JPH10196072A - 樋取付具 - Google Patents

樋取付具

Info

Publication number
JPH10196072A
JPH10196072A JP35755396A JP35755396A JPH10196072A JP H10196072 A JPH10196072 A JP H10196072A JP 35755396 A JP35755396 A JP 35755396A JP 35755396 A JP35755396 A JP 35755396A JP H10196072 A JPH10196072 A JP H10196072A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gutter
mounting
mounting portion
additive
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP35755396A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3417238B2 (ja
Inventor
Katsumi Yamaguchi
克己 山口
Nobuyoshi Shimozato
信義 下里
Naoki Yabuta
直己 藪田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takiron Co Ltd
Original Assignee
Takiron Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=18454720&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH10196072(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Takiron Co Ltd filed Critical Takiron Co Ltd
Priority to JP35755396A priority Critical patent/JP3417238B2/ja
Publication of JPH10196072A publication Critical patent/JPH10196072A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3417238B2 publication Critical patent/JP3417238B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Ceased legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 樋取付具の取付部を、強度に優れるが耐薬品
性に乏しいポリカーボネート樹脂で成形した場合におい
て、その取付部を塩化ビニルプラスチゾルで外面被覆し
た破風板などに取り付けたときに、塩化ビニルプラスチ
ゾルに含まれている添加剤、特に可塑剤が取付部と接触
して取付部の取付強度を損なわせるといった事態を防
ぐ。 【解決手段】 取付部1の取付面11を、可塑剤などの
添加物を含有する合成樹脂の上記添加物の通過を遮断す
る添加物遮断膜5で覆う。添加物遮断膜5には、金属
箔、金属薄板、アルミニウム蒸着フィルム、ポリエチレ
ンタレフタレート樹脂シートなどを用い得る。添加物遮
断膜5の両面に粘着剤51,53を保持させておくこと
が望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樋取付具、詳しく
は、可塑剤やその他の添加物を含む合成樹脂部分に取り
付けられることのある樋取付具であって、その取付部と
上記可塑剤などの添加物とが接触することのない樋取付
具に関する。
【0002】
【従来の技術】樋取付具には、軒樋を吊持して保持する
タイプの樋吊り具、軒樋を下から支持して保持するタイ
プの樋受け具、立樋を保持するタイプの竪樋取付具など
の種々のものが知られており、これらの樋取付具には一
般に建築物に取り付けられる取付部とこの取付部から前
方へ延び出した樋保持部とを、一体のものとして、ある
いは別体のものとして備えているものなどがある。
【0003】図8には、建築物100の破風板110に
取り付けられて軒樋200を吊持するタイプの樋吊り具
を樋取付具Aとして例示してある。この樋取付具Aにお
いて、取付部1はその裏面が取付面11として形成され
ており、その取付面11を破風板110に重ね合わせ、
釘や取付ねじを用いて取付部1を破風板110に固着す
るようになっている。また、図8の樋取付具Aにおい
て、樋保持部3には、軒樋200の前壁201に対する
前支持部31や、軒樋200の後壁202に対する後支
持部32などが備わっている。
【0004】ところで、近時の新築家屋では、上記破風
板110として、あるいは破風板110の表面材とし
て、薄鋼板に塩化ビニルプラスチゾルで外面被覆を施し
た塩化ビニル被覆鋼板が用いられることがある一方で、
樋取付具Aとしてポリカーボネート樹脂成形体などの強
度に富む合成樹脂成形体が用いられることがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】破風板110と樋取付
具Aとがそれらの材料に関して上記のように組み合わさ
れた場合、破風板110に用いられた塩化ビニル被覆鋼
板の外面被覆である塩化ビニルブラスチゾルに含まれて
いる添加剤、たとえば可塑剤(DOP,DBPなど)が
表面に移行し、その破風板110に重ね合わされた樋取
付具Aの取付部1が可塑剤と接触するという事態を生じ
ることがある。
【0006】この点に関し、樋取付具Aがポリカーボネ
ート樹脂成形体で作られていると、ポリカーボネート樹
脂自体が耐薬品性に乏しいという性質を有しているた
め、その樋取付具Aの取付部1側に移行してきた可塑剤
にその取付部1が接触し、そのような接触により取付部
1が可塑剤に侵されてクラックを生じ、それが原因で破
風板110に対する樋取付具Aの取付強度が低下すると
いうことが起こり得る。この傾向は、気温が高いときに
顕著に起こる。樋取付具Aをポリカーボネート樹脂以外
の合成樹脂で成形した場合であっても、その合成樹脂が
耐薬品性に乏しい性質を有する場合には同様の事態が起
こり得る。
【0007】本発明は以上の状況のもとでなされたもの
であり、樋取付具の取付部が合成樹脂で成形されている
場合において、その取付部が上述したポリ塩化ビニル樹
脂で外面被覆されている破風板に取り付けられるような
ことがあっても、ポリ塩化ビニル樹脂に含まれて上記取
付部に悪影響を及ぼすような添加剤、特に可塑剤が上記
取付部を侵すようなことが起こり得ない樋取付具を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る樋取付具
は、建築物に取り付けられる取付面を備えた取付部と、
この取付部から前方へ延び出した樋保持部とを備えた樋
取付具において、上記取付部が合成樹脂で成形されてお
り、その取付部の上記取付面が、可塑剤などの添加物を
含有する合成樹脂の上記添加物の通過を遮断する添加物
遮断膜で覆われている、というものである。
【0009】この発明によると、添加物遮断膜が可塑剤
などの添加物を含有する合成樹脂の上記添加物の通過を
遮断するので、取付部の取付面が、冒頭で説明した破風
板に見られるようなDOPなどの可塑剤などを含む塩化
ビニルブラスチゾルに重なり状に取り付けられ、その塩
化ビニルブラスチゾルに含まれる可塑剤などが表面に移
行してきたとしても、その可塑剤と上記取付部との接触
が添加物遮断膜によって遮られる。
【0010】本発明の樋取付具においては、上記取付部
を成形している合成樹脂が、ポリカーボネート樹脂であ
ることが望ましい。取付部にポリカーボネート樹脂が用
いられていると、ポリカーボネート樹脂に特有の優れた
強度がその取付部に付与され、しかも、上記した添加物
遮断膜による可塑剤の遮断作用によってその取付部の初
期の強度が長期に亘って保たれる。
【0011】本発明においては、上記添加物遮断膜の両
面に粘着剤が保持され、上記添加物遮断膜の片面の上記
粘着剤が上記取付部の取付面に粘着されていることが望
ましい。
【0012】この発明によると、樋取付具の取付部にあ
らかじめ添加物遮断膜が粘着されているので、その樋取
付具を建築物に取り付けるときに添加物遮断膜をその取
付部の取付面に装着する手間がかからない。また、添加
物遮断膜の他面に保持されている粘着剤を活用してその
取付部を建築物に貼着するようにすれば樋取付具を建築
物に仮止めすることが可能になるので、釘や取付ねじを
用いて取付部を固着する作業を容易にかつ確実に行える
ようになる。
【0013】本発明においては、上記添加物遮断膜が、
金属箔、金属薄板、合成樹脂フィルムの少なくとも片面
にアルミニウム蒸着被膜を形成したアルミニウム蒸着フ
ィルム、ポリエチレンタレフタレート樹脂シート、フッ
素樹脂シート、ポリオレフィン樹脂シート、メチルメタ
クリレート樹脂シートから選ばれる膜であることが望ま
しい。また、上記添加物遮断膜が、メチルメタクリレー
ト樹脂塗膜やフッソ樹脂塗膜であってもよい。
【0014】上掲した金属箔や金属薄板などの金属素材
は、塩化ビニルブラスチゾルに含まれる可塑剤などの添
加物との接触を確実に遮断する性質を有する。合成樹脂
フィルムの少なくとも片面にアルミニウム蒸着被膜を形
成したアルミニウム蒸着フィルムは、そのアルミニウム
蒸着被膜が同様の性質を発揮し、さらに、ポリエチレン
タレフタレート樹脂シート、フッ素樹脂シート、ポリオ
レフィン樹脂シート、メチルメタクリレート樹脂シー
ト、メチルメタクリレート樹脂塗膜、フッ素樹脂塗膜に
ついても同様の性質を発揮する。
【0015】本発明はまた、上記添加物遮断膜から、上
記取付部と上記樋保持部の少なくとも上面部に密着した
被膜が延出されており、その被膜および上記添加物遮断
膜が、メチルメタクリレート樹脂被膜である、という構
成を採用することができる。このようにしておくと、メ
チルメタクリレート樹脂でなる添加物遮断膜によって上
述した可塑剤などとの接触が確実に遮断されるだけでな
く、耐候性に優れたメチルメタクリレート樹脂の性質に
より、上記取付部と上記樋保持部の少なくとも上面部と
に密着したメチルメタクリレート樹脂でなる被膜が取付
部や樋保持部の紫外線劣化を防ぐことに役立つ。このた
め、樋取付具がポリカーボネート樹脂で作られている場
合には、上記被膜がその紫外線劣化を防止して長期に亘
って初期の強度を保つことに役立つ。
【0016】本発明においては、上記添加物遮断膜が金
属薄板でなり、その金属薄板に、上記取付部と樋保持部
とを上方から覆うカバー部が前方へ向けて延出されてい
る、という構成を採用することが可能である。
【0017】このようにしておくと、添加物遮断膜を形
成している金属薄板から前方へ向けて延出されたカバー
部が、取付部や樋保持部に日光が当たることを抑制する
ので、それらの取付部や樋保持部の紫外線劣化が抑制さ
れる。
【0018】本発明に係る他の樋取付具は、建築物に取
り付けられる取付面を備えた取付部と、この取付部から
前方へ延び出した樋保持部とを備えた樋取付具におい
て、上記取付部が合成樹脂で成形されており、その取付
部に、その取付部を上記建築物に取り付けたときに上記
取付面と上記建築物との間に隙間を形成するスペーサと
して役立つ突起が設けられている、というものである。
【0019】本発明において、取付部を冒頭で説明した
破風板に見られるようなDOPなどの可塑剤などを含む
塩化ビニルブラスチゾルを有する塩化ビニル被覆鋼板に
取り付けた場合には、取付部に設けられている突起が塩
化ビニル被覆鋼板の表面に当るだけであって、取付部の
取付面が塩化ビニル被覆鋼板の表面に直接に重なり合う
ことがないので、塩化ビニル被覆鋼板の表層の塩化ビニ
ルプラスチゾルに含まれる可塑剤などが移行して表面に
出てきても、上記突起と接触するだけであって取付部の
全体とは接触することがないので、その取付部にクラッ
クを生じさせたりすることはない。したがって、この発
明によれば、上記した添加物遮断膜で取付部の取付面を
覆うことなく取付部の可塑剤による劣化を防止すること
ができるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に説明する実施形態は、ポリ
カーボネート樹脂で成形された樋取付具に関するもので
あり、図1はその取付部1と添加物遮断膜5とを示す斜
視図、図2は取付部1を破風板110に取り付けたとき
の断面図、図3は図2のIII部を拡大した断面図であ
る。
【0021】図1のように、取付部1はその裏面が略矩
形の取付面11になっており、その幅方向の両端部の所
定箇所に釘や取付ねじ(不図示)を挿通するための挿通
孔12が形成されている。13は取付面11に形成され
た凹所である。この取付部1には、その上端中央部から
樋保持部3が前方に向けて延び出ている。図1に示した
樋取付具1の形状・構造は図8で説明した樋取付具Aと
同一であり、その全体が、種々の合成樹脂の中でも機械
的強度が卓越しているポリカーボネート樹脂の一体成形
体でなる。
【0022】図1に示した添加物遮断膜5は、合成樹脂
フィルムの少なくとも片面にアルミニウム蒸着被膜を形
成したアルミニウム蒸着フィルムでなり、図3のよう
に、その片面および他面のそれぞれには粘着剤51,5
2が保持されており、そのうちの片面側の粘着剤51が
上記取付部1の取付面11に粘着される。このようにし
て添加物遮断膜5を取付部1の取付面11に貼着してお
くと、その添加物遮断膜5によって取付部1の取付面1
1が覆われる。なお、樋取付具Aを建築物の破風板11
0などに取り付ける前には、上記取付面11に貼着され
ている添加物遮断膜5の他面側の粘着剤52を剥離紙な
どで保護しておくものとする。
【0023】樋取付具Aをたとえば破風板110に取り
付けるときには、添加物遮断膜5の他面側の粘着剤52
を保護している剥離紙を取り除いた後、その粘着剤52
を利用して図2のように破風板110に貼着し、樋取付
具Aを破風板110に仮止めする。次に、そのように仮
止めされている樋取付具Aの取付部1の挿通孔12…を
通して釘や取付ねじ(不図示)を破風板110に打ち込
むことによって取付部1を破風板110に固着する。
【0024】こうして破風板110に取付部1を固着す
ると、破風板110と取付部1の取付面11との間に添
加物遮断膜5が挾み込まれる。ところで、図1で説明し
たような破風板110にあっては、図3に示したよう
に、薄鋼板112に塩化ビニルプラスチゾルで外面被覆
113が施された塩化ビニル被覆鋼板が用いられてお
り、その外面被覆113にはDOP,DBPなどの可塑
剤や、安定剤、増量材といった各種の添加物が含まれて
いる。そのため、その外面被覆113にポリカーボネー
ト樹脂で成形された取付部1の取付面11が直接に重な
り合っていると、外面被覆113に含まれる添加物、特
に可塑剤が経時により内部から表面に移行して取付部1
と接触し、そのような接触によって取付部1を劣化させ
クラックを生じさせるおそれがある。しかしながら、図
3に見られるように、上記取付部1の取付面11と破風
板110の外面被覆113との間には、アルミニウム蒸
着フィルムでなる添加物遮断膜5とその両面に担持され
ている粘着剤51,52が介在されているので、上記取
付面11が外面被覆113に直接に重なり合っていな
い。このため、添加物遮断膜5により上記外面被覆11
3の添加物、特に可塑剤と上記取付部1との接触が防止
されることとなり、そのことが、取付部1の劣化やクラ
ックの発生を防ぐことに役立つ。したがって、機械的強
度にきわめて優れたポリカーボネート樹脂の成形体でな
る取付部1が耐薬品性に乏しいものであるとしても、そ
の取付部1の破風板110への初期の取付強度が長期に
亘って確保される。
【0025】樋取付具Aをポリカーボネート樹脂以外の
合成樹脂で成形することは可能であるけれども、その際
には、軒樋などを支持するのに十分な強度を備えた合成
樹脂を選択したり、そのような強度を確保し得る構造を
採用する必要がある。また、金属製の芯材の外面を合成
樹脂で被覆することによって樋取付具Aを構成しておい
てもよい。
【0026】上記した実施形態では添加物遮断膜5とし
てアルミニウム蒸着フィルムを用いているけれども、こ
の添加物遮断膜には、金属箔、金属薄板、ポリエチレン
タレフタレート樹脂シート、フッ素樹脂シート、ポリオ
レフィン樹脂シート、メチルメタクリレート樹脂シート
といった可塑剤の移行を遮断し得る様々な膜を用いるこ
とが可能である。また、上記取付具1の取付面11にメ
チルメタクリレート樹脂やフッ素樹脂を塗布してそれら
の塗膜を形成し、その塗膜によって添加物遮断膜5を形
成しておいてもよい。さらに、他の種類のプラスチック
シートを使用することも可能ではあるが、その場合に
は、可塑剤がそのプラスチックシートの内部を移行して
取付部1に接触することもあり得ることがないとは言え
ないので他の種類のプラスチックシートの使用に際して
は十分な注意を要する。ただ、この場合においても、可
塑剤の移行を遅らせると同時に移行量も少なくなるの
で、ある程度の効果を期待することはできる。
【0027】図4は他の実施形態を示している。同図の
樋取付具Aにおいて、その形状や構造は図8で説明した
ものと同様である。この樋取付具Aでは、ポリカーボネ
ート樹脂の成形体で取付部1と樋保持部2とが一体に成
形されている。そして、取付部1の取付面11に、その
取付面11を覆う添加物遮断膜5が密着されていると共
に、その添加物遮断膜5から被膜53が延出され、この
被膜53が上記取付部1の取付面11を除く外面と上記
樋保持部3の外面全体とに密着されている。すなわち、
ポリカーボネート樹脂成形体でなる取付部1と樋保持部
3との全体が、添加物遮断膜5と被膜53とによって完
全に包み込まれている。上記添加物遮断膜5やそれと一
体の被膜53はメチルメタクリレート樹脂被膜によって
形成されている。このようなメチルメタクリレート樹脂
被膜は、取付部1と樋保持部2とを一体に有するポリカ
ーボネート樹脂成形体をメチルメタクリレート樹脂液に
浸漬するというディッピング処理によって形成したり、
あるいは、上記ポリカーボネート樹脂成形体の表面全体
にメチルメタクリレート樹脂を塗布したりすることによ
って容易に形成することができる。
【0028】図4で説明した樋取付具Aを図3などで説
明した破風板110に固着した場合、取付部1の取付面
11を覆っているメチルメタクリレート樹脂でなる添加
物遮断膜5が、上記外面被覆113に含まれていて表面
へ移行してきた可塑剤などの添加物と上記取付部1との
接触を阻止するので、添加物との接触に伴う取付部1の
劣化やクラックの発生が防止され、機械的強度にきわめ
て優れたポリカーボネート樹脂の成形体でなる取付部1
が耐薬品性に乏しいものであるとしても、その取付部1
の破風板110への初期の取付強度が長期に亘って確保
される。また、メチルメタクリレート樹脂はきわめて耐
候性に優れた樹脂の1つであるため、メチルメタクリレ
ート樹脂でなる上記被膜53によって、耐候性に乏しい
ポリカーボネート樹脂成形体でなる取付部1や樋保持部
3の紫外線劣化が抑制される。図4においては、上記被
覆53で樋保持部3の全体を包み込んであるけれども、
紫外線(太陽光)が最もよく当たる樋保持部3の上面部
33のみを被覆するようにしてもよく、これによって
も、紫外線劣化を十分に防止することができる。
【0029】図5はさらに他の実施形態を示している。
同図の樋取付具Aにおいては、添加物遮断膜を金属薄板
によって形成してあり、その金属薄板に、樋取付具Aの
取付部1と樋保持部3とを上方から覆うカバー部54を
前方へ向けて延出してある。なお、取付部1や樋保持部
3はポリカーボネート樹脂成形体でなり、その形状や構
造は図8などで説明したものと同様である。
【0030】この樋取付具Aを図3などで説明した破風
板110に固着した場合、取付部1の取付面11を覆っ
ている金属薄板でなる添加物遮断膜5が上記外面被覆1
13に含まれていて表面に移行してきた可塑剤などの添
加物と上記取付部1との接触を阻止するので、添加物と
の接触に伴う取付部1の劣化やクラックの発生が防止さ
れ、機械的強度にきわめて優れたポリカーボネート樹脂
の成形体でなる取付部1が耐薬品性に乏しいものである
としても、その取付部1の破風板110への初期の取付
強度が長期に亘って確保される。また取付部1や樋保持
部3を上方から覆っているカバー部54が、その樋保持
部3に直射日光の当たることを防ぐので、その樋保持部
3の紫外線劣化が抑制される。この実施形態において
は、樋保持部3の先端部分についてはカバー部54で覆
われていないけれども、この先端部分は樋保持部3に取
り付けられた軒樋(不図示)によって上方から覆われる
ので、その先端部分の紫外線劣化も抑制される。
【0031】なお、樋保持部3の紫外線劣化を抑制する
ための対策としては、図6に示したように、加熱により
収縮するという性質を備えた所謂シュリンクフィルム6
でその樋保持部3を被覆しておいてもよい。図6に示し
た樋取付具Aにおいて、取付部1や樋保持部3はポリカ
ーボネート樹脂成形体でなり、その形状や構造は図8な
どで説明したものと同様である。また、取付部1の取付
面11は図1〜図3で説明したアルミニウム蒸着フィル
ムでなる添加物遮断膜5によって覆ってある。
【0032】図7に示した樋取付具Aにおいて、その取
付部1は、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂成形体
でなり、その取付部1に後方へ突出する高さ0.5〜2
mm程度のリブ状の突起13を一体に突設してある。突
起13は、取付面11の周縁部からその取付面11を取
り囲むように突出された環状のリブによって形成されて
いてもよい。また、突起を、取付面11の複数箇所に部
分的に突出させたものであってもよい。しかし、取付部
1を破風板110に固定する釘や取付ねじを挿通する挿
通孔12の周辺に突起13を設けることは避けるべきで
ある。なぜなら、後述するように該突起13は可塑剤な
どの添加剤と接触して一部劣化するおそれがあるため、
挿通孔の周辺に突起13を設けると、突起13の劣化に
より固定力が低下する可能性を否定できないからであ
る。このような樋取付具Aを図3などで説明した破風板
110に固着すると、上記突起13が取付面11と破風
板110との間に隙間Sを形成するスペーサとして役立
つので、図7のように取付部1に設けられている突起1
3が外面被覆113の表面に当るだけであって、取付部
1の取付面11の全面が外面被覆113の表面に直接に
重なり合うことがない。そのため、外面被覆113を形
成している塩化プラスチゾルに含まれる可塑剤などの添
加物は、上記突起13に接触することがあっても取付部
1の全体に接触してその取付部1にクラックを生じさせ
たりするようなことはない。したがって、図7で説明し
たものによっても、取付部1の破風板110への初期の
取付強度が長期に亘って確保される。
【0033】
【発明の効果】本発明に係る樋取付具は、その取付部が
耐薬品性に乏しいポリカーボネート樹脂のような合成樹
脂で成形されているにもかかわらず、その取付部の取付
面が添加物遮断膜で覆われているので、その取付部が、
冒頭で説明した破風板に見られるようなDOPなどの可
塑剤などを含む塩化ビニルブラスチゾルの被覆を有する
塩化ビニル被覆鋼板に重なり状に取り付けられたとして
も、塩化ビニルブラスチゾルに含まれる可塑剤などが取
付部と接触するといった事態が起こり得ない。そのた
め、取付部に可塑剤との接触に伴うクラックが生じて強
度が早期に低下してしまうという事態が起こらず、長期
に亘って初期の取付強度が保たれるという効果がある。
【0034】本発明に係る樋取付具において、添加物遮
断膜が、基材の両面に粘着剤が保持された膜でなり、上
記基材の片面の上記粘着剤が上記取付部の取付面に粘着
されている、という構成を採用した場合には、当該樋取
付具を建築物に仮止めすることが可能になるので取付作
業性が向上するという利点がある。
【0035】また、本発明によれば、添加物遮断膜に安
価なアルミニウム蒸着被膜や金属素材、さらには各種の
樹脂シートや樹脂塗膜などを用いることができるので価
格面で有利である。
【0036】さらに本発明において、取付部と上記樋保
持部の少なくとも上面部とに密着したメチルメタクリレ
ート樹脂でなる被膜を設けたものや、金属薄板でなる添
加物遮断膜にカバー部が前方へ向けて延出したもので
は、上記被膜や上記カバー部が取付部や樋保持部の紫外
線劣化を防ぐことに役立つようになるので、取付部や樋
保持部の初期の強度が長期に亘って保たれる利点があ
る。また、樋取付具がポリカーボネート樹脂で成形され
ているものでは、紫外線劣化に伴う黄変も防止される。
【0037】本発明に係る他の樋取付具のように、取付
部にスペーサとして役立つ突起を設けておくと、その取
付部を塩化ビニルプラスチゾルの被覆を有するような破
風板に取り付けた場合には取付部の全面が破風板と接触
するのを防止することができるようになるので、可塑剤
との接触に伴う取付部の初期強度の低下が防止される。
そして、添加物遮断膜で取付部の取付面を覆う必要がな
く、しかも上記突起は上記取付部を成形するときに同時
成形できるので、価格を安くする上で有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る樋取付具の取付部と添加物遮断膜
とを示す斜視図である。
【図2】取付部を破風板に取り付けたときの断面図であ
る。
【図3】図2のIII部を拡大した断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示す縦断側面図であ
る。
【図5】本発明のさらに他の実施形態を示す縦断側面図
である。
【図6】樋保持部の紫外線劣化を抑制するための手段を
例示した断面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施形態による樋取付具の
取付部を破風板に取り付けたときの断面図である。
【図8】破風板に取り付けられた樋取付具に軒樋を取り
付けた状態を例示する説明図である。
【符号の説明】
A 樋取付具 1 取付部 3 樋保持部 5 添加物遮断膜 13 突起 11 取付面 51,53 粘着剤 53 被膜 54 カバー部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建築物に取り付けられる取付面を備えた取
    付部と、この取付部から前方へ延び出した樋保持部とを
    備えた樋取付具において、 上記取付部が合成樹脂で成形されており、その取付部の
    上記取付面が、可塑剤などの添加物を含有する合成樹脂
    の上記添加物の通過を遮断する添加物遮断膜で覆われて
    いることを特徴とする樋取付具。
  2. 【請求項2】上記取付部を成形している合成樹脂が、ポ
    リカーボネート樹脂である請求項1に記載した樋取付
    具。
  3. 【請求項3】上記添加物遮断膜の両面に粘着剤が保持さ
    れ、上記添加物遮断膜の片面の上記粘着剤が上記取付部
    の取付面に粘着されている請求項1または請求項2のい
    ずれかに記載した樋取付具。
  4. 【請求項4】上記添加物遮断膜が、金属箔、金属薄板、
    合成樹脂フィルムの少なくとも片面にアルミニウム蒸着
    被膜を形成したアルミニウム蒸着フィルム、ポリエチレ
    ンタレフタレート樹脂シート、フッ素樹脂シート、ポリ
    オレフィン樹脂シート、メチルメタクリレート樹脂シー
    トから選ばれる膜である請求項1ないし請求項3のいず
    れかに記載した樋取付具。
  5. 【請求項5】上記添加物遮断膜が、メチルメタクリレー
    ト樹脂塗膜またはフッ素樹脂塗膜でなる請求項1ないし
    請求項4のいずれかに記載した樋取付具。
  6. 【請求項6】上記添加物遮断膜から、上記取付部と上記
    樋保持部の少なくとも上面部に密着した被膜が延出され
    ており、その被膜および上記添加物遮断膜が、メチルメ
    タクリレート樹脂被膜である請求項1または請求項2に
    記載した樋取付具。
  7. 【請求項7】上記添加物遮断膜が金属薄板でなり、その
    金属薄板に、上記取付部と樋保持部とを上方から覆うカ
    バー部が前方へ向けて延出されている請求項1または請
    求項2に記載した樋取付具。
  8. 【請求項8】建築物に取り付けられる取付面を備えた取
    付部と、この取付部から前方へ延び出した樋保持部とを
    備えた樋取付具において、 上記取付部が合成樹脂で成形されており、その取付部
    に、その取付部を上記建築物に取り付けたときに上記取
    付面と上記建築物との間に隙間を形成するスペーサとし
    て役立つ突起が設けられていることを特徴とする樋取付
    具。
JP35755396A 1996-12-28 1996-12-28 樋取付具 Ceased JP3417238B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35755396A JP3417238B2 (ja) 1996-12-28 1996-12-28 樋取付具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35755396A JP3417238B2 (ja) 1996-12-28 1996-12-28 樋取付具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10196072A true JPH10196072A (ja) 1998-07-28
JP3417238B2 JP3417238B2 (ja) 2003-06-16

Family

ID=18454720

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35755396A Ceased JP3417238B2 (ja) 1996-12-28 1996-12-28 樋取付具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3417238B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007100480A (ja) * 2005-10-07 2007-04-19 Matsushita Electric Works Ltd 樋取付け具
JP2007146451A (ja) * 2005-11-25 2007-06-14 Matsushita Electric Works Ltd 軒樋の取付構造
JP2007285072A (ja) * 2006-04-20 2007-11-01 Matsushita Electric Works Ltd 樋支持具
JP2007291680A (ja) * 2006-04-24 2007-11-08 Matsushita Electric Works Ltd 軒樋吊り具の取付け構造
JP2008156895A (ja) * 2006-12-22 2008-07-10 Matsushita Electric Works Ltd 軒樋吊具
JP2011202464A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Sekisui Chem Co Ltd 軒樋支持具
JP2011208377A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Sekisui Chem Co Ltd 軒樋支持具
JP2014134044A (ja) * 2013-01-11 2014-07-24 Panasonic Corp 軒樋吊具

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007100480A (ja) * 2005-10-07 2007-04-19 Matsushita Electric Works Ltd 樋取付け具
JP2007146451A (ja) * 2005-11-25 2007-06-14 Matsushita Electric Works Ltd 軒樋の取付構造
JP2007285072A (ja) * 2006-04-20 2007-11-01 Matsushita Electric Works Ltd 樋支持具
JP2007291680A (ja) * 2006-04-24 2007-11-08 Matsushita Electric Works Ltd 軒樋吊り具の取付け構造
JP2008156895A (ja) * 2006-12-22 2008-07-10 Matsushita Electric Works Ltd 軒樋吊具
JP2011202464A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Sekisui Chem Co Ltd 軒樋支持具
JP2011208377A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Sekisui Chem Co Ltd 軒樋支持具
JP2014134044A (ja) * 2013-01-11 2014-07-24 Panasonic Corp 軒樋吊具

Also Published As

Publication number Publication date
JP3417238B2 (ja) 2003-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR880013021A (ko) 배킹필름을 구비한 역반사시이트
JPH10196072A (ja) 樋取付具
KR101487052B1 (ko) 차열용 수지 조성물 및 이를 이용한 차열 점착 필름
CA2284080A1 (en) Sheet for protecting paint films of automobiles
JPS61288356A (ja) 画像再生装置
EP1003073A3 (en) Thin durable photographic element
ES2220002T3 (es) Pelicula de cubierta transpirable para estructuras de lunas.
JPH10183903A (ja) 樋取付具
KR102207222B1 (ko) 거울의 부식 방지용 시트와 이의 제조방법
JPH094077A (ja) 外壁材の目地処理方法
JPH05131589A (ja) 耐可塑剤性を有する再帰反射性シート
KR970000551A (ko) 태양광선 제어필름
KR102152992B1 (ko) 부식 방지 거울
JPH0538018Y2 (ja)
ITTO960589A1 (it) Attuatore-trasduttore piezoelettrico per sistemi di fonoriproduzione.
GB2257175A (en) Securing damp proof membranes.
JP2005082983A (ja) 化粧幅木
JPH04194261A (ja) 壁パネル取付け構造
JP4661675B2 (ja) 木製キッチンカウンターへのシンクの取付構造
JP2007146451A (ja) 軒樋の取付構造
JP2009017803A (ja) 水槽
JPH09118863A (ja) 両面粘着防水テープ
JP3517018B2 (ja) 埋設型枠におけるコンクリート縁の保護方法
JPH108684A (ja) 形材枠一体パネルの取付け構造
JP2007138553A (ja) 樋支持具

Legal Events

Date Code Title Description
RVOP Cancellation by post-grant opposition