JP4234846B2 - 複合圧電体及び角柱状圧電セラミック焼結体 - Google Patents

複合圧電体及び角柱状圧電セラミック焼結体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波センサなどに用いられる複合圧電体、及び複合圧電体を構成する角柱状圧電セラミック焼結体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
チタン酸ジルコン酸鉛(以下、PZTという)などの圧電性物質からなる複数個の角柱あるいは円柱状の圧電セラミック焼結体を樹脂に埋め込んで、そして圧電セラミック焼結体を分極させて製造した複合圧電体(1−3型複合圧電体)が知られている。この複合圧電体は、従来より広く用いられている板状の圧電セラミック焼結体からなる板状圧電体と比較して電気機械結合係数が高く、また複合圧電体中の圧電セラミック焼結体の体積比率(占有率)、圧電セラミック焼結体の直径または底面の縦及び横の長さに対するその高さの比(高さ/直径または縦及び横の長さ:以下、アスペクト比という)などを変えることにより、従来の圧電振動子では難しいとされている誘電率、音響インピーダンスなどを容易に選択することができるなどの利点があり、従来の圧電振動子に代わる新しい圧電材料として研究されている。
【0003】
上記の複合圧電体から発せられる超音波の周波数は、例えば、厚さ方向の振動を利用する場合、複合圧電体の厚み、すなわち角柱状セラミック焼結体の長さ(高さ)に依存する。また、一般に特性上、圧電セラミック焼結体のアスペクト比は、2〜10の範囲内にあることが好ましいとされている。例えば、PZTからなる角柱状セラミック焼結体を樹脂に埋め込んだ複合圧電体で、1.5MHzの超音波を発するには、複合圧電体の厚み(圧電セラミックの高さ)は約1mmであり、底面の縦及び横の長さがいずれも、0.1〜0.5mmの範囲にある必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の複合圧電体を製造する方法には、押出し成形により柱状に成形した圧電セラミック成形体を焼成して得た柱状圧電セラミック焼結体を、一定の間隔を開けて並立させて、その間や全体の周囲を硬化型樹脂で満たし、樹脂が硬化した後、角柱あるいは円柱状の圧電セラミック焼結体の長さ方向に垂直に切断して、圧電セラミック焼結体を分極させて製造する方法、あるいはシリコンなどのウエハー作製用のマルチブレードのウエハーリングソーを使って圧電セラミック焼結体に網目状に切り込み(ダイシング)を入れて、切断溝に樹脂を充填して、樹脂が固まった後、切断溝に対して垂直に切断して、圧電セラミック焼結体を分極させて製造する方法(ダイス&フィル法)などが広く知られている。しかし、これらの製造方法では、複合圧電体の製造コストが高くなるという問題がある。
【0005】
本発明者は、角柱成形用金型に圧電セラミック粉末を充填し、パンチを押し付けて成形(プレス成形)した圧電セラミック角柱成形体を焼成して得た角柱状圧電セラミック焼結体を用いることで、複合圧電体を安価に製造することができることに気が付き、角柱状圧電セラミック焼結体を用いて複合圧電体を製造したところ、プレス成形により成形した圧電セラミック角柱成形体を焼成して得た角柱状圧電セラミック焼結体は、プレス成形の際に、パンチを押し付けた面に相対する面を内側にして、歪んだり、反り曲がったものが多く発生し、特に、底面の縦及び横の長さがいずれも2mm以下であって、アスペクト比が5以上の圧電セラミック角柱成形体を焼成した場合には、歪んだり反り曲がった角柱状圧電セラミック焼結体の発生が多くなることが分かった。
【0006】
このような問題に対して、あらかじめ所望の大きさよりも大きめに成形した圧電セラミック角柱成形体を焼成し、所望の大きさに研磨して歪みや反り曲がりを小さくしたり、板状に成形した圧電セラミック板を焼成した板状圧電セラミック焼結体を角柱状に切断して製造した角柱状圧電セラミック焼結体を用いて複合圧電体を製造する方法などが考えられる。しかし、この場合では、研磨、切断工程が必要となるため角柱状圧電セラミック焼結体の製造コストが高くなるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、その目的は、工業的に容易に、かつ安価で生産することができる複合圧電体を提供することにある。すなわち、本発明は、歪んだり反り曲りの少ない角柱状圧電セラミック焼結体を提供することをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、圧電セラミック角柱成形体を成形する際にパンチを押し付けた面(以下、接触面という)が上になるように、すなわち、接触面に相対する面が台に接するように、圧電セラミック角柱成形体を台の上に置いて、加熱炉で焼成することにより歪んだり反り曲がった角柱状圧電セラミック焼結体の発生が高い確率で低減することを見出した。
【0009】
従って、本発明は、角柱側面となる面で開口した角柱成形用金型に圧電セラミック粉末を充填し、該開口部にパンチを押し付けて成形した圧電セラミック角柱成形体を、パンチに接した面が上になるように選択して台の上に置いて加熱炉で焼成して得た角柱状圧電セラミック焼結体を複数個、それぞれ間隔を開けて並立させた状態で樹脂中に固定し、次いで、分極させることにより製造したものであることを特徴とする複合圧電体にある。
【0010】
さらに本発明は、角柱側面となる面で開口した角柱成形用金型に圧電セラミック粉末を充填し、該開口部にパンチを押し付けて成形した圧電セラミック角柱成形体を焼成して角柱状圧電セラミック焼結体を製造するに際して、パンチに接した面が上になるように選択して台の上に置いて加熱炉で焼成して得たものであることを特徴とする角柱状圧電セラミック焼結体にもある。
【0011】
圧電セラミック角柱成形体の接触面が上になるように、台の上に置いて加熱炉で焼成することにより、歪んだり反り曲がった角柱状圧電セラミック焼結体の発生が高い確率で低減する理由について、図を参照しながら説明する。
【0012】
図4に、圧電セラミック粉末を充填した角柱成形用金型の開口部にパンチを押し付けた時の圧力分布を概略的に表した状態図を示す。「セラミック製造プロセスII」素木洋一著、技報堂出版(株)pp.87-90に記載されているように、金型33に充填された圧電セラミック粉末31は、パンチ32によって矢印Y方向に押し付けられると流動するが、均一にはY方向に流動しないことが知られている。これは、圧電セラミック粉末の粒径、粉末の形状などの違いによる各々の圧電セラミック粉末の流動性の違い、及び圧電セラミック粉末31と金型33の内壁33a、33bとの摩擦抵抗による力(矢印Wa、Wb)が圧電セラミック粉末31に加わることなどによるものである。パンチ32によって、圧電セラミック粉末31が押し付けられると、圧電セラミック粉末31の上部の角部(図中A)では、圧電セラミック粉末が摩擦抵抗によりY方向に流動しないで、この層に圧電セラミック粉末が圧着する。そして、さらにパンチ32が圧電セラミック粉末31を押し付けると、Y方向とWa、Wb方向との合成方向(Va方向、Vb方向)の合致した点にT方向の力がかかるようになり、その合致した点の部分(図中B)が高圧を受けて緻密になる。また、圧電セラミック粉体の流動の少ない圧電セラミック粉末31の下部の角部(図中C)は、緻密化の程度が小さくなる。
【0013】
図5に、プレス成形により成形した圧電セラミック角柱成形体の密度のばらつきを概略的に表した圧電セラミック角柱成形体の斜視図を示す。圧電セラミック角柱成形体34の上面が成形時にパンチに押し付けられた面(接触面)である。上述した理由から圧電セラミック角柱成形体34の密度は、中央より下の部分(図中B’)が最も高く、接触面側の角部(図中A’)が次に高く、接触面に相対する面側の角部(図中C’)が最も低くなる。
【0014】
図6に、図5に示した圧電セラミック角柱成形体が焼成時に反り曲がる状態を模式的に表した圧電セラミック角柱成形体の側面図を示す。図6(a)は、圧電セラミック角柱成形体34aの接触面が下になるように台36に置いて焼成し、図6(b)は、圧電セラミック角柱成形体34bの接触面が上になるように台36に置いて焼成した状態を示したものである。一般に、圧電セラミック角柱成形体は、焼成により接し合う圧電セラミック粉末同士が空隙を埋めるように焼結する。すなわち、圧電セラミック角柱成形体は、焼成により密度の低い部分(接触面に相対する面側の角部)が大きく収縮する。従って、図6(a)に示すように、圧電セラミック角柱成形体34aを焼成した場合には、接触面に相対する面側の角部(図中C’)は矢印方向に収縮し、得られる角柱状圧電セラミック焼結体の反り曲がりが大きくなる。一方、図6(b)に示すように、圧電セラミック角柱成形体34bの接触面に相対する面側の角部(図中C’)を台36と接触させて焼成した場合には、その角部と台との接点37が圧電セラミック角柱成形体の収縮に対して抵抗になるので収縮が小さくなり、得られる角柱状圧電セラミック焼結体の反り曲がりが小さくなる。以上の理由により、圧電セラミック角柱成形体の接触面が上になるように選択的に、台の上に置いて加熱炉に設置して焼成することにより、歪んだり反り曲がった角柱状圧電セラミック焼結体の発生が高い確率で低減させることができると考えられる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の複合圧電体の一例の斜視図を、図2に本発明の複合圧電体に用いられる角柱状圧電セラミック焼結体の側面図を示す。複合圧電体10は、角柱状の圧電セラミック焼結体11と樹脂相12とからなる複合体13の上下平坦面に金属からなる電極14を形成したものである。圧電セラミック焼結体11は、それぞれが一定の間隔を空けて並立しており、その間隔を調整することにより、複合体13中の圧電セラミック焼結体11の体積率を調整することができる。複合体中の全ての圧電セラミック焼結体11は、図2に示すように、その接触面15を外側にした時の曲率半径Lが、0.15m以上であることが好ましい。圧電セラミック焼結体の曲率半径が小さすぎると、複合圧電体中の角柱状圧電セラミック焼結体の体積比率を高くしたときに、角柱状圧電セラミック焼結体同士が接触する可能性があり、均質な圧電複合体を構成できなくなることがある。角柱状圧電セラミック焼結体11の材質に特には制限はなく、その例としては、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、PZTなどが挙げられる。樹脂相12の材質には特には制限はなく、その例として、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。また、樹脂相12は、アルミナ粒子やガラス粒子が埋め込んであっても良い。
【0016】
本発明の複合圧電体の製造方法について説明する。複合圧電体の製造は、例えば、下記の工程より行われる。
1)圧電セラミック角柱成形体をプレス成形により成形し、焼成する角柱状圧電セラミック焼結体製造工程;
2)2個以上の角柱状圧電セラミック焼結体を、それぞれ間隔を開けて並立させる配列工程;
3)配列した2個以上の角柱状圧電セラミック焼結体を一体的に樹脂に固定する樹脂充填工程;
4)角柱状圧電セラミック焼結体を分極する分極工程。
【0017】
以下、各工程について詳細に説明する。図3に、角柱状圧電セラミック焼結体製造工程から樹脂充填工程までの製造工程の一例を表す作業流れ図を示す。
【0018】
(角柱状圧電セラミック焼結体製造工程)
角柱状圧電セラミック焼結体製造工程では、角柱側面となる面で開口した角柱成形用金型に圧電セラミック粉末を充填し、開口部にパンチを押し付けることにより圧電セラミック角柱成形体23を成形し、得られた圧電セラミック角柱成形体を接触面が上になるように選択的に台に置いて加熱炉24で焼成して、角柱状圧電セラミック焼結体を製造する。
【0019】
圧電セラミック角柱成形体23の成形は、図に示すように自動粉末プレス機21を用いることが好ましい。自動粉末プレス機21は、コンピュータ制御により、試料投入口22から投入された圧電セラミック粉末を所定の重量あるいはかさ(容積)だけ秤り取って、金型に装填し、設定された圧力(成形圧)、及び時間(成形時間)で金型の開口部にパンチを押し付けて、圧電セラミック角柱成形体23の接触面が上になるように外部に送り出す作業を行うものである。
【0020】
成形圧は、0.5〜5.0トン/cm2であることが好ましく、1〜5.0トン/cm2がより好ましい。成形圧を低くすると、圧電セラミック角柱成形体の密度が全体的に小さくなって、強度が低下し、また焼成時の収縮が全体的に大きくなる。また、成形時間は、1〜10秒であることが好ましい。
【0021】
圧電セラミック粉末は、球形状に近く、表面が滑らかであることが好ましい。また、圧電セラミック粉末は、体積粒度分布の範囲が狭く、かつ平均体積粒子径が小さい方が好ましい。具体的には、圧電セラミック粉末の材質がPZTである場合には、その体積粒度分布の範囲は、0.05〜5.0μmであることが好ましく、0.1〜2.0μmであることがより好ましい。また平均体積粒子径は、0.1〜2.0μmであることが好ましく、0.2〜1.5μmがより好ましく、0.3〜1.0μmがさらに好ましい。体積粒度分布の範囲が狭く、かつ平均体積粒子径が小さい球形状のPZT粉末を製造する方法として、共沈法などが挙げられる。例えば、PZTからなる圧電セラミック粉末を共沈法により製造する場合には、Pb2+、Zr2+、Ti4+イオンを含む水溶液に、OH-、CO3 2-、シュウ酸イオンなどを添加して不溶性の水酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩を得て、これを加熱(300〜1200℃)して製造することができる。
【0022】
圧電セラミック角柱成形体を焼成する際に、圧電セラミック角柱成形体を接触面が上になるように選択的に台に置く方法に特に制限はなく、人間が目視で一個一個確認しながら置いても、コンピュータ制御された機械で置いても良い。圧電セラミック角柱成形体の材質などにより、焼成温度、時間、及び焼成温度まで加熱炉の温度を上昇させる時の昇温速度及び焼成温度から室温まで加熱炉の温度を下降させる時の降温速度は異なる。例えば、PZTからなる圧電セラミック角柱成形体の焼成温度は1000〜1400℃が好ましく、より好ましくは1200〜1300℃であり、昇温速度は50〜250℃/時間が好ましく、より好ましくは50〜150℃/時間であり、降温速度は100〜250℃/時間が好ましく、より好ましくは150〜250℃/時間である。特に昇温速度は、緩やかな方が好ましい。また、加熱炉24は連続炉であっても良い。
【0023】
圧電セラミック角柱成形体を置く台は、焼成時に変形しないものであれば特に制限はない。PZTからなる圧電セラミック角柱成形体を焼成する際には、約900℃以上で圧電セラミック角柱成形体から一酸化鉛(PbO)が蒸発するので、さやと呼ばれる密閉可能な容器を用いるのが一般的である。さやの中には、PZT中の鉛量の低減を防止するために、あらかじめ一酸化鉛蒸発源として、別に用意した一酸化鉛とジルコニア(ZrO2)の混合粉末を入れておくことが好ましい。さやの材質の例としては、アルミナ、マグネシアなどが挙げられる。
【0024】
上記の角柱状圧電セラミック焼結体製造工程で製造する角柱状圧電セラミック焼結体の大きさに特には制限はなく、高さが2〜20mmであり、その底面の縦及び横の長さがいずれも、0.1〜2mmであって、かつアスペクト比が2〜50の圧電セラミック角柱成形体であれば、歪んだり反り曲がった角柱状圧電セラミック焼結体の発生を高い確率で低減させることができる。アスペクト比が10以上の角柱状圧電セラミック焼結体では、後述する樹脂充填工程で製造した複合体から複数個の複合圧電体を製造することができるなどの利点がある。
【0025】
(配列工程)
配列工程では、上記の焼成工程で得られた角柱状圧電セラミック焼結体の歪みや反り曲がりの状態を画像認識装置などで良否判断をする。そして、良と判断された角柱状圧電セラミック焼結体25を、縦に一定の間隔を開けて基板26の上に配列する。角柱状圧電セラミック焼結体を基板の上に配列する方法としては、チップ部品などをプリント基板に装着する際に使用されている実装機を用いて粘着性の基板の上に配列する方法や、角柱状圧電セラミック焼結体と同形状の穴の設けた基板に差し込んで配列する方法などが挙げられる。
【0026】
(樹脂充填工程)
樹脂充填工程では、基板26に固定された角柱状圧電セラミック焼結体を基板ごと容器27に入れて、次いで、容器に樹脂を流し込み一定時間放置して樹脂を硬化させる。硬化させた樹脂の中に気泡が混入しないように、容器に樹脂を流し込む際には、気泡が入り込まないように注意する。容器に流し込む樹脂は、あらかじめ脱気してあることが好ましい。
【0027】
(分極工程)
樹脂が硬化したら、角柱状圧電セラミック焼結体と樹脂との複合体4aを容器から取り出し、基板を切り離す。そして、複合体を所定の形状に切断、研磨した後、上下面のそれぞれに電極を形成する。そして、それぞれの電極間に電圧を印加する。電極の形成方法としては、例えば、スパッタ法や無電解メッキ法などが挙げられる。また、電極間に印加する電圧は、1〜5kV/mmで行うのが一般的である。
【0028】
【実施例】
(圧電セラミック角柱成形体の製造)
開口部の大きさが横10mm、縦2.0mmであり、深さ4.0mmの角柱成形用金型にPZTからなる圧電セラミック粉末を充填して、成形圧2トン/cm2、成形時間2秒の条件にて開口部にパンチを押し付けて、圧電セラミック角柱成形体に成形して金型から取り出した。得られた圧電セラミック角柱成形体は、高さ10mm、底面の縦及び横の長さはいずれも2.0mmであり、アスペクト比は5であった。
【0029】
[実施例1]
上記のプレス成形により成形した圧電セラミック角柱成形体30個をマグネシア製のさやの中にそれぞれ接触面が上になるように配置して、このさやを加熱炉に入れて、1300℃で2時間焼成した。なお、昇温速度は100℃/時間、降温速度は150℃/時間に設定した。得られた角柱状圧電セラミック焼結体は、高さ8mm、底面の縦及び横の長さはいずれも1.6mmであり、アスペクト比は5であった。また、すべての角柱状圧電セラミック焼結体において、プレス面を外側にした時の曲率半径は、0.15mm以上であった。
【0030】
上記の角柱状圧電セラミック焼結体を用いて製造した複合圧電体の特性を測定したところ、この複合圧電体は、従来の板状圧電体と比較して、音響インピーダンスや機械的品質係数Qmが低く、また、厚み方向の電気機械結合係数Ktは高いことが分かった。従って、本発明の複合圧電体を水や生体など音響インピーダンスの低い媒体を対象とした超音波探触子に使用した場合、超音波を高い効率で送受信することができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明の複合圧電体は、工業的に容易に製造することができる角柱状圧電セラミックス焼結体を用いて製造したものであるので、従来の複合圧電体と比較して工業的に安価で製造することができる。特に、曲率半径が0.15m以上の角柱状圧電セラミック焼結体を用いた場合、複合圧電体中の角柱状圧電セラミックの体積比率を高くしても角柱状圧電セラミック同士が接触する確率が低減し、均質な複合圧電体を構成することができる。そして、本発明の複合体圧電体は、押出し成形法で得た柱状圧電セラミック焼結体を用いた複合圧電体やダイス&フィル法で製造した複合圧電体と比較しても遜色のない特性が得ることができる。さらに、本発明の圧電セラミック角柱成形体は、歪んだり、曲がったものの発生の確率が低いので、製造コストが安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合圧電体の斜視図である。
【図2】本発明の複合圧電体に用いらる角柱状圧電セラミック焼結体の断面図である。
【図3】本発明の角柱状圧電セラミック焼結体製造工程から樹脂充填工程までの製造工程の一例を表す作業流れ図である。
【図4】圧電セラミック粉末を充填した角柱成形用金型の開口部にパンチを押し付けた時の圧力分布を概略的に表した状態図である。
【図5】プレス成形により成形した圧電セラミック角柱成形体の密度のばらつきを概略的に表した圧電セラミック角柱成形体の斜視図である。
【図6】圧電セラミック角柱成形体が焼成時に反り曲がる状態を模式的に表した圧電セラミック角柱成形体の側面図であり、(a)は、圧電セラミック角柱成形体の接触面が下になるように台に置いて焼成した状態を、(b)は、圧電セラミック角柱成形体の接触面が上になるように台に置いて焼成した状態を表す。
【符号の説明】
10 複合圧電体
11、25 角柱状圧電セラミック焼結体
12 樹脂相
13、29 複合体
14 電極
15 接触面
21 自動粉末プレス機
22 試料投入口
23、34、34a、34b 圧電セラミック角柱成形体
24 加熱炉
26 基板
27 容器
28 樹脂
31 圧電セラミック粉末
32 パンチ
33 金型
33a、33b 内壁
36 台
37 接点

Claims (8)

  1. 角柱側面となる面で開口した角柱成形用金型に圧電セラミック粉末を充填し、該開口部にパンチを押し付けて成形した圧電セラミック角柱成形体を、パンチに接した面が上になるように選択して台の上に置いて加熱炉で焼成して得た角柱状圧電セラミック焼結体を複数個、それぞれ間隔を開けて並立させた状態で樹脂中に固定し、次いで、分極させることにより製造したものであることを特徴とする複合圧電体。
  2. 上記角柱状圧電セラミック焼結体のパンチに接した面を外側にした時の曲率半径が、0.15m以上であることを特徴する請求項1に記載の複合圧電体。
  3. 角柱側面となる面で開口した角柱成形用金型に圧電セラミック粉末を充填し、該開口部にパンチを押し付けて成形した圧電セラミック角柱成形体を焼成して角柱状圧電セラミック焼結体を製造するに際して、パンチに接した面が上になるように選択して台の上に置いて加熱炉で焼成して得たものであることを特徴とする角柱状圧電セラミック焼結体。
  4. 上記開口部にパンチを押し付ける圧力が、0.5〜5.0トン/cm 2 であることを特徴とする請求項3に記載の角柱状圧電セラミック焼結体。
  5. 上記開口部にパンチを押し付ける時間が、0.5〜10秒であることを特徴とする請求項3もしくは4に記載の角柱状圧電セラミック焼結体。
  6. 上記圧電セラミック粉末が、チタン酸ジルコン酸鉛からなることを特徴とする請求項3乃至5のうちいずれかの項に記載の角柱状圧電セラミック焼結体。
  7. 上記圧電セラミック粉末の平均体積粒子径が、0.1〜2.0μmであることを特徴とする請求項3乃至6のうちいずれかの項に記載の角柱状圧電セラミック焼結体。
  8. 高さが1〜50mm、その底面の縦及び横の長さがいずれも、0.1〜2mmであり、かつ底面の縦及び横の長さに対する高さの比がいずれも2〜50であることを特徴とする請求項3乃至7のうちいずれかの項に記載の角柱状圧電セラミック焼結体。
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