JPH10264134A - 粉末充填方法および粉末充填装置 - Google Patents

粉末充填方法および粉末充填装置

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JPH10264134A
JPH10264134A JP7525197A JP7525197A JPH10264134A JP H10264134 A JPH10264134 A JP H10264134A JP 7525197 A JP7525197 A JP 7525197A JP 7525197 A JP7525197 A JP 7525197A JP H10264134 A JPH10264134 A JP H10264134A
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JP
Japan
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powder
container
perforated plate
filling
mold
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Application number
JP7525197A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Ohashi
善久 大橋
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH10264134A publication Critical patent/JPH10264134A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B30PRESSES
    • B30BPRESSES IN GENERAL
    • B30B15/00Details of, or accessories for, presses; Auxiliary measures in connection with pressing
    • B30B15/30Feeding material to presses
    • B30B15/302Feeding material in particulate or plastic state to moulding presses
    • B30B15/304Feeding material in particulate or plastic state to moulding presses by using feed frames or shoes with relative movement with regard to the mould or moulds
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B28WORKING CEMENT, CLAY, OR STONE
    • B28BSHAPING CLAY OR OTHER CERAMIC COMPOSITIONS; SHAPING SLAG; SHAPING MIXTURES CONTAINING CEMENTITIOUS MATERIAL, e.g. PLASTER
    • B28B13/00Feeding the unshaped material to moulds or apparatus for producing shaped articles; Discharging shaped articles from such moulds or apparatus
    • B28B13/02Feeding the unshaped material to moulds or apparatus for producing shaped articles
    • B28B13/029Feeding the unshaped material to moulds or apparatus for producing shaped articles through a sieve or grid, e.g. to ensure evenly filling of cavities

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮成形のための型に均一に粉体を充填する
ことのできる簡便かつシンプルな方法および装置を提供
する。 【解決手段】 圧縮成形型のキャビティ10開口部上方
に、多孔板7を底に有する容器6を配置する。多孔板の
それぞれの孔は、2次元的にほぼ等間隔に配列されてお
り、充填すべき粉末材料の平均粒径の20〜250倍の
孔径を有する。多孔板7の孔をシャッタ板8によって閉
じた状態で容器6に均一に粉末材料5を充填する。次い
でシャッタ板8を速やかに移動させることにより、多孔
板7のすべての孔をほぼ同時にあけて、キャビティ10
内に粉末材料5を落下させ、充填を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末材料を圧縮成
形するための型に充填する方法および装置に関し、特
に、粉末を圧縮成形して得られる製品について欠陥の発
生を抑制し、高い寸法精度を実現するため、粉末材料を
型に均一にかつ簡便に充填することができる方法および
装置に関する。本発明は、粉末材料を圧縮成形する工程
において、不良率の低減やサイクルタイムの短縮によ
り、生産コストの低減や生産性の向上を図ることのでき
る方法および装置を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】粉体加工による粉末製品の調製におい
て、粉末の密度分布の不均一は、成形時および焼結時に
おいて種々の不良の原因となる。このため従来から密度
分布を均一にするべく、成形方法や焼結方法についてさ
まざまな工夫がなされてきた。特に、粉末材料を圧縮成
形のための型に充填する工程は、粉末成形プロセスの最
も初期の工程であり、以降の工程に多大な影響を及ぼす
ため、均一に粉末を充填する方法が精力的に開発されて
きた。
【0003】これまで開発されてきた手法は、主に、充
填する粉末に振動を与えて、粉末同士が相互に絡み合っ
て形成されたブリッジを崩す方法である。たとえば特開
昭58−17801号公報は、金型開口部の粉末集積層
に振動子を挿設し、ポンチおよびダイの摺動動作と同時
に、振動子により振動を粉体に付与して充填していく方
法を提案している。この方法にあっては、振動子の近傍
において充填密度の上昇が起こり得るが、振動子から離
れた部分やその中でもとりわけ成形型の壁面近傍では、
摩擦のために充填密度が低くなる傾向があり、これを防
止するために多数の振動子を均等な間隔で配置するとい
う考え方もある。しかし、このような振動子を利用する
方法は、振動の発生源の準備に費用がかかるのみなら
ず、種々の金型に合わせた振動子群の適切な設計および
製作に期間と費用を要し、必ずしも安価な方法とは言え
ない。
【0004】特開昭61−147802号公報は、磁性
粉末の型への充填に際して、底部に金網を取付けたフィ
ーダカップを用いて、これを振動させることにより、磁
性粉末を顆粒状とし、粉末を均一に充填する方法を示し
ている。この方法によれば、振動機構を必要とはする
が、振動子に比べて低価格である金網の採用により、安
価な方法が提供される。また特開昭61−87309号
公報は、上記金網と同等と考えられるメッシュをホッパ
ーの底部に設け、さらに該メッシュサイズより大きいサ
イズのボール球を多数メッシュ上に配置した粉末充填手
段を開示している。この技術では、ホッパーを強制的に
振動させることにより、メッシュ上で振動するボール球
間を粉末が通過する際に不均一に凝集した大きな塊を解
砕し、解砕した粉末をメッシュを通してメッシュサイズ
に応じた大きさの凝集体とし、このように均一なサイズ
に凝集した粉末を金型内に充填しようとしている。
【0005】上述の手法は、それぞれに特徴を有してい
るが、いずれも振動機構を必要とするため、粉末充填機
構が複雑になり、設備コストが比較的大きくなるという
欠点がある。金網やメッシュを利用する方法では、顆粒
を効率よくしかも均質に生成するため、どうしても目開
きの大きさが限定されてしまい、粉末充填速度が大幅に
低下するという生産性阻害の欠点が従来から指摘されて
いる。最近の研究では、粉末充填時の粉末粒子の初速度
のばらつきは、充填の均一性に影響し、メッシュ等を振
動させる充填方法では、初速度の分布を制御できないた
め、必ずしも均質性が得られるとは限らないことがわか
ってきた。特に、金型壁面近傍では、初速を有する粉末
粒子が壁面に衝突し跳ね返る現象が起こるため、金型壁
面近傍において粉末粒子の密度は不均一になる傾向が見
られる。
【0006】上述した金網やメッシュを用いる粉末の充
填方法は、磁気凝集の著しい磁性粉末を対象としてお
り、粉末を顆粒にする工程をも含むものとなっている。
一方、一般にセラミックスの粉末成形プロセスにおいて
は、取扱いを容易にするため、予めセラミックス粉末は
顆粒状に処理されており、概して凝集の心配はないと考
えられる。それゆえ顆粒状となったセラミックス粉末は
流動性が良いために充填性も良いと考えられていた。し
かし、成形体を焼結して得られる製品の反りや変形は、
焼結時の温度分布のみならず粉末充填時の不均一性にも
大きく影響されることが本発明者の研究により明らかに
なってきた。本発明者は、X線を用いた粉末充填密度の
評価により、顆粒状粉末であっても、充填方法が密度分
布の形成に大きな影響を及ぼしている事実を確認した。
そこで、流動性の良好な顆粒粉末をより均一に充填する
ことのできる方法を改めて検討する必要が出てきた。
【0007】特に、圧縮面積に対して厚みの小さな偏平
な形状を有する製品、圧縮面積に対して厚みの大きな嵩
高い形状を有する製品の成形工程における粉末の充填で
は、充填密度の均一化が難しい。従来法では、このよう
な場合に十分な密度の均一性が得られないため、成形時
や焼結時において、割れや欠けなどの欠陥、反りや曲が
りなどの変形、高い応力の残留などの問題が発生し、こ
れらの問題は十分な解決をみていない。
【0008】さらに、大量生産による粉末製品の製造に
おいては、粉末供給を自動化する方法を考慮することが
重要である。通常、フィーダボックスや粉末供給箱と呼
ばれる粉末供給のための底のない容器に型上で予め粉末
を充填しておき、この容器をキャビティ直上に内部の粉
末とともに平行移動(スライド)して、粉末をキャビテ
ィ内に落とし込む方法(スライド式自動充填方法)が自
動供給の一般的な手法である。この方法では、圧縮成形
の動作と並行して、原料タンクから粉末を供給容器に予
備的にストックしておくことが可能であり、しかもキャ
ビティへの粉末充填も容器の平行移動により円滑になさ
れる。この方法は、サイクルタイムを短縮するための自
動化法として優れている。したがって、大量生産の場合
には、このような自動化手法を採用することのできる充
填方法を提供することが望ましい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の重要な目的
は、均一な充填密度で圧縮成形型に粉体を充填すること
のできる安価でかつ簡便な方法および装置を提供するこ
とである。
【0010】本発明のさらなる目的は、従来流動性が良
いために見過ごされていた顆粒状粉末や非凝集系の粉末
の充填について、特に大型の粉末製品、圧縮面積の大き
な偏平な形状を有する製品、圧縮面積に対して厚みの大
きな嵩高い形状を有する製品を得るための粉末の充填に
ついて、粉末を均一に充填することのできる方法および
装置を提供することにある。
【0011】本発明のさらなる目的は、大量生産を前提
としたサイクルタイムを短縮できる自動化方法と組合せ
て粉末を均一に充填することのできる方法および装置を
提供することである。
【0012】本発明のさらなる目的は、成形時や焼結時
における割れや欠けなどの欠陥、反りや曲がりなどの変
形、ならびにグリーン体および焼結体での高い応力の残
留などの問題を解決することができ、高歩留りの大量生
産を可能にすることができる粉末充填方法および装置を
提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、流動性の良
好な顆粒、粗粉末ならびに球状粉末を成形型へ均一に充
填するため種々の方法を試みた。その中で、特に粉末の
投入速度および投入量が、均一な充填にどのように影響
するか評価、検討した。その結果、流動性の良い顆粒状
粉末でも、場所による投入速度の不均一および投入量の
不均一が、粉末充填密度の分布に影響を及ぼすことが明
らかになった。これは、既に充填された部分に後から充
填される粉末が衝突し、その運動量、すなわち速度と重
量の積が既に充填された部分の密度を変化させるからで
あると考えられた。したがって、均一な充填密度を実現
するには、場所による投入速度および投入量の不均一を
極力抑えることが重要であり、さらに各部分での粉末の
充填が同時に行なわれることが均一な充填に不可欠な要
素であることが明らかになった。また上述のとおり、初
速度を有する粉末が型の壁面に衝突し跳ね返った場合に
は、壁面近傍に密度の低い部分が生じる可能性が高いた
め、粉末の水平方向の初速度はできるだけ抑制するのが
望ましいことが明らかになった。
【0014】本発明者は、粉末の充填性の研究結果に基
づき、粉末の充填は、型キャビティの開口面積全体に対
して、同じ高さから同じ条件で自由落下させることが基
本であると考えた。メッシュを利用する従来法では、メ
ッシュ位置で粉末が滞留し、そこから振動により粉末が
充填されるため、落下高さの均一性は確保できる。しか
し、メッシュの振動により水平方向のみならず鉛直方向
の速度成分も制御できないため、従来法では、場所と時
間による初速度のばらつきのために密度分布が生じやす
い。また、メッシュの目詰まりや、薄いメッシュの場合
にはメッシュの撓みが生じ、さらにメッシュ上部の粉末
の堆積状態にもばらつきが生じていることは容易に理解
できることである。また、メッシュ位置での滞留のた
め、振動を加えても粉末がメッシュを通過する時間は長
く、充填効率は低下する。
【0015】本発明者は、これらの欠点を熟知した上
で、たとえば流動性の良い粉末を均一に充填したい場
合、次のような条件が望ましいことを見出した。
【0016】(1) 粉末充填のため極力目開きを大き
くした多孔板を用いること。 (2) 用いる多孔板の孔径は充填すべき粉末の平均粒
子径の20倍以上250倍以下であること。
【0017】(3) 多孔板において孔は2次元的に均
等な間隔で配置されていること。 (4) 多孔板を粉末充填用の容器の底に設け、多孔板
の孔を閉じた状態でこの容器に粉末を予め充填してお
き、次いで多孔板の孔を同時にあけることにより多数の
孔から一斉に粉末を型キャビティ内に充填すること。
【0018】本発明者は、以上の点を踏まえ、望ましい
粉末充填方法および充填装置を完成させるに至った。本
発明に従う粉末充填方法は、粉末材料を圧縮成形するた
めの型に充填する方法であって、型のキャビティ開口部
の上方に、充填すべき粉末材料の平均粒径の20倍〜2
50倍の径を有する孔が2次元的にほぼ等間隔に配置さ
れた多孔板を底に有する容器を配置する工程と、多孔板
の孔を別の部材により閉じた状態で該容器に粉末材料を
充填する工程と、別の部材を多孔板に対して相対的に移
動させることにより、多孔板においてキャビティ開口部
に対向するすべての孔をほぼ同時にあけて、該容器に充
填された粉末材料をそれぞれの孔から落下させ、型のキ
ャビティ内に充填する工程とを備えることを特徴とす
る。
【0019】本発明において、該容器をキャビティ開口
部上方に配置する工程と該容器に粉末材料を充填する工
程との順序は任意である。配置工程の後に充填工程を行
なってもよいし、充填工程の後に配置工程を行なっても
よいし、両工程をほぼ同時に行なってもよい。
【0020】本発明による充填方法は、特に充填すべき
深さが均一な型のキャビティへ粉末を充填する場合に有
利である。この場合、該容器内に粉末材料を多孔板に対
してほぼ均一な高さで充填する。すなわち、多孔板を底
に有する容器内において、充填された粉末材料はほぼ均
一な深さである。成形型に粉末を充填するための準備が
できた状態、すなわち成形型が初期の充填深さに達した
状態において、上述したように充填された粉末材料を、
充填すべき深さがほぼ均一な型のキャビティ内にそれぞ
れの孔から落下させる。
【0021】本発明において、該容器に粉末材料を充填
するため、種々の手段により多孔板の孔を閉じることが
できる。たとえば、該容器の多孔板を覆うよう板状体を
設けることにより孔を閉じることができる。この板状体
を速やかに移動させれば、多孔板のそれぞれの孔をほぼ
同時に開いて粉末材料を落下させることができる。また
別の手段として、該容器の多孔板とほぼ同じ配置の孔を
有する別の多孔板を用いてもよい。該容器の多孔板と別
の多孔板とを両者の孔の位置をずらして重ねることによ
り該容器の多孔板の孔を閉じることができる。一方、両
者の孔の位置を一致させるよう別の多孔板を該容器の多
孔板に対して相対的に移動させることにより、該容器の
多孔板の孔を開くことができる。さらに、成形型を構成
する下パンチを該容器の多孔板の孔を閉じるために用い
てもよい。この場合、型において下パンチが上昇した状
態で該容器の多孔板の孔を閉じることができる。そして
下パンチを下降させることにより、粉末材料を充填すべ
きキャビティを構成するとともに、該容器の多孔板の孔
を開いて粉末材料をキャビティ内に落下させることがで
きる。
【0022】本発明において、該容器への粉末の充填に
際し、該容器は、型のキャビティ開口部の上方に予め配
置されていてもよいし、型のキャビティ開口部上方に移
動できる状態で、まず別の場所に配置してもよい。該容
器を移動可能に設ける場合、該容器を型上でスライドさ
せることができる。たとえば、該容器を型のキャビティ
開口部上方に配置する前に、該容器を型を構成する外型
(ダイ)上に配置して多孔板の孔が該外型により閉じら
れた状態にすることができる。この状態で粉末材料を該
容器に充填することができる。次いで、該容器を該外型
上の位置から速やかに移動させてキャビティ開口部の上
方に配置することにより、外型による孔の閉鎖が解除さ
れ、開いたそれぞれの孔から粉末材料をキャビティ内に
落下させることができる。このような方式は、粉末の自
動充填により適している。
【0023】上述したように該容器をスライドさせる方
式の場合、容器に収容される粉末がスライド(平行移
動)時に移動し、容器内の粉末密度に分布あるいは偏析
などが生じ均一性が低下する場合もある。該容器内の粉
末層の不均一は、キャビティに充填される粉末層の密度
分布の原因となり得る。したがって、スライド時に該容
器において粉末層の不均一が生じることを極力抑制する
ことが、充填粉末の均一性をより高める意味で好まし
い。このような観点から、該容器内に仕切りを設け、粉
末をより限られた空間内に閉じ込め、容器内での粉末の
移動を抑制することが好ましい。仕切りを設ければ、少
なくとも容器全域にわたる不均一性を抑制し、不均一が
生じても局所的なものに抑えることができる。
【0024】なお、上述したように、該容器内にも粉末
材料を均一に充填することがより好ましい。したがっ
て、必要であれば、たとえば該容器に充填される粉末に
振動を与えて該容器内に収容される粉末の密度をより均
一にしてもよい。
【0025】多孔板を通過させる粉末充填方法では、僅
かに孔の形状に対応した周期性のある充填密度のゆらぎ
が生じていることが確認される。このようなゆらぎは、
そのままでも成形および焼結工程において欠陥を生じさ
せることはないが、型を急速に移動または振動させるこ
とにより、充填密度のゆらぎは完全に除去されることが
確認された。したがって、より高レベルでの密度の均一
性を求める場合や、充填密度のゆらぎの影響を受けやす
い成形を行なう場合、たとえば充填深さが小さかったり
圧縮面積が小さい場合、粉末材料を型キャビティ内に充
填した後、型を急速に移動させるか振動させて充填性を
より高めることが好ましい。
【0026】さらに本発明は、上述した粉末充填方法を
行なうための装置を提供する。本発明による粉末充填装
置は、圧縮成形のための型のキャビティ開口部上方に配
置され、かつ充填すべき粉末材料の平均粒径の20倍〜
250倍の径を有する孔が2次元的にほぼ等間隔に配置
された多孔板を底に有する容器と、該多孔板の孔を開閉
するための手段とを備える。該手段により該多孔板の孔
を閉じた状態で該容器に粉末材料を充填することができ
る。また該手段により該多孔板においてキャビティ開口
部に対向するすべての孔をほぼ同時にあけて該容器に充
填された粉末材料をそれぞれの孔から落下させることが
できる。
【0027】本発明によるさらなる粉末充填装置は、圧
縮成形のための型上をスライドすることができるよう設
けられ、かつ充填すべき粉末材料の平均粒径の20倍〜
250倍の径を有する孔が2次元的にほぼ等間隔に配置
された多孔板を底に有する容器を備え、該容器が型を構
成する外型上にあるとき、外型により多孔板の孔が閉じ
られた状態となって粉末材料を該容器内に充填すること
ができ、該容器が外型上の位置から型のキャビティ開口
部の上方にまでスライドしたとき、それぞれの孔が開い
た状態となって容器内に充填された粉末材料をキャビテ
ィ内に落下させることができることを特徴とする。
【0028】該容器をスライドさせる装置の場合、容器
のスライド動作によって容器内に充填された粉末材料が
移動するのを抑制するため、該容器内の限定された空間
内に粉末材料を留めておく仕切りが設けられることが好
ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明は、粉体の圧縮成形工程を
伴う粉末製品の製造に適用される。粉体の圧縮成形工程
には、粉体のプレス成形やCIP成形などのように一般
に冷間あるいは温間で粉体に圧縮圧力を作用させて成形
を行なう工程、HIP成形やプラズマ放電焼結などのよ
うに熱間にて粉体に圧縮圧力を作用させ成形を行ない、
場合によっては焼結も行なう工程等が含まれる。成形に
用いられる型には、金属製のいわゆる金型が代表的なも
のとして含まれるが、ゴム製の型や樹脂製の型等他の型
も含まれる。
【0030】充填する粉末材料として、金属粉末、セラ
ミックス粉末に限らず、あらゆる種類の粉末が対象とな
る。圧縮成形による粉末の変形が少ないセラミックスの
ような硬質粉末は、本発明の効果を最も顕著に奏し得る
ものである。また、一般に流動性が良好であると考えら
れる球形に造粒された粉末、顆粒粉末、球状に近い粉末
は、本発明の効果を顕著に奏し得るものであるが、本発
明の基本的な原理はその他の一般的な粉末にも適用でき
る。
【0031】以下、図を参照して本発明をより詳細に説
明する。図1は、本発明の充填方法に用いる装置の一具
体例を示す。粉体の圧縮成形のための型は、図に示すよ
うなダイ1、下パンチ2および上パンチ(図示せず)等
からなる。ダイ1と下パンチ2とから粉体を充填するた
めのキャビティ10が構成される。この型の上方には、
粉末を供給するためのホッパー3および粉末ボックス4
が設けられる。粉末ボックス4は型上方を矢印Bの方向
にスライド可能に設けられており、粉末材料5は、ホッ
パー3から通路11を介して粉末ボックス4に供給され
る。型のキャビティ10の開口部直上には、多孔板7を
底に有する粉末充填用容器6が配置される。容器6の多
孔板7は、ほぼ水平に設けられている。多孔板7の下に
はシャッタ板8が矢印Aの方向に移動可能に設けられて
いる。シャッタ板8が多孔板7の下に配置され、その孔
がシャッタ板8によって塞がれたとき、粉末ボックス4
はガイド9上をスライドして粉末充填用容器6の直上ま
で移動し、容器6に粉末材料5が供給される。粉末材料
5が必要な量だけ容器6に充填されたら、粉末ボックス
4はスライドし、容器6への粉末材料5の供給が停止さ
れる。図は、粉末材料が充填された後、粉末ボックス4
が戻っていく状態を示している。
【0032】粉末充填用容器6の底に設けられた多孔板
7の孔径は、充填すべき粉末の平均粒子径の20倍〜2
50倍である。ここで粉末の平均粒子径とは、実際に充
填する粉末の平均粒径であり、造粒した粉末を充填する
のであれば、造粒粉末の平均粒径を指す。多孔板のそれ
ぞれの孔径が粉末の平均粒子径の20倍未満であると、
孔径が粒子径に接近するために孔の目詰まりが起こりや
すく、粉末の充填が阻害され、充填速度が極度に低下す
る。一方、平均粒径に対して孔径が大き過ぎると、容器
に充填された粉末のばらつきが型に充填される粉末の均
一性にそのまま影響を及ぼすため、多孔板の孔径は平均
粒径の250倍以下とすることが必要である。さらに多
孔板の孔径は、型キャビティ開口部の幅または短径の2
0分の1以下が特に効果的である。キャビティ開口部の
幅または短径の20分の1以下の孔であれば、キャビテ
ィ開口面積に対して十分に高い密度で孔を有する多孔板
を提供することができる。
【0033】孔の形状は円形が最も一般的であるが、そ
れに限定されるものではなく、たとえば多角形状でもよ
い。多孔板において孔は2次元的にほぼ等間隔に配置さ
れている。ほぼ等間隔とは、多孔板において隣り合う孔
同士の代表的な間隔がほぼ同一であることを意味してい
る。孔の配列は、たとえば図2に示すように縦横が揃っ
た状態とすることができる。図2に示す多孔板7におい
て、粉末充填用孔7aは、縦列および横列とも間隔dで
規則的に配置されている。孔の配列は図2に示すものに
限定されるわけではなく、たとえば千鳥状の配列等であ
ってもよい。いずれにせよ、孔がほぼ規則的にまたはほ
ぼ均一に配列されており、配列された孔同士の代表的な
間隔が同一であればよい。孔の間隔はできるだけ小さい
方が、より多くの孔を設けて充填速度を大きくするとい
う意味において好ましい。孔の間隔は、たとえば充填す
べき粉末材料の平均粒径の250倍以下、さらに好まし
くはキャビティ開口部の幅または短径の20分の1以下
とすることができる。多孔板として、一般にパンチング
プレートと呼ばれる鋼板やアルミ板を打ち抜いた板は、
規格品も多く安価であるため好ましい。ここで多孔板と
して板状であることを強調したのは、金網のように薄い
ものを粉末充填用容器の底に設けると、撓みを生じ、容
器に収容される粉末の状態が孔の場所によって変化して
くる。このため、粉末充填において面内の均一性が損な
われてくる。したがって、多孔板は撓み量が少ないもの
が好ましく、たとえば撓み量がキャビティ開口部の長さ
または長径の1%以下になるような剛性を有するものが
好ましい。
【0034】図3に、粉末充填用容器6から粉末材料5
を充填する工程を示す。まず、図3(a)に示すよう
に、キャビティ10開口部の上方に配置された粉末充填
用容器6に粉末材料5が充填される。多孔板7の孔は、
その下に配置されているシャッタ板8により閉じられて
いる。シャッタ板8の形状は、多孔板7の孔を必要に応
じて速やかに開閉することができるものであれば任意の
ものとすることができる。たとえば、図4に示すよう
に、孔のない板をシャッタ板として用いることができ
る。図4(a)に示すように、多孔板17の下にシャッ
タ板18を設けて孔を閉じた状態にすることができる。
次いで矢印の方向にシャッタ板18を速やかに移動すれ
ば、図4(b)に示すように、シャッタ板18は多孔板
17から離れた位置に配置され、多孔板17の孔はあい
た状態になる。また図5に示すように、粉末充填用容器
の底に設けられる多孔板とほぼ同じピッチで孔が配置さ
れた別の多孔板をシャッタ板として用いてもよい。図5
(a)に示すように、容器の底に設けられる多孔板27
と、それとほぼ同じ配置の孔を有する別の多孔板28と
を、孔の位置をずらして重ねることにより多孔板27の
孔を閉じることができる。次いで矢印の方向に別の多孔
板28を速やかに移動させれば、図5(b)に示すよう
に両者の孔の位置が重なり、容器の底に設けられる多孔
板27の孔を開いた状態にすることができる。
【0035】図3では、上述したシャッタ板のうち孔の
ないシャッタ板を用いた例を示すものである。図3
(a)に示すように、粉末材料5は、容器6にほぼ均一
に充填することが好ましい。容器6への充填は、均一に
充填を行なうため従来から行なわれている種々の方法を
用いてもよい。たとえば、容器6に粉末材料5をより均
一に充填するため、粉末に振動を与えてもよい。
【0036】図3(a)に示すように、型において平ら
な圧縮面を有する下パンチ2が所定の位置にセットさ
れ、開口部全面にわたって充填に必要な深さが一定であ
るキャビティ10が構成されている場合、容器6に充填
される粉末材料5の高さも一定にすることが望ましい。
すなわち、多孔板7は水平に配置され、容器6に充填さ
れる粉末材料5の表面も平らであり、粉末材料5の深さ
は一定であることが好ましい。このような状態からシャ
ッタ板8を移動させて多孔板7の孔を開けば、それぞれ
の孔を介して粉末材料は一定の高さから一定の量でキャ
ビティ10内に落下することができ、粉末の充填密度を
より均一にすることができる。このようにキャビティ開
口部全面にわたって粉末の落下条件がほぼ一定であれ
ば、充填粉末の均一性について顕著な効果が得られる。
【0037】図3(a)の矢印の方向にシャッタ板8を
急速に移動させることにより、多孔板7のすべての孔か
らほぼ同時に粉末材料5が落下し、充填が開始される。
ここで同時性が重要であるのは、粉末の充填開始時期の
ずれがキャビティ10における粉末充填密度の分布の原
因となるからである。キャビティ開口部全面において最
も早い粉末開始時期と最も遅い粉末開始時期の差は、全
粉末をキャビティ内に充填するのにかかる時間の20分
の1以下であることが好ましい。図3(b)は、キャビ
ティ10内に粉末材料5が充填されている様子を示して
いる。粉末材料5は、多孔板7のそれぞれの孔から落下
し、キャビティ10内に均一に充填されていく。図3
(c)は、粉末材料5の充填が完了した状態を示してい
る。キャビティ10内には、粉末材料5がほぼ均一な密
度で充填される。
【0038】図3(c)に示すように粉末材料5の充填
が完了した段階で、容器6を移動させ、型の上パンチ
(図示せず)を下降させて圧縮成形を行なうことができ
る。一方、充填が完了した後、圧縮成形を行なう前に型
を急速に移動または振動させてもよい。多孔板を経由し
て粉末を充填した場合、各孔から投入された粉末の堆積
物において中心と周辺とで極めて僅かな密度の差が確認
されており、この僅かな差を僅かな振動によってなくす
ことができる。たとえば、ダイ1や下パンチ2に衝撃を
加えたり、下パンチを急速に動作させることによって粉
末の充填性をより高めることができる。またダイ1や下
パンチ2に振動を与えてもよい。多孔板に起因する密度
分布は局所的なものであり、したがって僅かな振動で密
度分布が大幅に解消される。
【0039】上述の例ではシャッタ板により多孔板の孔
を閉じたが、孔を閉じるために型の下パンチを用いても
よい。図6はその一具体例を示している。図6(a)に
示すように、ダイ11、下パンチ12および上パンチ
(図示せず)等からなる型において、下パンチ12を上
昇させることができる。型の上方に設けられた粉末充填
用容器16の多孔板17に下パンチ12を重ねれば、多
孔板の孔は閉じられる。この状態で、容器16に粉末材
料15が充填される。次いで、図6(b)に示すよう
に、下パンチ12を下降させ、粉末充填のためのキャビ
ティ20を構成すれば、多孔板17の孔が一斉に開いた
状態にすることができ、粉末材料15は落下してキャビ
ティ20内に充填される。
【0040】図7は、図1に示す粉末ボックスに粉末充
填用容器の機能を兼ねさせた一例を示している。ダイ
(外型)31、下パンチ32および上パンチ(図示せ
ず)等からなる型に対して、粉末を供給するためのホッ
パー33および粉末供給容器34が設けられる。粉末供
給容器34は、図に矢印で示す水平方向にダイ31上を
スライドすることができる。また粉末容器34の底には
多孔板37が設けられている。多孔板の孔は、上述した
とおり充填すべき粉末の平均粒径の20倍〜250倍の
孔径を有し、さらに望ましくは型キャビティの幅または
短径の20分の1以下の孔径を有する。上述したように
多孔板は撓み量が小さいものが好ましい。また多孔板3
7の厚みは、特に大きく設定することができる。多孔板
37を厚くすると、各孔の中で粉末が拘束され、容器3
4のスライド時においても容器34に充填された粉末の
水平方向におけるずれが抑制される。多孔板の厚みは一
般に孔径の1/10〜10/10程度とすることができ
るが、このように水平方向における粉末のずれを抑制し
たい場合、その厚みを孔径の数倍程度とすることもでき
る。また、多孔板は必ずしも一体のものである必要はな
く、多くの部品を組立て多孔状の構造を形成してもよ
い。いずれにせよ、粉末供給容器34の底に位置し、多
数の孔を有し、粉末のキャビティ内への供給を直接的に
コントロールできる機能を有するものであればよい。
【0041】粉末供給容器34をダイ31上に配置する
ことにより、多孔板37の孔をダイ31によって塞ぐこ
とができる。この状態で、ホッパー33から粉末材料3
5を供給し、容器34に粉末材料35を充填する。次い
で、粉末供給容器34をダイ31上で平行移動(スライ
ド)させ、キャビティ40開口部の直上にまで速やかに
移動させる。図7は、この急速な移動の途中を示してい
る。
【0042】粉末供給容器34がキャビティ40上に急
速に移動させられると、多孔板37のすべての孔からほ
ぼ同時に粉末材料35が落下し、充填が開始される。こ
こで同時性が重要であるのは、粉末充填開始時期のずれ
がキャビティ内に充填される粉末の密度にばらつきを生
じさせる原因となるからである。キャビティ開口部全面
における粉末開始時期の差が全粉末充填時間の20分の
1以下となるように、高いスピードで容器34をスライ
ドさせることが好ましい。このように型上をスライドす
る容器に多孔板を設けることによって、粉末供給の自動
化により適したシンプルな構造の装置を提供することが
できる。
【0043】上述のようなスライド式の自動充填方式を
採用した場合、容器に充填される粉末層内部での密度分
布あるいは偏析などによる均一性の低下を克服するた
め、図8に示すような仕切り板をスライド容器内に設け
ることが好ましい。底に多孔板47を有する粉末供給容
器44において、その中には複数の仕切り板50が設け
られている。容器44に充填された粉末材料45は、仕
切り板50によって限定された空間に閉じ込められ、容
器44がスライドしてもその方向にずれることが抑制さ
れる。図に示すように、一般的には容器の移動方向と直
交する方向に仕切り板を配置することにより、容器内で
の粉末の移動が抑制され、少なくとも容器全域にわたる
不均一性が防止され、不均一が生じたとしても局所的な
ものに抑えることができる。粉末の移動を抑える効果
は、仕切り板同士の間隔をできるだけ小さくすることに
よって向上させることができる。たとえば多孔板の孔径
の1〜10倍、望ましくは1〜5倍、より好ましくは1
〜3倍程度の間隔で仕切り板を設け、容器に充填された
粉末の均一性を保持することができる。また、仕切り板
を容器のスライド方向にも配置することにより、粉末の
均一性をより安定に維持できることが期待される。たと
えば、図9に示すように、容器54内において仕切り板
60を格子状に設けることができる。
【0044】容器内での粉末の移動を抑制するため、必
ずしも板状の仕切りを用いなくてもよい。粉末を容器内
の限定された空間に閉じ込めておくものであれば、どの
ような構造の仕切りでもよく、たとえば孔のあいたブロ
ックを容器内に配置してもよい。このような観点から、
容器底部に設けられる多孔板の厚みが大きくなれば、粉
末は各孔に閉じ込められてその移動が制限されるため、
仕切り板を設けるのと同様の効果を発揮させることがで
きる。
【0045】図7に示す装置においても、キャビティ4
0内に粉末を充填した後、そのまま圧縮成形を開始して
もよいし、型を急速に移動または振動させる動作の後、
圧縮成形を開始してもよい。
【0046】
【実施例】
実施例1 造粒粒子の平均径が40ミクロンのアルミナ粉末を用い
て、以下に示すような手順により長さ300mm、幅1
20mm、厚さ7mmの直方体のアルミナ製グリーン体
をプレス成形によって得た。成形型の開口部は300m
m×120mmであった。図1に示すような装置により
粉末を充填し圧縮成形を行なった。まず本発明例とし
て、孔径が3mmで多孔間隔が3mmの多孔板を底に有
する容器を型キャビティの開口部直上に水平に配置し
た。多孔板に孔のない板を重ねて配置することにより、
孔を閉じた状態で容器内に10mmの深さで粉末を充填
した。次に孔のない板を高速で取除き、多孔板のそれぞ
れの孔からほぼ同時に型キャビティ内に粉末を落下させ
た。型キャビティ内への粉末の充填が完了した後、70
0kg/cm2 の圧力でプレス成形を行ない、グリーン
体を得た。
【0047】さらに、上記多孔板(孔径:3mm、多孔
間隔:3mm)と開孔面積が等しくなるように多孔間隔
が設定された、孔径が0.7mmの多孔板(比較例)、
9mmの多孔板(本発明例)、15mmの多孔板(比較
例)をそれぞれ用いて同様にグリーン体を得た。さらに
従来例として、粉末充填用容器を用いずに粉末ボックス
を型の直上に配置し、粉末ボックスから直接キャビティ
内に粉末を充填した。粉末ボックスはキャビティ開口の
幅方向に移動させた。また、粉末ボックスの底に目開き
が0.5mm、3mmのメッシュをそれぞれ設け、メッ
シュを介してキャビティ内に粉末を充填させる従来法も
行なった。目開きが0.5mmのメッシュを用いた場合
については、60Hzの振動を与える場合と、振動を与
えない場合の2通りで充填を行なった。いずれも充填を
行なった後、700kg/cm2の圧力でプレス成形を
行ない、グリーン体を得た。
【0048】さらに、孔径3mmの多孔板を用いた場合
において、粉末の充填直後にプレス金型の下パンチを2
mm/sで急速に上昇させ微動させた後、同様にプレス
成形を行なってグリーン体を得た。
【0049】それぞれ得られたグリーン体についてX線
透過法による密度分布の測定を行なった。X線の減衰量
の標準偏差を平均値で割った変動係数により、粉末充填
時の充填面内のばらつきを評価した。得られた成形体に
ついて、粉末充填にかかった時間とグリーン体のX線密
度の測定結果を表1に示す。表1において変動係数が小
さいほど粉末が均一に充填されたことを示唆している。
表に示すとおり、孔径3mmの多孔板を用いた場合、比
較的短い時間で均一な充填が行なわれたことがわかる。
孔径を0.7mmと小さくすると、粉末充填時間がかな
り長くなった。孔径を9mmに上昇させると充填時間は
短くなるものの充填の均一性はほとんど損なわれなかっ
た。孔径を15mmにさらに大きくすると、均一性が損
なわれている。粉末ボックスから直接粉末を充填した場
合充填の均一性は低かった。一方0.5mmのメッシュ
を介する場合、粉末充填のためにかなりの時間がかかっ
た。0.5mmメッシュに振動を付与すると充填時間は
短くなるが、均一性が損なわれてくる。メッシュを3m
mに上げると、充填時間は短くなるが均一性が損なわれ
てくる。孔径3mmの多孔板を介して充填を行なった
後、下パンチを微動させて充填性を向上させると、均一
性がさらに向上した。
【0050】
【表1】
【0051】実施例2 造粒粒子の平均径が40ミクロンのアルミナ粉末を用い
て、長さ120mm、幅57mm、厚さ27mmの直方
体のアルミナ製グリーン体を以下に示すようにして得
た。粉末の充填には図7に示すような装置を用いた。型
の開口は、120mm×57mmであった。本発明例と
して、孔径が3mmで多孔間隔が3mmの多孔板を底に
有する粉末供給容器を用いた。粉末供給容器を型上のキ
ャビティから外れた部位において、ダイ(外型)により
孔を塞いだ状態で容器に予め粉末を充填した。充填深さ
を56mmとしたキャビティの幅方向に粉末を充填した
容器を高速でスライドさせることにより、多孔板のそれ
ぞれの孔からほぼ同時に粉末を落下させた。キャビティ
内への粉末の充填が完了した後、700kg/cm2
圧力でプレス成形を行ない、グリーン体を得た。
【0052】さらに、上記多孔板(孔径:3mm、多孔
間隔:3mm)と開孔面積が等しくなるように多孔間隔
が設定された、孔径が0.7mmの多孔板(比較例)、
孔径が9mmの多孔板(本発明例)、孔径が15mmの
多孔板(比較例)をそれぞれ用いて、同様に充填、成形
を行ない、グリーン体を得た。さらに従来例として、底
に多孔板を有しない粉末供給容器を用いて、容器をキャ
ビティの幅方向に移動させて粉末を充填し、プレス成形
を行なった。いずれの場合も700kg/cm 2 の圧力
でプレス成形を行ないグリーン体を得た。
【0053】また、孔径3mmの多孔板を用いた場合に
おいて、図8に示すような仕切り板を容器内に設け、同
様に充填、成形を行なった。
【0054】さらに、孔径3mmの多孔板を用いた場合
において、充填直後にプレス金型の下パンチを2mm/
sで急速に上下させて微動させ、充填性を高めた。その
後同様に成形を行なってグリーン体を得た。
【0055】得られたグリーン体についてX線透過法に
よる密度分布の測定を行なった。X線の減衰量の標準偏
差を平均値で割った変動係数により、粉末充填時の充填
面内のばらつきを評価した。得られた成形体についての
粉末充填時間と密度の測定結果を表2に示す。表2に示
すとおり、孔径3mmの多孔板を用いた場合、充填時間
が短く、密度分布も比較的低く抑えられた。孔径0.7
mmの多孔板を用いた場合、充填時間が長くなった。孔
径9mmの多孔板を用いた場合、充填の均一性はほとん
ど損なわれなかった。孔径15mmの多孔板を用いた場
合、均一性が悪くなった。粉末ボックスを高速で移動さ
せて直接キャビティ内に粉末を充填した場合、均一性が
顕著に悪かった。一方、孔径3mmの多孔板と仕切り板
を組合せた場合、均一性がかなり向上した。また孔径3
mmの多孔板を用いて充填を行なった後下パンチを微動
させれば均一性はさらに向上した。
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】本発明により、より簡便な方法およびシ
ンプルな装置によって成形型に粉末を均一に充填できる
ようになった。特に本発明は、偏平な形状において平面
内の密度均一性を向上させることができる。
【0058】また、従来流動性が良いため充填性も良い
と考えられてきた造粒粉末や球状粉末について、その効
果は顕著であり、充填密度の均一性を向上させることが
できる。
【0059】本発明により充填した後、圧縮成形して得
られる製品は、欠陥が少なく、寸法精度も高いものであ
る。したがって本発明は、材料の歩留りの向上、生産能
率の向上など工業的にも大きな効果をもたらし得るもの
である。
【0060】さらに本発明は、一連の充填、成形工程に
おいて粉末の自動供給に適した方法および装置を提供す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】下パンチ引上げ方式の型を用いた場合の本発明
の一具体例を示す模式図である。
【図2】本発明に用いる多孔板の一具体例を示す部分平
面図である。
【図3】本発明による充填工程の一具体例を示す模式図
である。
【図4】本発明に用いるシャッタ板の一具体例を示す部
分平面図である。
【図5】本発明に用いるシャッタ板のもう1つの具体例
を示す部分平面図である。
【図6】下パンチにより多孔板の孔を閉じる一具体例を
示す模式図である。
【図7】本発明のさらなる具体例を示す模式図である。
【図8】粉末供給容器内に設けられる仕切り板の一具体
例を示す模式図である。
【図9】仕切りの他の具体例を示す模式図である。
【符号の説明】
1、11、31 ダイ 2、12、32 下パンチ 3、33 ホッパー 4 粉末ボックス 5、15、35、45 粉末材料 6、16 粉末充填用容器 7、17、27、37、47 多孔板 8、18、28 シャッタ板 9 ガイド 10、20、40 キャビティ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末材料を圧縮成形するための型に充填
    する方法であって、 前記型のキャビティ開口部の上方に、充填すべき粉末材
    料の平均粒径の20倍〜250倍の径を有する孔が2次
    元的にほぼ等間隔に配置された多孔板を底に有する容器
    を配置する工程と、 前記多孔板の孔を別の部材により閉じた状態で前記容器
    に粉末材料を充填する工程と、 前記別の部材を前記多孔板に対して相対的に移動させる
    ことにより、前記多孔板において前記キャビティ開口部
    に対向するすべての孔をほぼ同時にあけて、前記容器に
    充填された粉末材料を、それぞれの前記孔から落下さ
    せ、前記型のキャビティ内に充填する工程とを備えるこ
    とを特徴とする、粉末充填方法。
  2. 【請求項2】 前記容器内に前記粉末材料を前記多孔板
    に対してほぼ均一な高さで充填し、 そのように充填された前記粉末材料を、充填すべき深さ
    がほぼ均一な前記型のキャビティ内にそれぞれの前記孔
    から落下させることを特徴とする、請求項1に記載の粉
    末充填方法。
  3. 【請求項3】 前記別の部材が、前記容器の多孔板を覆
    う板状体であり、 前記板状体を速やかに移動させることにより、前記多孔
    板のそれぞれの孔がほぼ同時に開くことを特徴とする、
    請求項1または2に記載の粉末充填方法。
  4. 【請求項4】 前記別の部材が、前記容器の多孔板とほ
    ぼ同じ配置の孔を有する多孔板であり、 前記容器の多孔板と前記別の部材の多孔板とを両者の孔
    の位置をずらして重ねることにより前記容器の多孔板の
    孔を閉じ、両者の孔の位置を一致させるよう前記別の部
    材を相対的に移動させることにより、前記容器の多孔板
    の孔を開くことを特徴とする、請求項1または2に記載
    の粉末充填方法。
  5. 【請求項5】 前記別の部材が、前記型を構成する下パ
    ンチであり、 前記下パンチが上昇した状態で前記容器の多孔板の孔を
    閉じ、 前記下パンチを下降させることにより、前記粉末材料を
    充填すべきキャビティを構成するとともに、前記多孔板
    の孔を開いて前記キャビティ内に前記粉末材料を落下さ
    せることを特徴とする、請求項1または2に記載の粉末
    充填方法。
  6. 【請求項6】 前記容器を前記型のキャビティ開口部上
    方に配置する前に、前記容器を前記型を構成する外型上
    に配置して前記多孔板の孔が前記外型により閉じられた
    状態で前記粉末材料を前記容器に充填し、 次いで前記容器を前記外型上の位置から速やかに移動さ
    せて前記キャビティ開口部の上方に配置することによ
    り、それぞれの前記孔を開いた状態にし、前記孔から前
    記粉末材料を前記キャビティ内に落下させることを特徴
    とする、請求項1または2に記載の粉末充填方法。
  7. 【請求項7】 前記粉末材料を前記型のキャビティ内に
    充填した後、前記型を振動させるかまたは急速に移動さ
    せて充填性をより高める工程をさらに備えることを特徴
    とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の粉末充填
    方法。
  8. 【請求項8】 粉末材料を圧縮成形するための型に充填
    する装置であって、 前記型のキャビティ開口部の上方に配置され、かつ充填
    すべき粉末材料の平均粒径の20倍〜250倍の径を有
    する孔が2次元的にほぼ等間隔に配置された多孔板を底
    に有する容器と、 前記多孔板の孔を開閉するための手段とを備え、 前記手段により前記多孔板の孔を閉じた状態で前記容器
    に粉末材料を充填することができ、 前記手段により前記多孔板において前記キャビティ開口
    部に対向するすべての孔をほぼ同時にあけて、前記容器
    に充填された粉末材料をそれぞれの前記孔から落下させ
    ることができることを特徴とする、粉末充填装置。
  9. 【請求項9】 粉末材料を圧縮成形するための型に充填
    する装置であって、 前記型の上をスライドすることができるよう設けられ、
    かつ充填すべき粉末材料の平均粒径の20倍〜250倍
    の径を有する孔が2次元的にほぼ等間隔に配置された多
    孔板を底に有する容器を備え、 前記容器が前記型を構成する外型上にあるとき、前記外
    型により前記多孔板の孔が閉じられた状態となって粉末
    材料を前記容器内に充填することができ、 前記容器が前記外型上の位置から前記型のキャビティ開
    口部の上方にまでスライドしたとき、それぞれの前記孔
    が開いた状態となって前記容器内に充填された粉末材料
    を前記キャビティ内に落下させることができることを特
    徴とする、粉末充填装置。
  10. 【請求項10】 前記容器のスライド動作によって前記
    容器内に充填された粉末材料が移動するのを抑制するた
    め、前記容器内の限定された空間内に前記粉末材料を留
    めておく仕切りが設けられていることを特徴とする、請
    求項9に記載の粉末充填装置。
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