JPH10195582A - 初期活性の良好な水素貯蔵合金 - Google Patents

初期活性の良好な水素貯蔵合金

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JPH10195582A
JPH10195582A JP9003364A JP336497A JPH10195582A JP H10195582 A JPH10195582 A JP H10195582A JP 9003364 A JP9003364 A JP 9003364A JP 336497 A JP336497 A JP 336497A JP H10195582 A JPH10195582 A JP H10195582A
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hydrogen
alloy
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hydrogenation
storage alloy
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JP9003364A
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Shinichiro Kakehashi
伸一郎 梯
Yoshio Takizawa
与司夫 滝沢
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Mitsubishi Materials Corp
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/38Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of elements or alloys
    • H01M4/383Hydrogen absorbing alloys
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水素吸収放出速度が速く、かつ実用に際して
すぐれた初期活性の良好な水素貯蔵合金を提供する。 【解決手段】 本発明水素貯蔵合金が、原子%で、T
i:17〜29%、Zr:0.5〜10%、Hf:0.
02〜0.4、Mn:27〜42%、Cr:4〜13
%、V:7〜17%、Ni:2〜9%、 Laおよび/
またはCe:0.1〜3%、水素:0.2〜10%、酸
素:1〜15%、Ti(%)+Zr(%)+Hf(%)
+Mn(%)+Cr(%)+V(%)+Ni(%)+L
aおよび/またはCe元素(%)+水素(%)+酸素
(%)+不可避不純物(%)=100%なる組成を有
し、 かつTi−Mn系合金の素地相に水素化酸化処理
生成物相が分散分布し、前記素化酸化処理生成物相の主
体が、Laおよび/またはCeの水酸化物と、Laおよ
び/またはCe−Ni系合金で構成された組織を有し、
さらに水素化処理時に発生した無数の亀裂が存在すると
共に、前記亀裂内面には前記水素化酸化処理生成物相が
露出した構造を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばヒ−トポ
ンプの吸発熱源として組み込み、或いは、水素貯蔵、輸
送用、電池の電極などとして実用に供するに際しては、
水素吸収および放出速度がきわめて速く、優れた初期活
性化を発揮する水素貯蔵合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ヒ−トポンプの吸発熱源として組
み込むことを目的とした下記の組成範囲を有するTi−
Mn系水素貯蔵合金が知られている。原子%で、 Ti:27.5〜31.5%、 Zr:1〜5%、 Mn:38.5〜44.5%、 Cr:7〜13%、 V:10〜16%、 Ni:1〜5%、 不可避不純物:残、 結晶構造当量比:[Mn(%)+Cr(%)+V(%)
+Ni(%)]/[Ti(%)+Zr(%)]=2.0
5〜2.20、 を満足する組成を有する水素貯蔵合金。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、水素貯蔵合金
が、多く適用されているヒートポンプなどの高出力化お
よび高性能化、また、電池の電極などとしての実用化に
際して、さらに省エネルギ−化に対する要求は強く、こ
れに伴ない、水素貯蔵合金に対し、大きな有効水素吸蔵
量と、更により一段と速い水素吸収放出速度と共に、よ
り短時間での初期活性化が可能であることが強く望まれ
ている。しかし上記従来の技術では、これら要求を十分
に満足させることは困難であるとの問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、水素貯蔵合金の有効水素吸蔵量
と水素吸収放出速度および初期活性化の向上をはかるべ
く研究を行なった結果、 (a) まず、原子%で、 Ti:17〜29%、 Zr:0.5〜10%、 Hf:0.02〜0.4% 、Mn:27〜42%、 Cr:4〜13%、 V:7〜17%、 Ni:2〜9%、 Laおよび/またはCe[以下、La(Ce)で示す] :0.1〜3%、 水素:0.2〜10%、 酸素:1〜15%、 不可避不純物:残、なる組成を有するTi−Mn系合金
を溶製し、鋳造した後、この合金のインゴットに、所定
の均質化熱処理を施すと、Ti−Mn系合金の素地相の
結晶粒界にそってLa(Ce)−Ni系合金の分散相が
存在した組織を有するようになるが、さらに前記均質化
熱処理に引き続いて水素雰囲気中、400〜700℃の
範囲内の所定温度に所定時間保持−Ni系合金の分散相
が雰囲気の水素と優先的に反応して、主体がLa(C
e)の水素化物(以下、La(Ce)水素化物という)
と、La(Ce)−Ni系合金からなる水素化処理生成
物相となると共に、前記水素化処理生成物相はTi−M
n系合金の素地相に比して大きな熱膨脹を示すことか
ら、前記素地相には前記水素化処理生成物相を起点とし
て無数の亀裂が発生し、この亀裂内面には前記水素化処
理生成物相が露出した状態となり、さらに引続いて、例
えばKOH水溶液やNaOH水溶液などのアルカリ水溶
液中に浸の酸化処理を施すと、上記La(Ce)水素化
物がLa(Ce)水酸化物となり、この結果Ti−Mn
系合金は、図1に代表組織を例示する概略組織拡大模写
図で示される通りTi−Mn系合金の素地相に水素化酸
化処理生成物相が分散分布し、前記水素化酸化処理生成
物相の主体がLa(Ce)−Ni系合金とLa(Ce)
水酸化物からなり、さらに無数の亀裂が存在し、かつ前
記亀裂内面には前記水素化酸化処理生成物相が露出した
組織をもつようになること。
【0005】(b)上記(a)のTi−Mn系合金にお
いては、これを構成する水素化酸化処理生成物相におけ
るLa(Ce)−Ni系合金およびLa(Ce)水酸化
物が、これのもつ触媒作用で雰囲気中の水素分子
(H2 )を水素原子(H)に解離すると共に、解離した
水素原子をTi−Mn系の素地相に比して一段と速い速
度で吸収し、また放出はこの逆の機構による作用を示す
が、前記水素反応生成物相は無数の亀裂内面に多くが露
出した状態になっており、この結果作用面積の拡大がな
されることから、上記従来水素吸蔵合金における水素吸
収および放出速度に比して一段と速い速度での水素吸収
および放出となり、さらに初期活性時における上記素地
相の水素原子の吸収割合も広い作用面積で行なわれるた
め著しく増大することから、初期活性化の著しい促進が
はかられるようになること。以上(a)および(b)に
示される研究結果を得たのである。
【0006】この発明は、上記の研究結果にも基づいて
なされたものであって、原子%で、 Ti:17〜29%、 Zr:0.5〜10%、 Hf:0.02〜0.4% 、Mn:27〜42%、 Cr:4〜13%、 V:7〜17%、 Ni:2〜9%、 La(Ce):0.1〜3%、 水素:0.2〜10%、 酸素:1〜15%、 不可避不純物:残、なる組成、およびTi−Mn系合金
の素地相に水素化酸化処理生成物相が分散分布し、前記
水素化酸化処理生成物相の主体が、 La(Ce)水酸
化物とLa(Ce)−Ni系合金からなる組織、さらに
水素化処理時に発生した無数の亀裂が存在すると共に、
前記亀裂内面には前記水素化酸化処理生成物相が露出し
た構造を有する、水素吸収放出速度が速く、かつ初期活
性化のすぐれた水素貯蔵合金に特徴を有するるものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、説明する。通常の高周波誘導溶解炉にて、原料とし
てそれぞれ99.9%以上の純度をもったNi,Zr,
Ti,Hf,Mn,V,LaおよびCe、さらにミッシ
ュメタルを用い、Ar雰囲気中で溶解して、それぞれ表
1に示される組成をもった合金溶湯を調製し、水冷銅鋳
型に鋳造してインゴットとし、このインゴットに、真空
雰囲気中、950〜1050℃の範囲内の所定温度に2
0時間保持の条件で均質化熱処理を施し、ついで1〜
1.2気圧の範囲内の所定の圧力の水素雰囲気中、まず
室温で1時間保持した後、昇温を開始して400〜70
0℃の範囲内の所定温度に加熱し、この温度に1時間保
持してから、Arガスによる強制空冷を行なう条件で水
素化処理を施し、さらに35%KOH水溶液中に10分
間保持後、乾燥の酸化処理を施すと、その結果の合金
は、図1に代表組織を例示する概略組織拡大模写図で示
される通りTi−Mn系合金の素地相に水素化酸化処理
生成物相が分散分布し、前記水素化酸化処理生成物相の
主体がLa(Ce)−Ni系合金とLa(Ce)水酸化
物からなり、さらに無数の亀裂が存在し、かつ前記亀裂
内面には前記水素化酸化処理生成物相が露出した組織を
もつようになり、この合金を例えばヒ−トポンプの吸発
熱源として組み込み、或いは、水素貯蔵、輸送用、電池
の電極などとして実用に供するに際しては、大きい有効
水素吸蔵量を有すると共に、水素吸収および放出速度が
きわめて速く、優れた初期活性を有する水素貯蔵合金に
なるのである。一般に、水素貯蔵合金を、例えばヒ−ト
ポンプの吸発熱源として適用する場合には、水素貯蔵合
金が組込まれた前記ヒ−トポンプに対して、数回の水素
吸収放出を繰り返すと、水素吸蔵量が徐々に上昇し何れ
一定の値となる初期活性化が行なわれ、この初期活性化
が行なわれた状態で実用に供されるものである。活性化
に必要な繰り返し数、水素圧等は合金組成によって異な
る。
【0008】なお、本発明の水素貯蔵合金では、JIS
規格による有効水素吸蔵量の測定は、すなわち(50℃
での吸蔵平衡圧:11気圧時の水素吸蔵量)−(−5℃
での放出平衡圧:1気圧時の水素吸蔵量)の条件により
測定された(図4参照)。
【0009】つぎに、この発明の水素貯蔵合金におい
て、これを構成するTi−Mn系合金の組成を上記の通
りに限定した理由を説明する。 (a) TiおよびZr 有効水素吸蔵量を増大させるには、Tiの一部をZrで
置換する必要があるが、その置換割合が、合金全体(1
00%)に占める割合で(以下、同じ)、0.5%未満
またはTiの含有割合が29%を越えて多くなった場合
では、圧力組成等温線における低温側曲線および高温側
曲線のプラト−圧が高くなり過ぎて、所望の有効水素吸
蔵量の増大が計れず、一方その置換割合が10%を越え
るか、またはTiの含有割合が17%未満となった場合
は逆に圧力組成等温線における低温側曲線および高温側
曲線のプラト−圧が著しく低下し、所望の大きな有効水
素吸蔵量を確保することが出来ないことから、その含有
割合を、それぞれTi:17〜29%、Zr:0.5〜
10%と定め、望ましくは、Ti:21〜27%、Z
r:1〜5%とした。
【0010】(b) Hf Hf成分には、Zr成分とともにTi−Mn系合金の素
地相を形成してZr成分によってもたらされる上記の作
用を十分に発揮させる作用があるが、その含有量が0.
02%未満では所望の効果を発揮することができず、一
方その割合が0.4%を越えるとZrによる上記の作用
が阻害されるようになることから、その含有量を0.0
2〜0.4%と定め、望ましくは、0.04〜0.2%
とした。
【0011】(c) Mn、Cr、V、およびNi さらに、有効水素吸蔵量の増大には、上記の通りTiの
Zrによる一部置換に加えて 、MnのCr、Vおよび
Niによる一部置換が不可欠であり、更に言い換えれ
ば、Tiの所定量のZrによる一部置換が行なわれない
場合や、置換元素であるCr、VおよびNiのうちの少
なくともいずれかの元素が含有しない場合は勿論のこ
と、Mnのそれぞれ所定量のCr、VおよびNiによる
一部置換が行われない場合には、所望の大きな有効水素
吸蔵量を確保することが出来ないものであり、その理由
は、Mn:27%、Cr:4%、V:7%およびNi:
2%未満であったり、またMn:42%、Cr:13
%、V:17%およびNi:9%をそれぞれ越えると、
圧力組成等温線におけるプラト−の傾きやヒステリシス
が大きくなることになり、したがって、その含有割合
を、それぞれMn:27〜42%、Cr:4〜13%、
V:7〜17%およびNi:2〜9%と定め、望ましく
は、それぞれMn:30〜37%、Cr:6〜11%、
V:8〜14%およびNi:3〜7%とした。
【0012】(d) La(Ce) これらの成分は、上記の通り雰囲気中の水素を主体相よ
り一段と速い速度で解離吸収し、かつ再結合させて雰囲
気中に放出する作用を有するLa(Ce)−Ni系合金
相を形成するのに不可欠な成分であり、したがってその
割合が0.1%未満では、前記La(Ce)−Ni系合
金相の生成割合が少なすぎて、これのもつ上記作用を十
分に発揮させることが出来ず、一方その割合が3%を越
えると、水素吸蔵能の小さい前記La(Ce)−Ni系
合金相の割合が多くなりすぎ、合金全体の水素吸蔵量が
低下するようになることから、その割合を0.1〜3
%、望ましくは1〜2.5%と定めた。
【0013】(e) 水素および酸素 これらの成分は、主に水素化酸化処理生成物相を構成す
るLa(Ce)−Ni系合金と共に、雰囲気中の水素分
子(H2 )を素地相より速い速度で水素原子(Hに解離
して吸収し、吸収した水素原子を素地相中に拡散させ、
一方水素放出にあたっては素地相からの拡散水素原子を
いち速く水素分子に再結合させる作用を有するLa(C
e)水酸化物の形成に不可欠な成分であるが、その割合
が水素:0.2%未満、および酸素:1%未満では、記
La(Ce)水酸化物の形成が少なすぎて上記の作用効
果を十分に発揮させることができず、また亀裂の形成も
不十分となり、一方その割合が水素:10%および酸
素:15%を越えると、相対的にLa(Ce)水酸化物
の割合が多くなりすぎて強度が低下し、微粉化傾向が促
進されるようになることから、その割合を、それぞれ水
素:0.2〜10%、望ましくは3〜8%、酸素:1〜
15%、望ましくは3〜10%と定めた。
【0014】なお、この発明の水素貯蔵合金は、通常の
機械的粉砕により所定粒度の粉末とすることができるほ
か、加圧水素雰囲気中、10〜200℃の範囲内の所定
温度に加熱の水素吸収と、真空排気による水素放出の水
素化粉砕によっても粉末とすることができる。
【0015】
【実施例】次に、本発明の水素貯蔵合金を実施例により
具体的に説明する。通常の高周波誘導溶解炉にて、原料
としていずれも99.9%以上の純度をもったTi,Z
r,Hf,Mn,Cr、V,Ni、La、およびCeを
用い、Ar雰囲気中で溶解して、それぞれ表1に示され
る組成をもったTi−Mn系合金溶湯を調製し、水冷銅
鋳型に鋳造してインゴットとし、このインゴットに、真
空雰囲気中、それぞれ表2に示した所定温度に20時間
保持の条件で均質化熱処理を施し、ついでそれぞれ同じ
く表2に示した所定の圧力の水素雰囲気中、まず室温で
1時間保持した後、昇温を開始して同じく表2に示した
所定温度に加熱し、この温度に1時間保持してから、A
rガスによる強制空冷を行なう条件で水素化処理を施
し、さらに35%KOH水溶液中に10分間保持後、乾
燥の酸化処理を施すことにより本発明水素貯蔵合金1〜
16(以下、本発明合金1〜16という)をそれぞれ製
造した。
【0016】また、比較の目的で、Ti−Mn系合金溶
湯の組成を表1に示される通りとし、かつ均質化熱処理
後の水素化処理および酸化処理を行なわない以外は同一
の条件で従来水素貯蔵合金(以下、従来合金という)を
製造した。この結果得られた水素貯蔵合金について、そ
の組織を走査型電子顕微鏡で観察したところ、本発明合
金1〜16は、いずれも図1に示される通り無数の亀裂
が存在し、この亀裂の内面には、La(Ce)−Ni系
合金とLa(Ce)水酸化物で構成された水素化酸化処
理生成物相が露出し、この水素化酸化処理生成物相がT
i−Mn系合金の素地相中に分散分布した組織を示し、
従来合金は、図3に示される通りTi−Mn系合金の素
地相からなる組織を示した。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】つぎに、上記の本発明合金1〜16および
従来合金について、それぞれ水素吸収速度と水素放出速
度をJIS・H7202の「水素吸蔵合金の水素化速度
試験測定法」にもとづいて測定した。
【0020】まず、水素吸収速度の測定装置について
は、図5の概略説明図で示される通りで、測定に先だっ
て、本発明合金1〜16および従来合金を、圧力容器に
封入し、水素雰囲気圧力:8気圧、加熱温度:200
℃、保持時間:1時間の条件での水素吸収と、真空排気
による水素放出からなる水素化粉砕を行なって200m
esh以下の粒度をもった粉末とし、この粉末を用いて
以下に示す条件で測定を行なった。 (a)粉末を浴(油または水)に浸漬した容器内に封入
し、前記浴の温度を200℃に保持した状態で、弁V
b:閉、弁VaおよびVc:開として水素ボンベから加
圧水素を系内に導入し、系内を30気圧とした時点で弁
Va:閉とし、系内の圧力が一定圧力に降下する(粉末
による水素吸収完了)まで放置して粉末の初期活性化を
行ない、(b)系内の圧力が一定圧力(約20気圧程
度)に降下した時点で弁Vb:開とし、真空ポンプで系
内を10-2トルの真空雰囲気とした後、浴温を20℃と
し、弁VbおよびVc:閉、弁Va:開にして容器を除
く系内に水素を導入し、その圧力が30気圧となった時
点で弁Va:閉、弁Vc:開とし、この状態で系内の時
間に対する圧力降下を測定し、この結果の圧力降下曲線
から粉末の水素吸蔵量が80%になった時点の水素吸蔵
量とそれまでに要した時間を求め、(80%吸蔵時の水
素吸蔵量)÷(80%水素吸蔵量に要した時間)を算出
し、この値を水素吸収速度とした。
【0021】また、水素放出速度については、上記の水
素吸収速度測定後の状態、すなわち弁VaおよびVb:
閉、弁Vc:開であって系内の圧力が一定圧(通常20
気圧前後)となった状態で、浴温を100〜300℃の
範囲内の粉末の水素放出適正温度、例えば120℃とし
た後、弁Vb:開、弁Vc:閉として容器を除く系内を
10-2Torrに排気し、ついで弁Vb:閉、弁Vc:
開とした状態で、系内の時間に対する圧力上昇を測定
し、この結果の圧力上昇曲線から粉末の水素放出量が8
0%になった時点の水素放出量とそれまでに要した時間
を求め、(80%放出時の水素放出量)÷(80%水素
放出に要した時間)を算出し、この値を水素放出速度と
した。これらの結果を表3に示した。
【0022】次いで、上記本発明合金1〜16および従
来合金について、これをジョークラッシャにて粗粉砕し
て直径:2mm以下の粗粒とし、さらにこれをボ−ルミ
ルで微粉砕して粒度:350メッシュ以下の微粉末とし
た状態で、JIS規格にもとづいて、(50℃での吸蔵
平衡圧:11気圧時の水素吸蔵量)−(−5℃での放出
平衡圧:1気圧時の水素吸蔵量)を測定し、算出して有
効水素吸蔵量を求めた。この結果を表3に示した。
【0023】さらに、上記の発明合金1〜16および従
来合金について、初期活性化を評価する目的で、まず、
本発明合金1〜16と従来合金をジョークラッシャを用
いて粗粉砕して直径:2mm以下の粗粒とし、引続いて本
発明合金1〜16および前記粗粒の従来合金をボールミ
ルを用いて微粉砕して200メッシュ以下の粒度とし、
これに結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン(P
TFE)と増粘剤としてのカルボキシルメチルセルロー
ス(CMC)を加えてペースト状とした後、95%の気
孔率を有する市販の発泡Ni板に充填し、乾燥し、加圧
して、平面寸法:30mm×40mm、厚さ:0.40〜
0.43mmの形状(前記活物質粉末充填量:約1.8
g)とし、これの一辺にリードとなるNi薄板を溶接に
より取り付けて負極を形成し、一方正極は、活物質とし
てNi(OH)2 を用い、これに結着剤としてのポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)と増粘剤としてのカ
ルボキシルメチルセルロース(CMC)を加えてペース
ト状とし、これを上記発泡Ni板に充填し、乾燥し、加
圧して、平面寸法:30mm×40mm、厚さ:0.71〜
0.73mmの形状とし、同じくこれの一辺にNi薄板を
取り付けることにより形成し、ついで、上記負極の両側
に、それぞれポリプロピレンポリエチレン共重合体のセ
パレータ板を介して上記正極を配置し、さらに前記正極
のそれぞれの外面から活物質の脱落を防止する目的で塩
化ビニール製の保護板ではさんで一体化し、これを塩化
ビニール製のセルに装入し、前記セルに電解液として3
5%KOH水溶液を装入することにより電池を製造し
た。ついで、上記電池に、充電速度:0.20C、放電
速度:0.20C、充電電気量:負極容量の135%の
条件で充放電を行ない、前記充電と放電を充放電1回と
数え、前記電池が最大放電容量を示すに至るまで前記充
放電を繰り返し行なった。表3に、前記最大放電容量の
95%の放電容量を示すに要した充放電回数を示し、こ
れによって初期活性化を評価した。
【0024】
【表3】
【0025】
【発明の効果】表3に示された結果から、本発明合金1
〜16においては、表面および無数の亀裂内面に露出
し、これによって全体的に広い表面積で雰囲気中に露出
した状態にある水素化酸化処理生成物相のLa(Ce)
−Ni系合金およびLa(Ce)水酸化物を通して、雰
囲気中の水素が水素原子に解離されて吸収され、この吸
収水素がTi−Mn系合金の素地相に拡散して水素吸蔵
が行なわれるが、上記の通りきわめて速い水素吸収能を
有するLa(Ce)−Ni系合金およびLa(Ce)酸
化物が全体的に広い表面積で分布するので、水素吸収速
度は相対的にきわめて速いものとなり、かつ初期活性化
も著しく促進されるようになり、また水素放出もこの逆
の機構によるものであるため速い速度での水素放出が行
なわれるのに対して、従来合金においては、この分散相
の水素雰囲気に対する露出面積は、水素化処理による積
極的亀裂形成が行なわれない分だけ相対的に小さく、こ
の結果水素吸収および放出速度は遅くならざるを得ず、
かつ初期活性化も遅いものとなることが明らかである。
上述のように、この発明の水素貯蔵合金においては、大
きい有効水素吸蔵量を持つと共に、水素吸収および放出
速度がきわめて速く、かつ実用に際してはすぐれた初期
活性化を示すので、水素貯蔵合金が適用されている各種
機械装置の高出力化および高性能化、さらに省エネ化に
大いに寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の水素貯蔵合金の代表組織を例示する
概略組織拡大模写図である。
【図2】 本発明の水素貯蔵合金粉砕粉末の代表組織を
例示する概略組織拡大模写図である。
【図3】 従来水素貯蔵合金の代表組織を例示する概略
組織拡大模写図である。
【図4】 本発明の水素貯蔵合金の圧力組成等温線を示
す図である。
【図5】 水素吸蔵合金の水素吸収放出速度を測定する
のに用いた装置の概略説明図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子%で、 Ti:17〜29%、 Zr:0.5〜10%、 Hf:0.02〜0.4% 、Mn:27〜42%、 Cr:4〜13%、 V:7〜17%、 Ni:2〜9%、 Laおよび/またはCe:0.1〜3%、 水素:0.2〜10%、 酸素:1〜15%、 不可避不純物:残、なる組成を有し、 かつTi−Mn系合金の素地相に水素化酸化処理生成物
    相が分散分布し、前記水素化酸化処理生成物相の主体
    が、Laおよび/またはCeの水酸化物と、Laおよび
    /またはCe−Ni系合金で構成された組織を有し、 さらに水素化処理時に発生した無数の亀裂が存在すると
    共に、前記亀裂内面には前記水素化酸化処理生成物相が
    露出した構造を有することを特徴とする水素貯蔵合金。
JP9003364A 1997-01-10 1997-01-10 初期活性の良好な水素貯蔵合金 Withdrawn JPH10195582A (ja)

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