JPH10197818A - 光ビーム径測定装置 - Google Patents

光ビーム径測定装置

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JPH10197818A
JPH10197818A JP9002876A JP287697A JPH10197818A JP H10197818 A JPH10197818 A JP H10197818A JP 9002876 A JP9002876 A JP 9002876A JP 287697 A JP287697 A JP 287697A JP H10197818 A JPH10197818 A JP H10197818A
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light beam
beam diameter
light
scanning
slit
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JP9002876A
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Atsushi Oishi
篤 大石
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基本クロックを高める事の無い簡単な構成
でありながら、極めて高速で走査する光ビームのビーム
走査状態でのビーム走査方向と直交方向のビーム径を正
確に測定し得る光ビーム径測定装置を提供する。 【解決手段】 走査状態の光ビームが通過するスリット
部と、前記スリット部を通過した走査光を受光し光電変
換して通過光量に応じた光量信号を出力する光電変換部
と、前記光量信号を2値化して前記光電変換の所要時間
に対応した幅を持つパルス波を出力する2値化部と、前
記パルス波の出力中に発生したクロック信号を計数して
得たカウント値を出力するカウンタ部とを有する光ビー
ム径測定装置において、前記クロック信号にランダムな
位相ジッターを付加するジッター付加部と、前記位相ジ
ッターが付加されたクロック信号により前記計数を複数
回行い、複数のカウント値を求めてその平均値を演算し
て該平均値をビーム径データとして出力する演算部とを
有する事を特徴とする光ビーム径測定装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザープリン
タ、複写機、ファクシミリ装置など光ビームを走査して
必要な情報を読み書きする走査光学系を有する装置や、
光ビームの強度形状及び径を測定する光ビーム径測定装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】このような走査光学系では、光ビームの
強度形状(ビーム強度形状とも言う)及び径が設定値か
らずれると、記録された画像のエッジがぼけたり、走査
線われが生じたりして出力画像が乱れ、画質が低下する
ことが知られている。従って、光ビームの強度形状及び
径を正確に測定することが必要であり、従来、次のよう
な手法が提案されている。
【0003】第1に、ポリゴンの回転を止め、静止ビー
ムに対して測定する手法として、スリットやピンホール
をビームを横切るように動かし、スリットやピンホール
を透過した光の強度分布を検出し、この光強度分布に基
づいて光ビームの強度形状及び径を測定する手法が知ら
れている。この手法では、スリットやピンホールを動か
す方向を制御することにより、ビーム走査方向及びビー
ム走査直角方向のビーム強度形状及び径を求めることが
できる。
【0004】第2に、走査状態の光ビームの強度形状及
び径を測定する手法として、光ビームを照射面と光学的
に等しい距離にあり走査軸に対して傾斜したスリットを
通過させ、光ビームが通過する所要時間に応じて変化す
る光強度を基に楕円状強度分布をもつ光ビームの径を求
める手法が知られている(特開昭64−13514号公
報)。
【0005】更に、ビーム走査方向に対して45度傾斜
した第1のスリットと、ビーム走査方向に対して直角な
第2のスリットとを設け、走査直角方向に長軸をもち、
かつ楕円状強度分布をもつ光ビームに対して、ビーム走
査方向のビーム径とともにビーム走査直角方向の径を求
める手法も知られている(特開平3−120426号公
報)。
【0006】更に、ビーム走査方向に対して0°より大
きく12°以下となるように形成されたスリットを通過
した光信号を周波数Mのクロックでカウントして走査方
向の光ビームの強度形状及び径を測定し、周波数M/n
のクロックでカウントして走査方向と直交方向の光ビー
ムの強度形状及び径を測定する手法も知られている(特
開平5−346318号公報)。ここでnは整数であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、静止状態のビ
ーム形状及び径を測定する手法では、ポリゴンを任意の
位置に静止させるのが困難である、ビーム走査全幅に渡
って連続的に測定するのが困難である、実際に装置とし
て駆動する場合のビーム走査状態におけるビーム形状及
び径の評価が得られないなどといった多くの問題があっ
た。
【0008】また、特開昭64−13514号公報の技
術では走査方向のビーム径を得ることは可能であるが、
走査方向に直交方向のビーム径を得られない。従って、
迅速にビーム径を得るために、一回の走査で走査方向と
走査方向に直交方向の両方のビーム径を求めたいという
要望は満たせないという問題があった。
【0009】また、特開平3−120426号公報の技
術では、ビーム走査方向のビーム強度形状及び径の両方
について、ビーム走査方向に直角にスリットを配置する
ことで、その透過光信号に基づいて簡単に測定すること
ができるが、ビーム走査直角方向のビーム径測定につい
ては、ビーム径を測定するために複雑な演算手段を設け
る必要があった。即ち、一般に、図10において、スリ
ットS、光ビームB、光ビームBの長径2a、短径2
b、ビーム走査方向に対するスリットSの傾斜角α、光
ビームBがスリットSを横切り始めて横切り終わるまで
の移動距離のsinα倍を2W、光ビームBの長径とビ
ーム走査直角方向とのなす角をα0とすると、 w2=a2cos2(α−α0)+b2sin2(α−α0) が成り立つ。そこで、特開平3−120426号公報の
技術では、α0=0であるため、2つの変数a、bをビ
ーム走査に直角なスリットと45°傾斜したスリットか
らの光強度信号に基づいて求めているが、複雑な演算手
段が必要となる。このように複雑な演算手段が必要とな
るため、高価となり、更に演算時間もかかるので応答性
の速いビーム径測定ができないという問題があった。
【0010】また、走査直角方向のビーム強度形状測定
については、スリットを用いると、スリットに直角方向
の強度形状が測定されるので、設定するスリットの傾斜
角度によっては正しく測定できない場合があった。
【0011】また特開平5−346318号公報の技術
では、特開平3−120426号公報の技術の問題は解
決出来るものの、高速で走査する光ビームの径を測定使
用とすると非常に高いクロックで動作する必要があり、
実現が困難であるという問題がある。例えば、700m
/sで走査する長径100μmの光ビームの径を1パー
セントの分解能で計測する場合はクロックは700MH
zが必要となり、技術的に実現が困難である。
【0012】本発明は、このような事情の下になされた
もので、その目的は、基本クロックを高める事の無い簡
単な構成でありながら、極めて高速で走査する光ビーム
のビーム走査状態でのビーム走査方向と直交方向のビー
ム強度形状及びビーム径を正確に測定し得る光ビーム径
測定装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、走査状態
の光ビームが通過するスリット部と、前記スリット部を
通過した走査光を受光し光電変換して通過光量に応じた
光量信号を出力する光電変換部と、前記光量信号を2値
化して前記光電変換の所要時間に対応した幅を持つパル
ス波を出力する2値化部と、前記パルス波の出力中に発
生したクロック信号を計数して得たカウント値を出力す
るカウンタ部とを有する光ビーム径測定装置において、
前記クロック信号にランダムな位相ジッターを付加する
ジッター付加部と、前記位相ジッターが付加されたクロ
ック信号により前記計数を複数回行い、複数のカウント
値を求めてそれらの平均値を演算して該平均値をビーム
径データとして出力する演算部とを有する事を特徴とす
る光ビーム径測定装置によって解決できた。
【0014】この光ビーム径測定装置では、光電変換の
所要時間に対応した幅を持つパルス波は光ビームの径に
対応した幅をもっている。従って該パルス波の幅を一定
周期のクロック信号にてカウントして光ビーム径を測定
するのだが、前記クロック信号にランダムな位相ジッタ
ーを付加している。ランダムな位相ジッターを付加した
クロックで計数を行うことで、各サンプルの係数の結果
は2つの値の一方をとるようにばらつくが、その平均が
ビーム径パルスの幅/クロック周期となるように求めら
れることとなる。そして、これらのサンプルの平均値は
実際のビーム径に対応した数値に収斂するので、基本ク
ロックの周期で計数したよりも高精度なビーム径データ
を得ることが出来る。
【0015】従って、この光ビーム径測定装置によれ
ば、基本クロックを高める事の無い簡単な構成でありな
がら、極めて高速で走査する光ビームのビーム走査状態
でのビーム走査方向と直交方向のビーム強度形状及びビ
ーム径を正確に測定することが可能となる。
【0016】また前記の課題は、走査状態の光ビームが
通過するスリット部と、前記スリット部を通過した走査
光を受光し光電変換して通過光量に応じた光量信号を出
力する光電変換部と、前記光量信号を2値化して前記光
電変換の所要時間に対応した幅を持つパルス波を出力す
る2値化部と、前記パルス波の出力中に発生したクロッ
ク信号を計数して得たカウント値を出力するカウンタ部
とを有する光ビーム径測定装置において、前記クロック
信号にランダムな位相ジッターを付加するジッター付加
部と、前記位相ジッターが付加されたクロック信号によ
り前記計数を複数回行い、複数のカウント値を求めてそ
の合計値を演算して該合計値をビーム径データとして出
力する演算部とを有する事を特徴とする光ビーム径測定
装置によって解決できた。
【0017】この光ビーム径測定装置では、光電変換の
所要時間に対応した幅を持つパルス波は光ビームの径に
対応した幅をもっている。従って該パルス波の幅を一定
周期のクロック信号にてカウントして光ビーム径を測定
するのだが、前記クロック信号にランダムな位相ジッタ
ーを付加している。ランダムな位相ジッターを付加した
クロックで計数を行うことで、各サンプルの係数の結果
は2つの値の一方をとるようにばらつくが、その平均が
ビーム径パルスの幅/クロック周期となるように求めら
れることとなる。そして、これらのサンプルの合計値は
実際のビーム径の倍数に対応した数値に収斂するので、
基本クロックの周期で計数したよりも高精度なビーム径
データを得ることが出来る。
【0018】従って、この光ビーム径測定装置によれ
ば、基本クロックを高める事の無い簡単な構成でありな
がら、極めて高速で走査する光ビームのビーム走査状態
でのビーム走査方向と直交方向のビーム強度形状及びビ
ーム径を正確に測定することが可能となる。
【0019】またこの光ビーム径測定装置は、前記合計
値が前記ビーム径の10n倍(但しnは自然数)となる
様に前記計数を実行する回数をプリセットするプリセッ
ト部を有しても良い。
【0020】また、これらの光ビーム径測定装置は、前
記スリット部と前記光電変換部の受光面とを設けた光ビ
ーム検出部と、前記スリット部が前記光ビームの被測定
断面上で回動可能となるように前記光ビーム検出部を保
持するベース部と、前記光ビームの走査方向に対する前
記スリット部の傾きαを調整可能であって、前記光ビー
ムの走査方向と直交する方向の径を測定する場合は 1/sin(α)≒10 を満たし、前記光ビームの走査方向の径を測定する場合
はα=90°とする様に前記光ビーム検出部を調整する
調節部とを有してもよい。
【0021】またこれらの光ビーム径測定装置は前記光
ビーム検出部の回動の中心を通る任意の直線と前記光ビ
ームの走査方向が一致した場合に一致信号を出力する走
査方向検出部を有し、前記任意の直線に対する前記スリ
ット部の傾きβが、 1/sin(β)≒10 を満たしてもよい。
【0022】またこれらの光ビーム径測定装置は、前記
走査方向検出部は、前記任意の直線上に2分割フォトダ
イオードを少なくとも2つ備えていて、それぞれの前記
2分割フォトダイオードの2つの受光面の境界線は前記
任意の直線と平行となる様にしてもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
説明する。本発明は本項の記載によってなんら限定され
ない。
【0024】図1は、本発明の実施の形態による光ビー
ム径測定装置の構成図である。本実施の形態は、平面走
査式光学装置に適用した例であるが、本発明は、回転走
査式光学装置にも適用できる。また、記録システム、読
取システムのいずれにも適用できる。図1において、レ
ーザ光源1から照射された光ビーム(レーザビーム)
は、ポリゴン2の回転により偏向され、fθレンズ3に
入射される。fθレンズ3は、ポリゴン2により偏向さ
れたレーザービームを収束し、走査面上で等速度となる
ようにして出射する。
【0025】走査面となるべき位置には、センサーヘッ
ド100が設置されている。センサーヘッド100には
マスクパターン形成体としてスリット形成板4が設けら
れ、このスリット形成板4の裏側(ポリゴン2やfθレ
ンズ3とは反対の側)には、光電変換素子、例えばフォ
トダイオード5(図5参照)が密着されている。スリッ
ト形成板4はスリット部S1以外は光を透過しない材質
となっている。スリット部S1は光が通過する様にして
あれば良く、例えば光が透過する材料で充填されていて
も良いし、孔として貫通していてもよい。このスリット
部S1については後で詳細に説明する。スリット形成板
4とフォトダイオード5(図5参照)とは回転可能なセ
ンサーパネルSP上に設けられている。センサーパネル
SPは本発明の光ビーム検出部の一例である。スリット
形成板4はセンサーパネルSPの回転に従って、走査面
内で矢印Aの如く回転する。この回転によってスリット
部Stと光ビームの走査方向の傾斜角αは、90°又は
5.739°に設定される。更に、スリット形成板4と
フォトダイオード5とは一体で、走査面内で微小角度の
回転調整を実行して定位させる事を可能とするようにセ
ンサーパネルSP上に取付けられている。またセンサー
パネルSPはビーム走査直角方向に矢印Bの如く移動可
能に構成されている。本実施の形態では矢印Bの方向は
光ビーム径測定装置の上下の方向と一致している。
【0026】fθレンズ3から出射されたレーザビーム
は、スリット部S1は通過するものの、それ以外の部分
では遮光される。そして、スリット部分を通過したレー
ザビームは、フォトダイオード5にて光電変換され、ア
ンプ6にて増幅されて光強度信号として処理回路7に入
力される。処理回路7は、入力された光強度信号に基づ
いてレーザビームの強度形状及び径を求め、表示器8に
表示する。センサーパネルSPは回転して光ビームの走
査方向の径を測定する際には走査方向に対するスリット
部S1の傾斜角αが90°となるように、また走査方向
と直交方向の径を測定する際には傾斜角αが5.739
°となるようにする。
【0027】次に図2から図4を用いてセンサーヘッド
100の構成を説明する。図2はセンサーヘッド100
の側面図で、図1中の矢印アの方向からみたものであ
る。図3と図4はセンサーヘッド100の正面図で、図
3は図2中の矢印イの面を示し、図4は図2中の矢印ウ
の面を示したものである。
【0028】図2でベース部110はセンサーパネルS
Pを走査面上で回転可能に保持するベース部である。図
中右側からスリット形成板4に光ビームが入射する。
【0029】ベース部110はベーススライド部111
を備えている。ベーススライド部111は山形の案内面
に加工してあり、ヘッドホルダー120に設けた谷形ス
ライドウエー121に沿ってスライド可能となってい
る。高さ調整ノブ122はヘッドホルダー120に設け
た孔に嵌入している。更に高さ調整ノブ122のスピン
ドル部122aにはネジが切ってあり、ベース部110
の上面に螺合している。コイルバネ123はベース部1
10の底面とヘッドホルダー120の間に嵌入してあ
り、ベース部110を図中上方に押し上げる向きの力を
与えている。矢印Bが上方の向きを指し示している。高
さ調整ノブ122は矢印Cの様に両方向に回転させう
る。高さ調整ノブ122の回転に伴って、ベース部11
0は矢印Bと平行な向きに任意に移動させうるので、光
ビームに対する高さ調節が可能となっている。
【0030】高さ調整ノブ122を回転させることでベ
ース部110の光ビームに対する高さの調節が可能であ
り、これによってスリットS1の光ビームに対する高さ
に狂いが生じたときの補正を行う。高さ調整については
後で詳細に説明する。
【0031】外リング113はベース部110に固定し
た円筒形の部材である。図4に示すように外リング11
3の内周には、スリットS1の傾斜角αの微調整に使用
する為の中リング130が備えられている。中リング1
30の内周には、スリットS1を走査面に対して直交す
る向きから走査方向に対して5.739°傾いた向きま
での略90°に及ぶ角度変更をさせる為に使用する為の
内リング140が同軸に備えられている。
【0032】傾斜角微調整ノブ115はスピンドル11
6を同軸に備えている。スピンドル116には雄ネジ部
が設けてあり、傾斜角微調整ノブ支持板114が備える
雌ネジ部に螺合している。中リングバー131は中リン
グ130からその直径方向に突出したバーで、中リング
130に固定してある。コイルバネ117は中リングバ
ー131を上方に引き上げる向きの力を加えていて、ス
ピンドル116と中リングバー131を常時接触させ
る。
【0033】傾斜角微調整ノブ115を矢印Dの様に回
転させると、傾斜角微調整ノブ支持板114に螺合した
スピンドル116は矢印Bと平行の方向に移動する。中
リングバー131はコイルバネ117によってスピンド
ル116と常時接触するように付勢されているので、中
リング130は外リング113の内周に沿って回転動作
する。
【0034】次に図4によって、光ビームの走査方向に
対するスリット部S1(図3参照)の傾斜角αの調整に
ついて説明する。スリット部S1は光ビームの走査方向
の径を測定するときは走査面に対してα=90°の角度
をなし、一方走査方向と直交する方向の径を測定すると
きは走査面に対してα=5.739°の角度をなす様に
調整する。
【0035】内リング140はベース部110に回転可
能に軸支してある。更に内リング140の回転軸は外リ
ング113の円筒形状の中心と一致させた。傾斜角調整
ハンドル141は内リング140から直径方向に延びた
ハンドルである。スピンドル142は傾斜角調整ハンド
ル141に備えられていて、先端に雄ネジ部143を備
えている。雄ネジ部143は内リング140に設けた雌
ネジ部と螺合している。また外リング113と中リング
130にはそれぞれ溝113aと溝130aが設けてあ
り、傾斜角調整ハンドル141はこれらの溝113aと
溝130aを通って内リング140に螺合している。
【0036】センサーパネルSPは内リング140に固
定されている。更にスリット形成板4はセンサーパネル
SPに設けてあるので、内リング140の回転に従って
光ビームの走査方向に対するスリットS1の傾斜角αを
調整させる事ができる。傾斜角αを5.739°から9
0°に、又はその逆に切り換える時は、傾斜角調整ハン
ドル141を持って矢印Aの様に動かして、スリットS
1をα=5.739°若しくはα=90°の位置を取る
ように調整する。但し、傾斜角調整ハンドル141での
角度調節は、変速比1:1であるから微調整は難しい。
【0037】中リング130は中リングバー131が取
り付けてあるものの、他の部材には固定されておらず、
外リング113の内周と内リング140の外周の間にク
リアランスを設けて落とし込んである。ノブ144を図
中矢印Fの方向に捩じると内リング140と螺合してい
るスピンドル142は進退する。溝113aはスピンド
ル142が矢印Aの方向に移動するときの進路に沿って
外リング113に設けた溝である。溝113aは外リン
グ113の略100°の角度に渡って設けられている。
本実施の形態ではスリットS1の傾斜角αはx軸に対し
て5.739°又は90°の状態で切替えて使用するた
め、溝113aはスピンドル142の太さ分も合わせ
て、100°の角度の円弧状に設けた。
【0038】スピンドル142には段差部145が設け
てあり、段差部145を挟んで雄ネジ部143の側がノ
ブ144の側よりも細くしてある。段差部145はスピ
ンドル142の進退に従って中リング130を内リング
140に押しつけ、又は押し付けを解除する。溝130
aは中リング130に溝113aと同様に設けた溝であ
る。但し溝130aの幅は溝113aに比較して狭くし
た。溝113aは段差部145よりノブ144に近い部
分のスピンドル142の太さに対して十分なクリアラン
スを保たせてある。一方、溝130aは段差部145よ
り雄ネジ部143に近い部分の雄ネジ部143の太さに
対して十分なクリアランスを保たせてあるが、ノブ14
4に近いスピンドル142の部分の太さよりも狭い幅に
設定設定してある。従って、スピンドル142が内リン
グ140の中心に向かって進むと確実に段差部145に
よって中リング130が内リング140に対して押圧さ
れる。またスピンドル142が、内リング140の中心
から退く向きに移動すると、次第に押圧が解除される。
【0039】中リング130が内リング140に対して
押圧されている状態では、中リングバー131の動作に
従って中リング130と内リング140が一体的に回転
する。先に説明したようにスピンドル116の上下動作
に従って中リングバー131が動作するので、中リング
130が内リング140に対して押圧されている状態で
は傾斜角微調整ノブ115を矢印Dのように捩じること
により傾斜角αの微調整が可能である。また、中リング
130と内リング140の押圧が解除されている状態で
は、傾斜角調整ハンドル141を動かしても中リング1
30は一体的に回転する事はない。
【0040】図3はスリット部S1の傾斜角α=5.7
39°の状態、即ち光ビームの走査方向と直交方向のビ
ーム径を測定する状態を示している。この状態から光ビ
ームの走査方向のビーム径を測定する状態に切り換える
手順は、先ずノブ144(図4参照)を廻して中リング
130と内リング140の押圧を解除し、解除されたの
ちに傾斜角調整ハンドル141を図中で反時計回りに回
して、スリット部S1がy軸と重なる位置で止めればよ
い。
【0041】またこうして傾斜角α=90°の状態から
傾斜角α=5.739°の状態に戻すには、中リング1
30と内リング140の押圧の解除を確認し、傾斜角調
整ハンドル141を図中時計回りに回して図4に示す位
置に戻し、更にノブ144を捩じって中リング130と
内リング140が一体に回転するようにさせたうえで、
傾斜角微調整ノブ115を捩じって傾斜角αの微調整を
行えばよい。
【0042】スリット形成板4に形成されたスリット部
S1は、次のようになっている。スリットS1の長さ
は、スリットS1の長さをLとすると、その長さLは、
L・sin|α|の値がレーザビームのビーム走査直角
方向の長さより十分長くなるような値にして、レーザビ
ームの全体がスリットS1を横切ってビーム走査直角方
向の強度形状及び径を測定できるようになっている。
【0043】スリットS1の中心(長さ1/2Lの点)
は、スリット形成板4の回転中心と一致するようにし
た。図3でx軸とy軸の交点がスリット形成板4の回転
中心を示していて、x軸は光ビームの走査方向を示し、
y軸は光ビームの走査方向と直交する方向を示してい
る。なおx軸は図1にしめした矢印Bの向きに対して直
角である。
【0044】スリット部S1のスリット幅は、レーザー
ビームの長径(約120ミクロン)及び短径(約80ミ
クロン)に比し十分小さい値である5ミクロンに設定し
た。スリット幅をレーザービームの6%程度以下とした
のは、この程度のスリット幅であれば測定誤差は0.3
%以下にでき、ほぼ無視できるからである。
【0045】また本実施の形態では、スリット幅は5ミ
クロンに設定されている。これは、ビーム走査直角方向
のビーム径に対してスリット幅が狭すぎると透過光信号
のS/Nが悪くなり、逆にスリット巾が広すぎると、強
度形状の測定分解能やビーム径測定の精度が劣化するた
め、本実施の形態では5ミクロン前後が妥当であったた
めである。
【0046】2分割フォトダイオード101、102は
互いの受光面の境界線である分割線同士が一直線上に並
び、しかも分割線を結んだ直線とスリット部S1のなす
角度が傾斜角αと一致するようにしてある。本実施の形
態では2分割フォトダイオード101と102はスリッ
ト部S1を挟んだ両側に配置してあるが、互いの分割線
が一直線上に並び、しかも分割線を結んだ直線とスリッ
ト部S1のなす角度が傾斜角αと一致すれば、スリット
部S1の一方に纏めて配置してもよい。図3ではx軸と
2分割フォトダイオード101、102が重なっている
ためにx軸のみ示してある。
【0047】スリット部S1の傾斜角αを切り換えて、
光ビームの走査方向及び走査方向と直交する方向のビー
ム径を測定する。また、α=5.739°に設定するた
めの微調整に、走査状態の光ビームが入射した2分割フ
ォトダイオード101、102の出力を使用する。
【0048】さて、本実施の形態ではビーム走査方向と
ビーム走査直角方向とのビーム強度形状及び径をスリッ
トの傾斜角αを切替えてそれぞれビーム走査して測定す
る。ビーム走査方向のビーム径はα=90°、ビーム走
査直角方向のビーム径はα=5.739°に設定する。
ビーム走査方向とビーム走査直角方向とのいずれの測定
であっても光ビームの走査速度は同じとした。1/si
n5.739=10であるから、ビーム走査方向のビー
ム径を示すパルス幅とビーム走査直角方向のビーム径を
示すパルス幅の比は、1:10となる。
【0049】これによりビーム走査方向とビーム走査直
角方向とのビーム径の位取りが単に一桁ずれただけとな
り、ビーム径を処理回路7や表示器8は同じものを使用
する事ができ、簡単な構成で低コストの光ビーム径測定
装置が実現可能となる。
【0050】図5は処理回路7の詳細とセンサーパネル
SPに含まれるデバイスの一部を示すブロック図であ
る。
【0051】処理回路7はアンプ6、10a、10bの
出力を受けて、表示部8に光ビームのビーム径に相当す
る出力を与え、また傾斜角αの設定値に対する走査状態
の光ビームとスリット部S1のズレの有無を表示する回
路であり、第一サンプルホールド回路72a、第一差演
算回路73a、第一ビームずれ表示制御回路74a、第
二サンプルホールド回路72b、第二差演算回路73
b、第二ビームずれ表示制御回路74b、ピークホール
ド回路78、閾値設定回路79、2値化回路80、ゲー
ト回路81、カウント回路82、プリセットカウンタ8
3、演算回路84、表示回路85、プロファイル出力回
路86を有している。
【0052】走査状態の光ビームはスリット部S1を通
過して、フォトダイオード5に入射する。この時スリッ
ト部S1の傾斜角αは既にα=90°又はα=5.73
9°に調整してある。
【0053】なお、傾斜角αを正しくα=5.739°
に設定するにはビーム走査方向を検出して走査状態の光
ビームが2分割フォトダイオード101、102の分割
線を通るようにすればよい。ビーム走査方向を検出する
場合は、高さ調整ノブ122を捩じってスリット形成板
4を上下方向に移動してビームが2分割フォトダイオー
ド101、102のほぼ真ん中になるように位置決めし
て、ビームを走査する。2分割フォトダイオード101
の出力はアンプ10aで増幅され、第一サンプルホール
ド回路72aでホールドされる。第一差演算回路73a
は2分割フォトダイオード101の2つの受光面からの
それぞれの出力の差に対応したデータを出力し、第一ビ
ームずれ表示制御回路74aにて2分割フォトダイオー
ド101を通過するときの分割線と光ビームのズレ量が
表示される。ズレ量の表示部は第一ビームずれ表示制御
回路74aに含まれる。
【0054】同様に、2分割フォトダイオード102の
出力は2分割フォトダイオード101の出力同様の処理
を第二サンプルホールド回路72b、第二差演算回路7
3b、第二ビームずれ表示制御回路74bによって施さ
れ、分割線と光ビームのズレ量が表示される。こうして
得たズレ量から、ビーム走査方向がずれている事が示さ
れたとき、即ち光ビームが2分割フォトダイオード10
1、102のそれぞれの受光面の境界線である分割線上
を通らないような場合は、高さ調整ノブ122或いは傾
斜角微調整ノブ115を捩じり、光ビームが前記分割線
上を通るようスリット形成板4とフォトダイオード5を
一体として微調整させる。そして、傾斜角αが正しく設
定された後、ビーム径の測定を開始させる。
【0055】スリット部S1を通過した光ビームの強度
に応じてフォトダイオード5が出力した光強度信号は、
アンプ6にて増幅され、更にピークホールド回路78、
2値化回路80、プロファイル出力回路86に並列に入
力される。プロファイル出力回路86は、ビーム強度形
状をオシロスコープ等で見るためのアナログ波形を出力
する。
【0056】ピークホールド回路78、閾値設定回路7
9、2値化回路80と、ゲート回路81、カウント回路
82、プリセットカウンタ83、演算回路84、表示回
路85とは、スリットS1を通過した光強度信号によ
り、ビーム径を測定するために活用される。
【0057】アンプ6の出力はピークホールド回路78
に入力されてスリットS1に対応する光強度信号(図7
(a)参照)のピーク値が検出される。ピークホールド
回路78で検出したピーク値を基に、アンプ6の出力を
2値化する為の閾値が閾値設定回路79で設定される。
閾値設定回路79の設定に従ってアンプ6の出力は2値
化回路80で2値化され、光ビーム径に対応した幅の出
力パルスがえられる。
【0058】閾値設定回路79は、光強度信号のピーク
値をβ倍(β<1)して閾値を作成する。本実施例で
は、ガウス分布を示すレーザービームを光ビームとして
使用しているので、慣例に従ってβ=0.135とし
た。2値化回路80は、スリットS1に対応する光強度
信号を、閾値設定回路79から与えられた閾値に基づい
て2値化し(図7(d)参照)、2値化信号をゲート回
路81に出力する。
【0059】2値化信号が出力されると、ゲート回路8
1は、2値化回路80からの図7(C)に示した2値信
号と、クロック発生回路88にて発生されたジッターを
付加した所定周波数Mのクロックパルス(d)とのアン
ド信号を作成して、光ビームがスリット部S1を通過し
た際の光ビームの被測定断面のビーム径のサンプルデー
タパルス(e)をカウント回路82に出力する。
【0060】ビーム径カウント回路82は、図7のサン
プルデータパルス(e)をカウントし、そのカウント値
(時間)を演算回路77に出力する。演算回路77に
て、該カウント値からビーム径を算出し、ビーム径測定
表示制御回路78に出力する。
【0061】ビーム径のサンプルは複数回の走査を行っ
て採集し、演算回路84でサンプルの平均値データを算
出する。表示回路で平均値データに基づいて表示器8で
表示するための表示データを作成し、平均値がビーム径
として表示器8に表示される。プリセットカウンタ83
は、光ビームの一回の測定に用いる走査回数、即ち光ビ
ーム径のサンプル数を設定する。
【0062】カウント回路の動作基準となるクロックは
クロック発生回路88によって位相ジッターが付加され
ているので、ランダムな位相ジッターを付加したクロッ
クで計数を行うことで、各サンプルの係数の結果は2つ
の値の一方をとるようにばらつくが、その平均がビーム
径パルスの幅/クロック周期となるように求められるこ
ととなる。従って走査回数を増してサンプル数を増やす
ほどに高精度にビーム径を得ることが可能となる。
【0063】クロック発生回路88は基本クロック出力
部とジッター付加部を備えていて、基本クロック出力部
が出力した基本クロックに位相ジッターを付加する。基
本クロックに位相ジッターを付加することで、基本クロ
ックの立ち上がりタイミングがランダムにズレを生じ
る。
【0064】図6はクロック発生回路88の詳細を説明
するブロック図である。
【0065】水晶発振子881は50MHzの基本クロ
ックを出力する基本クロック出力部である。モノマルチ
IC882、883はトリガパルスが入力されると出力
が安定状態から準安定状態に急に移り、接続した抵抗R
とコンデンサCの回路定数に従って定まる一定時間後に
出力が安定状態に戻る回路がパッケージされたICであ
る。別名として単安定マルチバイブレータ、ワンショッ
トマルチバイブレータなどとも呼ばれる。位相同期IC
884は基本クロックのクロック入力信号を外部からの
任意のトリガ信号に同期させて出力させる回路をパッケ
ージしたICである。
【0066】図6のクロック発生回路88は、基本クロ
ック出力部88aとジッター付加部88bを含んでい
る。クロック発生回路88では、光ビームの一走査毎に
走査トリガ信号がモノマルチIC882に入力される。
モノマルチIC882は走査トリガ信号を受けると抵抗
RとコンデンサCで設定された時間に渡って準安定状態
となり、本実施の形態ではHiレベルの信号を出力す
る。このとき抵抗RとコンデンサCで設定した時間は、
一走査毎にランダムに変動する誤差を含む。
【0067】2段目のモノマルチ883は、位相同期I
C844を駆動する為のパルス信号pを生成する物だ
が、一段目のモノマルチIC882が出力した不安定な
タイミングのトリガ信号mmTrg(図8参照)によっ
て動作をすることとなる。
【0068】位相同期IC884は水晶発振子881が
出力する50MHzの基本クロックをモノマルチIC8
84の出力したパルス信号pと同期させて出力する。従
って位相同期IC884の出力はモノマルチIC882
のCRの誤差によって基本クロックにランダムに位相が
ずれたジッターが付加されたクロック信号(図8参照)
となる。クロック発生回路88は複数回の走査を行え
ば、走査毎に異なる位相ジッターがランダムに付加され
たクロック信号を出力する。なお、位相ジッターは少な
くともクロックの1周期以上の量でランダムに発生する
ものである必要がある。本実施の形態のクロック発生回
路は水晶発振子881により50MHzの基本クロック
で動作するので、クロックの1周期は20nsecであ
る。
【0069】次に、上記各回路の動作を図7、図8のタ
イムチャートに基づいて説明する。
【0070】図7は、処理回路7の動作概略を示すタイ
ムチャートである。センサーパネルSPを上下動させて
ビームがスリットS1の中央部に対応するようマスクパ
ターン形成体4の高さを調節し、ビームを走査すると、
図7の(a)に示したような光強度信号がアンプ6から
出力される。ここで、図7の(a)は、プリセットカウ
ンタで設定されたn回の走査のうち、一回目、二回目、
n回目の出力及び処理回路7の動作に対応している。即
ち、例えば100回等の設定した回数の測定を行うた
め、測定スタート信号がスイッチやパソコン等の外部か
ら入力されると、毎回の走査毎にトリガ信号TRIGが
(b)にしめしたように出力される。2値化回路80は
この光強度信号を所定の閾値で2値化する。即ち、図7
の(c)のような光強度信号を閾値設定回路79で設定
した閾値に従って切り出して、光電変換の所要時間に対
応した幅を持つビーム径パルス波を出力する。
【0071】先に説明したように、クロック発生回路8
8は図7の(d)のようなクロック信号を、一回の走査
毎に異なる位相ジッターを付加して出力している。ゲー
ト回路81はビーム径パルス波と位相ジッターの付加さ
れたクロックとのアンドをとって、図7(e)に示すよ
うなビーム径に対応した数のサンプルデータパルスを出
力する。本図では、一回目のサンプルは、パルス数4、
2回目のサンプル数はパルス数3、n回目のサンプル数
はパルス数4の例を示してある。
【0072】プリセットカウンタでn回の走査が終了す
ると、サンプリング終了指令パルスを出力する。サンプ
リング終了指令パルスが出力されると、演算回路84は
図7の例では、一回目からn回目までのサンプルの平均
値を演算して、此の平均値が、表示回路85を介して表
示器8に出力される。
【0073】図8は位相ジッターを付加したクロックに
よるビーム径パルスの幅のカウント動作を示す図であ
る。ジッターの付加されたクロックclkは、一発目の
パルス信号pと同期していてジッターJ1の幅だけ基本
クロックに対して位相がずれている。更に二発目のパル
ス信号pにより、ジッターJ2の幅だけ基本クロックに
対して位相がずれる。このようにランダムな位相ジッタ
ーが付加されて位相がずれたクロックと、ビーム径パル
ス波のアンドをとれば、ランダムな位相ジッターを付加
したクロックで計数を行うことで、各サンプルの係数の
結果は2つの値の一方をとるようにばらつくが、その平
均がビーム径パルスの幅/クロック周期となるように求
められることとなる。
【0074】従って、ランダムな位相ジッターを付加し
たクロックによってビーム径パルス波とのアンドをとれ
ば、例えば、基本クロック部の出力する基本クロックの
5.7倍の幅のビーム径パルス波のサンプルを100個
とり、該100個のサンプルの平均値をとれば、平均値
は5.7に収斂するはずである。そしてサンプル数が多
いほどに正確のビーム径が計測できる。また走査方向の
ビーム径も走査直交方向のビーム径も同様に求められ
る。
【0075】図9は、クロック発生回路88の他の例を
示すブロック図である。図9で基本クロック出力部88
aは図6のクロック発生回路と同様に水晶発振子であ
る。ジッター付加部88bは良く知られたPLL(フェ
ーズロックループ)回路であり、バイアス電圧と、位相
比較部からの帰還信号が入力されたVCO885にトリ
ガ信号TRIG一発ごとに異なる電圧ノイズを重畳す
る。するとVCO885と水晶発振子881bの出力を
受けた位相比較部886は基本クロックに位相ジッター
を付加して出力する。この位相ジッターが付加されたク
ロック信号によってカウンタ82を動作させるようにす
ればよい。
【0076】また、図5の処理回路7では、演算回路8
4はサンプルの平均値を求めて、表示する構成となって
いる。しかし、演算回路はサンプルの合計値を求めて表
示する様にしてもよい。このばあいの合計値はm回の走
査によって求めたとすれば、処理回路7でもとめた平均
値のm倍の値であるから、光ビームの径を反映したデー
タとなっている。
【0077】特に、前記合計値が前記ビーム径の10n
倍(但しnは自然数)となる様に走査を実行する回数を
プリセットカウンタ83に与えておくと良い。この構成
の一例として、例えばビーム走査直角方向のビーム径が
120ミクロンで、走査一回当たりのサンプルのパルス
数が平均して6.5個であったなら、185回の走査を
行うと、185(回)×6.5(個)=1202.5≠
120×102(但しn=2)となる。この例ではプリ
セットカウンタ83に走査実行回数を185回とセット
しておくと、演算回路の出力を何ら変換することなく直
接表示器8に表示しても簡単にビーム径を知る事ができ
るので、表示回路85の構成を簡単にする事が可能とな
る。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のビーム径
測定装置によれば、傾斜エッジの傾斜角を適切に設定す
ることにより、複雑な演算手段を用いない簡単な構成で
ビーム走査状態でビーム走査直角方向のビーム強度形状
及び径を正確に測定することができる。また、複雑な演
算手段が不要となるため、安価に製作でき、かつ応答性
の速いビーム径測定も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による光ビーム径測定装置
の構成図である。
【図2】図1中の矢印アの方向からみたセンサーヘッド
の側面図である。
【図3】図2中の矢印イの面を示したセンサーヘッド1
00の正面図である。
【図4】図2中の矢印ウの面を示したセンサーヘッド1
00の正面図である。
【図5】処理回路の詳細を示すブロック図である。
【図6】クロック発生回路88の一例の詳細を説明する
ブロック図である。
【図7】ビーム径を測定する場合の図5の処理回路の動
作を示すタイムチャートである。
【図8】位相ジッターを付加したクロックによるビーム
径パルスの幅のカウント動作を示す図である。
【図9】クロック発生回路88の他の一例の詳細を説明
するブロック図である。
【図10】ビーム径測定の原理を説明するための原理説
明図である。
【符号の説明】
4 スリット形成板 5 フォトダイオード 7 処理回路 72a 第一サンプルホールド回路 73a 第一差演算回路 74a 第一ビームずれ表示制御回路 72b 第一サンプルホールド回路 73b 第一差演算回路 74b 第一ビームずれ表示制御回路 78 ピークホールド回路 79 閾値設定回路 80 2値化回路 81 ゲート回路 82 カウント回路 83 プリセットカウンタ 84 演算回路 85 表示回路 86 プロファイル出力回路 88 クロック発生回路 88a 基本クロック出力部 88b ジッター付加部 S1 スリット SP センサーパネル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走査状態の光ビームが通過するスリット
    部と、 前記スリット部を通過した走査光を受光し光電変換して
    通過光量に応じた光量信号を出力する光電変換部と、 前記光量信号を2値化して前記光電変換の所要時間に対
    応した幅を持つパルス波を出力する2値化部と、 前記パルス波の出力中に発生したクロック信号を計数し
    て得たカウント値を出力するカウンタ部とを有する光ビ
    ーム径測定装置において、 前記クロック信号にランダムな位相ジッターを付加する
    ジッター付加部と、 前記位相ジッターが付加されたクロック信号により前記
    計数を複数回行い、複数のカウント値を求めてそれらの
    平均値を演算して該平均値をビーム径データとして出力
    する演算部とを有する事を特徴とする光ビーム径測定装
    置。
  2. 【請求項2】 走査状態の光ビームが通過するスリット
    部と、前記スリット部を通過した走査光を受光し光電変
    換して通過光量に応じた光量信号を出力する光電変換部
    と、 前記光量信号を2値化して前記光電変換の所要時間に対
    応した幅を持つパルス波を出力する2値化部と、 前記パルス波の出力中に発生したクロック信号を計数し
    て得たカウント値を出力するカウンタ部とを有する光ビ
    ーム径測定装置において、 前記クロック信号にランダムな位相ジッターを付加する
    ジッター付加部と、 前記位相ジッターが付加されたクロック信号により前記
    計数を複数回行い、複数のカウント値を求めてその合計
    値を演算して該合計値をビーム径データとして出力する
    演算部とを有する事を特徴とする光ビーム径測定装置。
  3. 【請求項3】 前記合計値が前記ビーム径の10n
    (但しnは自然数)となる様に前記計数を実行する回数
    をプリセットするプリセット部を有する事を特徴とする
    請求項2に記載の光ビーム径測定装置。
  4. 【請求項4】 前記スリット部と前記光電変換部の受光
    面とを設けた光ビーム検出部と、 前記スリット部が前記光ビームの被測定断面上で回動可
    能となるように前記光ビーム検出部を保持するベース部
    と、 前記光ビームの走査方向に対する前記スリット部の傾き
    αを調整可能であって、前記光ビームの走査方向と直交
    する方向の径を測定する場合は 1/sin(α)≒10 を満たし、前記光ビームの走査方向の径を測定する場合
    はα=90°とする様に前記光ビーム検出部を調整する
    調節部とを有する事を特徴とする請求項1、2又は3に
    記載の光ビーム径測定装置。
  5. 【請求項5】 前記光ビーム検出部の回動の中心を通る
    任意の直線と前記光ビームの走査方向が一致した場合に
    一致信号を出力する走査方向検出部を有し、前記任意の
    直線に対する前記スリット部の傾きβが、 1/sin(β)≒10 を満たす事を特徴とする請求項4に記載の光ビーム径測
    定装置。
  6. 【請求項6】 前記走査方向検出部は、前記任意の直線
    上に2分割フォトダイオードを少なくとも2つ備えてい
    て、それぞれの前記2分割フォトダイオードの2つの受
    光面の境界線は前記任意の直線と平行となる事を特徴と
    する請求項5に記載の光ビーム径測定装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102193192A (zh) * 2010-03-16 2011-09-21 株式会社理光 光写入器、图像形成设备以及光写入器的控制方法
JP2021135076A (ja) * 2020-02-25 2021-09-13 京セラ株式会社 基板及び走査装置

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CN102193192A (zh) * 2010-03-16 2011-09-21 株式会社理光 光写入器、图像形成设备以及光写入器的控制方法
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