JPH10195027A - ビニル基を有する光学活性化合物、その中間体および前記光学活性化合物を含む液晶組成物 - Google Patents

ビニル基を有する光学活性化合物、その中間体および前記光学活性化合物を含む液晶組成物

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JPH10195027A
JPH10195027A JP1788197A JP1788197A JPH10195027A JP H10195027 A JPH10195027 A JP H10195027A JP 1788197 A JP1788197 A JP 1788197A JP 1788197 A JP1788197 A JP 1788197A JP H10195027 A JPH10195027 A JP H10195027A
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liquid crystal
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optically active
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JP1788197A
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English (en)
Inventor
Ichiro Kobayashi
一郎 小林
Tadaaki Isozaki
忠昭 磯崎
Giichi Suzuki
義一 鈴木
Tetsuo Kusumoto
哲生 楠本
Kenichi Sato
健一 佐藤
Tamejirou Hiyama
爲次郎 檜山
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Showa Shell Sekiyu KK
Sagami Chemical Research Institute
Original Assignee
Showa Shell Sekiyu KK
Sagami Chemical Research Institute
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 一般式I (R1は置換基を有してもよいC1〜18のアルキル
基、R2はCH3またはCF3、Wは単結合、−O−、−
COO−、−OCO−または−OCOO−、X、Y、Z
は単結合、−COO−または−C≡C−、環A〜Dは1
〜2個のフッ素で置換されてもよい1,4−フェニレン
基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、ピリミジ
ン−2,5−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基ま
たは2,6−ナフチレン基、mとnは1か0の整数、k
は1〜10の整数である。*は不斉炭素を表わし、その
絶対配置はRまたはSである。)の光学活性化合物、そ
の中間体および前記光学活性化合物を含む液晶組成物。 【効果】新規光学活性化合物、特に反強誘電性液晶化合
物を提供でき、液晶組成物にブレンドして特性調整する
手段を豊富にし、本中間体も新規光学活性化合物として
有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビニル基を含有す
る光学活性化合物、その中間体および前記光学活性化合
物を含む液晶組成物に関する。
【0002】
【従来技術】液晶表示素子は、1)低電圧、2)低消費
電力、3)薄型表示、4)目にやさしいなどの優れた特
徴を有するために、現在広く用いられている。その多く
はネマチック液晶を用いた表示素子であるが、応答時間
が数ミリ秒(ms)から数百msと遅いため、高速応答
の必要な光シャッター、プリンターヘッド、あるいは更
に時分割駆動の必要なテレビなど動画面への応用には必
ずしも適した表示素子とはいえなかった。
【0003】また、ミクロ秒(μs)オーダーの高速応
答を可能にする応答性の優れた液晶表示方式としては強
誘電性液晶を用いたものが開発されているが、室温付近
での応答性が予想ほどには向上しないことや液晶分子の
配向制御に有効な方法が確立しないなど実用化にむけて
は多くの課題がある。
【0004】他の表示方法についても模索が行われ、1
988年に萩原らによって三安定状態を示す液晶化合物
を用いたスイッチング方式が報告され〔Jpn.J.A
ppl.Phys.,27,L729(1988)〕、
これを用いた電気光学装置の特許が特開平2−1533
22として公開されている。この三安定状態のうち二つ
は強誘電性液晶の示す二安定状態とまったく同じで、残
る一つは中間的な状態であり、これが最も安定であるこ
とから、この三安定状態を示す液晶化合物が反強誘電性
液晶(Antiferroelectric Liqu
id Crystal)、その液晶相が反強誘電相〔主
としてAntiferroelectric Smec
tic C*相(SmCA*相)〕とその後の研究によ
り命名された〔Chandaniら、Jpn.J.Ap
pl.Phys.,28,L1265(1989)およ
びOriharaら、Jpn.J.Appl.Phy
s.,29,L333(1990)〕。
【0005】この反強誘電性液晶を用いた電気光学装置
の特徴としては強誘電性液晶の場合と同様に、1)μs
オーダーの高速応答が可能であり、2)高いコントラス
トと広い視野角を持つことができ、3)バイアス電圧を
かければ液晶自体にメモリー性を持たせることができる
だけでなく、三つの安定状態を持つことから、強誘電性
液晶に比べ、4)良好な配向特性があり、5)物理的な
衝撃に強く、6)残像現象が防止できるなどの特性を持
たすことができるなどが挙げられる。
【0006】このような特徴から、反強誘電性液晶は有
用な化合物ではあるが、以下のような問題点がある。反
強誘電性液晶のみならず、強誘電性液晶やネマチック液
晶においても、液晶化合物を表示素子などに応用する場
合、駆動温度範囲、応答速度、駆動電圧、コントラス
ト、自発分極など諸条件を単一液晶で満たすことは困難
であり、通常十〜数十種類の液晶組成物として調製され
る。
【0007】上記液晶組成物として、本発明者等も様々
な反強誘電性化合物の提案を行っているが、液晶組成物
のさらなる物性改善のために新規な構造を有する反強誘
電性液晶化合物の探索を行っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、光学活性化合物の新規構造として、キラル
側末端にビニル基を有する光学活性化合物、とりわけ反
強誘電性液晶化合物を提供することにある。また、それ
を含む液晶組成物を提供することにある。さらに、その
中間体であるビニル基を有する光学活性化合物を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(I)
【化3】 (式中、R1は置換基を有することもある炭素数1〜1
8のアルキル基であり、R2はCH3またはCF3であ
り、Wは単結合、−O−、−COO−、−OCO−また
は−OCOO−であり、X、YおよびZは単結合、−C
OO−および−C≡C−よりなる群からそれぞれ独立し
て選ばれた基であり、環A、環B、環Cおよび環Dは1
個または2個のフッ素で置換されていてもよい1,4−
フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン
基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピリジン−2,5
−ジイル基および2,6−ナフチレン基よりなる群から
それぞれ独立して選ばれた基であり、mおよびnは、1
および0よりそれぞれ独立して選ばれた整数、kは1〜
10の整数である。ただし、*を付した炭素は不斉炭素
であって、その絶対配置は独立してRまたはSであ
る。)で表わされる光学活性化合物に関する。
【0010】前記R1は直鎖状アルキル基であることが
好ましく、さらに炭素数6〜14のものが好ましい。m
およびnがともに1の場合、一般式(I)で表わされる
化合物は4環性になり、液晶相の温度範囲は広がるが、
融点、液晶相の温度や粘性は高くなるので、一般式
(I)で表わされる化合物が2環性または3環性になる
ように、すなわちm=0であることが好ましい。連結基
YおよびZは少なくともどちらか一方が−COO−であ
ることが好ましい。連結基Yが単結合の場合、環Bまた
は環Cの少なくともどちらか一方が1,4−フェニレン
基であることが好ましく、連結基Zが単結合の場合、環
Cまたは環Dの少なくともどちらか一方が1,4−フェ
ニレン基であることが好ましい。
【0011】本発明はまた、一般式(I)で表わされる
光学活性化合物を含有することを特徴とする液晶組成物
に関する。
【0012】本発明の液晶組成物は、一般式(I)で表
わされる液晶化合物の少なくとも1種類を構成成分とし
て含有する液晶組成物であり、この液晶組成物は特に反
強誘電性液晶表示素子用として、反強誘電性を示すこと
が好ましい。
【0013】また、本発明の一般式(I)で表わされる
光学活性化合物を、ネマチック相を示す液晶材料に少量
添加することにより、TN型液晶としていわゆるリバー
スドメインの防止に、あるいはSTN型液晶としての用
途などに利用できる。
【0014】さらに、強誘電性液晶表示材料において、
主成分であるキラルスメクチックC相を示すホスト液晶
中に添加するキラルドーパントの一部または全部として
本発明の一般式(I)で表わされる光学活性化合物を利
用することもできる。
【0015】また本発明は、一般式(I)で表わされる
光学活性化合物の合成中間体として下記一般式(II)
【化4】 (式中、環Dは1個または2個のフッ素で置換されてい
てもよい1,4−フェニレン基または2,6−ナフチレ
ン基、R2はCH3またはCF3であり、kは1〜10の
整数であり、*を付した炭素は不斉炭素であって、その
絶対配置は独立してRまたはSである。)で表わされる
光学活性化合物であることを特徴とする合成中間体に関
する。
【0016】本発明の一般式(I)で表わされる光学活
性化合物は、例えば以下のようにして製造できる。
【化5】 〔式中、R1、R2、W、X、Y、Z、環A、環B、環
C、環D、m、n、kおよび*は一般式(I)における
ものと同一の内容を表わす。〕
【0017】すなわち、本発明の一般式(I)で表わさ
れる化合物は、対応する一般式(III)で表わされるカ
ルボン酸をポリリン酸エチル、ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド、アゾジカルボン酸ジエチル−トリフェニルホ
スフィン等の脱水縮合剤を用いて一般式(IV)で表わさ
れるアルコールと反応させるか、一般式(III)で表わ
されるカルボン酸を酸ハロゲン化物に変換した後、塩基
存在下、一般式(IV)で表わされるアルコールと反応さ
せることにより製造することができる。
【0018】ここで、一般式(III)で表わされるカル
ボン酸は液晶化合物の合成中間体としてよく知られてお
り、製造および入手は容易である。
【0019】一般式(I)で表わされる光学活性化合物
の製造方法としては、この他にも連結基W、X、Y、Z
および環A、B、C、Dの種類に応じて様々な方法があ
げられる。たとえば、一般式(I)において、Zが−C
OO−の場合には以下の方法によっても製造することが
できる。
【0020】すなわち、アルコール(IV)とカルボン酸
(V)
【化6】 〔式中、環D、R2、kおよび*は一般式(I)におけ
ると同じ意味を表わし、R3は水酸基の保護基を表わ
す。〕を脱水縮合剤を用いて反応させるか、酸ハロゲン
化物に変換したのち塩基存在下反応させ、化合物(VI)
【化7】 〔式中、環D、R2、kおよび*は一般式(I)におけ
ると同じ意味を表わし、R3は水酸基の保護基を表わ
す。〕を製造する。
【0021】R3で表わされる水酸基の保護基として
は、ベンジル基等のアリールメチル基、メチル基等の低
級アルキル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシメ
チル基、ベンジルオキシメチル基等の低級アルコキシメ
チル基、アセチル基等のアシル基、メトキシカルボニル
基等の低級アルコキシカルボニル基、テトラヒドロピラ
ニル基、t−ブチルジメチルシリル基などのシリル基な
どを例示することができる。
【0022】この化合物(VI)の保護基R3を除去し
て、化合物(II)
【化8】 〔式中、環D、R2、kおよび*は一般式(I)におけ
ると同じ意味を表わす。〕を製造する。
【0023】この化合物(II)と一般式(VII)
【化9】 〔式中、R1、環A、環B、環C、W、X、Y、mおよ
びnは一般式(I)におけると同じ意味を表わす。〕で
表わされるカルボン酸(VII)をジシクロヘキシルカル
ボジイミド等の脱水縮合剤を用いて反応させるか、ある
いはカルボン酸(VII)を酸ハロゲン化物に変換した
後、塩基存在下、光学活性化合物(II)と反応させるこ
とにより、一般式(I)において、Zが−COO−の化
合物が製造しうる。ここで一般式(VII)で表わされる
カルボン酸誘導体は液晶化合物の合成中間体としてよく
知られており、製造および入手は容易である。
【0024】一般式(IV)の光学活性アルコールは、例
えば以下のようにして合成できる。すなわち、一般式
(VIII)で表わされる有機金属化合物を、ヨウ化銅反応
剤を触媒として一般式(X)で表わされる光学活性オキ
シランと反応させることにより製造することができる。
【化10】 〔式中、R2、kおよび*は一般式(I)におけると同
じ意味を表わし、MはBrMg、IMgまたはLiを表
わす。〕
【0025】また別法として、一般式(IV)の光学活性
アルコールは、下式に示すように
【化11】 〔式中、R2およびkは一般式(I)におけると同じ意
味を表わし、MはBrMg、IMgまたはLiを表わ
す。〕一般式(IV′)のラセミ体のアルコールを製造
し、これを酵素や光学異性体分離カラムを用いて光学分
割することができる。また、一般式(IV′)のアルコー
ルを酢酸や安息香酸などのエステルにした後、酵素や光
学異性体分離カラムを用いて光学分割する方法や、一般
式(IV′)のアルコールを光学活性なカルボン酸のエス
テルに変換した後、再結晶やカラムクロマトグラフィー
などの方法によっても一般式(IV)の光学活性アルコー
ルを製造することができる。
【0026】また、一般式(II)で表わされる光学活性
なアルコールの製造方法としては以下のような方法もあ
る。アルコール(IV′)とカルボン酸(V)を脱水縮合
剤を用いて反応させるか、酸ハロゲン化物に変換したの
ち塩基存在下反応させ、ラセミ化合物(VI′)
【化12】 〔式中、環D、R2、kおよびR3は一般式(VI)におけ
ると同じ意味を表わす。〕を製造する。この化合物(V
I′)を光学異性体カラムを用いて光学分割した後に、
この保護基R3を除去するか、先に保護基R3を除去した
のちに光学分割して、化合物(II)を製造する。
【0027】本発明の化合物におけるR1および−(環
A−X)m−(環B−Y)n−環C−Z−環D−の具体
例を挙げるが本発明はこれに限定されるものではない。
【0028】R1としては置換基を有することもあるメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、
デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、
テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘ
プタデシル基およびオクタデシル基が挙げられる。その
置換基としてはメチル基、エチル基およびプロピル基等
のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ
基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキ
シ基およびデシルオキシ基等のアルコキシル基、ビニル
基、1−プロペニル基および1−ブテニル基等のアルケ
ニル基、エチニル基および1−プロピニル基等のアルキ
ニル基、アセトキシ基、エタノイルオキシ基、プロパノ
イルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ペンタノイルオキ
シ基およびヘキサノイルオキシ基等のアルカノイル基、
フッ素および塩素のハロゲン原子などが挙げられる。た
だし、Wが−O−、−OCO−または−OCOO−の場
合には、R1の1位にアルコキシル基、アルカノイル基
およびハロゲン基が置換しないことが好ましい。
【0029】−(環A−X)m−(環B−Y)n−環C
−Z−環D−としては以下のものが挙げられる。ここで
【化13】 で表わされる構造は
【化14】 で表わされる構造の中から任意に選ぶことができる。
【0030】mおよびnが1の−(環A−X)m−(環
B−Y)n−環C−Z−環D−としては
【化15】 などが挙げられる。
【0031】mが0、nが1、Yが単結合、Zが−CO
O−の−(環A−X)m−(環B−Y)n−環C−Z−
環D−としては
【化16】 などが挙げられる。
【0032】mが0、nが1、Yが−COO−、Zが単
結合の−(環A−X)m−(環B−Y)n−環C−Z−
環D−としては
【化17】 などが挙げられる。
【0033】mが0、nが1、YおよびZが単結合の−
(環A−X)m−(環B−Y)n−環C−Z−環D−と
しては
【化18】 などが挙げられる。
【0034】mが0、nが1、YおよびZが−COO−
の−(環A−X)m−(環B−Y)n−環C−Z−環D
−としては
【化19】 などが挙げられる。
【0035】mが0、nが1、YおよびZのいずれかが
−C≡C−の−(環A−X)m−(環B−Y)n−環C
−Z−環D−としては
【化20】 などが挙げられる。
【0036】mおよびnが0、Zが単結合の−(環A−
X)m−(環B−Y)n−環C−Z−環D−としては
【化21】 などが挙げられる。
【0037】mおよびnが0、Zが−COO−の−(環
A−X)m−(環B−Y)n−環C−Z−環D−として
【化22】 などが挙げられる。
【0038】mおよびnが0、Zが−C≡C−の−(環
A−X)m−(環B−Y)n−環C−Z−環D−として
【化23】 などが挙げられる。
【0039】
【実施例】以下に実施例をあげて、本発明を具体的に説
明するが、勿論本発明の主旨、および適用範囲は、これ
ら実施例により制限されるものではない。
【0040】相転移温度の測定は以下の化合物をポリイ
ミドを塗布しラビング処理を施した透明電極付ガラスか
らなる厚さ2μmのセルに注入し、ホットステージ付偏
光顕微鏡観察により行った。また、化合物の構造はNM
Rおよび元素分析により確認した。NMRにおけるCD
Cl3は溶媒を表わし、sは1重線、dは2重線、tは
3重線、qは4重線、quintetは5重線、sex
tetは6重線、mは多重線を表わす。
【0041】また、反強誘電性の確認は、以下の方法で
行った。上記セルに、本発明の化合物を等方相において
充填後(ホットプレートを使用)、このセルを1.0℃
/分の温度勾配で徐冷し(ホットステージを使用)、液
晶を析出させ、液晶物性測定セルを作製した。これをホ
ットステージにセットし、これを2枚の偏光板を直交さ
せた光電子倍増管付き偏光顕微鏡に無電界の状態で暗視
野となるように配置した。セル中の化合物が反強誘電性
相であると思われる温度範囲のときに、セルに±40V
の三角波(1Hz)を印加した。このときの光の相対透
過率を印加した電圧に対してグラフ化をすると図4のよ
うにダブルヒステリシスを示す。図4中に示すように、
印加するプラス電圧(マイナス電圧)を大きくしていく
(小さくしていく)過程で相対透過率が10%になる電
圧をV1(この間は暗状態)、さらに、印加するプラス
電圧(マイナス電圧)を大きくしていく(小さくしてい
く)過程で相対透過率が90%になる電圧をV2(この
間に暗状態から明状態へ転換する)、さらに、三角波の
ピークを過ぎ、印加するプラス電圧(マイナス電圧)小
さくなっていく(大きくなっていく)過程で相対透過率
が90%になる電圧をV3(この間は明状態)とし、さ
らに、印加するプラス電圧(マイナス電圧)小さくなっ
ていく(大きくなっていく)過程で相対透過率が10%
になる電圧をV4(この間に明状態から暗状態へ転換す
る)とする。このようにして、本発明の化合物が3つの
安定な配向状態を採る、つまり反強誘電性を示すことを
確認した。
【0042】実施例1 (S)−4−[4−(4−デシルオキシフェニル)フェ
ニルカルボキシ]安息香酸 1−トリフルオロメチル−
4−ペンテニル(Ia)の合成
【化24】
【0043】(1−1)(S)−1,1,1−トリフル
オロ−5−ヘキセン−2−オールの合成
【化25】 前記反応式に示すようにアリルマグネシウムブロミド
(1.0Mエチルエーテル溶液、55ml,55mmo
l)に0℃でヨウ化銅(476mg,2.5mmol)
を加えて20分撹拌した後、(S)−トリフルオロメチ
ルオキシラン(75%e.e.,5.6g,50mmo
l)のエーテル(20ml)溶液を滴下し、室温で一晩
撹拌した。反応液を2M塩酸に注ぎ、セライト濾過後、
エーテル抽出した。エーテル層を、飽和食塩水で洗浄し
た後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、常圧蒸留でエ
ーテルを留去した。残渣を減圧蒸留して(S)−1,
1,1−トリフルオロ−5−ヘキセン−2−オール
(5.44g,収率61%)を得た。
【0044】前記化合物の物性はつぎのとおりである。 無色油状物質 沸点60℃/48mmHg [α]D 20−16.4゜(c=0.83,CHCl31 H NMR(CDCl3)δ 1.66−1.86(m,
2H)、2.08(d,J=6.1Hz,1H)、2.
21(dq,J=14.7 and 7.5Hz,1
H)、2.34(dq,J=14.7 and 6.3
Hz,1H)、3.90−4.01(m,1H)、5.
05(d,J=10.5Hz,1H)、5.10(d,
J=17.2Hz,1H)、5.82(dddd,J=
17.2,10.5,7.0 and 6.1Hz,1
H)
【0045】(1−2)(S)−4−[(2−メトキシ
エトキシ)メトキシ]安息香酸 1−トリフルオロメチ
ル−4−ペンテニルの合成
【化26】 前記反応式に示すようにジシクロヘキシルカルボジイミ
ド(DCC)(824mg,4.0mmol)のジクロ
ロメタン(10ml)溶液に、4−[(2−メトキシエ
トキシ)メトキシ]安息香酸(904mg,4.0mm
ol)と実施例(1−1)で合成した(S)−1,1,
1−トリフルオロ−5−ヘキセン−2−オール(740
mg,4.8mmol)、4−ジメチルアミノピリジン
(DMAP)(146mg)を加え、室温で一晩撹拌し
た。反応液を減圧濃縮し、エーテルを加えてセライト濾
過し、濾液を減圧濃縮後、カラムクロマトグラフィー
(Kieselgel 60,ヘキサン/酢酸エチル=
20/1〜10/1)で精製して(S)−4−[(2−
メトキシエトキシ)メトキシ]安息香酸 1−トリフル
オロメチル−4−ペンテニル(1.12g,収率77
%)を得た。
【0046】前記化合物の物性はつぎのとおりである。 無色油状物質 Rf0.3(ヘキサン/酢酸エチル=5
/1) [α]D 20−29.3゜(c=1.40,CHCl31 H NMR(CDCl3)δ 1.94−2.04(m,
2H)、2.09−2.28(m,2H)、3.37
(s,3H)、3.53−3.58(m,2H)、3.
80−3.85(m,2H)、5.02(d quin
tet,J=10.4 and 1.2Hz,1H)、
5.05(d quartet,J=17.1 and
1.6Hz,1H)、5.55(sextet,J=
6.7Hz,1H)、5.79(ddt,J=17.
1,10.7 and 6.6Hz,1H)、7.11
(d,J=9.0Hz,2H)、8.03(d,J=
9.0Hz,2H)
【0047】(1−3)(S)−4−ヒドロキシ安息香
酸 1−トリフルオロメチル−4−ペンテニルの合成
【化27】 前記反応式に示すように実施例(1−2)で合成した
(S)−4−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]安
息香酸 1−トリフルオロメチル−4−ペンテニル(9
05mg,2.5mmol)のt−ブチルアルコール
(30ml)溶液にピリジニウム p−トルエンスルホ
ネート(PPTS)(6.25g,25mmol)を加
え、3時間加熱還流した。反応液を飽和食塩水に注ぎ、
酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した
後、減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(W
akogel C−300,ヘキサン/酢酸エチル=2
0/1〜5/1)で精製して(S)−4−ヒドロキシ安
息香酸 1−トリフルオロメチル−4−ペンテニル(6
80mg,収率90%)を得た。
【0048】前記化合物の物性はつぎのとおりである。 無色粘性物質 Rf0.2(ヘキサン/酢酸エチル=5
/1) [α]D 20−36.9゜(c=0.71,CHCl31 H NMR(CDCl3)δ 1.94−2.04(m,
2H)、2.09−2.28(m,2H)、5.02
(d quintet,J=10.4 and 1.2
Hz,1H)、5.05(dq,J=17.1 and
1.6Hz,1H)、5.51(s,1H)、5.5
5(sextet,J=6.7Hz,1H)、5.79
(ddt,J=17.1,10.4 and 6.6H
z,1H)、6.89(d,J=8.8Hz,2H)、
8.00(d,J=8.8Hz,2H)
【0049】(1−4)(S)−4−[4−(4−デシ
ルオキシフェニル)フェニルカルボキシ]安息香酸 1
−トリフルオロメチル−4−ペンテニル(Ia)の合成
【化28】 前記反応式に示すようにDCC(41mg,0.20m
mol)のジクロロメタン(2ml)溶液に4−(4−
デシルオキシフェニル)安息香酸(71mg,0.20
mmol)と実施例(1−3)で合成した(S)−4−
ヒドロキシ安息香酸 1−トリフルオロメチル−4−ペ
ンテニル(55mg,0.20mmol)、DMAP
(7mg)を加え、室温で一晩撹拌した。反応液をカラ
ムクロマトグラフィー(Wakogel C−300,
ヘキサン/酢酸エチル=20/1)で精製して(S)−
4−[4−(4−デシルオキシフェニル)フェニルカル
ボキシ]安息香酸 1−トリフルオロメチル−4−ペン
テニル(107mg,収率88%,74%e.e.)を
得た。これを光学異性体分離カラム(CHIRALPA
K AD,ヘキサン/2−プロパノール=9/1)を用
いた分取用HPLCで分割し、さらに再結晶〔メタノー
ル(10ml)/エーテル(2ml)〕して(S)−4
−[4−(4−デシルオキシフェニル)フェニルカルボ
キシ]安息香酸1−トリフルオロメチル−4−ペンテニ
ル(78mg,収率63%,100%e.e.)を得
た。
【0050】前記化合物の物性はつぎのとおりである。 無色粉末 [α]D 20−29.2゜(c=0.52,CHCl31 H NMR(CDCl3)δ 0.89(t,J=7.0
Hz,3H)、1.20−1.42(m,12H)、
1.48(quintet,J=7.2Hz,2H)、
1.82(quintet,J=6.6Hz,2H)、
1.97−2.09(m,2H)、2.12−2.30
(m,2H)、4.02(t,J=6.5Hz,2
H)、5.04(d quintet,J=10.2
and 1.2Hz,1H)、5.07(dq,J=1
7.1 and 1.5Hz,1H)、5.59(se
xtet,J=6.7Hz,1H)、5.80(dd
t,J=17.1,10.2 and 6.6Hz,1
H)、7.01(d,J=8.8Hz,2H)、7.3
7(d,J=8.8Hz,2H)、7.60(d,J=
8.8Hz,2H)、7.71(d,J=8.6Hz,
2H)、8.18(d,J=8.8Hz,2H)、8.
24(d,J=8.6Hz,2H)、
【0051】相転移温度は下記表1のとおりである。
【表1】
【0052】実施例2 (R)−4−[4−(4−デシルオキシフェニル)フェ
ニルカルボキシ]安息香酸 1−トリフルオロメチル−
5−ヘキセニル(Ib)の合成
【化29】
【0053】(2−1)1,1,1−トリフルオロ−6
−ヘプテン−2−オールの合成
【化30】 前記反応式に示すようにマグネシウム(608mg,2
5mmol)に4−ブロモ−1−ブテン(3.38g,
25mmol)のテトラヒドロフラン(THF)(12
ml)溶液を滴下し、2時間撹拌してブテニルマグネシ
ウムブロミドを得、これに、ヨウ化銅(238mg,
1.25mmol)を加えて、15分間撹拌した。0℃
でトリフルオロメチルオキシラン(1.63g,13.
4mmol)を滴下し、室温で一晩撹拌した。反応液を
蒸留水に注ぎ、セライト濾過した後、エーテル抽出し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、カラムク
ロマトグラフィー(Wakogel C−300,ヘキ
サン/酢酸エチル=10/1)で精製した。さらに減圧
蒸留して1,1,1−トリフルオロ−6−ヘプテン−2
−オール(1.15g,収率51%)を得た。
【0054】前記化合物の物性はつぎのとおりである。 無色油状物質 沸点69℃/30mmHg1 H NMR(CDCl3)δ 1.44−1.80(m,
4H)、2.06−2.20(m,2H)、2.07
(d,J=6.2Hz,1H)、3.86−3.98
(m,1H)、5.00(ddt,J=10.3,1.
9 and 1.2Hz,1H)、5.04(dq,J
=17.0 and 1.6Hz,1H)、5.80
(ddt,J=17.0,10.3 and 6.7H
z,1H)、
【0055】(2−2)4−[(2−メトキシエトキ
シ)メトキシ]安息香酸 1−トリフルオロメチル−5
−ヘキセニルの合成
【化31】 前記反応式に示すように実施例(1−2)と同様にし
て、DCC(1.24g,6.0mmol)、4−
[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]安息香酸(1.
36g,6.0mmol)、1,1,1−トリフルオロ
−6−ヘプテン−2−オール(1.01g,6.0mm
ol)およびDMAP(146mg)を反応させ、4−
[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]安息香酸 1−
トリフルオロメチル−5−ヘキセニル(2.09g,収
率92%)を得た。
【0056】前記化合物の物性はつぎのとおりである。 無色油状物質 Rf0.50(ヘキサン/酢酸エチル=
3/1)1 H NMR(CDCl3)δ 1.45−1.58(m,
2H)、1.80−1.90(m,2H)、2.03−
2.18(m,2H)、3.37(s,3H)、3.5
2−3.58(m,2H)、3.80−3.86(m,
2H)、4.98(ddt,J=10.3,1.9 a
nd 1.2Hz,1H)、5.02(dq,J=1
7.1 and 1.7Hz,1H)、5.34(s,
2H)、5.53(sextet,J=6.4Hz,1
H)、5.75(ddt,J=17.1,10.3 a
nd 6.7Hz,1H)、7.11(d,J=9.0
Hz,2H)、8.03(d、J=9.0Hz,2H)
【0057】(2−3)4−ヒドロキシ安息香酸 1−
トリフルオロメチル−5−ヘキセニルの合成
【化32】 前記反応式に示すように実施例(1−3)と同様な条件
下、4−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]安息香
酸 1−トリフルオロメチル−5−ヘキセニル(376
mg,1.0mmol)から、4−ヒドロキシ安息香酸
1−トリフルオロメチル−5−ヘキセニル(287m
g,収率99%)を得た。さらに、光学異性体分離カラ
ム(CHIRALPAK AD,ヘキサン/2−プロパ
ノール=20/1)を用いた分取用HPLCで分割し
て、(S)−4−ヒドロキシ安息香酸 1−トリフルオ
ロメチル−5−ヘキセニル(100mg,35%,9
9.5%e.e.)および(R)−4−ヒドロキシ安息
香酸 1−トリフルオロメチル−5−ヘキセニル(12
2mg,42%,98%e.e.)を得た。
【0058】(S)−4−ヒドロキシ安息香酸 1−ト
リフルオロメチル−5−ヘキセニルの物性 無色粘性物質 Rf0.50(ヘキサン/酢酸エチル=
3/1) [α]D 20−45.8゜(c=0.62,CHCl31 H NMR(CDCl3)δ 1.42−1.61(m,
2H)、1.80−1.96(m,2H)、2.03−
2.18(m,2H)、4.98(ddt,J=10.
3,1.9 and 1.2Hz,1H)、5.02
(dq,J=17.1 and 1.7Hz,1H)、
5.47−5.58(m,1H)、5.65(s,1
H)、5.75(ddt,J=17.1,10.3 a
nd 6.7Hz,1H)、6.89(d,J=8.9
Hz,2H)、7.99(d,J=8.9Hz,2H)
【0059】(R)−4−ヒドロキシ安息香酸 1−ト
リフルオロメチル−5−ヘキセニルの物性 無色粘性物質 Rf0.50(ヘキサン/酢酸エチル=
3/1) [α]D 20+47.4゜(c=0.54,CHCl31 H NMR(CDCl3)δ 1.42−1.61(m,
2H)、1.80−1.96(m,2H)、2.03−
2.18(m,2H)、4.98(ddt,J=10.
3,1.9 and 1.2Hz,1H)、5.02
(dq,J=17.1 and 1.7Hz,1H)、
5.47−5.58(m,1H)、5.65(s,1
H)、5.75(ddt,J=17.1,10.3 a
nd 6.7Hz,1H)、6.89(d,J=8.9
Hz,2H)、7.99(d,J=8.9Hz,2H)
【0060】(2−4)(R)−4−[4−(4−デシ
ルオキシフェニル)フェニルカルボキシ]安息香酸 1
−トリフルオロメチル−5−ヘキセニル(Ib)の合成
【化33】 前記反応式に示すようにDCC(59mg,0.29m
mol)のジクロロメタン(1ml)溶液に4−(4−
デシルオキシフェニル)安息香酸(111mg,0.3
1mmol)と実施例(2−3)で合成した(R)−4
−ヒドロキシ安息香酸 1−トリフルオロメチル−5−
ヘキセニル(82mg,0.29mmol)、DMAP
(7mg)を加え、室温で一晩撹拌した。反応液をカラ
ムクロマトグラフィー(Wakogel C−300,
ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製して(R)−
4−[4−(4−デシルオキシフェニル)フェニルカル
ボキシ]安息香酸 1−トリフルオロメチル−5−ヘキ
セニル(164mg,収率92%,97%e.e.)を
得た。これを再結晶〔メタノール(15ml)/エーテ
ル(5ml)〕して(R)−4−[4−(4−デシルオ
キシフェニル)フェニルカルボキシ]安息香酸 1−ト
リフルオロメチル−5−ヘキセニル(117mg,収率
66%,100%e.e.)を得た。
【0061】前記化合物の物性はつぎのとおりである。 無色針状晶 [α]D 20+26.4゜(c=0.53,CHCl31 H NMR(CDCl3)δ 0.89(t,J=7.0
Hz,3H)、1.22−1.42(m,12H)、
1.48(quintet,J=7.1Hz,2H)、
1.52−1.63(m,2H)、1.82(quin
tet,J=6.6Hz,2H)、1.87−1.98
(m,2H)、2.04−2.21(m,2H)、4.
02(t,J=6.6Hz,2H)、5.00(dd
t,J=10.2,1.9 and 1.2Hz,1
H)、5.04(dq,J=17.1 and 1.6
Hz,1H)、5.57(sextet,J=6.7H
z,1H)、5.77(ddt,J=17.1,10.
2 and 6.7Hz,1H)、7.01(d,J=
8.8Hz,2H)、7.36(d,J=8.8Hz,
2H)、7.60(d,J=8.8Hz,2H)、7.
71(d,J=8.6Hz,2H)、8.18(d,J
=8.8Hz,2H)、8.24(d,J=8.6H
z,2H)
【0062】相転移温度は下記表2のとおりである。
【表2】
【0063】実施例3 (R)−4−[4−(4−デシルオキシフェニル)フェ
ニルカルボキシ]安息香酸 1−トリフルオロメチル−
6−ヘプテニル(Ic)の合成
【化34】
【0064】(3−1)1,1,1−トリフルオロ−7
−オクテン−2−オールの合成
【化35】 前記反応式に示すようにマグネシウム(972mg,4
0mmol)に6−ブロモ−1−ヘキセン(6.52
g,40mmol)のエーテル(40ml)溶液を滴下
し、さらに2時間撹拌し、グリニャール反応剤であるヘ
キセニルマグネシウムブロミドを調製した。150℃に
加熱したポリリン酸にトリフルオロアセトアルデヒドヘ
ミエチルアセタール(12.3g,85mmol)を滴
下して1,1,1−トリフルオロアセトアルテヒドを発
生させ、これを0℃に冷却したグリニャール反応剤の溶
液に導入し、室温で一晩撹拌した。反応液を2M塩酸に
注ぎ、エーテル抽出し、飽和食塩水で洗浄した。無水硫
酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮し、カラムクロマ
トグラフィー(Wakogel C−300,ヘキサン
/酢酸エチル=10/1)で精製した。さらに減圧蒸留
して1,1,1−トリフルオロ−7−オクテン−2−オ
ール(0.65g,収率9%)を得た。
【0065】前記化合物の物性はつぎのとおりである。 無色油状物質 沸点70〜72℃/21mmHg1 H NMR(CDCl3)δ 1.36−1.51(m,
3H)、1.54−1.67(m,2H)、1.67−
1.78(m,1H)、2.04(d,J=6.2H
z,1H)、2.05−2.16(m,2H)、3.8
5−3.98(m,1H)、4.97(ddt,J=1
0.3,2.0 and 1.2Hz,1H)、5.0
2(dq,J=17.0 and 1.6Hz,1
H)、5.80(ddt,J=17.0,10.3 a
nd 6.7Hz,1H)、
【0066】(3−2)4−[(2−メトキシエトキ
シ)メトキシ]安息香酸 1−トリフルオロメチル−6
−ヘプテニルの合成
【化36】 前記反応式に示すように実施例(1−2)と同様にし
て、DCC(1.19g,5.8mmol)、4−
[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]安息香酸(1.
31g,5.8mmol)、1,1,1−トリフルオロ
−7−オクテン−2−オール(1.05g,5.8mm
ol)およびDMAP(141mg)を反応させ、4−
[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]安息香酸 1−
トリフルオロメチル−6−ヘプテニル(2.05g,収
率76%)を得た。
【0067】前記化合物の物性はつぎのとおりである。 無色油状物質 Rf0.58(ヘキサン/酢酸エチル=
3/1)1 H NMR(CDCl3)δ 1.36−1.52(m,
4H)、1.83−1.92(m,2H)、2.00−
2.10(m,2H)、3.37(s,3H)、3.5
2−3.59(m,2H)、3.79−3.87(m,
2H)、4.93(ddt,J=10.3,1.9 a
nd 1.2Hz,1H)、4.98(dq,J=1
7.1 and 1.6Hz,1H)、5.34(s,
2H)、5.52(sextet,J=6.7Hz,1
H)、5.76(ddt,J=17.0,10.3 a
nd 6.7Hz,1H)、7.11(d,J=9.0
Hz,2H)、8.02(d,J=9.0Hz,2H)
【0068】(3−3)4−ヒドロキシ安息香酸 1−
トリフルオロメチル−6−ヘプテニルの合成
【化37】 前記反応式に示すように実施例(1−3)と同様な条件
下、4−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]安息香
酸 1−トリフルオロメチル−6−ヘプテニル(1.9
g,4.9mmol)から、4−ヒドロキシ安息香酸
1−トリフルオロメチル−6−ヘプテニル(1.44
g,収率82%)を得た。さらに、光学異性体分離カラ
ム(CHIRALPAK AD,ヘキサン/2−プロパ
ノール=15/1)を用いた分取用HPLCで分割し
て、(R)−4−ヒドロキシ安息香酸1−トリフルオロ
メチル−6−ヘプテニル(550mg,37%,97%
e.e.)を得た。
【0069】前記化合物の物性はつぎのとおりである。 無色粘性物質 Rf0.50(ヘキサン/酢酸エチル=
3/1) [α]D 20+52.5゜(c=0.51,CHCl31 H NMR(CDCl3)δ 1.36−1.53(m,
4H)、1.80−1.94(m,2H)、1.98−
2.12(m,2H)、4.92(ddt,J=10.
3,2.0 and 1.2Hz,1H)、4.98
(dq,J=17.1 and 1.6Hz,1H)、
5.52(sextet,J=6.7Hz,1H)、
5.58(s,1H)、5.76(ddt,J=17.
1,10.3 and 6.7Hz,1H)、6.89
(d,J=8.9Hz,2H)、8.00(d,J=
8.9Hz,2H)
【0070】(3−4)(R)−4−[4−(4−デシ
ルオキシフェニル)フェニルカルボキシ]安息香酸 1
−トリフルオロメチル−6−ヘプテニル(Ic)の合成
【化38】 前記反応式に示すように実施例(2−4)と同様にし
て、4−(4−デシルオキシフェニル)安息香酸(10
6mg,0.30mmol)と(R)−4−ヒドロキシ
安息香酸 1−トリフルオロメチル−6−ヘプテニル
(91mg,0.30mmol)から、(R)−4−
[4−(4−デシルオキシフェニル)フェニルカルボキ
シ]安息香酸 1−トリフルオロメチル−6−ヘプテニ
ル(122mg,収率64%,98%e.e.)を得
た。
【0071】前記化合物の物性はつぎのとおりである。 無色粉末 [α]D 20+31.5゜(c=0.52,CHCl31 H NMR(CDCl3)δ 0.89(t,J=7.0
Hz,3H)、1.20−1.41(m,12H)、
1.41−1.54(m,6H)、1.82(quin
tet,J=6.6Hz,2H)、1.86−1.96
(m,2H)、2.00−2.12(m,2H)、4.
02(t,J=6.6Hz,2H)、4.94(dd
t,J=10.3,1.9 and 1.2Hz,1
H)、4.99(dq,J=17.1 and 1.6
Hz,1H)、5.56(sextet,J=6.7H
z,1H)、5.77(ddt,J=17.1,10.
3 and 6.7Hz,1H)、7.01(d,J=
8.8Hz,2H)、7.36(d,J=8.8Hz,
2H)、7.60(d,J=8.8Hz,2H)、7.
71(d,J=8.6Hz,2H)、8.18(d,J
=8.8Hz,2H)、8.24(d,J=8.6H
z,2H)
【0072】相転移温度は下記表3のとおりである。
【表3】 また、この化合物の70℃におけるヒステリシスは図2
のとおりである。
【0073】実施例4 (R)−4−[4−(4−デシルオキシフェニル)フェ
ニルカルボキシ]安息香酸 1−トリフルオロメチル−
7−オクテニル(Id)の合成
【化39】
【0074】(4−1)1,1,1−トリフルオロ−8
−ノネン−2−オールの合成
【化40】 前記反応式に示すように実施例(2−1)と同様にし
て、6−ブロモ−1−ヘキセン(3.59g,22mm
ol)、トリフルオロメチルオキシラン(2.2g,1
9.6mmol)から、1,1,1−トリフルオロ−8
−ノネン−2−オール(1.25g,収率35%)を得
た。
【0075】前記化合物の物性はつぎのとおりである。 無色油状物質 沸点90℃/20mmHg1 H NMR(CDCl3)δ 1.30−1.48(m,
4H)、1.48−1.66(m,2H)、1.66−
1.84(m,2H)、2.04(d,J=6.3H
z,1H)、2.06(dtt,J=7.2,5.6
and 1.3Hz,2H)、3.84−3.97
(m,1H)、4.95(ddt,J=10.3,2.
1 and 1.2Hz,1H)、5.00(dq,J
=17.1 and 1.6Hz,1H)、5.80
(dtt,J=17.1,10.3 and 6.7H
z,1H)、
【0076】(4−2)4−[(2−メトキシエトキ
シ)メトキシ]安息香酸 1−トリフルオロメチル−7
−オクテニルの合成
【化41】 前記反応式に示すように実施例(1−2)と同様にし
て、DCC(1.15g,5.6mmol)、4−
[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]安息香酸(1.
27g,5.6mmol)、1,1,1−トリフルオロ
−8−ノネン−2−オール(1.1g,5.6mmo
l)およびDMAP(137mg)を反応させ、4−
[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]安息香酸 1−
トリフルオロメチル−6−ヘプテニル(1.98g,収
率71%)を得た。
【0077】前記化合物の物性はつぎのとおりである。 無色油状物質 Rf0.45(ヘキサン/酢酸エチル=
3/1)1 H NMR(CDCl3)δ 1.28−1.48(m,
6H)、1.86(dt,J=7.6 and 6.8
Hz,2H)、2.02(dtt,J=6.7,5.7
and 1.2Hz,2H)、3.37(s,3
H)、3.52−3.58(m,2H)、3.80−
3.86(m,2H)、4.92(ddt,J=10.
2,2.0 and 1.2Hz,1H)、4.97
(dq,J=17.1 and 1.6Hz,1H)、
5.34(s,2H)、5.52(sextet,J=
6.8Hz,1H)、5.77(ddt,J=17.
1,10.2 and 6.7Hz,1H)、7.11
(d,J=9.0Hz,2H)、8.03(d,J=
9.0Hz,2H)
【0078】(4−3)4−ヒドロキシ安息香酸 1−
トリフルオロメチル−7−オクテニルの合成
【化42】 前記反応式に示すように実施例(1−3)と同様な条件
下、4−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]安息香
酸 1−トリフルオロメチル−7−オクテニル(485
mg,1.2mmol)から、4−ヒドロキシ安息香酸
1−トリフルオロメチル−7−オクテニル(384m
g,収率99%)を得た。さらに、光学異性体分離カラ
ム(CHIRALPAK AD,ヘキサン/2−プロパ
ノール=15/1)を用いた分取用HPLCで分割し
て、(S)−4−ヒドロキシ安息香酸 1−トリフルオ
ロメチル−7−オクテニル(116mg,31%,98
%e.e.)および(R)−4−ヒドロキシ安息香酸
1−トリフルオロメチル−7−オクテニル(132m
g,35%,98%e.e.)を得た。
【0079】(S)−4−ヒドロキシ安息香酸 1−ト
リフルオロメチル−7−オクテニルの物性 無色粘性物質 Rf0.25(ヘキサン/酢酸エチル=
5/1) [α]D 20−56.2゜(c=0.53,CHCl31 H NMR(CDCl3)δ 1.20−1.50(m,
6H)、1.86(dt,J=7.3 and 6.3
Hz,2H)、2.02(dtt,J=6.7,5.5
and 1.2Hz,2H)、4.92(ddt,J
=10.2,2.0 and 1.2Hz,1H)、
4.97(dq,J=17.1 and 1.6Hz,
1H)、5.51(sextet,J=6.8Hz,1
H)、5.61(s,1H)、5.77(ddt,J=
17.1,10.2 and 6.7Hz,1H)、
6.89(d,J=8.9Hz,2H)、8.00
(d,J=8.9Hz,2H)
【0080】(R)−4−ヒドロキシ安息香酸 1−ト
リフルオロメチル−7−オクテニルの物性 無色粘性物質 Rf0.25(ヘキサン/酢酸エチル=
5/1) [α]D 20+46.8゜(c=0.53,CHCl31 H NMR(CDCl3)δ 1.20−1.50(m,
6H)、1.86(dt,J=7.3 and 6.3
Hz,2H)、2.02(dtt,J=6.7,5.5
and 1.2Hz,2H)、4.92(ddt,J
=10.2,2.0 and 1.2Hz,1H)、
4.97(dq,J=17.1 and 1.6Hz,
1H)、5.51(sextet,J=6.8Hz,1
H)、5.61(s,1H)、5.77(ddt,J=
17.1,10.2 and 6.7Hz,1H)、
6.89(d,J=8.9Hz,2H)、8.00
(d,J=8.9Hz,2H)
【0081】(4−4)(R)−4−[4−(4−デシ
ルオキシフェニル)フェニルカルボキシ]安息香酸 1
−トリフルオロメチル−7−オクテニル(Id)の合成
【化43】 前記反応式に示すようにDCC(65mg,0.32m
mol)のジクロロメタン(2ml)溶液に4−(4−
デシルオキシフェニル)安息香酸(112mg,0.3
1mmol)と実施例(4−3)で合成した(R)−4
−ヒドロキシ安息香酸 1−トリフルオロメチル−7−
オクテニル(100mg,0.32mmol)、DMA
P(8mg)を加え、室温で一晩撹拌した。反応液をカ
ラムクロマトグラフィー(Wakogel C−30
0,ヘキサン/酢酸エチル=20/1)で精製して
(R)−4−[4−(4−デシルオキシフェニル)フェ
ニルカルボキシ]安息香酸 1−トリフルオロメチル−
7−オクテニル(184mg,収率89%,97%e.
e.)を得た。これを光学異性体分離カラム(CHIR
ALPAK AD,ヘキサン/2−プロパノール=15
/1)を用いた分取用HPLCで精製したのち、再結晶
〔メタノール(11ml)/エーテル(4ml)〕して
(R)−4−[4−(4−デシルオキシフェニル)フェ
ニルカルボキシ]安息香酸 1−トリフルオロメチル−
7−オクテニル(108mg,収率52%,100%
e.e.)を得た。
【0082】前記化合物の物性はつぎのとおりである。 無色板状晶 [α]D 20+30.4゜(c=0.52,CHCl31 H NMR(CDCl3)δ 0.89(t,J=7.0
Hz,3H)、1.20−1.53(m,20H)、
1.82(q,J=6.6Hz,2H)、1.90(d
t,J=7.5 and 6.9Hz,2H)、2.0
4(dtt,J=6.6,5.5 and 1.32H
z,2H)、4.02(t,J=6.6Hz,2H)、
4.93(ddt,J=10.2,2.0 and
1.2Hz,1H)、4.98(dq,J=17.1
and 1.6Hz,1H)、5.56(sexte
t,J=6.7Hz,1H)、5.78(ddt,J=
17.1,10.2 and 6.7Hz,1H)、
7.01(d,J=8.8Hz,2H)、7.36
(d,J=8.8Hz,2H)、7.60(d,J=
8.8Hz,2H)、7.71(d,J=8.6Hz,
2H)、8.17(d,J=8.8Hz,2H)、8.
24(d,J=8.6Hz,2H)
【0083】相転移温度は下記表4のとおりである。
【表4】
【0084】実施例5 (R)−4−[4−(4−デシルオキシフェニル)フェ
ニルカルボキシ]安息香酸 1−メチル−6−ヘプテニ
ル(Ie)の合成
【化44】 (5−1)(R)−オクテン−7−オールの合成
【化45】 前記反応式に示すように実施例(2−1)と同様にし
て、5−ブロモ−1−ペンテン(5.94g,40mm
ol)、(R)−プロピレンオキシド(>96%e.
e.,2.66ml,38mmol)から、(R)−1
−オクテン−7−オール(3.24g,収率66%)を
得た。
【0085】前記化合物の物性はつぎのとおりである。 無色油状物質 沸点110℃/65mmHg [α]D 20−9.70゜(c=1.01,CHCl31 H NMR(CDCl3)δ 1.19(d,J=6.2
Hz,3H)、1.27−1.54(m,7H)、2.
02−2.12(m,2H)、3.74−3.86
(m,1H)、4.94(ddt,J=10.2,2.
1 and 1.2Hz,1H)、5.00(ddt,
J=17.1,2.1 and 1.6Hz,1H)、
5.81(ddt,J=17.1,10.3 and
6.7Hz,1H)
【0086】(5−2)(R)−4−ヒドロキシ安息香
酸 1−メチル−6−ヘプテニルの合成
【化46】 前記反応式に示すように4−ヒドロキシ安息香酸(30
4mg,2.2mmol)、(R)−1−オクテン−7
−オール(366mg,2.9mmol)にポリリン酸
エチル−クロロホルム溶液(4ml)を加え、室温で6
時間撹拌した。反応液を1M塩酸に注ぎ、ジクロロメタ
ンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃
縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Kiese
lgel60,ヘキサン/酢酸エチル=5/1〜3/
1)で精製して(R)−4−ヒドロキシ安息香酸 1−
メチル−6−ヘプテニル(70mg,収率10%)を得
た。
【0087】前記化合物の物性はつぎのとおりである。 無色油状物質 Rf0.5(ヘキサン/酢酸エチル=2
/1) [α]D 20−33.2゜(c=0.41,CHCl31 H NMR(CDCl3)δ 1.32(d,J=6.3
Hz,3H)、1.34−1.50(m,4H)、1.
55−1.66(m,1H)、1.68−1.79
(m,1H)、2.05(q,J=6.7Hz,2
H)、4.93(ddt,J=10.2,2.0 an
d 1.2Hz,1H)、4.99(ddt,J=1
7.2,2.0 and 1.6Hz,1H)、5.1
2(sextet,J=6.2Hz,1H)、5.79
(ddt,J=17.2,10.2 and 6.7H
z,1H)、6.12(s,1H)、6.87(d,J
=8.8Hz,2H)、7.95(d,J=8.8H
z,2H)
【0088】(5−3)(R)−4−[4−(4−デシ
ルオキシフェニル)フェニルカルボキシ]安息香酸 1
−メチル−6−ヘプテニル(Ie)の合成
【化47】 前記反応式に示すように実施例(2−4)と同様にし
て、4−(4−デシルオキシフェニル)安息香酸(96
mg,0.27mmol)と(R)−4−ヒドロキシ安
息香酸 1−メチル−6−ヘプテニル(66mg,0.
27mmol)から、(R)−4−[4−(4−デシル
オキシフェニル)フェニルカルボキシ]安息香酸 1−
メチル−6−ヘプテニル(129mg,収率82%)を
得た。
【0089】前記化合物の物性はつぎのとおりである。 無色粉末 [α]D 20−19.3゜(c=0.57,CHCl31 H NMR(CDCl3)δ 0.89(t,J=7.0
Hz,3H)、1.22−1.54(m,18H)、
1.35(d,J=6.3Hz,3H)、1.58−
1.68(m,1H)、1.71−1.81(m,1
H)、1.82(quintet,J=6.9Hz,2
H)、2.07(q,J=6.8Hz,2H)、4.0
2(t,J=6.6Hz,2H)、4.94(ddt,
J=10.2,2.0 and 1.2Hz,1H)、
5.00(ddt,J=17.1,2.0 and
1.6Hz,1H)、5.17(sextet,J=
6.1Hz,1H)、5.80(ddt,J=17.
1,10.2 and 6.7Hz,1H)、7.01
(d,J=8.8Hz,2H)、7.31(d,J=
8.8Hz,2H)、7.60(d,J=8.8Hz,
2H)、7.70(d,J=8.5Hz,2H)、8.
13(d,J=8.8Hz,2H)、8.24(d,J
=8.5Hz,2H)
【0090】相転移温度は下記表5のとおりである。
【表5】 また、この化合物の80℃におけるヒステリシスは図3
のとおりである。
【0091】実施例6 (R)−4−[4−(4−デシルオキシフェニル)フェ
ニルカルボキシ]安息香酸 1−メチル−7−オクテニ
ル(If)の合成
【化48】
【0092】(6−1)(R)−ノネン−8−オールの
合成
【化49】 前記反応式に示すように実施例(2−1)と同様にし
て、6−ブロモ−1−ヘキセン(1.55g,9.5m
mol)、(R)−プロピレンオキシド(>96%e.
e.,0.44g,7.6mmol)から、(R)−1
−ノネン−8−オール(0.41g,収率38%)を得
た。
【0093】前記化合物の物性はつぎのとおりである。 無色油状物質 沸点125℃/28mmHg [α]D 20−9.0゜(c=1.05,CHCl31 H NMR(CDCl3)δ 1.19(d,J=6.2
Hz,3H)、1.25−1.54(m,8H)、1.
61(s,1H)、2.05(dtt,J=7.6,
6.8 and 1.4Hz,2H)、3.79(se
xtet,J=6.1Hz,1H)、4.93(dd
t,J=10.3,2.1 and 1.2Hz,1
H)、4.95(dq,J=17.1 and 1.6
Hz,1H)、5.81(ddt,J=17.1,1
0.3 and 6.7Hz,1H)
【0094】(6−2)(R)−4−[(2−メトキシ
エトキシ)メトキシ]安息香酸 1−メチル−7−オク
テニルの合成
【化50】 前記反応式に示すように実施例(1−2)と同様にし
て、4−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]安息香
酸(1.76g,7.8mmol)、(R)−1−ノネ
ン−8−オール(1.11g,7.8mmol)から、
(R)−4−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]安
息香酸 1−メチル−7−オクテニル(2.16g,収
率79%)を得た。
【0095】前記化合物の物性はつぎのとおりである。 無色油状物質 Rf0.38(ヘキサン/酢酸エチル=
3/1) [α]D 20−30.0゜(c=1.10,CHCl31 H NMR(CDCl3)δ 1.32(d,J=6.3
Hz,3H)、1.28−1.46(m,6H)、1.
55−1.66(m,1H)、1.66−1.88
(m,1H)、2.04(dtt,J=7.8,6.8
and 1.2Hz,2H)、3.39(s,3
H)、3.52−3.58(m,2H)、3.79−
3.85(m,2H)、4.92(ddt,J=10.
3,2.2 and 1.2Hz,1H)、4.98
(dq,J=17.1 and 1.6Hz,1H)
5.12(sextet,J=6.3Hz,1H)、
5.32(s,2H)、5.79(ddt,J=17.
1,10.3 and 6.7Hz,1H)、7.07
(d,J=9.0Hz,2H)、7.98(d,J=
9.0Hz,2H)
【0096】(6−3)(R)−4−ヒドロキシ安息香
酸 1−メチル−7−オクテニルの合成
【化51】 前記反応式に示すように実施例(1−3)と同様な条件
下、(R)−4−[(2−メトキシエトキシ)メトキ
シ]安息香酸 1−メチル−7−オクテニル(2.05
g,5.9mmol)から、(R)−4−ヒドロキシ安
息香酸 1−メチル−7−オクテニル(1.50g,収
率97%)を得た。
【0097】前記化合物の物性はつぎのとおりである。 無色油状物質 Rf0.33(ヘキサン/酢酸エチル=
5/1) [α]D 20−36.5゜(c=1.48,CHCl31 H NMR(CDCl3)δ 1.32(d,J=6.3
Hz,3H)、1.28−1.46(m,6H)、1.
54−1.66(m,1H)、1.66−1.80
(m,1H)、2.03(dtt,J=7.2,6.8
and 1.2Hz,2H)、4.92(ddt,J
=10.2,2.1 and 1.2Hz,1H)、
4.98(dq,J=17.1 and 1.6Hz,
1H)5.12(sextet,J=6.2Hz,1
H)、5.79(ddt,J=17.1,10.2 a
nd 6.7Hz,1H)、6.17(s,1H)、
6.87(d,J=8.8Hz,2H)、7.95
(d,J=8.8Hz,2H)
【0098】(6−4)(R)−4−[4−(4−デシ
ルオキシフェニル)フェニルカルボキシ]安息香酸 1
−メチル−7−オクテニル(If)の合成
【化52】 前記反応式に示すように実施例(2−4)と同様にし
て、4−(4−デシルオキシフェニル)安息香酸(14
2mg,0.40mmol)と(R)−4−ヒドロキシ
安息香酸 1−メチル−7−オクテニル(105mg,
0.40mmol)から、(R)−4−[4−(4−デ
シルオキシフェニル)フェニルカルボキシ]安息香酸
1−メチル−7−オクテニル(216mg,収率90
%,98%e.e.)を得た。これを光学異性体分離カ
ラム(CHIRALPAK AD,ヘキサン/2−プロ
パノール=20/1)を用いた分取用HPLCで精製し
たのち、再結晶〔ヘキサン(3ml)〕して、(R)−
4−[4−(4−デシルオキシフェニル)フェニルカル
ボキシ]安息香酸 1−メチル−7−オクテニル(12
6mg,収率53%,100%e.e.)を得た。
【0099】前記化合物の物性はつぎのとおりである。 無色針状晶 [α]D 20−21.9゜(c=0.53,CHCl31 H NMR(CDCl3)δ 0.89(t,J=7.0
Hz,3H)、1.20−1.53(m,20H)、
1.35(d,J=6.3Hz,3H)、1.56−
1.68(m,1H)、1.70−1.80(m,1
H)、1.82(quintet,J=6.7Hz,2
H)2.05(dtt,J=7.2,6.8 and
1.2Hz,2H)、4.02(t,J=6.6Hz,
2H)、4.93(ddt,J=10.2,2.1 a
nd 1.2Hz,1H)、4.99(dq,J=1
7.1 and 1.6Hz,1H)5.17(sex
tet,J=6.2Hz,1H)、5.80(ddt,
J=17.1,10.2 and 6.7Hz,1
H)、7.01(d,J=8.8Hz,2H)、7.3
1(d,J=8.8Hz,2H)、7.60(d,J=
8.8Hz,2H)、7.70(d,J=8.6Hz,
2H)、8.13(d,J=8.8Hz,2H)、8.
24(d,J=8.6Hz,2H)
【0100】相転移温度は下記表6に示すとおりであ
る。
【表6】
【0101】
【効果】本発明により新規な光学活性化合物、とりわけ
反強誘電性を示す液晶化合物を提供することができ、液
晶組成物にブレンドして種々の特性を調整する手段を豊
富化することができた。また、本件中間体も新規な光学
活性化合物として有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】印加される三角波を示す。
【図2】実施例3で合成した光学活性化合物を厚さ2μ
mのセルに封入した液晶素子に±40V、1Hzの三角
波電圧を印加したときの透過光強度を、印加した電圧に
対してグラフ化したものである。
【図3】実施例5で合成した光学活性化合物を厚さ2μ
mのセルに封入した液晶素子に±40V、1Hzの三角
波電圧を印加したときの透過光強度を、印加した電圧に
対してグラフ化したものである。
【図4】反強誘電性液晶が印加電圧に対してダブルヒス
テリシスを描いて光透過率が変化することを示す印加電
圧−光透過率特性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 69/96 C07C 69/96 Z C07D 213/55 C07D 213/55 213/64 213/64 213/80 213/80 239/26 239/26 239/28 239/28 239/34 239/34 C09K 19/12 C09K 19/12 19/18 19/18 19/20 19/20 19/30 19/30 19/34 19/34 G02F 1/13 500 G02F 1/13 500 // C07M 7:00 (72)発明者 鈴木 義一 東京都港区台場2丁目3番2号 昭和シェ ル石油株式会社内 (72)発明者 楠本 哲生 神奈川県相模原市南台1−9−2−102 (72)発明者 佐藤 健一 神奈川県相模原市上溝35−11 (72)発明者 檜山 爲次郎 神奈川県相模原市上鶴間4−29−3−101

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1は置換基を有することもある炭素数1〜1
    8のアルキル基であり、R2はCH3またはCF3であ
    り、Wは単結合、−O−、−COO−、−OCO−また
    は−OCOO−であり、X、YおよびZは単結合、−C
    OO−および−C≡C−よりなる群からそれぞれ独立し
    て選ばれた基であり、環A、環B、環Cおよび環Dは1
    個または2個のフッ素で置換されていてもよい1,4−
    フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン
    基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピリジン−2,5
    −ジイル基および2,6−ナフチレン基よりなる群から
    それぞれ独立して選ばれた基であり、mおよびnは、1
    および0よりそれぞれ独立して選ばれた整数、kは1〜
    10の整数である。ただし、*を付した炭素は不斉炭素
    であって、その絶対配置は独立してRまたはSであ
    る。)で表わされる光学活性化合物。
  2. 【請求項2】 一般式(I)において、mが0である請
    求項1記載の光学活性化合物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の光学活性化合物
    を含有することを特徴とする液晶組成物。
  4. 【請求項4】 下記一般式(II) 【化2】 (式中、環Dは1個または2個のフッ素で置換されてい
    てもよい1,4−フェニレン基または2,6−ナフチレ
    ン基、R2はCH3またはCF3であり、kは1〜10の
    整数であり、*を付した炭素は不斉炭素であって、その
    絶対配置は独立してRまたはSである。)で表わされる
    光学活性化合物であることを特徴とする合成中間体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001025183A1 (fr) * 1999-10-01 2001-04-12 Daikin Industries Ltd. Procede de preparation d'esters carboxyliques, d'alcools 1-perfluoroalcoyles a activite optique, alcools 1-perfluoroalcoyles a activite optique et leur procede de preparation

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001025183A1 (fr) * 1999-10-01 2001-04-12 Daikin Industries Ltd. Procede de preparation d'esters carboxyliques, d'alcools 1-perfluoroalcoyles a activite optique, alcools 1-perfluoroalcoyles a activite optique et leur procede de preparation

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