JPH10193190A - 粉末の均一充填法 - Google Patents

粉末の均一充填法

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JPH10193190A
JPH10193190A JP491497A JP491497A JPH10193190A JP H10193190 A JPH10193190 A JP H10193190A JP 491497 A JP491497 A JP 491497A JP 491497 A JP491497 A JP 491497A JP H10193190 A JPH10193190 A JP H10193190A
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powder
filling
vibrator
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molding die
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JP491497A
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Yoshihisa Ohashi
善久 大橋
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粉末充填時の充填密度分布の均一性を向上さ
せ、成型時や焼結時の割れや欠けなどの欠陥、そりや曲
がりなどの変形、そして高い応力の残留などの製造上の
問題を解決する技術の開発にある。 【解決手段】 成形型の開口部面に供給集積された粉末
の中に、成形型開口部面に可及的に近接した水平面にお
いて、隣接する振動子間の距離が、粉末平均粒径の250
倍以内となるよう、複数の振動子を挿設し、該振動子を
振動させて粉末に振動を加えながら、振動子の取付位置
を固定したまま、あるいは引き上げながら、成形型内の
粉末充填深さを増加させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末の圧縮成型工
程を伴う粉末製品の製造に関し、より具体的には割れ、
欠け、そり、曲がり等の欠陥の発生を抑制し、高い寸法
精度を実現するための圧縮成型工程における粉末の成形
型への均一充填方法とそのための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる焼結品のような粉末製品の製造
において、圧粉体とするに先立って行う成形型への粉末
の充填に際しての、あるいは圧粉体における粉末の密度
分布の不均一は、圧粉体への成形時および焼結時に種々
の不良の原因となる。このため従来から粉末充填時ある
いは成形時における密度分布を均一化すべく、成型方法
や焼結方法について様々の工夫がなされてきた。特に粉
末の充填過程は、粉末成形プロセスのもっとも初期の過
程であって、そのときの密度分布の不均一は以降の製造
過程に多大なる影響を及ぼすため、均一充填方法の開発
ならびにそれを具体化するための技術の開発が精力的に
行われてきた。
【0003】これまでに開発された粉末の均一充填手法
は、主に粉末に振動を加えて、粉末同士が相互に絡み合
って形成したブリッジを崩す方法である。例えば、特開
平4−157102号公報に例示される方法は、成形型の一部
に超音波振動装置を装着する方法で、成形型を振動しな
がら粉末を充填することにより、粉末充填層の均一化と
緻密化をねらったものである。
【0004】一方、特公昭57−49081 号公報では上下運
動可能な針状部材を粉末供給装置に設け、粉末供給装置
から金型への粉末供給に際して、この針状部材を金型内
で上下動させることで一種のつきかためを行って粉末充
填を促進する方法が開示されている。
【0005】見かけ上、以上の2種類の考え方を組み合
わせたものとして、特公昭58−17801 号公報には、金型
開口部の上部の粉末集積層に超音波の振動子を挿設し、
ポンチおよびダイの摺動動作と同時に、振動子により振
動を粉体に付与して充填していく方法が提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
4−157102号公報に開示された方法では、個々の金型に
超音波振動装置を装着せざるを得ず、また大型の製品を
成形する場合には、高出力の振動装置を必要とし、コス
ト面および効果面から実用的でない。
【0007】また、特公昭57−49081 号公報に開示され
た方法では、針状部材の近傍では充填密度の上昇が起こ
りうるが、針状部材から離れ、さらに針状部材から遠い
成形型壁面近傍では効果が薄れ、却って針状部材近傍と
それから離れた場所とでの密度差が生じやすく、均一充
填の効果は薄いと考えられる。特に上記公報では針状部
材が金型の中心軸と一致するとしていることから、効果
の点で大いに疑問となる。面積の大きな製品を圧縮成型
する場合には、ほとんど効果が得られないばかりではな
く、針状部材の近傍のみが密度上昇し、却って逆効果で
あると思われる。
【0008】さらに、特公昭58−17801 号公報に開示さ
れた方法によっても、上記と同様に振動子の近傍では充
填密度の上昇が起こりうるが、振動子から離れた部分や
その中でも成形型の壁面近傍では摩擦のために、充填密
度がむしろ低くなる。さらに多段成形品や狭隘部を持つ
成形型の場合には一部だけにのみ効果の認められる振動
子を用いた場合には、全体の充填密度を均一化するよう
に充填をコントロールすることは不可能に近い。
【0009】従って、従来のこのような種々の工夫によ
っても、粉末の充填を十分に均一化することは難しく、
特に開口部面積の大きな扁平な形状をもつ製品 (例:√
S/t>2、S:開口部面積、t:厚さ) 、開口部面積に対して厚
みの大きな形状をもつ製品 (例:√S/t <0.5 、S:開口
部面積、t:厚さ) の成形のための粉末充填では、充填密
度の均一化が困難である。
【0010】さらに従来法では、充填の際に十分な密度
の均一性が得られないため、成型時や焼結時の割れや欠
けなどの欠陥、そりや曲がりなどの変形、そして高い応
力の残留など製造上の問題は、十分な解決をみていな
い。
【0011】このように、従来の方法では、粉末充填時
の充填密度分布の均一性を向上させることが必ずしも十
分でない。ここに、本発明の目的は、粉末充填時の充填
密度分布の均一性を向上させることが容易である技術を
開発することである。
【0012】さらに本発明の目的は、具体的には、大型
の粉末製品、開口部面積の大きな扁平な形状をもつ製
品、開口部面積に対して厚みの大きな形状をもつ製品の
成形のための粉末の均一充填方法とそのための装置を提
供することである。
【0013】さらに本発明の目的は、粉末の均一充填を
実現することで、成型時や焼結時の割れや欠けなどの欠
陥、そりや曲がりなどの変形、そして高い応力の残留な
どの製造上の問題を解決する技術の開発にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、成形型への
粉末の均一充填のため種々の方法を試みた、特に成形型
壁面の摩擦の影響および振動子の効果について評価、検
討した。
【0015】その結果、一般的な粉末充填では、成形型
の壁面近傍に充填密度の低い領域が存在することが明ら
かになり、特に開口部面積(S) に対して深さ(t) の深い
成形型の場合には、壁面の摩擦の影響が顕著であるため
平面内での充填密度分布の幅が大きくなることが確認さ
れた。また開口部面積が大きな扁平な成形型では、壁面
の充填密度の低い領域とは別に平面内での充填密度の均
一性を大面積にわたり確保することが困難であることも
確認された。
【0016】一方、粉末中に挿入された振動子の影響範
囲については、振動子先端の水平方向の振れ幅が1mm以
内、振動数50Hz以上の実用的な振動条件では振動子の表
面から粉末平均粒子径の125 倍程度までで、超音波等に
よる振動の場合には、同約50倍までである場合もある。
これらの領域では確かに粉末のブリッジが崩れ充填密度
が上昇することが、成形体の密度分布の評価などから明
らかとなった。さらにこれらの領域外では振動エネルギ
ーの減衰のため、ブリッジの崩解などを促す効果が少な
かった。また、粉末の粒子径に対して、振動子の振幅が
無視できない場合には、振動子の最大振幅の最外表面か
ら粉末平均粒径の125 倍程度までである。
【0017】つまり、静止した振動子の最外表面に振幅
の半分と粉末平均粒子径の125 倍を加えた範囲が粉末均
一充填の影響の範囲外であり、これを振動する振動子の
側からみると、その最外表面の間隔が粉末平均粒子径の
250 倍超の距離にあたることに相当する。
【0018】これらの実験的知見に基づき、種々の成形
型への粉末の均一充填のためには、まず、振動モータ、
電磁振動機、超音波振動などで駆動する振動子を複数用
い、かつ隣接する振動子間の距離が粉末平均粒径の250
倍以内となるように、好ましくは等間隔で配置すること
により、どの領域でも均一な粉末の充填状態を作ること
が重要であるとの着想を得た。
【0019】次いで、成形型の壁面の摩擦の影響に基づ
く粉末充填層の密度低下を極力抑えるためには、壁面近
傍の粉末層に対しても有効な振動を加えることが必要で
そのためには、成形型の開口部からの振動では不十分で
あり、壁面に隣接する振動子により壁面に対し水平方向
から振動を作用させつつ粉末を充填することがより効果
的であることを知見した。
【0020】なお、従来にあっても、成形型自体に振動
を与えながら粉末を充填する方法が提案されているが、
その場合には粉末を介した間接的な振動となり、前記し
たように平均粒子径の125 倍以遠の領域では、振動エネ
ルギーが減衰するため、振動の粉末粒子に対する効果は
極めて小さくなり、また装置的にも大型のものを要する
などコスト面で実用化が困難である。
【0021】かくして、上述のような構成によれば、成
形型自体を振動させることがなくとも、ほゞ実質上均一
な充填密度が得られることを知り、本発明を完成した。
ここに、本発明は次の通りである。
【0022】(1) 粉末に振動を加えながら成形型へ粉末
を充填する粉末充填方法であって、成形型の開口部面に
供給集積された粉末の中に、成形型開口部面に可及的に
近接した水平面において、隣接する振動子間の距離が、
粉末平均粒径の250 倍以内となるよう、複数の振動子を
挿設し、該振動子を振動させて粉末に振動を加えなが
ら、成形型内の粉末充填深さを増加させるように粉末を
供給することを特徴とする、粉末の均一充填方法。
【0023】(2) 粉末に振動を加えながら成形型へ粉末
を充填する粉末充填方法であって、成形型内に供給集積
された粉末の中に、成形型開口部面に平行な水平面にお
いて、隣接する振動子間の距離が、粉末平均粒径の250
倍以内となるよう、複数の振動子を挿設し、該振動子を
振動させかつ該振動子を成形型内から引き抜きながら、
粉末を成形型内に供給することを特徴とする、粉末の均
一充填方法。
【0024】(3) 複数の前記振動子が、成形型開口面に
平行な水平面において均等な離間距離をもって配置され
ていることを特徴とする、上記(1) または(2) 記載の粉
末の充填方法。
【0025】(4) 成形型へ粉末を供給する装置であっ
て、粉末供給ホッパから供給された粉末を一時的に収容
し、その内部に向かって開いた開口部面を備えた成形型
上に装着される粉末供給ボックスと、該粉末供給ボック
ス内にあって、上記成形型の開口部面に平行な水平面に
おいて均等な離間距離をもって配列され、かつ該開口部
面以下に少なくともその先端が到達する複数個の振動子
と、該振動子を振動させるための加振器とを備えたこと
を特徴とする粉末の均一充填装置。 (5) さらに前記振動子の上下方向の昇降手段を備えた上
記(4) 記載の粉末の均一充填装置。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の作用および方法について
添付図面を用いて説明する。本発明は、粉末の圧縮成型
工程を伴う粉末製品の製造に関する。ここに、粉末の圧
縮成型工程とは、粉末のプレス成形やCIP成形などの
ように一般に冷間あるいは温間で圧縮圧力を作用させて
成形する工程、さらにHIP成形やプラズマ放電焼結な
どのように熱間にて圧縮圧力を作用させて成形のみなら
ず焼結も行う工程をも包含するものとする。
【0027】また対象とする粉末は、金属粉末やセラミ
ックス粉末に限らずあらゆる種類の粉末である。特に圧
縮成型により粉末が変形することが少ないセラミックス
のような硬質粉末においてその効果がもっとも大きくな
る。
【0028】振動子とは、種々の形状が考えられるが一
般には棒状で、均一充填をしようとしている粉末に振動
を加えるための治具である。振動子それ自体の形状、寸
法は特に制限されないが、粉末の充填のための開口面積
を大きくとる目的から、その直径は小さい程好ましい。
【0029】本発明の好適態様では複数の振動子が等間
隔に配列しており、その間隔を充填しようとしている粉
末平均粒径の250 倍より小さくする。これは凝集の解砕
や粉末によるブリッジの形成を崩すために必要な距離
で、この間隔が小さければ小さいほど均一充填の効果は
高まる。しかしながら粉末の充填速度がその分小さくな
るため、適当な間隔を選択する必要がある。好ましくは
70〜50倍である。
【0030】振動子の間隔が粉末粒子径の250 倍より大
きな場合には、粉末に及ぼす振動子の影響が小さいため
に、振動子近傍とそれより離れた部位とでの充填密度が
異なる。このため振動子の間隔、さらに詳細にはある振
動子表面と隣接する振動子表面との間隔は粉末平均粒径
の250 倍より小さいものとするのである。
【0031】前述のように振動する振動子の表面は、振
幅の幅で移動する。したがって、ここでいう振動子の間
隔とは所定の振幅で振動する振動子の最外表面同士の間
隔のことである。
【0032】ここで粉末の平均粒径とは、充填に供した
粉末の平均粒径で、元々の原料粉末を造粒したものであ
れば造粒粉末の平均粒径のことを指称する。なお、通常
この平均粒径は 0.3〜1000μmであるから上記振動子の
間隔は0.075 〜250mm 以下となる。また、成形型とは必
ずしも金属製のいわゆる金型を示すものではなく、ゴム
製の型や樹脂製の型であってもよい。
【0033】図1は、本発明にかかる方法および装置の
1例を模式的に示すもので、図中、ダイス1と下部パン
チ2からなる成形型9の開口部10上に粉末供給ボックス
4があり、粉末供給ホッパ3から原料粉末が供給され
る。振動子8はその先端部が、ボックスの内部の成形型
開口部10が構成する平面、つまり成形型開口部面12に可
及的に近接して設けられ、図示例ではその面上に位置
し、連結部7を介して加振器6により振動させられる。
【0034】図1に示す態様は、本発明による粉末充填
の途中状況を示しているが、粉末充填を開始する直前に
は下部パンチ2が粉末を充填する最終深さに完全には至
っておらずあるいは下部パンチ2とダイス1の上端は同
一面上にあり、振動子を振動させながら、図中、矢印で
示す方向に下部パンチを下降させることによって充填深
さを増すことにより、成形型内部に供給粉末5を充填し
ていくのである。
【0035】振動子は、図2に示されたように、成形型
の開口部10が構成する開口部面12に可及的に近接した平
面上に均一に配列されているのが好ましく、振動子を離
間配置した領域がダイスの開口部を完全に覆っている状
態とするのが好ましい。また、図2では等間隔で配置さ
れた振動子の間隔はdで示されているが、振動子の配列
は図示例のように縦横がそろった状態でもよいし、千鳥
状に配列されていてもよい。いずれにせよ、すべての粉
末を振動子の振動の影響下におくことを特徴とするので
あって、そのためには例えば規則的にあるいは平均的に
振動子を配列し、その隣接する振動子の最小間隔dが粉
末平均粒径の250 倍以内であればよい。
【0036】図3は、振動子を最初成形型内に挿入して
おき、充填途中からそれを引上げる方式の場合の例を示
すものである。基本的な機械的構成は固定式、つまり図
1の場合と同様である。ただし、振動子8が成形型9の
内部へ達していることが異なる。図4に示すように、振
動子8の間隔はdで示すが、一般に壁面との間隔d'はd'
≦d/2 となる。
【0037】本発明のこの態様によれば、成形型への粉
末充填直前には、成形型の下部パンチ2は粉末を充填す
る深さに完全に至っており、この場合振動子の位置は成
形型9の開口部10から成形型内に挿入された状態で、成
形型の底つまり下部パンチの直上にまで達した状態か
ら、粉末の投入を開始する。図中、矢印で示すように、
振動子を振動させながら振動子を引き上げることによ
り、型内に粉末を充填していく充填過程をとる。別法と
して、下部パンチを引き下げながら成形型へ粉末を供給
してもよい。
【0038】本発明のこの態様では、振動子が成形型の
奥深くまで挿入された状態で振動を粉末に加えることが
でき、さらに成形型の壁面近傍の粉末にまで水平方向か
ら振動が確実に伝わるため、深さ方向および壁面近傍の
粉末の充填性が向上して、成形型全域での粉末充填の均
一性が固定式の場合以上に向上する特徴がある。
【0039】振動子が固定方式あるいは引上方式のいず
れの場合においても、振動子の振動は超音波発振子ある
いは振動モータあるいは電磁振動機などを利用して、一
般に振動の振幅が大きい方がまた振動周波数が大きい方
が、均一充填性は向上する。しかしながら、あまり振動
が大きいと粉末充填層の平均密度が低下し、また粉末の
供給性が悪くなり、充填能率が低下するため、成形型、
振動子の形状、充填粉末の特性にあわせて、適宜振動条
件を設定する必要がある。
【0040】
【実施例】実施例1 直径130 mm、厚さ10mmの円柱状の粉末成形体をプレス成
形するため、直径130mm、最終充填深さ19mmの成形金型
を用意した。まず図1に示すように、本発明にかかる固
定式振動子を用いる方法を行った。つまり充填深さが0
mmの状態で、造粒粒子平均径が40ミクロンのアルミナ粉
末を成形金型開口部の直上に堆積させ、その中に図2に
示すような振動子の間隔が7mm (40μm×250 =10mm、
5×2=10mmが最大許容間隔) となるように配列された
直径2mmで長さが50mmの振動子を挿入し、出力1kwの超
音波発振子により10kHz の振動を加えた、この時、振動
子の先端の振幅は50ミクロンであった。
【0041】次に振動子を振動させながら、成形金型の
下部パンチを1mm/sの速度で下降させることにより、粉
末の充填を行った。次に、図3に示す本発明の引上方式
による方法を行った。つまり充填深さを19mmの状態で、
その中に図4に示すような振動子の間隔が7mmとなるよ
うな直径2mmで長さが50mmの振動子の配列を挿入し、同
一の造粒アルミナ粉末を振動子の間隔から投入し、出力
1kwの超音波発振子により10kHz の振動を加えた。次に
振動子を振動させながら、振動子を1mm/sの速度で上昇
させることにより、粉末の充填を行った。
【0042】以上2種類の方法で充填した場合および比
較のために、振動子を用いない従来方法により充填した
場合、等間隔に配置した振動子の間隔を25mmとした場合
について、その後圧縮圧力500kg/cm2 で圧縮成型を行っ
て、成形体を得た。得られた成形体について、X線透過
法による密度分布の測定を行って、X線の減衰量の標準
偏差を平均値で割った変動係数により粉末充填時のばら
つきの影響を評価した。
【0043】次いで、それぞれの成形体を1650℃、2時
間の一定条件で焼結した。これらの結果を表1にまとめ
て示す。本発明にかかる引上方式による粉末充填が最も
均一性が高く、次いで本発明にかかる固定式での均一性
が高かった。同じように振動子を利用しても、振動子の
間隔が広い場合には均一性が低く、全く振動子を用いな
い場合とほどんど差違は見られなかった。
【0044】ここに、例No.1は変動係数が0.011 、同N
o.3の比較例は0.035 であるが、その差違は焼結時の反
りや変形の程度に相当し、これを同一条件で焼成すると
理想的形状からの寸法誤差がほぼ2倍の差違となって表
われた。表1では、総合的な焼結変形のばらつきを加味
して、焼結特性について、付与すべき本製品の取り代が
半径で1mm未満のものを「変形小」、1mm以上のものを
「変形大」と表現した。また、No.1とNo.2との相違点は
具体的にはその後の研削加工時間の差として現れる。
【0045】
【表1】
【0046】実施例2 平均粒子径が10ミクロンの造粒していないアルミナ粉末
の原料を用いて、27×27×5mmの製品をプレス成形によ
り作る場合において、引上方式による方法、つまり充填
深さを約10mmとし、その中に直径0.5 mmの振動子を間隔
が2mm (10μm×250 =2.5mm が最大許容幅) の間隔で
均等に配列し、出力が0.2KW の超音波を付与して、振動
子を0.5 mm/sの速度で引き上げながら粉末を充填した。
同じ粉末について、振動子同士の間隔が3mmとなる場合
についても比較を行った。
【0047】振動子の間隔が2mmの場合においては、プ
レス成形後の成形体の密度分布の変動係数が0.016 であ
ったが、間隔が3mmの場合においては0.041 であった。
同じく平均粒径が20ミクロンの粉末を用いた場合には、
振動子の間隔が4mmの場合 (20μm×250 =5.0mm が許
容最大幅) には成形体の密度分布の変動係数が0.015
で、間隔が6mmの場合には0.046 であった。
【0048】
【発明の効果】本発明による方法により、成形金型への
粉末充填に際し、成形型内への充填密度が均一化し、特
に扁平な形状において平面内の密度均一性が向上する。
また開口部面積に対して厚みの大きな形状において、密
度均一性が向上する。本発明により粉末を充填した後圧
縮成型を行って成形した製品は、欠陥の発生を抑制し、
高い寸法精度を実現でき材料の歩留まり向上、生産能率
の向上など工業的に大きな効果をもたらした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる固定式の粉末充填装置の模式的
説明図である。
【図2】図1の場合における振動子の等間隔配列の例の
説明図である。
【図3】本発明にかかる引上方式の粉末充填装置の模式
的説明図である。
【図4】図3の場合における振動子の等間隔振動子配列
の例の説明図である。
【符号の説明】
1:ダイス、 2:下部パンチ、 3:粉末
供給ホッパ、4:粉末供給ボックス、5:供給粉末、
6:加振器、7:連結部、 8:振動子、
9:成形型、10:開口部、 12:開口
部面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末に振動を加えながら成形型へ粉末を
    充填する粉末充填方法であって、成形型の開口部面に供
    給集積された粉末の中に、成形型開口部面に可及的に近
    接した水平面において、隣接する振動子間の距離が、粉
    末平均粒径の250 倍以内となるよう、複数の振動子を挿
    設し、該振動子を振動させて粉末に振動を加えながら、
    成形型内の粉末充填深さを増加させるように粉末を供給
    することを特徴とする、粉末の均一充填方法。
  2. 【請求項2】 粉末に振動を加えながら成形型へ粉末を
    充填する粉末充填方法であって、成形型内に供給集積さ
    れた粉末の中に、成形型開口部面に平行な水平面におい
    て、隣接する振動子間の距離が、粉末平均粒径の250 倍
    以内となるよう、複数の振動子を挿設し、該振動子を振
    動させかつ該振動子を成形型内から引き抜きながら、粉
    末を成形型内に供給することを特徴とする、粉末の均一
    充填方法。
  3. 【請求項3】 複数の前記振動子が、成形型開口面に平
    行な水平面において均等な離間距離をもって配置されて
    いることを特徴とする、請求項1または2記載の粉末の
    充填方法。
  4. 【請求項4】 成形型へ粉末を供給する装置であって、
    粉末供給ホッパから供給された粉末を一時的に収容し、
    その内部に向かって開いた開口部面を備えた成形型上に
    装着される粉末供給ボックスと、該粉末供給ボックス内
    にあって、上記成形型の開口部面に平行な水平面におい
    て均等な離間距離をもって配列され、かつ該開口部面以
    下に少なくともその先端が到達する複数個の振動子と、
    該振動子を振動させるための加振器とを備えたことを特
    徴とする粉末の均一充填装置。
  5. 【請求項5】 さらに前記振動子の上下方向の昇降手段
    を備えた請求項4記載の粉末の均一充填装置。
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