ
ットからの干渉がない。つまり、レーザスポットLSP
が或るパターンを形成するサーボピット群の中央を通過
するときに、その各サーボピットに隣接するサーボピッ
トはみえないことと同等となる。
【0165】従って、トラッキングサーボ動作に関して
みれば、データトラックピッチの3倍である 1.8μmの
トラックピッチでのサーボ制御と同等となり、正確かつ
安定したトラッキング制御が可能となるとともに、さら
なる狭トラックピッチ化にも対応できるものとなる。
【0166】なお、アンカーピットPanを形成してい
るプリライトエリアPRには、例えばセクターマーク、
セグメントマーク等を形成するようにしてもよい。
【0167】<III −2.2チャンネルツインピットと
ロジカルツインピット>ところで、この図17、図1
8、図19に示したような構成をとるツインピット型R
OMディスクとしては、記録するデータ構成として、特
にレフトトラックLtkとライトトラックRtkにおい
て、データ的に互いに独立した内容とする方式と、デー
タ的に互いに相関した内容とする方式とが考えられる。
【0168】データ的に互いに独立した内容とする方式
を2チャンネルツインピット方式とよぶとすると、この
2チャンネルツインピット方式は図20(a)のデータ
例に示すようなものとなる。即ち、例えばレフトトラッ
クLtkをチャンネルch1,ライトトラックRtkを
チャンネルch2として考え、それぞれ独立したデータ
に基づくピットPtを形成していく。
【0169】ピットPtを『1』、ピットが形成されて
いない部分を『0』として、矢印で示すデータクロック
タイミングでデータ(RF信号)を抽出するとすると、
この例の場合はレーザスポットLSPの走査により、チ
ャンネルch1の再生データとして『1,0,1,1,
0,0,1,0,0,1,0・・・ 』という値が抽出され
る。また、チャンネルch2の再生データとして『1,
1,0,1,0,1,1,1,0,0,1・・・ 』という
値が抽出される。各チャンネルch1,ch2として読
み出されたデータ列は、それぞれ独立にデコード処理さ
れ、2チャンネルの再生データが読み取られる。
【0170】このように2重らせんを形成するレフトト
ラックLtkとライトトラックRtkにおいて、データ
デコード処理上で独立に行なうものが、2チャンネルツ
インピット方式となる。
【0171】一方、レフトトラックLtkとライトトラ
ックRtにおいてデータ的に互いに相関した内容とする
ロジカルツインピット方式では、両方のトラックからの
抽出された値を用いて、1つの値を得、それをデコード
するものである。この場合、1つのデータクロックタイ
ミングにおいて、例えば4値検出を行なうことができ
る。
【0172】例えば図20(b)は、ピットパターンと
しては図19(a)と全く同様のものとしているが、矢
印で示すデータクロックタイミングにおいて両トラック
のピットPtの有無により、『00』『01』『10』
『11』の4値を抽出するようにしている。例えばレフ
トトラックLtk側を上位ビットとすると、レーザスポ
ットLSPの走査により、再生データとして『11』
『01』『10』『11』『00』『01』『11』
『01』『00』『10』『01』・・・・という値が抽出
されていくことになる。
【0173】なお、この例はいわゆる4値検出としたも
のであるが、次に説明するように例えば4分割ディテク
タを用いて検出する反射光に基づいたRF信号とプッシ
ュプル信号の両方を利用することで、このような4値検
出が可能となる。
【0174】また、RF信号のみ、もしくはプッシュプ
ル信号のみを用いて3値検出を行なうこともでき、ロジ
カルツインピット方式の場合は、3値検出によるものと
してもよい。
【0175】例えばRF信号のみでのデータ抽出を行な
うのであれば、『両トラックにピットがある』『両トラ
ックにピットがない』『一方のトラックにピットがあ
る』という状態を判別でき、これにより3値データを抽
出できる。またプッシュプル信号を用いれば、『両トラ
ックにピットがあるか、もしくは両トラックにピットが
ない』『レフトトラックLtkにピットがある』『ライ
トトラックRtkにピットがある』という状態を判別で
き、これにより3値データを抽出できる。
【0176】ただし、2チャンネルツインピットの場合
は、各トラックにつき独立してピット情報を抽出しなけ
ればならないので、両トラックでの4とおりのピット有
無状態が検出できないといけない。つまり4値検出動作
が必要になる。
【0177】なお、上記の2チャンネルツインピット方
式とロジカルツインピット方式のいづれの方式が採用さ
れても、ROMディスクとしての大容量化が実現できる
ことはいうまでもない。
【0178】<III −3.ツインピットデータの読出方
式>このようなツインピット型ROMディスクにおける
2トラック同時走査によるデータ読出を行なう方式の一
例(3値検出及び4値検出)について説明する。図21
に示す光学ピックアップ4の対物レンズ4aは、従来の
光ピックアップと同等の開口率(NA:Numerical Aper
ture)を有しており、レーザ光源からの出射光を集光し
て、光ディスク1の記録面1aに照射するとし、上述の
ように記録面1aにおけるレーザスポットLSPのサイ
ズは、データトラックのトラックピッチの略2倍となっ
ているとする。
【0179】光ディスク1の記録面1aには、記録デー
タに基づいてピットPtが形成されているわけである
が、データクロックタイミングにおけるレフトトラック
LtkとライトトラックRtkの状態としては、図21
(a)〜(d)に示す4とおりがある。即ち両トラック
にピットがない場合、レフトトラックLtkのみにピッ
トがある場合、ライトトラックRtkのみにピットがあ
る場合、両トラックにピットがある場合の4とおりであ
る。
【0180】なお、図21(a)〜(d)において一点
鎖線がレフトトラックLtkとライトトラックRtkの
位置を示しており、この図21(a)〜(d)のそれぞ
れはレフトトラックLtkとライトトラックRtkの状
態に応じた、対物レンズ4aを介して照射されるレーザ
ビームの反射光の強度分布を示している。
【0181】図21(a)に示すように、両トラックに
ピットPtが無いときは、反射光の強度分布は、紙面上
で左右対象となる。また図21(b)に示すように、ラ
イトトラックRtkにピットPtが無く、レフトトラッ
クLtkにピットPtが存在するときは、ピットPtで
の回折により、反射光の強度分布は、紙面上で右側が強
くなる。
【0182】逆に図21(c)に示すように、ライトト
ラックRtkにピットPtが存在し、レフトトラックL
tkにピットPtが無いときは、反射光の強度分布は、
紙面上で左側が強くなる。また図21(d)に示すよう
に、両トラックにピットPtが存在するときは、反射光
の強度分布は、左右対称であってピットPtが無い場合
に比して弱くなる。
【0183】このように、ピットPtの有無に基づいた
強度分布を有する反射光は、対物レンズ4aにより平行
光とされた後、再び光学ピックアップ4内の光学系に導
かれ、最終的に例えば図22のような受光領域パターン
を有するディテクタ4dに照射される。
【0184】この図22に示すディテクタ4dは、その
受光領域が4つの領域KA,KB,KC,KDに分割さ
れている。そして、ディテクタ4dの受光面でのファー
フィールドパターンは、上記図21(a)〜(d)の各
場合に応じて異なるものとなる。例えば図23(a)上
段にはライトトラックRtkにピットPtが存在し、レ
フトトラックLtkにピットPtが無い状態が示されて
いるが、このときディテクタ4dでは、領域KA、KD
が明るく、領域KB、KCがピットPtでの回折によっ
て暗くなる(斜線で示す)。
【0185】一方、図23(b)に示すように、ライト
トラックRtkにピットPtが無く、レフトトラックL
tkにピットPtが存在するときは、領域KA、KDが
暗く、領域KB、KCが明るくなる。また図23(c)
に示すように、両トラックにピットPtが存在するとき
は、全ての領域KA、KB、KC、KDが暗くなり、ま
た、図23(d)に示すように、両トラックにピットP
tが無いときは、全ての領域KA、KB、KC、KDが
明るくなる。
【0186】このようなディテクタ4dからは、RF信
号は(KA+KB+KC+KD)としての出力とされる
が、レーザスポットLSPが両トラックを同時に走査し
た場合にRF信号のレベルを検出すると、両トラックに
ピットPtが存在しないとき、何れか一方のトラックに
ピットPtが存在するとき、両トラックにピットPtが
存在するときの3つの場合に対応して、例えば図24
(a)に示すように、RF信号のレベルとしては3つの
レベル(Hレベル、Mレベル、Lレベル)が観測され
る。なお図24(a)に示すグラフの横軸のビームポジ
ションは、図24(b)に示すように、レーザスポット
LSPのトラック方向の位置を表している。
【0187】そこで、2つの閾値によってRF信号のレ
ベルを判別することで、Hレベル、Mレベル、Lレベル
が判別でき、これによって両トラック同時再生の際の3
値検出が可能となる。
【0188】また、プッシュプル信号、即ち(領域KA
+KBの出力)−(領域KC+KDの出力)を用いても
同様の3値検出を行なうことができる。図23(a)〜
(d)の各場合にそれぞれ対応して、プッシュプル信号
による回折レベルを数値モデルとして示すと、プッシュ
プル信号(KA+KB)−(KC+KD)の値は『−
1』『+1』『0』『0』となる。従って、RF信号の
場合と同様に3つのレベル(Hレベル『+1』、Mレベ
ル『0』、Lレベル『−1』)が観測されることにな
り、所要のしきい値を設定することで3値検出が可能と
なる。
【0189】4値検出を行なう場合は、RF信号とプッ
シュプル信号の組み合わせで隣接トラックどうしのピッ
トパターンを判別する。図23(a)〜(d)の各場合
にそれぞれ対応して、RF信号とプッシュプル信号によ
る回折レベルを数値モデルとして示すと、RF信号は
『1』『1』『2』『0』となり、プッシュプル信号は
『−1』『+1』『0』『0』となる。
【0190】つまり、次のように4値判別ができる。R
F信号=『1』かつプッシュプル信号=『−1』の場合
は、レフトトラックLtkにピットPtがなく、ライト
トラックRtkにピットPtがある。RF信号=『1』
かつプッシュプル信号=『+1』の場合は、レフトトラ
ックLtkにピットPtがあり、ライトトラックRtk
にピットPtがない。RF信号=『2』かつプッシュプ
ル信号=『0』の場合は、両トラックにピットPtがあ
る。RF信号=『0』かつプッシュプル信号=『0』の
場合は、両トラックにピットPtがない。
【0191】以上のように、形状が例えばコンパクトデ
ィスクと同じピットPtがレーザスポットLSPのサイ
ズの略1/2のトラックピッチで高密度記録されている
光ディスク1からデータを再生する際に、反射光の強度
分布を受光領域を複数に分割したディテクタ4dによっ
て検出することにより、トラック毎のピット情報を、も
しくは両トラックで論理的関連のあるピット情報を読み
出すことができる。
【0192】<III −4.ウォブルピットを含めたツイ
ンピット方式>ところで、上記ロジカルツインピット方
式においてレフトトラックLtkとライトトラックRt
kの2トラック同時走査を考えた場合、レフトトラック
LtkとライトトラックRtkのそれぞれにウォブルピ
ットを形成することで、例えば16値検出が可能にな
り、これにより更なる大容量化を実現することもでき
る。また2チャンネルツインピットの場合であれば、各
トラックにおいて1データクロックタイミングで4値検
出を行なうことができ、これも同様に大容量化を実現で
きる。
【0193】このような例について図25〜図28を用
いて述べていく。図25(a)は、ウォブルピットを含
めたうえでレフトトラックLtkとライトトラックRt
kの2トラックで形成されるピットパターンP1 〜P16
を示したものである。
【0194】この場合、各トラックにおいては、ピット
Ptとしてトラックセンタ上に位置するピット(非ウォ
ブルピット(α))と、各トラックのセンタより+Δt
方向に偏倚して位置するピット(ウォブルピット
(β))、トラックセンタより−Δt方向に偏倚して位
置するピット(ウォブルピット(γ))が設けられ、さ
らにピットPtが形成されないミラー部(M)が設けら
れることによって、4値の情報が表現されている。
【0195】この4値の情報それぞれをα,β,γ,M
として示すと、図25(b)のように、トラック#n
(レフトトラックLtk)には情報α1 ,β1 ,γ1
1 、トラック#n+1(ライトトラックRtk)には
情報α2 ,β2 ,γ2 ,M2 が存在し、つまり、レーザ
スポットLSPがトラック#nとトラック#n+1を同
時に走査されるようにすることによって、情報α1 ,β
1 ,γ1 ,M1 と情報α2 ,β2 ,γ2 ,M2 の組み合
わせによる16種類のデータ表現(ピットパターンP1
〜P16)が可能となる。
【0196】従って、この光ディスクのトラックに記録
すべきデータは、ロジカルツインピット方式であれば、
16値データをピットパターンP1 〜P16のいづれかに
より表現して記録すればよい。即ち『0000』〜『1
111』の値を隣接するトラック同志の1データクロッ
クタイミングで表現する。また2チャンネルツインピッ
ト方式であれば、各トラックにそれぞれ4値データを記
録できる。例えばα,β,γ,Mの情報を、それぞれ記
録データの『11』『10』『01』『00』に対応さ
せる。かくして、この光ディスクの記憶容量は、単にピ
ットの有無で『1』『0』の2値を表現する光ディスク
より飛躍的に増大したものとなる。
【0197】このようなウォブルピットを含んだピット
パターンからのデータ抽出方式を説明する。図26に示
すように、レーザスポットLSPに対し、レフトトラッ
クLtk上にミラー部M1 及びピットα1 ,β1 ,γ1
が存在し、またライトトラックRtk上にミラー部M2
及びピットα2 ,β2 ,γ2 が存在するとすると、図2
2に示したようなディテクタ4dの受光エリアKA、K
Dによって得られる回折レベル即ちI1 レベルと、ディ
テクタ4dの受光エリアKB、KCによって得られる回
折レベル即ちI2 レベルは、図26に示されるように、
それぞれ、0、L、2L、3Lと対応することになる。
このI1 回折レベルとI2 回折レベルをピットパターン
1 〜P16についてそれぞれ示すと図25(c)のよう
になる。
【0198】そして、RF信号はI1 +I2 で得られる
ため、RF信号としての回折レベルは図25(d)のよ
うにピットパターンP1 〜P16に応じて0〜−6までの
レベル分布を有することになり、一方、I1 −I2 で得
られるプッシュプル信号は図25(e)のようにピット
パターンP1 〜P16に応じて−3〜+3までのレベル分
布を示すことになる。
【0199】これをRF信号(変調度)及びプッシュプ
ル信号について示したものが図27(a)(b)であ
る。なお、図27(a)(b)では、縦軸として0.0
をミラーレベルとして算出される値としている。また横
軸となるビームポジションとは、図24(b)に示すよ
うにピット中心を0.0地点として、再生走査方向にレ
ーザスポットLSPが移動した位置を示している。従っ
て、ビームポジション0.0地点に相当するデータクロ
ックDCKによってデータ抽出を行なうことにより、R
F信号として0〜−0.65程度までのレベル範囲で情
報が抽出され、またプッシュプル信号として−0.3〜
+0.3程度までのレベル範囲で情報が抽出される。
【0200】このようにRF信号とプッシュプル信号の
いづれもが7種類の区分でレベル判定可能であり、しか
も、ピットパターンP1 〜P16のそれぞれは、図28の
ようにRF信号とプッシュプル信号のレベル区分に応じ
た情報マップ上に独立して位置することになるため、再
生装置ではこの情報マップをデコーダ内に保持している
ことにより、デジタルデータ化されて入力されたRF信
号の値とプッシュプル信号の値から、再生走査されたの
はピットパターンP1 〜P16のいづれであるかを容易に
判別できることになる。
【0201】例えば、RF信号値が−0.2(つまり情
報マップにおける2)、プッシュプル信号値が0.0
(情報マップにおける0)であったとしたら、ピットパ
ターンP7 と判別され、レフトトラックLtkは+Δt
のウォブルピットによる情報β、ライトトラックRtk
は−Δtのウォブルピットによる情報γであるとしてデ
ータを抽出できる。
【0202】なお、図28のような情報マップをデコー
ダ(データ検出部14)内に記憶しておくことにより、
RF信号値とプッシュプル信号値からピットパターンP
1 〜P16の判別が可能となるが、このためには図28に
示すようにRF信号値を0〜6のレベルに判別するため
のスレッショルド値SLR1〜SLR6が必要になり、また
プッシュプル信号値を−3〜+3のレベルに判別するた
めのスレッショルド値SLP1〜SLP6が必要になる。
【0203】各種光ディスク毎に反射率が常に一定であ
れば、また光ディスクにおいて符号間干渉が認められな
ければスレッショルド値SLR1〜SLR6及びSLP1〜S
P6は予め実験データ等に基づいて記憶させておけばよ
いが、実際には、符号間干渉等により、α,β,γ,M
の情報に基づくRF信号値及びプッシュプル信号値は変
動することが考えられる。
【0204】そこで、光ディスク1上に所定周期の所定
エリアに(例えばサーボエリアARs近辺に)、図25
(a)に示した16とおりのピットパターンの全部又は
一部をそのままリファレンス情報として予め記録してお
き、再生時においては、このリファレンス情報における
各パターンを再生した際に得られるRF信号値及びプッ
シュプル信号値から、最適なスレッショルド値SLR1
SLR6及びSLP1〜SLP6を算出し、デコーダ内に記憶
するようにする。これによって正確な16値判別が可能
となる。
【0205】例えば図18におけるアンカーピットPa
nが記録されているプリライトエリアPRやポストライ
トエリアPOを利用してリファレンス情報を記録するこ
とが考えられる。またサーボピットが形成されているサ
ーボエリアARsでは、ピットパターンP1 、ピットパ
ターンP4 、ピットパターンP13、ピットパターンP16
が表現されていることになるため、このサーボピットを
ピットパターンP1 、P4 、P13、P16のリファレンス
情報として利用してもよい。
【0206】[IV RAMディスク] <IV−1.L/G交互型RAMディスク>次に、上述し
たディスク構造、トラック/フレーム/セグメントフォ
ーマット、及びセクターフォーマットに基づいて形成さ
れ、また上述した3相トラッキング動作が実行されるよ
うにサーボピットが形成される本例のディスクとしての
RAMディスクについて説明する。なお、このRAMデ
ィスクは、トラックの円周方向の進行に伴ってランドL
DとグルーブGBが交互にあらわれるようにしたことを
特徴とするものであり、特にランド/グルーブ交互型
(L/G交互型)RAMディスクと呼ぶこととする。
【0207】図29はこのL/G交互型RAMディスク
のトラック構造のイメージを模式的に示したものであ
り、また図30はこのL/G交互型RAMディスクにお
けるサーボエリアARsとその前後のデータエリアAR
dの一部を示している。さらに図31は、上述した図1
9と同様の形式で、ディスク上の各サーボエリアにおけ
るサーボピットパターンの形成状態を示している。
【0208】図29においてサーボエリアARsに相当
する箇所での黒部分は上述してきた3相トラッキングの
ためのサーボピットを表現している。また円周方向に2
つのサーボエリアARsの間となるデータエリアARd
において斜線部分とした曲線部分はグルーブGBによる
データトラックを表現し、さらにデータエリアARdに
おいて斜線が付されていない部分はランドLDによるデ
ータトラックを表現している。
【0209】さらに、レーザスポットLSPを起点とし
てスパイラル状に進行する実線矢印SSPRが示されて
いるが、これはこのL/G交互型RAMディスクに対す
るレーザスポットLSPの記録走査軌跡及び再生走査軌
跡を示している。
【0210】図30ではL/G交互型RAMディスクに
おけるサーボエリアARsとその前後のデータエリアA
Rdを拡大して示しているが、表記方式は前述の図18
と同様としている。この場合も、サーボエリアARsは
サーボクロックSCKを基準として24サーボクロック
分の領域となり、サーボクロックSCKに基づいてサー
ボピット情報の抽出等が行なわれる。また図8で説明し
たようにポジションPSA におけるサーボピットの位置
により、セグメントの種別が表現されている。
【0211】一方データエリアARdはデータクロック
DCKに基づいてデータの再生が行なわれるが、データ
エリアARdは上記ツインピット型ROMディスクのよ
うなピット列ではなく、グルーブGBもしくはランドL
Dとされている。データエリアARdの終端となるポス
トライトエリアPO、及びデータエリアARdの先頭と
なるプリライトエリアPRは、このL/G交互型RAM
ディスクでは、図5において説明したように、主に記録
動作の際のレーザの余熱や消し残りの防止を目的として
用いられる。
【0212】図29、図30からわかるように、このL
/G交互型RAMディスクは、サーボピットトラック
(サーボエリアARsにおけるピット列)は、データト
ラック(データエリアARdにおけるランドLD又はグ
ルーブGB)の中心とは、円周方向には一致していな
い。
【0213】従って、Aパターン/Bパターン/Cパタ
ーンのいづれかを形成する2つの隣接するサーボピット
トラックによってトラッキングサーボを行ない、図示す
るようにレーザスポットLSPの記録再生走査SSPR
が、その2つの隣接するサーボピットトラックの中間位
置をトラッキングセンタとして進行するとすると、デー
タエリアARdにおいては、記録再生走査SSPRはグ
ルーブGBの中央もしくはランドLDの中央を進行する
ことになる。つまりグルーブGBもしくはランドLDに
対してジャストトラッキング状態とされてレーザスポッ
トLSPによる走査SSPRが進行する。
【0214】そして、図29からわかるように、円周位
置TNCGを始点及び終点とする1周回トラック毎にみ
ていくと、データエリアARdがグルーブGBとされる
セグメントにより形成されているトラックと、データエ
リアARdがランドLDとされるセグメントにより形成
されているトラックとが交互に表われるようになってい
る。
【0215】つまり、或るトラックでは、サーボエリア
ARs→グルーブGB→サーボエリアARs→グルーブ
GB→・・・・・・→サーボエリアARs→グルーブGBとい
うように走査が進行していくが、円周位置TNCGに達
して次のトラックに進むと、そのトラックの走査は、サ
ーボエリアARs→ランドLD→サーボエリアARs→
ランドLD→・・・・・・→サーボエリアARs→ランドLD
というように進行する。これによりグルーブGBとラン
ドLDは、いずれもデータ記録に用いられることにな
る。
【0216】このように、このL/G交互型RAMディ
スクは、データエリアARdがグルーブGBとされるセ
グメントによって形成されるトラック(以下グルーブト
ラックという)と、データエリアARdがランドLDと
されるセグメントによって形成されるトラック(以下ラ
ンドトラックという)とが1周回トラック毎に交互形成
されるものとなっている。
【0217】なお、ここでいうセグメントとは図4、図
5などに示したデータセグメントDSEG(x)をいっ
ており、上述したようにアドレスセグメントASEG
(x)は光磁気記録再生エリアとしてのグルーブ/ラン
ドではなく、ピット列による再生専用データとしてアド
レス等のデータが記録されるものとなる。
【0218】図29の模式図では、説明の簡略化のため
にアドレスセグメントASEG(x)については省略
し、データセグメントDSEG(x)のみで考えた場合
のイメージを示しているものである。なおこのような図
面の表記形態は後述する図32、図41、図50、図5
6でも同様とする。
【0219】図29の円周位置TNCGがトラックナン
バの変更点、つまり周回トラックの始点及び終点である
としているが、この円周位置TNCGからのサーボエリ
アARsの前後部分が図30に示されているものであ
る。この図30で明確にわかるように、ランドトラック
を進行してきた記録再生走査SSPRは、そのまま進行
すると、この円周位置TNCGからのサーボエリアAR
sを境界としてグルーブトラックに突入する。
【0220】またグルーブトラックを進行してきた記録
再生走査SSPRは、そのまま進行すると、この円周位
置TNCGからのサーボエリアARsを境界としてラン
ドトラックに突入することになる。これらの様子を図
中、各記録再生走査SSPRについて(LD→GB)も
しくは(GB→LD)として示している。
【0221】図29にみられるように、サーボエリアA
Rsにおけるサーボピットのパターンとしては、円周方
向には1周回トラック毎にパターンが変化していく。つ
まり走査は、Aパターンのトラック→Bパターンのトラ
ック→Cパターンのトラック→Aパターンのトラック・・
・・・ というように進行していく。図31にはこのような
サーボピットパターンの変化をわかりやすく示している
が、円周方向でのパターン変化はAパターン→Bパター
ン→Cパターンの順となる。そして半径方向にみると、
図7(b)(c)に示したようなパターン、つまり隣接
する各サーボピットトラックの中間を順次基準としてみ
た場合に、Aパターン→Bパターン→Cパターン→・・・・
・・というようにパターンが変化するが、この場合におい
て、記録再生走査SSPRはグルーブトラックとランド
トラックを交互に進行していくため、半径方向にみれば
再生走査SSPはランドLDとグルーブGBのピッチ分
づつ進行していくことになり、つまり走査とサーボピッ
トトラックの関係は図7(b)の状態となる。
【0222】図30において各記録再生走査SSPRの
左側に、各記録再生走査SSPRに対応するサーボピッ
トのパターンを(A)(B)(C)として示している
が、ディスク半径方向に各記録再生走査SSPRを順次
みていくとわかるように、半径方向にはトラッキングサ
ーボ動作に関して、通常モードによりAパターン→Bパ
ターン→Cパターン→Aパターン→Bパターン→Cパタ
ーン→・・・・・・というように各パターンに応じたトラッキ
ングエラー信号生成動作が行われながら、本例のような
グルーブトラックとランドトラックを交互に進行してい
く走査が実行されることになる。
【0223】つまり本例のL/G交互型RAMディスク
では、図31のようにサーボピットパターンが、周方向
にみても、また半径方向にみても、Aパターン→Bパタ
ーン→Cパターンの順に変化していくようにサーボピッ
トが形成されている。
【0224】このようなL/G交互型RAMディスクは
次のような特徴を有するものとなる。まず、図11に示
した記録再生装置で記録再生されるディスクのうちで、
サーボピットパターンがAパターン→Bパターン→Cパ
ターンと変化していくことを、このようなL/G交互型
RAMディスク(もしくはリライタブル領域ARW)に
専用化するとする。すると走査時において各サーボエリ
アARsでのパターンを図15の論理演算回路24から
出力されるパターンモニタ信号PMから判別していき、
それがAパターン→Bパターン→Cパターンと変化する
ことが観測されることで、そのディスクはRAMディス
ク(もしくは後述するパーシャルROMディスクのリラ
イタブル領域ARW)であるという判別が可能となる。
つまり上述したROMディスクの場合は、サーボピット
パターンがCパターン→Bパターン→Aパターンと変化
するようにしているため、このパターン変化の進行の違
いによりディスク判別が可能となる。
【0225】なお本例では上述したROMディスクと後
述するパーシャルROMディスクのROM領域AE、及
びRAMディスクとパーシャルROMディスクのリライ
タブル領域ARWを、同一のサーボピット変化パターン
を有するようにし、パターンモニタ信号PMにより領域
判別(ROM領域AEかリライタブル領域ARWか)を
行うようにしている。このためROMディスク、RAM
ディスク、パーシャルRディスクという種別の判別はそ
のままではできない例となっているが、サーボピットパ
ターンの変化からディスク種別判別を行うようにするこ
とはもちろん可能である。例えばサーボピットパターン
の変化形式のバリエーションとしてはAパターン→Bパ
ターン→Cパターンと、Cパターン→Bパターン→Aパ
ターンという変化進行方向とともに、変化の発生の割合
も加えることができる。例えば上述したROMディス
ク、RAMディスクでは、1トラック単位でパターンが
変化しているが、1トラック内で細かく変化してもよ
い。このような変化形式のバリエーションのうちの1つ
を各ディスク種別毎に割り当てれば種別判別もできる。
【0226】ところでこのL/G交互型RAMディスク
でも、上述したように3相トラッキング動作の特性の1
つとしてロックモードの動作によりサーボループを閉じ
たままでトラックジャンプを行うことができる。このロ
ックモードでの動作によりトラックジャンプはもちろん
であるが、さらに各種の変速再生動作も実現できる。な
お、トラックジャンプや変速再生動作は、後述するパー
シャルROMディスクでのリライタブル領域ARWにお
けるそれと同様となるようにしているため、後にまとめ
て説明する。
【0227】またL/G交互型RAMディスクでは、記
録密度の高密度化を実現できる。この場合、データトラ
ックピッチ、即ちランドLDの中心からグルーブGBの
中心までの幅を 0.6μmとし、レーザスポットLSPの
サイズが略2倍である 1.2μm程度としても、サーボピ
ットのAパターン、Bパターン、Cパターンはそれぞれ
1.2μmの幅で構成されている。従って、記録再生走査
SSPRにおけるトラッキング動作でみた場合は少なく
とも 1.2μmのトラックピッチが確保されていることに
なり、十分に正確なトラッキングサーボを行なうことが
できる。
【0228】そのうえ、サーボピットとしては、各サー
ボピットトラックの中間位置毎にみていけば、半径方向
にAパターン,Bパターン,Cパターンの順に並ぶこと
で、3つのサーボピットトラックピッチ分の範囲で、そ
の時点のサーボパターンを形成しているサーボピット以
外のサーボピットからの干渉がない。つまり、レーザス
ポットLSPが或るパターンを形成するサーボピット群
の中央を通過するときに、その各サーボピットに隣接す
るサーボピットはみえないことと同等となる。
【0229】従って、トラッキングサーボ動作に関して
みれば、データトラックピッチの3倍である 1.8μmの
トラックピッチでのサーボ制御と同等となり、正確かつ
安定したトラッキング制御が可能となるとともに、さら
なる狭トラックピッチ化にも対応できるものとなる。
【0230】そして、このL/G交互型RAMディスク
では、ランドLDとグルーブGBの両方が記録トラック
として用いられるため、従来のディスク、即ちランドも
しくはグルーブの一方が記録トラックとされるディスク
に比べて2倍の高密度記録が実現できる。
【0231】[V パーシャルROMディスク.タイプ
1] <V−1.ディスクフォーマット>次に、上述したディ
スク構造、トラック/フレーム/セグメントフォーマッ
ト、及びセクターフォーマットに基づいて形成され、ま
た上述した3相トラッキング動作が実行されるようにサ
ーボピットが形成される本例のディスクとしてのパーシ
ャルROMディスクについて説明する。パーシャルRO
Mディスクにおいて、サーボピットパターンの変化形式
や、リライタブル領域の構成が異なる例としてタイプ1
からタイプ5をあげ、順次説明していく。
【0232】なお、パーシャルROMディスクは図3に
示したように、ROM領域AEとリライタブル領域AR
Wを有するわけであるが、図3(d)のように外周側が
リライタブル領域ARW、内周側がROM領域AEとさ
れている例で説明する。もちろん以下説明していく本例
の各種パーシャルROMディスクに採用されている技術
思想は、図3(c)のように外周側がROM領域AEと
されるタイプのものでも、さらにはユーザーエリアが半
径方向に3以上の領域に分割されてROM領域とリライ
タブル領域が交互に配置されるタイプのものでも、全く
同様に適用できるものである。
【0233】そしてタイプ1として説明するパーシャル
ROMディスクは、ツインピット型ROM+L/G交互
型RAMが複合されたパーシャルROMディスクとす
る。即ち図29、図30で説明したように、トラックの
円周方向の進行に伴ってランドトラックとグルーブトラ
ックが1周回トラック毎に交互にあらわれるようにした
L/G交互型のリライタブル領域と、図17、図18で
説明したように、レフトトラックLtkとライトトラッ
クRtkにより2重らせん状のトラックが形成され、こ
れらが同時走査されるようにしたツインピット型として
のROM領域を有するものである。
【0234】図32はこのツインピット型ROM+L/
G交互型RAMのパーシャルROMディスクのトラック
構造のイメージを模式的に示したものであり、また図3
3はこのパーシャルROMディスクにおける円周位置T
NCGでのサーボエリアARsとその前後のデータエリ
アARdの一部を示している。さらに図34はこのパー
シャルROMディスクのサーボピットパターンの形成状
態を走査トラック単位で示している。
【0235】図32においてサーボエリアARsに相当
する箇所での黒部分は上述してきた3相トラッキングの
ためのサーボピットを表現している。またディスク外周
側における2つのサーボエリアARsの間となるデータ
エリアARdにおいて斜線部分とした曲線部分はグルー
ブGBによるデータトラックを表現し、さらにデータエ
リアARdにおいて斜線が付されていない部分はランド
LDによるデータトラックを表現している。
【0236】そして、スパイラル状に進行する実線矢印
SSPRは、このディスク外周側のL/G交互型RAM
としてのリライタブル領域でのレーザスポットLSPの
記録走査軌跡及び再生走査軌跡を示している。一方、デ
ィスク内周側において円周方向に2つのサーボエリアA
Rsの間となるデータエリアARdにおいて黒部分とし
た曲線はピットによるデータトラックを表現している。
さらに、スパイラル状に進行する実線矢印SSPはツイ
ンピット型ROMとされている内周側でのレーザスポッ
トLSPの再生走査軌跡を示している。
【0237】図33は、前述した図30と同様の構成と
なるL/G交互型RAMとしてのリライタブル領域と、
図18と同様の構成となるツインピット型ROMとして
のROM領域におけるサーボエリアARsとその前後の
データエリアARdとを、拡大して示している。表記方
式は前述の図18、図30と同様としている。
【0238】サーボエリアARsはサーボクロックSC
Kを基準として24サーボクロック分の領域となり、サ
ーボクロックSCKに基づいてサーボピット情報の抽出
等が行なわれる。また図8で説明したようにポジション
PSA におけるサーボピットの位置により、セグメント
の種別が表現されている。
【0239】一方データエリアARdはデータクロック
DCKに基づいてデータの再生が行なわれるが、ディス
ク内周側におけるデータエリアARdは上記ツインピッ
ト型ROMディスクと同様にレフトトラックLtkとラ
イトトラックRtkによる2重らせん状のピット列とさ
れる。またディスク外周側におけるデータエリアARd
は、グルーブGBもしくはランドLDとされている。
【0240】データエリアARdの終端となるポストラ
イトエリアPO、及びデータエリアARdの先頭となる
プリライトエリアPRは、ディスク外周側のリライタブ
ル領域では、図5において説明したように、主に記録動
作の際のレーザの余熱や消し残りの防止を目的として用
いられ、一方ディスク内周側のROM領域では、フォー
マットの互換のために設けられるとともに、ミラー部分
を減らす目的でアンカーピットPanが形成されてい
る。
【0241】図32、図33からわかるように、このパ
ーシャルROMディスクは、外周側においては、サーボ
ピットトラック(サーボエリアARsにおけるピット
列)と、データトラック(データエリアARdにおける
ランドLD又はグルーブGB)の中心は、円周方向には
一致していない。
【0242】従って、Aパターン/Bパターン/Cパタ
ーンのいづれかを形成する2つの隣接するサーボピット
トラックによってトラッキングサーボを行ない、図示す
るようにレーザスポットLSPの記録再生走査SSPR
が、その2つの隣接するサーボピットトラックの中間位
置をトラッキングセンタとして進行するとすると、デー
タエリアARdにおいては、記録再生走査SSPRはグ
ルーブGBの中央もしくはランドLDの中央を進行する
ことになる。つまりグルーブGBもしくはランドLDに
対してジャストトラッキング状態とされてレーザスポッ
トLSPによる走査が進行する。
【0243】そして、円周位置TNCGを始点及び終点
とする1周回トラック毎にみていくと、データエリアA
RdがグルーブGBとされるセグメントにより形成され
ているグルーブトラックと、データエリアARdがラン
ドLDとされるセグメントにより形成されているランド
トラックとが交互に表われるようになっている。これに
よりグルーブGBとランドLDは、いずれもデータ記録
に用いられることになる。
【0244】図33において、ランドトラックを進行し
てきた記録再生走査SSPRが円周位置TNCGからの
サーボエリアARsを境界としてグルーブトラックに突
入する様子を(LD→GB)として、またグルーブトラ
ックを進行してきた記録再生走査SSPRが円周位置T
NCGからのサーボエリアARsを境界としてランドト
ラックに突入する様子を(GB→LD)として示してい
る。
【0245】また図32、図33からわかるように、こ
のパーシャルROMディスクは、内周側においては、サ
ーボピットトラックとデータトラック(データエリアA
Rdにおけるピット列)は、円周方向に一致したトラッ
クとなっている。
【0246】従って、Aパターン/Bパターン/Cパタ
ーンのいづれかを形成する2つの隣接するサーボピット
トラックによってトラッキングサーボを行ない、図示す
るようにレーザスポットLSPの再生走査SSPが、そ
の2つの隣接するサーボピットトラックの中間位置をト
ラッキングセンタとして進行するとすると、データエリ
アARdにおいても、再生走査SSPは2つの隣接する
データトラックの中間位置を進行することになる。つま
り2つの隣接するデータトラック、即ちレフトトラック
LtkとライトトラックRtkはレーザスポットLSP
によって同時に走査される。そして図32からわかるよ
うに、レフトトラックLtkとライトトラックRtk
は、ペアのままの状態でらせん状のトラックを形成して
いる。
【0247】このパーシャルROMディスクでは、図3
2、図34にみられるように、サーボエリアARsにお
けるサーボピットのパターンとしては、外周側のリライ
タブル領域では、円周方向には1トラック毎に、Aパタ
ーン→Bパターン→Cパターン→Aパターン→Bパター
ン→Cパターン→・・・・・・と変化していくように形成され
ている。一方、内周側のROM領域では、円周方向には
1トラック毎に、Cパターン→Bパターン→Aパターン
→Cパターン→Bパターン→Aパターン→・・・・・・と変化
していくように形成されている。
【0248】また半径方向にみると、図7(b)(c)
に示したようなパターン、つまり隣接する各サーボピッ
トトラックの中間を順次基準としてみた場合に、Aパタ
ーン→Bパターン→Cパターン→・・・・・・というようにパ
ターンが変化する。ただし、走査トラックとサーボピッ
トトラックの関係についてみると、リライタブル領域で
は図7(b)の状態になり、ROM領域では図7(c)
の状態となる。
【0249】つまりリライタブル領域は上述したRAM
ディスクと同様の変化形式でサーボピットパターンが形
成され、ROM領域は上述したROMディスクと同様の
変化形式でサーボピットパターンが形成されている。簡
単に言えば、リライタブル領域では円周方向にも半径方
向にも、Aパターン→Bパターン→Cパターンの順序で
サーボピットパターンが設定され、一方ROM領域で
は、円周方向にも半径方向にも、Cパターン→Bパター
ン→Aパターンの順序でサーボピットパターンが設定さ
れている。
【0250】なお、グルーブGB/ランドLDによるリ
ライタブル領域からピット列によるROM領域に移行す
る部分のトラックでは、サーボピットの規則性が崩れて
いるが、これはカッティング動作の際におけるサーボピ
ット形成の事情によるものであり、つまりリライタブル
領域とROM領域でサーボピットパターンを異ならせる
ため動作によるものである。詳述は避けるが、簡単にい
えば同一のサーボピットカッティング動作を2周回行
い、その間にディスクスライド速度を変化させること
で、カッティング時のシングルトラック方式とツイント
ラック方式の領域移行を実現するものである。この各領
域の境界部分としてサーボピットパターンの規則性が崩
れる部分は、図34ではトラジション部として黒塗りで
示している。
【0251】このパーシャルROMディスクの場合にお
いて、外周側で行なわれる記録再生走査SSPRは、グ
ルーブトラックとランドトラックを交互に進行していく
ため、半径方向にみれば再生走査SSPはランドLDと
グルーブGBのピッチ分づつ進行していく。
【0252】図33において各記録再生走査SSPRの
左側に、各記録再生走査SSPRに対応するサーボピッ
トのパターンを(A)(B)(C)として示している
が、ディスク半径方向に各記録再生走査SSPRを順次
みていくとわかるように、半径方向には、トラッキング
サーボ制御に関して、通常モードでAパターン→Bパタ
ーン→Cパターン→Aパターン→Bパターン→Cパター
ン→・・・・・・・・と切り替わっていく各サーボピットパター
ンに応じてトラッキングエラー信号が生成されていきな
がら、グルーブトラックとランドトラックを交互に進行
していく走査が実行される。
【0253】一方、内周側で行なわれる再生走査SSP
は、2重らせん状となっているレフトトラックLtkと
ライトトラックRtkを同時に走査するように、2重ら
せんの中央を進行していくため、半径方向にみれば再生
走査SSPは2トラックピッチ分づつ進行していく。図
33においてディスク半径方向に各再生走査SSPを順
次みていくとわかるように、半径方向にはトラッキング
サーボ制御に関して、トラッキングエラー信号を生成す
るためのサーボピットパターンがCパターン→Bパター
ン→Aパターン→Cパターン→Bパターン→Aパターン
→・・・・・・というように変化されていきながら、2重らせ
ん状のトラック(レフトトラックLtkとライトトラッ
クRtk)の同時走査が進行することになる。
【0254】つまりこのパーシャルROMディスクにつ
いては、図34から明確にわかるように、外周側のリラ
イタブル領域と内周側のROM領域においてトラッキン
グサーボ制御の基準となるサーボピットパターンの変化
形成が異なる順序とされる。
【0255】このパーシャルROMディスクのリライタ
ブル領域の場合、データトラックピッチ、即ちランドL
Dの中心からグルーブGBの中心までの幅、及びレフト
トラックLtkの中心からライトトラックRtkの中心
までの幅を 0.6μmとし、レーザスポットLSPのサイ
ズが略2倍である 1.2μm程度としても、サーボピット
のAパターン、Bパターン、Cパターンはそれぞれ 1.2
μmの幅で構成されている。従って、記録再生走査SS
PRにおけるトラッキング動作でみた場合は少なくとも
1.2μmのトラックピッチが確保されていることにな
り、十分に正確なトラッキングサーボを行なうことがで
きる。
【0256】そのうえ、サーボピットとしては、各サー
ボピットトラックの中間位置単位でみていけば、半径方
向にAパターン,Bパターン,Cパターンの順に並ぶこ
とになり、これによって、3つのサーボピットトラック
ピッチ分の範囲で、その時点のサーボパターンを形成し
ているサーボピット以外のサーボピットからの干渉がな
いことになる。つまり、レーザスポットLSPが或るパ
ターンを形成するサーボピット群の中央を通過するとき
に、その各サーボピットに隣接するサーボピットはみえ
ないことと同等となる。従って、トラッキングサーボ動
作に関してみれば、データトラックピッチの3倍である
1.8μmのトラックピッチでのサーボ制御と同等とな
り、正確かつ安定したトラッキング制御が可能となると
ともに、さらなる狭トラックピッチ化にも対応できるも
のとなる。
【0257】そして、このパーシャルROMディスクの
リライタブル領域では、ランドLDとグルーブGBの両
方が記録トラックとして用いられるため、従来のディス
ク、即ちランドもしくはグルーブの一方が記録トラック
とされるディスクに比べて2倍の高密度記録が実現でき
る。またこのパーシャルROMディスクのROM領域で
は、トラックピッチ 0.6μmのツインピット型ROMと
すること、上述した2チャンネルツインピット方式やロ
ジカルツインピット方式としてによる2トラック同時走
査を行なうこと、さらには2チャンネルツインピット方
式やロジカルツインピット方式においてさらに3値、4
値などの多値データを記録できることから、2倍以上の
著しい高密度記録と転送レートの高速化を実現できる。
【0258】このパーシャルROMディスクに対して上
述した記録再生装置により、3相トラッキングサーボ
(通常モード)が行なわれて記録/再生走査が行なわれ
ることになる。即ちL/G交互型RAMとなるリライタ
ブル領域については、サーボエリアARsにおけるサー
ボピットに基づいたサーボ制御により、1周回トラック
毎に、グルーブの中央に対するレーザスポットのトラッ
キング制御とランドの中央に対するレーザスポットのト
ラッキング制御を実行していくことでランドLDとグル
ーブGBの両方を記録トラックとして記録走査を行な
う。
【0259】またL/G交互型RAMとなるリライタブ
ル領域の再生時についても、サーボエリアARsにおけ
るサーボピットに基づいて、1周回トラック毎に、グル
ーブの中央に対するレーザスポットのトラッキング制御
とランドの中央に対するレーザスポットのトラッキング
制御を実行していくことで記録トラックとされているラ
ンドLDとグルーブGBの両方についての再生走査を行
なう。
【0260】またツインピット型もしくはツインピット
シングルデータ型のROM領域についての再生時には、
サーボエリアARsにおけるサーボピットに基づいて3
相トラッキング制御を行なうことで、二重らせんを形成
するレフトトラックLtkとライトトラックRtkの中
間位置に対するトラッキング制御を行なうことで2トラ
ック同時の再生走査を行なうことになる。
【0261】<V−2.エリア判別動作>このパーシャ
ルROMディスクでは、リライタブル領域とROM領域
においてトラッキングサーボ制御の基準となるサーボピ
ットパターンの変化形成が異なる順序とされる。このた
め、パターンモニタ信号PMを監視していて、走査が1
トラック進行する毎にAパターン→Bパターン→Cパタ
ーンの変化が観測されればそこはリライタブル領域であ
ると判別できる。
【0262】即ち具体的には、図35に示すように、ト
ラックアドレスが変化する円周位置TNCGにおいて、
或る通常モードでの走査において、パターンAからパタ
ーンBへの変化、パターンBからパターンCへの変化、
もしくはパターンCからパターンAへの変化のうちのい
づれかが観測された場合は、そこはリライタブル領域で
あると判別できる。
【0263】なお図35及び後述する図36〜図40、
図43〜図46、図48、図49、図53〜図55、図
59、図60において、実線矢印の通常走査はトラッキ
ングサーボが通常モードとされている状態での走査を示
し、また、破線矢印はトラッキングサーボがAロックモ
ードとされている状態での走査、一点鎖線矢印はトラッ
キングサーボがBロックモードとされている状態での走
査、点線矢印はトラッキングサーボがCロックモードと
されている状態での走査を、それぞれ示している。
【0264】このパーシャルROMディスクにおいて、
パターンモニタ信号PMを監視していて、走査が1トラ
ック進行する毎にCパターン→Bパターン→Aパターン
の変化、即ち具体的には図35の内周側のROM領域に
示すように、通常モードでの走査において、パターンA
からパターンCへの変化、パターンBからパターンAへ
の変化、もしくはパターンCからパターンBへの変化の
うちのいづれかが観測された場合は、そこはROM領域
であると判別できる。
【0265】このようにサーボピットパターンの変化形
式からエリア判別ができることで、記録再生時の動作モ
ードの基準としてのエリア判別動作はもとより、現在の
再生中の領域のユーザーに対する表示を行うなどの処理
も実行可能となる。さらにアクセス時のエリア判別、長
距離アクセス後のトラック位置微調整のための1トラッ
クジャンプの方向性判別などに好適となる。
【0266】記録再生装置は高速アクセス時には、図1
0に示したグレーコードを検出しながらディスク上の絶
対アドレスを読み取っていき、これにより、ロスがなく
正確な目的トラックへランディングできるようにしてい
る。しかしながらグレーコードにはエリアを示す情報は
含まれていない。このため何らかのエリア判別動作が必
要となるところ、本例ではサーボピットパターンの変化
形式でエリア判別ができるようにしている。
【0267】エリア判別を行う目的の1つには、トラッ
クジャンプ動作の方向性の設定という意味もある。上述
したようにトラッキング制御をロックモードとすること
で、トラッキングサーボループを閉じたままで隣接トラ
ックへのトラックジャンプが可能である。長距離アクセ
ス後には、着地時点から目的トラックまで1〜数トラッ
クのトラックジャンプが必要になることが多い。また通
常再生時や後述する変速再生時、さらには記録時にも、
トラックジャンプを必要とすることは多い。ところが、
パーシャルROMディスクの場合、リライタブル領域で
は外周側から内周側に向かって半径方向にAパターン→
Bパターン→Cパターンという順でサーボピットパター
ンが形成されており、一方ROM領域では外周側から内
周側に向かって半径方向にCパターン→Bパターン→A
パターンという順でサーボピットパターンが形成されて
いるため、互いに、或るロックモードとしたときの移動
方向が逆になる。
【0268】即ち図35の走査SSP1として示すよう
にリライタブル領域でAパターンのトラックを走査して
いる場合を例にあげると、このときCロックモードとす
ると、レーザスポット走査が外周側のトラックに移行す
るトラックジャンプが行われることになる。また走査S
SP2として示すようにリライタブル領域でのAパター
ンのトラックを走査しているときに、Bロックモードと
すると、レーザスポット走査が内周側のトラックに移行
するトラックジャンプが行われる。
【0269】一方、走査SSP3として示すようにRO
M領域でAパターンのトラックを走査している場合に
は、Cロックモードとすることでレーザスポット走査が
内周側のトラックに移行するトラックジャンプが行わ
れ、また走査SSP4として示すようにROM領域での
Aパターンのトラックを走査しているときに、Bロック
モードとすると、レーザスポット走査が外周側のトラッ
クに移行するトラックジャンプが行われる。
【0270】つまりこのパーシャルROMディスクで
は、リライタブル領域では、Aパターン走査時にCロッ
クモードとすること、Bパターン走査時にAロックモー
ドとすること、もしくはCパターン走査時にBロックモ
ードとすることで、リバース方向つまり外周側にトラッ
クジャンプが行われる。またAパターン走査時にBロッ
クモードとすること、Bパターン走査時にCロックモー
ドとすること、もしくはCパターン走査時にAロックモ
ードとすることで、内周側にトラックジャンプが行われ
る。
【0271】一方、このパーシャルROMディスクのR
OM領域では、Aパターン走査時にBロックモードとす
ること、Bパターン走査時にCロックモードとするこ
と、もしくはCパターン走査時にAロックモードとする
ことで、外周側にトラックジャンプが行われ、Aパター
ン走査時にCロックモードとすること、Bパターン走査
時にAロックモードとすること、もしくはCパターン走
査時にBロックモードとすることで、内周側にトラック
ジャンプが行われる。このようにROM領域とリライタ
ブル領域でトラックジャンプのためのロックモード選択
の方向性が逆になることも、エリア判別の必要性を要求
することになる。
【0272】図36にアクセス時の動作例を示す。リラ
イタブル領域内に位置する或るトラックTKM1を目的
トラックとしてアクセスACが行われたとする。このア
クセスACによる着地後の走査を走査SSP5とする。
この場合、Aパターントラックに着地したことになる
が、この走査SSP5を1周回実行していく間に、或る
時点で円周位置TNCGを通過し、このときサーボピッ
トパターンがAパターンからBパターンに変化すること
が観測される。これによって記録再生装置のコントロー
ラ6は、走査中の領域がリライタブル領域であることが
わかる。そして、アドレスから目的トラックTKM1が
3トラック分だけ外周側であることがわかったら、外周
側に3トラックジャンプを行えばよく、このために、図
中各種矢印で示すようにAロックモード、Cロックモー
ド、Bロックモードの順に切り換えていくことで、目的
トラックTKM1に到達できる。
【0273】次に、ROM領域内に位置する或るトラッ
クTKM2を目的トラックとしてリライタブル領域内の
或るトラックからアクセスACが行われたとする。この
アクセスによる着地後の走査を走査SSP6とする。こ
の場合、Aパターントラックに着地したことになるが、
この走査SSP5を1周回実行していく間に、或る時点
で円周位置TNCGを通過し、このときサーボピットパ
ターンがAパターンからCパターンに変化することが観
測される。これによって記録再生装置のコントローラ6
は、走査中の領域がROM領域であることがわかる。そ
して、アドレスから目的トラックTKM2が2トラック
分だけ外周側であることがわかったら、外周側に2トラ
ックジャンプを行えばよく、このために、図中各種矢印
で示すようにAロックモード、Bロックモードと切り換
えていくことで、目的トラックTKM2に到達できる。
【0274】以上のように、このパーシャルROMディ
スクでは、パターンモニタ信号PMによりサーボピット
パターンを観測しながら、少なくとも1周回の走査を行
うことでエリア判別ができる。そしてそのエリアに応じ
てロックモード制御による必要なトラックジャンプ動作
を実現できる。なおこの例ではユーザーエリアが半径方
向に1つのROM領域と1つのリライタブル領域に2分
割されているディスクをあげているが、さらに半径方向
に3分割以上の多数の領域に分割されているディスクで
は、各地点でROM領域かリライタブル領域かの別が、
サーボピットから把握できることが、一層有用なものと
なる。ところで、以上の説明では円周方向に並ぶサーボ
エリアでのサーボピットパターンの変化順序がA→B→
Cであるか、C→B→Aであるかにより、エリア判別を
行うようにしたが、再生走査間隔でみて半径方向に並ぶ
サーボエリアでのサーボピットパターンの変化順序がA
→B→Cであるか、C→B→Aであるかにより、エリア
判別を行うようにしてもよい。後述するタイプ2、タイ
プ3でも同様である。
【0275】<V−3.変速再生動作>このパーシャル
ROMディスクでは、以上のように3相トラッキング動
作の特性の1つとしてロックモードの動作によりサーボ
ループを閉じたままでトラックジャンプを行うことがで
きる他、このロックモードでの動作を制御することで、
各種の変速再生動作も実現できる。変速再生動作は、特
に記録データが音声データや映像データの場合に有効な
動作モードとなる。なお、以下説明するリライタブル領
域での変速再生動作及び上述したリライタブル領域での
トラックジャンプ動作は、図29〜図31で説明したR
AMディスクの場合も同様であり、また以下説明するR
OM領域での変速再生動作及び上述したROM領域での
トラックジャンプ動作は、図17〜図19で説明したR
OMディスクの場合も同様となる。
【0276】変速再生動作としては、X倍速再生、1/
X倍速再生、Y/X倍速再生、1倍速リバース再生、X
倍速リバース再生、1/X倍速リバース再生、Y/X倍
速リバース再生など、各種の速度及び方向の再生動作が
考えられるが、本例の場合、ロックモードを必要に応じ
て切り換えていくことで、どのような変速再生動作も可
能となる。またロックモード制御によるトラックジャン
プを実行しながら変速再生を行うため、トラッキングサ
ーボは閉ループを維持し、従ってトラッキングサーボ動
作が不安定になることもない。ここでは、具体例として
2倍速再生、3倍速再生、1/2倍速再生、3倍速リバ
ース再生の動作をそれぞれ説明する。
【0277】図37はパーシャルROMディスクのリラ
イタブル領域及びROM領域での2倍速再生動作の走査
軌跡例を示している。リライタブル領域での2倍速再生
走査SSP30は、1周回トラック毎にロックモード
を、Aロックモード→Cロックモード→Bロックモード
→Aロックモード→・・・・の順序で切り換えていくこ
とで実現される。即ち、例えばAパターントラックをA
ロックモードで走査していき、トラックアドレスが変化
する円周位置TNCGにおいてCロックモードとする
と、Aパターントラックの次のトラックであるBパター
ントラックには進まず、1トラック分進んだCパターン
トラックの走査が行われることになる。以降、円周位置
TNCGのタイミングで上記の順序でロックモードを切
り換えていくことで、図示するように1トラックおきの
走査が実行される。つまり2倍速再生となる。
【0278】ROM領域での2倍速再生走査SSP31
は、1周回トラック毎にロックモードを、Aロックモー
ド→Bロックモード→Cロックモード→Aロックモード
→・・・・の順序で切り換えていくことで実現される。
即ち、例えばCパターントラックをCロックモードで走
査していき、トラックナンバが変化する円周位置TNC
GにおいてAロックモードとすると、Cパターントラッ
クの次のトラックであるBパターントラックには進ま
ず、1トラック分進んだAパターントラックの走査が行
われることになる。以降、円周位置TNCGのタイミン
グで上記の順序でロックモードを切り換えていくこと
で、図示するように1トラックおきの走査、つまり2倍
速再生が実行される。
【0279】図38はリライタブル領域及びROM領域
での3倍速再生動作の走査軌跡例を示している。リライ
タブル領域での3倍速再生走査SSP32は、1/2周
回トラック毎にロックモードを、Aロックモード→Bロ
ックモード→Aロックモード→Bロックモード→・・・
・というように、AロックモードとBロックモードを交
互に切り換えていくことで実現される。
【0280】即ち、例えばAパターントラックをAロッ
クモードで走査していき、1/2周進んだ時点でBロッ
クモードとすることで、走査は1トラック内周側のBパ
ターントラックに移る。さらに半周進んでトラックアド
レスが変化する円周位置TNCGにおいてAロックモー
ドに戻すと、そのままCパターントラックには進まず、
1トラック内周側のAパターントラックの走査が行われ
ることになる。即ち、各1周回の走査において半周づつ
AロックモードとBロックモードとすることで、図示す
るように2トラックおきの走査が実行される。つまり3
倍速再生となる。
【0281】なお、同様の円周位置タイミングでBロッ
クモードとCロックモードを半周毎に交互に切り換えて
いっても、またCロックモードとAロックモードを半周
毎に交互に切り換えていっても、同様の3倍速再生が実
現される。
【0282】ROM領域での3倍速再生走査SSP33
は、1/2周回トラック毎にロックモードを、Cロック
モード→Bロックモード→Cロックモード→Bロックモ
ード→・・・・というように、CロックモードとBロッ
クモードを交互に切り換えていくことで実現される。例
えばCパターントラックをCロックモードで走査してい
き、1/2周進んだ時点でBロックモードとすること
で、走査は1トラック内周側のBパターントラックに移
る。さらに半周進んで円周位置TNCGにおいてCロッ
クモードに戻すと、そのままAパターントラックには進
まず、1トラック内周側のCパターントラックの走査が
行われることになる。即ち、各1周回の走査において半
周づつCロックモードとBロックモードとすることで、
図示するように2トラックおきの走査が実行される。つ
まり3倍速再生となる。
【0283】なお、同様の円周位置タイミングでBロッ
クモードとAロックモードを半周毎に交互に切り換えて
いっても、またAロックモードとCロックモードを半周
毎に交互に切り換えていっても、3倍速再生が実現され
る。
【0284】図39はリライタブル領域及びROM領域
での1/2倍速再生動作の走査軌跡例を示している。リ
ライタブル領域での1/2倍速再生走査SSP34は、
2周回トラック毎にロックモードを、Aロックモード→
Bロックモード→Cロックモード・・・と切り換えてい
くことで実現される。即ち、例えばAロックモードで2
周回走査を行うことで、図示するようにAパターントラ
ックが2回走査される。その後Bロックモードとして2
周回走査することで、Bパターントラックが2回走査さ
れる。このように各トラックが全て2周回づつ走査され
ていくことになり、1/2倍速再生、つまり通常より1
/2速度のスロー再生が実行される。
【0285】ROM領域での1/2倍速再生走査SSP
35は、2周回トラック毎にロックモードを、Cロック
モード→Bロックモード→Aロックモード・・・と切り
換えていくことで実現される。例えばCロックモードで
2周回走査を行うことで、図示するようにCパターント
ラックが2回走査される。その後Bロックモードとして
2周回走査することで、Bパターントラックが2回走査
される。このように各トラックが全て2周回づつ走査さ
れていくことになり、1/2倍速再生が実行される。
【0286】図40はリライタブル領域及びROM領域
での3倍速リバース再生動作の走査軌跡例を示してい
る。リライタブル領域での3倍速リバース再生走査SS
P36は、円周位置TNCGから始まる周回トラック走
査において、1/4周回トラック毎にロックモードを、
Aロックモード→Cロックモード→Bロックモード→A
ロックモードと切り換え、かつこのA→C→B→Aの切
換パターンを全トラックについて行なっていくことで実
現される。即ち、或るトラック1周の走査において1/
4周回トラック毎にAロックモード→Cロックモード→
Bロックモード→Aロックモードと切り換えていくと、
その1周が終わって円周位置TNCGに達した時点で走
査は3トラック分リバース方向に進んでいる状態とな
る。そして円周位置TNCGを越えるタイミングではA
ロックモードのままとし、次の1周回の走査でも1/4
周回トラック毎にAロックモード→Cロックモード→B
ロックモード→Aロックモードと切り換えていく。この
動作により、図示するように1周回につき3トラックづ
つ後方に戻る3倍速リバース再生が実行される。
【0287】なお、全周回走査について、同様の円周位
置タイミングで1/4周毎にCロックモード→Bロック
モード→Aロックモード→Cロックモードと切り換えて
いっても、あるいは同様の円周位置タイミングで1/4
周毎にBロックモード→Aロックモード→Cロックモー
ド→Bロックモードと切り換えていっても、3倍速リバ
ース再生が実現される。
【0288】ROM領域での3倍速リバース再生走査S
SP36は、円周位置TNCGから始まる周回トラック
走査において、1/4周回トラック毎にロックモード
を、Aロックモード→Bロックモード→Cロックモード
→Aロックモードと切り換え、かつこのA→B→C→A
の切換パターンを全トラックについて行っていくことで
実現される。即ち、或るトラック1周の走査においてを
1/4周回トラック毎にAロックモード→Bロックモー
ド→Cロックモード→Aロックモードと切り換えていく
と、その1周が終わって円周位置TNCGに達した時点
で走査は3トラック分リバース方向に進んでいる状態と
なる。そして円周位置TNCGを越えるタイミングでは
Aロックモードのままとし、次の1周回の走査でも1/
4周回トラック毎にAロックモード→Bロックモード→
Cロックモード→Aロックモードと切り換えていく。こ
の動作により、図示するように1周回につき3トラック
づつ後方に戻る3倍速リバース再生が実行される。
【0289】なお、全周回走査について、同様の円周位
置タイミングで1/4周毎にCロックモード→Aロック
モード→Bロックモード→Cロックモードと切り換えて
いっても、あるいは同様の円周位置タイミングで1/4
周毎にBロックモード→Cロックモード→Aロックモー
ド→Bロックモードと切り換えていっても、3倍速リバ
ース再生が実現される。
【0290】以上、2倍速再生、3倍速再生、1/2倍
速再生、3倍速リバース再生の動作をそれぞれ説明して
きたが、これ以外の速度の各種変速再生動作について
も、それぞれ所要のロックモード切換動作により実現可
能である。また例えば例示した各変速再生動作でも、そ
の変速再生の走査軌跡を実現するためのロックモードの
切換方式は、各例における切換方式に限られず、多様な
切換方式が考えられる。もちろん走査軌跡の例としても
さらに多様な例が考えられる。また、ロックモードだけ
でなく通常モードへの切換も含むようにした切換方式に
より各種変速再生動作を実現することも可能である。例
えば図37のような2倍速再生の際に、円周位置TNC
Gを越えるタイミングで所要のロックモードとし、それ
以外のときは通常モードとしていても、同様の走査軌跡
が実現される。
【0291】なお以降説明するパーシャルROMディス
クタイプ2〜タイプ5においても、それぞれ変速再生動
作例として例をあげて述べていくが、このタイプ1の場
合と同様に、例示する動作以外にもあらゆる変速再生が
可能であること、ロックモード切換方式例や操作軌跡例
は多様に考えられることなどの事情は同様である。
【0292】[VI パーシャルROMディスク.タイプ
2] <VI−1.ディスクフォーマット>次にタイプ2として
のパーシャルROMディスクを説明する。このパーシャ
ルROMディスクは、ツインピット型ROM+L/G交
互型RAMが複合されたパーシャルROMディスクであ
り、基本的な構造は上記タイプ1と同様としている。
【0293】図41はこのツインピット型ROM+L/
G交互型RAMのパーシャルROMディスクタイプ2の
トラック構造のイメージを模式的に示したものであり、
また図42はこのパーシャルROMディスクのサーボピ
ットパターンの形成状態を走査トラック単位で示してい
る。このパーシャルROMディスクにおける円周位置T
NCGでのサーボエリアARsとその前後のデータエリ
アARdの一部は、上記タイプ1における図33と同様
となるため図示及び説明を省略する。
【0294】図41において外周側のリライタブル領域
及び内周側のROM領域の構造は基本的にはタイプ1と
同様なため重複説明は避けるが、このタイプ2は、サー
ボピットパターンの形成方式がタイプ1と異なるものと
なっている。図41におけるサーボピットパターン及び
図42をみると明らかなように、このタイプ2では1周
回トラックを円周方向に領域TAN1、TAN2、TA
N3、TAN4というように4分割設定し、この4つの
領域毎にサーボピットパターンが変化していくようにし
ている。
【0295】図42からわかるように、トラジション部
より外周側となるリライタブル領域では、円周方向に
は、トラック1/4周回毎にサーボピットパターンがA
パターン→Bパターン→Cパターン→Aパターン→Bパ
ターン→Cパターン→・・・・と変わっていくように形
成されている。さらに半径方向にみた場合、領域TAN
1、TAN2、TAN3、TAN4のどの領域でも、外
周側から内周側に向かって、サーボピットパターンがA
パターン→Bパターン→Cパターン→Aパターン→Bパ
ターン→Cパターン→・・・・と変わっていくように形
成されている。つまり円周方向にも半径方向にもAパタ
ーン→Bパターン→Cパターンという順序が保たれるよ
うになっている。
【0296】またトラジション部より内周側となるRO
M領域では、円周方向には、トラック1/4周回毎にサ
ーボピットパターンがCパターン→Bパターン→Aパタ
ーン→Cパターン→Bパターン→Aパターン→・・・・
と変わっていくように形成されている。さらに半径方向
にみた場合、領域TAN1、TAN2、TAN3、TA
N4のどの領域でも、外周側から内周側に向かって、サ
ーボピットパターンがCパターン→Bパターン→Aパタ
ーン→Cパターン→Bパターン→Aパターン→・・・・
と変わっていくように形成されている。つまり円周方向
にも半径方向にもCパターン→Bパターン→Aパターン
という順序が保たれるようになっている。
【0297】即ちこのタイプ2では、サーボピットパタ
ーンの変化形式としてタイプ1と同様の様式を持ちなが
ら、走査方向でみた場合にパターン変化発生の割合が4
倍になっているものである。
【0298】<VI−2.エリア判別動作>このパーシャ
ルROMディスクタイプ2でも、リライタブル領域とR
OM領域においてトラッキングサーボ制御の基準となる
サーボピットパターンの変化形成が異なる順序とされる
ため、パターンモニタ信号PMを監視していて、通常モ
ードでの走査中にAパターン→Bパターン→Cパターン
の方向での変化、つまりパターンAからパターンBへの
変化、パターンBからパターンCへの変化、もしくはパ
ターンCからパターンAへの変化のうちのいづれかが観
測されればそこはリライタブル領域であると判別でき
る。
【0299】また、通常モードでの走査中にパターンモ
ニタ信号PMを監視していて、Cパターン→Bパターン
→Aパターンの変化、即ち具体的には、パターンAから
パターンCへの変化、パターンBからパターンAへの変
化、もしくはパターンCからパターンBへの変化のうち
のいづれかが観測された場合は、そこはROM領域であ
ると判別できる。
【0300】そして特にこのタイプ2では領域TAN
1、TAN2、TAN3、TAN4毎にパターンが変化
するため、少なくともトラック1/4周だけを走査すれ
ば1回のサーボピットパターン変化が観測でき、エリア
判別ができる。つまり上記タイプ1ではあくまで円周位
置TNCGを通過しなければ(つまり最大で1周回の走
査を行わなければ)パターン変化が観測できないことに
対し、このタイプ2では長くとも1/4周回走査すれば
パターン変化を観測でき、より迅速にエリア判別ができ
ることになる。
【0301】図43にアクセス時の動作例を示す。或る
トラックを目的トラックとしてアクセスACが行われ、
このアクセスACによる着地後の走査を走査SSP7と
する。この場合、領域TAN1におけるAパターントラ
ックに着地した例を示しているが、この走査SSP5を
長くても1/4周回実行して領域TAN2に達すると、
サーボピットパターンがAパターンからBパターンに変
化することが観測される。
【0302】これによって記録再生装置のコントローラ
6は、走査中の領域がリライタブル領域であることがわ
かる。そして、そのBパターントラック走査中に、その
トラックより外周側のトラックに移動したい場合は、走
査SSP8として示すように、トラッキング制御を通常
モードからAロックモードに切り換えることで、外周側
のトラックへビームスポットを移動させることができ
る。またBパターントラック走査中に、そのトラックよ
り内周側のトラックに移動したい場合は、走査SSP9
として示すように、トラッキング制御を通常モードから
Cロックモードに切り換えることで、内周側のトラック
へビームスポットを移動させることができる。
【0303】またROM領域内の或るトラックを目的ト
ラックとしてリライタブル領域内の或るトラックからア
クセスACが行われたとする。このアクセスACによる
着地後の走査を走査SSP10とする。この場合、領域
TAN3におけるAパターントラックに着地した例を示
しているが、この走査SSP10を長くても1/4周回
実行して領域TAN4に達すると、サーボピットパター
ンがAパターンからCパターンに変化することが観測さ
れる。
【0304】これによって記録再生装置のコントローラ
6は、走査中の領域がROM領域であることがわかる。
そして、そのCパターントラック走査中に、そのトラッ
クより外周側のトラックに移動したい場合は、走査SS
P11として示すように、トラッキング制御を通常モー
ドからAロックモードに切り換えることで、外周側のト
ラックへビームスポットを移動させることができる。ま
た走査SSP12として示すように、Cパターントラッ
ク走査中に、そのトラックより内周側のトラックに移動
したい場合は、トラッキング制御を通常モードからBロ
ックモードに切り換えることで、内周側のトラックへビ
ームスポットを移動させることができる。
【0305】<VI−3.変速再生動作>このパーシャル
ROMディスクタイプ2での変速再生動作として、2倍
速再生、5倍速再生、3倍速リバース再生の動作を例に
あげて説明する。図44はパーシャルROMディスクタ
イプ2のリライタブル領域及びROM領域での2倍速再
生動作の走査軌跡例を示している。
【0306】リライタブル領域での2倍速再生走査SS
P40は、1/4周回トラック毎にAロックモード→B
ロックモード→Cロックモード→Aロックモードとする
第1の周回走査と、1/4周回トラック毎にCロックモ
ード→Aロックモード→Bロックモード→Cロックモー
ドとする第2の周回走査と、1/4周回トラック毎にB
ロックモード→Cロックモード→Aロックモード→Bロ
ックモードとする第3の周回走査とを、順番に実行して
いくことで実現される。即ち、例えばまず第1の周回走
査として、ロックモードをA→B→C→Aとして1トラ
ック進行し、円周位置TNCGに達したら、第2の周回
走査としてC→A→B→Cとして1トラック進行する。
さらに円周位置TNCGに達したら、第3の周回走査と
してB→C→A→Bとして1トラック進行する。そして
円周位置TNCGに達したら再び第1の周回走査を行
う。このように第1の周回走査→第2の周回走査→第3
の周回走査の順番で周回走査を繰り返す動作により、図
示するように1トラックおきの走査が実行され、つまり
2倍速再生が実行されることとなる。
【0307】ROM領域での2倍速再生走査SSP41
は、1/4周回トラック毎にCロックモード→Bロック
モード→Aロックモード→Cロックモードとする第1の
周回走査と、1/4周回トラック毎にAロックモード→
Cロックモード→Bロックモード→Aロックモードとす
る第2の周回走査と、1/4周回トラック毎にBロック
モード→Aロックモード→Cロックモード→Bロックモ
ードとする第3の周回走査とを、順番に実行していくこ
とで実現される。即ち、例えばまず第1の周回走査とし
て、ロックモードをC→B→A→Cとして1トラック進
行し、円周位置TNCGに達したら、第2の周回走査と
してA→C→B→Aとして1トラック進行する。さらに
円周位置TNCGに達したら、第3の周回走査としてB
→A→C→Bとして1トラック進行する。そして円周位
置TNCGに達したら再び第1の周回走査を行う。この
ように第1の周回走査→第2の周回走査→第3の周回走
査の順番で周回走査を繰り返す動作により、図示するよ
うに1トラックおきの走査が実行され、つまり2倍速再
生が実行されることとなる。
【0308】なお、この例では常にロックモードを実行
することで2倍速再生を行うようにしたが、同様の走査
軌跡は、円周位置TNCG近辺以外では通常モードと
し、円周位置TNCGの前後でのみ1トラック分のトラ
ックジャンプが行われるように所要のロックモードとす
る制御を行っても実現できる。
【0309】図45はパーシャルROMディスクタイプ
2のリライタブル領域及びROM領域での5倍速再生動
作の走査軌跡例を示している。リライタブル領域での5
倍速再生走査SSP42は、1/4周回トラック毎にロ
ックモードをAロックモード→Cロックモード→Bロッ
クモード→Aロックモード→・・・・の順序で切り換え
ていくことで実現される。このようにロックモードを切
り換えることで、図示するように走査軌跡は1/4周毎
に1トラック分進んでいくことになり、円周位置TNC
Gでみれば1周回トラックにつき5トラック分づつ進ん
だ走査が行われることになる。つまり5倍速再生が実行
される。
【0310】ROM領域での5倍速再生走査SSP43
は、1/4周回トラック毎にロックモードをCロックモ
ード→Aロックモード→Bロックモード→Cロックモー
ド→・・・・の順序で切り換えていくことで実現され
る。このようにロックモードを切り換えることで、図示
するように走査軌跡は1/4周毎に1トラック分進んで
いくことになり、円周位置TNCGでみて1周回トラッ
クにつき5トラック分づつ進む走査、つまり5倍速再生
が実行される。
【0311】図46はリライタブル領域及びROM領域
での3倍速リバース再生動作の走査軌跡例を示してい
る。このタイプ2での3倍速リバース再生は、リライタ
ブル領域、ROM領域に限らず、トラッキング制御を或
るロックモードに固定することで実現できる。図46に
は走査SSP44、SSP45としてそれぞれAロック
モードに固定した場合でのリライタブル領域及びROM
領域での走査を示している。図からわかるように走査S
SP44、SSP45のいずれも、Aロックモードに固
定することで、1/4周毎に1トラック分戻る方向にト
ラックジャンプが行われることになり、円周位置TNC
Gでみれば1周回の走査につき3トラック分づつリバー
スされる走査が行われることになる。つまり3倍速リバ
ース再生が実行される。この場合、Bロックモードに固
定しても、またCロックモードに固定しても、同様の3
倍速リバース再生が実現される。
【0312】[VII パーシャルROMディスク.タイ
プ3] <VII −1.ディスクフォーマット>次にタイプ3とし
てのパーシャルROMディスクを説明する。このパーシ
ャルROMディスクも、ツインピット型ROM+L/G
交互型RAMが複合されたパーシャルROMディスクと
し、基本的な構造は上記タイプ1、タイプ2と同様とし
ている。そしてこのタイプ3では、サーボピットパター
ンの形成状態を走査トラック単位で示している図47か
らわかるように、1周回トラックを円周方向に領域TA
N1、TAN2、TAN3、TAN4、TAN5、TA
N6、TAN7というように7分割設定し、この7つの
領域毎にサーボピットパターンが変化していくようにし
ている。
【0313】即ちトラジション部より外周側となるリラ
イタブル領域では、円周方向には、トラック1/7周回
毎にサーボピットパターンがAパターン→Bパターン→
Cパターン→Aパターン→Bパターン→Cパターン→・
・・・と変わっていくように形成されている。さらに半
径方向にみた場合、領域TAN1〜TAN7のどの領域
でも、外周側から内周側に向かって、サーボピットパタ
ーンがAパターン→Bパターン→Cパターン→Aパター
ン→Bパターン→Cパターン→・・・・と変わっていく
ように形成されている。つまり円周方向にも半径方向に
もAパターン→Bパターン→Cパターンという順序が保
たれるようになっている。
【0314】またトラジション部より内周側となるRO
M領域では、円周方向には、トラック1/7周回毎にサ
ーボピットパターンがCパターン→Bパターン→Aパタ
ーン→Cパターン→Bパターン→Aパターン→・・・・
と変わっていくように形成されている。さらに半径方向
にみた場合、領域TAN1〜TAN7のどの領域でも、
外周側から内周側に向かって、サーボピットパターンが
Cパターン→Bパターン→Aパターン→Cパターン→B
パターン→Aパターン→・・・・と変わっていくように
形成されている。つまり円周方向にも半径方向にもCパ
ターン→Bパターン→Aパターンという順序が保たれる
ようになっている。
【0315】即ちこのタイプ3では、サーボピットパタ
ーンの変化形式としてタイプ1と同様の様式を持ちなが
ら、走査方向でみた場合にパターン変化の割合が7倍に
なっているものである。
【0316】なお、上述のROMディスク、RAMディ
スク、パーシャルROMディスクタイプ1、タイプ2、
タイプ3のいづれも、リライタブル領域及びROM領域
において、円周方向と半径方向とで同一の変化順序でサ
ーボピットパターンが変化されるようにしている。つま
りリライタブル領域では円周方向にも半径方向にもA→
B→Cの順序が保たれ、またROM領域では円周方向に
も半径方向にもC→B→Aの順序が保たれている。
【0317】このように円周方向と半径方向の変化順序
を同一とするには、サーボピットパターンの変化が(1
/M)周回トラック毎(ただしM=3x+1で、xは3
x+1が1周回トラックでの単位領域の数以下であるこ
とを満た範囲の自然数又は0)とされればよい。例えば
タイプ1のように1トラック毎に変化するようにするほ
か、タイプ2のように1トラックに4回、タイプ3のよ
うに1トラックに7回とすることがこれに該当する。さ
らに1トラックに10回、13回、16回、19回・・
・など、上記条件が満たされるようにすればよい。
【0318】ただし、必ずしも円周方向と半径方向の変
化順序を同一とする必要はなく、従って上記条件に合致
しないような変化パターンによるディスクであってもサ
ーボピットパターンの変化によるエリア判別や、それを
利用した変速再生を行うことはできる。
【0319】<VII −2.エリア判別動作>このパーシ
ャルROMディスクタイプ3でも、リライタブル領域と
ROM領域においてトラッキングサーボ制御の基準とな
るサーボピットパターンの変化形式が異なる順序とされ
るため、パターンモニタ信号PMを監視していて、通常
モードでの走査中にAパターン→Bパターン→Cパター
ンの方向での変化が観測されればそこはリライタブル領
域であると判別でき、また、通常モードでの走査中にC
パターン→Bパターン→Aパターンの変化が観測された
場合は、そこはROM領域であると判別できる。そして
特にこのタイプ2では領域TAN1〜TAN7のそれぞ
れでパターンが変化するため、少なくともトラック1/
7周だけを走査すれば1回のサーボピットパターン変化
が観測でき、上記タイプ1、タイプ2よりも迅速にエリ
ア判別ができる。
【0320】図48にアクセス時の動作例を示す。或る
トラックを目的トラックとしてアクセスACが行われ、
このアクセスACによる着地後の走査を走査SSP13
とする。この場合、領域TAN1におけるAパターント
ラックに着地した例を示しているが、この走査SSP1
3を長くても1/7周回実行して領域TAN2に達する
と、サーボピットパターンがAパターンからBパターン
に変化することが観測される。
【0321】これによって記録再生装置のコントローラ
6は、走査中の領域がリライタブル領域であることがわ
かり、そのBパターントラック走査中に、そのトラック
より外周側のトラックに移動したい場合は、走査SSP
14として示すように、トラッキング制御を通常モード
からAロックモードに切り換えることで、外周側のトラ
ックへビームスポットを移動させることができる。また
Bパターントラック走査中に、そのトラックより内周側
のトラックに移動したい場合は、走査SSP15として
示すように、トラッキング制御を通常モードからCロッ
クモードに切り換えることで、内周側のトラックへビー
ムスポットを移動させることができる。
【0322】またROM領域内の或るトラックを目的ト
ラックとしてリライタブル領域内の或るトラックからア
クセスACが行われたとする。このアクセスACによる
着地後の走査を走査SSP16とする。この場合、領域
TAN5におけるAパターントラックに着地した例を示
しているが、この走査SSP16を長くても1/7周回
実行して領域TAN6に達すると、サーボピットパター
ンがAパターンからCパターンに変化することが観測さ
れる。
【0323】これによって記録再生装置のコントローラ
6は、走査中の領域がROM領域であることがわかる。
そして、Bパターントラック走査中に、そのトラックよ
り内周側のトラックに移動したい場合は、走査SSP1
7として示すように、トラッキング制御を通常モードか
らAロックモードに切り換えることで、内周側のトラッ
クへビームスポットを移動させることができる。また走
査SSP18として示すように、Bパターントラック走
査中に、そのトラックより外周側のトラックに移動した
い場合は、トラッキング制御を通常モードからCロック
モードに切り換えることで、外周側のトラックへビーム
スポットを移動させることができる。
【0324】<VII −3.変速再生動作>このパーシャ
ルROMディスクタイプ3での変速再生動作として8倍
速再生動作を例にあげる。図49はタイプ3のリライタ
ブル領域及びROM領域での8倍速再生動作の走査軌跡
例を示している。
【0325】リライタブル領域での8倍速再生走査SS
P50は、1/7周回トラック毎にロックモードをAロ
ックモード→Cロックモード→Bロックモード→Aロッ
クモード→・・・・の順序で切り換えていくことで実現
される。このようにロックモードを切り換えることで、
図示するように走査軌跡は1/7周毎に1トラック分進
んでいくことになり、円周位置TNCGでみれば1周回
の走査につき8トラック分づつ進んだ走査が行われるこ
とになる。つまり8倍速再生が実行される。
【0326】ROM領域での8倍速再生走査SSP51
は、1/7周回トラック毎にロックモードをCロックモ
ード→Aロックモード→Bロックモード→Cロックモー
ド→・・・・の順序で切り換えていくことで実現され
る。このようにロックモードを切り換えることで、図示
するように走査軌跡は1/7周毎に1トラック分進んで
いくことになり、円周位置TNCGでみて1周回の走査
につき8トラック分づつ進む走査、つまり8倍速再生が
実行される。
【0327】[VIII パーシャルROMディスク.タイ
プ4] <VIII−1.ディスクフォーマット>次にパーシャルR
OMディスクタイプ4としての例を説明する。このタイ
プ4は、ツインピット型ROM+L/Gツイントラック
型RAMが複合されたパーシャルROMディスクとす
る。この場合、ROM領域としては、上述してきた各例
と同様に、レフトトラックLtkとライトトラックRt
kにより2重らせん状のトラックが形成され、これらが
同時走査されるようにしたフォーマットとされている。
ところがリライタブル領域は、上記各例とは異なり、物
理的にはグルーブGBがらせん状に形成されているとと
もに、そのグルーブGBと、グルーブGBに隣接する部
分(つまりランドLD)の両方がデータ記録トラックと
されるようにしたことを特徴としている。即ちデータ記
録トラックとして視点でみれば、上述したツインピット
型のROMディスクのようにトラックが二重らせんを形
成していることになる。このような形態をランド/グル
ーブツイントラック型(L/Gツイントラック型)と呼
ぶこととする。
【0328】図50はこのツインピット型ROM+L/
Gツイントラック型RAMとされたパーシャルROMデ
ィスクタイプ4のトラック構造のイメージを模式的に示
している。また図51はこのパーシャルROMディスク
における円周位置TNCGでのサーボエリアARsとそ
の前後のデータエリアARdの一部を示している。さら
に図52はこのタイプ4でのサーボピットパターンの形
成状態を示している。
【0329】図50においてディスク外周側でスパイラ
ル状に進行する実線矢印SSPは、このディスク外周側
のL/Gツイントラック型RAMとしてのリライタブル
領域でのレーザスポットLSPの再生走査軌跡を示して
いる。また破線矢印SSRは、リライタブル領域での記
録走査軌跡を示している。一方、ディスク内周側におい
てスパイラル状に進行する実線矢印SSPはツインピッ
ト型ROMとされている内周側でのレーザスポットLS
Pの再生走査軌跡を示している。
【0330】図51は、L/Gツイントラック型RAM
としてのリライタブル領域と、ツインピット型ROMと
してのROM領域におけるサーボエリアARsとその前
後のデータエリアARdとを、拡大して示している。表
記方式は前述の図33と同様としている。サーボエリア
ARsはサーボクロックSCKを基準として24サーボ
クロック分の領域となり、サーボクロックSCKに基づ
いてサーボピット情報の抽出等が行なわれる。また図8
で説明したようにポジションPSA におけるサーボピッ
トの位置により、セグメントの種別が表現されている。
【0331】一方データエリアARdはデータクロック
DCKに基づいてデータの再生が行なわれるが、ディス
ク内周側におけるデータエリアARdは上記ツインピッ
ト型ROMディスクと同様にレフトトラックLtkとラ
イトトラックRtkによる2重らせん状のピット列とさ
れる。またディスク外周側におけるデータエリアARd
は、グルーブGBもしくはランドLDとされている。
【0332】データエリアARdの終端となるポストラ
イトエリアPO、及びデータエリアARdの先頭となる
プリライトエリアPRは、ディスク外周側のリライタブ
ル領域では、図5において説明したように、主に記録動
作の際のレーザの余熱や消し残りの防止を目的として用
いられ、一方ディスク内周側のROM領域では、フォー
マットの互換のために設けられるとともに、ミラー部分
を減らす目的でアンカーピットPanが形成されてい
る。
【0333】図50、図51からわかるように、このパ
ーシャルROMディスクは、外周側においては、サーボ
ピットトラック(サーボエリアARsにおけるピット
列)と、データトラック(データエリアARdにおける
ランドLD又はグルーブGB)の中心は、円周方向には
一致している。
【0334】従って、Aパターン/Bパターン/Cパタ
ーンのいづれかを形成する2つの隣接するサーボピット
トラックによってトラッキングサーボを行ない、図示す
るようにレーザスポットLSPの再生走査SSPが、そ
の2つの隣接するサーボピットトラックの中間位置をト
ラッキングセンタとして進行するとすると、データエリ
アARdにおいては、再生走査SSPはグルーブGBと
ランドLDの境界を進行することになる。
【0335】つまりグルーブGBとランドLDの中間に
対してジャストトラッキング状態とされ、グルーブGB
とランドLDの両方に対する同時のレーザスポットLS
Pによる走査が進行する。一方図50に破線で示す記録
走査SSRについては、グルーブGB及びランドLDの
中央を進行する走査が行なわれなければならないため、
サーボピットトラックの真上を通過するようなデトラッ
クトラッキングが行なわれる。
【0336】そしてこのリライタブル領域においては、
物理的にはグルーブGBがらせん状に形成されるもので
あるが、グルーブGBとランドLDの両方がデータ記録
トラックとされることで、図50からわかるように、円
周位置TNCGを始点及び終点とする1周回トラック毎
にみて、グルーブトラックとランドトラックとがペアの
ままの状態で2重らせんを形成するようになっている。
【0337】また図50、図51からわかるように、こ
のパーシャルROMディスクは、内周側においては、サ
ーボピットトラックとデータトラック(データエリアA
Rdにおけるピット列)は、円周方向に一致したトラッ
クとなっている。
【0338】従って、Aパターン/Bパターン/Cパタ
ーンのいづれかを形成する2つの隣接するサーボピット
トラックによってトラッキングサーボを行ない、図示す
るようにレーザスポットLSPの再生走査SSPが、そ
の2つの隣接するサーボピットトラックの中間位置をト
ラッキングセンタとして進行するとすると、データエリ
アARdにおいても、再生走査SSPは2つの隣接する
データトラックの中間位置を進行することになる。つま
り2つの隣接するデータトラック、即ちレフトトラック
LtkとライトトラックRtkはレーザスポットLSP
によって同時に走査される。そして図50からわかるよ
うに、レフトトラックLtkとライトトラックRtk
は、ペアのままの状態でらせん状のトラックを形成して
いる。
【0339】このパーシャルROMディスクでは、図5
0、図52にみられるように、サーボエリアARsにお
けるサーボピットのパターンとしては、外周側のリライ
タブル領域では、円周方向には1トラックにつき領域T
AN1、TAN2、TAN3、TAN4というように4
分割設定し、この4つの領域毎にサーボピットパターン
が変化していくようにしている。
【0340】即ち、外周側のリライタブル領域では、円
周方向には、トラック1/4周回毎にサーボピットパタ
ーンがCパターン→Bパターン→Aパターン→・・・・
の順で変わっていくように形成されている。一方、内周
側のROM領域では円周方向の領域設定は行われず、1
周回トラック内の各サーボエリアでは同じサーボピット
パターンが形成されている。そして1トラック毎に、サ
ーボピットパターンがCパターン→Bパターン→Aパタ
ーン→・・・・の順で変わっていくように形成されてい
る。
【0341】また走査トラックとサーボピットトラック
の関係についてみると、リライタブル領域とROM領域
のいずれも、図7(c)の状態になっており、従って半
径方向にサーボピットパターンをみた場合、リライタブ
ル領域における領域TAN1、TAN2、TAN3、T
AN4のどの領域でも、またROM領域でも、外周側か
ら内周側に向かって、サーボピットパターンがCパター
ン→Bパターン→Aパターン→・・・の順に変わってい
くように形成されている。つまりリライタブル領域でも
ROM領域でも、サーボピットパターンの変化形式とし
て、円周方向にも半径方向にもCパターン→Bパターン
→Aパターンという順序が保たれるようになっている。
そしてリライタブル領域とROM領域では、1周回トラ
ック内でのサーボピットパターンの変化の割合が異なる
のみとなっている。
【0342】このパーシャルROMディスクのリライタ
ブル領域の場合、データトラックピッチ、即ちランドL
Dの中心からグルーブGBの中心までの幅、及びレフト
トラックLtkの中心からライトトラックRtkの中心
までの幅を 0.6μmとし、レーザスポットLSPのサイ
ズが略2倍である 1.2μm程度としても、サーボピット
のAパターン、Bパターン、Cパターンはそれぞれ 1.2
μmの幅で構成されている。従って、再生走査SSPに
おけるトラッキング動作でみた場合は少なくとも 1.2μ
mのトラックピッチが確保されていることになり、十分
に正確なトラッキングサーボを行なうことができる。
【0343】そのうえ、サーボピットとしては、各サー
ボピットトラックの中間位置単位でみていけば、半径方
向にAパターン,Bパターン,Cパターンの順に並ぶこ
とになり、従って3つのサーボピットトラックピッチ分
の範囲で、その時点のサーボパターンを形成しているサ
ーボピット以外のサーボピットからの干渉がない。つま
り、レーザスポットLSPが或るパターンを形成するサ
ーボピット群の中央を通過するときに、その各サーボピ
ットに隣接するサーボピットはみえないことと同等とな
る。即ち、トラッキングサーボ動作に関してみれば、デ
ータトラックピッチの3倍である 1.8μmのトラックピ
ッチでのサーボ制御と同等となり、正確かつ安定したト
ラッキング制御が可能となるとともに、さらなる狭トラ
ックピッチ化にも対応できるものとなる。
【0344】そしてこのリライタブル領域では、ランド
LDとグルーブGBの両方が記録トラックとして用いら
れるため、従来のディスク、即ちランドもしくはグルー
ブの一方が記録トラックとされるディスクに比べて2倍
の高密度記録が実現できる。さらにランドトラックとグ
ルーブトラックが同時走査されてデータが読み取られる
ため、データ転送レートを高速化することもできる。な
お再生時には、再生走査SSPによりランドLDとグル
ーブGBを同時走査して光磁気記録されたデータを読み
取っていくことになるが、このためにはレーザスポット
LSPの光強度分布のピークが、ちょうどランドLDと
グルーブGBの各中央となる2ポイントにもってくるよ
うにする読取方式を光学系の構成により実現すればよ
い。
【0345】このパーシャルROMディスクのROM領
域では、トラックピッチ 0.6μmのツインピット型RO
Mとすること、上述した2チャンネルツインピット方式
やロジカルツインピット方式としてによる2トラック同
時走査を行なうこと、さらには2チャンネルツインピッ
ト方式やロジカルツインピット方式においてさらに3
値、4値などの多値データを記録できることから、2倍
以上の著しい高密度記録と転送レートの高速化を実現で
きる。
【0346】リライタブル領域における記録走査SSR
に関しては、半径方向に1トラックピッチづつ進む走査
により記録を行なう。つまり、記録走査SSRはグルー
ブトラックとランドトラックの各中央を進行していくた
め、1周回毎にグルーブトラックの走査とランドトラッ
クの走査が行なわれていくことになる。
【0347】そして、グルーブトラックとランドトラッ
クが2重らせんとされていることで図51に示す、デー
タトラックピッチdTPでみた場合、グルーブGBは1
周回で半径方向に2データトラックピッチ(2dTP=
xTP)進行する。従って記録走査SSRは図50に示
されるように、サーボピットを用いたデトラックトラッ
キングにより例えばグルーブトラックの1周回走査を終
えた時点で1データトラックピッチdTP分だけ戻り、
そこからのデトラックトラッキングによりランドトラッ
クの走査を行なう。またランドトラックの1周回走査を
終えた時点で1データトラックピッチdTP分だけ戻
り、そこからのデトラックトラッキングによりグルーブ
トラックの走査を行なう。このような動作を繰り返して
記録走査SSRが進行していくことになる。
【0348】なお記録走査SSRに対応するサーボピッ
トのパターンは、半径方向にみたときにAパターン→B
パターン→Cパターン→Aパターン→Bパターン→Cパ
ターン→・・・・・・というように変化していくことになる。
【0349】<VIII−2.エリア判別動作>このパーシ
ャルROMディスクタイプ4では、リライタブル領域と
ROM領域においてトラッキングサーボ制御の基準とな
るサーボピットパターンの変化形式がいずれもCパター
ン→Bパターン→Aパターンという同一の順序とされて
いる。しかしながら周回走査に対するサーボピットパタ
ーンの変化の頻度が異なることからエリア判別が可能と
なる。
【0350】即ち、パターンモニタ信号PMを監視して
いて、通常モードでの走査中に1/4周回単位でサーボ
ピットパターンの変化が観測されればそこはリライタブ
ル領域であると判別でき、また、通常モードでの走査中
に1トラック毎にサーボピットパターンの変化が観測さ
れた場合は、そこはROM領域であると判別できる。
【0351】図53にアクセス時の動作例を示す。或る
トラックを目的トラックとしてアクセスACが行われ、
このアクセスACによる着地後の走査を走査SSP20
とする。この場合、リライタブル領域における或るトラ
ックに着地した例を示しているが、この走査SSP20
を1周回トラック実行していく間に、サーボピットパタ
ーンが4回変化することが観測される。これによって記
録再生装置のコントローラ6は、走査中の領域がリライ
タブル領域であることがわかる。
【0352】またアクセスACが行われ、このアクセス
ACによる着地後の走査を走査SSP21とする。この
場合、ROM領域の或るトラックに着地した例を示して
いるが、この走査SSP21を1周回実行していく間
に、サーボピットパターンは1回変化することが観測さ
れる。これによって記録再生装置のコントローラ6は、
走査中の領域がROM領域であることがわかる。
【0353】なお、このディスクの場合は、リライタブ
ル領域とROM領域においてサーボピットパターンの変
化形式が同一であるので、内周側もしくは外周側へのト
ラックジャンプのためのロックモードの切換方式は同一
である。つまり1トラックジャンプの方向制御のためと
いう意味でのエリア判別は不要となる。この場合は、次
に説明する変速再生での動作の制御などのために、エリ
ア判別が必要とされることになる。
【0354】<VIII−3.変速再生動作>このパーシャ
ルROMディスクタイプ4での変速再生動作として、5
倍速再生とリバース再生の動作を例にあげて説明する。
図54はリライタブル領域及びROM領域での5倍速再
生動作の走査軌跡例を示している。
【0355】リライタブル領域での5倍速再生走査SS
P60は、1/4周回トラック毎に、ロックモードをA
ロックモード→Bロックモード→Cロックモード→Aロ
ックモード・・・・という順序で切り換えていくことで
実現される。このようにロックモードを切り換えること
で、図示するように走査軌跡は1/4周毎に1トラック
分進んでいくことになり、円周位置TNCGでみれば1
周回トラックにつき5トラック分づつ進む走査、つまり
5倍速再生が実行される。
【0356】ROM領域での5倍速再生走査SSP61
は、1/4周回トラック毎にロックモードをAロックモ
ード→Cロックモード→Bロックモード→Aロックモー
ド→・・・・の順序で切り換えていくことで実現され
る。このようにロックモードを切り換えることで、図示
するように走査軌跡は1/4周毎に1トラック分進んで
いくことになり、円周位置TNCGでみて1周回トラッ
クにつき5トラック分づつ進む5倍速再生が実行され
る。
【0357】図55はリライタブル領域及びROM領域
でのリバース再生動作の走査軌跡例を示している。リラ
イタブル領域でのリバース再生走査SSP62は、1/
2周回トラック毎に、ロックモードをCロックモード→
Bロックモード→Aロックモード→・・・・という順序
で切り換えていくことで実現される。このようにロック
モードを切り換えることで、領域TAN1と領域TAN
2の境界、及び領域TAN3と領域TAN4の境界にお
いて、それぞれ1トラックだけリバース方向にトラック
ジャンプが発生する。これを円周位置TNCGでみると
1周回走査につき1トラックだけリバースされているこ
とになり、つまり1倍速でのリバース再生が実行され
る。
【0358】ROM領域でのリバース再生走査SSP6
3では、円周位置TNCGの反対側の1/2周回位置に
おいて、ロックモードを切り換えるようにする。この場
合、1/2周回位置を起点及び終点とする1周回走査単
位(つまり1/2周回位置に達するたびに)、ロックモ
ードをAロックモード→Bロックモード→Cロックモー
ド→Aロックモード→・・・・の順序で切り換えてい
く。このようにロックモードを切り換えることで、図示
するように走査軌跡は1/2周毎に1トラック分づつリ
バース方向にトラックジャンプが発生し、これを円周位
置TNCGでみると1周回走査につき1トラックだけリ
バースされていることになる。つまり1倍速でのリバー
ス再生が実行される。
【0359】[IX パーシャルROMディスク.タイプ
5] <IX−1.ディスクフォーマット>次にパーシャルRO
Mディスクタイプ5としての例を説明する。このタイプ
5は、ツインピット型ROM+シングルデータ型RAM
が複合されたパーシャルROMディスクとする。図56
は、このパーシャルROMディスクのトラック構造のイ
メージを、また図57はこのパーシャルROMディスク
におけるサーボエリアARsとその前後のデータエリア
ARdの一部を示している。さらに図58はサーボピッ
トパターンの形成状態を示している。
【0360】この例においてディスク内周側となってい
るROM領域は、上述した各パーシャルROMディスク
と同様のツインピット型ROMとされているものであ
り、説明を省略する。
【0361】このタイプ5では、上記各例とはリライタ
ブル領域の構成が異なるものとなり、つまりデータエリ
アARdにおけるトラックとしてランドLDとグルーブ
GBのいずれか一方のみが用いられる。この例の場合で
はグルーブGBがデータ記録トラックとされ、図56か
らわかるようにグルーブGBによるデータエリアARd
が形成されるトラックがらせん状に形成されるものとな
っている。
【0362】そして図56、図57からわかるように、
このパーシャルROMディスクは、外周側においては、
サーボピットトラックと、データトラック(データエリ
アARdにおけるグルーブGB)の中心は、円周方向に
は一致していない。従って、Aパターン/Bパターン/
Cパターンのいづれかを形成する2つの隣接するサーボ
ピットトラックによってトラッキングサーボを行なう
と、データエリアARdにおいては、記録再生走査SS
PRはグルーブGBの中央を進行する。つまりグルーブ
GBに対してジャストトラッキング状態とされてレーザ
スポットLSPによる走査が進行する。
【0363】このパーシャルROMディスクタイプ5で
は、図56、図58にみられるように、サーボエリアA
Rsにおけるサーボピットのパターンとしては、内周側
のROM領域では、円周方向には1トラックにつき領域
TAN1、TAN2、TAN3、TAN4というように
4分割設定し、この4つの領域毎にサーボピットパター
ンが変化していくようにしている。
【0364】即ち、内周側のROM領域では、円周方向
には、トラック1/4周回毎にサーボピットパターンが
Cパターン→Bパターン→Aパターン→・・・・の順で
変わっていくように形成されている。一方、外周側のリ
ライタブル領域では円周方向の領域設定は行われず、1
周回トラック内の各サーボエリアでは同じサーボピット
パターンが形成されている。そして1トラック毎に、サ
ーボピットパターンがCパターン→Bパターン→Aパタ
ーン→・・・・の順で変わっていくように形成されてい
る。
【0365】また走査トラックとサーボピットトラック
の関係についてみると、リライタブル領域でもROM領
域でも、図7(c)の状態になっており、従って半径方
向にサーボピットパターンをみた場合、ROM領域にお
ける領域TAN1、TAN2、TAN3、TAN4のど
の領域でも、またリライタブル領域でも、外周側から内
周側に向かって、サーボピットパターンがCパターン→
Bパターン→Aパターン→・・・の順に変わっていくよ
うに形成されている。つまりリライタブル領域でもRO
M領域でも、サーボピットパターンの変化形式として、
円周方向にも半径方向にもCパターン→Bパターン→A
パターンという順序が保たれるようになっている。そし
てリライタブル領域とROM領域では、1周回トラック
内でのサーボピットパターンの変化の割合が異なるのみ
となっている。
【0366】<IX−2.エリア判別動作>このパーシャ
ルROMディスクタイプ4では、上記タイプ4と同様
に、リライタブル領域とROM領域において周回走査に
対するサーボピットパターンの変化の頻度が異なること
からエリア判別が可能となる。即ち、パターンモニタ信
号PMを監視していて、通常モードでの走査中に1/4
周回単位でサーボピットパターンの変化が観測されれば
そこはROM領域であると判別でき、また、通常モード
での走査中に1トラック毎にサーボピットパターンの変
化が観測された場合は、そこはリライタブル領域である
と判別できる。
【0367】図59にアクセス時の動作例を示す。或る
トラックを目的トラックとしてアクセスACが行われ、
このアクセスACによる着地後の走査を走査SSP22
とする。この場合、リライタブル領域における或るトラ
ックに着地した例を示しているが、この走査SSP22
を1周回トラック実行していく間に、サーボピットパタ
ーンが1回変化することが観測される。これによって記
録再生装置のコントローラ6は、走査中の領域がリライ
タブル領域であることがわかる。
【0368】またアクセスACが行われ、このアクセス
ACによる着地後の走査を走査SSP23とする。この
場合、ROM領域の或るトラックに着地した例を示して
いるが、この走査SSP23を1周回実行していく間に
サーボピットパターンは4回変化することが観測され
る。これによって記録再生装置のコントローラ6は、走
査中の領域がROM領域であることがわかる。
【0369】なお、このタイプ5の場合も、リライタブ
ル領域とROM領域においてサーボピットパターンの変
化形式が同一であるので、内周側もしくは外周側へのト
ラックジャンプのためのロックモードの切換方式は同一
である。つまり1トラックジャンプの方向制御のためと
いう意味でのエリア判別は不要となる。従って例えば次
に説明する変速再生での動作の制御などのために、エリ
ア判別が必要とされる。
【0370】<IX−3.変速再生動作>このパーシャル
ROMディスクタイプ5での変速再生動作として、1/
2倍速再生動作を例にあげる。図60はリライタブル領
域及びROM領域での1/2倍速再生動作の走査軌跡例
を示している。リライタブル領域での1/2倍速再生走
査SSP70は、2周回トラック毎にロックモードを、
Aロックモード→Bロックモード→Cロックモード・・
・と切り換えていくことで実現される。即ち、例えばA
ロックモードで2周回走査を行うことで、図示するよう
にAパターントラックが2回走査される。その後Bロッ
クモードとして2周回走査することで、Bパターントラ
ックが2回走査される。このように各トラックが全て2
周回づつ走査されていくことになり、1/2倍速再生、
つまり通常より1/2速度のスロー再生が実行される。
【0371】ROM領域での1/2倍速再生走査SSP
71は、1/4周回トラック毎にAロックモード→Cロ
ックモード→Bロックモード→Aロックモードとする第
1の周回走査と、1/4周回トラック毎にCロックモー
ド→Bロックモード→Aロックモード→Cロックモード
とする第2の周回走査と、1/4周回トラック毎にBロ
ックモード→Aロックモード→Cロックモード→Bロッ
クモードとする第3の周回走査とを、2トラックづつ順
番に実行していくことで実現される。即ち、例えばまず
第1の周回走査として、ロックモードをA→C→B→A
として1トラック進行し、さらにまたロックモードをA
→C→B→Aとして1トラック進行する。次に第2の周
回走査としてC→B→A→Cのロックモードパターンで
2周回走査し、次に、第3の周回走査としてB→A→C
→Bのロックモードパターンで2周回走査する。これを
繰り返すことで図示するように各トラックが全て2周回
づつ走査されていくことになり、1/2倍速再生が実行
される。
【0372】なお、このROM領域での1/2倍速再生
動作では、常にロックモードを実行するようにしたが、
同様の走査軌跡は、円周位置TNCG近辺以外では通常
モードとし、円周位置TNCGの前後でのみ、2周に1
回だけリバース方向に1トラックジャンプが行われるよ
うに所要のロックモードとする制御を行っても実現でき
る。
【0373】以上本発明の実施の形態として各種の例を
説明してきたが、以上の例に限らず、さらに多様な例が
考えられることは言うまでもない。特にディスク種別も
しくはエリア種別によるサーボピットパターンの形成様
式は各種の多様な例が考えられる。例えば、上記円周領
域TAN1〜TAN(x)のように、円周方向の領域分
割をROM領域とリライタブル領域の両方で行うが、各
領域で分割数を異ならせるようにしてもよい。さらに、
円周方向のサーボピットパターンの変化は、セグメント
単位で行われるようにしてもよい。つまり、あるセグメ
ントのサーボエリアはAパターン、次のセグメントのサ
ーボエリアはBパターン、その次のセグメントのサーボ
エリアはCパターン・・・というような例である。
【0374】
【発明の効果】以上説明したように本発明の記録媒体
は、レーザスポットによるトラック走査位置間隔でみた
ディスク半径方向での各サーボエリアに現れるサーボピ
ットパターンの並び様式と、ディスク円周方向に並ぶ各
サーボエリアに現れるサーボピットパターンの並び様式
の一方もしくは両方が、ディスクの種別もしくはディス
ク上でのエリア種別を表すようにしている。即ちトラッ
キングサーボピットの出現パターンの変化を観測するこ
とでディスク種別やエリア種別を判別できるようにす
る。これによりアドレスデータ等には含まれていない情
報を有する記録媒体を提供できるという効果がある。
【0375】特にディスク上のエリアとしてROM領域
とリライタブル領域が混在されているディスク状記録媒
体では、ROM領域とリライタブル領域で、半径方向で
のサーボピットパターンの並び様式と、ディスク円周方
向でのサーボピットパターンの並び様式の一方又は両方
が、異なる並び様式とすることで、特別にエリア情報を
設けなくても、エリア種別情報を抽出できる記録媒体が
実現できる。
【0376】ディスクドライブ装置としては、各サーボ
エリアにおいて第1のパターン、第2のパターン、第3
のパターンのうちのいずれのサーボピットパターンが形
成されているかを検出し、検出される並び様式から、ア
ドレスデータ抽出などの動作によらずに、ディスクの種
別もしくはディスク状でのエリア種別を判別することが
できるようにしている。これにより、ディスク種別に応
じた動作制御やエリアに応じた動作制御を的確かつ迅速
に実行できるようになるという効果がある。例えばディ
スク種別やエリアの表示や、トラックジャンプ、変速再
生動作の制御などに好適となる。
【0377】そして本発明では、ROMディスク、RA
Mディスク、パーシャルROMディスクなどの記録媒体
において、実用性が十分保たれるうえで狭トラックピッ
チ化を実現し、大容量化、高転送レート化を計り、さら
に再生専用領域でのピットと、記録再生可能領域におい
て形成されるランド/グルーブとの混在にも適したフォ
ーマットを有する記録媒体及びそのドライブシステムを
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のディスクのゾーン構造の
説明図である。
【図2】実施の形態のディスクのゾーン構造の説明図で
ある。
【図3】実施の形態の各種ディスクの説明図である。
【図4】実施の形態のディスクのトラック/フレーム/
セグメントのイメージの説明図である。
【図5】実施の形態のディスクのトラック/フレーム/
セグメントの構造の説明図である。
【図6】実施の形態のディスクのセクター構造の説明図
である。
【図7】実施の形態のディスクのサーボピットの説明図
である。
【図8】実施の形態のディスクのサーボエリアの説明図
である。
【図9】実施の形態のディスクのアドレスセグメントの
説明図である。
【図10】実施の形態のディスクのアドレスセグメント
のグレーコードデータの説明図である。
【図11】実施の形態の記録再生装置のブロック図であ
る。
【図12】実施の形態のディスクについての3相トラッ
キング動作の説明図である。
【図13】実施の形態のディスクについての3相トラッ
キング動作を行なうトラッキングサーボ系のブロック図
である。
【図14】実施の形態のディスクについての3相トラッ
キングの性質の説明図である。
【図15】実施の形態のディスクについての3相トラッ
キング動作を行なうトラッキングサーボ系におけるエラ
ー信号生成部のブロック図である。
【図16】実施の形態のディスクについての3相トラッ
キング動作の説明図である。
【図17】実施の形態のツインピット型ROMディスク
の説明図である。
【図18】実施の形態のツインピット型ROMディスク
の説明図である。
【図19】実施の形態のツインピット型ROMディスク
のサーボピットパターン形成例の説明図である。
【図20】実施の形態における2チャンネルツインピッ
ト方式とロジカルツインピット方式の説明図である。
【図21】実施の形態のツインピット型ROMディスク
の再生方式の説明図である。
【図22】実施の形態のツインピット型ROMディスク
の再生装置内のディテクタの説明図である。
【図23】実施の形態のツインピット型ROMディスク
の再生装置内のディテクタでの受光パターンの説明図で
ある。
【図24】実施の形態のツインピット型ROMディスク
の再生の際のRF信号レベルの説明図である。
【図25】実施の形態のウォブルピットを有するツイン
ピット型ROMディスクの説明図である。
【図26】実施の形態のウォブルピットを有するツイン
ピット型ROMディスクの再生方式の説明図である。
【図27】実施の形態のウォブルピットを有するツイン
ピット型ROMディスクの再生の際のRF信号レベル及
びプッシュプル信号レベルの説明図である。
【図28】実施の形態のウォブルピットを有するツイン
ピット型ROMディスクのデータ抽出動作の説明図であ
る。
【図29】実施の形態のL/G交互型RAMディスクの
説明図である。
【図30】実施の形態のL/G交互型RAMディスクの
説明図である。
【図31】実施の形態のL/G交互型RAMディスクの
サーボピットパターン形成例の説明図である。
【図32】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ1の説明図である。
【図33】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ1の説明図である。
【図34】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ1のサーボピットパターン形成例の説明図である。
【図35】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ1のエリア判別動作及びトラックジャンプ動作の説明
図である。
【図36】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ1のアクセス動作の説明図である。
【図37】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ1の2倍速再生動作の説明図である。
【図38】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ1の3倍速再生動作の説明図である。
【図39】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ1の1/2倍速再生動作の説明図である。
【図40】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ1の3倍速リバース再生動作の説明図である。
【図41】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ2の説明図である。
【図42】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ2のサーボピットパターン形成例の説明図である。
【図43】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ2のアクセス動作の説明図である。
【図44】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ2の2倍速再生動作の説明図である。
【図45】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ2の5倍速再生動作の説明図である。
【図46】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ2の4倍速リバース再生動作の説明図である。
【図47】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ3のサーボピットパターン形成例の説明図である。
【図48】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ3のアクセス動作の説明図である。
【図49】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ3の7倍速再生動作の説明図である。
【図50】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ4の説明図である。
【図51】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ4の説明図である。
【図52】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ4のサーボピットパターン形成例の説明図である。
【図53】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ4のアクセス動作の説明図である。
【図54】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ4の5倍速再生動作の説明図である。
【図55】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ4のリバース再生動作の説明図である。
【図56】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ5の説明図である。
【図57】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ5の説明図である。
【図58】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ5のサーボピットパターン形成例の説明図である。
【図59】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ5のアクセス動作の説明図である。
【図60】実施の形態のパーシャルROMディスクタイ
プ5の1/2倍速再生動作の説明図である。
【符号の説明】
1 ディスク、2 スピンドルモータ、3 スピンドル
制御部、4 光学ピックアップ、4a 対物レンズ、4
b 2軸機構、4cレーザ光源、4d ディテクタ、4
e 光学系、5 レーザ制御部、6 コントローラ、7
I/V変換マトリクスアンプ、8 サーボコントロー
ラ、8a 位相補償回路、8b 2軸ドライバ、9,1
2 クランプ回路、10,13 A/D変換器、11
PLL回路、14 データ検出部、16 トラッキング
エラー生成部、16a サンプルホールド回路、16b
エラー信号生成回路、17 タイミングコントロー
ラ、19 インターフェース部、25 エンコーダ、2
6 磁気ヘッドドライバ、27 磁気ヘッド、LSP
レーザスポット、LD ランド、GB グルーブ、Pt
ピット、ARs サーボエリア、ARd データエリ
ア、SSP 再生走査、SSPR 記録再生走査
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G11B 11/10 506 G11B 11/10 506N 13/00 13/00 19/12 501 19/12 501K

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーボ信号を得るためのピットが形成さ
    れたサーボエリアと、データの記録又は再生が可能とさ
    れるデータエリアとにより1つの単位領域が形成される
    とともに、該単位領域が複数連続して1周回トラックが
    形成される記録媒体において、 前記各サーボエリアには、レーザスポットのトラッキン
    グ制御を実行させる3相トラッキングサーボ信号を得る
    ための、第1のパターン、第2のパターン、第3のパタ
    ーンのうちのいずれかのサーボピットパターンが形成さ
    れているとともに、レーザスポットによるトラック走査
    位置間隔でみたディスク半径方向での各サーボエリアに
    現れるサーボピットパターンの並び様式、及び/又は、
    ディスク円周方向に並ぶ各サーボエリアに現れるサーボ
    ピットパターンの並び様式が、ディスクの種別もしくは
    ディスク上でのエリア種別に応じて設定されていること
    を特徴とするディスク状記録媒体。
  2. 【請求項2】 ディスク上のエリアとしてROM領域と
    リライタブル領域が混在されており、ROM領域と、リ
    ライタブル領域では、レーザスポットによるトラック走
    査位置間隔でみたディスク半径方向での各サーボエリア
    に現れるサーボピットパターンの並び様式が、異なる並
    び様式とされていることを特徴とする請求項1に記載の
    ディスク状記録媒体。
  3. 【請求項3】 ディスク上のエリアとしてROM領域と
    リライタブル領域が混在されており、ROM領域と、リ
    ライタブル領域では、ディスク円周方向に並ぶ各サーボ
    エリアに現れるサーボピットパターンの並び様式が、異
    なる並び様式とされていることを特徴とする請求項1に
    記載のディスク状記録媒体。
  4. 【請求項4】 ディスク円周方向に並ぶ各サーボエリア
    に現れるサーボピットパターンの並び様式として、1周
    回トラック毎にサーボピットパターンが変化していくよ
    うに形成されている領域を有することを特徴とする請求
    項1に記載のディスク状記録媒体。
  5. 【請求項5】 ディスク円周方向に並ぶ各サーボエリア
    に現れるサーボピットパターンの並び様式として、(1
    /N)周回トラック毎(ただしNは1周回トラックでの
    単位領域の数以下の自然数)にサーボピットパターンが
    変化していくように形成されている領域を有することを
    特徴とする請求項1に記載のディスク状記録媒体。
  6. 【請求項6】 ディスク円周方向に並ぶ各サーボエリア
    に現れるサーボピットパターンの並び様式として、(1
    /M)周回トラック毎(ただしM=3x+1で、xは3
    x+1が1周回トラックでの単位領域の数以下であるこ
    とを満たす範囲の自然数又は0)にサーボピットパター
    ンが変化していくように形成されている領域を有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のディスク状記録媒体。
  7. 【請求項7】 サーボ信号を得るためのピットが形成さ
    れたサーボエリアと、データの記録又は再生が可能とさ
    れるデータエリアとにより1つの単位領域が形成され、
    該単位領域が複数連続して1周回トラックが形成される
    とともに、前記各サーボエリアには、レーザスポットの
    トラッキング制御を実行させる3相トラッキングサーボ
    信号を得るための、第1のパターン、第2のパターン、
    第3のパターンのうちのいずれかのサーボピットパター
    ンが形成されており、さらにレーザスポットによるトラ
    ック走査位置間隔でみたディスク半径方向での各サーボ
    エリアに現れるサーボピットパターンの並び様式、及び
    /又は、ディスク円周方向に並ぶ各サーボエリアに現れ
    るサーボピットパターンの並び様式が、ディスクの種別
    もしくはディスク上でのエリア種別に応じて設定されて
    いるディスク状記録媒体に対応して記録又は再生動作を
    行うディスクドライブ装置として、 各サーボエリアでのサーボピットパターンの検出信号を
    用いてレーザスポットのトラッキング制御を行うトラッ
    キング制御手段と、 各サーボエリアにおいて前記第1のパターン、第2のパ
    ターン、第3のパターンのうちのいずれのサーボピット
    パターンが形成されているかを検出するパターン検出手
    段と、 前記パターン検出手段で検出される、各サーボエリアで
    のサーボピットパターンの並び様式から、ディスクの種
    別もしくはディスク上でのエリア種別を判別する判別手
    段と、 を備えていることを特徴とするディスクドライブ装置。
  8. 【請求項8】 前記判別手段は、レーザスポットによる
    トラック走査位置間隔でみたディスク半径方向での各サ
    ーボエリアに現れるサーボピットパターンの並び様式か
    らディスクの種別もしくはディスク上でのエリア種別を
    判別することを特徴とする請求項8に記載のディスクド
    ライブ装置。
  9. 【請求項9】 前記判別手段は、ディスク円周方向に並
    ぶ各サーボエリアに現れるサーボピットパターンの並び
    様式からディスクの種別もしくはディスク上でのエリア
    種別を判別することを特徴とする請求項8に記載のディ
    スクドライブ装置。
JP8356777A 1996-12-27 1996-12-27 ディスク状記録媒体及びディスクドライブ装置 Withdrawn JPH10198967A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100399434C (zh) * 2003-03-17 2008-07-02 皇家飞利浦电子股份有限公司 可重写数据载体
US8077573B2 (en) 2008-04-18 2011-12-13 Hitachi, Ltd. Optical disk apparatus and disk identification method

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CN100399434C (zh) * 2003-03-17 2008-07-02 皇家飞利浦电子股份有限公司 可重写数据载体
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