JPH10196335A - 内燃機関のバルブ特性制御機構及びバルブ特性制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブ特性制御機構及びバルブ特性制御装置

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JPH10196335A
JPH10196335A JP31570397A JP31570397A JPH10196335A JP H10196335 A JPH10196335 A JP H10196335A JP 31570397 A JP31570397 A JP 31570397A JP 31570397 A JP31570397 A JP 31570397A JP H10196335 A JPH10196335 A JP H10196335A
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cam
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valve characteristic
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Yuji Yoshihara
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Abstract

(57)【要約】 【課題】構成部材に要求される剛性を低減して、更なる
小型化や軽量化を可能とする内燃機関のバルブ特性制御
機構及びバルブ特性制御装置を提供する。 【解決手段】ロッカアーム本体16にはカムフォロワ2
2と、摺動孔24に対して往復移動するカムフォロワ固
定部材34が設けられている。カムフォロワ固定部材3
4が許容位置に位置するときには、カムフォロワ22の
往復動を許容する。又、カムフォロワ固定部材34が、
拘束位置に位置するときには、カムフォロワ22の下部
の当接脚部41の下面に当接してカムフォロワ22を拘
束する。カムフォロワ22に作用する力がカムフォロワ
固定部材34に作用した場合、カムフォロワ固定部材3
4はロッカアーム本体14に設けた摺動孔24の支持部
24aにて、カムフォロワ22と当接する面とは反対側
面を当接支持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の吸気バ
ルブや排気バルブの開閉時期やリフト量等のバルブ特性
を可変とする内燃機関のバルブ特性制御機構、及び同制
御機構が採用されたバルブ特性制御装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】内燃機関にとって最適なバルブ特性は、
同機関の運転状態に応じて変化する。したがって、運転
状態に応じてバルブ特性を可変とすることで、内燃機関
の性能を大きく向上することができる。そして従来よ
り、バルブ特性を可変とするバルブ特性制御装置が提案
され、実用化されている。
【0003】こうしたバルブ特性制御装置の一種とし
て、リフト量や作動角の異なる複数のカムを切り替える
ことでバルブ特性を可変とする、例えば実公平3−47
30号公報に記載されたバルブ特性制御装置が知られて
いる。
【0004】この装置は、図33にその平面構造を、ま
た図34に側面構造を示すように、低速カム13及び高
速カム14の2つのカムを用いるとともに、高速カム1
4と当接するプランジャ5をロッカアーム1に対して固
定あるいは遊動自在とするカム切り替え機構を備えてい
る。
【0005】ここで、上記ロッカアーム1は、ロッカシ
ャフト2に回動可能に固定されるとともに、図33に示
すように二股状に分岐した2本の腕部8,9を備えてお
り、全体として略Y字形状を呈している。一方の腕部8
には、筒状のガイド部材7が設けられている。このガイ
ド部材7内にはプランジャ5が摺動可能に配設されてお
り、このプランジャ5の先端は高速カム14が当接可能
となっている。他方の腕部9には、低速カム13が当接
可能となっている。また、ロッカアーム1の上記腕部
8,9と反対側の先端は、吸気バルブや排気バルブを構
成するポペット弁6の駆動部となっている。
【0006】上記プランジャ5が設けられた腕部8に
は、油圧に基づき移動するロッド3が配設されている。
このロッド3の先端には、板状の係脱部材4が取り付け
られている。また、ガイド部材7の内壁には長穴7aが
形成されており、係脱部材4はこの長穴7aを通じてプ
ランジャ5の移動軌跡上に進入可能となっている。
【0007】このように構成されたバルブ特性制御装置
にあって、ロッド3に油圧が作用し、ロッド3が図34
の右方に移動すると、前記係脱部材4はプランジャ5の
上方に移動してプランジャ5の上端面に係合し、プラン
ジャ5の上方への移動を阻止するようになる。そして、
係脱部材4のこうした図中右方への移動によってプラン
ジャ5の摺動が制限され、これらプランジャ5とロッカ
アーム1とは一体となって揺動するようになる。この状
態では、高速カム14のカム作用がプランジャ5を介し
てロッカアーム1に伝達され、上記ポペット弁6はこの
高速カム14にてリフトされるようになる。
【0008】一方、上記ロッド3への油圧が解除される
と、図示しないスプリングの付勢力によりロッド3は図
34の左方に移動し、係脱部材4とプランジャ5との係
合も解除される。この状態では、プランジャ5はロッカ
ーアーム1に対して遊動自在となり、高速カム14のカ
ム作用はプランジャ5を摺動させるだけで、ロッカアー
ム1には伝達されない。したがってこの場合、低速カム
13のカム作用のみがロッカアーム1に伝達されるよう
になり、上記ポペット弁6は低速カム13にてリフトさ
れるようになる。
【0009】同バルブ特性制御装置にあってはこのよう
に、ロッド3、係脱部材4等により構成されるカム切り
替え機構を通じてロッカアーム1を揺動せしめるカム1
3,14を切り替えることによってバルブ特性の変更を
実現している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、吸気バルブ
や排気バルブを構成する上記ポペット弁6は、その要求
される高速の開閉動作に追従するために、ロッカアーム
1に対して強力なばねにより常時付勢されている。そし
て、ロッカアーム1の上述した揺動は、このばねの付勢
力に抗して行われるため、同ロッカアーム1に働くカム
の作用力も自ずと大きなものとなる。
【0011】ところが上記従来の装置では、係脱部材4
がプランジャ5の上端面に係合してカム切り替え機構が
高速カム14のカム作用を選択しているとき、そのカム
作用力が直接プランジャ5及び係脱部材4を介してロッ
カアーム1に伝達される構成となっている。そしてこの
とき、上記係脱部材4は、ガイド部材7の内壁に形成さ
れている長穴7aを通してプランジャ5の上端面と係合
されているため、この係脱部材4には、プランジャ5の
外周側面とガイド部材7の内壁とによる強力なせん断力
が作用するようになる。したがって同装置の場合、上記
係脱部材4には上記せん断力に耐え得る高い剛性ととも
に相応の断面積を持たせる必要があり、その小型化や軽
量化も自ずと困難なものとなっている。
【0012】本発明はこうした実情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、構成部材に要求される剛性を低
減して、その更なる小型化や軽量化を可能とする内燃機
関のバルブ特性制御機構及びバルブ特性制御装置を提供
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】こうした目的を達成する
ため、請求項1記載の発明は、ロッカアーム本体と、前
記ロッカアーム本体に対して往復動可能に設けられたカ
ムフォロワと、前記ロッカアーム本体に設けられ、前記
カムフォロワの移動軌跡上に位置したときにカムフォロ
ワの移動を阻止するようにカムフォロワに当接してカム
フォロワを拘束する拘束位置とカムフォロワの移動軌跡
上から退避したときにカムフォロワの往復動を許容する
許容位置との間において移動可能に設けられたカムフォ
ロワ拘束部材とを備え、前記ロッカアーム本体には、前
記カムフォロワ拘束部材が拘束位置に位置したとき、カ
ムフォロワ拘束部材がカムフォロワと当接する面とは反
対側面を当接支持する支持部が設けられたことを特徴と
する内燃機関のバルブ特性制御機構をその要旨としてい
る。
【0014】請求項1記載の発明によれば、カムフォロ
ワ拘束部材が、カムフォロワの移動軌跡上から退避した
許容位置に位置するときには、カムフォロワの往復動が
許容される。また、カムフォロワ拘束部材が、カムフォ
ロワの移動軌跡上に位置した拘束位置に位置するときに
は、カムフォロワの移動が阻止され、その往復動が拘束
される。このとき、カムフォロワに作用するカムの大き
な作用力はカムフォロワ拘束部材にも作用するが、同カ
ムフォロワ拘束部材は、その反対側面がロッカアーム本
体に設けられ支持部にて当接支持されるため、そこには
圧縮力が働くのみでせん断力等は生じない。したがっ
て、このカムフォロワ拘束部材には高い剛性等は必要と
されず、同機構全体としても小型化や軽量化が容易とな
る。
【0015】また、請求項2記載の発明は、こうした請
求項1記載の発明において、前記ロッカアーム本体は、
前記カムフォロワが摺動する断面円形のガイド孔と、該
ガイド孔の底部に略L字状に差交して前記カムフォロワ
拘束部材が摺動する断面円形の摺動部とを備え、前記摺
動部の内周面の一部を前記カムフォロワ拘束部材の前記
拘束位置での支持部とすることをその要旨としている。
【0016】請求項2記載の発明によれば、カムフォロ
ワのガイド孔やカムフォロワ拘束部材の摺動部が単純な
断面円形にて形成されるため、その加工が容易であると
ともに、上記カムフォロワ拘束部材等もロッカアーム本
体内に収容されるかたちで同機構全体が構成されるた
め、その小型化等も更に容易となる。
【0017】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の発明において、前記ロッカアーム本体は前記摺動部
内に液圧室を有し、前記カムフォロワ拘束部材は、この
液圧室への液圧制御に基づき前記拘束位置と前記許容位
置との間を移動するものであることをその要旨としてい
る。
【0018】こうした請求項3記載の発明によれば、上
記カムフォロワ拘束部材の位置制御を液圧制御により簡
単且つ確実に実現することができる。なお、後述する実
施の形態においては、その作動液(液体)として機関潤
滑油が用いられる。
【0019】また、請求項4記載の発明は、請求項3記
載の発明において、前記摺動部は断面円形の摺動孔と該
摺動孔の周面両側に同摺動孔に沿って平行に形成された
断面半円形の摺動溝とからなり、前記ロッカアーム本体
は、前記液圧制御に基づき前記摺動孔内を摺動する円柱
状のピストンと、同摺動孔と前記ガイド孔との間に固定
されて前記カムフォロワの一側面に摺接されるキー部材
とを備え、前記カムフォロワ拘束部材は、各々一方端が
前記ピストンに係止されるとともに、前記カムフォロワ
に対向する他方端の各内側面に斜状の逃げ面を有して前
記キー部材を挟んだ状態で各々前記摺動溝を摺動する2
つの棒状部材からなることをその要旨としている。
【0020】請求項4記載の発明の上記構成によれば、
カムフォロワ拘束部材に形成される上記逃げ面の分だ
け、同カムフォロワ拘束部材の許容位置までの移動距離
を短縮することができるようになる。このため、当該機
構全体としての更なる小型化が可能ともなる。
【0021】また、請求項5記載の発明は、請求項4記
載の発明において、前記カムフォロワ拘束部材は、各々
前記斜状の逃げ面に前記摺動溝とのクリアランスよりも
小さいテーパ量にて前記カムフォロワの基端に向かい傾
斜するテーパ面を有して形成されることをその要旨とし
ている。
【0022】カムフォロワは機関の回転に応じて高速に
往復動するものであり、上記請求項4記載の発明の構成
にあっては、場合により、上記カムフォロワ拘束部材の
移動途中でその逃げ面の角部がカムフォロワ基端部と干
渉して弾かれるいわゆる切り替え不良が発生する懸念が
ある。この点、請求項5記載の発明の上記構成によれ
ば、カムフォロワ基端部との干渉があっても、上記テー
パ面がそれを受け、カムフォロワ拘束部材は上記クリア
ランスを通じて摺動溝に待避されるされるようになる。
そして、次にカムフォロワが上動した際には、上記カム
フォロワ拘束部材も確実に拘束位置に移動されるように
なり、その切り替え動作を確実ならしめることができ
る。
【0023】また、請求項6記載の発明は、上記請求項
3記載の発明において、前記カムフォロワ拘束部材は、
前記液圧制御に基づき前記摺動部内を摺動する円柱形状
を有するとともに、その前記カムフォロワに対向する先
端部に前記カムフォロワの基端と当接して同カムフォロ
ワの摺動を拘束する拘束部を有して構成されることをそ
の要旨としている。
【0024】請求項6記載の発明によれば、カムフォロ
ワ拘束部材の位置制御を液圧制御にて行うにしろ、カム
フォロワ拘束部材自身がそのピストンとしての機能等を
併せ持つこととなり、部品点数を更に少なくしてそのコ
スト低減を図ることができるようになる。
【0025】また、請求項7記載の発明は、上記請求項
1〜6のいずれかに記載の発明において、前記カムフォ
ロワはその先端にカムにより押圧される断面略矩形の被
押圧部を備え、前記ロッカアーム本体はその上面から突
出形成されて前記カムフォロワの前記被押圧部の一側面
に摺接係合される係合突起を更に備えることをその要旨
としている。
【0026】請求項7記載の発明の同構成によれば、カ
ムフォロワの回動を規制するためのクリアランスの設定
が、上記被押圧部と上記係合突起との2部品間のみによ
って行われるため、公差累積が極めて小さなものとな
り、このカムフォロワの回動を規制するための構造を精
度よく実現することができるようになる。
【0027】また、請求項8記載の発明は、上記請求項
1〜6のいずれかに記載の発明において、前記カムフォ
ロワはその先端にカムによる押圧に基づき回動するロー
ラ部材を有してその被押圧部が形成されることをその要
旨としている。
【0028】こうした請求項8記載の発明によれば、カ
ムフォロワのカムと当接される面の摩擦を低減したより
円滑な動弁動作を実現することができるようになる。ま
た、ロッカアーム本体がこうしたローラ部材を被押圧部
としてカム駆動される場合には、それらカムを、該ロー
ラ部材に適した同一の材質にて形成することができるよ
うにもなり、装置全体としての低コスト化が可能にな
る。
【0029】また、請求項9記載の発明は、請求項8記
載の発明において、前記ガイド孔は、前記カムフォロワ
の前記ローラ部材を有する被押圧部に対応して開口さ
れ、前記カムフォロワは、同ローラ部材を有する被押圧
部を通じて前記ガイド孔内を摺動することをその要旨と
している。
【0030】一般に、上記ローラ部材を用いてカムフォ
ロワの被押圧部を形成した場合、その先端部の質量が大
きくなり、コック等が発生し易くなるが、この請求項9
記載の発明によれば、質量の大きな被押圧部自身が上記
ガイド孔と摺接されるため、こうしたコック等の発生も
好適に回避されるようになる。
【0031】また、請求項10記載の発明は、上記請求
項1〜9のいずれかに記載の発明において、前記カムフ
ォロワの前記ロッカアーム本体からの抜けを防止する抜
け防止機構を更に備えることをその要旨としている。
【0032】請求項10記載の発明の同構成によれば、
当該制御機構の搬送時や、機関への装着時等においても
カムフォロワがロッカアーム本体から離脱することがな
いため、それら作業を効率よく行うことができるように
なる。また、こうしてロッカアーム本体からのカムフォ
ロワの抜けが防止されることにより、上記カムフォロワ
拘束部材等も確実にロッカアーム本体内に保持されるよ
うになり、部品の飛散等も良好に防止されるようにな
る。なお、上記抜け防止機構としては、・カムフォロワ
の側面、摺動方向に適宜長の長溝(係止溝)を設け、こ
の長溝に係止用の突起、ねじ、ピン等を挿入せしめてそ
の離脱を防止する構造。
【0033】・カムフォロワの基端部等にフランジを設
け、このフランジがロッカアーム本体の一部に当接され
ることでその離脱が防止される構造。等々がある。前者
の場合、上記係止用の突起、ねじ、ピン等はロッカアー
ム本体に固定されていてもよく、またこれに収容される
カムフォロワ拘束部材やその周辺部材等の一部であって
もよい。特に、これがロッカアーム本体にその外部から
螺入されたねじであるような場合、同機構の修理・点検
等のための分解も容易である。
【0034】また、請求項11記載の発明は、上記請求
項3〜10のいずれかに記載の発明において、前記液圧
室に供給される液体は機関潤滑油であり、少なくとも前
記ロッカアーム本体は、前記カムフォロワ拘束部材の前
記拘束位置において前記液圧室から潤滑所望部位へ前記
機関潤滑油を導き供給する油通路を更に備えることをそ
の要旨としている。
【0035】請求項11記載の発明のこうした構成によ
れば、カムフォロワ拘束部材が拘束位置にあって、まさ
に当該カムフォロワに対応するカムによっての駆動が能
動となっているときにのみ、その潤滑所望部位に対して
積極的な潤滑油の供給を行うことができるようになる。
このため、同潤滑所望部位でのピッチングや摩耗等も好
適に防止されるようになる。なお、こうした制御機構を
用いたバルブ特性制御装置にあって、その潤滑が所望さ
れる部位としては、ロッカアーム本体とバルブステム頭
部の当接部、あるいはカムフォロワとその対応するカム
との当接部等がある。
【0036】また、請求項12記載の発明は、請求項1
〜11のいずれかに記載のバルブ特性制御機構のロッカ
アーム本体は、ロッカシャフトと一体的に設けられ、前
記ロッカシャフトと離間して設けられたカムシャフトに
は高速用のカムと、低速用のカムとが設けられ、前記カ
ムフォロワは、前記高速用のカムに対して当接し得るよ
うに配置され、低速用のカムは、前記ロッカアーム本体
と当接し得るように配置されていることを特徴とする内
燃機関のバルブ特性制御装置を要旨とするものである。
【0037】請求項12記載の発明によれば、請求項1
〜11のいずれかに記載のバルブ特性制御機構の作用に
おいて、カムフォロワは、高速用のカムのカム作用によ
り駆動される。そして、カムフォロワ拘束部材がカムフ
ォロワの移動軌跡上から退避した許容位置に位置すると
きには、カムフォロワは移動するが、カムフォロワに作
用した力は、ロッカアーム本体には伝達されない。一
方、このとき、低速用のカムはロッカアーム本体を駆動
する。また、カムフォロワ拘束部材が、カムフォロワの
移動軌跡上の拘束位置に位置するときには、カムフォロ
ワのロッカアーム本体に対する相対移動が拘束される。
この結果、高速用のカムのカム作用にて押圧された力
は、ロッカアーム本体に伝達される。一方、このとき、
低速用のカムはロッカアーム本体に当接されず、同低速
用のカムがロッカアーム本体を駆動することはない。
【0038】また、請求項13記載の発明は、請求項1
〜11のいずれかに記載のバルブ特性制御機構のロッカ
アーム本体は、ロッカシャフトと一体的に設けられ、前
記ロッカシャフトと離間して設けられたカムシャフトに
は高速用のカムと、中速用のカムと、低速用のカムとが
設けられ、前記カムフォロワは、それぞれ前記高速用の
カムと前記中速用のカムとに対して当接し得るように配
置され、低速用のカムは、前記ロッカアーム本体と当接
し得るように配置されるとともに、前記中速用のカムに
当接されるカムフォロワには、その所定高さ以上の浮き
上がりを防止する摺動制限機構が設けられていることを
特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置を要旨とする
ものである。
【0039】カムフォロワを介してロッカアーム本体を
駆動するカムとして、上記高速用のカムと中速用のカム
との2種類のカムが用いられる場合には通常、高速用の
カムがロッカアーム本体を駆動するカムとして選択され
ているとき、中速用のカムとそれに対応するカムフォロ
ワとは常に接触するようになる。このため、高速リフト
時の、ただでさえ摩擦抵抗等の無視できない駆動状態に
あるにも拘わらず、同リフト動作に直接関係のないカム
及びカムフォロワ間の摩擦抵抗が発生することとなって
いる。この点、請求項13記載の発明によれば、上記摺
動制限機構を通じて中速用のカムの所定高さ以上の浮き
上がりが防止されることで、こうした余分な摩擦抵抗も
大きく軽減されるようになる。特に、中速用のカムに対
応するカムフォロワの浮き上がりがそれらカムのベース
円に接触しない程度の高さにロックされることで、高速
リフト時の上記中速用のカムとそのカムフォロワに起因
する余分な摩擦抵抗は皆無になるとともに、中速リフト
時のそれらカムとカムフォロワによる動作も保証される
ようになる。
【0040】また、請求項14記載の発明は、上記請求
項12または13記載の発明において、前記カムフォロ
ワの前記カムによる被押圧部と前記ロッカアーム本体の
前記低速用のカムによる被押圧部とは同一の形状を有し
て構成されることをその要旨としている。
【0041】上記被押圧部の形状としてはスリッパと称
される上述した断面略矩形のもの、あるいは上記ローラ
部材を用いたものなどがあるが、同請求項14記載の発
明によるように、各カムに当接されるそれら被押圧部の
形状を同一の形状とすることで、各カムとしてもそれら
形状に適した同一の材質にて形成することができるよう
になる。すなわち、装置全体としての低コスト化が可能
になる。
【0042】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、本発明における内燃機関の
バルブ特性制御装置を具体化した第1の実施の形態を図
1〜図7に従って説明する。
【0043】図3に示すようにカムシャフト11には、
低速カム13を挟んで両側に中速カム12、高速カム1
4が位置するようにそれぞれ固定されている。この中速
カム12、低速カム13、高速カム14は、それぞれバ
ルブタイミング及びバルブリフト量を異ならしめるカム
フェィスを備えている。すなわち、低速カム13は、低
速時において作用し、高速時に作用する高速カム14よ
りも、吸気バルブのバルブタイミングに関しては、高速
時よりも弁開時期が遅くなるように、且つ弁閉時期が早
くなるように設定されている。また、低速カム13は、
高速カム14よりもバルブリフト量が小さくなるように
も設定されている。中速カム12は、バルブタイミン
グ、及びバルブリフト量がそれぞれ低速カム13及び高
速カム14のバルブタイミング、及びバルブリフト量の
ほぼ中間となるように設定されている。
【0044】前記カムシャフト11に平行して、ロッカ
シャフト15が配置され、同ロッカシャフト15にはロ
ッカアーム本体16が揺動可能に取り付けされている。
ロッカアーム本体16の中央部上面には、ローラ17が
回動可能に支持され、前記低速カム13に対して当接可
能とされている。また、ロッカアーム本体16の上面中
央からは一対の腕部18が一体的に延出され、腕部18
の先端部には押圧当接部19が連結されている。押圧当
接部19の下方には、この実施の形態では吸気バルブ2
0が配置され、同押圧当接部19により、吸気バルブ2
0が開閉駆動される。
【0045】前記ロッカアーム本体16の両側部におい
て、両側上面には断面円形をなす一対のガイド孔21が
下方に向かって穿設されている。前記ロッカアーム本体
16の両側部内にはロッカシャフト15の軸線と直交す
る方向に断面円形の摺動孔24が一対穿設されている
(図3,4参照)。また、図5に示すように同摺動孔2
4の互いに180°隔てた両側部には、断面半円をなす
摺動溝25が摺動孔24と平行をなすように形成されて
いる。前記摺動孔24及び摺動溝25は前記ガイド孔2
1の下部と連通されている。前記ガイド孔21には、そ
れぞれ有蓋円筒状をなすカムフォロワ22が摺動可能に
挿入されている。各カムフォロワ22の上部である先端
部には前記中速カム12,高速カム14にそれぞれ当接
される被押圧部23が形成されている。
【0046】図1あるいは図2にガイド孔21部分の拡
大断面を示すように、カムフォロワ22の基端面には、
バネ収納孔22aが穿設され、バネ収納孔22a内には
コイルスプリング27が収納されている。コイルスプリ
ング27は、その下部がロッカアーム本体16に当接係
止されるとともに、上部がバネ収納孔22aの内底面に
係止されてカムフォロワ22を上方へ付勢する。また、
コイルスプリング27の付勢力は、吸気バルブ20の図
示しない弁バネの付勢力よりも十分小さく設定されてい
る。なお、図5に示すように摺動孔24の下部内周面は
断面円形状をなす凹部16bが凹設され、前記コイルス
プリング27の下端を収納している。
【0047】また、図1あるいは図2に示すように、前
記ガイド孔21の内周面の上下方向にはキー溝28が形
成され、同キー溝28には、キー29が嵌合されてい
る。一方、カムフォロワ22の外側面の上下方向には断
面コ字状の嵌合溝30が前記キー29に対して摺動可能
に形成されている。そして、前記キー29が嵌合溝30
に嵌合されていることにより、カムフォロワ22はガイ
ド孔21の軸心を中心とした相対回動が防止されてい
る。
【0048】また、図1あるいは図2に示すように、摺
動孔24の内底部には摺動孔24と同一径の断面円形を
なすとともに、共通軸心を有する油圧室26が形成され
ている。同油圧室26は、ロッカアーム本体16の油路
16a、ロッカシャフト15の軸心方向に沿って形成さ
れた油路15a(図3,図4)等を介して、図示しない
オイルポンプ(油圧駆動源)に接続されている。
【0049】前記油圧室26内には低円柱状をなすピス
トン32が往復摺動可能に嵌合されている。ピストン3
2の先端の周部には係合溝33が周回状に形成されてい
る。カムフォロワ拘束部材としての一対のカムフォロワ
固定部材34は、前記各摺動溝25に対して摺動可能に
嵌合され、その基端内側面に突出した係合部35が係合
溝33に係入されている。したがって、ピストン32が
油圧室26内を軸心方向に沿って往復動すると、カムフ
ォロワ固定部材34はピストン32とともに一体的に移
動する。すなわち、カムフォロワ固定部材34は、図1
に示すカムフォロワ22の移動軌跡上から退避した、カ
ムフォロワ22の往復動を許容する許容位置と、図2に
示すカムフォロワ22の移動軌跡上に位置して、カムフ
ォロワ22の移動を阻止すべくカムフォロワ22の下部
端面に当接してカムフォロワ22を拘束する拘束位置と
の間を移動可能とされている。
【0050】カムフォロワ固定部材34の内側面は平面
とされるとともに、その先端部の内側面は斜状の平面と
され、逃げ面36が形成されている。また、カムフォロ
ワ固定部材34の先端部上面は、平面とされて当接面3
7が形成されている。そして、この当接面37における
カムフォロワ固定部材34の上下厚みβは、図1(a)
に示すように、カムフォロワ22の非固定時(非拘束
時)のとき移動量αよりも大きくされている。こうした
カムフォロワ固定部材34の単体形状を図6に示す。
【0051】他方、前記キー29の下部両側には、図7
に示すように規制突起38が突設され、その先端面は平
面に形成されて前記各カムフォロワ固定部材34の内側
面に摺接可能に係合されている。そして、同規制突起3
8により、各カムフォロワ固定部材34の先端部は互い
に内方への移動が規制されている(図1(b),図2
(b)参照)。
【0052】また、前記キー29の下部の油圧室側側面
には円柱状のバネ係止突起39が突設されている。そし
て、バネ係止突起39と、ピストン32のキー側端面間
にはカムフォロワ拘束部材を付勢する付勢部材としての
コイルスプリング40が介装され、常時キー29とピス
トン32とを互いに離間する方向へ付勢している。
【0053】本実施の形態においては、前記ロッカアー
ム本体16、及びロッカアーム本体16内に組込まれる
カムフォロワ22、油圧室26、カムフォロワ固定部材
34、コイルスプリング27,40等によりバルブ特性
制御機構が構成されている。また、前記バルブ特性制御
機構、中速カム12、低速カム13、高速カム14、カ
ムシャフト11等により、バルブ特性制御装置が構成さ
れている。
【0054】次に、上記のように構成された内燃機関の
バルブ特性制御装置の作用を説明する。なお、中速カム
12、高速カム14にて駆動されるカムフォロワ22の
作動は同様であるため、バルブ特性制御機構のそれらカ
ムに対する作動としては、高速カム14に関する作動を
代表して説明する。
【0055】図1(a),(b)は、エンジンが低速で
回転している状態において、高速カム14にて駆動され
るカムフォロワ22側のバルブ特性制御機構の状態を示
している。この状態は、図示しないオイルポンプからの
油路15a,16aを介しての作動油の供給が停止され
て、コイルスプリング40の付勢力により、ピストン3
2が油圧室26の内底面に当接した状態とされ、したが
って、カムフォロワ固定部材34は、許容位置に位置し
ている状態である。
【0056】このとき、カムフォロワ22は、カムフォ
ロワ固定部材34にて固定(拘束)されていないため、
フリーの状態である。したがって、この状態で高速カム
14のカムリフトが生じても、すなわち高速カム14に
てカムフォロワ22の被当接部23が押圧されても、同
カムフォロワ22はコイルスプリング27に抗して、図
1(a)に実線にて示す下方位置と、二点鎖線で示す上
方位置との間を上下動するだけであり、ロッカアーム本
体16は、高速カム14にては駆動されない。コイルス
プリング27の付勢力が吸気バルブ20の弁ばねの付勢
力よりも十分小さく設定されていることは上述した通り
である。
【0057】したがって、ロッカアーム本体16は、低
速カム13または中速カム12のカムリフトが生じたと
きに、ロッカシャフト15を中心に揺動し、吸気バルブ
20を開閉駆動する。
【0058】一方、図2(a),(b)は、エンジンが
高速で回転している状態において、高速カム14にて駆
動されるカムフォロワ22側のバルブ特性機構の状態を
示している。
【0059】この状態は、図1の状態から、図示しない
電磁バルブにより、油路が切換えられ、図示しないオイ
ルポンプから、油路15a,16aを介しての作動油の
供給がなされ、コイルスプリング40の付勢力に抗し
て、ピストン32が油圧室26の内底面から離間した状
態とされ、したがって、カムフォロワ固定部材34は、
拘束位置に位置している状態である。
【0060】前記図1の状態から図2の状態への移行
は、高速カム14のカムリフトが生じていないときに行
われる。高速カム14のカムリフトが生じていないとき
は、コイルスプリング27の付勢力により、カムフォロ
ワ固定部材34は図1(a)の二点鎖線にて示す位置に
位置し、その下部は、図2(a)に示す位置に位置して
いる。
【0061】この状態で、油路が切換えられ、図示しな
いオイルポンプから、油路15a,16aを介しての作
動油の供給がなされると、ピストン32がコイルスプリ
ング40に抗して油圧により作動される。このピストン
21が油圧室26を摺動するときに、カムフォロワ固定
部材34は、キー29の規制突起38にて内方への変位
が規制された状態で、摺動溝25内を摺動する。そし
て、カムフォロワ固定部材34は、その先端部の当接面
37にてカムフォロワ22の下面に当接し、カムフォロ
ワ22を拘束する。なお、図1(a),図2(a)にお
いては、説明の便宜上、高速カム14の図示は省略して
いるが、被押圧部23は常時高速カム14に対して当接
されているため、カムフォロワ22が図2(a)の実線
位置より上方に移動することはない。
【0062】そして、次に高速カム14のカムリフトが
生じたとき、カムフォロワ22はカムフォロワ固定部材
34にて拘束され、ロッカアーム本体16と一体的に固
定されて移動できないため、ロッカアーム本体16が揺
動されて、吸気バルブ20が作動される。
【0063】なお、この高速カム14のカムリフトが生
じたとき、カムフォロワ22は被押圧部23が高速カム
14から押圧され、この押圧力はカムフォロワ22の下
部に当接しているカムフォロワ固定部材34が受ける。
そして、カムフォロワ固定部材34は、図5に示すよう
に摺動溝25の内周面下部25a、すなわち、ロッカア
ーム本体16にて支持されているため、カムフォロワ固
定部材34には、摺動溝25の内周面下部25aとカム
フォロワ22との間において圧縮力のみが働くことにな
り、カムフォロワ固定部材34に対してせん断力が働く
ことはない。前記摺動溝25の内周面下部25aが同カ
ムフォロワ固定部材34の支持部に相当する。
【0064】また、この実施の形態では、摺動溝25の
内周面下部25aにおいて、カムフォロワ固定部材34
から作用する押圧力の大部分は、ロッカアーム本体16
が受けることになる。そして、摺動溝25の内周面下部
25aにおいては断面円弧状とされているため、カムフ
ォロワ固定部材34から働く押圧力の一部はベクトル分
解されて、内方に働く。したがって、キー29の規制突
起38は、カムフォロワ固定部材34からの分圧された
押圧力を受ける。このとき、図5において示すように、
キー29の各規制突起38は互いに対称に形成されてお
り、また、カムフォロワ固定部材34も互いに対称とな
るように形成されているため、両規制突起38が受ける
押圧力は互いに等しく、したがって、キー29がこれら
押圧力にて変位することもない。
【0065】その後、図2の状態から図1の状態に移行
する場合には、図示しない電磁バルブにより油路が切換
られ、図示しないオイルポンプからの作動油の供給が停
止されることによって、コイルスプリング40の付勢力
によりピストン32が油圧室26の内底面に当接するま
で移動する。したがって、ピストン32とともに移動し
てカムフォロワ固定部材34は、許容位置に位置した状
態となる。
【0066】この結果、カムフォロワ22は、カムフォ
ロワ固定部材34にて固定(拘束)されないフリーの状
態となる。したがって、この状態で高速カム14のカム
リフトが生じても、すなわち高速カム14にてカムフォ
ロワ22の被当接部23が押圧されても、同カムフォロ
ワ22はコイルスプリング27に抗して、再び図1
(a)に実線にて示す下方位置と、二点鎖線で示す上方
位置との間を上下動する。このとき、ロッカアーム本体
16が高速カム14にて駆動されないことは上述した。
なお、同バルブ特性制御機構としての作動自体は高速
カム14に関する場合と中速カム12に関する場合とで
同一であるものの、それらカム14,12に各々対応す
るバルブ特性制御機構の油圧制御、すなわちカムフォロ
ワ固定部材34の位置制御が、例えばロッカシャフト1
5の両側に形成された各別の油路を通じて各別になされ
るものであることは云うまでもない。
【0067】上記の実施の形態は下記の効果を奏する。 1) この実施の形態では、カムフォロワ固定部材34
は、丸棒材の一部を平面に加工することにより、形成す
るとともに、また、カムフォロワ固定部材34を収める
摺動溝25を断面半円状に形成するという簡単な構成と
した。したがって、ロッカアーム本体16に対してカム
フォロワ固定部材34を簡単な加工にて収納することが
できる。したがって、バルブ特性制御機構の加工、及び
組付け作業は簡易に行うことができる。
【0068】2) また、当接面37におけるカムフォ
ロワ固定部材34の上下厚みβは、図1(a)に示すよ
うに、カムフォロワ22の非固定時(非拘束時)のとき
移動量αよりも大きくした。そして、カムフォロワ22
に作用する押圧力はカムフォロワ22の下部に当接して
いるカムフォロワ固定部材34が受け、カムフォロワ固
定部材34は、図5に示すように摺動溝25の内周面下
部25a、すなわち、ロッカアーム本体16にて支持さ
れる構成とした。このため、カムフォロワ固定部材34
には、摺動溝25の内周面下部25aとカムフォロワ2
2との間において圧縮力のみが働くことになり、カムフ
ォロワ固定部材34に対してせん断力が働くことはな
い。したがって、カムフォロワ固定部材34を従来と異
なり、高剛性を持たせる必要はなく、そのために、断面
積を大きくする必要もなくなる。その結果、カムフォロ
ワ固定部材34を小型化することができ、軽量化を図る
ことができる。
【0069】3) また、この実施の形態では、カムフ
ォロワ固定部材34に係合部35を突出形成してピスト
ン32に係合されるようにし、ピストン32とともに同
カムフォロワ固定部材34が移動できるようにした。こ
の結果、カムフォロワ固定部材34自体の構成も簡単な
ものとなり、全体としての部品点数も削減することがで
きる。
【0070】4) また、この実施の形態では、カムフ
ォロワ固定部材34の先端部には逃げ面36を形成し
た。この結果、図1(b)に示すようにカムフォロワ固
定部材34が許容位置に位置している状態において、カ
ムフォロワ22の一部をカムフォロワ固定部材34との
間に入れることができる。すなわち、図1(b)に示す
ように、ピストン32及びカムフォロワ固定部材34の
移動距離をγ分だけ短縮することができ、バルブ特性制
御機構としての小型化を図ることができる。ちなみに、
逃げ面36が仮にない場合には、カムフォロワ固定部材
34の先端部の先にカムフォロワ22を配置することに
なり、カムフォロワ固定部材34の移動方向におけるカ
ムフォロワ34とカムフォロワ固定部材34との配置に
要する長さは、逃げ面36がない場合に比較して少なく
ともγ分長くなることになる。そして、この場合には、
カムフォロワ固定部材34をカムフォロワ22の移動軌
跡上に配置して拘束位置に移動させる際にも、そのγ分
だけ大きな移動量が必要となる。 (第2の実施の形態)次に第2の実施の形態を図8〜図
11を参照して説明する。
【0071】なお、この実施の形態において、前記第1
の実施の形態と同一構成または相当する構成については
同一符号を付してその説明を省略し、異なるところを中
心に説明する。
【0072】この実施の形態では、図8あるいは図9,
図10に示すように、カムフォロワ22は、略円柱状を
なし、ガイド孔21に嵌合固定された円筒状のガイド筒
42に対して摺動可能に嵌合されている。また、ガイド
筒42外周にはコイルスプリング43が配設され、同コ
イルスプリング43の上下両端はカムフォロワ22の被
押圧部23の下面とロッカアーム本体16上面とに係止
されている。そして、コイルスプリング43は、前記第
1の実施の形態のコイルスプリング27と同様に、その
付勢力が吸気バルブ20の図示しない弁バネの付勢力よ
りも十分小さく設定され、カムフォロワ22を上方へ付
勢する。なお、前記ガイド筒42の下端面は、摺動孔2
4内に突出しないようにその上部内周面と面一に形成さ
れている。
【0073】また、カムフォロワ22の下部は、図9
(b)あるいは図10(b)に示すように摺動孔24の
軸心方向に沿った側面及び油圧室26側側面の計3側面
が平面を有するように切削されて略四角柱状に形成さ
れ、当接脚部41とされている。
【0074】また、この第2の実施の形態では、第1の
実施の形態の摺動溝25が省略され、断面円形をなす摺
動孔24がロッカアーム本体16に形成されている。ま
た、摺動孔24には略円柱状をなすカムフォロワ固定部
材34が摺動可能に配置されている。この実施の形態で
は、カムフォロワ固定部材34は、基端部がピストン機
能を備えるとともに、先端部側がカムフォロワ22を固
定する機能の両機能を備えている。
【0075】図11に示すようにカムフォロワ固定部材
34は、その先端は中央から切り込み形成した係合溝4
4が設けられ、同係合溝44を挟んで一対の側片45を
備えている。係合溝44の終端はカムフォロワ固定部材
34の軸心方向の中央に位置する。また、両側片45の
下部間には、前記係合溝44の終端から先端部側に延び
る当接部46が形成され、当接部46の上面は平面をな
す当接面47とされている。また、当接部46の係合溝
44終端面からの長さは、側辺45の係合溝44終端面
からの長さよりも短くされており、当接部46の先端部
と両側辺45との間には逃げ溝48が形成されている。
【0076】そして、前記係合溝44は、図9(b)あ
るいは図10(b)に示すようにカムフォロワ22の当
接脚部41が常時係入されて、互いに摺接可能とされて
いる。すなわち、カムフォロワ22は、当接脚部41が
係合溝44に係入された状態で上下移動可能とされてお
り、また、カムフォロワ固定部材34は、係合溝44内
に当接脚部41が係入された状態で、摺動孔24に沿っ
て往復移動可能である。したがって、カムフォロワ22
はその当接脚部41が両側辺45にて規制されることに
より、ガイド筒42の軸心周りの回動が防止されてい
る。
【0077】また、逃げ溝48を区画する側辺45の内
側面は、前記係合溝44を区画する内側面と連続する平
面とされており、図9(b)に示すカムフォロワ固定部
材34が許容位置に位置するときにおいて、上下移動す
る当接脚部41の係脱が可能である。
【0078】また、カムフォロワ固定部材34におい
て、係合溝44の終端面(カムフォロワ固定部材34の
中央部端面)には、バネ収納孔49がカムフォロワ固定
部材34の軸心方向に沿って穿設されている。
【0079】前記当接脚部41の油圧室側側面にはバネ
受け部材50が配設されている。前記バネ受け部材50
は、図10(a)に示すようにバネ収納孔49の開口4
9aを閉鎖可能な大きさとされており、当接部46の当
接面47上、及び側辺45の内側面を摺動可能とされて
いる。バネ受け部材50には円錐台状をなす係合突起5
1が突出形成されている。コイルスプリング40はバネ
収納孔49内に収納され、その一端は同バネ受け部材5
0の係合突起51に嵌合係止され、他端はバネ収納孔4
9の内底面に係止されている。このコイルスプリング4
0にてカムフォロワ固定部材34は油圧室26側に常時
付勢されている。
【0080】また、図9(a)に示すように、当接部4
6の上下厚みβは、カムフォロワ22の非固定時(非拘
束時)のとき移動量αよりも大きくされている。なお、
この実施の形態では、摺動孔24の内底面から所定長さ
の範囲までが油圧室26を構成している。
【0081】次に、上記ように構成された第2の実施の
形態の作用について説明する。図9(a),(b)は、
エンジンが低速で回転している状態において、高速カム
14にて駆動されるカムフォロワ22側のバルブ特性制
御機構の状態を示している。この状態は、図示しないオ
イルポンプからの油路15a,16aを介しての作動油
の供給が停止されて、コイルスプリング40の付勢力に
より、ピストン32が油圧室26の内底面に当接した状
態とされ、したがって、カムフォロワ固定部材34は、
許容位置に位置している状態である。
【0082】このとき、カムフォロワ22は、カムフォ
ロワ固定部材34にて固定(拘束)されていないため、
フリーの状態である。したがって、この状態で高速カム
14のカムリフトが生じても、すなわち高速カム14に
てカムフォロワ22の被当接部23が押圧されても、同
カムフォロワ22はコイルスプリング43に抗して、図
9(a)に実線にて示す下方位置と、二点鎖線で示す上
方位置との間を上下動するだけであり、ロッカアーム本
体16は高速カム14にて駆動されない。コイルスプリ
ング43の付勢力が吸気バルブ20の弁ばねの付勢力よ
りも十分小さく設定されていることは上述した通りであ
る。
【0083】したがって、ロッカアーム本体16は、低
速カム13または中速カム12のカムリフトが生じたと
きに、ロッカシャフト15を中心に揺動し、吸気バルブ
20を開閉駆動する。
【0084】一方、図10(a),(b)は、エンジン
が高速で回転している状態において、高速カム14にて
駆動されるカムフォロワ22側のバルブ特性機構の状態
を示している。
【0085】この状態は、図9の状態から、図示しない
電磁バルブにより、油路が切換えられ、図示しないオイ
ルポンプから、油路15a,16aを介しての作動油の
供給がなされ、コイルスプリング40の付勢力に抗し
て、カムフォロワ固定部材34が油圧室26の内底面か
ら離間した状態とされ、したがって、カムフォロワ固定
部材34は、拘束位置に位置している状態である。
【0086】前記図9の状態から図10の状態への移行
は、高速カム14のカムリフトが生じていないときに行
われる。高速カム14のカムリフトが生じていないとき
は、コイルスプリング43の付勢力により、カムフォロ
ワ固定部材34は図9(a)の二点鎖線にて示す位置に
位置し、その下部は、図10(a)に示す実線位置に位
置している。
【0087】この状態で、油路が切換えられ、図示しな
いオイルポンプから、油路15a,16aを介しての作
動油の供給がなされると、カムフォロワ固定部材34が
コイルスプリング40に抗して油圧により作動される。
カムフォロワ固定部材34は、摺動孔24(油圧室26
を含む)を摺動するときに、カムフォロワ22の当接脚
部41と係合溝44にて摺接させながら移動する。そし
て、カムフォロワ固定部材34は、その当接部46の当
接面47にてカムフォロワ22の当接脚部41の底面に
当接し、カムフォロワ22を拘束する。なお、図9
(a),図10(a)においても、説明の便宜上、高速
カム14の図示は省略しているが、被押圧部23は常時
高速カム14に対して当接されているため、カムフォロ
ワ22が図10(a)の実線位置より上方に移動するこ
とはない。
【0088】そして、次に高速カム14のカムリフトが
生じたとき、カムフォロワ22はカムフォロワ固定部材
34にて拘束され、ロッカアーム本体16と一体的に固
定されて移動できないため、ロッカアーム本体16が揺
動されて、吸気バルブ20が作動される。
【0089】なお、この高速カム14のカムリフトが生
じたとき、カムフォロワ22は被押圧部23が高速カム
14から押圧され、この押圧力はカムフォロワ22の下
部に当接しているカムフォロワ固定部材34の当接部4
6が受ける。そして、カムフォロワ固定部材34は、図
10に示すように摺動孔24の内周面下部24a、すな
わち、ロッカアーム本体16にて支持されているため、
カムフォロワ固定部材34には、摺動孔24の内周面下
部24aとカムフォロワ22との間において圧縮力のみ
が働くことになり、カムフォロワ固定部材34に対して
せん断力が働くことはない。本実施の形態においては、
前記摺動孔24の内周面下部24aがカムフォロワ固定
部材34の支持部に相当する。
【0090】その後、図10の状態から図9の状態に移
行する場合には、図示しない電磁バルブにより油路が切
換られ、図示しないオイルポンプからの作動油の供給が
停止されることにより、コイルスプリング40の付勢力
によって、カムフォロワ固定部材34が油圧室26の内
底面に当接するまで移動する。したがって、カムフォロ
ワ固定部材34は、許容位置に位置した状態となる。
【0091】この結果、カムフォロワ22は、カムフォ
ロワ固定部材34にて固定(拘束)されないフリーの状
態となる。したがって、この状態では高速カム14のカ
ムリフトが生じても、すなわち高速カム14にてカムフ
ォロワ22の被当接部23が押圧されても、コイルスプ
リング43に抗して、図9(a)に実線にて示す下方位
置と、二点鎖線で示す上方位置との間を上下動する。こ
のとき、ロッカアーム本体16が高速カム14にて駆動
されないことは上述した。
【0092】上記の実施の形態は下記の効果を奏する。 1) この実施の形態では、カムフォロワ固定部材34
は、丸棒材を加工することにより形成するとともに、ま
た、カムフォロワ固定部材34を収める摺動孔24を断
面円状に形成するという簡単な構成とした。したがっ
て、ロッカアーム本体16に対してカムフォロワ固定部
材34を簡単な加工にて収納することができる。したが
って、バルブ特性制御機構の加工、及び組付け作業は簡
易に行うことができる。
【0093】2) また、この実施の形態では、第1の
実施の形態と異なり、カムフォロワ固定部材34は、基
端部がピストン機能を備えるとともに、先端部側がカム
フォロワを固定する機能の両機能を備えさせるようにし
た。この結果、一つの部材にて両機能を持たせるように
したため、部品点数及び組付け工数を更に削減すること
ができ、コストの低減を図ることができる。また、第1
の実施の形態と異なり、摺動溝25は必要でないため、
ロッカアーム本体16に対する穴開け加工を少なくする
ことができる。
【0094】3) また、当接部46におけるカムフォ
ロワ固定部材34の上下厚みβは、図9(a)に示すよ
うに、カムフォロワ22の非固定時(非拘束時)のとき
移動量αよりも大きくした。そして、カムフォロワ22
に作用する押圧力はカムフォロワ22の下部に当接して
いるカムフォロワ固定部材34が受け、カムフォロワ固
定部材34は、図10に示すように摺動孔24の内周面
下部24a、すなわち、ロッカアーム本体16にて支持
される構成とした。このため、カムフォロワ固定部材3
4には、摺動孔24の内周面下部24aとカムフォロワ
22との間において圧縮力のみが働くことになり、カム
フォロワ固定部材34に対してせん断力が働くことはな
い。したがって、カムフォロワ固定部材34を従来と異
なり、高剛性を持たせる必要はなく、そのために、断面
積を大きくする必要もなくなる。その結果、カムフォロ
ワ固定部材34を小型化することができ、軽量化を図る
ことができる。
【0095】4) また、この実施の形態では、カムフ
ォロワ固定部材34の当接脚部41を摺動孔24の軸心
方向に沿った側面を平面を有するように切削し、係合溝
44内において、図9(b)あるいは図10(b)に示
すようにカムフォロワ22の当接脚部41の常時係入さ
れて、互いに摺接可能とした。この結果、カムフォロワ
22はその当接脚部41が両側辺45にて規制されるこ
とにより、ガイド筒42の軸心周りの回動が防止でき、
第1の実施の形態と異なり、キー29等の部品を省略す
ることができる。この結果、部品点数を更に少なくし
て、コスト低減を図ることができる。
【0096】(第3の実施の形態)次に、第3の実施の
形態を図12〜図14を参照して説明する。なお、本実
施の形態は前述した第2の実施の形態にかかるバルブ特
性制御機構と基本的な構成を同一とするものであり、そ
の構成部材の多くは、多少の形状を異にするもその機能
や作用においては共通するものである。したがって、前
記第2の実施の形態と同一構成または相当する構成につ
いては同一符号を付してその説明を省略し、異なるとこ
ろを中心に説明する。
【0097】本実施の形態のロッカアーム本体16で
は、前記第2の実施の形態においてカムフォロワ22の
摺動軸心を固定すべくガイド孔21内に嵌合固定された
ガイド筒42は設けられておらず、カムフォロワ22は
ガイド孔21内に直接挿入されている。ただし、同ガイ
ド孔21の内周を被うように形成された環状突部31
が、ガイド孔21を延伸すべく、ロッカアーム本体16
上方に突出形成されている。また、この環状突部31の
外周には、カムフォロワ22をカム12,14に対して
付勢するコイルスプリング43の下方端部が装着されて
いる。
【0098】更に、ロッカアーム本体16には、カムフ
ォロワ22の被押圧部23の後方側面23aと摺接係合
されるべく同本体16上面より突出形成された係合突起
52が、各カムフォロワ22につき2つずつ設けられて
いる。この係合突起52は、カムフォロワ22の摺動範
囲において、被押圧部23の後方側面23aと係合し続
けるよう、その高さが設定されている。
【0099】したがって、カムフォロワ22がその摺動
軸心を中心として回動しようとした場合でも、同カムフ
ォロワ22の被押圧部23の後方側面23aと係合突起
52の一方とが当接して、カムフォロワ22のそれ以上
の回動が制限されるようになる。
【0100】以上説明した本実施の形態は、第2の実施
の形態にて記した効果に加え、更に以下の効果を奏す
る。 1) 本実施の形態では、第2の実施の形態のようにガ
イド筒42を設けずとも、ガイド孔21内に直接カムフ
ォロワ22を挿入することで同カムフォロワ22の摺動
軸心を固定することができる。そのため、バルブ特性制
御機構の構成部材点数を更に削減し、製造コストの削減
を図ることができる。
【0101】2) 本実施の形態では、コイルスプリン
グ43は環状突部31の外周に嵌合される構成となって
おり、カムフォロワ22の胴部22bとコイルスプリン
グ43とが直接接触しない構成となっている。内燃機関
の運転中に高速で上下動を繰り返すカムフォロワ22の
胴部22bと直接接触しないことで、該胴部22bの外
周面及びコイルスプリング43の内周面の摩耗損傷の発
生を防止することができる。
【0102】3) カムフォロワ22の被押圧部23の
上端面、すなわちカム14,12との当接面は、該当カ
ム14,12と摺動を円滑ならしめるため、ある程度の
曲率を有する曲面となっている。そのため、カムフォロ
ワ22がその摺動軸心を中心として回動した場合、カム
14,12と被押圧部23の上端面との接触面は、線接
触から点接触となる。こうして接触面積が縮小すること
により、接触面間の圧力が上昇し、ピッチングやスカッ
フィング等の表面損傷が発生し易い状態となる。こうし
た不具合を防止するため、カムフォロワ22の回動角は
極力小さく抑えることが望ましい。ここに、先の第2の
実施の形態では、こうした回動の制限を、図15(a)
に模式的に示すように、カムフォロワ固定部材34の逃
げ溝48の壁面とカムフォロワ22の脚部41に形成さ
れた両側片45との係合により行う構成としている。た
だしこの構成では、係合部材間のクリアランスa及びb
の和を、カムフォロワ22の側片45間の幅、同側片4
5の面の摺動軸心に対する平行度、逃げ溝48内壁間の
幅、同溝48内壁の摺動軸心に対する平行度、及びロッ
カアーム本体16におけるガイド孔21及び摺動孔24
の位置に関する寸法公差の和以上に設定する必要があ
る。これは、これらの寸法公差の和以上にクリアランス
a及びbの和を設定しないと、構成部材の組付けができ
なくなる場合があるためである。一方、本実施の形態で
は、上記の回動の制限を、図15(b)に示すように、
被押圧部23と係合突起52との係合により行う構成と
している。こうした構成では、係合部材間のクリアラン
スcは、係合突起52の係合面、カムフォロワ22の摺
動軸心と被押圧部23の後方側面23aとの間の長さ、
後方側面23aの平行度及びロッカアーム本体16にお
けるガイド孔21の位置に関する寸法公差以上となるよ
う設定される。この場合、上記第2の実施の形態に比し
て係合部材間のクリアランス設定時に考慮すべき部位数
が少ないため、クリアランスcを比較的小さく、すなわ
ちより高精度に設定することができる。したがって、カ
ムフォロワ22の回動角を更に小さくすることが可能と
なり、カム14,12と被押圧部23との当接面の表面
損傷の発生を更に抑制することができる。
【0103】なお、本実施の形態においては、各カムフ
ォロワ22につき、いわば点接触するかたちで2つずつ
の係合突起52を設ける構成としたが、他に例えば、こ
れら係合突起52を1つの長尺状の形状にして、いわば
線接触するかたちでこうした係合突起を設ける構成とし
てもよい。
【0104】(第4の実施の形態)次に、第4の実施の
形態を図16及び図17を参照して説明する。本実施の
形態にかかるバルブ特性制御機構は、前記第3の実施の
形態のバルブ特性制御機構にカムフォロワ22の抜け防
止機構を設けたものである。以下に、この抜け防止機構
について説明する。
【0105】カムフォロワ22の脚部41にあって、ば
ね受け部材50と当接する平面41aには、図17
(a)にカムフォロワ22の単体形状を示すように、同
カムフォロワ22の摺動軸心と平行に延伸する係止溝5
3が形成されている。一方、ばね受け部材50の先端面
には、図17(b)及び(c)に示すように、係止突起
54が前方に対して突出形成されている。組み付け時に
は、図16に示すように、係止突起54は係止溝53内
に摺動可能に挿入される構成となる。
【0106】係止溝53は、カムフォロワ固定部材34
による摺動の制限が解除された許容状態において、カム
フォロワ22のロッカアーム本体16に対する摺動を阻
害しないよう十分な長さが設定されている。ただし、そ
の摺動範囲を越え、カムフォロワ22がロッカアーム本
体16に対して更に上方に移動しようとした場合、係止
溝53の下方側端部と係止突起とが当接し、同カムフォ
ロワ22のそれ以上の移動を制限する構成となってい
る。なお、これら係止溝53及び係止突起54により抜
け防止機構が構成されている。
【0107】以上説明した本実施の形態は、前記第3の
実施の形態の効果に加え、更に以下の効果を奏する。 1) 前述のように、カムフォロワ22はガイド孔21
内に摺動自在に遊嵌されており、被押圧部23上端面が
カム12,14に当接することでその上方への摺動が制
限される構造となっている。したがって、内燃機関に組
み付けるまで、カムフォロワ22はロッカアーム本体1
6と容易に分離可能であり、コイルスプリング43の反
力、重力等の作用により、バルブ特性制御機構単体での
搬送時、あるいは組み付け作業時等に離脱するおそれが
あった。本実施の形態では、新たな構成部材を付加する
ことなく、非常に簡単な構造でロッカアーム本体16と
カムフォロワ22との分離を防止し、ひいてはカムフォ
ロワ固定部材34等の分離も防止し、それらを一体部材
としての取り扱うことができるようになる。
【0108】(第5の実施の形態)次に、第5の実施の
形態を図18に基づいて説明する。本実施の形態は、前
記第4の実施の形態の変形であり、抜け防止機構の構成
を変更したものである。以下、この変更点について説明
する。
【0109】カムフォロワ22にあって、ガイド孔21
に摺接する軸部には、係止溝53が形成されている。同
溝53内には、ロッカアーム本体16側面より螺合挿入
されたねじ55が摺動可能に挿入されている。前記第4
の実施の形態と同様に、カムフォロワ22が作動時にお
ける摺動範囲を逸脱して更に上方へと移動しようとした
場合、ねじ55と溝53の下方端部が当接し、カムフォ
ロワ22がそれ以上の移動することを制限する。なお、
これら係止溝53及びねじ55により抜け防止機構が構
成されている。
【0110】以上の本実施の形態は、前記第4の実施の
形態の効果に加えて、更に以下の効果を奏する。 1) カムフォロワ22の抜け防止機構を構成するねじ
55は、容易にロッカアーム本体16に取り付けあるい
は取り外しすることができる。したがって、バルブ特性
制御機構の組立てや修理・点検等のための分解も容易で
ある。
【0111】なお、こうした抜け防止機構としては、こ
れら第4及び第5の実施の形態以外にも、例えば ・カムフォロワ22の基端部等にフランジを設け、この
フランジがロッカアーム本体16の一部に当接されるこ
とでその離脱が防止される構造。 なども適宜採用することができる。
【0112】(第6の実施の形態)次に、第6の実施の
形態を図19及び図20に基づき説明する。本実施の形
態にかかるバルブ特性制御装置は、図19に示すよう
に、カムシャフト11に設けられた、ベース円の径が同
一でリフト量及びリフト幅の異なる3つのカム、すなわ
ち低速カム13,中速カム12,高速カム14によって
駆動される。これらカム13,12,14のリフト量及
びリフト幅は、低速カム13,中速カム12,高速カム
14の順に大きくなっている。また、これらカム13,
12,14のリフト部のプロフィールは、中速カム12
は高速カム14の内周に、また低速カム13は中速カム
14の内周にそれぞれ位置するよう構成されている。
【0113】また、拘束状態における各カムフォロワ2
2b,22cは、低速駆動時に低速カム13と当接する
ローラ17の外周最上部と該当カムフォロワ22b,2
2cの被押圧部23上端面とが同じ高さに位置するよう
設定されている。これは、各カム12,13,14動作
時において、カムベース円部にてロッカアーム本体16
が揺動されている状態での吸気バルブ20の開度を一定
に保つためである。図20に、こうしたカムベース円駆
動時におけるバルブ特性制御装置の様相を示す。なお以
下では、このときのロッカアーム本体16上端面から各
カムフォロワ22b,22cの被押圧部23上端面まで
の高さをベース円高さということとする。
【0114】前述したように、高速カム14にてロッカ
アーム本体16が揺動される高速動作時には、高速側カ
ムフォロワ22cはロッカアーム本体16と一体となり
揺動する拘束状態にあり、中速カム側カムフォロワ22
bはロッカアーム本体16に対して自由に揺動する許容
状態にある。このときバルブ特性制御装置では、中速側
カムフォロワ22bはコイルスプリング43の付勢力に
より押し上げられ、常に中速カム12と被押圧部23と
が当接した状態にある。
【0115】図21に、高速カム14のリフト部により
ロッカアーム本体16が押し下げられている高速リフト
時の状態を示す。同図に示すように、高速リフト時にあ
っては、ロッカアーム本体の揺動(駆動)と本来無関係
な中速側カムフォロワ22cまでもが中速カム12と当
接しており、その被押圧部23と中速カム12との間に
は余計な摩擦抵抗が発生していた。
【0116】本実施の形態のバルブ特性制御装置では、
中速側カムフォロワ22bに、先の第5の実施の形態に
おける抜け防止機構と同様に係止溝53及びねじ55よ
り構成される摺動制限機構が設けられている。ただし、
この摺動制限機構では、中速側カムフォロワ22bの摺
動を先述のベース円高さと同じか、それよりやや下方に
て係止すべく係止溝53の下端部の位置が設定されてい
る。したがって、図22に示すように、高速リフト時に
あっては、中速側カムフォロワ22bの被押圧部23上
端面は中速カム12と非接触となる。
【0117】以上の本実施の形態は、前記第3の実施の
形態の効果に加え、以下の効果を奏するものである。 1) 高速リフト時には、中速側カムフォロワ22bの
被押圧部23上端面と中速カム12とが非接触となって
いるため、これらの当接部に作用する摩擦抵抗をなくす
ことができる。したがって、高速リフト時の、ただでさ
え摩擦抵抗等の無視できない駆動状態にあってカムシャ
フト11の回転トルクを好適に低減することができ、バ
ルブ特性制御装置としての動作を円滑とすることができ
るほか、中速カム12及び中速側カムフォロワ22bの
被押圧部23上端面の摩耗損傷を低減することもでき
る。
【0118】2) この摺動制限機構は、前記第4ある
いは第5の実施の形態における抜け防止機構としても作
用するため、これらの実施の形態に記載の効果も同様に
得ることができる。ちなみに、同摺動制限機構として
は、先の第4の実施の形態にて例示した図16及び図1
7の構造を採用することもできる。
【0119】なお、本実施の形態にあっては、高速リフ
ト時、中速側カムフォロワ22bの被押圧部23上端面
と中速カム12とが非接触となるようにその摺動制限高
さを設定したが、それら中速側カムフォロワ22bの被
押圧部23上端面と中速カム12とが多少接触される場
合でも、こうした摺動制限機構を設けることで、上記余
計な摩擦抵抗を低減することはできる。
【0120】(第7の実施の形態)次に、第7の実施の
形態を図23及び図24に基づき説明する。なお、本実
施の形態にかかるバルブ特性制御機構は、前記第3の実
施の形態のものに潤滑用の油通路を設けたものである。
以下、この油通路の構造について説明する。
【0121】図23にカムフォロワ22の拘束状態にお
けるバルブ特性制御機構の側部断面構造を示す。油圧室
26の側壁上方には、拘束位置におけるカムフォロワ固
定部材34の後方端部に接するように油通路56が開口
している。この油通路56は、カムフォロワ22が挿入
されたガイド孔21に連通している。
【0122】また、カムフォロワ22のガイド孔21と
の摺接部には、その外周を一周するよう形成された環状
油路57が設けられている。なお、この環状溝57は、
該カムフォロワ22の脚部41下端面がカムフォロワ固
定部材34の当接面47上に当接した状態、すなわち拘
束状態にあって、前記油通路56のガイド孔21側開口
部と連通する位置に形成されている。
【0123】一方、ガイド孔21側壁にあって油通路5
6の開口部と対向する部分には、油通路58が開口して
いる。この油通路58は、ロッカアーム本体16の先端
側(図23の右側)に延伸されており、同ロッカアーム
本体16の外部に対して開口している。また、この油通
路57の延長線上には、ロッカアーム本体16の押圧当
接部19と吸気バルブ20との当接部が位置するよう構
成されている。
【0124】カムフォロワ22がロッカアーム本体16
と一体となって揺動する拘束状態にある場合、図23に
示すように、カムフォロワ固定部材34は拘束位置に位
置しており、油圧室32と油通路56とが連通する。し
たがって、ロッカシャフト15の油路15aより油圧室
32に供給された作動油(機関潤滑油)は、その油圧に
よりカムフォロワ固定部34を付勢するとともに、油通
路56,環状油路57及び油通路58を通じて圧送さ
れ、油通路58のロッカアーム本体16外部側の開口部
より噴射される。こうして噴射された作動油は、押圧当
接部19と吸気バルブ20との当接部、すなわち同バル
ブ20のステム頭部に供給される。
【0125】一方、カムフォロワ22がロッカアーム本
体16に対して自在に遊動する許容状態にある場合、図
24に示すように、ロッカアーム固定部材34は許容位
置に位置し、油通路56の開口部は同ロッカアーム固定
部材34の側面により閉鎖される。
【0126】以上説明した本実施の形態は、前記第3の
実施の形態の効果に加え、更に以下に効果を奏する。 1) ロッカアーム本体16の押圧当接部19と吸気バ
ルブ20のステム頭部との当接部は、吸気バルブ20の
弁ばねの付勢力に基づく高い圧力が作用し、且つ吸気バ
ルブ20の上下動に伴い摺動するため、ピッチングや摩
耗等の表面損傷が生じ易い。したがって、当該当接部に
作動油を供給することでその表面が潤滑されるため、同
当接部を表面損傷から保護することができる。
【0127】2) また、上記ロッカアーム本体16の
押圧当接部19と吸気バルブ20のステム頭部との当接
部への作動油の供給はカムフォロワ22の拘束状態にお
いてのみなされるため、同作動油が無駄に流通すること
もない。
【0128】3) カムフォロワ22の摺動許容状態時
にも、ロッカシャフト15内に形成された油路15a,
該油路15aと油圧室32と連通する油路16aあるい
は油圧室32の内部には作動油が残留している。このよ
うな作動油は、ロッカシャフト2とロッカアーム本体1
6との摺接部等の潤滑に用いられる。また、作動油が残
留していると、油圧室32内の油圧を十分に高めるため
新たに供給しなければならない作動油の量が少なくてす
むことから、拘束状態への移行時間を短縮することがで
きる。したがって、同許容状態にあっても、油圧室32
内等には、ある程度の作動油が残留していることが望ま
しい。本実施の形態では、許容状態時には油通路56の
開口部が自動的に閉鎖されるため、残留した作動油の漏
出を低減することができる。
【0129】4) 油通路56,環状通路57及び油通
路58は、ロッカアーム本体16及びカムフォロワ22
に追加工するだけで形成することができる。したがっ
て、新たな構成部材を追加せずとも、上記当接部の潤滑
を行うことができる。
【0130】なお、本実施の形態では、カムフォロワ2
2に環状溝57を形成し、これを潤滑油通路の一部とす
る構成としたが、他に例えば図25に示すように、拘束
状態において油通路56及び油通路58と連通する挿通
孔67をカムフォロワ22に形成し、この挿通孔67を
介して作動油を供給する構成としてもよい。また、ガイ
ド孔21の内周壁に環状の溝を形成し、これを潤滑油通
路の一部とする構成としてもよい。
【0131】また、本実施の形態では、押圧当接部19
と吸気バルブ20との当接部に作動油を供給する構成と
したが、更に図26に示すように、カムフォロワ22の
内部にその摺動軸線に沿って上方に延伸され、カムフォ
ロワ22の頭部上端面に開口する油通路68を形成し、
該頭部上端面と該当カム12,14との摺動面の潤滑を
行うように構成してもよい。また、潤滑油通路をロッカ
アーム本体16の上端面に設けたノズルに連通させ、そ
こから上記摺動面に作動油を吹きかける構成としてもよ
い。
【0132】(第8の実施の形態)次に、第8の実施の
形態を、図27から図29に基づき説明する。なお、本
実施の形態にかかるバルブ特性制御機構は、前記第1の
実施の形態のものと基本的な構成を同一とするものであ
る。したがって、前記第1の実施の形態と同一の構成に
ついては同一符号を付してその説明を省略し、相違点の
み説明する。
【0133】前記第1の実施の形態のバルブ特性制御機
構において、カムフォロワ22の摺動規制を行うカムフ
ォロワ固定部材34の先端部には、該固定部材34の収
容空間を縮小するため、逃げ面36が形成されている。
前述したように、該当カムフォロワ22を許容状態から
拘束状態に移行させる場合には、油圧室26内の油圧に
よりピストン32及びカムフォロワ固定部材34を拘束
位置(図1参照)に移動させる。
【0134】ところがこうした構造にあっては、図27
に示すように、カムフォロワ固定部材34が移動し始め
た直後に、該当カムフォロワ22が下方に移動し、同カ
ムフォロワ22の下端縁部とカムフォロワ固定部材34
の逃げ面36の角部とが接触する半乗り状態となること
がある。このとき、カムフォロワ22の下端部と逃げ面
36の角部とが干渉し、拘束位置への移動途中でカムフ
ォロワ固定部材34が許容位置方向に弾き返されてしま
い、円滑に拘束状態に移行できなくなることが懸念され
る。
【0135】そこで本実施の形態のバルブ特性制御機構
では、図28(a)にその正面(断面)構造を、また図
28(b)にその模式的な斜視構造をそれぞれ示すよう
に、逃げ面36をカムフォロワ22の摺動軸心に対して
傾斜した構成としている。また、カムフォロワ固定部材
34と摺動溝25とのクリアランスβは、逃げ面36の
テーパ量αよりも大きく設定されている。
【0136】上記のごとく許容位置から拘束位置への移
動途中において、カムフォロワ22がカムフォロワ固定
部材34の逃げ面36と干渉した場合、テーパ面とした
逃げ面36がこれを受け、図28(a)及び図29に矢
指するように、カムフォロワ固定部材22は摺動溝25
とのクリアランスを通じて退避可能となる。このとき、
逃げ面36のテーパ量αよりもクリアランスβが大きく
設定されているため、カムフォロワ22は更に下方に向
かって移動することができる。その後、カムフォロワ2
2が上方に移動した際に、カムフォロワ固定部材34は
確実に拘束位置へと移動される。
【0137】以上説明した本実施の形態は、前記第1の
実施の形態の効果に加え、更に以下の効果を奏する。 1) カムフォロワ固定部材34がカムフォロワ22と
の干渉により弾き返されることで生じる拘束状態への移
行不良の発生を防止することができる。
【0138】2) 上記構成は、前記第1の実施の形態
の構成部材への追加工のみで実施することができるた
め、構成部材点数を増加させることなく、上記効果を得
ることができる。
【0139】(第9の実施の形態)次に、第9の実施の
形態を図30から図32に基づき説明する。なお、図3
0に本実施の形態にかかるバルブ特性制御装置の平面構
造を、図31に同装置の側断面構造を、図32に同装置
の正面断面構造をそれぞれ示す。
【0140】本実施の形態にかかるバルブ特性制御装置
は、低速カム13及び高速カム14の2つのカムを有
し、吸気バルブ20を揺動せしめるカム13,14を切
り替えることでバルブ特性を可変としている。
【0141】本実施の形態にかかるロッカアーム本体1
6上部の一側部(図32の左方側部)には、低速カム1
3と当接される低速ローラ60が回動可能に支持されて
いる。また、ロッカアーム本体16の先端部の上部中央
からは略T字状に延伸する一対の腕部18が設けられて
おり、その先端部には吸気バルブ20を押し圧すること
で開閉駆動せしめる押圧当接部19が連結されている。
【0142】一方、ロッカアーム本体16にあって低速
ローラ60の反対側の側部(図32の右方側部)には、
断面円形状をなすガイド穴62が下方に向かって形成さ
れている。また、このガイド穴62の下端面からはスプ
リング収容穴63が、同スプリング収容穴63の下端面
からは脚部摺動孔64がそれぞれ下方に向かって形成さ
れている。ロッカアーム本体16の下部には、脚部摺動
孔63と連通する摺動孔24がロッカシャフト15と平
行する方向に形成されている。
【0143】ガイド穴61内には、高速カム14と当接
する高速ローラ61が設けられたローラカムフォロワ6
5が同穴61内を摺動可能に配設されている。このカム
フォロワ65は、略円柱形状をなす頭部66を備え、同
頭部66の上面には高速ローラ60が回転可能に支持さ
れている。また、ローラカムフォロワ65の脚部41
は、前記第2の実施の形態におけるカムフォロワ22の
ものと同形状となっている。また、スプリング収容穴6
3にはコイルスプリング43が配設されている。このコ
イルスプリング43は、ローラカムフォロワ65の頭部
66下端面と当接し、該フォロワ65を高速カム14に
対して付勢している。なお、ローラカムフォロワ65
は、頭部66の外周壁とガイド穴62の内壁との摺接に
より支持され、その摺動軸心が固定されている。
【0144】一方、摺動孔24内には、前記第2の実施
の形態のものと同じカムフォロワ固定部材34が配設さ
れており、同様にローラカムフォロワ65の摺動を拘束
あるいは許容せしめる機能を有している。
【0145】以上の本実施の形態は、前記第2の実施の
形態の効果に加え、更に下記の効果を奏する。 1) 高速カム14のカム作用をローラにてロッカアー
ム本体に伝達する構成としたことで、高リフト時のカム
回転に伴う摩擦を削減し、カムシャフト11の回転トル
クを低減することが可能となり、ひいては内燃機関の燃
費を向上せしめることができる。
【0146】2) 本実施の形態以前に説明した各実施
の形態のように、カムフォロワの被押圧面としてローラ
を用いるローラフォロワと摺動面にて受けるスリッパフ
ォロワを混在させた構造とすると、カムシャフト11に
設けられたカムを別材質によって構成する必要がある。
これは、カムとフォロワとの接触が滑り接触であるか、
転がり接触であるかによってカムのプロフィール面に発
生し易い表面損傷が異なり、それぞれに対して耐性を持
ったカムを設ける必要があるためである。本実施の形態
では、各カム13,14のカム作用をどちらともローラ
にてロッカアーム本体16に伝達する構成としたため、
同一の材質のカムだけでカムシャフトを構成することが
できる。したがって、カムシャフトの製造がより容易と
なり、その製造コストを削減することができる。
【0147】3) カムフォロワとしてローラカムフォ
ロワを使用した場合、その頭部の質量が増加し、同頭部
にはカムフォロワの摺動に伴い大きな慣性力が作用す
る。したがって、その脚部でもってカムフォロワを支持
する構成とすると、その摺動が不安定となり、頭部の揺
れ(コック)等の不具合が生じる懸念がある。本実施の
形態では、頭部側面を支持し、且つ頭部下端をコイルス
プリング43により付勢する構成としたため、大きな慣
性力が作用する頭部を容易に支持可能な構造となってい
る。したがって、頭部の揺れ(コック)等の不具合を解
消し、バルブ特性制御機構の動作を安定化することがで
きる。
【0148】なお、本実施の形態にあって、上記コイル
スプリング43の配設態様は一例にすぎず、他に例え
ば、前記第1の実施の形態のように、図1あるいは図2
に例示した態様でのスプリング配設構造を採用すること
もできる。
【0149】以上、各実施の形態についてその構成並び
に作用、効果を説明したが、本発明はこれら各実施の形
態に限定されるものではなく、下記のようにその構成を
変更して実施してもよい。
【0150】・ 前記第1の実施の形態では、ピストン
32と、カムフォロワ固定部材34とを別体としたが、
互いに一体的に連結したり、一体的に形成するよう変更
してもよい。
【0151】・ 前記第1の実施の形態では、コイルス
プリング27をカムフォロワ22内に収納するようにし
たが、第2の実施の形態のコイルスプリング43と同様
にカムフォロワ22の周囲に配置する構成としてもよ
い。
【0152】・ 前記第1及び第8の実施の形態では摺
動孔24及び摺動溝25を、また第2の実施の形態では
摺動孔24を断面円形としたが、これを断面四角形、楕
円形等他の断面形状とし、ピストン32、カムフォロワ
固定部材34をこの断面形状に嵌合する形状としてもよ
い。
【0153】・ 前記第9の実施の形態では、摺動孔2
4をロッカシャフト2の軸線方向に延伸するよう形成
し、カムフォロワ固定部材34を同シャフト2の軸線方
向に摺動せしめる構成としたが、その他の実施の形態の
態様でこれらが配置される構成としてもよい。
【0154】・ 前記第1〜第5及び第7、第8の実施
の形態では、低速・中速・高速の3つのカム3を切り替
えてバルブ特性を可変とするバルブ特性制御装置として
具体化したが、これを高速・低速の2つのカムを切り替
える形式に変更してもよい。また、前記第9の実施の形
態では、高速・低速の2つのカムを切り替える形式して
具体化したが、カムフォロワを追加することで3つカム
を切り替える形式に変更してもよい。更に、4つ以上の
カムを切り替える形式に変更してもよい。
【0155】・ 前記第9の実施の形態では、高速・低
速の2つのカムに対応する被押圧部を共にローラ部材を
用いるローラフォロワとしたが、これら2つの被押圧部
を共にスリッパと称される断面略矩形の形状のもの、す
なわち図1や図2等に示される被押圧部23と同様の形
状としてもよい。また、第1〜第8の実施の形態におい
ても、低速カム13と当接されるロッカアーム本体16
の被押圧部をローラ17から上記スリッパに変更するよ
うにしてもよい。いずれにしろ、こうして各カムに当接
されるそれら被押圧部の形状を同一の形状とすること
で、各カムとしてもそれら形状に適した同一の材質にて
形成することができるようになる。すなわち、装置全体
としての低コスト化が可能になる。
【0156】・ 以上の各実施の形態において、前記第
3〜第7の実施の形態の構成は前記第1の実施の形態の
構成に対して適用することもできる。また、前記第9の
実施の形態の構成も前記第1の実施の形態の構成に対し
て適用することができる。更に、前記第4及び第5の実
施の形態の構成、あるいは前記第7の実施の形態の構成
を前記第9の実施の形態の構成に適用することもでき
る。また、これら第4及び第5の実施の形態の構成と前
記第7の実施の形態の構成とを共通に備える構成とする
こともできる。そして、前記第6の実施の形態の構成
は、他の全ての実施の形態に対しても同様に適用するこ
とができる。
【0157】・ 以上の各実施の形態では、吸気バルブ
を開閉駆動するバルブ特性制御機構及びバルブ特性制御
装置として説明したが、これを排気バルブ側に設ける構
成としたり、排気バルブ及び吸気バルブの両方に設ける
構成としてもよい。
【0158】その他、上記の各実施の形態から把握でき
る請求項以外の技術的思想について、その効果と共に記
載する。 (イ) 請求項11に記載の内燃機関のバルブ特性制御
装置において、前記機関潤滑油が供給される潤滑所望部
位は、前記ロッカアーム本体とバルブステム頭部との当
接部であることを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御
機構。
【0159】バルブは弁ばねによりロッカアーム本体に
対して付勢されており、ロッカアーム本体とバルブステ
ム頭部との当接面には大きな圧力が作用する。また、バ
ルブを揺動せしめる際、これらの当接面は互いに摺動さ
れる。同構成によれば、こうした当接面が潤滑されるた
め、ピッチングや摩耗等の表面損傷の発生を抑制するこ
とができる。
【0160】(ロ) 請求項11に記載の内燃機関のバ
ルブ特性制御装置において、前記機関潤滑油が供給され
る潤滑所望部位は、前記カムフォロワと該カムフォロワ
を揺動せしめるカムとの当接面であることを特徴とする
内燃機関のバルブ特性制御機構。
【0161】カムの回転に伴い、カムとカムフォロワと
の当接面は互いに激しく摺動される。同構成によれば、
こうした当接面を潤滑できるため、ピッチングや摩耗等
の表面損傷の発生を抑制することができる。
【0162】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の発
明によれば、カムフォロワ拘束部材の断面積を大きくす
る必要がなく、しかも耐久性を十分に得ることができ、
装置の大型化、重量増加のないバルブ特性制御機構を得
ることができる。
【0163】また、請求項2記載の発明によれば、カム
フォロワのガイド孔やカムフォロワ拘束部材の摺動部が
単純な断面円形にて形成されるため、その加工が容易で
あるとともに、カムフォロワ拘束部材等もロッカアーム
本体内に収容されるかたちで同機構全体が構成されるた
め、その小型化等も更に容易となる。
【0164】また、請求項3記載の発明によれば、カム
フォロワ拘束部材の位置制御を液圧制御により簡単且つ
確実に実現することができる。また、請求項4記載の発
明によれば、カムフォロワ拘束部材に形成される逃げ面
の分だけ、同カムフォロワ拘束部材の許容位置までの移
動距離を短縮することができるようになる。このため、
当該機構全体としての更なる小型化が可能ともなる。
【0165】また、請求項5記載の発明によれば、カム
フォロワ基端部との干渉があっても、テーパ面がそれを
受け、カムフォロワ拘束部材はクリアランスを通じて摺
動溝に待避されるされるようになる。そして、次にカム
フォロワが上動した際には、カムフォロワ拘束部材も確
実に拘束位置に移動されるようになり、その切り替え動
作を確実ならしめることができる。
【0166】また、請求項6記載の発明によれば、カム
フォロワ拘束部材の位置制御を液圧制御にて行うにし
ろ、カムフォロワ拘束部材自身がそのピストンとしての
機能等を併せ持つこととなり、部品点数を更に少なくし
てそのコスト低減を図ることができるようになる。
【0167】また、請求項7記載の発明によれば、カム
フォロワの回動を規制するためのクリアランスの設定
が、被押圧部と係合突起との2部品間のみによって行わ
れるため、公差累積が極めて小さなものとなり、このカ
ムフォロワの回動を規制するための構造を精度よく実現
することができるようになる。
【0168】また、請求項8記載の発明によれば、ロー
ラ部材を用いてカムフォロワの被押圧部を形成したこと
で、カムフォロワのカムと当接される面の摩擦を低減し
たより円滑な動弁動作を実現することができるようにな
る。また、ロッカアーム本体がローラ部材を被押圧部と
してカム駆動される場合には、それらカムを、該ローラ
部材に適した同一の材質にて形成することができるよう
にもなり、装置全体としての低コスト化が可能になる。
【0169】また、請求項9記載の発明によれば、ロー
ラ部材を用いてカムフォロワの被押圧部を形成した場合
であれ、質量の大きな被押圧部自身がガイド孔と摺接さ
れるため、コック等の発生も好適に回避されるようにな
る。
【0170】また、請求項10記載の発明によれば、当
該制御機構の搬送時や、機関への装着時等においてもカ
ムフォロワがロッカアーム本体から離脱することがない
ため、それら作業を効率よく行うことができるようにな
る。また、ロッカアーム本体からのカムフォロワの抜け
が防止されることにより、カムフォロワ拘束部材等も確
実にロッカアーム本体内に保持されるようになり、部品
の飛散等も良好に防止されるようになる。
【0171】また、請求項11記載の発明によれば、カ
ムフォロワ拘束部材が拘束位置にあって、まさに当該カ
ムフォロワに対応するカムによっての駆動が能動となっ
ているときにのみ、その潤滑所望部位に対して積極的な
潤滑油の供給を行うことができるようになる。このた
め、同潤滑所望部位でのピッチングや摩耗等も好適に防
止されるようになる。
【0172】また、請求項12記載の発明によれば、請
求項1〜11のいずれかに記載のバルブ特性制御機構の
作用、効果に基づき、同制御機構を用いた好適なバルブ
特性制御装置を得ることができる。
【0173】また、請求項13記載の発明によれば、摺
動制限機構を通じて中速用のカムの所定高さ以上の浮き
上がりが防止されることで、余分な摩擦抵抗も大きく軽
減されるようになる。特に、中速用のカムに対応するカ
ムフォロワの浮き上がりがそれらカムのベース円に接触
しない程度の高さにロックされることで、高速リフト時
の中速用のカムとそのカムフォロワに起因する余分な摩
擦抵抗は皆無になるとともに、中速リフト時のそれらカ
ムとカムフォロワによる動作も保証されるようになる。
【0174】また、請求項14記載の発明によれば、各
カムとして、カムフォロワの被押圧部やロッカアーム本
体の被押圧部の形状に適した同一の材質にて形成するこ
とができるようになる。すなわち、装置全体としての低
コスト化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1の実施の形態における
バルブ特性制御機構の要部断面図。
【図2】同じく作用を説明するためのバルブ特性制御機
構の断面図。
【図3】バルブ特性制御装置の斜視図。
【図4】カムを省略したバルブ特性制御装置の斜視図。
【図5】摺動孔の断面図。
【図6】カムフォロワ固定部材の斜視図。
【図7】キーの斜視図。
【図8】第2の実施の形態のバルブ特性制御装置の斜視
図。
【図9】同じくバルブ特性制御機構の要部断面図。
【図10】同じく作用を説明するためのバルブ特性制御
機構の断面図。
【図11】カムフォロワ固定部材の斜視図。
【図12】第3の実施形態にかかるバルブ特性制御機構
の側断面構造を示す断面図。
【図13】同機構の平面断面構造を示す断面図。
【図14】同機構の正面断面構造を示す断面図。
【図15】カムフォロワの回動制限機構を示す説明図。
【図16】第4実施形態にかかるバルブ特性制御機構の
側断面構造を示す断面図。
【図17】同機構のカムフォロワ抜け防止機構を示す説
明図。
【図18】第5実施形態にかかるバルブ特性制御機構の
正面断面構造を示す断面図。
【図19】第6実施形態にかかるカムの構成を示す側面
図。
【図20】同実施形態にかかるバルブ特性制御機構のベ
ース円駆動時の動作を示す説明図。
【図21】通常のバルブ特性機構のリフト駆動時の動作
を示す説明図。
【図22】同実施形態にかかるバルブ特性機構のリフト
駆動時の動作を示す説明図。
【図23】第7実施形態にかかるバルブ特性制御機構の
側断面構造を示す断面図。
【図24】同機構の許容状態における作用を示す説明
図。
【図25】同機構の他の構成例を示す断面図。
【図26】同機構の他の構成例を示す断面図。
【図27】第1実施形態のカムフォロワ及び固定部材の
当接態様を模式的に示す説明図。
【図28】第8実施形態の固定部材の形状を示す説明
図。
【図29】同実施形態のカムフォロワ及び固定部材の当
接態様を模式的に示す説明図。
【図30】第9実施形態にかかるバルブ特性制御機構の
平面構造を示す平面図。
【図31】同機構の側断面構造を示す断面図。
【図32】同機構の正面断面構造を示す断面図。
【図33】従来のバルブ特性制御装置の平面構造を示す
平面図。
【図34】従来のバルブ特性制御装置の要部断面図。
【符号の説明】
11…カムシャフト、12…中速カム、13…低速カ
ム、14…高速カム、15…ロッカシャフト、16…ロ
ッカアーム本体、21…ガイド孔、22…カムフォロ
ワ、23…被押圧部、24…摺動孔、24a…支持部、
25…摺動溝、25a…支持部、26…油圧室、32…
ピストン、34…カムフォロワ固定部材、36…逃げ
面、 37…当接面、40…コイルスプリング、41…
当接脚部、44…係合溝、45…側片、46…当接部、
47…当接面、48…逃げ溝、49…ばね収納孔、52
…支持突起、53…係止溝、54…係止突起、55…ね
じ、56…油通路、57…環状溝、58…油通路、60
…低速ローラ、61…高速ローラ、62…ガイド孔、6
5…ローラカムフォロワ、66…頭部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 宏昌 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 吉原 裕二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロッカアーム本体と、 前記ロッカアーム本体に対して往復動可能に設けられた
    カムフォロワと、 前記ロッカアーム本体に設けられ、前記カムフォロワの
    移動軌跡上に位置したときにカムフォロワの移動を阻止
    するようにカムフォロワに当接してカムフォロワを拘束
    する拘束位置とカムフォロワの移動軌跡上から退避した
    ときにカムフォロワの往復動を許容する許容位置との間
    において移動可能に設けられたカムフォロワ拘束部材と
    を備え、 前記ロッカアーム本体には、前記カムフォロワ拘束部材
    が拘束位置に位置したとき、カムフォロワ拘束部材がカ
    ムフォロワと当接する面とは反対側面を当接支持する支
    持部が設けられたことを特徴とする内燃機関のバルブ特
    性制御機構。
  2. 【請求項2】前記ロッカアーム本体は、前記カムフォロ
    ワが摺動する断面円形のガイド孔と、該ガイド孔の底部
    に略L字状に差交して前記カムフォロワ拘束部材が摺動
    する断面円形の摺動部とを備え、前記摺動部の内周面の
    一部を前記カムフォロワ拘束部材の前記拘束位置での支
    持部とする請求項1記載の内燃機関のバルブ特性制御機
    構。
  3. 【請求項3】請求項2記載の内燃機関のバルブ特性制御
    機構において、 前記ロッカアーム本体は前記摺動部内に液圧室を有し、
    前記カムフォロワ拘束部材は、この液圧室への液圧制御
    に基づき前記拘束位置と前記許容位置との間を移動する
    ものであることを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御
    機構。
  4. 【請求項4】請求項3記載の内燃機関のバルブ特性制御
    機構において、 前記摺動部は断面円形の摺動孔と該摺動孔の周面両側に
    同摺動孔に沿って平行に形成された断面半円形の摺動溝
    とからなり、 前記ロッカアーム本体は、前記液圧制御に基づき前記摺
    動孔内を摺動する円柱状のピストンと、同摺動孔と前記
    ガイド孔との間に固定されて前記カムフォロワの一側面
    に摺接されるキー部材とを備え、 前記カムフォロワ拘束部材は、各々一方端が前記ピスト
    ンに係止されるとともに、前記カムフォロワに対向する
    他方端の各内側面に斜状の逃げ面を有して前記キー部材
    を挟んだ状態で各々前記摺動溝を摺動する2つの棒状部
    材からなることを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御
    機構。
  5. 【請求項5】前記カムフォロワ拘束部材は、各々前記斜
    状の逃げ面に前記摺動溝とのクリアランスよりも小さい
    テーパ量にて前記カムフォロワの基端に向かい傾斜する
    テーパ面を有して形成される請求項4記載の内燃機関の
    バルブ特性制御機構。
  6. 【請求項6】請求項3記載の内燃機関のバルブ特性制御
    機構において、 前記カムフォロワ拘束部材は、前記液圧制御に基づき前
    記摺動部内を摺動する円柱形状を有するとともに、その
    前記カムフォロワに対向する先端部に前記カムフォロワ
    の基端と当接して同カムフォロワの摺動を拘束する拘束
    部を有して構成されることを特徴とする内燃機関のバル
    ブ特性制御機構。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の内燃機関
    のバルブ特性制御機構において、 前記カムフォロワはその先端にカムにより押圧される断
    面略矩形の被押圧部を備え、 前記ロッカアーム本体はその上面から突出形成されて前
    記カムフォロワの前記被押圧部の一側面に摺接係合され
    る係合突起を更に備えることを特徴とする内燃機関のバ
    ルブ特性制御機構。
  8. 【請求項8】請求項1〜6のいずれかに記載の内燃機関
    のバルブ特性制御機構において、 前記カムフォロワはその先端にカムによる押圧に基づき
    回動するローラ部材を有してその被押圧部が形成される
    ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御機構。
  9. 【請求項9】前記ガイド孔は、前記カムフォロワの前記
    ローラ部材を有する被押圧部に対応して開口され、 前記カムフォロワは、同ローラ部材を有する被押圧部を
    通じて前記ガイド孔内を摺動する請求項8記載の内燃機
    関のバルブ特性制御機構。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載の内燃機
    関のバルブ特性制御機構において、 前記カムフォロワの前記ロッカアーム本体からの抜けを
    防止する抜け防止機構を更に備えることを特徴とする内
    燃機関のバルブ特性制御機構。
  11. 【請求項11】請求項3〜10のいずれかに記載の内燃
    機関のバルブ特性制御機構において、 前記液圧室に供給される液体は機関潤滑油であり、 少なくとも前記ロッカアーム本体は、前記カムフォロワ
    拘束部材の前記拘束位置において前記液圧室から潤滑所
    望部位へ前記機関潤滑油を導き供給する油通路を更に備
    えることを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御機構。
  12. 【請求項12】請求項1〜11のいずれかに記載のバル
    ブ特性制御機構のロッカアーム本体は、ロッカシャフト
    と一体的に設けられ、 前記ロッカシャフトと離間して設けられたカムシャフト
    には高速用のカムと、低速用のカムとが設けられ、 前記カムフォロワは、前記高速用のカムに対して当接し
    得るように配置され、低速用のカムは、前記ロッカアー
    ム本体と当接し得るように配置されていることを特徴と
    する内燃機関のバルブ特性制御装置。
  13. 【請求項13】請求項1〜11のいずれかに記載のバル
    ブ特性制御機構のロッカアーム本体は、ロッカシャフト
    と一体的に設けられ、 前記ロッカシャフトと離間して設けられたカムシャフト
    には高速用のカムと、中速用のカムと、低速用のカムと
    が設けられ、 前記カムフォロワは、それぞれ前記高速用のカムと前記
    中速用のカムとに対して当接し得るように配置され、低
    速用のカムは、前記ロッカアーム本体と当接し得るよう
    に配置されるとともに、前記中速用のカムに当接される
    カムフォロワには、その所定高さ以上の浮き上がりを防
    止する摺動制限機構が設けられていることを特徴とする
    内燃機関のバルブ特性制御装置。
  14. 【請求項14】請求項12または13記載の内燃機関の
    バルブ特性制御装置において、 前記カムフォロワの前記カムによる被押圧部と前記ロッ
    カアーム本体の前記低速用のカムによる被押圧部とは同
    一の形状を有して構成されることを特徴とする内燃機関
    のバルブ特性制御装置。
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