JPH10196940A - 水冷ジャケット構造体の製造方法 - Google Patents

水冷ジャケット構造体の製造方法

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JPH10196940A
JPH10196940A JP173597A JP173597A JPH10196940A JP H10196940 A JPH10196940 A JP H10196940A JP 173597 A JP173597 A JP 173597A JP 173597 A JP173597 A JP 173597A JP H10196940 A JPH10196940 A JP H10196940A
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JP
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water
jacket
lid
jacket structure
cooling
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JP173597A
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Masaki Kataoka
正樹 片岡
Yoshinori Takahashi
善則 高橋
Yuji Tsuda
裕士 津田
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Tsukishima Kikai Co Ltd
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Tsukishima Kikai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑な流路を有する水冷ジャケット構造体で
も簡単かつ安価に製造することができ、さらには溶接の
際の熱歪みを防止するとともに、冷却水のショートパス
を防いで効率的な冷却を図ることが可能な水冷ジャケッ
ト構造体の製造方法を提供する。 【解決手段】 銅または銅合金より成るジャケット本体
24の表面26Aに溝加工を施した後、このジャケット
本体24の表面26Aに蓋体25を取り付けてジャケッ
ト構造体21を形成することにより、溝27によってジ
ャケット構造体21内に冷却水の流路22を形成する。
蓋体25は電子ビーム溶接により取り付けられ、また溝
27は蛇行溝であって、その間に形成されるリブ部28
も蓋体25と接合される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば高温の溶融
物を取り扱う溶融炉の壁部等に用いられる水冷ジャケッ
ト構造体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高温の溶融物を取り扱う溶融炉等の構造
物においては、この溶融物の温度が構造物の壁部等に使
用されている金属材料の融点以上の高温である場合、こ
の壁部の冷却が不十分であると、上記金属材料部分の表
面がその融点以上となり、この結果当該金属材料部分が
溶損して、バーンアウトと言われる現象を生じるおそれ
がある。そこで、このような溶融炉等の構造物では、か
かる溶融物に対して壁部等に十分な冷却性を確保するた
め、内部に冷却水が循環供給される流路が形成された水
冷ジャケット構造体をこの壁部等に使用した、水冷ジャ
ケット構造のものが用いられている。
【0003】図6は、従来のこのような水冷ジャケット
構造体1を示す断面図であり、この水冷ジャケット構造
体1では、互いに間隔を開けて平行に配設された一対の
平板2,3に、両平板2,3を貫通するように多数の円
柱状のステー4…が必要なピッチで取り付けられ、この
ステー4がTIG溶接(イナートガスタングステンアー
ク溶接)等によって外側から溶接されることにより、両
平板2,3の間に冷却水の流路5が形成されている。な
お、図中に符号Tで示すのは、このTIG溶接による接
合部である。また、平板2,3の一方(図6では平板
2)には、これら平板2,3に対して垂直な邪魔板6
が、やはりTIG溶接によって取り付けられており、こ
の邪魔板6により上記流路5が両平板2,3間において
蛇行するなどして曲折し、平板2,3の全面に渡って効
率的な冷却が図られるようになされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな水冷ジャケット構造体1では、上述のように流路5
を蛇行させて効率的な冷却が図られるようにするには、
多くの邪魔板6を平板2に取り付けなければならないと
ともに、平板2,3の板厚が大きくなると、ステー4と
平板2,3との溶接部に開先加工を施す必要が生じ、そ
の結果、水冷ジャケット構造体1の製造工程が複雑とな
って製造に多くの時間と労力とを要し、非経済的とな
る。しかも、このステー4は、流路5を流れる冷却水の
圧力に抗して平板2,3を連結し、当該水冷ジャケット
構造体1を構成するものであるから、バーンアウトに対
する抵抗力を高めるために冷却水の流速を増大させる際
には、これに伴い流路5内における冷却水の圧力損失も
大きくなるので、より多くのステー4を取り付けなけれ
ばならなくなり、製造工程がさらに煩雑なものとなって
時間や労力が費やされ、経済性が一層損なわれることが
避けられない。
【0005】また、上記水冷ジャケット構造体1では、
その構造上、上記邪魔板6を平板2,3の一方に取り付
けた後にステー4…を介して両平板2,3を一体化しな
ければならないため、邪魔板6と平板2,3の他方(図
6では平板3)とは接合されてはおらず、この間をある
程度の冷却水がショートパスして通過してしまうことが
避けられない。しかも、バーンアウト抵抗力を高めるた
めに冷却水の流速を増大させると、流路5における冷却
水の圧力も大きくなり、これに伴い邪魔板6と他方の平
板3との間をショートパスする冷却水も多くなるので、
却って効率的な冷却が損なわれるおそれも生じる。さら
に、ステー4や邪魔板6を平板2,3に取り付けるのに
上述のようにTIG溶接による場合、かかるTIG溶接
では溶接による受熱範囲が広くなるため、ステー4や邪
魔板6、あるいは平板2,3等に熱歪みが生じたりする
という問題もある。
【0006】一方、このような内部に冷却水の流路が形
成された水冷ジャケット構造体を製造するには、他に鋳
造による方法も提案されている。図7は、このような鋳
造法により製造された平板状の水冷ジャケット構造体7
の断面図であり、内部にリブ状の邪魔板8によって蛇行
する流路9が形成されるとともに、この流路9の両端は
冷却水の供給・排出口10として外部に開口されてい
る。また、図8は、同じく鋳造法により製造された円筒
状の水冷ジャケット構造体11の断面図であり、その円
筒壁部12内には、供給・排出口13を備えた流路14
が環状に形成されていて、例えばこの円筒壁部12の内
周部を通過する溶融物等に対して該円筒壁部12を冷却
する場合などに使用される。しかしながら、このような
鋳造による方法では、一つの構造体に対して一つの鋳型
を必要とするため、形状や大きさの異なる水冷ジャケッ
ト構造体を製造するにはやはり経済的ではなく、また流
路の形状が複雑な構造体を製造することは不可能であ
る。
【0007】本発明は、このような事情を鑑みてなされ
たものであり、複雑な流路を有する水冷ジャケット構造
体でも簡単かつ安価に製造することができ、さらには溶
接の際の熱歪みを防止するとともに、冷却水のショート
パスを防いで効率的な冷却を図ることが可能な水冷ジャ
ケット構造体の製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、か
かる目的を達成するために、本発明の水冷ジャケット構
造体の製造方法は、銅または銅合金より成るジャケット
本体の表面に溝加工を施した後、このジャケット本体の
表面に蓋体を取り付けてジャケット構造体を形成するこ
とにより、該ジャケット構造体内に冷却水の流路を形成
することを特徴とする。従って、かかる水冷ジャケット
構造体の製造方法によれば、このように溝加工が施され
たジャケット本体の表面に蓋体を取り付けることによ
り、この溝の部分が冷却水の流路とされるので、複雑な
形状の流路でも容易に形成することが可能であり、また
従来のように多数のステーを要することがなく、製造工
程の大幅な簡略化を図ることができる。
【0009】しかも、このジャケット本体を構成する銅
または銅合金は、例えば鉄鋼やステンレス鋼等の鋼材に
比べ、バーンアウトに対する抵抗力が高いという特徴を
有している。すなわち、バーンアウトに対する抵抗力
は、金属の熱伝導率の約2/3乗に比例して向上するこ
とが知られており、鉄鋼の熱伝導率が40〜42kcal/
mh、またステンレス鋼の熱伝導率が11〜13kcal/mh
であるのに対し、銅や銅合金の熱伝導率は300〜40
0kcal/mhと、約8倍ないし約24倍の熱伝導率である
ので、ジャケット本体に銅または銅合金を用いることに
より、鋼材に比べて約4倍ないし約8倍のバーンアウト
に対する抵抗力が得られるのである。従って、上記製造
方法によれば、複雑な流路を容易に形成できることとも
相俟って、より効率的かつ確実な冷却を図ることが可能
な水冷ジャケット構造体を製造することができる。
【0010】ここで、上記蓋体をジャケット本体の上記
表面に取り付けるには、上述したようなTIG溶接によ
ることも可能ではあるが、受熱範囲が狭く、また開先加
工の必要のない電子ビーム溶接によるのが望ましい。ま
た、上記ジャケット本体の表面に溝加工によって蛇行溝
を形成し、この蛇行溝の間に画成される上記ジャケット
本体のリブ部と上記蓋体とを接合するようにすれば、冷
却水の流路を水冷ジャケット構造体の全面に渡って形成
することができるとともに、冷却水のショートパスを抑
えることができ、またリブ部と蓋体とが接合されること
により当該水冷ジャケット構造体の内圧に対する強度が
増大するため、冷却水の流速を速くすることもできるの
で、これらにより冷却効果の一層高い水冷ジャケット構
造体を提供することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1ないし図3は、本発明の一実
施形態により製造された平板状の水冷ジャケット構造体
21を示すものである。本実施形態に係る水冷ジャケッ
ト構造体21においては、その内部に冷却水の流路22
が蛇行するように形成されており、この流路22の両端
部は、平板状の水冷ジャケット構造体21の一方の面2
1A側に開口させられて、冷却水の供給・排出口23と
されている。そして、このような水冷ジャケット構造体
21は、以下に説明する本実施形態の水冷ジャケット構
造体の製造方法により製造される。
【0012】上記水冷ジャケット構造体21は、ジャケ
ット本体24と蓋体25とから構成される。ジャケット
本体24は、例えばC−1020(無酸素銅)のような
銅または銅合金により一体に形成されたものであって、
その上記一方の面21A側には方形状の凹部26が形成
されるとともに、この凹部26の底面(本実施形態にお
けるジャケット本体の表面)26Aには、上記流路22
を形成する溝27が図1に示すように蛇行して形成され
ている。また、この蛇行する溝27の間には、上記凹部
26の底面26Aが残されることにより、溝27に対し
て隆起するリブ部28が互い違いに延びるように形成さ
れることとなる。なお、このような蛇行した溝27をジ
ャケット本体24に形成するには、例えばエンドミルの
ような溝加工工具を用いて、この工具を蛇行させながら
上記底面26Aを切削して溝加工を施せばよい。
【0013】一方、上記蓋体25は、本実施形態ではジ
ャケット本体24と同じく銅または銅合金により形成さ
れていて、上記凹部26に嵌装可能な方形平板状に成形
されており、この蓋体25を凹部26に嵌め入れた状態
で上記溝27の始点と終点とに当たる蓋体25上の位置
には、上記冷却水の供給・排出口23となる貫通孔が形
成されている。そして、このように蓋体25をジャケッ
ト本体24の凹部26に嵌め入れた状態で、凹部26の
内周縁と蓋体25の外周縁、および凹部26に形成され
た上記リブ部28と蓋体25の凹部26側を向く側面と
を接合することにより、蓋体25はジャケット本体24
に取り付けられ、これによって内部に流路22が形成さ
れた平板状の上記ジャケット構造体21が製造される。
【0014】ここで、本実施形態では、蓋体25をジャ
ケット本体24の凹部26に接合するに際して、電子ビ
ーム溶接が用いられる。すなわち、凹部26の内周縁と
蓋体25の外周縁とを接合するには、水冷ジャケット構
造体21の上記一方の面21A側から、嵌め合わされた
両縁部に沿って電子ビームを照射して両縁部を加熱溶融
させて接合する。また、ジャケット本体24の上記リブ
部28と蓋体25の側面とを接合するには、図1に鎖線
で示すようにリブ部28に沿って上記一方の側面21A
側から電子ビームを照射し、リブ部28の上の凹部26
の底面26Aと蓋体25とを加熱溶融させて接合部Sを
介して接合する。
【0015】このようにして製造された水冷ジャケット
構造体21は、例えば高温の溶融物を取り扱う溶融炉の
壁部や底部、あるいは天井部などに、その他方の面21
Bを炉内側に向けて用いられる。しかるに、本実施形態
によれば、ジャケット本体24に蓋体25を接合するこ
とで当該水冷ジャケット構造体21が形成され、しかも
その冷却水の流路22が、ジャケット本体24に施され
た溝加工による溝27により形成されるので、従来のよ
うにステーや邪魔板を接合したりすることなく、水冷ジ
ャケット構造体21の製造が可能であるとともに、複雑
な形状の流路22であっても容易に形成することができ
る。このため、かかる水冷ジャケット構造体21を製造
するための工程を簡略化して時間や労力を削減すること
ができ、図1に示すようなその全面に渡る流路22を備
えた水冷ジャケット構造体21でも、比較的安価に製造
することができる。ちなみに、本実施形態によれば、図
6に示した従来の製造方法に比べ、約2/3の製造コス
トで同じ寸法および構造の水冷ジャケット構造体21を
製造することができた。
【0016】また、本実施形態による上記水冷ジャケッ
ト構造体21では、そのジャケット本体24および蓋体
25が銅または銅合金により形成されており、かかる銅
または銅合金は、上述のように鉄鋼やステンレス鋼等の
鋼材に比べて高い熱伝導率を有することから、バーンア
ウトに対する抵抗力が高く、従って、上記のように高温
の溶融物を取り扱う溶融炉の壁部等に用いた場合でも、
この壁部等に溶損が生じたりするのを確実に防いで、安
定した溶融作業を促すことが可能となる。なお、本実施
形態では、このように蓋体25についても銅または銅合
金により形成しているが、上記溶融炉等にあって熱の影
響を受けにくい炉外側に配置されることになる当該蓋体
25については、例えばこれを鉄鋼やステンレス鋼等の
鋼材により形成するようにしてもよい。
【0017】さらに、本実施形態では、ジャケット本体
24と蓋体25とを電子ビーム溶接によって接合してお
り、かかる電子ビーム溶接は、従来のTIG溶接や、あ
るいはMIG溶接(イナートガス消耗メタルアーク溶
接)などに比べて受熱範囲が狭く、また平板状の蓋体2
5等が厚板であっても開先加工の必要がないという利点
を有している。従って本実施形態によれば、溶接の際に
ジャケット本体24や蓋体25に熱歪み等が生じるのを
抑えて両者を確実に接合することができるとともに、そ
の製造工程の一層の簡略化を図り、より安価な水冷ジャ
ケット構造体21を提供することが可能となる。
【0018】さらにまた、本実施形態では、特にこの電
子ビーム溶接によって、ジャケット本体24の上記溝2
7の間に形成されるリブ部28と蓋体25とを、接合部
Sを介して接合しており、このためこの蓋体25とリブ
部28との間に間隙が生じることがなく、このような間
隙から冷却水がショートパスすることもない。従って、
本実施形態によれば、蛇行した溝27により画成される
流路22に沿って水冷ジャケット構造体21内に確実に
冷却水を循環させ、これにより当該水冷ジャケット構造
体21を満遍なく冷却させることができるので、バーン
アウトに対する抵抗力をさらに向上させて溶損の防止を
図ることができる。
【0019】しかも、このようにジャケット本体24の
リブ部28と蓋体25とが接合部Sを介して溶接される
ことにより、本実施形態ではこのリブ部28が従来のス
テーの役割をも果たすことになり、冷却効果を高めてバ
ーンアウトに対する抵抗力をより向上させるために冷却
水の流速を増大させても、これに伴い増大する冷却水の
圧力に抗して冷却水のショートパスを確実に防止するこ
とができる。ちなみに、バーンアウトに対する抵抗力は
冷却水の流速の約1/2乗に比例して向上する一方、水
冷ジャケット構造体内における冷却水の圧力損失は流速
の2乗に比例することが知られており、例えばバーンア
ウト抵抗力を向上させるために流速を通常の約10倍の
14m/s〜16m/sに増大させた場合、ジャケット内にお
ける圧力損失は約100倍に及ぶことになるが、本実施
形態によれば、リブ部28と蓋体25とを接合すること
により水冷ジャケット構造体21に十分な耐圧性が確保
されるので、このような過大な圧力にも確実に抗して効
率的な冷却を図ることができる。ただし、冷却水の水圧
が十分小さい場合や、当該水冷ジャケット構造体21が
小さくて蓋体25等に十分な剛性を確保できる場合など
には、リブ部28と蓋体25とを接合することなく、蓋
体25の外周縁とジャケット本体24とを接合するのみ
としてもよい。
【0020】次に、図4および図5は、本発明の他の実
施形態により製造された円筒状の水冷ジャケット構造体
31を示すものである。この水冷ジャケット構造体31
は、銅または銅合金より形成された円筒状のジャケット
本体32と、このジャケット本体32より一回り大きな
円筒状をなす蓋体33とにより構成されており、ジャケ
ット本体32の一端には外周側に突出するフランジ部3
4が形成されるとともに、他端には環状の凹部35が形
成され、また蓋体33の他端には内周側に突出するフラ
ンジ部36が形成されている。そして、図5に示すよう
にジャケット本体32の外周面(本実施形態におけるジ
ャケット本体の表面)32Aには、ジャケット本体32
の軸線方向に蛇行する溝37が、ジャケット本体32の
外周を略一周するように溝加工により形成されており、
この蛇行する溝37の間にはリブ部38が形成されてい
る。また、蓋体33において、この溝37の始点と終点
に対応する位置には、冷却水の供給・排出口39がそれ
ぞれ形成されている。
【0021】しかして、本実施形態においては、ジャケ
ット本体32の他端側から蓋体33を嵌挿し、蓋体33
の一端面を上記フランジ部34に密着させるとともに上
記フランジ部36を上記凹部35に嵌め合わせるように
して蓋体33をジャケット本体32の外周に取り付け、
しかる後、上記蓋体33の一端面とフランジ部34、お
よび上記フランジ部36と凹部35とを電子ビーム溶接
により接合して、上記溝37により蛇行した冷却水の流
路40を形成する。また、必要があれば、上記リブ部3
8の部分にも蓋体33の外周側から電子ビームを照射し
て、蓋体33とリブ部38とを接合する。
【0022】このようにして製造された円筒状の水冷ジ
ャケット構造体31は、例えば溶融炉から高温の溶融物
を炉外に排出するための出滓口などとして使用される。
しかるに、本実施形態においても、銅または銅合金より
成るジャケット本体32の表面(外周面)に溝加工によ
って溝37が形成され、この表面に蓋体33を取り付け
ることによって溝37により冷却水の流路40が形成さ
れるので、図1ないし図3に示した実施形態と同様に、
ステーや邪魔板を接合することなく複雑な流路でも容易
に形成することができ、製造工程の簡略化を図って安価
に、しかもバーンアウトに対する抵抗力の高い水冷ジャ
ケット構造体31を提供することが可能となる。なお、
本実施形態に係る水冷ジャケット構造体31のように円
筒状のものの場合は、図1ないし図3に示した水冷ジャ
ケット構造体21のような平板状のものに比べて内圧に
対する耐圧性が高いので、リブ部38と蓋体33との接
合は必ずしも必要ではないことが多い。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
銅または銅合金より成るジャケット本体の表面に溝加工
を施して蓋体を接合することにより、従来のように多数
のステーや邪魔板を接合したりせずとも、水冷ジャケッ
ト構造体に複雑な流路を容易に形成することができ、ジ
ャケット本体の熱伝導率の高さとも相俟って、冷却効果
が高くバーンアウトに対する抵抗力の高い水冷ジャケッ
ト構造体を、安価に提供することが可能となる。また、
電子ビーム溶接によりジャケット本体と蓋体とを接合す
ることにより、両者の受熱範囲を制限して熱歪み等の発
生を防止でき、さらにジャケット本体に蛇行溝を形成し
てそのリブ部と蓋体とを接合することにより、耐圧性を
高めるとともに冷却水のショートパスを確実に防ぎ、冷
却効果の向上を図ることが可能な水冷ジャケット構造体
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る平板状の水冷ジャ
ケット構造体21の平面図である。
【図2】 図1におけるXX断面図である。
【図3】 図1におけるYY断面図である。
【図4】 本発明の他の実施形態に係る円筒状の水冷ジ
ャケット構造体31の断面図である。
【図5】 図2に示す水冷ジャケット構造体31のジャ
ケット本体32の外周面の展開図である。
【図6】 従来のTIG溶接による平板状の水冷ジャケ
ット構造体1の断面図である。
【図7】 従来の鋳造による平板状の水冷ジャケット構
造体7の断面図である。
【図8】 従来の鋳造による円筒状の水冷ジャケット構
造体11の断面図である。
【符号の説明】
21,31 水冷ジャケット構造体 22,40 冷却水の流路 23,39 冷却水の供給・排出口 24,32 ジャケット本体 25,33 蓋体 26 凹部 26A 凹部26の底面(ジャケット本体24の表面) 27,37 溝 28,38 リブ部 32A ジャケット本体32の外周面(ジャケット本体
32の表面) S 電子ビーム溶接による接合部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅または銅合金より成るジャケット本体
    の表面に溝加工を施した後、このジャケット本体の表面
    に蓋体を取り付けてジャケット構造体を形成することに
    より、該ジャケット構造体内に冷却水の流路を形成する
    ことを特徴とする水冷ジャケット構造体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記蓋体を、電子ビーム溶接により上記
    ジャケット本体の表面に取り付けることを特徴とする請
    求項1に記載の水冷ジャケット構造体の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記ジャケット本体の表面に溝加工によ
    って蛇行溝を形成し、この蛇行溝の間に画成される上記
    ジャケット本体のリブ部と上記蓋体とを接合することを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の水冷ジャケ
    ット構造体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007073450A (ja) * 2005-09-09 2007-03-22 Meidensha Corp 高周波給電用導体
JP2011208814A (ja) * 2010-03-27 2011-10-20 Hitachi Computer Peripherals Co Ltd 水冷ジャケット

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