JPH10197819A - 光スキャナ - Google Patents

光スキャナ

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JPH10197819A
JPH10197819A JP442197A JP442197A JPH10197819A JP H10197819 A JPH10197819 A JP H10197819A JP 442197 A JP442197 A JP 442197A JP 442197 A JP442197 A JP 442197A JP H10197819 A JPH10197819 A JP H10197819A
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恵三 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の静電気を利用した光スキャナでは、ミ
ラーの回転角を大きく取れない事や構造が複雑になる事
などの課題があり、また、2次元の光スキャンにおい
て、低い周波数で駆動される部分の中に高い周波数で駆
動される部分が配置され、2軸周りの回転運動の駆動周
波数が大きく異なる場合は、ミラーの回転運動を効率良
く起こすことが困難であった。 【解決手段】 この光スキャナは、光を反射するための
板状のマイクロミラー1と、一直線上に位置してマイク
ロミラー1の両側を支持する一対の回転支持体2と、一
対の回転支持体2が接続され、ミラー1の周辺を囲う枠
部3と、枠部3に並進運動を加える圧電素子4とを備
え、かつ、一対の回転支持体2を結ぶ直線上以外の場所
にミラー1の重心を位置させてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光を偏向して光走査
する光スキャナに関し、特に、シリコンマイクロマシン
ニング技術を利用して作られた大振幅動作が可能な小型
可動ミラーを持つ光スキャナに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、小型化できる光スキャナとして、
ミラーを回転して光を偏向する装置が幾種類か開発され
ている。例えば、特開平6−43368号公報及び特開
平6−180428号公報に示される様に、直交する2
つの軸回りの回転振動系を持つミラーが知られている。
このミラーによれば、1つの光スキャナで2軸方向に光
を偏向できるという利点がある。また、上記各公報に記
載の装置は静電力を利用して駆動するところに特徴があ
る。この様な装置では、駆動されるミラーの直ぐ下にわ
ずかなギャップを空けて駆動電極が配置され、導電体か
らなるミラーと、駆動電極とで一つのコンデンサが構成
される。
【0003】ミラーと、このミラーに対向する駆動電極
との間に電圧を加えると、ミラーと駆動電極の間に静電
力が生じるため、ミラーは駆動電極に引き寄せられる。
そのため、ミラーは回転軸を中心とした回転運動を起こ
す。駆動電極は2つの軸ごとに設けられており、それぞ
れの軸周りの回転運動は、それぞれの軸に対応した駆動
電極とミラーの間に制御電圧を加えることによって行わ
れる。
【0004】以下、従来の光スキャナの構成例を図19
を参照して説明する。図19は、特開平6−18042
8号公報に示された従来の光スキャナを示し、同図
(a)は平面図、同図(b)は断面図である。
【0005】図19において、従来の光スキャナは、光
を反射し、X軸方向に変位可能なミラー201と、ミラ
ー201を両側から支持するX軸走査用の梁部202
と、X軸走査用の梁部202と一体でその外側に形成さ
れ、前記X軸方向と直交するY軸方向に変位可能な静電
吸引部203と、静電吸引部203を両側から支持する
Y軸走査用の梁部204と、ミラー201と静電吸引部
203の裏面に対向する位置に配置されたX軸,Y軸方
向駆動電極205,206と、これらの駆動電極が形成
された電極基板207と、前記駆動電極205,206
とミラー201の間に存在して前記駆動電極205,2
06を絶縁するための絶縁膜208と、ミラーの変位に
対しミラーの撓みが生じないように支持し、ミラーと前
記駆動電極間のギャップを決める支持スペーサ部209
とから構成されている。前記ミラー201、X,Y軸走
査用の梁部202,204、および静電吸引部203は
シリコン基板210を形成してなる。さらに、前記駆動
電極205,206の配線部211は、静電力がミラー
201に作用しない平面上に形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の静電気を利
用した光スキャナは、静電力がミラーと駆動電極間距離
の2乗に反比例するため、ミラーを駆動するのに十分な
静電力を与えるためには、ミラーに対向して狭いギャッ
プを介して駆動電極を配置することが必要であった。そ
のため、ミラーの運動は駆動電極との接触により制限さ
れ、ミラーの回転角を大きく設定できないという課題が
あった。
【0007】また、2軸の回転を制御する場合、従来は
それぞれの回転を制御するために独立した駆動電極を複
数配置し、かつ、それぞれに独立した電圧を給電する必
要があり、さらに電極の配線部による静電力がミラーに
作用することを防ぐためには、特開平6−180428
に示されたように配線部は駆動電極とは別の平面上に形
成することが必要であるなど構造が複雑になるという課
題があった。
【0008】また、低い周波数で駆動される部分の中に
高い周波数で駆動される部分を有した2次元の光スキャ
ナでは、低い周波数で駆動される部分を支える回転支持
体は、細長い棒状のトーションバー(torsion bar)で
形成されていて、回転方向(ねじれ方向)のスティッフ
ネス(stiffness)が小さいだけでなく、曲がり方向
(たわみ方向)のスティッフネスも小さい。このような
構成において、2軸周りの回転運動の駆動周波数が大き
く異なる場合、高い共振周波数をもつ回転振動系の回転
運動を起こすために静電力を生じさせると、目的とする
高い共振周波数で回転する力が生じる前に、低い周波数
で駆動される回転振動系の支持体が容易に曲がる。その
結果、ミラー全体として並進運動が起こり、ミラーの回
転運動を効率良く起こすことが不可能であった。これを
防ぐ方法として特開平6−180428号公報に記載の
発明では、ミラーの中央部に支持スペーサ部を設けてい
るが、支持スペーサをミラーの回転軸位置に正確にあわ
せることが必要で、構造が複雑で製造も困難になるとい
う課題があった。
【0009】本発明は、上記従来技術の課題を解消する
ため、構造が簡単で容易にミラーの回転運動を駆動する
ことができ、かつ、光を偏向するミラーの回転角を大き
くすることを可能にする光スキャナを提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明は、光を反射するための板状のミラーと、
一直線上に位置して前記ミラーの両側を支持する一対の
回転支持体と、前記一対の回転支持体が接続され、前記
ミラーの周辺を囲う枠部と、前記枠部に並進運動を加え
る装置とを備え、かつ、前記一対の回転支持体を結ぶ直
線上以外の場所に前記ミラーの重心を位置させてなる光
スキャナを特徴とする。
【0011】この発明において前記ミラーが前記一対の
回転支持体を結ぶ直線に対して左右非対称な質量分布を
有するものが考えられ、この場合、前記装置の並進振動
は、前記ミラーと直交するZ軸方向に沿って加えられる
ことが好ましい。また、前記ミラーが、前記一対の回転
支持体を含む、前記ミラーと平行な面に対して表裏非対
称な質量分布を有しているものの場合、前記装置の並進
振動は、前記ミラーと平行で前記一対の回転支持体を結
ぶ直線と直交するY軸方向に沿って発生されることが好
ましい。また、前記ミラーが、前記一対の回転支持体を
結ぶ直線に対して非対称な質量分布を有し、かつ、前記
一対の回転支持体を含む、前記ミラーと平行な面に対し
て非対称な質量分布を有しているものの場合、前記装置
の並進振動は、前記ミラーと直交するZ軸方向および、
前記ミラーと平行で前記一対の回転支持体を結ぶ直線と
直交するY軸方向に沿って発生されることが好ましい。
【0012】前記枠部に並進運動を加える装置は、前記
ミラーと前記一対の回転支持体とで構成された振動系の
共振周波数と同一ないし近傍の周波数を持つ並進振動を
発生するものである。
【0013】また第2の発明は、光を反射するための板
状のミラーと、一直線上に位置して前記ミラーの両側を
支持する一対のY軸回転支持体と、前記一対のY軸回転
支持体が接続され、前記ミラーと平行な面内で前記ミラ
ーの周辺を囲う板状の中間支持部と、前記ミラーと平行
で前記一対のY軸回転支持体を結ぶ直線と直交する一直
線上に位置して、前記中間支持部の両側を支持する一対
のX軸回転支持体と、前記一対のX軸回転支持体が接続
され、前記中間支持部の周辺を囲う枠部と、前記枠部に
並進運動を加える装置とを備え、かつ、前記一対のY軸
回転支持体を結ぶ直線上以外の場所に前記ミラーの重心
を位置させると共に、前記一対のX軸回転支持体を結ぶ
直線上以外の場所に前記ミラーあるいは前記中間支持部
の重心を位置させてなる光スキャナを特徴とする。
【0014】この発明において前記ミラーが前記一対の
Y軸回転支持体を結ぶ直線に対して左右非対称な質量分
布を有し、前記中間支持部が前記一対のX軸回転支持体
を結ぶ直線に対して左右非対称な質量分布を有している
ことが考えられ、この場合、前記枠部に並進運動を加え
る装置は、前記ミラーと直交するZ軸方向に沿って並進
振動を発生すると共に、複数のお互いに異なった振動周
波数を成分としてもち、少なくとも第1の振動周波数
が、前記ミラーと前記一対のY軸回転支持体とで構成さ
れた第1の振動系の共振周波数と同一ないし近傍の周波
数であり、第2の振動周波数が、前記第1の振動系と前
記中間支持部と前記一対のX軸回転支持体とで構成され
た第2の振動系の共振周波数と同一ないし近傍の周波数
であることが好ましい。
【0015】また、前記ミラーが、前記一対のY軸回転
支持体を含む、前記ミラーと平行な面に対して表裏非対
称な質量分布を有し、前記中間支持部が前記一対のX軸
回転支持体を結ぶ直線に対して左右非対称な質量分布を
有している場合、前記枠部に並進運動を加える装置は、
前記ミラーと前記一対のY軸回転支持体とで構成された
第1の振動系の共振周波数と同一ないし近傍の周波数
で、前記一対のX軸回転支持体を結ぶ直線と平行なX軸
方向に沿って並進振動を発生する手段と、前記第1の振
動系と前記中間支持部と前記一対のX軸回転支持体とで
構成された第2の振動系の共振周波数と同一ないし近傍
の周波数で、前記ミラーと直交するZ軸方向に沿って並
進振動を発生する手段とを備えていることが好ましい。
【0016】また、前記ミラーが、前記一対のY軸回転
支持体を含む、前記ミラーと平行な面に対して表裏非対
称な質量分布を有し、前記中間支持部が、前記一対のX
軸回転支持体を含む、前記中間支持部と平行な面に対し
て表裏非対称な質量分布を有する場合は、前記枠部に並
進運動を加える装置は、前記ミラーと前記一対のY軸回
転支持体とで構成された第1の振動系の共振周波数と同
一ないし近傍の周波数で、前記一対のX軸回転支持体を
結ぶ直線と平行なX軸方向に沿って並進振動を発生する
手段と、前記第1の振動系と前記中間支持部と前記一対
のX軸回転支持体とで構成された第2の振動系の共振周
波数と同一ないし近傍の周波数で、前記一対のY軸回転
支持体を結ぶ直線と平行なY軸方向に沿って並進振動を
発生する手段とを備えていることが好ましい。
【0017】また第3の発明は、光を反射するための板
状のミラーと、一直線上に位置して前記ミラーの両側を
支持する一対のY軸回転支持体と、前記一対のY軸回転
支持体が接続され、前記ミラーと平行な面内で前記ミラ
ーの周辺を囲う板状の中間支持部と、前記一対のY軸回
転支持体を結ぶ直線と平行に位置して前記中間支持部の
片側を支持する片持ち梁である一対のX軸回転支持体
と、前記一対のX軸回転支持体が接続され、前記中間支
持部の周辺を囲う枠部と、前記枠部に並進運動を加える
装置とを備え、かつ、前記一対のY軸回転支持体を結ぶ
直線上以外の場所に前記ミラーの重心を位置させてなる
光スキャナを特徴とする。
【0018】この発明において前記ミラーが前記一対の
Y軸回転支持体を結ぶ直線に対して左右非対称な質量分
布を有することが考えられ、この場合、前記枠部に並進
運動を加える装置は、前記ミラーと直交するZ軸方向に
沿って並進振動を発生すると共に、複数のお互いに異な
った振動周波数を成分としてもち、少なくとも第1の振
動周波数が、前記ミラーと前記一対のY軸回転支持体と
で構成された第1の振動系の共振周波数と同一ないし近
傍の周波数であり、第2の振動周波数が、前記第1の振
動系と前記中間支持部と前記一対のX軸回転支持体とで
構成された第2の振動系の共振周波数と同一ないし近傍
の周波数であることが好ましい。
【0019】また前記ミラーが、前記一対のY軸回転支
持体を含む、前記ミラーと平行な面に対して表裏非対称
な質量分布を有する場合、あるいは、前記中間支持部
が、前記一対のX軸回転支持体を含む、前記中間支持部
と平行な面に対して表裏非対称な質量分布を有する場合
は、前記枠部に並進運動を加える装置は、前記ミラーと
前記一対のY軸回転支持体とで構成された第1の振動系
の共振周波数と同一ないし近傍の周波数で、前記ミラー
と平行で前記一対のY軸回転支持体を結ぶ直線と直交す
るX軸方向に沿って並進振動を発生する手段と、前記第
1の振動系と前記中間支持部と前記一対のX軸回転支持
体とで構成された第2の振動系の共振周波数と同一ない
し近傍の周波数で、前記ミラーと直交するZ軸方向に沿
って並進振動を発生する手段とを備えることが好まし
い。
【0020】また前記ミラーが、前記一対のY軸回転支
持体を含む、前記ミラーと平行な面に対して表裏非対称
な質量分布を有する場合で、かつ、前記中間支持部が、
前記一対のX軸回転支持体を含む、前記中間支持部と平
行な面に対して表裏非対称な質量分布を有する場合は、
前記枠部に並進運動を加える装置は、前記ミラーと前記
一対のY軸回転支持体とで構成された第1の振動系の共
振周波数と同一ないし近傍の周波数で、前記ミラーと平
行で前記一対のY軸回転支持体を結ぶ直線と直交するX
軸方向に沿って並進振動を発生する手段と、前記第1の
振動系と前記中間支持部と前記一対のX軸回転支持体と
で構成された第2の振動系の共振周波数と同一ないし近
傍の周波数で、前記一対のY軸回転支持体を結ぶ直線と
平行なY軸方向に沿って並進振動を発生する手段とを備
えることが好ましい。
【0021】上述の第1から第3の発明は、前記一対の
回転支持体を結ぶ直線上以外の場所に前記ミラー又は前
記中間支持部の重心を位置させるため、前記ミラーに
穴、溝もしくは重りが形成されているものや、前記中間
支持部に穴、溝もしくは重りが形成されているものでも
よい。
【0022】そして前記枠部に並進振動を加える装置は
圧電アクチュエータあるいは電磁アクチュエータである
ことが考えられる。
【0023】また、前記ミラーと直交するZ軸方向に沿
った振動により2軸回りの回転運動を行う場合、前記圧
電アクチュエータあるいは電磁アクチュエータの駆動信
号は、複数のお互いに異なった周期的電気信号を個別に
発生させて、それぞれの周期的電気信号の振幅及び位相
を調整した後、合成したものである。
【0024】また、X軸方向とZ軸方向、あるいはX軸
方向とY軸方向に沿った並進振動により各軸回りに個別
に供給する圧電アクチュエータあるいは電磁アクチュエ
ータへの駆動信号は、周期的電気信号を発生させて、そ
の周期的電気信号の振幅及び位相を調整したものであ
る。
【0025】(作用)本発明は、一対の回転支持体で両
持ち支持されたミラーの質量分布に非対称性を待たせる
ことにより、外部から加えられた並進運動に対して2つ
の回転支持体を結ぶ線を軸とした回転モーメントを発生
させ、ミラーの回転運動を行わせる原理を用いている。
【0026】特に、回転振動系の共振周波数と等しい周
波数の並進振動を加えると、わずかな駆動力で非常に大
きな回転角度を持つ規則正しいサイン波に近い回転運動
を得ることができる。
【0027】また、2軸方向に光を偏向する場合、2つ
の振動系の回転運動の振幅と位相を独立に制御する必要
があるが、2つの振動系の共振周波数を互いに異なった
値にとることによって機械的な振動モード分離を行うこ
とにより、1個の並進振動を発生する装置を用いて2つ
の回転運動の振幅と位相を独立に制御できる。例えば、
X軸回りの回転の共振周波数を60Hz、Y軸回りの回
転の共振周波数を15kHzにとると、枠部に加える並
進振動の周波数成分の内、60Hzの振動振幅および位
相を制御することでX軸回りの回転の振幅と位相が制御
可能であり、15kHzの振幅と位相を制御することで
Y軸回りの回転の振幅と位相が独立に制御できる。
【0028】さらに、一般的には、lつの構造体が、低
い周波数で駆動される部分の中に高い周波数で駆動され
る部分を有して構成される場合、外部から力を加える
と、低い周波数で駆動される部分がローパスフィルター
となって高い周波数成分を吸収してしまい、高い周波数
の駆動力が、高い周波数で駆動されるべき部分に伝達さ
れなくなるので、2軸の駆動を行うことは困難である。
しかし本発明では、低い共振周波数を持つ回転支持体の
長手方向のスティッフネスが回転方向のスティッフネス
に比べ非常に大きいことを利用して、この回転支持体の
長手方向に沿って並進振動を加えられるように構成する
ことにより、高い周波数の駆動力が吸収されることなく
内部に伝達でき、高い共振周波数を持つ部分の回転運動
も容易に駆動できる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0030】(第1の実施形態)図1は本発明の光スキ
ャナの第1の実施形態の構成を模式的に表した斜視図で
ある。この図に示される形態の光スキャナは、シリコン
チップから形成された、全体で5mm角程度の大きさで
数ミリグラムの重さの小型可動ミラーを備えている。小
型可動ミラーは、約2mm角の大きさのマイクロミラー
1と、マイクロミラー1を非対称の質量分布を持つよう
に配分する、X軸もしくはY軸と平行な軸線上に位置し
てマイクロミラー1の両側を支持する幅10ミクロン厚
み5ミクロン長さ300ミクロンの大きさの一対のX軸
回転支持体2と、X軸回転支持体2が接続された、マイ
クロミラー1の周辺を囲う幅500ミクロン程度の枠部
3とをシリコンチップより一体に形成して成る。ここで
「幅」とは図中XY平面と平行な面における短手方向の
寸法を、「長さ」とは図中XY平面と平行な面における
長手方向の寸法を、「厚み」とは図1中Z軸方向と平行
な方向の寸法をいう。
【0031】枠部3の裏側には、平面の面積が前記小型
可動ミラーと同じ程度の大きさで厚みが1mm程度の圧
電素子4が接合されている。小型可動ミラーと圧電素子
4との総合重量は1g程度である。圧電素子4に求めら
れる駆動力は振動の振幅としてZ軸に沿った数ミクロン
から数10ミクロンであり、この圧電素子4に好ましい
ものとして、積層型、バイモルフ型、あるいはムーニー
型などが利用される。
【0032】このような形態において、圧電素子4に電
圧を加えると、圧電素子4は伸縮を行い、Z軸方向に振
動する。この振動は枠部3に伝達される。マイクロミラ
ー1は、駆動された枠部3に対して相対運動を起こし、
Z軸方向の振動成分がマイクロミラー1に伝えられる
と、マイクロミラー1はX軸回転支持体2で成す軸線に
対して左右非対称の質量分布を持つので、X軸回転支持
体2を中心にマイクロミラー1に回転モーメントが生じ
る。このようにして、圧電素子4によって枠部3に加え
られた並進振動は、マイクロミラー1のX軸回転支持体
2を中心とした回転運動に変換される。
【0033】このマイクロミラー1を利用して光走査を
行って通常のテレビ信号を再生する場合には、上記構成
の光スキャナーを2個用い、それぞれのX軸回転の駆動
周波数を垂直走査に対し60Hz近傍に、水平走査に対
し15kHz近傍に設定する。
【0034】20V程度の電圧を持つ、共振周波数に対
応する電気信号を圧電素子4に加えると、数ミリアンペ
アの電流が流れて並進振動が起こり、それに準じて10
度近いマイクロミラー1の回転振動が生じ、光の偏向角
として20度以上が得られる。
【0035】(第2の実施形態)図2は本発明の光スキ
ャナの第2の実施形態の構成を模式的に表した斜視図で
ある。この図に示される形態の光スキャナは、第1の実
施形態と同様、シリコンチップから形成された小型可動
ミラーを備えている。小型可動ミラーは、マイクロミラ
ー21と、マイクロミラー21を対称の質量分布を持つ
ように配分する、X軸と平行な軸線上に位置してマイク
ロミラー21の両側を支持する一対のX軸回転支持体2
2と、X軸回転支持体22が接続された、マイクロミラ
ー21の周辺を囲う枠部23と、マイクロミラー21の
ミラー面と反対側に配設された回転用おもり25とをシ
リコンチップより一体に形成して成る。枠部23の裏側
には、Y軸方向に振動可能な圧電素子24が接合されて
いる。
【0036】すなわち本形態では、一対のX軸回転支持
体22を結ぶ直線に対して左右対称の質量分布を持つマ
イクロミラー21の裏面に回転用おもり25を形成する
ことによって、マイクロミラー21が、X軸回転支持体
22を含む、ミラー21と平行な面に対して表裏非対称
の質量分布を持つようにしたことに特徴がある。
【0037】図2に示した形態では、圧電素子24によ
りY軸に沿った並進振動を枠部23に加えることで、マ
イクロミラー21にX軸回転支持体22を中心とした回
転運動を生じさせることができる。回転用おもり35は
ミラー領域を作る際にシリコンを厚く残すことによって
形成してもよいし、ポリシリコンあるいは他の金属を堆
積して作ってもよい。
【0038】(第3の実施形態)図3は本発明の光スキ
ャナの第3の実施形態の構成を模式的に表した斜視図で
ある。この図に示される形態の光スキャナは、第1の実
施形態と同様、シリコンチップから形成された小型可動
ミラーを備えている。小型可動ミラーは、マイクロミラ
ー31と、マイクロミラー31を非対称の質量分布を持
つように配分する、X軸と平行な軸線上に位置してマイ
クロミラー31の両側を支持する一対のX軸回転支持体
32と、X軸回転支持体32が接続された、マイクロミ
ラー31の周辺を囲う枠部33と、マイクロミラー31
のミラー面と反対側に配設された回転用おもり35とを
シリコンチップより一体に形成して成る。枠部33の裏
側には、Y軸およびZ軸方向に振動可能な圧電素子34
が接合されている。
【0039】すなわち本形態では、X軸回転支持体32
を中心とした回転振動系の重心が、X軸回転支持体32
の軸線上以外で、かつ、X軸回転支持体32を含む、ミ
ラー31と平行な面以外にある事に特徴がある。言い換
えれば、回転用おもり35を備えたマイクロミラー31
の質量分布が、X軸回転支持体32を通る軸線に対して
左右非対称になっていると同時に、回転用おもり35に
より、X軸回転支持体32を含む、ミラー31と平行な
面に対して非対称になっている事に特徴がある。したが
って、マイクロミラー31は、圧電素子34により枠部
33がY軸に沿った振動およびZ軸に沿った振動のどち
らの振動を受けても、X軸回転支持体32を中心に回転
運動を生じる。
【0040】(第4の実施形態)図4は本発明の光スキ
ャナの第4の実施形態の構成を模式的に表した斜視図で
ある。この図に示される形態の光スキャナは、第1の実
施形態と同様、シリコンチップから形成された小型可動
ミラーを備えている。小型可動ミラーは、マイクロミラ
ー41と、マイクロミラー41を非対称の質量分布を持
つように配分する、Y軸と平行な軸線上に位置してマイ
クロミラー41の両側を支持する一対のY軸回転支持体
42と、Y軸回転支持体42が接続された、マイクロミ
ラー41の周辺を囲う中間支持部43と、中間支持部4
3を非対称の質量分布を持つように配分する、X軸と平
行な軸線上に位置して中間支持部43の両側を支持する
一対のX軸回転支持体44と、X軸回転支持体44が接
続された、中間支持部43の周辺を囲う枠部45とを、
シリコンチップより一体に形成して成る。枠部45の裏
側には、Z軸方向に振動可能な圧電素子46が接合され
ている。
【0041】すなわち本形態では小型可動ミラーの回転
軸を2つにし、1つの光スキャナで2次元の光スキャン
を行えるところに特徴がある。2つの独立した回転振動
系を与えるために、小型可動ミラーは同一平面内で互い
に90度の角度をなすX軸回転支持体42およびY軸回
転支持体43を備えている。マイクロミラー41は、Y
軸回転支持体43で成す軸線に対して左右非対称な質量
分布をしている。また、中間支持部43はX軸回転支持
体44で成す軸線に対して左右非対称な質量分布を有し
ている。
【0042】このマイクロミラー41で光走査を行って
通常のビデオ信号を再生する場合には、垂直走査に対応
するX軸回転の駆動周波数を60Hz、水平走査に対応
するY軸回転の駆動周波数を15kHz近傍に設定す
る。
【0043】圧電素子46によりZ軸方向に並進振動さ
せると、マイクロミラー41は回転支持体で成す軸線に
対して左右非対称な質量分布をしているので、回転支持
体周りに回転モーメントが生じ、マイクロミラー41は
回転支持体を中心に回転運動を行う。
【0044】また、2軸の各々の回転を行う共振周波数
が合成された信号で圧電素子46のZ軸方向の並進運動
を駆動することにより、一つの圧電素子46でミラーの
2軸方向の回転振動を効率よく励振することができる。
この場合にも光走査角度10度以上の性能が容易に得ら
れる。
【0045】(第5の実施形態)図5は本発明の光スキ
ャナの第5の実施形態の構成を模式的に表した斜視図で
ある。この図に示される形態の光スキャナは、第1の実
施形態と同様、シリコンチップから形成された小型可動
ミラーを備えている。小型可動ミラーは、マイクロミラ
ー51と、マイクロミラー51を非対称の質量分布を持
つように配分する、Y軸と平行な軸線上に位置してマイ
クロミラー51の両側を支持する一対のY軸回転支持体
52と、Y軸回転支持体52が接続された、マイクロミ
ラー51の周辺を囲う中間支持部53と、中間支持部5
3を非対称の質量分布を持つように配分する、X軸と平
行な軸線上に位置して中間支持部53の両側を支持する
一対のX軸回転支持体54と、X軸回転支持体54が接
続された、中間支持部53の周辺を囲う枠部55とを、
シリコンチップより一体に形成して成る。
【0046】枠部55のX軸方向の一側部には、X軸方
向に振動可能な圧電素子56が接合され、枠部55の裏
側には、Z軸方向に振動可能な圧電素子57が接合され
ている。
【0047】すなわち本実施の形態では、第4の実施形
態に代わり、圧電素子が各軸ごとに分離配置した事に特
徴がある。
【0048】この場合、圧電素子56はマイクロミラー
51のY軸回りの回転を生じさせるために使われ、圧電
素子57はX軸回りの回転を生じさせるために利用され
る。この様に軸ごとに圧電素子を配置すると、各回転振
動系の共振周波数に適した特性を待つ圧電素子を個別に
使用することが可能になる。そのため、例えば、それぞ
れの圧電素子の駆動周波数を、駆動しようとする回転振
動系の共振周波数に一致あるいは近傍にする事によっ
て、著しく駆動効率を向上できる。
【0049】なお、第2の実施形態のようにマイクロミ
ラー51のミラー面と反対側に回転用おもりを付加し
て、マイクロミラー51が、Y軸回転支持体52を含
む、ミラー51と平行な面に対して非対称の質量分布を
持つようにすると、Y軸回りの回転を効率良く生じさせ
ることができる。
【0050】(第6の実施形態)図6は本発明の光スキ
ャナの第6の実施形態の構成を模式的に表した斜視図で
ある。この図に示される形態の光スキャナは、第1の実
施形態と同様、シリコンチップから形成された小型可動
ミラーを備えている。小型可動ミラーは、マイクロミラ
ー61と、マイクロミラー61を非対称の質量分布を持
つように配分する、Y軸と平行な軸線上に位置してマイ
クロミラー61の両側を支持する一対のY軸回転支持体
62と、Y軸回転支持体62が接続された、マイクロミ
ラー61の周辺を囲う中間支持部63と、中間支持部6
3を非対称の質量分布を持つように配分する、X軸と平
行な軸線上に位置して中間支持部63の両側を支持する
一対のX軸回転支持体64と、X軸回転支持体64が接
続された、中間支持部63の周辺を囲う枠部65とを、
シリコンチップより一体に形成して成る。
【0051】この実施形態では、第5の実施形態に代わ
り、圧電素子がX軸とY軸に沿った方向に分離配置され
ている事に特徴がある。すなわち、枠部65のX軸方向
の一側部に、X軸方向に振動可能な圧電素子66が接合
され、枠部55のY軸方向の一側部に、Y軸方向に振動
可能な圧電素子67が接合されている。
【0052】この場合、圧電素子65はマイクロミラー
61のY軸回りの回転を生じさせるために利用され、圧
電素子66は中間支持部63のX軸回りの回転を生じさ
せるために利用される。
【0053】なお、第2の実施形態のようにマイクロミ
ラー61のミラー面と反対側に回転用おもりを付加し
て、マイクロミラー61が、Y軸回転支持体62を含
む、ミラー61と平行な面に対して表裏非対称の質量分
布を持つようにすると、Y軸回りの回転を効率良く生じ
させることができ、また同様に、中間支持部63に回転
用おもりを付加して、中間支持部63が、X軸回転支持
体64を含む、中間支持部63と平行な面に対して表裏
非対称の質量分布を持つようにしても、Y軸回りの回転
を効率良く生じさせることができる。このようにXY平
面と平行な面に対して表裏非対称の質量分布を持つ場合
に、本形態の圧電素子の配置方式が有効である。
【0054】(第7の実施形態)ビデオ信号の再生のよ
うに低い垂直周波数と高い水平光走査周波数が同時に必
要な場合には、トーションバ−による支持方法では低い
周波数を実現困難な場合がある。その場合には低い周波
数を受け持つ回転振動系の回転支持体を片持ち梁で構成
すると良い。本実施形態を含めて第9の実施形態まで
は、上記の片持ち梁を備えた構造を説明する。
【0055】図7は、本発明の光スキャナの第7の実施
形態として上記の片持ち梁を備えた構造を模式的に表し
た斜視図である。この図に示される形態の光スキャナ
は、第1の実施形態と同様、シリコンチップから形成さ
れた小型可動ミラーを備えている。小型可動ミラーは、
マイクロミラー71と、マイクロミラー71を非対称の
質量分布を持つように配分する、Y軸と平行な軸線上に
位置してマイクロミラー71の両側を支持する一対のY
軸回転支持体72と、Y軸回転支持体72が接続され
た、マイクロミラー71の周辺を囲う中間支持部73
と、X軸と平行な軸線上に位置して中間支持部43の片
側を支持する一対のX軸回転支持体74と、X軸回転支
持体74が接続された、中間支持部73の周辺を囲う枠
部75とを、シリコンチップより一体に形成して成る。
枠部75の裏側には、Z軸方向に振動可能な圧電素子7
6が接合されている。
【0056】このような実施形態では、低い駆動周波数
を持つ回転振動系が、枠部75に対して片持ち梁である
X軸回転支持体74で支持された中間支持部73で実現
され、その中間支持部73の中に、Y軸回転支持体72
で成す軸線によって左右非対称の質量分布を持つように
両持ち支持されたマイクロミラー71が配置されている
ところに特徴がある。
【0057】X軸回転支持体74となる片持ち梁の梁厚
みは1ミクロンから数十10ミクロンであり、梁幅は1
0ミクロン程度である。梁の長さは、駆動周波数による
が、数十ミクロンから1ミリメートル程度である。
【0058】片持ち梁であるX軸回転支持体74はZ軸
方向に移動するのが容易なので、圧電素子76をZ軸方
向に変位させてマイクロミラー71のX軸回りの運動を
駆動するために利用する。マイクロミラー71はY軸回
転支持体72で成す軸線に対して左右非対称の質量分布
を持っているので、Z軸に沿った振動を加えることによ
ってY軸回りに回転を生じる。従って、Z軸方向の振動
を加えることによって、X軸回りとY軸回りの回転を同
時に起こさせることができる。
【0059】(第8の実施形態)図8は本発明の光スキ
ャナの第8の実施形態の構成を模式的に表した斜視図で
ある。この図に示される形態の光スキャナは、第1の実
施形態と同様、シリコンチップから形成された小型可動
ミラーを備えている。小型可動ミラーは、マイクロミラ
ー81と、マイクロミラー81を非対称の質量分布を持
つように配分する、Y軸と平行な軸線上に位置してマイ
クロミラー81の両側を支持する一対のY軸回転支持体
82と、Y軸回転支持体82が接続された、マイクロミ
ラー81の周辺を囲う中間支持部83と、X軸と平行な
軸線上に位置して中間支持部83の片側を支持する一対
のX軸回転支持体84と、X軸回転支持体84が接続さ
れた、中間支持部83の周辺を囲う枠部55とを、シリ
コンチップより一体に形成して成る。
【0060】枠部85のX軸方向の一側部には、X軸方
向に振動可能な圧電素子86が接合され、枠部85の裏
側には、Z軸方向に振動可能な圧電素子87が接合され
ている。
【0061】すなわち本実施の形態では、低い周波数を
受け持つ回転振動系の回転支持体が片持ち梁で構成され
るとともに、第7の実施形態に代わり、圧電素子が各軸
ごとに分離配置した事に特徴がある。
【0062】この様に軸ごとに圧電素子を配置すると、
それぞれの圧電素子の駆動周波数を異ならせることがで
きるので、例えば、X軸回りの振動を起こさせる圧電素
子87の駆動周波数を60Hz、Y軸回りの振動を起こ
させる圧電素子86の駆動周波数を15kHzに設定で
きる。当然、圧電素子の駆動周波数を回転振動系の共振
周波数に合わせると、大きな振幅が得られる。
【0063】なお、第2の実施形態のようにマイクロミ
ラー81のミラー面と反対側に回転用おもりを付加し
て、マイクロミラー81が、Y軸回転支持体82を含
む、ミラー81と平行な面に対して表裏非対称の質量分
布を持つようにすると、Y軸回りの回転を効率良く生じ
させることができる。
【0064】(第9の実施形態)図9は本発明の光スキ
ャナの第9の実施形態の構成を模式的に表した斜視図で
ある。この図に示される形態の光スキャナは、第1の実
施形態と同様、シリコンチップから形成された小型可動
ミラーを備えている。小型可動ミラーは、マイクロミラ
ー91と、マイクロミラー91を非対称の質量分布を持
つように配分する、Y軸と平行な軸線上に位置してマイ
クロミラー91の両側を支持する一対のY軸回転支持体
92と、Y軸回転支持体92が接続された、マイクロミ
ラー91の周辺を囲う中間支持部93と、X軸と平行な
軸線上に位置して中間支持部93の片側を支持する一対
のX軸回転支持体94と、X軸回転支持体94が接続さ
れた、中間支持部93の周辺を囲う枠部95とを、シリ
コンチップより一体に形成して成る。
【0065】枠部95のX軸方向の一側部には、X軸方
向に振動可能な圧電素子96が接合され、枠部95のY
軸方向の一側部には、Y軸方向に振動可能な圧電素子9
7が接合されている。
【0066】すなわち本実施の形態では、低い周波数を
受け持つ回転振動系の回転支持体が片持ち梁で構成され
るとともに、圧電素子がX軸とY軸に沿った方向に分離
配置されている事に特徴がある。
【0067】一般に、上記のように中間支持部93の片
側を支持する一対の片持ち梁はZ軸方向のスティッフネ
ス(stiffness)が他の軸方向に比較して著しく小さい
ので、片持ち梁の共振周波数よりも高いZ軸並進周波数
成分は内部に導入されない性質がある。そのため本形態
では、圧電素子96あるいは圧電素子97の振動方向
が、X軸回転支持体94の振動容易な方向であるZ軸方
向とは異なった方向に起こるように配置されている。こ
のように配置すると、X軸回転支持体94のX軸周りの
曲げスティッフネスが非常に小さい場合でもX軸回転支
持体94の長手方向であるY軸に沿ったスティッフネ
ス、あるいはX軸方向に沿ったスティッフネスは非常に
大きいので、枠部95の外側に配置された圧電素子の振
動を枠部95の内側にあるマイクロミラー91に対して
効果的に加えることができる。内部にあるマイクロミラ
ー91は、ミラーの非対称性より回転力を得るが、マイ
クロミラー91の一面の一部または全部に回転用のおも
りが備えられていると、Y軸回りに効率良く回転を生じ
させることができる。また同様に、中間支持部93の一
面の一部または全部に回転用のおもりが備えられている
と、X軸回りに効率良く回転を生じさせることができ
る。
【0068】(第10の実施形態)本実施形態から第1
6の実施形態までは非対称な質量分布を持った振動系を
作成するための構造例を挙げる。
【0069】図10は本発明の光スキャナの第10の実
施形態を構成する小型可動ミラーを模式的に表した斜視
図である。この図に示される形態の小型可動ミラーは、
マイクロミラー101と、X軸と平行な軸線上に位置し
てマイクロミラー101の中央の両側を支持する一対の
X軸回転支持体102と、X軸回転支持体102が接続
された、マイクロミラー101の周辺を囲う枠部103
とを、シリコンチップより一体に形成して成る。そし
て、マイクロミラー101が、X軸回転支持体102で
成す軸線に対して左右非対称な質量分布を持つように、
マイクロミラー101の表面に穴104あるいは溝が設
けられている。
【0070】穴104の大きさはマイクロミラー101
の大きさにも依るが、数ミクロンから数百ミクロンの範
囲が望ましい。貫通穴を開けてしまうとミラーの面積が
減少するので、穴はミラー面とは逆側から形成し、途中
で止められていることが望ましい。もちろん、穴を掘っ
たあと穴の空間を質量密度の違うもので埋めても構わな
い。この工程には超LSIで利用される埋め込み配線に
使われる研磨プロセスを用いてもよい。穴はマイクロミ
ラー周辺部に設けるほど振動効果が大きくなる。
【0071】(第11の実施形態)図11は本発明の光
スキャナの第11の実施形態を構成する小型可動ミラー
を模式的に表した斜視図である。この図に示される形態
の小型可動ミラーは、マイクロミラー111と、Y軸と
平行な軸線上に位置してマイクロミラー111の中央の
両側を支持する一対のY軸回転支持体112と、Y軸回
転支持体112が接続された、マイクロミラー111の
周辺を囲う中間支持部113と、X軸と平行な軸線上に
位置して中間支持部113の中央の両側を支持する一対
のX軸回転支持体114と、X軸回転支持体114が接
続された、中間支持部113の周辺を囲う枠部115と
を、シリコンチップより一体に形成して成る。そして、
マイクロミラー111が、Y軸回転支持体112で成す
軸線に対して左右非対称な質量分布を持つように、マイ
クロミラー111の表面に穴116あるいは溝が設けら
れ、同様に、中間支持部113が、X軸回転支持体11
4で成す軸線に対して左右非対称な質量分布を持つよう
に、中間支持部113の表面に穴117あるいは溝が設
けられている。言い換えれば、穴116あるいは溝は、
Y軸回転支持体112で成す軸線からマイクロミラー1
11の重心がずれるように位置し、穴117あるいは溝
は、X軸回転支持体112で成す軸線から中間支持部1
13の重心がずれるように位置している。
【0072】(第12の実施形態)図12は本発明の光
スキャナの第12の実施形態を構成する小型可動ミラー
を模式的に表した斜視図である。この図に示される形態
の小型可動ミラーは、マイクロミラー121と、Y軸と
平行な軸線上に位置してマイクロミラー121の中央の
両側を支持する一対のY軸回転支持体122と、Y軸回
転支持体122が接続された、マイクロミラー121の
周辺を囲う中間支持部123と、X軸と平行な軸線上に
位置して中間支持部123の中央の両側を支持する一対
のX軸回転支持体124と、X軸回転支持体124が接
続された、中間支持部123の周辺を囲う枠部125と
を、シリコンチップより一体に形成して成る。そして、
マイクロミラー111が、Y軸回転支持体112で成す
軸線に対して左右非対称な質量分布を持つと同時に、マ
イクロミラー121が接続された中間支持部113が、
X軸回転支持体124で成す軸線に対して左右非対称な
質量分布を持つように、2軸支持されたマイクロミラー
121の角隅の領域に穴126あるいは溝が設けられて
いる。この様に穴126あるいは溝を配置すると、Z軸
方向に振動を加えた場合にマイクロミラー121はX軸
あるいはY軸回りに回転する。
【0073】(第13の実施形態)図13は本発明の光
スキャナの第13の実施形態を構成する小型可動ミラー
をミラー面と反対側から見た斜視図である。この図に示
される形態の小型可動ミラーは、不図示のマイクロミラ
ーと、Y軸と平行な軸線上に位置してマイクロミラーの
中央の両側を支持する一対のY軸回転支持体132と、
Y軸回転支持体132が接続された、マイクロミラーの
周辺を囲う中間支持部133と、X軸と平行な軸線上に
位置して中間支持部133の中央の両側を支持する一対
のX軸回転支持体134と、X軸回転支持体134が接
続された、中間支持部133の周辺を囲う枠部135
と、マイクロミラーが、Y軸回転支持体132を含む、
ミラーと平行な面に対して表裏非対称な質量分布を持つ
ように、マイクロミラーのミラー面と反対側全体に配さ
れた回転用おもり131とを、シリコンチップより一体
に形成して成る。
【0074】回転用おもり131は半導体加速度センサ
の製造プロセス等で良く知られている方法である異方性
エッチングによって、枠部135と同時に形成される。
もちろん、薄膜のマイクロミラーを形成した後にめっ
き、フォトレジスト等の樹脂類などを利用して回転用お
もり131を付加してもよい。
【0075】(第14の実施形態)図14は本発明の光
スキャナの第14の実施形態を構成する小型可動ミラー
をミラー面と反対側から見た斜視図である。この図に示
される形態の小型可動ミラーは、マイクロミラー141
と、Y軸と平行な軸線上に位置してマイクロミラー14
1の中央の両側を支持する一対のY軸回転支持体142
と、Y軸回転支持体142が接続された、マイクロミラ
ー141の周辺を囲う中間支持部143と、X軸と平行
な軸線上に位置して中間支持部143の中央の両側を支
持する一対のX軸回転支持体144と、X軸回転支持体
144が接続された、中間支持部143の周辺を囲う枠
部145と、マイクロミラー141が、Y軸回転支持体
142を含む、ミラー141と平行な面に対して表裏非
対称な質量分布を持つように、マイクロミラーのミラー
面と反対側に配された回転用おもり141とを、シリコ
ンチップより一体に形成して成る。特に本形態は、第1
3の実施形態に代えて、小型可動ミラーの質量分布が、
Y軸回転支持体142を含む、ミラー141と平行な面
に対してのみならず、X軸回転支持体144で成す軸線
に対しても非対称に成っていることを特徴とする。この
ような形態にすると、X軸方向の振動をY軸回りの回転
に、Z軸方向の振動をX軸回りの回転に変換できる。
【0076】(第15の実施形態)図15は本発明の光
スキャナの第15の実施形態を構成する小型可動ミラー
を模式的に表した斜視図である。この図に示される形態
の小型可動ミラーは、マイクロミラー151と、Y軸と
平行な軸線上に位置してマイクロミラー151の中央の
両側を支持する一対のY軸回転支持体152と、Y軸回
転支持体152が接続された、マイクロミラー151の
周辺を囲う中間支持部153と、X軸と平行な軸線上に
位置して中間支持部153の中央の両側を支持する一対
のX軸回転支持体154と、X軸回転支持体154が接
続された、中間支持部153の周辺を囲う枠部155と
を、シリコンチップより一体に形成して成る。そして、
マイクロミラー151が、Y軸回転支持体142を含
む、ミラー151と平行な面に対して表裏非対称な質量
分布を持つように、マイクロミラー121のミラー面と
反対側には、マイクロミラー121を構成するシリコン
材料を掘ってなる除去部156あるいは溝が設けられて
いる。
【0077】このような形態によれば、一般にマイクロ
ミラー121にエッチングにより精度高く回転用おもり
を残すことは困難であるが、掘ることは精度高くできる
ので、製造が容易である。
【0078】(第16の実施形態)図16は本発明の光
スキャナの第16の実施形態を構成する小型可動ミラー
を模式的に表した斜視図である。この図に示される形態
の小型可動ミラーは、マイクロミラー161と、Y軸と
平行な軸線上に位置してマイクロミラー161の中央の
両側を支持する一対のY軸回転支持体162と、Y軸回
転支持体162が接続された、マイクロミラー161の
周辺を囲う中間支持部163と、X軸と平行な軸線上に
位置して中間支持部163の中央の両側を支持する一対
のX軸回転支持体164と、X軸回転支持体164が接
続された、中間支持部163の周辺を囲う枠部165と
を、シリコンチップより一体に形成して成る。特に本形
態は、第15の実施形態に代えて、小型可動ミラーの質
量分布が、Y軸回転支持体162を含む、ミラー161
と平行な面に対してのみならず、X軸回転支持体164
で成す軸線に対しても非対称になるように、マイクロミ
ラー161のミラーと反対側の一部に除去部166ある
いは溝を形成した事を特徴とする。
【0079】このような形態にすると、X軸方向の振動
をY軸回りの回転に、Z軸方向の振動をX軸回りの回転
に変換できる。
【0080】(第17の実施形態)上述の第4および第
7の実施形態で説明したように1個の圧電素子でX軸周
り、Y軸周り等の2つの回転軸周りに同時に回転を起こ
すことが可能であるが、それぞれの回転の振幅と位相を
独立に制御することが実用上必要である。
【0081】図17は、本発明の光スキャナの第17の
実施形態として、1個の圧電素子で2軸方向に光走査す
る場合の駆動方式を表した構成図である。この場合の駆
動方式は、X軸駆動周波数発生回路171、およびY軸
駆動周波数発生回路172の2つの周波数発生回路を有
しており、それぞれ発生された駆動信号は、それぞれ振
幅位相調節回路173、174に導入され、その振幅と
位相が決定される。その後、電気信号合成回路175に
導入されて1つの電気信号に変換され、最後に出力回路
176によって電力増幅された後に圧電素子177に供
給される。
【0082】発生される波形は正弦波(サイン波)が基
本的であるが、矩形波や鋸波である場合もある。さらに
は、これらの波形はアナログ的に発生される場合もある
し、デジタル的に発生する場合もある。この駆動方式
は、発生する信号の同期をとるための入力信号を受け付
けることができ、例えば、外部からの映像信号に同期し
て発振を開始する機能を有している。
【0083】(第18の実施形態)ここでは、上述の第
5、6、8、9等の実施形態のように圧電素子を軸毎に
持った場合に必要とされる駆動方式を説明する。
【0084】図18は、本発明の光スキャナの第18の
実施形態として、光走査する軸方向ごとに圧電素子を持
つ場合の駆動方式を表した構成図である。この場合の駆
動方式では、X軸駆動周波数発生回路181および、Y
軸駆動周波数発生回路182で発生された信号はそれぞ
れ振幅位相調節回路183、184に導入され、振幅と
位相が調節される。その後、電力増幅を行うための出力
回路185、186にそれぞれ導入されて、X軸圧電素
子187およびY軸圧電素子188にそれぞれ電気信号
が供給される。供給される電圧は数ボルトから100ボ
ルト程度であり、電流は最大数十ミリアンペアである。
圧電素子は、各軸ごとに複数持つこともできる。例え
ば、基本的な振動振幅を与えるための圧電素子と、外部
からの外乱があった場合に対処するための振幅制御を行
うための圧電素子である。このようにすると、変動分は
基準量よりも小さいので、制御に必要とする電力や回路
規模を小さくすることが可能となる。
【0085】以上説明した各実施形態では、小型可動ミ
ラーに加えられる並進振動を誘起さえるアクチュエータ
として圧電素子を用いたが、本発明はこれに限らず、電
磁気、熱、光、等を用いた場合にも同様な効果が認めら
れるのは、言うまでもない。また、並進振動の方向にお
いて、開示した軸以外からの加振やその組み合わせが存
在するが、それも本発明に含まれるのは言うまでもな
い。
【0086】圧電素子の固定は、振動すべきミラーとの
間は、強固に行うが、パッケージとの接続は圧電素子の
一部を強固に固定しても良いし、ミラーを含む圧電体全
体をシリコンゴムのような柔らかい材料でパッケージか
ら浮かして、固定してもよい。
【0087】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、以下に記
載する効果を奏する。
【0088】ミラーの重心の位置あるいは中間支持部の
重心の位置をそれを支える一対の回転支持体で成す軸線
上からはずすことにより、並進振動を回転運動に変換す
るので、非常に効率高く回転運動を起こさせることがで
きる。並進振動を起こす駆動周波数を回転振動系の共振
周波数に合わせると、著しく大きな振動を得ることが可
能であり、かつ、2軸の回転振動系の共振周波数を別々
に設定することで、それぞれの回転運動を独立に制御可
能である。従来、多自由度を駆動するためには複数のア
クチュエータを必要としたが、1つのアクチュエータで
構成できるのでミラー構造を著しく簡単にできる。その
ため、製造が非常に簡単で、コストを下げられる。
【0089】共振駆動周波数が著しく離れている場合に
は、同一アクチュエータを使用すると圧電アクチュエー
タの効率が下がるので、複数の周波数領域に分けて振動
を加えると全体としての効率が向上する。従来の静電気
を利用したアクチュエータとは異なり外部から加振する
アクチュエータを利用するので、通常の静電力を用いた
駆動方法に比較して非常に大きな力を利用可能で、走査
速度10KHz、走査角度10度以上の様な高速大振幅
動作を必要とする光スキャナを容易に実現できる。
【0090】外部から加えられた並進振動を回転に変換
するために利用される非対称構造を作るには、ミラー自
身を非対称に支持する方法、質量分布が等価に支持され
たミラーにおもりを加えたり、穴や溝を設ける方法等が
活用できる。中でもミラーに穴あるいは溝を設けて非対
称質量分布を実現すると、工程が簡単である。
【0091】1個の並進振動を発生する装置を用い二つ
の異なる周波数で駆動することにより、駆動するための
電気回路が1つで済むので、電気回路が簡単となり、コ
ストを低くできる。
【0092】lつの構造体が、低い周波数で駆動される
回転振動系の中に高い周波数で駆動される回転振動系を
持つ場合、低い共振周波数を持つ回転支持体の長手方向
のスティッフネスが回転方向のスティッフネスに比べ非
常に大きいことを利用して、この回転支持体の長手方向
に沿って並進振動を加えられるように構成することによ
り、高い周波数の駆動力が吸収されることなく内部に伝
達でき、高い共振周波数を持つ部分の回転運動も容易に
駆動できる。
【0093】回転支持体の両持ち構造では低い共振周波
数を小さな領域で実現することは困難であるが、片持ち
支持構造と両持ち支持構造を1つの構造体中に同居させ
ることによって、低い周波数の駆動と高い周波数での駆
動を同時に実現することが可能であり、両者の信号を同
時に含むミラーの走査(例えばテレビの水平垂直走査)
が可能となる。
【0094】中間支持部や重り部、あるいは梁厚みなど
は同じである必要はなく、利用する共振周波数に対して
適切な値に調節して利用する。
【0095】静電力を使用しないので、ミラー表面を導
体にする必要がなく、反射膜として、有機材料などが使
用できる。ミラー自身に配線する必要がないので、プロ
セスが著しく簡単になる。
【0096】圧電素子自身の共振周波数に並進振動の駆
動周波数を併せることで、同一電力投入によるアクチュ
エータ自身の振幅が大きくなるので、高効率駆動が可能
となる。
【0097】回転振動系の共振周波数はどのような周波
数にも設定することが可能であり、高精彩画像のように
水平周波数が75kHzとか垂直走査周波数が200H
zとか言う場合にも対応できるのは言うまでもない。圧
電素子などを駆動に使用した場合、非常に小さな電力で
ミラーを駆動することが可能であるが、電圧を強くすれ
ば、数ミリワットの消費電力にて30度以上の振幅を容
易に得ることができる。当然、これ以上のミラー振幅が
必要である場合にはミラーを複数段重ねて多重反射させ
ることにより反射角度を増大させることができる。
【0098】本発明に係る光スキャナは発光素子や受光
素子と同時に利用して光を走査して画像を表示する表示
装置や撮像装置として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光スキャナの第1の実施形態の構成を
模式的に表した斜視図である。
【図2】本発明の光スキャナの第2の実施形態の構成を
模式的に表した斜視図である。
【図3】本発明の光スキャナの第3の実施形態の構成を
模式的に表した斜視図である。
【図4】本発明の光スキャナの第4の実施形態の構成を
模式的に表した斜視図である。
【図5】本発明の光スキャナの第5の実施形態の構成を
模式的に表した斜視図である。
【図6】本発明の光スキャナの第6の実施形態の構成を
模式的に表した斜視図である。
【図7】本発明の光スキャナの第7の実施形態として片
持ち梁を備えた構造を模式的に表した斜視図である。
【図8】本発明の光スキャナの第8の実施形態の構成を
模式的に表した斜視図である。
【図9】本発明の光スキャナの第9の実施形態の構成を
模式的に表した斜視図である。
【図10】本発明の光スキャナの第10の実施形態を構
成する小型可動ミラーを模式的に表した斜視図である。
【図11】本発明の光スキャナの第11の実施形態を構
成する小型可動ミラーを模式的に表した斜視図である。
【図12】本発明の光スキャナの第12の実施形態を構
成する小型可動ミラーを模式的に表した斜視図である。
【図13】本発明の光スキャナの第13の実施形態を構
成する小型可動ミラーをミラー面と反対側から見た斜視
図である。
【図14】本発明の光スキャナの第14の実施形態を構
成する小型可動ミラーをミラー面と反対側から見た斜視
図である。
【図15】本発明の光スキャナの第15の実施形態を構
成する小型可動ミラーを模式的に表した斜視図である。
【図16】本発明の光スキャナの第16の実施形態を構
成する小型可動ミラーを模式的に表した斜視図である。
【図17】本発明の光スキャナの第17の実施形態とし
て、1個の圧電素子で2軸方向に光走査する場合の駆動
方式を表した構成図である。
【図18】本発明の光スキャナの第18の実施形態とし
て、光走査する軸方向ごとに圧電素子を持つ場合の駆動
方式を表した構成図である。
【図19】特開平6−180428号公報に示された従
来の光スキャナを示し、同図(a)は平面図、同図
(b)は断面図である。
【符号の説明】
1,21,31,41,51,61,71,81,9
1,101,111,121,141,151,161
マイクロミラー 2,22,32,44,54,64,74,84,9
4,102,114,124,134,144,15
4,164 X軸回転支持体 3,23,33,45,55,65,75,85,9
5,103,115,125,135,145,15
5,165 枠部 4,24,34,46,56,57,66,67,7
6,86,87,96,97 圧電素子 25,35,131 回転用おもり 42,52,62,72,82,92,112,12
2,132,142,152,162 Y軸回転支持
体 43,53,63,73,83,93,113,12
3,133,143,153,163 中間支持部 104,116,117,126 穴 156,166 除去部 171,181 X軸駆動周波数発生回路 172,182 Y軸駆動周波数発生回路 173,174,183,184 振幅調節回路 175 合成回路 176,185,186 出力回路 177 圧電素子 187 X軸圧電素子 188 Y軸圧電素子

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光を反射するための板状のミラーと、 一直線上に位置して前記ミラーの両側を支持する一対の
    回転支持体と、 前記一対の回転支持体が接続され、前記ミラーの周辺を
    囲う枠部と、 前記枠部に並進運動を加える装置とを備え、かつ、 前記一対の回転支持体を結ぶ直線上以外の場所に前記ミ
    ラーの重心を位置させてなる光スキャナ。
  2. 【請求項2】 前記ミラーは、前記一対の回転支持体を
    結ぶ直線に対して左右非対称な質量分布を有する請求項
    1に記載の光スキャナ。
  3. 【請求項3】 前記装置の並進振動は、前記ミラーと直
    交するZ軸方向に沿って加えられる請求項2に記載の光
    スキャナ。
  4. 【請求項4】 前記ミラーは、前記一対の回転支持体を
    含む、前記ミラーと平行な面に対して表裏非対称な質量
    分布を有している請求項1に記載の光スキャナ。
  5. 【請求項5】 前記装置の並進振動は、前記ミラーと平
    行で前記一対の回転支持体を結ぶ直線と直交するY軸方
    向に沿って発生される請求項4に記載の光スキャナ。
  6. 【請求項6】 前記ミラーは、前記一対の回転支持体を
    結ぶ直線に対して左右非対称な質量分布を有し、かつ、
    前記一対の回転支持体を含む、前記ミラーと平行な面に
    対して表裏非対称な質量分布を有している請求項1に記
    載の光スキャナ。
  7. 【請求項7】 前記装置の並進振動は、前記ミラーと直
    交するZ軸方向および、前記ミラーと平行で前記一対の
    回転支持体を結ぶ直線と直交するY軸方向に沿って発生
    される請求項6に記載の光スキャナ。
  8. 【請求項8】 前記装置は、前記ミラーと前記一対の回
    転支持体とで構成された振動系の共振周波数と同一ない
    し近傍の周波数を持つ並進振動を発生するものである請
    求項1から7の何れか1項に記載の光スキャナ。
  9. 【請求項9】 前記ミラーに穴、溝、もしくは重りを設
    けることにより、前記一対の回転支持体を結ぶ直線上以
    外の場所に前記ミラーの重心を位置させてなる請求項1
    から8の何れか1項に記載の光スキャナ。
  10. 【請求項10】 光を反射するための板状のミラーと、 一直線上に位置して前記ミラーの両側を支持する一対の
    Y軸回転支持体と、 前記一対のY軸回転支持体が接続され、前記ミラーと平
    行な面内で前記ミラーの周辺を囲う板状の中間支持部
    と、 前記ミラーと平行で前記一対のY軸回転支持体を結ぶ直
    線と直交する一直線上に位置して、前記中間支持部の両
    側を支持する一対のX軸回転支持体と、 前記一対のX軸回転支持体が接続され、前記中間支持部
    の周辺を囲う枠部と、 前記枠部に並進運動を加える装置とを備え、かつ、 前記一対のY軸回転支持体を結ぶ直線上以外の場所に前
    記ミラーの重心を位置させると共に、前記一対のX軸回
    転支持体を結ぶ直線上以外の場所に前記ミラーあるいは
    前記中間支持部の重心を位置させてなる光スキャナ。
  11. 【請求項11】 前記ミラーは、前記一対のY軸回転支
    持体を結ぶ直線に対して左右非対称な質量分布を有し、
    前記中間支持部は、前記一対のX軸回転支持体を結ぶ直
    線に対して左右非対称な質量分布を有する請求項10に
    記載の光スキャナ。
  12. 【請求項12】 前記装置は、前記ミラーと直交するZ
    軸方向に沿って並進振動を発生すると共に、複数のお互
    いに異なった振動周波数を成分としてもち、少なくとも
    第1の振動周波数が、前記ミラーと前記一対のY軸回転
    支持体とで構成された第1の振動系の共振周波数と同一
    ないし近傍の周波数であり、第2の振動周波数が、前記
    第1の振動系と前記中間支持部と前記一対のX軸回転支
    持体とで構成された第2の振動系の共振周波数と同一な
    いし近傍の周波数である請求項11に記載の光スキャ
    ナ。
  13. 【請求項13】 前記ミラーは、前記一対のY軸回転支
    持体を含む、前記ミラーと平行な面に対して表裏非対称
    な質量分布を有し、前記中間支持部は、前記一対のX軸
    回転支持体を結ぶ直線に対して左右非対称な質量分布を
    有する請求項10に記載の光スキャナ。
  14. 【請求項14】 前記装置は、前記ミラーと前記一対の
    Y軸回転支持体とで構成された第1の振動系の共振周波
    数と同一ないし近傍の周波数で、前記一対のX軸回転支
    持体を結ぶ直線と平行なX軸方向に沿って並進振動を発
    生する手段と、前記第1の振動系と前記中間支持部と前
    記一対のX軸回転支持体とで構成された第2の振動系の
    共振周波数と同一ないし近傍の周波数で、前記ミラーと
    直交するZ軸方向に沿って並進振動を発生する手段とを
    備えた請求項11または13に記載の光スキャナ。
  15. 【請求項15】 前記ミラーは、前記一対のY軸回転支
    持体を含む、前記ミラーと平行な面に対して表裏非対称
    な質量分布を有し、前記中間支持部は、前記一対のX軸
    回転支持体を含む前記中間支持部と平行な面に対して表
    裏非対称な質量分布を有する請求項10に記載の光スキ
    ャナ。
  16. 【請求項16】 前記装置は、前記ミラーと前記一対の
    Y軸回転支持体とで構成された第1の振動系の共振周波
    数と同一ないし近傍の周波数で、前記一対のX軸回転支
    持体を結ぶ直線と平行なX軸方向に沿って並進振動を発
    生する手段と、前記第1の振動系と前記中間支持部と前
    記一対のX軸回転支持体とで構成された第2の振動系の
    共振周波数と同一ないし近傍の周波数で、前記一対のY
    軸回転支持体を結ぶ直線と平行なY軸方向に沿って並進
    振動を発生する手段とを備えた請求項11または15に
    記載の光スキャナ。
  17. 【請求項17】 光を反射するための板状のミラーと、 一直線上に位置して前記ミラーの両側を支持する一対の
    Y軸回転支持体と、 前記一対のY軸回転支持体が接続され、前記ミラーと平
    行な面内で前記ミラーの周辺を囲う板状の中間支持部
    と、 前記一対のY軸回転支持体を結ぶ直線と平行に位置して
    前記中間支持部の片側を支持する片持ち梁である一対の
    X軸回転支持体と、 前記一対のX軸回転支持体が接続され、前記中間支持部
    の周辺を囲う枠部と、 前記枠部に並進運動を加える装置とを備え、かつ、 前記一対のY軸回転支持体を結ぶ直線上以外の場所に前
    記ミラーの重心を位置させてなる光スキャナ。
  18. 【請求項18】 前記ミラーは、前記一対のY軸回転支
    持体を結ぶ直線に対して左右非対称な質量分布を有する
    請求項17に記載の光スキャナ。
  19. 【請求項19】 前記ミラーは、前記一対のY軸回転支
    持体を含む、前記ミラーと平行な面に対して表裏非対称
    な質量分布を有する請求項17に記載の光スキャナ。
  20. 【請求項20】 前記中間支持部は、前記一対のX軸回
    転支持体を含む、前記中間支持部と平行な面に対して表
    裏非対称な質量分布を有する請求項19に記載の光スキ
    ャナ。
  21. 【請求項21】 前記装置は、前記ミラーと直交するZ
    軸方向に沿って並進振動を発生すると共に、複数のお互
    いに異なった振動周波数を成分としてもち、少なくとも
    第1の振動周波数が、前記ミラーと前記一対のY軸回転
    支持体とで構成された第1の振動系の共振周波数と同一
    ないし近傍の周波数であり、第2の振動周波数が、前記
    第1の振動系と前記中間支持部と前記一対のX軸回転支
    持体とで構成された第2の振動系の共振周波数と同一な
    いし近傍の周波数である請求項18に記載の光スキャ
    ナ。
  22. 【請求項22】 前記装置は、前記ミラーと前記一対の
    Y軸回転支持体とで構成された第1の振動系の共振周波
    数と同一ないし近傍の周波数で、前記ミラーと平行で前
    記一対のY軸回転支持体を結ぶ直線と直交するX軸方向
    に沿って並進振動を発生する手段と、前記第1の振動系
    と前記中間支持部と前記一対のX軸回転支持体とで構成
    された第2の振動系の共振周波数と同一ないし近傍の周
    波数で、前記ミラーと直交するZ軸方向に沿って並進振
    動を発生する手段とを備えた請求項18または19に記
    載の光スキャナ。
  23. 【請求項23】 前記装置は、前記ミラーと前記一対の
    Y軸回転支持体とで構成された第1の振動系の共振周波
    数と同一ないし近傍の周波数で、前記ミラーと平行で前
    記一対のY軸回転支持体を結ぶ直線と直交するX軸方向
    に沿って並進振動を発生する手段と、前記第1の振動系
    と前記中間支持部と前記一対のX軸回転支持体とで構成
    された第2の振動系の共振周波数と同一ないし近傍の周
    波数で、前記一対のY軸回転支持体を結ぶ直線と平行な
    Y軸方向に沿って並進振動を発生する手段とを備えた請
    求項18、19または20に記載の光スキャナ。
  24. 【請求項24】 前記ミラーに穴、溝、もしくは重りを
    設けることにより、前記一対のY軸回転支持体を結ぶ直
    線上以外の場所に前記ミラーの重心を位置させてなる請
    求項9から23の何れか1項に記載の光スキャナ。
  25. 【請求項25】 前記中間支持部に穴、溝もしくは重り
    を設けることにより、前記一対のX軸回転支持体を結ぶ
    直線上以外の場所に前記中間支持部の重心を位置させて
    なる請求項9から16の何れか1項に記載の光スキャ
    ナ。
  26. 【請求項26】 前記装置は圧電アクチュエータあるい
    は電磁アクチュエータである請求項1から23の何れか
    1項に記載の光スキャナ。
  27. 【請求項27】 前記装置は圧電アクチュエータあるい
    は電磁アクチュエータからなり、該圧電アクチュエータ
    あるいは電磁アクチュエータの駆動信号は、複数のお互
    いに異なった周期的電気信号を個別に発生させて、それ
    ぞれの周期的電気信号の振幅及び位相を調整した後、合
    成したものである請求項12または21に記載の光スキ
    ャナ。
  28. 【請求項28】 前記X軸方向に沿って並進振動を発生
    する手段と前記Z軸方向に沿って並進振動を発生する手
    段はそれぞれ、圧電アクチュエータあるいは電磁アクチ
    ュエータからなり、該圧電アクチュエータあるいは電磁
    アクチュエータの駆動信号は、周期的電気信号を発生さ
    せて、その周期的電気信号の振幅及び位相を調整したも
    のである請求項14または22に記載の光スキャナ。
  29. 【請求項29】 前記X軸方向に沿って並進振動を発生
    する手段と前記Y軸方向に沿って並進振動を発生する手
    段はそれぞれ、圧電アクチュエータあるいは電磁アクチ
    ュエータからなり、該圧電アクチュエータあるいは電磁
    アクチュエータの駆動信号は、周期的電気信号を発生さ
    せて、その周期的電気信号の振幅及び位相を調整したも
    のである請求項16または23に記載の光スキャナ。
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