JP3849976B2 - 複合圧電体と超音波診断装置用超音波探触子と超音波診断装置および複合圧電体の製造方法 - Google Patents

複合圧電体と超音波診断装置用超音波探触子と超音波診断装置および複合圧電体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は微細な構造を有するセラミックス構造体を有する複合圧電体と超音波診断装置用超音波探触子及び複合圧電体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、医療用超音波診断装置に用いられる超音波深触子には、高分解能化および広帯域化等を目的とし、その超音波送受信部である圧電セラミックスを、圧電セラミックスと有機高分子とから成る複合圧電体に置き換える試みが行われてきている。さらにこの複合圧電体の中でも、とくに図24に示したように円柱や角柱の形状をもつ圧電セラミックス31を多数、有機高分子41のマトリクス中に配置させた構造の圧電体(以下「1−3型複合圧電体」という)が、原理的な意味から有用性が指摘され、着目されその製造が試みられてきている。これらの1−3型複合圧電体に関する従来技術については、例えば「超音波便覧」(超音波便覧編集委員会編、丸善、平成11年8月30日発行)p.129-133等に記載されている。
【0003】
古くからその有用性が指摘されてきた前記1−3型複合圧電体ではあるが、現在まで実際の超音波診断装置用の超音波深触子として商品化されている例は多くない。その主な理由として、(1)求められている構造が極めて微細で、その製造が困難であるということと、(2)製造が可能であっても、高い製造コストを必要とすること、の2点を挙げることができる。
【0004】
超音波診断装置に用いる複合圧電体として求められている理想的な形状は、圧電セラミックスの径と配置間隔は、使用する周波数と複合圧電体としての音響インピーダンスから、それぞれ約10〜200μm程度といわれている。一方、柱状の圧電セラミックスの径と長さとの比(長さ/径、以下「アスペクト比」という。)を5〜6程度としたときに送受信効率が最もよいといわれている。すなわち、複合圧電体中の圧電セラミックスの長さは、50〜1200μm程度が求められている。
【0005】
以上総合すると、数十μm程度の径を持ち、アスペクト比が6前後の細線状の微細な圧電セラミックスを、有機高分子のマトリクス中に、多数配置した極めて微細な構造をもつ複合圧電体が最も理想的であると考えられており、市場から求められてきている。
【0006】
複合圧電体の製造方法に関する従来の先行技術例としては、例えば特許1789409号公報や特許1590342号公報には、圧電セラミックスブロックを材料とし、機械加工により切断溝を複数形成し、前記切断溝に樹脂を含浸硬化させることで、1−3型複合圧電体を製造する方法が提案されている。
【0007】
また特公平5−33836号公報では、従来のダイシング加工等の切断技術に代わって、レーザー加工による製造方法が提案されている。この公知例では、レーザー光線を走査させ圧電セラミックスに直交する二方向の平行な切り込みを形成し、微細構造を有す圧電セラミックス構造体を作り、同様に後から空間に樹脂を含浸硬化する方法が述べられている。
【0008】
しかしながら、前記の技術のように比較的大きな圧電セラミックブロックに直接、ダイシング加工やレーザー加工を用いて切り溝を形成し微細な圧電焼結体の集合体を残す方法では、求める形状を形成することが困難であるかもしくは可能であっても製造歩留まりが悪く製造コストが増加するという課題が存在した。現在の機械加工の技術では、セラミックスブロックに数10μm巾の切断溝を形成すること考えた場合、アスペクト比の増加に伴い、言い換えるならば切断溝の深さが深くなるに伴い、その歩留まりが加速的に低くなる。切断溝によって切り出された(残った)圧電セラミックスが細線状になるに従い、切断溝形成中に破壊しやすいからである。目的とする形状の複合圧電体中の微細な圧電焼結体の内、わずかでも破壊してしまった場合、複合圧電体全体が不良品となってしまう恐れがある。したがって、従来機械加工による切断溝の形成による方法では、現在市場より求められている前記形状を持つ複合圧電体の製造は極めて困難であると言わざるをえない。
【0009】
また切断やレーザー加工といった機械加工により直接加工することが困難なことから、セラミックスに対する機械加工を行わない方法として、求める構造を反転させた形状をもった型を用意し、この型を用いて求める構造の圧電セラミックス焼結体を作り、同様に空間部分に後から樹脂を含浸硬化させる方法が複数提案されている。
【0010】
例えば前記型を樹脂で形成し、この樹脂型にセラミックススラリーを充填させ、まず樹脂型を焼き飛ばすことでセラミックス粉体のみの構造物をつくり、さらにその後セラミックス粉体を焼結させることで、微細構造を有す圧電セラミックス焼結構造体を得て、最後に空間部分に樹脂を含浸硬化させることで複合圧電体を得る方法が提案されている。
【0011】
しかしながら、樹脂型を焼結前のセラミックス粉体部分のみを残し、焼き飛ばすことは容易なことでない。樹脂型を焼き飛ばす際、樹脂が流動して焼結前のセラミックス粉体構造体を壊してしまうからである。さらには前記のような構造体の微細化が進むに伴い、樹脂型を焼き飛ばすことの困難さは増大する。
【0012】
そこで焼結前のセラミックス粉体構造を壊さずに樹脂型のみをうまく消失させる方法として、例えば特許第2924664号公報では、真空中での加熱、レーザアブレーション法、プラズマエッチング、および低粘性溶媒の利用が提案されている。
【0013】
さらに別の方法として、例えば特開平11−274592号公報においては、セラミックスの焼結時には消失しないシリコン基材で型を作り、セラミックス構造体を焼結後、後に型部分のみを除去する方法が提案されている。より詳しくは、シリコン基材にイオンエッチング法により微細な穴を複数形成し、その穴に圧電粉体とバインダーとから成るスラリーを塗布し、乾燥、バインダー除去し、保護用セラミックス粉体で包み込み、加圧焼成し、焼成後保護用セラミックス粉体を除去し、最後にエッチング法によりシリコン基材を消去する方法が提案されている。すなわち求める構造を反転させた形状をもった型を、セラミックスを焼結する温度で焼失しない基材でつくり、型内部のセラミックス粉体構造体を焼成させた後、最後に型をエッチングにより除去する方法である。
【0014】
しかしながら、これらの製造方法は、工程が複雑であり、型を消失させるには、複雑なプロセスと長い時間を必要とし、そのことに起因した製造コストの増加は避けられないものであった。また用いられる製造装置も高価である。さらに、樹脂型を用いる方法でも、またシリコン基材を用いるいずれの方法でも、求める構造を反転させた構造である型を用いる方法では、型が最終的に何らかの方法で消去する必要があり、型を製造するためのコスト、および型自体の材料コストが、最終製品である複合圧電体の製造コストを引き上げる結果となっていた。
【0015】
また別な方法として、文献ワラス アルデン スミス(Wallace Arden Smith)著、「ザ ロール オブ ピエゾコンポジット イン ウルトラソニック トランスジューサ(The Role of Piezocomposites in Ultrasonic Transducers)」,プロシーディング オブ ザ 1989 アイイーイーイー ウルトラソニック シンポジウム(Proceedings of the 1989 IEEE Ultrasonics Symposium,pp.755-766,1989)では、事前にロッド状の圧電セラミックス焼結体を複数用意し、後からこれらを配置一体化させることで複合圧電体を製造する方法も開示されている。
【0016】
しかしながら、事前にロッド状の圧電セラミックス焼結体を用意し、後から配置する方法では、求める複合圧電体中の圧電焼結体が微細に成るに従い、圧電焼結体単体での取り扱いが困難になり、同様に製造が困難か、可能であっても歩留まりが悪く製造コストが増加する課題が存在した。
【0017】
また別の方法として、USP-4,514,347、USP-4,572,981には、第1段目として焼結済のセラミックス板を別材料で積層(laminate)一体化させ、ブロックとし、このブロックをスライスしたシートを準備し、第2段目として再度別材料で積層一体化させスライスすることで1−3型複合圧電体を製造する例が示されている。
【0018】
しかしながら、この方法でも、第1段目の積層ブロックを切断する際、最終的に必要とする1−3型複合圧電体中の細線状焼結圧電体の長さ以上の長さを連続して切断する必要があることを避けることはできない。したがって、同様に製造が困難か、あるいは可能であっても歩留まりが低く製造コストが増大する問題があった。
【0019】
以上今までに提案、試されている従来の技術では、現在求められている微細構造の複合圧電体の製造は困難であるか、もしくは実現できても高い製造コストを必要とするものであった。
【0020】
さらに別の課題として、従来の技術において、圧電焼結体の空隙に含浸硬化させる材料は製造方法上1種類に限定され、その結果、得られる複合圧電体の物性値を自由度をもって調整することは困難であった。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、前記従来の技術について詳細に検討した結果、現在市場より求められている形状の複合圧電体を実現するためには、極めて微細な圧電焼結体を歩留まりよく製造することと、製造した微細な圧電焼結体を精密に配置することとを同時に実現することが必要であるとの結論に達した。
【0022】
本発明は、前記従来の課題を解決し、微細な構造および任意な物性値を持つ複合圧電体を低いコストで提供すること、及びこの複合圧電体を用いた高性能かつ安価な超音波診断装置用超音波探触子、さらには前記探触子を用いた高性能かつ安価な超音波診断装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の複合圧電体は、樹脂層の表面に細線状焼結圧電体が複数本一定の方向に配列した複合シートが、前記各細線状焼結圧電体が前記樹脂層の間になるように複数枚積層されかつ一体化され、前記細線状焼結圧電体の長さ方向と直行する方向に切断されていることを特徴とする。
【0024】
次に本発明の超音波診断装置用超音波探触子は、前記本発明の複合圧電体の両面に電極を形成し、音響整合層とバッキング材との間に存在させ、前記電極の一方を接地とし、他方の電極を駆動電極として送受信回路に接続したことを特徴とする。
【0025】
次に本発明の超音波診断装置は、前記超音波診断装置用超音波探触子を、前記両面電極から引き出された線にぞれぞれ接続する送信部及び受信部と、前記送信部及び受信部に接続するコントロール部と、前記受信部及びコントロール部に接続する画像構成部と、前記画像構成部に接続する画像表示装置を含む超音波診断装置本体に接続したことを特徴とする。
【0026】
本発明の複合圧電体の第1番目の製造方法は、
(a)複数の溝を有する成形基材を準備し、
(b)前記溝に圧電粉体とバインダーとを含むペーストを塗布した後、乾燥し、加熱して、塗布膜からバインダーを除去し、
(c)さらに高温に加熱して前記圧電粉体を焼結させ細線状焼結圧電体に形成し、
(d)前記細線状焼結体に樹脂層を接着させて、前記成形基材から前記細線状焼結圧電体を剥離して、前記樹脂層の一表面に前記細線状焼結圧電体が複数本一定の方向に配列した単位複合シートを形成し、
(e)複数枚の前記単位複合シートを前記各細線状焼結圧電体が前記樹脂層の間になるように積層し、
(f)積層した複数枚の前記単位複合シートを一体化することを特徴とする。
【0027】
また本発明の複合圧電体の第2番目の製造方法は、
(a)厚みが10〜500μmの範囲である板状焼結圧電体を準備し、
(b)前記板状焼結圧電体に樹脂層を形成し、
(c)前記樹脂層を具備した前記板状焼結圧電体に対し、前記樹脂層を完全に分断せずに平行な切溝を複数本形成することで前記板状焼結圧電体を切断して複数本の細線状焼結圧電体とし、
(d)前記(a)〜(c)の操作を複数回繰り返すことにより前記樹脂層の一表面に前記細線状焼結圧電体が複数本一定の方向に配列した単位複合シートを複数枚形成し、
(e)複数枚の前記単位複合シートを前記各細線状焼結圧電体が前記樹脂層の間になるように積層し、
(f)積層した複数枚の前記単位複合シートを一体化することを特徴とする。
【0028】
また本発明の複合圧電体の第3番目の製造方法は、
(a)厚みが10〜500μmの範囲である板状焼結圧電体を準備し、
(b)前記板状焼結圧電体を、接着シートにより基材に仮固定し、
(c)前記板状焼結圧電体に対し、平行な切溝を複数本形成することで前記板状焼結圧電体を切断して複数本の細線状焼結圧電体とし、
(d)基材に仮固定された複数本の前記細線状焼結圧電体を、樹脂シートに転写し、
(e)前記(a)〜(d)の操作を複数回繰り返すことにより前記樹脂層の一表面に前記細線状焼結圧電体が複数本一定の方向に配列した単位複合シートを複数枚形成し、
(f)複数枚の前記単位複合シートを前記各細線状焼結圧電体が前記樹脂層の間になるように積層し、
(g)積層した複数枚の前記単位複合シートを一体化することを特徴とする。
【0029】
また本発明の複合圧電体の第4番目の製造方法は、
(a)樹脂層の表面に細線状焼結圧電体を複数本一定の方向に配列し、細線状焼結圧電体上に樹脂シートを配置し、
(b)細線状焼結圧電体が、前記樹脂層と前記樹脂シートに挟持され、前記細線状焼結圧電体の間の溝内に前記樹脂シートの樹脂が変形して充填されるように圧縮して一体化し、単位複合シートを形成し、
(c)前記(a)〜(b)の操作を複数回繰り返すことにより前記樹脂層と樹脂シートとの間に、一定の方向に配列して挟持された複数本の細線状焼結圧電体とで構成される単位複合シートを複数形成し、
(d)複数枚の前記単位複合シートを前記各細線状焼結圧電体が平行になるように積層し、
(e)積層した複数枚の前記単位複合シートを一体化することを特徴とする。
【0030】
また本発明の複合圧電体の第5番目の製造方法は、
(a)樹脂層の表面に細線状焼結圧電体を複数本一定の方向に配列したものを二枚準備し、
(b)一方の樹脂層上に配列された細線状焼結圧電体が、他方の樹脂層上に配列された細線状焼結圧電体の間に配置されるように対向させ一体化して単位複合シートとし、
(c)前記(a)〜(b)の操作を複数回繰り返すことにより前記両樹脂層の間に、一定の方向に配列して挟持された複数本の細線状焼結圧電体とで構成される単位複合シートを複数形成し、
(d)複数枚の前記単位複合シートを前記各細線状焼結圧電体が平行になるように積層し、
(e)積層した複数枚の前記単位複合シートを一体化することを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の複合圧電体においては、前記各細線状焼結圧電体の1本の大きさが、一辺が10〜500μmの範囲であり、長さが0.05〜3mmの範囲の角柱体であることが好ましい。角柱体は、最も作成しやすいのは四角柱、とくに台形柱状体である。複合圧電体の形状およびその複合圧電体中の細線状焼結圧電体の形状は、使用する周波数と複合圧電体としての音響インピーダンスにより決定される。特に限定するものではないが、本発明による複合圧電体を医療用超音波診断装置の超音波探触子に用いることを考えた際は、その使用周波数は約1MHz〜20MHz程度と考えられ、各細線状焼結圧電体の1本の平均一辺が10〜200μmの範囲であることがより好ましい。またアスペクト比を5〜6程度とした時に送受信効率が最もよいとされることから、各細線状焼結圧電体の長さは、0.05mm(0.01mm×アスペクト比5)〜3.0mm(0.5mm×アスペクト比6)の範囲であることがより好ましい。
【0032】
なお、上記好ましい細線状焼結圧電体の形状範囲を外れても複合圧電体を構成することはできる。使用の目的から考えると前記範囲がより好ましいという意味である。
【0033】
また、樹脂層の一表面に配列している細線状焼結圧電体の数が10〜3000本の範囲であることが好ましい。本発明による複合圧電体の製造方法の内の一部は、求める細線状焼結圧電体の一辺の長さと同等な厚みを持った板状焼結圧電体を樹脂層上で分割すること、もしくは仮固定し分割された板状焼結圧電体を樹脂上に転写することにより、樹脂層上に細線状焼結圧電体を多数担時させた単位複合シートを形成し積層することをその特徴としている。さらには前記単位複合シートを2枚一体化して積層単位複合シートとし、前記積層単位複合シートを積層一体化することをその特徴としている。
【0034】
一方、前記の好ましい細線状焼結圧電体の形状から、10〜500μm、より好ましくは10〜200μmの厚みをもった板状焼結圧電体が必要となる。このようなごく薄い板状焼結圧電体、その製造過程で反りや割れが発生し易いことから、大きなものをつくることが一般に困難である。前記のような厚み、例えば10〜500μm、より好ましくは10〜200μmの板状焼結圧電体で、現在容易に入手もしくは製造できる最大の大きさは、おおよそ一辺の長さもしくは直径が30mm程度のものである。仮に30mm角の板状焼結圧電体を用い、前記の好ましい形状(一辺の長さが平均10〜500μm、より好ましくは10〜200μm)の細線状焼結圧電体に分割することを考えた場合、さらには、樹脂層の一表面に配列できる細線状焼結圧電体の数、すなわち、一枚の複合シート中の細線状焼結圧電体の数は、10〜1500本程度となる。
【0035】
また、2枚の単位複合シートを一体化させた単位複合シートユニットを用いる場合も考慮すると樹脂層の一表面に配列できる細線状焼結圧電体の数が10〜3000本程度となる。
【0036】
なお、入手できる板状焼結圧電体の形状および必要とする細線状焼結圧電体の形状を考慮した結果として、仮の前記範囲を超えても構わない。
【0037】
また、積層されている樹脂層が、20〜1500枚の範囲であることが好ましい。積層されている樹脂層の数は、基本的に最終的に求められる複合圧電体の形状により決定されるが、前記樹脂層の一辺の大きさ(幅)以上に高く積層すると、積層一体化する際にずれが生じやすく、細線状焼結圧電体を所定の位置に配置することが困難になり易い。積層される樹脂層(複数の細線状焼結圧電体を担時した樹脂層、すなわち複合シート)の現在考えうる最大形状は、入手し易い板状焼結圧電体の形状を考慮すると、前記したように30mm角程度である。一方、複数の複合シートを一体化させた積層体の積層方向の高さは、用いた複合シートの最大厚みと積層数との積で決定される。また複合シートの最大厚みは、前記複合シート中の細線状焼結圧電体の一辺の長さと、用いた樹脂層の厚みとの和で決定される。最終的な使用目的に応じた細線状焼結圧電体の一辺の長さ、および用いる樹脂層の厚みにより変わるが、以上のことから、複合シートの厚みは、おおよそ20〜1000μm程度であると考えられる。したがって、積層一体化する際の精度、容易さからその積層数は20〜1500枚の範囲であることが好ましい。なお、求める圧電複合体の形状が、精度よく得られるならば、この限りではない。
【0038】
また、複合圧電体の中に一定の方向に配列している細線状焼結圧電体の本数が、200〜4500000本の範囲であることが好ましい。前記までの、好ましい複合シート中の細線状焼結圧電体の数、複合シートの積層数を考慮すると最終的得られる複合圧電体中の細線状焼結圧電体の本数が、200〜4500000本の範囲であることが好ましい。
【0039】
以上述べてきた本発明による複合圧電体中の細線状焼結圧電体の形状、数、および樹脂層の積層数は、複合圧電体の目的と入手できる材料とにより決定されるものである。
【0040】
また、切断面がさらに研磨されていることが好ましい。最終的に得られる複合圧電体は、使用する周波数によってその厚み、すなわち細線状焼結圧電体の長さ方向と直交する2つの切断面間の長さを調整する必要がある。複合圧電体切断面を研磨することで複合圧電体の厚みを微調整することが可能となる。
【0041】
また複合圧電体のこれら切断面には、何らかの方法で電極を形成する必要がある。特に限定するものでないが、電極を導電性塗料の塗布乾燥によって形成する方法やメッキによって形成する方法と採った場合、切断面(電極形成面)を研磨することで疎面化することができ、その結果電極の接着強度を向上させることが可能となる効果がある。
【0042】
また、前記細線状焼結圧電体は、長さ方向に切断面を有することが好ましい。目的に応じた複合圧電体の形状を整えることできる。
【0043】
また、二枚の複合シート準備し、一方の複合シート表面上に配列された細線状焼結圧電体が、他方の複合シート表面上に配列された細線状焼結圧電体の間に配置されるように対向させ一体化して積層複合シートとし、この積層単位複合シートを積層し一体化し、前記細線状焼結圧電体の長さ方向に直行する方向に切断されている構成とすることが好ましい。この構成により、より狭ピッチ、すなわち狭い間隔で細線状焼結圧電体を配置することが可能となる。
【0044】
また、前記各細線状焼結圧電体との間に、含浸硬化樹脂部を具備することが好ましい。含浸硬化樹脂部を具備させることで、複合圧電体としての機械的強度を高めることができる。
【0045】
また、空隙に樹脂を含浸硬化させることで、多様な物性、特に音響インピーダンスを持つ複合圧電体を得ることが可能となる。含浸硬化樹脂部に用いる樹脂として、多様な物性値、例えば密度、音速、ポアソン比、ヤング率等をもつ樹脂を目的に応じて選択することで、得られる複合圧電体の物性値を調整することが可能となる。
【0046】
また、前記樹脂層が複数の樹脂層で構成されることが好ましい。樹脂層を複数にすることで、積層された細線状焼結圧電体間の距離を任意に調整し易い効果がある。厚みの違う第二の樹脂層で接着することで、積層された細線状焼結圧電体間の距離を調整することが容易になる。また、細線状焼結圧電体の積層方向の距離が違った複合圧電体を、厚みの違う第二の樹脂シートを使い分けることで、同一の複合シートから製造することが可能となり、製造コストを削減できる。
【0047】
さらに一つの複合圧電体中においても、各層ごとに細線状焼結圧電体間の距離を変えることができる。特に限定されるものではないが、例えば一つの積層体を積層方向に垂直な方向で切り分けて、複数の複合圧電体を製造する際、切断する部分の樹脂層のみを厚くすることでその製造が容易になる。
【0048】
さらに、密度、音速、ポアソン比、ヤング率等に代表されるようなの物性値が異なる樹脂層を複数用いれば、より多様な物性値をもった複合圧電体を製造することが可能となる。特に限定するものではないが、複合シートには比較的硬いエポキシ樹脂を用い確実に細線状焼結圧電体固定し、これら複合シートを比較的やわらかい、シリコン樹脂やポリウレタン樹脂による樹脂層で接着積層すれば、積層方向に対し機械的にフレキシブルな複合圧電体を得ることができる。このことは、先端が曲面である超音波探触子を製造する場合において特に有効である。また同構成にすることで積層方向での細線状焼結圧電体間の機械的アイソレーションを向上させることが可能となる。この効果により、一つの複合圧電体に複数の電極を形成することで複数の振動子を構成した場合、個々の振動子を任意に稼動させることが可能となる。
【0049】
次に本発明による製造方法においては、複数枚の前記複合シートを積層して一体化させた後の空隙に樹脂を含浸させ硬化させることが好ましい。切断する前に樹脂を空隙に含浸させ硬化させることで、切断前の積層体としての機械的強度が増し、切断時に内部の細線状焼結圧電体の破損が少なくなるからである。結果的に製造歩留まりが向上し、製造コストを削減できる。
【0050】
また、複数枚の複合シートを積層する際に、前記各複合シート間に接着樹脂シートを挟んで積層することが好ましい。特に限定するものではないが、樹脂層によって板状焼結圧電体を接着担時し十分硬化させた複合シートとし、接着樹脂シートで前記複数の複合シートを接着させる構成とすることができる。複合シート中の樹脂層を十分硬化することで、前記板状焼結圧電体を切断して複数の細線状焼結圧電体とする際に細線状焼結圧電体が破損しにくくなり、複合シート製造の歩留まりが向上する。また前記十分硬化し、接着性を失った樹脂層による複合シートでも、第2の接着樹脂シートを用いることにより、確実に積層接着一体化することが可能となる。
【0051】
また、複合シートを積層する前に、前記複合シート中の樹脂層の少なくとも一部に接着層を塗布形成することが好ましい。複合シートの表面の細線状焼結圧電体が配置されている面に、流動性をもつ接着材料を塗布することで接着層を形成する構成を採ることもできる。この構成を採ることにより、複合シート中の切溝に接着材料を充填させることでき、空隙のない複合圧電体を、後から空隙部に別の樹脂を含浸させることなく、得ることができる。すなわち、積層一体化した後、空隙に樹脂を含浸させ硬化させる工程を行わずに、前記含浸硬化樹脂部を具備した複合圧電体と同等な複合圧電体を得ることが可能となる。製造工程を簡素化することが可能となる。また塗布形成して接着層とする製造方法は、接着樹脂シートを用いる場合に比較して、容易でかつ材料コストを削減することができる。
【0052】
以下本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0053】
下記の実施の形態1から実施の形態3は、前記本発明の第1番目の製造方法による複合圧電体に関するものである。
【0054】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、図1から図7を用い、各工程ごとに詳細に説明する。
【0055】
(1)複数の溝を具備した基材を準備する工程
複数の溝を具備した基材を準備する工程として図1Aの斜視模式図および図1Bの断面模式図に示したように、機械加工によって複数本の溝11を形成した基材1を準備した。特に限定されるものではないが、基材1を構成する材料は後の工程において、基材上で圧電材料を焼結することから、1300℃程度の耐熱性を有し、かつ焼結させる圧電材料との反応性が著しく高くないものが好ましい。圧電材料と著しく反応する材料の場合、焼結に際し材料が基材中に拡散し、細線状焼結体を得ることができないからである。好ましい例としては、酸化マグネシウム、ジルコニア、アルミナ等のセラミック材料やシリコン等を用いることができる。本実施例では30mm角、厚み7mmの純度99%以上の酸化マグネシウム板(ニッカトー社製、材料品番MG−13)を用いた。
【0056】
また図1A−Bは本工程を模式的に示したものであり、溝の数、断面形状、長さ等は目的とする複合圧電体の形状に合わせ、任意に調整できる。例えば、溝の形状は図1Bに示す形状で、前記酸化マグネシウム板の片側表面にダイシングの方法で、巾0.085mm、深さ0.085の溝を0.050mmの間隔をもって、200本平行に形成した。また溝11の形成にあたっては、従来からのダイシングや、レーザー加工等のいずれの方法でもよく、必要とする溝11の形状に合わせ任意な方法を選ぶことができる。前記のような基材1としての溝形成酸化マグネシウム板を復数枚用意した。
【0057】
(2)前記溝に圧電粉体とバインダーとを含むペーストを塗布形成する工程
前記溝11に圧電粉体とバインダーとを含むペーストを塗布する工程として、圧電粉体とバインダー、および溶剤とからなるペーストを、基材1上の溝11に塗布し、溝11内部に十分行き渡らせた後、溝11以外の部分の余分なペースト2を除去した。その結果、図2Aの斜視模式図および図2Bの断面模式図に示したように、溝11内部のみにペースト2が塗布された基材1を得た。なお特に限定されるものではないが、ペースト2としては、従来からの厚膜材料の技術を用いることができる。一例として、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電粉体40gに、バインダーとしてのエチルセルロース45cP(関東化学社製、鹿1級試薬)を6wt%含むα−テルピネオール(和光純薬工業製試薬)溶液10ccを加え、3本ロールミルで混練したペーストを用いることができる。引き続き前記基材1としての溝形成酸化マグネシウム板の溝を形成した表面に、前記ペースト2としてのPZTペーストを塗布し、ゴムスキージで刷り込み溝内部にPZTペーストを充填させると同時に溝以外の部分の余分なPZTペーストを除去した。また溝11内部にペーストを十分行きわたらせる方法として、溝11上にペーストを塗布した後、減圧を行ったり、超音波による振動を与えることで、かみ込まれた気泡を除去することが好ましい。
【0058】
(3)塗布膜を乾燥させる工程
塗布膜を乾燥させる工程として、基材1中の溝11内部に形成されたペースト2から溶剤成分を乾燥させ除去する。溶剤を乾燥させる方法としては、自然乾燥や熱風乾燥等、任意な方法を採ることができる。また処理量にあわせ、バッチ式、連続式等のいずれの方法でもよい。本実施例では、熱風循環バッチ式乾燥機の中で、100℃、5分間乾燥させることで、PZTペースト中の溶剤成分を除去した。
【0059】
前記PZTペーストを溝内部に形成する工程(2)および塗布膜を乾燥させる工程(3)を5回繰り返して行うことで、溝部分の90体積%以上に圧電粉体とバインダーとから成る塗布膜21を形成した。
【0060】
以上の操作により、図2の模式図に示したような、溝内部のみに圧電粉体とバインダーとから成る塗布腹21を担時した基材1としての溝形成酸化マグネシウム板を得た。
【0061】
(4)乾燥後塗布膜を担時した基材を加熱し、塗布膜からバインダーを除去する工程
乾燥後塗布膜を担時した基材を加熱し、塗布膜からバインダーを除去する工程として、乾燥させ、溶剤を除去した塗布膜21をさらに加熱し、塗布膜21からバインダーを除去した。なお、このバインダー除去の工程は、塗布膜21に含まれる有機バインダーを燃焼もしくは、熱分解により除去するものであって、その目的を達成できれば、工程の温度、時間およびガス雰囲気等はいかなる条件でもかまわない。前記溝中に塗布膜21を担時した基材1としての溝形成酸化マグネシウム板を大気中400℃で2時間熱処理することで、塗布膜21中からバインダーを燃焼除去した。
【0062】
(5)加熱して圧電粉体を焼結させ細線状焼結体を得る工程
引き続き、1250℃まで12.5時間かけて昇温し、その後1250℃で2時間加熱することで圧電粉体を焼結させ、基材1上に細線状焼結体3を得た。乾燥し、バインダーが除去されたペースト2は、基材1に形成された溝11内部で焼結され、細線状焼結体3となった。得られた細線状焼結体3は、基材1に形成された溝11に拘束され配置された状態で焼結された。その結果、図3Aの斜視模式図および図3Bの断面模式図に示したように、基材1に形成した溝11の間隔に依存した間隔をもって基材1上に配置された複数の細線状焼結体3を得ることができた。本実施例では、巾および高さがともに0.065mm、長さ30mmの形状をもった細線状焼結体が基材1上に200本得られた。また、細散状焼結体3は原料ペーストから平均約65%の体積に減少していた。なお、上記(1)から(5)の工程は一括して行っても構わない。
【0063】
(6)前記基材に担時された前記細線状焼結体に樹脂層を接着させる工程
さらに、図4Aの斜視模式図および図4Bの断面模式図に示したように、基材1に形成された溝11の間隔と同様な間隔をもって前記基材1に担時された複数の前記細線状焼結体3に上部から樹脂層4を接着させた。より具体的には、基材1に形成された溝11の間隔に依存した間隔をもって前記基材1に担時された200本の前記細線状焼結体3の上部から、樹脂層4としての30mm角、厚み0.12mmの形状をもつ半硬化状態(Bステージ)のエポキシ樹脂シートを被せ、120℃で加熱しながら、10kg/cm2の圧力を10分かけることで細線状焼結体に樹脂層としてのエポキシ樹脂シートを接着転写させた。
【0064】
(7)前記基材から、樹脂層を剥離し、前記細線状焼結体を担時した単位複合シートを得る工程
前記基材1から樹脂層4を剥離することで、前記細線状焼結体3を樹脂層4の表面上に転写させた。その結果、複数の細線状焼結体3は、基材1に形成された溝11の間隔に依存した間隔をもって樹脂層4上に配置された複数の細線状焼結体3を含む単位複合シート5を得ることができた、得られた単位複合シート5の寸法は、横(細線状焼結体3の配列方向)30mm、縦30mm、横30mm中の約27mmの範囲に細線状焼結体3が200本、約0.07mmの間隔をもって転写、配置されていた。また個々の細線状焼結体3の大きさは、平均厚さが0.065mm、空気に露出している部分の巾が平均0.065mm、長さは30mmであった。
【0065】
以上の工程より図5Aの斜視模式図および図5Bの断面模式図に示したような、基材1上に形成された溝11と同様な間隔をもって樹脂層4上に配置された複数の細線状焼結体3を含む単位複合シート5を得ることができた。
【0066】
(8)複数枚の前記単位複合シートを積層する工程
図6Aの斜視模式図および図6Bの断面模式図に示したように、合計200枚の前記単位複合シート5を積層した。
【0067】
(9)積層した複数枚の前記単位複合シートを一体化させる工程
積層した合計200枚の前記単位複合シート5を一体化させ、図7Aの斜視模式図および図7Bの断面模式図に示したような複合圧電体6を得た。一体化させる方法としては、従来技術であるプレス技術、熱プレス技術、さらには接着技術等の任意な方法を選択できる。本実施例では熱プレスにより一体化させた。具体的には、前記の200枚の単位複合シートから成る積層体の積層方向に120℃で加熱しながら、10kg/cm2の圧力かけて10分保持し、さらに10分かけ150℃に昇温し60分保持した。
【0068】
このようにして得られた複合圧電体6の横(細線状焼結体3の配列方向)32mm、縦(積層した方向)27mm、厚さ(細線状焼結体の長手方向)30mmであった。すなわち、この複合圧電体6中の中心部分の板(横27mm×縦27mm×厚み30mm)の部分は、約0.065mm角の断面をもつ細線状焼結体3が40,000本、エポキシ樹脂を介して均一に配置されていた。この複合圧電体6を所望の厚さに調整することができる。また前記複合圧電体6の厚み方向にスライスし、任意の厚みの複数個の複合圧電体に分割することができる。この分割複合圧電体9を超音波探触子として用いる。
【0069】
本発明の製造方法は、任意形状の細線状焼結体3を樹脂層4上に、任意な数および位置に配置した単位複合シート5を複数枚一体化させることで複合圧電体6を得ることができる。
【0070】
焼結される細線状焼結体3の径および長さの形状は、基材1に形成した溝11も形状によって決まる。溝11を求める細線状焼結体の径、長さおよび数にあわせ任意の深さ、長さおよび数をもって基材1上に形成しておけば、任意の形状および数の細線状焼結体3を得ることができる。
【0071】
さらに本発明の製造方法では、溝11の間隔を図7A−Bに示したような求める複合圧電体6中の細線状焼結体3の横方向の間隔にあわせて形成する。このように溝11を形成しておけば、任意な形状を持つ細線状焼結体3を、任意のピッチで配置した状態で基材1上に形成できる。基材1および基材1上所望形状の溝11の形成にあたっては、圧電材料を直接加工する従来法に比較して、基材材料の選択巾が広く、さらには従来の機械加工の技術を用いることができ、微細な加工も容易である。また、従来の圧電材料を直接加工する方法では、細線状焼結体の長さ方向分だけ加工する必要があるのに対し、本発明で形成する溝11の深さは、細線状焼結体の径にあわせ、比較的浅い溝でよく、加工が容易である。
【0072】
さらに本発明の製造方法では、これら複数個の細線状焼結体3を樹脂層4表面上に接着転写させ、単位複合シート5とする。本発明によれば、任意の形状、数および位置をもった複数本の細線状焼結体3を樹脂層4の表面上に容易に形成することができる。単位複合シート5上の細線状焼結体3は樹脂層4によってその位置が拘束されるので、その後の積層一体化において配置した位置が変わることがない。さらに図7A−Bにおける複合圧電体6中の細線状焼結体3の縦方向の間隔は、単位複合シート5中の樹脂層4の厚みで決定される。すなわち、樹脂層4の厚みを調整することで細線状焼結体3の縦方向の間隔も任意に調整することが可能である。
【0073】
さらにこれら細線状焼結体3を担時した単位複合シート5を必要数積層一体化し複合圧電体を得る。
【0074】
以上の構成による本発明を用いれば、従来の技術ではその形成が困難であった極めて微細な細線状焼結体を容易に製造でき、さらに微細がゆえに取り扱いが困難であった細線状焼結体を最終製品である複合圧電体6中の任意の如何なる位置へも容易に配置することが可能となる。
【0075】
また製造には機械加工、厚膜焼成技術等の従来から技術を用いることができ、方法が容易である。またエッチングの方法を用いた製造方法に比較して短時間で製造することが可能であり、高価な設備も必要としない。
【0076】
さらに微細な焼結体の形成には、繰り返し使用が可能な基材を用いることで、従来技術のように型を消失させるといった材料面での無駄がない。
【0077】
以上述べた構成、効果により本発明による製造方法を用いれば、微細な構造を持つ複合圧電体を低いコスト実現することが可能となる。
【0078】
(実施の形態2)
本発明による実施の形態2による製造方法は、前記の実施の形態1における製造方法における(a)複数の溝を具備した基材を準備する工程に引き続いて、図8の断面模式図に示したように基材1の表面上に形成した溝11の表面の少なくとも一部に保護層7を形成する工程を行い、以下実施の形態1と同様な工程を順次行うものである。
【0079】
本発明の実施の形態2よる製造方法によれば、実施の形態1で述べた構成、効果作用に加え、保護層7を設けたことにより、細線状焼結体を熱処理により得る際に、圧電材料が基材1に著しく拡散することを防止でき、製造歩留まりが向上する。その結果、複合圧電体としての製造コストをさらに下げることが可能となる。
【0080】
保護層7としては、後の焼成工程において加わる熱に対して安定であって、得られる圧電材料から成る細線状焼結体に対し拡散しにくい保護層が適している。さらに保護層が細線状焼結体と若干、反応性を有するものを選べば、基材1上の溝11による細線状焼結体3の拘束性が増し、後の工程を行うことを目的とする運搬が容易になる効果がある。特に限定されるものではないが、保護層7としては、無機物皮膜や無機物酸化皮膜が適している。より具体的には、酸化マグネシウム、ジルコニア、アルミナ等のセラミック材料やシリコン材料、およびこれらの複合材料が好ましい。さらにこれら保護層の形成する方法としては、粉体焼結による方法や化学蒸着(CVD)法、さらには電子ビームによる蒸着法等の従来の技術を用いることができる。
【0081】
なお、本製造法によって表面に保護層7を形成した溝11を有する基材1は、複合圧電体の製造にあたり、繰り返して利用することができるので、製造コストが高くなることは避けられる。
【0082】
(実施の形態3)
本発明による実施の形態3による製造方法は、前記の実施の形態1における製造方法における(a)複数の溝を具備した基材を準備する工程に引き続いて、図9の断面模式図に示したように基材1上の溝11以外の表面の少なくとも一部に剥離層8を形成する工程を行い、以下実施の形態1と同様な工程を順次行うものである。
【0083】
本発明の実施の形態3よる製造方法によれば、実施の形態1で述べた構成、効果作用に加え、さらに剥離層8を溝11以外の基材1表面の少なくとも一部に設けたことにより、後の基材から樹脂層を剥離して細線状焼結体を担時した単位複合シートを得る工程において、基材1からの細線状焼結体3の剥離が容易にすることができ、製造歩留まりが向上する。その結果、複合圧電体としての製造コストをさらに下げることが可能となる。
【0084】
剥離層8としては、例えば図9に示したように表面の物理的形状を変化させ、剥離層とすることができる。より具体的には表面を疎面化して、樹脂層との物理的接触面積を小さくすることで、樹脂層の基材からの剥離性を向上させることが可能となる。
【0085】
特に限定されるものではないが、例えばサンドブラスト法や研磨等で表面を物理的に疎面化する方法やエッチング等の化学的手法によって疎面化することが好ましい。
【0086】
なお、本製造法によって表面に剥離層8を形成した基材1は、複合圧電体の製造にあたり、繰り返して利用することができるので、製造コストが高くなることは避けられる。
【0087】
下記の実施の形態4から実施の形態6は、前記本発明第2番目の製造方法による複合圧電体に関するものである。
【0088】
(実施の形態4)
以下、本発明の実施の形態に4ついて、図10から図13を用いて、工程ごとに詳細に説明する。
【0089】
まず、(a)厚みが10〜500μmの範囲である板状焼結圧電体を準備し、(b)前記板状焼結圧電体に樹脂層を形成する工程として、図10の斜視模式図に示したように、板状焼結圧電体32としての縦17mm、横17mmおよび厚み0.05mmの形状をした、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を主成分とした板状焼結圧電体に、樹脂層22として縦17mm、横17mmおよび厚み0.05mmの形状をしたエポキシ樹脂層を形成した。より具体的には、前記板状焼結圧電体に縦17mm、横17mmおよび厚み0.025mmの形状をしたエポキシ系樹脂接着シート(品番:T2000,日立化成製)2枚を片側より重ね合わせ、真空雰囲気中(13.32Pa(0.1Torr)以下)、10kg/cm2の圧力をかけ120℃、1時間加熱することで前記樹脂接着層22を前記板状焼結圧電体32に接着した。
【0090】
次に(C)前記樹脂層22を具備した前記板状焼結圧電体32に対し、前記樹脂層22を完全に分断せずに平行な切溝を複数本形成することで前記板状焼結圧電体32を切断して複数本の細線状焼結圧電体33とした。具体的には、前記樹脂層22を具備した板状焼結圧電体32に、ダイシング加工機を用い、幅0.05mm、深さ0.05mm〜0.06mmの切り溝11を、0.1mm間隔で170本形成した。その結果、図11の斜視模式図のように、縦17mm、横17mmおよび厚み0.05mmの樹脂層22と、幅0.05mm、厚み0.05mm、長さ17mmの形状をもった170本の細線状焼結圧電体33とからから成る単位複合シート50を得た。
【0091】
なお前記の機械加工の結果、170本の前記細線状焼結圧電体33は、0.05mmの間隔をもって等間隔かつ平行に配列し、かつ下面は樹脂層22と接着して担時されていた。
【0092】
次に、前記(a)〜(c)の操作を複数回行い、同様な単位複合シートを170枚得た。
【0093】
次に、(e)複数枚の前記単位複合シートを前記各細線状焼結圧電体が前記樹脂層の間になるように積層し、(f)積層した複数枚の前記単位複合シートを一体化する工程として、前記の単位複合シートを170枚、細線状焼結圧電体が平行に成る向きに積層し、さらに最上部に縦17mm、横17mmおよび厚み0.025mmの形状をしたエポキシ系樹脂接着シート(品番:T2000 日立化成)を2枚積層した。前記積層体を真空雰囲気中(13.32Pa(0.1Torr)以下)、10kg/cm2の圧力をかけ170℃、1時間加熱することで一体化させた。
【0094】
なお一体化させ得られた積層体は、図12の斜視模式図に示したように、一辺約17mmの立方体形状であって、縦0.05mm、横0.05mmおよび長さ17mmの細線状焼結圧電体28900本(=170×170)が、樹脂層22によって等間隔かつ平行に固定担時されて成る複合圧電体6である。
【0095】
次に(g)前記細線状焼結圧電体の長さ方向と直行する方向に切断する工程として、前記工程を経て得られた積層体を、前記積層体中の細線状焼結圧電体の長さ方向と直交する面で複数個に分割した。より具体的には、ワイヤーソウで切断することでこの複合圧電体6を所望の厚さに調整することができる。前記複合圧電体6の厚み方向にスライスし、図13の斜視模式図に示したような任意厚みの複数個の複合圧電体9に分割することができた。
【0096】
本発明の製造方法は、任意形状の細線状焼結圧電体33を樹脂層22上に、任意な数および位置に配置した単位複合シート50を任意の数一体化させることで複合圧電体6を得ることができる。
【0097】
複合シート50中の細線状焼結圧電体33の径もしくは厚みおよび幅は、用いる板状焼結圧電体32の厚み、および板状焼結圧電体32に形成する切断溝11の深さ、幅によって決定される。
【0098】
また細線状焼結圧電体33の長さは用いる板状焼結圧電体32の大きさによって決定される。
【0099】
求める複合圧電体6中の細線状焼結圧電体33の形状および数に合わせ、用いる板状焼結圧電体32の厚み、大きさ、および切断溝11の深さ、幅、さらには切断溝の数を任意に調整すれば、任意の形状および数の細線状焼結圧電体33を樹脂層22上の任意の位置に配置担時させた単位複合シート50を得ることができる。
【0100】
さらに本発明の製造方法では、これら任意形状および数の細線状焼結圧電体33は樹脂層22よって任意の位置に固体担時されており、その位置が拘束されるので、その後の積層一体化において配置した位置が変わることがない。
【0101】
さらに図12における複合圧電体6中の細線状焼結圧電体33の縦方向の間隔は、単位複合シート50中の樹脂層22の厚みで決定される。すなわち、樹脂層22の厚みを調整することで細線状焼結圧電体33の縦方向の間隔も任意に調整することが可能である。
【0102】
以上の構成による本発明を用いれば、従来の技術ではその形成が困難であった極めて微細な細線状焼結圧電体を容易に製造でき、さらに微細がゆえに取り扱いが困難であった細線状焼結圧電体を最終製品である複合圧電体6中の任意の如何なる位置へも容易に配置することが可能となる。
【0103】
また、従来の圧電材料を直接加工する方法では、細線状焼結圧電体の長さ方向分だけ加工する必要があるのに対し、本発明で形成する切断溝11の深さは、板状焼結圧電体の厚み分、言い換えるならば求める複合圧電体中の細線状焼結圧電体の径の分だけの浅いものでよい。したがって従来の加工に比較して加工が極めて容易である。また製造には機械加工等の従来から技術を用いることができる。
【0104】
また単位複合シート50を積層一体化する方法を採ったことにより、良質な単位複合シート50のみを選択して積層一体化させることができ、複合圧電体としての製造歩留まりを向上させることが可能である。
【0105】
また得られた複合圧電体を細線状焼結圧電体の長さ方向と直交する面で複数個に分割することで、図13の斜視模式図に示したような、複数個の複合圧電体を得ることができるため、生産性が向上し、より低いコストで複合圧電体を製造することが可能となる。
【0106】
また研磨することでこの複合圧電体9を所望の厚さに調整することができる。
【0107】
以上説明した構成及び作用、効果により本発明による製造方法を用いれば、任意な微細構造を持つ複合圧電体を低いコスト実現することが可能となる。
【0108】
なお切断溝11の形成にあたっては、特にダイシング加工の方法に限定されるものではなく、従来技術であるレーザー加工による方法やサンドブラストによる方法を採っても構わない。
【0109】
(実施の形態5)
以下、本発明の実施の形態5について、図14および図15を用いて詳細に説明する。
【0110】
本発明の実施の形態5による複合圧電体は、前記実施の形態4の構成に加え、前記各細線状焼結圧電体との間に、含浸硬化樹脂部が存在している。
【0111】
前記実施の形態4において示した製造方法に加え、積層一体化した後、空隙に樹脂を含浸させ硬化させる。より具体的には、前記実施の形態4の(a)〜(f)工程を順次行い、得られた複合積層体の空隙部分にエポキシ樹脂(アラルダイトスタンダード:チバガイギー)を、減圧下(13.32Pa(0.1Torr)以下)で含浸させ、常温で12時間放置させることで硬化させ含浸硬化樹脂部23とし、図14に示した斜視模式図のような複合圧電体6を得た。
【0112】
また実施の形態4と同様に、研磨もしくは切断することでこの複合圧電体6を所望の厚さに調整することができた。
【0113】
また前記実施の形態4の(g)工程に示した方法と同様な方法により、複合圧電体6の厚み方向にスライスし、任意の厚みの複数個の複合圧電体9分割することができる(図15)。
【0114】
本発明実施の形態5によれば、前記実施の形態4による効果作用に加え、さらに積層体の空隙部分に樹脂を含浸硬化させ、含浸硬化樹脂部を具備させた結果、研磨時もしくは切断分割時における細線状焼結圧電体33の欠落が起き難く、製造歩留まりが向上する。
【0115】
また、含浸硬化樹脂部を具備させたことで、複合圧電体としての物性値を任意に調整することが可能となる。なお、含浸硬化させる樹脂は、エポキシ樹脂に限定されるものでなく、シリコン樹脂、ウレタン樹脂等であっても構わない。求める複合圧電体の密度、音速等の物性値にあわせ任意に選択することができる。
【0116】
(実施の形態6)
以下、本発明の実施の形態6について、図16A−Bを用いて詳細に説明する。
【0117】
本発明実施の形態6による複合圧電体は、前記実施の形態4の構成に加え、前記樹脂層が複数の樹脂層で形成される。
【0118】
(a)厚みが10〜500μmの範囲である板状焼結圧電体を準備し、(b)前記板状焼結圧電体に樹脂層を形成する工程として、板状焼結圧電体1としての縦17mm、横17mmおよび厚み0.05mmの形状をした、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を主成分とした板状焼結圧電体に、樹脂層2として縦17mm、横17mmおよび厚み0.025mmの形状をした樹脂層を形成した。より具体的には、前記板状焼結圧電体に縦17mm、横17mmおよび厚み0.025mmの形状をしたエポキシ系樹脂接着シート(品番:T2000 日立化成)1枚を片側より重ね合わせ、真空雰囲気中(13.32Pa(0.1Torr)以下)、10kg/cm2の圧力をかけ170℃、1時間加熱することで前記樹脂接着シートを前記板状焼結圧電体に接着することで樹脂層とした。すなわち、ここまでの工程は樹脂層の厚みを0.025mmとしたことおよび加熱温度を170℃にしたこと以外、前記実施の形態4と同様である。
【0119】
次に(c)前記樹脂層を具備した前記板状焼結圧電体に対し、前記樹脂層を完全に分断せずに平行な切溝を複数本形成することで前記板状焼結圧電体を切断して複数本の細線状焼結圧電体とする工程として、前記実施の形態と同様な方法で,板状焼結圧電体に切断溝を形成し、縦17mm、横17mmおよび厚み0.025mmの樹脂層22と、幅0.05mm、厚み0.05mm、長さ17mmの形状をもった170本の細線状焼結圧電体からなる複合シートを得た。なお前記の機械加工の結果、170本の前記細線状焼結圧電体33は、0.05mmの間隔をもって等間隔かつ平行に樹脂層22によって担時されている。
【0120】
(d)前記(a)〜(c)の操作を複数回行い、同様な複合シートを170枚得た。
【0121】
(e)複数枚の複合シートを積層する際に、前記各複合シート間に接着樹脂シートを挟んで積層する工程として、前記の170枚の複合シートを、各複合シートの間に接着樹脂シートとしての縦17mm、横17mmおよび厚み0.025mm形状をしたエポキシ系樹脂接着シート(品番:HAFP4 日立化成)を各1枚(合計169枚)挟んで、細線状焼結圧電体が平行に成る向きに積層した。さらに前記積層したものの最下部に同エポキシ系樹脂接着シート(品番:HAFP4 日立化成)を1枚、また際上部に2枚配置させた。
【0122】
(f)積層した複数枚の前記複合シートを一体化する工程として、積層した前記積層体を真空雰囲気中(13.32Pa(0.1Torr)以下)、10kg/cm2の圧力をかけ80℃、1分間加熱し、さらに170℃に30分間かけ昇温し、30分間加熱保持させることで一体化させた。
【0123】
なお一体化させ得られた積層体は、実施の形態4と同様に、一辺約17mmの立方体形状であって、縦0.05mm、横0.05mmおよび長さ17mmの細線状焼結圧電体28900本(=170×170)が、樹脂層22によって等間隔かつ平行に固定担時されて成る複合圧電体である。
【0124】
(g)前記細線状焼結圧電体の長さ方向と直行する方向に切断する工程として、実施の形態4と同様に、前記工程を経て得られた積層体を、前記積層体中の細線状焼結圧電体の長さ方向と直交する面で複数個に分割した。より具体的には、ワイヤーソウで切断することでこの複合圧電体を所望の厚さに調整することができる。前記一体化させた複合圧電体の厚み方向にスライスし、図16Aの斜視模式図に示したような任意の厚みの複数個の複合圧電体9に分割することができた。
【0125】
本発明実施の形態6によれば、前記実施の形態4による効果作用に加え、さらに樹脂層を複数の樹脂層としたことで、細線状焼結圧電体の配置精度を向上されること、積層一体化させる際の歩留まりを向上させることができる。一般に入手される接着を目的としたエポキシ樹脂シートは、硬化反応の過渡状態で製品化されている。通常完全に硬化させた後は接着性がなくなるか、著しく低下する。本実施の形態6ではまず第一の樹脂層を用い、かつ樹脂層を完全に硬化させることで、板状焼結圧電体との接着をより高いものとした。さらに第二の樹脂層として別の接着樹脂シートを用い、各単位複合シートを積層、接着一体化させた構成とした。この構成としたことで、第一の樹脂層を完全硬化させることで単位複合シート中の細線状焼結圧電体33の固定配置をより完全なものとし、かつ第二の樹脂層を用いたことにより、その後の積層一体化も十分行うことができる。その結果として、製造歩留まりが向上し、複合圧電体としての製造コストを低くすることが可能となる。さらに、本発明によれば、樹脂層を複数層で形成することが可能になった結果、従来に比較して、複合圧電体の物性値の調整が、より自由度をもって可能となる。
【0126】
なお、特に限定するものではないが、第二の樹脂層として用いられる接着樹脂シートは、第一の樹脂層に比較して低温度で接着性を示すものを選択することがより好ましい。
【0127】
なお、第二の樹脂層として接着剤を塗布して形成した接着層であっても構わない。
【0128】
なお、樹脂層は、2層に限定されるものでなく、2層以上であっても構わない。
【0129】
なお、本実施の形態6の上記(f)の工程に引き続き、前記実施の形態5と同様な操作により、前記各細線状焼結圧電体との間に、含浸硬化樹脂部を具備させ、図16Bの斜視模式図に示したような複合圧電体9とすることができた。この構成をとった場合、前記の効果作用に加え、実施の形態5で示した効果も得ることができた。
【0130】
(実施の形態7)
本実施の形態は、前記本発明の第3番目の製造方法による複合圧電体に関するものである。
【0131】
以下、本発明の実施の形態7について、図17A−Bを用いて詳細に説明する。
【0132】
まず、(a)厚みが10〜500μmの範囲である板状焼結圧電体を準備し、(b)前記板状焼結圧電体を、接着シートにより基材に仮固定する工程として、図17Aの斜視模式図に示したように、板状焼結圧電体32としての縦17mm、横17mmおよび厚み0.05mmの形状をした、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を主成分とした板状焼結圧電体を、基材1としてのガラス板(厚み5mm)に、接着シート42としての熱剥離シート(品番:リバアルファ3195M 日東電工製)を用い仮固定した。
【0133】
次に(c)前記板状焼結圧電体に対し、平行な切溝を複数本形成することで前記板状焼結圧電体を切断して複数本の細線状焼結圧電体とする工程として、
前記ガラス板上に仮固定された板状焼結圧電体に、ダイシング加工機を用い、幅0.05mm、深さ0.05mm〜0.06mmの切り溝を、0.1mm間隔で170本形成した。その結果、図17Bの斜視模式図のように、幅0.05mm、厚み0.05mm、長さ17mmの形状をもった170本の細線状焼結圧電体が、熱剥離シートにより担持されたガラス板を得た。11は切断溝である。
【0134】
なお前記の機械加工の結果、170本の前記細線状焼結圧電体33は、0.05mmの間隔をもって等間隔かつ平行に配列して担時されていた。
【0135】
次に(d)基材に仮固定された複数本の前記細線状焼結圧電体を、樹脂層としての樹脂シートに転写する工程として、図17Cの斜視模式図に示したように、前記ガラス板上に前記配列担持された細線状焼結圧電体33の上部表面に、縦17mm、横17mmおよび厚み0.025mmの形状をしたエポキシ系樹脂接着シート(品番:T2000,日立化成製)を2枚配置し、3kg/cm2の圧力をかけ、120℃、1時間加熱した。加熱の結果、前記エポキシ系樹脂接着シートと細線状焼結圧電体との間の接着効果、および前記熱剥離シートの発泡効果によるガラス板と細線状焼結圧電体との間での剥離効果の相乗効果により、細線状焼結圧電体が樹脂層22としてのエポキシ系樹脂接着シートに転写された。
【0136】
その結果、図17Dに示した斜視模式図のような複合シート50を得た。
【0137】
なお前記までの操作の結果、170本の前記細線状焼結圧電体33は、樹脂層22上に、0.05mmの間隔をもって等間隔かつ平行に配列し、接着担時されていた。
【0138】
前記(a)〜(d)の操作を複数回行い、同様な複合シートを170枚得た。
【0139】
得られた170枚の複合シートを前記実施の形態4と同様な方法で一体化することで、実施の形態4と同様な複合圧電体、すなわち図12の斜視模式図に示したような一辺約17mmの立方体形状であって、縦0.05mm、横0.05mmおよび長さ17mmの細線状焼結圧電体28900本(=170×170)が、樹脂層22によって等間隔かつ平行に固定担時されて成る複合圧電体6を得た。
【0140】
さらに得られた積層体を、前記実施の形態4と同様な方法で分割することで、実施の形態4と同様な複数個の複合圧電体を得た。
【0141】
本実施例によれば、前記実施の形態4〜実施の形態6の効果に加え、複合シートを製造する際に、事前に板状焼結圧電体に樹脂層を形成する工程を省くことができる。また、板状焼結圧電体に樹脂層を形成する際に生じる板状焼結圧電体の破損を防止でき、製造歩留まりを向上させる効果がある。
【0142】
なお、本実施の形態により得た切断分割前の複合圧電体に、前記実施の形態5で説明した方法と同様な方法により、含浸硬化樹脂部を形成し、実施の形態5と同様な効果作用を得ることができる。
【0143】
なお、本実施の形態により得られた複合シートを、前記の実施の形態6と同様な方法により、別の接着樹脂シートを用いて積層し、複合圧電体を形成することで、実施の形態6で説明した効果と同様な効果を得ることができる。
【0144】
(実施の形態8)
本実施の形態は、前記の本発明の第4番目の製造方法による複合圧電体に関するものである。
【0145】
以下、本発明の実施の形態8について、図18A−Bを用いて詳細に説明する。
【0146】
まず、(a)前記の実施の形態4で説明した方法と同様な方法により複合シート50を得た。すなわち、準備した複合シートは、縦17mm、横17mmおよび厚み0.05mmの樹脂層2上に、幅0.05mm、厚み0.05mm、長さ17mmの形状をもった170本の細線状焼結圧電体が整列担持された複合シート50である。この複合シート50に図18Aの斜視模式図に示したように、整列配置された細線状焼結圧電体33の上部に、樹脂層22として縦17mm、横17mmおよび厚み0.025mmの形状をしたエポキシ樹脂層、より具体的には、前記板状焼結圧電体に縦17mm、横17mmおよび厚み0.025mmの形状をしたエポキシ系樹脂接着シート(品番:T2000,日立化成製)を配置させた。
(b)細線状焼結圧電体が、前記複合シート中の樹脂層と前記樹脂シートに挟持されるように一体化して積層単位複合シートとする工程として、真空雰囲気中(13.32Pa(0.1Torr)以下)で、上下面より10kg/cm2の圧力をかけ120℃、1時間加熱すること一体化し、図18Bの斜視模式図に示したような積層単位複合シート51を得た。得られた積層単位複合シートの形状は、おおよそ縦17mm、横17mmおよび厚み0.100mmであって、樹脂層22内部に、幅0.05mm、厚み0.05mm、長さ17mmの形状をもった170本の細線状焼結圧電体が0.05mmの間隔をもって整列担持された積層単位複合シートである。
(c)次に、前記(a)および(b)の操作を複数回行い、同様な積層単位複合シートを170枚得た。
【0147】
次に(d)複数枚の前記積層単位複合シートを前記各細線状焼結圧電体が平行になるように170枚積層し、(e)積層した複数枚の前記積層単位複合シートを一体化する工程として、真空雰囲気中(13.32Pa(0.1Torr)以下)で、上下面より10kg/cm2の圧力をかけ170℃、1時間加熱することで一体化させた。
【0148】
なお一体化させ得られた積層体は、図18Cの斜視模式図に示したように、一辺約17mmの立方体形状であって、縦0.05mm、横0.05mmおよび長さ17mmの細線状焼結圧電体28900本(=170×170)が、樹脂層22によって等間隔かつ平行に固定担時されてなる複合圧電体6である。
【0149】
本実施の形態による積層単位複合シートを用い、積層一体化した複合圧電体には、基本的に空隙部分がなく、実施の形態5で述べた方法のように積層一体化の後、樹脂を含浸硬化することをせずに、空隙部の少なく切断分割に際して強靭な複合圧電体を容易に得ることができる。よって製造コストを削減することが可能である。
【0150】
なお、本実施の形態による方法においては、前記までのどの方法によって得られた複合シートを用いることができる。本実施の形態の説明においては、前記実施の形態4の方法によった複合シートを用いたが、実施の形態1に説明したような基材上で焼結させることで製造した細線状焼結体3による複合シートや、実施の形態7で説明したような方法で製造した複合シートを用いてもよい。
【0151】
以下の本実施の形態9および10は、前記の本発明の第5番目の製造方法による複合圧電体に関するものである。
【0152】
(実施の形態9)
(a)二枚の複合シート準備する工程として、前記の実施の形態7と加工形状以外は同等な方法により複合シートを製造した。
【0153】
より具体的には、板状焼結圧電体32としての縦17mm、横17mmおよび厚み0.05mmの形状をした、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を主成分とした板状焼結圧電体を、基材1としてのガラス板(厚み5mm)に、接着シート42としての熱剥離シート(品番:リバアルファ3195M 日東電工製)を用い仮固定し、仮固定した前記板状焼結圧電体に、ダイシング加工機を用い、幅0.07mm、深さ0.05mm〜0.06mmの切り溝を、0.12mm間隔で形成した。この結果、前記板状焼結圧電体は、幅0.05mmの細線状焼結圧電体、142本に分割され、かつ前記142本の細線状焼結圧電体は、間隔0.07mm(=0.12−0.05mm)をもって等間隔かつ平行に配列していた。基材に仮固定された142本の前記細線状焼結圧電体に、樹脂層としての樹脂シート(縦17mm、横17mmおよび厚み0.025mmの形状をしたエポキシ系樹脂接着シート 品番:T2000,日立化成製)を上部より配置し、3kg/cm2の圧力をかけ120℃、1時間加熱転写した。その結果、図19Aの斜視模式図に示したような複合シート50を得た。
(b)2枚の前記複合シート50を一方の複合シート表面上に配列された細線状焼結圧電体が、他方の複合シート表面上に配列された細線状焼結圧電体の間に配置されるように対向させ一体化して積層単位複合シートとした。より具体的には、真空雰囲気中(13.32Pa(0.1Torr)以下)で、対向させた上下面より10kg/cm2の圧力をかけ120℃、1時間加熱すること一体化し、図19Bの斜視模式図に示したような積層単位複合シート51を得た。得られた積層単位複合シートの形状は、おおよそ縦17mm、横17mmおよび厚み0.100mmであって、樹脂層22内部に、幅0.05mm、厚み0.05mm、長さ17mmの形状をもった284本(=142×2本)の細線状焼結圧電体が約0.01mmの間隔をもって整列担持された複合シート51である。
(c)前記(a)〜(b)の操作を複数回繰り返すことにより前記両樹脂層の間に、前記積層単位複合シートを170枚製造した。
次に(d)複数枚の前記積層単位複合シートを前記各細線状焼結圧電体が平行になるように170枚積層し、
(e)積層した複数枚の前記積層単位複合シートを一体化する工程として、真空雰囲気中(13.32Pa(0.1Torr)以下)で、上下面より10kg/cm2の圧力をかけ170℃、1時間加熱することで一体化させた。
【0154】
結果として得られた積層体は、図20の斜視模式図に示したように、一辺約17mmの立方体形状であって、縦0.05mm、横0.05mmおよび長さ17mmの細線状焼結圧電体48280本(=284×170)が、樹脂層22によって等間隔かつ平行に固定担時されて成る複合圧電体6である。
【0155】
さらに得られた積層体を、前記実施の形態4と同様な方法で分割することで、実施の形態4同様な複数個の複合圧電体を得た。
【0156】
本実施例によれば、前記実施の形態4〜実施の形態7の効果に加え、細線状焼結圧電体間の間隔をより小さくすることが可能となる。
【0157】
現在の機械加工の技術では、前記のようなごく薄い圧電焼結体に小さい幅の切溝11を入れる加工を考えた際、切溝の幅は、0.04mm程度が限界もしくは、可能であっても歩留まりが著しく悪くなると考えられる。そのことから考えると、前記実施の形態4〜7までの方法では、おのずと得られる複合圧電体中の細線状焼結圧電体の間隔を、前記0.04mm以下にすることは困難である。
【0158】
しかしながら、本実施の形態による方法によれば、比較的幅の広い切溝(本実施の形態では、0.07mm)を有す複合シート2枚を、対向させ一体化することで、一方の複合シート中の切溝内に、他方の複合シート中の細線状焼結圧電体を配置することができるので、結果として狭い間隔(本実施の形態においては、約0.01mm)で細線状焼結圧電体を配置した複合圧電体を製造することができる。
【0159】
なお、本実施の形態に用いる複合シートは、前記実施の形態7によるものに限ったものではなく、他の実施の形態によって得られた複合シートを用いてもよい。
【0160】
なお、本実施の形態により得られた積層単位複合シートを、前記の実施の形態6と同様な方法により、別の接着樹脂シートを用いて積層し、複合圧電体を形成することもでき、実施の形態6で述べた効果と同様な効果を得ることができる。
【0161】
(実施の形態10)
前記実施の形態9と全く同様な材料および方法により得られた切断分割前の複合圧電体に対し、前記実施の形態5で述べた材料および方法により、含浸硬化樹脂部を形成した。より具体的には、実施の形態5と同様に得られた複合積層体5の空隙部分にエポキシ樹脂(アラルダイトスタンダード:チバガイギー)を、減圧下(13.32Pa(0.1Torr)以下)で含浸させ、常温で12時間放置させることで硬化させ含浸硬化樹脂部とした。
【0162】
本実施の形態によれば、前記実施の形態9に述べた効果作用に加え、実施の形態5に述べた効果作用を得ることができる。
【0163】
なお、前記いずれの実施の形態においても、複数枚の前記複合シートもしくは複数枚の前記積層単位複合シートを一体化させる方法が、個々の複合シートもしくは積層単位複合シート間に樹脂を含浸させ硬化させる方法であっても構わない。また一体化をより確実なものとする目的で、前記までの実施の形態で得られる複合圧電体に、個々の複合シートもしくは積層単位複合シート間に樹脂を含浸させ硬化させる方法を付加してもよい。
【0164】
(実施の形態11)
以下、本実施の形態11について、図21A−Bを用いて詳細に説明する。
【0165】
本実施の形態11は、(c)板状焼結圧電体に対し平行な切溝を複数本形成することで前記板状焼結圧電体を切断して複数本の細線状焼結圧電体とする工程において、切溝の形成にサンドブラスト工法を用いたこと以外は、基本的に前記の実施の形態4〜10と同様なものである。
【0166】
まず、(a)厚みが10〜500μmの範囲である板状焼結圧電体を準備し、(b)前記板状焼結圧電体に樹脂層を形成する工程として、図10の斜視模式図に示したように、板状焼結圧電体32としての縦17mm、横17mmおよび厚み0.05mmの形状をした、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を主成分とした板状焼結圧電体に、樹脂層22として縦17mm、横17mmおよび厚み0.05mmの形状をしたエポキシ樹脂層を形成した。より具体的には、前記板状焼結圧電体に縦17mm、横17mmおよび厚み0.025mmの形状をしたエポキシ系樹脂接着シート(品番:T2000,日立化成製)2枚を片側より重ね合わせ、真空雰囲気中(13.32Pa(0.1Torr)以下)、10kg/cm2の圧力をかけ120℃、1時間加熱することで前記樹脂接着シートを前記板状焼結圧電体に接着することで樹脂層とした。
【0167】
次に(C)前記樹脂層を具備した前記板状焼結圧電体に対し、前記樹脂層を完全に分断せずに平行な切溝を複数本形成することで前記板状焼結圧電体を切断して複数本の細線状焼結圧電体とする工程として、サンドブラスト工法を用い、切溝11を形成した。
【0168】
より具体的には、樹脂層22を具備した板状焼結圧電体32表面に、図21Aに示したように、0.050mm幅のレジスト層10を0.050mm間隔をもって(すなわちピッチ0.10mm)形成した。すなわち17mm角の板状焼結圧電体表面に、幅0.05mm×長さ17mmのレジスト層10、約170本を、0.05mmの間隔をもって平行に形成した。
【0169】
次にレジスト層10の開口部より(図面上方より)微細なセラミック粉を吹き付けることで、レジスト層10が形成されていない部分の焼結圧電体に切溝11を形成した。
【0170】
前記のサンドブラスト工法による加工の結果、図21Bに示したように、断面形状が上辺約0.05mm、底辺約0.065および高さ0.05mmの台形をした細線状焼結圧電体33が170本と、縦17mm、横17mmおよび厚み0.05mmの樹脂層22とから成る複合シートを得た。11は切断溝である。
【0171】
前記のサンドブラスト加工の結果、170本の前記細線状焼結圧電体33は、平均約0.05mmの間隔(狭い部分約0.035mmの間隔、広い部分約0.065mmの間隔)をもって、等間隔かつ平行に配列し、かつ下面は樹脂層22と接着して担時されていた。
【0172】
次に、前記(a)〜(c)の操作を複数回行い、同様な複合シートを170枚得た。
【0173】
次に、(e)複数枚の前記複合シートを前記各細線状焼結圧電体が前記樹脂層の間になるように積層し、(f)積層した複数枚の前記複合シートを一体化する工程として、前記の複合シートを170枚、細線状焼結圧電体が平行になる向きに積層し、さらに最上部に縦17mm、横17mmおよび厚み0.025mmの形状をしたエポキシ系樹脂接着シート(品番:T2000 日立化成)を2枚積層した。前記積層体を真空雰囲気中(13.32Pa(0.1Torr)以下)、10kg/cm2の圧力をかけ170℃、1時間加熱することで一体化させた。
【0174】
なお一体化させ得られた積層体は、一辺約17mmの立方体形状であって、断面形状が上辺約0.05mm、底辺約0.065および高さ0.05mmの台形をし、長さが約17mmの細線状焼結圧電体が28900本(=170×170)が、平均約0.05mmの間隔(狭い部分約0.035mmの間隔、広い部分約0.065mmの間隔)をもって、樹脂層22によって等間隔かつ平行に固定担時されて成る複合圧電体である。
【0175】
次に(g)前記細線状焼結圧電体の長さ方向と直行する方向に切断する工程として、前記工程を経て得られた積層体を、前記積層体中の細線状焼結圧電体の長さ方向と直交する面で複数個に分割した。より具体的には、ワイヤーソウで切断することでこの複合圧電体を所望の厚さに調整することができる。前記複合圧電体6の厚み方向にスライスし、図13の斜視模式図に示したような任意厚みの複数個の複合圧電体9に分割することができる。
【0176】
本発明の製造方法は、任意形状の細線状焼結圧電体33を樹脂層22上に、任意な数および位置に配置した単位複合シートを任意の数一体化させることで複合圧電体6を得ることができる。
【0177】
なお、本実施の形態により得た切断分割前の複合圧電体に、前記実施の形態5で述べた方法と同様な方法により、含浸硬化樹脂部を形成し、実施の形態5と同様な効果作用を得ることができる。
【0178】
なお、本実施の形態により得られた複合シートを、前記の実施の形態6と同様な方法により、別の接着樹脂シートを用いて積層し、複合圧電体を形成することで、実施の形態6で述べた効果と同様な効果を得ることができる。
【0179】
本実施例によれば、前記実施の形態4〜実施の形態6の効果に加え、複合シートを製造する際に、サンドブラスト工法を用いたことにより、加工がより効率的にでき、したがって製造コストを削減することが可能となる。
【0180】
(実施の形態12)
本発明実施の形態12による複合圧電体は、前記実施の形態11の構成に加え、前記各細線状焼結圧電体との間に、含浸硬化樹脂部が存在している。
【0181】
前記実施の形態11において示した製造方法に加え、積層一体化した後、空隙に樹脂を含浸させ硬化させる。より具体的には、前記実施の形態4の(a)〜(f)の工程を順次行い、得られた複合積層体の空隙部分にエポキシ樹脂(アラルダイトスタンダード:チバガイギー)を、減圧下(13.32Pa(0.1Torr)以下)で含浸させ、常温で12時間放置させることで硬化させ含浸硬化樹脂とした。
【0182】
また他の実施の形態と同様に、研磨もしくは切断することでこの複合圧電体を所望の厚さに調整することができる。
【0183】
また他の前記実施に示した方法と同様な方法により、複合圧電体の厚み方向にスライスし、任意の厚みの複数個の複合圧電体に分割することができる。
【0184】
本発明の実施の形態12によれば、前記実施の形態11による効果作用に加え、さらに積層体の空隙部分に樹脂を含浸硬化させ、含浸硬化樹脂部を具備させた結果、研磨時もしくは切断分割時における細線状焼結圧電体の欠落が起き難く、製造歩留まりが向上する。
【0185】
また、含浸硬化樹脂部を具備させたことで、複合圧電体としての物性値を任意に調整することが可能となる。なお、含浸硬化させる樹脂は、エポキシ樹脂に限定されるものでなく、シリコン樹脂、ウレタン樹脂等であっても構わない。求める複合圧電体の密度、音速等の物性値にあわせ任意に選択することができる。
【0186】
【実施例】
(実施例1)
前記実施の形態1で示した製造方法により得られた複合圧電体を、切断研磨することにより、縦15mm×横15mm×厚み(細線状焼結圧電体の長さ方向)0.3mmの形状もった複合圧電体とした。すなわち、前記形状寸法中に、平均0.065mm角×長さ0.3mmの細線状焼結圧電体約12300本が、それぞれ0.07mmの間隔を持って、樹脂中に整列担持された1-3型複合圧電体を得た。
【0187】
(実施例2)
前記実施の形態4で示した製造方法により得られた複合圧電体を、切断研磨することにより、縦15mm×横15mm×厚み(細線状焼結圧電体の長さ方向)0.3mmの形状もった複合圧電体とした。すなわち、前記形状寸法中に、平均0.05mm角×長さ0.3mmの細線状焼結圧電体約22500本が、それぞれ0.05mmの間隔を持って、樹脂中に整列担持されかつ、空隙部分を有した1-3型複合圧電体を得た。
【0188】
(実施例3)
前記実施の形態5で示した製造方法により得られた複合圧電体を、切断研磨することにより、縦15mm×横15mm×厚み(細線状焼結圧電体の長さ方向)0.3mmの形状もった複合圧電体とした。すなわち、この実施例3における複合圧電体は、空隙部分にエポキシ樹脂を含浸硬化させた以外は、実施例2と同様な1-3型複合圧電体である。
【0189】
(実施例4)
前記実施の形態5と基本的に同様な製造方法によったが、空隙部分に含浸硬化させる樹脂として、エポキシ樹脂の代わりに、シリコン樹脂(CY52−227A/B 東レダウコーニングシリコン)を減圧下(13.32Pa(0.1Torr)以下)で含浸させ、150℃、1時間加熱すること硬化させ含浸硬化樹脂部とした。すなわち、この実施例4における複合圧電体は、空隙部分にシリコン樹脂を含浸硬化させた以外は、実施例2と同様な1-3型複合圧電体である。
【0190】
(実施例5)
前記実施の形態6で示した製造方法により得られた複合圧電体を、切断研磨することにより、縦15mm×横15mm×厚み(細線状焼結圧電体の長さ方向)0.3mmの形状もった複合圧電体とした。この実施例5による複合圧電体は、複合シートを積層一体化させる際に、前記複合シート中の樹脂層とは別の接着樹脂シートを用いたこと以外は、実施例2と同様な1-3型複合圧電体である。すなわち、前記形状寸法中に、平均0.05mm角×長さ0.3mmの細線状焼結圧電体約22500本が、それぞれ0.05mmの間隔を持って、樹脂中に整列担持されかつ、空隙部分を有した1-3型複合圧電体であり、形状としては、前記実施例2と同等なものである。
【0191】
(実施例6)
前記実施の形態7で示した製造方法により得られた複合圧電体を、切断研磨することにより、縦15mm×横15mm×厚み(細線状焼結圧電体の長さ方向)0.3mmの形状もった複合圧電体とした。この実施例6による複合圧電体は、複合シート製造する際に、基材上に仮固定した細線状焼結圧電体を樹脂シートに転写して製造したこと以外は、実施例2と同様な1-3型複合圧電体である。すなわち、前記形状寸法中に、平均0.05mm角×長さ0.3mmの細線状焼結圧電体約22500本が、それぞれ0.05mmの間隔を持って、樹脂中に整列担持されかつ、空隙部分を有した1-3型複合圧電体であり、形状としては、前記実施例2と同等なものである。
【0192】
(実施例7)
前記実施の形態8で示した製造方法により得られた複合圧電体を、切断研磨することにより、縦15mm×横15mm×厚み(細線状焼結圧電体の長さ方向)0.3mmの形状もった複合圧電体とした。この実施例7による複合圧電体は、一体化した積層単位複合シートを積層一体化したことを特徴とする。内部構造(細線状焼結圧電体の数、配置)は前記実施例2と同等なものであるが、空隙部は有せず、樹脂層として用いたエポキシ樹脂が充填されている構造となっている。
【0193】
(実施例8)
前記実施の形態9で示した製造方法により得られた複合圧電体を、切断研磨することにより、縦15mm×横15mm×厚み(細線状焼結圧電体の長さ方向)0.3mmの形状もった複合圧電体とした。すなわち、前記形状寸法中に、平均0.05mm角×長さ0.3mmの細線状焼結圧電体約37500本が、横方向(複合シート中の細線状焼結圧電体の配列方向)に平均0.01mmの間隔、縦方向(複合シートの積層方向)に0.05mmの間隔をもって、樹脂中に整列担持されかつ空隙部分を有した1-3型複合圧電体を得た。
【0194】
(実施例9)
前記実施の形態10で示した製造方法により得られた複合圧電体を、切断研磨することにより、縦15mm×横15mm×厚み(細線状焼結圧電体の長さ方向)0.3mmの形状もった複合圧電体とした。すなわち、この実施例9における複合圧電体は、空隙部分にエポキシ樹脂を含浸硬化させた以外は、実施例8と同様な1-3型複合圧電体である。
【0195】
(実施例10)
前記実施の形態11で示した製造法により得られた複合圧電体を、切断研磨することにより、立て15mm×横15mm厚み(細線状焼結圧電体の長さ方向)0.3mmの形状をもった複合圧電体とした。すなわち、前記形状寸法中に、断面形状が上辺約0.05mm、底辺約0.065および高さ0.05mmの台形をし、長さが約17mmの細線状焼結圧電体が28900本(=170×170)が、それぞれ平均約0.05mmの間隔(狭い部分約0.035mmの間隔、広い部分約0.065mmの間隔)を持って、樹脂中に整列担持されかつ、空隙部分を有した1-3型複合圧電体を得た。
【0196】
(実施例11)
前記実施の形態12で示した製造方法により得られた複合圧電体を、切断研磨することにより、縦15mm×横15mm×厚み(細線状焼結圧電体の長さ方向)0.3mmの形状もった複合圧電体とした。すなわち、この実施例11における複合圧電体は、空隙部分にエポキシ樹脂を含浸硬化させた以外は、実施例10と同様な1-3型複合圧電体である。
【0197】
(比較例)
実施例2〜11に、用いた板状焼結圧電体であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)材料の物性値を示した。
【0198】
得られた上記11種類の複合圧電体は共に全体の形状(縦15mm×横15mm×厚み0.3mm)は同じである。
【0199】
得られた複合圧電体の形状および重さから、それぞれの複合圧電体としての密度を算出した。
【0200】
得られた上記11種類の複合圧電体の両側面(細線状焼結圧電体の長さ方向と直行する面)にスパッタ装置を用いて、それぞれの金を0.2μmの厚みで形成し電極とした。
【0201】
さらに両電極間に、250Vの電圧を大気170℃雰囲気中で30分間印加し、分極処理し、測定用素子とした。
【0202】
得られた11種類の測定用素子の周波数特性を測定評価し、密度および電気機械結合係数(Kt)の物性値を算出した。
【0203】
また、各複合圧電体中のPZT体積占有率(複合圧電体全体の体積に対するPZT体積の割合)を示す。
【0204】
実施例1〜11の複合圧電体および比較例の物性値を次の表1に示す。
【0205】
【表1】
Figure 0003849976
【0206】
表1から判るように、本発明による複合圧電体は、比較例に比べ機械結合定数が向上している。また表から判るように、本発明による製造方法によれば、複合圧電体中のPZT体積占有率を広い範囲で任意に調整できるので、したがって複合圧電体の密度も広い範囲で調整が可能である。
【0207】
(実施例12)
本発明により得られた複合圧電体9のうち、電気機械結合係数ktが0.69であった複合圧電体に、図22に示したように、超音波放射面に樹脂とセラミックスフィラーより成る音響整合層90を設け、さらに他方には、鉄粉とゴムから成るバッキング材91を設けた。さらに複合圧電体の両面に設けた電極92のうち、複合圧電体9の超音波放射面側の電極を接地とし、他方側の電極を駆動電極として送受信回路93に接続した。
【0208】
前記のように構成した超音波探触子100は、複合圧電体9の代わりに電気機械係数ktが0.50である圧電セラミックスを用いた同様な構成の超音波探触子に比較して、約50%以上の広帯域化が実現できた。
【0209】
(実施例13)
本実施例は前記実施例12で述べた本発明による複合圧電体を用いた超音波探触子による超音波診断装置である。
【0210】
図23に示したように、実施例12で述べた超音波探触子100を、送信部94、受信部95、コントロール部96、画像構成部97および画像表示装置98から成る超音波診断装置本体101に接続した。従来比約50%以上の広帯域化が実現された超音波探触子の効果により、高分解能化が実現した超音波診断装置が得られた。
【0211】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、任意形状の細線状焼結圧電体を樹脂層上に、任意な数および位置に配置した単位複合シートを任意の数一体化させることで複合圧電体を得ることができる。さらに本発明の製造方法では、これら任意形状および数の細線状焼結圧電体は樹脂層よって任意の位置に固体担時されており、その位置が拘束されるので、その後の積層一体化において配置した位置が変わることがない。樹脂層の厚みを調整することで細線状焼結圧電体の縦方向の間隔も任意に調整することが可能である。
【0212】
またエッチング等の方法を用いた従来の製造方法に比較して短時間で製造することが可能であり、高価な設備も必要としない。
【0213】
また、本発明の製造方法のうち、基材上に微細な焼結体を形成する方法においては、繰り返し使用が可能な基材を用いることで、従来技術のように型を消失させるといった材料面での無駄がない。
【0214】
また、本発明の製造方法の内、板状焼結圧電体に機械加工する方法においては、従来の圧電材料を直接加工する方法では、細線状焼結圧電体の長さ方向分だけ加工する必要があるのに対し、本発明で形成する切断溝の深さは、板状焼結圧電体の厚み分、言い換えるならば求める複合圧電体中の細線状焼結圧電体の径と同等の浅いものでよい。したがって従来の加工に比較して加工が極めて容易である。
【0215】
また、複合シートを一体化して新たな積層単位複合シートを形成する方法を採れば、さらに微細な形状の複合圧電体を得ることができる。
【0216】
また、単位複合シートもしくは積層単位複合シートを積層一体化する方法を採ったことにより、良質な単位複合シートのみを選択して積層一体化させることができ、複合圧電体としての製造歩留まりを向上させることが可能である。
【0217】
また、得られた複合圧電体を細線状焼結圧電体の長さ方向と直交する面で複数個に分割することで、生産性が向上し、より低いコストで複合圧電体を製造することが可能となる。
【0218】
また、含浸硬化樹脂部を具備させたことで、複合圧電体としての物性値を自由度をもって調整することが可能となる。
【0219】
以上述べたとおり本発明によれば、任意な微細構造および物性値を持つ信頼性の高い複合圧電体を低いコストで提供することが可能となる。
【0220】
さらにこの複合圧電体を用いた高性能かつ安価な超音波診断装置用超音波探触子及び超音波診断装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aは本発明の実施の形態1における複数の溝を具備した基材を準備する工程を示す斜視模式図、およびBは同断面模式図。
【図2】Aは本発明の実施の形態1における複数の溝に圧電粉体とバインダーとを含むペーストを塗布形成する工程を示す斜視模式図、およびBは同断面模式図。
【図3】Aは本発明の実施の形態1における加熱して圧電粉体を焼結させ細線状焼結体を得る工程を示す斜視模式図、およびBは同断面模式図。
【図4】Aは本発明の実施の形態1における基材に担時された前記細線状焼結体に樹脂層を接着させる工程を示す斜視模式図、およびBは同断面模式図。
【図5】Aは本発明の実施の形態1における細線状焼結体を担時した単位複合シートを得る工程を示す斜視模式図、およびBは同断面模式図。
【図6】Aは本発明の実施の形態1における単位複合シートを積層する工程を示す斜視模式図、およびBは同断面模式図。
【図7】Aは本発明の実施の形態1における積層した複数枚の前記単位複合シートを一体化させる工程を示す斜視模式図、およびBは同断面模式図。
【図8】本発明の実施の形態2において用いる基材を示す断面模式図。
【図9】本発明の実施の形態3において用いる基材を示す断面模式図。
【図10】本発明の実施の形態4における板状焼結圧電体に樹脂層を形成する工程を示す斜視模式図。
【図11】本発明の実施の形態4における板状焼結圧電体を切断して複数本の細線状焼結圧電体とする工程を示す斜視模式図。
【図12】本発明の実施の形態4における複合シートを積層一体化する工程を示す斜視模式図。
【図13】本発明の実施の形態4における複合圧電体を示す斜視模式図断面模式図。
【図14】本発明の実施の形態5における積層一体化した後、空隙に樹脂を含浸させ硬化さる工程を示す斜視模式図。
【図15】本発明の実施の形態5における複合圧電体を示す斜視模式図断面模式図。
【図16】A−Bは本発明の実施の形態6における樹脂層が複数の樹脂層で成る複合圧電体を示す斜視模式図。
【図17】A−Dは本発明の実施の形態7における製造方法を示す斜視模式図。
【図18】A−Cは本発明の実施の形態8における製造方法を示す斜視模式図
【図19】A−Bは本発明の実施の形態9における製造方法を示す斜視模式図。
【図20】本発明の実施の形態9における複合圧電体を示す斜視模式図断面模式図。
【図21】Aは本発明の実施の形態11における複合シートの製造方法を説明する断面模式図、Bは同複合シートを示す断面模式図。
【図22】本発明の実施例12おける超音波診断装置用超音波探触子の構成図。
【図23】本発明の実施例13における超音波診断装置の構成図。
【図24】従来の1−3型複合圧電体を説明する斜視模式図。
【符号の説明】
1 基材
3 細線状焼結圧電体
5 複合圧電体
6 レジスト層
7 保護層
8 剥離層
11 溝
21 塗布膜
22 樹脂層
23 含浸硬化樹脂部
24 第二樹脂層
31 圧電セラミックス
32 板状焼結圧電体
33 細線状焼結圧電体
41 有機高分子のマトリクス
42 接着シート
50 複合シート
51 複合シートユニット
90 音響整合層
91 バッキング材
92 電極
93 送受信回路
94 送信部
95 受信部
96 コントロール部
97 画像構成部
98 画像表示装置
100 超音波探触子
101 超音波診断装置本体

Claims (27)

  1. 樹脂層の表面に細線状焼結圧電体が複数本一定の方向に配列した複合シートが、前記各細線状焼結圧電体が前記樹脂層の間になるように複数枚積層されかつ一体化され、前記細線状焼結圧電体の長さ方向と直行する方向に切断されていることを特徴とする複合圧電体。
  2. 前記複合シートが、2つの樹脂層と、前記両樹脂層の間に、一定の方向に配列して挟持された複数本の細線状焼結圧電体とで構成される請求項1に記載の複合圧電体。
  3. 前記各細線状焼結圧電体との間に、含浸硬化樹脂部が存在する請求項1または請求項2に記載の複合圧電体。
  4. 前記樹脂層が複数の樹脂層からなる請求項1〜3のいずれかに記載の複合圧電体。
  5. 前記各細線状焼結圧電体の1本の大きさが、平均一辺が10〜500μmの範囲であり、長さが0.05〜3mmの範囲の多角柱体である請求項1〜4のいずれかに記載の複合圧電体。
  6. 前記多角柱体が、台形角柱体である請求項5に記載の複合圧電体。
  7. 前記樹脂層の一表面に配列している細線状焼結圧電体の数が10〜3000本の範囲である請求項1〜6のいずれかに記載の複合圧電体。
  8. 積層されている樹脂層が、20〜1500枚の範囲である請求項1〜7のいずれかに記載の複合圧電体。
  9. 複合圧電体の中に一定の方向に配列している細線状焼結圧電体の本数が、200〜4,500,000本の範囲である請求項1〜8のいずれかに記載の複合圧電体。
  10. 切断面がさらに研磨されている請求項1〜9のいずれかに記載の複合圧電体。
  11. 前記細線状焼結圧電体は、長さ方向に切断面を有する請求項1〜10のいずれかに記載の複合圧電体。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の複合圧電体の両面に電極を形成し、音響整合層とバッキング材との間に存在させ、前記電極の一方を接地とし、他方の電極を駆動電極として送受信回路に接続したことを特徴とする超音波診断装置用超音波探触子。
  13. 請求項12に記載の超音波診断装置用超音波探触子を、前記両面電極から引き出された線にぞれぞれ接続する送信部及び受信部と、前記送信部及び受信部に接続するコントロール部と、前記受信部及びコントロール部に接続する画像構成部と、前記画像構成部に接続する画像表示装置を含む超音波診断装置本体に接続したことを特徴とする超音波診断装置。
  14. 請求項1〜11のいずれかに記載の複合圧電体を製造する方法であって、
    (a)複数の溝を有する成形基材を準備し、
    (b)前記溝に圧電粉体とバインダーとを含むペーストを塗布した後、乾燥し、加熱して、塗布膜からバインダーを除去し、
    (c)さらに高温に加熱して前記圧電粉体を焼結させ細線状焼結圧電体に形成し、
    (d)前記細線状焼結体に樹脂層を接着させて、前記成形基材から前記細線状焼結圧電体を剥離して、前記樹脂層の一表面に前記細線状焼結圧電体が複数本一定の方向に配列した単位複合シートを形成し、
    (e)複数枚の前記単位複合シートを前記各細線状焼結圧電体が前記樹脂層の間になるように積層し、
    (f)積層した複数枚の前記単位複合シートを一体化することを特徴とする複合圧電体の製造方法。
  15. 複数の溝を有する成形基材の溝の表面に保護層を形成した請求項14に記載の複合圧電体の製造方法。
  16. 複数の溝を有する成形基材の溝以外の表面に剥離層を形成した請求項14または15に記載の複合圧電体の製造方法。
  17. 請求項1〜11のいずれかに記載の複合圧電体を製造する方法であって、
    (a)厚みが10〜500μmの範囲である板状焼結圧電体を準備し、
    (b)前記板状焼結圧電体に樹脂層を形成し、
    (c)前記樹脂層を具備した前記板状焼結圧電体に対し、前記樹脂層を完全に分断せずに平行な切溝を複数本形成することで前記板状焼結圧電体を切断して複数本の細線状焼結圧電体とし、
    (d)前記(a)〜(c)の操作を複数回繰り返すことにより前記樹脂層の一表面に前記細線状焼結圧電体が複数本一定の方向に配列した単位複合シートを複数枚形成し、
    (e)複数枚の前記単位複合シートを前記各細線状焼結圧電体が前記樹脂層の間になるように積層し、
    (f)積層した複数枚の前記単位複合シートを一体化することを特徴とする複合圧電体の製造方法。
  18. 前記(c)工程における平行な切溝を複数本形成する手段が、サンドブラスト法及びダイシング法から選ばれる少なくとも一つの方法である請求項17に記載の複合圧電体の製造方法。
  19. 請求項1〜11のいずれかに記載の複合圧電体を製造する方法であって、
    (a)厚みが10〜500μmの範囲である板状焼結圧電体を準備し、
    (b)前記板状焼結圧電体を、接着シートにより基材に仮固定し、
    (c)前記板状焼結圧電体に対し、平行な切溝を複数本形成することで前記板状焼結圧電体を切断して複数本の細線状焼結圧電体とし、
    (d)基材に仮固定された複数本の前記細線状焼結圧電体を、樹脂シートに転写し、
    (e)前記(a)〜(d)の操作を複数回繰り返すことにより前記樹脂層の一表面に前記細線状焼結圧電体が複数本一定の方向に配列した単位複合シートを複数枚形成し、
    (f)複数枚の前記単位複合シートを前記各細線状焼結圧電体が前記樹脂層の間になるように積層し、
    (g)積層した複数枚の前記単位複合シートを一体化することを特徴とする複合圧電体の製造方法。
  20. 請求項1〜11のいずれかに記載の複合圧電体を製造する方法であって、
    (a)樹脂層の表面に細線状焼結圧電体を複数本一定の方向に配列し、細線状焼結圧電体上に樹脂シートを配置し、
    (b)細線状焼結圧電体が、前記樹脂層と前記樹脂シートに挟持され、前記細線状焼結圧電体の間の溝内に前記樹脂シートの樹脂が変形して充填されるように圧縮して一体化し、単位複合シートを形成し、
    (c)前記(a)〜(b)の操作を複数回繰り返すことにより前記樹脂層と樹脂シートとの間に、一定の方向に配列して挟持された複数本の細線状焼結圧電体とで構成される単位複合シートを複数形成し、
    (d)複数枚の前記単位複合シートを前記各細線状焼結圧電体が平行になるように積層し、
    (e)積層した複数枚の前記単位複合シートを一体化することを特徴とする複合圧電体の製造方法。
  21. 請求項1〜11のいずれかに記載の複合圧電体を製造する方法であって、
    (a)樹脂層の表面に細線状焼結圧電体を複数本一定の方向に配列したものを二枚準備し、
    (b)一方の樹脂層上に配列された細線状焼結圧電体が、他方の樹脂層上に配列された細線状焼結圧電体の間に配置されるように対向させ一体化して単位複合シートとし、
    (c)前記(a)〜(b)の操作を複数回繰り返すことにより前記両樹脂層の間に、一定の方向に配列して挟持された複数本の細線状焼結圧電体とで構成される単位複合シートを複数形成し、
    (d)複数枚の前記単位複合シートを前記各細線状焼結圧電体が平行になるように積層し、
    (e)積層した複数枚の前記単位複合シートを一体化することを特徴とする複合圧電体の製造方法。
  22. 複数枚の前記単位複合シートを積層して一体化させた後の空隙に樹脂を含浸させ硬化させる請求項14〜21のいずれかに記載の複合圧電体の製造方法。
  23. 前記細線状焼結圧電体の長さ方向と直行する方向に切断し、複数個の複合圧電体とする請求項14〜22のいずれかに記載の複合圧電体の製造方法。
  24. 前記複合圧電体を、前記複合圧電体中の前記細線状焼結圧電体の長さ方向と直行する面で研磨する請求項14〜23のいずれかに記載の複合圧電体の製造方法。
  25. 複数枚の単位複合シートを積層する際に、前記各単位複合シート間に接着樹脂シートを挟んで積層する請求項14〜24のいずれかに記載の複合圧電体の製造方法。
  26. 前記単位複合シートを積層する前に、前記単位複合シート中の樹脂層の少なくとも一部に接着層を塗布形成する請求項14〜25のいずれかに記載の複合圧電体の製造方法。
  27. 複数枚の前記単位複合シートを一体化させる方法が、個々の単位複合シート間に樹脂を含浸させ硬化させる方法である請求項14〜24のいずれかに記載の複合圧電体の製造方法。
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