JPH10194800A - セメントキルン排ガスのNOx低減方法 - Google Patents
セメントキルン排ガスのNOx低減方法Info
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- JPH10194800A JPH10194800A JP8358334A JP35833496A JPH10194800A JP H10194800 A JPH10194800 A JP H10194800A JP 8358334 A JP8358334 A JP 8358334A JP 35833496 A JP35833496 A JP 35833496A JP H10194800 A JPH10194800 A JP H10194800A
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- C04B7/36—Manufacture of hydraulic cements in general
- C04B7/364—Avoiding environmental pollution during cement-manufacturing
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Abstract
機汚泥処分と、を同時に満足するNOx低減方法を提供
する。排ガス中のNOxの脱硝率を増大する。 【解決手段】 セメント原料aは窯尻部4aへ流れ込
み、焼成してセメントクリンカーa′となる。この際、
窯尻部4a内に導入ポンプ8で有機汚泥bが流れ込むの
で、焼成時に発生した排ガス中のNOxは有機汚泥含有
のアンモニアの脱硝作用により還元し、低減される。し
かも、有機汚泥bは廃棄物であるので、NOx低減処理
の経済性が向上する。一方、有機汚泥bは、従来、脱臭
を伴う乾燥などの前処理が必要だったが、この発明では
セメント原料焼成時の熱で有機汚泥b中の水分を蒸発さ
せ、しかも前記脱硝作用によりアンモニアを分解するの
で、前処理をしなくても効率的に有機汚泥を最終処分で
きる。
Description
ガスのNOx低減方法、詳しくはセメント原料焼成時に
発生した排ガス中のNOx(窒素酸化物)を低減可能な
セメントキルン排ガスのNOx低減方法に関する。
メントキルンが配備されている。セメントキルンの一種
に乾式セメントキルン(以下、乾式キルンという場合が
ある)がある。この乾式キルンは、横向き円筒状のキル
ンシェルを回転させながら、プレヒーターにより仮焼さ
れたセメント原料を、重油や粉砕石炭を燃料として焼成
することによりセメントクリンカを中間製造するもので
ある。乾式キルンの窯頭部には、セメントクリンカを冷
却するセメントクリンカクーラーが連結されている。焼
成により高温のセメントクリンカは、このクーラーの内
部で冷やされてから、仕上げ工程へ送られる。ところ
で、乾式キルンによるセメント原料の焼成時には、多く
の重油や粉砕石炭を燃料とするために、NOxを含む多
量の排ガスが発生する。排ガスは、通常、例えばマルチ
サイクロンなどにより大きな粉塵を除去後、電気集塵機
などで排ガス中の小さな粉塵を除去してから、大気に開
放される。
となることから、乾式キルンにおけるNOx排出基準が
定められるようになった。各々のセメント生産工場で
は、この基準を満たすために、種々のNOx低減方法を
採用している。例えば、一策として、燃料原単位を調整
して焼成帯温度(最高到達温度)を下げた状態で乾式キ
ルンを運転する方法が知られている。また、別策として
は、乾式キルンの窯尻部にアンモニアを噴霧して、アン
モニアの脱硝作用を利用してNOxを低減する方法も知
られている。
NOx低減方法では、このように焼成帯温度を下げる
と、セメント原料の焼成が不十分となり、セメントクリ
ンカとならない遊離石灰(フリーライム)が増加しま
う。これによって、セメントの品質低下を招くおそれが
あるという問題点があった。また、後者のNOx低減方
法にあっては、このような製品セメントの品質が低下す
る虞れは少ない。そして、この方法では、乾式キルン内
に噴霧されたアンモニアにより、排ガス中のNOxが良
好に脱硫される。しかしながら、乾式キルン内に噴霧さ
れるアンモニアを多量に別途購入しなければならず、コ
スト高になるという経済的な問題点があった。
上投棄という簡易な処分方法が、環境汚染防止の制約を
受け始めた有機汚泥(下水汚泥など)に着目した。すな
わち、この汚泥中に含まれるアンモニアを利用して、セ
メント原料焼成時に発生する排ガス中のNOxを経済的
に脱硝する方法を開発するに至った。
経済性の向上と、乾燥や添加剤添加などの前処理がいら
ない有機汚泥の安価で効率的な最終処分と、を同時に満
足できるセメントキルン排ガスのNOx低減方法を提供
することにある。また、この発明の別の目的は、排ガス
中のNOxの脱硝率を大きくできるセメントキルン排ガ
スのNOx低減方法を提供することにある。
は、プレヒーターにより仮焼されたセメント原料を、乾
式セメントキルン内で焼成するときに発生する排ガス中
のNOx低減方法において、上記プレヒーターの下部か
ら上記乾式セメントキルンの窯尻部までの間に、アンモ
ニアを含む有機汚泥を導入するセメントキルン排ガスの
NOx低減方法である。ここでいう有機汚泥としては、
例えば下水汚泥、活性汚泥、浚渫汚泥などが挙げられ
る。乾式キルンへの有機汚泥の添加量は、特に制限はな
いものの、セメント原料の品質や使用量、焼成温度など
の各種処理条件により適宜決定される。ただし、既存の
乾式キルンに、その運転条件を特に変更することなく有
機汚泥を投入できる量がよい。
100t/hの乾式キルンによる有機汚泥の添加量は0
〜10.0t/hとし、製造されるセメントクリンカの
重量に対して0〜1/10程度の有機汚泥を投入するの
が好ましい。セメント原料に対する有機汚泥の添加量
が、10.0t/hを超えると、汚泥からの水分によっ
てキルンでの焼成が不安定になり、セメントクリンカの
品質に悪影響を及ぼすおそれが大きくなるからである。
セメントキルンの窯尻部までの間(以下、キルン窯尻側
という場合がある)とは、プレヒーターの下部や、乾式
キルンの窯尻部だけでなく、両者の連結部分でもよい。
なお、プレヒーターの下部と、乾式キルンの窯尻部との
両方の場合を含む。
セメントキルン排ガスのNOx低減方法において、上記
有機汚泥が、圧縮空気によって、上記プレヒーターの下
部から上記乾式セメントキルンの窯尻部までの間に噴出
される構成とした。なお、乾式キルン内への有機汚泥の
噴出圧は、乾式キルンの大きさや有機汚泥の流動性など
により適宜決定される。
キルン窯尻側に有機汚泥を導入し、乾式キルン内で、有
機汚泥と、プレヒーターからの仮焼後のセメント原料と
を混合しながら焼成する。有機汚泥の導入箇所をキルン
窯尻側としたので、汚泥は、キルン燃焼排ガスにより十
分に乾燥され、セメント原料との間での反応時間を十分
にとって焼成される。換言すると、セメントクリンカ中
に汚泥の粘土分を十分に取り込むことができるのであ
る。
ガスが多量に発生する。ところが、この発明では、この
発生したNOxが有機汚泥に含まれるアンモニアの脱硝
作用によって還元されることにより低減される。次式
に、この脱硝反応を示す。
有機汚泥を、乾式キルン内のセメント原料に添加するこ
とで、有機汚泥中に含有されるアンモニアにより、焼成
時に発生した排ガス中のNOxが還元される。これによ
り、NOxの低減処理の経済性が向上する。一方、これ
と同時に、含水率が高くて悪臭を放つ有機汚泥処理側に
ついても利点がある。すなわち、焼却処理をする前に、
大がかりな脱臭を行いながら乾燥したり、添加剤添加と
いった前処理を施さなくても、プレヒーターにおける仮
焼熱や乾式セメントキルンにおける焼成熱により有機汚
泥中の水分が蒸発し、またこの焼成時の脱硝反応におい
て、悪臭の元となるアンモニアが分解されるので、安価
で効率的に有機汚泥を最終処分できる。
ンカ中の鉱物中には、有機汚泥の灰分が取り込まれる。
また、セメント原料に添加される有機汚泥は、そのほと
んどが水分と有機成分である。また、有機汚泥のキルン
窯尻側への導入箇所をプレヒーターの下部とすれば、プ
レヒーターによるセメント原料の仮焼熱によって、予め
有機汚泥に含まれる水分の大半を除去し、乾式キルンへ
送り込める。これにより、NOxの発生量が多くて比較
的多量の有機汚泥bが添加される場合でも、乾式キルン
の通常運転にはさほど影響がない。
有機汚泥のキルン窯尻側への導入にあたって、有機汚泥
を圧縮空気により噴出する。この際、有機汚泥は細かく
分散されるので、有機汚泥に含まれるアンモニアと排ガ
スとの接触面積が大きくなる。これにより、同量の有機
汚泥を添加しても、そのまま乾式キルンに流し込む場合
に比べて、排ガス中のNOxの脱硝率が良くなる。ここ
での圧縮空気の圧力は、特に制限はないものの、1〜6
kgf/cm2、特に2〜3kgf/cm2が好ましく、
1kgf/cm2未満では風速が小さくて汚泥の分散が
悪くなり、また6kgf/cm2を超えると汚泥を吹き
飛ばしてしまってその分散が悪くなるからである。
詳細に説明する。図1はこの発明の第1実施例に係るセ
メントキルン排ガスのNOx低減方法が適用されたセメ
ント焼成設備の一部断面図を含む正面図である。図1に
おいて、1は第1実施例に係るセメントキルン排ガスの
NOx低減方法が適用されたセメント焼成設備であり、
このセメント焼成設備1は、プレヒーター2内で仮焼さ
れたセメント原料aを、外設の汚泥導入装置3により有
機汚泥bを添加しながら、乾式セメントキルン4内で焼
成するものである。ここでの乾式セメントキルン4は、
90〜100t/hでセメントクリンカa′を生産する
ものとする。
粉砕されたセメント原料aを、後工程の乾式セメントキ
ルン4により焼成し易いように、所定温度まで予熱する
ものである。プレヒーター2は、多数のサイクロン2a
を、数階建ての鉄骨架台に搭載して設けられている。汚
泥導入装置3は、下水汚泥である有機汚泥bを、ここで
は乾式セメントキルン4の窯尻部4aに導入する装置で
ある。有機汚泥bは、乾燥や添加物添加などの前処理さ
れていない。この汚泥導入装置3は、タンク供給用のス
ラリーポンプ5からの有機汚泥bを貯留する汚泥タンク
6を有している。汚泥タンク6の下部には汚泥排出部が
あり、汚泥タンク6内の有機汚泥bを、汚泥供給管7を
介して、乾式セメントキルン4の窯尻部4aへ流し込む
導入ポンプ8が設けられている。汚泥供給管7は、その
先端部が窯尻部4a内に差し込まれている。
方傾斜した横向き円筒状のキルンシェル4bを有してい
る。キルンシェル4bの内周面には、耐火物4cが張ら
れており、キルンシェル4bを周方向へ回転しながら、
重油や微粉石炭を燃料とするバーナー加熱により、プレ
ヒーター2からのセメント原料aを焼成して、セメント
クリンカa′を中間製造する。
トキルン排ガスのNOx低減方法を説明する。セメント
原料aは、プレヒーター2の各サイクロン2aを流下中
に仮焼される。その後、セメント原料aは、乾式セメン
トキルン4の窯尻部4aへ流れ込み、バーナー加熱の焼
成により、セメントクリンカa′となる。この際、乾式
セメントキルン4の窯尻部4a内には、汚泥タンク6内
の有機汚泥bが、導入ポンプ8により、汚泥供給管7を
介して4t/hで流し込まれる。セメント原料焼成時に
は、NOxを含む多量の排ガスが発生する。しかし、乾
式セメントキルン4内で発生したNOxは、有機汚泥に
含まれるアンモニアの脱硝作用により還元されるので、
その発生量が抑えられる。
くは安価な廃棄物であり、また、NOx低減専用の付帯
設備も簡易であるので、NOxの低減処理の経済性を向
上することができる。一方、有機汚泥bは、含水率が高
くて悪臭を放つ物質である。このため、焼却による最終
処分の前には、従来、大がかりな脱臭を伴う乾燥や、添
加剤添加といった前処理を施す必要があった。しなしな
がら、ここでは、セメント原料焼成時の熱で有機汚泥b
中の水分を蒸発させるとともに、上記「作用」の欄で説
明した脱硝反応(段落番号「0012」の化学式参照)
によって、悪臭を放つ有機汚泥b中のアンモニアを化学
的に分解するので、予めこのような前処理を行なうこと
なく、安価で効率的に有機汚泥を最終処分できる。
トキルン排ガスのNOx低減方法を説明する。図2はこ
の発明の第2実施例に係るセメントキルン排ガスのNO
x低減方法が適用されたセメント焼成設備の一部断面図
を含む正面図である。図2において、10は第2実施例
に係るセメントキルン排ガスのNOx低減方法が適用さ
れたセメント焼成設備であり、このセメント焼成設備1
0は、圧縮空気cにより、有機汚泥bを乾式セメントキ
ルン4の窯尻部4aに噴出するのを特徴とする。
構造は、外設の空気圧送装置11の吹き出し管12が、
汚泥供給管7の先端部に連結された点だけである。空気
圧送装置11からの圧縮空気cは、吹き出し管12を経
て汚泥供給管7の先端部へ導かれる。ここで、汚泥タン
ク6から窯尻部4a側へ向かって圧送中の有機汚泥b内
に吹き込まれるので、その直後、有機汚泥bが窯尻部4
aの内部へ勢い良く噴き出される。この際、有機汚泥b
は、圧縮空気cの吹き出し力により窯尻部4a内へ、ま
た、場合によっては乾式セメントキルン4の全域までも
分散されるので、有機汚泥bに含まれるアンモニアと、
焼成時に発生した排ガス中のNOxとの接触面積が大き
くなる。これにより、同量の有機汚泥bを添加する場合
でも、第1実施例のように、そのまま乾式セメントキル
ン4に流し込む場合に比べて、排ガス中のNOxの脱硝
率が良くなる。
ために、従来技術と比較して実験を行なったデータを表
1に示す。なお、乾式セメントキルンとしては、セメン
トクリンカ生産量100t/hのキルンを用いて、下水
汚泥である有機汚泥を添加しない(従来技術に該
当)、4t/hで添加する(第1実施例に該当)、
4t/hで添加し、かつ、3kgf/cm2 の圧縮空
気(圧気エアー)により窯尻部内へ噴き出す(第2実施
例に該当)という点だけを異ならせ、残りは同じ条件
で、それぞれセメントクリンカを得た。
xは、有機汚泥を添加しない場合より添加した方が約2
6%減少した。さらに、これに圧縮空気を加えた場合で
は有機汚泥を添加しない場合に比べて約61%にまで減
少した。もちろん、添加される有機汚泥は下水汚泥であ
るので、良好な経済性も同時に得られた。
から乾式セメントキルンの窯尻部までの間に、アンモニ
アを含む廃棄物の有機汚泥を導入したので、アンモニア
の脱硝作用によるNOx低減処理の経済性の向上と、乾
燥や添加剤添加などの前処理がいらない有機汚泥の安価
で効率的な最終処分と、を同時に満足できる。また、請
求項2に記載の発明によれば、有機汚泥を、圧縮空気に
よって、プレヒーターの下部から乾式セメントキルンの
窯尻部までの間に噴出するようにしたので、排ガス中の
NOxの脱硝率をより大きくできる。
ガスのNOx低減方法が適用されたセメント焼成設備の
一部断面図を含む正面図である。
ガスのNOx低減方法が適用されたセメント焼成設備の
一部断面図を含む正面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 プレヒーターにより仮焼されたセメント
原料を、乾式セメントキルン内で焼成するときに発生す
る排ガス中のNOx低減方法において、 上記プレヒーターの下部から上記乾式セメントキルンの
窯尻部までの間に、アンモニアを含む有機汚泥を導入す
るセメントキルン排ガスのNOx低減方法。 - 【請求項2】 上記有機汚泥が、圧縮空気によって、上
記プレヒーターの下部から上記乾式セメントキルンの窯
尻部までの間に噴出される請求項1記載のセメントキル
ン排ガスのNOx低減方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8358334A JPH10194800A (ja) | 1996-12-27 | 1996-12-27 | セメントキルン排ガスのNOx低減方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8358334A JPH10194800A (ja) | 1996-12-27 | 1996-12-27 | セメントキルン排ガスのNOx低減方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10194800A true JPH10194800A (ja) | 1998-07-28 |
Family
ID=18458766
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8358334A Pending JPH10194800A (ja) | 1996-12-27 | 1996-12-27 | セメントキルン排ガスのNOx低減方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10194800A (ja) |
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- 1996-12-27 JP JP8358334A patent/JPH10194800A/ja active Pending
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