JPH1019749A - 生物組織処理装置 - Google Patents

生物組織処理装置

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JPH1019749A
JPH1019749A JP16960696A JP16960696A JPH1019749A JP H1019749 A JPH1019749 A JP H1019749A JP 16960696 A JP16960696 A JP 16960696A JP 16960696 A JP16960696 A JP 16960696A JP H1019749 A JPH1019749 A JP H1019749A
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JP
Japan
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reagent
tank
reagent tank
biological tissue
liquid
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JP16960696A
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Kohei Kihara
幸平 木原
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Aloka Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生物組織を個別の試薬槽に投入する場合、生
物組織と試薬槽との間で位置ずれが発生し、スムーズに
投入することができない。また、試薬の温度制御を正確
に行うことができない。 【解決手段】 水42を保持した液体保持槽20の中に
試薬を保持した試薬槽26を該試薬槽26の先端開口部
が液面から突出した状態で浮かせる。試薬槽26は生物
組織を貼り付けたスライドガラス30の投入位置のずれ
に応じて任意の方向に移動する。その結果、スライドガ
ラス30をスムーズに受け入れる。また、試薬槽26の
周囲に空気層を有することなく配置された水42の温度
を制御することによって試薬46の温度を均一に制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生物組織処理装
置、特に試薬を用いて免疫染色処理やISH(In Situ
Hybridyzation )処理を行う生物組織処理装置の改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、動物や植物の組織切片あるいは菌
等の試料に対して染色処理やISH(In Situ Hybridyz
ation )処理を行う場合、試料をスライドガラスに貼り
付け、その貼り付けた試料に対して脱水や染色等の各種
の処理を行っている。
【0003】通常、これらの処理は、20枚程度のスラ
イドガラスを金属製のラックに起立整列させ、種々の試
薬が入れられたガラス製の試薬槽にそのラック全体を浸
すことによって行う。そして、1つの試薬に対する処理
が終了した後、必要ならば、次の試薬が入った試薬槽に
ラックが浸される。従来、このような種々の試薬による
処理によって所望の試料に関するプレパラート標本が作
成される。また、ニワトリの胚やカエルの卵等切片化す
ることなく染色等を行う場合には篭状の保持具によって
生物組織を保持し、前述と同様に試薬槽に投入し各種処
理を行っていた。
【0004】ところで、上述のような生物組織の処理に
用いる試薬は抗体のように少量で十分機能するものもあ
れば、生物組織に付着したパラフィンや前工程で過剰に
付着した試薬を洗浄するキシレンやエタノールのように
多量に使用することが好ましいものもある。また、効率
の良い処理を行うために一括処理が一般に行われてい
る。つまり、用途に適した大きさの異なる個別の試薬槽
(例えば、スライドガラスや保持具より僅かに大きな少
量用の試薬槽やスライドガラスや保持具の3〜5倍程度
の多量用試薬槽)が準備される。そして、複数(例えば
20個)の試薬槽を配列した試薬槽ブロックと、各試薬
槽に対応する位置にスライドガラスや保持具を保持可能
な保持ブロックとを準備し、少なくとも一方のブロック
を上下方向移動して試薬処理を行う。そして、保持ブロ
ックを順次移動しながら異なる試薬による処理作業を連
続的に行う。この装置によれば、複数のスライドガラス
や保持具を保持したラック全体を試薬槽に浸す場合と同
様な作業効率で処理が行えると共に、個別の試薬槽を用
いることによって各試薬槽に使用する試薬の量を必要最
小限にすることができるので、ラックを用いる場合に比
べて、使用する試薬の量を格段に節約することができ
る。
【0005】また、試薬は使用最適温度があり、効率的
に試薬を使用するためには試薬の温度調整を行う必要が
ある。一般に、試薬槽ブロックは金属製で個々の試薬槽
の形状に応じた溝が形成され、その中に試薬槽が収納さ
れている。そして、試薬槽ブロックの下面に配置された
温度制御器等によって、試薬ブロックを加熱、冷却して
該試薬ブロックに接触している試薬槽内の試薬の温度調
整を行っている。この場合、前記ラックを使用する場合
に比べて、各試薬槽の試薬が比較的少量なので、加熱、
冷却を迅速に行うことが可能で、処理速度を向上させる
ことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、複数枚のスラ
イドガラスや保持具を同時に試薬槽ブロックに挿入する
場合、正確な位置決めが必要になる。一般にスライドガ
ラスや保持具は上端部をチャック機構等によって把持す
るためチャック部を中心に回転し易い。そのため、スラ
イドガラスや保持具のうち1個でも回転等により位置ず
れを起こしている場合、そのスライドガラスや保持具が
試薬槽の縁等に衝突し、他のスライドガラスや保持具も
試薬槽に挿入不可能になってしまい処理作業が中断して
しまうという問題があった。この時、チャック部を揺動
自在にして位置ずれを補正することも考えられるが、揺
動時の振動等によりスライドガラスや保持具を落下させ
てしまったり、搬送時に隣接する生物組織が接触した
り、生物組織に付着した試薬が散乱する等の不具合を生
じ好ましくない。
【0007】また、試薬槽内の試薬の温度調節は試薬槽
ブロックを介して行われるが、金属製の試薬槽ブロック
の溝に挿入される別体の試薬槽は、該試薬槽と試薬槽ブ
ロックの溝の内壁との間に隙間(空気層)が形成されや
すい。つまり試薬槽の接触状態が均一に成り難いため、
部分的に温度のばらつきが発生し、試薬の温度調整を正
確にできないという問題があった。
【0008】さらに、一般に曲面や斜面を有する試薬槽
を収納するための溝を試薬槽ブロックに形成することは
困難であり、製造コストが上昇してしまうという問題が
あった。
【0009】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、試薬槽と投入する
生物組織の位置決めを容易に行うことができると共に、
試薬の温度調節を容易かつ正確に行うことができる生物
組織処理装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために、本発明の構成は、生物組織に対して試薬処
理を行う生物組織処理装置において、生物組織を出し入
れ自在な上端開口部を有し、内部に試薬を収納可能な少
なくとも1つの試薬槽と、前記試薬槽を収納すると共
に、該試薬槽の周囲を取り囲む液体を保持する液体保持
槽と、を有し、前記試薬槽は液体保持槽の中で揺動自在
に保持されていることを特徴とする。
【0011】ここで、生物組織とは、例えばスライドガ
ラスに固定された切片化された組織や保持具に保持され
たホール状の組織である。そして、前記生物組織は試薬
槽の上端開口部から該試薬槽に投入される。また、液体
とは、例えば水である。この構成によれば、試薬槽は、
液体中で先端開口部を液面から突出した状態で浮き、試
薬槽に対する生物組織の投入位置のずれに応じて該試薬
槽が任意の方向に移動する。その結果、生物組織の試薬
槽に対する投入を容易かつ確実に行うことができる。
【0012】上記のような目的を達成するために、本発
明の他の構成は、前記装置が、さらに、前記液体の温度
を調整する温度制御部を有し、前記液体を介して試薬温
度を調節することを特徴とする。
【0013】ここで、前記液体は熱伝導率のよい不活性
の液体であり、温度制御部は、例えばペルチェ素子等の
温度制御素子を含み正確な加熱、冷却制御が可能であ
る。
【0014】この構成によれば、温度制御部の温度制御
によって管理された液体が試薬槽に均一に密着するた
め、試薬槽内の試薬の温度管理を容易かつ正確に行うこ
とができる。また、前記液体は液体保持槽の中で循環可
能なので均一な温度の上昇、下降を迅速に行うことがで
きる。
【0015】上記のような目的を達成するために、本発
明の他の構成は、前記試薬槽は浮力発生部を有すること
を特徴とする。
【0016】ここで、浮力発生部とは前記液体より比重
の軽い物質で形成された部材や空気を溜めた浮き袋や単
に下方に凹部を有する空気溜めである。
【0017】この構成によれば、試薬槽に収納される試
薬の比重が前記液体の比重より大きい場合や試薬が多量
に試薬槽の中に収納されている場合でも、試薬槽が沈む
ことなく液体保持槽の中で揺動自在に保持することがで
きる。また、試薬槽に一定の浮力を与えることによって
液体中での姿勢が安定する。従って、生物組織の投入を
容易かつ確実に行うことができる。
【0018】上記のような目的を達成するために、本発
明の他の構成は、前記試薬槽は、前記液体からの前記上
端開口部の突出量を所定範囲内に規制する浮上規制部を
有することを特徴とする。
【0019】ここで、前記浮上規制部材は、例えば前記
試薬槽や前記液体保持槽に形成された爪等の係合部材や
試薬槽を上方から浮力に反して押さえ込む押さえ部材で
ある。
【0020】この構成によれば、試薬の比重や量の違い
により試薬槽が必要以上に液面から突出することを防止
すると共に、試薬槽が浮力のアンバランスにより転倒す
ることを防止できる。つまり、液体中で試薬槽の姿勢を
最適な状態、例えば垂直状態に維持可能なので、生物組
織の投入を容易かつ確実に行うことができる。
【0021】上記のような目的を達成するために、本発
明の他の構成は、前記液体保持槽は上面に複数の開口を
有する仕切り板を有し、前記液体保持槽に収納される複
数の試薬槽の水平方向の移動を所定範囲内に個別に規制
することを特徴とする。
【0022】この構成によれば、試薬槽の姿勢が液体中
で安定し、生物組織の投入を容易かつ確実に行うことが
できる。
【0023】上記のような目的を達成するために、本発
明の他の構成は、前記試薬槽は上方部が下方部より幅広
の縦井戸形状を呈し、生物組織を保持したスライドガラ
スを収納することを特徴とする。
【0024】この構成によれば、試薬槽は上方部が広が
っていると共に、任意の方向に移動することができるの
で、スライドガラスの投入位置がずれても確実に該スラ
イドガラスを受け入れることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
図面に基づき説明する。図1には、本実施形態に係る生
物組織処理装置の全体外観図が示されている。
【0026】図1において、生物組織処理装置10上に
は、複数の試薬容器12が起立配置されている。分注ノ
ズル14は、特定の試薬容器12から試薬を吸引して後
述する試薬槽26へ試薬の吐出を行なうものであり、そ
の分注ノズル14は、搬送機構16によって三次元方向
に移動自在である。生物組織処理装置10上には水平ス
テージ18が設けられている。この水平ステージ18は
後述する2つの移動自在な液体保持槽20,22を支持
している。各液体保持槽20及び22の下方には例えば
ペルチェ素子等によって温度調節を行う温度制御部24
が接合配置されており、2つの液体保持槽20及び22
とこの温度制御部24とが一体となって水平ステージ1
8によって水平方向に移動される。
【0027】液体保持槽20と液体保持槽22は、同一
の構造を有し、各液体保持槽20,22には複数の試薬
槽26が収納されている。この試薬槽26については後
に詳述する。
【0028】保持機構32は、生物組織を薄く切片化し
た試料を貼り付けた複数のスライドガラス30を整列さ
せてチャック保持しており、その保持機構32は、上下
ステージ34によって昇降自在にされている。保持機構
32は、複数のスライドガラス30で構成されるスライ
ドガラス列を複数列保持しており、一方、液体保持槽2
0及び22では、そのスライドガラス30の配列に対応
した配列で複数の試薬槽26を収納している。各試薬槽
26は分離されており、これによって各試薬槽ごとに異
なる試薬を注入して各スライドガラス30ごとに異なる
試薬処理を行うことも可能である。
【0029】吸引部36には針状の先端部を有する複数
の吸引ノズル38が設けられており、これらの吸引ノズ
ル38によって試薬槽26内に残存する試薬が吸引除去
される。この吸引部36は上下ステージ40によって昇
降自在である。ここで、複数の吸引ノズル38の配列ピ
ッチは、液体保持槽20及び22における試薬槽26の
配列ピッチと同一である。
【0030】図2(a)には、試薬槽26の外観斜視図
が示され、図2(b)には断面図が示されている。ま
た、図3には、複数の試薬槽26を液体保持槽20(2
2)に挿入し、前記試薬槽26の中には多量の試薬が注
入され、その中にスライドガラス30が投入されている
状態が示されている。
【0031】前記試薬槽26は上端開口部を有する平た
いほぼ井戸形状を呈し、前記上端開口部から挿入される
スライドガラス30の厚さ方向が、下方から上方にかけ
て徐々に大きく設定されている。すなわち、図2(b)
に示すように、試薬槽26は上方部分の厚みt1 が下方
部分の厚みt2 に比べて広がった井戸形状に形成され、
下方から上方にかけて試薬槽26の水平断面積は徐々に
大きく設定されている。また、試薬槽26の下部26A
における下方から上方への厚み変化よりも、上部26B
における下方から上方への厚み変化のほうが大きく設定
されている。一方、前記厚みと直交する方向の幅は下部
26A及び上部26Bとで同一であり、スライドガラス
30の幅W0 よりも若干大きな幅W1 を有している。従
って、試薬槽26は少量の試薬を保持して少量試薬処理
を行う部分と多量に試薬を保持して多量試薬処理を行う
部分との両者に対応した構造を有している。この試薬槽
26は、例えば、ポリプロピレン等の耐湿性、耐油性、
耐溶剤性等を有する樹脂で形成されることが望ましい。
このように試薬槽26を樹脂成形品にすることによって
安価でディスポーザブル品として使用することが可能に
なる。
【0032】図3に示す液体保持槽20は、アルミニウ
ム等の金属で形成されたほぼ升型形状を呈し、内部には
液体が保持されている。本実施形態では、例えば水42
を保持した例を説明するが、例えばフッ素系熱媒体等の
熱伝導率がよく、熱容量が小さく、比重が水より大きい
不活性の液体が好ましい。
【0033】また、前記液体保持槽20の上面には、図
4に示すような複数の開口44aを有する仕切り板44
が装着されている。この開口44aは前述した保持機構
32が保持しているスライドガラスの配列ピッチに対応
している。
【0034】前記液体保持槽20に水42を内壁の例え
ば8割程度の高さまで注入した状態で、前記仕切り板4
4を装着する。続いて、前記試薬槽26を前記仕切り板
44の各開口44aを介して液体保持槽20内に投入す
る。前記試薬槽26は樹脂成形されていると共に、前述
したように上部26Bが大きく広がっているので、水4
2から一定の浮力を受け、水42上に上端開口部を突出
した状態で浮く。
【0035】また、前記試薬槽26は図2(b)に示す
ように下部に爪状の突起26aを有している。一方、前
記液体保持槽20の内部底面には、前記試薬槽26の下
端部を挿入可能な位置決め溝20aが前記仕切り板44
の各開口44aの真下位置に形成されている。この位置
決め溝20aの入り口は前記試薬槽26が挿入された状
態で、該試薬槽26が前後左右に自由に揺動できる程度
(例えば、試薬槽26の下部26A外形の1.5〜2倍
程度)に形成されている。また、入り口近傍には肩部2
0bが形成され、内部がさらに広がった形状を呈してい
る。前記試薬槽26の下端部を位置決め溝20aに挿入
する場合、突起26aを弾性変形させながら押し込む。
その結果、前記肩部20bと前記突起26aとは係合
し、試薬槽26が水42から浮力を受けた場合、該試薬
槽26を所定の浮上状態、例えば、試薬槽26の上端と
前記仕切り板44とが同じ高さになる状態に維持する浮
上規制部材として機能する。
【0036】一方、試薬槽26の上端開口部が前記仕切
り板44の各開口44aと係合するように浮上高さ調整
を行うことによって、試薬槽26の水平方向の移動を開
口44aの大きさに応じた所定範囲内に個別規制できる
ので、水42上に浮かぶ試薬槽26の姿勢を安定させる
ことができる。
【0037】このように、試薬槽26の浮上規制を行い
ながら水42に浮かべることによって、該試薬槽26に
外力が作用した場合、任意の方向に移動可能になる。つ
まり、平たい井戸形状の試薬槽26にスライドガラス3
0等を挿入する場合、スライドガラス30の挿入位置が
ずれていた場合でも、そのずれ量に応じて試薬槽26が
移動し、スライドガラス30を容易に受け入れることが
できる。例えば、図3に示すように、スライドガラス3
0を試薬槽底部近傍まで挿入する場合、スライドガラス
30の挿入位置がずれていた場合、試薬槽26の下部2
6Aと上部26Bの接続部の階段状部に引っかかる可能
性があるが、該試薬槽26が任意の方向に移動すること
で、スライドガラス30を容易に底部まで挿入すること
ができる。また、試薬槽26側が任意の方向に移動可能
なので、保持機構32はスライドガラス30をしっかり
把持することができるので、スライドガラス30を落下
させてしまったり、搬送時等に隣接するスライドガラス
30上の生物組織が接触したり、生物組織に付着した試
薬が散乱する等の不具合を防止することができる。な
お、液体保持槽20は、ほぼ升型形状を呈しているの
で、加工が容易であり製造コストの低減を行うことがで
きる。
【0038】また、液体保持槽20の下側には図1に示
すように温度制御部24が配置され、液体保持槽20を
介して内部の水42の温度制御を行っている。前記温度
制御部24にはペルチェ素子等が用いられ、水42の温
度を例えば25°C〜75°Cの範囲で制御する。水4
2は温度変化に応じて液体保持槽20の中で循環するた
め適当に攪拌され均一な温度の上昇、下降を容易に行う
ことができる。また、前記水42は試薬槽26の周囲に
空気層等を形成することなく樹脂で形成された試薬槽2
6を取り囲むので、内部の試薬46の温度は、水42の
温度変化と同様に均一に変化する。つまり、温度制御部
24は水42の温度制御と同様に、試薬46の温度制御
を正確かつ均一に行うことができる。
【0039】なお、液体保持槽20に保持する液体を適
宜選択することによって、さらに広い制御範囲、例えば
0°C〜100°Cやそれ以上の範囲で試薬温度の制御
を行うことができる。また、必要に応じて、液体保持槽
20に中に攪拌装置等を設けて水42の攪拌を強制的に
行えば、より迅速に均一な加熱、冷却を行うことができ
る。また、図1の例では温度制御部24が液体保持槽2
0の底面に接触し、温度制御を行うタイプを示している
が、液体保持槽20の側面等からも加熱、冷却するよう
にすれば、さらに迅速な温度調整を行うことができる。
【0040】図5には、試薬槽の他の実施形態を示して
いる。この試薬槽48は、図5(a),(b)に示すよ
うに、上部位置に浮力発生部として下方に開口を有する
空気溜め48aを有している。この試薬槽48を図3に
示すような液体保持槽20に投入する場合、ほぼ垂直に
投入することによって、空気溜め48aに空気が保持さ
れ、大きな浮力が得られる。従って、液体保持槽20に
注入されている液体より比重の重い試薬を多量に試薬槽
48の中に保持した場合でも沈むことなく所定浮上高さ
に試薬槽48を維持する。また、試薬槽に一定の浮力を
与えることによって液体中での姿勢が安定する。従っ
て、生物組織の投入を容易かつ確実に行うことができ
る。
【0041】なお、浮力発生部は空気溜めの他、比重の
軽い材質で形成した浮きや浮き袋等でも同様の効果を得
ることができる。なお、浮力が大きな場合でも図2に示
す試薬槽26と同様に突起48bを有しているので、所
定浮上高さに試薬槽48を維持することができる。
【0042】図6には、試薬槽のさらに他の実施形態を
示している。この試薬槽50は図2の試薬槽26と同様
な形状を呈しているが、浮上規制部材として、下部の突
起26aに代わりに上部にフランジ50aを有してい
る。図7に前記試薬槽50を液体保持槽52に配置した
状態を示す。液体保持槽52は内部底部に試薬槽50の
位置決め用の52aが形成されているのみで、図3の液
体保持槽20のように浮上規制用の肩部等は形成されて
いない。試薬槽50の浮力は上部に形成されたフランジ
50aが液体保持槽52上面に装着される仕切り板44
の仕切枠44aの裏面に当接することによって規制され
る。従って、図7に示す液体保持槽52は図3に示す液
体保持槽20に比べ、浮上規制部材としての肩部を形成
する必要がないので、製造コストをさらに低減すること
ができる。また、試薬槽50も仕切り板44によって上
方から押さえられているだけなので、液体保持槽52に
対する着脱が容易である。なお、試薬槽50のフランジ
50aは常に仕切り板44の裏面に当接している必要が
あるため、試薬槽50は図5に示すような浮力発生部を
有することが好ましい。
【0043】なお、本実施形態では上方部が下方部より
広がった試薬槽を用いた例を説明したが、幅や厚みの変
化しない円柱や角柱形状の容器でも同様の効果を得るこ
とができる。また、本実施形態では生物組織を切片化し
てスライドガラスに貼り付けた状態で試薬処理を行う例
を説明したが、ニワトリの胚やカエルの卵等をそのまま
の形状で試薬処理するホールマウント方式の処理装置に
も適用することができる。この場合、生物組織は篭等に
入れられ、試薬槽に投入される。
【0044】また、本実施形態では、複数の試薬槽を整
列配置した例を示しているが、単一の試薬槽に本発明を
適用しても同様の効果を得ることができる。さらに、温
度制御部はペルチェ素子のほか周知の温度制御手段を用
いてもよい。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、液体保持槽内の液体中
に試薬槽を投入し、該試薬槽の上端開口部が液面から突
出した状態で浮き、試薬槽に対する生物組織の投入位置
のずれに応じて該試薬槽が任意の方向に移動するので、
生物組織の試薬槽に対する投入を容易かつ確実に行うこ
とができる。また、温度制御部の温度制御によって温度
管理された液体が試薬槽に均一に密着するため、試薬槽
内の試薬の温度管理を容易かつ正確に行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る生物組織処理装置の
外観斜視図である。
【図2】 本発明の実施形態に係る生物組織処理装置に
用いる試薬槽の外観斜視図と断面図である。
【図3】 本発明の実施形態に係る生物組織処理装置の
液体保持槽に図2の試薬槽を配置した状態を説明する説
明図である。
【図4】 本発明の実施形態に係る生物組織処理装置の
液体保持槽に装着する仕切り板の上面図である。
【図5】 本発明の実施形態に係る生物組織処理装置に
用いる試薬槽の他の例を示す外観斜視図と断面図であ
る。
【図6】 本発明の実施形態に係る生物組織処理装置に
用いる試薬槽のさらに他の例を示す外観斜視図である。
【図7】 本発明の実施形態に係る生物組織処理装置の
液体保持槽に図6の試薬槽を配置した状態を説明する説
明図である。
【符号の説明】
10 生物組織処理装置、12 試薬容器、20,2
2,52 液体保持槽、24 温度制御部、26,4
8,50 試薬槽、30 スライドガラス、42水、4
4 仕切り板、46 試薬。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生物組織に対して試薬処理を行う生物組
    織処理装置において、 生物組織を出し入れ自在な上端開口部を有し、内部に試
    薬を収納可能な少なくとも1つの試薬槽と、 前記試薬槽を収納すると共に、該試薬槽の周囲を取り囲
    む液体を保持する液体保持槽と、 を有し、 前記試薬槽は液体保持槽の中で揺動自在に保持されてい
    ることを特徴とする生物組織処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置において、 さらに、前記液体の温度を調整する温度制御部を有し、
    前記液体を介して試薬温度を調節することを特徴とする
    生物組織処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の装置にお
    いて、 前記試薬槽は浮力発生部を有することを特徴とする生物
    組織処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれかに
    記載の装置において、 前記試薬槽は、前記液体からの前記上端開口部の突出量
    を所定範囲内に規制する浮上規制部を有することを特徴
    とする生物組織処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4までのいずれかに
    記載の装置において、 前記液体保持槽は上面に複数の開口を有する仕切り板を
    有し、 前記液体保持槽に収納される複数の試薬槽の水平方向の
    移動を所定範囲内に個別に規制することを特徴とする生
    物組織処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5までのいずれかに
    記載の装置において、 前記試薬槽は上方部が下方部より幅広の縦井戸形状を呈
    し、生物組織を保持したスライドガラスを収納すること
    を特徴とする生物組織処理装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002116202A (ja) * 2000-08-22 2002-04-19 Leica Microsystems Nussloch Gmbh 被検物処理装置
JP2014523514A (ja) * 2011-02-28 2014-09-11 ダコ・デンマーク・エー/エス 包埋生体試料の前処置のための2相非混和系

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