JPH10195093A - 白金錯体の回収方法 - Google Patents
白金錯体の回収方法Info
- Publication number
- JPH10195093A JPH10195093A JP597697A JP597697A JPH10195093A JP H10195093 A JPH10195093 A JP H10195093A JP 597697 A JP597697 A JP 597697A JP 597697 A JP597697 A JP 597697A JP H10195093 A JPH10195093 A JP H10195093A
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- JP
- Japan
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- platinum
- recovering
- ohp
- complex
- cyclohexanediamine
- Prior art date
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 l−OHP投入量の約40%が利用されること
なく水溶液廃液として廃棄、Pt回収処分されていたも
のの大部分を、再利用可能なジクロロ白金錯体として回
収する。 【解決手段】 l−OHPであるシス−オキザラト(ト
ランス−l−1、2−シクロヘキサンジアミン)白金(I
I)を含む廃液に、ハロゲン化アルカリを添加し、撹拌溶
解した後、常温で撹拌を継続してシス−ジハロゲン(ト
ランス−l−1、2−シクロヘキサンジアミン)白金(I
I)を沈殿させ、これを濾過、洗浄して回収する。
なく水溶液廃液として廃棄、Pt回収処分されていたも
のの大部分を、再利用可能なジクロロ白金錯体として回
収する。 【解決手段】 l−OHPであるシス−オキザラト(ト
ランス−l−1、2−シクロヘキサンジアミン)白金(I
I)を含む廃液に、ハロゲン化アルカリを添加し、撹拌溶
解した後、常温で撹拌を継続してシス−ジハロゲン(ト
ランス−l−1、2−シクロヘキサンジアミン)白金(I
I)を沈殿させ、これを濾過、洗浄して回収する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、白金錯体合成工程
で発生する廃液から有用な白金錯体を回収する方法に関
する。
で発生する廃液から有用な白金錯体を回収する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】シス−オキザラト(トランス−l−1、
2−シクロヘキサンジアミン)白金(II)は、l−OHP
と称され、水溶性白金錯体であり、その溶解度は常温で
10g/l程度である。このl−OHPの合成及び再結晶
による精製は、全て水を溶媒として用いることから、粗
結晶合成工程後に発生する濾液や再結晶に用いた母液中
には10g/l程度のl−OHPが溶解している。この両
廃液中にはl−OHP以外にも不純物が同時に溶解して
いることから、従来は、水分を蒸発させ、固形化した
後、高温で焼成することにより白金を回収するか、又は
電気分解により白金を析出させ、白金を回収していた。
2−シクロヘキサンジアミン)白金(II)は、l−OHP
と称され、水溶性白金錯体であり、その溶解度は常温で
10g/l程度である。このl−OHPの合成及び再結晶
による精製は、全て水を溶媒として用いることから、粗
結晶合成工程後に発生する濾液や再結晶に用いた母液中
には10g/l程度のl−OHPが溶解している。この両
廃液中にはl−OHP以外にも不純物が同時に溶解して
いることから、従来は、水分を蒸発させ、固形化した
後、高温で焼成することにより白金を回収するか、又は
電気分解により白金を析出させ、白金を回収していた。
【0003】ところで、l−OHPは水に対して10g/
l程度の溶解度である為、合成工程ならびに精製工程で
発生する廃液中に、l−OHPの形で飽和溶解度分が溶
存する。従って、l−OHP投入量の約40%が利用され
ることなく回収されることになる。また、前述したよう
に従来の回収方法は、錯体中に含まれる白金のみを回収
することを目的としており、白金に配位している光学活
性配位子は回収中に分解される為、再利用が不可能であ
る。
l程度の溶解度である為、合成工程ならびに精製工程で
発生する廃液中に、l−OHPの形で飽和溶解度分が溶
存する。従って、l−OHP投入量の約40%が利用され
ることなく回収されることになる。また、前述したよう
に従来の回収方法は、錯体中に含まれる白金のみを回収
することを目的としており、白金に配位している光学活
性配位子は回収中に分解される為、再利用が不可能であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、l−
OHP投入量の約40%が利用されることなく水溶液廃液
として廃棄、Pt回収処分されていたものの大部分を、
再利用可能なジハロゲン白金錯体として回収することの
できる白金錯体の回収方法を提供しようとするものであ
る。
OHP投入量の約40%が利用されることなく水溶液廃液
として廃棄、Pt回収処分されていたものの大部分を、
再利用可能なジハロゲン白金錯体として回収することの
できる白金錯体の回収方法を提供しようとするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の白金錯体の回収方法は、シス−オキザラト
(トランス−l−1、2−シクロヘキサンジアミン)白
金(II)を含む廃液に、ハロゲン化アルカリを添加し、撹
拌溶解した後、常温で撹拌を継続してシス−ジハロゲン
(トランス−l−1、2−シクロヘキサンジアミン)白
金(II)を沈殿させ、これを濾過、洗浄して回収すること
を特徴とするものである。
の本発明の白金錯体の回収方法は、シス−オキザラト
(トランス−l−1、2−シクロヘキサンジアミン)白
金(II)を含む廃液に、ハロゲン化アルカリを添加し、撹
拌溶解した後、常温で撹拌を継続してシス−ジハロゲン
(トランス−l−1、2−シクロヘキサンジアミン)白
金(II)を沈殿させ、これを濾過、洗浄して回収すること
を特徴とするものである。
【0006】上記の白金錯体の回収方法に於いて、ハロ
ゲン化アルカリは、Li、Na、Kのうち1種と、F、
Cl、Br、Iのうちの1種との組み合わせから成るも
のが好ましい。
ゲン化アルカリは、Li、Na、Kのうち1種と、F、
Cl、Br、Iのうちの1種との組み合わせから成るも
のが好ましい。
【0007】また、上記の白金錯体の回収方法に於い
て、ハロゲン化アルカリのハロゲンは、Clであること
が好ましい。
て、ハロゲン化アルカリのハロゲンは、Clであること
が好ましい。
【0008】上記本発明の白金錯体の回収方法に於い
て、シス−オキザラト(トランス−l−1、2−シクロ
ヘキサンジアミン)白金(II)は、トランス−l−1、2
−シクロヘキサンジアミンと蓚酸が白金(II)に配位した
錯体であるが、水溶液中でハロゲンイオンを作用させる
と、蓚酸とハロゲンの配位子交換が起こり、ジハロゲン
錯体となる。このジハロゲン錯体は水に対する溶解度が
低く(ジクロロ錯体で0.26g/l、l−OHPの1/4
0)、配位子交換が起きた後は大部分の白金錯体が水溶
液から析出し、ジハロゲン錯体として回収できる。
て、シス−オキザラト(トランス−l−1、2−シクロ
ヘキサンジアミン)白金(II)は、トランス−l−1、2
−シクロヘキサンジアミンと蓚酸が白金(II)に配位した
錯体であるが、水溶液中でハロゲンイオンを作用させる
と、蓚酸とハロゲンの配位子交換が起こり、ジハロゲン
錯体となる。このジハロゲン錯体は水に対する溶解度が
低く(ジクロロ錯体で0.26g/l、l−OHPの1/4
0)、配位子交換が起きた後は大部分の白金錯体が水溶
液から析出し、ジハロゲン錯体として回収できる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の白金錯体の回収方法の実
施形態を説明する。実施例1として、まずl−OHPで
あるシス−オキザラト(トランス−l−1、2−シクロ
ヘキサンジアミン)白金(II)を含む廃液1l(l−OH
P10g/l、Pt濃度4900ppm )に、2.92g(0.05モ
ル)のNaClを添加し、撹拌溶解した後、常温で24時
間撹拌を継続して、黄色のシス−ジクロロ(トランス−
l−1、2−シクロへキサンジアミン)白金(II)を沈殿
させ、これを濾過、洗浄して回収した処、約9gあり、
前記廃液から95%の回収率でジハロゲン錯体を回収でき
た。
施形態を説明する。実施例1として、まずl−OHPで
あるシス−オキザラト(トランス−l−1、2−シクロ
ヘキサンジアミン)白金(II)を含む廃液1l(l−OH
P10g/l、Pt濃度4900ppm )に、2.92g(0.05モ
ル)のNaClを添加し、撹拌溶解した後、常温で24時
間撹拌を継続して、黄色のシス−ジクロロ(トランス−
l−1、2−シクロへキサンジアミン)白金(II)を沈殿
させ、これを濾過、洗浄して回収した処、約9gあり、
前記廃液から95%の回収率でジハロゲン錯体を回収でき
た。
【0010】この時の反応式を示せば下記の通りであ
る。 Pt(OX)(l−dach)+2NaCl→ PtCl2 (l−dach)↓+Na2 (OX) このジハロゲン錯体(ジクロロ白金錯体)は、下記のよ
うにl−OHPの合成に再利用できた。この時の利用率
は約40%であった。 PtCl2 (l−dach)+2AgNO3 → Pt(H2 O)2 (l−dach) Pt(H2 O)2 (l−dach)+OX(蓚酸)→ Pt(OX)(l−dach) Pt(OX)(l−dach)がl−OHPである。
る。 Pt(OX)(l−dach)+2NaCl→ PtCl2 (l−dach)↓+Na2 (OX) このジハロゲン錯体(ジクロロ白金錯体)は、下記のよ
うにl−OHPの合成に再利用できた。この時の利用率
は約40%であった。 PtCl2 (l−dach)+2AgNO3 → Pt(H2 O)2 (l−dach) Pt(H2 O)2 (l−dach)+OX(蓚酸)→ Pt(OX)(l−dach) Pt(OX)(l−dach)がl−OHPである。
【0011】また、実施例1と同様にしてl−OHP10
g/lの溶液1lに下表のごとく各ハロゲン化アルカリ
を各々0.05モルずつ加え、常温で24時間撹拌した後、生
成した沈殿を濾過洗浄して回収したところいずれも90%
以上の回収率でジハロゲン錯体を回収できた。表中、上
段は加えたハロゲン化アルカリの重量を示し、下段は回
収率を示す。
g/lの溶液1lに下表のごとく各ハロゲン化アルカリ
を各々0.05モルずつ加え、常温で24時間撹拌した後、生
成した沈殿を濾過洗浄して回収したところいずれも90%
以上の回収率でジハロゲン錯体を回収できた。表中、上
段は加えたハロゲン化アルカリの重量を示し、下段は回
収率を示す。
【0012】
【表1】
【0013】
【発明の効果】以上の説明で判るように本発明の白金錯
体の回収方法によれば、従来、l−OHP投入量の約40
%が水溶液廃液として廃棄、Pt回収処分されていたも
のの約9割が再利用可能なジクロロ白金錯体として回収
できるので、再加工することにより、トータルでのl−
OHP収率が著しく向上する。また、光学活性配位子も
同時に回収できるので、再利用が可能である。
体の回収方法によれば、従来、l−OHP投入量の約40
%が水溶液廃液として廃棄、Pt回収処分されていたも
のの約9割が再利用可能なジクロロ白金錯体として回収
できるので、再加工することにより、トータルでのl−
OHP収率が著しく向上する。また、光学活性配位子も
同時に回収できるので、再利用が可能である。
Claims (3)
- 【請求項1】 シス−オキザラト(トランス−l−1、
2−シクロヘキサンジアミン)白金(II)を含む廃液に、
ハロゲン化アルカリを添加し、撹拌溶解した後、常温で
撹拌を継続してシス−ジハロゲン(トランス−l−1、
2−シクロヘキサンジアミン)白金(II)として沈殿さ
せ、これを濾過、洗浄して回収することを特徴とする白
金錯体の回収方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の白金錯体の回収方法に於
いて、ハロゲン化アルカリが、Li、Na、Kのうち1
種と、F、Cl、Br、Iのうちの1種との組み合わせ
から成ることを特徴とする白金錯体の回収方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の白金錯体の回収方
法に於いて、ハロゲン化アルカリのハロゲンがClであ
ることを特徴とする白金錯体の回収方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP597697A JPH10195093A (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | 白金錯体の回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP597697A JPH10195093A (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | 白金錯体の回収方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10195093A true JPH10195093A (ja) | 1998-07-28 |
Family
ID=11625883
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP597697A Pending JPH10195093A (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | 白金錯体の回収方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10195093A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2339342A2 (en) | 2004-09-14 | 2011-06-29 | Mitsubishi Chemical Corporation | Biomaterial structure, method of producing the same and uses thereof |
-
1997
- 1997-01-17 JP JP597697A patent/JPH10195093A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2339342A2 (en) | 2004-09-14 | 2011-06-29 | Mitsubishi Chemical Corporation | Biomaterial structure, method of producing the same and uses thereof |
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