JP3429086B2 - 自熔炉 - Google Patents

自熔炉

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JP3429086B2
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恒夫 丸山
寿 米川
武徳 菊田
佳弘 幸山
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、筒形のシャフトと箱
形セットラーを連結してなる自熔炉に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の自熔炉は、例えば図4に
その一例を示すように箱型のセットラー01とその天井部
の一側に立設された筒形のシャフト02、及び図示省略し
たがセットラー天井部の他側に立設された筒形のアップ
テイクからなっている。シャフト02の下端部05は上方か
ら下方に向けて末広がり状に形成され、その内部には冷
却用の銅パイプ04が埋設されている。そして下端部05は
セットラー01の天井部を吊着支持するH型鋼012に接合
されている。セットラー01の天井部は耐火煉瓦03で構成
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の
自熔炉においてはシャフト02の下端部05が上方から下方
に向けて末広がり状に形成された構造のため、炉内の高
温ガスの流れが矢印で示すようになり、この高温ガス流
のためにシャフト02の下端部05の内壁やセットラー01の
天井部の内壁の熔損が激しく、場合によってはシャフト
02の下端部05内の銅パイプ04が露出して炉内部に水が漏
れることがあり、毎年の定期修理での補修が必要である
ばかりでなく、操業中の補修を余儀なくされることがあ
った。また、H型鋼012も熔損・減肉するという問題が
あった。
【0004】尚、前記のほかにシャフトの下端部を耐火
煉瓦で構成し、該耐火煉瓦をその背面(外面)に取付け
た水冷ジャケットで冷却する自熔炉もあるが、自熔炉
においても煉瓦厚みが厚く、冷却不十分となり、煉瓦の
熔損が大きいという問題があった。
【0005】そこでこの発明は、前記のような従来の問
題点を解決し、高温ガス流による炉内壁の熔損を抑止す
ることができ、しかも冷却効率のよい自熔炉を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、自熔炉において、セットラー天
井部と連結するシャフトの下端部がシャフトと同心状に
環状に配置された水冷ジャケットを有し、水冷ジャケ
ットの炉内側側壁全面とセットラー天井部の内壁がキャ
スタブル耐火物で該炉内側側壁がほぼ垂直となるように
覆われてセットラー天井部と一体に接合されている。請
求項2の発明は、請求項1において、水冷ジャケットの
外側にシャフト外殻体が配設され、該シャフト外殻体の
外側セットラー天井部とで形成される環状隙間に断熱
材が充填され、さらに該断熱材の外側のセットラー天井
部に冷却構造をもつH型形状の冷却体が環状隙間に近接
して環状に配設されている。
【0007】
【作用】前記のような構成からなるので、炉内の高温ガ
スがシャフトの下端部の中をほぼ垂直に流れた後に水平
方向に向きを変えてアップテイクに向けて流れることと
なり、従来のようにシャフトの下端部の内壁やセットラ
ーの天井部の内壁に激突して熔損するようなことがなく
なる。また、水冷ジャケットの炉内側側壁全面のキャス
タブル耐火物は十分に冷却されるので熱による熔損が小
さく、また補修も部分的に可能となる。
【0008】
【実施例】図1はこの発明の一実施例の自熔炉の一部省
略の縦断正面図、図2は図1のII−II線に沿う横断平面
図、図3はシャフトの下端部とセットラーの天井部の接
合部の拡大縦断正面図を示す。1は箱型のセットラー、
2はその天井部の一側に立設された円筒形のシャフト
で、該シャフトのセットラー天井部(耐火煉瓦3等から
なっている)と連結する下端部5はシャフト1と同心状
に環状に配置された水冷ジャケット6を有している。水
冷ジャケット6は図示省略したが平板状の銅ブロックの
内部に水冷水路を設けてあり、シャフト1の円周方向に
全面に配設されている。水冷ジャケット6の炉内側側壁
全面とセットラー天井部の内壁にはキャスタブル耐火物
7が該炉内側側壁がほぼ垂直となるように覆って配設さ
れ、これによりシャフト1の下端部5とセットラー天井
部は一体に接合されている。なお、キャスタブル耐火物
7はキャスタブル止め金具を適宜水冷ジャケットやH型
鋼12に取付けて施工されている。また水冷ジャケット6
の外側にシャフト外殻体8が配設され、該シャフト外殻
体の外側セットラー天井部とで形成される環状隙間10
に断熱材(例えば株式会社ニチアス製のファインフレッ
クス(商品名))11が充填されている。さらに断熱材11
の外側のセットラー天井部に冷却構造をもつH型形状の
冷却体としてのH型鋼12が図2に示すように環状隙間10
に近接して環状に配設されている。
【0009】シャフト外殻体8の高さ方向中間位置には
水平取付部15付き開口部16が形成されており、この開口
部16から水冷ジャケット6取付用ブラケット17が取付部
15に合わせられてボルトナット18によって締結されてい
る。21はジャケット6へ冷却水を供給し又は排出するパ
イプである。H型鋼12の上半部の凹部23には冷却水が循
環して供給されるようになっている。H型鋼12の下半部
には水冷銅パイプ25が埋設されており、図示省略したパ
イプから冷却水が供給されるようになっている。
【0010】前記のような構成からなるため、図1に矢
印で示すように炉内の高温ガスはシャフト2の下端部5
の中をほぼ垂直に流れた後に水平方向に向きを変えてア
ップテイクに向けて流れる。したがって、従来のように
高温ガス流がシャフトの下端部の内壁やセットラーの天
井部の内壁に激突して熔損するようなことがなくなる。
また、水冷ジャケット6の炉内側側壁全面に配設された
キャスタブル耐火物7はジャケット6等により十分に冷
却されるので熱による熔損が小さく、また補修も部分的
に可能となる。しかも、シャフト2の下端部5に隣接し
たセットラー1の天井部には冷却構造をもつH型鋼12が
環状隙間10に近接して環状に配置されているため、シャ
フト2とセットラー1の接合部近くのセットラー天井部
の熱による熔損も減少する。さらに、操業当初に熱膨張
によりシャフト2の下端部5とセットラー1の天井部の
側面との間に亀裂が発生しても、断熱材11が該亀裂から
漏れる炉内ガスをシールする。さらにまた、熱膨張によ
りシャフト2の下端部5が径方向外側に伸びても、断熱
材11が調節の役目を果たして、シャフト2の下端部5の
伸びを吸収する。
【0011】前記のH型鋼12による水冷構造は一例を挙
げたにすぎず、他の構造としてもよいことは言うまでも
ない。
【0012】
【発明の効果】この発明は前記のような構成からなるの
で、高温ガス流による炉内壁の熔損を抑止することがで
きる。また、水冷ジャケットの炉内側側壁全面及びシャ
フト下端部に隣接したセットラー天井部のキャスタブル
耐火物は十分に冷却されるので熱による熔損が小さく、
また補修も部分的に可能となる等の優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の自熔炉の一部省略の縦断
正面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う横断平面図である。
【図3】シャフトの下端部とセットラーの天井部の接合
部の拡大縦断正面図である。
【図4】従来の自熔炉の一部省略の縦断正面図である。
【符号の説明】
1 セットラー 2 シャフト 4 耐火煉瓦 5 下端部 6 水冷ジャケット 7 キャスタブル耐火物 8 シャフト外殻体 11 断熱材 12 H型鋼 19 環状隙間
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−180573(JP,A) 特開 昭60−164189(JP,A) 特開 平4−100598(JP,A) 特開 昭58−161733(JP,A) 特開 平6−248366(JP,A) 特開 平6−271953(JP,A) 実開 昭62−55553(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22B 15/00 102

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒形のシャフトと箱形セットラーを連結
    してなる自熔炉において、セットラー天井部と連結する
    シャフトの下端部がシャフトと同心状に環状に配置され
    た水冷ジャケットを有し、水冷ジャケットの炉内側側
    壁全面とセットラー天井部の内壁がキャスタブル耐火物
    で該炉内側側壁がほぼ垂直となるように覆われてセット
    ラー天井部と一体に接合されていることを特徴とする自
    熔炉。
  2. 【請求項2】 水冷ジャケットの外側にシャフト外殻体
    が配設され、該シャフト外殻体の外側セットラー天井
    部とで形成される環状隙間に断熱材が充填され、さらに
    該断熱材の外側のセットラー天井部に冷却構造をもつH
    型形状の冷却体が環状隙間に近接して環状に配設されて
    いる請求項1記載の自熔炉。
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