JPH10193476A - 床敷物廃材を原料とする畳床及びそれからなる畳 - Google Patents

床敷物廃材を原料とする畳床及びそれからなる畳

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JPH10193476A
JPH10193476A JP9001639A JP163997A JPH10193476A JP H10193476 A JPH10193476 A JP H10193476A JP 9001639 A JP9001639 A JP 9001639A JP 163997 A JP163997 A JP 163997A JP H10193476 A JPH10193476 A JP H10193476A
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JP
Japan
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tatami
tatami mat
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reinforcing layer
waste
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Application number
JP9001639A
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English (en)
Inventor
Tatsunori Miyazaki
龍法 宮崎
Yasunori Matsunari
靖典 松成
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性の高い芯材を安価に得られ、且つ、芯材
の反りや撓みの発生を防止することにある。 【解決手段】 繊維素材より構成される表面素材と、補
強層とで構成される床敷物廃材を粉砕機にかけて、補強
層の大きさが平均径10mm以下となる粉砕片とし、加熱
・加圧操作のみによって融着一体化させてボード状に形
成したものを芯材として用い、この芯材が全体の厚みの
10%以上とする。 【効果】 縫製後の畳の撓み量が少なくなり、且つ、反
りが発生しない良質の畳を得ることができる。更に又、
従来廃材として産業廃棄物としたものを有効に活用でき
るので、環境問題や再資源の観点からも好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】この発明は、種々のカーペットなど
の床敷物廃材を原料として有効利用して形成する畳床及
びそれからなる畳に関する。
【0002】
【従来の技術】伝統的な畳床として、天然藁を束ねて芯
材を構成するものがあり、また同様の畳として芯材の表
面を覆って畳表を貼り付けたものが周知であるが、近
年、鉄筋コンクリート性の集合住宅の広範な普及や木造
住宅の高気密化が進展しており、このような建築様式の
家庭に、上記例示の畳を設置すると、第1に、芯材に湿
気が滞留してダニ等の害虫が繁殖し易くなり、第2に、
生活習慣の変化により所謂畳の表替えや大掃除の際の畳
上げ等は殆ど行われなくなったので、結露等の影響によ
り畳の芯材が一旦吸湿すると乾燥させる機会が少なく、
カビが発生したり夏には畳床の腐敗の原因となるという
ことが問題視されている。そこで、上記の諸問題を解決
するために、天然藁に代えて畳の主要部材である畳床を
全て合成樹脂から構成してなる合成芯畳が提案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
合成芯畳においては、畳床を全て合成樹脂から構成され
ているので、材料費が高額になるという問題があった。
又、合成樹脂の芯材の剛性が十分でないことから、反り
や撓みが発生し易いという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の床敷物廃
材を原料とする畳床及びそれからなる畳は、繊維素材よ
り構成される表面素材と、補強層とで構成される床敷物
廃材を粉砕機にかけて、補強層の大きさが平均径10mm
以下となる粉砕片とし、加熱・加圧操作のみによって融
着一体化させてボード状に形成したものを芯材として用
い、この芯材が全体の厚みの10%以上であるとしたこ
とを特徴とするものである。
【0005】請求項2記載の床敷物廃材を原料とする畳
床及びそれからなる畳は、前記芯材の少なくとも1面
に、ポリエチレン、ポリプロピレンのうち少なくとも1
種類以上を含む中空積層体を1枚以上積層したものであ
る。
【0006】請求項3記載の床敷物廃材を原料とする畳
床及びそれからなる畳は、前記芯材の少なくとも1面
に、発泡合成樹脂板を1枚以上積層したものである。
【0007】請求項4記載の床敷物廃材を原料とする畳
床及びそれからなる畳は、前記床敷物がタイルカーペッ
トであることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】この発明の床敷物廃材を原料とす
る畳床及びそれからなる畳は、繊維素材より構成される
表面素材と、補強層とで構成される床敷物廃材を粉砕機
にかけて、補強層の大きさが平均径10mm以下となる粉
砕片とし、加熱・加圧操作のみによって融着一体化させ
てボード状に形成したものを芯材として用い、この芯材
が全体の厚みの10%以上となるようにしたものであ
る。
【0009】前記床敷物は、JIS L 4404 に示される織
りじゅうたん、JIS L 4405 に示されるタフテッドカー
ペット、JIS L 1904 に示されるタイルカーペットなど
がある。これらは、使用目的にあった種々の用途に利用
されているが、ナイロンやポリエステル,ポリプロピレ
ンなどからなる繊維素材より構成される表面素材と、バ
インダー樹脂分として塩化ビニール樹脂,軟質ポリオレ
フィン樹脂及び合成ゴムなどの軟質合成樹脂成分からな
る補強層とで構成されている点において共通している。
【0010】特に、タイルカーペットの場合には、繊維
部分である上面の毛羽部分と、これを結合する基布、下
面の強固な2〜4mmの補強層から構成され、通常、繊維
部分としてのナイロンやポリエステルなどが全体の14
重量%以上の割合を占め、基布としてのガラス繊維が1
%以上、補強層はバインダー樹脂分として塩化ビニール
樹脂などの軟質合成樹脂成分と、炭カルと、そして、フ
タル酸エステル、アジビン酸エステル、セバシン酸エス
テルなどの可塑剤とからなり、これが80重量%以上の
割合からなっており、製品の種類によって適宜に割合が
選択される。補強層の内訳は、バインダー樹脂分が14
〜23重量%、炭カルが63〜70重量%、可塑剤が1
4〜16重量%となっている。
【0011】このような床敷物の製造工程で生じた廃材
や、床敷物として長年の使用後の床敷物廃材を原料とし
て用いる。製造工程の裁断時の耳などの粉砕片の場合に
は前記した成分の割合をそのまま維持しているが、不良
品の場合にはその内容いかんによっては前記した成分の
割合を維持しない場合があるが、この場合にも極端な場
合を除いてそのままあるいは前記耳などの粉砕片と混合
するなどして原料として使用できる。又、使用済の床敷
物廃材の場合には、使用時の場所や状態あるいは使用期
間によって汚れや破損が生じている場合があるが、洗浄
等の前処理をすることなくそのまま原料として使用でき
る。又、表面素材や補強層の部分が長年の使用によって
磨耗している場合であっても、この発明の成立自体には
何らの影響を与えるものではない。
【0012】このような原料としての床敷物廃材をまず
粉砕するが、粉砕手段は特に限定されるものではなく、
既存の粉砕機、裁断機、打ち抜き機などを使用して行う
ことができるが、粉砕機による場合には、大量の床敷物
廃材を短時間で処理できる。又、粉砕片を所定径の孔の
開いたパンチングメタルを通過させることも容易であ
り、所定の平均径をもつ粉砕片を得やすい。いずれの手
段によって粉砕された粉砕片も、表面素材と補強層が一
体となっているものが殆どであるが、分離しているもの
が混ざっていても差し障りはない。表面素材は、繊維状
であるため、その長さを正確に測定しにくいが、補強層
の部分は固形状であるので大きさの測定は容易である。
【0013】この補強層の部分の平均の大きさが、10
mm以下であれば、表面素材の大きさに係わらず加熱時に
短時間で中心部まで熱がよく伝導され、又、圧力をかけ
た場合にも全体に平均して圧力が伝えられ密度が均一化
されると共に、床敷物廃材を構成する各々の成分が全体
としてよく分布しているので、あえて攪拌する必要がな
いからである。補強層の部分の平均の大きさが10mm以
上では、厚みの均一化が難しく、加熱時間がかかり、
又、加圧しても圧力が、均一に分布しにくく、その結
果、密度や物理的機械的性質のバラツキが生じ、芯材の
表面も粗となり外観不良となるからである。粉砕片の補
強層の部分を小さくするには、それだけ粉砕に要する手
間がかかるものの、平均の大きさが8mm以下であればよ
り好ましく、5mm以下であればなお一層好ましい。この
ような補強層の部分の均一な大きさの粉砕片を得る一方
法として、例えば、粉砕機に直径が10mmのパンチング
メタルを設ければ、ここを通過した粉砕片の平均径が1
0mm以下のものを容易に得ることができる。
【0014】上記した粉砕片を所定形状の型枠や連続成
形の場合にはホッパー等に入れてから、予備圧縮部で密
度むらを少なくするように、巾全体にわたっての供給量
をほぼ均一になるように調整し、次いで除々に圧縮しな
がら板状に形を整形した後、本体に入れて加熱しつつ圧
縮して融着一体化させるが、この時の温度は床敷物廃材
の補強層に含まれるバインダー樹脂分が溶融する155
℃乃至240℃が適当で、より好ましくは175℃乃至
220℃の範囲である。155℃より低い場合にはバイ
ンダー樹脂分の溶融が十分生じないために各粉砕片の結
合が弱くなり芯材が得られ難くなり、240℃を越える
と表面素材のナイロンやポリエステルが溶融して繊維部
分がなくなり、芯材の腰が弱く脆いものとなり、又、補
強層の成分である塩化ビニール樹脂などの軟質合成樹脂
分が熱分解により有毒ガスを発生し始めることにもなる
からである。これらの温度の範囲からどの温度を選択す
るかは、どの位の時間高温状態を維持しつつ加圧するか
によって変化すが、一般的には低温度の方が長時間とな
る。又、バインダー樹脂分の成分によっても温度の選択
がなされる。
【0015】このような高温状態で粉砕片に圧力を加え
ると、表面素材のナイロンやポリエステルが溶融した補
強層を構成する塩化ビニール樹脂等のバインダー樹脂の
中に分散される。この分散は攪拌や他の手段による混合
などの作業は一切不要で、加圧のみで十分である。その
理由は、粉砕片を前記したように適度な大きさに粉砕し
ているので、攪拌、混合することなく十分に各成分が均
一に分布しているからである。そして加圧によってこれ
らの成分が溶融している補強層のバインダー樹脂分に分
散されるのである。
【0016】この場合に加える圧力は、5乃至50kg/c
m2の範囲、より好ましくは、10乃至30kg/cm2の範囲
が適当である。5kg/cm2以下であると、加熱温度が高く
ても表面素材や補強層の成分に十分に熱が伝導されな
く、又、各成分の融着の度合いも緩くなり、従って、密
度の高い引張りに強い芯材ができず、逆に50kg/cm2
上では圧縮限度に達して、同じ密度で留まり、加圧に要
するエネルギーが無駄となるからである。又、連続プレ
スの場合には、漏れ出ることも生じるからである。これ
らの圧力の範囲からどの位の圧力を選択するかは、温度
との関係によって変化する。一般的には低圧力の方が高
温で、高圧力程低温である。
【0017】上記した高温状態で加圧して芯材を製造す
る場合には、所定形状をなし、前記した温度範囲のいず
れかの高温状態にある型枠の中に床敷物廃材の粉砕片の
原料を入れて、既存のプレス装置を用いその押力面も高
温状態にして押圧する、所謂バッチ式で行う。この場
合、型枠に投入する前に原料自体をある程度高温状態に
しておくと成型する時間が短縮できるので尚好ましい。
更に又、粉砕片を型枠内等で予め予備圧縮しておくと、
圧縮時間が短縮され、能率良く製造できる。このように
して所定時間の間、加圧状態を維持してから、型枠から
取り出して冷却させると芯材ができる。高温状態で加圧
する時間は、芯材の形状等によって異なるが、一般的に
は5分乃至20分程度の範囲である。又、加圧力を加減
することにより、芯材の密度を自在に調整できることが
可能となる。尚、密度の調節は、原料の投入量によって
も可能である。
【0018】長尺な芯材を連続的に製造する場合には、
一般にカレンダー成形機と呼ばれるロール式連続加圧機
を使用して賦形し、これをエンドレスベルト上に載せて
搬送と冷却を行うようにしてもよいし、あるいは又、エ
ンドレスベルトの上面に粉砕片を載せて上下方向から断
続的に加熱と加圧を行うようにして連続的に製造しても
良いし、その他の手段によって芯材を得てもよい。この
ような連続成形の製造方法を採用するか、バッチ式の製
造方法を採用するかは、求める芯材の形状によって決定
される。板状物の場合には、連続的な製造方法の方が大
量に且つ安価に製造できるし、又、利用の範囲も広範で
ある。
【0019】尚、前記した床敷物廃材の粉砕片の原料に
別途熱可塑性合成樹脂をあらかじめ加えて混合させて加
熱加圧によって成型した場合には、強度がより強くな
る。この場合の熱可塑性合成樹脂は、粉砕片の補強層に
含まれているバインダー樹脂分と同じか、又は、それら
と同じ温度で溶融するポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレン等が好ましい。
【0020】この場合の熱可塑性合成樹脂の大きさは特
に限定されないが、粉砕片と同じ位の大きさに粉砕した
廃材としてのフィルム、ボトルなどの再使用できる前記
熱可塑性合成樹脂が好適に使用できるが、粉末状であっ
てもよい。混入量は多くなる程成型品の硬度が硬く且つ
強くなるだけであるので特に限定されるものではない。
又、ここで使用される熱可塑性合成樹脂は、接着剤とし
ての性質を有するものであってもよい。例えば、ホット
メトル接着剤として使われるエチレン−酢ビ共重合体等
の粉末を使用すれば、粉砕片の融着を助け、低温側低圧
側で芯材を得ることができる。
【0021】床敷物廃材がタイルカーペットの場合に
は、前記したように、補強層にバインダー樹脂分が14
〜23重量%、炭カルが63〜70重量%、可塑剤が1
4〜16重量%含まれているので、これらが相互に作用
して、熱可塑性合成樹脂などの他の調整部材を加えるこ
となく、応用範囲の広い適宜な製品密度、曲げ強さ、熱
伝導率等を有する芯材が得られる利点がある。
【0022】又、表面素材が、ガラス繊維不織布を基布
とし、パイル布がポリエステル及び/又はナイロンであ
れば、これらが芯材の内部で分布して強い結合力が得ら
れて、柔軟性と曲げの強い芯材となる。又、補強層が塩
化ビニール樹脂成分である場合には、比較的低温で溶融
するので、発熱経費が少なくて済むという利点があると
共に、芯材の難燃性が得られるという利点がある。
【0023】又、芯材に合成樹脂シートを積層して固着
した場合には、表面が美しく仕上がるので、利用用途が
拡大される。更に、プレス装置の型枠から取り出した芯
材が熱い状態において他の形状に変形させたり、連続成
形の場合にはライン上で他方向から力を加えて他の形状
に変形させるいわゆるインライン2次加工が可能である
ので、この点からも利用用途が拡大される。
【0024】
【実施例】上記のようにして得られた芯材で構成した畳
床及びそれからなる畳の実施例を以下に述べる。
【0025】(実施例1)図1に示すように、上方から
畳表1,クッションシート2,芯材3,押出し発泡ポリ
スチレンボード4,裏シート5の各部材を一体とした畳
を作成した。畳表1は、日本農林規格(JAS)1級品
を用い、厚みは2.5mmとした。クッションシート2は、
発泡ポリスチレンシートを用い、厚みは2mmとした。芯
材3としては、上述した通り、繊維素材より構成される
表面素材と、補強層とで構成される床敷物廃材を粉砕機
にかけて、補強層の大きさが平均径10mm以下となる粉
砕片とし、加熱・加圧操作のみによって融着一体化させ
てボード状に形成してなるものであり、密度を1kg/lと
し厚みを10mmとした。押出し発泡ポリスチレンボード
4は、厚み40mmとした。裏シート5は、畳用ポリプロ
ピレン裏シートを用い、厚みは1mmとした。上記の各部
材を、建材畳床製造機による縫製、及び畳表縫製機で畳
表を縫製した。これによって総厚みが55mmの畳が出来
た。
【0026】(実施例2)図2に示すように、上方か
ら、畳表1,クッションシート2,プラスチック段ボー
ルシート6,芯材3,裏シート5の各部材を一体として
畳を作成した。畳表1は日本農林規格(JAS)1級品
を用い、厚みは2.5mmとした。クッションシート2は、
発泡ポリスチレンシートを用い、厚みは3mmとした。芯
材3は、密度1kg/lのものを用い、厚みは10mmとし
た。プラスチック段ボールシート6はカネカプラダン
(ポリプロピレン製中空積層板、商品名、鐘淵化学工業
株式会社製)を用い、厚みは3mmとした。裏シート5
は、畳用ポリプロピレン裏シートを用いた。上記部材を
実施例1と同じように縫製して、総厚みが20mmの薄畳
が出来た。
【0027】(実施例3)図3に示すように、上方から
畳表1,クッションシート2,プラスチック段ボールシ
ート6,芯材3,プラスチック段ボールシート6,裏シ
ート5の各部材を畳表1は日本農林規格(JAS)1級
品を用い、厚みは2.5mmとした。クッションシート2
は、発泡ポリスチレンシートを用い、厚みは3mmとし
た。芯材3は、密度1kg/lのものを用い、厚みは10mm
とした。プラスチック段ボールシート6はカネカプラダ
ン(実施例2と同じ)を用い、厚みは上下とも3mmとし
た。裏シート6は、畳用ポリプロピレン裏シートを用
い、厚みは1mmとした。上記の部材を、実施例1と同じ
ように縫製して、総厚みが25mmの薄畳ができた。
【0028】(比較例1)図4に示すように、上方か
ら、畳表1,クッションシート2,畳用押出し発泡ポリ
スチレンボード4,裏シート5の各部材を、それぞれの
厚みが2.5mm,2mm,10mm,40mm,1mmとし、実施
例1と同じ縫製の仕方で一体として畳を作成した。尚、
各部材の名称が実施例1と同じものは、同じ部材を使用
した。
【0029】(比較例2)図4に示すように、上方か
ら、畳表1,クッションシート2,畳用押し出し発泡ポ
リスチレンボード4,裏シート5の各部材を、それぞれ
の厚みが2.5mm,2mm,10mm,40mm,1mmとし、実
施例1と同様の縫製の仕方で一体として畳を作成した。
尚、各部材の名称が実施例1と同じものは、同じ部材を
使用した。
【0030】上記した3つの実施例及び2つの比較例に
ついての評価の測定値を表1に示す。尚、評価は下記の
方法による。重さは、JIS1級秤による。収縮率は、
畳製作後、風乾状態で養成を2週間行い、前後の寸法変
化率を測定した。反り量は、図6に示すように、畳の対
角線に道糸を貼り、反り部の最大量を測定した。撓み量
は、JIS A 5914に従い、撓み量測定機で測定
した。局部圧縮量は、JIS A 5914に従い、局
部圧縮試験機で測定した。繰り返し圧縮耐久性は、繰り
返し圧縮試験機により測定した。
【0031】
【表1】
【0032】上記の評価の測定値からも明らかなよう
に、縫製後において、比較例1においては、押出し発泡
スチレンボードの剛性の不足等に起因して、実施例1と
比較して撓み量が大きくなった。又、比較例1,2共に
縫製後、押出しポリスチレンボードの剛性の不足、縫製
適正の不足等により、反りが発生するのに加えて、畳表
の目開き等の弊害が発生した。これに対して、本発明品
の実施例1乃至3においては、全く反りが発生しなかっ
た。
【0033】
【発明の効果】請求項1記載の床敷物廃材を原料とする
畳床及びそれからなる畳によれば、繊維素材より構成さ
れる表面素材と、補強層とで構成される床敷物廃材を粉
砕機にかけて、補強層の大きさが平均径10mm以下とな
る粉砕片とし、加熱・加圧操作のみによって融着一体化
させて芯材として用い、この芯材が全体の厚みの10%
以上の畳としたので、この芯材の作用により縫製後の畳
の撓み量が少なくなり、且つ、反りが発生しない良質の
畳を得ることができる。更に又、従来廃材として産業廃
棄物としたものを有効に活用できるので、環境問題や再
資源の観点からも好ましいものとなる。
【0034】請求項2記載の床敷物廃材を原料とする畳
床及びそれからなる畳は、前記床敷物がタイルカーペッ
トであるので、従来廃材として産業廃棄物とした大量の
タイルカーペットを有効に活用でき、環境問題や再資源
の観点からも好ましいという利点がある。
【0035】請求項3記載の床敷物廃材を原料とする畳
床及びそれからなる畳によれば、前記芯材の少なくとも
1面に、ポリエチレン、ポリプロピレンのうち少なくと
も1種類以上を含む中空積層体を1枚以上積層している
ため、縫製後の畳の撓み量及び反りの発生を一層少なく
抑えることができる。又、多層化することにより撓み剛
性が向上する。
【0036】請求項4記載の床敷物廃材を原料とする畳
床及びそれからなる畳によれば、前記芯材の少なくとも
1面に、発泡合成樹脂板を1枚以上積層しているため、
縫製後の畳の撓み量及び反りの発生を少なく抑え、又、
発泡合成樹脂板が緩衝材として作用し衝撃の吸収性が向
上するので、踏んだときの感触が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例の一部断面図。
【図2】この発明の第2の実施例を一部断面図。
【図3】この発明の第3の実施例を一部断面図。
【図4】比較例1の一部断面図。
【図5】比較例2の一部断面図。
【図6】(a)は反り量の測定方法を説明する斜視図、
(b)はその側面図。
【符号の説明】 1 畳表 2 クッションシート 3 芯材 4 押出し発泡ポリスチレンボード 5 裏シート 6 プラスチック段ボールシート
【手続補正書】
【提出日】平成9年2月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】上記した粉砕片を所定形状の型枠や連続成
形の場合にはホッパー等に入れてから、予備圧縮部で密
度むらを少なくするように、巾全体にわたっての供給量
をほぼ均一になるように調整し、次いで徐々に圧縮しな
がら板状に形を整形した後、本体に入れて加熱しつつ圧
縮して融着一体化させるが、この時の温度は床敷物廃材
の補強層に含まれるバインダー樹脂分が溶融する155
℃乃至240℃が適当で、より好ましくは175℃乃至
220℃の範囲である。155℃より低い場合にはバイ
ンダー樹脂分の溶融が十分生じないために各粉砕片の結
合が弱くなり芯材が得られ難くなり、240℃を越える
と表面素材のナイロンやポリエステルが溶融して繊維部
分がなくなり、芯材の腰が弱く脆いものとなり、又、補
強層の成分である塩化ビニール樹脂などの軟質合成樹脂
分が熱分解により有毒ガスを発生し始めることにもなる
からである。これらの温度の範囲からどの温度を選択す
るかは、どの位の時間高温状態を維持しつつ加圧するか
によって変化すが、一般的には低温度の方が長時間と
なる。又、バインダー樹脂分の成分によっても温度の選
択がなされる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】この場合の熱可塑性合成樹脂の大きさは特
に限定されないが、粉砕片と同じ位の大きさに粉砕した
廃材としてのフィルム、ボトルなどの再使用できる前記
熱可塑性合成樹脂が好適に使用できるが、粉末状であっ
てもよい。混入量は多くなる程成型品の硬度が硬く且つ
強くなるだけであるので特に限定されるものではない。
又、ここで使用される熱可塑性合成樹脂は、接着剤とし
ての性質を有するものであってもよい。例えば、ホット
メルト接着剤として使われるエチレン−酢ビ共重合体等
の粉末を使用すれば、粉砕片の融着を助け、低温側低圧
側で芯材を得ることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】(比較例1)図4に示すように、上方か
ら、畳表1 ,クッションシート2 ,畳用押出し発泡ポリ
スチレンボード 4, 裏シート5 の各部材を、それぞれの
厚みが 2.5mm, 2mm, 40mm, 1mmとし、実施例1と同じ
縫製の仕方で一体として畳を作成した。尚、各部材の名
称が実施例1と同じものは、同じ部材を使用した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】(比較例2)図に示すように、上方か
ら、畳表1 ,クッションシート2 ,畳用押出し発泡ポリ
スチレンボード4 ,プラスチック段ボールシート6 ,
シート5 の各部材を、それぞれの厚みが2.5mm, 2mm, 10
mm, 3mm, 1mmとし、実施例と同じ縫製の仕方で一体と
して畳を作成した。尚、各部材の名称が実施例と同じ
ものは、同じ部材を使用した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 31:58

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維素材より構成される表面素材と、補
    強層とで構成される床敷物廃材を粉砕機にかけて、補強
    層の大きさが平均径10mm以下となる粉砕片とし、加熱
    ・加圧操作のみによって融着一体化させてボード状に形
    成したものを芯材として用い、この芯材が全体の厚みの
    10%以上であるとしたことを特徴とする床敷物廃材を
    原料とする畳床及びそれからなる畳。
  2. 【請求項2】 前記床敷物がタイルカーペットであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の床敷物廃材を原料とする
    畳床及びそれからなる畳。
  3. 【請求項3】 前記芯材の少なくとも1面に、ポリエチ
    レン、ポリプロピレンのうち少なくとも1種類以上を含
    む中空積層体を1枚以上積層した請求項1記載の床敷物
    廃材を原料とする畳床及びそれからなる畳。
  4. 【請求項4】 前記芯材の少なくとも1面に、発泡合成
    樹脂板を1枚以上積層した請求項1又3記載の床敷物廃
    材を原料とする畳床及びそれからなる畳。
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