JPH10195312A - 重合体組成物 - Google Patents

重合体組成物

Info

Publication number
JPH10195312A
JPH10195312A JP572697A JP572697A JPH10195312A JP H10195312 A JPH10195312 A JP H10195312A JP 572697 A JP572697 A JP 572697A JP 572697 A JP572697 A JP 572697A JP H10195312 A JPH10195312 A JP H10195312A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
general formula
weight
group
ethylenically unsaturated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP572697A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashi Ishida
忠 石田
Katsunari Matsumoto
克成 松本
Futoshi Hoshino
太 星野
Yoshio Kikuta
佳男 菊田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP572697A priority Critical patent/JPH10195312A/ja
Publication of JPH10195312A publication Critical patent/JPH10195312A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高圧及び/又は高温を長期間負荷しても、優
れた耐ブロッキング性を発揮する再乳化性重合体組成物
を提供すること。 【解決手段】 無機微粉末、及び、(共)重合体を必須
構成成分とする重合体組成物であって、該(共)重合体
が、シェルによりコア表面の少なくとも一部が被覆され
たコア/シェル構造を有する粒子であって、前記コア
は、水に不溶性な(共)重合体であり、前記シェルは、
pH5以上で水溶性である(共)重合体であり、pH5
以上で実質的に再乳化可能な(共)重合体であることを
特徴とする、重合体組成物。 【効果】 本発明に係る再乳化性重合体組成物は、高圧
(例えば、500g/cm2)及び/又は高温(例え
ば、50℃)を長期間(例えば、1週間)負荷しても、
優れた耐ブロッキング性を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機微粉末と特定
の組成を有する再乳化性重合体からなる重合体組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】乳化重合法によって得られる水性エマル
ションは、一般に約30〜約90重量%の水を分散媒と
して含んでいるため、流通・輸送に際しては大量の水を
運んでいることになり、エネルギー的にも、コスト的に
も、問題があった。
【0003】一方、再乳化性重合体は、通常の水性エマ
ルションの場合とは対照的に、水を、全く又はほとんど
含まない固体状であるので、流通・輸送・保管が容易で
あり、必要なときに水に溶解させることにより、通常の
水性エマルションと同様な乳化体に戻すことができる点
で特徴的である。再乳化性重合体又はその粉末は、セメ
ント、石膏、顔料等その他の粉体と、所望の処方に、プ
レミックスし、ワンパッケージ化した製品として提供す
ることが可能である。このような、再乳化性重合体の粉
末をプレミックスしてワンパッケージ化した製品は、流
通・輸送・保管過程においては、コンパクトで軽量な粉
末であり、使用時には、施工現場において、粉末と水を
混合することにより、ワン・ステップで所望のモルタル
を調製でき、直ちに使用することができる。重合体を混
入する際に、計量操作などの煩雑な手順を、大幅に省略
できるため、極めて作業性が良くなる点で、大きなメリ
ットがある。通常の水性エマルションの場合には必要
な、ガロン缶やドラム缶が不要となるので、出荷時に
は、梱包コストを低減でき、使用後には、廃棄すべきガ
ロン缶やドラム缶等の梱包材の量が大幅に低減できる点
で有利である。プレミックス化ワンパッケージ製品とし
た場合は、予め、所望の処方に正確に計量してあるの
で、施工時におけるモルタル又はコンクリートの品質管
理が容易になり、工事に対する信頼度も、より向上す
る。
【0004】したがって、再乳化性重合体の粉末を使用
することは、通常の水性エマルションと比較し、少なく
とも、以下の点で有利である。 流通・輸送・保管に要するコスト・エネルギーを低
減できる。 大型の液体用容器が不要なため、梱包コストを低減
できる。 大型の液体用容器が不要なため、産業廃棄物を低減
できる。 プレミックス化ワンパッケージ製品とした場合は、
施工現場における計量操作がほとんど不要であるので、
大幅な省力化を実現できる。 プレミックス化ワンパッケージ製品とした場合は、
粉末と水を混合することにより、ワン・ステップで所望
のモルタル又はコンクリートを調製できるので、大幅な
省力化を実現できる。 プレミックス化ワンパッケージ製品とした場合は、
予め、所望の処方に正確に計量してあるので、施工時に
おけるモルタル又はコンクリートの品質管理が容易にな
る。 以上のような理由から水性エマルションの代わりに、再
乳化性重合体の粉末をセメントや骨材とプレミックスし
てワンパッケージ化した製品が、下地調整塗材、セルフ
レベリング材、補修材、タイル接着剤、半たわみ舗装用
グラウト、セメント系サイディング材、目地材、吹き付
けモルタル材、セメント系厚付け塗材、セメント系注入
材等の分野で広く使用されている。しかしながら、従来
の再乳化性重合体の粉末は重合体に粘結性があるため、
製造時や貯蔵保管時に粉末同士が粘結しブロック化して
再乳化性が失われるという重大な問題があった。そこで
一般的には無機微粉末を併用して粉末表面を無機微粉末
で被覆して粘結を防止する方法が取られている。しかし
再乳化性重合体の粉末を応用する際には有効なバインダ
ー成分がその分だけ減少しているという欠点にもなって
いる。しかしながら、従来の再乳化性重合体粉末と無機
微粉末の併用品は、これらの改良によってでも、なお、
高圧、高温貯蔵時でのブロック化防止については今だ不
十分であった。例えば、従来の再乳化性重合体は、その
貯蔵注意事項として、例えば、以下のような項目があっ
た。 「冷たく乾燥した場所に保管して下さい。」 「貯蔵温度は25℃以下にして下さい。」 「夏場などに高温、多湿下で保存する場合には、5
段袋以上の積み重ねは避けて下さい。」 「倉庫内で通常行っている積み重ねはやめて下さ
い。」 このような高圧、高温貯蔵時でのブロック防止は無機微
粉末の添加量を増やせば改善されるが、本来必要な重合
体成分が減少する問題があった。また、従来の再乳化性
重合体の粉末の粒子径は10〜95μmと細かいため、
粉末の粒子表面を被覆するために必要な無機微粉末の量
を減らすためには、粒子径が非常に細かい無機微粉末が
必要であった。例えば、特開平4−185607号の実
施例には、重合体の粉末の粒子径は60μm〜90μm
であり、抗粘結剤として0.01〜0.5μmの無機微
粉末が好ましいと開示されている。また、特開平5−1
40325号の実施例では、0.1μmという非常に細
かい炭酸カルシウムの粉末が用いられている。従来の再
乳化性重合体の粉末粒子径が小さいのは、噴霧乾燥法で
製造されるためと、得られる粉末の再乳化性が乏しいた
めに重合体の表面積を大きくする必要があるからであ
る。
【0005】ところで、本発明者らは、本出願の出願日
において未だ公開されていない特願平8−186164
号において、特定のエチレン性不飽和単量体を、特定の
条件で重合することにより得られる水性エマルション
が、酸や金属塩の添加により、凝集体を形成し、しか
も、驚くべきことに、この凝集体の粉末が、従来にない
優れた再乳化性を有し、かつ、無機微粉末を必ずしも必
要としない高い抗粘結性を有することを開示した。本発
明者らが特願平8−186164号において開示した再
乳化性重合体は、それ単独であっても、耐ブロッキング
性について、従来の再乳化性重合体粉末と無機微粉末の
併用品と比較した場合、顕著に優れており、その作用効
果について特願平8−186164号において開示し
た。しかるに、本発明者らは、特願平8−186164
号を出願した後に、さらに鋭意検討を推進した結果、特
願平8−186164号において開示した再乳化性重合
体は、それ単独であっても、優れた耐ブロッキング性を
有するのであるが、無機微粉末と併用すると、さらに優
れた耐ブロッキング性−特に、高圧・高温貯蔵時におけ
る耐ブロッキング性−を示すことを見出した。
【0006】本発明者らが特願平8−186164号に
おいて開示した再乳化性重合体は、従来の噴霧乾燥法に
より製造されたものと比較して優れた再乳化性を示す。
また、本発明者らが特願平8−186164号において
開示した再乳化性重合体は、噴霧乾燥法による製造でな
いため、100〜1000μmの粒子径を有する大粒子
の態様においてさえ、優れた再乳化性を示すが、このよ
うなことは、従来の技術によったのでは困難であった。
また、無機微粉末と併用して配合する場合は、従来の噴
霧乾燥法により製造された再乳化性重合体粉末は、噴霧
により製造されるために、それ自身が細かいので、高価
な細かい無機微粉末(粒子径0.01〜0.5μm)を
必要としたのに対して、対照的に、特願平8−1861
64号において開示した再乳化性重合体は、100〜1
000μmの粒子径を有する大粒子とすることが可能で
あり、安価な粗い無機微粉末(粒子径5nm〜50μ
m、又は、1〜10μm)と併用できるので有利であ
る。このような粒子径が100〜1000μmである大
粒子の態様は、粉末の粒子表面積が小さいため、被覆す
るために必要な無機微粉末の量を減らすことができる点
で有利である。このように、特願平8−186164号
において開示した再乳化性重合体は、安価な粗い無機微
粉末(粒子径5nm〜50μm、又は、1〜10μm)
と併用することが可能であり、しかも、従来の技術と比
較して、併用する無機微粉末の使用量を低減できる点は
特筆すべきである。
【0007】[再乳化性重合体に関する従来技術]再乳
化性重合体に関する従来技術を、以下に示すが、いずれ
も、再乳化性を示すものではなかったり、あるいは再乳
化性が必ずしも満足できるものではなかった。また、以
下に示す重合体粒子に関する従来技術のうち再乳化性を
示す重合体粒子の多くが、在来型噴霧乾燥法を採用した
ものであり、再乳化性が必ずしも満足できるものではな
い。
【0008】[特開昭59−193903号]特開昭5
9−193903号(出願人;東ソー(株))には、特
定のpH値を境にして安定剤又は粉末化剤として作用す
る特殊な水溶性共重合体の存在下で、不飽和単量体類を
重合させることにより、全く凝集体のない粉末組成物を
容易に得る技術が開示されている。すなわち、メタクリ
ルアミドと不飽和カルボン酸の水溶性共重合体の存在下
で安定なエマルションを重合した後、pH4以下でポリ
マーを分離、脱水、乾燥する製造法が開示されている。
特開昭59−193903号は、特許法36条4項に規
定する要件−すなわち、「特許請求の範囲には、発明の
詳細な説明に記載した発明の構成に欠くことができない
事項のみを記載しなければならない」という要件−を満
たしておらず、拒絶査定が確定しており、本号に開示さ
れている発明の構成は、不明瞭である。しかるに、開示
されている限りにおいて、発明の内容は、以下のとおり
である。特開昭59−193903号に開示されている
技術において、水溶性重合体は、 乳化重合を安定に行うための安定化剤としての機
能、及び、 凝集体のない粉末を得るための粉末化剤としての機
能、 の二つの機能を有している。この技術は、安定化剤とし
ての機能を有する水溶性重合体の存在下で、乳化重合を
行い、凝集体のない粉末を得るものである。すなわち、
(A)ラジカル重合可能な不飽和結合含有の単量体類
(例:スチレン等)を、(B)メタクリルアミドと不飽
和カルボン酸(好適にはメタクリル酸,イタコン酸)と
の水溶性共重合体の存在下に、先ず、水系媒体中、pH
5以上で重合させて、成分Bの安定剤としての作用によ
つて安定なエマルジヨンを得た後、pHを4以下に低下
させて、成分Bの粉末化剤としての作用でエマルジヨン
からポリマーを分離し、さらに、これを脱水、乾燥して
粉末組成物を得る。水溶性共重合体を調製するに当た
り、不飽和カルボン酸として、メタクリル酸やイタコン
酸を単量体として用いる場合、メタクリル酸、イタコン
酸は、メタクリルアミドとの組成比が、9/1〜1/9
までの範囲において、水溶性共重合体が粉末化剤として
の機能を有するとの開示がある。尚、pHを低下させる
には、塩酸等を攪拌しながら添加するとよい。また、粉
末品の具体的な用途や作用についての開示はない。
【0009】[特公平4−59324号]特公平4−5
9324号(出願人;ベー アー エス エフ AG)
には、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体又はナフ
タリンスルホン酸−ホルムアルデヒド縮合生成物の水溶
性アルカリ(土類)金属塩を含有する水性分散液を噴霧
乾燥することにより、室温で貯蔵できる、非粘着性で水
中に再分散しうる重合物粉末を製造する方法が開示され
ている。すなわち、水溶性重合体物質として、(A)ビ
ニルピロリドン20〜70重量%及び酢酸ビニル30〜
80重量%からの共重合物及び/又は(B)ナフタリン
スルホン酸−ホルムアルデヒド縮合生成物の水溶性のア
ルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩を添加した
水溶性重合体物質を、分散液の重合物に対し2〜40重
量%の量で添加して含有する重合物水性分散液を、噴霧
乾燥する。このようにして得られる再分散が可能な重合
物粉末は、特に水硬性結合剤例えば石膏、セメント、モ
ルタル及びマグネシアセメントへの添加物として適す
る。
【0010】[特開平5−194681号]特開平5−
194681号(出願人;ローム アンド ハース C
O)には、モルタル改質剤として有効な再分散性の新規
な再分散性の芯−殻重合体粉末の製造方法に関する技術
が開示されている。すなわち、アクリル可溶性のシェル
の存在下でコアを重合することによって製造される、コ
アとシェルが多官能性化合物の使用によって化学的にグ
ラフトしているコア/シェル重合体を、噴霧乾燥するこ
とによって得られる再分散性重合体粉末が開示されてい
る。より具体的には、アルカリ可溶性の乳化重合体の殻
と、水不溶性の乳化重合体の芯を有し、多官能性化合物
の使用によつてその芯重合体と殻重合体が化学的にグラ
フト結合されているところの芯−殻重合体から製造され
た再分散性の重合体粉末。この芯−殻重合体は、アルカ
リで可溶化された乳化重合体の存在下で、アルカリ不溶
性の乳化重合体の芯を重合する、2段逐次乳化重合法に
よつて製造される。本発明のこの芯−殻重合体粉末がセ
メント改質剤として使用された場合に、粉末の物理的性
質及びセメントモルタルの性質に改良が認められる。
【0011】[特開平4−185607号]特開平4−
185607号(出願人;ヘキスト合成(株))は、保
護コロイド系再分散性アクリル樹脂エマルジヨン粉末と
その製造方法に係る発明である。すなわち、溶性保護コ
ロイドを用い、アクリル系単量体を特定量の連鎖移動剤
の存在下で乳化重合し、生成エマルジヨンを噴霧乾燥す
ることにより、再分散性、皮膜物性等に優れた標記粉末
を得る。水溶性保護コロイド(例;ポリビニルアルコー
ル)を用い、かつアクリル系単量体に対して0.1〜5
0重量%の連鎖移動剤(例;トリクロロエチレン)の存
在下で、アクリル系単量体(例;メタクリル酸メチル)
を、所望によつて30重量%以下の共重合性単量体
(例;スチレン)とともに乳化重合する。次いで得られ
るアクリル樹脂エマルジヨンを噴霧乾燥することによ
り、保護コロイド系再分散性アクリル樹脂エマルジヨン
粉末を得る。抗粘結剤としては無機微粉末である炭酸カ
ルシウム、クレー、無水珪酸、珪酸アルミニウム、ホワ
イトカーボン、タルク、アルミナホワイト、等が使用さ
れ、特に平均粒子径が約0.01〜0.5μmの無水珪
酸、珪酸アルミニウム、炭酸カルシウムが好ましい。ま
た抗粘結剤の添加量としては樹脂粉末に対して2〜20
重量%が好ましく、20重量%以上では樹脂粉末の特徴
が失われるので好ましくない。得られる樹脂エマルジヨ
ン粉末は接着剤、塗料用バインダー、セメント添加剤等
の用途に好適に用いられる。
【0012】[アルカリ可溶性シェルを有するコア−シ
ェル重合体]再乳化性重合体粉末に関する従来技術にお
いて、アルカリ可溶性シェルを有するコア−シェル重合
体を利用する方法では、シェルの密度がその可溶性のた
めに低くなっており、乾燥中での粒子同士の融着を完全
に防止することはできず、再乳化性に問題があった。さ
らに、抗粘結剤を使用しなければ、粒子の融着を防止で
きないという問題があった。
【0013】[噴霧乾燥技術]再乳化性重合体粉末は、
そのほとんどが、凝集を防ぎながら水を蒸発させ、直接
粉末を得る、噴霧乾燥技術により、製造される。従来の
噴霧乾燥技術においては、通常、100℃以上の高温で
乾燥されるため、粒子同士の融着を完全に防ぎきれず、
再乳化性に問題があった。また、噴霧乾燥時に、乾燥塔
の内壁に付着物が生じ、収率が著しく低下することもあ
った。さらに、大きなスケールやバッチの生産において
は、莫大な時間とエネルギーを要する点で、非常に問題
があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来改良さ
れ得なかった高圧、高温下での良好な貯蔵安定性を有す
る、特定された組成の優れた再乳化性を示す重合体と、
無機微粉末からなる重合体組成物に関するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、再乳化性
に優れ、かつ抗粘結性に優れた重合体に、従来の再乳化
性重合体に添加される量あるいはそれ以下の少量の無機
微粉末を併用することで、さらに優れた抗粘結性を付与
でき、従来よりも高圧、高温での貯蔵が可能な重合体組
成物が得られることから、本発明を完成した。通常の水
性エマルションは粒子径が0.03〜1μmの分散体で
あるが、従来の再乳化性重合体は水に混合しても10μ
m以下の粒子径を有する粒子が20重量%以下で、小粒
子径を有するものは極僅かであった。本発明の一成分で
ある(共)重合体は再乳化性に優れるため、水に混合し
たときの10μm以下の粒子径を有する粒子が20重量
%以上であり、非常に細かい粒子が多量に存在するた
め、水性エマルションに匹敵する優れた性能を付与でき
るものである。このように再乳化性に優れるため、再乳
化性重合体の粉末の粒子径が100〜1000μmのよ
うな大きいものであっても実用に供することが可能であ
る。従って、ブロック化防止のために併用される無機微
粉末も、安価な5nm〜50μm、又は、1〜10μm
の粒子径を有する無機微粉末で効果が発現され、また1
μm未満の細かい無機微粉末を併用する場合には、その
使用量を低減することができる。また本発明の一成分で
ある(共)重合体は重合体自身の抗粘結性に優れるた
め、これに無機微粉末を併用したものは、従来にない優
れたブロック化防止機能を示す。
【0016】本出願に係る発明は、以下の[1]〜[2
0]に記載した事項により特定される。
【0017】[1] 無機微粉末、及び、(共)重合体
を必須構成成分とする重合体組成物であって、該(共)
重合体が、シェルによりコア表面の少なくとも一部が被
覆されたコア/シェル構造を有し、前記コアは、繰り返
し単位に、一般式(1)(化13)で表されるペンダン
ト基を有する繰り返し単位からなる群、及び、一般式
(2)(化13)で表されるペンダント基を有する繰り
返し単位からなる群から選択された少なくとも1種の繰
り返し単位を0重量%以上40重量%未満有する(共)
重合体(α2)であり、
【0018】
【化13】 (一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ、同
一又は別個の、水素、炭素原子数1〜12のアルキル基
又は炭素原子数1〜12の−OH基を有するアルキル基
である。一般式(2)において、R3は、炭素原子数1
〜30のアルキレン基であり、又は−R3OHが−(R
22−O−)n−Hである。(但し、R22は炭素原子数2
〜5の同一又は異なるアルキレン基であり、nは繰り返
し数であり2〜30である。)) 前記シェルは、繰り返し単位に、一般式(1)(化1
3)で表されるペンダント基を有する繰り返し単位から
なる群、及び、一般式(2)(化13)で表されるペン
ダント基を有する繰り返し単位からなる群から選択され
た少なくとも1種の繰り返し単位を20重量%以上10
0重量%以下有する(共)重合体(α1)であり、か
つ、(α1)及び(α2)の合計重量に対して、(α
1)が15〜85重量%であり、(α2)が85〜15
重量%であり、かつ(α1)中の一般式(1)及び/又
は(2)で表されるペンダント基を有する少なくとも一
種の繰り返し単位の含有率が(α2)中の該少なくとも
1種の繰り返し単位の含有率より高いことを特徴とする
粒子からなる、pH5以上の水に対して実質的に再乳化
する機能を有する(共)重合体であることを特徴とす
る、重合体組成物。
【0019】[2] 無機微粉末、及び、(共)重合体
を必須構成成分とする重合体組成物であって、該(共)
重合体が、粒子(A)、及び、保護コロイドからなる混
合物で、前記粒子(A)は、一般式(1)(化14)で
表されるペンダント基を有する繰り返し単位からなる
群、及び、一般式(2)(化14)で表されるペンダン
ト基を有する繰り返し単位からなる群から選択された少
なくとも1種の繰り返し単位を0重量%以上40重量%
未満有する(共)重合体(α2)であり、
【0020】
【化14】 (一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ、同
一又は別個の、水素、炭素原子数1〜12のアルキル基
又は炭素原子数1〜12の−OH基を有するアルキル基
である。一般式(2)において、R3は、炭素原子数1
〜30のアルキレン基であり、又は−R3OHが−(R
22−O−)n−Hである。(但し、R22は炭素原子数2
〜5の同一又は異なるアルキレン基であり、nは繰り返
し数であり2〜30である。)) 前記保護コロイドは、繰り返し単位に、一般式(1)
(化14)で表されるペンダント基を有する繰り返し単
位からなる群、及び、一般式(2)(化14)で表され
るペンダント基を有する繰り返し単位からなる群から選
択された少なくとも1種の繰り返し単位を20重量%以
上100重量%以下有する(共)重合体(α1)であ
り、かつ、(α1)及び(α2)の合計重量に対して、
(α1)が15〜85重量%であり、(α2)が85〜
15重量%であり、かつ(α1)中の一般式(1)及び
/又は(2)で表されるペンダント基を有する少なくと
も一種の繰り返し単位の含有率が(α2)中の該少なく
とも1種の繰り返し単位の含有率より高いことを特徴と
する粒子からなる、pH5以上の水に対して実質的に再
乳化する機能を有する(共)重合体であることを特徴と
する、重合体組成物。
【0021】[3] (共)重合体が、(α1)及び
(α2)を構成する繰り返し単位のうち、一般式(1)
及び/又は(2)で表されるペンダント基を有する少な
くとも1種の繰り返し単位以外の他の繰り返し単位が、
一般式(v)、(w)、(x)、(y)及び(z)(化
15)からなる群から選択された少なくとも1種により
構成されていることを特徴とする[1]又は[2]に記
載した重合体組成物。
【0022】
【化15】 (一般式(v)〜(z)において、R11は水素又はメチ
ル基、R12は水素又は炭素原子数1〜12のアルキル
基、R13は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭
素原子数1〜20のアルケン基又はフェニル基、R14
同一又は別個の水素、又は炭素原子数1〜12のアルキ
ル基、スルホン酸基又はスルホン酸金属塩基、R15は炭
素原子数1〜6の側鎖を有するか有しない不飽和炭化水
素である。) [4] (共)重合体の構成成分(α1)が、一般式
(2)(化16)で表されるペンダント基を有する繰り
返し単位からなる群から選択された少なくとも1種の繰
り返し単位を20重量%以上100重量%以下有するこ
とを特徴とする[1]乃至[3]の何れかに記載した重
合体組成物。
【0023】
【化16】 (一般式(2)において、R3は、炭素原子数1〜30
のアルキレン基であり、又は−R3OHが−(R22−O
−)n−Hである。(但し、R22は炭素原子数2〜5の
同一又は異なるアルキレン基であり、nは繰り返し数で
あり2〜30である)) [5] (共)重合体の構成成分(α1)が、一般式
(2)(化17)で表されるペンダント基を有する繰り
返し単位からなる群から選択された少なくとも1種の繰
り返し単位が、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート
から誘導されたものであることを特徴とする[4]記載
の重合体組成物。
【0024】
【化17】 (一般式(2)において、R3は、炭素原子数1〜30
のアルキレン基であり、又は−R3OHが−(R22−O
−)n−Hである。(但し、R22は炭素原子数2〜5の
同一又は異なるアルキレン基であり、nは繰り返し数で
あり2〜30である)) [6] 無機微粉末、及び、(共)重合体を必須構成成
分とする重合体組成物であって、該(共)重合体が、一
般式(1)(化18)で表されるペンダント基を有する
エチレン性不飽和単量体からなる群、及び、一般式
(2)(化18)で表されるペンダント基を有するエチ
レン性不飽和単量体からなる群から選択された少なくと
も1種を20重量%以上100重量%以下含むエチレン
性不飽和単量体をラジカル(共)重合体することによっ
て得られる保護コロイド(α1))、及び一般式(1)
(化18)で表されるペンダント基を有するエチレン性
不飽和単量体からなる群、及び、一般式(2)(化1
8)で表されるペンダント基を有するエチレン性不飽和
単量体からなる群から選択された少なくとも1種を0重
量%以上40重量%未満含む(共)重合体(α2)を構
成するエチレン性不飽和単量体を、
【0025】
【化18】 (一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ、同
一又は別個の、水素、炭素原子数1〜12のアルキル基
又は炭素原子数1〜12の−OH基を有するアルキル基
である。一般式(2)において、R3は、炭素原子数1
〜30のアルキレン基であり、又は−R3OHが−(R
22−O−)n−Hである。(但し、R22は炭素原子数2
〜5の同一又は異なるアルキレン基であり、nは繰り返
し数であり2〜30である。))含み、かつ、(α1)
及び(α2)の合計重量に対して、(α1)が15〜8
5重量%であり、(α2)が85〜15重量%となり、
(α1)中の一般式(1)及び/又は(2)で表される
ペンダント基を有する少なくとも一種の単量体の含有率
が(α2)中の該単量体の含有率より高いようにラジカ
ル(共)重合することにより、(共)重合体粒子(A)
の分散相及び水の連続相からなる、水性エマルションを
製造し、該水性エマルションに、鉱酸及び/又は有機酸
を添加して、pH4以下にすることにより(共)重合体
粒子(A)を凝集させて、(共)重合体の凝集物を製造
することによって得られる、pH5以上の水に対して実
質的に再乳化する機能を有する(共)重合体であること
を特徴とする、重合体組成物。
【0026】[7] 無機微粉末、及び、(共)重合体
を必須構成成分とする重合体組成物であって、該(共)
重合体が、一般式(1)(化19)で表されるペンダン
ト基を有するエチレン性不飽和単量体からなる群、及
び、一般式(2)(化19)で表されるペンダント基を
有するエチレン性不飽和単量体からなる群から選択され
た少なくとも1種を0重量%以上40重量%未満含む
(共)重合体(α2)を構成するエチレン性不飽和単量
体を乳化(共)重合して、
【0027】
【化19】 (一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ、同
一又は別個の、水素、炭素原子数1〜12のアルキル基
又は炭素原子数1〜12の−OH基を有するアルキル基
である。一般式(2)において、R3は、炭素原子数1
〜30のアルキレン基であり、又は−R3OHが−(R
22−O−)n−Hである。(但し、R22は炭素原子数2
〜5の同一又は異なるアルキレン基であり、nは繰り返
し数であり2〜30である。)) (共)重合体コア粒子(A0)の分散相、及び、水の連
続相からなる、水性エマルションを製造し、該水性エマ
ルション中の(共)重合体コア粒子(A0)と、一般式
(1)(化19)で表されるペンダント基を有するエチ
レン性不飽和単量体からなる群、及び、一般式(2)
(化19)で表されるペンダント基を有するエチレン性
不飽和単量体からなる群から選択された少なくとも1種
を20重量%以上100重量%以下有する(共)重合体
(α1)を構成するエチレン性不飽和単量体を含み、か
つ、(α1)及び(α2)の合計重量に対して、(α
1)が15〜85重量%であり、(α2)が85〜15
重量%となり、(α1)中の一般式(1)及び/又は
(2)で表されるペンダント基を有する少なくとも一種
の単量体の含有率が(α2)中の該単量体の含有率より
高いように、ラジカル(共)重合することにより、保護
コロイドからなるシェル(S)を、(共)重合体粒子
(A0)の粒子表面の少なくとも一部に形成させて、シ
ェルによりコア表面の少なくとも一部が被覆されたコア
/シェル構造を有したコア/シェル型(共)重合体粒子
(A)の分散相、及び、水の連続相からなる、水性エマ
ルションを製造し、該水性エマルションに、鉱酸及び/
又は有機酸を添加して、pH4以下にすることにより
(共)重合体粒子(A)を凝集させて、(共)重合体の
凝集物を製造することによって得られる、pH5以上の
水に対して実質的に再乳化する機能を有する(共)重合
体であることを特徴とする、重合体組成物。
【0028】[8] 無機微粉末、及び、(共)重合体
を必須構成成分とする重合体組成物であって、該(共)
重合体が、一般式(1)(化20)で表されるペンダン
ト基を有するエチレン性不飽和単量体からなる群、及
び、一般式(2)(化20)で表されるペンダント基を
有するエチレン性不飽和単量体からなる群から選択され
た少なくとも1種を0重量%以上40重量%未満含むエ
チレン性不飽和単量体を乳化(共)重合して、
【0029】
【化20】 (一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ、同
一又は別個の、水素、炭素原子数1〜12のアルキル基
又は炭素原子数1〜12の−OH基を有するアルキル基
である。一般式(2)において、R3は、炭素原子数1
〜30のアルキレン基であり、又は−R3OHが−(R
22−O−)n−Hである。(但し、R22は炭素原子数2
〜5の同一又は異なるアルキレン基であり、nは繰り返
し数であり2〜30である。)) (共)重合体コア粒子(A0)の分散相、及び、水の連
続相からなる、水性エマルション(α2)を製造し、さ
らに、一般式(1)(化20)で表されるペンダント基
を有するエチレン性不飽和単量体からなる群、及び、一
般式(2)(化20)で表されるペンダント基を有する
エチレン性不飽和単量体からなる群から選択された少な
くとも1種を20重量%以上100重量%以下含むエチ
レン性不飽和単量体をラジカル(共)重合することによ
り保護コロイド(α1)を製造し、水性エマルション
(α2)、及び、保護コロイド(α1)を、(α1)及
び(α2)の合計重量に対して、(α1)が15〜85
重量%であり、(α2)が85〜15重量%となり、
(α1)中の一般式(1)及び/又は(2)で表される
ペンダント基を有する少なくとも一種の単量体の含有率
が(α2)中の該単量体の含有率より高く含まれるよう
に混合し、該混合物に、鉱酸及び/又は有機酸を添加し
て、pH4以下にすることにより(共)重合体粒子
(A)及び保護コロイドを凝集させて、(共)重合体の
凝集物を製造することによって得られる、pH5以上の
水に対して実質的に再乳化する機能を有する(共)重合
体であることを特徴とする、重合体組成物。
【0030】[9] 無機微粉末、及び(共)重合体を
必須構成成分とする重合体組成物であって、該(共)重
合体が、一般式(1)(化21)で表されるペンダント
基を有するエチレン性不飽和単量体からなる群、及び、
一般式(2)(化21)で表されるペンダント基を有す
るエチレン性不飽和単量体からなる群から選択された少
なくとも1種を20重量%以上100重量%以下含むエ
チレン性不飽和単量体をラジカル(共)重合体すること
によって得られる保護コロイド(α1))、及び一般式
(1)(化21)で表されるペンダント基を有するエチ
レン性不飽和単量体からなる群、及び、一般式(2)
(化21)で表されるペンダント基を有するエチレン性
不飽和単量体からなる群から選択された少なくとも1種
を0重量%以上40重量%未満含む(共)重合体(α
2)を構成するエチレン性不飽和単量体を、
【0031】
【化21】 (一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ、同
一又は別個の、水素、炭素原子数1〜12のアルキル基
又は炭素原子数1〜12の−OH基を有するアルキル基
である。一般式(2)において、R3は、炭素原子数1
〜30のアルキレン基であり、又は−R3OHが−(R
22−O−)n−Hである。(但し、R22は炭素原子数2
〜5の同一又は異なるアルキレン基であり、nは繰り返
し数であり2〜30である。))含み、かつ、(α1)
及び(α2)の合計重量に対して、(α1)が15〜8
5重量%であり、(α2)が85〜15重量%となり、
(α1)中の一般式(1)及び/又は(2)で表される
ペンダント基を有する少なくとも一種の単量体の含有率
が(α2)中の該単量体の含有率より高いようにラジカ
ル(共)重合することにより、(共)重合体粒子(A)
の分散相及び水の連続相からなる、水性エマルションを
製造し、該水性エマルションに、金属塩を添加して、
(共)重合体粒子(A)を凝集させて、(共)重合体の
凝集物を製造することによって得られる、pH5以上の
水に対して実質的に再乳化する機能を有する(共)重合
体であることを特徴とする、重合体組成物。
【0032】[10] 無機微粉末、及び、(共)重合
体を必須構成成分とする重合体組成物であって、該
(共)重合体が、一般式(1)(化22)で表されるペ
ンダント基を有するエチレン性不飽和単量体からなる
群、及び、一般式(2)(化22)で表されるペンダン
ト基を有するエチレン性不飽和単量体からなる群から選
択された少なくとも1種を0重量%以上40重量%未満
含む(共)重合体(α2)を構成するエチレン性不飽和
単量体を乳化(共)重合して、
【0033】
【化22】 (一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ、同
一又は別個の、水素、炭素原子数1〜12のアルキル基
又は炭素原子数1〜12の−OH基を有するアルキル基
である。一般式(2)において、R3は、炭素原子数1
〜30のアルキレン基であり、又は−R3OHが−(R
22−O−)n−Hである。(但し、R22は炭素原子数2
〜5の同一又は異なるアルキレン基であり、nは繰り返
し数であり2〜30である。)) (共)重合体コア粒子(A0)の分散相、及び、水の連
続相からなる、水性エマルションを製造し、該水性エマ
ルション中の(共)重合体コア粒子(A0)と、一般式
(1)(化22)で表されるペンダント基を有するエチ
レン性不飽和単量体からなる群、及び、一般式(2)
(化22)で表されるペンダント基を有するエチレン性
不飽和単量体からなる群から選択された少なくとも1種
を20重量%以上100重量%以下有する(共)重合体
(α1)を構成するエチレン性不飽和単量体を含み、か
つ、(α1)及び(α2)の合計重量に対して、(α
1)が15〜85重量%であり、(α2)が85〜15
重量%となり、(α1)中の一般式(1)及び/又は
(2)で表されるペンダント基を有する少なくとも一種
の単量体の含有率が(α2)中の該単量体の含有率より
高いように、ラジカル(共)重合することにより、保護
コロイドからなるシェル(S)を、(共)重合体粒子
(A0)の粒子表面の少なくとも一部に形成させて、シ
ェルによりコア表面の少なくとも一部が被覆されたコア
/シェル構造を有したコア/シェル型(共)重合体粒子
(A)の分散相、及び、水の連続相からなる、水性エマ
ルションを製造し、該水性エマルションに、金属塩を添
加して、(共)重合体粒子(A)を凝集させて、(共)
重合体の凝集物を製造することによって得られる、pH
5以上の水に対して実質的に再乳化する機能を有する
(共)重合体であることを特徴とする、重合体組成物。
【0034】[11] 無機微粉末、及び、(共)重合
体を必須構成成分とする重合体組成物であって、該
(共)重合体が、一般式(1)(化23)で表されるペ
ンダント基を有するエチレン性不飽和単量体からなる
群、及び、一般式(2)(化23)で表されるペンダン
ト基を有するエチレン性不飽和単量体からなる群から選
択された少なくとも1種を0重量%以上40重量%未満
含むエチレン性不飽和単量体を乳化(共)重合して、
【0035】
【化23】 (一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ、同
一又は別個の、水素、炭素原子数1〜12のアルキル基
又は炭素原子数1〜12の−OH基を有するアルキル基
である。一般式(2)において、R3は、炭素原子数1
〜30のアルキレン基であり、又は−R3OHが−(R
22−O−)n−Hである。(但し、R22は炭素原子数2
〜5の同一又は異なるアルキレン基であり、nは繰り返
し数であり2〜30である。)) (共)重合体コア粒子(A0)の分散相、及び、水の連
続相からなる、水性エマルション(α2)を製造し、さ
らに、一般式(1)(化23)で表されるペンダント基
を有するエチレン性不飽和単量体からなる群、及び、一
般式(2)(化23)で表されるペンダント基を有する
エチレン性不飽和単量体からなる群から選択された少な
くとも1種を20重量%以上100重量%以下含むエチ
レン性不飽和単量体をラジカル(共)重合することによ
り保護コロイド(α1)を製造し、水性エマルション
(α2)、及び、保護コロイド(α1)を、(α1)及
び(α2)の合計重量に対して、(α1)が15〜85
重量%であり、(α2)が85〜15重量%となり、
(α1)中の一般式(1)及び/又は(2)で表される
ペンダント基を有する少なくとも一種の単量体の含有率
が(α2)中の該単量体の含有率より高く含まれるよう
に混合し、該混合物に、金属塩を添加して、(共)重合
体粒子(A)及び保護コロイドを凝集させて、(共)重
合体の凝集物を製造することによって得られる、pH5
以上の水に対して実質的に再乳化する機能を有する
(共)重合体であることを特徴とする、重合体組成物。
【0036】[12] (α1)が、一般式(2)(化
24)で表されるペンダント基を有するエチレン性不飽
和単量体からなる群から選択された少なくとも1種を用
いて得られた(共)重合体である[6]乃至[11]の
何れかに記載した重合体組成物。
【0037】
【化24】 (一般式(2)において、R3は、炭素原子数1〜30
のアルキレン基であり、又は−R3OHが−(R22−O
−)n−Hである。(但し、R22は炭素原子数2〜5の
同一又は異なるアルキレン基であり、nは繰り返し数で
あり2〜30である)) [13] (α1)で、一般式(2)(化24)で表さ
れるペンダント基を有するエチレン性不飽和単量体の少
なくとも1種として、2−ヒドロキシエチルメタアクリ
レートを用いて得られた(共)重合体である[12]に
記載した重合体組成物。
【0038】[14] 無機微粉末、及び、(共)重合
体を必須構成成分とする重合体組成物であって、該
(共)重合体が、シェルによりコア表面の少なくとも一
部が被覆されたコア/シェル構造を有する粒子であっ
て、前記コアは、水に不溶性な(共)重合体であり、前
記シェルは、pH5以上で水溶性である(共)重合体で
あり、pH5以上で実質的に再乳化可能な(共)重合体
であることを特徴とする、重合体組成物。
【0039】[15] 無機微粉末、及び、(共)重合
体を必須構成成分とする重合体組成物であって、該
(共)重合体が、シェルによりコア表面の少なくとも一
部が被覆されたコア/シェル構造を有する粒子であっ
て、前記コアは、水に不溶性な(共)重合体であり、前
記シェルは、pH5以上で水溶性である(共)重合体で
あり、かつ該シェルがコア/シェル全重量に対して15
重量%以上である、pH5以上で実質的に再乳化可能な
(共)重合体であることを特徴とする、重合体組成物。
【0040】[16] 無機微粉末、及び、(共)重合
体を必須構成成分とする重合体組成物であって、該
(共)重合体が、シェルによりコア表面の少なくとも一
部が被覆されたコア/シェル構造を有する粒子であっ
て、前記コアは、ガラス転移温度が、−40〜30℃で
あり、前記シェルのガラス転移温度がコアのガラス転移
温度より少なくとも10℃以上、高くかつ粒子全重量に
対して15重量%以上であり、かつpH4以下で凝集す
る機能を有する粒子であることを特徴とする、重合体組
成物。
【0041】[17] (共)重合体100重量部に対
して、無機微粉末が1〜20重量部である、[1]乃至
[16]の何れかに記載した重合体組成物。
【0042】[18] (共)重合体の粉末の粒子径が
100μm〜1000μmで、無機微粉末の粒子径が5
nm〜50μmである、[1]乃至[17]の何れかに
記載した重合体組成物。
【0043】[19] 乾燥状態に換算して、水硬性セ
メントに対して、[1]乃至[18]の何れかに記載し
た重合体組成物を0.5〜60重量%含むことを特徴と
する、水硬性セメント組成物。
【0044】[20] 乾燥状態に換算して、水硬性セ
メントに対して、0.5〜60重量%に相当する、
[1]乃至[18]の何れかに記載した重合体組成物を
添加した水硬性セメント組成物を、水と共に混合して得
られたセメント組成物を打設し、セメント硬化体を形成
する方法。
【0045】
【発明の実施の形態】
[無機微粉末の種類]無機微粉末は、抗粘結性を付与す
る機能を有するものであれば特に制限されない。無機微
粉末を構成する無機化合物や無機物質の種類は、抗粘結
性を付与する機能を有するものであれば特に制限されな
い。無機微粉末を構成する無機化合物や無機物質の具体
例としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー、フライ
アッシュ、シリカヒューム、天然石膏、りん酸石膏、ス
ラグ、珪酸ソーダ、無水珪酸、珪酸アルミニウム、ホワ
イトカーボン、タルク、アルミナホワイト、エロジル、
硫酸バリウム、酸化チタン等が挙げられる。特に、平均
粒子径が5nm〜50μm、又は、1〜10μmの無水
珪酸、珪酸アルミニウム、炭酸カルシウムが好ましく、
さらには平均粒子径が1〜3μmの炭酸カルシウムが最
も好ましい。また、平均粒子径が1μm未満の無機微粉
末を使用した場合は、その使用量を低減することが可能
である。
【0046】[無機微粉末の粒子としての特性]無機微
粉末の粒子としての特性(粒子の平均直径(粒子径)、
粒子の粒度分布、粒子の形状(モルホロジー)等)は、
抗粘結性を付与する機能を有するものであれば特に制限
されない。無機微粉末の粒子の平均直径(粒子径)の具
体例としては、一般的には、5nm〜50μmが好まし
く、10nm〜10μmがより好ましく、15nm〜5
μmがさらに好ましい。
【0047】[無機微粉末の使用量]無機微粉末の量
は、(共)重合体100重量%に対して0.5〜20重
量%の範囲であることが好ましい。一般的には、0.5
重量%以下では無機微粉末の効果が得られず、20重量
%以上では無機微粉末の量が多くなりすぎて(共)重合
体の特長が失われるので好ましくない。特に、一般的に
は、粒子径が1μm〜10μmの無機微粉末では、
(共)重合体に対して、5〜20重量%、1μm未満の
無機微粉末では、0.5〜5重量%が好ましい。
【0048】[(共)重合体]本発明で使用される
(共)重合体は、乳化重合によって得られた合成エマル
ション樹脂を乾燥して得られたもので、pH5以上の水
に添加して攪拌すると再乳化する重合体である。再乳化
とは、水中に分散された再乳化性重合体の粉末が単に分
散するのではなく、さらに細かい元の合成エマルション
樹脂粒子の大きさとほとんど同じ大きさの粒子となって
乳化することであるが、従来の再乳化性重合体は再乳化
性が悪いため、少しでも再乳化性を良くするために、重
合体粉末の粒子径を10〜95μmまで細かくし、表面
積を大きくする必要があった。しかし、重合体粉末のブ
ロック化防止に使用される抗粘結剤としては、重合体粉
末の広い表面積を被覆するだけの量が必要となるため、
無機微粉末が多く必要であったり、非常に小粒子径の無
機粉末が必要であったり、という問題があった。ところ
が、再乳化性に優れた再乳化性重合体として、特願平8
−186164号に開示されているような(共)重合体
は、その良好な再乳化性のために、重合体粉末の粒子径
が100〜1000μmの大粒子であっても実用上に何
等問題ない。そのため、被覆するために必要な無機微粉
末の使用量を低減できる。このような再乳化性に優れた
(共)重合体は、特定の構成成分からなる(共)重合体
で、これを使用した重合体組成物は、例えば以下のよう
な組成物である。
【0049】 無機微粉末と、(共)重合体からなる
重合体組成物であって、該(共)重合体がシェルにより
コア表面の少なくとも一部が被覆されたコア/シェル構
造を有し、前記コアは、繰り返し単位に、一般式(1)
(化25)で表されるペンダント基を有するエチレン性
不飽和単量体からなる群、及び、一般式(2)(化2
5)で表されるペンダント基を有する不飽和単量体から
なる群から選択された少なくとも1種のエチレン性不飽
和単量体を0重量%以上40重量%未満有するエチレン
性不飽和単量体の(共)重合体(α2)であり、
【0050】
【化25】 (一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ、同
一又は別個の、水素、炭素原子数1〜12のアルキル基
又は炭素原子数1〜12の−OH基を有するアルキル基
である。一般式(2)において、R3は、炭素原子数1
〜30のアルキレン基であり、又は−R3OHが−(R
22−O−)n−Hである。(但し、R22は炭素原子数2
〜5の同一又は異なるアルキレン基であり、nは繰り返
し数であり2〜30である)) 前記シェルは、(共)重合体であり、一般式(1)(化
25)で表されるペンダント基を有するエチレン性不飽
和単量体からなる群、及び、一般式(2)(化25)で
表されるペンダント基を有するエチレン性不飽和単量体
からなる群から選択された少なくとも1種のエチレン性
不飽和単量体を20重量%以上100重量%以下有する
エチレン性不飽和単量体の(共)重合体(α1)であ
り、かつ、(α1)及び(α2)の合計重量に対して、
(α1)が15〜85重量%であり、(α2)が85〜
15重量%であり、かつ(α1)中の一般式(1)及び
/又は(2)で表されるペンダント基を有する少なくと
も一種の繰り返し単位の含有率が(α2)中の該少なく
とも1種の繰り返し単位の含有率より高いことを特徴と
する粒子からなる、pH5以上の水に対して実質的に再
乳化する機能を有する(共)重合体であることを特徴と
する、重合体組成物。
【0051】 無機微粉末と、(共)重合体からなる
重合体組成物であって、該(共)重合体が、粒子
(A)、及び、保護コロイドからなる混合物で、前記粒
子(A)は、一般式(1)(化26)で表されるペンダ
ント基を有するエチレン性不飽和単量体からなる群、及
び、一般式(2)(化26)で表されるペンダント基を
有する不飽和単量体からなる群から選択された少なくと
も1種のエチレン性不飽和単量体を0重量%以上40重
量%未満有するエチレン性不飽和単量体の(共)重合体
(α2)であり、
【0052】
【化26】 (一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ、同
一又は別個の、水素、炭素原子数1〜12のアルキル基
又は炭素原子数1〜12の−OH基を有するアルキル基
である。一般式(2)において、R3は、炭素原子数1
〜30のアルキレン基であり、又は−R3OHが−(R
22−O−)n−Hである。(但し、R22は炭素原子数2
〜5の同一又は異なるアルキレン基であり、nは繰り返
し数であり2〜30である。)) 前記保護コロイドは、繰り返し単位に、一般式(1)
(化26)で表されるペンダント基を有するエチレン性
不飽和単量体からなる群、及び、一般式(2)(化2
6)で表されるペンダント基を有するエチレン性不飽和
単量体からなる群から選択された少なくとも1種のエチ
レン性不飽和単量体を20重量%以上100重量%以下
有するエチレン性不飽和単量体の(共)重合体(α1)
であり、かつ、(α1)及び(α2)の合計重量に対し
て、(α1)が15〜85重量%であり、(α2)が8
5〜15重量%であり、かつ(α1)中の一般式(1)
及び/又は(2)で表されるペンダント基を有する少な
くとも一種の繰り返し単位の含有率が(α2)中の該少
なくとも1種の繰り返し単位の含有率より高いことを特
徴とする粒子からなる、pH5以上の水に対して実質的
に再乳化する機能を有する(共)重合体であることを特
徴とする、重合体組成物。また、再乳化性に優れた
(共)重合体は製造における脱水過程で、酸及び/又は
金属塩により凝集体を形成させることによって得られ
る。
【0053】[噴霧乾燥の問題点]噴霧乾燥法は、水に
分散した(共)重合体粒子を、ノズルから高温気体中に
噴射して乾燥を行う方法である。噴霧乾燥法の場合は、
ノズルから高温気体中に噴射して乾燥を行う際に、
(共)重合体粒子間の毛細管水が急激に蒸発し、(共)
重合体粒子間に毛細管圧に起因する圧力と、系の熱が粒
子に付加するため、粒子同士の融着力が強くなり、不可
逆的に融着しやすくなるという問題があった。この
(共)重合体粒子同士が融着する際の毛細管圧理論は、
「高分子ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行
会)」242〜248頁に詳細に記載されている。本願
発明の場合には、粒子を加熱することなく、凝集物とす
るために、噴霧乾燥の場合には不可避であった、不要な
毛細管圧や高熱が付与されない点が特筆すべき事項であ
る。本願発明の場合には、粒子相互間の融着がないか、
あったとしても可逆的に融着状態を容易に実質的に破壊
して分散状態に誘導することが可能である。本願発明の
場合には、粒子を凝集させる条件−例えば、凝集する際
の温度、凝集に使用する酸量及び/又は金属塩等を適宜
選択することにより、粒子相互間の可逆的粒子間融着状
態(一旦、融着状態になっても、実質的に、可逆的に、
再度、分散状態に誘導することができる状態)を制御す
ることができるので、噴霧乾燥の場合には不可避であっ
た、不可逆的粒子間融着状態(一旦、融着状態になった
ら、実質的には、可逆的に、再度、分散状態に誘導する
ことができない状態)を、実質的に回避することができ
る。従って凝集法によって製造された(共)重合体は優
れた再乳化性を示す。
【0054】[ガラス転移点(Tg)の評価]共重合体
のガラス転移点計算値又はガラス転移点(Tg)の評価
の方法論は以下のとおりである。特定の単量体組成を有
する重合体のガラス転移点(Tg)は、フォックス(F
ox)の式により計算により求めることができる。ここ
で、フォックスの式とは、共重合体を形成する個々の単
量体について、その単量体の単独重合体のTgに基づい
て、共重合体のTgを算出するためのものであり、その
詳細は、ブルテン・オブ・ザ・アメリカン・フィジカル
・ソサエティー,シリーズ2(Bulletin of
the American Physical So
ciety,Series 2)1巻・3号・123頁
(1956年)に記載されている。本出願の明細書にお
いて用いる「ガラス転移点」なる語の概念には、フォッ
クスの式により計算したガラス転移点をも包含する。フ
ォックスの式による共重合体のTgを評価するための基
礎となる各種モノマーについての単独重合体のTgは、
例えば、高分子データ・ハンドブック基礎編(高分子学
会編)525〜546頁に記載されている数値又は通常
の方法で測定した実測値を採用することができる。
【0055】[語「乳化(共)重合」の概念]本発明に
係る製造方法の工程1(水性エマルション製造工程)、
において用いる「乳化(共)重合」なる語は、乳化
(共)重合法、分散(共)重合法、サスペンジョン
(共)重合法、エマルション(共)重合法、保護コロイ
ド重合法等の技術をも包含する。
【0056】[「pH5以上の水に対して実質的に再乳
化する」の概念]本出願の明細書において用いる「水に
対して実質的に再乳化する」なる表現の概念は、従来の
噴霧乾燥法において達成できない程度の再乳化率を発現
できることを包含する。例えば後述する[試験例2]に
おいて定義する「再乳化率(%)」の数値が、20〜1
00%であること、好ましくは40〜100%であるこ
とを意味する。
【0057】[語「粒子」の概念]本出願の明細書にお
いて用いる「粒子」なる語の概念には、これらの語が高
分子化学において一般的に有する概念を完全に包含する
が、必ずしも等価なものではない。本出願の特許請求の
範囲及び明細書において用いる「粒子」の走査電子顕微
鏡的形態の態様に関しては、例えば、ラズベリー状又は
金米糖(こんぺいとう、ポルトガル語のconfeit
o)状の多くの突起を有するような態様、赤血球状の偏
平な態様、ラグビーボール状の回転楕円体様の態様、大
腸菌状の紡錘形様の態様等をも包含する。本出願の明細
書において用いる「粒子」なる語の概念には、例えば、
ポリマーエマルジョン、ラテックス、ポリマーサスペン
ジョンを構成するマイクロスフィアをも包含し、本出願
に係る発明においては、これらの例が一般的な態様であ
る。このように、本出願の特許請求の範囲及び明細書に
おいて用いる「粒子」なる語は、これらの語が高分子化
学において一般的に有する概念と、必ずしも等価なもの
ではないのではあるが、本発明に係るヘテロポリマー系
の本質的「態様」について屡々言及するに当たり便宜的
に用いるものとする。
【0058】[コア/シェル構造を有する粒子]本出願
の明細書において用いる「コア」、「シェル」及び「コ
ア/シェル」なる語は、これらの語が高分子化学におい
て一般的に有する概念を完全に包含するが、必ずしも等
価なものではない。例えば、本発明に係る「コア/シェ
ル」粒子に関しては、「コア」が少なくとも部分的に
「シェル」に包まれている態様を包含する。このよう
に、本出願の特許請求の範囲及び明細書において用いる
「コア」、「シェル」及び「コア/シェル」なる語は、
これらの語が高分子化学において一般的に有する概念
と、必ずしも等価なものではないのではあるが、本発明
に係るヘテロポリマー系の本質的「態様」について屡々
言及するに当たり便宜的に用いるものとする。なお、高
分子化学においては、一般的に、「コア」なる語は、
「核(core,center,nucleus)」、
「芯(core,center)」及び「種(see
d)」なる語と等価に用いられ、「シェル(shel
l)」なる語は、「殻(shell,skin,hus
k)」、「鞘(sheath)」及び「おおい(rob
e)」なる語と等価に用いられる。したがって、本出願
の明細書において用いる「コア」なる語については、
「核(core,center,nucleus)」、
「芯(core,center)」及び「種(see
d)」なる語と同等に用いることもできる。同様に、
「シェル」なる語については、「殻(shell,sk
in,husk)」、「鞘(sheath)」及び「お
おい(robe)」なる語と同等に用いることもでき
る。
【0059】[粒子の構造](共)重合体粒子(A)の
一次粒子としての粒子構造の態様としては、 粒子中に存在するエチレン性不飽和単量体の(共)
重合体(α2)粒子表面が、保護コロイド(α1)で覆
い尽くされた、通常、コア/シェル型と呼ばれる構造、 粒子中に存在するエチレン性不飽和単量体の(共)
重合体(α2)粒子表面上に保護コロイド(α1)が一
部堆積し、完全には覆い尽くされていない構造、 エチレン性不飽和単量体の(共)重合体(α2)粒
子中に保護コロイド(α1)が含まれた、いわゆるサラ
ミ構造等が挙げられる。また形態的には中空粒子、中空
粒子中にさらに粒子が存在するような構造などの特殊な
経常の粒子も含み特に限定されない。しかし、凝集によ
って(共)重合体の凝集物を形成した際に、エチレン性
不飽和単量体の(共)重合体(α2)粒子の外側に保護
コロイド(α1)が、再乳化性を発現できるほどにリッ
チに存在しているのであれば、これらの態様の構造に限
定されるものではない。
【0060】[保護コロイド又はシェルの重合]本発明
において(共)重合体中の保護コロイド又はシェルは、
それ単独では水溶性であり、かつ、酸性下で又は金属塩
存在下で不溶化して凝集する性質を有し、かつ、エチレ
ン性不飽和単量体の(共)重合体(α2)粒子同士の融
着を防止する性質を有する。つまり、再乳化性の発現の
程度は、保護コロイド又はシェルの融着防止機能と密接
に相関している。それゆえ、保護コロイド(α1)又は
シェル(S)のラジカル(共)重合において、一般式
(1)(化27)で表されるペンダント基を有するエチ
レン性不飽和単量体からなる群、及び、一般式(2)
(化27)で表されるペンダント基を有するエチレン性
不飽和単量体からなる群から選択された少なくとも1種
の単量体を使用することが重要な意義を有するのであ
る。
【0061】
【化27】 (一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ、同
一又は別個の、水素、炭素原子数1〜12のアルキル基
又は炭素原子数1〜12の−OH基を有するアルキル基
である。一般式(2)において、R3は、炭素原子数1
〜30のアルキレン基であり、又は−R3OHが−(R
22−O−)n−Hである。(但し、R22は炭素原子数2
〜5の同一又は異なるアルキレン基であり、nは繰り返
し数であり2〜30である。)) さらには、エチレン性不飽和単量体の(共)重合体(α
2)、及び、保護コロイド(α2)又はシェル(S)の
合計重量に対して、前者を85〜15重量%、及び、後
者を15〜85重量%となるようにすることが重要な意
義をもつのである。ここで、後者は、15重量%以上が
好ましく、25重量%以上がより好ましく、35重量%
以上がさらに好ましく、45重量%以上が特に好まし
い。
【0062】また、保護コロイド(α1)又はシェル
(S)のガラス転移計算値に関しては、20℃以上が好
ましく、30℃以上がより好ましく、40℃以上がさら
に好ましく、50℃以上が特に好ましく、上限について
は特に制限はないが300℃程度のものも好ましく使用
できる。
【0063】保護コロイド又はシェルの材料の好ましい
態様としては、必須構成要素である、一般式(1)(化
27)及び/又は一般式(2)(化27)で表されるペ
ンダント基を有する単量体以外に、カルボキシル基を有
する単量体が挙げられる。ここで、カルボキシル基を有
する単量体の重量%は、一般式(1)(化27)のペン
ダント基を有する単量体との共重合体に対して0.5〜
30重量%が好ましく、0.5〜10重量%がより好ま
しく。1〜3重量%がさらに好ましい。また一般式
(2)のペンダント基を有する単量体との共重合体に対
しては0.5〜60重量%が好ましく、0.5〜40重
量%がより好ましく、0.5〜20重量%がさらに好ま
しい。通常、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和
単量体が少ない場合には、凝集体の形成が不十分にな
り、収率が低下する。通常、カルボキシル基を有するエ
チレン性不飽和単量体が多い場合には、得られた(共)
重合体の再乳化性が低下する。
【0064】[一般式(1)で表されるペンダント基を
有するエチレン性不飽和単量体]一般式(1)(化2
7)で表されるペンダント基を有するエチレン性不飽和
単量体も具体例としては、例えば、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N
−メチロールアクリルアミド、N−アクリロイルピリジ
ン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピ
ルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−
オクチルアクリルアミド、N−ドデシルアクリルアミ
ド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−アクリロイ
ルピロリジン、ジアセトンアクリルアミド、マレイン酸
アミドなどが挙げられ、メタクリルアミド、N,N−ジ
メチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミ
ド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−オクチルアクリ
ルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−アク
リロイルピロリジン等が特に好ましく、これらは単独で
又は2種以上を混合して用いられる。特にメタクリルア
ミドが好ましい。
【0065】[一般式(2)で表されるペンダント基を
有するエチレン性不飽和単量体]一般式(2)(化2
7)で表されるペンダント基を有するエチレン性不飽和
単量体も具体例としては、例えば、ヒドロキシメチル
−、2−ヒドロキエチル−、ヒドロキシプロピル−、ヒ
ドロキシブチル−、ヒドロキペンチル−、ポリエチレン
グリコールモノ−、ポリプロピレングリコールモノ−、
ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ
−、ポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコ
ールモノ−、ポリプロピレングリコールポリテトラメチ
レングリコールモノ−等のアクリレート、又はメタクリ
レート等が好ましく、これらは単独で又は2種以上を混
合して用いられる。特に好ましくは2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレートである。
【0066】[カルボキシル基を有するエチレン性不飽
和単量体]カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単
量体の特に好ましい具体例としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水ア
クリル酸、無水メタクリル酸、無水マレイン酸、無水イ
タコン酸、無水フマル酸などの不飽和カルボン酸化合物
が挙げられる。
【0067】[その他のエチレン性不飽和単量体](α
1)を構成する一般式(1)(化27)と一般式(2)
(化27)で表されるペンダント基を有するエチレン性
不飽和単量体、及び、カルボキシル基を有する不飽和単
量体以外の、その他のエチレン性不飽和単量体の特に好
ましい具体例としては、以下の〜が挙げられる。 炭素原子数1〜12のアルキルアクリレート類、す
なわち、メチル−、エチル−、イソプロピル−、n−ブ
チル−、イソブチル−、n−アミル−、イソアミル−、
n−ヘキシル−、2−エチルヘキシル−、オクチル−、
デシル−、ドデシル−、オクタデシル−、シクロヘキシ
ル−、フェニル−、ベンジル−等が付加したアクリレー
ト。 炭素原子数1〜12のアルキルメタクリレート類、
すなわち、メチル−、エチル−、イソプロピル−、n−
ブチル−、イソブチル−、n−アミル−、イソアミル
−、n−ヘキシル−、2−エチルヘキシル−、オクチル
−、デシル−、ドデシル−、オクタデシル−、シクロヘ
キシル−、フェニル−、ベンジル−等が付加したメタク
リレート。 グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレ
ート、アリルグリシジルエーテル、イソプロペニル−
α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、スチレン、
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、スチレンス
ルホン酸ソーダ、アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸及びそのソーダ塩等。
【0068】[開始剤]本発明において、保護コロイド
やシェル(S)を製造する際に使用する開始剤としては
特に制限はないが、例えば、過酸化水素、過硫酸アンモ
ニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;アゾビスシアノ
バレリン酸ナトリウム;あるいはこれらと鉄イオン等の
金属イオン及びナトリウムスルホキシレート、ホルムア
ルデヒド、ピロ亜硫酸ソーダ、亜硫酸水素ナトリウム、
L−アスコルビン酸、等の還元剤との組み合わせによる
レドックス開始剤等が挙げられる。これらの重合開始剤
は、一般的には、保護コロイド(α1)やシェル(S)
を重合する際に仕込む全単量体100重量部に対して、
0.01〜25重量部が使用される。
【0069】[分子量調節剤]本発明において、保護コ
ロイドやシェル(S)を製造する際に、必要に応じてt
−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等
のメルカプタン類、アリルスルフォン酸、メタアリルス
ルフォン酸及びこれ等のソーダ塩等のアリル化合物など
を分子量調節剤として使用することも可能である。
【0070】[保護コロイド又はシェルの特性]本発明
において、保護コロイド(α1)又はシェル(S)の材
料は、それ単独であれば、実質的に水溶性又は親水性の
(共)重合体であり、かつ酸性下で又は金属塩存在下で
不溶化して凝集する性質のものであれば、特に制限され
ない。保護コロイド(α1)の重量平均分子量は、通
常、1000〜50万、好ましくは1000〜35万、
より好ましくは1000〜20万程度である。(共)重
合体の凝集物(A’)の再乳化性を、実質的に完全なも
のにするためには、保護コロイド(α1)又はシェル
(S)のガラス転移温度計算値が、20℃以上が好まし
く、30℃以上がより好ましく、40℃以上がさらに好
ましく、50℃以上が特に好ましい。
【0071】[(α2)を構成するエチレン性不飽和単
量体]本発明において(α2)を構成するエチレン性不
飽和単量体は、実質的に、重合して所望する(共)重合
体粒子を生成するものであれば、特に制限されない。該
エチレン性不飽和単量体の具体例としては、例えば、土
木建築材料、紙加工剤、塗料、接着剤、繊維加工剤用な
どの用途に使用されている水性エマルションの製造に使
用される単量体が挙げられる。
【0072】上記エチレン性不飽和単量体の具体例とし
ては、例えば、 アクリル酸エステル類;メチル−、エチル−、イソプロ
ピル−、n−ブチル−、イソブチル−、n−アミル−、
イソアミル−、n−ヘキシル−、2−エチルヘキシル
−、オクチル−、デシル−、ドデシル−、オクタデシル
−、シクロヘキシル−、フェニル−、ベンジル−、2−
ヒドロキシエチル−、ヒドロキシプロピル−アクリレー
ト等、 メタクリル酸エステル類;メチル−、エチル−、イソプ
ロピル−、n−ブチル−、イソブチル−、n−アミル
−、イソアミル−、n−ヘキシル−、2−エチルヘキシ
ル−、オクチル−、デシル−、ドデシル−、オクタデシ
ル−、シクロヘキシル−、フェニル−、ベンジル−、2
−ヒドロキシエチル−、ヒドロキシプロピル−メタクリ
レート等、その他の炭素原子数1乃至12のアルキルア
クリレート、その他の炭素原子数1乃至12のメタクリ
レート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキ
シエチルアクリレート、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタア
クリレート、アリルグリシジルエーテル、 不飽和カルボン酸類;アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、マレイン酸、フマル酸、無水アクリル酸、無水
メタクリル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水
フマル酸等、 アミノ基含有モノマー類;N−メチルアミノエチルアク
リレート、N−メチルアミノエチルメタアクリレート、
ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエ
チルメタクリレート等、 芳香族ビニル類;スチレン、2−メチルスチレン、t−
ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、
ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等、 ビニルエステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
脂肪酸のビニルエステル(例えばシェル化学(株)のV
eoVa)等、ハロゲン化ビニル類;塩化ビニル、ハロ
ゲン化ビニリデン類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデ
ン等、オレフィン類;エチレン、プロピレン、ジエン
類;イソプレン、ブタジエン、クロロプレン、その他;
ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタアクリロニ
トリル、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチ
レングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコ
ールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタ
クリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3
−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリ
レート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレング
リコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジ
アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テト
ラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロー
ルメタンテトラアクリレート、アリルメタアクリレー
ト、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテ
ニルオキシエチルアクリレート、イソプロペニル−α,
α−ジメチルベンジルイソシアネート、アリルメルカプ
タン、 アミド類;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メ
チロールメタクリルアミド、N−メチロールアクリルア
ミド、ジアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド等
であり、単独で又は2種以上を混合して使用することが
できる。
【0073】これらの中で、好ましくは芳香族ビニル化
合物類、ジエン類、オレフィン類、(メタ)アクリレー
ト類、ビニルエステル類であり、具体的にはスチレン、
ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、ブタジエン、メチルメタクリレート、酢酸ビニル、
脂肪酸のビニルエステル(例えばシェル化学(株)のV
eoVa)、エチレン等である。セメントと配合される
ために耐アルカリ性に優れた単量体が好ましい。
【0074】[重合法]本発明において、(共)重合体
粒子(A)および(共)重合体コア粒子(A0)の重合
方法は、(共)重合体粒子の分散相及び水の連続相から
なる水性エマルションを製造できる方法であれば、特に
制限されないが、通常、小粒子径のものが得られやす
く、粒子径の制御が容易で、さらに安定性に優れた乳化
重合法が好ましく採用される。乳化重合法においては、
適宜、合目的的に、界面活性剤、pH調整剤等を使用し
てもさしつかえない。
【0075】[界面活性剤]本発明で採用される乳化重
合法において使用できる界面活性剤は、水系連続相中
に、実質的に持続的に均一に安定して形成するものであ
れば特に制限されない。界面活性剤は、通常の乳化重合
に用いられる公知の界面活性剤を、単独で又は混合し
て、好適に使用され得る。以下に、ノニオン系界面活性
剤、アニオン系界面活性剤及びカチオン系界面活性剤の
具体例を列挙するが、これらは、単独で又は組み合わせ
て、好適に使用することができる。
【0076】 ノニオン系界面活性剤 本発明の乳化(共)重合において用いるノニオン性界面
活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンラウリル
エーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル、オキシエチ
レン・オキシプロピレンブロックコポリマー、tert
−オクチルフェノキシエチルポリ−エトキシエタノー
ル、ノニルフェノキシエチルポリ−エトキシエタノール
等が挙げられ、これらは単独で又は混合して用いること
ができる。
【0077】 アニオン系界面活性剤 本発明の乳化(共)重合において用いるアニオン系界面
活性剤の具体例としては、ドデシルベンゼンンスルホン
酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルジフ
ェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキルナフ
タレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク
酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸カ
リウム、ナトリウムジオクチルスルホサクシネート、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリ
ウムジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ステアリン
酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、tert−オク
チルフェノキシエトキシポリ−エトキシエチル硫酸ナト
リウム塩等が挙げられ、これらは単独で又は混合して用
いることができる。
【0078】 カチオン系界面活性剤 本発明の乳化(共)重合において用いるカチオン性界面
活性剤の具体例としては、ラウリルトリメチルアンモニ
ウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムク
ロライド等が挙げられ、これらは単独で又は混合して用
いることができる。
【0079】[界面活性剤の使用量]界面活性剤の使用
量は、反応系において実質的にミセルを形成する量、あ
るいは、水系連続相中に、モノマーを含む分散相を、実
質的に持続的に安定して均一に形成する量であれば特に
制限されない。一般的には、界面活性剤の種類や濃度
は、界面活性剤特有のCMC(臨界ミセル形成濃度)値
や、HLB(親水性疎水性バランス)値を考慮しつつ、
所望する粒子の特性(層構造、形態、粒子径、粒子径分
布等)を実質的に実現できる条件を適宜選択する。一般
的には、前記界面活性剤の使用量は、反応系に供給した
モノマー全部の合計重量を基準として、0.1〜10重
量%を使用することができる。
【0080】[重合開始剤]本発明で採用される乳化重
合法において使用できる重合開始剤は、実質的に、重合
を開始する機能を発揮できれば特に制限されない。重合
開始剤の具体例としては、例えば、過酸化水素;過硫酸
アンモニウムや過硫酸カリウム等の過硫酸塩;クメンハ
イドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパー
オキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニト
リル等のアゾ化合物;あるいはこれらと鉄イオン等の金
属イオン及びナトリウムスルホキシレート、ホルムアル
デヒド、ピロ亜硫酸ソーダ、亜硫酸水素ナトリウム、L
−アスコルビン酸等の還元剤との組み合わせによるレド
ックス開始剤等がある。これらの重合開始剤は、一般的
には、エチレン性不飽和単量体100重量部に対して、
0.01〜15重量部が使用される。
【0081】[分子量調節剤]本発明で採用される乳化
重合法においては、必要に応じて、t−ドデシルメルカ
プタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン
類、アリルスルフォン酸、メタアリルスルフォン酸及び
これ等のソーダ塩等のアリル化合物などを分子量調節剤
として使用することも可能である。
【0082】[(共)重合体粒子(A)及び(共)重合
体コア粒子(A0)の特性](共)重合体粒子(A)及
び(共)重合体コア粒子(A0)の重量平均分子量は、
通常、5万〜9000万が好ましい。
【0083】[(共)重合体粒子(A)及び(共)重合
体コア粒子(A0)の粒子径](共)重合体粒子(A)
及び(共)重合体コア粒子(A0)のウェットな状態で
レーザー光散乱法で測定した場合の平均粒子径は、50
〜5000ナノメートルが好ましく、70〜3000ナ
ノメートルがより好ましく、100〜1000ナノメー
トルがさらに好ましい。通常、前記粒子径を、50ナノ
メートル以下に減少させていくに従って、(共)重合体
の凝集物(A’)を再乳化させた再乳化液の粘度が非常
に高くなり、使用時の作業性が低下していく傾向がみら
れると共に、粒子の比表面積も増加していくので、それ
に伴い(共)重合体の凝集物(A’)の再乳化液自体の
安定性も低下していく傾向がみられる。一方、通常、前
記粒子径を、5000ナノメートル以上に増加させてい
くに従って、再乳化液の被膜形成能が低下し、耐水性や
強度が低下する傾向がみられる。
【0084】[(α2)の特性]一般的には、室温乾燥
で皮膜を形成する再乳化液を生成し得る再乳化性重合体
が有用である。室温乾燥で皮膜を形成し得るためには、
(α2)のフォックスの式で求めたTgが、好ましくは
約−40℃〜約+30℃、より好ましくは約−30℃〜
約+20℃である。本発明に使用される(共)重合体
は、コアがシェルよりTgが低いことが必要であり、そ
の温度差が好ましくは10℃以上、さらに好ましくは4
0℃以上である。 [凝集物製造で使用される鉱酸及び
/又は有機酸] 凝集物製造において使用する鉱酸及び/又は有機酸は、
実質的に、(共)重合体粒子(A)を、(共)重合体の
凝集物(A’)として凝集させる機能を有するものであ
れば、特に制限されない。鉱酸及び有機酸の具体例とし
ては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、りん酸、酢酸等が挙
げられ、これらは1種あるいは2種以上の併用が可能で
ある。なお、添加量の低減が可能で塩素を含まない硫酸
が特に好ましい。
【0085】[鉱酸及び/又は有機酸の添加量]鉱酸及
び/又は有機酸の添加量は、通常、水性エマルションの
pHが4以下になる量が好ましく、さらにはpHが3以
下になる量がより好ましい。一般的には、酸の添加量が
少ない場合には、凝集が不完全で固液分離が困難とな
り、酸の添加量が多い場合には、(共)重合体本来の特
性が発揮されなかったり、固液分離中及び/又は固液分
離後に酸を洗浄によって除去することが困難になるとい
う問題が惹起される場合がある。
【0086】[鉱酸及び/又は有機酸の添加方法]鉱酸
及び/又は有機酸の添加方法は、特に制限されない。通
常、酸をより均一に混合するために、また安全性の面か
ら、酸は水溶液であることが好ましいが、必ずしも水溶
液には限定されない。通常は50%以下の水溶液で添加
することが好ましい。
【0087】[凝集物製造で使用される金属塩]凝集物
製造において使用する金属塩は、実質的に、(共)重合
体粒子(A)を、(共)重合体の凝集物(A’)として
凝集させる機能を有するものであれば、特に制限されな
い。金属塩の具体例としては、例えば、アルミニウム塩
として硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アンモニ
ウムミョウバン、カリウムミョウバン、ポリ塩化アルミ
ニウム、ポリ硫酸アルミニウム、鉄塩として硫酸第一
鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、ポリ塩化第二鉄、ポリ硫
酸第二鉄、亜鉛塩として塩化亜鉛、硫酸亜鉛、マグネシ
ウム塩として酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫
酸マグネシウム、その他として水酸化アルミニウム、水
酸化鉄、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、チオ硫酸カ
ルシウム、亜硝酸カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カ
ルシウム、硝酸カリウム等が挙げられ、これらは1種あ
るいは2種以上の併用が可能である。なお、金属イオン
の価数が高いほど凝集力が強く少量で凝集可能であるこ
とから、一般的には、アルミニウム塩や鉄塩の使用が好
ましい。さらに排水等の毒性の面からもアルミニウム塩
や鉄塩が好ましい。
【0088】[金属塩の添加量]金属塩の添加量は、通
常、樹脂固形分を基準として、0.01から70重量%
が好ましく、1から50重量%がより好ましく、5から
30重量%がさらに好ましい。一般的には、金属塩の添
加量が少ない場合には、凝集が不完全で固液分離が困難
となり、金属塩の添加量が多い場合には、(共)重合体
粒子(A)及び/又は保護コロイド本来の特性が発揮さ
れなかったり、固液分離中及び/又は固液分離後に金属
塩を洗浄によって除去することが困難になるという問題
が惹起される場合がある。
【0089】[金属塩の添加方法]金属塩の添加方法
は、特に制限されない。通常、金属塩をより均一に混合
するために、溶液として添加することが好ましい。ま
た、安全性の面から、金属溶液は、水溶液であることが
好ましいが、必ずしも水溶液には限定されない。金属塩
の添加方法の態様としては、例えば、 金属塩を固体の状態で水性エマルションに添加する
方法、 金属塩を一定以上溶解し得る溶媒に溶解させ溶液と
し、これを水性エマルションに添加する方法、 等が挙げられる。
【0090】[(共)重合体の凝集物(A’)の分離方
法・乾燥方法・粉砕方法]本発明の(共)重合体は凝集
物を固液分離、乾燥、粉砕によって粉末状とすることが
可能である。この際、固液分離方法については、通常使
用されている方法であれば特に制限はないが、濾過、遠
心分離、デカンテーションなどの一般的に使用されてい
る分離技術を使用することができる。乾燥方法について
も特に限定はなく、例えば、熱風乾燥、真空乾燥などで
乾燥できる。乾燥によって凝集体がさらに凝集する場合
も有り得る。通常、固液分離した凝集体を、室温〜10
0℃以下の温度で完全に乾燥させた再乳化性重合体は、
硬く粘着性を有していないため粉砕が可能である。乾燥
された再乳化性重合体の粉砕方法は、特に限定はなく、
通常の装置、例えばハンマーミル、ジェットミル、ピン
ミル等を使用できる。本粉砕は一次粒子まで粉砕する必
要はなく、作業できる程度の粉末にするだけで良い。
【0091】[(共)重合体の粉末の粒子径](共)重
合体の粉末の粒子径としては、100μm以上〜100
0μm以下が好ましい。より好ましくは100μm以上
〜800μm以下、さらに好ましくは100μm以上〜
500μm以下の平均粒子径が好ましい。粒子径が10
0μm未満では粒子の表面積が大きくなり、ブロック化
防止のための無機微粉末量が多くなる。また、粒子径が
1000μmを超える場合は、再乳化速度が低下するこ
とがある。
【0092】[重合体組成物に使用されるその他の添加
剤]本発明に係る重合体組成物には、通常セメント混和
剤と称される添加剤を適時使用してもかまわない。特に
プレミックス可能な粉末状の添加剤が好ましい。例え
ば、減水剤及び/または流動化剤が使用できる。具体的
には、β−ナフタレンスルホン酸縮合物塩、クレオソー
ト油スルホン酸縮合物塩、メラミン樹脂スルホン酸縮合
物塩、グルコン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル、ポリカルボン酸塩
等が挙げられる。これらの減水剤及び/または流動化剤
の使用量はセメントに対して0.1〜10重量%であ
る。またシリカヒュームやフライアッシュなどの粒径の
細かい無機粒子を併用することも流動性を向上させるこ
とができる。さらに保水剤として、メチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチル
セルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ポリ
ビニルアルコールなども使用できる。また消泡剤を使用
することもできる。具体的にはシリカシリコーン系、シ
リコーン系、金属石鹸系、アミド系、エステル系、ポリ
エーテル系、ポリグリコール系、有機燐酸系、高級アル
コール系、油溶性ポリマー系等の消泡剤が挙げられる。
空気含有量が多いとセメント硬化物の強度や接着強度が
低下し、少ないと凍結融解に対する抵抗性が悪化する場
合がある。通常、空気含有量はセメント組成物と水を配
合した状態で、1〜10重量%にすることが好ましく、
これに合わせて消泡剤量を決定することが好ましい。
【0093】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために、以
下に実施例及び比較例を挙げて説明する。
【0094】〈実施例1〉 [(共)重合体の調製] 〔水性エマルション(A−1)の調製〕攪拌機、還流コ
ンデンサーおよび温度計を備えた反応容器に、純水78
5g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(DBS
と略す)3g、を仕込み、窒素雰囲気中、攪拌下、温度
80℃で過硫酸カリウム5gを添加した。一方、下記組
成の乳化モノマーを準備し、上記の水溶液に3時間で滴
下し、熟成を3時間行った。 純水 400g DBS 1g スチレン 500g n−ブチルアクリレート 400g 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 50g メタクリル酸 30g アクリルアミド 20g n−ドデシルメルカプタン 1g 得られた水性エマルションに、アンモニア水と純水を添
加して、pH=9、固形分=45%に調製した。この水
性エマルションを(A−1)とする。 〔保護コロイドの調製〕攪拌機、還流コンデンサーおよ
び温度計を備えた反応容器に、1.5%水酸化ナトリウ
ム水溶液700.0gを仕込み、攪拌下、窒素雰囲気
中、温度80℃に昇温した。この温度が維持されたとこ
ろで、過硫酸カリウム10.0gを添加し、これが溶解
した後、2−ヒドロキシエチルメタクリレート90.0
g、メタクリル酸10.0gの混合溶液を3時間かけて
滴下し、さらに3時間、80℃で保持した。 1.5%水酸化ナトリウム水溶液 700.0g 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 80.0g メタクリル酸 20.0g 過硫酸カリウム 10.0g これに純水を添加して、固形分=10%、pH=5の保
護コロイド(B−1)を得た。 〔再乳化性重合体の調製〕水性エマルション(A−1)
と保護コロイド(B−1)をソリッド比で50/50に
なるように混合攪拌したのち、固形分10%に純水で希
釈し、さらにこの希釈品1000gに室温で45%硫酸
アルミニウムを50g添加すると凝集体が生成した。こ
の凝集体を濾過により固液分離したのち、80℃で残存
水分量が2%以下になるまで乾燥した(残存水分量はJ
IS K5407.5の加熱減量の測定方法で測定され
た。以下、残存水分量は全てこの方法で測定された値で
ある)。乾燥した凝集体を平均粒子径300μmに粉砕
し、再乳化性重合体粉末(R−1)を得た。 [重合体組成物の調製]再乳化性重合体粉末(R−1)
100gと、平均粒子径1.8μmで表面積1.2m2
/gの炭酸カルシウムの粉末10gを均一に混合し、重
合体組成物を調製した。
【0095】〈実施例2〉 [(共)重合体の調製] 〔水性エマルション(A−2)の調製〕攪拌機付きオー
トクレーブに、純水790g、ラウリル硫酸ナトリウム
2g部、重炭酸ソーダ1gを仕込み、窒素雰囲気中、攪
拌下、温度70℃で過硫酸カリウム10gを添加した。
一方、下記組成の乳化モノマーを準備し、上記の水溶液
に6時間かけて滴下し、熟成を行った。 純水 400g ラウリル硫酸ナトリウム 3g スチレン 280g ブタジエン 700g アクリル酸 20g t−ドデシルメルカプタン 3g 得られたSBRラッテクスに、アンモニア水と純水を添
加して、pH=9、固形分=45%の水性エマルション
(A−2)を調製した。 〔再乳化性重合体の調製〕実施例1の水性エマルション
(A−1)を(A−2)に置き換え、実施例1と同様に
して平均粒子径300μmの再乳化性重合体粉末(R−
2)を得た。 [重合体組成物の調製]さらにこれから実施例1と同様
にして重合体組成物を調製した。
【0096】〈実施例3〉 [(共)重合体の調製] 〔水性エマルションの調製〕攪拌機、還流コンデンサー
及び温度計を備えた反応容器に、保護コロイド(B−
1)666.7gを仕込み、窒素雰囲気中、攪拌下、温
度80℃で過硫酸カリウム0.5gを添加した。一方、
下記組成の乳化モノマーを準備し、上記の水溶液に3時
間で滴下し、熟成を3時間行った。 純水 40.0g ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.1g スチレン 50.0g n−ブチルアクリレート 40.0g 2−ヒドロキシエチルメタアクリレート 5.0g メタクリル酸 3.0g アクリルアミド 2.0g n−ドデシルメルカプタン 0.1g 得られた重合体にアンモニア水と純水を添加して、固形
分=10%、pH=9の水性エマルション(C−1)を
調製した。 (C−1)1000gに室温で45%硫酸アルミニウム
水溶液を50g添加すると凝集体が生成した。この凝集
体を濾過により固液分離したのち、80℃で残存水分量
が2%以下になるまで乾燥した。乾燥した凝集体を平均
粒子径300μmに粉砕し、再乳化性重合体粉末(R−
3)を得た。 [重合体組成物の調製]さらにこれから実施例1と同様
にして重合体組成物を調製した。
【0097】〈実施例4〉 [(共)重合体の調製] 〔水性エマルションの調製〕攪拌機、還流コンデンサー
および温度計を備えた反応容器に、水性エマルション
(A−1)222.2g、純水725.0g、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート80.0g、メタクリル酸2
0.0gを仕込み、攪拌下、水酸化ナトリウムにてpH
9.5に調整する。攪拌下、窒素雰囲気中、温度40℃
に昇温し、この温度を維持した。昇温完了後、過硫酸カ
リウム10.0gを添加し、6時間、80℃で保持し
た。 水性エマルション重合体(A−1) 222.2g 純水 725.0g 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 80.0g メタクリル酸 20.0g 水酸化ナトリウム 6.6g 過硫酸カリウム 10.0g これにより固形分=20%、pH=8の水性エマルショ
ン(C−2)を調製した。 (C−2)1000gに室温で45%硫酸アルミニウム
水溶液を50g添加すると凝集体が生成した。この凝集
体を濾過により固液分離したのち、80℃で残存水分量
が2%以下になるまで乾燥した。乾燥した凝集体を平均
粒子径300μmに粉砕し、再乳化性重合体粉末(R−
4)を得た。 [重合体組成物の調製]さらにこれから実施例1と同様
にして重合体組成物を調製した。
【0098】〈実施例5〉実施例1で凝集物を得るため
に使用した45%硫酸アルミニウム水溶液50gを、5
%の硫酸水溶液に置き換え、系のpHが2になるまで添
加して平均粒子径300μmの再乳化性重合体粉末(R
−5)を調製し、さらに重合体組成物を調製した。
【0099】〈実施例6〉実施例1で重合体組成物を調
製するために使用した炭酸カルシウムの粉末10gを、
平均粒子径0.02μmで表面積250m2/gの無水
珪酸の粉末1gに変更し、それ以外は実施例1と同様に
して、重合体組成物を調製した。
【0100】〈比較例1〉 [(共)重合体の調製]実施例3で調製した水性エマル
ション(C−1)を金属塩による凝析でなく、入口空気
温度120℃、出口空気温度60℃で噴霧乾燥すること
によって、平均粒子径50μmの再乳化性重合体粉末
(R−6)を得た。 [重合体組成物の調製]さらにこれから実施例1と同様
にして重合体組成物を調製した。
【0101】〈比較例2〉けん化度88mol%のポリ
ビニルアルコールを保護コロイドとしてエマルション固
形分中に10重量%含有するエチレン−酢酸ビニル共重
合体(ガラス転移点0℃)エマルションを噴霧乾燥し
て、平均粒子径60μmの再乳化性重合体粉末(R−
7)を得た。 [重合体組成物の調製]さらにこれから実施例1と同様
にして重合体組成物を調製した。
【0102】〈比較例3〉比較例2で調製した再乳化性
重合体粉末(R−7)100gに、平均粒子径0.02
μmで表面積250m2/gの無水珪酸の粉末1gを均
一に混合し、重合体組成物を調製した。実施例、比較例
で調製した重合体組成物の評価結果を表−1[表1]に
示す。 [評価例1] ブロック化防止能 重合体組成物を、500g/cm2の荷重下、50℃
で、1週間貯蔵し、ブロック化状態を以下のように等級
付けた。 ◎ : 粉末の流動性が損なわれておらず、全くブロッ
ク化がない状態。 ○ : 一部ブロック化しているが、粉末の流動性を損
なうほどでない状態。 × : ブロック化が激しく、粉末の流動性が著しく損
なわれている状態。 [評価例2] 重合体組成物の再乳化性 重合体組成物の再乳化性の評価のために、以下の方法で
再乳化率を測定した セメント100gと水500gを1分間混合し、濾
紙で濾過して、濾液を得る。 上記濾液94gを100mlの三角フラスコに採取
し、これに水酸化カルシウムの粉末3gを混合する。 さらにこれに重合体組成物の粉末3gを添加して、
3分間よく振り混ぜる。 3分後すぐに濾紙で濾過して、濾液を得、この濾液
の不揮発分をJIS K5407.4によって測定し、
この不揮発分をN1(wt%)とした。 で調製した混合液をと同様に濾過し、この不揮
発分を測定してN2(wt%)とした。 以下の式により再乳化率を算出した。 再乳化率={(N1−N2)/3}×100 再乳化率測定で使用した濾紙は、アドバンテック東洋株
式会社製、定性濾紙No.1(保留粒子径6μm)であ
った。
【0103】
【表1】
【0104】
【発明の効果】 本発明に係る再乳化性重合体組成物は、高圧(例え
ば、500g/cm2)及び/又は高温(例えば、50
℃)を長期間(例えば、1週間)負荷しても、優れた耐
ブロッキング性(ブロック化防止能)を発揮する。すな
わち、本発明に係る再乳化性重合体組成物は、従来の技
術によったのでは発揮することが困難であった、優れた
耐ブロッキング性(ブロック化防止能)を発現し、高圧
及び/又は高温の環境において、優れた貯蔵安定性を発
揮する。 本発明に係る再乳化性重合体組成物は、従来の技術
によった場合と比較して、無機微粉末の使用量が顕著に
少ない。さらに、使用する無機微粉末の平均粒子径を小
さく(例えば、5nm〜50μm、又は、1〜10μm
と)すれば、少ない使用量(例えば、(共)重合体10
0重量部に対して、1〜2重量部)でも効果を発現す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊田 佳男 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機微粉末、及び、(共)重合体を必須
    構成成分とする重合体組成物であって、該(共)重合体
    が、シェルによりコア表面の少なくとも一部が被覆され
    たコア/シェル構造を有し、前記コアは、繰り返し単位
    に、一般式(1)(化1)で表されるペンダント基を有
    する繰り返し単位からなる群、及び、一般式(2)(化
    1)で表されるペンダント基を有する繰り返し単位から
    なる群から選択された少なくとも1種の繰り返し単位を
    0重量%以上40重量%未満有する(共)重合体(α
    2)であり、 【化1】 (一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ、同
    一又は別個の、水素、炭素原子数1〜12のアルキル基
    又は炭素原子数1〜12の−OH基を有するアルキル基
    である。一般式(2)において、R3は、炭素原子数1
    〜30のアルキレン基であり、又は−R3OHが−(R
    22−O−)n−Hである。(但し、R22は炭素原子数2
    〜5の同一又は異なるアルキレン基であり、nは繰り返
    し数であり2〜30である。)) 前記シェルは、繰り返し単位に、一般式(1)(化1)
    で表されるペンダント基を有する繰り返し単位からなる
    群、及び、一般式(2)(化1)で表されるペンダント
    基を有する繰り返し単位からなる群から選択された少な
    くとも1種の繰り返し単位を20重量%以上100重量
    %以下有する(共)重合体(α1)であり、かつ、 (α1)及び(α2)の合計重量に対して、(α1)が
    15〜85重量%であり、(α2)が85〜15重量%
    であり、かつ(α1)中の一般式(1)及び/又は
    (2)で表されるペンダント基を有する少なくとも一種
    の繰り返し単位の含有率が(α2)中の該少なくとも1
    種の繰り返し単位の含有率より高いことを特徴とする粒
    子からなる、pH5以上の水に対して実質的に再乳化す
    る機能を有する(共)重合体であることを特徴とする、
    重合体組成物。
  2. 【請求項2】 無機微粉末、及び、(共)重合体を必須
    構成成分とする重合体組成物であって、該(共)重合体
    が、粒子(A)、及び、保護コロイドからなる混合物
    で、前記粒子(A)は、一般式(1)(化2)で表され
    るペンダント基を有する繰り返し単位からなる群、及
    び、一般式(2)(化2)で表されるペンダント基を有
    する繰り返し単位からなる群から選択された少なくとも
    1種の繰り返し単位を0重量%以上40重量%未満有す
    る(共)重合体(α2)であり、 【化2】 (一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ、同
    一又は別個の、水素、炭素原子数1〜12のアルキル基
    又は炭素原子数1〜12の−OH基を有するアルキル基
    である。一般式(2)において、R3は、炭素原子数1
    〜30のアルキレン基であり、又は−R3OHが−(R
    22−O−)n−Hである。(但し、R22は炭素原子数2
    〜5の同一又は異なるアルキレン基であり、nは繰り返
    し数であり2〜30である。)) 前記保護コロイドは、繰り返し単位に、一般式(1)
    (化2)で表されるペンダント基を有する繰り返し単位
    からなる群、及び、一般式(2)(化2)で表されるペ
    ンダント基を有する繰り返し単位からなる群から選択さ
    れた少なくとも1種の繰り返し単位を20重量%以上1
    00重量%以下有する(共)重合体(α1)であり、か
    つ、 (α1)及び(α2)の合計重量に対して、(α1)が
    15〜85重量%であり、(α2)が85〜15重量%
    であり、かつ(α1)中の一般式(1)及び/又は
    (2)で表されるペンダント基を有する少なくとも一種
    の繰り返し単位の含有率が(α2)中の該少なくとも1
    種の繰り返し単位の含有率より高いことを特徴とする粒
    子からなる、pH5以上の水に対して実質的に再乳化す
    る機能を有する(共)重合体であることを特徴とする、
    重合体組成物。
  3. 【請求項3】 (共)重合体が、(α1)及び(α2)
    を構成する繰り返し単位のうち、一般式(1)及び/又
    は(2)で表されるペンダント基を有する少なくとも1
    種の繰り返し単位以外の他の繰り返し単位が、一般式
    (v)、(w)、(x)、(y)及び(z)(化3)か
    らなる群から選択された少なくとも1種により構成され
    ていることを特徴とする請求項1又は2に記載した重合
    体組成物。 【化3】 (一般式(v)〜(z)において、R11は水素又はメチ
    ル基、R12は水素又は炭素原子数1〜12のアルキル
    基、R13は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭
    素原子数1〜20のアルケン基又はフェニル基、R14
    同一又は別個の水素、又は炭素原子数1〜12のアルキ
    ル基、スルホン酸基又はスルホン酸金属塩基、R15は炭
    素原子数1〜6の側鎖を有するか有しない不飽和炭化水
    素である。)
  4. 【請求項4】 (共)重合体の構成成分(α1)が、一
    般式(2)(化4)で表されるペンダント基を有する繰
    り返し単位からなる群から選択された少なくとも1種の
    繰り返し単位を20重量%以上100重量%以下有する
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載した重
    合体組成物。 【化4】 (一般式(2)において、R3は、炭素原子数1〜30
    のアルキレン基であり、又は−R3OHが−(R22−O
    −)n−Hである。(但し、R22は炭素原子数2〜5の
    同一又は異なるアルキレン基であり、nは繰り返し数で
    あり2〜30である))
  5. 【請求項5】 (共)重合体の構成成分(α1)が、一
    般式(2)(化5)で表されるペンダント基を有する繰
    り返し単位からなる群から選択された少なくとも1種の
    繰り返し単位が、2−ヒドロキシエチルメタアクリレー
    トから誘導されたものであることを特徴とする請求項4
    記載の重合体組成物。 【化5】 (一般式(2)において、R3は、炭素原子数1〜30
    のアルキレン基であり、又は−R3OHが−(R22−O
    −)n−Hである。(但し、R22は炭素原子数2〜5の
    同一又は異なるアルキレン基であり、nは繰り返し数で
    あり2〜30である))
  6. 【請求項6】 無機微粉末、及び、(共)重合体を必須
    構成成分とする重合体組成物であって、該(共)重合体
    が、一般式(1)(化6)で表されるペンダント基を有
    するエチレン性不飽和単量体からなる群、及び、一般式
    (2)(化6)で表されるペンダント基を有するエチレ
    ン性不飽和単量体からなる群から選択された少なくとも
    1種を20重量%以上100重量%以下含むエチレン性
    不飽和単量体をラジカル(共)重合体することによって
    得られる保護コロイド(α1))、及び一般式(1)
    (化6)で表されるペンダント基を有するエチレン性不
    飽和単量体からなる群、及び、一般式(2)(化6)で
    表されるペンダント基を有するエチレン性不飽和単量体
    からなる群から選択された少なくとも1種を0重量%以
    上40重量%未満含む(共)重合体(α2)を構成する
    エチレン性不飽和単量体を、 【化6】 (一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ、同
    一又は別個の、水素、炭素原子数1〜12のアルキル基
    又は炭素原子数1〜12の−OH基を有するアルキル基
    である。一般式(2)において、R3は、炭素原子数1
    〜30のアルキレン基であり、又は−R3OHが−(R
    22−O−)n−Hである。(但し、R22は炭素原子数2
    〜5の同一又は異なるアルキレン基であり、nは繰り返
    し数であり2〜30である。))含み、かつ、 (α1)及び(α2)の合計重量に対して、(α1)が
    15〜85重量%であり、(α2)が85〜15重量%
    となり、(α1)中の一般式(1)及び/又は(2)で
    表されるペンダント基を有する少なくとも一種の単量体
    の含有率が(α2)中の該単量体の含有率より高いよう
    にラジカル(共)重合することにより、(共)重合体粒
    子(A)の分散相及び水の連続相からなる、水性エマル
    ションを製造し、該水性エマルションに、鉱酸及び/又
    は有機酸を添加して、pH4以下にすることにより
    (共)重合体粒子(A)を凝集させて、(共)重合体の
    凝集物を製造することによって得られる、pH5以上の
    水に対して実質的に再乳化する機能を有する(共)重合
    体であることを特徴とする、重合体組成物。
  7. 【請求項7】 無機微粉末、及び、(共)重合体を必須
    構成成分とする重合体組成物であって、該(共)重合体
    が、一般式(1)(化7)で表されるペンダント基を有
    するエチレン性不飽和単量体からなる群、及び、一般式
    (2)(化7)で表されるペンダント基を有するエチレ
    ン性不飽和単量体からなる群から選択された少なくとも
    1種を0重量%以上40重量%未満含む(共)重合体
    (α2)を構成するエチレン性不飽和単量体を乳化
    (共)重合して、 【化7】 (一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ、同
    一又は別個の、水素、炭素原子数1〜12のアルキル基
    又は炭素原子数1〜12の−OH基を有するアルキル基
    である。一般式(2)において、R3は、炭素原子数1
    〜30のアルキレン基であり、又は−R3OHが−(R
    22−O−)n−Hである。(但し、R22は炭素原子数2
    〜5の同一又は異なるアルキレン基であり、nは繰り返
    し数であり2〜30である。)) (共)重合体コア粒子(A0)の分散相、及び、水の連
    続相からなる、水性エマルションを製造し、該水性エマ
    ルション中の(共)重合体コア粒子(A0)と、一般式
    (1)(化7)で表されるペンダント基を有するエチレ
    ン性不飽和単量体からなる群、及び、一般式(2)(化
    7)で表されるペンダント基を有するエチレン性不飽和
    単量体からなる群から選択された少なくとも1種を20
    重量%以上100重量%以下有する(共)重合体(α
    1)を構成するエチレン性不飽和単量体を含み、かつ、 (α1)及び(α2)の合計重量に対して、(α1)が
    15〜85重量%であり、(α2)が85〜15重量%
    となり、(α1)中の一般式(1)及び/又は(2)で
    表されるペンダント基を有する少なくとも一種の単量体
    の含有率が(α2)中の該単量体の含有率より高いよう
    に、ラジカル(共)重合することにより、保護コロイド
    からなるシェル(S)を、(共)重合体粒子(A0)の
    粒子表面の少なくとも一部に形成させて、シェルにより
    コア表面の少なくとも一部が被覆されたコア/シェル構
    造を有したコア/シェル型(共)重合体粒子(A)の分
    散相、及び、水の連続相からなる、水性エマルションを
    製造し、該水性エマルションに、鉱酸及び/又は有機酸
    を添加して、pH4以下にすることにより(共)重合体
    粒子(A)を凝集させて、(共)重合体の凝集物を製造
    することによって得られる、pH5以上の水に対して実
    質的に再乳化する機能を有する(共)重合体であること
    を特徴とする、重合体組成物。
  8. 【請求項8】 無機微粉末、及び、(共)重合体を必須
    構成成分とする重合体組成物であって、該(共)重合体
    が、一般式(1)(化8)で表されるペンダント基を有
    するエチレン性不飽和単量体からなる群、及び、一般式
    (2)(化8)で表されるペンダント基を有するエチレ
    ン性不飽和単量体からなる群から選択された少なくとも
    1種を0重量%以上40重量%未満含むエチレン性不飽
    和単量体を乳化(共)重合して、 【化8】 (一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ、同
    一又は別個の、水素、炭素原子数1〜12のアルキル基
    又は炭素原子数1〜12の−OH基を有するアルキル基
    である。一般式(2)において、R3は、炭素原子数1
    〜30のアルキレン基であり、又は−R3OHが−(R
    22−O−)n−Hである。(但し、R22は炭素原子数2
    〜5の同一又は異なるアルキレン基であり、nは繰り返
    し数であり2〜30である。)) (共)重合体コア粒子(A0)の分散相、及び、水の連
    続相からなる、水性エマルション(α2)を製造し、さ
    らに、一般式(1)(化8)で表されるペンダント基を
    有するエチレン性不飽和単量体からなる群、及び、一般
    式(2)(化8)で表されるペンダント基を有するエチ
    レン性不飽和単量体からなる群から選択された少なくと
    も1種を20重量%以上100重量%以下含むエチレン
    性不飽和単量体をラジカル(共)重合することにより保
    護コロイド(α1)を製造し、水性エマルション(α
    2)、及び、保護コロイド(α1)を、 (α1)及び(α2)の合計重量に対して、(α1)が
    15〜85重量%であり、(α2)が85〜15重量%
    となり、(α1)中の一般式(1)及び/又は(2)で
    表されるペンダント基を有する少なくとも一種の単量体
    の含有率が(α2)中の該単量体の含有率より高く含ま
    れるように混合し、該混合物に、鉱酸及び/又は有機酸
    を添加して、pH4以下にすることにより(共)重合体
    粒子(A)及び保護コロイドを凝集させて、(共)重合
    体の凝集物を製造することによって得られる、pH5以
    上の水に対して実質的に再乳化する機能を有する(共)
    重合体であることを特徴とする、重合体組成物。
  9. 【請求項9】 無機微粉末、及び(共)重合体を必須構
    成成分とする重合体組成物であって、該(共)重合体
    が、一般式(1)(化9)で表されるペンダント基を有
    するエチレン性不飽和単量体からなる群、及び、一般式
    (2)(化9)で表されるペンダント基を有するエチレ
    ン性不飽和単量体からなる群から選択された少なくとも
    1種を20重量%以上100重量%以下含むエチレン性
    不飽和単量体をラジカル(共)重合体することによって
    得られる保護コロイド(α1))、及び一般式(1)
    (化9)で表されるペンダント基を有するエチレン性不
    飽和単量体からなる群、及び、一般式(2)(化9)で
    表されるペンダント基を有するエチレン性不飽和単量体
    からなる群から選択された少なくとも1種を0重量%以
    上40重量%未満含む(共)重合体(α2)を構成する
    エチレン性不飽和単量体を、 【化9】 (一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ、同
    一又は別個の、水素、炭素原子数1〜12のアルキル基
    又は炭素原子数1〜12の−OH基を有するアルキル基
    である。一般式(2)において、R3は、炭素原子数1
    〜30のアルキレン基であり、又は−R3OHが−(R
    22−O−)n−Hである。(但し、R22は炭素原子数2
    〜5の同一又は異なるアルキレン基であり、nは繰り返
    し数であり2〜30である。))含み、かつ、 (α1)及び(α2)の合計重量に対して、(α1)が
    15〜85重量%であり、(α2)が85〜15重量%
    となり、(α1)中の一般式(1)及び/又は(2)で
    表されるペンダント基を有する少なくとも一種の単量体
    の含有率が(α2)中の該単量体の含有率より高いよう
    にラジカル(共)重合することにより、(共)重合体粒
    子(A)の分散相及び水の連続相からなる、水性エマル
    ションを製造し、該水性エマルションに、金属塩を添加
    して、(共)重合体粒子(A)を凝集させて、(共)重
    合体の凝集物を製造することによって得られる、pH5
    以上の水に対して実質的に再乳化する機能を有する
    (共)重合体であることを特徴とする、重合体組成物。
  10. 【請求項10】 無機微粉末、及び、(共)重合体を必
    須構成成分とする重合体組成物であって、該(共)重合
    体が、一般式(1)(化10)で表されるペンダント基
    を有するエチレン性不飽和単量体からなる群、及び、一
    般式(2)(化10)で表されるペンダント基を有する
    エチレン性不飽和単量体からなる群から選択された少な
    くとも1種を0重量%以上40重量%未満含む(共)重
    合体(α2)を構成するエチレン性不飽和単量体を乳化
    (共)重合して、 【化10】 (一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ、同
    一又は別個の、水素、炭素原子数1〜12のアルキル基
    又は炭素原子数1〜12の−OH基を有するアルキル基
    である。一般式(2)において、R3は、炭素原子数1
    〜30のアルキレン基であり、又は−R3OHが−(R
    22−O−)n−Hである。(但し、R22は炭素原子数2
    〜5の同一又は異なるアルキレン基であり、nは繰り返
    し数であり2〜30である。)) (共)重合体コア粒子(A0)の分散相、及び、水の連
    続相からなる、水性エマルションを製造し、該水性エマ
    ルション中の(共)重合体コア粒子(A0)と、一般式
    (1)(化10)で表されるペンダント基を有するエチ
    レン性不飽和単量体からなる群、及び、一般式(2)
    (化10)で表されるペンダント基を有するエチレン性
    不飽和単量体からなる群から選択された少なくとも1種
    を20重量%以上100重量%以下有する(共)重合体
    (α1)を構成するエチレン性不飽和単量体を含み、か
    つ、 (α1)及び(α2)の合計重量に対して、(α1)が
    15〜85重量%であり、(α2)が85〜15重量%
    となり、(α1)中の一般式(1)及び/又は(2)で
    表されるペンダント基を有する少なくとも一種の単量体
    の含有率が(α2)中の該単量体の含有率より高いよう
    に、ラジカル(共)重合することにより、保護コロイド
    からなるシェル(S)を、(共)重合体粒子(A0)の
    粒子表面の少なくとも一部に形成させて、シェルにより
    コア表面の少なくとも一部が被覆されたコア/シェル構
    造を有したコア/シェル型(共)重合体粒子(A)の分
    散相、及び、水の連続相からなる、水性エマルションを
    製造し、該水性エマルションに、金属塩を添加して、
    (共)重合体粒子(A)を凝集させて、(共)重合体の
    凝集物を製造することによって得られる、pH5以上の
    水に対して実質的に再乳化する機能を有する(共)重合
    体であることを特徴とする、重合体組成物。
  11. 【請求項11】 無機微粉末、及び、(共)重合体を必
    須構成成分とする重合体組成物であって、該(共)重合
    体が、一般式(1)(化11)で表されるペンダント基
    を有するエチレン性不飽和単量体からなる群、及び、一
    般式(2)(化11)で表されるペンダント基を有する
    エチレン性不飽和単量体からなる群から選択された少な
    くとも1種を0重量%以上40重量%未満含むエチレン
    性不飽和単量体を乳化(共)重合して、 【化11】 (一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ、同
    一又は別個の、水素、炭素原子数1〜12のアルキル基
    又は炭素原子数1〜12の−OH基を有するアルキル基
    である。一般式(2)において、R3は、炭素原子数1
    〜30のアルキレン基であり、又は−R3OHが−(R
    22−O−)n−Hである。(但し、R22は炭素原子数2
    〜5の同一又は異なるアルキレン基であり、nは繰り返
    し数であり2〜30である。)) (共)重合体コア粒子(A0)の分散相、及び、水の連
    続相からなる、水性エマルション(α2)を製造し、さ
    らに、一般式(1)(化11)で表されるペンダント基
    を有するエチレン性不飽和単量体からなる群、及び、一
    般式(2)(化11)で表されるペンダント基を有する
    エチレン性不飽和単量体からなる群から選択された少な
    くとも1種を20重量%以上100重量%以下含むエチ
    レン性不飽和単量体をラジカル(共)重合することによ
    り保護コロイド(α1)を製造し、水性エマルション
    (α2)、及び、保護コロイド(α1)を、 (α1)及び(α2)の合計重量に対して、(α1)が
    15〜85重量%であり、(α2)が85〜15重量%
    となり、(α1)中の一般式(1)及び/又は(2)で
    表されるペンダント基を有する少なくとも一種の単量体
    の含有率が(α2)中の該単量体の含有率より高く含ま
    れるように混合し、該混合物に、金属塩を添加して、
    (共)重合体粒子(A)及び保護コロイドを凝集させ
    て、(共)重合体の凝集物を製造することによって得ら
    れる、pH5以上の水に対して実質的に再乳化する機能
    を有する(共)重合体であることを特徴とする、重合体
    組成物。
  12. 【請求項12】 (α1)が、一般式(2)(化12)
    で表されるペンダント基を有するエチレン性不飽和単量
    体からなる群から選択された少なくとも1種を用いて得
    られた(共)重合体である請求項6乃至11の何れかに
    記載した重合体組成物。 【化12】 (一般式(2)において、R3は、炭素原子数1〜30
    のアルキレン基であり、又は−R3OHが−(R22−O
    −)n−Hである。(但し、R22は炭素原子数2〜5の
    同一又は異なるアルキレン基であり、nは繰り返し数で
    あり2〜30である))
  13. 【請求項13】 (α1)で、一般式(2)(化12)
    で表されるペンダント基を有するエチレン性不飽和単量
    体の少なくとも1種として、2−ヒドロキシエチルメタ
    アクリレートを用いて得られた(共)重合体である請求
    項12に記載した重合体組成物。
  14. 【請求項14】 無機微粉末、及び、(共)重合体を必
    須構成成分とする重合体組成物であって、該(共)重合
    体が、シェルによりコア表面の少なくとも一部が被覆さ
    れたコア/シェル構造を有する粒子であって、前記コア
    は、水に不溶性な(共)重合体であり、前記シェルは、
    pH5以上で水溶性である(共)重合体であり、pH5
    以上で実質的に再乳化可能な(共)重合体であることを
    特徴とする、重合体組成物。
  15. 【請求項15】 無機微粉末、及び、(共)重合体を必
    須構成成分とする重合体組成物であって、該(共)重合
    体が、シェルによりコア表面の少なくとも一部が被覆さ
    れたコア/シェル構造を有する粒子であって、前記コア
    は、水に不溶性な(共)重合体であり、前記シェルは、
    pH5以上で水溶性である(共)重合体であり、かつ該
    シェルがコア/シェル全重量に対して15重量%以上で
    ある、pH5以上で実質的に再乳化可能な(共)重合体
    であることを特徴とする、重合体組成物。
  16. 【請求項16】 無機微粉末、及び、(共)重合体を必
    須構成成分とする重合体組成物であって、該(共)重合
    体が、シェルによりコア表面の少なくとも一部が被覆さ
    れたコア/シェル構造を有する粒子であって、前記コア
    は、ガラス転移温度が、−40〜30℃であり、前記シ
    ェルのガラス転移温度がコアのガラス転移温度より少な
    くとも10℃以上、高くかつ粒子全重量に対して15重
    量%以上であり、かつpH4以下で凝集する機能を有す
    る粒子であることを特徴とする、重合体組成物。
  17. 【請求項17】 (共)重合体100重量部に対して、
    無機微粉末が1〜20重量部である、請求項1乃至16
    の何れかに記載した重合体組成物。
  18. 【請求項18】 (共)重合体の粉末の粒子径が100
    μm〜1000μmで、無機微粉末の粒子径が5nm〜
    50μmである、請求項1乃至17の何れかに記載した
    重合体組成物。
  19. 【請求項19】 乾燥状態に換算して、水硬性セメント
    に対して、請求項1乃至18の何れかに記載した重合体
    組成物を0.5〜60重量%含むことを特徴とする、水
    硬性セメント組成物。
  20. 【請求項20】 乾燥状態に換算して、水硬性セメント
    に対して、0.5〜60重量%に相当する、請求項1乃
    至18の何れかに記載した重合体組成物を添加した水硬
    性セメント組成物を、水と共に混合して得られたセメン
    ト組成物を打設し、セメント硬化体を形成する方法。
JP572697A 1997-01-16 1997-01-16 重合体組成物 Pending JPH10195312A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP572697A JPH10195312A (ja) 1997-01-16 1997-01-16 重合体組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP572697A JPH10195312A (ja) 1997-01-16 1997-01-16 重合体組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10195312A true JPH10195312A (ja) 1998-07-28

Family

ID=11619139

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP572697A Pending JPH10195312A (ja) 1997-01-16 1997-01-16 重合体組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10195312A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000031204A1 (de) * 1998-11-24 2000-06-02 Wacker-Chemie Gmbh Verwendung von schutzkolloid-stabilisierten vinylaromat-1,3-dien-mischpolymerisaten als klebemittel für poröse substrate
US6489381B1 (en) 1999-09-04 2002-12-03 Basf Aktiengesellschaft Cement compositions comprising redispersible polymer powders
DE102007013918A1 (de) 2007-02-17 2008-08-21 Jackon Insulation Gmbh Bauplatte aus Kunststoffschaum
JP4785865B2 (ja) * 2005-12-13 2011-10-05 旭化成イーマテリアルズ株式会社 水系有機・無機複合組成物
JP2012219148A (ja) * 2011-04-06 2012-11-12 Nippon Shokubai Co Ltd 微粒子の製造方法
DE102013004325A1 (de) 2012-06-05 2013-12-05 Jackon Insulation Gmbh Systemelement für Fußbodenheizung
DE102012011017A1 (de) 2012-06-05 2013-12-05 Jackon Insulation Gmbh Beheizter Duschboden

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000031204A1 (de) * 1998-11-24 2000-06-02 Wacker-Chemie Gmbh Verwendung von schutzkolloid-stabilisierten vinylaromat-1,3-dien-mischpolymerisaten als klebemittel für poröse substrate
US6489381B1 (en) 1999-09-04 2002-12-03 Basf Aktiengesellschaft Cement compositions comprising redispersible polymer powders
JP4785865B2 (ja) * 2005-12-13 2011-10-05 旭化成イーマテリアルズ株式会社 水系有機・無機複合組成物
DE102007013918A1 (de) 2007-02-17 2008-08-21 Jackon Insulation Gmbh Bauplatte aus Kunststoffschaum
JP2012219148A (ja) * 2011-04-06 2012-11-12 Nippon Shokubai Co Ltd 微粒子の製造方法
DE102013004325A1 (de) 2012-06-05 2013-12-05 Jackon Insulation Gmbh Systemelement für Fußbodenheizung
DE102012011017A1 (de) 2012-06-05 2013-12-05 Jackon Insulation Gmbh Beheizter Duschboden
EP2672187A1 (de) 2012-06-05 2013-12-11 Jackon Insulation GmbH Beheizter Duschboden

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI429610B (zh) 以保護性膠體組成物安定之可再分散聚合物粉末
CA2838567C (en) Water redispersible epoxy polymer powder and method for making the same
TWI421224B (zh) 經安定之可再分散聚合物粉末組成物
CA2168157C (en) Aqueous styrene/methacrylate polymeric dispersions
JP4617287B2 (ja) ポリビニルアルコールで安定化されたラテックスの製造方法
US5519084A (en) Redispersible acrylic polymer powder for cementitious compositions
TWI272282B (en) Water-redispersible polymer powder composition, a process for producing them and their use
JP4398789B2 (ja) 再分散性アクリル系合成樹脂エマルジョン粉末組成物およびその製造方法
RU2411266C2 (ru) Реэмульгируемая порошкообразная смола, водная эмульсия и адгезивный состав на ее основе
US5225478A (en) Polymer powders which are redispersible in water and can be prepared by atomizing aqueous polymer dispersions, and their use as additives in hydraulic binders
JP2006523594A (ja) 凝結促進作用を有する再分散粉末組成物の使用
JP5514778B2 (ja) セメント用途において向上した安定性を有するスチレンブタジエンベースの再分散可能なポリマー粉体
KR100617418B1 (ko) 재분산성 에멀젼 분말 및 이의 제조방법
JP3162367B2 (ja) 保護コロイド系再分散性アクリル樹脂エマルジョン粉末およびその製造方法
JP4963877B2 (ja) 合成樹脂エマルジョン組成物の再分散性粉末
JPH10195312A (ja) 重合体組成物
PL192570B1 (pl) Sposób wytwarzania stabilizowanych koloidami ochronnymi kopolimerów związków winyloaromatycznych z 1,3 - dienami
EP0758658B1 (en) Redispersible polymer and production process thereof
WO2006132210A1 (ja) 合成樹脂エマルジョン組成物
US6348532B1 (en) Process for the preparation of vinylaromatic copolymer redispersion powders redispersible in water
JP4152984B2 (ja) (メタ)アクリル樹脂系エマルジョンおよびその製造方法
JPH04185607A (ja) 保護コロイド系再分散性アクリル樹脂エマルジョン粉末とその製造方法
JP7090553B2 (ja) ポリマーコアと連続したシリカシェルとを有するコア-シェル粒子の製造方法、該方法により得られる水性ポリマー分散液、再分散性ポリマー粉末、及び再分散性ポリマー粉末を含む組成物
JP3181766B2 (ja) 再分散性アクリル系エマルジョン粉末
JPH10194816A (ja) セメント組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20050418

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20050426

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050817