JPH1019688A - 熱電対 - Google Patents

熱電対

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JPH1019688A
JPH1019688A JP17093196A JP17093196A JPH1019688A JP H1019688 A JPH1019688 A JP H1019688A JP 17093196 A JP17093196 A JP 17093196A JP 17093196 A JP17093196 A JP 17093196A JP H1019688 A JPH1019688 A JP H1019688A
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JP
Japan
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thermocouple
colloidal silica
present
coating
element wire
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JP17093196A
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English (en)
Inventor
Tetsunori Hayafuji
哲典 早藤
Makoto Ishihara
誠 石原
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Proterial Ltd
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造上の取り扱い性およびコスト性に優れ、
最適形状への加工が容易であってかつ、高温、汚染雰囲
気中での使用にも十分な耐久性を示す熱電対を提供す
る。 【解決手段】 シリカがコーティングされてなる熱電対
において、コーティングされたコロイダルシリカを焼成
しないものであり、好ましくは、石英製保護管やアルミ
ナ製保護管を併用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳型などの予熱を
必要とする加熱装置に取り付けられる高温測定用の熱電
対に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱電対は、二種の異なる金属線を接続し
て一つの回路を作り、二つの接点に温度差を与えること
で生じる起電力を利用した測温器具であり、加熱装置本
体に取り付けられて装置の温度管理、制御に用いられて
いる。その一つである白金ロジウム合金−白金系熱電対
は、融点が高く耐酸化性に優れることから高温度の測定
に使用されているが、その使用条件によっては非常に弱
い欠点もみられる。
【0003】例えば、1000℃にも及ぶ高温中で長時
間使用すると、白金およびロジウムの揮発によって線径
が細くなり、起電力が低下し、ついには断線してしまう
ことがあった。また、一般的に熱電対は、アルミナ製や
ジルコニア製の保護管に挿入して使用され、場合によっ
ては曲げ加工を施して使用されるが、測温される対象や
装置を構成する要素の材質によっては、Al、P、Sな
どのガスが生じ、それらのガスが保護管によって保護さ
れていない熱電対の白金と反応して低融点化合物を生
じ、熱電対が溶損することが問題になっている。さら
に、真空雰囲気では、発生した還元性ガスが雰囲気中で
酸化されないため還元性ガス濃度が増すことから、上記
の問題が顕著となる。
【0004】このような熱電対の断線や溶損を防止する
方法として特開平5−167103号公報は次の方法を
提案している。すなわち、使用前の熱電対にあらかじめ
セラミックスをコーティングすることで使用中の熱電対
の揮発や上述のAl、P、Sなどの低融点化合物生成ガ
スとの接触を防止しようとするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開平5−1
67103号公報に記載の方法は、熱電対の断線や溶損
を防止する一つの方法として有効である。しかし、装置
に取り付けて使用される熱電対は、その取り付け位置に
よっては、便宜上、熱電対を曲げて取り付けることが必
要、かつ有効であり、特開平5−167103号公報に
記載の熱電対では、コーティング材が焼成されているた
め、その取り付けに最適な形状に折り曲げた際、コーテ
ィングされたセラミックスが割れ、剥離してしまう。
【0006】また、あらかじめ幾種類かの形状に曲げて
セラミックスをコーティングした熱電対を供給すること
は、製造上の取り扱い性に劣り、何よりも、使用の際の
形状は様々であることから、生産効率性にも大きく劣る
ものである。さらに、特開平5−167103号公報に
記載の熱電対は、製造において、熱電対の素線にセラミ
ックスを塗布した後、乾燥工程を経て焼成する工程が必
要であり、製造上の取り扱いが容易ではなくコスト面に
おいても不利なものである。
【0007】そこで本発明は上述した問題に鑑み、低融
点化合物生成ガスとの接触による熱電対の断線や溶損を
防止することで、低融点化合物生成ガス雰囲気中でも高
温測定が可能であり、取り付けにおける最適形状への加
工、特に曲げ加工が容易であって、かつ製造上の取り扱
い性およびコスト性に優れた装置据え付け型の熱電対を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、熱電対に
おいて、高温かつ低融点化合物生成ガスとの接触による
断線や溶損を生じ難く、取り付けにおける最適形状への
加工が容易であって、かつ製造上の取り扱い性およびコ
スト性に優れるという特性を同時に達成する手法を検討
した結果、熱電対の素線をコロイダルシリカでコーティ
ングし、焼成工程を経ずに供給することが有効であると
いう知見を得た。
【0009】熱電対の表面に塗布されたコロイダルシリ
カは、気密性に欠けるが、加熱装置に取り付けた後、使
用にあたって予熱した際にガラス状に焼成され、強固か
つ緻密で素線との密着性に優れたものとなる。また、表
面にコロイダルシリカを塗布し乾燥させた後、焼成工程
を施さない熱電対は、最適形状化への曲げ加工に対して
も、塗布したコロイダルシリカが微粒子となって素線に
付着しているので、コロイダルシリカが剥離する心配が
なく、使用の都度に、最適形状に加工することが可能で
ある。
【0010】その結果、白金およびロジウムの揮発や低
融点化合物生成ガスの発生に起因する断線や溶損を防
ぎ、使用における最適形状への加工が容易であって、か
つ製造における焼成工程を省略することができることを
見いだし、本発明に至った。
【0011】すなわち、本発明はシリカがコーティング
されてなる熱電対において、コーティングされたコロイ
ダルシリカが焼成されていないことを特徴とする熱電対
であり、これによって、製造上の取り扱い性およびコス
ト性に優れ、最適形状への加工が容易であり、高温か
つ、Al、P、Sなどの低融点化合物生成ガス雰囲気中
の使用にも十分な耐久性を示す熱電対を提供できるので
ある。
【0012】また、予熱過程において低融点化合物生成
ガスを生じる場合は、低融点化合物生成ガスがコロイダ
ルシリカを経て、熱電対の素線にまで達することが考え
られることから、アルミナや石英製の保護管に挿入し、
特に好ましくは、上記の熱電対を加工性に優れる石英製
保護管に挿入することで、本発明の熱電対の曲げ加工性
を劣化させずに断線や溶損の防止効果を更に向上させる
ことができる。
【0013】また、本発明の熱電対は、測温対象によっ
ても、保護管を併用することが望まれ、好ましくは、本
発明のコーティングされたコロイダルシリカが焼成され
ていない熱電対あるいはコーティングされたコロイダル
シリカが焼成されていない熱電対が挿入された石英製保
護管をアルミナ製保護管に挿入することで測温対象との
接触による石英製保護管およびコーティング材の損傷を
防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の最大の特徴は、素線の表
面にコロイダルシリカを塗布した熱電対において、焼成
工程を経ずに使用するところにある。従来のセラミック
コーティング型の熱電対は、塗布したコーティング材を
乾燥後、例えば、500℃程度にて焼成してから、装置
に取り付け使用するものであったため、製造上の取り扱
いが容易ではなくコスト面においても不利なものであっ
た。
【0015】しかし、本発明の熱電対は、使用中におけ
る予熱過程においてコーティング材を焼成するので、製
造に関しては、表面にコロイダルシリカを塗布し乾燥す
る工程を要するだけでよく、従来に比べて非常に容易に
上記の効果を備える熱電対を得ることができる。コロイ
ダルシリカの塗布の方法は、温接点を含む白金ロジウム
合金と白金の両素線に同時に塗布する方法の他に、両素
線の温接点以外での接触を防ぐために、温接点を含む両
素線に別々に塗布する方法でもよく、塗布前の素線にあ
らかじめ絶縁管を通し、絶縁管の上からコロイダルシリ
カを塗布することも可能である。
【0016】絶縁管としては、例えば、アルミナ製絶縁
管は純度および緻密性に優れ、しかも安価であるので、
高温における還元性雰囲気に強く、コスト面においても
優れた熱電対を提供できる。また、コロイダルシリカを
コーティングする手段としては、ハケなどによる塗布の
ほかに、浸漬など均一にコーティングできる手段であれ
ばよい。
【0017】そして本発明は、装置の使用前に行う予熱
過程を利用してコロイダルシリカを焼成するため、高温
測定を前提とした場合であれば予熱温度が1000℃以
上にも及ぶので、従来に比べて高温での焼成が実現でき
る。その結果、コロイダルシリカが完全にガラス状に焼
成されるため、緻密かつ強固で、素線との密着性の良好
な被覆効果に優れたコーティングが実現できる。
【0018】なお、コロイダルシリカによる熱電対の素
線のコーティング範囲は、素線が低融点化合物生成ガス
にさらされるであろう部位であればよい。例えば、本発
明の熱電対を真空鋳造に付随する鋳型に取り付ける場合
は、熱電対の冷接点はその鋳型を囲む真空チャンバーを
介して、真空チャンバー外に引き出されるが、この場合
であれば、素線のコーティング部位は真空チャンバー内
に収められるところだけでよい。
【0019】また、装置に取り付けて使用される熱電対
は、その取り付け位置によっては、便宜上、熱電対を曲
げて取り付けることが要求され、その最適形状は使用場
所によって様々であることから、使用の都度に、容易に
形状が加工できる熱電対は非常に有効なものである。本
発明の熱電対は、表面にコーティングしたコロイダルシ
リカが焼成されていないことから、コロイダルシリカが
微粒子状態で素線に付着しているため、最適形状化への
曲げ加工に対してもコロイダルシリカが剥離する心配が
なく、使用の都度に、最適形状に加工することが可能で
ある。
【0020】また、素線に絶縁管を装着した熱電対を加
工する場合は、最適形状への加工に支障をきたさないよ
うに、あらかじめ、曲げやねじり加工などに順応できる
不連続な絶縁管を使用することが望ましい。
【0021】上述の効果の達成において、コロイダルシ
リカは、熱電対の素線に均等に塗布することができ、ま
た、焼成後のシリカは緻密性、電熱性、耐熱性および電
気絶縁性にも優れることから、本発明では、コーティン
グ材としてコロイダルシリカを採用したが、エチルシリ
ケートを使用することでも同程度の効果が得られる。
【0022】本発明は、装置の使用前に行う予熱過程を
利用してコロイダルシリカを焼成するものであるが、本
発明の熱電対を鋳型に組み込んだ場合は、鋳型の材質や
加熱ヒーターの種類によっては、予熱過程において上述
した低融点化合物生成ガスを生じる場合があり、低融点
化合物生成ガスが焼成前のコロイダルシリカを経て、熱
電対の素線にまで達することが考えられる。
【0023】上記の問題に対しては、コーティングした
コロイダルシリカが焼成されていない本発明の熱電対を
保護管に挿入することが有効である。上述の保護管とし
ては、高温における耐還元性雰囲気に優れるものであれ
ばよく、例えば、本発明のアルミナ製保護管であれば、
しかも安価であるので、コスト面においても優れた熱電
対を提供できるのである。
【0024】また、上記の対策に準じて保護管を併用す
る熱電対を装置へ取り付ける際に、熱電対を最適形状に
加工する必要がある場合は、保護管として加工性を備え
るものを選択する必要がある。つまり、保護管として加
工性を備えるものを選択すれば、本発明のコロイダルシ
リカがコーティングされた熱電対をあらかじめ保護管に
挿入し、保護管とともに装置への最適形状に加工するこ
とが可能であり、本発明の熱電対を容易に最適形状に加
工できるのである。
【0025】上述の保護管としては、耐高温性に加え
て、熱電対のコロイダルシリカに欠損や剥離といった損
傷を与えない手段で加工できるものであればよく、本発
明においては、加工部位を例えば、バーナーなどで加熱
することで容易に最適形状に加工が可能である石英製保
護管を採用した。また、石英製保護管と素線に絶縁管を
装着した熱電対を併用したものを加工する場合は、上述
したように、あらかじめ、最適形状への加工に順応でき
る不連続な絶縁管を使用することが望ましい。
【0026】なお、保護管による熱電対の保護範囲は、
上述したコロイダルシリカによるコーティング範囲と同
じ思想のもとに決定すればよいが、必ずしもコロイダル
シリカのコーティング範囲に等しいものでなくてもよ
い。
【0027】また、本発明の熱電対は、その測温対象の
種類からみても、保護管を併用することが望ましい場合
がある。例えば、熱電対の使用に際し、熱電対のさらさ
れる測温対象がガスおよび真空の場合は、摩擦に起因す
る焼成後のコーティング材の損傷は問題とはならない
が、測温対象が金属などの溶融物質である場合には、コ
ーティング材の表面にその溶融物質の流動による摩擦が
働き、その結果、コーティング材が損傷し、熱電対が断
線する恐れがある。
【0028】すなわち、測温対象が溶融物質等、摩擦に
よるコーティング材の損傷が懸念される場合は、あらか
じめ予熱工程から本発明の熱電対を保護管に挿入して使
用すれば、摩擦による損傷を防止でき、素線の揮発も防
止することができるのである。
【0029】上述の保護管としては、耐高温性および溶
融物質等に対する耐摩耗性に優れるものであればよく、
例えば、本発明のアルミナ製保護管であれば、安価であ
るので、コスト面においても優れた熱電対を提供できる
のである。なお、この場合の熱電対の保護範囲として
は、少なくとも測温対象と接触する可能性が予想される
範囲が保護されればよいので、本発明の特徴である最適
形状への加工性を失うこともない。また、アルミナ製保
護管は、高温における耐還元性雰囲気性に優れるので、
形状の加工を必要としないのであれば、先に述べた予熱
過程時の低融点化合物生成ガスの発生に対する保護範囲
に準じることで、同時に予熱焼成過程の際のコロイダル
シリカの損傷を防止できる。
【0030】そして、上述の測温対象との接触による損
傷の防止に加えて、予熱焼成過程の際の低融点化合物生
成ガスの吸収の防止と最適形状への加工を同時に必要と
する場合は、本発明である石英製保護管を併用する熱電
対をアルミナ製保護管に挿入することで対処できる。す
なわち、コーティングされたコロイダルシリカが焼成さ
れていない熱電対を石英製保護管に挿入し、それを更に
アルミナ製保護管に挿入すれば、予熱過程においてコロ
イダルシリカを健全に焼成できかつ、石英製保護管およ
び使用中において焼成されたコーティング材の損傷も防
止でき、さらに、最適形状への加工も可能である。な
お、この場合のアルミナ製保護管による保護範囲は、少
なくとも測温対象と接触する可能性が予想される範囲が
保護されればよい。
【0031】また、本発明の熱電対は、使用に伴って同
時にコロイダルシリカを焼成することで本発明の効果を
達成するものであるから、例えば、溶解炉における溶融
金属の測温のように熱電対を瞬間的に溶融金属に浸漬し
て測温するような使用方法以外であれば、予熱過程を終
了し、使用中の装置への取り付けあるいは予熱過程を必
要としない装置においても適用できるものがある。
【0032】すなわち、上記したそれぞれの装置に本発
明の熱電対を取り付けた場合、コロイダルシリカの焼成
後に測温しても差し支えのないものであれば、基本的に
予熱過程を必要としないのである。もちろん、完全に焼
成されるまでに吸収する低融点化合物生成ガスや測温対
象によるコロイダルシリカや保護管の損傷が問題となる
ときは、本発明の石英製やアルミナ製の保護管を併用す
ることで、本発明の効果を十分に発揮することができ
る。
【0033】以上に述べたように、本発明の熱電対であ
れば、低融点化合物生成ガス雰囲気中でも高温測定が可
能であり、取り付けにおける最適形状への曲げ加工が容
易であって、かつ製造上の取り扱い性およびコスト性に
優れた装置据え付け型の熱電対を提供することができる
のである。
【0034】よって、本発明の最も効果の大きい熱電対
は、コーティングされたコロイダルシリカが焼成されて
いない熱電対がアルミナ製保護管または石英製保護管に
挿入されている熱電対または、コーティングされたコロ
イダルシリカが焼成されていない熱電対が挿入された石
英製保護管がアルミナ製保護管に挿入されている熱電対
であって、その焼成されていない熱電対が曲げられた形
状のものである。
【0035】
【実施例】上述したような本発明を実施例をもって、以
下に更に詳しく説明する。図1の熱電対(A)および
(B)は、本発明の熱電対の一例を示す断面図である。
図1の熱電対(A)は、JIS規定の白金ロジウム合金
−白金系熱電対1をコロイダルシリカ2に浸漬させコー
ティングした後、十分乾燥させた熱電対であり、熱電対
(B)は、JIS規定の白金ロジウム合金−白金系熱電
対1の両素線が接触しないように、素線を数個のアルミ
ナ製絶縁管3に通し、コロイダルシリカ2に浸漬させコ
ーティングした後、十分乾燥させた熱電対である。ま
た、図2の熱電対(C)および(D)は、本発明の好ま
しいの熱電対の一例を示す断面図であり、熱電対(A)
および(B)を石英製保護管4に挿入したものである。
【0036】まず、本発明の熱電対の最適形状への加工
性の評価として、熱電対(A)および(B)と熱電対
(C)および(D)に曲げ試験を行った。熱電対(A)
および(B)に関しては、そのままの状態でコロイダル
シリカのコーティングされた部分の中央部に90°の曲
げ加工を施した。また、熱電対(C)および(D)に関
しては、コロイダルシリカのコーティングされた部分の
中央部に相当する石英製保護管の部位をバーナーで加熱
し90°の曲げ加工を施した。その後、各熱電対の曲げ
加工部およびその周辺のコロイダルシリカの被覆状態を
評価したが、それぞれについて欠損や剥離といった損傷
は見当たらず、石英製保護管についても良好な曲げ加工
性を確認できた。
【0037】次に、図1に示す本発明の熱電対(A)お
よび(B)の焼成状態を評価するために、実際に使用さ
れる環境を想定した一例として図3に示す真空鋳造装置
を作成した。図3において、注入口5より注入された溶
鋼は、湯道6を通って鋳型7の内部に満たされ、その
際、鋳型内の溶鋼の温度および凝固するまでの温度を測
定するために、鋳型7の上方に熱電対(A)および
(B)を最適形状に加工したものを設置してある。
【0038】また、溶鋼を注入する前の鋳型7は、外部
に設けられている加熱装置8によって、あらかじめ予熱
することが可能である。そして、上述した装置の構成要
素である熱電対および5〜8を真空チャンバー9の中に
収め、真空雰囲気での鋳造を行うことができるように装
置を作成した。
【0039】上記の装置において、まず真空雰囲気中
で、鋳型を2℃/min.の昇温速度にて1300℃ま
で予熱した後、熱電対の表面を評価した。真空チャンバ
ー内に収められた熱電対において、コーティングしたコ
ロイダルシリカは、均一かつ緻密なガラス状を呈して素
線に密着しており、予熱過程によって良好な焼成、被覆
性を実現できることが確認できた。
【0040】次に、本発明の最も好ましい熱電対として
図2に示す熱電対(C)および(D)をアルミナ製保護
管に挿入したものを用意し、同じく図3に示す真空溶解
炉に装着した。なお、今回使用する鋳型7はAl23
主成分とする耐火材とし、これは密質性において十分な
ものでないため、外部加熱装置8をカーボンヒーターと
することで、1000℃を越えるような予熱温度におい
ては直ちに低融点化合物生成ガスであるAlガスが発生
する条件に設定してある。
【0041】そして、同じく真空雰囲気で2℃/mi
n.の昇温速度にて耐火材鋳型7を1300℃まで予熱
した後、続けて1500℃の溶鋼を鋳型内に注入し、溶
鋼が凝固したのを確認した後、熱電対の表面を評価し
た。
【0042】コーティングしたコロイダルシリカは、均
一かつ緻密なガラス状を呈して素線に密着しており、予
熱過程から凝固にかけて発生する低融点化合物生成ガス
に犯されることなく、良好な焼成、被覆性を実現できる
ことが確認できた。そして、熱電対と溶鋼との接触部に
おいて、熱電対の表面に形成されているコーティング材
および石英製保護管はアルミナ製保護管によって保護さ
れているため、損傷個所は見当たらなかった。
【0043】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明は、コーテ
ィングされたコロイダルシリカが焼成されていない熱電
対とすることで、製造上の取り扱い性およびコスト性お
よび最適形状への加工性に優れ、好ましくは、アルミナ
製保護管や石英製保護管に挿入することで高温、低融点
化合物生成ガス雰囲気中での使用にも十分な耐久性を示
す熱電対を提供できるのである。また、アルミナ製保護
管を併用することで、測温対象による摩耗も防ぐことが
でき、繰り返しの使用が可能となる。本発明の熱電対で
あれば、最適な形状でかつ、汚染雰囲気中でも断線する
ことなく繰り返し高温測定ができ、しかも安価で提供す
ることが可能であることから、工業的価値は非常に高
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱電対の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の熱電対の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の熱電対の使用状態の概要の一例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 熱電対、2 コロイダルシリカ、3 絶縁管、4
保護管、5 注入口、6 湯道、7 鋳型、8 加熱装
置、9 真空チャンバー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカがコーティングされてなる熱電対
    において、コーティングされたコロイダルシリカが焼成
    されていないことを特徴とする熱電対。
  2. 【請求項2】 コーティングされたコロイダルシリカが
    焼成されていない熱電対がアルミナ製保護管または石英
    製保護管に挿入されていることを特徴とする熱電対。
  3. 【請求項3】 コーティングされたコロイダルシリカが
    焼成されていない熱電対が挿入された石英製保護管がア
    ルミナ製保護管に挿入されていることを特徴とする熱電
    対。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の焼成されてい
    ない熱電対が曲げられていることを特徴とする熱電対。
JP17093196A 1996-07-01 1996-07-01 熱電対 Pending JPH1019688A (ja)

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JP17093196A JPH1019688A (ja) 1996-07-01 1996-07-01 熱電対

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10281337B2 (en) 2013-09-20 2019-05-07 Furuya Metal Co., Ltd. Thermocouple and manufacturing method for same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10281337B2 (en) 2013-09-20 2019-05-07 Furuya Metal Co., Ltd. Thermocouple and manufacturing method for same

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