JPH10194802A - コンクリ−ト補強用鋼繊維及びその製造方法 - Google Patents
コンクリ−ト補強用鋼繊維及びその製造方法Info
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- JPH10194802A JPH10194802A JP35810096A JP35810096A JPH10194802A JP H10194802 A JPH10194802 A JP H10194802A JP 35810096 A JP35810096 A JP 35810096A JP 35810096 A JP35810096 A JP 35810096A JP H10194802 A JPH10194802 A JP H10194802A
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Abstract
コンクリ−トやモルタル等の中に混入される鋼繊維の形
状に工夫を加え、該鋼繊維のコンクリ−トに対する補強
効果を一層高めようとするものである。 【解決手段】コンクリ−ト中に均一に分散させて、該コ
ンクリ−トの強度を高める補強用鋼繊維において、該補
強用鋼繊維の断面はほぼ円形であり、繊維の側面からみ
た形状は中央付近はほぼ真直であり、両端部付近は波形
状の湾曲を1乃至5個夫々有しているコンクリ−ト補強
用鋼繊維。1‥コンクリ−ト補強用繊維、2‥コンクリ
−ト補強用繊維の直線状をなす中央部、3‥コンクリ−
ト補強用繊維の左右に型付けされた波型部。
Description
向上させる目的でコンクリ−トやモルタル等の中に混入
される鋼繊維の形状に工夫を加え、該鋼繊維のコンクリ
−トに対する補強効果を一層高めようとするものであ
る。
一に分散させてコンクリ−ト自体の引張強度、曲げ強
度、曲げタフネス、或いはひび割れ性等の機械的強度を
改善することが広く行われている。かかる鋼繊維に要求
される特性としては、引張強度及びコンクリ−トとの密
着性が特に重要な因子となっている。これらの特性のう
ち、引張強度については鋼繊維の材質や直径を適宜選択
することにより容易に目的とする値を確保することがで
きるが、鋼繊維とコンクリ−トとの密着性に関してはま
だ満足のいくものが得られていないのが実情であった。
着形態は、コンクリ−トに付加される応力に応じて種々
変化し、具体的には、コンクリ−トに応力が付加される
初期段階では、鋼繊維とコンクリ−トの界面における接
着にて、又、応力が付加される後期の段階、即ち、より
高い歪みが加わる段階では、鋼繊維とコンクリ−トとの
界面における接着からその相互間における摩擦抵抗にて
密着するものと考えられていて、この摩擦抵抗をより高
めるための物理的、機械的な密着方法が従来より種々検
討されてきた。
ば特公昭60−9976号公報には鋼繊維の両端を折り
曲げてフックを設けた形状となしてコンクリ−トとの摩
擦抵抗を高める提案がなされている。又、特開平5−1
94001号公報には、波形を付与した鋼繊維とするこ
とによりコンクリ−トとの摩擦抵抗を更に高める提案が
ある。
維の両端部にフックを設けたコンクリ−ト補強用鋼繊維
では要求されるに十分な摩擦抵抗が得られない場合があ
り、補強効果が劣るという欠点があった。又、後者の鋼
繊維の長さ全域にわたって波形を付与した鋼線では、鋼
線の強度が低い場合、中央付近の波形の摩擦抵抗のみで
鋼線が破断する場合があり、折角型付けした両端部の波
形が有効に働いておらず、補強方向の有効長さを短縮し
ているという問題点があった。
の技術の課題を改良するものであって、その第1はコン
クリ−ト中に均一分散させて該コンクリ−トの強度を高
める補強用鋼繊維であって、該補強用繊維は鋼繊維の中
央部は真直で、両端部近傍に夫々1又はそれ以上の波形
を有していることを特徴とするコンクリ−ト補強用鋼繊
維である。そして、好ましくはこの補強用鋼繊維の直径
が0.6±0.1mm、長さが30±5mmとするもの
である。
ト補強用繊維の製造は、所定の強度及び直径が得られる
ように鋼線を伸線した後、該鋼線に波形を付与すると同
時に一定の長さに切断する装置により製造することを特
徴としている。
−ト補強用繊維の断面形状を円形としたのは、ダイスに
よる縮径加工により強度の向上がはかれ、少量の鋼繊維
で補強効果を得ることができるからである。又、鋼繊維
の両端部近傍のみに波形を付与するのは、鋼繊維の破断
強さに見合う引き抜き力をもたせればよいので中央部分
の波形は不要であるからである。
の具体例を示すものであり、2は直線状をなす中央部、
3は中央部2の左右に型付けされた波型部である。図
中、符号Lはコンクリ−ト補強用繊維1の全長、lは波
型部3のみの長さ、Pは波形部3のピッチ、Hは波形3
の高さを示す。
法等で選択され、波形の寸法、波の個数については、コ
ンクリ−トの強さで選択される。具体的には、鋼繊維の
長さLは粗骨材の最大寸法が15mm程度の場合、25
〜40mmが望ましい。その理由は25mm未満では長
さが短か過ぎて、又、40mmを越えると鋼繊維のコン
クリ−ト内での分散が不均一となり、いずれも所期の補
強効果が得られないという問題があるからである。
り、波形付け部の長さlは鋼繊維の長さLに対してl/
L≦0.3とするのが望ましい。その理由は、鋼線の引
っ張り強さに相当するコンクリ−トとの密着は鋼繊維の
両端で負担させ、コンクリ−トとの密着を必要としない
部分は真直とすることにより鋼繊維の長さの効果を増す
ことができる。又鋼繊維の両側にある波のピッチPは、
P/L≦0.3とするのが望ましい。波ピッチPが鋼繊
維の長さLを越えると波数が少なくなり過ぎてコンクリ
−トとの密着力が不足し、波ピッチPは小さいほど高い
密着力を得ることができるが、製造加工性の点からはP
/L≧0.05とするのが望ましい。波高さHもコンク
リ−トとの密着力に関係し、波高さが高いほど密着力は
高くなる。しかし、鋼繊維1本当たりの引っ張り強さを
越える密着力は不要なので、0.1倍未満では密着力が
不足し、1.0倍を越えると波形付けの際に鋼繊維が切
断したり強度低下が起こりコンクリ−トの補強効果が劣
化する。
度に依存するが、直径は0.5〜0.8mmの範囲が望
ましく、0.5mm未満では鋼繊維の生産性が低下し、
0.8mmを越えると単位重量当たりの鋼繊維の本数が
減少して補強効果が低下してしまうからである。鋼繊維
の強度は110〜130kg/mm2 程度が鋼繊維の延
性と強度のバランスの点から好ましい。そして、付与す
る波の高さHは鋼繊維の直径の0.1〜1倍の範囲が望
ましく、この範囲をはずれると波形付けの不足や過剰な
形付けで補強効果が低下するという問題がある。
造する線材の炭素含有量は0.04〜0.2重量%程度
のものが安価に入手できるので有利であり、又、鋼繊維
の製造も容易となり経済的である。
−トは主として土木用とに適用されるもので、鋼繊維は
補強効果と共に安価であることが重要である。そのため
に製造コストを低減させるため、第2発明のように波形
を付与すると同時に切断を行い所定の形状の鋼繊維を製
造するのである。
は、鋼線を通常のダイス伸線により縮径加工して所定の
直径とした鋼繊維とし、この鋼繊維の複数本を一面上に
引き揃え、水溶性接着剤により固着させて長尺の帯状体
とした後、図2に示すような型付け治具に帯状体を通過
させて、鋼繊維に波形を付与すると共にカッタ−部分で
切断してコンクリ−ト補強用鋼繊維を製造する方法が採
用される。
説明する。製造されるコンクリ−ト補強用鋼繊維は図1
に示す通りのものであり、炭素含有量が0.06重量
%、直径5.5mmの鋼線材を通常のダイス伸線加工に
より直径0.6mm、強度約120kg/mm2 とし、
これを複数本一面上に平行に引き揃え水溶性接着剤で固
着した。
い、かつこれを切断するカッタ−を備えた回転式治具の
一部を示したもので、対向した1対のロ−ラ−A、Bに
鋼繊維の波型を付与する部分5と、鋼繊維を真直ぐに保
持する部分6と、鋼繊維を切断するカッタ−7とからな
る部材を夫々のロ−ラ−の円周に沿って取り付けられて
いる。ロ−ラ−を回転駆動させながら長尺の帯状体を送
り込むと、波形部、真直部、波形部、切断が繰り返され
て発明の鋼繊維を製造することができる。
ると共に、短冊の両端部近傍に波高さHが0.3mm、
波ピッチPが4mmの波を夫々2個形成した。尚、図示
はしないがコンクリ−ト補強用鋼繊維1の両先端部に、
長さ2mm以下の直線部が形成された。
2 のコンクリ−ト試料の中央に位置するように埋設し曲
げ試験片を作成した。比較例として鋼繊維の全長に波形
を付与したもの(図3)、及び両端に折れ曲がり状のフ
ックを付与した鋼繊維(図4)についても試験片を作成
した。
混入した試料を作成し、試料の両端を支持して中央部に
荷重を加えていくと、或る荷重でコンクリ−トに亀裂が
入りさらに荷重を加えていくと亀裂は成長し、それに伴
いコンクリ−トと鋼繊維との引き抜き力が鋼繊維の破断
強さを越えると鋼繊維は破断してしまい補強効果を失っ
てしまう。
形を付与した図3に示す鋼繊維、図6の(ロ)は本発明
の両端部近傍のみに波形を付与した図1に示す鋼繊維の
引き抜き力と破断強さとの関係を模式的に示したもの
で、図中、実線は引き抜き力を示し、点線は破断強さを
示す。図6の(イ)は引き抜き力が破断強さを上回るた
めに鋼繊維は破断してしまう。一方、図6の(ロ)の本
発明の場合にあっては、鋼繊維の破断はない。
曲げ破壊特性を示すものであり、縦軸は荷重で、横軸は
変位を示す。図中、(イ)は鋼繊維で補強していないコ
ンクリ−トの曲げ破壊特性、(ロ)は鋼繊維の全長にわ
たって波形を付与したもの、(ハ)は本発明の両端部近
傍のみに波形を付与した鋼繊維におけるコンクリ−トの
曲げ破壊特性を示すものである。(ロ)は引き抜き力が
破断強さを上回るために鋼繊維は破断して、鋼繊維で補
強していない(イ)の曲線と比べると優れているもの
の、(イ)のような粘り強さに乏しい破壊特性を示すこ
とになる。
裂が成長しても破断することなく補強効果を示すので突
然の破壊という危険性が低減し不慮の災害を防止するき
わめて有用な発明である。
を示す。
示す。
面図である。
関係を示す模式図である。
フである。
型部、 5‥‥回転式治具における鋼繊維の波型を付与する部
分、 6‥‥回転式治具における鋼繊維を真直ぐに保持する部
分、 7‥‥回転式治具における鋼繊維を切断するカッタ−、 A、B‥‥回転式治具におけるロ−ラ−。
Claims (3)
- 【請求項1】 コンクリ−ト中に均一に分散させて、該
コンクリ−トの強度を高める補強用鋼繊維において、該
補強用鋼繊維の断面はほぼ円形であり、繊維の側面から
みた形状は中央付近はほぼ真直であり、両端部付近は波
形状の湾曲を1乃至5個夫々有していることを特徴とす
るコンクリ−ト補強用鋼繊維。 - 【請求項2】 補強用鋼繊維の直径は0.5〜0.8m
m、長さは25〜40mmであり、両端部近傍の波形湾
曲が2個である請求項第1項記載のコンクリ−ト補強用
鋼繊維。 - 【請求項3】 所定の強度及び直径が得られるように鋼
線を伸線した後、該鋼線に波形を付与すると同時に一定
の長さに切断することを特徴とするコンクリ−ト補強用
鋼繊維の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35810096A JP3798488B2 (ja) | 1996-12-31 | 1996-12-31 | コンクリ−ト補強用鋼繊維の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35810096A JP3798488B2 (ja) | 1996-12-31 | 1996-12-31 | コンクリ−ト補強用鋼繊維の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10194802A true JPH10194802A (ja) | 1998-07-28 |
JP3798488B2 JP3798488B2 (ja) | 2006-07-19 |
Family
ID=18457545
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35810096A Expired - Fee Related JP3798488B2 (ja) | 1996-12-31 | 1996-12-31 | コンクリ−ト補強用鋼繊維の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3798488B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7727326B1 (en) * | 2004-02-13 | 2010-06-01 | Trangsrud Julian P | Varied length fibers in a brittle material |
JP2014506223A (ja) * | 2010-12-15 | 2014-03-13 | ナムローゼ・フェンノートシャップ・ベーカート・ソシエテ・アノニム | 少なくとも2つの屈曲区域を備える定着端を有するコンクリートまたはモルタルを補強するための鋼繊維 |
JP2014507362A (ja) * | 2010-12-15 | 2014-03-27 | ナムローゼ・フェンノートシャップ・ベーカート・ソシエテ・アノニム | 少なくとも3つの真直区域を備える定着端を有するコンクリートまたはモルタルを補強するための鋼繊維 |
-
1996
- 1996-12-31 JP JP35810096A patent/JP3798488B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7727326B1 (en) * | 2004-02-13 | 2010-06-01 | Trangsrud Julian P | Varied length fibers in a brittle material |
JP2014506223A (ja) * | 2010-12-15 | 2014-03-13 | ナムローゼ・フェンノートシャップ・ベーカート・ソシエテ・アノニム | 少なくとも2つの屈曲区域を備える定着端を有するコンクリートまたはモルタルを補強するための鋼繊維 |
JP2014507362A (ja) * | 2010-12-15 | 2014-03-27 | ナムローゼ・フェンノートシャップ・ベーカート・ソシエテ・アノニム | 少なくとも3つの真直区域を備える定着端を有するコンクリートまたはモルタルを補強するための鋼繊維 |
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---|---|
JP3798488B2 (ja) | 2006-07-19 |
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